JP7444363B2 - 2-(2-オキソ-4-置換ピペラジニル)シクロアルキルカルバメート化合物又はその塩、当該化合物を用いる鏡像異性体の分析方法 - Google Patents

2-(2-オキソ-4-置換ピペラジニル)シクロアルキルカルバメート化合物又はその塩、当該化合物を用いる鏡像異性体の分析方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7444363B2
JP7444363B2 JP2021103757A JP2021103757A JP7444363B2 JP 7444363 B2 JP7444363 B2 JP 7444363B2 JP 2021103757 A JP2021103757 A JP 2021103757A JP 2021103757 A JP2021103757 A JP 2021103757A JP 7444363 B2 JP7444363 B2 JP 7444363B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
derivative
eic
amino acid
compound
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021103757A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023002911A (ja
Inventor
俊 佐藤
一謹 佐々木
秀紀 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Human Metabolome Technologies Inc
University Public Corporation Osaka
Original Assignee
Human Metabolome Technologies Inc
University Public Corporation Osaka
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Human Metabolome Technologies Inc, University Public Corporation Osaka filed Critical Human Metabolome Technologies Inc
Priority to JP2021103757A priority Critical patent/JP7444363B2/ja
Publication of JP2023002911A publication Critical patent/JP2023002911A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7444363B2 publication Critical patent/JP7444363B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Description

本発明は、2-(2-オキソ-4-置換ピペラジニル)シクロアルキルカルバメート化合物又はその塩、及び鏡像異性体の分析方法に関する。
生体内には様々なキラル化合物が存在しており、それらの鏡像異性体の一方と他方とで生体内での機能が異なることが多々ある。従って、鏡像異性体を区別するキラル分析技術が求められている。
例えば、生体内のアミノ酸は通常L体と考えられていたが、近年の分析技術の進展に伴い、微生物、植物を始め、哺乳動物にも様々なD-アミノ酸が少なからず存在していることが明らかになった。D-アミノ酸はL-アミノ酸とは異なる機能を有し、新しい生理活性物質として診断マーカや創薬ターゲットとして注目されていると共に、様々なD-アミノ酸に関する基礎応用両面の総合的研究も進展しつつある。そこで、タンパク構成アミノ酸をはじめとする、D,L-アミノ酸の効率的な一斉分析法が求められている。しかし、鏡像異性体は生理活性等が異なっていても、旋光性(±)以外の物理的性質等は同等であるため、複数のキラル化合物の鏡像異性体を同一分析条件で一斉に分離・検出して識別することは容易ではない。
かかる状況において、二次元HPLC法(特許文献1、非特許文献1)、非誘導体化LC-MS/MS法(非特許文献2)等、様々なD,L-アミノ酸の分析法の研究が進められている。また、酵素法においては迅速な分析を期待出来るが、一般に複数の各D-アミノ酸を一斉分析するには適していない。二次元HPLC法は、アミノ酸の蛍光誘導体を逆相カラムと光学分割カラムを連結した二次元HPLCで分離して蛍光検出する方法であり、従来より広く知られている。しかしかかる方法は、蛍光検出であるため選択性が低く、長い分析時間を要することが課題点となっている。また、アミノ酸を誘導体化せずに光学分割カラムでキラル分離するLC-MS/MS法は、プロリン以外の微量D-アミノ酸を短時間で一斉に分離・検出できるもののマトリックス効果や生体試料由来の夾雑成分の妨害を受けやすく、感度不足となるケースが懸念される。
また、鏡像異性体の関係にあるアミノ酸をキラル誘導体化試薬と反応させ、ジアステレオマーの関係にある誘導体に変換することで(キラルでないカラムの)LC-MS/MS法で分離・検出するキラル誘導体化法(特許文献2、非特許文献3)も知られている。かかる方法は、誘導体化による高感度化、さらに夾雑成分の分離・影響緩和やジアステレオマーの関係にある各誘導体の一斉分離に有利である。キラル誘導体化法において、タンパク構成アミノ酸を一斉にキラル分離し検出することを可能にする優れたキラル誘導体化試薬は数えるほどの報告例があるにすぎない。かかる方法においても、D-スレオニンとD-アロスレオニンのような立体異性体の各誘導体においては構造差異が現れにくく、分離は困難である。このような立体異性体の誘導体も分離出来ることが理想的であり改善の余地はある。また、微量のサンプル注入量で測定可能な通常のキャピラリー電気泳動(CE)で分析するには、疎水性構造の大きな誘導体化試薬及びその誘導体の水溶性が十分ではなく、キラル分離に関しても困難であると思われる。よって、D-スレオニンとD-アロスレオニンのような異性体の誘導体の分離・検出も可能にし、キャピラリー電気泳動(CE)によるキラル分析にも適応可能な新たなキラル誘導体化試薬の開発が望まれている。
特許第4291628号公報 WO2017/057433 A1パンフレット
Hamase K., Morikawa A., Ohgusu T., Lindner W., Zaitsu K. Comprehensive analysis of branched aliphatic d-amino acids in mammals using an integrated multi-loop two-dimensional column-switching high-performance liquid chromatographic system combining reversed-phase and enantioselective columns, Journal of Chromatography A 1143, 105-111 (2007). Nakano Y., Konya Y., Taniguchi M., Fukusaki E. Development of a liquid chromatography-tandem mass spectrometry method for quantitative analysis of trace D-amino acids, Journal of Bioscience and Bioengineering 123, 134-138 (2017). Harada M., Karakaea S., Yamada N., Miyano H., Shimbo K. Biaryl axially chiral derivatizing agent for simultaneous separation and sensitive detection of proteinogenic amino acid enantiomers using liquid chromatography-tandem mass spectrometry, Journal of Chromatography A1593, 91-101 (2019). Gray D., Gallagher T. A Flexible Strategy for the Synthesis of Tri‐ and Tetracyclic Lupin Alkaloids: Synthesis of (+)‐Cytisine, (±)‐Anagyrine, and (±)‐Thermopsine, Angewandte Chemie International Edition 45, 2419-2423 (2006). Devine W. D., Diaz-Gonzalez R., Ceballos-Perez G., Rojas D., Satoh T., Tear W., Ranade R. M., Barros-ine, (±)‐Anagyrine, and (±)‐Thermopsinedetection of proteinogenic a. From Cells to Mice to Target: Characterization of NEU-1053 (SB-443342) and Its Analogues for Treatment of Human African Trypanosomiasis, ACS infectious diseases 3, 225-236 (2017).
本発明は、鏡像異性体の一斉分析をすることができる新たな分析方法を提供することを課題とする。
かかる状況の下、本発明者らは、鋭意検討した結果、下記一般式(I)で表される化合物又はその塩を用いることにより、かかる課題を解決し得ることを見出した。従って、本発明は以下の項を提供する:
項1.一般式(I)で表される化合物又はその塩:
[式中、Rは求核性化合物と反応する基を示す。Rはアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又は二環式炭化水素基を示す。mは1~2の自然数を示す。nは1又は2を示す。nが2の場合、2つのRは共にメチル基を示す。
は、
を示す。
は、
を示す。]
項2.Rがアルキル基である、項1に記載の化合物又はその塩。
項3.mが2である、項1に記載の化合物又はその塩。
項4.被検体試料に項1~3のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を添加して、当該被検体試料が互いに鏡像異性体である化合物の対、又は該鏡像異性体のうち一方の化合物を含む場合に、該鏡像異性体の対又はその一方の化合物と項1~3のいずれか一項に記載の化合物又はその塩とを反応させて誘導体混合物を生成する工程、及び
該誘導体を分離し検出する工程
を含む、鏡像異性体の分析方法。
項5.互いに鏡像異性体である化合物の対がL-アミノ酸とD-アミノ酸である、項4に記載の方法。
本発明によれば、鏡像異性体の一斉分析をすることができる新たな分析方法を提供することができる。鏡像異性体の対を一斉分析により同時に検出できるため、サンプル中の鏡像異性体を効率的に分析できる。
合成例1における、1R,2R-6のX線結晶構造解析結果を示す。 実施例1における、1R,2R-3及び1S,2S-3の光学純度の分析結果を示す。 実施例2における、1R,2R-NHS1及び1S,2S-NHS1の光学純度の分析結果を示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したDL-Glu誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したDL-Pro誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したDL-Met誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したDL-Tyr誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したDL-Phe誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したDL-His誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したDL-Trp誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したDL-Gln誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したL-Glu誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したL-Pro誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したL-Met誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したL-Tyr誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したL-Phe誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したL-His誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したL-Trp誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したL-Gln誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したDL-Ser誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したDL-Pro誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したDL-Ala誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したDL-Val誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したDL-Tyr誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したDL-Phe誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したDL-Arg誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したDL-Trp誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したL-Ser誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したL-Pro誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したL-Ala誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したL-Val誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したL-Tyr誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したL-Phe誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したL-Arg誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したL-Trp誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したDL-Pro誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したDL-Ala誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したDL-Met誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したDL-Tyr誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したDL-Phe誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したDL-His誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したDL-Trp誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したL-Pro誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したL-Ala誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したL-Met誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したL-Tyr誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したL-Phe誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したL-His誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したL-Trp誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したDL-Ser誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したDL-Pro誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したDL-Ala誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したDL-Tyr誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したDL-Phe誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したDL-His誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したDL-Trp誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したL-Ser誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したL-Pro誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したL-Ala誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したL-Tyr誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したL-Phe誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したL-His誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したL-Trp誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1によるアミノ酸ブランクサンプル中副生成物のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1のDL-アミノ酸誘導体サンプルのTIC、及びGly誘導体, NH3誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したDL-アミノ酸(Asn, Asp, Gln, Glu, His, Arg)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したDL-アミノ酸(Ser, Thr, allo-Thr, Ala, Pro, Val, Met)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したDL-アミノ酸(Leu, Ile, allo-Ile, Trp, Tyr, Phe, Lys, Cystine)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1のL-アミノ酸誘導体サンプルのTIC、及びGly誘導体, NH3誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したL-アミノ酸(Asn, Asp, Gln, Glu, His, Arg)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したL-アミノ酸(Ser, Thr, allo-Thr, Ala, Pro, Val, Met)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1により生成したL-アミノ酸(Leu, Ile, allo-Ile, Trp, Tyr, Phe, Lys, Cystine)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1のアミノ酸誘導体サンプル(1)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1のアミノ酸誘導体サンプル(2)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1S,2R-NHS1のアミノ酸誘導体サンプル(3)の各誘導体のEIC示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1によるアミノ酸ブランクサンプル中副生成物のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1のDL-アミノ酸誘導体サンプルのTIC、及びGly誘導体, NH3誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したDL-アミノ酸(Asn, Asp, Gln, Glu, His, Arg)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したDL-アミノ酸(Ser, Thr, allo-Thr, Ala, Pro, Val, Met)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したDL-アミノ酸(Leu, Ile, allo-Ile, Trp, Tyr, Phe, Lys, Cystine)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1のL-アミノ酸誘導体サンプルのTIC、及びGly誘導体, NH3誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したL-アミノ酸(Asn, Asp, Gln, Glu, His, Arg)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したL-アミノ酸(Ser, Thr, allo-Thr, Ala, Pro, Val, Met)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1により生成したL-アミノ酸(Leu, Ile, allo-Ile, Trp, Tyr, Phe, Lys, Cystine)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1のアミノ酸誘導体サンプル(1)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1のアミノ酸誘導体サンプル(2)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1のアミノ酸誘導体サンプル(3)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2によるアミノ酸ブランクサンプル中副生成物のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2のDL-アミノ酸誘導体サンプルのTIC、及びGly誘導体, NH3誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したDL-アミノ酸(Asn, Asp, Gln, Glu, His, Arg)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したDL-アミノ酸(Ser, Thr, allo-Thr, Ala, Pro, Val, Met)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したDL-アミノ酸(Leu, Ile, allo-Ile, Trp, Tyr, Phe, Lys, Cystine)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2のL-アミノ酸誘導体サンプルのTIC、及びGly誘導体, NH3誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したL-アミノ酸(Asn, Asp, Gln, Glu, His, Arg)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したL-アミノ酸(Ser, Thr, allo-Thr, Ala, Pro, Val, Met)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2により生成したL-アミノ酸(Leu, Ile, allo-Ile, Trp, Tyr, Phe, Lys, Cystine)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2のアミノ酸誘導体サンプル(1)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2のアミノ酸誘導体サンプル(2)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2S-NHS2のアミノ酸誘導体サンプル(3)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2によるアミノ酸ブランクサンプル中副生成物のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2のDL-アミノ酸誘導体サンプルのTIC、及びGly誘導体, NH3誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したDL-アミノ酸(Asn, Asp, Gln, Glu, His, Arg)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したDL-アミノ酸(Ser, Thr, allo-Thr, Ala, Pro, Val, Met)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したDL-アミノ酸(Leu, Ile, allo-Ile, Trp, Tyr, Phe, Lys, Cystine)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2のL-アミノ酸誘導体サンプルのTIC、及びGly誘導体, NH3誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したL-アミノ酸(Asn, Asp, Gln, Glu, His, Arg)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したL-アミノ酸(Ser, Thr, allo-Thr, Ala, Pro, Val, Met)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2により生成したL-アミノ酸(Leu, Ile, allo-Ile, Trp, Tyr, Phe, Lys, Cystine)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2のアミノ酸誘導体サンプル(1)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2のアミノ酸誘導体サンプル(2)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS2のアミノ酸誘導体サンプル(3)の各誘導体のEICを示す。 実施例3における、1R,2R-NHS1のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Asp誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Thr誘導体, DL-allo-Thr誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Ser誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Glu誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Pro誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、Gly誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Ala誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Cystine誘導体, meso-Cystine誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Val誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Met誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Leu誘導体, DL-Ile誘導体, DL-allo-Ile誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Tyr誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Phe誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Lys誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-His誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、NH3誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Arg誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Trp誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Asn誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Gln誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、1R,2R-NPh1のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Asp誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Thr誘導体, DL-allo-Thr誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Ser誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Glu誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Pro誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、Gly誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Ala誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Cystine誘導体, meso-Cystine誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Val誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Met誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Leu誘導体, DL-Ile誘導体, DL-allo-Ile誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Tyr誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Phe誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Lys誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-His誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、NH3誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Arg誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Trp誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Asn誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。 実施例3における、DL-Gln誘導体のEIC, MSスペクトルを示す。
2-(2-オキソ-4-置換ピペラジニル)シクロアルキルカルバメート化合物又はその塩
本発明は、一般式(I)で表される化合物又はその塩:
[式中、Rは求核性化合物と反応する基を示す。Rはアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又は二環式炭化水素基を示す。mは1~2の自然数を示す。nは1又は2を示す。nが2の場合、2つのRは共にメチル基を示す。
は、
を示す。
は、
を示す。]
を提供する。本明細書において、一般式(I)で表される化合物を単に化合物(I)と表すことがある。
前記一般式(1)において示される各基は、具体的には次の通りである:
アルキル基は、直鎖又は分枝鎖状の飽和炭化水素を示し、例えば、炭素数1~10(好ましくは炭素数1~8、より好ましくは炭素数1~6、さらに好ましくは炭素数1~4、さらに好ましくは炭素数1)の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基等を挙げることができる。より具体的には、アルキル基には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル基等が包含される。
シクロアルキル基は、二重結合、三重結合及び橋架け構造を有さない環状の炭化水素基を示し、例えば、炭素数3~7(好ましくは炭素数5~6)のシクロアルキル等を挙げることができる。より具体的には、シクロペンチル、シクロヘキシル基等が包含される。
アリール基としては、例えば、単環式又は二環式の芳香族環基が挙げられ、具体的には、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
アラルキル基は、1個の上記アリール基で置換された上記アルキル基を示し、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、3-フェニルプロピル基、4-フェニルブチル基、5-フェニルペンチル基等が挙げられる。
二環式炭化水素基は、2つの単環式炭化水素が縮合してなる二環式炭化水素から1個の水素が脱離した一価の基を意味し、典型的には、二環式炭化水素基は少なくとも1個(好ましくは1~5個、より好ましくは2~4個)の二重結合を有する。二環式炭化水素基の炭素数は限定されないが、例えば、炭素数7~11、好ましくは炭素数8~10、より好ましくは炭素数9のものが挙げられる。本発明の好ましい実施形態において、二環式炭化水素基としては、ベンゼン環と飽和炭化水素環(例えば、炭素数3~7、好ましくは炭素数4~6、より好ましくは炭素数5の飽和炭化水素環)との縮合環から1個の水素が脱離した一価の基が好ましい。二環式炭化水素基がベンゼン環と飽和炭化水素環との縮合環から1個の水素が脱離した一価の基である場合、一般式(I)におけるオキソピペラジニル基に対し、当該縮合環のうちベンゼン環側ではなく飽和炭化水素環側で結合することが好ましい。二環式炭化水素基としては、例えば、インダニル基(2-インダニル基等)、テトラリン基(1-テトラリン基等)等が挙げられ、インダニル基等が好ましい。
一般式(I)においてRは求核性化合物と反応する基を示す。求核性化合物とは、求核性官能基を有する化合物を示し、典型的には、1級アミン・2級アミン・チオール・アルコキシド・ヒドロキシドのような構造を有する化合物が挙げられる。また、本発明においては、求核性化合物としては不斉炭素等のキラル要素を有するものが好ましい。より具体的には、求核性化合物としては、例えば、アミノ酸(好ましくはαアミノ酸)、オリゴペプチド、アルカロイド、アミノ糖、アミノアルコール、スフィンゴ脂質等が挙げられる。求核性化合物と反応する基としては、上記求核性化合物(例えば、αアミノ酸、より具体的にはDL-アスパラギン等)と反応して、求核置換反応により脱離し得る基が挙げられる。より具体的には、求核性化合物と反応する基としては、電子吸引性置換基を有し、脱離化学種のアニオンの安定性が高い基が挙げられ、より具体的には、例えば、2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシ基、p-ニトロフェニルオキシ基、パーフルオロフェニルオキシ基等が包含される。
nが1を示す場合、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又は二環式炭化水素基を示し、好ましくはアルキル基である。mは1~2の自然数を示し、好ましくは2である。nは1又は2を示す。
一般式(I)において
は、
を示し、
が好ましい。
一般式(I)において
は、
を示す。一般式(I)がトランス型の場合、一般式(I)に含まれるオキソピペラジニル基の配向は
であることが好ましい。一方、一般式(I)がシス型の場合、一般式(I)に含まれるオキソピペラジニル基の配向は
であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物の塩としては、酸付加塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。酸付加塩としては、特に限定されないが、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩等の有機酸塩;グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等の酸性アミノ酸塩等が挙げられる。また、本発明の有効成分である一般式(1)で表される化合物がカチオンすなわち4級アンモニウムである場合、一般式(1)で表される化合物の塩には、ハロゲン化物(ヨウ化物、塩化物等)、等も包含される。
本発明の化合物(I)又はその塩は、後述する鏡像異性体の分析方法等に用いることができる。本発明によれば、一般式(I)で表される構造上の特徴により、試料中に、互いに鏡像異性体である化合物の対、もしくは一方の鏡像異性体のみを含む場合、それらに含まれる鏡像異性体を分離、もしくは識別し、検出することができる。また、本発明によれば、複数のキラル化合物のそれぞれの鏡像異性体の対、もしくは一方の鏡像異性体のみを含む混合物について、それらに含まれる鏡像異性体を同一分析条件で一斉分析することができるため有用である。特に、本発明の化合物(I)又はその塩を用いるキラル誘導体化法は、タンパク構成キラルアミノ酸を液体クロマトグラフィー質量分析法によって一斉にDL分離し検出することが出来る。さらに、従来のキラル誘導体化法では分析が困難であったD,L-スレオニンとD,L-アロスレオニンの4異性体をすべて分離・検出することも出来るため有用である。また、アミノ酸の種類によっては、通常のキャピラリー電気泳動質量分析法によるキラル分析も出来る。
本発明の化合物(I)又はその塩において
の部分が分析対象となる鏡像異性体と反応して結合する反応活性基となる。
また、本発明の化合物(I)又はその塩において
の部分は、光学活性なシクロアルカン構造を有し、キラル分離に有効な空間的に広いキラル環境を提供するキラルセレクターの基盤構造になると考えられる。
また、本発明の化合物(I)又はその塩において、
の部分は、質量分析計を用いる分析において、高いイオン化効率を期待できるため高感度検出に寄与するものと考えられる。
本発明において、一般式(1)で表される化合物のうちtrans-型は、例えば、下記反応式により製造することができるが、当該化合物の製法は以下に限られない。
[式中、R、R mは前記に同じ。
は、
を示す。]
上記反応式において、まず、化合物1と化合物2とを反応させて、化合物3を生成する。当該反応において、化合物1と化合物2との使用割合は特に限定されないが、化合物1が水溶性の場合、例えば、モル比で、1.0:1.0~1.5:1.0、好ましくは1.0:1.0~1.15:1.0、化合物1が非水溶性かつ高沸点の場合、1.0:1.0~1.0:1.5、好ましくは1.0:1.0~1.0:1.15の範囲で適宜設定できる。反応温度も特に限定されないが、例えば、0~50℃、好ましくは25~40℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、2~24時間、好ましくは4~24時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。また、塩基として、トリエチルアミン(EtN),N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)等を用いてもよい。これらの塩基を用いる場合、その量は化合物1よりも多く加える必要があり、例えば、化合物1とのモル比で、1.0:1.1~1.0:2.0、好ましくは1.0:1.1~1.0:1.3の範囲で適宜設定できる。これらの塩基を用いる場合、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
また、上記反応式においては、化合物4と2-Nitrobenzenesulfonyl Chloride(NsCl)とを反応させてノシル基を付加し、化合物5を生成する。当該反応において、化合物4とNsClとの使用割合は特に限定されないが、例えば、モル比で、1.0:1.0~1.0:1.2、好ましくは1.0:1.0~1.0:1.1の範囲で適宜設定できる。反応温度も特に限定されないが、例えば、0~40℃、好ましくは25~40℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、2~24時間、好ましくは4~24時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。また、塩基として、EtN、DIPEA等を用いてもよい。これらの塩基を用いる場合、その量はNsClよりも多く加える必要があり、例えば、1.1~2.0モル当量、好ましくは1.1~1.3モル当量の範囲で適宜設定できる。これらの塩基を用いる場合、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
次に、上記反応式においては、化合物3と化合物5とを反応させて化合物6を生成する。当該反応において、化合物3と化合物5との使用割合は特に限定されないが、例えば、モル比で、1.0:1.0~1.5:1.0、好ましくは1.0:1.0~1.3:1.0の範囲で適宜設定できる。反応温度も特に限定されないが、例えば、0~40℃、好ましくは25~40℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、2~24時間、好ましくは4~24時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、DMF、酢酸エチル等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。また、当該反応は、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)及びトリフェニルホスフィン(PhP)の存在下で行うことができる。DIADの量は、限定されないが、例えば、化合物5とのモル比で、1.0:1.0~1.0:1.4、好ましくは1.0:1.0~1.0:1.2の範囲で適宜設定できる。PhPの量は、限定されないが、化合物5とのモル比で、1.0:1.0~1.0:1.4、好ましくはDIADと同じモル量で適宜設定できる。
次に、上記反応式においては、化合物6に塩基およびチオフェノールを作用させてノシル基を脱離して、化合物7を生成する。チオフェノールの量は、限定されないが、化合物6とのモル比で、例えば、1.0:1.0~1.0:4.0、好ましくは1.0:1.5~1.0:2.5の範囲で適宜設定できる。塩基として、KCO、NaOH、KOH等を用いることができる。これらの塩基を用いる場合、その量は、チオフェノールのモル量と同じかそれ以上、例えば、チオフェノールとのモル比で、1.0:1.0~1.0:4.0、好ましくは1.0:1.0~1.0:2.5の範囲で適宜設定できる。反応温度も特に限定されないが、例えば、25~60℃、好ましくは25~40℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、2~24時間、好ましくは2~6時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、DMF、DMSO、アセトニトリル等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
次に、上記反応式においては、化合物7を酸の存在下で加熱して環形成させて、化合物8を生成する。酸として、酢酸を用いることができる。トリフルオロ酢酸やパラトルエンスルホン酸等の強酸はBoc基が脱保護されるため使用できない.酢酸の量は、限定されないが、化合物7とのモル比で、例えば、1.0:0.5~1.0:2.0、好ましくは1.0:1.0~1.0:1.5の範囲で適宜設定できる。反応温度は、例えば、70~110℃、好ましくは100~110℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、12~48時間、好ましくは12~24時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
次に、上記反応式においては、化合物8を脱保護して、化合物9を生成する。酸として、4N塩酸ジオキサン溶液、トリフルオロ酢酸等を用いることができる。これらの酸の量は、化合物8のモル量より大過剰必要とし、例えば、モル比で、1:5~1:20、好ましくは1:10~1:20の範囲で適宜設定できる。反応温度は特に限定されないが、例えば、0~25℃、好ましくは0~10℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、1~4時間、好ましくは2~4時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジオキサン等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。中和用の塩基として、EtN、DIPEA等を用いることができる。これらの塩基の量は、化合物8のモル量より大過剰必要とし、例えば、1:2~1:10、好ましくは1:5~1:10の範囲で適宜設定できる。これらの塩基を用いる場合、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。中和処理の後、濃縮して過剰な塩基を除去し、アミノ置換シリカゲルカラムクロマトグラフィー(WAKOGEL(登録商標)50NH2)にて脱塩処理を行う。
次に、上記反応式においては、化合物9と化合物10とを反応させて、一般式(I)’で表される化合物を生成する。当該反応において、化合物9と化合物10との使用割合は特に限定されないが、例えば、モル比で、1.0:0.7~1.0:1.3、好ましくは1.0:0.8~1.0:1.1の範囲で適宜設定できる。反応温度も特に限定されないが、例えば、0~40℃、好ましくは0~25℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、2~24時間、好ましくは4~24時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。また、当該反応は、特に化合物10がDi(N-succinimidyl)carbonate(DSC)の場合、反応性を向上させるためにルイス酸である過塩素酸リチウムの存在下で行うことができる。過塩素酸リチウムの量は、限定されないが、例えば、化合物9とのモル比で、1.0:0.1~1.0:0.8、好ましくは1.0:0.1~1.0:0.2の範囲で適宜設定できる。
また、上記反応式においては、一般式(I)’’で表される化合物とヨウ化メチルとを反応させて、一般式(I)’’’で表される化合物のヨウ化物を得ることができる。ここで、一般式(I)’’で表される化合物は、一般式(I)’においてRがメチル基である化合物に相当する。当該反応において、一般式(I)’’で表される化合物とヨウ化メチルとの使用割合は特に限定されないが、例えば、モル比で、1:10~1:40、好ましくは、1:10~1:20の範囲で適宜設定できる。反応温度も特に限定されないが、例えば、0~40℃、好ましくは0~25℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、12~48時間、好ましくは12~24時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、アセトニトリル、ジクロロメタン等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
本発明において、一般式(1)で表される化合物のうちcis-型は、例えば、下記反応式により製造することができるが、当該化合物の製法は以下に限られない。
[式中、R、R mは前記に同じ。
は、
を示す。]。
上記反応式において、まず、化合物3とN-ブロモスクシンイミド(NBS)とを反応させて、化合物11を生成する。当該反応において、化合物3とNBSとの使用割合は特に限定されないが、例えば、モル比で、1.0:1.0~1.0:1.5、好ましくは1.0:1.0~1.0:1.2の範囲で適宜設定できる。反応温度も特に限定されないが、例えば、-10~25℃、好ましくは0~25℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、10~60分間、好ましくは20~30分間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、DMF等を用いることができる。当該反応はPhPの存在下で行うことができる。PhPの量は、限定されないが、例えば、化合物3とのモル比で、1.0:1.0~1.0:1.5、好ましくは1.0:1.0~1.0:1.2の範囲で適宜設定できる。
また、上記反応式においては、化合物12とジベンジルジカーボネート(CbzO)とを反応させて化合物13を生成する。当該反応において、化合物12とCbzOとの使用割合は特に限定されないが、例えば、モル比で、1.0:1.0~1.0:1.5、好ましくは1.0:1.0~1.0:1.2の範囲で適宜設定できる。反応温度も特に限定されないが、例えば、0~30℃、好ましくは15~25℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、8~24時間、好ましくは12~24時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、DMF等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。また、塩基として、EtN、DIPEA等を用いてもよい。これらの塩基を用いる場合、その量は化合物12よりも多く加える必要があり、例えば化合物12とのモル比で、1.0:1.1~1.0:2.0、好ましくは1.0:1.3~1.0:1.5の範囲で適宜設定できる。これらの塩基を用いる場合、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
次に、上記反応式においては、化合物13と4N塩酸ジオキサン溶液とを反応させて脱Boc化した後、精製せずにNsClとを反応させてノシル基を付加し、化合物14を生成する。当該反応において、化合物13の脱Boc体(塩酸塩)とNsClとの使用割合は特に限定されないが、例えば、モル比で、1.0:1.0~1.0:1.2、好ましくは1.0:1.0~1.0:1.1の範囲で適宜設定できる。反応温度も特に限定されないが、例えば、0~40℃、好ましくは25~40℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、2~24時間、好ましくは4~24時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、DMF等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。また、塩基として、EtN、DIPEA等を用いてもよい。これらの塩基を用いる場合、その量は例えば、2.1~3.0モル当量、好ましくは2.1~2.3モル当量の範囲で適宜設定できる。これらの塩基を用いる場合、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
次に、上記反応式においては、化合物14と化合物11とを反応させて化合物15を生成する。当該反応において、化合物14と化合物11との使用割合は特に限定されないが、例えば、モル比で、1.0:1.0~1.0:2.5、好ましくは1.0:1.0~1.0:2.0の範囲で適宜設定できる。反応温度も特に限定されないが、例えば、0~60℃、好ましくは25~60℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、1~24時間、好ましくは1~4時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、DMF、DMSO等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。塩基として、KCO、EtN等を用いることができる。これらの塩基を用いる場合、その量は、限定されないが、例えば化合物14とのモル比で、1.0:1.5~1.0:3.0、好ましくは1.0:1.5~1.0:2.0の範囲で適宜設定できる。
次に、上記反応式においては、化合物15に塩基およびチオフェノールを作用させてノシル基を脱離して、化合物16を生成する。チオフェノールの量は、限定されないが、化合物15とのモル比で、例えば、1.0:1.0~1.0:4.0、好ましくは1.0:1.5~1.0:2.5の範囲で適宜設定できる。塩基として、KCO、NaOH、KOH等を用いることができる。これらの塩基を用いる場合、その量は、チオフェノールのモル量と同じかそれ以上、例えば、チオフェノールとのモル比で、1.0:1.0~1.0:4.0、好ましくは1.0:1.0~1.0:2.5の範囲で適宜設定できる。これらの塩基を用いる場合、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。反応温度は特に限定されないが、例えば、25~60℃、好ましくは25~40℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、2~24時間、好ましくは2~6時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、DMF,DMSO等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
次に、上記反応式においては、酸の存在下で化合物16のtert-ブチルエステルを脱保護した後、精製せずに塩化チオニルにより酸クロリド化し、そのまま環形成させて、化合物17を生成する。酸としては、溶媒としても利用でき、減圧により容易に除去可能なトリフルオロ酢酸が望ましい。トリフルオロ酢酸の量は、限定されないが、例えば化合物16とのモル比で、1:100~1:200、好ましくは1:100~1:150の範囲で適宜設定できる。反応温度は特に限定されないが、例えば、0~30℃、好ましくは0~25℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、1~6時間、好ましくは1~2時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリフルオロ酢酸を用いることができる。酸クロリド化と続く環化反応においては、塩化チオニルの量は、限定されないが、例えば化合物16とのモル比で、1:8~1:20、好ましくは1:10~1:12の範囲で適宜設定できる。酸クロリド化を加速させるため、触媒としてDMFを一滴加えてもよい。反応温度は特に限定されないが、例えば、0~30℃、好ましくは0~25℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、4~24時間、好ましくは4~8時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、ジクロロメタンが望ましい。
次に、上記反応式においては、化合物17を脱保護して、化合物18を生成する。触媒として、Cbzの脱保護に適した含水タイプのパラジウム触媒(Pd/C,NXタイプ、10%、富士フイルム和光純薬製)が望ましい。この触媒の量は、限定されないが、例えば化合物17との重量比で、1.0:0.05~1.0:0.3、好ましくは1.0:0.1~1.0:0.2の範囲で適宜設定できる。当該反応は、水素雰囲気下で行うことができる。反応温度は特に限定されないが、例えば、0~25℃、好ましくは15~25℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、6~24時間、好ましくは12~24時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、2-プロパノールが望ましい。
次に、上記反応式においては、化合物18と化合物10とを反応させて、一般式(I)’’’’で表される化合物を生成する。当該反応において、化合物18と化合物10との使用割合は特に限定されないが、例えば、モル比で、1.0:0.7~1.0:1.3、好ましくは1.0:0.8~1.0:1.1の範囲で適宜設定できる。反応温度も特に限定されないが、例えば、0~40℃、好ましくは0~25℃℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、2~24時間、好ましくは4~24時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。また、当該反応はルイス酸触媒である過塩素酸リチウムの存在下で行うことができる。過塩素酸リチウムの量は、限定されないが、例えば、化合物18とのモル比で、1.0:0.1~1.0:0.8、好ましくは1.0:0.1~1.0:0.2の範囲で適宜設定できる。
また、上記反応式においては、一般式(I)’’’’’で表される化合物とヨウ化メチルとを反応させて、一般式(I)’’’’’’で表される化合物のヨウ化物を得ることができる。ここで、一般式(I)’’’’’で表される化合物は、一般式(I)’’’’においてRがメチル基である化合物に相当する。当該反応において、一般式(I)’’’’’で表される化合物とヨウ化メチルとの使用割合は特に限定されないが、例えば、モル比で、1:10~1:40、好ましくは、1:10~1:20の範囲で適宜設定できる。反応温度も特に限定されないが、例えば、0~40℃、好ましくは0~25℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、12~48時間、好ましくは12~24時間の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、アセトニトリル、ジクロロメタン等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
本発明の化合物(I)又はその塩は、非常に光学純度の高い(例えば、99.90%ee以上、好ましくは99.99%ee以上)ものを立体保持して合成出来るため、有用である。
鏡像異性体の分析方法
別の実施形態において、本発明は、被検体試料に本発明の化合物(I)又はその塩を添加して、当該被検体試料が互いに鏡像異性体である化合物の対、又は該鏡像異性体のうち一方の化合物を含む場合に、該鏡像異性体の対又はその一方の化合物と本発明の化合物(I)又はその塩とを反応させて誘導体混合物を生成する工程、及び
該誘導体を分離し、検出する工程
を含む、鏡像異性体の分析方法を提供する。
本発明の分析対象となる鏡像異性体を有する化合物としては、特に限定されないが、本発明の化合物(I)又はその塩における反応活性基と反応して、誘導体を形成する観点から、1級アミン・2級アミン・チオール等を有する求核性化合物が好ましい。より具体的には、鏡像異性体を有する可能性のある化合物としては、アミノ酸、オリゴペプチド、アルカロイド、アミノ糖、アミノアルコール、スフィンゴ脂質等が挙げられる。好ましい実施形態において、互いに鏡像異性体である化合物の対がL-アミノ酸とD-アミノ酸との対であることが好ましい。また、アミノ酸には、必須アミノ酸、非必須アミノ酸のいずれも含まれ得る。また、アミノ酸としては、α-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸が挙げられ、α-アミノ酸が好ましい。より具体的には、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アロイソロイシン、プロリン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、メチオニン、スレオニン、アロスレオニン、シスチン、システイン、ホモセリン、ホモアルギニン、ホモシステイン、オルニチン、シトルリン、セレノシステイン、ピロリシン、ホスホセリン、ドーパ等が挙げられる。本発明において、被検体試料が互いに鏡像異性体である化合物の対、又は該鏡像異性体のうち一方の化合物を含む場合、互いに鏡像異性体である化合物の対もしくは一方の鏡像異性体のみを含む混合物は、複数種類のキラル化合物の鏡像異性体の対もしくは一方の鏡像異性体のみを含む混合物であってもよい。被検体試料としては、生体由来の試料(血液(全血、血清、血漿)、尿、脳脊髄液、唾液、汗、涙、糞便、羊水、細胞、組織等)、食品サンプル(肉類、魚介類、果実類等、及びそれらの加工品類等)、有機反応生成物、環境試料(隕石、海水、工業用水等)等が挙げられる。
本発明において、まず、被検体試料に前記本発明の化合物(I)又はその塩を添加する。被検体試料が互いに鏡像異性体である化合物の対、又は該鏡像異性体のうち一方の化合物を含む場合、互いに鏡像異性体である化合物の対もしくは一方の鏡像異性体のみを含む混合物と前記本発明の化合物(I)又はその塩が反応して誘導体混合物を生成する。当該工程において、被検体試料に含まれる求核性化合物の合計量と本発明の化合物(I)又はその塩との使用割合は特に限定されないが、例えば、モル比で、1:1~1:10000、好ましくは1:10~1:1000の範囲で適宜設定できる。反応温度も特に限定されないが、例えば、20~60℃、好ましくは25~50℃の範囲で適宜設定できる。反応時間も限定されないが、例えば、2~30分、好ましくは5~15分の範囲で適宜設定できる。反応溶媒としては、例えば、水、アセトニトリル、DMF、DMSO等を用いることができる。これらの溶媒は、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。また、水溶媒として、ほう酸ナトリウム緩衝液、りん酸ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム緩衝液等を用いてもよい。これらの緩衝液を用いる場合、その濃度は、限定されないが、例えば、50~300mM、好ましくは100~200mMの範囲で適宜設定できる。これらの緩衝液を用いる場合、一種単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
例えば、互いに鏡像異性体である化合物の対としてS体(H-R)及びR体(H-R)を含む混合物と前記本発明の化合物(I)又はその塩を反応させることにより誘導体混合物を得ることができる。
式中、R、R m、n及び結合
は前記に同じ。Rは鏡像異性体である化合物のうちS体から水素を除去してなる基(例えば、鏡像異性体である化合物がアミノ酸である場合、S体アミノ酸中のアミノ基に含まれる水素を除去してなる基)であり、Rは鏡像異性体である化合物のうちR体から水素を除去してなる基(例えば、鏡像異性体である化合物がアミノ酸である場合、R体アミノ酸中のアミノ基に含まれる水素を除去してなる基)である。より具体的には、例えば、鏡像異性体である化合物がα-アミノ酸の場合、下記のような鏡像異性体の対を有し得る。
この場合、基Rに対応する基は
であり、Rに対応する基は
である。互いに鏡像異性体である化合物の対を含む混合物と本発明の化合物(I)を反応させて誘導体化することにより、少なくとも3つのキラル要素を有する、互いに性質が異なり分離に適するジアステレオマー混合物を得ることができる。例えば、本発明の化合物(I)のうち(1R,2R)-トランス型の化合物:
と前述のα-アミノ酸とを反応させることにより、以下のジアステレオマーを得ることができる:
本発明によれば、鏡像異性体の対を上記のような互いにジアステレオマーである化合物に誘導体化することにより、キラル分離しやすくすることができる。
次に、得られた誘導体を分離し、検出を行う。分離方法としては、ジアステレオマーを分離することができる方法を広く証することができ、特に限定されないが、例えば、液体クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動法、イオンクロマトグラフィー、超臨界流体クロマトグラフィー、イオン移動度分光法等が挙げられる。液体クロマトグラフィーを用いる実施形態において、カラムとしては、PFPカラム、ODSカラム、フェニルカラム、シアノカラム、アミドカラム等が挙げられ、PFPカラム等が好ましい。移動相としては、水、ぎ酸アンモニウム水溶液、酢酸アンモニウム水溶液、炭酸水素アンモニウム水溶液、ぎ酸水溶液、酢酸水溶液、トリフルオロ酢酸水溶液、アンモニア水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等が挙げられる。移動相に用いるこれらの液体は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの移動相には、イオン対試薬として、パーフルオロカルボン酸類、ジアルキルアンモニウム酢酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、テトラアルキルアンモニウム塩類等を添加してもよい。検出方法としては特に限定されないが、選択性や感度に優れた質量分析法が好ましい。質量分析法は、特に限定されず、イオン化法、イオン分離法、検出法の各種を組み合わせた質量分析法が挙げられる。得られた誘導体を分離し、検出を行う工程は、分離装置と検出装置の併用、もしくはそれらが組み合わさった分離検出装置によって行うことが出来る。分離検出装置を用いる方法としては、例えば液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS法、LC-MS/MS法)、キャピラリー電気泳動質量分析法(CE-MS法、CE-MS/MS法)等を利用することができる。キャピラリー電気泳動質量分析法としては、例えば、CE-TOFMS等が挙げられる。
本発明の方法によれば、鏡像異性体の対もしくは一方の鏡像異性体のみを含む混合物中の各鏡像異性体を一斉分析できる。また典型的な実施形態において、本発明の方法によれば、それらの鏡像異性体の誘導体のLCにおける溶出順序(D体、L体の溶出順序)が揃う点でも有用である。
以下に、合成例、実施例及び比較例を用いて本発明の特定の実施形態について、例示的かつ具体的に説明を行うが、本発明は以下の実施例に限定されない。
合成例1: 1R,2R-NHS1及び1R,2R-NHS2の調製
本合成例では、以下に示す方法に従って光学活性誘導体化試薬1R,2R-NHS1及びその四級アンモニウム塩型1R,2R-NHS2を調製した。
Chlorotrimethylsilane (5.56 mL, 43.8 mmol) を乾燥メタノール20 mLに対して窒素雰囲気下、0 °Cでゆっくり滴下した。0 °Cで10分間撹拌後、(1R,2R)-1,2-cyclohexanediamine (TCI, 5.00 g, 43.8 mmol, 100%ee) を乾燥メタノール 20 mLに溶解したものをゆっくり適下し、0 °Cで15分間撹拌した。0 °CでDi-tert-butyl dicarbonate (Boc2O, 11.4 g, 1.2 equiv.) を乾燥メタノール 50 mLに溶解したものをゆっくり滴下した後、室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧留去後、DiBoc化した副生成物を除去するため残渣をジクロロメタンで洗浄した。ジクロロメタンを濾別後、残渣を酢酸エチルに分散させ、飽和NaHCO3水溶液を加えて塩基性にした。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。ヘキサンを加えて結晶化させた後、得られた粗結晶を用い、ヘキサンより再結晶を行い、無色の(1R,2R)-N1-(tert-Butoxycarbonyl)-1,2-cyclohexane-diamine (1R,2R-2) を得た (4.38 g, 46.7%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 4.47 (brs, 1 H), 3.05-3.25 (m, 1 H), 2.32 (dt, J = 10.4, 3.4 Hz, 1 H), 1.90-2.08 (m, 2 H), 1.62-1.82 (m, 2 H), 1.45 (s, 11 H), 1.00-1.40 (m, 4 H).
1R,2R-2 (6 g, 1.91 mmol) 及びトリエチルアミン (3.68 g, 1.3 equiv.) を乾燥ジクロロメタン 80 mLに溶解した。0 °Cで2-nitrobenzenesulfonyl chloride (NsCl, 7.45 g, 1.2 equiv.) をゆっくりと加えた後、室温で一晩撹拌した。反応溶液を飽和NaHCO3水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 20 : 1)にて精製を行い、ヘキサンを加えて結晶化させた。得られた粗結晶を用い、ヘキサン-クロロホルムより再結晶を行い、薄黄色の(1R,2R)-N1-(tert-Butoxycarbonyl)-N2-((2-nitrophenyl)-sulfonyl)-1,2-cyclohexanediamine (1R,2R-3) を得た (9.01 g, 80.6%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 8.06-8.18 (m, 1 H), 7.80-7.88 (m, 1 H), 7.67-7.78 (m, 2 H), 5.83 (d, J = 6.0 Hz, 1 H), 4.49 (d, J = 7.0 Hz, 1 H), 3.28-3.50 (m, 1 H), 3.05-3.26 (m, 1 H), 1.97-2.10 (m, 1 H), 1.85-1.97 (m, 1 H), 1.58-1.76 (m,2 H), 1.40 (s, 9 H), 1.07-1.36 (m, 4 H).
tert-Butyl bromoacetate (6 g, 30.8 mmol) 及びトリエチルアミン (3.74 g, 1.2 equiv.) を乾燥メタノール 50 mLに溶解し、2-(Methylamino)ethanol (2.66 g, 1.15 equiv.) を加え、室温で4時間撹拌した。溶媒を留去し、飽和NaHCO3水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 20 : 1)にて精製を行い、無色の液体として[(2-Hydroxyethyl)-methylamino]-acetic acid tert-butyl esterを得た (5.59 g, 95.9%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 3.58 (t, J = 5.29 Hz, 2 H), 3.22 (s, 2 H), 2.96 and 2.89 (brs, total 1 H), 2.69 (t, J = 5.29 Hz, 2 H), 2.41 (s, 3 H), 1.47 (s, 9 H).
1R,2R-3 (7.60 g, 19.0 mmol), Triphenylphosphine (6.48 g, 1.3 equiv.) 及び [(2-Hydroxyethyl)-methylamino]-acetic acid tert-butyl ester (4.68 g, 1.3 equiv.) を乾燥ジクロロメタン100 mLに溶解した。Diisopropyl azodicarboxylate (40% in toluene, 12.5 g, 1.3 equiv.) を室温で滴下し、更に2時間室温で撹拌した。飽和NaHCO3水溶液で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。ヘキサン-ジエチルエーテルを加えて副生成物のPh3POを沈殿させ、これを濾別後、有機層を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル = 1 : 2)にて部分的に精製を行い、DIAD還元体を含む1R,2R-4を得た。これを乾燥DMF 100 mLに溶解し、K2CO3 (10.5 g, 4 equiv.) 及びThiophenol (4.81 mL, 2.5 equiv.) を加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を留去し、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル = 1 : 4 → クロロホルム:メタノール = 10 : 1)にて精製を行い、薄黄色の液体として、tert-Butyl N-(2-(((1R,2R)-2-((tert-butoxycarbonyl)amino)cyclohexyl)amino)ethyl)-N-methylglycinate (1R,2R-5) を得た (5.55 g, 14.4 mmol, 75.8%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 3.20-3.34 (m, 1 H), 3.18 (s, 2 H), 2.76-2.86 (m, 1 H), 2.63-2.75 (m, 1 H), 2.51-2.62 (m, 2 H), 2.37 (s, 3 H), 2.25 (dt, J = 3.59, 10.0 Hz, 1 H), 2.08-2.18 (m, 1 H), 1.95-2.05 (m, 1 H), 1.62-1.76 (m, 2 H), 1.46 (s, 9 H), 1.44 (s, 9 H), 1.05-1.35 (m, 6 H).
1R,2R-5を用い、非特許文献4を参考に、第二級アミンとtert-ブチルエステルとの分子内環化反応を行った。1R,2R-5 (5.50 g, 14.3 mmol) を乾燥トルエン160 mLに溶解し、酢酸 1.23 mL (1.5 equiv.) を加え、一晩還流した。室温まで戻した後、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 20 : 1)にて精製を行い、薄黄色の液体としてtert-Butyl ((1R,2R)-2-(4-methyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)carbamate (1R,2R-6) を得た (3.54 g, 79.5%)。この化合物はヘキサン中で一部結晶化したため、得られた結晶についてX線結晶構造解析を行った (Mercury CCD, RIGAKU)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 4.65 (d, J = 9.6 Hz, 1 H), 4.40 (dt, J = 3.2, 11.5 Hz, 1 H), 3.57 (ddd, J = 4.2, 9.8, 11.0 Hz, 1 H), 3.36 (d, J = 16.4 Hz, 1 H), 3.31 (dd, J = 3.8, 4.4 Hz, 2 H), 2.87 (d, J = 16.4 Hz, 1 H), 2.73-2.83 (m, 1 H), 2.41 (ddd, J = 5.7, 7.7, 11.5 Hz, 1 H), 2.30 (s, 3 H), 2.00-2.14 (m, 1 H), 1.66-1.86 (m, 3 H), 1.46-1.58 (m, 1 H), 1.42 (s, 9 H), 1.15-1.36 (m, 3 H).
ヘキサン中で結晶化した1R,2R-6のX線結晶構造解析結果を図1に示す。二分子のうち、下側の分子がディスオーダーしているものの、上側の分子よりシクロヘキサン環から2つの側鎖がエクアトリアル位に配向しているのが確認できる。
塩酸ジオキサン溶液 (4 N, 9 mL) を0°Cに冷却し、1R,2R-6 (640 mg, 2.06 mmol) を乾燥アセトニトリル 9 mLに溶解したものをゆっくりと滴下した。室温で2時間撹拌後、溶媒を留去後、残渣を再度アセトニトリルに分散し、ろ過を行った。残渣をジクロロメタンに分散し、トリエチルアミンを過剰量加えた後、溶媒を留去した。アミノ置換シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel(登録商標)50NH2, 展開溶媒:クロロホルム → クロロホルム:メタノール = 20 : 1)で精製を行い、茶色のオイル状化合物として1-((1R,2R)-2-Aminocyclohexyl)-4-methylpiperazin-2-one (1R,2R-NH2) を得た (390 mg, 1.85 mmol, 89.6%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 4.23 (brs, 1 H), 3.29 (t, J = 5.3 Hz, 2 H), 3.20 (d, J = 16.6 Hz, 1 H), 3.13 (d, J = 16.6 Hz, 1 H), 2.58-2.74 (m, 3 H), 2.33 (s, 3 H), 1.98-2.04 (m, 1 H), 1.60-1.84 (m, 5 H), 1.10-1.56 (m, 4 H).
1R,2R-NH2 (200 mg, 0.946 mmol) を乾燥ジクロロメタン5 mL に溶解し、Di(N-succinimidyl) carbonate (DSC, 267 mg, 1.1 equiv.) 及びLiClO4 (11 mg, 0.2 equiv.) を加え、室温で一晩撹拌した。反応液をろ過した後、濃縮し、副生成物のN-Hydroxysuccinimide (1.38 equiv.) を含む2,5-Dioxopyrrolidin-1-yl ((1R,2R)-2-(4-methyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)carbamate (1R,2R-NHS1) を得た(460 mg)。1H NMRより、夾雑物としてN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)が1.38 equiv.含まれていることを確認した。見かけの分子量を511.21とした場合の収率は86.4%であった。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 6.10 (d, J = 9.8 Hz, 1 H), 5.93 (brs, 2.75 H, hydroxy proton of NHS), 4.40-4.54 (m, 1 H), 3.50-3.77 (m, 4 H), 3.27 (d, J = 11.5 Hz, 1 H), 3.19 (d, J = 11.7 Hz, 1 H), 2.81 (s, 4 H), 2.73 (dd, J = 3.8, 11.7 Hz, 1 H), 2.66 (s, 5.52 H, methylene protons of NHS), 2.62 (s, 3 H), 2.05-2.18 (m, 1 H), 1.74-1.93 (m, 3 H), 1.18-1.60 (m, 4 H).
NHS(1.38 equiv.)を含む1R,2R-NHS1 (100 mg, 0.196 mmol) を乾燥ジクロロメタン5 mL に溶解し、ヨウ化メチル(555 mg, 20 equiv.)を加え、室温で一晩撹拌した。生じた沈殿を回収し、乾燥ジクロロメタンで洗浄を行い、NHS (0.12 equiv.) を含む4-((1R,2R)-2-((((2,5-Dioxopyrrolidin-1-yl)oxy)carbonyl)amino)cyclohexyl)-1,1-dimethyl-3-oxopiperazin-1-ium iodide (1R,2R-NHS2) を得た(55 mg)。見かけの分子量を508.14とした場合の収率は56.8%であった。
1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz); δ 8.52 (d, J = 9.3 Hz, 1 H), 4.08-4.44 (m, 3 H), 3.72-3.84 (m, 1 H), 3.48-3.71 (m, 4 H), 3.20 (s, 3 H), 3.16 (s, 3 H), 2.79 (s, 4 H), 2.59 (s, 0.48 H, methylene protons of NHS), 1.15-1.97 (m, 8 H).
合成例2: 1S,2S-NHS1及び1S,2S-NHS2の調製
本合成例では、(1S,2S)-1,2-Cyclohexanediamineを出発原料として、合成例1と同様の方法で光学活性化誘導体化試薬1S,2S-NHS1及びその四級アンモニウム塩型1S,2S-NHS2を調製した。
(1S,2S)-1,2-Cyclohexanediamine 2.28 g (TCI, 20.0 mmol, 98.9%ee) を出発原料とし、合成例1の1R,2R-2の合成方法と同様にして1S,2S-2を合成した (2.39 g, 55.8%)。
1S,2S-2 (2.37 g, 11.1 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-3の合成方法と同様にして1S,2S-3を合成した(3.33 g, 75.4%)。
1S,2S-3 (2.4 g, 6.00 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-5の合成方法と同様にして1S,2S-5を合成した(1.64 g, 70.9%)。
1S,2S-5 (800 mg, 2.07 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-6の合成方法と同様にして1S,2S-6を合成した(590 mg, 91.5%)。
1S,2S-6 (400 mg, 1.28 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-NH2の合成方法と同様にして1S,2S-NH2を合成した (160 mg, 59.2%)。
1S,2S-NH2 (160 mg, 0.757 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-NHS1の合成方法と同様にして1S,2S-NHS1を合成した (308 mg)。1H NMRより、夾雑物としてNHSが1.48 equiv.含まれていることを確認した。見かけの分子量を522.44とした場合の収率は70.8%であった。
NHS (1.48 equiv.) を含む1S,2S-NHS1 (100 mg, 0.191 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-NHS2の合成方法と同様にしてNHS (0.088 equiv.) を含む1S,2S-NHS2を合成した (41 mg)。見かけの分子量を504.40とした場合の収率は43%であった。
合成例3: 1R,2S-NHS1及び1S,2R-NHS2の調製
本合成例では、(1S,2R)-N1-(tert-Butoxycarbonyl)-1,2-cyclohexanediamine (TCI, 1S,2R-2, 98.8%ee) を出発原料として、光学活性誘導体化試薬1R,2S-NHS1及びその四級アンモニウム塩型1S,2R-NHS2を調製した。合成例1と同様の方法では脱Ns化後の分子内環化反応が立体障害によりほとんど進行しなかったため、酸に弱いBoc基から酸に強いCbz基に変更し、tert-ブチルエステル部分を酸クロリド化することで分子内環化を行った。
1S,2R-2 (TCI, 1.50 g, 7.00 mmol) を乾燥ジクロロメタン80 mLに溶解し、トリエチルアミン (1.07 g, 1.5 equiv.)、Cbz2O (2.40 g, 1.2 equiv.) 及び LiClO4(150 mg, 0.2 equiv.) を加え、室温で一晩撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を加えて有機層を洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 30 : 1)にて精製を行い、得られた粗結晶を用い、ヘキサン-酢酸エチルより再結晶を行い、Phenylmethyl N-[(1R,2S)-2-[(tert-butoxycarbonyl)amino]cyclohexyl]carbamate (1R,2S-3) を得た (2.04 g, 83.6%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 7.28-7.40 (m, 5 H), 5.10 (s, 2 H), 5.00-5.25 (m, 1 H), 4.65-4.90 (m, 1 H), 3.70-3.94 (m, 2 H), 1.65-1.85 (m, 2 H), 1.35-1.60 (m, 6 H), 1.44 (s, 9 H).
1R,2S-3 (1.87 g, 5.37 mmol) を乾燥ジクロロメタン15 mLに溶解し、塩酸ジオキサン溶液 (4 N, 15 mL) を加え、室温で2時間撹拌した。 濃縮し、乾燥後、得られた1R,2S-4 を乾燥ジクロロメタン20 mLに分散し、トリエチルアミン (1.20 g, 2.2 equiv.) 及びNsCl (1.30 g, 1.1 equiv.) を加えて室温で一晩撹拌した。水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 30 : 1)にて精製を行い、得られた粗結晶を用い、ヘキサン-酢酸エチルより再結晶を行い、Benzyl ((1R,2S)-2-((2-nitrophenyl)sulfonamido)-cyclohexyl)carbamate (1R,2S-5) を得た (2.18 g, 93.7%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 8.11 (d, J = 7.2 Hz, 1 H), 7.57-7.83 (m, 3 H), 7.28-7.42 (m, 5 H), 5.71 (brs, 1 H), 5.09 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 5.01 (d, J = 12.1 Hz, 1 H), 4.91 (d, J = 12.1 Hz, 1 H), 3.72-3.84 (m, 1 H), 3.58-3.72 (m, 1 H), 1.23-1.87 (m, 8 H).
[(2-Hydroxyethyl)-methylamino]-acetic acid tert-butyl ester (4.00 g, 21.1 mmol) 及びPh3P (6.66 g, 1.2 equiv.) を乾燥ジクロロメタン 40 mLに溶解し、N-Bromosuccinimide (NBS, 4.52 g, 1.2 equiv.) を加え、室温で30分間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル = 2 : 1)にて精製を行い、無色の液体として[(2-Bromoethyl)-methylamino]-acetic acid tert-butyl esterを得た (2.80 g, 11.1 mmol, 52.4%)。本化合物は不安定なため、すぐに次の反応に使用した。
1R,2S-5 (2.41 g, 5.56 mmol) を乾燥DMF 20 mLに溶解し、K2CO3(1.54 g, 2 equiv.) 及び[(2-Bromoethyl)-methylamino]-acetic acid tert-butyl ester (2.80 g, 2 equiv.) を加え、60 °Cで1時間撹拌した。 濃縮後、酢酸エチルを加え、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル = 2 : 3)にて精製を行い、tert-Butyl N-(2-((N-((1S,2R)-2-(((benzyloxy)carbonyl)amino)cyclohexyl)-2-nitrophenyl)sulfonamido)ethyl)-N-methylglycinate (1S,2R-6) を得た (2.35 g, 3.89 mmol, 69.9%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 7.98-8.08 (m, 1 H), 7.52-7.78 (m, 3 H), 7.29-7.42 (m, 5 H), 5.57 (brs, 1 H), 5.09 (d, J = 12.1 Hz, 1 H), 5.03 (d, J = 12.1 Hz, 1 H), 4.00-4.20 (m, 1 H), 3.82-4.00 (m, 1 H), 3.44 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 3.07 (s, 2 H), 2.70 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.29 (s, 3 H), 1.76-1.94 (m, 2 H), 1.46-1.76 (m, 6 H), 1.45 (s, 9 H).
1S,2R-6 (2.35 g, 3.89 mmol) を乾燥DMF 50 mLに溶解し、K2CO3(2.15 g, 4 equiv.) 及びThiophenol (992 μL, 2.5 equiv.) を加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を留去し、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 10 : 1)にて精製を行い、薄黄色の液体として、tert-Butyl N-(2-(((1S,2R)-2-(((benzyloxy)carbonyl)amino)cyclohexyl)amino)ethyl)-N-methylglycinate (1S,2R-7) を得た (1.40 g, 3.34 mmol, 85.8%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 7.25-7.42 (m, 5 H), 5.72 (d, J = 5.3 Hz, 1 H), 5.09 (s, 2 H), 3.60-3.80 (m, 1 H), 3.14 (d, J = 1.3 Hz, 2 H), 2.66-2.80 (m, 2 H), 2.50-2.65 (m, 3 H), 2.34 (s, 3 H) 1.45 (s, 9 H), 1.35-1.73 (m, 9 H).
1S,2R-7 (400 mg, 0.953 mmol) を乾燥ジクロロメタン 8 mLに溶解し、Trifluoroacetic acid (TFA, 8 mL) を加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を留去し、乾燥後、乾燥ジクロロメタン 10 mLに再溶解した。0 °CでSOCl2 (840 μL, 8 equiv.), 触媒として乾燥DMFを一滴加え、室温で5時間撹拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルを加え、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 15 : 1)にて精製を行い、薄黄色の液体として、Benzyl ((1R,2S)-2-(4-methyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)-carbamate (1R,2S-8) を得た (223 mg, 0.655 mmol, 67.7%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 7.28-7.43 (m, 5 H), 5.41 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 5.12 (d, J = 11.7 Hz, 1 H), 5.04 (d, J = 11.7 Hz, 1 H), 4.22-4.45 (m, 1 H), 4.02-4.21 (m, 1 H), 3.23-3.40 (m, 2 H), 3.17 (d, J = 16.4 Hz, 1 H), 3.02 (d, J = 16.4 Hz, 1 H), 2.44-2.60 (m, 1 H), 2.26 (s, 3 H), 2.08-2.42 (m, 1 H), 1.52-1.96 (m, 6 H), 1.15-1.48 (m, 2 H).
1R,2S-8 (100 mg, 0.289 mmol) を2-プロパノール 12 mLに溶解し、Pd/C, type NX (Fujifilm Wako Chemicals, Pd 10%, 15 mg) を加え、水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。セライトでろ過し、ジクロロメタンで触媒を洗浄した。有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 10 : 1 → 6 : 1)にて精製を行い、1-((1S,2R)-2-Aminocyclohexyl)-4-methylpiperazin-2-one (1S,2R-NH2) を得た (52 mg, 0.25 mmol, 85%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 4.33 (dt, J = 12.8, 3.4 H, 1 H), 3.75 (ddd, J = 4.3, 5.4, 11.9 Hz, 1 H), 3.34-3.47 (m, 2 H), 3.20 (d, J = 16.6 Hz, 1 H), 3.17 (d, J = 16.6 Hz, 1 H), 2.50-2.70 (m, 2 H), 3.32 (s, 3 H), 1.26-1.98 (m, 10 H).
1S,2R-NH2 52.0 mg (0.246 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-NHS1の合成方法と同様にして、2,5-Dioxopyrrolidin-1-yl ((1R,2S)-2-(4-methyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)carbamate (1R,2S-NHS1) を合成した(107 mg)。1H NMRより、夾雑物としてNHSが1.39 equiv.含まれていることを確認した。見かけの分子量を512.37とした場合の収率は77.1%であった。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 6.03 (d, J =8.7 Hz, 1 H), 4.94 (brs, 3.78 H, hydroxy proton of NHS), 4.24-4.35 (m, 1 H), 4.12-4.24 (m, 1 H), 3.57-3.70 (m, 1 H), 3.52 (d, J = 16.1 Hz, 1 H), 3.40-3.52 (m, 1 H), 3.13 (d, J = 16.1 Hz, 1 H), 3.00-3.12 (m, 1 H), 2.84 (s, 4 H), 2.69-2.82 (m, 1 H), 2.67 (s, 5.57 H, methylene protons of NHS), 2.51 (s, 3 H), 1.60-2.00 (m, 6 H), 1.20-1.52 (m, 2 H).
NHS (1.39 equiv.) を含む1R,2S-NHS1 60.0 mg (0.117 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-NHS2の合成方法と同様にして、NHS (0.033 equiv.) を含む4-((1S,2R)-2-((((2,5-Dioxopyrrolidin-1-yl)oxy)carbonyl)amino)cyclohexyl)-1,1-dimethyl-3-oxopiperazin-1-ium iodide (1S,2R-NHS2) を合成した (44.3 mg)。見かけの分子量を498.07とした場合の収率は76.0%であった。
1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz); δ 8.64 (d, J =8.6 Hz, 1 H), 4.19-4.29 (m, 1 H), 4.00-4.19 (m, 3 H), 3.58-3.84 (m, 3 H), 3.43-3.57 (m, 1 H), 3.18 (s, 3 H), 3.08 (s, 3 H), 2.79 (s, 4 H), 2.59 (s, 0.13 H, methylene protons of NHS), 1.25-2.05 (m, 8 H).
合成例4: 1S,2R-NHS1及び1R,2S-NHS2の調製
本合成例では、(1R,2S)-N1-(tert-Butoxycarbonyl)-1,2-cyclohexanediamine (TCI, 1R,2S-2, 99.3%ee) を出発原料として、合成例3と同様の方法で光学活性誘導体化試薬1S,2R-NHS1及びその四級アンモニウム塩型1R,2S-NHS2を調製した。
1R,2S-2 (TCI, 2.00 g, 9.33 mmol) を出発原料とし、合成例3の1R,2S-3の合成方法と同様にして1S,2R-3を合成した(2.44 g, 7.00 mmol, 75.1%)。
1S,2R-3 (2.00 g, 5.74 mmol) を原料とし、合成例3の1R,2S-5の合成方法と同様にして1S,2R-5を合成した(2.41 g, 5.56 mmol, 96.9%)。
1S,2R-5 (1.10 g, 2.54 mmol) を原料とし、合成例3の1S,2R-6の合成方法と同様にして1R,2S-6を合成した(1.09 g, 1.80 mmol, 71.0%)。
1R,2S-6 (1.00 g, 1.65 mmol) を原料とし、合成例3の1S,2R-7の合成方法と同様にして1R,2S-7を合成した (660 mg, 1.57 mmol, 95.3%)。
1R,2S-7 (640 mg, 1.53 mmol) を原料とし、合成例3の1R,2S-8の合成方法と同様にして1S,2R-8を合成した (390 mg, 1.13 mmol, 73.8%)。
1S,2R-8 (100 mg, 0.289 mmol) を原料とし、合成例3の1S,2R-NH2の合成方法と同様にして1R,2S-NH2を合成した (51 mg, 0.24 mmol, 84%)。
1R,2S-NH2 51 mg (0.24 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-NHS1の合成方法と同様にして、2,5-Dioxopyrrolidin-1-yl ((1S,2R)-2-(4-methyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)carbamate (1S,2R-NHS1) を合成した(81 mg)。1H NMRより、夾雑物としてNHSが1.82 equiv.含まれていることを確認した。見かけの分子量を561.85とした場合の収率は54%であった。
1S,2R-NHS1 40 mg (0.071 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-NHS2の合成方法と同様にしてNHS (0.013 equiv.) を含む4-((1R,2S)-2-((((2,5-Dioxopyrrolidin-1-yl)oxy)-carbonyl)amino)cyclohexyl)-1,1-dimethyl-3-oxopiperazin-1-ium iodide (1R,2S-NHS2) を合成した(21 mg)。見かけの分子量を495.83とした場合の収率は60%であった。
合成例5: 1S,2R-BuNHS1の調製
本合成例では、合成例4で調整した(1S,2R)-5を出発原料として、合成例4と同様の方法で光学活性誘導体化試薬1S,2R-BuNHS1を調製した。
tert-Butyl bromoacetate (5.00 g, 25.6 mmol) 及び2-(Butylamino)ethanol (3.45 g, 1.15 equiv.) を乾燥メタノール40 mLに溶解し、トリエチルアミン (3.11 g, 1.2 equiv.) を加え、室温で4時間撹拌した。溶媒を留去後、ジクロロメタンで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)にて精製を行い、[(2-Hydroxyethyl)-butylamino]-acetic acid tert-butyl esterを得た (5.38 g, 23.3 mmol, 90.8%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 3.54 (t, J = 5.3 Hz, 2 H), 3.24 (s, 2 H), 2.75 (t, J = 5.3 Hz, 2 H), 2.62 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 1.47 (s, 9 H), 1.23-1.46 (m, 4 H), 0.91 (t, J = 7.2 Hz, 3 H).
[(2-Hydroxyethyl)-butylamino]-acetic acid tert-butyl ester (1.23 g, 5.32 mmol) 及びPh3P (1.67 g, 1.2 equiv.) を乾燥ジクロロメタン 40 mLに溶解し、N-Bromosuccinimide (NBS, 1.14 g, 1.2 equiv.) を加え、室温で30分間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液で洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル = 3 : 1)にて部分的に精製を行い、不純物を含む無色の液体として[(2-Bromoethyl)-butylamino]-acetic acid tert-butyl esterを得た (1.76 g, 不純物を含む)。本化合物は不安定なため、生成物のモル量を5.32 mmol (収率100%) と仮定し、見かけの分子量を330.83としてすぐに次の反応に使用した。
1S,2R-5 (500 mg, 1.15 mmol) を乾燥DMF 10 mLに溶解し、K2CO3 (319 mg, 2 equiv.) 及び不純物を含む[(2-Bromoethyl)-butylamino]-acetic acid tert-butyl ester (685 mg, 1.8 equiv.) を加え、60 °Cで1時間撹拌した。 濃縮後、酢酸エチルを加え、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル = 3 : 2)にて精製を行い、不純物を含むtert-Butyl N-(2-((N-((1R,2S)-2-(((benzyloxy)carbonyl)amino)cyclohexyl)-2-nitrophenyl)sulfonamido)ethyl)-N-butylglycinate (1R,2S-Bu6) を得た (700 mg)。これを乾燥DMF 10 mLに溶解し、K2CO3(0.60 g, 4 equiv.) 及びThiophenol (276 mL, 2.5 equiv.) を加え、40 °Cで2時間撹拌した。溶媒を留去し、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 40 : 1)にて精製を行い、tert-Butyl N-(2-(((1R,2S)-2-(((benzyloxy)carbonyl)amino)cyclohexyl)amino)ethyl)-N-butylglycinate (1R,2S-Bu7) を得た (450 mg, 0.975 mmol, 84.8% from 1S,2R-5)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 7.28-7.44 (m, 5 H), 5.66 (d, J = 4.5 Hz, 1 H), 5.09 (s, 2 H), 3.57-3.75 (m, 1 H), 3.20 (s, 2 H), 2.62-2.79 (m, 4 H), 2.53-2.61 (m, 2 H), 2.45-2.52 (m, 1 H), 1.53-1.74 (m, 5 H), 1.45 (s, 9 H), 1.20-1.43 (m, 8 H), 0.89 (s, J = 7.2 Hz, 3 H).
1R,2S-Bu7 (400 mg, 0.866 mmol) を乾燥ジクロロメタン 6 mLに溶解し、TFA (6 mL) を加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を留去し、乾燥後、乾燥ジクロロメタン 6 mLに再溶解した。0 °CでSOCl2 (840 μL, 8 equiv.), 触媒として乾燥DMFを一滴加え、室温で一晩撹拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルを加え、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 40 : 1)にて精製を行い、Benzyl ((1S,2R)-2-(4-butyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)carbamate (1S,2R-Bu8) を得た (230 mg, 0.594 mmol, 68.2%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 7.28-7.46 (m, 5 H), 5.44 (d, J = 8.5 Hz, 1 H), 5.13 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 5.04 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.04-4.46 (m, 2 H), 3.23-3.44 (m, 2 H), 3.24 (d, J = 16.4 Hz, 1 H), 3.03 (d, J = 16.4 Hz, 1 H), 2.46-2.66 (m, 1 H), 2.13-2.40 (m, 2 H), 1.53-1.97 (m, 7 H), 1.14-1.52 (m, 6 H), 0.91 (t, J = 7.0 Hz, 3 H).
1S,2R-Bu8 (210 mg, 0.542 mmol) を2-プロパノール 16 mLに溶解し、Pd/C, type NX (Fujifilm Wako Chemicals, Pd 10%, 40 mg) を加え、水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。セライトでろ過し、ジクロロメタンで触媒を洗浄した。有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 20 : 1 → 10 : 1)にて精製を行い、1-((1R,2S)-2-aminocyclohexyl)-4-butylpiperazin-2-one (1R,2S-BuNH2) を得た (103 mg, 0.406 mmol, 74.9%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 4.33 (dt, J = 12.8, 3.4 Hz, 1 H), 3.79 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 3.35-3.55 (m, 2 H), 3.31 (d, J = 16.2 Hz, 1 H), 3.06 (d, J = 16.2 Hz, 1 H), 2.80-2.93 (m, 1 H), 2.67-2.80 (m, 1 H), 2.04-2.53 (m, 4 H), 1.88-2.02 (m, 1 H), 1.29-1.85 (m, 11 H), 0.92 (t, J = 7.2 Hz, 3 H).
1R,2S-BuNH2 59.0 mg (0.233 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-NHS1の合成方法と同様にして、2,5-dioxopyrrolidin-1-yl ((1S,2R)-2-(4-butyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)carbamate (1S,2R-BuNHS1) を合成した(100.7 mg)。1H NMRより、夾雑物としてNHSが1.57 equiv.含まれていることを確認した。見かけの分子量を574.87とした場合の収率は68.4%であった。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 6.90-7.85 (brs, 3 H, hydroxy proton of NHS), 6.44 (d, J = 8.9 Hz, 1 H), 4.18-4.45 (m, 2 H), 3.90-4.10 (m, 1 H), 3.93 (d, J = 15.9 Hz, 1 H), 3.50-3.72 (m, 2 H), 3.45 (d, J= 15.9 Hz, 1 H), 2.93-3.25 (m, 3 H), 2.85 (s, 4 H), 2.67 (s, 6.26 H, methylene protons of NHS), 1.54-2.09 (m, 8 H), 1.27-1.54 (m, 4 H), 0.96 (t, J = 7.2 Hz, 3 H).
合成例6: 1S,2S-BuNHS1の調製
本合成例では、合成例2で調製した(1S,2S)-3を出発原料として、合成例1と同様の方法で光学活性誘導体化試薬1S,2S-BuNHS1を調製した。
1S,2S-3 (1.60 g, 4.01 mmol)、Triphenylphosphine (1.37 g, 1.3 equiv.) 及び[(2-Hydroxyethyl)-butylamino]-acetic acid tert-butyl ester (1.20 g, 1.3 equiv.) を乾燥ジクロロメタン40 mLに溶解した。Diisopropyl azodicarboxylate (40% in toluene, 2.63 g, 1.3 equiv.) を室温で滴下し、更に2時間室温で撹拌した。飽和NaHCO3水溶液で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。ヘキサン-ジエチルエーテルを加えて副生成物のPh3POを沈殿させ、これを濾別後、有機層を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル = 2 : 1)にて部分的に精製を行い、DIAD還元体を含む、tert-Butyl N-(2-((N-((1S,2S)-2-((tert-butoxycarbonyl)amino)cyclohexyl)-4-nitrophenyl)sulfonamido)ethyl)-N-butylglycinate (1S,2S-Bu4) を得た。これを乾燥DMF 40 mLに溶解し、K2CO3(2.22 g, 4 equiv.) 及びThiophenol (1.02 mL, 4 equiv.) を加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を留去し、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム → クロロホルム:メタノール = 10 : 1)にて精製を行い、tert-Butyl N-(2-(((1S,2S)-2-((tert-butoxycarbonyl)amino)cyclohexyl)amino)ethyl)-N-butylglycinate (1S,2S-Bu5) を得た (1.20 g, 2.81 mmol, 70.0%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 5.05 (brs, 1 H), 3.20-3.31 (m, 1 H), 3.25 (d, J = 16.8 Hz, 1 H), 3.17 (d, J = 16.8 Hz, 1 H), 2.59-2.84 (m, 3 H), 2.57 (q, J = 7.4 Hz, 2 H), 2.42-2.52 (m, 1 H), 2.18-2.31 (m, 1 H), 2.06-2.18 (m, 1 H), 1.90-2.06 (m, 2 H), 1.60-1.76 (m, 2 H), 1.46 (s, 9 H), 1.44 (s, 9 H), 1.04-1.43 (m, 8 H), 0.90 (s, J = 7.2 Hz, 3 H).
1S,2S-Bu5 (1.10 g, 2.57 mmol) を乾燥トルエン50 mLに溶解し、酢酸 221 μL (1.5 equiv.) を加え、一晩還流した。室温まで戻した後、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル = 1 : 2)にて精製を行い、tert-Butyl ((1S,2S)-2-(4-butyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)carbamate (1S,2S-Bu6) を得た (840 mg, 2.38 mmol, 92.5%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 4.66 (d, J = 9.8 Hz, 1 H), 4.38 (dt, J = 11.5, 3.2 Hz, 1 H), 3.49-3.69 (m, 1 H), 3.41 (d, J = 16.6 Hz, 1 H), 3.24-3.36 (m, 2 H), 2.90 (d, J = 16.6 Hz, 1 H), 2.78-2.90 (m, 1 H), 2.26-2.54 (m, 2 H), 1.98-2.16 (m, 1 H), 1.67-1.88 (m, 3 H), 1.42-1.60 (m, 3 H), 1.41 (s, 9 H), 1.16-1.39 (m, 6 H), 0.91 (t, J = 7.2 Hz, 3 H).
塩酸ジオキサン溶液 (4 N, 4 mL) を0°Cに冷却し、1S,2S-Bu6 (300 mg, 0.849 mmol) を乾燥アセトニトリル 4 mLに溶解したものをゆっくりと滴下した。室温で2時間撹拌後、溶媒を留去後、残渣を再度アセトニトリルに分散し、ろ過を行った。残渣をクロロホルムに分散し、トリエチルアミンを過剰量加えた後、溶媒を留去した。アミノ置換シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel(登録商標)50NH2, 展開溶媒:クロロホルム)で精製を行い、1-((1S,2S)-2-Aminocyclohexyl)-4-butylpiperazin-2-one (1S,2S-BuNH2) を得た (170 mg, 0.671 mmol, 79.0%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 4.00-4.45 (m, 1 H), 3.22-3.34 (m, 2 H), 3.19 (s, 2 H), 2.67 (t, J = 5.4 Hz, 2 H), 2.55-2.70 (m, 1 H), 2.38 (t, J = 7.2 Hz, 2 H), 1.95-2.10 (m, 1 H), 1.60-1.70 (m, 3 H), 1.10-1.61 (m, 10 H), 0.92 (t, J = 7.2 Hz, 3 H).
1S,2S-BuNH2 100 mg (0.395 mmol) を乾燥ジクロロメタン5 mLに溶解し、DSC (111 mg, 1.1 equiv.) 及びLiClO4 (4.6 mg, 0.2 equiv.) を加え室温で一晩撹拌した。フィルターろ過後、溶媒を留去し、再度乾燥ジクロロメタン2 mLに溶解させた。ジエチルエーテルを添加し、生じた沈殿を回収した(2,5-Dioxopyrrolidin-1-yl ((1S,2S)-2-(4-butyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)carbamate, 1S,2S-BuNHS1, 155 mg)。1H NMRより、夾雑物としてNHSが1.95 equiv.含まれていることを確認した。見かけの分子量を618.90とした場合の収率は20.5%であった。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 6.07 (d, J = 8.9 Hz, 1 H), 5.63 (brs, 3.89 H, hydroxy proton of NHS), 4.36-4.54 (m, 1 H), 3.88 (d, J = 16.6 Hz, 1 H), 3.50-3.75 (m, 2 H), 3.68 (d, J = 16.6 Hz, 1 H), 3.42 (d, J = 11.3 Hz, 1 H), 3.31 (d, J = 11.3 Hz, 1 H), 2.82-3.35 (m, 3 H), 2.82 (s, 4 H), 2.68 (s, 7.81 H, methylene protons of NHS), 2.05-2.18 (m, 1 H), 1.75-1.92 (m, 3 H), 1.65 (quintet, J = 7.4 Hz, 2 H), 1.18-1.56 (m, 6 H), 0.94 (t, J = 7.4 Hz, 3 H).
合成例7: 1S,2S-cHxNHS1の調製
本合成例では、合成例2で調整した1S,2S-3を出発原料として、側鎖導入用のtert-Butyl N-cyclohexyl-N-(2-hydroxyethyl)glycinateを用い、合成例2と同様の方法で光学活性誘導体化試薬1S,2S-cHxNHS1を調製した。
tert-Butyl bromoacetate (1.54 g, 7.90 mmol) 及びN-cyclohexylethanolamine (1.30 g, 1.15 equiv.) を乾燥DMF 40 mLに溶解し、トリエチルアミン (0.96 g, 1.2 equiv.) を加え、50 °Cで一晩撹拌した。溶媒を留去後、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1)にて精製を行い、tert-Butyl N-cyclohexyl-N-(2-hydroxyethyl)glycinateを得た (1.08 g, 4.20 mmol, 53.1%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 3.48 (t, J = 5.1 Hz, 2 H), 3.21 (s, 2 H), 2.74 (t, J = 5.1 Hz, 2 H), 2.50 (tt, J = 11.1, 3.2 Hz, 1 H), 1.73-1.86 (m, 4 H), 1.56-1.67 (m, 1 H), 1.46 (s, 9 H), 0.95-1.32 (m, 5 H).
1S,2S-3 (900 mg, 2.25 mmol)、Triphenylphosphine (770 mg, 1.3 equiv.) 及びtert-Butyl N-cyclohexyl-N-(2-hydroxyethyl)glycinate (753 mg, 1.3 equiv.) を乾燥ジクロロメタン20 mLに溶解した。Diisopropyl azodicarboxylate (40% in toluene, 1.48 g, 1.3 equiv.) を室温で滴下し、更に2時間室温で撹拌した。飽和NaHCO3水溶液で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。ヘキサン-ジエチルエーテルを加えて副生成物のPh3POを沈殿させ、これを濾別後、有機層を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル = 2 : 1)にて部分的に精製を行い、DIAD還元体を含むtert-Butyl N-(2-((N-((1S,2S)-2-((tert-butoxycarbonyl)amino)-cyclohexyl)-2-nitrophenyl)sulfonamido)ethyl)-N-cyclohexylglycinate (1S,2S-cHx4) を得た。これを乾燥DMF 20 mLに溶解し、K2CO3(1.25 g, 4 equiv.) 及びThiophenol (0.57 mL, 4 equiv.) を加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を留去し、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム → クロロホルム:メタノール = 10 : 1)にて精製を行い、tert-Butyl N-(2-(((1S,2S)-2-((tert-butoxycarbonyl)amino)cyclohexyl)amino)ethyl)-N-cyclohexylglycinate (1S,2S-cHx5) を得た (910 mg, 2.01 mmol, 89.2%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 5.45-5.75 (m, 1 H), 3.38 (d, J = 17.4 Hz, 1 H), 3.22-3.38 (m, 1 H), 3.00 (d, J = 17.4 Hz, 1 H), 2.65-2.83 (m, 3 H), 2.40-2.58 (m, 2 H), 2.05-2.35 (m, 3 H), 1.93-2.04 (m, 1 H), 1.53-1.91 (m, 7 H), 1.48 (s, 9 H), 1.42(s, 9 H), 0.95-1.38 (m, 9 H).
1S,2S-cHx5 (800 mg, 1.76 mmol) を乾燥トルエン40 mLに溶解し、酢酸 151 μL (1.5 equiv.) を加え、一晩還流した。室温まで戻した後、酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 20 : 1)にて精製を行い、tert-Butyl ((1S,2S)-2-(4-cyclohexyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)carbamate (1S,2S-cHx6) を得た (270 mg, 0.71 mmol, 40%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 4.67 (d, J = 9.6 Hz, 1 H), 4.37 (ddd, J = 11.7, 11.1, 3.2 Hz, 1 H), 3.50-3.64 (m, 1 H), 3.44 (d, J = 16.6 Hz, 1 H), 3.18-3.36 (m, 2 H), 3.12 (d, J = 16.6 Hz, 1 H), 2.85-2.96 (m, 1 H), 2.49 (ddd, J = 4.2, 9.4, 11.5 Hz, 1 H), 2.18-2.31 (m, 1 H), 1.97-2.12 (m, 1 H), 1.44-1.91 (m, 8 H), 1.41 (s, 9 H), 1.02-1.39 (m, 9 H).
塩酸ジオキサン溶液 (4 N, 4 mL) を0°Cに冷却し、1S,2S-cHx6 (270 mg, 0.711 mmol) を乾燥アセトニトリル 4 mLに溶解したものをゆっくりと滴下した。室温で2時間撹拌後、溶媒を留去後、残渣を再度アセトニトリルに分散し、ろ過を行った。残渣をクロロホルムに分散し、トリエチルアミンを過剰量加えた後、溶媒を留去した。アミノ置換シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel(登録商標)50NH2, 展開溶媒:クロロホルム)で精製を行い、1-((1S,2S)-2-Aminocyclohexyl)-4-cyclohexylpiperazin-2-one (1S,2S-cHxNH2) を得た (43 mg, 0.15 mmol, 22%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 4.20-4.60 (m, 1 H), 3.38 (d, J = 16.4 Hz, 1 H), 3.28 (d, J = 16.4 Hz, 1 H), 3.15-3.35 (m, 2 H), 2.50-2.95 (m, 4 H), 2.20-2.36 (m, 1 H), 1.95-2.12 (m, 1 H), 1.57-1.95 (m, 8 H), 1.00-1.56 (m, 10 H).
1S,2S-cHxNH2 41 mg (0.15 mmol) を乾燥ジクロロメタン5 mLに溶解し、DSC (41 mg, 1.1 equiv.) 及びLiClO4 (4.6 mg, 0.2 equiv.) を加え室温で一晩撹拌した。フィルターろ過後、溶媒を留去し2,5-Dioxopyrrolidin-1-yl ((1S,2S)-2-(4-cyclohexyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)carbamate (1S,2S-cHxNHS1) を得た (74 mg)。1H NMRより、夾雑物としてNHSが1.55 equiv.含まれていることを確認した。見かけの分子量を573.15とした場合の収率は80%であった。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 6.92 (brs, 2.58 H, hydroxy proton of NHS), 6.31 (d, J = 9.1 Hz, 1 H), 4.30-4.58 (m, 1 H), 3.45-3.86 (m, 4 H), 3.19-3.43 (m, 2 H), 2.65-2.90 (m, 2 H), 2.80 (s, 4 H), 2.65 (s, 6.21 H, methylene protons of NHS), 1.00-2.24 (m, 18 H).
合成例8: rac-trans-NHS1の調製
本合成例では、トランス型新規光学活性誘導体化試薬の光学純度を確かめるため、その比較物質としてラセミ型のrac-trans-NHS1及びrac-trans-NHS2を合成例1と同様の方法で調製した。
trans-1,2-Diaminocyclohexaneは光学活性体に比べて安価なため、非特許文献5を参考にモノBoc化を行った。trans-1,2-Diaminocyclohexane (9.42 g, 82.5 mmol, 3 equiv.) を乾燥ジクロロメタン 77 mLに溶解し、0 °Cに冷却した。Boc2O (6.00 g, 27.5 mmol) を乾燥ジクロロメタン77 mLに溶解したものをジアミン溶液に2時間かけて0 °Cでゆっくり滴下し、その後、室温で一晩撹拌した。水 200 mLを加えた後、水層のpHが 5.0となるように1 M HClで調整した。水層をジクロロメタンで洗浄してDiBoc体を除去した。次に水層を1 M NaOH水溶液でpH 11に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。ヘキサンを加えて結晶化させた後、得られた粗結晶をヘキサンより再結晶を行い、無色のtrans-N1-(tert-Butoxycarbonyl)-1,2-cyclohexanediamine (rac-trans-2) を得た (4.54 g, 21.2 mmol, 77.1%)。
rac-trans-2 (4.50 g, 21.0 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-3の合成方法と同様にしてrac-trans-3を合成した(7.18 g, 85.6%)。
rac-trans-3 4.80 g (12.0 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-5の合成方法と同様にしてrac-trans-5を合成した (3.53 g, 76.2%)。
rac-trans-5 3.50 g (9.08 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-6の合成方法と同様にしてrac-trans-6を合成した(1.94 g, 68.6%)。
rac-trans-6 (820 mg, 2.63 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-NH2の合成方法と同様にしてrac-trans-NH2を合成した (452 mg, 81.4%)。
rac-trans-NH2 300 mg (1.42 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-NHS1の合成方法と同様にしてrac-trans-NHS1を合成した (682 mg)。1H NMRより、夾雑物としてNHSが1.52 equiv.含まれていることを確認した。見かけの分子量を527.33とした場合の収率は82.8%であった。
NHS (1.52 equiv.) を含むrac-trans-NHS1 (500 mg, 0.948 mmol) を原料とし、合成例1の1R,2R-NHS2の合成方法と同様にしてrac-trans-NHS2を合成した。最終的に乾燥アセトニトリルより再結晶を行うことで夾雑物のNHSを完全に除去した (256 mg, 54.6%)。
合成例9: 1R,2R-NPh1の調製
本合成例では、合成例1で調製した(1R,2R)-NH2を原料として、脱離基の導入用にBis(4-nitrophenyl) Carbonate (BNPC) を用い、p-ニトロフェニルカルバメート型光学活性誘導体化試薬1R,2R-NPh1を調製した。
1R,2R-NH2 88.4 mg (0.418 mmol) を乾燥ジクロロメタン5 mLに溶解し、0 °Cに冷却した。 BNPC (101.7 mg, 0.80 equiv.) を乾燥ジクロロメタン2 mLに溶解したものを窒素気流下、0 °Cで滴下し、室温で一晩撹拌した。溶媒を留去後、乾燥して4-Nitrophenyl ((1R,2R)-2-(4-methyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)carbamate (1R,2R-NPh1) を得た (190 mg)。1H NMRより、夾雑物として未反応のBNPCが0.01 equiv.、二量体 (1R,2R-Dimer) が0.12 equiv.、p-Nitrophenolが1.2 equiv.含まれていることを確認した。見かけの分子量を522.44とした場合の収率は70.8%であった。1R,2R-Dimerについては得られた混合物の一部をアミノ置換シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wakogel(登録商標)50NH2, 展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 20 : 1)で分離し、1H NMRで確認した。また、1.0~0.8 equiv.のBNPCを用いた場合の未反応BNPC及び1R,2R-Dimerの残存量を表1に示す。1R,2R-Dimerの残存量は4.25-4.40 ppm、3.32-3.40 ppm及び2.30 ppmの積分比の平均より算出した。
BNPCが残存しているとアミノ酸との反応の際にアミノ酸の二量体が生じてしまい、正確な分析ができなくなることから残存量を最小限にする必要がある。表1より、1当量のBNPCを用いた場合では1R,2R-Dimerの生成割合は低いものの、未反応BNPCが約10%残存した。一方、0.8当量では1R,2R-Dimerが約12%生じるものの、残存BNPCを約1%に抑えれることを確認した。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 8.35 (d, J = 9.3 Hz, 0.04 H, phenyl protons of BNPC), 8.23 (d, J = 9.3 Hz, 2 H), 8.14 (d, J = 9.1 Hz, 2.46 H, phenyl protons of p-Nitrophenol), 7.51 (d, J = 9.3 Hz, 0.04 H, phenyl protons of BNPC), 7.29 (d, J = 9.3 Hz, 2 H), 6.90, (d, J = 9.1 Hz, 2.46 H, phenyl protons of p-Nitrophenol), 5.52 (d, J = 9.4 Hz, 1 H), 4.78 (d, J = 9.6 Hz, 0.23 H, amide proton of 1R,2R-Dimer), 4.43-4.60 (m, 1 H), 4.25-4.40 (m, 0.29 H, two methine protons of 1R,2R-Dimer on (2R)-carbon), 3.60-3.76 (m, 1 H), 3.32-3.40 (m, 2 H), 3.35 (d, J =16.8 Hz, 1 H), 3.01 (d, J = 16.8 Hz, 1 H), 2.90 (d, J = 16.6 Hz, 0.22 H, one side (×2) of α-protons of 1R,2R-Dimer), 2.71-2.83 (m, 1 H), 2.43-2.57 (m, 1 H), 2.33 (s, 3 H), 2.30 (s, 0.60 H, N-methyl protons of 1R,2R-Dimer), 2.15-2.27 (m, 1 H), 1.20-1.94 (m, 9 H, including 2 H of 1R,2R-Dimer).
1R,2R-Dimer
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 4.95 (d, J = 9.6 Hz, 2 H), 4.31 (dt, J = 3.4, 11.5 Hz, 2 H), 3.61-3.80 (m, 2 H), 3.23-3.32 (m, 4 H), 3.30 (d, J = 16.6 Hz, 2 H), 2.84 (d, J = 16.6 Hz, 2 H), 2.65-2.78 (m, 2 H), 2.34-2.46 (m, 2 H), 2.28 (s, 6 H), 1.97-2.10 (m, 2 H), 1.18-1.87 (m, 14 H).
合成例10: p-ニトロベンジルアミン反応物の調製
本合成例では、合成例1及び2で調製した1R,2R-NHS1及び1S,2S-NHS1の光学純度を決定するため、p-ニトロベンジルアミンを誘導体化した。比較用として、合成例8で調製したrac-trans-NHS1についても同様の誘導体化を行った。
rac-trans-NHS1 (みかけの分子量: 536.25, 100 mg, 0.186 mmol) を乾燥ジクロロメタン4 mLに溶解し、4-Nitrobenzylamine hydrochloride (53 mg, 1.5 equiv.) 及びトリエチルアミン(94 mg, 5 equiv.) を加え、室温で一晩撹拌した。飽和NaHCO3水溶液で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。過剰量の4-Nitrobenzylamineの分離を容易にするため、乾燥ジクロロメタン 4 mLに溶解し、n-Octanoyl chloride (45 mg, 1.5 equiv.) 及びトリエチルアミン (56 mg, 3 equiv.) を加え、室温で1時間撹拌した。更に、未反応のn-Octanoyl chlorideを除去するため過剰量のn-Propylamineを加え、更に1時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 30 : 1 → 15 : 1)にて精製を行い、ヘキサンを加えて結晶化させた。ヘキサン-酢酸エチルより再結晶を行い、trans-1-(2-(4-Methyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)-3-(4-nitrobenzyl)urea (rac-trans-NBn1) を得た (53 mg, 0.14 mmol, 73%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz); δ 8.17 (d, J = 8.7 Hz, 2 H), 7.46 (d, J = 8.7 Hz, 2 H), 5.72 (t, J = 5.5 Hz, 1 H), 5.29 (d, J = 8.9 Hz, 1 H), 4.44 (dd, J = 2.1, 5.9 Hz, 2 H), 4.21-4.36 (m, 1 H), 3.70-3.90 (m, 1 H), 3.21-3.40 (m, 2 H), 3.14 (d, J = 16.4 Hz, 1 H), 2.74 (d, J = 16.4 Hz, 1 H), 2.61-2.73 (m, 1 H), 2.35 (ddd, J = 4.2, 3.8, 12.1 Hz, 1 H), 2.24 (s, 3 H), 2.06-2.19 (m, 1 H), 1.12-1.98 (m, 7 H).
1R,2R-NHS1 100 mg (見かけの分子量: 505.75, 0.198 mmol) を原料とし、合成例10のrac-trans-NBn1と同様の合成方法で1R,2R-NBn1を合成した。但し、全ての1R,2R-NHS1を反応させるため、4-Nitrobenzylamine hydrochloride及びトリエチルアミンのモル量をそれぞれ3 equiv.及び6 equiv.に変更した。その後の操作のn-Octanoyl chloride、トリエチルアミン及びn-propylamineのモル量もそれぞれ4.5 equiv.、6 equiv.及び8 equiv.に変更した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール = 30 : 1 → 15 : 1)により精製を行い、オイル状の1-((1R,2R)-2-(4-Methyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)-3-(4-nitrobenzyl)urea (1R,2R-NBn1) を得た (44 mg, 0.11 mmol, 57%)。
1S,2S-NHS1 100 mg (見かけの分子量: 503.45, 0.199 mmol) を原料とし、合成例10の1R,2R-NBn1の合成方法と同様にして1-((1S,2S)-2-(4-Methyl-2-oxopiperazin-1-yl)cyclohexyl)-3-(4-nitrobenzyl)urea (1S,2S-NBn1) を合成した (51 mg, 0.13 mmol, 66%)。
実施例1:1R,2R-3及び1S,2S-3の光学純度の分析
出発原料として入手可能な(1R,2R)-及び(1S,2S)-1,2-Cyclohexanediamine (TCI)、もしくはそれらのモノBoc体の光学純度は>98%eeである。合成例1及び2でそれぞれ合成した1R,2R-3及び1S,2S-3は再結晶可能で光学純度の向上が期待できる。またUV検出が可能なNs基を有しているため、キラルカラムHPLCによりそれぞれの光学純度を決定した。ラセミ体であるrac-trans-3も比較用として用いた。
1R,2R-3及び1S,2S-3はそれぞれ100%ee及び98.9%eeの出発原料から合成したものを用い、0.25 mg/mLとなるようヘキサン-エタノール混合溶媒 (50/50, v/v) に溶解し、サンプルとした。rac-trans-3は0.5 mg/mLとなるように調製した。分析条件は下記の通りである。
結果を図2に示す。図2に示したように、100%eeの出発原料から合成した1R,2R-3は100%eeを維持していた。また、98.9%eeの出発原料から合成した1S,2S-3でもエナンチオマーのピークは見られず、精製時の再結晶操作により光学純度がほぼ100%eeにまで向上した。
実施例2:1R,2R-NHS1及び1S,2S-NHS1の光学純度の分析
合成例1及び2で調製した1R,2R-NHS1及び1S,2S-NHS1がそれぞれ1R,2R-3及び1S,2S-3の高い光学純度を維持しているか確かめるため、p-ニトロベンジルアミンを誘導体化した1R,2R-NBn1及び1S,2S-NBn1を用い、キラルHPLCによる光学純度の測定を行った。
1R,2R-NBn1及び1S,2S-NBn1はそれぞれ100%ee及び98.9%eeの出発原料から合成したものを用い、ラセミ体のものも含めそれぞれ1 mg/mLとなるようヘキサン-エタノール混合溶媒 (50/50, v/v) に溶解し、サンプルとした。分析条件は下記の通りである。
結果を図3に示す。図3に示したように、p-ニトロベンジルアミンを誘導体化した1R,2R-NBn1及び1S,2S-NBn1について、それぞれ対応するエナンチオマーのピークは確認されず、1R,2R-NHS1及び1S,2S-NHS1はどちらも高い光学純度が維持されていることを確認した。活性化部位の異なる1R,2R-NPh1及び1S,2S-NPh1についても同じ前駆体 (1R,2R-NH2及び1S,2S-NH2) を用いているため、高い光学純度が期待できる。
実施例3
CE-TOFMS (Cation Mode)測定用誘導体化反応操作手順
[cis-3級アミン型誘導体化試薬 1S,2R-NHS1を用いた誘導体化アミノ酸の調製・測定]
以下に示す方法に従って、cis-3級アミン型誘導体化試薬 1S,2R-NHS1を用いアミノ酸誘導体サンプルを調製し、CE-TOFMS (Cation Mode)測定を実施した。測定条件を表9に示す。測定中のサンプル注入口の圧力は 0 mbar、-15 mbar、-30 mbarに設定し、それぞれ測定した。
DL-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したDL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)( 当該DL-アミノ酸混合標準濃度溶液の調製方法及び組成を表4に示す。当該DL-アミノ酸混合標準濃度溶液は、表4に記載の各アミノ酸を全て含む。以下同様。) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1S,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQ(超純水装置「Milli-Q」で精製した水。以下同様)で約27倍希釈した溶液をDL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図4~11に示す。
L-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(当該L-アミノ酸混合標準濃度溶液の調製方法及び組成を表5に示す。当該L-アミノ酸混合標準濃度溶液は、表5に記載の各アミノ酸を全て含む。以下同様。) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1S,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで約27倍希釈した溶液をL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図12~19に示す。
[trans-3級アミン型誘導体化試薬 1R,2R-NHS1を用いた誘導体化アミノ酸の調製・測定]
以下に示す方法に従って、trans-3級アミン型誘導体化試薬 1R,2R-NHS1を用いアミノ酸誘導体サンプルを調製し、CE-TOFMS (Cation Mode)測定を実施した。測定条件を表9に示す。測定中のサンプル注入口の圧力は 0 mbar、-15 mbar、-30 mbarに設定し、それぞれ測定した。
DL-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したDL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表4) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで約27倍希釈した溶液をDL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図20~27に示す。
L-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表5) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで約27倍希釈した溶液をL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図28~図35に示す。
[cis-4級アンモニウム型誘導体化試薬 1R,2S-NHS2を用いた誘導体化アミノ酸の調製・測定]
以下に示す方法に従って、cis-4級アンモニウム型誘導体化試薬 1R,2S-NHS2を用いアミノ酸誘導体サンプルを調製し、CE-TOFMS (Cation Mode)測定を実施した。測定条件を表9に示す。測定中のサンプル注入口の圧力は 0 mbar、-15 mbar、-30 mbarに設定し、それぞれ測定した。
DL-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したDL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表4) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2S-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで約27倍希釈した溶液をDL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図36~図42に示す。
L-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表5) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2S-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで約27倍希釈した溶液をL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図43~図49に示す。
[trans-4級アンモニウム型誘導体化試薬 1R,2R-NHS2を用いた誘導体化アミノ酸の調製・測定]
以下に示す方法に従って、 trans-4級アンモニウム型誘導体化試薬 1R,2R-NHS2を用いアミノ酸誘導体サンプルを調製し、CE-TOFMS (Cation Mode)測定を実施した。測定条件を表9に示す。測定中のサンプル注入口の圧力は 0 mbar、-15 mbar、-30 mbarに設定し、それぞれ測定した。
DL-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したDL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表4) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで約27倍希釈した溶液をDL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図50~図56に示す。
L-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表5) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで約27倍希釈した溶液をL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図57~図63に示す。
LC-OrbitrapMS (Positive)測定用誘導体化反応操作手順
[cis-3級アミン型誘導体化試薬 1S,2R-NHS1を用いた誘導体化アミノ酸の調製・測定]
以下に示す方法に従って、cis-3級アミン型誘導体化試薬 1S,2R-NHS1を用いアミノ酸誘導体サンプルを調製し、LC-OrbitrapMS (Positive)測定を実施した。測定条件を表10に示す。
アミノ酸ブランクサンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、MilliQ (25 μL)の混合溶液を調製した。そこに、25 mM 1S,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸ブランクサンプルとして測定に用いた。
結果として、副生成物の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図64に示す。
DL-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したDL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表4) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1S,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をDL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、トータルイオンクロマトグラム (TIC)、及び各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図65~図68に示す。
L-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表5) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1S,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、トータルイオンクロマトグラム (TIC)、及び各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図69~図72に示す。
アミノ酸誘導体サンプル(1)の調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したアミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)_(1)(アミノ酸混合標準濃度溶液(1)の調製方法及び組成を表6に示す。) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1S,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸誘導体サンプル(1)として測定に用いた。
結果として、各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図73に示す。
アミノ酸誘導体サンプル(2)の調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したアミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)_(2)(アミノ酸混合標準濃度溶液(1)の調製方法及び組成を表7に示す。) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1S,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸誘導体サンプル(2)として測定に用いた。
結果として、各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図74に示す。
アミノ酸誘導体サンプル(3)の調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したアミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)_(3)(アミノ酸混合標準濃度溶液(1)の調製方法及び組成を表8に示す。) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1S,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸誘導体サンプル(3)として測定に用いた。
結果として、各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図75に示す。
[trans-3級アミン型誘導体化試薬 1R,2R-NHS1を用いた誘導体化アミノ酸の調製・測定]
以下に示す方法に従って、trans-3級アミン型誘導体化試薬 1R,2R-NHS1を用いアミノ酸誘導体サンプルを調製し、LC-OrbitrapMS (Positive)測定を実施した。測定条件を表10に示す。
アミノ酸ブランクサンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、MilliQ (25 μL)の混合溶液を調製した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸ブランクサンプルとして測定に用いた。
結果として、副生成物の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図76に示す。
DL-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したDL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表4) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をDL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、トータルイオンクロマトグラム (TIC)、及び各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図77~図80に示す。
L-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表5) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、トータルイオンクロマトグラム (TIC)、及び各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図81~図84に示す。
アミノ酸誘導体サンプル(1)の調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したアミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)_(1)(表6) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸誘導体サンプル(1)として測定に用いた。
結果として、各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図85に示す。
アミノ酸誘導体サンプル(2)の調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したアミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)_(2)(表7) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸誘導体サンプル(2)として測定に用いた。
結果として、各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図86に示す。
アミノ酸誘導体サンプル(3)の調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したアミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)_(3)(表8) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸誘導体サンプル(3)として測定に用いた。
結果として、各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図87に示す。
[cis-4級アンモニウム型誘導体化試薬 1R,2S-NHS2を用いた誘導体化アミノ酸の調製・測定]
以下に示す方法に従って、cis-4級アンモニウム型誘導体化試薬 1R,2S-NHS2を用いアミノ酸誘導体サンプルを調製し、LC-OrbitrapMS (Positive)測定を実施した。測定条件を表10に示す。
アミノ酸ブランクサンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、MilliQ (25 μL)の混合溶液を調製した。そこに、25 mM 1R,2S-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸ブランクサンプルとして測定に用いた。
結果として、副生成物の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図88に示す。
DL-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したDL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表4) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2S-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をDL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、トータルイオンクロマトグラム (TIC)、及び各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図89~図92に示す。
L-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表5) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2S-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、トータルイオンクロマトグラム (TIC)、及び各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図93~図96に示す。
アミノ酸誘導体サンプル(1)の調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したアミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)_(1)(表6) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2S-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸誘導体サンプル(1)として測定に用いた。
結果として、各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図97に示す。
アミノ酸誘導体サンプル(2)の調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したアミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)_(2)(表7) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2S-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸誘導体サンプル(2)として測定に用いた。
結果として、各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図98に示す。
アミノ酸誘導体サンプル(3)の調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したアミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)_(3)(表8) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2S-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸誘導体サンプル(3)として測定に用いた。
結果として、各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図99に示す。
[trans-4級アンモニウム型誘導体化試薬 1R,2R-NHS2を用いた誘導体化アミノ酸の調製・測定]
以下に示す方法に従って、 trans-4級アンモニウム型誘導体化試薬 1R,2R-NHS2を用いアミノ酸誘導体サンプルを調製し、LC-OrbitrapMS (Positive)測定を実施した。測定条件を表10に示す。
アミノ酸ブランクサンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、MilliQ (25 μL)の混合溶液を調製した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸ブランクサンプルとして測定に用いた。
結果として、副生成物の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図100に示す。
DL-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したDL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表4) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をDL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、トータルイオンクロマトグラム (TIC)、及び各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図101~図104に示す。
L-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表5) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、トータルイオンクロマトグラム (TIC)、及び各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図105~図108に示す。
アミノ酸誘導体サンプル(1)の調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したアミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)_(1)(表6) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸誘導体サンプル(1)として測定に用いた。
結果として、各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図109に示す。
アミノ酸誘導体サンプル(2)の調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したアミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)_(2)(表7) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸誘導体サンプル(2)として測定に用いた。
結果として、各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図110に示す。
アミノ酸誘導体サンプル(3)の調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したアミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)_(3)(表8) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS2アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をアミノ酸誘導体サンプル(3)として測定に用いた。
結果として、各誘導体の抽出イオンクロマトグラム (EIC)を図111に示す。
LC-TOFMS (Positive)測定用誘導体化反応操作手順
[trans-3級アミン型誘導体化試薬 1R,2R-NHS1 / 1R,2R-NPh1を用いた誘導体化アミノ酸の調製・測定]
以下に示す方法に従って、trans-3級アミン型誘導体化試薬 1R,2R-NHS1 / 1R,2R-NPh1を用いて調製した各DL-アミノ酸誘導体サンプルのLC-TOFMS (Positive)測定を実施した。測定条件を表11に示す。
1R,2R-NHS1を用いた DL-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.6 (20 μL)、200 mM NaOH aq. (5 μL)の混合溶液を調製した後、予め調製したDL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表4) (20 μL)を加え混合した。そこに、25 mM 1R,2R-NHS1アセトニトリル溶液 (45 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、50℃の条件下で 10分間振盪することにより反応した。反応溶液に 0.1% ギ酸水溶液 (90 μL)を加え希釈・混合し、氷上冷却した。
さらに MilliQで100倍希釈した溶液をDL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、EIC及びMSスペクトルを図112~図132に示す。
1R,2R-NPh1を用いたDL-アミノ酸誘導体サンプルの調製
1.5mL型エッペンチューブに、200 mM ほう酸ナトリウム緩衝溶液, pH 9.2 (50 μL)、DL-アミノ酸混合標準濃度溶液 (in 0.04N HCl aq.)(表4)の100倍希釈水溶液 (50 μL)を加え混合した。そこに、10 mM 1R,2R-NPh1アセトニトリル溶液 (100 μL)を加えボルテックスミキサーで混合した後、25℃の条件下に 10分間静置することにより反応した。
この反応溶液 20 μLと 0.1% ギ酸水溶液 20 μLとの混合溶液を MilliQで4倍希釈した溶液をDL-アミノ酸誘導体サンプルとして測定に用いた。
結果として、EIC及びMSスペクトルを図133~図153に示す。
[結果・まとめ]
実施例のCE-TOFMS測定結果によれば、cis-3級アミン型誘導体化試薬 1S,2R-NHS1やtrans-3級アミン型誘導体化試薬 1R,2R-NHS1等を用いた誘導体化により、アミノ酸の種類によってはCEによるキラル分離が可能であることがわかった。また、CE測定条件の最適化により、キラル分離が可能になると期待できるアミノ酸もあると思われた。
実施例の LC-OrbitrapMS測定結果によれば、cis-3級アミン型誘導体化試薬 1S,2R-NHS1やtrans-3級アミン型誘導体化試薬 1R,2R-NHS1等を用いた誘導体化により、表4に記載されているキラルアミノ酸をすべてDL分離し検出出来ることがわかった。また、cis-型、trans-型いずれの誘導体化試薬を用いた場合においても、各アミノ酸のD-アミノ酸誘導体とL-アミノ酸誘導体の溶出順序が揃っていることを確認出来た。Thr、allo-Thrの異性体に関しては、cis-型の誘導体においてはすべて分離出来、trans-型の誘導体においても、LC測定条件の最適化によりすべて分離出来ることを期待できる。
実施例の LC-TOFMS測定結果によれば、1R,2R-NHS1のDL-アミノ酸誘導体と1R,2R-NPh1のDL-アミノ酸誘導体において、いずれも同等のDL分離を示すことを確認出来た。また、1R,2R-NHS1の DL-アミノ酸誘導体サンプルにおいては、Asp誘導体と同等組成の副生成物ピークが観られるが、1R,2R-NPh1のDL-アミノ酸誘導体サンプルにおいては、その副生成物ピークは観られなくなったことを確認出来た。

Claims (5)

  1. 一般式(I)で表される化合物又はその塩:
    [式中、Rは求核性化合物と反応する基を示す。Rはアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又は二環式炭化水素基を示す。mは1~2の自然数を示す。nは1又は2を示す。nが2の場合、2つのRは共にメチル基を示す。
    は、
    を示す。
    は、
    を示す。]
  2. がアルキル基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. mが2である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  4. 被検体試料に請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を添加して、当該被検体試料が互いに鏡像異性体である化合物の対、又は該鏡像異性体のうち一方の化合物を含む場合に、該鏡像異性体の対又はその一方の化合物と請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物又はその塩とを反応させて誘導体混合物を生成する工程、及び
    該誘導体を分離し検出する工程
    を含む、鏡像異性体の分析方法。
  5. 互いに鏡像異性体である化合物の対がL-アミノ酸とD-アミノ酸である、請求項4に記載の方法。
JP2021103757A 2021-06-23 2021-06-23 2-(2-オキソ-4-置換ピペラジニル)シクロアルキルカルバメート化合物又はその塩、当該化合物を用いる鏡像異性体の分析方法 Active JP7444363B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021103757A JP7444363B2 (ja) 2021-06-23 2021-06-23 2-(2-オキソ-4-置換ピペラジニル)シクロアルキルカルバメート化合物又はその塩、当該化合物を用いる鏡像異性体の分析方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021103757A JP7444363B2 (ja) 2021-06-23 2021-06-23 2-(2-オキソ-4-置換ピペラジニル)シクロアルキルカルバメート化合物又はその塩、当該化合物を用いる鏡像異性体の分析方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023002911A JP2023002911A (ja) 2023-01-11
JP7444363B2 true JP7444363B2 (ja) 2024-03-06

Family

ID=84817100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021103757A Active JP7444363B2 (ja) 2021-06-23 2021-06-23 2-(2-オキソ-4-置換ピペラジニル)シクロアルキルカルバメート化合物又はその塩、当該化合物を用いる鏡像異性体の分析方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7444363B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501008A (ja) 2004-05-28 2008-01-17 シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト ピペラジン誘導体及び有害小動物を制御する上でのその使用
CN102408344A (zh) 2011-08-01 2012-04-11 温州大学 一类手性溶剂化试剂
WO2017057433A1 (ja) 2015-10-02 2017-04-06 味の素株式会社 鏡像異性体の分析方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501008A (ja) 2004-05-28 2008-01-17 シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト ピペラジン誘導体及び有害小動物を制御する上でのその使用
CN102408344A (zh) 2011-08-01 2012-04-11 温州大学 一类手性溶剂化试剂
WO2017057433A1 (ja) 2015-10-02 2017-04-06 味の素株式会社 鏡像異性体の分析方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Tetrahedron Letters,2005年,46,6907-6910,doi:10.1016/j.tetlet.2005.08.009

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023002911A (ja) 2023-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Nishizawa et al. Synthesis and structure-activity relations of bestatin analogs, inhibitors of aminopeptidase B
Capone et al. Electrophilic S‐Trifluoromethylation of Cysteine Side Chains in α‐and β‐Peptides: Isolation of Trifluoro‐methylated Sandostatin®(Octreotide) Derivatives
JP6791153B2 (ja) 鏡像異性体の分析方法
You et al. Development of a sensitive fluorescent derivatization reagent 1, 2-benzo-3, 4-dihydrocarbazole-9-ethyl chloroformate (BCEOC) and its application for determination of amino acids from seeds and bryophyte plants using high-performance liquid chromatography with fluorescence detection and identification with electrospray ionization mass spectrometry
EP0363994B1 (en) (2r,3s,4s)-alpha-(carboxycyclopropyl)glycine
US8026397B2 (en) Method for obtaining an aminoindan mesylate derivative
JP7444363B2 (ja) 2-(2-オキソ-4-置換ピペラジニル)シクロアルキルカルバメート化合物又はその塩、当該化合物を用いる鏡像異性体の分析方法
EP1046627B1 (fr) Procédé pour la séparation d'énantiomères et réactif énantiopur
US4818704A (en) Method for the separation and determination of enantiomeric amine compounds using an optically active agent
US20080058548A1 (en) Concise beta2-amino acid synthesis via organocatalytic aminomethylation
US20040176637A1 (en) Process for preparation of 2-chlorophenylglycine derivatives and enantiomerically separation
WO2020218173A1 (ja) 新規フルオロジニトロフェニル化合物及びその用途
US11535647B2 (en) Peptide purification method using sulfonate compound
Schade et al. Efficient synthesis of optically pure Nω-alkylated l-arginines
FI90410B (fi) Optisesti aktiivinen reagenssi ja menetelmä enantiomeeristen primaaristen ja sekundaaristen amiinien määrittämiseksi HPLC:llä
CN105566447A (zh) 一种凋亡抑制蛋白的类肽拮抗剂及其合成方法与应用
CA2895334C (en) Axially chiral n-(2-acylaryl)-2-[5,7-dihydro-6h-dibenzo[c,e]azepin-6-yl]acetamide compound and chirality interconversion method of .alpha.-amino acid using the same
Saghyan et al. New generations of optically active non-proteinogenic α-amino acids, synthesis and study
WO2022149584A1 (ja) ペプチド
US20190185428A1 (en) Method for producing chiral aminonitriles
JP2010260832A (ja) アミノ酸−n−カルボキシ無水物の製造方法
CN116655605A (zh) 一种苯基吡唑类化合物、及其制备方法和应用
WO2012034065A1 (en) Aliskiren intermediates and a process for analyzing the purity of aliskiren
Alami et al. SYNTHESIS OF NEW HIGHER HOMOLOGUES OF QUISQUALIC ACID
JP2014034573A (ja) 光学活性ピリジルチオウレア誘導体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231109

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20231109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7444363

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150