JP7434449B2 - エレベータの制御装置およびエレベータの制御方法 - Google Patents

エレベータの制御装置およびエレベータの制御方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、エレベータの制御装置およびエレベータの制御方法に関する。
エレベータの駆動系には、電動機を駆動するインバータ装置がある。このインバータ装置には、半導体スイッチング素子として主にIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュールが備えられる。
特開平11-171413号公報
一般に、IGBTモジュールの寿命は、メーカから提示されているサーマルサイクル(オン・オフが同じ時間)の試験データに基づいて認識される。しかし、エレベータの実際の動作が示すサーマルサイクルは、試験データに示されるものとは異なる。例えば、エレベータの実際の動作では、IGBTモジュールの温度の上昇速度と下降速度とが同じでない場合が多い。そのため、使用中のIGBTモジュールの余寿命を精度良く予測することが難しい。
発明が解決しようとする課題は、駆動系の素子の余寿命を精度良く予測することを可能にする、エレベータの制御装置およびエレベータの制御方法を提供することにある。
実施形態のエレベータの制御装置は、複数のエレベータについて、各種の動作パターンの出現回数をそれぞれ数え、動作パターン毎に、駆動系の素子に故障が発生したときの出現回数を記録したデータを蓄積する蓄積部と、前記データを用いて、動作パターン毎に、駆動系の素子が故障する出現回数の限界を示す回数限界を設定する設定部と、対象のエレベータについて、前記各種の動作パターンの出現回数をそれぞれ数え、数えた各種の動作パターンの出現回数と、それぞれに対応する前記回数限界とから、駆動系の素子の余寿命を判定する判定部と、を具備し、前記設定部は、前記データを用いて、動作パターン毎に、故障前の素子交換を行うべき出現回数の範囲として第1の出現回数範囲をさらに設定し、前記判定部は、前記数えた各種の動作パターンの出現回数と、それぞれに対応する前記第1の出現回数範囲とに基づき、故障前の素子交換を行うべきか否かを判定する
図1は、実施形態に係るエレベータの制御装置を含むエレベータシステム全体の構成を示す図である。 図2Aは、各種の動作パターンを特徴づけるIGBTモジュール14Aの温度変化パターンの基本形の1つ(タイプ(A))を示す図である。 図2Bは、各種の動作パターンを特徴づけるIGBTモジュール14Aの温度変化パターンの基本形の1つ(タイプ(B))を示す図である。 図2Cは、各種の動作パターンを特徴づけるIGBTモジュール14Aの温度変化パターンの基本形の1つ(タイプ(C))を示す図である。 図2Dは、各種の動作パターンを特徴づけるIGBTモジュール14Aの温度変化パターンの基本形の1つ(タイプ(D))を示す図である。 図3は、動作パターン「力行H」、「力行L」、「回生H」、「回生L」、「バランスロード」と、乗りかごの「運転方向」および運転の「負荷率」との関係を示す図である。 図4は、「回生運転」に対応する典型的な電流変化パターンおよび温度変化パターンの例と、これに対応する温度変化パターンの基本形を示す図である。 図5は、「力行運転」に対応する典型的な電流変化パターンおよび温度変化パターンの例と、これに対応する温度変化パターンの基本形を示す図である。 図6は、「バランスロード」に対応する典型的な電流変化パターンおよび温度変化パターンの例と、これに対応する温度変化パターンの基本形を示す図である。 図7は、「連続運転」に対応する典型的な電流変化パターンおよび温度変化パターンの例と、これに対応する温度変化パターンの基本形を示す図である。 図8は、蓄積部21により蓄積されたデータを用いて設定部22により各種の設定を行う手法の一例を示す図である。 図9は、図8で示した例とは異なる別の例を示す図である。 図10は、タイプ(C)に対応する「回生運転」の際に、タイプ(A)の形に近づくよう、ファン14cを通じてIGBTモジュール14Aの温度を調整する場合の例を示すである。 図11は、タイプ(B)に対応する「力行運転」の際に、タイプ(D)の形に近づくよう、ファン14cを通じてIGBTモジュール14Aの温度を調整する場合の例を示すである。 図12は、エレベータ制御装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。
<エレベータシステムの構成>
図1は、実施形態に係るエレベータの制御装置を含むエレベータシステム全体の構成を示す図である。
エレベータは、電動機16、この電動機16の回転軸に取り付けられたシーブ16aに巻き掛けられたロープ17、このロープ17の両端に吊り下げられた乗りかご18とカウンターウェイト(釣り合い重り)19などを備える。
また、エレベータの駆動系として、商用電源11、この商用電源11の交流電力を直流電力に変換するコンバータ12、このコンバータ12の直流電力を平滑化する平滑コンデンサ13、この平滑コンデンサ13を介して与えられた直流電力をPWM(Pulse Width Modulation)制御により任意の周波数、電圧値の交流電圧に変換し、これを駆動電力として電動機16に供給するインバータ装置14、このインバータ装置14から電動機16に供給される電流を検出する電流検出器15などを備える。
上記商用電源11としては三相交流電源が用いられる。この三相交流電源から供給される交流電力は、コンバータ12にて直流電力に変換され、平滑コンデンサ13を介してインバータ装置14に与えられる。このインバータ装置14のスイッチング動作により、上記直流電力が所定周波数の交流電力に変換され、電動機16に駆動電力として供給される。この電力供給により、電動機16が回転駆動され、これに伴いシーブ16aが回転し、そこに巻き掛けられたロープ17を介して乗りかご18とカウンターウェイト19が昇降路内をつるべ式に昇降動作する。
上記インバータ装置14には、IGBTモジュール14Aが設けられる。なお、「IGBTモジュール」については、以降、「素子」と称す場合がある。IGBTモジュール14Aには、少なくとも1組のIGBT14aと、このIGBT14aに逆並列に接続されるダイオード14bとが組み込まれている。また、インバータ装置14には、IGBTモジュール14Aを冷却するためのファン14cも備えられる。
インバータ装置14には、測定部20が設けられる。この測定部20は、所定の条件でエレベータ(乗りかご18)を運転したときのIGBT14aのコレクタ-エミッタ電圧Vceを測定する。この電圧の測定結果は、エレベータ制御装置1に伝えられる。
また、この測定部20には、温度センサが備えられていてもよい。本実施形態では、温度センサは、IGBTモジュール14Aの温度(又はその近傍の温度、もしくはインバータ装置14の温度)を測定する。その温度の測定結果は、エレベータ制御装置1に伝えられる。
ここでは、温度センサが、測定部20に設置される例を示すが、温度センサの設置場所はこの例に限定されるものではなく、測定部20以外の場所に設置されてもよい。すなわち、温度センサは、インバータ装置14の外側、内側、IGBTモジュール14Aの外側、内側のいずれに設置されてもよい。なお、温度センサは、必ずしも設置を要するものではなく、設置を省略しても問題はない。IGBTモジュール14Aの温度は、例えば後述する電流検出器15で検出される電流(インバータ装置14から電動機16に供給される電流)から推測することができる。
エレベータ制御装置1は、コンピュータを用いて実現されるものであり、エレベータ全体の制御を司るものである。このエレベータ制御装置1は、インバータ装置14を通じて乗りかご18の運転制御を行うほか、IGBTモジュール14Aの余寿命の予測、故障前の交換の提示、および、寿命延長のための処理(以降、「余寿命予測等」と称す。)を行う機能を備えている。なお、余寿命予測等を行う機能は、エレベータ制御装置1以外の場所に備えられていてもよい。当該機能の詳細については後で述べる。
本実施形態では、IGBTモジュール14Aの余寿命予測等を行うに際し、IGBTモジュール14Aの温度の上昇速度と下降速度とが異なれば、IGBTモジュール14Aの劣化が進み、余寿命が短くなるという点に着目する。具体的には、エレベータ(乗りかご18)の各種の動作パターン(例えば、「力行運転」、「回生運転」、「バランスロード」などの動作モードに相当する動作パターン)は、それぞれ、IGBTモジュール14Aにおける温度の上昇速度と下降速度との大小関係が異なることから、各種の動作パターンがそれぞれ何回出現するのかによってIGBTモジュール14Aの劣化度が変わり、IGBTモジュール14Aの余寿命も変わる点に着目する。また、一定時間以上の運転状態が継続する「連続運転」のような動作パターンも、IGBTモジュール14Aの劣化度の促進、余寿命の短縮に影響する点についても着目する。本実施形態では、このような観点に基づき、動作パターン毎に、各種の処理を行う手法を提示する。
<エレベータ制御装置1の構成>
エレベータ制御装置1には、各種の機能として、蓄積部21、設定部22、判定部23、制御部24、および発報部25が備えられる。蓄積部21、設定部22、および判定部23は、それぞれ、処理した情報を記憶するための記憶部21a,22a,および23aを備えている。なお、記憶部21a,22a,および23aは、1つの記憶部として構成してもよい。蓄積部21、設定部22、判定部23、および発報部25は、制御部24の制御のもとで動作する。エレベータ制御装置1は、これらの機能を用いて、IGBTモジュール14Aの余寿命予測等を行う。
なお、図1に示されるエレベータ制御装置1の構成は、一例であって、この例に限定されるものではない。例えば、エレベータ制御装置1の構成する要素の一部が、エレベータ制御装置1から独立した別の制御装置に備えられる構成であってもよい。
<蓄積部21>
蓄積部21は、IGBTモジュール14Aの余寿命予測等を行うために使用する情報をデータベースとして記憶部21aに蓄積するものである。この蓄積部21は、あらかじめ、図1に示される対象のエレベータとは異なる別の複数のエレベータ(例えば、全国各地に設置されている複数のエレベータ)について、各種の動作パターンの出現回数をそれぞれ数え、動作パターン毎に、IGBTモジュールに故障が発生したときの出現回数の統計を取って記録したデータを、外部から取得して記憶部21aに蓄積する。
上記統計に使用する複数のエレベータは、インバータやIGBTモジュールの種類(機種、型式、世代など)が、図1に示される対象のエレベータと同じであることが望ましいが、必ずしも同じでなくてもよい。統計に使用する複数のエレベータが、対象のエレベータと似た物件であれば問題はない。すなわち、インバータやIGBTモジュールの種類(機種、型式、世代など)が違っても、同等の動作の傾向/関係を有するものであれば、予め用意しておいた所定の換算式等を用いて(例えば係数を変えるなどして)データを補正することにより、対象のエレベータにおけるIGBTモジュール14Aの余寿命予測等を精度良く行うことが可能である。
(動作パターンの大分類)
上記した各種の動作パターンには、エレベータの基本的な動作モードである「力行運転」、「回生運転」、「バランスロード」のほか、「連続運転」がある。
「力行運転」、「回生運転」、「バランスロード」は、それぞれ、インバータ装置の所定の部分における温度もしくは電流の上昇速度と下降速度との大小関係(例えば、インバータ装置又はIGBTモジュールにおける温度の上昇速度と下降速度との大小関係、もしくはインバータ装置又はIGBTモジュールの出力部における電流の上昇速度と下降速度との大小関係)が異なるという特徴がある。本実施形態では、「力行運転」、「回生運転」、「バランスロード」に加えてさらに、一定時間以上の運転状態が継続する「連続運転」も、動作パターンの一種として扱う。
(温度変化パターンの基本形)
図2A、図2B、図2C、及び図2Dに、各種の動作パターンを特徴づけるIGBTモジュール14Aの温度変化パターンの基本形(タイプ(A),(B),(C),(D))を示す。各図のグラフにおいて、横軸は時間を示し、縦軸はIGBTモジュールの温度を示す。
図2A、図2B、図2C、及び図2Dに示されるタイプ(A),(B),(C),(D)は、IGBTモジュール14Aの劣化・余寿命への影響の度合いがそれぞれ異なる。タイプ(A),(B),(C),(D)について、IGBTモジュールを劣化させる度合いの大きさの関係を不等式で表すと、(C)>(B)>(D)>(A)となる。
図2Aに示されるタイプ(A)は、温度の上昇速度と下降速度とが同じになる温度変化パターンである。なお、図2Aの例では、温度の上昇および下降のサイクルが2つの場合が示されているが、当該サイクルが1つの場合もタイプ(A)に該当するものとする。従来技術においては、IGBTモジュールの寿命予測は、一般にこのタイプ(A)の温度変化パターンをベースに行われるが、実際のエレベータの動作では、常にタイプ(A)の温度変化パターンが出現するわけではなく、タイプ(A)以外のタイプ(B)、(C)、(D)の温度変化パターンが多く出現する。
図2Bに示されるタイプ(B)は、温度の上昇速度と下降速度とが異なり、その大小関係が「上昇速度>下降速度」(すなわち、上昇時間<下降時間)となる温度変化パターンである。なお、図2Bの例では、温度の上昇および下降のサイクルが2つの場合が示されているが、当該サイクルが1つの場合もタイプ(B)に該当するものとする。このタイプ(B)の温度変化パターンは、「力行運転」のときに観測される。このタイプ(B)の温度変化パターンは、温度の上昇速度と下降速度とが異なることから、タイプ(A)の温度変化パターンよりも、IGBTモジュールの劣化を促進させる。
図2Cに示されるタイプ(C)は、温度の上昇速度と下降速度とが異なり、その大小関係が「上昇速度<下降速度」(すなわち、上昇時間>下降時間)となる温度変化パターンである。なお、図2Cの例では、温度の上昇および下降のサイクルが2つの場合が示されているが、当該サイクルが1つの場合もタイプ(B)に該当するものとする。このタイプ(C)の温度変化パターンは、「回生運転」のときに観測される。このタイプ(C)の温度変化パターンは、タイプ(A)の温度変化パターンよりも、また、タイプ(B)の温度変化パターンよりも、IGBTモジュールの劣化を促進させる。
図2Dに示されるタイプ(D)は、温度の上昇速度と下降速度とが同じであるが、温度が上昇したあと下降するまでに一定以上の温度が保持された状態が一定以上継続する温度変化パターンである。このタイプ(D)の温度変化パターンは、「バランスロード」や「連続運転」のときに観測される。このタイプ(D)の温度変化パターンは、温度の上昇速度と下降速度とが同じであるが、一定以上の温度が保持された状態が一定以上継続することから、タイプ(A)の温度変化パターンよりも、IGBTモジュールの劣化を促進させる。
(動作パターンの小分類)
本実施形態では、上述した4種の動作パターン「力行運転」、「回生運転」、「バランスロード」、「連続運転」をさらに以下のように分類する。「力行運転」については、出力の大きさに応じて「力行H」、「力行L」に分類する。「回生運転」についても、出力の大きさに応じて「回生H」、「回生L」に分類する。なお、「バランスロード」については、更なる分類は行わない。「連続運転」については、連続運転が行われた時間に応じて「連続10」、「連続30」に分類する。「連続10」は、10分以上(30分未満)の運転状態が続いた場合を示し、「連続30」は、30分以上の運転状態が続いた場合を示す。すなわち、本実施形態では、「力行H」、「力行L」、「回生H」、「回生L」、「バランスロード」、「連続10」、「連続30」の7つに分類する。
ただし、ここで挙げた例は一例であって、この例に限定されるものではなく、適宜、変形してもよい。例えば、分類する各種の動作パターンの数は、本例よりも減らしてもよいし、逆に増やしてもよい。また、連続運転とみす時間の長さも、適宜変えてもよい。
なお、「力行H」と「力行L」との違い、「回生H」と「回生L」との違いは、後述する図3の情報をもとに識別することができる。また、「連続10」と「連続30」との違いは、運転状態が続く継続時間をもとに識別することができる。
図3に、動作パターン「力行H」、「力行L」、「回生H」、「回生L」、「バランスロード」と、乗りかごの「運転方向」および運転の「負荷率」との関係を示す。なお、「バランスロード」については、以降、「BL」と称す場合がある。
図3に示されるように、負荷率は、例えば1~100(%)を10段階に分けた形で表され、運転方向は、「UP」(上昇方向)と「DN」(下降方向)とで表される。なお、運転方向が「UP」と「DN」のいずれであるかは、例えば「起点階」を示す情報と「目的階」を示す情報とから、判定することができる。
図3の例では、運転方向「UP」に対しては、負荷率が大きい順に、「力行H」、「力行L」、「BL」、「回生L」、「回生H」がそれぞれ領域ごとに割り当てられている。運転方向「DN」に対しては、負荷率が大きい順に、「回生H」、「回生L」、「BL」、「力行L」、「力行H」がそれぞれ領域ごとに割り当てられている。
よって、「力行運転」が「力行H」と「力行L」のいずれに該当するのか、また、「回生運転」が「回生H」と「回生L」のいずれに該当するのかは、「運転方向」および「負荷率」をもとに判定することができる。
図4~図7に、「回生運転」、「力行運転」、「バランスロード」、「連続運転」のそれぞれにおける典型的な電流変化パターンおよび温度変化パターンの例と、これらに対応する温度変化パターンの基本形とを示す。なお、ここでいう電流変化パターンとは、インバータ装置又はIGBTモジュールにおける電流の変化パターンを指す。また、温度変化パターンとは、インバータ装置又はIGBTモジュールの出力部における温度の変化パターンを指す。
図4は、「回生運転」に対応する典型的な電流変化パターンおよび温度変化パターンの例と、これに対応する温度変化パターンの基本形を示している。
「回生運転」のときは「回生H」と「回生L」のいずれの場合も、図4の上側に示されるような電流変化およびこれに伴う温度変化が観測される。このときの温度変化パターンは、図4の下側に示されるとおり、前述した温度変化パターンの基本形(タイプ(A),(B),(C),(D))のうちのタイプ(C)に該当する。例えば、図4の上側に示される温度変化パターンにおいて、温度が上昇する前のポイントと、温度が上昇して最高点に達するポイントと、温度が下降し終えた後のポイントとを、直線で結ぶと、図4の下側に示されるタイプ(C)の形状に該当することがわかる。
図5は、「力行運転」に対応する典型的な電流変化パターンおよび温度変化パターンの例と、これに対応する温度変化パターンの基本形を示している。
「力行運転」のときは、「力行H」と「力行L」のいずれの場合も、図5の上側に示されるような電流変化およびこれに伴う温度変化が観測される。このときの温度変化パターンは、図5の下側に示されるとおり、前述した温度変化パターンの基本形(タイプ(A),(B),(C),(D))のうちのタイプ(B)に該当する。例えば、図5の上側に示される温度変化パターンにおいて、温度が上昇する前のポイントと、温度が上昇して最高点に達するポイントと、温度が下降し終えた後のポイントとを、直線で結ぶと、図5の下側に示されるタイプ(B)の形状に該当することがわかる。
図6は、「バランスロード」に対応する典型的な電流変化パターンおよび温度変化パターンの例と、これに対応する温度変化パターンの基本形を示している。
「バランスロード」のときは、図6の上側に示されるような電流変化およびこれに伴う温度変化が観測される。このときの温度変化パターンは、前述した温度変化パターンの基本形(タイプ(A),(B),(C),(D))のうちのタイプ(D)に該当する。なお、後述する「連続運転」のときに観測される温度変化パターンもタイプ(D)に該当するので、ここでは「連続運転」との区別のため、図6の下側に示されるとおり、「バランスロード」に該当するものをタイプ(D)-1と称している。
図7は、「連続運転」に対応する典型的な電流変化パターンおよび温度変化パターンの例と、これに対応する温度変化パターンの基本形を示している。
「連続運転」のときは、「連続10」と「連続30」のいずれの場合も、図7の上側に示されるような電流変化およびこれに伴う温度変化が観測される。このときの温度変化パターンは、前述した温度変化パターンの基本形(タイプ(A),(B),(C),(D))のうちのタイプ(D)に該当する。なお、上記した「バランスロード」のときに観測される温度変化パターンもタイプ(D)に該当するので、ここでは「バランスロード」との区別のため、図7の下側に示されるとおり、「連続運転」に該当するものをタイプ(D)-2と称している。
したがって、運転中のエレベータにおいて、上述した「温度変化パターン」を観測し(もしくは「電流変化パターン」の観測結果から「温度変化パターン」を推測し)、その「温度変化パターン」の基本形がどのタイプに該当するのかを判定することにより、動作パターンが「回生運転」、「力行運転」、「バランスロード」(又は「連続運転」)のいずれに該当するのかを判定することができる。
また、「回生運転」が「回生H」と「回生L」のいずれに該当するのかは、図3で説明した「運転方向」および「負荷率」をもとに判定することができる。同様に、「力行運転」が「力行H」と「力行L」のいずれに該当するのかは、図3で説明した「運転方向」および「負荷率」をもとに判定することができる。
現在の動作パターンが「バランスロード」と「連続運転」のいずれに該当するのかは、一定時間以上の運転状態が継続するか否かによる。一定時間以上の運転状態が継続する場合には、「連続運転」に該当すると判定することができる。例えば10分以上(30分未満)の運転状態が続いた場合には、「連続10」に該当すると判定することができ、30分以上の運転状態が続いた場合には、「連続30」に該当すると判定することができる。
<設定部22>
図1中に示される設定部22は、蓄積部21により蓄積されたデータを用いて、(i)動作パターン毎に、素子(IGBTモジュール14A)が故障する出現回数の限界(以降、「回数限界」と称す。)を設定する機能、(ii)動作パターン毎に、故障前の素子交換(IGBTモジュール14Aの交換)を行うべき出現回数の範囲として第1の出現回数範囲(以降、「交換ゾーン」と称す。)を設定する機能、および、(iii)動作パターン毎に、素子寿命延長のための処理(IGBTモジュール14Aの寿命を延ばすための温度調整の処理)を行うべき出現回数の範囲として第2の出現回数範囲(以降、「寿命延長ゾーン」と称す。)を設定する機能を有する。各種の設定が行われたデータは、記憶部22aに記憶される。
図8に、蓄積部21により蓄積されたデータを用いて設定部22により各種の設定を行う手法の一例を示す。
図8には、全国各地に設置されている個々のエレベータについて、各種の動作パターンが出現する回数をそれぞれ数えた統計を示すデータが、複数の折線グラフ(「動作マップ」ともいう)の形で記載されている。但し、図8の例では、データの蓄積が未完の状態(データを蓄積している途中の状態)を示している。
図8中の回数の表示に記されたnは、万などの所定数の単位を表す。1本の折線グラフは、1つのあるエレベータにおける各種の動作パターンの出現回数を表す。実線で描かれた折線グラフは、故障が発生していない正常な素子のデータを表している。一方、破線で描かれた折線グラフは、故障が発生した素子のデータを表している。
図8の例では、図示が煩雑になるのを避けるため、故障が発生した素子の動作マップは1つしか描かれていないが、実際には、より多くの統計が取られ、動作パターン毎に故障が発生した素子の動作マップがより多く描かれる。
図8の例では、動作パターン「BL」のときに素子の故障が発生した動作マップの1つの例が描かれている。設定部22は、動作パターン「BL」のときに素子の故障が発生した回数を示すデータが所定量以上得られると、当該データに基づき、動作パターン「BL」に対応する「回数限界」を設定する。そのほかの種類の動作パターン「回生H」、「回生L」、「力行H」、「力行L」、「連続10」、「連続30」についても、同様に「回数限界」を設定する。設定した「回数限界」は、IGBTモジュール14Aの余寿命の予測等に使用される。
なお、本実施形態における「回数限界」は、従来のサーマルサイクルの回数限界(すなわち、従来のようにオン・オフが同じ時間のサーマルサイクルの試験データに基づく回数限界)とは異なるものである。本実施形態における「回数限界」は、非対象温度増減サイクルの回数限界(すなわち、前述したように温度の上昇速度と下降速度とが異なる温度変化パターンを含むサーマルサイクルのデータに基づく回数限界)である。
また、設定部22は、「回数限界」の設定を終えると、当該「回数限界」に基づき、「交換ゾーン」および「寿命延長ゾーン」を設定する。これらの設定は、動作パターン毎に行われる。「交換ゾーン」は、「回数限界」以下の一定の範囲内に設定する。「寿命延長ゾーン」は、「交換ゾーン」以下の一定の範囲内に設定する。
なお、対象のエレベータと統計に使用した各エレベータとの間で、インバータやIGBTモジュールの種類(機種、型式、世代など)の違いにばらつきがある場合には、なるべくその種類(機種、型式、世代など)が対象のエレベータに近いエレベータ物件の動作マップに基づいて「回数限界」、「交換ゾーン」および「寿命延長ゾーン」を設定することが望ましい。また、必要に応じて、上記種類(機種、型式、世代など)の情報に基づき、予め用意しておいた所定の換算式等を用いて(例えば係数を変えるなどして)、「回数限界」、「交換ゾーン」および「寿命延長ゾーン」を補正してもよい。
図9に、図8で示した例とは異なる別の例を示す。図9の例では、素子の故障が発生した複数のエレベータ物件(インバータやIGBTモジュールの種類(機種、型式、世代など)が近い物件)の動作マップが、破線で描かれた例が示されている。もし対象のエレベータが、これらに似た物件(すなわち、インバータやIGBTモジュールの種類(機種、型式、世代など)が近い物件)である場合には、これらの動作マップに基づいて「回数限界」、「交換ゾーン」および「寿命延長ゾーン」を設定する。これらの動作マップが、例えば「力行H」のときに素子の故障が発生したものである場合は、「力行H」に対応する「回数限界」、「交換ゾーン」および「寿命延長ゾーン」を設定する。また、必要に応じて、予め用意しておいた所定の換算式等により、「回数限界」、「交換ゾーン」および「寿命延長ゾーン」を補正する。
<判定部23>
図1中に示される判定部23は、設定部22により設定が行われたデータを用いて、対象のエレベータにおける素子の余寿命を判定したり、故障前の素子交換を行うべきか否かを判定したり、素子寿命延長のための処理を行うべきか否かを判定したりする。
すなわち、判定部23は、対象のエレベータについて、各種の動作パターンの出現回数をそれぞれ数え、(i)数えた各種の動作パターンの出現回数と、それぞれに対応する回数限界とから、素子(IGBTモジュール14A)の余寿命を判定する機能、(ii)数えた各種の動作パターンの出現回数と、それぞれに対応する「交換ゾーン」とに基づき、故障前の素子交換(IGBTモジュール14Aの交換)を行うべきか否かを判定する機能、および、(iii)数えた各種の動作パターンの出現回数と、それぞれに対応する「寿命延長ゾーン」とに基づき、素子寿命延長のための処理(IGBTモジュール14Aの寿命を延ばすための温度調整の処理)を行うべきか否かを判定する機能を有する。各種の判定が行われた判定結果は、記憶部23aに記憶される。
(各種の動作パターンの識別およびカウント)
判定部23は、測定部20から伝えられるインバータ装置14またはIGBTモジュール14Aの「温度」を示す情報(もしくは、制御部24から伝えられるインバータ装置又はIGBTモジュールの出力部における「電流」を示す情報)や、制御部24から与えられる乗りかごの「起点階」および「目的階」を示す情報(すなわち、乗りかごの「運転方向」を示す情報)、乗りかごの負荷率を示す情報などを受信し、これらの情報を用いて、対象のエレベータにおける現在の動作パターンが、各種の動作パターン「回生H」、「回生L」、「力行H」、「力行L」、「BL」、「連続10」、「連続30」のいずれに該当するのかを、前述した手法で識別する処理を繰り返し行うとともに、動作パターン毎に予め用意しておいたカウンタを用いて動作パターン毎に出現回数をカウントする。
(「回数限界」に基づく余寿命予測)
判定部23は、各種の動作パターン「回生H」、「回生L」、「力行H」、「力行L」、「BL」、「連続10」、「連続30」のそれぞれの出現回数のカウント値と、それぞれに対応する「回数限界」との差に基づき、IGBTモジュール14Aの余寿命を判定し、その旨を制御部24へ伝える。
余寿命は、動作パターン毎に示されるものであってもよい。この場合、例えば、「回生H」、「回生L」、「力行H」、「力行L」、「BL」、「連続10」、「連続30」のそれぞれの出現回数のカウント値と、それぞれに対応する「回数限界」との差を、それぞれ、IGBTモジュール14Aの余寿命として示してもよいし、それらの差のうち、最も短いものを、IGBTモジュール14Aの「余寿命」と判定してもよい。その際に、所定の演算式等により上記のカウント値を補正したり、あるいは、上記の差を補正したりした上で、IGBTモジュール14Aの「余寿命」を求めてもよい。
(「寿命延長ゾーン」に基づく判定)
判定部23は、各種の動作パターン「回生H」、「回生L」、「力行H」、「力行L」、「BL」、「連続10」、「連続30」のそれぞれの出現回数のカウント値のうち、「寿命延長ゾーン」に入ったものがあるか否かを監視する。「寿命延長ゾーン」に入ったものがある場合、判定部23は、IGBTモジュール14Aの寿命を延ばすための温度調整の処理を行うべきと判定し、その旨を制御部24へ伝える。
(「交換ゾーン」に基づく判定)
判定部23は、各種の動作パターン「回生H」、「回生L」、「力行H」、「力行L」、「BL」、「連続10」、「連続30」のそれぞれの出現回数のカウント値のうち、「交換ゾーン」に入ったものがあるか否かを監視する。「交換ゾーン」に入ったものがある場合、判定部23は、IGBTモジュール14Aの交換を行うべきと判定し、その旨を制御部24へ伝える。
<制御部24>
図1中に示される制御部24は、電流検出器15によって検出される電流値に基づいてインバータ装置14を駆動制御したり、判定部23の判定結果に応じた各種の処理を行ったりする。
例えば、制御部24は、判定部23からIGBTモジュール14Aの余寿命が伝えられた場合、IGBTモジュール14Aの余寿命を発報部25に伝える。
また、制御部24は、判定部23からIGBTモジュール14Aの寿命を延ばすための温度調整の処理を行うべき旨が伝えられた場合、IGBTモジュール14Aの温度の上昇速度と下降速度とが同等になるようにファン14cを制御し、IGBTモジュール14Aの劣化が抑制されるようにする。
この場合、例えば、図10に示すようなタイプ(C)に対応する「回生運転」の際には、破線で示すように、タイプ(A)の形に近づくよう、ファン14cを通じてIGBTモジュール14Aの温度を調整してもよい。また、例えば、図11に示すようなタイプ(B)に対応する「力行運転」の際には、破線で示すように、タイプ(D)の形に近づくよう、ファン14cを通じてIGBTモジュール14Aの温度を調整してもよい。これにより、IGBTモジュール14Aの劣化が抑制され、寿命に至るまでの時間をかせぐことができる。さらに、走行前の行先階・積載等の情報に基づき、温度の上昇・下降パターンを予測し、均一になるようにファン14cによる冷却を制御する(運転効率よりも、運転継続性を優先する)ようにしてもよい。
また、制御部24は、判定部23からGBTモジュール14Aの交換を行うべき旨が伝えられた場合、IGBTモジュール14Aの交換を行うべき旨の発報を発報部25に指示する。
<発報部25>
図1中に示される発報部25は、制御部24からIGBTモジュール14Aの余寿命の情報が伝えられると、その情報を通信回線31経由で監視センタ30もしくは作業者が所持する情報機器へ伝える。また、この発報部25は、制御部24からIGBTモジュール14Aの交換を行うべき旨の発報の指示を受けると、機械室あるいは管理室などに設置された警告ランプ26を点灯してその旨を示す警告の発報を行うとともに、その旨を通信回線31経由で外部の監視センタ30に報知する。
監視センタ30は、エレベータの動作状態を遠隔監視しており、何らかの異常の連絡を受けたときに、保守員を現場に派遣するなどして対処する。
<動作の流れ>
次に、図12のフローチャートを参照して、エレベータ制御装置1の動作の一例を説明する。
最初に、蓄積部21が、動作パターン毎のデータの蓄積を行う(ステップS1)。
具体的には、蓄積部21が、例えば全国各地に設置されている複数のエレベータについて、各種の動作パターンの出現回数をそれぞれ数え、動作パターン毎に、IGBTモジュールに故障が発生したときの出現回数の統計を取って記録したデータを、外部から取得して蓄積する。
次に、設定部22が、蓄積部21により蓄積されたデータを用いて、動作パターン毎の「回数限界」の設定、「交換ゾーン」の設定および「寿命延長ゾーン」の設定を行う(ステップS2)。
具体的には、設定部22が、蓄積部21により蓄積されたデータを用いて、(i)動作パターン毎に、IGBTモジュール14Aが故障する出現回数の「回数限界」を設定する処理、(ii)動作パターン毎に、IGBTモジュール14Aの交換を行うべき出現回数の範囲である「交換ゾーン」を設定する処理、および、(iii)動作パターン毎に、IGBTモジュール14Aの寿命を延ばすための温度調整の処理を行うべき出現回数の範囲である「寿命延長ゾーン」を設定する処理を行う。
次に、判定部23が、設定部22により設定が行われたデータを用いて、IGBTモジュール14Aの余寿命の判定、および、「交換ゾーン」および「寿命延長ゾーン」に基づく各種の判定を行う(ステップS3)。
具体的には、判定部23が、対象のエレベータについて、各種の動作パターンの出現回数をそれぞれ数え、(i)数えた各種の動作パターンの出現回数と、それぞれに対応する回数限界とから、IGBTモジュール14Aの余寿命を判定する処理、(ii)数えた各種の動作パターンの出現回数と、それぞれに対応する「交換ゾーン」とに基づき、IGBTモジュール14Aの交換を行うべきか否かを判定する処理、および、(iii)数えた各種の動作パターンの出現回数と、それぞれに対応する「寿命延長ゾーン」とに基づき、IGBTモジュール14Aの寿命を延ばすための温度調整の処理を行うべきか否かを判定する処理を行う。
次に、制御部24が、判定部23により判定された結果に応じた処理を行う(ステップS4)。
具体的には、制御部24は、判定部23からIGBTモジュール14Aの余寿命が伝えられた場合には、IGBTモジュール14Aの余寿命を発報部25に伝える。また、制御部24は、判定部23からIGBTモジュール14Aの寿命を延ばすための温度調整の処理を行うべき旨が伝えられた場合には、IGBTモジュール14Aの温度の上昇速度と下降速度とが同等になるようにファン14cを制御し、IGBTモジュール14Aの劣化が抑制されるようにする。また、制御部24は、判定部23からGBTモジュール14Aの交換を行うべき旨が伝えられた場合、IGBTモジュール14Aの交換を行うべき旨の発報を発報部25に指示する。
このような動作を行うことにより、作業者等はIGBTモジュール14Aについて精度の良い余寿命を知得することができる。また、IGBTモジュール14Aが故障に至る前に、IGBTモジュール14Aを交換したり、IGBTモジュール14Aの寿命を延ばしたりすることができる。
<まとめ>
以上詳述したように、実施形態によれば、駆動系の素子の余寿命を精度良く予測することができる。
すなわち、一般に、IGBTモジュールの寿命はメーカから提示されているサーマルサイクル(オン・オフが同じ時間)の試験データに基づいて認識されるのであるが、実施形態では、そうではなく、エレベータの実際の動作が示すサーマルサイクルに基づいてIGBTモジュールの寿命を認識するので、IGBTモジュールの余寿命予測等を精度良く行うことが可能になる。
例えば、実施形態では、エレベータの各種の動作パターン(例えば、「力行運転」、「回生運転」、「バランスロード」などの動作モードに相当する動作パターン)は、それぞれ、IGBTモジュール14Aにおける温度の上昇速度と下降速度との大小関係が異なることから、各種の動作パターンがそれぞれ何回出現するのかによってIGBTモジュール14Aの劣化度が変わり、IGBTモジュール14Aの余寿命も変わる点に着目するとともに、一定時間以上の運転状態が継続する「連続運転」のような動作パターンも、IGBTモジュール14Aの劣化度の促進、余寿命の短縮に影響する点についても着目し、それらの観点に基づき、動作パターン毎に、各種の処理を行うので、IGBTモジュールの余寿命予測等を精度良く行うことが可能になる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…エレベータ制御装置、11…商用電源、12…コンバータ、13…平滑コンデンサ、14…インバータ装置、14A…IGBTモジュール、14a…IGBT、14b…ダイオード、14c…ファン、15…電流検出器、16…電動機、16a…シーブ、17…ロープ、18…乗りかご、19…カウンターウェイト、20…測定部、21…蓄積部、22…設定部、23…判定部、24…制御部、25…発報部、26…警告ランプ、30…監視センタ、31…通信回線。

Claims (6)

  1. 複数のエレベータについて、各種の動作パターンの出現回数をそれぞれ数え、動作パターン毎に、駆動系の素子に故障が発生したときの出現回数を記録したデータを蓄積する蓄積部と、
    前記データを用いて、動作パターン毎に、駆動系の素子が故障する出現回数の限界を示す回数限界を設定する設定部と、
    対象のエレベータについて、前記各種の動作パターンの出現回数をそれぞれ数え、数えた各種の動作パターンの出現回数と、それぞれに対応する前記回数限界とから、駆動系の素子の余寿命を判定する判定部と、
    を具備し、
    前記設定部は、
    前記データを用いて、動作パターン毎に、故障前の素子交換を行うべき出現回数の範囲として第1の出現回数範囲をさらに設定し、
    前記判定部は、
    前記数えた各種の動作パターンの出現回数と、それぞれに対応する前記第1の出現回数範囲とに基づき、故障前の素子交換を行うべきか否かを判定する、
    エレベータの制御装置。
  2. 前記設定部は、
    前記データを用いて、動作パターン毎に、素子寿命延長のための処理を行うべき出現回数の範囲として第2の出現回数範囲をさらに設定し、
    前記判定部は、
    前記数えた各種の動作パターンの出現回数と、それぞれに対応する前記第2の出現回数範囲とに基づき、素子寿命延長のための処理を行うべきか否かを判定する、
    請求項に記載のエレベータの制御装置。
  3. 駆動系の素子を冷却する機器の動作を制御する制御部をさらに具備し、
    前記制御部は、前記素子寿命延長の処理を行う場合に、駆動系の素子の温度の上昇速度と下降速度とが同等になるように前記機器を制御する、
    請求項に記載のエレベータの制御装置。
  4. 前記各種の動作パターンは、所定の部分における温度もしくは電流の上昇速度と下降速度との大小関係が異なる複数の動作パターンを含む、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエレベータの制御装置。
  5. 前記各種の動作パターンは、少なくとも、回生運転、力行運転、バランスロード運転にそれぞれ対応する複数の動作パターンを含む、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエレベータの制御装置。
  6. エレベータの制御装置が実行するエレベータの制御方法であって、
    複数のエレベータについて、各種の動作パターンの出現回数をそれぞれ数え、動作パターン毎に、駆動系の素子に故障が発生したときの出現回数を記録したデータを蓄積することと、
    前記データを用いて、動作パターン毎に、駆動系の素子が故障する出現回数の限界を示す回数限界を設定することと、
    対象のエレベータについて、前記各種の動作パターンの出現回数をそれぞれ数え、数えた各種の動作パターンの出現回数と、それぞれに対応する前記回数限界とから、駆動系の素子の余寿命を判定することと、
    を含
    前記設定は、
    前記データを用いて、動作パターン毎に、故障前の素子交換を行うべき出現回数の範囲として第1の出現回数範囲をさらに設定することを含み、
    前記判定は、
    前記数えた各種の動作パターンの出現回数と、それぞれに対応する前記第1の出現回数範囲とに基づき、故障前の素子交換を行うべきか否かを判定することを含む、
    エレベータの制御方法。
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