JP7433527B2 - 電動機、空気調和機、および制御基板 - Google Patents

電動機、空気調和機、および制御基板 Download PDF

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Description

本開示は、インバータを備えた電動機、空気調和機、および制御基板に関する。
従来のブラシレスDC(Direct Current、直流)モータの制御は、120°通電制御などの簡単な回路構成(組み合わせ回路のみ)で実現できる制御であったので、電源回路からのノイズはほとんど発生しなかった。近年のブラシレスDCモータの制御では、150°通電制御、正弦波通電制御、位相制御、センサレス制御などの複雑な制御が行われるので、制御部の回路構成が複雑になるとともにクロックの周波数が高くなる。このため、多くのノイズが発生するようになった。
特許文献1に記載の電動機では、マイクロコンピュータの電源受給部と、高い電圧を出力する基準電圧用電源回路との間の電源ラインにインダクタが接続されており、インダクタによってノイズを除去している。
特開2005-219625号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術では、高い電圧を出力する基準電圧用電源回路に対してのみノイズ低減対策が行われており、ノイズの低減が不十分であるという問題があった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、ノイズを十分に低減することができる電動機を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の電動機は、固定子と、回転子と、固定子に電流を供給する制御基板と、を備えている。制御基板は、高圧電源に接続された高圧回路と、低圧電源に接続された低圧回路と、を有している。高圧回路には、入力される直流電圧を交流電圧に変換して固定子に供給するインバータが含まれ、低圧回路には、インバータを制御する制御部が含まれ、低圧電源と低圧回路とを接続するラインである低圧電源ラインには、第1のインダクタが配置されている。
本開示にかかる電動機は、ノイズを十分に低減することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる電動機の構成例を示す図 実施の形態1にかかる電動機が備える内蔵基板の回路構成を示す図 実施の形態1にかかる内蔵基板でのインダクタの第1の配置例を示す図 実施の形態1にかかる内蔵基板でのインダクタの第2の配置例を示す図 実施の形態1にかかる内蔵基板でのインダクタの第3の配置例を示す図 実施の形態1にかかる内蔵基板でのインダクタの第4の配置例を示す図 比較例の内蔵基板の回路構成を示す図 実施の形態1にかかる内蔵基板の上面構成の第1例を示す図 温度とインダクタンス値との関係を説明するための図 実施の形態1にかかる内蔵基板の上面構成の第2例を示す図 実施の形態1に係る電動機の内部を模式的に示す図 実施の形態1に係る電動機が備えるインダクタのインダクタンス周波数特性を示す図 実施の形態2に係る空気調和機の構成例を示す図 実施の形態2に係る空気調和機の電動機が備える低圧電源生成回路を説明するための図 実施の形態1,2に係る電動機が備える制御部をプロセッサおよびメモリで実現する場合の処理回路の構成例を示す図 実施の形態1,2に係る電動機が備える制御部を専用のハードウェアで構成する場合の処理回路の例を示す図
以下に、本開示の実施の形態にかかる電動機、空気調和機、および制御基板を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる電動機の構成例を示す図である。電動機1は、ブラシレスDCモータである。図1では、電動機1の構成の説明のために、一部を断面構造で示している。なお、図1は、ラジアルギャップ形のブラシレスDCモータを示しているが、実施の形態1の電動機1はラジアルギャップ形のブラシレスDCモータに限らない。
電動機1は、回転子30と、固定子20と、制御基板である内蔵基板11と、モールド樹脂12とを備えている。回転子30には、回転軸31が挿入されている。固定子20は、回転子30の外周に設けられている。内蔵基板11は、回転子30の駆動を制御する回路である基板回路を有している。
固定子20、内蔵基板11、およびモールド樹脂12は、モールド固定子10で固定されている。モールド固定子10は、固定子20と内蔵基板11とを一体成型する。すなわち、固定子20と内蔵基板11とは、一体化するようにモールド固定子10によって固定されている。モールド固定子10の内部には、回転子30を収容可能に形成された凹部が設けられている。
内蔵基板11は、空気より誘電率が高いモールド樹脂12(例えば、比誘電率3~4の樹脂)にて固定子20に一体化される。このため、内蔵基板11に形成された各基板パターン間の容量性結合(寄生容量)が大きくなり、各基板パターン間でノイズが伝搬しやすくなる。実施の形態1では、このようにノイズが伝搬しやすい場合であっても、後述するインダクタによってノイズを低減する。
固定子20は、複数の固定子鉄心21と、固定子鉄心21と一体成型されたインシュレータ23と、巻線22とを有している。固定子鉄心21は、電磁鋼板が積層されて構成されている。インシュレータ23は、固定子鉄心21と巻線22とを絶縁する。
電動機1では、インシュレータ23と一体成型された固定子鉄心21の各スロットに巻線22が巻きつけられることで、固定子20が構成されている。巻線22は、銅またはアルミなどで構成されている。
回転軸31の一端には、回転軸31を回転自在に支持する出力側軸受33が設けられている。回転軸31の他端には、回転軸31を回転自在に支持する反出力側軸受34が設けられている。
反出力側軸受34は、導電性のブラケット60で覆われている。ブラケット60は、モールド固定子10に設けられた凹部の開口部を塞ぐようにして、ブラケット60の圧入部61がモールド固定子10の内周部に嵌め込まれている。また、反出力側軸受34の外輪がブラケット60の内側に嵌め込まれている。
内蔵基板11は、巻線22に電力を供給するパワーIC(Integrated Circuit、集積回路)(後述するパワーIC80)と、後述する制御部70と、回転子30の位置を検知する磁気センサ50とを含む回路を備えている。
内蔵基板11は、出力側軸受33と固定子20との間で、回転軸31の軸線方向に対して垂直に配置され、インシュレータ23に固定されている。また、内蔵基板11の基板回路と巻線22とは、巻線端子を介して接続されている。内蔵基板11には、上位システムと接続するリード線13が引き出されたリード口出し部14が配置されている。上位システムは、電動機1を搭載するシステムである。リード線13は、例えば、エアコンディショナのユニット側の基板(後述する室内機基板211など)に接続されている。また、内蔵基板11には、オペアンプ、コンパレータ、レギュレータ、ダイオード、抵抗、コンデンサ、ヒューズなどの受動部品が配置されている。
内蔵基板11の形状は、中心に貫通穴が形成された円板状である。内蔵基板11に設けられた貫通穴には、回転軸31が通される。内蔵基板11は、上面および底面が回転軸31の軸線方向に対して垂直になるように電動機1の内部に配置されている。
回転軸31の外周部には、円環状の部材である回転子絶縁部32が配置されている。回転子30は、モールド固定子10の内側に配置されたマグネット40を有している。マグネット40は、回転軸31および回転子絶縁部32の外周側で、固定子鉄心21に対向する位置に配置されている。マグネット40は、円柱状の永久磁石で構成されている。マグネット40は、回転軸31に固定されている。
マグネット40は、フェライト磁石、または希土類磁石(サマリウム鉄窒素、ネオジウムなど)が熱可塑性の樹脂材料と混合されて構成されたボンド磁石が射出成形されることで作製される。マグネット40の射出成形用の金型には磁石が組み込まれており、マグネット40は、配向をかけられながら成形される。
マグネット40は、回転軸31の軸線方向に、磁気センサ50に近い部分であるセンサマグネット部と、センサマグネット部以外の部分であるメインマグネット部とを有している。センサマグネット部は、磁気センサ50に回転子30の位置を検知させる。メインマグネット部は、巻線22が発生する磁束に従って回転子30に回転力を生じさせる。
マグネット40では、内蔵基板11の磁気センサ50側の外径は、他の外径部分よりも小さくなっている。すなわち、マグネット40では、センサマグネット部の外径が、メインマグネット部の外形よりも小さくなっている。このマグネット40の形状により、内蔵基板11に実装される磁気センサ50に磁束が流入しやすくなっている。磁気センサ50は、固定子20の巻線22から発生する磁束の影響を極力小さくするため、巻線22から遠い位置、つまり、回転軸31に近い位置に配置されている。
なお、図1では、メインマグネット部とセンサマグネット部とが1つのマグネット40で構成されている場合を示しているが、メインマグネット部とセンサマグネット部とは、別々のマグネットで構成されてもよい。
磁気センサ50は、出力信号がデジタル信号であるホールICを用いて構成されてもよいし、出力信号がアナログ信号であるホール素子を用いて構成されてもよい。すなわち、磁気センサ50は、ホールICを用いて回転子30の位置を検出する方式であってもよいし、ホール素子を用いて回転子30の位置を検出する方式であってもよい。
また、ホールICは、第1の方式で回転子30の位置を検出するホールIC(第1方式のホールIC)であってもよいし、第2の方式で回転子30の位置を検出するホールIC(第2方式のホールIC)であってもよい。
第1方式のホールICは、センサ部と増幅部とが別々の半導体チップで構成されている。この第1方式のホールICでは、センサ部は、シリコン以外の半導体で構成され、増幅部はシリコンで構成されている。以下、第1方式のホールICを非シリコン型ホールICという。第2方式のホールICは、センサ部と増幅部とが1つのシリコン半導体チップで構成されている。
非シリコン型ホールICは、2つのチップが内蔵されるので、センサ部の中心位置がICボディの中心と異なった位置となるようにセンサ部が配置される。非シリコン型ホールICのセンサ部には、アンチモン化インジウム(InSb)などの非シリコン半導体が用いられる。この非シリコン半導体は、シリコン半導体と比べて、感度が良く、応力歪みによるオフセットが小さいなどの長所がある。
つぎに、図1に示した内蔵基板11の回路構成を説明する。図2は、実施の形態1にかかる電動機が備える内蔵基板の回路構成を示す図である。図2では、内蔵基板11と、巻線22と、磁気センサ50とを示している。
内蔵基板11は、ノイズ対策のため、低圧電源ラインにインダクタ73Aが配置されている。ノイズ対策用のインダクタ73Aの詳細については後述する。
内蔵基板11は、巻線22を有した電動機1を駆動制御するインバータICと、過電流検出抵抗75とを備えている。具体的には、内蔵基板11は、パワーIC80と、制御部70と、過電流検出抵抗75とを備えている。パワーIC80は、インバータ81と、ゲートドライブ回路82と、保護回路83とを有している。
制御部70は、上位システム、ゲートドライブ回路82、グランド79A、および磁気センサ50に接続されている。また、制御部70は、接続点48を介して低圧電源78に接続されている。接続点48と低圧電源78との間には、インダクタ73Aが配置されている。すなわち、制御部70は、接続点48およびインダクタ73Aを介して低圧電源78に接続されている。また、制御部70は、接続点41、接続点42、および過電流検出抵抗75を介してグランド79Cに接続されている。
ゲートドライブ回路82は、接続点48およびインダクタ73Aを介して低圧電源78に接続され、接続点47を介して高圧電源77に接続されている。低圧電源78は、高圧電源77よりも低い電圧を出力する。高圧電源77は、母線電源である。
また、ゲートドライブ回路82は、インバータ81に接続されている。また、ゲートドライブ回路82は、接続点43を介して、保護回路83およびグランド79Bに接続されている。
保護回路83は、接続点41および接続点43に接続されている。すなわち、保護回路83は、接続点41、接続点42、および過電流検出抵抗75を介してグランド79Cに接続されている。また、保護回路83は、接続点43を介して、グランド79Bに接続されている。
インバータ81は、巻線22を有した電動機1に接続されている。また、インバータ81は、接続点42、および過電流検出抵抗75を介してグランド79Cに接続されている。グランド79A~79Cは、同電位の共通グランドである。以下の説明では、グランド79A~79Cをグランド79という。
パワーIC80は、IPM(Intelligent Power Module、インテリジェントパワーモジュール)とも呼ばれる。インバータ81は、6個のパワートランジスタ81A~81Fを具備している。
パワーIC80では、6個のパワートランジスタ81A~81Fが別々に構成されてもよいし、1つのICで構成されてもよい。6個のパワートランジスタ81A~81Fが別々に構成される場合において、ゲートドライブ回路82は、1つのICで構成されてもよいし、3個からなる三相別々のICで構成されてもよい。また、ゲートドライブ回路82と制御部70とが1つのICで構成されてもよい。また、制御部70は、1つの専用IC(制御IC)で構成されてもよいし、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)などで構成されてもよい。
パワートランジスタ81A~81Fは、スーパージャンクションMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)、プレーナMOSFET、またはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲート型バイポーラートランジスタ)などで構成される。
実施の形態1では、磁気センサ50が磁束位置に対応する回転子30の磁極位置を検出し、内蔵基板11が磁極位置に基づいて電動機1を制御する場合について説明する。なお、内蔵基板11は、巻線22に流れる電流と、巻線22に印加および発生する電圧とから磁極位置を推測しながら、電動機1をセンサレス制御してもよい。また、内蔵基板11は、電流検出のため、シャント抵抗および電流センサを用いることによって得られた電流信号をオペアンプなどで増幅してもよい。また、内蔵基板11は、この電流信号から過電流保護のための制御部70への信号を生成するためにコンパレータを用いてもよい。
内蔵基板11では、パワートランジスタ81A~81Fのゲートを駆動する電圧(例えば、15V)と、マイコンなどの制御部70を駆動する電圧であるマイコン電源電圧(例えば、5V)とが異なる場合がある。この場合、電動機1は、外部から供給される1つの電源からもう1つの電源を生成するために、レギュレータを用いる。例えば、内蔵基板11へは、外部から15Vの電源が供給され、レギュレータは、5Vの電源を生成して内蔵基板11へ供給する。このレギュレータは、ゲートドライブ回路82またはパワーIC80に内蔵されてもよい。
インバータ81は、入力される直流電圧を、U相、V相、およびW相からなる三相の交流電圧に変換して固定子20の巻線22に供給する。パワートランジスタ81Aは、U相上アームパワートランジスタであり、パワートランジスタ81Bは、V相上アームパワートランジスタであり、パワートランジスタ81Cは、W相上アームパワートランジスタである。パワートランジスタ81Dは、U相下アームパワートランジスタであり、パワートランジスタ81Eは、V相下アームパワートランジスタであり、パワートランジスタ81Fは、W相下アームパワートランジスタである。
電動機1は、巻線22として、U相巻線22Uと、V相巻線22Vと、W相巻線22Wとを有している。U相巻線22Uは、パワートランジスタ81A,81Dに接続されている。V相巻線22Vは、パワートランジスタ81B,81Eに接続されている。W相巻線22Wは、パワートランジスタ81C,81Fに接続されている。
ゲートドライブ回路82は、制御部70から受信するスイッチング信号に従ってパワートランジスタ81A~81Fのオンおよびオフを制御する。
巻線22の周辺には、3つの磁気センサ50が配置されている。3つの磁気センサ50は、それぞれ回転子30の位置に対応する磁極位置信号を制御部70に出力する。
保護回路83は、インバータ81およびゲートドライブ回路82を保護する。例えば、保護回路83は、グランド79側から高い電流がゲートドライブ回路82に逆流することを防止する。また、インバータ81およびゲートドライブ回路82の少なくとも一方が高温になったとき、保護回路83は、インバータ81の全てのパワートランジスタ81A~81Fをオフして高温による素子破壊を防止する。
過電流検出抵抗75は、パワートランジスタ81D~81Fが備える下アームスイッチに接続されている。また、内蔵基板11は、過電流を検出する過電流検出部(図示せず)を有している。過電流検出部は、過電流検出抵抗75の電圧を監視し、過電流検出抵抗75の電圧が特定値以上の電圧となったらパワートランジスタ81A~81Fをオフすることによって巻線22に過電流が流れることを防止し、過電流保護を実現する。過電流検出抵抗75の両端の電圧が特定値以上の電圧になることが、過電流検出抵抗75から制御部70に入力される過電流検出信号に相当する。過電流検出部は、過電流検出信号に基づいて過電流保護を実現する。なお、過電流検出部は、制御部70に内蔵されてもよいし、ゲートドライブ回路82に内蔵されてもよい。
なお、図示しない感温素子が、内蔵基板11などに設けられていてもよい。この場合、制御部70は、異常温度であることを示す信号を感温素子から受信すると、パワートランジスタ81A~81Fを強制的にオフにする。
制御部70は、上位システムから受信する速度指令信号に従って、特定の周波数(以下、キャリア周波数という)でパワートランジスタ81A~81Fのオンおよびオフを制御するスイッチング信号を生成する。
制御部70は、ゲートドライブ回路82にスイッチング信号を出力することで、パワートランジスタ81A~81Fに対してパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御を行う。制御部70は、磁気センサ50から入力される磁極位置信号に基づいて、回転子30の磁極位置を推測し、推測した磁極位置から回転子30の回転数を算出する。制御部70は、算出した回転数を示す回転数信号を上位システムに出力する。
なお、制御部70は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用のICであってもよい。また、制御部70は、プログラムを記憶するメモリと、プログラムに従って処理を実行するCPU(Central Processing Unit)とを有する構成であってもよい。制御部70のハードウェア構成については後述する。
ブラシレスDCモータである電動機1は、回転子30のマグネット40の磁極位置に応じて、三相の場合は6個のパワートランジスタ81A~81Fを適切なタイミングでスイッチングすることによって回転動力を得る。このスイッチングに用いられるスイッチング信号は制御部70が生成する。この電動機1の動作原理について説明する。
電動機1では、制御部70が、磁気センサ50からの磁極位置信号、または巻線22に流れる電流の電流値に基づいて、回転子30の磁極位置を推測する。制御部70は、回転子30の磁極位置、および上位システムから出力される速度指令信号に応じてパワートランジスタ81A~81Fをスイッチングするためのスイッチング信号を生成する。ゲートドライブ回路82は、制御部70が生成したスイッチング信号に従ってパワートランジスタ81A~81Fのオンおよびオフをスイッチングする。
例えば、120°通電制御では、6個のパワートランジスタ81A~81Fのオンとオフとの切り替えタイミングが、3個のホールICによる検出信号の各立ち上がりおよび立ち下がりと同じである。このため、120°通電制御では、制御部70は、クロックを必要としない組合せ回路で構成可能である。
一方、150°通電制御、正弦波通電制御、位相制御、センサレス制御など磁極位置の推定が必要な制御の場合、制御部70は、クロックを含む複雑なデジタル回路で構成される。磁極位置の推定では、例えば、3個のホールICによる検出信号の各立ち上がりおよび立ち下がりの間のタイミングが細かく推定される。
センサレス制御は、磁気センサ50を用いない制御である。センサレス制御では、電流検出抵抗、電流検出用トランスなどで検出された電流値から磁極位置を推定し制御が行われる。すなわち、センサレス制御の場合、制御部70は、巻線22に流れる電流、および巻線22に印加される電圧に基づいて、磁極位置の推定を行うので、複雑な処理および計算を要する。このため、センサレス制御の場合、制御部70は、さらに回路が複雑になるとともに、クロックの高周波数化が必要となる。
例えば、騒音の低減、高効率化、安定した制御のためには、制御部70のクロック周波数は、パワートランジスタ81A~81Fをスイッチングする周波数であるキャリア周波数の100倍以上となる。
つぎに、内蔵基板11に配置されるノイズ対策用のインダクタ73Aについて説明する。実施の形態1では、ノイズ対策用として内蔵基板11の低圧電源ラインにインダクタ73Aが配置される。実施の形態1でのノイズは、電動機1および電動機1を搭載する製品から発生するノイズ(EMI:Electro Magnetic Interference)を指す。このノイズには、雑音端子電圧のノイズ、雑音電力のノイズ、放射ノイズなどがある。
低圧電源ラインは、低圧電源78と、低電圧で動作する内蔵基板11内の回路(低圧回路)とを接続するラインである。また、内蔵基板11の高圧電源ラインにインダクタが配置されてもよい。高圧電源ラインは、高圧電源77と、高電圧で動作する内蔵基板11内の回路(高圧回路)とを接続するラインである。
また、内蔵基板11のグランド(GND)ラインにインダクタが配置されてもよい。グランドラインは、グランド79と、内蔵基板11内の回路とを接続するラインである。なお、内蔵基板11では、グランドラインとして、低圧回路用のグランドラインと、高圧回路用のグランドラインとが別々に配置されてもよい。
図3は、実施の形態1にかかる内蔵基板でのインダクタの第1の配置例を示す図である。内蔵基板11では、低圧回路72が低圧電源78に接続されており、高圧回路71が高圧電源77に接続されている。そして、低圧回路72および高圧回路71が接続点45に接続され、接続点45がグランド79に接続されている。低圧回路72は、例えば、順序回路を含むデジタル回路で構成されている。
低圧回路72は、ゲートドライブ回路82の一部である第1の回路と、制御部70と、保護回路83とを含んでいる。高圧回路71は、ゲートドライブ回路82の一部である第2の回路と、インバータ81とを含んでいる。ゲートドライブ回路82のうち、低圧回路72に含まれる第1の回路と、高圧回路71に含まれる第2の回路とは、異なる回路である。
内蔵基板11の第1の配置例では、1つのインダクタ73Aが配置されている。第1のインダクタであるインダクタ73Aは、低圧回路72と低圧電源78とを接続する低圧電源ライン上に配置されている。この構成により、内蔵基板11は、内蔵基板11に発生するノイズをインダクタ73Aによって低減することが可能となる。
図4は、実施の形態1にかかる内蔵基板でのインダクタの第2の配置例を示す図である。内蔵基板11の第2の配置例では、2つのインダクタ73A,73Bが配置されている。第2のインダクタであるインダクタ73Bは、高圧回路71と高圧電源77とを接続する高圧電源ライン上に配置されている。この構成により、内蔵基板11は、内蔵基板11に発生するノイズをインダクタ73A,73Bによって低減することが可能となる。
図5は、実施の形態1にかかる内蔵基板でのインダクタの第3の配置例を示す図である。内蔵基板11の第3の配置例では、3つのインダクタ73A~73Cが配置されている。インダクタ73Cは、接続点45とグランド79とを接続するグランドライン上に配置されている。この構成により、内蔵基板11は、内蔵基板11に発生するノイズをインダクタ73A~73Cによって低減することが可能となる。
図6は、実施の形態1にかかる内蔵基板でのインダクタの第4の配置例を示す図である。内蔵基板11の第4の配置例では、4つのインダクタ73A,73B,73D,73Eが配置されている。インダクタ73Dは、低圧回路72と接続点45とを接続するグランドライン上に配置されている。インダクタ73Eは、高圧回路71と接続点45とを接続するグランドライン上に配置されている。この構成により、内蔵基板11は、内蔵基板11に発生するノイズをインダクタ73A,73B,73D,73Eによって低減することが可能となる。
図7は、比較例の内蔵基板の回路構成を示す図である。比較例の内蔵基板は、低圧回路72Xおよび高圧回路71Xを備えている。低圧回路72Xは、低圧回路72と同様の回路であり、高圧回路71Xは、高圧回路71と同様の回路である。
低圧回路72Xは、低圧電源78と同様の電源である低圧電源78Xに接続されている。高圧回路71Xは、高圧電源77と同様の電源である高圧電源77Xに接続されている。また、低圧回路72Xおよび高圧回路71Xは、接続点45と同様の接続点である接続点45Xに接続され、接続点45Xがグランド79Xに接続されている。
比較例の内蔵基板では、低圧回路72Xと低圧電源78Xとを接続する低圧電源ライン上にインダクタが配置されていない。また、高圧回路71Xと高圧電源77Xとを接続する高圧電源ライン上にインダクタが配置されていない。また、低圧回路72Xからグランド79Xまでのグランドライン上にインダクタが配置されておらず、高圧回路71Xからグランド79Xまでのグランドライン上にインダクタが配置されていない。このため、比較例の内蔵基板では、比較例の内蔵基板に発生するノイズを低減することができない。
図8は、実施の形態1にかかる内蔵基板の上面構成の第1例を示す図である。図8では、図5に示した内蔵基板11の上面構成について説明する。図8に示すように、内蔵基板11の形状は、中心に貫通穴35が形成された円板状である。貫通穴35には、回転軸31が通される。
内蔵基板11の上面には、巻線22に電力を供給するパワーIC80と、インダクタ73A~73Cと、制御部70とが配置されている。なお、内蔵基板11の上面または底面には、図示を省略しているが、過電流検出抵抗75などが配置されている。
インダクタ73A~73Cは、パワートランジスタ81A~81Fを含んだパワーIC80よりもリード口出し部14の近傍に配置されている。すなわち、インダクタ73A~73Cは、パワーIC80までの距離よりもリード口出し部14までの距離の方が短くなる位置に配置されている。
これにより、インダクタ73A~73Cは、パワートランジスタ81A~81Fが発する熱の影響を受けにくくなり、温度によるインダクタ73A~73Cのインダクタンス値の変化が小さくなる。インダクタンス値が変動するとインピーダンスのアンマッチングなどによってノイズ低減効果が小さくなるが、実施の形態1ではインダクタンス値の変化が小さいのでノイズ低減効果が大きくなる。すなわち、インダクタ73A~73Cは、パワートランジスタ81A~81Fから発せられる熱の影響を受けにくくなる。したがって、内蔵基板11は、インダクタ73A~73Cの温度特性によるインダクタンス値の変化によってノイズ除去性能が変化することを抑制することができる。
また、インダクタ73A~73Cが、パワーIC80よりもリード口出し部14に近い位置に配置されているので、内蔵基板11に対する基板配線が容易になる。これにより、内蔵基板11を縮小化することができ、内蔵基板11の縮小化によって電動機1の製造コストを低減することが可能となる。また、内蔵基板11の縮小化によって、内蔵基板11内での配線長が短くなるので、ノイズを低減することが可能となる。
また、一般的に、インダクタンス値が温度に対して負相関の特性を持つインダクタの場合、温度が上がることによってインピーダンスが下がるのでノイズ低減効果を大きく悪化させる場合がある。なお、インダクタンス値が温度に対して負相関の特性をもつ場合とは、全温度領域に対して負相関の特性を持つ場合に限らず、一部の温度領域で負相関(例えば、60℃以上から負相関)となる場合も含まれる。
図9は、温度とインダクタンス値との関係を説明するための図である。図9に示すグラフの横軸は温度であり、縦軸はインダクタンス値である。図9では、電流の大きさ毎のインダクタンス温度特性を示している。
インダクタンス温度特性74Aは、インダクタに第1の電流値の電流が流された場合のインダクタンス温度特性である。インダクタンス温度特性74Bは、インダクタに第2の電流値の電流が流された場合のインダクタンス温度特性である。インダクタンス温度特性74Cは、インダクタに第3の電流値の電流が流された場合のインダクタンス温度特性である。第1の電流値<第2の電流値<第3の電流値である。
インダクタンス温度特性74A~74Cに示されるように、インダクタンス値が温度に対して負相関の特性を持つインダクタの場合、温度が上がることによってインピーダンスが下がる。
また、図9に示すように、インダクタに流される電流の電流値が大きいほど、インダクタの温度依存性が大きくなる。また、インダクタに流れる電流が定格電流に対して大きい場合は、インダクタ内部の磁性体の飽和磁束密度が低下して温度上昇によるインダクタンス値の低下が大きくなり、ノイズ低減効果がさらに悪化する傾向にある。
実施の形態1では、インダクタ73A~73Cは、パワーIC80よりもリード口出し部14の近くに配置されているので、温度上昇を抑制することができる。したがって、内蔵基板11は、インピーダンスが下がることを抑制し、ノイズ低減効果を維持することができる。
なお、図8では、パワーIC80と制御部70とが別々のICで構成される場合について説明したが、パワーIC80および制御部70は、1つのICで構成されてもよい。また、インダクタ73D,73Eが内蔵基板11に配置される場合、インダクタ73D,73Eは、例えば、パワーIC80よりもリード口出し部14に近い位置に配置される。
図10は、実施の形態1にかかる内蔵基板の上面構成の第2例を示す図である。図10では、図5に示した内蔵基板11の上面構成について説明する。図10では、内蔵基板11の上面のうち中心角が約90度の領域を示し、その他の領域の図示を省略している。
内蔵基板11の上面には、巻線22に電力を供給するモジュール85が配置されている。モジュール85は、パワーIC80の機能および制御部70の機能を実行する回路を備えている。
図10に示す内蔵基板11は、図8に示した内蔵基板11よりも、実装される電子部品の個数が少なくなるので、電子部品の実装面積が小さくなる。その結果、内蔵基板11の基板面積を小さくすることができる。
つぎに、インダクタ73A~73Cと巻線22との位置関係について説明する。図11は、実施の形態1に係る電動機の内部を模式的に示す図である。図11では、電動機1の断面構成を示している。
例えば、インダクタ73A~73Cは、巻線22に対して内蔵基板11の反対側の面に配置されている。すなわち、インダクタ73A~73Cは、内蔵基板11の反ステータ側に配置されている。換言すると、内蔵基板11の第1の主面に対向する位置に固定子鉄心21および巻線22が配置されている場合、インダクタ73A~73Cは、内蔵基板11の第1の主面とは反対側の面である第2の主面上に配置されている。例えば、内蔵基板11の底面が、固定子鉄心21および巻線22に対向する場合、内蔵基板11の上面にインダクタ73A~73Cが配置される。これにより、インダクタ73A~73Cは、巻線22から発せられる熱の影響を受けにくくなる。したがって、内蔵基板11は、インダクタ73A~73Cの温度特性によるインダクタンス値の変化によってノイズ除去性能が変化することを抑制することができる。
また、インダクタ73A~73Cは、例えば、パワーIC80に対して内蔵基板11の反対側の面に配置されている。換言すると、内蔵基板11の第1の主面上にパワーIC80が配置されている場合、インダクタ73A~73Cは、内蔵基板11の第2の主面上に配置されている。例えば、内蔵基板11の底面にパワーIC80が配置される場合、内蔵基板11の上面にインダクタ73A~73Cが配置される。これにより、インダクタ73A~73Cは、パワーIC80から発せられる熱の影響を受けにくくなる。したがって、内蔵基板11は、インダクタ73A~73Cの温度特性によるインダクタンス値の変化によってノイズ除去性能が変化することを抑制することができる。
ここで、インダクタ73A,73Bにおける周波数とインピーダンスとの関係について説明する。図12は、実施の形態1に係る電動機が備えるインダクタのインダクタンス周波数特性を示す図である。図12に示すグラフの横軸は周波数であり、縦軸はインピーダンスである。図12では、低圧電源78のインダクタ73Aのインダクタンス周波数特性73AFと、高圧電源77のインダクタ73Bのインダクタンス周波数特性73BFとを示している。
図12に示すように、低圧電源78のインダクタ73Aおよび高圧電源77のインダクタ73Bは、それぞれ特定の周波数でインピーダンスが最大値となる。低圧電源78のインダクタ73Aは、高圧電源77のインダクタ73Bよりも高い周波数でインピーダンスが最大値となる。
制御部70におけるキャリア周波数は、数kHz~数十kHzであり、制御部70におけるクロック周波数は数MHz~数十MHzである。すなわち、低圧電源78を用いた制御は、高圧電源77を用いた制御よりも周波数が高い。このため、高圧電源77のインダクタ73Bよりも低圧電源78のインダクタ73Aの方が、高い周波数においてインピーダンスが最大値となるインダクタが用いられることによって、ノイズ低減効果がさらに高まる。すなわち、インダクタ73Aにおいてインピーダンスが最大値となる周波数が、インダクタ73Bにおいてインピーダンスが最大値となる周波数よりも高いインダクタが用いられることによって、ノイズ低減効果がさらに高まる。
なお、インダクタ73Aにおいてインピーダンスが最大値となる周波数が、インダクタ73Bにおいてインピーダンスが最大値となる周波数よりも低いインダクタが用いられてもよい。また、インダクタ73Aにおいてインピーダンスが最大値となる周波数が、インダクタ73Bにおいてインピーダンスが最大値となる周波数と同じであるインダクタが用いられてもよい。
このように、実施の形態1によれば、低圧回路72と低圧電源78とを接続する低圧電源ライン上にインダクタ73Aが配置されているので、電動機1は、ノイズを十分に低減することが可能となる。例えば、制御部70の回路が複雑化するとともにクロックの高周波数化が行われることで、多くのノイズが発生する場合であっても、電動機1は、ノイズを十分に低減することが可能となる。
また、内蔵基板11が、ロータである回転子30の磁極位置を推定しながらインバータ81を制御する場合、内蔵基板11にはデジタル回路が必要となる。この場合、クロック周波数がキャリア周波数の100倍以上となりノイズが大きくなる。この場合であっても、電動機1は、インダクタ73Aによってノイズを十分に低減することができる。
また、制御部70が、周波数の高いクロックで動作し多くの機能ブロックを有したマイコンで構成されている場合、ノイズが大きくなる。この場合であっても、電動機1は、インダクタ73Aによってノイズを十分に低減することができる。
また、固定子20と内蔵基板11とがモールド樹脂12によって一体成型される場合、ノイズが大きくなる。この場合であっても、電動機1は、インダクタ73Aによってノイズを十分に低減することができる。
実施の形態2.
つぎに、図13および図14を用いて実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1で説明した電動機1を空気調和機に適用する。
図13は、実施の形態2に係る空気調和機の構成例を示す図である。空気調和機200は、室内機210と、室内機210に冷媒配管230を介して接続された室外機220とを備えている。
室内機210は、室内機用送風機212を搭載しており、室外機220は、室外機用送風機223を搭載している。室内機用送風機212および室外機用送風機223は、それぞれ駆動源として実施の形態1で説明した電動機1を内蔵している。室内機用送風機212に内蔵されている電動機1が第1の電動機であり、室外機用送風機223に内蔵されている電動機1が第2の電動機である。
室内機用送風機212および室外機用送風機223は、例えば、ラインフローファン(登録商標)(横断流送風機、クロスフローファンとも呼ばれる)である。また、室内機210は、室内機210の制御などを行う室内機基板(ユニット基板)211を備えている。
室内機210は、高効率および高出力化のため熱交換器と風路の幅をできるだけ大きくする必要がある。このため、室内機210の両サイドには室内機基板211などの幅を専有する部品は置けず、室内機基板211は室内機210の正面に配置される。
実施の形態2では、室内機基板211が、室内機210の正面に配置される。この場合、電動機1と室内機基板211との間を繋ぐリード線13が長くなるので、ノイズが悪化する。特にリード線13から放射される放射ノイズは多くなる。この場合であっても、実施の形態2では、インダクタ73Aなどを備えた電動機1が室内機210に内蔵されているので、ノイズをインダクタ73Aによって低減することが可能となる。
つぎに、低圧電源78に電圧を出力する低圧電源生成回路について説明する。図14は、実施の形態2に係る空気調和機の電動機が備える低圧電源生成回路を説明するための図である。実施の形態1で説明したように、内蔵基板11は、インダクタ73A、低圧回路72、低圧電源78などを備えている。内蔵基板11は、室内機基板211に接続されている。
室内機基板211には、低圧電源78に電圧を出力する低圧電源生成回路が配置されている。低圧電源生成回路は、例えば、スイッチングレギュレータ213で構成されている。スイッチングレギュレータ213は、低圧電源78に接続されている。また、スイッチングレギュレータ213は、接続点44を介して、低圧回路72およびグランド79に接続されている。スイッチングレギュレータ213は、入力された直流電圧を特定の直流電圧に変換して低圧電源78に出力する。
室内機基板211の低圧電源生成回路がスイッチングレギュレータ213で構成される場合、スイッチングレギュレータ213が多くのノイズを発生させる。この場合であっても、電動機1は、インダクタ73Aによってノイズを十分に低減することができる。この場合、電動機1は、妨害電波であるEMI特性を向上させるとともに、電極感受性であるEMS(Electro Magnetic Susceptibility)特性を向上させることが可能となる。すなわち、電動機1は、電磁両立性であるEMC(Electro Magnetic Compatibility)特性を向上させることが可能となる。
なお、電動機1は、空気調和機200以外にも、例えば換気扇、家電機器、工作機などに搭載して利用することができる。
このように実施の形態2によれば、空気調和機200が電動機1を内蔵しているので電動機1は、ノイズを十分に低減することが可能となる。
ここで、制御部70のハードウェア構成について説明する。制御部70は、処理回路により実現される。処理回路は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサおよびメモリであってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。
図15は、実施の形態1,2に係る電動機が備える制御部をプロセッサおよびメモリで実現する場合の処理回路の構成例を示す図である。図15に示す処理回路90は制御部70であり、プロセッサ91およびメモリ92を備える。処理回路90がプロセッサ91およびメモリ92で構成される場合、処理回路90の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ92に格納される。処理回路90では、メモリ92に記憶されたプログラムをプロセッサ91が読み出して実行することにより、各機能を実現する。すなわち、処理回路90は、制御部70の処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ92を備える。このプログラムは、処理回路90により実現される各機能を制御部70に実行させるためのプログラムであるともいえる。このプログラムは、プログラムが記憶された記憶媒体により提供されてもよいし、通信媒体など他の手段により提供されてもよい。
プロセッサ91の例は、CPU(中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)またはシステムLSI(Large Scale Integration)である。メモリ92の例は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)である。
図16は、実施の形態1,2に係る電動機が備える制御部を専用のハードウェアで構成する場合の処理回路の例を示す図である。図16に示す処理回路93は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。処理回路93については、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路93は、専用のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
なお、ゲートドライブ回路82、保護回路83、室内機基板211が備える回路なども制御部70と同様のハードウェアで実現することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 電動機、10 モールド固定子、11 内蔵基板、12 モールド樹脂、13 リード線、14 リード口出し部、20 固定子、21 固定子鉄心、22 巻線、22U U相巻線、22V V相巻線、22W W相巻線、23 インシュレータ、30 回転子、31 回転軸、32 回転子絶縁部、33 出力側軸受、34 反出力側軸受、35 貫通穴、40 マグネット、41~45,45X,47,48 接続点、50 磁気センサ、60 ブラケット、61 圧入部、70 制御部、71,71X 高圧回路、72,72X 低圧回路、73A~73E インダクタ、75 過電流検出抵抗、77,77X 高圧電源、78,78X 低圧電源、79,79A~79C,79X グランド、80 パワーIC、81 インバータ、81A~81F パワートランジスタ、82 ゲートドライブ回路、83 保護回路、85 モジュール、90,93 処理回路、91 プロセッサ、92 メモリ、200 空気調和機、210 室内機、211 室内機基板、212 室内機用送風機、213 スイッチングレギュレータ、220 室外機、223 室外機用送風機、230 冷媒配管。

Claims (17)

  1. 固定子と、
    回転子と、
    前記固定子に電流を供給する制御基板と、
    を備え、
    前記制御基板は、
    高圧電源に接続された高圧回路と、
    低圧電源に接続された低圧回路と、
    を有し、
    前記高圧回路には、入力される直流電圧を交流電圧に変換して前記固定子に供給するインバータが含まれ、
    前記低圧回路には、前記インバータを制御する制御部が含まれ、
    前記低圧電源と前記低圧回路とを接続するラインである低圧電源ラインには、第1のインダクタが配置されている電動機。
  2. 前記低圧回路は、順序回路を含むデジタル回路で構成され、
    前記デジタル回路のクロック周波数はキャリア周波数の100倍以上の周波数である請求項1に記載の電動機。
  3. 前記制御基板は、前記回転子の磁極位置を推定しながら前記インバータを制御する請求項1または2に記載の電動機。
  4. 前記制御基板は、150°通電制御、正弦波通電制御、位相制御、またはセンサレス制御によって前記インバータを制御する請求項3に記載の電動機。
  5. 前記制御部は、マイクロコンピュータで構成されている請求項1から4の何れか1つに記載の電動機。
  6. 前記制御基板は、
    前記高圧電源と前記高圧回路とを接続するラインである高圧電源ラインに配置された第2のインダクタを具備する請求項1から5の何れか1つに記載の電動機。
  7. 前記第1のインダクタにおいてインピーダンスが最大値となる周波数が、前記第2のインダクタにおいてインピーダンスが最大値となる周波数よりも高い請求項6に記載の電動機。
  8. 前記第1のインダクタにおいてインピーダンスが最大値となる周波数が、前記第2のインダクタにおいてインピーダンスが最大値となる周波数よりも低い請求項6に記載の電動機。
  9. 前記制御基板および前記固定子は、樹脂を用いて一体成型されている請求項1から8の何れか1つに記載の電動機。
  10. 前記第1のインダクタは、前記インバータを含んだ集積回路までの距離よりもリード線が引き出されたリード口出し部までの距離の方が短くなる位置に配置されている請求項1から9の何れか1つに記載の電動機。
  11. 前記固定子は、前記制御基板の第1の主面に対向する位置に配置されるとともに、前記第1のインダクタは、前記制御基板の第1の主面とは反対側の面である第2の主面上に配置されている請求項1から10の何れか1つに記載の電動機。
  12. 前記集積回路は、前記制御基板の第1の主面上に配置されるとともに、前記第1のインダクタは、前記制御基板の第1の主面とは反対側の面である第2の主面上に配置されている請求項10に記載の電動機。
  13. 前記低圧回路には、前記インバータを駆動するドライブ回路に含まれる第1の回路が含まれ、
    前記高圧回路には、前記ドライブ回路に含まれる第2の回路が含まれている請求項1から12の何れか1つに記載の電動機。
  14. 請求項1から13の何れか1つに記載の電動機を備える空気調和機。
  15. 室内機と、
    室外機と、
    前記室内機に配置されるとともに前記電動機のうちの第1の電動機によって駆動されて送風する室内機用送風機と、
    前記室外機に配置されるとともに前記電動機のうちの第2の電動機によって駆動されて送風する室外機用送風機と、
    をさらに備え、
    前記室内機用送風機および前記室外機用送風機は、ラインフローファン(登録商標)であり、
    前記室内機の前面に、前記室内機の制御を行う室内機基板が配置されている請求項14に記載の空気調和機。
  16. 前記低圧電源に電圧を出力する低圧電源生成回路をさらに備え、
    前記低圧電源生成回路は、スイッチングレギュレータで構成されている請求項14または15に記載の空気調和機。
  17. 電動機が備える固定子に電流を供給する制御基板であって、
    高圧電源に接続された高圧回路と、
    低圧電源に接続された低圧回路と、
    を有し、
    前記高圧回路には、入力される直流電圧を交流電圧に変換して前記固定子に供給するインバータが含まれ、
    前記低圧回路には、前記インバータを制御する制御部が含まれ、
    前記低圧電源と前記低圧回路とを接続するラインである低圧電源ラインには、第1のインダクタが配置されている制御基板。
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