JP2002071740A - 波形伝送による地絡検出システム - Google Patents
波形伝送による地絡検出システムInfo
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Abstract
トで行う。 【解決手段】 配電線の零相電圧および零相電流を検出
し、該零相電圧と零相電流の少なくとも一方が予め設定
された地絡検出閾値を越えた時点を含む所定時間におけ
る零相電圧と零相電流の波形データを時刻と共に地絡デ
ータとしてメモリ18に記録し、該記録された地絡デー
タをセンター装置1又は6へ伝送する地絡検出装置5
と、該地絡検出装置から伝送される地絡データから零相
電圧と零相電流の位相差を算出し、地絡方向を判定する
センター装置とから成っている。
Description
出する地絡検出システムの改良に関するものである。
た複数の地絡検出装置から情報を収集して、地絡事故地
点を特定するシステムである。図5に示されるように、
地絡検出システムが導入されていない場合は、変電所3
1の計器によって配電線32の地絡事故33を検知する
ことができるが、事故地点を特定するためには配電線3
2の全区域を巡視範囲34として巡視しなければならな
い。
検出装置35,36を配電線32の所々に設置して、地
絡検出システムを導入すれば、巡視区間34が限定さ
れ、原因個所発見までの時間短縮になると共に、巡視に
必要な人数が少なくても済むというシステム導入効果が
ある。
地点特定方法を説明する。地絡検出装置35,36は、
零相電圧V0 および零相電流I0 が入力され、その値が
動作値以上であった場合、地絡事故が発生したとして、
零相電圧V0 と零相電流I0の位相差を算出する。零相
電流I0 の位相が零相電圧V0 の位相より遅れていれ
ば、地絡事故が地絡検出装置35,36より電源側(変
電所31側)で発生したと判定し、零相電流I0 の位相
が零相電圧V0 の位相より進んでいれば、地絡事故が地
絡検出装置35,36より負荷側(末端側)で発生した
と判定する。不図示のセンター装置は、何らかの通信手
段により、地絡検出装置35,36から地絡事故の方向
別情報を収集する。地絡検出装置35は負荷側の方向で
地絡事故発生と判定し、地絡検出装置36は電源側の方
向で地絡発生と判定しているので、地絡事故地点は地絡
検出装置35と36の間であると特定される。(センタ
ー装置と地絡検出装置間の通信手段がない場合は、地絡
検出装置に表示機能を持たせ、方向判別表示を確認しな
がら巡視を行う方法もある。)
地絡事故発生時の零相電圧V0 および零相電流I0 の波
形例を示し、図8は樹木接触による地絡事故発生時の零
相電圧V0 および零相電流I0 の波形例を示し、図9は
碍子不良による地絡事故発生時の零相電圧V0 および零
相電流I0 の波形例を示す。
絡原因によって異なる特徴を示し、地絡原因によっては
非常に歪んだ波形になることがある。また、間欠波形に
なったり、放電現象による巨大なインパルス性の波形を
含むものもある。このような波形から単純な処理によっ
て位相差を算出して地絡方向判定を行うと、誤判定をし
てしまう可能性がある。地絡方向判定を確実に行うため
には、高精度な信号処理が必要となり、そのため、地絡
検出装置がコスト高になってしまうという問題があっ
た。
地点の特定を確実に行うことができる低コストの地絡検
出システムを提供することである。
に、請求項1記載の本発明は、配電線の零相電圧および
零相電流を検出し、該零相電圧と零相電流の少なくとも
一方が予め設定された地絡検出閾値を越えた時点を含む
所定時間における零相電圧と零相電流の波形データを時
刻と共に地絡データとして記録し、該記録された地絡デ
ータをセンター装置へ伝送する地絡検出装置と、該地絡
検出装置から伝送される地絡データから零相電圧と零相
電流の位相差を算出し、地絡方向を判定するセンター装
置とから成る、波形伝送による地絡検出システムとする
ものである。
検出装置が、停電を検出する停電検出手段を有し、停電
の有無に応じて、その時の前記地絡データを別々のメモ
リ領域に記録するように動作する請求項1に記載の、波
形伝送による地絡検出システムとするものである。
ンター装置が、前記所定時間における零相電圧と零相電
流の波形データを複数の区間に分割し、零相電圧と零相
電流の商用周波数成分の合計が最も大きい区間の波形デ
ータから零相電圧と零相電流の位相差を算出し、地絡方
向を判定するように動作する請求項1に記載の、波形伝
送による地絡検出システムとするものである。
る地絡検出システムの構成を示すものである。
2またはISDNターミナルアダプタ、PHS公衆網
3、セルステーション4を介して、地絡検出装置5との
無線通信を行う。また、地絡検出装置5の設置個所にお
いては、ノート型パソコンとそれに装着できるカード型
PHSから成る可搬型のセンター装置6がPHSカード
モデム7を介して、PHSトランシーバモードにより、
地絡検出装置5との無線通信を行うこともできる。な
お、PHSは第二世代コードレス電話システム(PER
SONAL HANDY PHONE SYSTEM)
のことである。
る零相電圧検出器8、零相電流I0を検出する零相変流
器9、零相電圧V0 値と零相電流I0 値をデジタル化す
るA/D変換器10,11、配電線12から変圧器13
を介して電源を入力する電源回路14、配電線12の停
電を検出する停電検出回路15、停電でも通信可能とす
るための2次電池16、CPUなどの制御部17、RA
Mなどのメモリ18、時計19およびPHSモデム20
から構成される。
すブロック図である。地絡検出装置5は、零相電圧V0
と零相電流I0 を商用周波数の整数倍でサンプリングす
る。(本実施形態でのサンプリング周波数は商用周波6
0HZ の64倍。)サンプリングした零相電圧V0 と零
相電流I0 を常時監視して、その1サイクル分が予め設
定された地絡動作値(地絡検出閾値:センター装置1ま
たは6からの指令により設定可能)を超えた場合に、地
絡データ収集条件判定を行う。地絡データ収集条件判定
においては、零相電圧V0 と零相電流I0 のANDある
いはORの条件(センター装置1または6からの指令に
より設定可能)を満たしている場合に地絡が発生したと
認識して、地絡データの収集動作を行う。記録する零相
電圧V0と零相電流I0 の地絡波形データは、一時的に
保持していたとして地絡発生を認識した時点の1サイク
ルより前の4サイクル(プリトリガ部分)と、地絡発生
を認識した時点の1サイクルを含むそれ以降の12サイ
クルからなる合計16サイクルを1レコードとして記録
される。16サイクルの地絡波形レコードをメモリ18
に格納するときには、地絡動作値、収集条件、および時
刻を地絡波形レコードとともに記憶する。また、停電検
出回路15により電源電圧(電源回路14の出力)を監
視して停電の有無を判定し、停電有りであれば、停電有
りのメモリ領域に格納し、停電がなければ、停電無しの
メモリ領域に格納する。地絡検出動作はこれらの繰り返
しである。プリトリガ部分を記録するのは、地絡原因の
顕著な兆候が現れる地絡発生の過渡的な状況を記録して
地絡原因推定に活用するためである。
故に到らない微地絡がある。微地絡は、零相電圧検出器
8や零相変流器9のアンバランスなどの要因によって検
出されるようなものもあるが、停電を伴う地絡に発展す
る可能性のあるものもある。微地絡はかなりの頻度で発
生するが、地絡検出装置5では微地絡でも検出し、記録
することができるような地絡動作値が設定される場合も
ある。地絡データをメモリ18に格納するときに、メモ
リ18の容量には限りがあるので、データでメモリ18
の容量が埋まってしまった状態で、新たなデータを格納
するには、古いデータから順に上書きしていくことにな
る。メモリ領域を区切らないと、微地絡データが常に発
生しているような場合、停電を伴う重要な地絡データが
すぐに上書きされてしまう可能性がある。これを防ぐた
めに、停電の有無によってメモリ領域を区切っている。
本実施形態では停電有りは32レコード、停電無しは9
6レコードまで記録することとしている。
事故に対して、連続した複数の地絡波形レコードが生成
されることになる。データ収集したセンター装置1(ま
たは6)が連続しているレコードかどうかを判別できる
ようにするために、地絡波形レコードに記録する時刻の
最小単位は商用周波1サイクル分としている。また、停
電を伴う地絡においても複数のレコードにまたがる場合
があるが、この場合はレコードを記録する際に最後のレ
コードしか停電ありと判定されない。本実施形態におい
ては、停電を伴う地絡波形レコードを記録するときに、
すでに停電なしとして格納された地絡波形レコードが、
これから格納しようとしている停電有りのレコードに連
続しているレコードがあるかどうかをチェックし、連続
しているレコードがあった場合には、最大8レコードま
で遡って停電有りのレコードに移動することとしてい
る。
地絡事故により配電線12の遮断器が動作して停電にな
る部分、および停電後の地絡波形が現れない部分も含ま
れている。地絡方向判定および地絡現象の把握のために
は、その前の停電に至るまでの波形がより重要である。
ンター装置1からの呼出に応じて回線を接続し、センタ
ー装置1からの指令により地絡データを伝送する。セン
ター装置1との通信中においても地絡検出動作は継続し
て行われる。なお、地絡検出装置5にはA/D変換用の
アンチエイリアシングフィルタ以外のフィルタはない。
センター装置1に伝送される地絡波形は、ほぼ零相電圧
変流器8および零相変流器9から入力される地絡波形そ
のままである。
れた地絡検出装置5に対してデータ収集を行っている
が、停電があったことが変電所の計器により判明したと
きには、人手でセンター装置1を操作してデータ収集が
実行される。センター装置1は、地絡検出装置5から地
絡データを収集し、零相電圧V0 と零相電流I0 の位相
差を算出する。そして、同じ配電線路に設置されている
他の地絡検出装置の地絡データ、同じ時刻の地絡データ
などのデータ整理を行い、地絡事故地点を特定する。ま
た、地絡検出装置5から収集した零相電圧V0 と零相電
流I0 の波形の表示、その周波数分析結果の表示も行う
ことができる。
からの地絡データ収集において、地絡検出装置5の時計
19の現在時刻を読み込み、センター装置1自体の時計
の現在時刻との差を算出する。そして地絡波形レコード
を収集して、レコード内の時刻をセンター装置1と地絡
検出装置5の時計の差をもとに補正する。地絡事故地点
を狭い範囲で特定するためには複数の地絡検出装置から
同時刻に発生した地絡データから複数の方向判定をつき
合わせる必要がある。同じ時刻の波形データであること
を検索するためには、各々の地絡検出装置の時刻はより
正確である必要があったが、本実施形態では、センター
装置1が補正してしまうので、地絡検出装置間の厳密な
時刻合わせは必要ない。また、地絡検出装置5の時計1
9にはカレンダー機能は不要となり、地絡検出装置5の
低コスト化が図れる。
相電圧V0 と零相電流I0 の地絡波形データから、その
位相差を算出して方向判別を行う。位相差の算出には高
精度の信号処理であるFFT処理(高速フーリエ変換処
理)を採用している。FFT処理において、商用周波数
成分のみを抽出するので、理想的なフィルタ処理を行う
ことができる。零相電圧V0 と零相電流I0 の商用周波
数成分はFFT処理によって、それぞれ複素数の式1、
式2のような形で算出される。位相差は式3の演算で求
められる。
いて、放電現象による巨大なインパルス性の波形を含ん
でいたり、波形データの後半で地絡波形が消滅してしま
ったり、1レコードの中で間欠的な振る舞いをしたりす
る場合がある。このような場合でも地絡方向の誤判定が
ないように、センター装置1は、所定時間(前記16サ
イクル)における零相電圧と零相電流の波形データを複
数の区間に分割し、零相電圧と零相電流の商用周波数成
分の合計が最も大きい区間の波形データから零相電圧と
零相電流の位相差を算出し、地絡方向を判定している。
より具体的な地絡方向判定動作を図3のフローチャート
により説明する。
地絡波形データ16サイクルを8つの区間に分割し、ス
テップ2にてそれぞれFFT処理をし、ステップ3にて
処理結果より区間別の零相電圧V0 と零相電流I0 の商
用周波数成分を算出する。ステップ4では,区間の
プリトリガ部分を除いた〜区間のうち、零相電圧V
0 と零相電流I0 の商用周波数成分の合計が最も大きい
区間を検索する。そして、ステップ5では検索された区
間の零相電圧V0 と零相電流I0 の商用周波数成分が
,区間のプリトリガ部分の商用周波数成分以上であ
るか否かを判定し、以上であればステップ6に進み、否
であればステップ7に進んで地絡方向判定不能として処
理する。ステップ6では検索区間の零相電圧V0 と零相
電流I0 の商用周波数成分がそれぞれ予め設定された地
絡動作値(地絡検出閾値)以上であるか否かを判定し、
以上であればステップ8に進み、否であればステップ7
に進んで地絡方向判定不能として処理する。ステップ8
では式3により検索区間の零相電圧V0 と零相電流I0
の位相差を算出する。ステップ9では算出された位相差
が進みか遅れかを判定し、遅れであればステップ10で
地絡方向が電源側であると判定し、進みであればステッ
プ11で地絡方向が負荷側であると判定する。
位相差を算出し、地絡方向を判定することによって、地
絡検出装置5から位相差算出および地絡方向判定の機能
を省略するようしているから、低コスト化を図ることが
できる。また、センター装置1で集中的に位相差算出お
よび地絡方向判定を行うようにしているから、地絡事故
地点の特定を確実に行うことができる。また、センター
装置1で地絡波形を観察することによって、地絡原因の
推定をすることができる。
6を使用した場合には、巡視員がセンター装置6を携帯
して地絡検出装置5との無線通信を行うことによって、
地絡方向を知ることができる。したがって、地絡検出装
置5には従来のような地絡方向表示機能も不要となり、
より低コスト化を図ることができる。
の通信は、PHSによる無線通信には限らず、他の手段
による無線通信や有線通信であっても良い。
発明によれば、センター装置で集中的に位相差を算出
し、地絡方向を判定することによって、地絡検出装置か
ら位相差算出および地絡方向判定の機能を省略するよう
したから、低コスト化を図ることができる。また、セン
ター装置で集中的に位相差算出および地絡方向判定を行
うようにしたから、地絡事故地点の特定を確実に行うこ
とができる。また、センター装置で地絡波形を観察する
ことによって、地絡原因の推定をすることができる。
電を伴う重要な地絡データの記録が停電を伴わない地絡
データの上書き記録によって消失するのを防ぐことがで
きる。
誤判定を防止することができる。
の構成を示す図である。
ある。
フローチャートである。
の巡視範囲を示す図である。
巡視範囲を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 配電線の零相電圧および零相電流を検出
し、該零相電圧と零相電流の少なくとも一方が予め設定
された地絡検出閾値を越えた時点を含む所定時間におけ
る零相電圧と零相電流の波形データを時刻と共に地絡デ
ータとして記録し、該記録された地絡データをセンター
装置へ伝送する地絡検出装置と、該地絡検出装置から伝
送される地絡データから零相電圧と零相電流の位相差を
算出し、地絡方向を判定するセンター装置とから成る、
波形伝送による地絡検出システム。 - 【請求項2】 前記地絡検出装置は、停電を検出する停
電検出手段を有し、停電の有無に応じて、その時の前記
地絡データを別々のメモリ領域に記録するように動作す
る請求項1に記載の、波形伝送による地絡検出システ
ム。 - 【請求項3】 前記センター装置は、前記所定時間にお
ける零相電圧と零相電流の波形データを複数の区間に分
割し、零相電圧と零相電流の商用周波数成分の合計が最
も大きい区間の波形データから零相電圧と零相電流の位
相差を算出し、地絡方向を判定するように動作する請求
項1に記載の、波形伝送による地絡検出システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000260564A JP4025495B2 (ja) | 2000-08-30 | 2000-08-30 | 波形伝送による地絡検出システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000260564A JP4025495B2 (ja) | 2000-08-30 | 2000-08-30 | 波形伝送による地絡検出システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002071740A true JP2002071740A (ja) | 2002-03-12 |
JP4025495B2 JP4025495B2 (ja) | 2007-12-19 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
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- 2000-08-30 JP JP2000260564A patent/JP4025495B2/ja not_active Expired - Lifetime
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