以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、横又は斜めに配置されたドラム内に投入された洗濯物の、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥を行うことができる洗濯機(いわゆる、ドラム式の洗濯乾燥機)を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る洗濯機100を利用した家電システムSを示す構成図である。
図1に示すように、家電システム(洗濯システム)Sは、インターネット180上に、サービスを提供するサーバ(商用サーバ)181、サーバ181に連携して能動的に情報を取得してユーザのスマートフォン300に通知するPush通知サーバであるサーバ182を有する。サーバ181および182は、LTE/3G網などの通信キャリア網(固定網)183を経由して宅外のスマートフォン300(携帯情報端末)に接続する。
家電システムSは、宅内ネットワークの橋渡しを行うHGW(Home Gate Way)である無線LAN(Local Area Network)ルータ184を介し、宅内ネットワークに接続された家電製品Hを有している。家電製品Hは、洗濯乾燥機,ロボット掃除機などの白物家電や照明・セキュリティ機器などの屋内設備機器のほか、PC,AV機器,タブレット,電話機などのいわゆる情報機器がある。本実施形態では、家電製品Hとしてドラム式洗濯機100(洗濯機)を例に採る。なお、家電製品Hと無線LANルータ184とを繋ぐネットワークは、有線LANのほか、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの特定近距離無線でもよい。
図1に示すように、ドラム式洗濯機100は、無線LANルータ184を介してインターネット180上のサーバ181に接続して、サーバ181のサービス(例えばダウンロードサービス)が提供される。ドラム式洗濯機100は、宅内では無線LANルータ184を介してスマートフォン300に繋ぐことができる。スマートフォン300のデータ(例えばダウンロードデータ)はドラム式洗濯機100の本体に転送可能である。
ドラム式洗濯機100は、制御部110、記憶部120、操作部130、表示部140、および通信ユニット150を備える。制御部110、記憶部120、操作部130および表示部140は、主に洗濯機100の制御基板105上に実装される。通信ユニット150は、無線通信機能を有し、例えばUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)を用いて制御基板105に接続される。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、ドラム式洗濯機100全体を制御するとともに、制御プログラムを実行して、家電システムSの宅内システムとして機能させる。
記憶部120は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性メモリからなり、制御部110が用いる各種データおよびプログラムなどを記憶する。記憶部120の不揮発領域(例えばEEPROM)は、例えばサーバ181からダウンロードした運転コースを複数記憶する。
操作部130は、電源などの各操作ボタンの押圧操作、マイクなど、ドラム式洗濯機100のユーザ音声指示などを入力するための入力機器である。
表示部140は、タッチパネル23(図2参照)であって、筐体1に設けられ、ドラム式洗濯機100の運転内容などの運転情報を、タッチパネル式の液晶パネル(液晶表示部)に表示すると共に、運転内容の設定操作(入力)を行う。タッチパネル23はカバーパネル21Aの内側に配置される。
図2は、本発明の一実施例に係る洗濯機100の外観を示す図である。なお、以下ではドラム式洗濯機100の、向かって右側を右側と称し、向かって左側を左側と称す。また使用者から見てドラム式洗濯機100の手前側を前側、奥側を後側として、前後方向を定義する。
図2に示すように、ドラム式洗濯機100は、筐体1と、筐体1内に弾性支持された外槽2と、外槽2内に回転自在に支持された回転ドラム(内槽)3と、を備える。
筐体1は、鋼板と樹脂成型品とが組み合わされ、ベースBの上に取り付けられ形成されている。筐体1は、左右の側板1a、前面カバー1b、背面カバー1c、上面カバー1d、下部前面カバー1eで構成されている。左右の側板1aは、コの字型の図示しない上補強材、前補強材、後補強材で結合されている。これにより、ベースBを含めた箱状の筐体1が構成され、筐体として十分な強度を有している。
筐体1の前面カバー1bの略中央には、衣類など(洗濯物)を出し入れする投入口を開閉するドア4が、前補強材に設けたヒンジ4hで開閉可能に支持されている。ドア4の右手近傍の前面カバー1bには、把持することでドア4のロック機構(図示せず)を解除するドア取っ手4tが設けられている。
ドア取っ手4tを把持することで、ロック機構が解除されてドア4が開放できる一方、ドア4を前面カバー1bに押し付けることでドア4が閉じてロックされる。前補強材は、外槽2の開口部とほぼ同心に、洗濯物を出し入れする円形の開口部を有している。
筐体1の上面カバー1dの手前右上部には、表示部などを有するタッチパネル23が設けられ、手前左上部には、洗剤や柔軟剤などを投入する上開き式の洗剤投入部5が設けられている。
タッチパネル23及びカバーパネル21Aの後側には、乾燥フィルタ6が設けられ、洗剤投入部5の後側には、洗剤自動投入部11(自動投入部、洗濯液自動投入部)が設けられている。乾燥フィルタ6は、メッシュ式のフィルタを備えており、乾燥運転時に糸くずや埃などを除去する。上面カバー1dには、風呂の残り湯を汲み上げるホースが接続される吸水ホース接続口7と水道栓と接続される給水ホース接続口8が設けられている。下部前面カバー1eの平坦部には、図示しない糸くずフィルタのフィルタ部材を出し入れするためのフタ1fが取り付けられている。洗剤自動投入部11は、複数回の洗濯で利用する洗剤や柔軟剤などの洗濯液を収納するタンクを有し、自動的に洗濯液を槽内に投入するものである。
タッチパネル23であるタッチパネル式の液晶パネル(液晶表示部)は、横128mm、縦40mmのような、縦より横の方が長い矩形の表示領域を備える。望ましくは、縦の長さに対して、3倍以上の横の長さの横長サイズとする。液晶パネルは、前面カバー1bと上面カバー1dの間に、洗濯機100の手前に利用者が立った際に見やすいように、所定の角度をもった傾斜面に設ける。よって、傾斜面は、少なからず、横長サイズになり、それに合わせて、タッチパネル23は横長サイズの液晶パネルとする。これにより、1つの画面に多くの情報を表示することができ、画面を切り替えなくても、洗濯機の設定や状態を確認することができる。
また、タッチパネル23の液晶パネルは、洗剤投入部5と左右方向に並置して設ける。
以下、タッチパネル23の各画面について、図面を用いて説明する。
図3は、図2の洗濯機100のタッチパネル23のホーム画面200の一例を示す図である。図3では、洗濯機100の電源を入れて最初に液晶パネルの表示領域に表示されるホーム画面200の例を示す。ホーム画面200は、洗濯機100の電源を入れて、利用者が操作することができる最初の画面である。
ホーム画面200には、複数のアイコンを表示する。利用者がよく操作する、つまり使用頻度が最も高い運転コースである、洗濯コース、洗濯乾燥コース、乾燥コースが、複数のアイコン(洗濯アイコン201、洗濯乾燥アイコン202、乾燥アイコン203)として、表示領域(画面)の中央に大きめのアイコン(第1アイコン)で表示されている。また、定期的に洗濯機内部を洗浄するために使用する清潔コースの清潔アイコン204や、よく使うコースをあらかじめ登録する「お気に入り」コースのお気に入りアイコン205も、前述した第1アイコンよりは使用頻度が少ないが、定期的に使用するとして画面中央に中くらいの大きさのアイコン(第2アイコン)を設けている。また、画面の一方端部(図では右側端部)には、洗濯機の動作設定を変更するアイコン206を、小さいアイコン(第3アイコン)として複数設け、他方端部には、各種設定画面を表示させることができるサポートアイコン207と、通信接続状態、ドアロック、槽内高温表示といった特に優先度の高い情報を洗濯機の本体状態アイコン208として設けている。本体状態アイコン208は、表示領域において、運転コースのアイコンに対して、動作設定を変更するアイコンとは反対側の側方に表示されている。このように、洗濯機の動作設定を変更するアイコン206など、よく使う設定は、画面脇にアイコン表示されていて、設定画面を表示させなくても設定している状態が確認できる。また、洗濯機の動作設定を変更するアイコン206などの設定アイコンを画面脇に設けることで、使用頻度の高い第1アイコンや第2アイコンなどの運転コースを選択するアイコンを画面で常に表示させることができ、運転スタートする直前まで設定変更することができる。
また、上述したように、アイコンのサイズを、使用頻度に応じて、大きい順に、第1アイコン、第2アイコン、第3アイコンとし、使用頻度の高いアイコン(第1アイコン、第2アイコン)を画面中央に設け、使用頻度が低いアイコン(第3アイコン)を画面端部に設ける。このように、使用頻度に応じてアイコンの大きさと表示位置が異なるようにしている。具体的には、使用頻度が高いような運転コースアイコンを大きいサイズのアイコンで画面中央に配置させ、使用頻度が低いような設定アイコンを運転コースアイコンよりは小さいサイズで画面端部に配置させることで、利用者の視認性が向上し、使い勝手も良くなり、さらに運転コースを確認しながら、運転スタートする直前まで設定アイコンで各種設定変更が可能といったように操作性を向上させることができる。
なお、洗濯機の動作設定を変更するアイコン206(第3アイコン)の例として、図では、自動投入の設定値、予約運転の設定値、リモートの設定値、チャイルドロックの設定値、お湯取の設定値、AIお洗濯の設定値、自動おそうじの設定値、温め自動の設定値、温風ほぐし脱水の設定値、が記載されている。なお、自動投入の設定値のアイコンは、自動投入用の洗剤や柔軟剤が、適量かどうかが分かる、つまり残量が少ないなどが明確になるようにアイコンの絵が変わるように表示されていても良い。
図4は、図2の洗濯機のタッチパネル23の運転コース選択画面210の一例を示す図である。
図4は、図3のホーム画面200の洗濯乾燥アイコン202を選択した場合の運転コース選択画面210の一例を示している。画面中央に、選択できるコースが複数表記されている。例えば、標準コース、おいそぎコース、すすぎ1回コース、手造りコース、毛布コース、ナイトコースなどである。さらには、温水ミストを使用する場合に選択できる温水ミストアイコン214、サーバから任意のコースをダウンロードして設定できるダウンロードアイコン215を設けている。このように運転コースのアイコンが選択された場合にホーム画面200から遷移された運転コース選択画面210は、1画面に、複数の運転コースを表示している。そのため、複数の画面にまたがって表記されているものに比べ、ストレスなく好きな運転コースをスムーズに選択でき、利便性が向上できる。
また、表示された複数の運転コースは、選択された運転コースの機能毎に、表示領域の画面または、選択された運転コースのアイコンの表示色を異なるようにする。具体的には、洗濯機能に関する設定は青色、乾燥機能に関する設定は橙色、槽洗浄など清潔機能はグレー色のように、機能に合わせて画面色、アイコン色を変えることで、利用者が誤ってアイコンを押下することを抑止すると共に、正しくアイコンを押下することができる。
図5は、図2の洗濯機のタッチパネル23のコース詳細設定画面220の一例を示す図である。具体的には、運転コース選択画面210にて標準コースを選択した際のコース詳細設定画面220の例である。
タッチパネル23の液晶表示部の表示領域(画面)は、複数の階層からなり、各階層の画面では、画面端部(図では上方端部)に、ホーム画面200に戻れるホームアイコン213を表示する。これによって、たとえ、図5のコース詳細設定画面220にいても、図4の運転コース選択画面210に戻らずに、一気に、ホーム画面200まで戻ることができ、操作を間違った場合や、最初に戻りたい場合に、1つずつ画面を戻すのではなく、どのように深い階層の画面からでも直接ホーム画面200へ戻ることができるようにすることで、利用者の操作回数を減らし操作性が向上する。
また、図5のように、標準コースを選択した場合に、そのコースがどのようなコース(具体的には、選択されたコースが「標準コース」の場合「普段の洗濯物に」とのコースの説明が表示)で、どのような順番に運転されるのか(具体的には、現時点の洗い時間と温水ミスト時間の設定値が表示され、また現時点のすすぎの種類(ため、注水、ナイアガラ)とすすぎ回数の設定値が表示され、現時点の脱水時間、乾燥時間の設定値が表示され、この順に運転される)を、視覚面からも利用者に伝えることができように記載する。つまり、複数の運転コースのうち、1つの運転コースが選択された場合に遷移されたコース詳細設定画面220は、選択された運転コース名と共にコース詳細説明を表示する。このようにコースの詳細を説明することで、各コースに対する認知度を向上することができ、衣類の汚れ状況に合ったコースを利用者が選択できるようになり、設定誤りを未然に防止することができる。また、利用者が次に何をすればよいか、図では「内容を確認し、スタートしてください」のように利用者を促す説明をコース詳細説明表示223に表示するで、運転開始できる状態であることを利用者に知らせることができ、利用者が次の操作に悩むことを抑止でき、操作性が向上すると共に、使い勝手が向上する。
また、戻るアイコン221は、一階層の画面に戻るものであり、ホーム画面200ではなく、1つ前の階層に戻りたい場合は、このアイコンを押下して対応することができる。また、コース説明アイコン224は、画面表示している運転コースの説明画面が表示され、どのような運転コースなのか、知りたいときに、アイコンを押下して、表示させることができる。
また、画面に「予約12時間後」といったように予約時間を表示させることで、予約運転が設定されていることが明確になる。
また、初期値に戻すアイコン222を配置することで、利用者が設定変更した内容を、そのコースの初期値に戻すことができる。但し、設定変更できないコースの場合は初期値に戻すアイコンは表示しない。
図6は、図2の洗濯機100のタッチパネル23の運転時間設定画面230の一例を示す図である。図7は、図2の洗濯機100のタッチパネル23の運転時間設定画面240の一例を示す図である。
ここでは図5の「温水ミスト90+15分 洗い」アイコンを、押下した場合に遷移した画面である。画面中央上方には、温水ミストのONとOFFが選択できるようになっている。ONの場合は、何分ONするか、ここでは30分、90分を選択できるようになっている。
また洗いの運転時間を設定する方法として、図6と図7がある。図6では、「+」の運転時間設定ボタン232と「-」の運転時間設定ボタン231を利用者が押下して、段階的に運転時間を変更し、図7では、利用者が時間幅に応じたインジケータバー241を直接押下して運転時間を変更することが出来る。最後に、決定ボタンを押下して設定する。つまり、運転時間設定画面230は、運転時間を段階的に変更するボタン(運転時間設定ボタン231と232)を表示し、運転時間設定画面240は、運転時間によって時間幅が変化するインジケータバー(インジケータバー241)を表示する。これによって、利用者によって、好みの運転時間の変更方法選べ、操作性を向上させることができる。
図8は、図2の洗濯機100のタッチパネル23の自動投入設定画面250の一例を示す図である。
自動投入設定画面250では、液体洗剤や柔軟剤の自動投入及びその投入量を設定できる画面である。画面の一方側方に洗剤の設定、他方側方に柔軟剤の設定といったように、1画面で自動投入設定情報を表示する。ここでは、自動投入ON/OFF設定、基準使用量、洗剤銘柄名251、柔軟剤銘柄名252、残量少情報253を1つの画面に表示する。このように、1つの設定画面に多くの情報を表示することで、画面を移動しなくても、自動投入関連の情報が1つの画面で確認できるため視認性が向上し、また使い勝手も向上する。
また、図1のように、洗濯機本体と端末装置であるスマートフォン300がネットワークに接続されている場合、スマートフォン300からも自動投入設定が可能であり、例えば、スマートフォン300で設定した洗剤・柔軟剤銘柄名を本体側の液晶パネルの自動投入設定画面250でも表示させることができる。つまり、洗濯機本体の液晶パネルの自動投入設定画面250とスマートフォン300とがリアルタイムで連動しており、スマートフォン300で設定した内容が、本体の液晶パネルの画面に、リアルタイムで表示させることができる。このようにすることで、スマートフォンを立ち上げなくても、現在設定されている基準使用量や洗剤の銘柄名などが本体側で確認することができ、利便性が向上する。また、リアルタイムで表示させることで、スマートフォン300で設定した内容が本体側に反映されたことを同時に確認することができ、利用者が各設定画面を開かなくてもよく、利便性が向上する。
図9は、図2の洗濯機100のタッチパネル23の基準使用量設定画面260の一例を示す図である。図9の基準使用量設定画面260は、図8の自動投入設定画面250における洗剤の基準使用量を変更する画面を示している。ここでは、基準使用量設定画面260は、別画面としている。
基準使用量設定画面260は、「+」「-」ボタンを押下して、洗剤や柔軟剤の基準使用量を手動で設定することができる。その際に、画面に、洗剤や柔軟剤の詰め替えパウチに記された使用量の目安を確認するよう表示し、利用者がどこを見て、基準使用量を設定するかを分かりやすいように、設定参考情報261を基準使用量設定領域と共に表示する。これにより利用者は、正しく基準使用量を設定することできるといったように利便性を向上することができる。
図10は、図2の洗濯機100のタッチパネル23のダウンロードコース登録画面270の一例を示す図である。図10(a)はダウンロードコース未登録の状態であり、図10(b)はダウンロードコースが登録されている状態である。
ダウンロードコース登録画面270は、図4の運転コース選択画面210のダウンロードアイコン215を利用者が押下した場合に遷移する画面である。
ダウンロードコース登録画面270では、スマートフォン300から専用のコースを登録することができる画面であり、図では、3つのダウンロードコース登録領域271を設け、任意の3つのダウンロードコースを設定することができる。ここでは、図10(b)に記載のように、ダウンジャケットコース、わがや流AIコース、洗えるスーツコースの3つが登録された状態である。このようにダウンロードコースの名称で登録することができ、利用者がどのようなコースを登録したか、明確にわかるようにした。これにより、記号や文字で登録するようなものに比べて、すぐ登録内容を確認でき、利便性が向上する。
図11は、図2の洗濯機100のタッチパネル23の初期設定画面280の一例を示す図である。これは、図5に記載の初期値に戻すアイコン222を利用者が押下した場合に遷移する画面である。図11(a)は初期設定画面280であり、図11(b)はポップアップ画面281が表示された状態である。
初期設定画面280では、本体設定・洗い方設定の設定内容をお買い上げ時の状態に戻すことができるものであり、初期設定画面280に表示された「初期設定に戻す」ボタンを押下すると、確認画面としてポップアップ画面281をポップアップで表示する。このように設定情報の初期化(またはお気に入りコースの上書き登録)を行う状況において、利用者の判断を仰ぐ場合にポップアップで通知する。このとき、ポップアップの背景画面(ポップアップを表示させている元の画面)をグレーアウト(透過)表示する。ポップアップ表示で背景画面をグレーアウトすることで、直前に操作していた画面が何であったかを利用者が確認できる。
図12は、図5のコース詳細設定画面220上のポップアップ画面表示の一例を示す図である。図13は、図3のホーム画面200上の注意喚起メッセージ表示の一例を示す図である。
図12では、所定のコースにて設定変更しようとした場合に、そのコースでは変更ができない場合に、そのコースでは変更できない設定であることを利用者に促すために、ポップアップ表示をするものである。これは利用者の操作が許容できない内容であった場合、ポップアップ画面282を画面中央に表示する。このとき背景画面は操作できない。ポップアップは時間経過(2秒)または利用者がポップアップ画面をタッチすることで消去する。特に重要性の高い内容の場合は時間経過で消去せず、利用者がポップアップ画面をタッチするまで表示を継続する。
それに対して図13では、ホーム画面200において、「内容を確認して、スタートしてください(水栓を開けてください)」といった、次の動作を促すと共に、水栓を開け忘れないようにといった注意喚起メッセージ283をポップアップで表示している。これは、一定時間(例えば、5秒)利用者が画面を操作しなかった場合、運転開始および水栓を開けることを促す注意喚起メッセージを画面上部に表示する。画面上部に表示する場合は、背景画面を操作できるようにする。このように注意喚起メッセージ283は常に表示せず、一定時間後にポップアップ表示させることで、利用者に気付きやすくする効果を狙うことができる。
以上のように、ポップアップで表示する際に、ボップアップする内容に応じて、ポップアップ表示する画面上の位置を変えることで、より利用者の気付きをえるようにしたり、利用者が他の動作をしないようにしたり、することができる。
次に、タッチパネル23の構成について説明する。
図14は、図2の洗濯機100のカバーパネル21A,21Bの近傍を拡大して示す部分拡大図である。図15は、図2の洗濯機100のカバーパネル21Aの近傍を拡大して示す部分拡大図である。なお、図14及び図15は洗濯機100を上方から見た平面図として、描かれている。
図14に示すように、洗濯機100の筐体1は、前面カバー1bと上面カバー1dとの間(接続部)に、所定の角度をもった傾斜面1g(図16も参照)を備える。傾斜面1gは前後方向において前側(前縁側)が後側(後縁側)よりも低くなるように傾斜している。本実施形態の場合、傾斜面1gは前面カバー1bの上端部と上面カバー1dの前端部とで構成され、傾斜面1gの後縁部と傾斜面1gの左右の側端(側縁)部の一部とが上面カバー1dで構成され、傾斜面1gの前縁部と左右の側縁部の大部分とが前面カバー1bで構成される。なお、前面カバー1bと上面カバー1dとの接続部を1b/1dとして図14に示す。
前面カバー1bおよび上面カバー1dは、洗濯機100の外郭を成す外観パネル(筐体)1を構成する。このため、前面カバー1bおよび上面カバー1dは、特に区別する必要のない場合、外観パネルと呼んで説明する場合がある。
傾斜面1g(図16参照)の大部分はカバーパネル21A,21Bで覆われている。カバーパネル21A,21Bの外周部は、外観パネル(前面カバー1bおよび上面カバー1d)によって囲まれている。すなわち外観パネル1b,1dはカバーパネル21A,21Bを囲む枠部を形成する。なお、カバーパネル21A,21Bは傾斜面1gの大部分において外表面を形成しており、洗濯機100の外観パネルの一部を構成している部材と見なすことができる。
傾斜面1gには、左右方向の一端側(本実施形態では右側)にタッチパネル23が設けられ(図15参照)、左右方向の他端側(本実施形態では左側)に洗剤投入部5が設けられている。タッチパネル23の上面(表面)23a(図16参照)はカバーパネル(第1カバーパネル)21Aで覆われ、洗剤投入部5の上面はカバーパネル(第2カバーパネル)21Bで覆われる。カバーパネル21A,21Bはガラスである。カバーパネル21Aとカバーパネル21Bとは、全体として、左右方向に長手方向を有する略長方形を成し、洗濯機100の左右方向の中心を通る中心線100xに対して対称な形状を成す。本実施形態では、カバーパネル21Aとカバーパネル21Bとは同一の材料で形成され、同色である。このため、カバーパネル21Aおよびカバーパネル21Bは、傾斜面1gが1枚のカバーパネルで覆われているようなデザインに仕上げられている。
図15に示すように、タッチパネル23は、カバーパネル21Aの板面(表面)に垂直な方向から見た場合に、カバーパネル21Aの外周よりも内側に配置されている。また後で詳細に説明するように、タッチパネル23はカバーパネル21Aの板面(裏面)に貼り付けられる。このようにカバーパネル21Aはタッチパネル23が取り付けられるベース部材を構成し、操作表示パネル部20を構成する。すなわち、タッチパネル23は操作表示パネル部20内に設けられている。
なお、タッチパネル23は、静電容量方式で使用者のタッチを検出する、タッチパネル式の液晶パネルで構成され、液晶パネルのほか、使用者のタッチを検出するための透明電極等を有する。タッチパネル23は、運転コースの各種設定を行うボタン(操作ボタン)がアイコンとして表示され、表示されたボタンにタッチすることよって各種設定が行われる。
本実施形態では、電源ボタン13およびスタートボタン12は押圧操作する操作部(機械式スイッチ)として、タッチパネル23とは別に、分離独立して設けられている。電源ボタン13およびスタートボタン12は、洗濯機100の前後方向において、タッチパネル23とオーバーラップしない範囲に設けられる。すなわち、電源ボタン13およびスタートボタン12は、前後方向において、タッチパネル23とオーバーラップする範囲から外れた範囲に設けられる。特に本実施形態では、電源ボタン13およびスタートボタン12はタッチパネル23に対して前方(洗濯機100の前側)に配置される。
電源ボタン13は、押圧することにより、洗濯機100の電源の入り切りを操作するボタンである。スタートボタン12は、運転コースの各種設定が行われた後、押圧することにより、タッチパネル23で設定した動作(運転内容)を開始するボタンである。
電源ボタン13およびスタートボタン12はカバーパネル21Aの外側に配置される。本実施形態では、電源ボタン13およびスタートボタン12は、カバーパネル21Aに対して前方(カバーパネル21Aの前縁部よりも前方)に配置され、カバーパネル21Aを囲む外観パネル(前面カバー)1bの枠部1baに配置されている。ここで枠部1baは、カバーパネル21Aに対して前方に位置する枠部とする。すなわち、電源ボタン13およびスタートボタン12は操作表示パネル部20の外側に設けられている。この場合、電源ボタン13およびスタートボタン12は、洗濯機100の前後方向において、操作表示パネル部20とオーバーラップしない範囲に設けられる。すなわち、電源ボタン13およびスタートボタン12は、前後方向において、操作表示パネル部20とオーバーラップする範囲から外れた範囲に設けられる。特に本実施形態では、電源ボタン13およびスタートボタン12は操作表示パネル部20に対して前方(洗濯機100の前側)に配置される。
スタートボタン12がタッチパネル23にアイコンとして表示される形態の場合、運転コースの設定を行っている途中で誤ってタッチパネル23の中のスタートボタン12にタッチしてしまう可能性がある。この場合、使用者の希望しない設定のまま、洗濯機100の運転が始まってしまうことになる。
本実施形態では、スタートボタン12をタッチパネル23から分離独立して操作表示パネル部20の外側に設けたことにより、運転コースの設定を行っている途中で誤ってスタートボタン12を操作する可能性を低減することができる。またスタートボタン12が押圧操作部として設けられることにより、スタートボタン12に触れただけではスタートボタン12は機能せず、これもスタートボタン12の誤操作の低減に役立つ。
またスタートボタン12をタッチパネル23に表示する形態では、タッチパネル23に水滴が付着するなどした場合に、タッチパネル23に表示されたスタートボタン12がタッチされたものと誤って検知される可能性がある。本実施形態では、スタートボタン12をタッチパネル23から分離独立して操作表示パネル部20の外側に設けたことにより、このようなスタートボタン12のタッチの誤検知を抑制することができる。
またスタートボタン12をタッチパネル23に表示する形態では、スタートボタン12の操作状況の判定は、タッチパネル23の制御回路によって実行される。タッチパネル23およびその制御回路に異常が生じている場合、スタートボタン12の操作が行われていないにもかかわらず、操作が行われているものと誤判定されて、電源を入れただけで何らかの運転コースが誤ってスタートしてしまう可能性がある。本実施形態では、スタートボタン12をタッチパネル23から分離独立して操作表示パネル部20の外側に設けたことにより、運転コースの誤ったスタートを抑制することができる。
また、スタートボタン12および電源ボタン13をタッチパネル23から分離独立して設けた場合であっても、操作表示パネル部20内に配置すると、カバーパネル21Aにスタートボタン12および電源ボタン13を露出させる穴を開ける必要があり、ガラス製のカバーパネル21Aの穴加工に時間とコストがかかる。本実施形態では、スタートボタン12および電源ボタン13を操作表示パネル部20の外側に設けたことにより、穴加工の時間およびコストの増加を抑制することができる。
本実施形態では、図14に示すように、上開き式の洗剤投入部5の蓋21Bを開くために、前面カバー1bの枠部1baに窪み1bbが設けられている。電源ボタン13およびスタートボタン12は、中心線100xに対して窪み1bbと対称な形状かつ配置となるように設けられている。これにより、洗濯機100における見た目が良好になり、意匠性が向上する。
図15と共に図16及び図17を参照して説明する。図16は、図15のXVI-XVI断面を示す拡大断面図である。図17は、図15のXVII-XVII断面を示す拡大断面図である。
図16に示すように、タッチパネル23は接着剤28によりカバーパネル21Aの裏面に接着固定されている。カバーパネル21Aは、接着剤29によりカバーパネルベース22の接着面22fに接着固定されている。カバーパネルベース22には、接着面22fの外周に、接着面22fから上方に突出するように形成された凸状部22eが設けられており、カバーパネル21Aは凸状部22eの内側に位置決めされて接着固定される。カバーパネルベース22は、前縁部22hが前面カバー1bに設けられた係合部1bcに係合された状態で、上面カバー1dにネジで固定される。なお、前面カバー1bと上面カバー1dとはネジで固定されている。
タッチパネル23の下側には基板ケース24が設けられ、タッチパネル23の制御回路を有する基板25が基板ケース24に取り付けられている。基板ケース24はネジ締結部24e(図20参照)がカバーパネルベース22にネジで固定される。
基板ケース24および基板25の下方は基板ケースカバー26で覆われている。基板ケースカバー26は、図17に示すように、ネジ締結部26aがカバーパネルベース22のネジ締結部22dにネジで固定される。
上述した様に、タッチパネル23はカバーパネル21Aを介してカバーパネルベース22に、また基板25は基板ケース24を介してカバーパネルベース22に、また基板ケースカバー26はカバーパネルベース22に、それぞれ固定される。カバーパネルベース22は外観パネル1b,1dに固定される。カバーパネル21A、タッチパネル23、基板25、および基板ケース24は、カバーパネルベース22に取り付けられて、カバーパネルベース22と共に操作表示パネル部20を構成し、外観パネル1b,1dに固定される。
図17に示すように、操作表示パネル部20と電源ボタン13およびスタートボタン12とが配置される空間は、区画部材27によって筐体1の内部と区画される。
タッチパネル23周辺の構成について、図16と共に図18を参照して説明する。図18は、本発明の一実施例に係る洗濯機100に用いられるカバーパネルベース22を斜め上方から見た外観を示す斜視図である。
図16で説明したように、タッチパネル23はカバーパネル21Aに接着され、カバーパネル21Aに支持されている。タッチパネル23は、図18に示すカバーパネルベース22の開口22aを通して、その裏面23bがカバーパネルベース22の基板ケース24の上端面24cと対向している。この場合、タッチパネル23はカバーパネルベース22を貫通するように配置されている。
なおカバーパネルベース22は、前縁部22hが前面カバー1bに設けられた係合部1bc(図16参照)に係合された状態で、ネジ孔22gにネジを挿通し、上面カバー1dに固定される。
図16(図19も参照)に示すように、タッチパネル23の下面(裏面)23bと基板ケース24の上端面24cとの間には、間隙(空間)δ3が形成される。間隙(空間)δ3は、基板ケース24がカバーパネルベース22に固定される際に、基板ケース24の凸状に設けられた縁部24dの上端部がカバーパネルベース22の裏面に当接することで、確保される。
本実施形態では、カバーパネル21Aはカバーパネルベース22に接着固定されている。間隙δ3がなく、タッチパネル23の下面23bと基板ケース24の上端面24cとが当接する構造では、タッチパネル23および基板ケース24の寸法精度が低い場合に、基板ケース24とカバーパネルベース22との締結に際して、基板ケース24がタッチパネル23を押し上げ、カバーパネルベース22に接着されたカバーパネル21Aをカバーパネルベース22から引き剥がすことになり兼ねない。
本実施形態では、間隙δ3がタッチパネル23および基板ケース24の寸法誤差を吸収し、このような問題の発生を防ぐ。このため本実施形態では、タッチパネル23および基板ケース24の寸法精度を高くする必要がなくなり、操作表示パネル部20を低コストで製造することができる。
本実施形態では、電源ボタン13およびスタートボタン12は押圧操作する操作部(機械式スイッチ)として設けられ、且つタッチパネル23から分離独立して設けられている。また、使用者がタッチパネル23にタッチする際の接触力は、それほど大きなものではない。このためタッチパネル23は、図16で説明したように接着剤28によりカバーパネル21Aに接着されることで、十分な固定力が得られる。
しかし、長期に亘って繰り返しタッチパネル23を操作する場合を考慮し、カバーパネル21Aに接着固定されたタッチパネル23がカバーパネル21Aから脱落することに配慮することが望ましい。
タッチパネル23のカバーパネル21Aからの脱落を防止する構造について、図19および図20を参照して説明する。図19は、図16のXIX部を拡大して示す拡大断面図である。図20は、本発明の一実施例に係る洗濯機に用いられる基板ケースを斜め上方から見た外観を示す斜視図である。
本実施形態では、図19に示すように、基板ケース24の上端面24cに、上端面24cから上方(タッチパネル23の下面23b)に向けて突出する凸状部24aを設け、凸状部24aでタッチパネル23を支持する。すなわち凸状部24aの上端部がタッチパネル23の下面23bに当接することで、凸状部24aがタッチパネル23を上方(カバーパネル21A)に向けて支持するようにする。
凸状部24aは基板ケース24に片持ち支持され、凸状部24aの支持部に弾性部(ばね部)24bを有する。弾性部24bは、凸状部24aを上下方向(タッチパネル23の下面23bに垂直な方向)に変位可能に支持し、タッチパネル23および基板ケース24の寸法誤差を吸収する。
凸状部24aはタッチパネル23を下面23b側から支持する支持部であり、凸状部24aを有する基板ケース24はタッチパネル23の支持ベースとなる。また凸状部24aは弾性部24bを有することで弾性支持部を構成する。
図20に示すように、基板ケース24は、上端面24cの周縁部に、上端面24cから上方(カバーパネル21A)に向けて突出する縁部24dを有し、基板ケース24の上面側に、上端面24cと縁部24dとで形成される凹部が設けられている。上端面24cはこの凹部の底面を構成し、縁部24dは凹部の側壁部を構成する。
なお図20に示す基板ケース24は、ネジの挿通孔(ネジ締結部)24eを有し、挿通孔24eに挿通したネジでカバーパネルベース22に固定される。
基板ケース(支持ベース)24には、複数個の凸状部24aが設けられる。凸状部24aは1つでもよいが、複数個設けることで、タッチパネル23の傾きを抑制してタッチパネル23を安定して支持することができる。特にタッチパネル23の大型化に配慮すると、凸状部24aは2つよりも3つ設けることが好ましく、本実施形態では3つの凸状部24aをタッチパネル23の長手方向に沿って一列に配置している。
上述した様に、使用者がタッチパネル23にタッチする際の接触力は、それほど大きなものではない。このため、凸状部24aによるタッチパネル23の下面23b側からの支持力は、小さくすることができる。本実施形態では、タッチパネル23を下面23b側から凸状部24aで支持することにより、操作表示パネル部20の長期に亘る信頼性を確保することができる。
次に、図21および図22を参照して、電源ボタン13およびスタートボタン12と、カバーパネル21A,21Bと、外観パネルである前面カバー1bの枠部1baと、の構成について説明する。図21は、図15のXXI-XXI断面を斜め上方から見た斜視図である。図22は、本発明の一実施例に係る洗濯機100について、カバーパネル21Aを基準とした外観パネル1bおよび電源ボタン13の高さ関係を示す概略図である。
なお、ここでは電源ボタン13およびカバーパネル21Aについて説明しているが、図21および図22の説明については、電源ボタン13とスタートボタン12とは同様に構成され、カバーパネル21Aとカバーパネル21Bとは同様に構成されている。
図21に示すように、本実施形態では、電源ボタン13は押圧操作する機械式スイッチとして構成されており、電源スイッチ本体部13aは区画部材27に設けられた台座27aに固定され、使用者の押圧力に耐え得る支持構造を有する。
図22では、カバーパネル21Aの板面に垂直な方向における、外観パネルである前面カバー1bの枠部1ba、電源ボタン13およびカバーパネル21Aの高さ関係を示している。カバーパネル21Aの高さを基準にした場合、電源ボタン13の高さはカバーパネル21Aの高さよりもδ2だけ高く、枠部1baの高さはカバーパネル21Aの高さよりもδ1だけ低い。すなわち、枠部1ba、電源ボタン13およびカバーパネル21Aの中で、電源ボタン13、カバーパネル21A、枠部1baの順に高さが低くなり、言い換えると、枠部1ba、カバーパネル21A、電源ボタン13の順に高さが高くなる。
これにより使用者は、枠部1ba、電源ボタン13およびカバーパネル21Aの中で、最も突出した電源ボタン13およびスタートボタン12の認識とその操作を速く行うことができる。
また、枠部1ba、電源ボタン13およびスタートボタン12、カバーパネル21A,21Bの中でカバーパネル21A,21Bの面積が最も大きく、外観パネル1b,1dの傾斜部1gの中ではカバーパネル21A,21Bの占める面積が支配的である。このため傾斜部1gの平面度は、カバーパネル21A,21Bの平面度によって判断される傾向にある。
本実施形態では、カバーパネル21A,21Bはガラス製であり、平面度が高い。従って、使用者から見て、傾斜部1gの平面度はカバーパネル21A,21Bの平面度で判断され、外観パネルである枠部1baに生じる段差のばらつきが目立たなくなり、傾斜部1gの外観を美しく見せることができる。
また本実施形態の洗濯機100は、傾斜部1gの中で占める面積が支配的なカバーパネル21A,21Bの平面度が高く、凹凸が小さいことで、清掃性に優れる。
次に、図15、図16および図18と共に図23を参照して、カバーパネルベース22とカバーパネル21Aとの接着部のシール性能を向上する構成ついて説明する。図23は、図15の貫通孔22c1を含む溝22bの断面を示す図であり、溝22bの延伸方向に沿う断面を示す断面図である。
図16で説明したように、カバーパネル21Aは、接着剤29により、カバーパネルベース22の接着面22fに接着固定されている。
図15に示すように、カバーパネルベース22の接着剤29の塗布部の外側には、接着剤29の塗布部を囲むように溝22bが形成されている。溝22bは、タッチパネル23の外側を、タッチパネル23を囲むように塗布された接着剤29の更に外側で、接着剤29の塗布部を囲んで1周するように、設けられている。溝22bは、カバーパネルベース22の接着面22fに凹状に形成される。
カバーパネルベース22を単体で見た場合、カバーパネルベース22の中央部に略矩形状に開口22aが形成され、溝22bは開口22aを囲んで1周するように設けられている。
溝22bには、その底部に、カバーパネルベース22の裏面(下面)側に貫通する貫通孔(水抜き穴)22c1~22c6が設けられている。溝22bは外周側からカバーパネル21Aとカバーパネルベース22との隙間に浸入してくる水や液体洗剤を受け止め、水や液体洗剤がカバーパネル21Aとカバーパネルベース22とを接着する接着部に到るのを防ぐ。貫通孔22c1~22c6は、溝22bに溜まった水や液体洗剤を積極的に排出し、水や液体洗剤が溝から溢れてしまうのを抑制する。
タッチパネル23の周囲を1周する溝22bは長方形を成すように形成され、長方形の長辺を成してカバーパネルベース22の後縁側に配置される溝部には3つの貫通孔22c1~22c3が設けられ、長方形の長辺を成してカバーパネルベース22の前縁側に配置される溝部には2つの貫通孔22c5,22c6が設けられる。貫通孔の個数は本実施形態の個数に限定される訳ではないが、後縁側に配置される溝部に前縁側に配置される溝部よりも多くの貫通孔を配置するとよい。
使用者は洗濯機100の上面カバー1dの上に液体洗剤の入った容器を置く場合がある。上面カバー1dの上に置いた液体洗剤の入った容器を誤って倒した場合、容器からこぼれ出た液体洗剤は、カバーパネルベース22の後縁側に配置される溝部に、前縁側に配置される溝部よりも多く流入することが考えられる。後縁側に配置される溝部における貫通孔の個数を前縁側に配置される溝部における貫通孔の個数よりも多くすることで、後縁側に配置される溝部に流入する液体洗剤の排出効率が高まり、後縁側に配置される溝部から液体洗剤が溢れるのを抑制できる。
接着部に水や液体洗剤が付着すると、水や液体洗剤が接着部を浸透することで、タッチパネル23まで達する可能性がある。水や液体洗剤がタッチパネル23まで達した場合、タッチパネル23の電極などを腐食させる可能性がある。本実施形態では、溝22bおよび貫通孔22c1~22c6により、このような課題の発生を抑制することができる。
溝22bは、図23に示すように、貫通孔22c1~22c6に向かって低くなるような勾配(傾斜)を有するようにするとよい。また貫通孔22c1~22c6から排出される水や液体洗剤は、図示しないトレーで受けるようにする。この場合、貫通孔22c1~22c6は電気部品や配線を避けて配置する。これにより、貫通孔22c1~22c6から排出される水や液体洗剤が流下する途中で、電気部品や配線に触れないようにすることができる。
以上に説明した本実施形態の洗濯機100は、下記特徴を有する。
(1)筐体1と、筐体1に設けられ運転情報を表示すると共に運転内容の設定操作を行うタッチパネル23と、電源の入り切りを操作する電源ボタン13と、タッチパネル23で設定した運転内容を開始するスタートボタン12と、を備え、電源ボタン13およびスタートボタン12は、前後方向において、タッチパネル23とオーバーラップしない範囲に設けられる。
(2)電源ボタン12およびスタートボタン13は、タッチパネル23に対して前方に配置される。
(3)タッチパネル23は、ガラス製のカバーパネル21Aに接着され、カバーパネル21Aを介して筐体1に取り付けられる。
(4)カバーパネル21Aは、筐体1に固定されるカバーパネルベース22に取り付けられ、タッチパネル23は、カバーパネル21Aおよびカバーパネルベース22を介して筐体1に取り付けられる洗濯機。
(5)筐体1は、外観パネルを構成する前面カバー1bおよび上面カバー1dと、前面カバー1bと上面カバー1dとの接続部に前側が後側よりも低くなるように傾斜した傾斜面1gと、備え、傾斜面1gはカバーパネル21Aで覆われ、電源ボタン13およびスタートボタン12は、カバーパネル21Aに対して前方に配置される。
(6)タッチパネル23は傾斜面1gの左右方向の一端側に配置され、傾斜面1gの左右方向の他端側には洗剤投入部5が設けられ、洗剤投入部5はカバーパネル23とは分割された第2カバーパネル21Bで覆われ、傾斜面1gは第2カバーパネル21Bの前方の部位に窪み1bbを有し、電源ボタン13およびスタートボタン12は、左右方向の中心を通る中心線100xに対して、窪み1bbと対称な形状かつ配置となるように設けられている。
なお、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。