JP7438832B2 - 蓄熱運転制御装置、蓄熱運転制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
しかしながら、自然エネルギーの利用には不確定要素が多い。このため、自然エネルギーを用いた蓄熱運転では、目標の温熱環境(例えば躯体温度や室温等)にいつ到達するのかを推定することが難しい。つまり、目標の温熱環境が得られたタイミングで適切に蓄熱運転を終了させることが難しい。例えば、目標の温熱環境が想定よりも早めに達成されてしまったような場合には、蓄熱運転の終了時には過冷却あるいは過加熱の状態となっていることで、空調開始時の熱負荷が大きくなってしまう場合がある。
[空調システムの構成例]
図1は、本実施形態における空調制御装置(蓄熱運転制御装置)が制御対象とする空調システムの構成例を示している。以下の説明は、空調として主に冷房を行う場合を例に挙げる。
同図の空調システムは、建築物1の居室1aの空調を行う。同図の空調システムは、空冷ヒートポンプ10(第1熱源機器の一例)、地中熱交換器20(第2熱源機器の一例)、及び熱交換器30を備える。
本実施形態の空冷ヒートポンプ10は、空調時間の前に行われる蓄熱運転に際しては、建築物1の躯体に蓄熱させる熱源としても利用される。
熱交換器30は、例えばポンプを備えて構成され、自己に供給される水にUチューブの熱を伝達し、冷温水パイプに供給することで冷水(または温水)を製造する。
本実施形態における地中熱交換器20は、メイン空調の時間の前に行われる蓄熱運転に際して、建築物1の躯体に蓄熱させる熱源として利用される。
同様に、熱交換器30が地中熱交換器20の冷熱を利用して製造した冷水が、冷温水パイプに冷水が供給されることによっても、冷温水パイプから伝達される冷水の熱により、放射パネルによる居室1aへの放熱とスラブ2(躯体)への蓄熱が行われる。
θPANEL,inは、パネル流入水温度である。パネル流入水温度は、パネル流入水温度センサによって検出される。パネル流入水温度は、例えば冷温水パイプ全体において例えばスラブ2に配置された流路部分の入口に流入する水(パネル流入水)の温度を示す。
θPANEL,outは、パネル流出水温度である。パネル流出水温度は、パネル流出水温度センサによって検出される。パネル流入水温度は、例えば冷温水パイプ全体においてスラブ2に配置された流路部分の出口から流出してくる水(パネル流出水)の温度を示す。
θSLABは、スラブ温度である。スラブ温度は、スラブ温度センサによって検出され、スラブ2(即ち、躯体)の温度を示す。
θRは、居室温度(室温)である。居室温度は、居室温度センサによって検出され、居室1a内の温度を示す。
θHEX,outは、熱交換器流出水温度である。熱交換器流出水温度は、熱交換器流出水温度センサによって検出され、例えば熱交換器30の冷温水出口から排出される水(熱交換器流出水)の温度を示す。
θHEX,inは、熱交換器流入水温度である。熱交換器流入水温度は、熱交換器流入水温度センサによって検出され、例えば、熱交換器30の冷温水入口に流入してくる水(熱交換器流入水)の温度を示す。
本実施形態の空調システムは、例えば居室1aに居住者が存在している時間帯(空調時間)では、空冷ヒートポンプ10を運転させることによって居室1aの空調を行う。
そのうえで、本実施形態の空調システムは、空調時間帯以外の時間帯においてスラブ2等の躯体の熱(冷熱でもよい)を蓄積させる蓄熱運転を行う。
なお、本実施形態の説明にあたっては、空調時間における空調については「メイン空調」と記載し、メイン空調と蓄熱運転とを包含する場合、あるいはメイン空調と蓄熱運転とで特に区分しない場合に、単に「空調」と記載する。
蓄熱運転によって、例えば居室1aの温度をメイン空調の開始時(立ち上がり時)に対応する所定の目標温度とするように制御できるので、メイン空調の開始における熱負荷のピークを低減させることができる。
本実施形態の蓄熱運転では、以下のように、運転させる熱源の組み合わせに応じて、第1熱源運転モード、第2熱源運転モード、第3熱源運転モードとの3つの熱源運転モードのいずれかによって行うことができる。
図2は、第1熱源運転モードにおける熱源の運転例を模式的に示している。同図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
同図に示されるように、第1熱源運転モードでは、熱交換器30が、地中熱交換器20の熱をスラブ2(躯体)側へ供給するようにされている。一方、空冷ヒートポンプ10は、破線として示すように運転が停止されていることで、スラブ2側への熱の供給を行っていない。つまり、第1熱源運転モードでは、地中熱交換器20が躯体への蓄熱(冷却または加熱)に寄与し、空冷ヒートポンプ10は躯体への蓄熱には寄与しない。
このような第1熱源運転モードは、地中熱交換器20としての熱源のみにより躯体温度等の目標を達成できるような、目標値と実際値との差分が少ない場合に適した熱源運転モードである。
また、第1熱源運転モードでは、熱源の動力は地中熱交換器20に対応するポンプ(例えば、熱交換器30)を動作させるだけでよいので、3つの熱源運転モードのうちでは最も省エネルギーとなる。しかしながら、自然エネルギーのみを利用した蓄熱となることから不確定性も3つの熱源運転モードのうちでは最も高くなる。
先に空調システムの構成例として挙げた図1は、第2熱源運転モードにおける熱源の運転例を模式的に示す内容となっている。同図に示されるように、第2熱源運転モードでは、熱交換器30が、地中熱交換器20の熱をスラブ2側へ供給するようにされているとともに、空冷ヒートポンプ10もスラブ2側に熱を供給している。つまり、第2熱源運転モードでは、地中熱交換器20と空冷ヒートポンプ10との双方が躯体への蓄熱には寄与する。
このような第2熱源運転モードは、地中熱交換器20としての熱源のみでは目標の達成には若干不足するような場合に、空冷ヒートポンプ10を補助的な熱源として利用する熱源運転モードである。
図3は、第3熱源運転モードにおける熱源の運転例を模式的に示している。同図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
同図に示されるように、第3熱源運転モードでは、破線により示されるように、熱交換器30は、地中熱交換器20の熱をスラブ2側に供給していない。一方、空冷ヒートポンプ10は、スラブ2側への熱の供給を行うように運転される。つまり、第3熱源運転モードでは、地中熱交換器20は躯体への蓄熱に寄与せず、空冷ヒートポンプ10が躯体への蓄熱に寄与する。
このような第3熱源運転モードは、例えば地中の温度が相当に高いあるいは低くなっているために、地中熱交換器20が例えば熱負荷となってしまい蓄熱運転の熱源としては機能できない場合に適用される熱源運転モードである。
また、第3熱源運転モードでは、蓄熱のための熱源の全てを、電力により熱源を発生させる空冷ヒートポンプ10により賄うことになる。このため、第3熱源運転モードは、3つの熱源運転モードのうちでは省エネルギー性能は最も低いが、蓄熱による温度調整の確定性は確保される。
本実施形態の空調システムは空調制御装置(蓄熱運転制御装置の一例)を備える。図1に示される空冷ヒートポンプ10と、地中熱交換器20に対応するポンプとして機能する熱交換器30は、空調制御装置によって運転の制御が行われる。これにより、建築物1における居室1aの空調が実現される。
なお、以降の説明にあたり、パネル流出水温度センサSN1、パネル流入水温度センサSN2、スラブ温度センサSN3、居室温度センサSN4、熱交換器流出水温度センサSN5、熱交換器流入水温度センサSN6について特に区別しない場合には、センサSN、あるいはセンサSN1~SN6と記載する。
パネル流出水温度センサSN1は、建築物1においてパネル流出水温度(θPANEL,out)を検出するセンサである。
パネル流入水温度センサSN2は、建築物1においてパネル流入水温度(θPANEL,in)を検出するセンサである。
スラブ温度センサSN3は、建築物1においてスラブ温度(θSLAB)を検出するセンサである。
居室温度センサSN4は、居室温度(θR)を検出するセンサである。
熱交換器流出水温度センサSN5は、熱交換器流出水温度(θHEX,out)を検出するセンサである。
熱交換器流入水温度センサSN6は、熱交換器流入水温度(θHEX,in)を検出するセンサである。
センサSN1~SN6は、建築物1において、それぞれが検出対象とする温度を検出可能な所定の位置に設けられる。
センサSN1~SN6は、それぞれ、検出情報を空調制御装置100に出力する。センサSN1~SN6と空調制御装置100との間の通信(あるいはデータインターフェース)は、有線であってもよいし無線であってもよい。
参照値記憶部131は、制御部102が空調制御に用いる所定の参照値を記憶する。本実施形態の参照値には、運転制御部122が蓄熱運転の終了タイミングの判定に用いる比較対象値(目標値、閾値等)や、予め定められた蓄熱運転開始時刻、蓄熱運転終了限度時刻等が含まれる。蓄熱運転終了限度時刻は、蓄熱運転を行うことが許容された時間帯の終端の時刻である。蓄熱運転終了限度時刻は、メイン空調の開始時刻に対して所定時間前の時刻として定められる。
図5のフローチャートを参照して、空調制御装置100が蓄熱運転に対応して実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:空調制御装置100において、制御部102は、参照値記憶部131から、蓄熱運転の制御で利用する時間に関連の情報を取得する。当該ステップS201にて取得される時間情報には、蓄熱運転開始時刻、蓄熱運転終了限度時刻等が含まれる。蓄熱運転開始時刻、蓄熱運転終了限度時刻は、予め定められたものとして、参照値記憶部131に記憶されている。
本実施形態において、蓄熱運転を第1熱源運転モード、第2熱源運転モード、及び第3熱源運転モードのうちのいずれにより実行させるのかは、運転管理者が判断し、蓄熱運転の開始前の段階にて操作部104を操作して実行させるべき熱源運転モードを指示するようにされる。運転制御部122は、操作によって指示された熱源運転モードを示す熱源運転モード指示情報を記憶部103に記憶させておく。当該ステップS104にて、運転制御部122は、記憶部103に記憶されている熱源運転モード指示情報を取得すればよい。
具体的に、熱源運転モード指示情報により第1熱源運転モードが指定されていた場合には、運転制御部122は、熱交換器30を動作させて地中熱交換器20を運転させ、空冷ヒートポンプ10は運転させないようにして蓄熱運転を開始させる。
また、運転制御部122は、熱源運転モード指示情報により第2熱源運転モードが指定されていた場合には、地中熱交換器20と空冷ヒートポンプ10とを運転させて蓄熱運転を開始させる。
また、運転制御部122は、熱源運転モード指示情報により第3熱源運転モードが指定されていた場合には、熱交換器30を動作させないことで地中熱交換器20を運転させないようにし、空冷ヒートポンプ10は運転させるようにして蓄熱運転を開始させる。
本実施形態において検出情報取得部121が取得する検出情報は、パネル流出水温度(θPANEL,out)、居室温度(θR)である。パネル流出水温度(θPANEL,out)、居室温度(θR)は、それぞれ、パネル流出水温度センサSN1、居室温度センサSN4により検出される。
この場合、パネル流出水温度センサSN1、居室温度センサSN4以外のセンサSNについては省略されてよい。ただし、運転制御部122は、後述のように、居室温度(θR)に代えて、スラブ温度センサSN3が出力するスラブ温度θSLABを利用して蓄熱運転の終了タイミングの判定を行うことも可能である。
当該ステップS107において、運転制御部122が、運転終了条件が満たされるか否かを判定することは、蓄熱運転を終了させるべきタイミングに至ったか否かを判定することに相当する。
まず、条件要素(1)は、以下の(式1)が成立することである。
パネル流出水温度目標値(θPANEL,out,0)は、例えば目標とする居室1aの温度に対応して導出されたパネル流出水温度である。パネル流出温度(θPANEL,out)が、パネル流出水温度目標値(θPANEL,out,0)と等しくなったということは、パネル流出温度(θPANEL,out)とパネル流出水温度目標値(θPANEL,out,0)との温度差が生じなくなったということである。このように温度差が生じなくなった状態では、例えば冷房時の場合であれば、冷却効果も生じていないということになる。このような状態となった場合、蓄熱運転は停止させたほうがよい。
そこで、運転制御部122は、条件要素(1)が成立したことに応じて蓄熱運転を終了させるべきタイミングに至ったと判定する。
居室温度(θR)が、居室温度目標値(θR,0)と等しくなったということは、居室1a内の温度が目標とする状態になったとして捉えられる。そこで、運転制御部122は、条件要素(1)が成立したことに応じて蓄熱運転を終了させるべきタイミングに至ったと判定する。
例えば、上記の条件要素(1)、(2)のいずれも満たされる状態に到達することができずに、蓄熱運転終了限度時刻に至ってしまう場合がある。しかしながら、蓄熱運転終了限度時刻が経過すると、メイン空調が開始されてしまう。このため、運転制御部122は、蓄熱運転終了限度時刻に至った場合には、蓄熱運転を終了させるべきタイミングに至ったと判定する。
そこで、本実施形態では、上記の説明のように、スラブ2の放射パネルからの流出水の温度または居室温度(居室温度に代えてスラブ温度でもよい)が目標値に到達したことに応じて蓄熱運転を終了させるようにしている。つまり、本実施形態によっては、自然エネルギーを熱源として用いる場合を含む蓄熱運転が適切なタイミングで行われるようにすることができる。
これにより、上記のような過蓄熱の状態となることなく適切なタイミングで蓄熱運転を終了させることができる。この結果、例えば蓄熱運転後のメイン空調の開始における熱負荷(立ち上がり負荷)のピークを抑制し、メイン空調を効率的に行うことができる。また、春期、秋期等の中間期では、夏期や冬期よりも熱負荷が小さくなることから、かえって、蓄熱運転により目標状態とすることが難しくなる。しかしながら、本実施形態であれば、適切な時間で蓄熱運転を終了させることができ、これによる省エネルギー化も図ることができる。
しかしながら、何らかの原因で蓄熱運転終了限度時刻までに条件要素(1)、(2)のいずれも満たされないというエラー状態が生じる場合がある。そこで、本実施形態では、条件要素(3)をさらに設けることで、フェイルセーフ機能的に、蓄熱運転終了限度時刻に至ったことに応じて蓄熱運転を終了させられるようにしている。
続いて、第2実施形態について説明する。先の第1実施形態では、蓄熱運転における熱源運転モードについては、蓄熱運転の開始に際して運転管理者が指定し、蓄熱運転中においては、指定された熱源運転モードで固定されていた。
これに対して、本実施形態においては、空調制御装置100が、以下に説明するように、蓄熱運転の実行中において、所定の検出情報に基づいて、第1熱源運転モード、第2熱源運転モード、第3熱源運転モードの間で、熱源運転モードを切り替え可能に構成される。これにより、建築物1における躯体の蓄熱状態に応じて適切な蓄熱運転を行うことが可能になる。
ステップS201:空調制御装置100において、制御部102は、参照値記憶部131から、蓄熱運転の制御で利用する時間に関連の情報を取得する。当該ステップS201にて取得される時間情報には、蓄熱運転開始時刻、蓄熱運転終了限度時刻等が含まれる。
第1熱源運転モードは、3つの熱源運転モードのうちで、自然エネルギーの依存度が最も高いことから、蓄熱状態の不確定性は高いものの、省エネルギー効果については最も高い。従って、第1熱源運転モードにより目標状態が達成されれば、最も省エネルギーで蓄熱運転を行えることになる。そこで、本実施形態においては、蓄熱運転の開始にあたっては、まず、第1熱源運転モードを優先して適用するようにされる。
本実施形態において、検出情報取得部121が取得する検出情報は、パネル流出水温度(θPANEL,out)、パネル流入水温度(θPANEL,in)、居室温度(θR)、熱交換器流出水温度(θHEX,out)、熱交換器流入水温度(θHEX,in)である。
パネル流入水温度(θPANEL,in)、パネル流出水温度(θPANEL,out)、居室温度(θR)、熱交換器流出水温度(θHEX,out)、熱交換器流入水温度(θHEX,in)は、それぞれ、パネル流出水温度センサSN1、パネル流入水温度センサSN2、居室温度センサSN4、熱交換器流出水温度センサSN5、熱交換器流入水温度センサSN6により検出される。
ただし、運転制御部122は、後述のように、居室温度(θR)に代えて、スラブ温度センサSN3が出力するスラブ温度θSLABを利用して、蓄熱運転の終了タイミングの判定を行うことも可能である。また、運転制御部122は、居室温度(θR)に代えてスラブ温度θSLABを利用して、熱源運転モードの切り替え要否の判定を行うことも可能である。
停滞状態であると判定された場合とは、現在の第1熱源運転モードによる蓄熱運転では、蓄熱能力が小さく、躯体の温度の目標値に到達できる見込みがないということである。この場合には、第1熱源運転モードから次に蓄熱能力が大きい第2熱源運転モードに切り替えることが求められる。
まず、条件要素(11)は、以下の(式4)が成立することである。(式4)における閾値δ1は、ステップS202により取得された比較対象値の1つである。一例として、ここでは閾値δ1について0.01としているが、他の値であってもよい。(式4)のように、パネル流入水温度(θPANEL,in)とパネル流出水温度(θPANEL,out)の差分の単位時間あたりにおける変化量の絶対値が閾値δ1未満である状態は、冷水(または温水)が循環される系において、時間経過に対して地中熱交換器20が処理する熱量が変化しないことを示す。
運転終了条件が満たされた状態となっていないと判定された場合には、ステップS206に処理が戻される。
そこで、この場合の運転制御部122は、第1熱源運転モードから第2熱源運転モードに熱源運転モードを切り替えて蓄熱運転を継続させる。
このような蓄熱運転が行われる状態のもとで、運転制御部122は、主たる熱源である地中熱交換器20が熱負荷となっている状態であるか否かについて判定する。
地中熱交換器20が熱負荷となっている状態では、地中熱交換器20が蓄熱運転における熱源として機能せず、かえって躯体温度等を目標の状態から乖離させてしまう可能性もある。このため、地中熱交換器20が熱負荷となっている場合には、第2熱源運転モードではなく、より蓄熱能力の高い第3熱源運転モードに切り替えることが求められる。
つまり、ステップS209において、地中熱交換器20が熱負荷となっている状態であると運転制御部122が判定することは、第2熱源運転モードから第3熱源運転モードに熱源運転モードを切り替えるべきであると判定することに相当する。
運転終了条件が満たされた状態となっていないと判定された場合には、ステップS209に処理が戻される。
また、ステップS210にて停滞状態であることが判定された場合にも、運転制御部122は、第2熱源運転モードから第3熱源運転モードに熱源運転モードを切り替える必要があると判定したことになる。
上記のようにステップS209またはステップS210に対応して第2熱源運転モードから第3熱源運転モードに熱源運転モードを切り替える必要があるとの判定結果が得られたことに応じて、運転制御部122は、第2熱源運転モードから第3熱源運転モードに熱源運転モードを切り替えて蓄熱運転を継続させる。
ステップS207からステップS208に至った場合、運転制御部122は、これまで実行させていた第1熱源運転モードによる蓄熱運転を終了させることになる。
ステップS211からステップS208に至った場合、運転制御部122は、これまで実行させていた第2熱源運転モードによる蓄熱運転を終了させることになる。
ステップS214からステップS208に至った場合、運転制御部122は、これまで実行させていた第3熱源運転モードによる蓄熱運転を終了させることになる。
パネル流入水温度(θPANEL,in)、熱交換器流出水温度(θHEX,out)が上昇傾向にある影響で、時刻t0から或る時間が経過した時刻t1から、居室温度(θR)は、これ以上低下せずにほぼ一定値を維持する状態となった。時刻t1以降においても、パネル流入水温度(θPANEL,in)、熱交換器流出水温度(θHEX,out)は上昇傾向を維持している。
第2熱源運転モードへの切り替えが行われたことに応じて、時刻t2にてパネル流入水温度(θPANEL,in)は低下し、パネル流入水温度目標値(θPANEL,in,0)と同じになるように調整される。一方、熱交換器流出水温度(θHEX,out)は、時刻t2以降も上昇傾向を維持している。
例えば、運転管理者が自己の判断で熱源運転モードを切り替えるようにされてもよい。しかしながら、特に運転管理者が経験不足であったりする場合には、判断ミス等により適切なタイミングで熱源運転モードを切り替えられない可能性がある。本実施形態であれば、人的判断によることなく、空調制御装置100の判断により適切なタイミングで熱源運転モードを切り替えることが可能になる。
また、運転制御部122が運転終了条件を満たしたと判定した場合にも、運転管理者に対して蓄熱運転の終了を指示し、運転管理者の操作によって蓄熱運転が終了されるようにしてもよい。
Claims (4)
- 自然エネルギーを熱源として用いる熱源機器を含む空調システムにより建築物の躯体に蓄熱させる蓄熱運転を、躯体に供給可能な熱量における自然エネルギー由来の度合いがそれぞれ異なる複数の熱源運転モードのうちのいずれかの熱源運転モードにより行わせる運転制御部と、
前記蓄熱運転が行われている際に前記建築物における室内の温度を検出した検出情報を取得する検出情報取得部とを備え、
前記熱源機器として、第1熱源機器と、前記第1熱源機器よりも自然エネルギーの利用度合いが高い熱源となる第2熱源機器とが備えられ、
前記複数の熱源運転モードは、
前記第2熱源機器を運転させ前記第1熱源機器を運転させない第1熱源運転モードと、
前記第1熱源機器と前記第2熱源機器とを運転させる第2熱源運転モードと、
前記第1熱源機器を運転させ前記第2熱源機器を運転させない第3熱源運転モードと
のうちの少なくとも2つであり、
前記運転制御部は、
前記検出情報取得部により取得された検出情報に基づいて、前記蓄熱運転が行われている際において、前記複数の熱源運転モードのうちでの熱源運転モードを切り替える必要があるか否かについて判定し、切り替えが必要と判定したことに応じて、熱源運転モードの切り替えを行い、
前記第1熱源運転モードによる蓄熱運転が行われている際には、前記検出情報取得部により取得された所定の検出情報に基づいて、前記躯体の温度が目標値に到達せずに停滞した状態か否かについて判定することにより、前記第2熱源運転モードによる蓄熱運転に切り替える必要があるか否かについて判定し、
前記検出情報取得部により取得された検出情報に基づき、蓄熱運転を終了させるタイミングであるか否かについて判定する
蓄熱運転制御装置。 - 前記運転制御部は、
前記第2熱源運転モードによる蓄熱運転を行わせている際に、前記検出情報取得部により取得された前記第2熱源機器にて入出力される熱源温度の状態に基づいて、前記第2熱源機器が熱負荷となっている状態であるか否かについて判定することにより、前記第3熱源運転モードによる蓄熱運転に切り替えるべきか否かについてさらに判定する
請求項1に記載の蓄熱運転制御装置。 - 自然エネルギーを熱源として用いる熱源機器を含む空調システムにより建築物の躯体に蓄熱させる蓄熱運転を、躯体に供給可能な熱量における自然エネルギー由来の度合いがそれぞれ異なる複数の熱源運転モードのうちのいずれかの熱源運転モードにより行わせる運転制御ステップと、
前記蓄熱運転が行われている際に前記建築物における室内の温度を検出した検出情報を取得する検出情報取得ステップとを含み、
前記熱源機器として、第1熱源機器と、前記第1熱源機器よりも自然エネルギーの利用度合いが高い熱源となる第2熱源機器とが備えられ、
前記複数の熱源運転モードは、
前記第2熱源機器を運転させ前記第1熱源機器を運転させない第1熱源運転モードと、
前記第1熱源機器と前記第2熱源機器とを運転させる第2熱源運転モードと、
前記第1熱源機器を運転させ前記第2熱源機器を運転させない第3熱源運転モードと
のうちの少なくとも2つであり、
前記運転制御ステップが、
前記検出情報取得ステップにより取得された検出情報に基づいて、前記蓄熱運転が行われている際において、前記複数の熱源運転モードのうちでの熱源運転モードを切り替える必要があるか否かについて判定し、切り替えが必要と判定したことに応じて、熱源運転モードの切り替えを行い、
前記第1熱源運転モードによる蓄熱運転が行われている際には、前記検出情報取得ステップにより取得された所定の検出情報に基づいて、前記躯体の温度が目標値に到達せずに停滞した状態か否かについて判定することにより、前記第2熱源運転モードによる蓄熱運転に切り替える必要があるか否かについて判定し、
前記検出情報取得ステップにより取得された検出情報に基づき、蓄熱運転を終了させるタイミングであるか否かについて判定する
蓄熱運転制御方法。 - 蓄熱運転制御装置としてのコンピュータを、
自然エネルギーを熱源として用いる熱源機器を含む空調システムにより建築物の躯体に蓄熱させる蓄熱運転を、躯体に供給可能な熱量における自然エネルギー由来の度合いがそれぞれ異なる複数の熱源運転モードのうちのいずれかの熱源運転モードにより行わせる運転制御部、
前記蓄熱運転が行われている際に前記建築物における室内の温度を検出した検出情報を取得する検出情報取得部として機能させるためのプログラムであって、
前記熱源機器として、第1熱源機器と、前記第1熱源機器よりも自然エネルギーの利用度合いが高い熱源となる第2熱源機器とが備えられ、
前記複数の熱源運転モードは、
前記第2熱源機器を運転させ前記第1熱源機器を運転させない第1熱源運転モードと、
前記第1熱源機器と前記第2熱源機器とを運転させる第2熱源運転モードと、
前記第1熱源機器を運転させ前記第2熱源機器を運転させない第3熱源運転モードと
のうちの少なくとも2つであり、
前記運転制御部は、
前記検出情報取得部により取得された検出情報に基づいて、前記蓄熱運転が行われている際において、前記複数の熱源運転モードのうちでの熱源運転モードを切り替える必要があるか否かについて判定し、切り替えが必要と判定したことに応じて、熱源運転モードの切り替えを行い、
前記第1熱源運転モードによる蓄熱運転が行われている際には、前記検出情報取得部により取得された所定の検出情報に基づいて、前記躯体の温度が目標値に到達せずに停滞した状態か否かについて判定することにより、前記第2熱源運転モードによる蓄熱運転に切り替える必要があるか否かについて判定し、
前記検出情報取得部により取得された検出情報に基づき、蓄熱運転を終了させるタイミングであるか否かについて判定する
プログラム。
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