以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
「電子機器の基本構成」
図1,図2は、本発明のシステムを構成する電子機器として好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示している。レーダー探知機1は、薄型矩形状のケース本体2を備え、そのケース本体2の背面側下方に取り付けられたブラケット3を用いて車両のダッシュボード上等に貼り付けて固定される。
ケース本体2の前面(車両後方(運転者側)に向く面)には、表示部5を備える。表示部5は、3.2インチのカラードットマトリックスTFT液晶ディスプレイで構成する。この表示部5上には、表示部5のどの部分がタッチされたかを検出するタッチパネル6を備える。また、ケース本体2の前面の右サイドには音量調整ボタン7が配置され、同左サイドには各種の作業用ボタン8が配置される。
ケース本体2の右側面には、着脱可能な記録媒体としてのメモリカードを装着するためのカード挿入口9を備え、ケース本体2内のカード挿入口9の内側にメモリカードリーダ10が内蔵される。このカード挿入口9からメモリカード11を挿入することで、そのメモリカード11はカードリーダ10に装着される。カードリーダ10は、装着されたメモリカード11に格納されたデータを内部に取り込む。より具体的には、メモリカード11に格納されたデータは、新規な警報対象の情報(緯度経度等の位置情報,種別情報等)などの更新情報があり、その更新情報が制御部18経由で装置に内蔵されるデータベース19に格納(ダウンロード)され、データ更新がされる。
データベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。またメモリカード11自体をデータベース19の一部又は全部として構成しても良い。なお、データベース19には、出荷時に地図データ並びに一定の警報対象に関する情報が登録されており、その後に追加された警報対象についてのデータ等が上記のようにしてデータ更新される。
ケース本体2の背面側中央上方の内部にGPS受信器13を配置し、さらにその横にマイクロ波受信器14,無線受信器15を配置する。GPS受信器13は、GPS衛星からのGPS信号を受信し、現在位置(緯度経度)情報を出力する。マイクロ波受信器14は、速度測定装置から出射される所定周波数のマイクロ波を受信する。無線受信器15は、交通取締連絡用のUHF帯の無線電波を受信する。ケース本体2内の下方には、スピーカ16も内蔵している。スピーカ口は、ケース本体2の底面に設けている。
ケース本体2の背面側下方には、DCジャック17を配置する。このDCジャック17は、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。
ケース本体2の内面所定位置に、加速度センサ22を配置する。加速度センサ22は、車両の挙動を検出するもので、X軸が進行方向にかかる加速度、Y軸が横方向にかかる加速度、Z軸が上下方向にかかる加速度を検出する。これにより、X軸は急加速・急減速、Y軸は急ハンドル、Z軸は段差の乗り上げや窪みへの落ち込みといった車両の所定の挙動をそれぞれ検出する。
ケース本体2には、車両に実装されているOBD-II(IIはローマ数字の「2」であり、以下「OBD-II」を「OBD2」と記す)コネクタに着脱自在に装着するOBDアダプタ21が接続される。OBD2コネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両のECUに接続され、定期的に各種の車両情報が出力される。そこで、このOBDアダプタ21と車両本体側のOBD2コネクタとを連結することで、制御部18は、各種の車両情報を定期的に取得する。
この車両情報としては、車両の車速、インジェクション噴射時間、吸入空気量、残燃料の情報等がある。残燃料は、現在の燃料タンクに残っている燃料の量であり、0.5リットルの分解能で出力される。よって、残燃料を定期的に取得し、前回の残燃料と今回の残燃料との間で変化が発生したタイミングを記録することで、前回変化が発生してから今回変化が生じるまでに消費された燃料は、0.5リットルと言える。また、定期的に燃費に関する情報(生涯燃費,今回燃費,瞬間燃費等の情報)が出力されるものもある。
また上記のOBDアダプタ21は、ケース本体2に設けた接続端子23に着脱自在に連携される。OBD2コネクタからの車両情報が不要な場合、OBDアダプタ21を取り外すことで配線がダッシュボード上等において散らかるのを抑制し、レーダー探知機の周囲をすっきりとさせることができる。
また、制御部18は、CPU,ROM,RAM,不揮発性メモリ、I/O等を備えるマイコンであり、図2に示すように上述した各部と接続される。制御部18は、上記の各種の入力機器(タッチパネル6、GPS受信器13、マイクロ波受信器14、無線受信器15等)から入力される情報に基づいて運転者に報知する情報を作成し、出力機器(表示部5,スピーカ16等)を利用して情報を出力する。これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様である。
本実施形態のレーダー探知機1における機能は、制御部18に有するCPUが実行するファームウェアとして制御部18のEEPROMに格納され、これを制御部18に有するCPUが実行することで実現する。EEPROMに記憶されたファームウェアは、メモリカードに記憶された新たなファームウェアによって更新することが可能である。
運転支援システムとしてのレーダー探知機1の出力機器から出力される主な情報は、運転者に安全を促すための警報情報である。警報情報は、例えば次のような場合に出力される。制御部18は、データベース19に地図情報として記憶された目標対象の位置(緯度経度)と、GPS受信器13によって検出した車両の現在位置(緯度経度)から両者の距離を求め、求めた距離が所定距離以下となった場合に、出力機器から警報情報を出力する。また例えば制御部18は、マイクロ波受信器14によって速度測定装置から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合に、出力機器から警報情報を出力する。レーダー探知機1は、警報情報を出力することにより交通事故の発生しやすい危険な場所を運転者に認識させる。これにより、レーダー探知機1は、運転者に安全運転を促すことができる。なお、上述した警報情報は一例であり、実際には、他の様々な警報情報を運転者に対して出力する。
(表示モード)
図3は、レーダー探知機1の表示モードを示している。制御部18は、設定された表示モードに応じて異なる態様に画面を表示部5に表示する。制御部18は、常時モードとしてレーダー待受表示モード、OBD表示モード及びMAP表示モードを備えている。レーダー待受表示モードは、時計及びスピードを示す画面(図4参照)、GPSの測位状況を示す画面(図5参照)の他、車両の傾斜状態を示す画面、車両に加わる加速度を示す画面等を表示部5に表示するモードである。OBD表示モードでは、瞬間燃費、今回燃費、燃料流量、車速冷却水温度、トリップメータ、全国道平均燃費、一般道平均燃費、高速道平均燃費、エンジン回転数、エンジン負荷率、スロットル開度等を示す画面(図6参照)を表示部5に表示するモードである。MAP表示モードは、車両近傍の地図を表示部5に表示するモードである(図7~図9参照)。この表示モードの切り替えは、作業ボタン8の押下に基づいて行う。すなわち、上側の作業ボタン8が押下される都度、制御部18は表示モードを所定の順番で切り替える。
警報情報が出力される場合の表示モードである警報表示モードについて説明する。レーダー待ち受け表示モード及びOBD表示モードでは、それぞれの常時表示モードに対応する画面に警報情報を示すテロップが重ねて表示され、警告音がスピーカ16から出力される。これに対してMAP表示モードでは、警報情報の出力態様を、アニメモード、実写モード(以下、これらを総称して非キャラクタモードという)、及びキャラクタモードに切り替えることができる。制御部18は、下側の作業ボタン8の押下を受け、このキャラクタモードと非キャラクタモードを交互に切り替える。図7に示すように、アニメモードでは、制御部18は、目標対象や速度測定装置のアニメーション101を地図100上に重ねて表示し、警告音をスピーカ16から出力する。図8に示すように、実写モードでは、制御部18は、目標対象や速度測定装置の実写(REALPHOT)102を警報情報として地図100上に重ねて表示し、警告音をスピーカ16から出力する。図9に示すように、MAP表示モード-キャラクタモードでは、制御部18は、キャラクタ104を地図100上に重ねて表示する。さらに制御部18は、キャラクタ104の音声をスピーカ16から出力する。キャラクタ104の振る舞いや音声によって、警報情報が運転者に通知される。
本実施形態における運転支援システムとしてのレーダー探知機1は、MAP表示モードにおけるキャラクタモード(図3中太枠線内)における動作に特徴を有している。レーダー探知機1は、MAP表示モード-キャラクタモードで動作する場合、キャラクタ104は警報情報を運転者に通知する必要がない状態であっても、表示部5に表示される場合がある。キャラクタ104は、あたかも実在する人物であるかのように振る舞い、運転者に話しかけることによって運転者とのコミュニケーションを図る。またキャラクタ104は、運転者との関係性の一例である親密度に応じて振る舞いや音声を変化させる。これによってレーダー探知機1は、運転者がキャラクタ104に強く感情移入するように誘導する。さらにキャラクタ104は、交通事故の発生しやすい危険な場所の通知だけでなく、危険な運転、乱暴な運転、集中力を欠いた運転、及び居眠り運転などに対する注意喚起を警報情報として出力する。キャラクタ104への感情移入の度合いを深めたい運転者は、キャラクタからの注意喚起に素直に応じ、積極的に安全運転を心がけるようになる。レーダー探知機1は、キャラクタに対する運転者の感情移入の度合いを高いレベルに発展、維持させることによって運転者がキャラクタとのコミュニケーションに飽きてしまうことを抑制し、運転者に対して安全運転を継続的に促すことができる。
なお、上述の表示モード(常時表示モード及び警報表示モード)は一例であり、本発明は他の表示モードで動作しても良い。例えばレーダー待受表示モードやOBD表示モードにおいてキャラクタを表示部5に表示しても良い。
(記憶部19等に格納される情報)
図10を参照し、データベース19に記憶される情報の詳細について説明する。データベース19には、出力情報、地図情報、設定情報が記憶されている。出力情報は、出力機器から出力する各種情報である。出力情報は、待機情報、イベント情報、ロゴ情報、静止画面情報、起動情報及び設定画面情報を備えている。イベント情報は、入力機器から入力される情報に基づき、車両の状態や運転状態が所定の状態であると判断された場合(以下、イベント発生時という)に、運転者に対して各種イベントの通知を行うために出力機器から出力される情報である。待機情報は、イベントが発生していない状態(以下、待機状態という)で出力機器から出力される情報である。ロゴ情報、静止画面情報及び起動情報は、レーダー探知機1がMAP表示モード-キャラクタモードに設定されている状態で起動した場合に、最初に出力機器から出力する情報である。設定画面情報は、運転者がレーダー探知機に対して設定入力操作を行う場合に表示部5に表示する画面の情報である。
待機情報及びイベント情報は、表示部5に表示する画像情報と、スピーカ16から出力する音声情報を含んでいる。待機情報及びイベント情報は、常時表示モード別に複数の情報を備えている。具体的には、待機情報は、レーダー待受表示モードでの動作時に出力するレーダー待受情報、OBD表示モードでの動作時に出力されるOBD情報、MAP表示モード-非キャラクタモードでの動作時に出力される非キャラクタ情報を備えている。イベント情報は、レーダー待受表示モードでの動作時に出力されるレーダー待受情報、OBD表示モードでの動作時に出力されるOBD情報、MAP表示モード-キャラクタモードでの動作時に出力されるキャラクタ情報、及びMAP表示モード-非キャラクタモードでの動作時に出力される非キャラクタ情報を備えている。
地図情報は、表示部5に地図100を表示するための情報であり、道路網等の通常の地図データに加え、目標対象に関する情報、交通規則情報等が含まれる。目標対象に関する情報は、目標対象の種別を示す情報、目標対象の位置を示す緯度経度、表示部5に表示するアニメーション又は実写、及び、スピーカ16から出力する音声が対応付けられた情報である。目標対象は、固定式速度測定装置(レーダーのようにレーダー波(マイクロ波)を発する速度測定装置やループコイルのようにレーダー波を発しない速度測定装置を含む)、居眠り運転事故地点、レーダー、制限速度切替りポイント、取締エリア、検問エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング等がある。
交通規則情報は、交通違反についての情報である。交通違反についての情報としては、一時停止に関する情報と、制限速度に関する情報がある。一時停止に関する情報は、一時停止すべき場所を特定する位置情報を含む。一時停止すべき場所は、少なくとも、一時停止を指定する道路標識が設置されている場所を特定する位置情報である。制限速度に関する情報は、制限速度と、その制限速度が設定される道路を特定する情報である。道路を特定する情報としては、道路の位置を特定する位置情報と道路種別(高速道路/一般道路)等がある。
設定情報は、レーダー探知機1の各種動作条件を示す情報である。制御部18は、設定情報として記憶されている各種設定情報に基づき動作条件を決定し、決定した動作条件に基づいて各種処理を行う。
図11(a)を参照し、制御部18内のRAMに記憶される情報の詳細について説明する。RAMには、例えば現在日時、車両位置座標、補正情報、補正総走行距離、親密度、周辺情報、運転状態、OBD情報及びイベントフラグが記憶される。
現在日時は、現在の日付及び時刻を示す情報である。現在日時は、GPS受信器13を解して受信したGPS衛星からのGPS信号に含まれている日時データに基づいて特定され、記憶される。車両位置座標は、車両の現在位置を示す座標(緯度経度)である。車両位置座標は、GPS受信器13を介して受信したGPS信号に基づいて特定される。エンジンONしてからの履歴が記憶される。
補正情報は、実際の走行距離に対して補正をして補正総走行距離を求めるための各種の情報である。補正情報には、補正係数や、所定期間の走行距離等がある。補正係数は、後述する親密度を求めるための補正総走行距離を求めるための係数である。この補正係数は、制御部18が車両の走行に関する情報に基づき求める。詳細は後述する。
補正総走行距離は、車両の実際の走行距離に対して所定の条件に基づいて補正して求められる情報である。本実施形態では、補正総走行距離は、車両位置座標の変化の履歴に基づいて算出される実際の走行距離と、上記の補正係数に基づいて算出する。また、この補正総走行距離は、実空間での走行距離に対して仮想空間での走行に基づく仮想総走行距離とも言える。
親密度はキャラクタとの関係性の度合いを示す指標である。親密度の高低に対応して出力されキャラクタ情報が変化する。親密度が高くなるほど、ユーザである運転者が欲しくなるご褒美のようなキャラクタ情報が出力される。ユーザがレーダー探知機ひいてはキャラクタといた度合いとして走行距離に着目し、走行距離が長くなるほど一緒にいた度合いが高くなり、運転者とキャラクタの関係性が良好、すなわち親密度が高くなる制御を行うことを基本とする。これは、総走行距離が伸びると、運転者はキャラクタと一緒に長時間・長距離ドライブしたことになり、関係性が良好になっていくからである。そして、本発明では、例えば単純に実際の総走行距離が設定した閾値を超えると親密度も一段階高くなるというように総走行距離に対応する親密度が一意に特定されるものではなく、実際の走行距離の増加に基づく関係性を良好に変化させる際の変化量を変化させるようにした。つまり、上述した補正係数に基づいて求めた補正総走行距離に基づいて親密度を求める。補正係数を適宜に制御して決定することで、実際の総走行距離よりも補正総走行距離を長くしたり短くしたりすることができる。詳細は後述する。
周辺情報は、車両の現在位置の周辺にある目標対象についての情報である。目標対象についての情報としては、目標対象の種別、現在位置と目標対象との間の距離を示す情報がある。目標対象の種別及び距離は、データベース19に記憶された地図情報及びRAMに記憶された車両位置座標に基づいて決定される。運転状態は、車両の運転状態を示す情報である。運転状態として、蛇行運転、急加速(走行中の速度増加と、停車からの急発進を含む)、急減速、右急ハンドル、左急ハンドル、集中力低下運転及び居眠り運転等がある。OBD情報としては、燃費、燃料流量、車速、冷却水温度、エンジン回転数、スロットル開度等がある。制御部18は、イベント発生時にイベントフラグをONにする。
図11(b)に示すように、EEPROMには、ファームウェア等のプログラムに加え、前回のエンジン停止時までの補正総走行距離、運転者の違反状況などが記憶される。補正総走行距離は、車両の走行時等のエンジンがかかっていてレーダー探知機1が動作しているときは、上述したようにそれまでの補正総走行距離はRAMに記憶する。そして、エンジン停止時にRAMに記憶されていたその時の補正総走行距離をEEPROMに記憶して保持する。違反状況情報は、運転中に起こした違反についての情報である。制御部18は、違反内容と違反発生場所と回数を関連付けて記憶する。
(制御部の機能)
図12から図16は、制御部18の機能を示すフローチャートを示している。EEPROMに記憶されたファームウェアを制御部18が実行することによりメイン処理が開始する。図12に示すように、メイン処理が開始されると、制御部18は、レーダー探知機1の電源をONする操作を検出したかを判断する(S11)。電源をONする操作を検出しない場合(S11:NO)、処理はS11に戻る。電源をONする操作を検出した場合、制御部18は、所定の周期で起動する割り込み処理である定周期処理を起動する(S13)。定期処理の起動にともない、制御部18は、EEPROMに記憶された補正総走行距離を読み出し、読み出した補正総走行距離をRAMに記憶する。
(定周期処理)
制御部18は、S13(図12参照)において定周期処理を起動した場合、一定周期(例えば、1秒ごと)で繰り返し定周期処理を実行する。すなわち制御部18は、メイン処理と定周期処理を平行して実行する。この定周期処理は、以下の通りである。図13に示すように、制御部18は、まず始めにGPS受信器13を介してGPS信号を受信する(S31)。制御部18は、受信したGPS信号に含まれる日時データに基づいて現在日時を特定し、その特定した現在日時をRAMに記憶する(S33)。制御部18は、OBDアダプタ21を介して車両からOBD情報を取得し、取得したOBD情報をRAMに記憶する(S35)。次に制御部18は、車両の周囲に存在する目標対象の位置を特定する処理(対象位置特定処理:図14参照)を実行する(S37)。
この対象位置特定処理は、図14に示す通りである。すなわち、はじめに制御部18は、GPS受信器13を介してGPS衛星から受信したGPS信号に基づき、車両の位置を示す座標情報を特定する。制御部18は、特定した座標情報を車両位置座標としてRAMに記憶する(S51)。制御部18は、データベース19に記憶した地図情報を参照し、S51で特定した車両の位置を示す座標情報の近傍(例えば、車両の現在位置から2km以内)に目標対象があるか否かを判断する(S53)。車両の近傍に目標対象がある場合(S53:YES)、制御部18は該当する目標対象の種別と、目標対象と車両との距離とを対応付け、周辺情報としてRAMに記憶する(S55)。
目標対象が車両の近傍にない場合、或いは処理S55を実行した後、制御部18は、移動式レーダー等のレーダー波を発する速度測定装置から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号がある場合、マイクロ波受信器14を介して当該信号を受信する。また、制御部18は、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、所轄系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警察無線等(以下、これらを総称して「カーロケ無線」と称する)の周波数をスキャンする。そして、制御部18は、スキャンした周波数で無線信号がある場合に、無線受信器15を介して信号を受信する(S57)。
制御部18は、マイクロ波或いは無線信号を発する目標対象が近くに存在するかを判断する(S59)。具体的には、制御部18は、マイクロ波受信器14又は無線受信器15を介して信号を受信した場合であって、かつ、受信した信号の受信レベルが所定値以上であるかを判断する。受信した信号の受信レベルが所定値以上の場合、制御部18は、信号を出力した速度測定装置、またはカーロケ無線を出力する車両等(以下、警察用緊急自動車等という)が近傍にあると判断する(S59:YES)。制御部18は、信号を出力した装置(速度測定装置又は警察用緊急車両等)を、信号の周波数に基づいて特定する。制御部18は、特定した目標対象を示す情報を周辺情報としてRAMに記憶する(S61)。これにより対象位置特定処理(図13:S37)は終了し、処理は定周期処理(図13)に戻る。制御部18は、マイクロ波受信器14又は無線受信器15を介して信号を受信していないか、または、受信した信号の受信レベルが所定値未満である場合、信号を出力した目標対象は車両の近傍にないと判断する(S59:NO)。これにより対象位置特定処理(図13:S37)は終了し、処理は定周期処理(図13)に戻る。
*補正総走行距離の算出等
上記の対象位置特定処理(図13:S37)の終了後、制御部18は、補正総走行距離を算出し、算出した補正総走行距離をRAMに記憶する(S39)。すなわち、制御部18は、RAMの補正総走行距離の記憶エリアの更新を行う。具体的には、制御部18は、RAMに記憶された車両位置座標の変化の履歴に基づいて、前回の定周期処理の実行から今回の定周期処理の実行までの間(例えば1秒間)の走行距離を求めるとともに、今回の補正係数を求める。制御部18は、定周期処理の実行サイクル(例えば1秒間)中の補正走行距離を、下記式により求める。
補正走行距離=補正係数×走行距離
そして制御部18は、求めた補正走行距離と、RAMに記憶されたこれまでの補正総走行距離とを加算することによって今回の走行分を加味した補正総走行距離を求め、求めた補正総走行距離をRAMに記録する。また制御部18は、求めた補正係数を補正情報の一つとしてRAMに記憶する。
上述した補正走行距離を求める式で示すように、補正係数が1の場合、実際の走行距離と補正走行距離は等しくなる(図17(a)中、“実線”参照)。よって、例えば実際に1000km走行した場合に求められる補正走行距離は1000kmとなる。これに対し、補正係数が1よりも大きい場合、実際の走行距離よりも補正走行距離は長くなるし(図17(a)中、“破線”参照)、補正係数が1よりも小さい場合、実際の走行距離よりも補正走行距離は短くなる(図17(a)中、“一点鎖線”参照)。
補正係数は、例えば加速度センサ22のセンサ出力値(加速度)に基づいて決定すると良い。例えば、加速度が設定された閾値以下の通常状態のときの補正係数を通常時補正係数とし、制御部18は、加速度が閾値を超えた場合に補正係数を通常時補正係数よりも小さい所定の値にし、その後、通常状態が一定期間継続した場合に元の通常時補正係数に戻すように制御する。そして、本実施形態では、加速度が閾値を超えた場合の小さい所定の値を「0」にし、通常時補正係数への復帰は所定期間をかけて徐々に戻るようにした(図17(b)参照)。具体的には、制御部18は、下記の式に基づいて補正係数を算出する。
補正係数=(m^2*L)/(mL+d)
ここで、mは、通常時補正係数(漸近線の収束する値)
Lは加速度が閾値を超えてからの走行距離(実際の走行距離) 単位はメートル
dは距離定数
(エンジンON時:10
加速度センサによる反応後:10より大きい固定値 例えば100)
上記の式においてmとdは固定値であり、RAMの補正情報に記憶されている。制御部18は、定周期処理を実行する都度、すなわち1秒ごとにRAMに記憶された車両位置座標の変化の履歴に基づいて、前回の定周期処理の実行から今回の定周期処理の実行までの間(例えば1秒間)の走行距離を求める。制御部18は、RAMの補正情報の記憶エリアに記憶された所定期間の走行距離を読み出し、上記の求めた今回分の走行距離を加算してLの値を求める。制御部18は、求めたLの値と、RAMの補正情報として記憶されたm,dの値を用い、上記式に代入して補正係数を算出する。また、制御部18は、RAMの補正情報の記憶エリアに記憶されている所定期間の走行距離を、今回求めたLの値に更新する。
加速度が閾値を超えるとLが0にリセットされるため補正係数は一旦0になり、Lの増加に伴い補正係数も上昇する。そして「mL」が「d」に比べて十分大きくなると、上記の補正係数を求める式中の分母のdは無視できるので補正係数はm、すなわち、通常時補正係数になる。
また、Lの値は、RAMの補正情報の記憶エリアに記憶しているため、エンジンの停止にともない記憶していたデータが消え、エンジンがONになるとLの値も0にリセットされてしまう。そこで、エンジンONに伴い、dの値を10にセットすることで、走行開始からすぐにLの値がdよりも十分大きくなり補正係数が、すぐに通常時補正係数のmになるようにしている。一方、加速度が閾値を超えて一度補正係数が0になった後は、dの値を大きく(例えば100)することで、通常時補正係数に復帰するまでの時間がかかるようにしている。
本実施形態では、加速度センサの出力に基づき、急加速・急減速、急ハンドル(右急ハンドル/左急ハンドル)をそれぞれ個々に検出できる。そこで、それぞれに対して閾値を設定し、少なくとも一つの検出方向の加速度が閾値を超えた場合にLの値を0にリセットする。
加速度が閾値を超えるような運転は、急加速・急減速、急ハンドルのいずれかに該当し、危険な運転であるばかりでなく、同乗しているキャラクタにとっても乗り心地が悪く、どきっとするため精神的にも良くない。そこで、本実施形態では、加速度が係る閾値を超えるような運転をした場合には親密度が増加しにくくなるように、補正係数を小さくするとともに、一定期間は通常時補正係数に復帰しないようにしている。
このように本実施形態では、一度設定条件(ここでは、加速度の閾値)を満たさなくなって補正係数が小さくなった場合、その後すぐに設定条件を満たす状態になってもすぐに戻すのでは無く所定期間は補正係数が少ない状態を維持するようにした。これは例えば加速度が閾値を超えるような危険運転など好ましい運転でない状態は、瞬間的・短時間でもそれが発生すると、事故等を招くおそれがあるので、運転期間中係る状態にならないのが良い。よって、運転者はたとえ瞬間的等であっても設定条件を満たさなくなることが無いような運転を心がけることになるので、設定条件によって安全運転等に寄与できるため好ましい。さらに、一度でも設定条件を満たさない状態になると、その後設定条件を満たす運転をしていても一定期間経過するまで元に戻らないので、ペナルティとなり、ゲーム要素が現れるのでよい。
後述するようにこの補正総走行距離の増加は、親密度の増加に関連する。そこで実際の走行距離の増加に基づく親密度の増加の程度、すなわち、補正係数が1の場合に親密度が増加する変化量を「基準変化量」とすると、補正係数が1より大きくなるほど、基準変化量よりも大きい変化量となり、補正係数が1よりも小さくなるほど走行にともなう親密度の増加の変化量は基準変化量よりも小さくなって伸びが低い。
通常時補正係数を1よりも大きい値に設定していると、加速度が閾値を超えないような運転が継続されることで、走行に伴う親密度の変化量は、基準変化量よりも大きい状態を維持でき、短い走行距離で早く親密度を高い状況になる。
通常時補正係数の値は、例えば閾値が小さいほど大きくし、逆に閾値が大きいほど小さい設定としている。つまり、閾値が小さいと感度が高くなり小さい速度変化(比較的小さい加速度)でも閾値を超えてLが0にリセットされてしまう可能性が高くなるものの、閾値以下で走行できればより短期間で補正総走行距離を上昇させ、親密度を高くすることができる。一方、閾値が大きいと感度が低くなり多少の速度変化(比較的大きい加速度)でも閾値を超えないためLが0にリセットされることに伴う一定期間にわたり補正係数が通常時補正係数よりも低い値になるマイナス査定の制御は生じないものの、閾値以下で走行していても通常時補正係数が元々小さいため走行に伴い補正総走行距離の伸びは低い。よって、ユーザは、自己の運転の状況や走行する道路状況等に合わせて閾値を設定するとよい。
設定条件(閾値)を厳しくすると、ちょっとした運転操作の間違い等で設定条件を満たさずに補正係数の値が小さい状態が一定期間発生するというデメリットを有するか、設定条件を満足していれば補正係数が大きい状態が継続し、関係性の良好の度合い・程度が短期間で上昇し、関係性に応じた各種のキャラクタ情報を得ることができる。よって、ハイリスク・ハイリターンのようになり、ゲーム性が増す。また、単純にゲーム性が増すだけで無く、より厳しい設定条件を満たす運転は、例えばより安全運転であったり、エコ運転であったりするなど、通常、安全で車両や環境に優しい運転状態となることが多いので、交通環境にも好ましい。
この設定は、例えば複数レベルの感度にそれぞれ対応した各検出方向の閾値の組み合わせと、当該レベルの補正係数を関連付けた情報をデータベース19に記憶させておく。例えば標準レベルについて、急加速・急減速、右急ハンドル・左急ハンドルを検出する加速度センサ出力ごとに閾値を設定するとともに補正係数として1を関連付ける。そして、その標準レベルよりも敏感なレベルについては、標準レベルに関連付けた閾値よりも小さい閾値とする一方、補正係数は1よりも大きい値とする。逆に標準レベルよりも鈍感なレベルについては、標準レベルに関連付けた閾値よりも大きい閾値とする一方、補正係数は1よりも小さい値とする。敏感なレベルと鈍感なレベルはそれぞれ1または複数用意する。制御部18は、所定の設定画面をデータベース19から読み出すとともに表示部5に表示し、タッチパネル6からの信号に基づき運転者が指定したレベルを認識し、設定する。
*親密度の特定
制御部18は、補正総走行距離に基づいて親密度を特定する(S40)。親密度は、補正総走行距離に応じて定められるパラメータである。制御部18は、車両の補正総走行距離の増加に伴い、運転者に対するキャラクタの親密性が大きくなることを想定し、この親密性の度合いを親密度として表している。親密度は、具体的には次のようにして決定する。レーダー探知機1が初めて起動されたときから総走行距離が第一基準距離(例えば100km)未満の場合、親密度は0となる。キャラクタモードが設定された状態での車両の総走行距離が100km以上1000km未満の場合、親密度は1となる。また、キャラクタモードが設定された状態での車両の総走行距離が1000km以上2000km未満の場合、親密度は2となる。また、キャラクタモードが設定された状態での車両の総走行距離が2000km以上の場合、親密度は3となる。制御部18は、求めた親密度をRAMに記憶する。
この親密度はキャラクタとの関係性の度合いを示す指標であり、関係性が良好なほど大きい数値となる。本実施形態では、親密度は、0→1→2→3というように4段階にレベルアップする。親密度は、後述するように出力機器を介して出力されるキャラクタ情報を決定する際の条件となる。関係性が良好、すなわち親密度が大きい値になるほど、出力されるキャラクタ情報は、バリエーションに飛んだ、また、ユーザが親しみやすい、ユーザにとって嬉しくなるようなある種のご褒美のような内容とする。
関係性を良好にする制御、すなわち、親密度を高くするための情報として、走行距離を基本とし、原則として走行距離が長くなるほど親密度も高くなるようにした。例えばキャラクタが人格・感情を備えたと推定すると、走行距離が長くなるほど運転者は、キャラクタといっしょにドライブをする距離が長くなるほど関係性が良好になる。よって、例えば、安全運転で走行するほど関係性が良好になるような仕組みとすると、ユーザは、キャラクタとの関係性が良好な状歌で維持されるように、またさらに良好の度合いが高まるように、積極的に安全運転を心がけるようになる。
(運転状況の特定等)
次に制御部18は、車両の運転情報を特定する処理(運転状態特定処理、図15参照)を実行する(S41)。図15に示すように、制御部18は、加速度センサにより検出された加速度、RAMに記憶したOBD情報のうちの車速を取得する(S71)。次に制御部18は、取得した加速度及び車速に基づき、車両が所定の運転状態であるか否かを判断する(S73)。具体的には、制御部18は、(a)蛇行運転、(b)急減速、(c)急加速、(d)右急ハンドル、(e)左急ハンドル、(f)集中力低下運転、(g)居眠り運転のうちいずれかの運転状態で車両が運転されているかを加速度及び車速に基づいて判断する。判断方法は以下の通りである。
車両の前方向の加速度が0.3G以上である状態、車両の後ろ方向の加速度が0.15G以上である状態、車両の左右方向の加速度が0.45G以上である状態の各状態の発生回数をカウントし、その総計が15分間に15回以上発生するという条件を満たす場合、制御部18は、(a)蛇行運転が行われていると判断する。また制御部18は、車両の前方向の加速度が0.3G以上となった場合(b)急減速が行われたと判断する。制御部18は、車両の後ろ方向の加速度が1.15G以上となった場合(c)急加速が行われたと判断する。制御部18は、車両の左方向の加速度が0.45G以上となった場合(d)急右ハンドルが行われたと判断する。制御部18は、車両の右方向の加速度が0.45G以上となった場合(e)急左ハンドルが行われたと判断する。また制御部18は、車速が55km/h以上であり、かつ、車速の変化幅が所定時間以上連続して5km/h以上10km/h未満であった場合、(f)集中力低下運転が行われていると判断する。制御部18は、車速が55km/h以上であり、かつ、車速の変化幅が10km/h以上であった場合、(g)居眠り運転が行われていると判断する。以上のように制御部は、車両に加わる加速度及び車速に基づいて車両の運転状態を判断することができる。
制御部18は、上述のいずれかに該当し、所定の運転状態で車両が運転されていると判断した場合(S73:YES)、該当する運転状態を示す情報を運転状態としてRAMに記憶する(S75)。そして、運転状態特定処理は終了し、処理は定周期処理に戻る。一方、制御部18は、運転状態が上述のいずれにも該当しない場合(S73:NO)、運転状態特定処理は終了し、処理は定周期処理に戻る。
図13に示すように、運転状態特定処理(S39)の終了後、制御部18は、S55(図14参照)、S61(図14参照)で周辺情報がRAMに記憶されているか、またはS75(図15参照)で運転状態がRAMに記憶されているかを判断する。いずれかがRAMに記憶されている場合、制御部18は、運転者への通知を行うためのイベントが発生したと判断する(S43:YES)。制御部18は、イベントフラグをONにする(S45)。定周期処理は終了する。一方、周辺情報及び運転状態のいずれもがRAMに記憶されていない場合(S43:NO)、運転者への通知を行うためのイベントは発生していないので、制御部18はイベントフラグをOFFにする(S47)。定周期処理は終了する。
図12に示すように、S13で定周期処理(図13参照)を起動した後、制御部18はデータベースに記憶された設定情報を参照し、設定されている表示モードを判断する(S15)。表示モードとしてMAP表示モード-キャラクタモード以外の表示モードが設定されている場合(S15:NO)、制御部18は、設定されている表示モードに対応する情報をデータベース19の出力情報から読み出し出力機器から出力する。これにより制御部18は、周知の通常動作動作(警報報知等)を行う(S21)。処理はS23に進む。一方、表示モードとしてMAP-キャラクタモードが設定されている場合(S15:YES)、制御部18はキャラクタを介して運転者へ所定の情報を通知する処理(キャラクタモード処理、図16)を実行する(S19)。
図16を参照し、キャラクタモード処理について説明する。制御部18は、データベース19に格納されたロゴ情報を読み出し、そのロゴ情報を描画するロゴ画面を表示部5に表示する(S81)。このようにロゴ画面を表示することで、ユーザはMAP-キャラクタモードが設定されていることを確認できる。
制御部18は、S13(図12参照)で起動した定周期処理において現在日時等がすでに特定され、それらの情報がRAMに記憶されているか否かを判断する(S85)。定周期処理ではGPS衛星からの電波信号であるGPS信号を受信することによって現在日時や車両の位置情報並びに走行距離等を特定するため、電波環境によっては起動後すぐにGPS信号を受信できないことがある。そのため、現在日時等を特定するまでに要する時間は、一定ではなく、時間がかかることがある。現在日時等がRAMに記憶されていない場合、現在日等が未だ特定されていないことになる(S83:NO)。
この場合、制御部18は、図18に示すようにキャラクタ104が寝そべっている壁紙画面73を表示部5に表示する(S85)。現在日時等が特定されていないと、走行距離ひいては補正総走行距離の算出から親密度の特定までが行えないため壁紙画面73を表示することで未確定の状態であることを報知する。処理はS83に戻る。これにより、制御部18は、現在日時等が特定されるまで壁紙画面73を表示しつ続ける。現在日時等とは、現在日時以外には車両の位置情報の履歴などがあるが、現在日時がRAMに記憶されている場合GPS信号が受信できているので、S83の判断は、現在日時のみに基づいても良い。
定周期処理において現在日時や車両の位置情報等が特定され、それらの情報がRAMに記憶された場合(S83:YES)、制御部18はデータベース19に記憶された静止画像情報を読み出し表示部5に表示する(S86)。これにより、例えば図19に示すようにキャラクタ104が晴れ着を着た様子を示す静止画面72が表示部5に表示される。なお静止画面情報には月ごとに異なる合計12の静止画面が含まれている。それぞれの静止画面には、季節の情景が反映される。制御部18は、静止画面を読み出す際に、現在の日時情報から本月を抽出し、抽出した本月に対応する月の静止画面をデータベース19に記憶された静止画面情報から選択し、表示部5に表示する。
このようにレーダー探知機1は、表示部5に表示する静止画面を日時によって切り替えることで、運転者が静止画面に飽きてしまうことを抑止する。またレーダー探知機1は、新たな静止画面を見たいと思う気持ちを運転者に抱かせる。ここで例えば制御部18は、運転者が危険な運転等を行った場合、新たな静止画面を表示部5に表示しないように制御するとよい。これによって運転者は、新しい静止画像を表示部5に表示させるために、安全運転を心がけるようになる。このようにして本レーダー探知機1は、運転者に対する安全運転への誘導を効果的に行うことができる。
静止画面を表示部5に表示してから所定時間経過後、制御部18は、データベース19に記憶された起動情報に含まれている起動画面を読み出し、表示部5に表示する(S87)。また制御部18は、起動情報に含まれている起動音声を読み出し、スピーカ16から出力する(S87)。
図20および図21を参照し、起動情報について詳細に説明する。起動情報は、MAP表示モード-キャラクタモードにおける起動時に出力機器に出力される情報である。図20に示すように、起動情報には、表示部5にキャラクタの画像を表示するための情報(以下、キャラクタ画像という。)、および、スピーカ16からキャラクタの音声を出力するための情報(以下、キャラクタ音声という。)が含まれている。キャラクタ画像およびキャラクタ音声は、親密度(0~3)および時間帯(0:00~5:00、5:00~7:00、7:00~10:00、10:00~17:00、17:00~22:00、22:00~0:00)毎に分類されている。時間帯は、レーダー探知機1の電源がONされた時間を示している。キャラクタ画像およびキャラクタ音声は、キャラクタが様々な表現態様で運転者とのコミュニケーションを行うことが可能なように、親密度および時間帯毎に複数用意されている。
図21は、時間帯7:00~10:00に対応するキャラクタ音声を詳細に示している。RAMに記憶された親密度が1である場合、「おはようございます。 調子はいかがですか?」「さあ、お仕事頑張って下さい。 私も頑張ります。」「おはようございます。今日も安全運転して下さいね。」のように、少しよそよそしいキャラクタ音声となっている。運転者に対するキャラクタの表現態様は、初対面的な態様となる。一方、親密度が2である場合、「おはよう。調子はどう?」「毎日、楽しい事ばかりじゃないけど、がんばろ。」「おっはよ。今日も気をつけて運転してね。」のように、親密度が1の場合と比較して親密なキャラクタ音声となっている。運転者に対するキャラクタの表現態様は、普通の友達的な態様となる。さらに親密度が3である場合、「おはよ! ねぇ、起きてからずっと待ってたんだからねっ」「わーい!今日も一緒に居られるんだね~嬉しいっ」「おはよ!今日はオシャレだね?私も新しい服、欲しいな~」のように、親密度が1,2の場合と比較して更に親密なキャラクタ音声となっている。運転者に対するキャラクタの表現態様は、タメ口友達的な態様になる。
このようにレーダー探知機1は、親密度が大きくなるに従い、より親密なキャラクタ音声を出力することによって、運転者に対するキャラクタの親密性を親密度に応じて高めている。運転者は、キャラクタの親密性が徐々に高まっていることを感じることで、キャラクタに対する親しみが徐々に増し、キャラクタに強く感情移入する。
また図示されていないが、時間帯が5:00~7:00である場合のキャラクタ音声を、親密度毎に比較する。親密度が1である場合、「おはようございますぅ~ふぁ~失礼しました。」「おはようございます。 今日も警報頑張ります。」「早起きですね。 感心しちゃいます。」のようなキャラクタ音声となっている。親密度が2である場合、「あれー?もう朝なの?」「まだダメ~!だって眠いもん。」「早起き御苦労さま。」のキャラクタ音声のようなキャラクタ音声となっている。さらに親密度が3である場合、「おはよ~ ふぁ~~、ゴメン。」「おふぁ~ぁ、まだ眠いよ~。あと1分。」「おはよ 今日も警報頑張んなきゃ。あなたのために。」のようなキャラクタ音声となっている。運転者は、キャラクタの眠そうな音声を聞くことで、キャラクタがあたかも実在する生き物であるかのように感じるようになる。さらに運転者は、キャラクタに対して、起こしてしまって申し訳ないという感情を抱く。レーダー探知機1は、これらのような感情をユーザに抱かせることで、運転者のキャラクタに対する感情移入の度合いを更に高めている。
なお上述では、起動時間毎にキャラクタ音声を切り替える例を挙げて説明したが、キャラクタ画像も、起動時間毎に切り替えられる。例えば時間帯0:00~5:00には、キャラクタがベッドで寝ている表現態様のキャラクタ画像が対応付けられる。運転者は、キャラクタの就寝する様子を見ることで、キャラクタに対して親密な感情を抱く。レーダー探知機1は、これらのような感情を運転者に抱かせることで、運転者のキャラクタに対する感情移入の度合いを更に高めている。
以上のようにレーダー探知機1は、キャラクタがあたかも実在する生き物であるかのように、キャラクタ音声を起動時間帯毎に切り替えて出力する。これによって運転者は、キャラクタが実在するかのように感じるようになる。このようにしてレーダー探知機1は、運転者のキャラクタに対する感情移入の度合いを高めることができる。しかも、出力されるキャラクタ情報は、親密度が高くなるにつれて、バリエーションに飛んだ、また、運転者が親しみやすく運転者にとって嬉しくなるようなある種のご褒美のような内容となっている。従って、運転者はご褒美をもらえるように関係性が良好な状態を維持するように、或いはより関係性が良好になるような動作・運転を行う思いが強くなる。よって運転者が、親密度が高くなるような運転を行うことが期待できる。つまり、本実施形態では、親密度の増加は単純な走行距離の増加のみでは無く、車両の走行に関する情報、例えば加速度が閾値を超えるか否か等に基づいて所定の走行距離に対する変化量が変わる制御が行われ、設定した閾値を超える加速度が車両にかかる運転をした場合に一定期間にわたり親密度を決定する補正総走行距離の伸びが低下するような制御をしている。そのため、運転者は、加速度センサ22で検出される加速度が、設定された閾値以下になるように走行することを心がけるようになる。従って、本システムのレーダー探知機1は、安全運転に寄与する。
さらに、親密度、すなわち、補正総走行距離を増加させるためには、単純に走行距離を伸ばせば良いわけで無く、車両の走行に関する情報(本実施形態では、加速度)も加味されるため、ゲーム性もかもしだされ、例えば運転中に一度も閾値を超えて補正係数が0になることが無い場合、補正総走行距離が稼げると共にミッションをクリアしたような感覚が得られるので好ましい。かかるミッションのクリアは、単なる仮想空間でのゲームでは無く、実際の運転に伴い発生する新しい感覚のゲームとなる。そして、実際の車両の走行にゲーム性を持たせたとしても、ミッションのクリアは、加速度値が閾値以下となるような速度変化(増減速度)や急な方向変換をしないような安全運転をする必要があるので、社会通念上も問題は生じない。この点は以下に示す親密度に基づくキャラクタ情報の出力についても同様である。
なお図20の起動情報において、親密度:0に対してキャラクタ音声は対応付けられていない。レーダー探知機1は、親密度が0である場合、キャラクタ画像を表示部5に表示し、キャラクタ音声はスピーカ16から出力しない。この場合運転者は、キャラクタ画像だけでなくキャラクタ音声も認識し、キャラクタとの親密なコミュニケーションを早く開始したいという期待をふくらませる。レーダー探知機1は、このような運転者の心理を利用することによって、運転者のキャラクタに対する感情移入の度合いを高めている。
図16に示すように、制御部18は、起動情報を出力した(S87)後、データベース19の待機情報のうちキャラクタ情報を読み出し、出力機器から出力する(S91)。キャラクタ情報は、MAP表示モード-キャラクタモードで動作するレーダー探知機1が待機状態である場合に、出力機器から出力される情報である。図22および図23を参照し、キャラクタ情報の詳細について説明する。図22に示すように、キャラクタ情報には、キャラクタ画像およびキャラクタ音声が含まれている。キャラクタ画像およびキャラクタ音声は、親密度毎に分類されている。なお図22のうち「親密度1-3」は、それぞれの親密度に対して別々のキャラクタ画像およびキャラクタ音声が対応付けられていることを示している。
キャラクタ画像およびキャラクタ音声は、キャラクタが様々な表現態様で運転者とのコミュニケーションを行うことが可能なように、表現態様毎に複数用意されている。具体的には、(1)瞬き&口パク、(2)瞬きのみ、(3)散歩、および(4)背伸び の其々の表現態様に対応するキャラクタ画像およびキャラクタ音声が、キャラクタ情報に含まれている。例えば(1)瞬き&口パクに対応するキャラクタ画像が表示部5に表示された場合、キャラクタは瞬きをし、かつ、何かを喋っているかのように口を動かす。また例えば(3)散歩に対応するキャラクタ画像が表示部5に表示された場合、キャラクタは表示部5の表示領域内を自由に歩き回る。また例えば(4)背伸びに対応するキャラクタ画像が表示部5に表示された場合、キャラクタは背伸びをする。またそれぞれの表現態様に対応するキャラクタ音声が、スピーカ16から出力される。
図23は、(1)瞬き&口パクに対応するキャラクタ音声を詳細に示している。親密度が1である場合、「運転、好きですか?私はあなたの運転、嫌いじゃないですよ。」「あの、私をあなたの車につれてきてくれて、ありがとう!」のように、やや親しみのあるキャラクタ音声が対応付けられている。一方、親密度が2である場合、「ね、私のこと、気に入ってくれた?私もあなたのこと、気に入っちゃった!」「運転してるとき、結構真面目な顔してるよねっ ふふっ」のように、親密度が1の場合と比較してより親密なキャラクタ音声が対応付けられている。さらに親密度が3である場合、「あなたがお話きいてくれるから、毎日幸せだよ!」「あのね、ほんとはもっとお話したいの。もっとあなたのこと知りたいんだ。」のように、親密度が1、2の場合と比較して更に親密なキャラクタ音声が対応付けられている。なお、キャラクタ音声がスピーカ16から出力される場合、親密度:1、2、3のそれぞれに対応付けられた複数のキャラクタ音声のうち一がランダムに選択され、出力される。従って、親密度が同一である状況であっても、毎回異なるキャラクタ音声がスピーカ16から出力される。
このようにレーダー探知機1は、親密度が大きくなるに従い、より親密なキャラクタ音声を出力することによって、運転者に対するキャラクタの親密性を親密度に応じて高めている。運転者は、自身に対するキャラクタの親密性が徐々に高まっていることを感じることで、キャラクタに対する親しみが徐々に増し、キャラクタに強く感情移入する。
またレーダー探知機1は、キャラクタを表示部5に常時表示し、イベントが発生しない待機状態であっても、キャラクタが運転者に話しかけるようにスピーカ16からキャラクタ音声を出力する。これによって運転支援システム4は、キャラクタがあたかも実在する生き物であるかのように、そして常にそばにいるかのように運転者に感じさせる。運転者は、キャラクタに対して親近感を抱くことになるので、運転者のキャラクタに対する感情移入の度合いは更に高まる。
更にレーダー探知機1は、複数のキャラクタ画像およびキャラクタ音声を用意し、これらをランダムに選択して出力機器から出力する。これによって、キャラクタによるコミュニケーションが単調になることを抑止し、運転者がキャラクタとのコミュニケーションに飽きてしまうことを防止している。
なお図22では、親密度:0にはキャラクタ画像のみ応付けられ、キャラクタ音声は対応付けられていない。従って親密度が0である場合には、キャラクタ画像が表示部5に表示され、キャラクタ音声はスピーカ16から出力されないことになる。運転者は、親密度が小さい状態では、キャラクタ音声を聞くことができないので、キャラクタの画像だけでなく音声も認識したいという期待を抱く。レーダー探知機1は、このような運転者の心理を利用することによって、運転者のキャラクタに対する感情移入の度合いをより高めている。
図16に示すように、制御部18は、S91で待機状態に対応するキャラクタ情報を出力機器から出力した後、制御部18は、キャラクタ情報(図24参照、後述)を出力するタイミングであるかを判断する(S93)。キャラクタ情報は、MAP表示モード-キャラクタモードで動作するレーダー1において、イベント発生時に出力機器に出力される情報である。判断方法、および出力される情報の詳細は後述する。制御部18は、キャラクタ情報を出力するタイミングであると判断した場合(S93:YES)、キャラクタ情報を出力機器から出力し(S95)、処理はS97に進む。一方、制御部18は、キャラクタ情報を出力するタイミングでないと判断した場合(S93:NO)、処理はS97に進む。
このイベント情報におけるキャラクタ情報を出力するか否かの判断方法、および出力されるキャラクタ情報は以下の通りである。図24は、イベント情報におけるキャラクタ情報の詳細を示している。キャラクタ情報には、キャラクタ画像およびキャラクタ音声が含まれている。キャラクタ画像およびキャラクタ音声は、表現態様毎に複数用意されている。図24では、(1)就寝する、(2)起床する、(3)就寝中の寝言、(4)速度超過の注意、(5)車酔いになる、(6)急減速、(7)急加速、(8)右急ハンドル、(9)左急ハンドル、(10)度が過ぎると怒り、消える、(11)怒りが収まり、復帰する、(12)うたた寝、(13)目覚める、(14)集中力低下、(15)居眠り運転、(16)オービス、取締り、検問警報、(17)レーダー、カーロケ受信警報、および(18)その他目標対象 に対応するキャラクタ画像およびキャラクタ音声が、親密度:1-3に対応付けられている。なお、図22に示す待機情報におけるキャラクタ情報と同様、親密度:0に対応するキャラクタ音声はこのイベント情報におけるキャラクタ情報に含まれていない。従って制御部18は、親密度が0である場合には、キャラクタ画像を出力機器から出力し、キャラクタ音声はスピーカ16から出力しない。
例えば「(1)就寝する」に対応するキャラクタ情報は、22:00~0:00の間にレーダー探知機1が起動されている場合に出力する情報である。キャラクタ画像が表示部5に表示された場合、キャラクタは、レーダー探知機1の起動後1分間を経過したタイミングで就寝する。制御部18は、この就寝時を現わす情報として、就寝を運転者に知らせる音声(「今日は楽しかったなーまた明日も、ドライブ連れて行ってね。」「私は寝るね。あなたもちゃんと寝ないとダメだよ。 おやすみー」等)を親密度に応じて選択し、キャラクタ音声としてスピーカ16から出力する。また制御部18は、就寝後、キャラクタの寝息をキャラクタ音声として周期的にスピーカ16から出力する。
例えば「(2)起床する」に対応するキャラクタ情報は、5:00~7:00の間にレーダー探知機1が起動した場合に出力する情報である。キャラクタ画像が表示部5に表示された場合、キャラクタは、レーダー探知機1の起動後1分間を経過したタイミングで起床する。制御部18は、この起床時を現わす情報として、起床を運転者に知らせる音声(「おはよー。警報再開しマース」「おはよー。今日も一緒にいられるね!嬉しい!」等)を親密度に応じて選択し、キャラクタ音声としてスピーカ16から出力する。
例えば「(3)就寝中の寝言」に対応するキャラクタ情報は、キャラクタが就寝している状態において10分~30分間に5分の周期でランダムに出力する情報である。制御部18は、この就寝中の寝言を現わす情報として、キャラクタ画像が表示部5に表示された場合、キャラクタが口を動かすアニメーションを行う。また、制御部18は、寝言(「お星様キレイ。」「れ,レギュラー満タンで、お願いしますぅ。」等)を親密度に応じて選択し、キャラクタが口を動かしたタイミングで、キャラクタ音声としてスピーカ16から出力する。
以上のように本システムでは、キャラクタがあたかも実在する生き物であるかのような表現態様でキャラクタ情報が出力される。運転者は、キャラクタが実在するかのように感じるようになる。このようにして本システムは、運転者のキャラクタに対する感情移入の度合いを高めることができる。
例えば「(4)速度超過の注意」に対応するキャラクタ情報は、車速が制限速度を超過している場合に出力する情報である。制御部18は、車速をRAMに記憶されたOBD情報に基づいて特定し、制限速度をRAMに記憶された車両位置座標と、データベースに記憶された地図情報に基づいて決定する。制限速度は、現在走行中の道路の制限速度や、周辺に存在する速度測定装置の設置位置の制限速度である。制御部18は、決定した制限速度に所定の走行速度(例えば10km/h)を加算した値と、車速とを比較し、車速の方が速い場合、速度超過の注意のキャラクタ情報を出力する。制御部18は、この速度超過の注意を現わす情報として、キャラクタ画像が表示部5に表示された場合、例えばキャラクタが運転者に対して、現在の車速および制限速度を通知し、減速するように促すようなアニメーションを出力する。また、制御部18は、速度超過を通知する音声(「ちょっと~!スピード出てない?危ないよ~」「こらぁ、スピードオーバーする人は嫌いになっちゃうからね!」等)を親密度に応じて選択し、キャラクタ音声としてスピーカ16から出力する。これによって運転者は、車両の走行速度が制限速度を超過していることを容易に認識することができる。キャラクタに対する運転者の感情移入の度合いは強い状態となっているため、運転者は、キャラクタからの通知に素直に応じ、減速することによって、安全運転に注意を払うようになる。
例えば「(5)車酔いになる」に対応するキャラクタ情報は、RAMに記憶されたイベントフラグがONされており、かつ、運転状態として蛇行運転を示す情報が記憶されている場合に出力される。このような場合、カーブの連続した道路を車が走行している可能性が高いためである。
制御部18は、キャラクタ画像が表示部5に表示された場合、キャラクタが車酔いで気分が悪くなったように振る舞うアニメーションを出力する。また、制御部18は、キャラクタの苦しそうな音声(「ん、んんんん、ちょっと気分悪くなっちゃった、すみません」「もうそんな運転するから酔っちゃった。はうう。」等)を、親密度に応じて選択し、キャラクタ音声としてスピーカ16から出力する。これによって運転者は、キャラクタの車酔いした状態を可哀想に思い、スピードを落とした丁寧な運転を心がけるようになる。このようにして本システムは、運転者に丁寧な運転を促すことができる。
例えば「(6)急減速、(7)急加速、(8)右急ハンドル、(9)左急ハンドル」に対応するキャラクタ情報は、RAMに記憶されたイベントフラグがONであり、かつ、運転状態として、急減速、急加速、右急ハンドル、および左急ハンドルを示す情報が記憶されている場合に出力される情報である。これらのような運転方法で運転者が運転を行った場合、車両が交通事故を起こす可能性が高くなるためである。制御部18は、キャラクタ画像が表示部5に表示された場合、キャラクタが検出された加速度の方向によろけるようにバランスを崩すアニメーションを出力する。また運転方法を通知する音声(急減速:「きゃあ! 転びそうだったよ。次やったら怒るよー?」「ちゃんと前見て運転してるの?よそ見はダメだよ~」等、急加速:「いたーーーい!もー、頭ぶつけたよ!見た!?」「急発進は危ないよっ!もうしないよね?」「ねー、まさかブレーキとアクセル間違えたりしてないよね??」等、右カーブおよび左カーブ:「もうちょっとゆっくりハンドルきってーー目が回っちゃううー」「きゃっ いやああ ちゃんと前みてた? 転げ落ちるかと思ったよ。」「ちょっと信じらんない!ヘタクソー!!!!」等)を、親密度に応じて選択し、キャラクタ音声としてスピーカ16から出力する。これらによって運転者は、乱暴で危険な運転を行っていることに気づき、丁寧な運転を心がけるようになる。このように警告を行うことによって、本システムは、交通事故の発生を未然に防止することができる。
例えば「(16)オービス、取締り、検問警報」に対応するキャラクタ情報は、RAMに記憶されたイベントフラグがONされており、レーダー式オービス、Hシステム、LHシステム、およびループコイル(以下、これらを総称して、オービスという。)を示す情報が周辺情報としてRAMに記憶されており、更に、オービスと車両との間の距離を示す情報が所定の距離(例えば2100m、1100m、600m)である場合に出力される。または、RAMに記憶されたイベントフラグ38がONされており、かつ、取締りまたは検問を示す情報が周辺情報として記憶されている場合に出力される。
例えば「(17)レーダー、カーロケ受信警報」に対応するキャラクタ情報は、RAMに記憶されたイベントフラグがONされており、かつ、速度測定装置または警察用緊急自動車を示す情報が周辺情報としてRAMに記憶されている場合に出力される。
これらの「(16)オービス、取締り、検問警報」、または、「(17)レーダー、カーロケ受信警報」に対応するキャラクタ画像は、次のようにして表示部16に表示される。図25および図26に示すように、はじめに、キャラクタ104の服装が白色(図25)から黒色(図26)に変化する。この変化は、キャラクタ104が変身したことを意味している。なお、この変身前並びに変身後のキャラクタの服装や、アニメーション動作等も優先度に対応して変えると良い。
変身したキャラクタ104は、図27に示すように周辺の目標対象105が示された地図100の表示画面に重ねて表示し、図28に示すように、オービス、取締り、検問、速度測定装置、および警察用緊急自動車のうちいずれかを示す情報74と、車両との間の距離75とを運転者に提供する。また、運転者に表示内容を通知するための音声(「緊急事態、2000メートル先にレーダーオービス発見。」「距離1000メートルまで近づいた!レーダー式オービスよ」「残り500メートルだよ~、写真撮られないでねぇ~」等)を親密度に応じて選択し、キャラクタ音声としてスピーカ16から出力する。
以上のように運転支援システムとしてのレーダー探知機1は、交通を監視する目標対象が車両の近くにあることを、当該目標対象から送信される無線信号を受信することによって認識できる。交通を監視する装置は、交通事故の発生しやすい場所や、過去に事故が発生した場所に設置されることが多い。従ってレーダー探知機1は、交通を監視する目標対象が車両の近くにあることを運転者に通知することによって、交通事故の起こりやすい場所を運転者に認識させ、このような場所で特に安全運転に心がけるよう促すことができる。
また運転者は、キャラクタ104の服装が変わったことで、交通を監視する対象と車両との間の距離が近付いていることを一目で容易かつ明確に認識することができる。運転者は、交通事故の危険性の高い場所を事前に的確に認識し、交通安全に心がけて運転を行うことができる。
また、交通を監視する対象と車両との間の距離が近付いていることがキャラクタ音声によって運転者に通知されるため、運転者が表示部5に目を向けていない場合であっても、レーダー探知機1は、オービス等に車両が近づいていることを運転者に確実に認識させることができる。
なお、具体的な説明を省略するが、他の表現態様についても、親密度に応じたキャラクタ情報の出力がされる。
図16に示すように、制御部18は、運転者によるレーダー探知機1への設定操作を検出したかを判断する(S97)。制御部18は、待機状態において運転者が表示部5にタッチしたことを、タッチパネル6を介して検出した場合、運転者が設定操作を行ったと判断する(S97:YES)、制御部18は、データベース19に記憶された設定画面情報に基づき、設定画面を表示部5に表示する。また制御部18は、運転者による設定操作の内容に応じ、表示部5に表示する設定画面を順次切り替え、設定操作によって設定された設定情報をデータベース19に記憶することで設定情報の設定を行う(S99)。制御部18が設定情報に基づいて処理を実行することによって、レーダー探知機1は、運転者の設定通りに動作する。処理はS101に進む。一方、運転者による設定操作を検出しない場合(S97:NO)、処理はS101に進む。
制御部18は、レーダー探知機1の電源をOFFする操作を検出したかを判断する(S101)。制御部18は、電源をOFFする操作を検出した場合(S101:YES)、キャラクタモード処理を終了し、処理はメイン処理(図12)に戻る。一方、制御部18は、電源をOFFする操作を検出しない場合(S101:NO)、処理はS91に戻る。
(インジケータ付きの変形例)
図29は、本発明の変形例を示す表示画面の一例である。この変形例では、現在の補正係数を表示する表示領域を設けた。すなわち、図29(a)に示すように地図100やキャラクタ104を表示するメイン領域の左サイドに、補正係数表示領域81を設けた。この補正係数表示領域81には、上下方向に発光領域が伸縮するインジケータとしている。この図示するインジケータは、補正係数表示領域81の上下方向の略中央位置が「0」とし、補正係数の値が大きくなるほど上に伸びるようにする。最大値は、ここでは4としている。また、後述する別の変形例で説明するように、補正係数が負の値をとる場合、インジケータの発光領域は補正係数値が0の中央位置から下に伸びる表示態様とする。つまり、インジケータは、図29(b)に示すような模式図のような態様をとる。
また、特に補正係数が負の値も取り得るようにした場合、例えば「1」と「-1」とでは、共に発光領域の長さは同じで、しかもその長さは短く、上下方向の中央付近に位置するため、一目でどちらの値かを理解するのは困難である。特に、走行中の運転者は、表示部5を長時間注視するのはできず、しかも、短い時間で地図100やキャラクタ104の表示内容も確認する必要があるとともに、補正係数表示領域81の表示面積自体が狭いことも相まってなおさら現在の補正係数を認識することが困難となる。
そこで、正と負で発光色を異なるようにした。例えば補正係数が正の値の場合、表示色は、青色や水色等の寒色系で表示し、補正係数が負の値の場合、表示色は、赤色やピンク色などの暖色系で表示する。このようにすることで、上下方向の中央付近に短い発光領域が表示されていたとしても、その色で運転者は、現在の補正係数が正でそこそこの状態であるのか、負となっていて非常にまずい状態であるのかを直感的に理解できる。また、赤色は信号機では「止まれ」を意味し交通標識でも禁止を意味することが多く、これに対し青色は信号機では「進め」を意味するとともに交通標識でも特に禁止の意味は無いので、交通規則を知っている運転者は、反射的に赤色は好ましくない状態であることが理解できる。
制御部18は、かかるインジケータを用いた補正係数の報知機能を実行するため、以下のように動作する。制御部18は、定期的にRAMに記憶された補正係数を読み出し、読み出した補正係数の値に対応するレベルまで所定の色の発光領域となるようにインジケータを表示する。図29(a)の例では、インジケータの発光領域の部分は青色で表示している。
この読み出すタイミング・周期であるが、短い時間(例えば1秒)とするのがよい。現在の運転の状況が補正係数に与えた影響を理解できるからである。例えば、インジケータが正の方向にある程度の長さの状態を維持していると、現在の運転が正しく行われていると確認できる。そして、アクセルペダルやブレーキペダルを踏んだり、右左折や進路変更等でハンドルを切ったりした際にインジケータの発光領域が無くなると、運転者は、加速度が閾値を超えて補正係数が0になったことを知ることができ、直前の運転状況からどの行為に基づいて補正係数が0になったかもわかる。従って、自分の運転の癖(急発進しやすい/急ブレーキを踏みやすい/急ハンドルをしやすい等)を理解でき、特にどのような運転操作に気をつけるべきかの反省をし、補正係数が低下しない運転をするための対策が図れる。また、一旦補正係数が0になると、図17(b)にも示したように、補正係数は徐々に上昇し通常時補正係数に復帰していく。短い期間でインジケータの表示を更新することで、インジケータの発光領域が徐々に伸びていき、徐々に通常時補正係数に向けて復帰しているのがわかる。よって、運転者は、かかる状態を確認できて嬉しくなるとともに、そのまま加速度が閾値を超えることがないように注意して運転を継続するので好ましい。
これに対し、長い期間の平均などをとると、上記の効果を奏することがしにくい。すなわち、補正係数が0に低下しても、その状態がすぐに現れず、運転者はどの運転操作により加速度が閾値を超えたのかが理解できなかったり、その前の高い補正係数により埋もれてしまい補正係数が0に落ちず安全運転をしなかったことを認識しにくくなったりする。さらに、一旦補正係数が落ちても、次にインジケータの表示が更新された際には元に戻っていて、徐々に復帰している状態を認識できないことがある。
また、かかるインジケータの更新周期であるが、定周期処理の周期に合わせると良い。定周期処理を実行する都度補正係数が更新されて補正走行距離に影響を与えるため、かかる現在の補正係数を知ることができるからである。このインジケータの表示処理は、定周期処理と別に平行して行っても良いし、定周期処理として行っても良い。
上述した実施形態では、補正係数に基づいて実際の走行距離を補正して得られた補正総走行距離に基づいて親密度を求め、その親密度に応じたキャラクタ情報を出力するようにした。上述した実施形態によれば、運転者は、加速度が閾値を超えないような運転をすることで効率よく補正総走行距離を伸ばし親密度の増加を図ることができ、一方、加速度が閾値を超えた場合には一定期間、補正係数が小さくなり走行に伴う補正総走行距離の増加率が低下してしまう。しかし、運転者は、現在の運転で補正係数が高い値を維持しているのか、或いは加速度が閾値を超えてしまって低い補正係数であるのかを正確に知ることはできない。
そこでこの変形例のように補正係数表示領域81(例えばインジケータ)を用いて現在の補正係数を報知するようにしたので、運転者は現在の補正係数を知ることができ、現在の運転の仕方、走行状態により変化量がどのように変化・反映されているかがすぐに分かる。よって運転者は、例えばどのような運転操作をすると補正係数が小さく或いは大きくなるかを知ることができる。その結果運転者は、補正係数が小さくならない、或いは大きくなるような運転操作をとることができる。また、運転者に現在の補正係数を知らせることで、運転者に対してこのままの状態を維持しようとか、補正係数がより良好になるようにしようといった意欲をわかせることができる。
またこの変形例では、現在の補正係数を、インジケータを用いて報知したが、本発明はこれに限ることは無く、例えば数値で現わしたり、グラデーションのように色を徐々に変えるなど数値以外の方法で間接的に表現したりしても良い。
さらに現在の補正係数の報知は、補正係数そのものでは無く、補正係数に応じてキャラクタの姿態を変えるようにしても良い。具体的な図示は省略するが、例えばキャラクタの顔の表情を変化させると良い。この変化の一例としては「微笑んでいる」→「普通」→「寂しそう」→「ムッとしている」などとしてり、ほほえみの程度をさらに複数段階に分けても良い。また、顔の表情だけだとわかりにくいとすると、アニメーションの動作を加えるとよい。いずれの場合も、補正係数が大きいものに対応するキャラクタ情報ほど、ユーザが親しみやすい、ユーザにとって嬉しくなるようなある種のご褒美のような内容とするとよい。このキャラクタの姿態を利用した補正係数の報知機能は、単独で実行しても良いし、インジケータ等の他の報知と組み合わせて実行しても良い。
(加速度の変更設定機能付の変形例)
上述した実施形態では、通常時補正係数の値は、閾値が小さいほど大きくし閾値が大きいほど小さい設定としている。この設定は、「敏感-標準-鈍感」を指定することで予め決められた閾値の組み合わせと通常時補正係数のセットを選択するようにした。これに対し、この変形例では、急加速・急減速、右急ハンドル・左急ハンドルを検出する4つの加速度について、それぞれ個々に閾値(検出感度)を設定することができるようにしている。
具体的な設定は、制御部18が図30に示すような内部データ(図30(a),(b)と設定条件を入力するインタフェースである入力画面(図30(c))を用いて行う。すなわち、内部データとして図30(a)に示す感度と、急加速・急減速、右急ハンドル・左急ハンドルの4つの検出対象の組み合わせについてそれぞれの加速度の閾値を関連付けたテーブルと、図30(b)に示す感度と、4つの検出対象の組み合わせについてそれぞれの漸近線値を関連付けたテーブルを持つ。この例では、急加速・急減速については、6つの感度レベルに分け、左右の急ハンドルについては4つの感度レベルに分けた。またデータベース19には、入力画面として図30(c)に示すマトリクス構造の画面情報を記憶しておく。
例えば制御部18は、待機状態において運転者が表示部5をタッチしたことを検出した場合、最初にメインメニュー画面(図示省略)を表示部5に表示する。制御部18は、メインメニュー画面に設けられた加速度センサ感度選択ボタンがタッチされたことを検出すると、図30(c)に示す設定画面を読み出すと共に表示部5に表示する。現在の設定条件のボタン領域は、他のボタン領域と異なる色で表示する。図示の例では、急加速と急減速の感度は4で右急ハンドルと左急ハンドルの感度は3が設定される。
この設定画面における感度と4つの検出対象で特定される各ボタン領域は、加速度センサ閾値(図30(a))と、漸近線値(図30(b))の対応する領域に設定されている数値と関連付けられている。例えば、現在の選択状態を例にとると、急加速の感度4には、加速度センサの閾値が0.4で漸近線値が0.2に関連付けられている。同様に、急減速の感度4には加速度センサの閾値が0.4で漸近線値が0.2が関連付けられており、左右急ハンドルの感度3には加速度センサの閾値が0.5で漸近線値が0.3が関連付けられている。この設定条件では、前後方向の加速度は、いずれか一方でも閾値(0.4)を超えると補正係数が0になり、左右方向の加速度は、いずれか一方でも閾値(0.5)を超えると補正係数が0になる。換言すると、4方向のすべての加速度が、対応する閾値を超えない場合、設定される通常時補正係数を維持する。この通常時補正係数は、各漸近線値の総和である。すなわち、この例では、0.2+0.2+0.3+0.3より、通常時補正係数は1となる。よって、この設定条件では、加速度が閾値以下の場合、走行距離と補正総走行距離が同じ増加量となる。
これに対し、本変形例では、4つの検出対象について個々に感度設定できるため、例えば急加速の感度を鈍感(例えば2)のボタン領域がタッチされたことを検知すると、制御部18は、図30(a)に示す加速度センサ閾値と、図30(b)に示す漸近線値の内データをアクセスし、タッチされた急加速の感度2に関連付けた加速度センサの閾値(0.5)と漸近線値(0.1)を取得し、RAMの該当領域にセットする。すると、急加速についての加速度の閾値は0.4から0.5に変更されたため、閾値を超える確率が低くなり、補正係数が0にリセットされる確率は減少する。一方、この設定条件では、通常時補正係数は、0.9になるので、閾値を超えない運転をしても走行距離よりも補正走行距離は短くなり、距離が伸びない。一方、図30に示す状態から右急ハンドルの感度を4にあげると、制御部18は上記と同様に内部データをアクセスし、RAMに記憶している閾値並び漸近線値を更新する。すると、閾値は0.5から0.45と小さくなるので閾値を超える可能性は高くなるが閾値を超えない運転を継続すれば、補正係数は1.1となり実際の走行距離よりも補正走行距離の方が大きくなる。また、各漸近線値が図30(b)に示すような設定とすると、通常時補正係数は、最大が1.8で最小が0.2となる。
運転者に表示する入力インタフェースは、図30(c)に示すような各感度を相対的な複数段階のレベルを指定する入力画面としたので、図30(a),(b)に示す内部データ(閾値や漸近線値)の具体的な数値を変更したとしても、運転者が見る入力画面は変更しなくて済む。よって、ユーザインタフェースが変わらないので、操作性が良好なまま維持できる。そして、運転者は「厳しい(難しい)」から「緩い(易しい)」までの複数段階のレベルを指定するだけで良く、直感的に設定条件を指定することができる。また、現在の設定条件では、条件を満たさないことが多い場合には、設定条件を1或いは複数段階緩くし、逆に常時設定条件を満足している場合には設定条件を1或いは複数段階厳しくして変化量を大きくするような調整ができ、適切な条件設定が簡単に行える。
このように個々に閾値を設定できるため、運転者は、いずれの方向の加速度も閾値を超えない運転をしつつ高得点(高い通常時補正係数)を得ることができるような組み合わせで閾値を設定できる。
例えばユーザの運転の癖や、車両の特性、走行する道路の状態、本システムを搭載した本機の設置位置等の各種の使用状況により、厳しめの設置条件でも簡単に満たすことができる場合と、できない場合がある。そこで、個々に設定条件を設定することで、4つの検出対象に対してすべての組の設定条件を満たしつつ、通常時補正係数を大きくすることができる。運転の癖としては、速度の変化はあまりしないものの急な車線変更をする運転者の場合、急加速や急減速については敏感(例えば5や6)の設定をし、左右急ハンドルについては鈍感(例えば1)の設定をする。
また、車両の特性としては、例えばマニュアル車の場合には急発進しやすい傾向にあるため急加速の検出鈍感にし、その他は標準或いは敏感にする。また、レーダー探知機1の設置位置より具体的には加速度センサ22の車両内での設置位置が車両の幅方向の中央であれば左右の急ハンドルの感度は同じにするが、設置位置が左右いずれかにずれている場合には右折時と左折時で加速度センサに係る横方向の力が異なるため、一方の感度を敏感にし、他方の感度を鈍感にすると良い。
(補正係数を復帰させる変形例:特に距離定数dを利用)
上述した実施形態では、距離定数dは、エンジンON時に10にするようにした。しかし、エンジンをOFFにしてもそれまでの走行距離Lを記憶している構成を採る場合、エンジンON時からLが所定の大きい数値になっているので10にする対応をしなくても良い。
また、加速度が閾値を超えてLが0にリセットされた場合の固定値であるが、上述した実施形態では、1種類の固定値(例えば100)としたが、加速度が閾値を超えた回数が増えるにつれて距離定数dも大きくしていくと良い。例えば、1回目の閾値を超えた後のdは100とし、2回目は500,3回目は1000,4回目は5000,5回目以降は10000とする。dを変えていくことで、違反を繰り返し行い、悪質な場合、通常時補正係数に復帰するのに必要とする期間(ここでは、走行距離)も長くかかる。このようにすると、加速度が閾値を超える回数が多くなるほど、通常時補正係数に復帰するまでに係る走行距離が長く必要となり、より長時間に渡り低い補正係数となり、補正総走行距離の伸び(増加の変化量)が悪くなる。よって、運転者は、一旦加速度が閾値を超えた運転をした場合、さらに加速度が超えないように注意して運転をすることが期待できる。
このことは、加速度が閾値を超えると、例えば同乗者でもあるキャラクタはヒヤッとしたり、乗り心地が悪く、気分が低下する感情を持つ。そして、係る状態が繰り返し行われている場合には、キャラクタに人格・感情を持たせたとした場合のユーザに対する心証も悪くなり、機嫌が直るに要する時間も長くかかる。上記のdを増やすのは、係るキャラクタの心証の変化も現わしている。
また、上述した実施形態並びに本変形例では、通常時補正係数に復帰するのに必要とする走行距離はdにより決定し、補正係数は当該走行距離に至るまで所定の関数に従って徐々に上昇するようにした。本発明はこれに限ることは無く、階段状にステップ・離散的に上昇するようにしても良いし、所定期間(例えば一定の走行距離を走行)は低下した低い補正係数にして、係る所定期間経過後に一気に通常時補正係数に戻すようにしても良い。一定の走行距離は、固定でも良いし、本変形例のように加速度が閾値を超える回数が増えるにつれて長くしても良い。
(補正係数の調整の変形例1:速度超過に伴う調整その1)
上述した実施形態では、補正係数を小さくするマイナス査定を行う車両の走行に伴う情報として加速度を用いたが、本形態ではさらに車速もその条件の1つに追加している。具体的には、制限速度が設定されている地点を走行中に車速が制限速度以上の速度超過状態で走行している場合、交通規則の制限速度違反であるため補正係数を小さくするマイナス査定を行う。この場合に、制限速度をわずかにオーバーすることは良くあるとともに、周囲の車の流れに反して制限速度を守って走行することはかえって危険である。そこでこの変形例では、速度超過か否かの判定基準となる第一基準速度として、制限速度そのものでは無く、制限速度よりも設定速度だけ高速を設定した。つまり、現在の車速が第一基準速度を超えた場合には補正係数が小さくなるマイナス査定を行い、たとえ制限速度を超えていても第一基準速度以下の場合には速度超過に伴うマイナス査定は行わない。設定速度は、例えば20km/hと設定するとよい。例えば数km/h程度の超過速度は、下り坂になったり周囲の車両の速度が全体的に高速になったのにつられて発生しやすい。そして、周囲の車両が全体的に制限速度以上で走行している場合に、自車両だけ制限速度を遵守して走行していると、かえって危険な状態を招くことになる。そこで、多少の速度超過をしても補正係数へのマイナス査定の制御が生じない設定にすることで、周囲の車両の流れにのった運転をすることができる。一方、20km/hを超える速度は係る事情を生じることが少ないととともに危険の程度が増す。これは、制限速度に対して20km/hを超えると、交通違反時の違反点数も2点になることからも危険度が増す基準となる。そこで、設定速度を20km/hとしてマイナス査定を行うようにした。
また、加速度に基づく補正係数を小さくする制御は、閾値を超えた場合に、その時の補正係数の値や閾値を超えた程度に関係なく補正係数を一律に所定の値(例えば0)に落とすようにしたが、この変形例における速度超過に伴う調整制御は、超過速度の大きさに応じて補正係数を小さくする影響を変えるようにした。これは、速度超過は、同じ速度超過違反といっても制限速度からの超過速度分が大きいほど危険度が増し、悪質と言える。よって、違反の度合い(超過速度)が大きいほど補正係数の低下の影響、すなわち、実際の走行に伴う補正総走行距離の伸び率が低くなるようにした。具体的には、制御部18は、RAMに記憶された車両の現在の位置情報を取得し、データベース19に記憶された地図情報から現在位置に設定されている制限速度を取得し、第一基準速度(制限速度+設定速度)を求める。また制御部18は、RAMに記録されたOBD情報から車速を取得し、車速が第一基準速度を超えたか否かを判断する。第一基準速度を超えた場合、制御部18は下記の式(1)に基づいて補正係数を算出する。
補正係数=-(M^2*L)/(ML+d) …(1)
M=(k-(m/1000))*v^2
ここで、mは、通常時補正係数(漸近線の収束する値)
Lは加速度が閾値を超えてからの走行距離(実際の走行距離) 単位はメートル
dは距離定数
(エンジンON時:10
加速度センサによる反応後:10より大きい固定値 例えば100)
kは速度係数(例えば0.0025)
vは超過速度(車速-第一基準速度)
一方、車速が第一基準速度を超えない場合、或いは制限速度の情報が登録されていない場合、制御部18は下記式(2)に基づいて補正係数を求める。この補正係数の算出は、上述した基本の実施形態と同様である。
補正係数=(m^2*L)/(mL+d) …(2)
例えば制限速度が60km/hに設定されている地点を、81km/hで走行している場合、第一基準速度を超えているので上記の式(1)を用いて補正係数を求める。また、この場合、超過速度vは1km/hとなるので、Mを値は、「k-(m/1000)」となる。また、同一の地点を85km/hで走行している場合、超過速度vは5km/hとなるので、Mを値は、「(k-(m/1000))*25」となる。式(1)により求めた補正係数は、Lが十分に大きいとすると、Mの値とほぼ等しくなるので、超過速度vが大きいほど補正係数の絶対値は大きくなる。Lの値が十分に大きくないと、上述した実施形態における加速度と同様に絶対値はMよりも小さいものの超過速度vが大きいほどMの絶対値が大きくなるのという傾向は同じである。
そして補正係数は、負の値を取るため、第一基準速度を超えた走行していると、走れば走るほど補正総走行距離は減少していく。そして、超過速度vも考慮して補正係数を求めるので、超過速度vが1km/hよりも5km/hの方が、同じ距離だけ走行した場合の補正総走行距離の減少の程度が大きくなる。そして、Mの値は、超過速度の大きさに対して指数関数的に大きくなるので、超過速度が大きくなるほど大きなペナルティを受けることになる。
一方、例えば車速が70km/hの場合、車速は第一基準速度以下であるため、制御部18は上記式(2)に基づいて補正係数を求める。この補正係数は正の値をとるため、速度の走行に伴う補正総走行距離は必ず上昇する。よって、運転者は補正係数が負にならないようにするため、第一基準速度以下で運転するように心がける。
また、上記の変形例では、設定速度の一例として20km/hを示した。この設定速度は、固定値としても良いし、別の条件に応じて切り替えるようにしても良い。別の条件としては例えば、高速道路の制限速度がある。通常の高速道路は、制限速度が80km/hであったり100km/hであったりするので、係る場合の第一基準速度は100km/hや120km/hであったりする。これに対し、制限速度が80km/h未満の高速道路は、設定速度を大きくする(例えば30km/hや40km/h)。また、制限速度に設定速度を加算するのではなく、制限速度に関係なく第一基準速度を制限速度に設定速度を加算した速度よりも速い速度としてもよい。この速い速度は、例えば100km/hとする。
これは例えば首都高速道路などのように制限速度が60kmと一般の高速道路の制限速度よりも遅い速度が設定されているものがある。係る制限速度の遅い高速道路では、周囲の車両が一般の高速道路の制限速度と同様、或いは近い速度(例えば時速90~100km)で走行することがある。係る場合、交通規則を守ることは重要であるが、自車両のみ制限速度の時速60kmで走行していると、他の車両との速度差が時速30~40kmにもなり危険である。そこで、周囲に合せた走行をしても速度超過に基づくマイナス査定が生じないようにすることで、安全運転を促すことができる。
(補正係数の調整の変形例2:一時停止違反に伴う調整)
この変形例では、交通違反をした場合にある条件で変化量、すなわち補正係数を小さくするものである。対象となる交通違反は、一時停止違反とした。一時停止違反をした場合、制御部18は、現在の補正係数から所定値を減算して補正係数を求める。所定値を減算するため、求めた補正係数は負になることもある。さらに同一地点で一時停止違反を複数回行った場合、減算する所定値を大きくするようにした。同じ場所で複数回繰り返して同じ種類の違反をするのは、注意力に欠けるとともに、初回よりも悪い違反行為とも言えるので、複数回繰り返した場合に補正係数を大きく減算して小さい値にし、走行距離の増加に伴う補正総走行距離の伸びが悪くなるようにした。このようにすると、ユーザは交通違反をしないように心がけて運転をすることが期待できる。
さらに、1回目の一時停止違反では、警告するものの補正係数を減算すること無く猶予を与えるようにした。これにより、最初の違反では補正係数が下がらないので、運転者のモチベーションを下げることは無く、次に違反をしないように注意付けをすることができ、結果として安全運転を促すことができる。また、1回目の違反の場合の警告としては、例えば、一時停止違反をした直後に「止まらなかったでしょう 今度は止まってね」等の音声情報を出力するようにしたり、一時停止しなかった場所にその後に行った場合にその手前で、例えば「前回止まらなかったでしょう 今度は止まってね」等の音声情報による警告をスピーカ16から出力したりするとよい。出力する音声による警告メッセージも、親密度に応じて変えるようにすると良い。
このように一時停止違反をしたら1回目からすぐに補正係数を下げるのでは無く、警告として次に同じ種類の違反をしたら補正係数が下がることの予告をし、次に同じ種類の違反をしたら補正係数を下げるようにするとよい。いきなり補正係数を下げるのでは無く、警告することでユーザに対して違反をしないように促すことができる。警告したにもかからず同じ違反をした場合には、キャラクタからの忠告を無視したことになり、補正係数を下げる制御を行う。
具体的には、制御部18は、RAMに記憶する車両位置座標から現在の位置情報を取得し、取得した位置情報に基づきデータベース19に記憶された地図情報にアクセスし、周囲に存在する一時停止の場所を特定する。また、制御部18はRAMに記憶したOBD情報に含まれる車速を取得し、一時停止の場所できちんと一時停止したかを判断する。維持していたか否かの判断は、定周期処理が1秒ごとに行うことから、車速が0の状態が複数サイクル継続しているか否かで行う。
一時停止していなかった場合、制御部18は、EEPROMに記憶された違反状況を検索し、同一場所についての一時停止違反があるか否かを判断し、無い場合には同一場所での1回目の違反と判断し、当該一時停止しなかった場所の位置情報と違反回数(1)を記憶する。また、同一場所での一時停止違反の記録がある場合、それに関連付けられた違反回数を読み出すと共に1インクリメントし、EEPROMの当該違反回数の情報を新たな回数に更新する。
そして、制御部18は、取得した違反回数(初めての場合は1,過去に違反履歴がある場合にはEEPROMから読み出した違反回数を1インクリメントした値)を求め、下記式に基づいて補正係数を求める。
補正係数=(m^2*L)/(mL+d)-s|1-(t^2/τ^2)|
ここで、mは、通常時補正係数(漸近線の収束する値)
Lは加速度が閾値を超えてからの走行距離(実際の走行距離) 単位はメートル
dは距離定数
(エンジンON時:10
加速度センサによる反応後:10より大きい固定値 例えば100)
sは一時停止減点係数 同一場所での違反回数1回目:0
同一場所での違反回数2回目:0.5
同一場所での違反回数3回目:1
同一場所での違反回数4回目以上:2
τはご機嫌回復時定数 600 (10分で完全に機嫌が回復)
tは一時停止違反からの経過時間(秒)
上記の式中、第一項は実施形態と同じ加速度に基づく補正係数の制御であり、第二項が一時停止違反による減点制御である。1回目の違反の場合、一時停止減点係数sが0であるため減点させない。一時停止違反をした時点ではtが0であるので、一時停止減点係数sが現在の補正係数から減算されることになる。そして回数が増えるほど一時停止減点係数sが大きくなるので、補正係数も大きく減算されて小さい値になる。例えば、通常時補正係数が標準の1や、1.2などとしても、同一場所での違反回数が4回目以降は一時停止減点係数sが2であるため、補正係数は一気に負になる。また、同一場所での違反回数が3回目であっても、通常時補正係数が0.8など低めに設定している場合には、補正係数が負の値になる。さらに、2回目等であっても、第一項による加速度に基づく制御で補正係数が小さくなっている区間で一時停止違反をすると、補正係数の値は負になる。
この負になっている区間は、走行距離が増加するにつれて補正総走行距離は減少するという非常に大きなペナルティとなる。従って、運転者は一時停止の場所ではきちんと一時停止をするように心がけ、安全運転となる。
なお、一時停止違反による減点が影響している期間は、経過時間τにより規定される。第二項から分かるように、この変形例ではt=τとなる600秒=10分で固定されているが、違反回数によってτも変えるようにしても良い。例えば、2回目は回復に10分、3回目は回復に30分、4回目は回復に60分かかるようにしても良い。
(補正係数の調整の変形例3:速度超過に伴う調整その2)
上記の変形例1では、第一基準速度を超えた場合、補正係数は負の値をとるようにした。よって、第一基準速度以下で走行している場合には、補正係数が正の値であったのが第一基準速度を1km/hでも超えると補正係数は負の値に一気に落ちる。これに対し、この変形例3では、第一基準速度を超えた場合に補正係数を小さくする制御を行うが、正の値になるようにする。この補正係数を正の範囲内で小さくする制御としては、例えば、上述した実施形態における補正係数を求める式(変形性1における式(2))におけるLを、超過速度vに応じて適宜の値に設定する。このようにすると、加速度が閾値を超えると補正係数は一旦0にリセットされるが、速度超過による減点の場合、超過速度vに応じたLに対応する補正係数の値からリスタートし、徐々に増加することになる。また変形例2における一時停止による減点のように、速度超過による減点の項を別途設けても良い。
さらには、第一基準速度を超えた第二基準速度を設定し、その第二基準速度を超過した場合には第一基準速度を超えた場合における超過速度分に応じた補正係数を下げる程度よりも大きく下げるとよい。この場合に第二基準速度は、例えば一発免停になる速度(時速30km超過)とするとよい。一発免停になる速度超過の状態は、大きな事故につながる非常に危険な運転状態といえる。係る運転状態では、補正係数を大きく下げる、つまり、非常に小さい値(例えば負の値)にするとよい。このような設定とすることで、逆に運転者は係る事態を招かないように注意して運転することになり、結果として上記の設定速度を超える過大な速度超過となることは無く、安全運転を促すことができる。
(関係性(親密度)を悪化させる制御機能を備えた変形例)
上述した実施形態並びに各変形例は、補正係数の値を制御することで、最終的に関係性を示す親密度の増加に影響を与えるようにしたが、この本変形例では、関係性を悪化する制御を行う機能として親密度の決定に直結する補正総走行距離を一気に大きく減少・減点させる制御機能を備えた。設定された減点条件を満たした場合に、この悪化する制御を行うようにすると、今まで蓄積していった関係性が一気に崩れる事態となるので、ユーザは係る事態が生じないように努力することが期待できる。
ペナルティの程度は、第一基準速度を超えた速度超過等に基づく補正係数の制御に比べて非常に大きいこともあり、この減点条件は、より重大なものとする。速度超過を例に取ると、例えば第一基準速度よりもさらに速い第三基準速度を超えた場合とするとよい。この第三基準速度としては、例えば一発免停になる制限速度よりも30km/h超過とするとよい。一発免停になる速度超過の状態は、大きな事故につながる非常に危険な運転状態といえる。係る運転状態では、軽微な速度超過のときに比べてキャラクタも人格を持っていると仮定すると非常に恐がり、運転者であるユーザに対する親密度・信頼性も低下することが予測できる。そこで、補正総走行距離を大きく下げる。この下げる距離としては、例えば1000km単位といった過大な量に設定する逆にユーザは係る事態を招かないように注意して運転することになり、結果として上記の設定速度を超える過大な速度超過をすること無く、安全運転を促すことができる。また、この第三基準速度の例示(30km/h超)として、上述した変形例3で示した第二基準速度と同じ速度を示したが、具体的な速度は同じでも良いし異なっていても良い。目的により適宜設定する。
さらに、補正総走行距離を大きく下げる減点条件として、N回以上(例えば連続して3回)の違反を行うこととする。例えば速度超過などの違反の場合、速度超過に気がついてもすぐに制限速度以下に戻すことは難しいし、急に制限速度以下になるようにするためには急減速をすることになりかえって危険である。一方、一定期間連続して速度超過を継続していると、減速して制限速度を守る意志がないと推定できるとともに、危険な運転である。
このとき、[N-1]回までは音声等による警告などをする。警告として例えば次に同じ種類の違反をしたら信頼性が下がることの予告をし、同じ種類の違反を継続している場合に親密度に起因する補正総走行距離を大きく下げるようにする。いきなり下げるのでは無く、警告することでユーザに対して速度低下を促すことができる。警告したにもかからず同じ違反をした場合には、キャラクタからの忠告を無視したことになり、補正総走行距離を下げる制御を行う。
具体的には、制御部18は、RAMのOBD情報に含まれる車速を定期的(例えば1秒)に取得し、第三基準速度を超えているかを判断する。第三基準速度以下の場合には、今回の判断は終了する。第三基準速度を超えている場合、制御部18は、1回目の警告をする。その後継続して定期的に第三基準速度を超えているかの判断を行う。継続して監視中に、一度でも車速が第三基準速度以下になった場合、今回の一連の速度超過状態が解消したとする。その後に第三基準速度を超えた車速になった場合、改めて1回目の警告を行う。また、第三基準速度を超えた状態が一定時間(例えば3分間)継続した場合、制御部18は、2回目の警告を行う。制御部18は、その後さらに継続して定期的に車速を取得すると共に第三基準速度と比較する。そして、一度でも車速が第三基準速度以下になった場合、今回の一連の速度超過状態が解消したとする。よってその後に第三基準速度を超えた車速になった場合、制御部18は改めて1回目の警告を行う。一方、2回目の警告の後も第三基準速度を超えた状態が一定時間(例えば3分間)継続した場合、制御部18は、補正総走行距離を所定距離分(例えば1000km)減算する。6分間にも渡り第三基準速度を超えた速度で継続して走行している場合、制限速度を守る意志がなく、キャラクタのお願いを聞き入れないため、キャラクタの親密度が大きく低下する。
また、6分間にわたり第三基準速度を超えた速度で走行した場合、キャラクタが怒っていなくなるようなキャラクタ情報の出力(キャラクタを表示しない)を合わせて取るようにするとよい。このようにすると、運転者は補正総走行距離が大きく減算して親密度が低下することに加え、キャラクタがあたかも家出したようにキャラクタ情報が出力されないので運転者はキャラクタに会えないので寂しくなる。そこで運転者は、設定された条件を満たさないような運転を心がけることになるので、この変形例に示すように設定された条件として非常に危険な運転など好ましくない運転とすると、運転者は適切な運転をすることになるので良い。
(確率的に出力されるキャラクタ情報(ナイトドライブモード)を備えた変形例)
実施形態でも説明したが、キャラクタ情報は、制御部18が取得したOBD情報や位置情報や地図情報等に基づき、図20~図24に示す内部データの中から該当するキャラクタ情報を抽出し、出力する。この変形例では、キャラクタ情報の中に確率的に出力されるものを備え、関係性がこの確率に影響を与えるようにした。このようにすると所定のキャラクタ情報が出力される確率が、関係性により左右されるためゲーム性が増しおもしろい。
この確率により出現するキャラクタ情報は、夜の時間帯に出力するナイトドライブモードである。すなわち、実施形態で説明したように、「(3)就寝中の寝言」(図24)は、夜の時間帯において10分~30分間に5分の周期で、寝言を言うキャラクタ情報を出力する。つまり、キャラクタも生き物で夜の時間帯は寝ているため、周囲の目標対象があっても昼の時間帯のように係る目標対象の存在を報知しない。換言すると、キャラクタ情報の出力内容は、時間帯により異なり、昼の時間帯はキャラクタが起きて色々な報知を行う通常の動作時間帯であり、夜の時間帯は寝ていて主だった活動をしない(寝言を言う)非通常(待機)の動作時間帯がある。
すると例えば運転者が主に夜の時間帯に走行するような場合、寝言のように寝た状態を示すキャラクタ情報が出力されるので面白味に欠ける。係る場合、動作時間帯を昼と夜で逆転する設定にしても良いが、夜活動し昼に寝るのはキャラクタの人間味が欠けてくるので好ましくない。そこで本変形例では、ドライブモードとして、確率によってキャラクタが目を覚まして夜の時間帯であっても関係性(親密度)に基づく昼の時間帯のキャラクタ情報の出力といった通常の動作を行う機能を備える。これにより、何回かに一回は夜間でも動作するのでゲーム性が増しおもしろい。しかも、寝ているキャラクタが自分のために起きてくれて、目標対象の存在を報知するなど昼の時間帯の通常の動作を行ってくれるため、感激するので良い。
そして、その動作する確率を関係性(親密度)と関連付けることで、よりゲーム性が増す。特に、関係性が良好になるほど動作する確率が高くなるようにすると、ユーザは関係性がより良好になるように心がけるので好ましい。
具体的に、ナイトドライブ動作の契機は、夜の時間帯に表示部5を2回タッチすると、制御部18が所定の確率で昼間の動作を行うか否かを決定する。2回タッチは、寝ている人を起こすように「つんつん」「とんとん」と軽くたたく状態を表す。このナイトドライブモードが起動するか否かの確率が、関係性・親密度の高さに従って高くする。上述した実施形態では、親密度は0から3の4段階に分けているので、例えば親密度が0の場合には確率が1/4,親密度が1の場合には確率が1/2,親密度が2の場合は確率が3/4,親密度が3の場合には確率は1/1(100%)とするとよい。
また、このように4段階のようなラフな分け方ではなく、より細かく分けても良い。例えば、ナイトドライブモード用の親密度のレベルを
レベル=補正総走行距離/10000
とし(10kmごとにレベルが1つ増加)、
レベル*0.25 [%]
の確率でキャラクタは誘いに応じてドライブモードが起動し、各種のキャラクタ情報を出力する。このようにすると、4000kmを超えると確率は100%を超えるため常に起動するようになる。
また、ナイトドライブモードで動作するキャラクタは、ドレスアップしたナイトドライブ用のウェアを着ているとよい。
(補正係数の調整の変形例4:エコ運転状況に伴う調整)
本変形例は、補正係数を調整する際の情報として、エコ運転状況を利用する。エコ運転は、例えば燃費に基づいて求める。そして、制御部18は、エコ運転をしていると判断した場合にプラス査定をして補正係数を所定値だけ増加する。
OBD情報には、エンジンONからの平均燃費である今回燃費と、瞬間燃費(200ms毎)と、過去の走行時の燃費も含めた平均燃費である生涯燃費がある。これらの燃費に関する情報は、RAMのOBD情報に記憶されているため、制御部18は、RAMに記憶されている瞬間燃費と今回燃費を読み出して比較し、瞬間燃費の方が大きい(燃費が良い)場合にエコ運転をしているとし、補正係数に所定の増加値(例えば0.5)を加算する。すると例えば通常時補正係数が2とすると、エコ運転をしている間は補正係数は2.5にアップする。
今回燃費は、エンジンONからの瞬間燃費の履歴の平均であるため、瞬間燃費が高くなるとその後にそれが今回燃費に反映されて高くなるし、瞬間燃費が低くなるとその後にそれが今回燃費に反映されて低くなる。よって、常時瞬間燃費の方が今回燃費よりも高いエコ状態の状態を継続することはできず、瞬間燃費が今回燃費を超えたり、下回ったりすることが交互発生する。両方の状態が発生することからプラス査定のみを採用した。
特に停止時などアクセスペダルを踏まずにフットブレーキやエンジンブレーキを使用する期間は、瞬間燃費は高くなるため係る状態が発生するようにするとよい。そして、今の運転の評価(エコ運分をしているか否か)等が速やかに行うことができる。
運転者は、プラス査定をもらおうとしてユーザは積極的にエコ運転をするようになる。エコ運転をすると、燃料の消費量が少なくて済み経済的であり、また、環境にも優しく、また速度変動も少ないため乗り心地も良い運転となるので好ましい。
(キャラクタ情報の出力に関する変形例)
本変形例では、制御部は設定された条件(家出条件)を満たすと、復帰条件を満たすまでキャラクタ情報が出力されないようにする機能を備える。家出条件は、例えば乱暴な運転や、キャラクタの言うことを聞かないことなどがある。乱暴な運転は、例えば、所定の速度(例えば第三基準速度)を超えて運転をした場合や、加速度が閾値を超える状態が一定期間にわたり複数回発生する場合などがある。キャラクタの言うことをきかないとは、警告をしたにもかかわらず警告に従わずに運転を継続する場合などがある。
復帰条件は、例えば一定時間経過や一定の走行距離の走行などの定型的な条件や、後述する所定のアイテムの付与などがある。一定時間経過は、例えば、本システムの稼働時間でも良いし、実世界での経過時間でも良い。キャラクタ情報が出力されない事態になると、ユーザは当該キャラクタに会えないので寂しくなる。そこで、ユーザは、設定された条件を満たさないような運転を心がけることになるので、設定された条件として非常に危険な運転など好ましくない運転とすると、ユーザは適切な運転をすることになるので良い。また、一旦をキャラクタ情報が出力されないようになっても、たとえば、定型的な条件をクリアすると再びキャラクタ情報が出力されるが、係る定型的な条件のクリアを待たない場合、例えばアイテムの付与など特殊な復帰条件によりキャラクタ情報が出力される仕組みを組み込むことで、ユーザはアイテムのゲットをするための行為を行うことになり、ゲーム性が増す。アイテムのゲットは、例えば所定の場所に実際に移動することで行ったり、所定のサーバ・サイトにアクセスし有償・無償でゲットしたりする。
(アイテムゲット機能を備えた変形例)
地図上にキャラクタの状態へ影響を与えるアイテムの設置ポイントを設定し、車両がその設置ポイントの場所に行くと、ある確率で前記アイテムをゲットする。設置ポイントは、例えば、高速道路におけるSAやPA、良好な景観箇所にある駐車場であるビューポイントパーキングや、一般道路道の駅や、ハイウェイオアシスとするとよい。この場合に、それらの設置ポイントにある駐車場で停車することがアイテムのゲットの条件とすると良い。
いずれも駐車施設を併設しているため、運転の途中で休憩のために立ち寄ることがあり、これらの駐車施設を利用することで運転者に休息を与えることができるので好ましい。駐車場での停車を要件とするのは、単なるSA等を通過することを排除するためである。
ゲットしたアイテムは、保存でき、使用することでキャラクタの状態へ影響を与える。キャラクタの状態は、キャラクタ情報の出力に影響を与えることになり、ゲーム性が増すのでよい。
アイテムは、例えば関係性(親密度)を改善するためのアイテム(RAMに記憶する補正総走行距離に所定距離を加算等)、一定期間補正係数が下がらないアイテム、一定期間補正係数が増加するアイテム、補正係数が通常時補正係数に復帰するアイテム、キャラクタが画面から消えた状態から戻る(画面に出てくる)アイテム、ナイトモードが起動する確率をアップするアイテムなどがある。
例えば補正係数が下がらないアイテムとしては、例えば酔い止めドリンクがある。酔い止めドリンクを飲ますと、一定期間(時間や走行距離等)にわたって加速度センサが反応しない、すなわち、加速度が閾値を超えることがあっても補正係数が下がらないように制御する。つまり、制御部18は、加速度が閾値を越えてもLをリセットすることなく加算していく。コレにより、例えば山道などでカーブが続き、左右方向の加速度が閾値を超えやすいときでも加速度を気にすることなく運転ができる。この酔い止めドリンクは、山道の前に飲ませると良いので、例えばふもとの道の駅等に設置すると良い。
キャラクタが画面から消えた状態から戻る(画面に出てくる)アイテムは、例えばプレゼントアイテムがある。すなわち、第三基準速度を連続して3回超えるなどの家出条件を満たすと、キャラクタは出現しなくなる。係る場合、例えば24時間経過するなど所定の復帰条件を満たせば、キャラクタは再び表示部に出現するが、プレゼントアイテムを与えることでキャラクタの機嫌が戻りすぐに表示部に出現し復帰する。
このキャラクタのゲットは、まず制御部18がRAMに記憶された車両位置座標を読み出して現在位置を認識し、データベース19に記憶された地図情報から周囲にアイテム設置場所があるか否かを判断する。そして設置場所がある場合、その設置場所に設定されたアイテムが提供可能になるか否かを、設定された確率に基づいて決定する。そして制御部18はアイテムが提供可能になると、アイテムゲットフラグフレーズを発声し、そこまで案内する。係る案内は、例えばアイテムが設定されている場所を特定する情報(位置に関する情報を報知したり、設備の名称(○○サービスエリア)を報知したりする。音声のみとしたり、キャラクタが表示部状で所定のアニメーションや、表示部に表示される該当する設備のアイコンを目立たせるようにしたりすることがある。
アイテムが提供可能になるための条件とは、上記の確率により提供可能が選択されることに加え、補正係数がある閾値以上(安全運転状態)である必要がある。さらに、SA/PAなどは高速道路に配置されているため、現在の車両の走行位置が高速道識別をしていない場合は、たとえ近くに行ってもアイテムゲットフレーズを発声しない。
運転者は、アイテムゲットフラグフレーズ等により周囲に所定のアイテムが存在することを知ると、自己が必要なアイテムか否かを判断し、必要な場合にはその目標対象まで移動する。そして、その目標対象(駐車場)で停車することでアイテムがゲットできる。ゲットしたアイテムは、例えばRAMに記憶しても良いし、EEPROMに記憶しても良い。また、道の駅等は一般道にあるので、比較的容易に何回も立ち寄ることができる。そこで、同一箇所のアイテムのゲットは1個/1日に制限する。
(その他の変形例)
設定条件を満たさなかった場合の変化量の下げ幅は、設定条件の厳しいか否かにかかわらず一定としても良いし、設定条件の難易度に応じて下げ幅を異ならせても良い。上述した実施形態並びに変形例では、親密度による変化は、キャラクタ音声のみとしたが、キャラクタ画像を変えても良い。また、車速はOBD情報に含まれる車速情報を利用して取得するようにしたが、本発明はこれに限ることは無く、例えば位置情報の履歴に基づいて速度を算出してよい。さらに、キャラクタが音声を出力、おしゃべりする回数・頻度も親密度が高いほど多くなるようにするとよい。また、親密度の良好にする制御は、走行速度を基準として行ったか、電源ON時間等を基準としても良い。
上記の実施形態並びに変形例では、本発明のシステムの適用機器としてダッシュボードその他の車内の所定位置にブラケット3を用いて貼り付け等により固定設置するタイプのレーダー探知機を例に挙げて説明したが、ルームミラーに取り付けるミラータイプのレーダー探知機にも適用できる。更に、本発明はレーダー探知機に限ることはなく車載用の各種の電子機器の機能として実施することができる。たとえば、ナビゲーション装置等の機能として組み込んでもよい。
上述した実施形態並びに変形例では、装置内に各種の情報を記憶したデータベース19を備え、制御部18は係るデータベース19にアクセスして必要な情報を読み出し、各種の処理をしたが、本発明はこれに限ることはない。すなわち、データベース19に登録する情報の一部または全部をサーバに登録しておく。そして、レーダー探知機その他の電子機器・装置は、係るサーバと通信する機能を備え、制御部18は、適宜サーバにアクセスし、必要な情報を取得して処理を実行するシステムとしてもよい。係るサーバに制御部の一部または全部を実装し、サーバ側で処理の一部を実行させ車載機側ではその結果を取得し、所定の表示をするものでもよい。さらに、表示装置は、別の車載機器や車両に実装された装置のものを利用するものでもよい。
実施形態等では現在位置情報を検出するGPS受信器を内蔵したが、本発明ではGPS受信器を備える構成は必須ではなく、車両或いは他の車載機から現在位置情報を取得し、その取得した情報に基づいて警報対象との接近関係の有無の判断等をするものでも良い。