以下、開示の技術の実施形態の例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[本開示の実施形態]
図1を参照して、本開示の実施形態に係る眼科システム100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る眼科システム100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、眼科システム100は、水晶体撮影装置110と、OCT/SLO装置120と、ネットワーク130と、サーバ140と、画像表示装置(以下、「画像ビューワ」という)150とを備えて構成される。
水晶体撮影装置110と、OCT/SLO装置120と、サーバ140と、画像ビューワ150とは、ネットワーク130を介して、相互に接続されている。
OCT/SLO装置120は、被検眼の前眼部や眼底の断層画像を撮影する装置である。OCT/SLO装置120は、撮影光学系、SLO(Scanning Laser Ophthalmology、以下SLOと称する)ユニット及びOCT(Optical Coherence Tomography、以下OCTと称する)ユニットを含む。以下では、SLOユニットにより取得されたSLOデータに基づいて作成された網膜の正面視画像をSLO画像と称し、OCTユニットにより取得されたOCTデータに基づいて作成された角膜や水晶体等の前眼部、網膜や脈絡膜等の後眼部の断層画像や正面画像(en-face画像)等をOCT画像と称する。
ネットワーク130は、LAN、WAN、インターネットや広域イーサ網等の任意のネットワークである。例えば、眼科システム100が1つの病院に構築される場合には、ネットワーク130にLANを採用することができる。
サーバ140は、水晶体撮影装置110、及びOCT/SLO装置120により撮影された各種画像を、ネットワーク130を介して受信し、格納する。また、サーバ140は、画像ビューワ150に、ネットワーク130を介して各種画像を送信する。
画像ビューワ150は、タッチパネルやディスプレイ等であり、通信機能を有する。
次に、図2~図4を参照して水晶体撮影装置110の構成を説明する。図2は、本実施形態に係る水晶体撮影装置110のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、水晶体撮影装置110は、光学系10と、制御ユニット16と、駆動ユニット20と、アライメントユニット30とを含む。なお、水晶体撮影装置110が水平面に設置された場合の水平方向を「X方向」、水平面に対する垂直方向を「Y方向」とし、被検眼27の前眼部の瞳孔の中心と眼球の中心とを結ぶ方向を「Z方向」とする。従って、X方向、Y方向、及びZ方向は互いに垂直である。
制御ユニット16は、CPU(Central Processing Unit(中央処理装置))16A、RAM(Random Access Memory)16B、ROM(Read-Only memory)16C、入出力(I/O)ポート16D、入力/表示装置16E、及び通信インターフェース(I/F)16Fを有するコンピュータを備える。制御ユニット16の各構成は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
CPU16Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU16Aは、ROM16Cからプログラムを読み出し、RAM16Bを作業領域としてプログラムを実行する。CPU16Aは、ROM16Cに記憶されているプログラムに従って、各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM16Cには、水晶体撮影処理を実行するための水晶体撮影プログラムが記憶されている。
RAM16Bは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ROM16Cは、各種プログラム及び各種データを記憶する。なお、制御ユニット16は、更に、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成されるストレージを備える構成としてもよい。この場合、ストレージには、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを記憶する。
入力/表示装置16Eは、I/Oポート16Dを介してCPU16Aに接続される。入力/表示装置16Eは、被検眼27の画像を表示したり、ユーザから各種指示を受け付けたりするグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を有する。GUIとしては、タッチパネルやディスプレイを採用することができる。また、制御ユニット16は、I/Oポート16Dに接続された画像処理装置17を備えている。
制御ユニット16は、通信インターフェース16Fを介してネットワーク130に接続する。通信インターフェース16Fは、他の機器と通信するためのインターフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
画像処理装置17は、光学系10によって得られたデータに基づいて、被検眼27の水晶体28の3次元画像である水晶体3次元画像を生成する。画像処理装置17が生成する画像については、後述の画像処理部104の説明において詳述する。
図2では、水晶体撮影装置110の制御ユニット16が入力/表示装置16Eを備えているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、水晶体撮影装置110の制御ユニット16は入力/表示装置16Eを備えず、水晶体撮影装置110とは物理的に独立した別個の入力/表示装置を備えるようにしてもよい。
光学系10は、被検眼27の水晶体28のデータを得る。図3は、本実施形態に係る光学系10の構成を示す図である。図3に示すように、光学系10は、ライン光源11A、ハーフミラー11B、ミラー11C、レンズ11D、固視標光源12、光学素子13、及びラインセンサ14を含む。本実施形態に係る光学系10の座標系は、図3に示すように、瞳孔面に垂直方向をZ軸(光軸)、左右方向をX軸、上下方向をY軸とする。
光学素子13は、ライン光源11Aから照射されたライン光を、被検眼27の瞳孔29を通過させ、かつ、水晶体28の厚み方向に直交する第1平面18上に結像させる。光学素子13は、ライン光を水晶体28の直径より大きくなるように第1平面18上に結像させる。水晶体28の直径は、通常の成人の場合、9mm以上11mm以下である。このため、光学素子13は、ライン光を9mm以上11mm以下の直線で第1平面上に結像させる。
図4は、本実施形態に係る光学素子13としての円錐台の斜視図である。図4に示すように、光学素子13は、第1面13Aと、第2面13Bと、隅角ミラー部13Cとを有する円錐台として構成される。第1面13Aは、被検眼27側に位置し、第1直径を有する。第2面13Bは、被検眼27とは反対側に位置し、かつ、第1直径より大きい第2直径を有する。隅角ミラー部13Cは、光学素子13の内部に貼り付けられたミラーであり、光学素子13に入射されたライン光を、ライン光を水晶体28の直径より大きくなるように第1平面18上に結像させるように反射する。
円錐台の頂角と第1直径と第2直径とに基づいて、光学素子13が第1平面18上に結像させる範囲が決定される。このため、上記水晶体28の直径より大きく第1平面18上に結像させるように光学素子13を構成することにより、水晶体28全域を撮影することができる。
また、水晶体28の直径が、9mm以上11mm以下の範囲とは異なる範囲である場合がある。例えば、大人・子供や、特殊な場合等では、水晶体28の直径及び厚みが異なる場合がある。このため、水晶体28の直径が上記範囲外であったり、上記範囲内であるが、範囲が狭かったりする場合がある。これに対応して、円錐台の頂角、第1直径、及び第2直径が異なる複数の光学素子13を用意しておく。複数の光学素子13から、入力された属性に応じた光学素子13を選択するものとすれば、よりユーザ(眼科医又は視機能訓練士)が観察したい範囲で水晶体28を撮影することができる。属性は、例えば、大人・子供、男性・女性、特殊な場合等が挙げられる。選択された光学素子13を用いるには、人手で交換しても良いし、自動で交換する構成としてもよい。
ライン光源11Aは、線状の光線であるライン光を照射する。ライン光源11Aは、例えば、複数のLEDチップを一列に並べて構成される。1本のライン光は、X軸又はY軸を走査可能な光である。以下、本実施形態では、1本のライン光によりY軸を走査可能なライン光を例に説明する。
ハーフミラー11Bは、ライン光源11Aから射出されたライン光を、ミラー11Cに反射するように構成される。また、ハーフミラー11Bは、水晶体28を測定したライン光が、光学素子13、レンズ11D、及びミラー11Cを介して入射されると、ラインセンサ14に反射するように構成される。
ミラー11Cは、ライン光を用いて、光学素子13の第2面をスキャンする。具体的には、ミラー11Cは、レンズ11Dを経由して、光学素子13にライン光を反射する。ミラー11Cは回転可能に構成される。ミラー11Cは、制御ユニット16により回転が制御される。ミラー11Cは、回転することにより、射出されたライン光を、X軸方向にスキャンさせる。すなわち、ミラー11Cが回転することにより、ライン光が水晶体28に照射される位置を、X軸方向に変化させることができる。ミラー11Cは、水晶体28により反射されたライン光を、ハーフミラー11Bを経由してラインセンサ14へ入射させる。ミラー11Cは、例えば、ガルバノミラーを用いることができる。
固視標光源12は、被検者の視点を固定するための固視標となる光の光源である。固視標光源12は、固視標が被検者に対して視認可能な状態で提示されるように構成される。例えば、固視標光源12により固視標が発光されると、固視標を反射するミラー(図示しない)により、被検者に対して反射される。
ラインセンサ14は、水晶体28により反射されたライン光を検出するためのセンサである。ラインセンサ14は、検知したライン光を検出信号に変換して出力する。ラインセンサ14は、当該検出信号を、画像処理装置17に出力する。
駆動ユニット20は、光学系10を、水晶体28の厚み方向(図3のZ方向)に所定量ずつ移動させる。具体的には、駆動ユニット20は、光学系10を、所定量移動可能に構成される。駆動ユニット20はステージ機構であり、ベルトと、ベルト下部に配置した回転式モータとで構成され、光学系10をベルト上部に配置し、回転式モータを回転させることにより、光学系10を所定量移動させる。他の方法により光学系10を所定量移動させる構成としてもよい。
駆動ユニット20は、初期位置として、第1平面18の位置が水晶体28の厚み方向の最後面と硝子体との境界又は最前面と房水との境界となるように、光学系10を移動させる。本実施形態では、初期位置として、第1平面18の位置が水晶体28の厚み方向の最後面と硝子体との境界となる場合を例に説明する。所定量は、水晶体28の厚みに応じた適正量を定めておく。例えば、水晶体28の厚みは、約4mmであるため、所定量を1mmや0.5mm等の値に設定しておく。初期位置が、第1平面18の位置が水晶体28の厚み方向の最後面と硝子体との境界となる場合、駆動ユニット20は、第2平面の位置が水晶体28の厚み方向の最前面と房水との境界となるまで、光学系10を所定量移動させる。なお、駆動ユニット20は、光学素子13とミラー11Cとを少なくとも所定量移動させる構成とすればよく、光学素子13及びミラー11C以外の光学系10の構成は、移動させない構成としてもよい。
駆動ユニット20により光学系10が初期位置から移動されたことにより、第1平面18と異なる平面であり、かつ、水晶体の厚み方向に直交する第2平面に光学素子13はライン光を結像させる。第2平面は第1平面18と平行な平面である。第1平面18を初期位置とすると、第2平面は、駆動ユニット20により移動する数N(Nは自然数)だけ存在することとなる。移動数Nは、例えば、厚み方向を所定量で割った数である。また、移動数Nは、撮影回数でもある。光学系10は、所定量移動させる度に、厚み方向に直交する平面(第1平面18又は第2平面)をスキャンする。このように、N回水晶体28の厚み方向に直交する平面をスキャンすることにより、N枚の水晶体28のスライス画像を取得することができる。これらN枚のスライス画像を用いて水晶体28の3D画像を生成する。
アライメントユニット30は、光学系10が、被検眼27の水晶体28が撮影範囲として適正にスキャン可能にするために、位置合わせを行う。すなわち、アライメントユニット30は、瞳孔29の中心と、光軸とが一致するように(焦点位置とが直線となるように)、チンレストと額当てとの位置を調整し、XY平面の位置合わせを行う。そして、方向については、まず、角膜位置検出ライン光を角膜に照射して、センサにより反射光を検出する。次に、ライン光をZ方向に微動し、反射光の強度(例えば、ラインセンサの中心10pxの積算)が最大の位置を基準点とする。基準点の位置からPmm(Pmmは、初期位置と上記基準点の距離)の位置に、光学系駆動ユニット20により、光学系を被検眼27の方向に前進させる。または、光学系のフォーカスレンズを調整することにより焦点位置をPmm被検眼27の方向に前進させるようにしてもよい。
図5は、水晶体撮影装置110の機能構成の例を示すブロック図である。図5に示すように、水晶体撮影装置110は、機能構成として、入力部101、選択部102、制御部103、画像処理部104、及び駆動制御部105を有する。各機能構成は、CPU16AがROM16Cに記憶された水晶体撮影プログラムを読み出し、RAM16Bに展開して実行することにより実現される。
入力部101は、被検眼27の属性の入力を受け付ける。具体的には、入力部101は、大人・子供、男性・女性、特殊な場合等の属性の入力を受け付ける。そして、入力部101は、受け付けた属性を、選択部102に出力する。
選択部102は、複数の光学素子13から、入力された属性に応じた光学素子13を選択する。具体的には、選択部102は、予め用意された円錐台の頂点が異なる複数の光学素子13のうち、入力された属性に最も適合する光学素子13を選択する。例えば、属性が大人かつ一般であれば、水晶体28の直径が、9mm以上11mm以下の範囲であると推定できるため、この範囲を含み、かつ、余分な範囲を撮影しないような光学素子13を選択する。選択部102は、入力/表示装置16Eを介して選択結果を表示する。そして、ユーザが光学素子13の交換を行う。または、選択された光学素子13に自動で交換するように水晶体撮影装置110を構成するようにしてもよい。
制御部103は、各機能部101~105と連携し、水晶体撮影装置110の各ユニットと光学系10とを制御する。光学系10の制御では、制御部103は、ライン光源11Aに対し、ライン光の照射開始及び照射停止を制御する。また、制御部103は、ミラー11Cに対し、ミラー11Cを回転させ、ライン光をX軸方向にスキャンする制御を行う。また、制御部103は、固視標光源12に対し、固視標の発光及び発光中止を制御する。また、制御部103は、ラインセンサ14に対し、検出開始及び検出終了の制御を行う。
画像処理部104は、画像処理装置17による画像処理を実行する。
駆動制御部105は、駆動ユニット20及びアライメントユニット30を制御する。
図6を用いて、水晶体撮影処理の流れを説明する。図6は、水晶体撮影装置110による水晶体撮影処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。CPU16AがROM16C又はストレージから水晶体撮影プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、スキャン処理ルーチンが行なわれる。なお、入力部101による入力、及び選択部102による選択により、光学素子13は予め選択されたものとして説明する。
制御部103は、選択された光学素子13が設置され、水晶体撮影処理が開始されると、ステップS100において、制御部103は、固視標の発光を固視標光源12に指示すると共に、駆動制御部105に固視標の発光指示を出力する。
ステップS101において、駆動制御部105は、アライメントユニット30による位置合わせを行う。具体的には、駆動制御部105は、図示せぬ赤外光等による前眼部撮影により得られた被検眼27の前眼部画像を用いて、光軸が瞳孔29の中心となるようにアライメントユニット30を駆動させ、被検眼27と光学系10との位置合わせを行う。そして、駆動制御部105は、被検眼27が一定方向を向くように、固視標光源12を発光させる。
ステップS102において、駆動制御部105は、光学系10を初期位置に移動させるように、駆動ユニット20のZ方向の位置を制御する。このとき、駆動ユニット20は、初期位置として、第1平面18の位置が水晶体の厚み方向の最後面と硝子体との境界又は最前面と房水との境界となるように、光学系10を移動させる。駆動制御部105は、光学系10を初期位置に移動させると、光学系10を初期位置に移動したことを示す信号を制御部103に出力する。
ステップS103において、制御部103は、駆動制御部105により駆動ユニット20が光学系10を初期位置に移動したことを示す信号を受け取ると、光学系10のフォーカスを、水晶体28の厚み方向に直交する平面に合わせる。フォーカスの調整は、フォーカス調整機構(図示しない)によって行う構成とすることができる。
ステップS104において、制御部103は、ライン光の照射開始をライン光源11Aに指示する。
ステップS105において、制御部103は、ミラー11Cの回転によるX軸方向のスキャン、及びラインセンサ14による検出を制御する。
具体的には、制御部103は、ミラー11Cの回転によるX軸方向のスキャン、及びラインセンサ14による検出開始を行う(図7(1))。
また、X軸方向のスキャンが終わると、制御部103は、駆動制御部105に、スキャン終了信号を出力する。
制御部103は、下記ステップS107により、駆動制御部105により駆動ユニット20が光学系10を所定量移動したこと(図7(2))を示す信号を受け取る度に、ライン光源11Aによるライン光の照射開始、ミラー11Cの回転によるX軸方向のスキャン、及びラインセンサ14による検出開始を行う(図7(3))。
ステップS106において、駆動制御部105は、制御部103から、スキャン終了信号を受け取ると、光学系10を水晶体28の厚み方向に所定量移動させるように、駆動ユニット20を制御する。
ステップS107において、駆動制御部105は、水晶体の厚み方向の最前面と房水との境界を検出したか否かを判定する。
検出していない場合(上記ステップS107のNO)、所定量移動したことを示す信号を制御部103に出力し、ステップS105に戻る。このとき、フォーカスが合っている面が、第2平面である。
一方、検出している場合(上記ステップS107のYES)、駆動制御部105は、制御部103に、移動終了信号を出力し、ステップS108に進む。
ステップS108において、制御部103は、駆動制御部105により移動終了信号を受け取ると、ライン光源11Aによるライン光の照射停止、ミラー11Cの回転によるX軸方向のスキャンの終了、固視標光源12による固視標の発光中止、及びラインセンサ14による検出終了を行う。そして、制御部103は、ラインセンサ14による検出信号を、画像処理部104に出力する。
ステップS109において、画像処理部104は、光学系10によって得られた検出信号に基づいて、被検眼27の水晶体の3次元画像である水晶体3次元画像を生成する。
具体的には、画像処理部104は、光学系10によって得られた検出信号(水晶体28のN回の撮影により得られた検出信号)に基づいて、被検眼27の水晶体28の3次元画像である水晶体3次元画像を生成する。当該検出信号には、N回分の検出信号が含まれ、それぞれのスキャンの検出信号にはXY平面における座標と、当該座標における散乱強度が含まれる。
画像処理部104は、水晶体28の第1平面18で反射されたライン光を検出して得られた第1検出信号(1回目(初回)の検出信号)から第1スキャン画像を生成する。また、画像処理部104は、水晶体28の第2平面で反射されたライン光を検出して得られた第2検出信号(2回目からN回目までのそれぞれの検出信号)から第2スキャン画像を生成する。そして、第1スキャン画像と第2スキャン画像とに基づいて、水晶体三次元画像を生成する。以下では、第1検出信号と第2検出信号とを特に区別しない場合、単に検出信号と呼ぶ。
図8は、検出信号から、3次元画像を生成する過程を表すイメージ図を示す。図8に示すように、画像処理部104は、まず、光学系10が初期値から移動する度にスキャンした検出信号をXY平面の画像である複数のスライスデータにする(図8(a))。次に、画像処理部104は、各スライスデータから、水晶体28に対応する検出信号以外の検出信号を削除する(図8(b))。次に、画像処理部104は、各スライスデータを合成して、1つの3次元マップデータとする(図8(c))。次に、画像処理部104は、3次元マップデータの各座標のエッジを各座標の散乱強度に基づいて検出し、透明部位と白濁部位との強度差を強調した3次元画像を生成する(図8(d))。
ステップS110において、画像処理部104は、水晶体三次元画像を、撮影日、被検者の識別情報、水晶体以外の被検眼27の情報等のユーザが診断に用いる情報と共に表示する画面を生成する。具体的には、画像処理部104は、水晶体三次元画像、撮影日、被検者の識別情報、及び水晶体以外の被検眼27の情報等のユーザが診断に用いる情報(前眼部画像、眼球3次元画像、眼底画像や、眼軸長等の情報)と共に表示する画面2000を生成する。そして、画面2000に対応する画像信号が入力/表示装置16Eに出力され、モニター等に表示される。
図9に、水晶体三次元画像が表示される画面2000の一例を示す。図9に示す画面は、水晶体内部構造の観察を可能とする画面であり、識別情報部2000A、画像部2000B、及び操作パネル部2000Cで構成される。識別情報部2000Aには、被検者である患者のID、年齢等の患者の識別情報が表示される。画像部2000Bには、当該水晶体三次元画像の撮影日(YYYY/MM/DD)と、画像処理部104により生成された水晶体三次元画像と、眼球モデルに水晶体三次元を重ねた被検眼ビューと、ユーザの診察時のコメントやメモをテキストとして表示する欄とが表示される。識別情報やテキスト等の各情報は、予め記憶され、又はユーザにより入力される。
なお、画面には水晶体三次元画像を解析して得られた水晶体の混濁体積、混濁体積比等の情報も表示してよい。検出信号により得られる散乱強度は、水晶体における白濁度合マップ作成、又は水晶体の体積算出に使用できる。水晶体体積は、測定時に検出した境界面を設定し、水晶体を微小立方体の集合と近似して、その積分を求めることにより算出できる。このような、白濁度合マップは、眼科医の診察において有益な情報である。例えば、白内障の初期から中期における進行度検査や、白内障抑制の目薬の効果の検討等に用いることができる。
操作パネル部2000Cは、ユーザが操作するためのGUI(Graphical User Interfece)である。操作パネル部2000Cは、水晶体三次元画像を二次元画像に変換する操作を行うためのボタンや、過去データを参照する操作を行うためのボタン、水晶体を解析するための画面を表示する操作を行うボタン等、種々の操作を行うためのボタン(メニュー画面を含む)を採用することができる。
ステップS111において、画像処理部104は、上記ステップS110により生成した画面2000を、入力/表示装置16Eに出力し、モニター等に表示する
以上説明したように、本開示の実施形態に係る水晶体撮影装置によれば、線状の光線であるライン光を照射する光源部と、光源部により照射されたライン光を、被検眼の瞳孔を通過させ、かつ、水晶体の厚み方向に直交する第1平面上に結像させる光学素子と、ライン光をスキャンするスキャナーと、水晶体により反射されたライン光を検出するセンサ部と、を含むため、簡単な構成で精度の高い水晶体の散乱光データを得ることができる。
また、上記の光学素子は、ライン光を水晶体の直径より大きくなるように第1平面上に結像させるため、水晶体の全域を含んで撮影することができる。このため、精度の高い水晶体の散乱光データを得ることができる。
また、センサ部の出力に基づいて、水晶体の三次元構造を示す水晶体三次元画像を生成するため、簡単な構成で精度の高い水晶体の画像を得ることができる。
また、上記の光学素子は、被検眼側に位置し第1直径を有する第1面と、被検眼とは反対側に位置し、かつ、第1直径より大きい第2直径を有する第2面とからなる円錐台であり、スキャナーは、円錐台の第2面をスキャンし、光学素子を厚み方向に移動させ、光学素子は、移動されたことにより、第1平面と異なる平面であり、かつ、水晶体の厚み方向に直交する第2平面にライン光を結像させる。このため、精度の高い水晶体の三次元画像を得ることができる。
また、被検眼の属性の入力を受け付け、円錐台のサイズが異なる複数の光学素子から、入力された属性に応じた光学素子を選択する。水晶体の直径や厚みが異なる被検眼についても、属性に応じた光学素子を選択することができるため、より精度の高い水晶体の三次元画像を得ることができる。
また、本開示によるライン光と光学素子の組み合わせにより水晶体全体の三次元画像を得ることができる。OCT撮影ではOCTの測定光が水晶体の一部にしか照射することができないが、本開示では水晶体全体を撮影することが可能となる。OCTでは水晶体の中心部の画像から推測により水晶体の端部の形状を得ることができるが、本開示では水晶体の全体の三次元画像を得ることができるので、推測ではなく実際の被検者の水晶体の形状の情報を得ることができる。よって、IOL(眼内レンズ)を選定するにあたっての前眼部測定器として有用である。
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上記の光学素子13が円錐台である場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、円錐台以外の形状を採用してもよい。図10に、他の形状の例を示す。図10に示すように、光学素子13は、角錐の形状であっても、曲面の形状であっても、平面と曲面とが混在する形状であってもよい。図10では、上記円錐台の場合(図4)と対応させるため、同一の符号を付している。このように、光学素子13は、第1面13Aと、第2面13Bと、隅角ミラー部13Cとを有している構成であれば、これらの形状に限定されず、様々な形状を採用することができる。
[光学系の変形例]
ここで、光学系の変形例1~3について説明する。
(変形例1)
上記実施形態では、光学系10は、ライン光源11Aを用いて構成される例を用いて説明した。変形例1では、面光源を用いる場合について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成について、同一の符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、変形例1に係る光学系50は、面光源50A、ハーフミラー11B、ミラー50C、スリット付きマスク50F、レンズ11D、固視標光源12、光学素子13、及びラインセンサ14を含む。なお、簡便のため、ハーフミラー11B及びラインセンサ14については、図示を省略する。
面光源50Aは、面状の光線を射出する。面状の光線は、例えば、線状の光線であるライン光の束である。
ミラー50Cは、面状の光線を用いて、光学素子13の第1面及び第2面をスキャンする。具体的には、ミラー50Cは、スリット付きマスク50F及びレンズ11Dを経由して、光学素子13に面状の光線を反射する。上記実施形態では、ミラー11Cは回転可能に構成されたが、ミラー50Cは固定されており、回転しない。
スリット付きマスク50Fは、中央に設けられた線状のスリットを設けたマスクである。スリット付きマスク50Fは、制御ユニット16により回転が制御される。スリット付きマスク50Fは、面状に射出された光線を、スリットのみ通過させることにより、線状の光線をレンズ11Dに通過させる。スリット付きマスク50Fは、回転することにより、射出された面状の光線を線状の光線とし、X軸方向にスキャンさせる。
このとき、スリット付きマスクが回転することでスキャンを行うため、光学素子13は、円錐台である場合に最も精度よく水晶体を撮影することができる。
変形例1では、ステップS105において、制御部103は、スリット付きマスク50Fの回転によるX軸方向のスキャン、及びラインセンサ14による検出を制御する。
具体的には、制御部103は、スリット付きマスク50Fミラー11Cの回転によるX軸方向のスキャン、及びラインセンサ14による検出開始を行う(図11(1))。
また、X軸方向のスキャンが終わると、制御部103は、駆動制御部105に、スキャン終了信号を出力する。
制御部103は、下記ステップS107により、駆動制御部105により駆動ユニット20が光学系10を所定量移動したこと(図7(2))を示す信号を受け取る度に、ライン光源11Aによる面状の光線の照射開始、スリット付きマスク50Fの回転によるX軸方向のスキャン、及びラインセンサ14による検出開始を行う。
ステップS106において、駆動制御部105は、制御部103から、スキャン終了信号を受け取ると、光学系50を水晶体28の厚み方向に所定量移動させるように、駆動ユニット20を制御する。
(変形例2)
上記実施形態では、光学系10は、ライン光源11Aから照射された1つのライン光を用いてスキャンする場合を例に説明した。変形例2では、ライン光源11Aから照射された2つのライン光を用いてスキャンする場合について説明する。なお、上記実施形態と同一の構成について、同一の符号を付して説明を省略する。
図12に示すように、変形例2では、光学素子13の隅角ミラー部13Cを2箇所用いてスキャンを行う。ライン光源11Aは、対称な2つのライン光をミラー11Cに、射出する。
光学素子13は、光学素子13内部の隅角ミラー部13Cにより、対称な2つのライン光を用いて第1平面18をスキャンする。光学素子13が円錐台でない場合、隅角ミラー部13Cは、光学素子13内において対象に設ける。
このように、2つのライン光を用いる場合、1つのライン光を用いる場合よりもスキャン時間が短くなるため、精度よく、かつ、高速に水晶体を撮影することが可能となる。また、光学素子13が円錐台でない場合にも適用することができる。
(変形例3)
上記変形例1では、光学系そのものを動かす場合について説明した。変形例3では、光学系そのものではなく、焦点位置を動かす場合について説明する。なお、上記実施形態及び変形例1と同一の構成について、同一の符号を付して説明を省略する。
図13に示すように、変形例1に係る光学系50は、面光源50A、ハーフミラー11B、ミラー50C、スリット付きマスク50F、レンズ11D、固視標光源12、光学素子13、ラインセンサ14、及びズームレンズ調整部60を含む。なお、簡便のため、ハーフミラー11B及びラインセンサ14については、図示を省略する。
ズームレンズ調整部60は、レンズ11Dを制御する。
変形例3では、ステップS106において、ズームレンズ調整部60は、制御部103から、スキャン終了信号を受け取ると、レンズ11Dを水晶体28の厚み方向に所定量移動させる。これにより、焦点位置を移動させてスライス画像を得る。
変形例3によれば、光学系そのものを動作させる場合よりも、動力が小さくなるため、小コストに水晶体を撮影することができる。
また、上記実施形態では、通信を介して設定画面等を表示する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、水晶体撮影装置110と画像ビューワ150とを、1つの装置として構成してもよい。また、水晶体撮影装置110の機能を画像ビューワ150に構成してもよい。例えば、画像処理装置17の機能を、画像ビューワ150に構成してもよい。
また、水晶体撮影装置110の画像処理装置17を別の装置として実装してもよい。この場合、水晶体撮影装置110と画像処理装置17とを、ネットワーク130を介して通信するように構成してもよい。この場合、水晶体三次元画像や画面の生成をオンライン処理として画像処理装置17が行う構成とすることができる。
また、上記実施形態では、水晶体撮影装置110のモニターに画面2000を表示する構成を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、通信を介して画面2000を表示する構成とすることができる。この場合、水晶体撮影装置110は、生成した画面2000を、画像ビューワ150に送信する。そして、画像ビューワ150は、ネットワーク130を介して水晶体撮影装置110から受信した画面の表示を行う。画像ビューワ150は、ユーザから操作の入力を受け付ける構成とすることができる。この場合、受け付けた操作を、ネットワーク130を介して水晶体撮影装置110に送信する。なお、画像ビューワ150に表示した後の、ユーザによる操作については説明を省略する。
また、上記実施形態では、水晶体撮影装置110において、水晶体三次元画像の生成及び画面2000の生成を行う構成を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、水晶体三次元画像の生成と画面2000の生成とを、それぞれ別の装置が行う構成としてもよいし、これらを水晶体撮影装置110以外の1つの装置が行う構成としてもよい。
例えば、水晶体撮影装置110が、検出信号をサーバ140に送信する。サーバ140は、検出信号を受信すると、水晶体三次元画像の生成を行う。次に、サーバ140は、画面2000の生成を行う。そして、サーバ140は、生成した画面2000を、水晶体撮影装置110に送信する。そして、水晶体撮影装置110は画面2000の表示を行う。なお、サーバ140が、画面2000を画像ビューワ150に送信し、画像ビューワ150が画面2000を表示する構成としてもよい。
また、精度よく水晶体の散乱光データを得ることができることから、水晶体の白濁部位を精密に把握することができる。このため、散乱光データに基づいて、白濁部位を避けて眼底撮影をすることができる。
また、上記実施形態の手法により得られた水晶体三次元画像により、OCT/SLO装置120において、下記(1)~(3)の段階検査を可能とする。
(1)水晶体混濁を観察し、網膜へのレーザー投影が可能か/可能な入射角度を判断する。
(2)Fundus/SLO/OCTにより眼底/網膜断層像撮影を実施する。
(3)水晶体三次元画像又は水晶体のスライスデータに基づく画像と、OCT/SLO装置120により撮影した網膜とを同時に表示する。例えば、図14に示すように、被検眼ビュー2100Dにおいて、網膜画像に水晶体のスライスデータに基づく画像のうち代表的な画像を重ねて表示する。
なお、上記実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行したスキャンプログラムを、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、水晶体撮影プログラムを、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
すなわち、光源部に、線状の光線であるライン光を照射させ、光学素子に、前記光源部により照射された前記ライン光を、被検眼の瞳孔を通過させ、かつ、水晶体の厚み方向に直交する第1平面上に結像させ、スキャナーに、前記ライン光をスキャンさせ、センサ部に、前記水晶体により反射された前記ライン光を検出させる制御部を含む水晶体撮影装置としてもよい。
また、上記各実施形態では、スキャンプログラムがROM16C又はストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non-transitory)記憶媒体に記憶された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
以上の実施形態に関し、更に以下の技術を開示する。
光源部に、線状の光線であるライン光を照射させ、
光学素子に、前記光源部により照射された前記ライン光を、被検眼の瞳孔を通過させ、かつ、水晶体の厚み方向に直交する第1平面上に結像させ、
スキャナーに、前記ライン光をスキャンさせ、
センサ部に、前記水晶体により反射された前記ライン光を検出させる
ことをコンピュータに実行させる水晶体撮影プログラムを記憶した非一時的記憶媒体を含むコンピュータープログラム製品。
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