JP7435757B2 - 給電システム、地絡検知方法、及びプログラム - Google Patents

給電システム、地絡検知方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、給電システムにおいて発生した地絡を検出する技術に関連するものである。
通信ビルやデータセンタ等では、システム全体の電力損失を低減して、省エネルギー化を図るために、高電圧直流給電システムが導入されている。
高電圧直流給電システムでは、例えば400Vといった高電圧により給電を行うことから、安全性確保のために、整流装置等において給電線を高抵抗で接地している。
高電圧直流給電システムに関して、地絡過電圧検出型の地絡検出器と不平衡電流検出型の地絡検出器の組み合わせで地絡(漏電)を検出する従来技術がある。また、非特許文献1には、回路の中性点を接地することにより地絡を検出する地絡検出器の例が開示されている。
正興電機製作所 SDL0A-1A-E型 直流地絡検出器、https://www.seiko-denki.co.jp/wp/wp-content/uploads/2018/08/SEIKO_SDL0A-1A-E-type_dcfaultdetector_chademo_ed.2.pdf、令和2年4月28日検索
従来の高電圧直流給電システムで使用されている地絡過電圧検出型の地絡検出器では、整流装置等における高抵抗中性点接地と同様の構成で、高抵抗により中性点接地を行って、抵抗の両端の電圧の変化により地絡を検出する。
上記の構成を給電システム全体で見ると、給電システムにもともと組み込まれている高抵抗と地絡過電圧検出型の地絡検出器における高抵抗とが、給電線と大地との間に並列に接続されている。また、システムの拡張により、並列に接続される高抵抗の数が増える可能性もある。
給電線と大地との間に高抵抗を持つ装置であっても、それらが複数並列に接続されると、システム全体の対地抵抗は低下する。システム全体の対地抵抗が低下するとシステムの安全性に問題が生じる可能性がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、給電システムにおいて、対地抵抗を低下させることなく安全に地絡を検出することを可能とする技術を提供することを目的とする。
開示の技術によれば、負荷への給電を行う給電システムであって、
給電線と大地との間に中性点高抵抗を有する装置を一つのみ備え、当該装置が、地絡過電圧検出型の地絡検出器として機能し、
前記給電システムは、更に制御装置を備え、
前記地絡過電圧検出型の地絡検出器は、地絡を検出した場合に、地絡が発生したことを示す信号を信号線により前記制御装置に送信する
給電システムが提供される。
開示の技術によれば、給電システムにおいて、対地抵抗を低下させることなく安全に地絡を検出することが可能となる。
高電圧直流給電システムの整流装置における高抵抗中性点接地の例を示す図である。 地絡過電圧検出型の地絡検出器を説明するための図である。 地絡過電圧検出型の地絡検出器を説明するための図である。 課題を説明するための図である。 本発明の実施の形態における給電システムの概要構成を示す図である。 本発明の実施の形態における給電システムの構成例を示す図である。 地絡過電圧検出型の地絡検出器の構成図である。 制御装置の構成図である。 処理シーケンスの例を示す図である。 装置のハードウェア構成例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(本実施の形態)を説明する。以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
本実施の形態における給電システムは、400Vの直流で給電を行う高電圧直流給電システム(以降、給電システムと呼ぶ)であることを想定している。ただし、「400V」は一例である。また、本発明は、高電圧直流給電システムに限らずに適用可能である。
(課題、本実施の形態の概要)
本実施の形態における給電システムでは、交流を直流に変換する整流装置(電源と呼んでもよい)が使用される。当該整流装置において高抵抗を用いた中性点接地がなされている。図1に、本実施の形態における給電システムの整流装置100における高抵抗中性点接地の例を示す。
図1に示すように、正側給電線と負側給電線との間に抵抗12と抵抗13が備えられ、その間の中性点が大地に接地されている。抵抗12と抵抗13はいずれも例えば数MΩ程度の高抵抗である。
例えば特開2019-45321に開示されているように、給電システムに、地絡過電圧検出型の地絡検出器と不平衡電流検出型の地絡検出器を備え、これらの組み合わせで地絡を検出する従来技術がある。
地絡検出のために、本実施の形態における給電システムにおいても地絡過電圧検出型の地絡検出器と不平衡電流検出型の地絡検出器が備えられる。
図2、図3を参照して地絡過電圧検出型の地絡検出器の例を説明する。図2、図3に示す地絡検出器は、図1に示す高抵抗中性点接地の構成と同様の構成を有しており、正側給電線と負側給電線との間に抵抗4と抵抗5(いずれも高抵抗)が備えられ、その間の中性点が大地に接地されている。
ここで、図2に示すように、正側給電線において地絡が発生したとする。つまり、正側給電線が地絡抵抗6(低抵抗)を介して接地されたとする。この場合、図2に示すように、電源‐>地絡抵抗6->大地->負側の抵抗5->電源からなる閉ループ回路に地絡電流が流れることになる。そのため、正側の抵抗4の両端の電圧V8は下がり、負側の抵抗5の両端の電圧V9は上がる。
また、図3に示すように、負側給電線において地絡が発生したとする。つまり、負側給電線が地絡抵抗7(低抵抗)を介して接地されたとする。この場合、図3に示すように、電源‐>正側の抵抗4->大地->地絡抵抗7->電源からなる閉ループ回路に地絡電流が流れることになる。そのため、正側の抵抗4の両端の電圧V8は上がり、負側の抵抗5の両端の電圧V9は下がる。
よって、図2、図3に示すような地絡過電圧検出型の地絡検出器において、抵抗4、抵抗5のそれぞれの両端の電圧を計測することにより地絡の発生有無、及び、地絡が正側給電線で発生したのかそれとも負側給電線で発生したのかを判別できる。
図1に示す整流装置1と、図2、3に示す地絡過電圧検出型の地絡検出器とが給電システムに備えられる場合、高抵抗2、3と高抵抗4、5とが、給電線と大地との間に並列に接続されることになる。よって、高抵抗2、3のみを備える場合に比べて、給電システムの対地抵抗が低下する。また、給電対象の負荷の増設等によるシステム拡張により、図4に示すように、地絡過電圧検出型の地絡検出器も並列に追加されることが考えられるが、そうすると給電システムの対地抵抗は更に低下する。給電システムの対地抵抗が低下すると安全性に問題が生じる可能性がある。
本実施の形態では、対地抵抗の並列接続による対地抵抗の値の低下を回避するために、給電システムに組み込む対地抵抗として、正側の抵抗と負側の抵抗の1組のみの抵抗(中性点高抵抗と呼ぶ)を用いる。また、当該中性点高抵抗を備える地絡過電圧検出型の地絡検出器が、検出した地絡を信号線により他の部位に通知することとしている。
(実施の形態に係る給電システムの概要構成)
図5に、本実施の形態における給電システムの概要構成を示す。図5に示す例では、整流装置100において、もともと中性点高抵抗として備えられる抵抗12、13を、地絡過電圧検出型の地絡検出に使用する。整流装置100には検出装置150が備えられ、検出装置150が、抵抗12、13の電圧測定等を行うことで地絡の検出を行う。なお、図5には、整流装置100における電源部分(交流から直流を生成して出力する部分)は図示していない。
つまり、整流装置100は、整流装置であるとともに、地絡過電圧検出型の地絡検出器でもある。
なお、給電システムにおける整流装置において中性点高抵抗接地を行わない場合において、図5における「100」で示される装置は、整流装置ではない地絡過電圧検出型の地絡検出器100となる。
すなわち、本実施の形態の給電システムは、給電線と大地との間に中性点高抵抗を有する装置を一つのみ備え、当該装置が、地絡過電圧検出型の地絡検出器として機能する。
図5に示す例では、複数の負荷側装置20、30、...が整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)に対して並列に接続されている。1つの負荷側装置は、遮断器、不平衡電流検出型の地絡検出器、負荷等を含む。なお、複数の負荷側装置を備えることは必須ではなく、1つのみの負荷側装置を備えることとしてもよい。また、不平衡電流検出型の地絡検出器を備えないこととしてもよい。各負荷側装置と整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)は、給電線で接続されるとともに、信号線でも接続されている。
信号線は、LAN等の有線のネットワークであってもよいし、無線LANや5Gネットワーク等の無線のネットワークであってもよい。
整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)における検出装置150は、地絡を検出すると、地絡を検出したことを示す信号を信号線により各負荷側装置へ送信する。負荷側装置では、当該信号に基づいて、遮断器により電流を遮断する等の動作を実行することができる。
検出装置150は、地絡を検出したことを示す信号として、例えば、「地絡の有無を示す信号」、「地絡の有無と、地絡有の場合における正側給電線と負側給電線のどちらで地絡が発生したのかを示す信号」、「地絡の有無、地絡有の場合における正側給電線と中性点との間の電圧値、地絡有の場合における負側給電線と中性点との間の電圧値を示す信号」のうちのいずれかを送信することができる。
(給電システムの詳細構成)
次に、本実施の形態における給電システムの詳細な構成の例を説明する。図6に、本実施の形態における給電システムの詳細構成例を示す。
図6に示すように、本実施の形態における給電システムは、整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)、分電盤300、遮断器400-1~400-3、不平衡電流検出型の地絡検出器200-1~200-3、制御装置600-1~600-3、及び負荷500-1~500-3を有する。
整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)は、図5を参照して説明したとおり、検出装置150、中性点高抵抗(抵抗12、13)を有する。
図6に示す給電システムにおいて、分電盤300により、整流装置100から延びる給電線が複数の給電線に枝分かれする。図6の例では、分電盤300以降に3つの分岐があり、これらを分岐部1、分岐部2、分岐部3と呼ぶ。
分岐部1は、遮断器400-1、不平衡電流検出型の地絡検出器200-1、制御装置600-1、及び負荷500-1を有する。分岐部2は、遮断器400-2、不平衡電流検出型の地絡検出器200-2、制御装置600-2、及び負荷500-2を有する。分岐部3は、遮断器400-3、不平衡電流検出型の地絡検出器200-3、制御装置600-3、及び負荷500-3を有する。
各分岐部に存在する各装置(遮断器、不平衡電流検出型の地絡検出器、制御装置、及び負荷)について、特に分岐部を区別しない場合、ある1つの分岐部における各装置を遮断器400、不平衡電流検出型の地絡検出器200、制御装置600、及び負荷500と記載する。
整流装置100からの電力は、分電盤300、遮断器400-1、不平衡電流検出型の地絡検出器200-1を経由して負荷500-1に供給される。負荷500-2、負荷500-についても同様に電力が供給される。各装置は信号線に接続されており、互いに信号(通知信号、制御信号等)の送受信が可能である。
遮断器400は、電流を遮断する装置である。遮断器400は、電磁装置あるいは電子回路により給電線に接続されたスイッチを開閉するものであってもよいし、ヒューズを用いるものであってもよい。また、本実施の形態の遮断器400は、制御装置600からの信号に基づいて遮断動作を行うことが可能である。
不平衡電流検出型の地絡検出器200は、零相変流器(ZCT:Zero-phase Current Transformer)を含み、正側給電線と負側給電線における往復電流にアンバランスが生じた場合に、アンバランスに伴って生じる電流(又は電圧)を出力する。あるいは、アンバランスに伴って生じる電流(又は電圧)の値が閾値以上になったことを検知した場合に、地絡を検出したことを示す信号を出力することとしてもよい。
なお、不平衡電流検出型の地絡検出器200は、地絡検出器200と負荷500との間で生じた地絡を検出できるが、地絡検出器200と整流装置200との間で生じた地絡は検出できない。整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)は、整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)と負荷500との間(どの分岐部でもよい)で生じた地絡を検出できる。
制御装置600は、整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)の検出装置150から出力された信号と、不平衡電流検出型の地絡検出器200から出力された信号を受信する。これらの信号に基づいて、遮断器400により電流を遮断することが必要であるかどうかを判定し、遮断が必要である場合に遮断を行う。
なお、制御装置600は、図6に示すように、分岐部毎に備えられてもよいし、給電システムに1つだけ備えられることとしてもよい。制御装置600が分岐毎に備えられる場合において、当該制御装置600は自身が備えられる分岐部における制御を行う。また、制御装置600が分岐毎に備えられる場合において、各制御装置600は、他の制御装置600と信号線により信号を送受信することが可能である。
給電システムに1つだけの制御装置600が備えられる場合、当該制御装置600は、整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)の検出装置150から出力された信号を受信するとともに、各分岐部の不平衡電流検出型の地絡検出器200から出力された信号を受信し、これらの信号に基づいて、各分岐部の遮断器400に対する制御を行う。
負荷500は、例えば、サーバ等のICT装置、EV(電気自動車)等である。なお、図6の例では、給電システムの末端の装置として、負荷500が接続されるが、負荷500に代えて、発電部(太陽光発電等)が接続されてもよい。例えば、発電部により発電した電力は、他の分岐部の負荷に供給されたり、整流装置100から外部(配電網)に供給される。
図7に、整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)内の検出装置150の構成例を示す。図7に示すように、検出装置150は、通信部110、監視部120、表示部130を有する。
通信部110は、監視部120により地絡が検出された場合に、地絡が検出されたことを示す信号を信号線により各制御装置600に送信する。監視部120は、例えば抵抗12の両端の電圧、及び抵抗13の両端の電圧を監視して、いずれかの抵抗において電圧に閾値以上の変化があった場合に地絡があったと判断し、地絡を検出した信号を出力する。出力した信号は通信部110と表示部130に入力される。なお、ここで説明する地絡検出方法は一例である。
表示部130は、ディスプレイであってもよいし、ランプ、LED等であってもよい。表示部130は、監視部120により地絡が検出されると、地絡が発生したことを示す情報をディスプレイ上に表示する、あるいはランプ等を点灯させる。なお、表示部130を備えないこととしてもよい。
図8に、制御装置600の構成例を示す。図8に示すように、制御装置600は、通信部610、監視部620、制御部630、表示部640を有する。通信部610は、整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)や他の制御装置600からの信号を受信するとともに、制御部630での判定結果に基づいて、遮断器400に電流を遮断することを指示する指示信号を送信する。
監視部620は、例えば、不平衡電流検出型の地絡検出器200から地絡を検出したことを示す信号を受信するかどうかを監視する。当該信号を受信した場合に、地絡が発生したと判断し、地絡が発生したことを示す信号を出力する。なお、監視部620と不平衡電流検出型の地絡検出器200との間は信号線で接続されてもよいし、個別の線で接続されてもよい。
あるいは、監視部620は、不平衡電流検出型の地絡検出器200の零相変流器において往復電流のアンバランスにより生じた電流(又は電圧)を測定し、当該電流の値が閾値以上になったことを検知した場合に地絡が発生したと判断し、地絡が発生したことを示す信号を出力することとしてもよい。
制御部630は、整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)からの信号と、監視部620から出力された地絡が生じたことを示す信号に基づいて、遮断器400に対して電流の遮断を指示するかどうかを判定する。判定の具体例については後述する。
表示部640はディスプレイであってもよいし、ランプ、LED等であってもよい。表示部640は、監視部620により地絡が検出されると、地絡が発生したことを示す情報をディスプレイ上に表示する、あるいはランプ等を点灯させる。また、表示部640は、制御部630により、遮断器400で電流を遮断することが決定された場合に、電流を遮断することを示す情報を表示する。なお、表示部640を備えないこととしてもよい。
(システムの動作例)
次に、上記構成を有する給電システムの動作例を図9のシーケンス図を参照して説明する。図9は、ある1つの事故点に最も近い分岐部(便宜上、「分岐部A」とする)に着目した場合のシーケンス図である。
S101において、不平衡電流検出型の地絡検出器200により地絡が検出され、S102において地絡検出を通知する信号が制御装置600に送信される。制御装置600において、監視部620から制御部630に地絡が検出されたことが通知される。このとき、制御装置600の通信部110は、他の分岐部の制御装置600に、分岐部Aの不平衡電流検出型の地絡検出器200により地絡が検出されたことを通知する。
S103において、整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)により地絡が検出される。S104において、検出装置150の通信部110により、地絡を検出したことを通知する信号が制御装置600に送信される。なお、S104における信号は、全分岐部に送信されるが、図9は、分岐部Aへの送信のみを示している。
本実施の形態では、不平衡電流検出型の地絡検出器200と負荷500との間に実際に地絡が発生した場合には、不平衡電流検出型の地絡検出器200により地絡が検出され、かつ、整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)により地絡が検出されると想定している。また、不平衡電流検出型の地絡検出器200は、実際には地絡が発生していないが、微小な往復電流のアンバランス(ノイズ)を地絡として検出(誤検出)する場合があることを想定している。
上記の想定に基づき、制御装置600の制御部630は、下記の判断(1)~(4)のいずれかを行う。
判断(1):制御装置600の制御部630は、不平衡電流検出型の地絡検出器200により地絡が検出されたことを検知し、かつ、整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)により地絡が検出されたことを検知した場合に、分岐部Aの不平衡電流検出型の地絡検出器200と負荷500との間に地絡が発生したと判断する。この場合、分岐部Aの遮断器400で電流を遮断することを決定する。
判断(2):制御装置600の制御部630は、不平衡電流検出型の地絡検出器200により地絡が検出されたことを検知したが、整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)により地絡が検出されたことを検知しない場合、不平衡電流検出型の地絡検出器200による地絡検出は誤検出(ノイズ)や誤動作であると判断し、遮断器400での電流遮断を行わないことを決定し、表示部130に誤検出であることを表示する。
判断(3):制御装置600の制御部630は、不平衡電流検出型の地絡検出器200により地絡が検出されず、かつ、他の分岐部のいずれの不平衡電流検出型の地絡検出器200でも地絡が検出されず、かつ、整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)により地絡が検出されたことを検知した場合、整流装置100と不平衡電流検出型の地絡検出器200との間で地絡が検出されたと判断する。この場合、遮断器400での電流遮断は行わない。なお、この場合に、遮断器400での電流遮断を行うこととしてもよい。
判断(4):制御装置600の制御部630は、不平衡電流検出型の地絡検出器200により地絡が検出されず、かつ、他のいずれかの分岐(例として分岐部Bとする)で不平衡電流検出型の地絡検出器200により地絡が検出され、かつ、整流装置100(地絡過電圧検出型の地絡検出器)により地絡が検出されたことを検知した場合、分岐Bの不平衡電流検出型の地絡検出器200と負荷500との間に地絡が発生したと判断する。この場合、分岐部Bの遮断器400で分岐部Bの電流が遮断されるので、分岐部Aにおいては電流遮断を行わない。
図9に示す例では、上記の判断(1)に該当し、S105において、制御装置600の制御部630は、分岐部Aの不平衡電流検出型の地絡検出器200と負荷500との間に地絡が発生したと判断し、遮断器400で電流を遮断することを決定する。
S106において、制御装置600の通信部610は、遮断器400に対して電流を遮断することを指示する指示信号を送信し、S107において、遮断器400が電流を遮断する。
(ハードウェア構成例)
検出装置150、制御装置600はそれぞれ、例えば、コンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現してもよい。
上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(可搬メモリ等)に記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メール等、ネットワークを通して提供することも可能である。
図10は、上記コンピュータのハードウェア構成例を示す図である。図10のコンピュータは、それぞれバスBSで相互に接続されているドライブ装置1000、補助記憶装置1002、メモリ装置1003、CPU1004、インタフェース装置1005、表示装置1006、入力装置1007、出力装置1008等を有する。
当該コンピュータでの処理を実現するプログラムは、例えば、CD-ROM又はメモリカード等の記録媒体1001によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体1001がドライブ装置1000にセットされると、プログラムが記録媒体1001からドライブ装置1000を介して補助記憶装置1002にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体1001より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置1002は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
メモリ装置1003は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置1002からプログラムを読み出して格納する。CPU1004は、メモリ装置1003に格納されたプログラムに従って、当該装置に係る機能を実現する。インタフェース装置1005は、ネットワーク(信号線)に接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置1006はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置1007はキーボード及びマウス、ボタン、又はタッチパネル等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。出力装置1008は演算結果を出力する。
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る技術によれば、システムの規模を拡張しても、給電線の対地抵抗が減少することなく、安全に地絡を検出できる。また、地絡過電圧検出型の地絡検出器を複数設置した場合と比較し、コスト低減が可能となる。
(実施の形態のまとめ)
本明細書には、少なくとも下記の各項に記載した給電システム、地絡検知方法、及びプログラムが記載されている。
(第1項)
負荷への給電を行う給電システムであって、
給電線と大地との間に中性点高抵抗を有する装置を一つのみ備え、当該装置が、地絡過電圧検出型の地絡検出器として機能し、
前記給電システムは、更に制御装置を備え、
前記地絡過電圧検出型の地絡検出器は、地絡を検出した場合に、地絡が発生したことを示す信号を信号線により前記制御装置に送信する
給電システム。
(第2項)
前記給電システムは、電源と、当該電源に接続される分電盤から枝分かれした複数の分岐部を備え、
各分岐部は、不平衡電流検出型の地絡検出器を備え、
前記制御装置は、前記地絡過電圧検出型の地絡検出器による地絡検出結果と、ある特定の分岐部における不平衡電流検出型の地絡検出器による地絡検出結果とに基づいて、当該特定の分岐部において地絡が発生したか否かを判断する
第1項に記載の給電システム。
(第3項)
前記制御装置は、前記地絡過電圧検出型の地絡検出器により地絡が検出され、かつ、前記特定の分岐部における前記不平衡電流検出型の地絡検出器により地絡が検出されたことを検知した場合に、前記特定の分岐部において地絡が発生したと判断する
第2項に記載の給電システム。
(第4項)
前記制御装置は、地絡が発生したと判断した前記特定の分岐部に対応する遮断器に対し、遮断を指示する第2項又は第3項に記載の給電システム。
(第5項)
負荷への給電を行う給電システムにより実行される地絡検知方法であって、
前記給電システムは、給電線と大地との間に中性点高抵抗を有する装置を一つのみ備え、当該装置が、地絡過電圧検出型の地絡検出器として機能し、
前記給電システムは、更に制御装置を備え、
前記地絡過電圧検出型の地絡検出器は、地絡を検出した場合に、地絡が発生したことを示す信号を信号線により前記制御装置に送信する
地絡検知方法。
(第6項)
コンピュータを、第1項ないし第4項のうちいずれか1項に記載の前記制御装置として機能させるためのプログラム。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
4、5、6、7、12、13 抵抗
10、11 地絡過電圧検出型の地絡検出器
20、30 負荷側装置
100 整流装置(地絡過電圧検出型の地絡検出器)
110 通信部
120 監視部
130 表示部
150 検出装置
200 不平衡電流検出型の地絡検出器
300 分電盤
400 遮断器
500 負荷
600 制御装置
610 通信部
620 監視部
630 制御部
640 表示部
1000 ドライブ装置
1001 記録媒体
1002 補助記憶装置
1003 メモリ装置
1004 CPU
1005 インタフェース装置
1006 表示装置
1007 入力装置
1008 出力装置

Claims (6)

  1. 負荷への給電を行う給電システムであって、
    給電線と大地との間に中性点高抵抗を有する装置を一つのみ備え、当該装置が、地絡過電圧検出型の地絡検出器として機能し、
    前記給電システムは、更に制御装置を備え、
    前記地絡過電圧検出型の地絡検出器は、地絡を検出した場合に、地絡が発生したことを示す信号を信号線により前記制御装置に送信する
    給電システム。
  2. 前記給電システムは、電源と、当該電源に接続される分電盤から枝分かれした複数の分岐部を備え、
    各分岐部は、不平衡電流検出型の地絡検出器を備え、
    前記制御装置は、前記地絡過電圧検出型の地絡検出器による地絡検出結果と、ある特定の分岐部における不平衡電流検出型の地絡検出器による地絡検出結果とに基づいて、当該特定の分岐部において地絡が発生したか否かを判断する
    請求項1に記載の給電システム。
  3. 前記制御装置は、前記地絡過電圧検出型の地絡検出器により地絡が検出され、かつ、前記特定の分岐部における前記不平衡電流検出型の地絡検出器により地絡が検出されたことを検知した場合に、前記特定の分岐部において地絡が発生したと判断する
    請求項2に記載の給電システム。
  4. 前記制御装置は、地絡が発生したと判断した前記特定の分岐部に対応する遮断器に対し、遮断を指示する請求項2又は3に記載の給電システム。
  5. 負荷への給電を行う給電システムにより実行される地絡検知方法であって、
    前記給電システムは、給電線と大地との間に中性点高抵抗を有する装置を一つのみ備え、当該装置が、地絡過電圧検出型の地絡検出器として機能し、
    前記給電システムは、更に制御装置を備え、
    前記地絡過電圧検出型の地絡検出器は、地絡を検出した場合に、地絡が発生したことを示す信号を信号線により前記制御装置に送信する
    地絡検知方法。
  6. コンピュータを、請求項ないし4のうちいずれか1項に記載の前記制御装置として機能させるためのプログラム。
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