JP7435178B2 - 歯車のシェービング加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、歯車のシェービング加工方法に関する。
シェービングカッタを用いて歯車の歯面を仕上げるシェービング加工方法が特許文献1に開示されている。
特開2004-154873号
一般的に、シェービング加工方法は、歯車とシェービングカッタがバックラッシを有することなく(ノーバックラッシで)噛み合わされた状態で、該シェービングカッタを回転させて該歯車の歯面を仕上げる方法である。このシェービングカッタの切れ歯は、歯車の歯面を仕上げるときに摩耗するため、定期的に研がれること(再刃研)を必要とし、再刃研されると、歯厚が小さくなる。したがって、再刃研されたシェービングカッタを使用する場合、歯車と再刃研後のシェービングカッタとの相対的位置を再調整し、両者をノーバックラッシで噛み合わせることが行われる。
しかし、再刃研後のシェービングカッタの切れ歯面は再刃研前のシェービングカッタの切れ歯面に比べて痩せているため、再刃研前のシェービングカッタを歯車にノーバックバックラッシで噛み合わせたときの両者の接触位置と、再刃研後のシェービングカッタを歯車にノーバックバックラッシで噛み合わせたときの両者の接触位置は異なる。
具体的に図9を参照して説明する。まず、図9(a),(c)は、再刃研されていないシェービングカッタと歯車の位置関係を示す。一方、図9(b),(d)は、再刃研されたシェービングカッタと歯車の位置関係を示す。図示するように、再刃研されたシェービングカッタは、シェービングカッタの中心と歯車の中心との間の距離を縮めて(再刃研前の中心間距離δ>再刃研後の中心間距離δ’)再びノーバックラッシで歯車と噛み合わされ、この状態から歯車の加工が行われる。
この場合、図9(c),(d)に示すように、シェービングカッタの切れ歯と歯車の歯が互いに接触する位置は、再刃研の前後で変化する。そのため、歯車は理想の状態(例えば、図9(a),(b)に示す状態)で加工されず、結果、再刃研後の歯車は伝達誤差を生じ易くなり、これが振動や騒音の原因となっている。
そこで、本願発明は、シェービングカッタの中心と歯車の中心との間の距離を変化させることなく、シェービングカッタの切れ歯と歯車の歯が当接する状態を保つ歯車のシェービング加工方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の実施形態に係るシェービング加工方法は、
歯幅方向に対向する一対の端面を有する歯車とシェービングカッタとを噛み合わせた状態で前記シェービングカッタを回転させて前記歯車の歯面を仕上げるシェービング加工方法であって、
前記歯車と前記シェービングカッタとがバックラッシを有した状態で配置され、
前記歯車は、前記シェービングカッタの回転に抵抗する向きのブレーキ力を与えられながら加工され、
前記歯面を前記一対の端面の一方の端面から他方の端面に向かって次第に加工領域が拡大するように加工する1次シェービング工程と、
前記歯面を前記一対の端面の他方の端面から一方の端面に向かって次第に加工領域が拡大するように加工する2次シェービング工程を有し、
前記歯車の中心軸と前記シェービングカッタの中心軸との交差角が、前記1次シェービング工程では第1交差角に設定され、前記2次シェービング工程では第2交差角に設定され、
前記第1交差角は前記第2交差角よりも大きく、
前記第2交差角は、前記歯面の仕上げ条件に対応している、ことを特徴とする。
本発明によれば、シェービングカッタの回転に抵抗する向きのブレーキ力を歯車に与えて、歯車の仕上げ加工を行う。歯車の歯は、ブレーキ力を与えられることにより、シェービングカッタの切れ歯に、バックラッシを有する状態で押し付けられる。また、シェービングカッタが再刃研されて、切れ歯の歯厚が小さくなったとしても、シェービングカッタの中心と歯車の中心との間の距離を変化させることなく、バックラッシを有する状態でシェービングカッタの切れ歯を歯車の歯に接触させる。これにより、シェービングカッタの切れ歯と歯車の接触状態は一定に保たれ、結果、伝達誤差の少ない歯車が得られる。
実施形態に係るシェービング加工装置の概略構成を示す概略図。 図1に示すシェービング加工装置のシェービングカッタと歯車とを上方から見た平面図。 図1に示すシェービング加工装置により行われるシェービング加工方法を説明する概略図。 図3に示すシェービング加工方法においてシェービングカッタと歯車とを噛み合わせた状態の概略図。 図4に示す歯車の歯面の斜視図。 図3に示すシェービング加工方法のカッタの位置と加工負荷とブレーキ力の関係を説明するグラフ。 従来のシェービング加工方法のカッタの位置と加工負荷の関係を説明するグラフ。 図3に示すシェービング加工方法により得られる歯車の伝達誤差のグラフ。 従来のシェービング加工方法における再刃研前後のシェービングカッタと歯車の位置関係を示す概略図。
以下、添付図面を参照して本発明に係るシェービング加工装置とシェービング加工方法の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態のシェービング加工装置とシェービング加工方法は、シェービングカッタを被削歯車に近づけることにより被削歯車を加工するプランジカットシェービング法を採用しているが、これに限るものではない。
[シェービング加工装置の構成]
図1は実施形態に係るシェービング加工装置の概要を示す。図示する装置の大きさやそれを構成する各部分の大きさと形状は誇張して示されており、実際のものとは異なる。
図1に示すシェービング加工装置(以下、「加工装置」という。)100は、被削歯車支持機構10を有する。被削歯車支持機構10は、被削歯車11を着脱可能に支持する歯車支持シャフト12を有する。実施形態において、歯車支持シャフト12は図の左右方向に伸びている。被削歯車11が歯車支持シャフト12に支持された状態で被削歯車11の中心軸13と歯車支持シャフト12の中心軸14は一致している。以下、歯車支持シャフト12の中心軸14の方向を「x方向」、x方向に直交する図面の表裏方向を「y方向」、x方向とy方向に直交する図面の上下方向を「z方向」という。
[被削歯車支持機構]
歯車支持シャフト12は固定基台15に回転可能に支持されている。一方、被削歯車11は歯車支持シャフト12に対して回転不能に固定されている。
歯車支持シャフト12はまた、その先端18と被削歯車11の間において、該歯車支持シャフト12に対して回転不能に固定されている円盤状のディスクロータ16を有する。このディスクロータ16の中心軸17は、被削歯車11の中心軸13及び歯車支持シャフト12の中心軸14と一致している。
図1に示す被削歯車支持機構10は、ディスクロータ16にブレーキ力を与える電磁式ブレーキ機構40を有する。このブレーキ機構40は、ディスクロータ16の周方向に(yz平面に沿って)開口した略凹形状部42を有するブレーキ本体44を備えており、ディスクロータ16が略凹形状部42を通過できるように構成されている。
ブレーキ機構40はまた、ブレーキ本体44の略凹形状部42において、図の左右方向からディスクロータ16を挟み込むように配置されているブレーキパッド45,46、及び略凹形状部42の右側面と右側のブレーキパッド46の間に配置されている強磁性体のプランジャ48を有する。
実施形態において、ブレーキパッド45,46は、アラミド繊維、スチール繊維、カーボンファイバ、その他金属、又はこれらの組み合わせから形成される。また、プランジャ48は鉄から形成されているが、他の強磁性材料から形成されてもよい。
ブレーキ機構40はさらに、略凹形状部42より右側のブレーキ本体44内部において、プランジャ48に接するコイルスプリング50と電磁コイル52を備える。コイルスプリング50は、プランジャ48からブレーキ本体44の右側面に向けて圧縮された状態で配置されており、圧縮されることで生じる復元力によりプランジャ48をブレーキパッド46に向けて付勢するように構成されている。一方、電磁コイル52は、コイルスプリング50の復元力に対向する、すなわちプランジャ48からブレーキ本体44の右側面に向かう電磁力をプランジャ48に与えるように構成されている。したがって、ブレーキ機構40は、電磁コイル52が生じる電磁力を増加させることにより、プランジャ48がブレーキ本体44の右側面に向けて移動して、ブレーキを解除する一方、電磁コイル52が生じる電磁力を減少させることにより、コイルスプリング50の復元力に付勢されるプランジャ48がブレーキパッド46と共にディスクロータ16に向けて移動して、ブレーキパッド46の対となるブレーキパッド45と共にディスクロータ16を挟んで、ブレーキを作動させるように構成されている。
[カッタ駆動部]
加工装置100はまたカッタ駆動部20を有する。カッタ駆動部20は、シェービングカッタ(以下、「カッタ」という。)21を着脱可能に支持するカッタ支持シャフト22を有する。カッタ21がカッタ支持シャフト22に支持された状態でカッタ21の中心軸23とカッタ支持シャフト22の中心軸24は一致している。カッタ支持シャフト22は、カッタ21の中心軸23とカッタ支持シャフト22の中心軸24が、x方向とy方向を含むxy平面に平行な面上に位置するように保持される。
[カッタ回転機構]
カッタ支持シャフト22はカッタ回転機構31に支持されている。カッタ回転機構31は、カッタ回転モータ32を有し、該カッタ回転モータ32がカッタ支持シャフト22に駆動連結されており、カッタ回転モータ32の駆動に基づいてカッタ支持シャフト22が回転するように構成されている。
[カッタ昇降機構]
カッタ回転機構31は、該カッタ回転機構31をz方向に移動又は昇降するカッタ昇降機構33に昇降可能に支持されている。実施形態において、カッタ昇降機構33はカッタ昇降モータ34を備えており、該カッタ昇降モータ34の回転軸(図示せず)がカッタ回転機構31に駆動連結され、カッタ昇降モータ34の駆動に基づいてカッタ回転機構31がz方向に移動又は昇降するように構成されている。
[カッタ旋回機構]
カッタ昇降機構33はカッタ旋回機構(交差角調整機構)35に支持されている。実施形態において、カッタ旋回機構35はカッタ旋回モータ36を備えており、カッタ旋回モータ36の駆動に基づいて、被削歯車支持機構10の歯車支持シャフト12に支持された被削歯車11の中心37を通るz方向の基準線38にカッタ21の中心39を位置させた状態で、カッタ回転機構31とカッタ昇降機構33とが一体的に旋回移動するように構成されている。
カッタ回転モータ32、カッタ昇降モータ34、及びカッタ旋回モータ36は正逆回転可能である。代わりに、それぞれのモータの駆動を伝達する機構の中に回転方向を反転する機構を設け、この反転機構によってカッタの回転方向、移動方向(昇降方向、旋回方向)を切り替えるようにしてもよい。
カッタ昇降モータ34とカッタ旋回モータ36は、昇降量と旋回量(旋回角)を厳格に調整できるように、ステッピングモータを用いるのが好ましい。
[制御部]
カッタ回転モータ32、カッタ昇降モータ34、及びカッタ旋回モータ36は、制御部60に接続されており、シェービング加工中、制御部60から出力される指示に基づいて駆動が制御されるように構成されている。また、ブレーキ機構40の電磁コイル52も、制御部60に電気的に接続されており、シェービング加工中、制御部60から出力される指示に基づいて、プランジャ48を移動させる電磁力が制御されるように構成されている。したがって、ブレーキ機構40は、制御部60から出力される指示に基づいて、電磁コイル52が生じる電磁力を増減させることにより、プランジャ48を移動させて、ブレーキを解除又は作動させるように構成されている。具体的に、制御部60には、以下に説明するシェービング加工を行うために必要なプログラムが記憶されており、このプログラムに基づいてモータ32,34,36の駆動、及び電磁コイル52の電磁力、すなわち該電磁力に応じて変化するブレーキ力が制御される。
[シェービング加工]
以上の構成を備えた加工装置100を用いて、被削歯車11の歯面をシェービング加工する実施形態を説明する。
[被削歯車]
実施形態において、被削歯車11は、平歯車で、中心軸13を中心とする内周面及び外周面と、中心軸13の方向(歯幅方向)に対向する一対の端面111,112を有し、外周面に周方向に一定の間隔をあけて、中心軸13と平行に伸びる歯(被削歯)113(図4参照)が形成されている。
被削歯車11は、被削歯車11の中心37を基準線38に一致させた状態で、歯車支持シャフト12と共に回転可能に、該歯車支持シャフト12に着脱可能に固定される。
[カッタ]
カッタ21は、中心軸23を中心とする内周面及び外周面と、中心軸23に直交する一対の対向する端面211,212を有し、外周面に周方向に一定の間隔をあけて弦巻状に伸びる切れ歯213が形成されている。(つまり、実施形態のカッタ21は、はすば歯車型である。)図2に示すように、カッタ21の中心軸23方向に関する切れ歯213の長さ(対向する一対の端面の間隔にほぼ相当する)214(図2参照)は、被削歯車11における中心軸13方向に関する被削歯113の長さ114よりも十分に大きく、カッタ21の中心軸23を被削歯車11の中心軸13に対して所定角度(後に説明する交差角θ1、θ2)傾けて交差させたシェービング加工状態で、カッタ21の切れ歯213が対応する被削歯車11の被削歯113の全長に亘って噛み合うように決められている(図2参照)。
カッタ21は、カッタ21の中心39を基準線38に一致させた状態で、カッタ支持シャフト22に着脱可能に固定される。
図1において、被削歯車11とカッタ21は噛み合った状態で表されているが、加工前の状態で被削歯車11とカッタ21はz方向に離間している。このときのカッタ21の位置がカッタ21の「初期位置」(図6(a)の位置P0)で、この初期位置から以下に説明するシェービング加工が始まる。
[1次シェービング工程]
シェービング加工は、概略、1次シェービング工程と2次シェービング工程に分けられる。1次シェービング工程において、制御部60はカッタ旋回モータ36を駆動し、歯車支持シャフト12の中心軸14に対するカッタ支持シャフト22の中心軸24の交差角(z方向から見た交差角)を第1交差角θ1に設定する(図2(a)参照)。第1交差角θ1は、最終的に得られる被削歯車11の歯面形状を得るための仕上げ条件に対応した交差角(第2交差角θ2)よりも大きい。
制御部60は次に、カッタ昇降モータ34を所定時間(図6(a)の時刻T0からT1)駆動してカッタ21の切れ歯213を被削歯車11の歯面に接触させる(接近後のカッタ位置P1)。カッタ21がカッタ位置P1に配置されるとき、カッタ21の切れ歯213は、被削歯車11の歯面の内、右歯面115に接する一方、左歯面116に対してはバックラッシを有する(図4参照)。すなわち、被削歯車11とカッタ21は噛み合った状態になる。
続いて、制御部60は、カッタ回転モータ32を駆動してカッタ21を回転させる。制御部60はまた、ブレーキ機構40の電磁コイル52が生じる電磁力を減少させて、コイルスプリング50の復元力に付勢されるプランジャ48とブレーキパッド46をディスクロータ16に向けて移動して、ブレーキパッド46の対となるブレーキパッド45と共にディスクロータ16を挟んで、該ディスクロータ16にブレーキ力を与える。
図4に示すように、カッタ21が回転することにより、カッタ21と噛み合った状態の被削歯車11もカッタ21に追従して回転する。一方、ディスクロータ16が歯車支持シャフト12を介して被削歯車11と接続しているため、上述のディスクロータ16に与えられるブレーキ力が被削歯車11の回転に対向するように、すなわちカッタ21の回転に抵抗するように作用する。これにより、カッタ21の切れ歯213は、被削歯車11の右歯面115に密着した状態になり、正確に削り込む。
図6(c)に示すように、ディスクロータ16に与えられるブレーキ力は次第に大きくなる。このディスクロータ16に与えられるブレーキ力は、所定時間(図6(c)の時刻T1からT11)後に一定となる。
実施形態において、ブレーキ力の定常値は任意に設定されるものであり、被削歯車11の回転が過剰に妨げられることなく、被削歯113が適切に削り込まれる値が設定される。
また、図6(b)に示すように、カッタ21に加わる負荷も次第に大きくなる。このカッタ21に加わる負荷は、所定時間(図6(b)の時刻T1からT12)後に一定となる。
上述のように、1次シェービング工程において、歯車支持シャフト12の中心軸14に対するカッタ支持シャフト22の中心軸24の交差角は、右歯面115の最終形状に対応した第2交差角θ2よりも大きい第1交差角θ1に設定されている。
したがって、図3に示すように、例えば、カッタ21の駆動側切れ歯面215(図4参照)に接する被削歯車11の右歯面115では、被削歯車11の一方の端面111に近い歯面部分117から削り込みが始まり、その削り込み領域(加工領域)が他方の端面112に近い歯面部分118に向かって次第に拡大する。そのため、図6(b)に示すように、カッタ21にかかる負荷が切り込み量の増加とともに増加する。
また、図3に示すように、カッタ21の駆動側切れ歯面215(図4参照)に接する被削歯車11の右歯面115では、被削歯車11の一方の端面111に近い歯面部分117が他方の端面112に近い歯面部分118よりも深く削られる。
ただし、図3に示すように、1次シェービング工程において、深く削られた歯面の最大削り込み量は、最終加工歯面(2次加工後の歯面119)に達していない。
右歯面115の1次シェービング工程が終了すると(図6(c)の時刻T13)、制御部60は、ブレーキ機構40の電磁コイル52が生じる電磁力を増加させて、プランジャ48をディスクロータ16から離して、ディスクロータ16に与えられるブレーキ力を減少させる。制御部60はまた、カッタ回転モータ32の駆動を維持して、1次ドゥエルを所定時間(時刻T13からT2)実行する。
1次ドゥエルが終了すると(図6(a)の時刻T2)、制御部60は、カッタ回転モータ32を停止する。制御部60はまた、カッタ旋回モータ36を駆動し、歯車支持シャフト12の中心軸14に対するカッタ支持シャフト22の中心軸24の交差角を、第1交差角θ1よりも小さい第2交差角θ2に設定する。
[2次シェービング工程]
次に、2次シェービング工程に入り、制御部60は、1次シェービング工程と同様に、カッタ回転モータ32を駆動してカッタ21を回転させて、またブレーキ機構40の電磁コイル52が生じる電磁力を減少させて、ディスクロータ16にブレーキ力を与える。これにより、カッタ21の切れ歯213は、ディスクロータ16を介して、カッタ21の回転に抵抗するようにブレーキ力を与えられる被削歯車11の右歯面115に密着した状態になり、正確に削り込む。
1次シェービング工程と同様に、ディスクロータ16に与えられるブレーキ力は次第に大きくなる(図6(c)参照)。このディスクロータ16に与えられるブレーキ力は、所定時間(図6(c)の時刻T2からT21)後に一定となる。
また、図6(b)に示すように、カッタ21に加わる負荷も次第に大きくなる。このカッタ21に加わる負荷は、所定時間(図6(b)の時刻T2からT22)後に一定となる。
このとき、図3に示すように、例えば、カッタ21の駆動側切れ歯面215(図4参照)に接する被削歯車11の右歯面115では、被削歯車11の他方の端面112に近い歯面部分118から削り込みが始まり、その削り込み領域(加工領域)が一方の端面111に近い歯面部分117に向かって次第に拡大する。そのため、図6(b)に示すように、カッタ21にかかる負荷が切り込み量の増加とともに増加する。
また、図3に示すように、カッタ21の駆動側切れ歯面215(図4参照)に接する被削歯車11の右歯面115では、被削歯車11の他方の端面112に近い歯面部分118が一方の端面111に近い歯面部分117よりも多く削られ、最終歯面(2次加工後の歯面)119が完成する。図に示すように最終歯面119は、被削歯車11の一方の端面111に近い歯面部分117と他方の端面112に近い歯面部分118が同程度削られ、両端面111,112の中間点に対して左右対称になっている。
右歯面115の最終歯面119が完成すると(図6(c)の時刻T23)、制御部60は、ブレーキ機構40の電磁コイル52が生じる電磁力を増加させて、プランジャ48をディスクロータ16から離して、ディスクロータ16に与えられるブレーキ力を減少させる。制御部60はまた、カッタ回転モータ32の駆動を維持して、2次ドゥエルを所定時間(時刻T23からT3)実行する。
2次ドゥエルが終了すると(図6(a)の時刻T3)、制御部60は、カッタ回転モータ32を停止する。制御部60はまた、カッタ旋回モータ36を駆動し、歯車支持シャフト12の中心軸14に対するカッタ支持シャフト22の中心軸24の交差角を第1交差角θ1に再設定する。
次に、制御部60は、カッタ回転モータ32を逆方向に駆動して、被削歯車11の左歯面116に対して、上述の1次シェービング工程と2次シェービング工程を実施する。
本発明によれば、シェービングカッタの回転に抵抗する向きのブレーキ力を被削歯車に与えて、1次シェービング工程と2次シェービング工程を実施する。1次シェービング工程では歯車中心軸とカッタ中心軸の交差角が最終仕上げ用の第2交差角θ2よりも大きな第1交差角θ1に設定されて所定量の削り込みが行われ、続く2次シェービング工程において交差角が最終仕上げ用の第2交差角θ2に設定される。これにより、1次及び2次シェービング工程では被削歯車の各歯は一方の歯面が一方の端面から他方の端面に向かって次第に削り込まれ又他方の歯面が他方の端面から一方の端面に向かって次第に削り込まれる。したがって、図6から明らかなように、実施形態のシェービング方法によって受けるカッタの負荷は、交差角を最終仕上げ用の角度(上述した第2交差角)に設定して歯面全体を一様に削り込む従来のシェービング方法(切込み量と加工負荷の関係が図7に示される方法)においてカッタが受ける負荷よりも少ない。
また、被削歯車の歯は、ブレーキ力を与えられることにより、シェービングカッタの切れ歯に当接するように押し付けられる。したがって、シェービングカッタが再刃研されて、切れ歯の歯厚が小さくなったとしても、シェービングカッタの中心と被削歯車の中心との間の距離を変化させることなく、シェービングカッタの切れ歯と被削歯車の歯が当接する状態を保つことができる。
[他の実施形態]
上述の実施形態において、ブレーキ機構40は、電磁式ブレーキであるが、例えば液圧式ブレーキ又は空気圧式ブレーキであってもよい。
以上の説明では、加工装置に交差角調整機構(カッタ旋回機構)を設け、これによって交差角を調整するものとしたが、被削歯車支持シャフトの中心軸とカッタ支持シャフトの中心軸の交差角を変更した2台の加工装置を用意し、1次シェービング工程と2次シェービング工程で使用する加工装置を切り替えるようにしてもよい。
また、以上の説明では、第1交差角θ1が第2交差角θ2よりも大きく設定された実施形態について説明したが、第1交差角が第2交差角よりも小さく設定されるようにしてもよい。
さらに、以上の説明では、被削歯車が平歯車でカッタがはすば歯車型カッタの実施形態について説明したが、被削歯車がはすば歯車でカッタがはすば歯車型カッタの組み合わせ、又は他の形状の被削歯車と他の形状のカッタとの組み合わせにおいても、本発明は適用可能である。
11:歯車、21:シェービングカッタ、100:シェービング加工装置、111:一方の端面、112:他方の端面、115:右歯面、116:左歯面。

Claims (3)

  1. 歯幅方向に対向する一対の端面を有する歯車とシェービングカッタとを噛み合わせた状態で前記シェービングカッタを回転させて前記歯車の歯面を仕上げるシェービング加工方法であって、
    前記歯車と前記シェービングカッタとがバックラッシを有した状態で配置され、
    前記歯車は、前記シェービングカッタの回転に抵抗する向きのブレーキ力を与えられながら加工され、
    前記歯面を前記一対の端面の一方の端面から他方の端面に向かって次第に加工領域が拡大するように加工する1次シェービング工程と、
    前記歯面を前記一対の端面の他方の端面から一方の端面に向かって次第に加工領域が拡大するように加工する2次シェービング工程を有し、
    前記歯車の中心軸と前記シェービングカッタの中心軸との交差角が、前記1次シェービング工程では第1交差角に設定され、前記2次シェービング工程では第2交差角に設定され、
    前記第1交差角は前記第2交差角よりも大きく、
    前記第2交差角は、前記歯面の仕上げ条件に対応している、ことを特徴とするシェービング加工方法。
  2. 前記歯車を支持するシャフトの中心軸と前記シェービングカッタを支持するシャフトの中心軸との交差角が、前記1次シェービング工程では前記第1交差角に設定され、前記2次シェービング工程では第2交差角に設定される、ことを特徴とする請求項に記載のシェービング加工方法。
  3. 前記1次シェービング工程と前記2次シェービング工程とが実施された後、
    前記シェービングカッタの回転方向が反対方向に切り替えられ、
    再び、前記1次シェービング工程と前記2次シェービング工程とが実施される、ことを特徴とする請求項1~2のいずれかに記載のシェービング加工方法。
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