JP7434094B2 - 冷凍サイクル装置及び冷凍機 - Google Patents
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Description
そして、近年圧縮機をインバータで可変速駆動して、冷凍能力を可変できる冷凍機が主流になってきている。インバータで圧縮機を可変速駆動する場合、その消費電力はインバータの出力周波数、すなわち冷凍能力にほぼ比例する。
上述のような異常モード冷却運転では、冷凍機は、冷却ユニットからの第1信号を受信できず、冷却ユニットの状況が不明であることから、余裕を持った大きな冷却能力を発揮する運転、すなわちインバータによる高周波数運転による圧縮機駆動を行わざるを得ない。その結果、冷凍サイクル装置や冷凍機では、必要以上の冷却を行うことになり、エネルギー消費量が増加してしまうという問題があった。
実施形態の冷凍機は、吸熱器の設置場所の状況に応じた、圧縮機の動作に関する第1信号を出力する冷却ユニットに接続される。冷凍機は、圧縮機、放熱器、インバータ、冷凍機制御部、圧力センサ、および記録部を有する。圧縮機には、吸熱器から排出された冷媒が供給される。放熱器には、この圧縮機から吐出された冷媒が供給される。インバータは、圧縮機の回転数を制御する。冷凍機制御部は、第1信号が入力され、インバータの出力周波数を制御する。圧力センサは、圧縮機に供給される冷媒の圧力を検出する。記録部は、この圧力センサの検出した圧力を記録する。冷凍機制御部は、第1信号が入力されない場合、記録部から読み出した圧力値に基づいて目標圧力信号を設定する。冷凍機制御部は、圧力センサの検出する圧力が目標圧力信号になるようにインバータの出力周波数を可変して圧縮機の動作を制御する。
図1は、実施形態の冷凍サイクル装置のブロック図である。冷凍サイクル装置1は、圧縮機2と、凝縮器(放熱器)4と、膨張装置(例えば膨張弁)6と、蒸発器(吸熱器)8と、これらに冷媒を流通させる冷媒流路9と、を有する。冷凍サイクル装置1は、R410A、R32もしくは二酸化炭素(CO2)等の冷媒を含む。冷媒は、相変化しながら冷凍サイクル装置1内を循環する。
膨張装置6は、凝縮器4から送り込まれる高圧の液体冷媒の圧力を下げ、高圧の液体冷媒を低温・低圧の液体冷媒にする。
蒸発器8は、膨張装置6から送り込まれる低温・低圧の液体冷媒を吸熱させて気化させ、常温低圧の気体冷媒にする。蒸発器8において、低圧の液体冷媒が気化する際に周囲から気化熱を奪うことで周囲が冷却される。蒸発器8を通過した低圧の気体冷媒は、上述した圧縮機2の内部に取り込まれ、再び上記の冷凍サイクル動作が繰り返される。
冷却ユニット10は、断面が四角もしくは三角形の筐体を備え、冷却する対象空間である冷凍庫や冷凍倉庫等の内部および近傍に配置される。一般的には冷却対象空間の天井や壁面に取り付け設置される。冷却ユニット10は、前述の蒸発器8および膨張装置6を収納する。さらに冷却ユニット10は、冷却ファン12と、冷却ファン駆動回路13と、庫内温度センサ15と、操作器16と、冷却ユニット制御部(第1制御部)11と、通信部18と、を有する。
冷却ファン駆動回路13は、冷却ファン12を駆動する。冷却ファン駆動回路13の動作は、冷却ユニット制御部11により制御される。
操作器(温度設定器)16は、入力部と、表示部と、を有する。
入力部は、複数の押圧ボタン等を有する。入力部は、運転・停止や冷凍庫内の目標温度等の冷凍サイクル装置1の動作に関するユーザの入力を受け付ける。操作器16は、入力された目標温度に対応する目標温度信号を、冷却ユニット制御部11に出力する。これにより冷却ユニット制御部11には、蒸発器8の設置場所である冷凍庫の目標温度に対応する目標温度信号が入力される。
表示部は、ディスプレイ等を有する。表示部は、冷凍サイクル装置1の動作に関する情報を表示する。表示部は、後述する通信異常に関する情報を表示することにより、異常報知部として機能する。
冷却ユニット制御部11は、決定したインバータ周波数に対応する周波数指令信号(第1信号)を通信部18に出力する。冷却ユニット制御部11は、圧縮機2の動作に関する周波数指令信号を出力する。
通信部18は、有線または無線の通信経路19を介して、周波数指令信号を冷凍機20に送信する。
放熱ファン駆動回路23は、放熱ファン22を駆動する。放熱ファン駆動回路23の動作は、冷凍機制御部21により制御される。
記録部26には、低圧圧力センサ25から出力された圧力信号が記録される。冷凍機制御部21は、運転中は、常に低圧圧力センサ25から入力された圧力信号を、所定時間毎(例えば5分毎)に記録部26に記録する。記録部26は、電気的なメモリであり、冷凍サイクル装置1への電源が遮断されても内部の記録(記憶)を保持させておく必要がある場合には不揮発性メモリを用いることが好ましい。
通信部28は、冷却ユニット10から通信配線等の通信経路19を介して周波数指令信号(第1信号)を受信する。通信部28は、受信した周波数指令信号を冷凍機制御部21に出力する。冷凍機制御部21に周波数指令信号が入力されたとき、冷凍機制御部21は受領信号を出力する。受領信号は、通信部28および通信経路19を介して冷却ユニット10に送信される。そして、受領信号は、冷却ユニット10内の通信部18を経由して冷却ユニット制御部11で受信される。
図2は、冷凍サイクル装置の運転方法のフローチャートである。周波数指令信号の通信異常が発生していない場合に、冷凍サイクル装置1は正常モードで冷却運転される(S10)。正常モードにおいて、冷却ユニット制御部11は、圧縮機2の動作に関するインバータ周波数を決定する。冷却ユニット制御部11は、決定したインバータ周波数に対応する周波数指令信号を出力する。冷凍機制御部21は、入力された周波数指令信号に基づいて、インバータ回路24の動作を制御する。
低圧圧力センサ25は、圧力信号Pを冷凍機制御部21に出力する。冷凍機制御部21は、入力された圧力信号Pを、所定時間毎に記録部26に記録する(S12)。
周波数指令信号の通信異常の場合には、冷凍機制御部21が受領信号を出力しないので、冷却ユニット制御部11に受領信号が入力されない。この場合に、冷却ユニット制御部11は、操作器16の表示部により周波数指令信号の通信異常を報知する。冷却ユニット制御部11は、操作器16の表示部に、何らかの原因で周波数指令信号が送信できていない旨を表示させる。
冷凍機制御部21は、直近の3個の圧力信号Pの平均値を、目標圧力信号(目標圧力値)PTに設定してもよい。直近の圧力信号Pが過去の3個の圧力信号Pの最大値と最小値との差分以上の場合は、この直近の圧力信号Pを圧力異常値(無効値)としてカウントしない。すなわち、平均値を算出する対象から除外しても良い。
また、起動直後などで圧力信号Pが安定していない過渡期にあたると、正確な負荷状態と対応しないため、検出した圧力信号P(圧力値)が安定したことを判断して、安定後の圧力信号を目標圧力値としても良い。
冷凍機制御部21は、記録部26に記録された複数の圧力信号Pを読み出して平均値を算出し、圧縮機2の動作を制御してもよい。
これらの構成によれば、最新の目標温度に対応した適正負荷の状態で、異常モード冷却運転が実施される。
この構成によれば、最近の冷凍負荷に合致した冷凍能力で異常モード冷却運転が実施される。
この構成によれば、通信異常の早期復旧が可能になり、異常モード冷却運転の時間が短縮される。したがって、異常モード冷却運転時のエネルギー消費量を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、冷却ユニット10の冷却ユニット制御部11が庫内温度と庫内の目標温度に基づいてインバータ回路24の出力する周波数を決定し、これを周波数指令信号として冷凍機20側に送信したが、冷却ユニット制御部11が庫内温度と庫内の目標温度に対応する信号を冷凍機制御部21に送信し、これらのデータに基づいて冷凍機制御部21が周波数を決定しても良い。ここでは、庫内温度と庫内の目標温度に対応する信号が第1信号となる。そして、この場合も、冷却ユニット10と冷凍機20間の通信が途絶えると、冷凍機制御部21は、庫内温度と庫内の目標温度のデータを入手できなくなるため、通信異常と判断し、異常モードでの運転処理を実行することになる。さらに、PI制御ではインバータ回路24の周波数は、庫内温度と庫内の目標温度の差のみで決定可能であるため、冷却ユニット制御部11において庫内温度と庫内の目標温度の温度差を算出し、この温度差のデータを第1信号として冷凍機制御部21に送信するようにしても良い。
以上のように、第1信号は、この吸熱器の設置場所の状況に応じた、圧縮機の動作に関する信号、すなわち圧縮機の回転数を決定するための基礎となる情報が含まれた信号、であればよい。
図4は、実施形態の変形例の冷凍サイクル装置101の構成図である。変形例の冷凍サイクル装置101は、複数の冷却ユニット10a-10nを有する点で、実施形態の冷凍サイクル装置1とは異なる。実施形態の冷凍サイクル装置1と同様である点についての変形例の冷凍サイクル装置101の説明は省略される。
Claims (6)
- 吸熱器及びこの吸熱器の設置場所の状況に応じた、圧縮機の動作に関する第1信号を出力する第1制御部を備えた冷却ユニットと、
この冷却ユニットに接続され、
前記吸熱器から排出された冷媒が供給される前記圧縮機、
この圧縮機から吐出された冷媒が供給される放熱器、
前記圧縮機の回転数を制御するインバータ、
前記第1信号が入力され、前記インバータの出力周波数を制御する第2制御部、
前記圧縮機に供給される冷媒の圧力を検出する圧力センサ、および
この圧力センサの検出した圧力を記録する記録部を有する冷凍機と、
を有する冷凍サイクル装置であって、
前記第2制御部は、前記第1信号が入力されない場合、前記記録部から読み出した圧力値に基づいて目標圧力信号を設定し、前記圧力センサの検出する圧力が前記目標圧力信号になるように前記インバータの出力周波数を可変して前記圧縮機の動作を制御する、
冷凍サイクル装置。 - 前記第2制御部は、前記記録部に記録された最新の圧力値を読み出して、この圧力値に基づいて前記目標圧力信号を設定する、
請求項1に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記第2制御部は、前記記録部に記録された複数の圧力値を読み出して平均値を算出し、この圧力値に基づいて前記目標圧力信号を設定する、
請求項1に記載の冷凍サイクル装置。 - 複数の冷却ユニットを有し、
前記複数の冷却ユニットは、それぞれ前記吸熱器および前記第1制御部を有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記冷凍機は、前記第2制御部に前記第1信号が入力されない場合は、通信異常を報知する異常報知部をさらに有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。 - 吸熱器の設置場所の状況に応じた、圧縮機の動作に関する第1信号を出力する冷却ユニットに接続され、
前記吸熱器から排出された冷媒が供給される前記圧縮機と、
この圧縮機から吐出された冷媒が供給される放熱器と、
前記圧縮機の回転数を制御するインバータと、
前記第1信号が入力され、前記インバータの出力周波数を制御する冷凍機制御部と、
前記圧縮機に供給される冷媒の圧力を検出する圧力センサと、
この圧力センサの検出した圧力を記録する記録部と、を備え、
前記冷凍機制御部は、前記第1信号が入力されない場合、前記記録部から読み出した圧力値に基づいて目標圧力信号を設定し、前記圧力センサの検出する圧力が前記目標圧力信号になるように前記インバータの出力周波数を可変して前記圧縮機の動作を制御する、
冷凍機。
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