JP7437146B2 - 単一相水性日焼け止め化粧料 - Google Patents

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Description

本開示は、日焼け止め化粧料に関する。
近年、種々の日焼け止め化粧料が開発されている。
特許文献1には、(A)6~40質量%の紫外線吸収剤、(B)有機変性粘土鉱物、(C)前記(B)以外の油相増粘剤、(D)HLBが8未満のシリコーン系界面活性剤、(E)球状樹脂粉末、及び(F)揮発性シリコーン油を含有し、[(B)成分と(C)成分との合計量]/[(G)シリコーン油以外の不揮発性液状油分の合計量]の比率が0.04以上0.68未満である、油中水型乳化日焼け止め化粧料が開示されている。
特許文献2には、(A)(a1)スルホン酸基含有水性紫外線吸収剤、(a2)ビスエチルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、(a3)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、及び、(a4)エチルヘキシルトリアゾンを含む紫外線吸収剤、(B)極性油、(C)高級アルコール、及び、(D)非イオン性界面活性剤を含み、前記(a2)ビスエチルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、(a3)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、(a4)エチルヘキシルトリアゾン、及び(B)極性油の合計配合量が45質量%以下である、水中油型乳化化粧料が開示されている。
特開2017-071602号公報 特開2018-145117号公報
日焼け止め化粧料は、一般に、油性の紫外線吸収剤が使用されており、かかる紫外線吸収剤は、例えば、乳化化粧料における油相中に取り込まれる。そのため、従来の日焼け止め化粧料には、べたつき感を呈しやすい油分が比較的多く含まれていた。
水性の紫外線吸収剤も市販されているが、例えば、このような水性紫外線吸収剤を含む単一相の水性化粧料を調製し、それを肌に適用すると、一般的に疎水性である肌表面で化粧料がはじかれてしまうため、水性紫外線吸収剤を肌表面に均一に適用できず、十分な紫外線遮蔽性能を発揮させることができなかった。
したがって、本開示の主題は、肌又は髪の表面に水性紫外線吸収剤を均一に適用することができ、それによって良好な紫外線遮蔽性能を発揮させることができる単一相水性日焼け止め化粧料を提供することである。
〈態様1〉
水、水性紫外線吸収剤、及び水性被膜形成剤を含み、かつ、
105%以上のブースト率を呈する、
単一相水性日焼け止め化粧料。
〈態様2〉
前記水性被膜形成剤が、多糖類若しくはその誘導体、及びウレタン系ポリマーから選択される少なくとも一種である、態様1に記載の化粧料。
〈態様3〉
前記水性被膜形成剤の含有量が、化粧料全量に対し、0.1質量%以上である、態様1又は2に記載の化粧料。
〈態様4〉
前記水性紫外線吸収剤が、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びテレフタリリデンジカンフルスルホン酸から選択される少なくとも一種、又はその塩である、態様1~3のいずれかに記載の化粧料。
〈態様5〉
前記水性紫外線吸収剤の含有量が、化粧料全量に対し、1質量%以上である、態様1~4のいずれかに記載の化粧料。
〈態様6〉
粘度が、3,000mPa・s以下である、態様1~5のいずれかに記載の化粧料。
〈態様7〉
スプレーで噴霧して使用される、態様1~6のいずれかに記載の化粧料。
〈態様8〉
容器、及び前記容器に収容されている態様1~7のいずれかに記載の化粧料を含む、日焼け止め化粧品。
〈態様9〉
前記容器が、スプレー容器である、態様8に記載の化粧品。
本開示によれば、肌又は髪の表面に水性紫外線吸収剤を均一に適用することができ、それによって良好な紫外線遮蔽性能を発揮させることができる単一相水性日焼け止め化粧料を提供することができる。
(a)は、水及び水性紫外線吸収剤を含むが水性被膜形成剤を含まない化粧料を肌にスプレー塗布したときの状態を示す模式図であり、(b)は、スプレー塗布された化粧料を手で塗り広げたときの状態を示す模式図であり、(c)は、肌表面で化粧料がはじかれた状態を示す模式図である。 (a)は、水、水性紫外線吸収剤及び水性被膜形成剤を含む本開示の化粧料を肌にスプレー塗布したときの状態を示す模式図であり、(b)は、スプレー塗布された化粧料を手で塗り広げたときの状態を示す模式図であり、(c)は、乾燥して被膜化した状態を示す模式図である。 280~400nmの波長に対する各化粧料の吸光度に関するグラフである。
以下、本開示の実施の形態について詳述する。本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、発明の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本開示の単一相水性日焼け止め化粧料は、水、水性紫外線吸収剤、及び水性被膜形成剤を含んでいる。
原理によって限定されるものではないが、本開示の単一相水性日焼け止め化粧料が、肌表面に水性紫外線吸収剤を均一に適用することができ、それによって良好な紫外線遮蔽性能を発揮させ得る作用原理は以下のとおりであると考える。
水と水性紫外線吸収剤を単に混ぜて調製した化粧料を、例えば、スプレーで肌に塗布すると、図1(a)に示すように、化粧料は肌表面に点在するように適用される。この状態の化粧料を手で塗り広げると、図1(b)に示すように、化粧料は一時的に肌全体に適用されるが、肌表面は一般に皮脂等によって疎水性を呈するため、図1(c)に示すように、水性紫外線吸収剤及び水のみを含む化粧料ははじかれて再び点在したような状態となる、戻りはじき現象が生じてしまう。その結果、図1(c)に示すように、水性紫外線吸収剤で覆われていない、肌がむき出しとなった箇所が形成されるため、水性紫外線吸収剤及び水のみを含む化粧料は、良好な紫外線遮蔽性能を発揮することができないと考えられる。この戻りはじき現象は、一般的に疎水性である髪に対しても同様に生じ得る現象である。
油分及び油性紫外線吸収剤を含む化粧料を使用した場合には、かかる化粧料は、疎水的な肌又は髪の表面になじみやすいため、このような戻りはじき現象は生じない。つまり、この戻りはじき現象は、水及び水性紫外線吸収剤を含む単一相の水性化粧料を使用した場合に生じる特異的な現象であると考えられる。
本開示の単一相水性日焼け止め化粧料は、水と水性紫外線吸収剤に加えて、水性被膜形成剤を含んでいる。その結果、かかる化粧料を、例えば、スプレーで肌に塗布して手で塗り広げると、塗り広げられた化粧料は、水性被膜形成剤によって水分及び水性紫外線吸収剤を含む膜として肌表面に塗り広げられた状態で概ね固定されるため、戻りはじき現象が生じず、乾燥後は、図2(c)に示すように、水性紫外線吸収剤を含む膜で肌全体が覆われ、それによって良好な紫外線遮蔽性能を発揮することができると考えられる。
なお、図1及び図2では、水性紫外線吸収剤2の存在を分かりやすくするために、水性紫外線吸収剤を粒子状に表記しているが、水性紫外線吸収剤は、水中に粒子状に分散している状態に限らず、水に均一に溶解して存在していてもよい。
本開示における用語の定義は以下のとおりである。
本開示において「単一相」とは、実質的に、水相で構成される単一の相を意図している。ここで「実質的に」とは、例えば、油分(例えば油溶性の紫外線吸収剤)がアルコールなどによって溶媒和又は可溶化して水相中に僅かに取り込まれることは許容されるが、例えば、水中油型乳化化粧料に含まれるような、界面活性剤等によって乳化された油滴(乳化粒子)は含まれないことを意図している。
本開示において「ブースト率」とは、水性紫外線吸収剤を含むが水性被膜形成剤を含まない化粧料を所定の基材に塗り広げて乾燥させて調製した試験サンプルの吸光度の積算値に対する、この化粧料と同量及び同種の水性紫外線吸収剤と、水性被膜形成剤とを含む化粧料を用いて同様に調製した試験サンプルの吸光度の積算値の割合を意図する。
《単一相水性日焼け止め化粧料》
本開示の単一相水性日焼け止め化粧料は、水、水性紫外線吸収剤、及び水性被膜形成剤を含んでおり、肌又は髪の表面に水性紫外線吸収剤を均一に適用することができ、それによって良好な紫外線遮蔽性能を発揮させることができる。
〈ブースト率〉
肌又は髪の表面に適用した化粧料に関する、均一な適用状態、及び良好な紫外線遮蔽性能は、ブースト率によって間接的に規定することができる。つまり、本開示の化粧料で使用される水性被膜形成剤は、紫外線吸収剤に比べると、その紫外線吸収能は極めて低いため、水性被膜形成剤による紫外線吸収能は実質的に無視することができる。上述したように、本開示において「ブースト率」とは、水性紫外線吸収剤を含むが水性被膜形成剤を含まない化粧料を所定の基材に塗り広げて乾燥させて調製した試験サンプルの吸光度の積算値に対する、この化粧料と同量及び同種の水性紫外線吸収剤と、水性被膜形成剤とを含む化粧料を用いて同様に調製した試験サンプルの吸光度の積算値の割合である。つまり、このブースト率を上昇させることができる化粧料は、肌又は髪の表面における戻りはじき現象、即ち、剥き出し部分の発生を低減又は防止することができ、水性被膜形成剤を含まない化粧料に比べ、肌又は髪に対して均一に適用されているといえる。
本開示の単一相水性日焼け止め化粧料は、105%以上、107%以上、110%以上、又は112%以上のブースト率を達成することができる。ブースト率の上限値については特に制限はないが、例えば、150%以下、145%以下、又は140%以下とすることができる。このブースト率は、後述の実施例に記載される装置及び方法を用いて評価することができる。
〈水〉
水の配合量としては、特に制限されるものではないが、例えば、さっぱり感又はみずみずしい使用感の提供、スプレー塗布性能等の観点から、化粧料の全量に対し、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、又は80質量%以上とすることができ、また、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、又は60質量%以下とすることができる。
本開示の水中油型乳化化粧料で使用し得る水としては、特に限定されるものではないが、化粧料、医薬部外品等に使用される水を使用することができる。例えば、イオン交換水、蒸留水、超純水、水道水等を使用することができる。
〈水性紫外線吸収剤〉
水性紫外線吸収剤は、所望の紫外線遮蔽能が得られるように適宜配合すればよく、その配合量としては特に制限はない。水性紫外線吸収剤の配合量としては、例えば、化粧料の全量に対し、1質量%以上、2質量%以上、又は3質量%以上とすることができる。水性紫外線吸収剤の配合量の上限値としては特に制限はないが、例えば、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、又は8質量%以下とすることができる。
水性紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、例えば、水溶性又は水分散性の紫外線吸収剤を使用することができる。このような紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩及びその塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びその塩(「2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及びその塩」と称する場合がある。)、フェニレン-ビス-ベンゾイミダゾール-テトラスルホン酸及びその塩等のベンゾイミダゾール系紫外線吸収剤、3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、ウロカニン酸及びその塩、ウロカニン酸エチルエステル、ベンジリデンカンフルスルホン酸及びその塩、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸及びその塩などを挙げることができる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、肌等に対する安全性、紫外線遮蔽性等の観点から、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びテレフタリリデンジカンフルスルホン酸から選択される少なくとも一種、又はその塩であることが好ましく、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びテレフタリリデンジカンフルスルホン酸から選択される少なくとも一種であることがより好ましく、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸とテレフタリリデンジカンフルスルホン酸とを併用することが特に好ましい。
〈水性被膜形成剤〉
水性被膜形成剤は、肌又は髪の表面に被膜を形成し得るように、即ち、所定のブースト率を呈し得るように適宜配合すればよく、その配合量としては特に制限はない。水性被膜形成剤の配合量としては、例えば、化粧料の全量に対し、0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上、0.4質量%以上、又は0.5質量%以上とすることができる。水性被膜形成剤の配合量の上限値としては特に制限はないが、スプレー塗布性能、べたつき感の低減、乾燥後の膜の使用感等の観点から、例えば、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、8質量%以下、又は5質量%以下とすることが好ましい。
水性被膜形成剤としては、肌又は髪の表面に被膜を形成し、所定のブースト率を呈し得るものである限り特に制限はなく、例えば、多糖類若しくはその誘導体及びウレタン系ポリマーから選択される少なくとも一種を使用することができる。ここで、多糖類の誘導体としては、例えば、水溶性アルキル置換多糖誘導体などを挙げることができる。
多糖類としては、例えば、サクシノグリカン、キサンタンガム、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースガム、寒天などを挙げることができる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。中でも、キサンタンガム及びセルロースガムが好ましく、これらはより優れたブースト率を提供することができる。
ウレタン系ポリマーとしては、例えば、ウレタン結合を有するポリマーを挙げることができ、具体的には、ポリウレタン-10、(ポリウレタン-24/メタクリル酸メチル)クロスポリマー、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、(PPG-17/IPDI/DMPA)コポリマーなどを挙げることができる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。中でも、(ポリウレタン-24/メタクリル酸メチル)クロスポリマー、(PPG-17/IPDI/DMPA)コポリマーが好ましく、これらはより優れたブースト率を提供することができる。ここで、例えば、(ポリウレタン-24/メタクリル酸メチル)クロスポリマーにおける括弧内の成分は、ポリマーの調製に使用された成分を意図する。すなわち、(ポリウレタン-24/メタクリル酸メチル)クロスポリマーとは、ポリウレタン-24及びメタクリル酸メチルを含む溶液から得られる重合体を意図する。また、「PEG」とは、「ポリエチレングリコール」を意図し、「HDI」とは、「ヘキサメチレンジイソシアネート」を意図し、「PPG」とは、「ポリプロピレングリコール」を意図し、「IPDI」とは、「イソホロンジイソシアネート」を意図し、「DMPA」とは、「2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸」を意図する。
〈任意成分〉
本開示の日焼け止め化粧料には、本開示の効果に影響を及ぼさない範囲で、各種成分を適宜配合することができる。このような成分としては、例えば、保湿剤、水性高分子、金属イオン封鎖剤、エタノール等の低級アルコール、エチレングリコール等の多価アルコール、高級アルコール、各種抽出液、アミノ酸、有機アミン、キレート剤、中和剤、上記の水性紫外線吸収剤以外の他の紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、医薬部外品又は化粧品等に適用可能な水性薬剤、緩衝剤、防腐剤、噴射剤、有機系粉末、無機系粉末、顔料、染料、色素、香料、油分等を挙げることができる。
本開示の化粧料は、水中油型乳化化粧料に含まれるような、界面活性剤等によって乳化させた油滴(乳化粒子)は含まないが、例えば、油分(例えば油溶性の紫外線吸収剤)がアルコールなどによって溶媒和又は可溶化して僅かに取り込まれることは許容される。このような油分の配合量としては、例えば、化粧料の全量に対し、5質量%以下、3質量%以下、1質量%以下、又は0.5質量%以下とすることができるが、べたつき感の低減の観点から、これらの油分を含まないことが好ましい。
上記の水性紫外線吸収剤以外の他の紫外線吸収剤としては、油分に該当する油溶性の紫外線吸収剤を挙げることができる。かかる紫外線吸収剤としては、例えば、オクチルメトキシシンナメート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル) 、オクトクリレン、ポリシリコーン-15、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルトリアゾン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、オキシベンゾン-3、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ホモサレート、サリチル酸エチルへキシル等を挙げることができる。
なお、被膜を形成しない、即ち、所定のブースト率を呈しない、カルボマーなどの水性増粘剤は、本開示の水性被膜形成剤には該当しない。このような水性増粘剤は、本開示の効果に影響を及ぼさない範囲で、例えば、化粧料の全量に対し、5質量%以下、3質量%以下、1質量%以下、0.5質量%以下、又は0.1質量%以下の割合で含んでもかまわないが、べたつき感の低減の観点から、水性増粘剤は含まないことが好ましい。
〈化粧料の粘度〉
本開示の化粧料は、実質的に、単一の水相から構成されているため、化粧料の粘度を低減させることができる。いくつかの実施態様において、本開示の化粧料の粘度としては、化粧料の作製直後において、例えば、3,000mPa・s以下、2,500mPa・s以下、又は2,000mPa・s以下とすることができ、また、100mPa・s以上、300mPa・s以上、500mPa・s以上、700mPa・s以上、1,000mPa・s以上、1,200mPa・s以上、又は1,500mPa・s以上とすることができる。このような作製直後の化粧料の粘度は「初期粘度」と称することができる。また、かかる粘度は、30℃、ローターNo.2、12rpmの条件で、L型粘度計(芝浦セムテック株式会社社製)を用いて測定することができる。
〈化粧料の製造方法〉
本開示の化粧料の製造方法としては特に制限はない。例えば、水に、上述した、水性紫外線吸収剤、水性被膜形成剤、及び必要に応じて任意成分を適宜混合及び攪拌して、化粧料を調製することができる。化粧料の調製においては、必要に応じて、加温又は冷却してもよい。
〈化粧料の剤型〉
本開示の化粧料の剤型としては特に制限はなく、液状、ジェル状、スプレー状などを挙げることができる。ここで、本開示において「スプレー」とは、ミストタイプのスプレー、エアゾールタイプのスプレーなどを包含することができる。
《日焼け止め化粧品》
本開示の単一相水性日焼け止め化粧料は、種々の容器に収容して日焼け止め化粧品として提供することができる。この化粧品の製品形態としては特に制限はなく、例えば、皮膚又は髪等に対して使用し得る種々の製品形態を採用することができ、具体的には、化粧水、美容液、ジェル、スプレーなどを挙げることができる。中でも、本開示の日焼け止め化粧料は、スプレーで噴霧して皮膚等に適用して塗り広げたとしても、はじくことなく、肌表面に紫外線吸収剤を均一に保持することができるため、かかる化粧料をスプレー容器に収容した、スプレーで噴霧して使用し得る日焼け止め化粧品として使用することが有利である。
以下に実施例を挙げて、本開示についてさらに詳しく説明を行うが、本開示はこれらに限定されるものではない。なお、以下、特に断りのない限り、配合量は質量%で示す。
《実施例1~16及び比較例1~14》
表1~表3に示す処方及び下記に示す製造方法により得た化粧料について、以下の評価を行い、その結果を表1~表3に示す。
〈評価方法〉
(ブースト率試験)
5cm×5cmのサイズの透明なポリメチルメタクリレート(PMMA)製の疎水性表面を有する試験板上に、水性被膜形成剤及び水性増粘剤を含まない化粧料を約50mg滴下し、指で試験板の全面に塗り広げて乾燥させ、基準となる試験サンプルを調製した。なお、比較例1及び比較例14の化粧料を用いて調製した試験サンプルが、各々、基準の試験サンプルとなる。
水性被膜形成剤又は水性増粘剤を含む化粧料を用い、上記と同様にして、評価用の試験サンプルを調製した。
基準となる試験サンプルと評価用試験サンプルの280~400nmの範囲における吸光度を、株式会社日立製作所社製のU-3500型自記録分光光度計にて測定した。
図3に示すような測定結果から、基準となる試験サンプルの吸光度の積算値(合計値)と、評価用試験サンプルの吸光度の積算値(合計値)を、下記の式1に導入してブースト率を算出した:
ブースト率(%)=評価用試験サンプルの吸光度の積算値×100/基準となる試験サンプルの吸光度の積算値 …式1
〈化粧料の製造方法〉
(比較例1)
イオン交換水に、保湿剤としてのダイナマイトグリセリン、エタノール、水性紫外線吸収剤としてのフェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びテレフタリリデンジカンフルスルホン酸、その中和剤であるトリエタノールアミンを配合し、さらに防腐剤としてのフェノキシエタノール及びキレート剤としてのエデト酸ナトリウム二水和物を配合し、均一に混合して比較例1の化粧料を得た。
(比較例2~13及び実施例1~15)
表1及び表2に示す水性増粘剤又は水性被膜形成剤をさらに配合したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2~13及び実施例1~15の化粧料を得た。
(比較例14)
イオン交換水に、保湿剤としてのダイナマイトグリセリン、エタノール、水性紫外線吸収剤としてのテレフタリリデンジカンフルスルホン酸、及びその中和剤であるトリエタノールアミンを配合し、さらに防腐剤としてのフェノキシエタノール及びキレート剤としてのエデト酸ナトリウム二水和物を配合し、均一に混合して比較例14の化粧料を得た。
(実施例16)
表3に示す水性被膜形成剤をさらに配合したこと以外は、比較例14と同様にして、実施例16の化粧料を得た。
Figure 0007437146000001
Figure 0007437146000002
Figure 0007437146000003
〈結果〉
表1~表3の結果から明らかなように、水性被膜形成剤を含まない比較例1~14の化粧料は、ブースト率が105%未満と低いのに対し、水性被膜形成剤を含む実施例1~16の化粧料は、ブースト率が105%以上を達成していた。この結果から、水性被膜形成剤の使用は、水性紫外線吸収剤を含む単一相の水性化粧料を、肌又は髪に類似する疎水性表面を有する試験板に対し、均一に適用することができ、良好な紫外線遮蔽性能を発揮させることができたため、肌又は髪に対しても同様の性能を発揮できることが推認できた。
実施例1~5の結果を比較すると、実施例2及び実施例4の化粧料は、ブースト率が115%以上を達成していたことから、多糖類若しくはその誘導体の水性被膜形成剤の中では、キサンタンガム及びセルロースガム、又はそれらの誘導体が好ましいことが分かった。
また、実施例9~12の結果を比較すると、実施例10及び実施例12の化粧料は、ブースト率が115%以上を達成していたことから、ウレタン系ポリマーの水性被膜形成剤の中では、(ポリウレタン-24/メタクリル酸メチル)クロスポリマー及び(PPG-17/IPDI/DMPA)コポリマーが好ましいことが分かった。
また、実施例16の結果から分かるように、水性紫外線吸収剤が単独であったとしても、水性被膜形成剤の使用は、ブースト率を向上させ得ることが分かった。
1 肌
2 水性紫外線吸収剤
3 水性被膜形成剤を含まない水相
4 水性被膜形成剤を含む水相

Claims (6)

  1. を30質量%以上
    水性紫外線吸収剤を1~20質量%、
    水性被膜形成剤を0.1~20質量%、及び、
    中和剤を含み、
    前記水性紫外線吸収剤が、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾイミダゾール系紫外線吸収剤、3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、ウロカニン酸及びその塩、ウロカニン酸エチルエステル、ベンジリデンカンフルスルホン酸及びその塩、並びにテレフタリリデンジカンフルスルホン酸及びその塩から選択される少なくとも一種であり、
    前記水性被膜形成剤が、サクシノグリカン、キサンタンガム、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースガム、及びウレタン系ポリマーから選択される少なくとも一種であり、かつ、
    105%以上のブースト率を呈する、
    単一相水性日焼け止め化粧料
    ここで、前記ブースト率は、前記水性紫外線吸収剤を含むが前記水性被膜形成剤を含まない化粧料をポリメチルメタクリレート基材に塗り広げて乾燥させて調製した試験サンプルの280~400nmの範囲における吸光度の積算値に対する、この化粧料と同量及び同種の前記水性紫外線吸収剤と、前記水性被膜形成剤とを含む化粧料を用いて同様に調製した試験サンプルの280~400nmの範囲における吸光度の積算値の割合である
  2. 前記水性紫外線吸収剤が、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びテレフタリリデンジカンフルスルホン酸から選択される少なくとも一種、又はその塩である、請求項に記載の化粧料。
  3. 粘度が、3,000mPa・s以下である、請求項1又は2に記載の化粧料。
  4. スプレーで噴霧して使用される、請求項1~のいずれか一項に記載の化粧料。
  5. 容器、及び前記容器に収容されている請求項1~のいずれか一項に記載の化粧料を含む、日焼け止め化粧品。
  6. 前記容器が、スプレー容器である、請求項に記載の化粧品。
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