JP7440029B2 - 好熱・好気性有機酸分解微生物を用いた高速コンポスト化 - Google Patents

好熱・好気性有機酸分解微生物を用いた高速コンポスト化 Download PDF

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Description

NPMD NITE P-02975 NPMD NITE P-02976
本発明は、単数もしくは複数の新規な好熱・好気性有機酸分解菌、及び該好熱・好気性有機酸分解菌を用いた有機性廃棄物を高速にコンポスト化する方法に関する。
近年の生活様式の変化にともない食品廃棄物が大量に発生することが大きな問題となっている。廃棄物の中でも食品の製造過程で発生する残渣、食品の売れ残りや食べ残しなどは平成27年度には年間2842万tにも達し、そのうち約1110万tが焼却・埋め立てによって処理されていることから(非特許文献1)、最終処分場の延命のためにも食品廃棄物を焼却処分せず、コンポスト化することで有用な資源として農地に還元することに期待が高まっている。
食品廃棄物のコンポスト化を更に普及させるには、短時間のコンポスト化を可能にする高速コンポスト化を行う必要がある。高速コンポスト化においては、微生物にとって適正な温度、酸素濃度、pHなどを維持することが重要であるが、特にpHについては中性から弱アルカリ性を維持することが有機物の分解促進に有効であることがわかっている。食品廃棄物のコンポスト化過程で有機酸が蓄積しpHが酸性になると微生物による有機物分解が完全に阻害されることがあることもよく知られている。
このため、コンポストの酸性化を防ぐために水酸化カルシウム(非特許文献2)、フライアッシュと石灰(非特許文献3)、酢酸ナトリウム(非特許文献4)などのアルカリ性物質をコンポスト原料に混合することが行われてきたが、このようなアルカリ物質を添加することによって有機酸を中和する方法で作られたコンポストは、わが国では有機野菜生産のためのコンポストとしては使用できない(非特許文献5)。このため、化学物質の添加に代わって、微生物を接種して適正なpHを維持する方法が検討されている。本発明者らは酸分解性酵母を見出し、この微生物をコンポスト原料に接種し、酵母の適温である40℃を維持することでコンポスト化初期のpH低下を抑制することに成功している(非特許文献6)。しかしながら、この微生物は温度が60℃に達する高温段階では死滅してしまい、高温段階で酸を分解することはできない。
一方、Songらは、ジスゴノモナス属種(Dysgonomonas sp.)、シュードモナス・カエニ(Pseudomonas caeni)、エアリバチルス・パリダス(Aeribacillus pallidus)、シュードモナス属種(Pseudomonas sp.)、ラクトバチルス サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、及びバチルス・セレウス(Bacillus cereus)によって構成されている微生物群を有機酸の蓄積した食品廃棄物に接種して、50~70℃の高温条件下で有機酸が分解されることを報告している(非特許文献7)。しかしながら、これらの微生物群には、高温段階では活性を持たないと言われる微生物が含まれており、コンポスト堆積層に存在する温度が低い場所で有機酸を分解していた可能性もあることから、真の高温条件で有機酸を分解する好熱・好気性有機酸分解菌を特定することはできていない。また、これらの微生物のすべてが本当に共存する必要があるかについても明らかにされていない。
農林水産省 (2018) 食品廃棄物等の利用状況 Gray, K. R., Sherman, K. and Biddlestone, A. J. (1971) Review of composting-Part 1, Process Biochem., 6, 32-36 Wong, J. W. C., Fung, S. O. and Selvam, A. (2009) Coal fly ash and lime addition enhances the rate and efficiency of decomposition of food waste during composting, Biores. Technol, 100, 3324-3331 Yu, H. and Huang, G. H. (2009) Effects of sodium acetate as a pH control amendment on the composting of food waste, Biores. Technol, 100, 2005-2011 農林水産省 (2018) 有機肥料の日本農林規格 Nakasaki, K., Araya, S. and Mimoto, H. (2013) Inoculation of Pichia kudriavzevii RB1 degrades the organic acids present in raw compost material and accelerates composting, Biores. Technol., 144, 521-528 Song, C., Li, M., Qi, H., Zhang, Y., Liu, D., Xia, X., Pan, H. and Xi, B. (2018) Impact of anti-acidification microbial consortium on carbohydrate metabolism of key microbes during food waste composting, Biores. Technol, 259, 1-9
本発明は、コンポストの高温条件下においても生育可能であり、コンポストの原料となる有機性廃棄物に含有する有機酸を分解することができる好熱・好気性有機酸分解菌を提供することを目的とする。
上記実情に鑑み、本発明者らは、コンポスト試料中の微生物叢から、酢酸を含む培地を用いて、好気条件下、60℃以上の高温条件下で酢酸を分解できる少なくとも2種の微生物を単離することに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]有機性廃棄物を高速にコンポスト化するための好熱・好気性有機酸分解菌であって、下記のプライマーセット:
(a)配列番号1に示される塩基配列又はこれと実質的に同一の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、及び
(b)配列番号2に示される塩基配列又はこれと実質的に同一の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
によって検出される塩基配列を含む16S rRNA又は16S rDNAを有する好熱・好気性有機酸分解菌。
[2]生育可能温度が20~80℃、生育至適温度が40~70℃の範囲にある、上記[1]に記載の好熱・好気性有機酸分解菌。
[3]好熱・好気性有機酸分解菌がバチルス属(Bacillus)に属する新規微生物(NITE P-02975)である、上記[1]又は[2]に記載の好熱・好気性有機酸分解菌。
[4]好熱・好気性有機酸分解菌がゲオバチルス属(Geobacillus)に属する新規微生物(NITE P-02976)である、上記[1]又は[2]に記載の好熱・好気性有機酸分解菌。
[5]有機性廃棄物を高速にコンポスト化する方法であって、下記のプライマーセット:
(a)配列番号1に示される塩基配列又はこれと実質的に同一の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、及び
(b)配列番号2に示される塩基配列又はこれと実質的に同一の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
によって検出される塩基配列を含む16S rRNA又は16S rDNAを有する、好熱・好気性有機酸分解菌を高温コンポスト化の過程に接種することを含む方法。
[6]高速化が、好熱・好気性有機酸分解菌によってコンポスト高温段階における有機酸の分解を促進することによる、上記[5]に記載の方法。
[7]好熱・好気性有機酸分解菌が、バチルス属(Bacillus)に属する新規微生物(NITE P-02975)及び/又はゲオバチルス属(Geobacillus)に属する新規微生物(NITE P-02976)である、上記[5]又は[6]に記載の方法。
[8]有機性廃棄物が、食品廃棄物、糞尿、動植物残さ、古紙、及び汚泥からなる群から選択される、上記[5]~[7]のいずれかに記載の方法。
本発明は、新規に単離された好熱・好気性有機酸分解菌を高温コンポスト化の過程に接種することにより、高温段階における通気操作においても有機酸の分解を促進し、高速コンポスト化に欠かすことのできない、pHの上昇をさせることができる。
高温段階で酢酸が活発に分解されたコンポスト化における微生物存在度の経時変化を示す図である。 コンポスト化の経時変化を示す図である。(a)B.コアグランス(#6)及びゲオバチルス(#20)の相対存在度;(b)酢酸濃度;(c)pH;及び(d)温度。 バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)株(図中、「IP1」として表される)を含む系統樹を示す。 ゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス(Geobacillus thermodenitrificans)株(図中、「UM5」として表される)を含む系統樹を示す。 バチルス・コアグランス(IP1)株及びゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス(UM5)株を用いた液体培地中の酢酸分解を示す図である。 バチルス・コアグランス(IP1)株及びゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス(UM5)株を用いた液体培地中のpHを測定した結果を示す。 バチルス・コアグランス(IP1)株及びゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス(UM5)株を用いた液体培地中の菌体濃度を測定した結果を示す。 コンポスト化実験システムの概略図である。 Run H、I、及びJの含水率の経時変化を示す図である。「Run」に関して、後述する表9を参照されたい。 Run H、I、及びJの累積炭酸ガス発生速度の経時変化を示す図である。「Run」に関して、後述する表9を参照されたい。 Run H、I、及びJの酢酸濃度の経時変化を示す図である。「Run」に関して、後述する表9を参照されたい。 Run H、I、及びJのpHの経時変化を示す図である。「Run」に関して、後述する表9を参照されたい。 Run H、I、及びJの菌体濃度の経時変化を示す図である。「Run」に関して、後述する表9を参照されたい。
以下、本発明の説明のために、好ましい実施形態について詳述する。
前述の通り、本発明は、有機性廃棄物を高速にコンポスト化するための新規な好熱・好気性有機酸分解菌、及びそれを使用した、有機性廃棄物を高速にコンポスト化する方法に関する。本発明の一態様では、好熱・好気性有機酸分解菌は、下記のプライマーセット:
(a)配列番号1に示される塩基配列又はこれと実質的に同一の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、及び
(b)配列番号2に示される塩基配列又はこれと実質的に同一の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
によって検出される塩基配列を含む16S rRNA又は16S rDNAを有することによって特定される。ここで、本明細書で使用するとき、語句「実質的に同一な塩基配列」とは、対応する上記プライマーの塩基配列と90%以上、95%以上、98%以上、若しくは99%以上の配列同一性を有する塩基配列、又は上記プライマーの塩基配列の塩基の複数個、好ましくは5個、より好ましくは4個、さらに好ましくは3個、さらにより好ましくは2個、最も好ましくは1個が欠失、付加及び/又は置換されている塩基配列をいう。
ここで、特段の場合を除き、本発明に関連して用いられる科学技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有する。また、本明細書において記述される微生物及び培養、分子生物学、ならびにタンパク質及びオリゴ又はポリヌクレオチド化学及びハイブリダイゼーションに関連して用いられる名称、及びそれらの技術は、当該技術分野において周知であり、一般的に用いられる。オリゴヌクレオチド合成、及び細菌培養に関しても、標準的な技術が用いられる。本明細書において記述される分析化学、ならびに医化学及び薬化学に関連して用いられる名称、ならびにそれらの実験技法及び技術は、当該技術分野において周知であり、一般的に用いられる技法及び技術であることは、当業者によって承認されるべきものである。
本開示に従って用いられるように、以下の用語は、それ以外であることを示している場合を除き、以下の意味を有すると理解される。本明細書において使用するとき、用語「コンポスト」とは、有機性廃棄物をコンポスト化処理された後の堆肥を意味する。ここで、用語「コンポスト化」とは、有機性廃棄物を微生物の働きでコンポスト(堆肥)にすることをいう。なお、本発明によれば、コンポスト化に使用される微生物は「好熱・好気性有機酸分解菌」であることを特徴とするが、コンポスト化に使用される微生物は、「好熱性有機酸分解菌」と「好熱性有機物分解菌」を合わせた複合菌であってもよい。より具体的には、コンポスト化は、上記二群の微生物がコンポスト化に機能し、好熱性有機酸分解菌により有機酸が分解されるのと同時に、好熱性有機物分解菌により有機物が活発に分解されるというメカニズムで行われるものであってもよい。ここで、用語「有機酸」とは、少なくとも1つのカルボン酸基を含んでいる酸を指す。場合により、「有機酸」は、C1-10有機酸であり、また、有機酸は2つのカルボキシラート基を含んでもよい。「有機酸」としては、限定されないが、例えば、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、プロピオン酸、酪酸などが挙げられる。一方、「有機物」としては、限定されないが、糖、タンパク質、脂肪などが挙げられる。また、用語「有機性廃棄物」とは、一般的に、生物学的分解によって環境中に直接還元することができる廃棄物を指し、限定されないが、生ごみなどの食品廃棄物、糞尿、動植物性残さ、古紙、及び汚泥などが挙げられる。食品廃棄物には、一般廃棄物(事業系及び家庭系を問わない)及び産業廃棄物が含まれる。具体的には、食品廃棄物の例は、限定されないが、生ごみ、おから、排乳、ホエイ、コーヒーかす、茶かすなどが挙げられる。
本発明は、従来のコンポスト化と比べて高速にコンポスト化し得ることを特徴とする。本明細書で使用する場合、用語「高速(化)」とは、本発明の方法により、従来のコンポスト化法と比べて、好熱・好気性有機酸分解菌の作用により、コンポスト化までの時間を短縮することができることを意味する。従来のコンポスト化法では、有機物分解に数週間~数カ月以上を要することは周知である。このようにコンポスト化に長時間を要する原因として、まず、有機性廃棄物のコンポスト化過程で有機酸が蓄積し、そのためpHが酸性になると微生物による有機物分解が阻害されることが挙げられる。その後、微生物の働きが阻害されることで、コンポスト堆積層内の温度が低下する。引き続いて、好熱性でない酸分解菌が低温条件下で増え、酸の一部が分解されることで、他の有機物分解菌の作用が促進され活発な有機物分解が再び開始する。このため、新たな酸の生成と堆積層内の温度が上昇し、高温で酸が蓄積することで微生物の働きが阻害されるという悪い循環がおこり、結果としてコンポスト化に長時間がかかることになる。よって、本発明によれば、コンポスト化までの時間を7~10日、長くても2週間程度に短縮することができ、従来のコンポスト化法によるコンポスト化までの時間と比較して、その時間が、限定されないが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、若しくは100倍、又は2~100、3~90、5~80、10~70、若しくは20~50倍短縮され得る。
1.好熱・好気性有機酸分解菌の同定
本発明の高速コンポスト化に使用される「好熱・好気性有機酸分解菌」は、通気をともなうコンポスト化過程の高温段階(例えば、50℃以上)で有機酸を分解する能力を維持し、また、有機酸が蓄積し、コンポストのpHが酸性になった環境下でさえ有機酸を分解する能力を維持する微生物を指す。
本発明のコンポスト化過程で見出される好熱・好気性有機酸分解菌は、細菌が有する16S rRNA遺伝子をPCRにて増幅し、次世代シーケンサーを用いて試料中の微生物叢変化(細菌の種類や存在度など)を網羅的に解析することによって同定することができる。
従来、細菌の種類を同定するためには、選択培地による増菌やキャピラリーシーケンサーによる個別のシーケンス解析が必要であったが、細菌によっては増菌できないものがあること、大量の解析を行うには不向きであるなど問題が多い。周知の通り、細菌が有する16S rRNA遺伝子は、タンパク翻訳に関わる重要な遺伝子であるため、細菌の種類によらず、比較的保存されている領域である。また、細菌の種類ごとに安定であることから、16S rRNA遺伝子を解析し、既存のデータベースと照らし合わせることにより、細菌の種類を同定することができる。
16S rRNA菌叢解析に関して、遺伝子長が約1.5kbpの16S rRNAには、細菌の種類ごとに配列が異なるV領域が9か所(V1~V9)あることが知られている。V1~V2領域又はV3~V4領域に対する特異的プライマーを設計し、PCRを行うことにより、500bp程度の増幅産物が得られる。さらには、次世代シーケンサーで解析するために必要なアダプター配列を付加したプライマーセットを用いて増幅し、その後、インデックスPCRによって任意の識別配列及びシーケンス配列を付加することで、各種シーケンサーでのシーケンスランが可能となる。得られたシーケンスデータを専用解析ソフトで解析し、菌叢の一次解析(系統樹、分布図)を出力することができる。さらには、二次解析(主成分分析、α多様性解析)もすることができる。例えば、上記一次解析により、コンポス試料中の微生物叢の変化を経時的に分析することができる(図1を参照されたい)。
一般的に、遺伝子を増幅するための方法としては、PCR法(Saiki R.K.ら,Science,230,1350-1354(1985))が主流であるが、これに限定されず、当業者であれば、例えば、ライゲース連鎖反応(LCR)(Wu D.Y.ら,Genomics,4,560-569(1989))、及び転写に基づく増幅(Kwoh D.Y.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86,1173-1177(1989))等の温度循環を必要とする反応、並びに鎖置換反応(SDA)(Walker G.T.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,392-396(1992);Walker G.T.ら,Nuc.Acids Res.,20,1691-1696(1992))等を用いることができることは容易に理解される。なお、本発明の方法においては、簡便であるという利点を考えて、PCR法を利用することが好ましい。
PCR用のプライマーの設計は、一般的な設計条件に基づいて行われるが、以下の条件を付して行ってもよい。増幅サイズは80~150塩基(増幅効率を100%にするため)、プライマー長さは17~25塩基(長過ぎるとアニーリング効率が低下する)GC含量は40~60%(45~55%が望ましい)とし、偏りがないように、部分的にGC、ATリッチができないように注意する、T/C、A/Gが連続しないように注意する、プライマー内部での3塩基以上の相補的配列を避ける、プライマー間での3塩基以上の相補的配列を避ける、プライマー3’末端が2塩基相補する配列を避ける。プライマーの標的塩基配列への特異性を確認するため、所定のPCR反応条件下で定量的PCR法(例えば、SYBRグリーンを利用したリアルタイムPCR法、蛍光プローブ法、競合PCR法)を用いて、増幅曲線分析及び融解曲線分析を行って、微生物濃度を定量することができる。なお、本発明では、微生物叢変化を網羅的に分析するために次世代シーケンサーを用いることができるが、遺伝子増幅のために、インデックス配列を有するプライマーを用いたインデックスPCRを使用することができる。
次に、上記で核酸を増幅させたPCR増幅産物をポリアクリルアミドゲルで電気泳動することによって分離し得る。電気泳動によるPCR増幅産物の分離は常法に従って容易に行うことができる。電気泳動で使用するゲルは、核酸を変性させるための変性剤を含み、核酸の分離に適した所定の濃度勾配を有するポリアクリルアミドゲルであることが好ましい。また、電気泳動に使用される泳動溶液及び電圧等の泳動条件は適宜調整することができる。
本発明によれば、シーケンシングによる一次解析後、コンポスト試料から有機酸含有培地を用いて、好気条件下、高温条件下で有機酸を分解できる微生物をスクリーニングすることによって、目的とする好熱・好気性有機酸分解菌を得ることができる。後述する実施例1に示されるように、酢酸を含む培地中、好気条件下、60℃の培養条件でスクリーニングを行った結果、好熱・好気性有機酸分解菌として、2種の菌株を同定することに成功した。一方は、図3に示した系統樹において、「IP1」と記載された菌株であって、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)の近縁株(99%の相同性を有する)であり、配列番号3に示される16S rDNAの塩基配列を有する。他方、図4に示した系統樹において、「UM5」と記載された菌株であって、ゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス(Geobacillus thermodenitrificans)株であり、配列番号4に示される16S rDNAの塩基配列を有する。本明細書においては、「IP1」株を「バチルス・コアグランスの近縁株」又は「バチルス・コアグランス(#6)」と表記することもある。また、「UM5」株を「ゲオバチルス・サーモデニトリフィカンスの近縁株」又は「ゲオバチルス(#20)」と表記することもある。これら2種の微生物を2019年6月25日に独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)に寄託した。受託番号は、それぞれNITE P-02975及びNITE P-02976である。
本発明の好熱・好気性有機酸分解菌(IP1株及びUM5株)は、各々、以下の特徴を有する。
(i)IP1株:グラム陽性;芽胞を形成する;桿菌;好気的に増殖;カタラーゼ陽性;運動性あり;グルコースから乳酸生成。
(ii)UM5株:グラム陽性;芽胞を形成する;桿菌;好気的に増殖;カタラーゼ陽性;カゼインの加水分解。
高速コンポスト化においては、微生物にとって適正な温度、酸素濃度、pHなどを維持することが重要である。本発明の好熱・好気性有機酸分解菌は、高温において有機酸を分解する能力を維持し、有機性廃棄物に通気等により空気が供給されている状況下においても有機物の分解が促進される中性から弱アルカリ性を維持することができることから、高温コンポスト化に適した細菌である。本発明によれば、本発明の好熱・好気性有機酸分解菌は、高温で有機酸を分解し、コンポストのpHを上昇させる能力が維持される温度で生育できればよい。好ましくは、本発明の好熱・好気性有機酸分解菌の生育可能温度は20~80℃、好ましくは30~70℃、より好ましくは30~65℃であり、生育至適温度は40~70℃、好ましくは45~65℃である。別の態様によれば、本発明の好熱・好気性有機酸分解菌のそれぞれについて、生育可能温度は、IP1株では30~65℃が好ましく、UM5株では45~70℃が好ましい。また、本発明の好熱・好気性有機酸分解菌は、酸性条件下、すなわち、pH4以上からpH7.0未満の範囲内で生育され、有機酸を分解する機能を発揮することができる。本発明によれば、本発明の好熱・好気性有機酸分解菌は、低pH(例えば、pH=4)でさえ、上記機能を発揮することができる。
2.有機性廃棄物の高速コンポスト化
周知の通り、食品廃棄物のコンポスト化過程で有機酸が蓄積し、これに伴いpHが酸性になると微生物による有機物分解が完全に阻害されることがある。そのため、短期間でのコンポスト化には、コンポストのpHを中性から弱アルカリ性を維持することにより、有機物の分解を促進する必要がある。
本発明によれば、本発明の好熱・好気性有機酸分解菌を高温コンポスト化の過程に接種することにより、短期間にコンポストを得ることができる。本発明の一態様では、有機性廃棄物を高速にコンポスト化する方法であって、本方法は、下記のプライマーセット:
(a)配列番号1に示される塩基配列又はこれと実質的に同一の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、及び
(b)配列番号2に示される塩基配列又はこれと実質的に同一の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
によって検出される塩基配列を含む16S rRNA又は16S rDNAを有する、好熱・好気性有機酸分解菌を高温コンポスト化の過程に接種することを含む。
本発明の方法は、好熱・好気性有機酸分解菌を高温コンポスト化の過程に接種することを特徴とするが、コンポスト化過程のコンポスト試料中の温度が、使用される好熱・好気性有機酸分解菌の生育可能温度又は至適温度の下限値、及び微生物叢に含まれる好熱・好気性でない細菌が死滅する温度である50℃(好ましくは60℃)に達することが予測される時点よりも一定期間前(例えば、6~7日前、2~3日前、1日前、12~16時間前、7~8時間、2~3時間前、1時間前など)もしくは直前に、又は50℃(好ましくは60℃)に達した時点で好熱・好気性有機酸分解菌をコンポスト試料に接種することが好ましい。また、好熱・好気性有機酸分解菌の接種量は、適切にコンポスト化され得る量であれば特に限定されないが、例えば、接種時の濃度は、105~109CFU/g-ds(グラム乾燥物)、好ましくは106~109CFU/g-ds、より好ましくは5×106~5×108CFU/g-ds、さらにより好ましくは107~108CFU/g-dsである。
本発明の一実施形態において、コンポスト試料に接種される好熱・好気性有機酸分解菌は、上記したバチルス属(Bacillus)に属する微生物(NITE P-02975)、及びゲオバチルス属(Geobacillus)に属する微生物(NITE P-02976)である。本発明によれば、これらの2種の微生物を同時に又は逐次的に接種することができる。逐次的に接種する場合は、微生物の接種する順番は限定されないが、バチルス属に属する微生物を接種した後に、ゲオバチルス属を接種することが好ましい。また、高速コンポスト化には、上記2種の微生物のうちのいずれかを単独で使用した場合であっても所望の効果は得られるが、後述する実施例3及び4において実証されるように、2種の微生物をともに使用することにより、有機酸の分解が加速されるという効果(相乗効果)が得られた。また、上記2種の微生物を用いて、高速コンポスト化を行う場合、バチルス属に属する微生物とゲオバチルス属に属する微生物の接種比は適宜調整することができるが、バチルス属に属する微生物とゲオバチルス属に属する微生物の比は、1:100~100:1であり得る。両微生物の比は、例えば、1:1であってもよい。また、これらの微生物を逐次的に接種する場合、限定されないが、バチルス属に属する微生物を接種した後、所定期間が経過した後にゲオバチルス属に属する微生物を接種することが好ましい。所定期間の経過には、例えば、15分後、30分後、1時間後、2時間後、3時間後、6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、36時間後、48時間(2日)後、3日後、4日後、5日後、6日後、7日後などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1:次世代シーケンシング(NGS)を用いたコンポスト化過程での微生物叢変化の解析
本発明者らは、高温条件下において有機酸が活発に分解されるコンポスト化のあることを発見した。そのコンポスト化においては、高温で有機酸を分解する微生物が存在するものと考えて、NGS(Next Generation Sequencing)の方法を適用し、微生物叢変化を解析した。10日間におけるコンポスト化過程で適宜採取した試料1gからIsoil for Beads Beating((株)ニッポンジーン)を用いてDNAを抽出した。続いて、抽出した微生物のDNAについて、その16S rRNAの一部(V3、V4領域)を含む領域をTaKaRa EX Taq(登録商標)Hot Start Version(タカラバイオ(株))を用いてPCRで増幅した。PCR増幅に用いた試薬の組成、アンプリコンPCR Fプライマー及びアンプリコンPCR Rプライマーの配列と増幅条件をそれぞれ表1及び表2に示す。PCR増幅には、TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice(登録商標)Standard(TP600、タカラバイオ(株))を用いた。
Figure 0007440029000001
Figure 0007440029000002
増幅したPCR産物は、Wizard(登録商標)SV Gel及びPCR Clean-Up System(プロメガ(株))を用いて精製した。アンプリコンPCRで得られたPCR産物から電気泳動で使用した液量を除いたPCRチューブ内のPCR産物24μLに同量の膜結合溶液を加えた。SVカラムを回収チューブに差し込んだSVミニカラムセットにPCR産物と膜結合溶液の混合液を注ぎ、室温で1分間インキュベートすることにより、SVカラムにDNAを吸着させた。その後、16,000×gで1分間遠心し、回収チューブ中に回収された液体を取り除いた。続いて、SVミニカラムに吸着しているPCR産物を洗浄するために、エタノールと膜洗浄溶液の原液を4.8:1の割合で混ぜた洗浄液を調製した。この洗浄液700μLをSVミニカラムに加え、16,000×gで1分間遠心して回収チューブ中の液体を除去した。続いて、500μLの洗浄液をSVミニカラムに加え、16,000×gで5分間遠心して2回目の洗浄を行った。最後に、清浄な1.5mLマイクロチューブ(コニカル底)に精製したPCR産物を回収した。
精製したPCR産物に対して、Nextera XTインデックスキット(イルミナ(株)ならびにTaKaRa EX Taq(登録商標)Hot Start Version(タカラバイオ(株))を用いてインデックスPCRを行った。PCR増幅に用いた試薬の組成、インデックスPCRの増幅条件をそれぞれ表3及び表4に示す。プライマーには2種類のインデックスプライマー(Nextera XTインデックス1(N7)、Nexteea XTインデックス2(S5))を用いた。
Figure 0007440029000003
Figure 0007440029000004
PCRにより目的配列が増幅されたことを確認するために、各PCR増幅物を1.0×Tris-borate-EDTA(TBE)アガロースゲル(寒天濃度2%)を用いて電気泳動した。その後、上述のPCR Clean-Upを同じ手順で行い、PCR産物を精製した後、分析会社((株)北海道システムサイエンス)に送って分析を依頼した。
データの解析はMacQIIMEを使用して行われた。Paired-End法で得られた約300塩基の配列を、FASTQ-Joinツール(Erik Aronesty、2011.ea-utils)を用い、オーバーラップしている部分を結合させ、約465bpの長い塩基配列に調整した。その結果得られた465塩基の配列を類似度が97%以上のものを1つのOTUに分類した。各OTUの代表配列はUCLUST法により、OTUの分類の際に最初に選択した配列となっている。代表配列は16SrRNA配列のデータベース(Greengeneデータベース)に対する相同性検索を行うことにより、系統分類を推定した。その後、各OTUに属する配列の数を集計することで、コンポスト試料中の微生物叢を得た。
このようにして得られたコンポスト中の微生物叢の経時変化を図1に示す。試料中で存在度が高い微生物が10種類以上あることが判明した。このうちバチルス・コアグランス(#6)とゲオバチルス(#20)はコンポスト化前半から中盤に掛けて特徴的な相対的存在度の変化を示した。
コンポスト試料中のバチルス・コアグランス(#6)とゲオバチルス(#20)の相対的存在度、酢酸濃度、pH、及び温度の経時変化を比較した結果を図2に示す。温度が60℃に維持されていたコンポスト化6~8日にかけてゲオバチルス(#20)の相対的存在度は10~20%に上昇した。この期間には酢酸濃度が大きく減少し、pHも上昇したことから、ゲオバチルス(#20)がその増殖に伴い、酢酸を分解したものと考えられた。一方、バチルス・コアグランス(#6)の相対存在度は温度が40℃から60℃に上昇したコンポスト化3~4日にかけて急激に上昇した後、コンポスト中で温度が60℃に保たれたコンポスト化6日後までに低下した。バチルス・コアグランス(#6)は相対存在度が増加している期間に酢酸濃度は上昇しているために、この微生物の濃度変化は、見かけ上、酢酸分解と対応しないと考えられた。しかしながら、後述するように、純粋培養したバチルス・コアグランス(IP1)は60℃で生育できること、また、そのときに酢酸を分解することを確かめているため、バチルス・コアグランス(#6)がコンポスト中に存在しなければ、さらに高濃度の有機酸が蓄積しpHも低下したところ、この微生物が存在したために、酢酸の蓄積とpH低下はこの程度に抑えられた、すなわち、コンポスト化においてバチルス・コアグランス(#6)は酢酸分解に寄与しているものと推察された。なお、バチルス・コアグランス(#6)の相対存在度の減少とゲオバチルス(#20)の相対存在度の増加は引き続いて起こっており、いわゆる微生物遷移が観察された。そして、コンポスト化過程でバチルス・コアグランス(#6)からゲオバチルス(#20)へと特徴的な微生物群の遷移が起こったことが、酢酸の分解、pHの上昇、共存する他のコンポスト化微生物の活性化に寄与していたものと考えられた。
実施例2:好熱・好気性有機酸分解菌の単離
上述のコンポスト試料から、酢酸を含む培地を用いて、好気条件下、60℃の高温条件下で酢酸を分解できる微生物をスクリーニングした。スクリーニングには、無機塩液体培地(表5参照)に酢酸3g/Lを唯一の炭素源として添加した液体培地と、トリプチケース・ソイ液体培地(表6参照)に酢酸3g/Lを添加した液体培地を用いた。コンポスト試料を滅菌水で100倍に希釈してそれぞれの液体培地に接種し、60℃、3日間の条件で集積培養した。その後、上述の酢酸含有トリプチケース・ソイ液体培地に寒天を加えた寒天平板を用いて希釈平板法を適用し、60℃で3日間の培養後にコロニーを形成した菌株を釣菌し、純粋培養を確立した。
Figure 0007440029000005
Figure 0007440029000006
Figure 0007440029000007
酢酸を含む培地を用いたスクリーニングから2種類の微生物が単離された。それぞれを「IP1」株、「UM5」株とした。単離した微生物の特定は、微生物からDNAを抽出し、塩基配列を決定することによって行った。DNA抽出方法には、上述と同様にDNA抽出キットIsoil for Beads Beating((株)ニッポンジーン)を用いた。続いて、PCR反応を行い、16S rRNAを含む領域をTaKaRa EX Taq(登録商標)Hot Start Version(タカラバイオ(株))を用いてPCRで増幅した。PCR増幅に用いた試薬の組成、プライマー16S F及び16S Rの配列と増幅条件の一覧をそれぞれ表7及び表8に示す。なお、PCR増幅にはTaKaRa PCR Thermal Cycler Dice(登録商標)Standard(TP650、タカラバイオ(株))を用いた。増幅確認後、得られたPCR増幅物はWizard(登録商標) SV Gel and PCR Clean-Up System (Promega Corporation,USA)を用いて精製した。
Figure 0007440029000008
Figure 0007440029000009
次に、精製したPCR増幅物について、その16S rRNAの一部(V3及びV4領域)を含む領域にBigDye(登録商標)Terminator v3.1サイクルシーケンシングキット(Perkin Elmer Japan、Applied Biosystems Division)を用いてシーケンシング反応を行った。シーケンシング反応後に塩基配列をABI Prism(登録商標)310 Genetic Analyzer(Applied Biosystems)で解析した。決定した塩基配列はNCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)に登録されている配列に対してBLAST検索を行い、最も近縁な微生物名を決定した。得られた塩基配列のBlast結果から、単離した微生物の系統樹を作製した(図3及び図4)。IP1株は、バチルス・コアグランスと近縁であることが確かめられた。一方、UM5株は、ゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス(Geobacillus thermodenitrificans)と相同性が99%と高いことがわかった。また、これらの微生物はコンポスト化過程で特徴的な相対存在度を示したバチルス・コアグランス(#6)、及びゲオバチルス(#20)のグループを形成していたと考えられた。
実施例3:IP1株及びUM5株の有機酸分解特性の評価
IP1株及びUM5株の有機酸分解特性を把握するために、表9に示すRun A~Gの実験を行った。
Figure 0007440029000010
実験にはトリプチケース・ソイ液体培地に酢酸を添加して培養液中の酢酸濃度が0.3g/L、及び1.2g/Lとなるように調整した培地を用いた。酢酸水溶液はトリプチケース・ソイ液体培地をオートクレーブで滅菌した後に0.20μm孔径のメンブレンフィルター(25CS020AS、Advantec)を用いてろ過し、無菌的に加えた。酢酸濃度が0.3g/L、及び1.2g/Lの培養液のpHは、それぞれ6.3と5.8となった。続いて、500mL容の坂口フラスコに上述のように調整した液体培地を100mL注ぎ込み、IP1株、UM5株のそれぞれ、及びその両方を接種して、60℃、150rpmで5日間培養した。なお、菌体濃度は約107CFU/mLとなるように接種した。培養期間中、一日に1度、培養液の試料を5mLずつ採取し、pH、有機酸濃度、微生物濃度を測定した。
pHはpHメータ(D-51,(株)堀場製作所)を用いて測定した。また有機酸濃度は、試料を0.20μm孔径のメンブレンフィルター(25CS020AS、Advantec)でろ過し、ろ液中の濃度をHPLCにより測定した。HPLCのカラムにはSUGAR SH1011(Shodex)を用い、カラム温度は50℃とした。また、移動相には5mMの硫酸水溶液を用い、流速は1.0mL/分とした。なお、検出器にはUV-2075(日本分光株式会社製)を用いて、波長210nmでの紫外光吸光度を測定した。微生物濃度の測定には、トリプチケース・ソイ寒天培地を用いた希釈平板法を適用した。培養温度は60℃で培養期間は3日間とした。
図5は、Run A~Gにおける酢酸(有機酸)濃度の経時変化を示す。IP1株を接種し、酢酸濃度を0.3g/LとしたRun Aでは培養1日後までに酢酸が完全に分解された。一方、酢酸濃度を1.2g/LとしたRun Dでは酢酸の分解開始は培養1日経過以降に始まり、完全な酢酸の分解まで5日間を要した。また、UM5株を接種し、酢酸濃度を0.3g/LとしたRun Bでは酢酸濃度は5日間で0.13g/Lまで減少したが、酢酸濃度を1.2g/LとしたRun Eでは減少は見られなかった。これらの結果は、IP1株の方がUM5株に比べて酢酸の分解活性が高いことを示している。また、酢酸濃度を1.2g/Lとし、IP1株とUM5株の両方を接種したRun Fでは、培養4日後までに酢酸は完全に分解され、IP1株のみを接種した場合よりも1日早く、酢酸は消費し尽されており、IP1株とUM5株の両者を同時に接種することで、酢酸分解が加速されることがわかった。なお、微生物を接種しなかったRun C、及びGではpHと酢酸濃度に顕著な変化は見られなかった。
さらに、IP1株及びUM5株による有機酸分解に関連して、酢酸以外の有機酸(プロピオン酸及び酪酸)を用いて上記と同様の実験を行った結果、各菌株は、表10に示した各濃度の有機酸を分解することができた。IP1株の方が有機酸を分解する能力が高いことが示唆された。
Figure 0007440029000011
図6は、Run AからGにおけるpHの経時変化を示す。IP1株を接種し、初期酢酸濃度を0.3g/LとしたRun Aにおいては初期pH6.3から2日後に8.5付近まで上昇した後はほぼ一定となった。一方、初期酢酸濃度を1.2g/LとしたRun DではpHは5.7から5日後の培養終了時に8.5付近まで上昇した。Run AとDにおいてpHが8.5付近まで上昇したのは、酢酸の分解と同時に、培地中のタンパク質の分解によるアンモニア等のアルカリ性物質が生産されたためと考えられた。
UM5株を接種し、初期酢酸濃度を0.3g/LとしたRun BではpHは初期6.3から継続的に上昇して培養5日後に7.8に到達した。一方、酢酸濃度が1.2g/LのRun EではpH5.7から変化しなかった。また、IP1株とUM5株の両方を接種し酢酸濃度を1.2g/LとしたRun Fでは、IP1株のみの接種よりも1日早く、初期pH5.7から培養4日後にpHが8.5付近まで上昇した。なお、微生物の接種を行わなかったRun CとGのpHはほぼ一定だった。以上のようにpHの変化は上述した酢酸濃度の変化とよく対応した。また、IP1株とUM5株の両者を接種するは液体培養中での酢酸分解、pHの上昇に効果的であることが判明した。
図7は、Run A~Gにおける細菌濃度の経時変化を示す。IP1株を接種したRun Aでは107CFU/mLから細菌濃度が減少し続けて、3日後に希釈平板法で検出限界以下になった。一方、Run D及びFでは、それぞれ、培養5日、及び4日後に検出限界以下となった。酢酸が分解されて濃度が低下すると、IP1株濃度は低下するが、これはIP1株が、生育のために酢酸を必要とすることを示している可能性もある。一方、UM5株を接種した実験では、酢酸が分解されても、菌体濃度は培養期間を通してほぼ一定であり、IP1株とは際立って異なる性質を有することが明らかとなった。
このようにトリプチケース・ソイ液体培地において、UM5株及びIP1株が60℃という高温条件下においても酢酸分解によりpHを上昇させることがわかった。また、IP1株はUM5株に比べて、高酢酸濃度、低pHでも活性が高いこと、また、IP1株は、酸分解が終了すると菌体濃度は低下するが、UM5株は高濃度が維持されることを確かめた。また、IP1株とUM5株の2種を接種した場合には、IP1株のみよりも短期間で酢酸の完全分解が可能であり、このことからIP1株とUM5株の2種を接種することによる酢酸分解の促進効果が確かめられた。
実施例4:IP1株とUM5株を接種したコンポスト化
上記の通り、液体培地を用いてIP1株、UM5株の酢酸分解特性を評価することで、IP1株とUM5株の両方に60℃の高温条件下での酢酸分解能があることがわかった。また、IP1株とUM5株を同時に接種することによる酢酸分解の促進効果が確認された。そこで、次に、コンポスト原料を用いて固体培養であるコンポスト化におけるIP1株とUM5株の酢酸分解の効果について検討した。
(1)コンポスト原料
再現性のあるデータを得るためにコンポスト原料として、生ごみの代わりにラビットフード(チモシー、イースター株式会社)、通気性改良材としておがくず(株式会社島田小割製材所)、研究室の従来の実験と比較するために市販の微生物資材(オーレスG、(株)松本微生物研究所)を加え、それぞれの混合比を乾燥重量比で10:9:1としたものを用いた。ラビットフードは均一な有機物分解と試料時のばらつきを小さくするために、フードプロセッサーで1mm程度に磨砕した後に使用した。コンポスト原料は121℃、90分間オートクレーブで処理し、予め、滅菌した。なお、酢酸はオートクレーブ後に0.20μm孔径のメンブレンフィルター(25CS020AS、advantec)を用いてろ過した後に10mg/g-dsとなるように添加した。
(2)コンポスト化操作及び実験装置
コンポスト化装置を図8に示す。先に調製したコンポスト原料12gを容積100mLの円筒形ガラス容器(ミニリアクター)に充填し、微生物を接種した。接種する微生物の種類を変えて、IP1株とUM5株を接種したRun H、IP1株のみを接種したRun I、いずれの微生物も接種しないRun Jの3通りを行った。菌体の接種のためにトリプチケース・ソイ培地で培養したIP1株とUM5株は菌体を回収した後、生理的食塩水に懸濁して接種した。続いて、実験開始時の含水率が60%となるよう滅菌水を無菌的に添加し、好気条件を維持するために装置の底部から5.5mL/分の速度で通気した。なお、通気した空気は、予め、炭酸ガスを取り除くために水酸化ナトリウム水溶液に通気し、さらに、コンポストが乾燥し過ぎるのを避けるために蒸留水に通気した後に供給した。ミニリアクターの温度はインキュベーター内で維持したが、高温になるほど酢酸の揮発が起こりやすいことから温度設定は55℃とした。コンポスト化開始時に室温から55℃まで2.5℃/時で昇温させ、その後、55℃一定を維持した。ミニリアクターから排出されたガスをサンプリングバッグ(スマートバッグPA、GLサイエンス)に集め、一日に1度交換して、排気ガス量と炭酸ガス濃度を計測した。排気ガス量は乾式ガスメータ(DC-1、株式会社シナガワ)によって、炭酸ガス濃度は炭酸ガス濃度測定器(GMT220、ヴァイサラ)によって測定した。また、コンポスト化に伴い、均一な有機物分解を目的に、一日に1度、リアクター内部を混合攪拌する切り返し操作を行い、同時に一基ずつのミニリアクターを取り除いて、固体試料を回収した。
固体試料についてはpH、含水率、有機酸濃度、微生物濃度を測定した。コンポスト試料のうち2.0gをホモジナイズカップに測り取り、滅菌水18gを加えて10倍希釈したものを10,000rpmで10分間、ホモジナイザ(AM-5、(株)日本精機製作所)で処理した。微生物濃度の測定には、この懸濁液に希釈平板法を適用した。pHは懸濁液を用いてpHメータ(D-51、(株)堀場製作所)にて、有機酸濃度はHPLCで測定した。含水率は、乾燥機(DS-600、ヤマト科学(株))で105℃、1日間乾燥し重量減少から算出した。
(3)含水率の経時変化
図9は、Run H、I、及びJの含水率の経時変化を示す。リアクター内の含水率調整を行わなかったため、いずれのコンポスト化においても、水分が蒸発して1日あたりおよそ2%ずつ含水率が減少したが、コンポスト化期間中において微生物活性を高く維持するのに適した含水率50~60%の間に維持されていた。
(4)pH、有機酸濃度の経時変化
図10及び図11は、Run H、I、及びJにおける酢酸濃度とpHの経時変化を示す。IP1株とUM5株を接種したRun Hでは、コンポスト化4日後までに添加した酢酸10mg/g-dsが完全に分解され、pHは初期値5.8から8.2まで上昇した。一方、IP1株のみを接種したRun Iでは、コンポスト化4日までに酢酸濃度が5.8mg/g-dsまで減少して、pHは7.7まで上昇した。Run H、IにおいてはIP1株及びUM5株は酢酸の分解だけなく、コンポスト原料中のタンパク質を分解してアルカリ物質を生産することでpHを上昇させていたと考えられた。一方、微生物の接種を行わなかったRun Jでは、酢酸濃度は初期値10mg/g-dsから9.7mg/g-dsまでわずかに減少し、pHは初期値5.8から6.1付近まで上昇した。Run JにおけるpHと酢酸濃度の変化は、55℃という高温条件下で通気をおこなった結果、水分と共に酢酸が揮発したことが原因と考えられた。Run HとIの比較から、IP1株のみの接種よりもIP1株とUM5株を同時に接種することが酢酸分解に効果的であることがわかった。
(5)炭酸ガス発生速度の経時変化
図12は、Run H、I、及びJにおける累積炭酸ガス発生量の経時変化を示す。IP1株とUM5株の2種類を同時に接種した場合、IP1株のみを単独で接種した場合に比べて累積炭酸ガス発生量は大きくなった。また、微生物を何も接種しないRun Jにおいては、炭酸ガスは全く発生しなかった。以上の結果、IP1株とUM5株は協同して有機物分解を促進することがわかった。
(6)好熱・好気性細菌の濃度の経時変化
図13は、Run H、Iにおける菌体濃度の経時変化を示す。なお、Run Jにおいては微生物の存在は全く確認されず、無菌条件が保たれていた。Run HにおいてはUM5株の接種直後の濃度は108.5CFU/g-dsであったが、コンポスト化1日経過後に108CFU/g-dsまで減少した後、再び109CFU/g-ds付近まで増加した。一方、IP1株の接種直後の濃度は107CFU/g-dsだったが、コンポスト化初期に108CFU/g-dsまで増加したものの、2日以降はUM5株の菌体濃度が増加したことから希釈平板法ではIP1株のコロニーを検出できなくなった。希釈平板法でUM5株が100個以上のコロニーが観察される寒天平板上でIP1株は1個のコロニーも観察されなかったことから、IP1株はUM5株の1/100以下、すなわち107CFU/g-ds以下に低下したものと考えられた。これらのIP1株とUM5株の菌体濃度変化は、最初に示した高温段階で酸分解が活発なコンポスト化において、バチルス・コアグランス(#6)からゲオバチルス(#20)へと菌体濃度の高い微生物が遷移した結果とよく対応しているとみることができる。なお、Run IにおいてIP1株の接種直後の濃度は107CFU/g-dsであり、コンポスト化開始直後に一旦、僅かに減少するが、2日後に108CFU/g-ds付近に増加、そして、最終的には106CFU/g-ds付近の値に再び低下した。以上の結果、IP1株とUM5株が高温条件下、協同して酢酸を分解することにより、酢酸の分解を加速すること、また、IP1株は有機酸分解にともなって菌体濃度が低下するがUM5株は有機酸が消費し尽くされた後も高濃度を維持することが明らかとなった。
1 フローメーター
2 CO2トラップ
3 バブラー
4 ゴム栓
5 ステンレス製スクリーン
6 Plyexガラス
7 膜フィルター
8 サンプリングバッグ
9 インキュベーター
NITE P-02975
NITE P-02976

Claims (13)

  1. 有機性廃棄物をコンポスト化するための好熱・好気性有機酸分解菌であって、該好熱・好気性有機酸分解菌が、
    (a)配列番号3に示される16S rDNA塩基配列を有するバチルス・コアグランス及び
    (b)配列番号3に示される16S rDNA塩基配列を有するバチルス・コアグランス、配列番号4に示される16S rDNAの塩基配列を有するゲオバチルス・サーモデニトリフィカンスの組み合わせ
    からなる群から選択される、上記好熱・好気性有機酸分解菌。
  2. 生育可能温度が20~80℃、生育至適温度が40~70℃の範囲にある、請求項1に記載の好熱・好気性有機酸分解菌。
  3. バチルス・コアグランスが新規微生物(NITE P-02975)である、請求項1又は2に記載の好熱・好気性有機酸分解菌。
  4. ゲオバチルス・サーモデニトリフィカンスが新規微生物(NITE P-02976)である、請求項1又は2に記載の好熱・好気性有機酸分解菌。
  5. 好熱・好気性有機酸分解菌であって、受託番号NITE P-02975として寄託されているバチルス・コアグランス株。
  6. 好熱・好気性有機酸分解菌であって、受託番号NITE P-02976として寄託されているゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス株。
  7. 有機性廃棄物を少なくとも5日間コンポスト化する方法であって、
    (a)配列番号3に示される16S rDNA塩基配列を有するバチルス・コアグランス及び
    (b)配列番号3に示される16S rDNA塩基配列を有するバチルス・コアグランス、配列番号4に示される16S rDNAの塩基配列を有するゲオバチルス・サーモデニトリフィカンスの組み合わせ
    からなる群から選択される好熱・好気性有機酸分解菌を40~70℃のコンポスト化の過程において10~10CFU/g-ds(グラム乾燥物)の濃度で接種することを含み、ここで、上記(b)の場合、前記バチルス・コアグランス前記ゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス同時に又は逐次的に接種される、方法。
  8. 配列番号3に示される16S rDNA塩基配列を有するバチルス・コアグランス配列番号4に示される16S rDNAの塩基配列を有するゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス逐次的に接種するときに、配列番号3に示される16S rDNA塩基配列を有するバチルス・コアグランス接種したのち少なくとも15分以上の任意の期間経過後に配列番号4に示される16S rDNAの塩基配列を有するゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス接種する、請求項7に記載の方法。
  9. 好熱・好気性有機酸分解菌によってコンポスト化の過程における有機酸の分解を促進する、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 好熱・好気性有機酸分解菌の生育可能温度が20~80℃、生育至適温度が40~70℃の範囲にある、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. バチルス・コアグランスが新規微生物(NITE P-02975)である、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. ゲオバチルス・サーモデニトリフィカンスが新規微生物(NITE P-02976)である、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
  13. 有機性廃棄物が、食品廃棄物、糞尿、動植物残さ、古紙、及び汚泥からなる群から選択される、請求項7~12のいずれか1項に記載の方法。
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