JP7439684B2 - 情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7439684B2
JP7439684B2 JP2020129315A JP2020129315A JP7439684B2 JP 7439684 B2 JP7439684 B2 JP 7439684B2 JP 2020129315 A JP2020129315 A JP 2020129315A JP 2020129315 A JP2020129315 A JP 2020129315A JP 7439684 B2 JP7439684 B2 JP 7439684B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
area
information processing
brightness
peeling
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020129315A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022026042A (ja
Inventor
なつみ 近清
和樹 塚本
誠二 岩男
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2020129315A priority Critical patent/JP7439684B2/ja
Publication of JP2022026042A publication Critical patent/JP2022026042A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7439684B2 publication Critical patent/JP7439684B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Image Processing (AREA)

Description

本開示内容は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムに関する。
近年、施工から長期間経過した道路上の構造物の劣化が著しく、このような構造物の点検および老朽化保全の必要性が増してきている。そのため、走行中の車両や人に損害を与える可能性がある道路上の構造物に対して、定期的な点検を行い、国または自治体への点検結果の報告が行われている(特許文献1参照)。
また、道路の舗装表面には、表面温度の上昇を抑制するための遮熱性舗装が施されている。この遮熱性舗装は、経年劣化により塗装(遮熱材)のはがれが発生することが知られており、定期的な点検が必要となる(非特許文献1参照)。
しかしながら、従来の方法では、目視や手作業に頼る部分が多く、調査に時間がかかるとともに、定量的に塗装のはがれを算出することが困難であるという課題があった。
上述した課題を解決すべく、請求項1に係る発明は、塗装が施された構造物の撮像画像を評価する情報処理装置であって、前記撮像画像の画素ごとの輝度を示す輝度画像における輝度値の出現頻度に基づいて推定された、前記撮像画像における塗装領域および前記塗装のはがれの領域を示すはがれ領域の輝度分布を、表示部に表示させる表示制御手段と、前記塗装領域と前記はがれ領域を含む算出対象の領域を決定する閾値の入力を受け付ける受付手段と、入力された前記閾値に基づいて決定された前記算出対象の画素数を用いて、前記塗装のはがれ率を算出する算出手段と、を備える情報処理装置である。
本発明によれば、塗装のはがれを定量的に算出することができるという効果を奏する。
情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。 情報処理装置およびデータ取得装置のハードウエア構成の一例を示す図である。 情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。 取得データ管理テーブルの一例を示す概念図である。 撮影システムを用いたデータ取得処理の一例を示すシーケンス図である。 撮影システムによって取得される路面映像データについて説明するための図である。 情報処理装置を用いた路面性状の評価処理の一例を示すシーケンス図である。 遮熱性舗装が施された路面における塗装のはがれについて説明するための図である。 塗装のはがれ率の算出処理の一例を示すフローチャートである。 (A)は、輝度画像の一例を示す模式図であり、(B)は、輝度画像の各画素の輝度値の整数変換後の画像の一例を示す模式図である。 情報処理装置に表示される評価画面の一例を示す図である。 EMアルゴリズムによって推定された混合分布の一例を示す図である。 情報処理装置に表示される評価画面の一例を示す図である。 (A)(B)決定部によって決定された輝度画像の領域の一例を説明するための図である。 評価画像の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
●システムの概略●
まず、図1を用いて、本実施形態に係る情報処理システムの概略について説明する。図1は、情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。図1に示されている情報処理システム1は、撮影システム9によって取得された各種データを用いて、構造物の性状の調査を行う性状調査システムである。
情報処理システム1は、路面rs1等の構造物のひび割れ等の性状を調査する撮影システム9、および撮影システム9で取得された各種データを評価する情報処理装置3によって構成されている。構造物は、歩道面、車が走行する車道面(路面)、電車が走行する線路、法面、トンネルの内面、または道路上の構造物等である。なお、道路上の構造物は、例えば、路端部上に設置される標識または電柱等である。
以降は、移動体としての車両が走行する路面の性状を調査する場合について説明する。情報処理システム1は、例えば、一方に長く延びる構造物を一定の区間に区切ってその表面性状を調査する場合に利用される。
図1に示されているように、撮影システム9は、車両等の移動体6、路面カメラ61、データ取得装置5、およびGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)センサ65を有している。路面カメラ61、データ取得装置5およびGNSSセンサ65は、移動体6に搭載されている。なお、「路面カメラ61」は、複数の路面カメラの総称である。GNSSは、GPS(Global Positioning System)または準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムの総称である。
路面カメラ61は、移動体6のルーフ後部に、進行方向とは反対の方向に向けて設けられ、移動体6の後方の路面rs1を撮像するステレオカメラである。なお、路面カメラ61は、移動体6のルーフの前部に進行方向と同じ方向に向けて設けてもよく、移動体6のルーフの側部に進行方向と直角(または略直角)方向に向けて設けてもよい。また、路面カメラ61は、ステレオカメラに限られず、光電変換素子を一列または複数列に配置させたラインセンサを搭載したラインカメラ、または光電変換素子が面状に配置されたエリアセンサを搭載したカメラ等の撮像装置であってもよい。路面カメラ61は、撮像手段の一例である。
GNSSセンサ65は、複数のGNSS衛星が発信した各時間の信号を受信し、各信号を受信した時刻との差で衛星までの距離を算出することで、地球上の位置を計測する測位手段の一例である。測位手段は、測位専用の装置であってもよく、PCまたはスマートフォン等にインストールされた測位専用のアプリケーションであってもよい。
また、上記各計測データには、各路面映像データおよび測定位置データが含まれている。これらのうち、各路面映像データは、路面カメラ61によって得られた映像(動画)のデータである。この各路面映像データでは、映像のフレームデータ毎に、メタデータとして撮影された時刻を示す撮影時刻データが付加されている。なお、路面カメラ61によって、映像(動画)の路面映像データだけでなく、静止画または静止画の集合によるデータを得るようにしてもよい。
測定位置データは、GNSSセンサ65によって得られたデータである。この測定位置データには、メタデータとして測位された時刻を示す測位時刻データが付加されている。
データ取得装置5は、路面カメラ61およびGNSSセンサ65から取得した各種データを取得するPC(Personal Computer)である。各計測データは、情報処理装置3に受け渡され、情報処理装置3での評価(データ解析)に用いられる。なお、データ取得装置5から情報処理装置3への計測データの受け渡し方法は、LAN(Local Area Network)、Wi-Fi(Wireless Fidelity(登録商標))、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)またはLTE(Long Term Evolution)等を使った無線通信、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等を使った有線通信、またはUSBメモリ等を使った人的な移動が挙げられる。
情報処理装置3は、データ取得装置5から受け渡された各計測データに基づいて、構造物の性状を評価するPCである。情報処理装置3には、構造物の性状を評価するための専用アプリケーションプログラムがインストールされている。情報処理装置3は、各路面映像データから路面rs1の凹凸等の表面性状を計測し、計測結果に基づいて、路面rs1の損傷の有無、損傷の度合いを評価する。また、情報処理装置3は、構造物性状の評価結果、測定位置データ、および自治体もしくは国(以下、「道路管理者」と記す)から取得した道路台帳等のデータを利用して、道路管理者が定めるフォーマットに従った提出書類のデータを作成する。道路台帳には、実際の正確な道路の位置を示す実際位置データが含まれている。
なお、道路台帳には、道路地図が掲載されているが、正確な道路位置情報(測位情報:緯度、経度値)が含まれていない場合がある。この場合、正確な道路測位情報を得るためには、道路地図と、測位地図情報(国土地理院等が保有している、緯度、経度値情報)を照合する必要がある。そして、情報処理装置3によって作成された提出書類のデータは、道路管理者に、電子データまたは書類に印刷した状態で提出される。なお、情報処理装置3は、PCに限られず、スマートフォンまたはタブレット端末等であってもよい。また、情報処理装置3は、移動体6に搭載されていてもよい。
●ハードウエア構成●
続いて、図2を用いて、情報処理システム1を構成する各装置のハードウエア構成について説明する。なお、図2に示されているハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。
●情報処理装置のハードウエア構成
図2は、情報処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。情報処理装置3の各ハードウエア構成は、300番台の符号で示されている。情報処理装置3は、コンピュータによって構築されており、図2に示されているように、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HD(Hard Disk)304、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ305、ディスプレイ306、外部機器接続I/F(Interface)308、ネットワークI/F309、バスライン310、キーボード311、ポインティングデバイス312、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ314、メディアI/F316、およびタイマ317を備えている。
これらのうち、CPU301は、情報処理装置3全体の動作を制御する。ROM302は、IPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。HD304は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ305は、CPU301の制御にしたがってHD304に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ディスプレイ306は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像等の各種情報を表示する。ディスプレイ306は、表示部の一例である。なお、ディスプレイ306は、入力手段を備えたタッチパネルディスプレイであってもよい。外部機器接続I/F308は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USBメモリまたはプリンタ等である。ネットワークI/F309は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン310は、図2に示されているCPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスまたはデータバス等である。
また、キーボード311は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス312は、各種指示の選択もしくは実行、処理対象の選択、またはカーソルの移動等を行う入力手段の一種である。なお、入力手段は、キーボード311およびポインティングデバイス312のみならず、タッチパネルまたは音声入力装置等であってもよい。DVD-RWドライブ314は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW313に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、着脱可能な記録媒体は、DVD-RWに限らず、DVD-RまたはBlu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等であってもよい。メディアI/F316は、フラッシュメモリ等の記録メディア315に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。タイマ317は、時間計測機能を有する計測装置である。タイマ317は、コンピュータによるソフトタイマでもよい。
●データ取得装置のハードウエア構成
図2は、データ取得装置のハードウエア構成の一例を示す図である。データ取得装置5の各ハードウエア構成は、括弧内の500番台の符号で示されている。データ取得装置5は、コンピュータによって構築されており、図2に示されているように、情報処理装置3と同様の構成を備えているため、各ハードウエア構成の説明を省略する。
なお、上記各プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc、SDカードまたはUSBメモリ等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内または国外へ提供されることができる。例えば、情報処理装置3は、本発明に係るプログラムが実行されることで本発明に係る情報処理方法を実現する。
●機能構成●
続いて、図3および図4を用いて、実施形態に係る情報処理システムの機能構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。なお、図3は、図1に示されている装置のうち、後述の処理または動作に関連しているものを示す。
●情報処理装置の機能構成
まず、図3を用いて、情報処理装置3の機能構成について説明する。情報処理装置3は、通信部31、受付部32、表示制御部33、輝度画像取得部34、変換部35、推定部36、決定部37、算出部38、作成部41および記憶・読出部39を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、HD304からRAM303上に展開され情報処理装置用のプログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能または手段である。また、情報処理装置3は、図2に示されているROM302およびHD304によって構築される記憶部3000を有している。
通信部31は、主に、ネットワークI/F309に対するCPU301の処理によって実現され、通信ネットワークを介して、他の装置との間で各種データまたは情報の通信を行う。通信部31は、例えば、データ取得装置5との間で、路面性状の評価に係る各種データを送受信する。
受付部32は、主に、キーボード311またはポインティングデバイス312に対するCPU301の処理によって実現され、利用者から各種の選択または入力を受け付ける。受付部32は、例えば、後述する評価画面400に対する各種選択または入力を受け付ける。表示制御部33は、主に、CPU301の処理によって実現され、ディスプレイ306に、各種画像を表示させる。表示制御部33は、例えば、後述する評価画面400を、ディスプレイ306に表示させる。
輝度画像取得部34は、CPU301の処理によって実現され、撮像画像の画素ごとの輝度を示す輝度画像を取得する。変換部35は、CPU301の処理によって実現され、輝度画像における輝度値の整数変換を行う。推定部36は、CPU301の処理によって実現され、輝度画像の画素ごとの輝度値の出現頻度に基づいて、路面の遮熱性舗装の領域を示す塗装領域および塗装(遮熱材)のはがれの領域を示すはがれ領域の輝度分布を推定する。
決定部37は、CPU301の処理によって実現され、推定部36によって推定された輝度分布に基づいて、輝度画像におけるはがれ領域を決定する。算出部38は、CPU301の処理によって実現され、決定部37によって決定されたはがれ領域に含まれる画素数を用いて、塗装(遮熱材)のはがれ率を算出する。作成部41は、CPU301の処理によって実現され、算出部38によるはがれ率の算出結果を示す評価画像を作成する。
記憶・読出部39は、主に、CPU301の処理によって実現され、記憶部3000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部3000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
●データ取得装置の機能構成
次に、図3を用いて、データ取得装置5の機能構成について説明する。データ取得装置5は、通信部51、判断部52、撮影制御部53、センサ制御部54、時刻データ取得部55、要求受付部56、データ管理部57および記憶・読出部59を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開されたデータ取得装置用のプログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能または手段である。また、データ取得装置5は、図2に示されているROM502およびHD504によって構築される記憶部5000を有している。
通信部51は、主に、ネットワークI/F509に対するCPU501の処理によって実現され、通信ネットワークを介して、他の装置との間で各種データまたは情報の通信を行う。通信部51は、例えば、撮影制御部53およびセンサ制御部54によって取得された取得データを、情報処理装置3に対して送信する。判断部52は、CPU501の処理によって実現され、各種判断を行う。
撮影制御部53は、主に、外部機器接続I/F508に対するCPU501の処理によって実現され、路面カメラ61による撮影処理を制御する。また、撮影制御部53は、路面カメラ61によって撮影された撮像画像に係る撮像画像データ(路面映像データ)を取得する。センサ制御部54は、主に、外部機器接続I/F508に対するCPU501の処理によって実現され、GNSSセンサ65に対するデータ取得処理を制御する。また、センサ制御部54は、GNSSセンサ65による測位結果である測位位置データを取得する。時刻データ取得部55は、主に、タイマ517に対するCPU501の処理によって実現され、撮影制御部53またはセンサ制御部54によってデータが取得された時刻を示す時刻データ(撮影時刻データ、測位時刻データ)を取得する。
要求受付部56は、主に、キーボード511またはポインティングデバイス512に対するCPU501の処理によって実現され、利用者からの所定の要求を受け付ける。データ管理部57は、主に、CPU501の処理によって実現され、各種データの管理を行う。データ管理部57は、例えば、路面カメラ61およびGNSSセンサ65から送信された路面映像データおよび測位位置データを、取得データ管理DB5001に登録する。
記憶・読出部59は、主に、CPU501の処理によって実現され、記憶部5000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部5000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
○取得データ管理テーブル
図4は、取得データ管理テーブルの一例を示す概念図である。取得データ管理テーブルは、データ取得装置5によって取得された各種取得データを管理するためのテーブルである。記憶部5000には、図4に示されているような取得データ管理テーブルによって構成されている取得データ管理DB5001が構築されている。この取得データ管理テーブルは、フォルダごとに、路面映像データ、測位位置データおよび取得時刻を関連づけて管理している。
これらのうち、路面映像データは、路面カメラ61によって撮影された撮像データのデータファイルである。測位位置データは、GNSSセンサ65によって計測された測位位置を示すデータである。さらに、取得時刻は、路面映像データおよび測位位置データが取得された時刻を示す時刻データである。一つの点検工程において取得されたデータは、同一のフォルダ内に記憶される。
●実施形態の処理または動作●
●データ取得処理
続いて、図5乃至図15を用いて、実施形態に係る情報処理システムの処理または動作について説明する。まず、図5および図6を用いて、撮影システム9を用いたデータ取得処理について説明する。構造物性状の点検作業者は、例えば、移動体6に搭乗して道路上の存在する路面状態の撮影を行う。以下、詳細に説明する。
図5は、撮影システムを用いたデータ取得処理の一例を示すシーケンス図である。まず、点検作業者が所定の入力操作等を行うことで、データ取得装置5の要求受付部56は、データ取得開始要求を受け付ける(ステップS11)。そして、データ取得装置5は、路面カメラ61およびGNSSセンサ65を用いたデータ取得処理を実行する(ステップS12)。具体的には、撮影制御部53は、路面カメラ61に対して撮影要求を行うことで、所定の領域に対する撮影処理を開始する。また、センサ制御部54は、路面カメラ61による撮影処理と同期させながら、GNSSセンサ65による検知処理を開始する。そして、撮影制御部53は、路面カメラ61によって取得された路面映像データを取得し、センサ制御部54は、GNSSセンサ65によって取得された測位位置データを取得する。また、時刻データ取得部55は、撮影制御部53およびセンサ制御部54によって各種データが取得された時刻を示す時刻データを取得する。
そして、データ管理部57は、ステップS12で取得された取得データを、取得データ管理DB5001(図4参照)に登録する(ステップS13)。データ管理部57は、取得データに含まれている各データの取得時刻を示す時刻データに関連づけて、路面映像データおよび測位位置データを一つのフォルダに記憶する。
ここで、図6を用いて、撮影システム9を用いたデータ取得処理の概略について説明する。図6は、撮影システムによって取得される路面映像データについて説明するための図である。図6に示されているように、移動体6のルーフ後部には、二つの路面カメラ61a,61bが設けられている。また、各路面カメラ61a,61bは、斜め下方の路面rs1に向くように一列に並べて配置されており、それぞれ路面rs1の所定範囲を撮影範囲pr1a,pr1bとして撮像する。路面カメラ61は、移動体6の進行方向に対して画像の一部が重なり合うタイミングで撮像を繰り返し行う。路面カメラ61は、路面rs1の幅方向全体を撮像可能なように複数台設置されるため、幅方向に対しても画像の一部が重なり合うように複数台が同時に撮像を行う。
移動体6は、路面rs1上を走行しながら、路面カメラ61で路面rs1の所定範囲を、進行方向にその一部が重なるように撮像していく。なお、路面カメラ61は、移動体6の前方のナンバープレート周辺に設置されてもよい。また、路面カメラ61は、移動体6に三つ以上設置されてもよい。道路幅が狭い場合には、移動体6に路面カメラを一つだけ設置されるようにしてもよい。路面カメラ61がステレオカメラである場合、路面カメラ61は、例えば、左右に並べた二つのカメラの視差情報を利用し、評価対象の路面rs1に形成された凹凸等の奥行き情報を取得する。
このように、撮影システム9は、移動体6を走行させながら、データ取得装置5に備えられた路面カメラ61を用いて、路面を撮影する。データ取得装置5は、移動体6の走行に伴い、路面映像データおよび測位位置データを時系列に取得していく。このとき、路面カメラ61およびGNSSセンサ65は、時刻同期が取られており、撮影時の移動体6の姿勢から撮像画像の傾き補正(画像補正)が行われ、撮影時刻から路面映像データと測位位置データ(北緯東経)が紐づけられる。なお、移動体6は、図6で示されているような自動車に限られず、自転車もしくはオートバイ等のその他の車両、ロボット、またはドローン等であってもよい。
●路面性状の評価処理
次に、図7および図15を用いて、情報処理装置3における路面性状の解析処理について説明する。図7は、情報処理装置を用いた路面性状の評価処理の一例を示すシーケンス図である。
まず、情報処理装置3の通信部31は、データ取得装置5に対して、データ送信要求を送信する(ステップS31)。このデータ送信要求は、要求対象のデータが記憶されたフォルダ名を含む。これにより、データ取得装置5の通信部51は、情報処理装置3から送信されたデータ送信要求を受信する。
次に、データ取得装置5の記憶・読出部59は、ステップS31で受信されたデータ送信要求に含まれているフォルダ名を検索キーとして取得データ管理DB5001を検索することにより、データ送信要求に含まれているフォルダ名に関連づけられた取得データを読み出す(ステップS32)。そして、通信部51は、情報処理装置3に対して、ステップS32で読み出された取得データを送信する(ステップS33)。この取得データは、路面映像データ、測位位置データおよび時刻データを含む。これにより、情報処理装置3の通信部31は、データ取得装置5から送信された取得データを受信する。
次に、情報処理装置3は、ステップS33で受信された取得データを用いて、路面の塗装のはがれ率の算出処理を実行する(ステップS34)。ここで、遮熱性舗装が施された路面の状態について説明する。図8は、遮熱性舗装が施された路面における遮熱材のはがれについて説明するための図である。図8に示されているように、遮熱性舗装が施された路面は、遮熱性舗装が施された塗装領域と、舗装剥離が発生したはがれ領域と、路面上の空隙が存在する空隙箇所である空隙領域とに分類される。遮熱性舗装とは、舗装表面に赤外線を反射させる遮熱性樹脂を塗布したり、遮熱モルタルを充填したりすることにより、舗装の路面温度の上昇を抑制することができる。はがれ領域とは、遮熱性舗装による塗装が剥がれた領域であり、塗装のはがれは、経年劣化により発生する。また、塗装領域、はがれ領域および空隙領域の明るさは、塗装領域が最も明るく、空隙領域が最も暗くなることが図8から推察される。そこで、情報処理装置3は、撮像画像の輝度値を利用して、路面における塗装のはがれが発生したはがれ領域の割合を示すはがれ率の算出を行う。以下詳細に説明する。
○はがれ率の算出処理
ここで、図9乃至図14を用いて、塗装のはがれ率の算出処理について説明する。図9は、塗装のはがれ率の算出処理の一例を示すフローチャートである。
まず、情報処理装置3の輝度画像取得部34は、ステップS33で受信された路面映像データの輝度画像を取得する(ステップS51)。具体的には、輝度画像取得部34は、受信された路面映像データを、静止画としての撮像画像の画像データとして分割する。そして、輝度画像取得部34は、分割された画像データに対して、各画像データに含まれる各画素の輝度値を示す輝度画像(図10(A)参照)を取得する。なお、説明を簡略化するため、図10(A)に示されている輝度画像の大きさは、5×5pixelである例を示すが、輝度画像の大きさは、これに限られず、500×500pixelのようなサイズであってもよい。
次に、変換部35は、輝度画像取得部34によって取得された輝度画像に含まれる輝度値を、整数値に変換する(ステップS52)。図10(B)に示されているように、変換部35は、例えば、0~255の範囲で輝度値の整数変換を行う。図10(A)に示されている輝度画像の各画素の輝度値は、その大きさに応じて、図10(B)に示されているような0~255の整数値に変換される。なお、変換部35による整数変換の範囲は、0~255に限られない。そして、変換部35は、一つの輝度画像に含まれる整数値の出現頻度を、輝度ヒストグラムとして算出する(ステップS53)。
次に、表示制御部33は、路面性状の評価を行うための評価画面400を、ディスプレイ306に表示させる(ステップS54)。図11は、情報処理装置に表示される評価画面の一例を示す図である。図11に示されている評価画面400は、塗装領域の輝度分布とはがれ領域の輝度分布の混合分布の推定を行うための推定領域410、ステップS53で算出された輝度ヒストグラムを表示させる表示領域450、塗装領域とはがれ領域を分けるための輝度閾値(第1の閾値)を設定するための設定領域470、はがれ領域と空隙領域等の輝度値の低い領域である除外領域を分けるための輝度閾値(第2の閾値)を設定するための設定領域480、はがれ率の値を示すはがれ率表示領域490、および撮像画像における各画素の属する領域を示した設定用画像を表示させる表示領域200を含む。
このうち、推定領域410は、初期パラメータの設定値を入力するための入力領域413a,413b、および算出された輝度ヒストグラムに基づく混合分布の推定を行う場合に押下される「混合分布推定」ボタン415を含む。推定領域410では、初期パラメータとして、「塗装頂点の輝度(塗装領域の輝度分布の頂点の輝度)」および「はがれ頂点の輝度(はがれ領域の輝度分布の頂点の輝度)」の値が設定可能となっている。なお、設定可能な初期パラメータの値は、これに限られず、塗装領域またははがれ領域の輝度分布の幅等が設定できる構成であってもよい。また、図11に示されている評価画面400は、混合分布の推定を行う前の状態である。この場合、図11に示されているように、表示領域450は、ステップS53で算出された輝度ヒストグラムの分布を表示している。
次に、利用者が「混合分布の推定」ボタン415を押下すると、推定部36は、変換部35によって算出された輝度値のヒストグラムに基づいて、路面の塗装領域の輝度分布と塗装のはがれが発生したはがれ領域の輝度分布を含む混合分布を推定する(ステップS55)。具体的には、推定部36は、算出されたヒストグラムが、塗装領域に属する画素の輝度分布と、はがれ領域に属する画素の輝度分布の混合分布に近似できると仮定し、二つの分布を混合させた(足し合わせた)混合分布の推定を行う。推定部36は、EMアルゴリズム(expectation-maximization algorithm)と呼ばれる確率分布のパラメータを推定する手法に従って、下記(式1)に示されているような混合正規分布p(x)を推定する。
本例では、EMアルゴリズムを輝度分布の推定に適用する。ここで、xは輝度値であり、p(x)は推定された各領域の分布であり、p(x)は平均値μ、分散σから決まる正規分布である。また、aは各分布がp(x)にどれだけ寄与しているか、つまり混合比率を表している。EMアルゴリズムでは、μ、σ、aの三つのパラメータを初期値から更新していくことで、p(x)の推定を行う。μ、aの初期値は、輝度画像ごとにヒストグラムから各正規分布が最大となる点(分布の頂点)を推定し、その点の輝度、頻度の値にそれぞれ設定する。なお、(式1)は、混合正規分布p(x)を算出する例を示したが、推定部36は、正規分布に限られず、ベータ分布等のその他の分布を用いて混合分布を算出する構成であってもよい。
ここで、利用者は、評価画面400に示されている入力領域413a,413bに入力する初期パラメータの値を更新することで、混合分布が輝度ヒストグラムに近づいていくように調整する。この初期パラメータは、上述のμのパラメータである。評価画面400に示されている「塗装頂点の輝度」および「はがれ頂点の輝度」は、μ(μ,μ)の値に対応する。受付部32によって入力領域413a,413bに入力される値の変更が受け付けられ、利用者が「混合分布の推定」ボタン415を押下することで、推定部36は、初期パラメータの値を更新して再度混合分布の推定を行う。これによって、利用者は、混合分布が輝度ヒストグラムに近づいていくように調整することができる。なお、情報処理装置3は、入力領域413a,413bに入力される初期パラメータとして、μの値に加え、σ、aの値も入力して初期パラメータの値を更新可能な構成であってもよい。
図12は、EMアルゴリズムによって推定された混合分布の一例を示す図である。図12は、ステップS55で推定された塗装領域とはがれ領域の輝度分布の混合分布、およびステップS53で算出された輝度ヒストグラムを示している。図12に示されているように、推定部36は、上述の(式1)を用いた処理によって、塗装領域の輝度分布とはがれ領域の輝度分布の二つの分布の混合分布を推定する。例えば、(式1)は、p(x)=a(x)+a(x)と書き下すことができ、a(x)は、図12に示す実線の分布となり、塗装領域の輝度分布を示す。一方で、a(x)は、図12に示す破線の分布となり、はがれ領域の輝度分布を示す。このような二つの分布を混合させた(足し合わせたような)分布が混合分布p(x)となる。受付部32は、a(x)とa(x)の混合分布であるp(x)が輝度ヒストグラムに近づいていくように、利用者によって入力領域413a,413bに入力された初期パラメータの設定値の更新を受け付ける。図12に示されている混合分布は、評価画面400において、輝度ヒストグラムとともに表示領域450に表示される。
次に、受付部32は、ディスプレイ306に表示された評価画面400に対する輝度閾値の入力が受け付ける(ステップS56)。図13に示されているように、評価画面400の設定領域470は、輝度の整数値の範囲471における輝度閾値(第1の閾値)の設定値を示す設定ポイント473、および輝度閾値(第1の閾値)の値を直接入力するための入力領域475を含む。同様に、設定領域480は、輝度の整数値の範囲481における輝度閾値(第2の閾値)の設定値を示す設定ポイント483、および輝度閾値(第2の閾値)の値を直接入力するための入力領域485を含む。また、表示領域450には、混合分布における輝度閾値に該当する箇所が表示されている。利用者は、整数値の範囲471,481の間で、設定ポイント473,483をポインティングデバイス312等の入力手段を用いて移動させることで、閾値の箇所を視覚的に把握しながら輝度閾値を入力することができる。なお、利用者は、入力領域475,485に数値を入力することで、輝度閾値を入力してもよい。
また、表示領域200は、入力された輝度閾値およびステップS52で算出された画素ごとの輝度値に基づいて、領域ごとに色分けされた撮像画像を設定用画像として表示する。利用者は、表示領域200に表示された画像を確認しながら、入力する輝度閾値の値を調整する。
次に、決定部37は、受付部32によって入力された輝度閾値の値に基づいて、塗装領域とはがれ領域を分けるための輝度の閾値を、撮像画像ごとに決定する(ステップS57)。また、決定部37は、ステップS57によって決定された輝度閾値に基づいて、撮像画像の各画素が、塗装領域、はがれ領域および除外領域のいずれの領域に属するかを決定する(ステップS58)。図14(A)に示されているように、決定部37は、輝度画像の各画素の輝度値(整数値)と、輝度閾値を比較することで、各画素が属する領域を決定する。図14(A)の例では、塗装領域とはがれ領域の輝度閾値(第1の閾値)は、115であり、はがれ領域と除外領域の輝度閾値(第2の閾値)は、59である。
次に、算出部38は、決定部37によって決定された各領域の大きさ、すなわち各領域に属する画素数の総和を、撮像画像ごとに算出する(ステップS59)。図14(B)は、図14(A)に示されている各領域に属する画素数の総和を示す。図12(B)の例の場合、塗装領域の画素数は11、はがれ領域の画素数は8、除外領域の画素数は6である。
そして、算出部38は、ステップS59で算出された各領域の大きさを用いて、撮像画像が示す路面における塗装のはがれ率を算出する(ステップS60)。算出部38は、下記(式2)を用いて、撮像画像ごとにはがれ率をそれぞれ算出する。
ここで、算出対象の画素数は、ステップS59で算出されたはがれ領域に属する画素数と除外領域に属する画素数の和であり、全画素数は、撮像画像全体の画素数、すなわち塗装領域、はがれ領域および除外領域に属する画素数の総和である。図14(B)の例では、算出対象であるはがれ領域の画素数と除外領域の画素数の和は14、全画素数は25であるため、算出部38は、はがれ率56%を算出する。
また、算出対象の画素数は、ステップS59で算出されたはがれ領域に属する画素数のみを用いる構成であってもよい。この場合、図14(B)の例では、算出対象であるはがれ領域の画素数は8、全画素数は25であるため、算出部38は、はがれ率32%を算出する。
このように、算出対象の領域がはがれ領域と除外領域を含む場合には、上述の処理において第2の閾値の決定が不要になるため、はがれ率算出に掛かる工数を低減させることができる。一方で、算出対象の領域をはがれ領域のみとする場合、はがれ領域と除外領域とを区別したはがれ率を算出することによって、はがれ率の算出精度を向上させることができる。
さらに、算出部38は、下記(式3)で示されているように、算出対象の画素数としてはがれ領域に属する画素数のみを用いるとともに、除外領域に属する画素数を全画素数から除算した値を用いてはがれ率を算出してもよい。算出部38は、下記(式3)を用いることで、塗装に対するはがれのみを含んだはがれ率として、塗装のはがれの状況をより精度良く算出することができる。
このように、情報処理装置3は、撮像画像の輝度値に基づいて決定されたはがれ領域に基づいて塗装のはがれ率を算出することで、処理に要する時間を低減することができるとともに、塗装のはがれを定量的に算出することができる。
また、受付部32は、評価画面400に対する輝度閾値の変更が受け付けられた場合(ステップS61のYES)、処理をステップS57へ移行させ、ステップS57以降の処理を繰り返す。この場合、ステップS57において、決定部37は、設定領域470,480を用いて受け付けられた値を、輝度閾値をして決定する。情報処理装置3は、決定された輝度閾値を用いて、ステップS58以降の処理を実行する。そして、ステップS60において、算出部38は、変更された輝度閾値に基づいて、上述のはがれ率の算出処理を行う。一方で、受付部32は、輝度閾値の変更が受け付けられない場合(ステップS61のNO)、図9に示す処理を終了する。
このように、情報処理装置3は、撮像画像の輝度分布を表示させるとともに、利用者によって入力された輝度閾値の値を用いてはがれ率の算出を行うことで、路面の塗装のはがれを定量的に算出することができる。また、情報処理装置3は、評価画面400を用いて評価内容を可視化し、利用者の目視により輝度閾値を変更することで、はがれ率の算出結果を簡易な方法で調整することができる。
図7に戻り、情報処理装置3の作成部41は、算出部38によるはがれ率の算出結果の評価画像を作成する(ステップS36)。具体的には、作成部41は、ステップS34で受信された路面映像データが分割された撮像画像に対応する測位位置情報および時刻データを用いて、模式的に路面を再現した評価画像を作成する。図15に示されているように、作成部41は、複数の撮像画像の相対位置に基づいて、複数の撮像画像を並べる。そして、作成部41は、撮像画像ごとのはがれ率の値を用いて、並べられた撮像画像の濃淡または色彩で、はがれ率を表現する。作成部41は、例えば、はがれ率が高い撮像画像の位置を暗くし、はがれ率が低い撮像画像の位置を明るくする。
また、作成部41は、以下表1に示されているように、撮像画像の撮影区間ごとのはがれ率の平均値を算出する。そして、作成部41は、図15に示されている評価画像の対応する区間に応じて算出したはがれ率の値を表示させる。なお、作成部41によって作成される評価画像の内容は、これに限られず、撮像画像ごとにはがれ率の値を個別に示す内容であってもよい。また、作成部41によって作成された評価画像は、図1に示されている道路管理者に提供される提出書類に含まれていてもよい。
●実施形態の効果
以上説明したように、情報処理システム1は、移動体6に搭載された路面カメラ61によって撮影された撮像画像の輝度分布に基づいて塗装のはがれ率の算出を行うことで、算出処理に要する時間を低減させることができる。また、情報処理システム1は、従来の撮像画像の目視によるはがれの状態を確認する方法と比較して、路面の塗装のはがれを定量的に算出することができる。これにより、情報処理システム1は、路面の塗装のはがれの点検効率を大幅に向上させることができる。
なお、上述の実施形態において、遮熱性塗装のはがれ率を算出する例を説明したが、情報処理システム1は、路面、トンネル、橋梁等の他の構造物の塗装のはがれ率の算出に用いられてもよい。情報処理システム1は、撮影システム9を用いて、道路上の様々な構造物の塗装のはがれの調査を行うことで、インフラ点検の更なる効率化を図ることができる。
●まとめ●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、塗装が施された構造物(例えば、路面)の撮像画像を評価する情報処理装置3であって、撮像画像の画素ごとの輝度を示す輝度画像における輝度値の出現頻度に基づいて推定された、撮像画像における塗装領域、および塗装のはがれの領域を示すはがれ領域の輝度分布を、ディスプレイ306(表示部の一例)に表示させる。そして、情報処理装置3は、塗装領域とはがれ領域を含む算出対象の領域を決定する閾値の入力を受け付け、入力された閾値に基づいて決定された算出対象の画素数を用いて、塗装のはがれ率を算出する。これにより、情報処理装置3は、撮像画像の輝度分布を表示させるとともに、利用者によって入力された輝度閾値の値を用いてはがれ率の算出を行うことで、塗装のはがれを定量的に算出することができる。
また、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、塗装領域とはがれ領域を決定する第1の閾値、およびはがれ領域と除外領域を決定する第2の閾値の入力を受け付け、入力された第1の閾値および第2の閾値に基づいて、輝度画像におけるはがれ領域および除外領域を決定する。そして、情報処理装置3は、決定されたはがれ領域に属する画素数を算出対象の領域に属する画素数として、はがれ率を算出する。これにより、情報処理装置3は、はがれ領域と除外領域とを区別したはがれ率を算出することによって、はがれ率の算出精度を向上させることができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、情報処理装置3と、構造物(例えば、路面)が撮影された撮像画像を取得する路面カメラ61(撮像手段の一例)を搭載した移動体6と、を備える。また、移動体6は、移動に応じて路面カメラ61によって撮像画像を取得する。これにより、情報処理システム1は、塗装のはがれの点検効率を大幅に向上させることができる。
●補足●
上記で説明した実施形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本実施形態における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサ、並びに上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU(Graphics Processing Unit)および従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
また、上記で説明した実施形態の各種テーブルは、機械学習の学習効果によって生成されたものでもよく、関連づけられている各項目のデータを機械学習にて分類付けすることで、テーブルを使用しなくてもよい。ここで、機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり,コンピュータが,データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを、事前に取り込まれる学習データから自律的に生成し,新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習および深層学習のいずれかの方法でもよく、さらに、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。
これまで本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更または削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1 情報処理システム
3 情報処理装置
5 データ取得装置
6 移動体
9 撮影システム
61 路面カメラ(撮像手段の一例)
65 GNSSセンサ
31 通信部
32 受付部(受付手段の一例)
33 表示制御部(表示制御手段の一例)
34 輝度画像取得部
35 変換部
36 推定部
37 決定部(決定手段の一例)
38 算出部(算出手段の一例)
41 作成部
51 通信部
400 評価画面
506 ディスプレイ(表示部の一例)
特開2019-33478号公報
「6.遮熱性舗装のはがれ対策に関する室内試験による検証」(平25.土木技術支援・人材育成センター年報、Annual Report、C.E.S.T.C., TMG 2013)

Claims (10)

  1. 塗装が施された構造物の撮像画像を評価する情報処理装置であって、
    前記撮像画像の画素ごとの輝度を示す輝度画像における輝度値の出現頻度に基づいて推定された、前記撮像画像における塗装領域および前記塗装のはがれの領域を示すはがれ領域の輝度分布を、表示部に表示させる表示制御手段と、
    前記塗装領域と前記はがれ領域を含む算出対象の領域を決定する閾値の入力を受け付ける受付手段と、
    入力された前記閾値に基づいて決定された前記算出対象の画素数を用いて、前記塗装のはがれ率を算出する算出手段と、
    を備える情報処理装置。
  2. 前記算出手段は、下記(式2)を用いて、前記はがれ率を算出する請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 入力された前記閾値に基づいて、前記輝度画像における前記算出対象の領域を決定する決定手段を備え、
    前記算出手段は、決定された前記算出対象の領域に属する画素数を用いて、前記塗装のはがれ率を算出する請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 前記受付手段は、前記塗装領域と前記はがれ領域を決定する第1の閾値、および前記はがれ領域と除外領域を決定する第2の閾値の入力を受け付け、
    前記決定手段は、入力された前記第1の閾値および前記第2の閾値に基づいて、前記輝度画像における前記はがれ領域および前記除外領域を決定し、
    前記算出手段は、決定された前記はがれ領域に属する画素数を前記算出対象の領域に属する画素数として、前記はがれ率を算出する請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記決定手段は、前記輝度分布に示される輝度値の高い順に、前記塗装領域、前記はがれ領域、前記除外領域を決定する請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 前記表示制御手段は、EMアルゴリズムに基づく混合分布を用いて推定された前記輝度分布を、前記表示部に表示させる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  7. 前記受付手段は、前記混合分布を用いた前記輝度分布の推定を行うためのパラメータの入力を受け付け、
    前記表示制御手段は、入力された前記パラメータに応じて推定された前記輝度分布を、前記表示部に表示させる請求項6に記載の情報処理装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置と、構造物が撮影された撮像画像を取得する撮像手段を搭載した移動体と、を備える情報処理システムであって、
    前記移動体は、移動に応じて前記撮像手段によって前記撮像画像を取得する情報処理システム。
  9. 塗装が施された構造物の撮像画像を評価する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
    前記撮像画像の画素ごとの輝度を示す輝度画像における輝度値の出現頻度に基づいて推定された、前記撮像画像における塗装領域および前記塗装のはがれの領域を示すはがれ領域の輝度分布を、表示部に表示させる表示制御ステップと、
    前記塗装領域と前記はがれ領域を含む算出対象の領域を決定する閾値の入力を受け付ける受付ステップと、
    入力された前記閾値に基づいて決定された前記算出対象の画素数を用いて、前記塗装のはがれ率を算出する算出ステップと、
    を実行する情報処理方法。
  10. 塗装が施された構造物の撮像画像を評価する情報処理装置に、
    前記撮像画像の画素ごとの輝度を示す輝度画像における輝度値の出現頻度に基づいて推定された、前記撮像画像における塗装領域および前記塗装のはがれの領域を示すはがれ領域の輝度分布を、表示部に表示させる表示制御ステップと、
    前記塗装領域と前記はがれ領域を含む算出対象の領域を決定する閾値の入力を受け付ける受付ステップと、
    入力された前記閾値に基づいて決定された前記算出対象の画素数を用いて、前記塗装のはがれ率を算出する算出ステップと、
    を実行させるプログラム。
JP2020129315A 2020-07-30 2020-07-30 情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム Active JP7439684B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020129315A JP7439684B2 (ja) 2020-07-30 2020-07-30 情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020129315A JP7439684B2 (ja) 2020-07-30 2020-07-30 情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022026042A JP2022026042A (ja) 2022-02-10
JP7439684B2 true JP7439684B2 (ja) 2024-02-28

Family

ID=80263827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020129315A Active JP7439684B2 (ja) 2020-07-30 2020-07-30 情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7439684B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005291984A (ja) 2004-04-01 2005-10-20 Kozo Keikaku Engineering Inc 鋼材から成る構造物の発錆状況判定装置、方法及びプログラム
JP2011174794A (ja) 2010-02-24 2011-09-08 Kyushu Institute Of Technology 路面状態検出装置及び方法
WO2017068743A1 (ja) 2015-10-22 2017-04-27 京セラ株式会社 路面状態判定装置、撮像装置、撮像システムおよび路面状態判定方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005291984A (ja) 2004-04-01 2005-10-20 Kozo Keikaku Engineering Inc 鋼材から成る構造物の発錆状況判定装置、方法及びプログラム
JP2011174794A (ja) 2010-02-24 2011-09-08 Kyushu Institute Of Technology 路面状態検出装置及び方法
WO2017068743A1 (ja) 2015-10-22 2017-04-27 京セラ株式会社 路面状態判定装置、撮像装置、撮像システムおよび路面状態判定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022026042A (ja) 2022-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Jiang et al. Real‐time crack assessment using deep neural networks with wall‐climbing unmanned aerial system
US9171363B2 (en) Computer-readable recording medium and road surface survey device
Lato et al. Rock bench: Establishing a common repository and standards for assessing rockmass characteristics using LiDAR and photogrammetry
Han et al. Monitoring tunnel deformations by means of multi-epoch dispersed 3D LiDAR point clouds: An improved approach
Chen et al. Inexpensive multimodal sensor fusion system for autonomous data acquisition of road surface conditions
US20160161448A1 (en) Imaging method and apparatus based on magnetic fulx leakage testing
Mauriello et al. Towards automated thermal profiling of buildings at scale using unmanned aerial vehicles and 3D-reconstruction
CN112712023B (zh) 车型识别方法、系统及电子设备
JP7314693B2 (ja) 路面性状調査システム、路面性状調査方法、及び路面性状調査プログラム
JP2020144079A (ja) 路面性状計測装置、路面性状計測システム、路面性状計測方法、および路面性状計測プログラム
US11373409B2 (en) Photography system
JP2024050847A (ja) 評価装置、状態検査システム、評価方法およびプログラム
JP7439684B2 (ja) 情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
JP7358304B2 (ja) 情報処理装置、路面性状調査システム、情報処理方法およびプログラム
Cai et al. An efficient adaptive approach to automatically identify rock discontinuity parameters using 3D point cloud model from outcrops
CN113593026A (zh) 车道线标注辅助地图生成方法、装置和计算机设备
Yan Advantage and Application of Unmanned Aerial Vehicle Remote Sensing in Engineering Survey
CN114071072A (zh) 显示装置、摄影系统、显示控制方法、存储介质
WO2020066755A1 (ja) 学習モデル生成装置、地物変化判定装置、学習モデル生成方法、地物変化判定方法、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP7115263B2 (ja) 評価装置、調査システム、評価方法及びプログラム
JP2023138372A (ja) 情報処理装置、管理装置、情報処理システム、情報処理方法、管理方法およびプログラム
JP2022136357A (ja) 撮影システム、データ処理システム、撮影処理方法およびプログラム
JP2022030458A (ja) 表示装置、表示システム、表示制御方法およびプログラム
CN106682565A (zh) 车辆计数方法、车辆计数装置和电子设备
KR101611789B1 (ko) 주행영상의 모션 파라미터 추출을 통한 자동화된 주행도로 노면의 시각화 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230511

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20231023

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240129

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7439684

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151