本開示の一態様に係る情報処理システムは、移動体に搭載されるセンサであって、物体を検知するためのセンサの検知能力を変更するか否かを判定する判定部と、前記検知能力を変更すると判定した場合、変更の内容及び前記移動体の周辺への注意喚起の報知の態様を決定する決定部と、決定した態様で前記移動体の周辺に注意喚起を報知する報知部と、決定した内容に前記検知能力を変更する変更部と、を備える。
センサの検知能力を変更するときには、移動体の周辺に注意喚起が報知されるため、移動体の周辺の物体は、移動体に搭載されたセンサの検知能力の変更に応じた注意をする必要があることを、報知された注意喚起によって認識することができる。したがって、安全性を維持したままセンサの検知能力を変更できる。
また、前記検知能力の変更は、前記検知能力の制限を含み、前記決定部は、前記検知能力の制限の内容を決定し、前記検知能力の制限の内容に応じた報知の態様を決定してもよい。
これによれば、センサの検知能力を制限することで、センサの消費電力を低減したり、センサの寿命を長くしたりすることができる。また、センサの検知能力が制限されるだけである場合は安全性に問題が生じ得るが、検知能力の制限と共に検知能力の制限の内容に応じた報知の態様で移動体の周辺に注意喚起が報知されるため、安全性を維持することができる。
また、前記報知の態様は、報知内容を含み、前記決定部は、前記検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知対象又は検知範囲を決定し、前記報知部は、決定した前記検知対象又は前記検知範囲を報知してもよい。
例えば、センサの検知能力が制限されることで、検知が困難になる検知対象又は検知範囲が発生し得る。これに対して、検知が困難になると推定される検知対象又は検知範囲が報知されるため、移動体の周辺の物体は、このような検知対象又は検知範囲に関して注意をする必要があることを認識できる。このため、安全性を維持しつつ、センサの検知能力を制限できる。
また、前記報知の態様は、報知手段を含み、前記決定部は、前記検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知対象又は検知範囲に注意喚起を伝達可能な手段を決定し、前記報知部は、決定した前記手段で注意喚起を報知してもよい。
例えば、センサの検知能力が制限されることで、検知が困難になる検知対象又は検知範囲が発生し得る。これに対して、検知が困難になると推定される検知対象又は検知範囲へ注意喚起を伝達可能な報知手段で注意喚起が報知されるため、移動体の周辺のこのような検知対象又はこのような検知範囲にいる物体は、注意をする必要があることを認識できる。このため、安全性を維持しつつ、センサの検知能力を制限できる。
また、前記報知の態様は、報知場所を含み、(a)前記決定部は、前記検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知対象が認識可能な場所を決定し、前記報知部は、決定した場所に向けて注意喚起を報知する又は、(b)前記決定部は、前記検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知範囲に対応する場所を決定し、前記報知部は、決定した場所が識別されるように注意喚起を報知してもよい。
例えば、センサの検知能力が制限されることで、検知が困難になる検知対象又は検知範囲が発生し得る。これに対して、検知が困難になると推定される検知対象が認識可能な場所に向けて注意喚起が報知されるため、移動体の周辺のこのような検知対象は、当該場所に向けて報知された注意喚起を認識することで、注意をする必要があることを認識できる。或いは、報知場所として、検知が困難になると推定される検知範囲に対応する場所が識別されるように注意喚起が報知されるため、移動体の周辺の物体は、このような検知範囲に関して注意をする必要があることを認識できる。このため、安全性を維持しつつ、センサの検知能力を制限できる。
また、前記判定部は、さらに、前記移動体の周辺状況、又は前記移動体の状態を取得し、前記移動体の周辺状況、又は前記移動体の状態に基づいて、前記検知能力を変更するか否かを判定してもよい。
これによれば、安全性に関わる移動体の周辺状況又は移動体の状態に応じて、センサの検知能力を変更したり、変更しなかったりすることができる。
例えば、前記移動体の周辺状況は、前記移動体の周辺の交通状況を含み、前記判定部は、前記移動体の周辺の交通状況に応じて、前記検知能力を変更するか否かを判定してもよい。
これによれば、移動体の周辺状況として移動体の周辺の交通状況に応じて、センサの検知能力を変更したり、変更しなかったりすることができる。
また、前記判定部は、前記移動体の周辺の交通状況として、前記移動体の周辺において、(i)物体が存在する場合、(ii)物体の密集度が閾値以上である場合、又は(iii)物体の数が閾値以上である場合、前記検知能力を変更すると判定し、前記検知能力の変更は、前記検知能力の制限の緩和、又は前記検知能力の制限の解除を含み、前記決定部は、前記検知能力の制限の緩和又は解除の内容を決定し、前記検知能力の緩和又は解除の内容に応じた報知の態様を決定してもよい。
移動体の周辺において、(i)物体が存在する場合、(ii)物体の密集度が閾値以上である場合、又は(iii)物体の数が閾値以上である場合には、移動体の周辺が危険な状態である可能性が高いため、センサの検知能力の制限が緩和されたり、センサの検知能力の制限が解除されたりすることで、安全性を維持することができる。
また、前記判定部は、前記移動体の周辺の交通状況として、前記移動体の周辺において、(i)物体が存在しない場合、(ii)物体の密集度が閾値未満である場合、又は(iii)物体の数が閾値未満である場合、前記検知能力を変更すると判定し、前記検知能力の変更は、前記検知能力の制限を含み、前記決定部は、前記検知能力の制限の内容を決定し、前記検知能力の制限の内容に応じた報知の態様を決定してもよい。
移動体の周辺において、(i)物体が存在しない場合、(ii)物体の密集度が閾値未満である場合、又は(iii)物体の数が閾値未満である場合には、移動体の周辺が安全な状態である可能性が高いため、センサの検知能力が制限されても、安全性を維持することができる。
また、前記移動体の状態は、前記移動体の速度、位置、運行状況、又は走行タスクを含み、前記判定部は、前記移動体の速度、位置、運行状況、又は走行タスクに応じて、前記検知能力を変更するか否かを判定してもよい。
これによれば、移動体の状態として移動体の速度、位置、運行状況、又は走行タスクに応じて、センサの検知能力を変更したり、変更しなかったりすることができる。
また、前記決定部は、さらに、決定した変更の内容に応じて、前記移動体の監視者への報知の態様を決定し、決定した態様で前記監視者に注意喚起を報知してもよい。
これによれば、移動体の監視者は、移動体に搭載されたセンサの検知能力の変更に応じた注意をする必要があることを認識することができる。
また、前記検知能力は、検知時間間隔又は検知距離を含んでいてもよい。
これによれば、安全性を維持したまま、センサの検知能力として、検知時間間隔又は検知距離を変更できる。
また、前記情報処理システムは情報処理装置であってもよい。
このように、情報処理システムは、情報処理装置であってもよく、本開示を、例えば移動体に搭載される情報処理装置として実現してもよい。
本開示の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、移動体に搭載されるセンサであって、物体を検知するためのセンサの検知能力を変更するか否かを判定し、前記検知能力を変更すると判定した場合、変更の内容及び前記移動体の周辺への注意喚起の報知の態様を決定し、決定した態様で前記移動体の周辺に注意喚起を報知し、決定した内容に前記検知能力を変更する処理を含む。
これによれば、安全性を維持したままセンサの検知能力を変更できる情報処理方法を提供できる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1は、実施の形態に係る情報処理システム1の一例を示すブロック図である。
情報処理システム1は、移動体に搭載されるセンサの検知能力を変更するためのシステムであり、判定部10、決定部20、報知部30、変更部40及びセンサ50を備える。情報処理システム1は、プロセッサ及びメモリ等を含むコンピュータである。メモリは、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等であり、プロセッサにより実行されるプログラムを記憶することができる。判定部10、決定部20、報知部30及び変更部40は、メモリに格納されたプログラムを実行するプロセッサ等によって実現される。
例えば、情報処理システム1は、情報処理装置(例えば移動体に搭載される装置)であってもよい。また、例えば、情報処理システム1は、サーバであってもよい。情報処理システム1がサーバである場合、情報処理システム1には、センサ50は含まれない。また、また、情報処理システム1を構成する構成要素は、複数のサーバに分散して配置されてもよい。
センサ50は、移動体に搭載されるセンサであって、物体を検知するためのセンサである。センサ50は、例えばLiDAR等のレーダである。移動体は、例えば自動車等の車両である。なお、移動体は、無人航空機等であってもよい。センサ50の検知能力は、変更することができる。センサ50の検知能力は、例えば、検知時間間隔又は検知距離を含む。
判定部10は、センサ50の検知能力を変更するか否かを判定する。例えば、判定部10は、センサ50を搭載する移動体に関する移動体情報を、移動体におけるCAN(Controller Area Network)等を介して取得し、移動体情報に基づいてセンサ50の検知能力を変更するか否かを判定する。また、例えば、判定部10は、センサ50によって得られるセンシングデータを取得し、センシングデータに基づいてセンサ50の検知能力を変更するか否かを判定する。判定部10の詳細については後述する。
決定部20は、判定部10によって検知能力を変更すると判定された場合、変更の内容及び移動体の周辺への注意喚起の報知の態様を決定する。決定部20の詳細については後述する。
報知部30は、決定部20によって決定された報知の態様で移動体の周辺に注意喚起を報知する。報知部30の詳細については後述する。
変更部40は、決定部20によって決定された変更の内容にセンサ50の検知能力を変更する。例えば、センサ50の検知能力が制限されて、検知時間間隔が長くなったり、検知距離が短くなったりすることで、センサ50の消費電力を低減することができる。また、センサ50が回転型のLiDAR等である場合、センサ50の検知能力が制限されることで、センサ50の製品寿命を長くすることができる。
次に、情報処理システム1の動作の詳細について図2を用いて説明する。
図2は、実施の形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、判定部10は、センサ50の検知能力を変更するか否かを判定する(ステップS1)。例えば、検知能力の変更は、検知能力の制限を含んでいてもよい。また、例えば、検知能力の変更は、検知能力の制限の緩和、又は検知能力の制限の解除を含んでいてもよい。つまり、検知能力が制限された後に、その制限が緩和されたり、解除されたりしてもよい。例えば、判定部10は、移動体(センサ50が搭載された移動体であり、自車両とも呼ぶ)の周辺状況、又は自車両の状態を取得し、自車両の周辺状況、又は自車両の状態に基づいて、検知能力を変更するか否かを判定してもよい。例えば、自車両の周辺状況は、自車両の周辺の交通状況を含み、判定部10は、自車両の周辺の交通状況に応じて、検知能力を変更するか否かを判定してもよい。自車両の周辺の交通状況に応じて、検知能力を変更するか否かを判定する場合の判定部10の動作の一例について、図3を用いて説明する。
図3は、実施の形態に係る判定部10の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、判定部10は、センサ50の検知距離内に移動体(例えば、自動車、自転車又は人等)があるか否かを判定する(ステップS11)。センサ50の検知距離内に移動体がある場合にセンサ50の検知能力を変更すると、安全性に問題が生じるおそれがあるため、当該判定が行われる。
センサ50の検知距離内に移動体がある場合(ステップS11でYes)、判定部10は、移動体と衝突の可能性があるか否かを判定する(ステップS12)。例えば、判定部10は、自車両の周辺の交通状況として、自車両の周辺において、物体(例えば移動体)が存在するか否か、物体の密集度が閾値以上であるか否か、又は物体の数が閾値以上であるか否か等を判定することで、ステップS12での判定を行ってもよい。また、例えば、判定部10は、移動体が自車両に対して所定の速度以上で接近しているか否かを判定することで、ステップS12での判定を行ってもよい。
移動体と衝突の可能性がある場合(ステップS12でYes)、判定部10は、センサ50の検知能力を変更しない(例えば、検知能力を制限しない)と判定する(ステップS13)。移動体と衝突の可能性があり、危険な状態になるおそれがあるとわかっている状態では、センサ50の検知能力を変更してさらに危険な状態になるようなことをしないようにすることができる。なお、この場合、移動体に対して、衝突の可能性がある旨の注意喚起がされたり、回避を促す注意喚起がされたり、また、自車両が回避動作をするように自車両が制御されてもよい。
センサ50の検知距離内に移動体がない場合(ステップS11でNo)、又は、移動体と衝突の可能性がない場合(ステップS12でNo)、判定部10は、センサ50の検知能力を変更する(例えば、検知能力を制限する)と判定する(ステップS14)。移動体と衝突の可能性がなく、危険な状態になるおそれがないとわかっている状態では、センサ50の検知能力を変更することができる。
なお、センサ50の検知能力が制限された後、移動体との衝突の可能性が生じた場合、判定部10は、センサ50の検知能力を変更する(例えば、検知能力の制限を緩和する、又は検知能力の制限を解除する)。
このように、例えば、判定部10は、自車両の周辺の交通状況として、自車両の周辺において、(i)物体が存在しない場合、(ii)物体の密集度が閾値未満である場合、又は(iii)物体の数が閾値未満である場合、検知能力を変更する(具体的には、検知能力を制限する)と判定してもよい。また、例えば、判定部10は、自車両の周辺の交通状況として、自車両の周辺において、(i)物体が存在する場合、(ii)物体の密集度が閾値以上である場合、又は(iii)物体の数が閾値以上である場合、検知能力を変更する(具体的には、検知能力の制限を緩和する、又は検知能力の制限を解除する)と判定してもよい。
図3では、自車両の周辺の交通状況に応じて、検知能力を変更するか否かを判定する場合の判定部10の動作の一例について説明したが、自車両の状態に応じて、検知能力を変更するか否かの判定が行われてもよい。
例えば、自車両の状態は、自車両の速度、位置、運行状況、又は走行タスクを含み、判定部10は、自車両の速度、位置、運行状況、又は走行タスクに応じて、検知能力を変更するか否かを判定してもよい。例えば、自車両の速度が所定速度以下の場合、自車両の位置が停留所又は停留所近傍の場合、自車両の運行状況が停留所へ待機する状況の場合、又は、自車両の走行タスクが徐行(低速)モード若しくは停車モードの場合、自車両の状態が比較的安全な状態であるため、判定部10は、検知能力を変更する(具体的には、検知能力を制限する)と判定してもよい。
図2での説明に戻り、センサ50の検知能力を変更しないと判定された場合(ステップS1でNo)、検知能力を変更すると判定されるまでステップS1での処理(例えば、図3のステップS11からステップS14までの処理)が繰り返される。
センサ50の検知能力を変更すると判定された場合(ステップS1でYes)、決定部20は、検知能力の変更の内容及び自車両の周辺への注意喚起の報知の態様を決定し(ステップS2)、報知部30は、決定された態様で自車両の周辺に注意喚起を報知し(ステップS3)、変更部40は、決定された変更の内容にセンサ50の検知能力を変更する(ステップS4)。決定部20は、ステップS2において、例えば、検知能力の変更の内容を決定してから注意喚起の報知の態様を決定するが、注意喚起の報知の態様を決定してから検知能力の変更の内容を決定してもよい。
例えば、決定部20は、検知能力の制限の内容を決定し、検知能力の制限の内容に応じた報知の態様を決定してもよい。
例えば、報知の態様は、報知内容を含み、決定部20は、検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知対象又は検知範囲を決定し、報知部30は、報知内容として、検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知対象又は検知範囲を報知してもよい。例えば、センサ50の検知能力が制限されることで、検知が困難になる検知対象又は検知範囲が発生し得るが、検知が困難になると推定される検知対象又は検知範囲が報知されるため、自車両の周辺の物体(例えば停留所にいる人)は、このような検知対象(例えば自身)又は検知範囲(例えば自身がいる停留所)に関して注意をする必要があることを認識できる。
例えば、自車両が停留所に進入する場合に、検知が困難になると推定される検知範囲が停留所であり、検知が困難になると推定される検知対象が停留所にいる人であるとする。この場合、検知が困難になると推定される検知対象又は検知範囲が報知されることで、停留所にいる人は、停留所について、又は、停留所にいる自身について検知が困難になることを認識でき、注意をする必要があることを認識できる。
また、例えば、報知の態様は、報知手段を含み、決定部20は、検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知対象又は検知範囲に注意喚起を伝達可能な手段を決定し、報知部30は、報知手段として、検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知対象又は検知範囲に注意喚起を伝達可能な手段で、注意喚起を報知してもよい。
例えば、報知部30は、報知手段として、車車間通信等の通信によって注意喚起を報知してもよい。例えば、自車両が検知可能な移動体の移動速度、方向及び大きさ(すなわち検知可能範囲)、並びに、自車両の位置と移動体との位置関係が示された地図等が、車車間通信等によって移動体が有するディスプレイに表示されて注意喚起が報知されてもよい。
また、例えば、報知部30は、報知手段として、スピーカ等を用いた音声によって注意喚起を報知してもよい。例えば、自車両の前後左右に、高い指向性を有するスピーカ(すなわち音声が広がらないスピーカ)が設置され、前後左右のそれぞれに音声で注意喚起が報知されてもよい。なお、前後左右に音声を出力することが難しい場合、自車両の前方(進行方向)が移動体に対して相対速度が上がりやすく危険な方向であるため、少なくとも自車両の前側にスピーカが設置されるとよい。
また、例えば、報知部30は、報知手段として、ランプ、プロジェクションマッピング又はディスプレイ等を用いた表示によって注意喚起を報知してもよい。なお、例えば、自車両前後左右にランプが設置され、自車両の進行方向側のランプが点灯されると共に、「ランプの点灯方向に進みます。ご注意ください。」といった報知がスピーカからなされてもよい。
検知が困難になると推定される検知対象又は検知範囲へ注意喚起を伝達可能な報知手段で注意喚起が報知されるため、自車両の周辺のこのような検知対象又はこのような検知範囲にいる物体は、注意をする必要があることを認識できる。
また、例えば、報知の態様は、報知場所を含み、決定部20は、検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知対象が認識可能な場所を決定し、報知部30は、報知場所として、検知が困難になると推定される検知対象が認識可能な場所に向けて注意喚起を報知してもよい。例えば、当該場所に向けて音声が出力されたり、当該場所に光が照射されたり(例えば当該場所に塗布されている蛍光塗料へ光が照射されたり)することで、注意喚起が報知されてもよい。検知が困難になると推定される検知対象が認識可能な場所に向けて注意喚起が報知されるため、自車両の周辺のこのような検知対象は、当該場所に向けて報知された注意喚起を認識することで、注意をする必要があることを認識できる。
或いは、例えば、決定部20は、検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知範囲に対応する場所を決定し、報知部30は、報知場所として、検知が困難になると推定される検知範囲に対応する場所が識別されるように注意喚起を報知してもよい。例えば、検知が困難になると推定される検知範囲の境界がレーザ照射によってマッピング表示されてもよい。検知が困難になると推定される検知範囲に対応する場所が識別されるように注意喚起が報知されるため、自車両の周辺の物体は、このような検知範囲に関して注意をする必要があることを認識できる。
なお、地物を利用した報知がされてもよい。例えば、停留所区画又は駐車スペース等を示す白線の範囲内が、検知が困難になると推定される検知範囲であることが報知されてもよい。例えば、車線(例えば追い越し車線等)が、検知が困難になると推定される検知範囲であることが報知されてもよい。例えば、ロータリ内等の特定の閉領域が、検知が困難になると推定される検知範囲であることが報知されてもよい。
また、例えば、検知能力の制限が行われた後に検知能力の制限の緩和又は解除が行われる場合には、決定部20は、検知能力の緩和又は解除の内容を決定し、検知能力の緩和又は解除の内容に応じた報知の態様を決定してもよい。例えば、自車両が停止中の状態から発進するとき、側道から本線に合流するとき、停留所から出発するとき、又は、異なるODD(Operational Design Domain)の区間に入るとき等に、検知能力の制限の緩和又は解除が行われてもよい。検知能力の制限が行われたときには、「検知能力は低モードです。自車両から20m以内の移動体しか検知できません。ご注意ください。」といった注意喚起がスピーカから報知される。その後、検知能力の制限の緩和又は解除が行われたときには、「検知能力は通常モードです。」、又は、「本線道路に合流します。検知モードは通常モードになりました。」といった報知がスピーカからなされる。
例えば、変更部40は、センサ50の照射レーザ強度、又は、センサ50によって得られるセンシングデータのうちPC(Personal Computer)等によって処理される範囲を変更することで、センサの検知能力として検知距離を変更することができる。また、例えば、変更部40は、センサ50がセンシングデータを取得するタイミング、又は、PC等がセンシングデータを処理するタイミングを変更することで、センサ50の検知時間間隔を変更することができる。
以上のように、センサ50の検知能力を変更するときには、自車両の周辺に注意喚起が報知されるため、自車両の周辺の物体は、自車両に搭載されたセンサ50の検知能力の変更に応じた注意をする必要があることを、報知された注意喚起によって認識することができる。したがって、安全性を維持したままセンサ50の検知能力を変更できる。
また、センサ50の検知能力を制限することで、センサ50の消費電力を低減したり、センサ50の寿命を長くしたりすることができる。センサ50の検知能力が制限されるだけである場合は安全性に問題が生じ得るが、検知能力の制限と共に検知能力の制限の内容に応じた報知の態様で自車両の周辺に注意喚起が報知されるため、安全性を維持することができる。
次に、本開示について実施例1から実施例5を挙げて説明する。
まずは、実施例1について説明する。実施例1では、変更される検知能力は検知時間間隔であり、検知できない対象についての報知がされる。実施例1では、センサ50の検知距離は固定とする。
図4は、実施例1に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図5は、実施例1に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
まず、情報処理システムは、センサ50の検知距離(図5に示す範囲A1)内に移動体があるか否かを判定する(ステップS21)。図5には、自車両として移動体100が示されており、移動体100に搭載されるセンサ50として、LCD(Liquid Crystal Display)を使ったMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)方式のLiDAR等のセンサ51が示される。センサ51は、例えば、移動体100の天井等に設置され、移動体100の周囲のセンシングが可能となっている。図5には、センサ51の検知距離(例えば40m等)に対応する検知範囲である範囲A1が示されている。また、図5では、紙面上方向を移動体100の前方(進行方向)とし、紙面下方向を移動体100の後方とし、紙面右方向を移動体100の右方とし、紙面左方向を移動体100の左方としている(後述する図8、図10、図12、図14及び図16についても同様)。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がない場合(ステップS21でNo)、第3速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し(ステップS22)、検知時間間隔を第3時間間隔に制限する(ステップS23)。検知停止とは、センサ50によって移動体を検知し、当該移動体に衝突しないように移動体100を停止することである。例えば、移動体100の状態及び移動体100の周辺の交通状況によって、検知時間間隔を変更する度合いを決定することができる。ここでは、一例として、検知時間間隔が、第1時間間隔、第2時間間隔及び第3時間間隔に変更されるとする。また、例えば、変更される検知時間間隔の度合いに応じて、検知停止できない移動体の速度が決まる。第3時間間隔は、第1時間間隔及び第2時間間隔よりも長い時間間隔であり、第3速度は、後述する第1速度及び第2速度よりも遅い速度である。例えば、変更後の検知時間間隔及び自車両の状態(例えば、センサ50の検知距離、自車両の速度、自車両の減速加速度、自車両が停止すると判定してからブレーキ作動を開始するまでにかかる時間、物体検知処理にかかる時間等)から、検知停止できない移動体の速度を算出することができる。なお、変更後の検知時間間隔及び自車両の状態の組み合わせ毎に検知停止できない移動体の速度が対応付けられたテーブルが予め記憶されていてもよく、当該テーブルを参照することで、検知停止できない移動体の速度が決められてもよい。
センサ50の検知距離内に移動体がない場合、センサ50の検知能力を制限しても危険な状態になる可能性が低いため、センサ50の検知時間間隔が第3時間間隔に大きく制限される。ただし、センサ50の検知時間間隔が第3時間間隔に制限されると、第3速度以上の移動体については検知停止できなくなるため、第3時間間隔に応じた第3速度以上の移動体について検知停止できないことが報知される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がある場合(ステップS21でYes)、当該移動体が自動車か否かを判定する(ステップS24)。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内にある移動体が自動車である場合(ステップS24でYes)、第1速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し(ステップS25)、検知時間間隔を第1時間間隔に制限する(ステップS26)。第1時間間隔は、第2時間間隔及び第3時間間隔よりも短い時間間隔であり、第1速度は、第2速度及び第3速度よりも速い速度である。センサ50の検知距離内にある移動体が移動速度の速い自動車であるため、センサ50の検知時間間隔が第1時間間隔とあまり制限されない。例えば、もともとの検知時間間隔が0.1秒の場合に、第1時間間隔として0.25秒に制限される。ただし、センサ50の検知時間間隔が第1時間間隔に制限されると、第1速度(例えば時速40km)以上の移動体については検知停止できなくなるため、第1時間間隔に応じた第1速度以上の移動体について検知停止できないことが報知される。例えば、移動体100に設置されたスピーカで「時速40km以上の移動体について検知停車できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知時間間隔が0.1秒から0.25秒に変更される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内にある移動体が自動車でない場合(ステップS24でNo)、例えば自転車である場合、第2速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し(ステップS27)、検知時間間隔を第2時間間隔に制限する(ステップS28)。第2時間間隔は、第3時間間隔よりも短く第1時間間隔よりも長い時間間隔であり、第2速度は、第3速度よりも速く第1速度よりも遅い速度である。センサ50の検知距離内にある移動体が自動車よりも移動速度が遅い自転車であるため、センサ50の検知時間間隔が第2時間間隔とある程度制限される。例えば、もともとの検知時間間隔が0.1秒の場合に、第2時間間隔として0.5秒に制限される。ただし、センサ50の検知時間間隔が第2時間間隔に制限されると、第2速度(例えば時速17km)以上の移動体については検知停止できなくなるため、第2時間間隔に応じた第2速度以上の移動体について検知停止できないことが報知される。例えば、移動体100に設置されたスピーカで「時速17km以上の移動体については検知停車できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知時間間隔が0.1秒から0.5秒に変更される。
なお、移動体100の周辺の交通状況及び移動体100の状態が変化するにつれて、検知時間間隔が段階的に制限されていってもよい。例えば、第1速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し、検知時間間隔を第1時間間隔に制限した後に、移動体100の周辺の交通状況及び移動体100の状態に応じて、第2速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し、検知時間間隔を第2時間間隔に制限してもよい。さらに、その後、移動体100の周辺の交通状況及び移動体100の状態に応じて、第3速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し、検知時間間隔を第3時間間隔に制限してもよい。
また、ステップS22のように、検知距離内に移動体がない場合であっても、検知停止できない移動体についての報知がされる例について説明したが、検知距離内に移動体がない場合には、検知停止できない移動体についての報知がされなくてもよい。これについて、図6を用いて説明する。
図6は、実施例1の変形例に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
まず、情報処理システムは、センサ50の検知距離(図5に示す範囲A1)内に移動体があるか否かを判定する(ステップS31)。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がある場合(ステップS31でYes)、第1速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し(ステップS32)、検知時間間隔を第1時間間隔に制限する(ステップS33)。ここでは、一例として、検知時間間隔が、第1時間間隔に変更されるとする。また、例えば、変更される検知時間間隔の度合いに応じて、検知停止できない移動体の速度が決まる。センサ50の検知距離内に移動体がある場合、第1時間間隔に応じた第1速度以上の移動体については検知停止できなくなるため、第1時間間隔に応じた第1速度以上の移動体について検知停止できないことが報知される。なお、実施例1では、移動体が自動車であるか否かの判定が行われ、報知内容及び検知時間間隔の制限の度合いが移動体の種類に応じて決められる例について説明したが、実施例1の変形例のように、移動体の種類の判定が行われなくてもよい。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がない場合(ステップS31でNo)、注意喚起を報知せず、検知時間間隔を第1時間間隔に制限する。センサ50の検知距離内に移動体がない場合、センサ50の検知能力を制限しても危険な状態になる可能性が低いため、実施例1の変形例のように、注意喚起の報知がされなくてもよい。
次に、実施例2について説明する。実施例2では、変更される検知能力は検知時間間隔であり、検知できない対象についての報知がされる。実施例2では、センサ50の検知距離は固定とする。
図7は、実施例2に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図8は、実施例2に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
まず、情報処理システムは、センサ50の検知距離(図8に示す範囲A2、A3、A4又はA5)内に移動体があるか否かを判定する(ステップS41)。図8には、自車両として移動体100が示されており、移動体100に搭載されるセンサ50として、LiDAR等のセンサ51a、51b、51c及び51dが示される。センサ51aは、例えば、移動体100の前側に設置され、移動体100の前方のセンシングが可能となっている。図8には、センサ51aの検知距離(例えば40m等)に対応する検知範囲である範囲A2が示されている。センサ51bは、例えば、移動体100の右側に設置され、移動体100の右方のセンシングが可能となっている。図8には、センサ51bの検知距離(例えば40m等)に対応する検知範囲である範囲A3が示されている。センサ51cは、例えば、移動体100の左側に設置され、移動体100の左方のセンシングが可能となっている。図8には、センサ51cの検知距離(例えば40m等)に対応する検知範囲である範囲A4が示されている。センサ51dは、例えば、移動体100の後側に設置され、移動体100の後方のセンシングが可能となっている。図8には、センサ51dの検知距離(例えば40m等)に対応する検知範囲である範囲A5が示されている。また、図示していないが、例えば、移動体100の前後左右にスピーカが設置される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がある場合(ステップS41でYes)、第1範囲では第1速度以上の移動体について検知停止できないこと、第2範囲では第2速度以上の移動体について検知停止できないこと、第3範囲では第3速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し(ステップS42)、第1範囲について検知時間間隔を第1時間間隔に制限し、第2範囲について検知時間間隔を第2時間間隔に制限し、第3範囲について検知時間間隔を第3時間間隔に制限する(ステップS43)。例えば、ここでは、第1範囲を範囲A2とし、範囲A2の検知時間間隔、すなわちセンサ51aの検知時間間隔が第1時間間隔に変更されるとする。また、例えば、第2範囲を範囲A3及びA4とし、範囲A3及びA4の検知時間間隔、すなわちセンサ51b及び51cの検知時間間隔が第2時間間隔に変更されるとする。また、例えば、第3範囲を範囲A5とし、範囲A5の検知時間間隔、すなわちセンサ51dの検知時間間隔が第3時間間隔に変更されるとする。また、例えば、変更される検知時間間隔の度合いに応じて、検知停止できない移動体の速度が決まる。第1時間間隔は第2時間間隔よりも短い時間間隔であり、第2時間間隔は第3時間間隔よりも短い時間間隔であり、第1速度は第2速度よりも速い速度であり、第2速度は第3速度よりも速い速度である。
移動体100の前方は、移動体100の進行方向であり危険な状態になる可能性が高いため、移動体100の前側に設置されたセンサ51aの検知時間間隔は、第1時間間隔(例えば0.1秒)とあまり制限されない。ただし、センサ51aの検知時間間隔が第1時間間隔に制限されると、範囲A2について第1速度(例えば時速40km)以上の移動体については検知停止できなくなるため、範囲A2では第1時間間隔に応じた第1速度以上の移動体について検知停止できないことが報知される。例えば、移動体100の前側に設置されたスピーカで「時速40km以上の移動体について検知停車できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知時間間隔が0.1秒に制限される。なお、もともとの検知時間間隔が0.1秒の場合に、第1時間間隔は0.1秒であってもよく、つまり、検知時間間隔が制限されなくてもよい。
移動体の右方及び左方は、移動体100の進行方向と交差する方向であり危険な状態になる可能性は前方よりも低いため、移動体100の右側及び左側に設置されたセンサ51b及び51cの検知時間間隔は、第2時間間隔(例えば0.2秒)とある程度制限される。ただし、センサ51b及び51cの検知時間間隔が第2時間間隔に制限されると、範囲A3及びA4について第2速度(例えば時速20km)以上の移動体については検知停止できなくなるため、範囲A3及びA4では第2時間間隔に応じた第2速度以上の移動体について検知停止できないことが報知される。例えば、移動体100の右側及び左側に設置されたスピーカで「時速20km以上の移動体について検知停車できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知時間間隔が0.2秒に制限される。
移動体の後方は、移動体100の進行方向と反対方向であり危険な状態になる可能性は低いため、移動体100の後側に設置されたセンサ51dの検知時間間隔は、第3時間間隔(例えば0.4秒)に大きく制限される。ただし、センサ51dの検知時間間隔が第3時間間隔に制限されると、範囲A5について第3速度(例えば時速10km)以上の移動体については検知停止できなくなるため、範囲A5では第3時間間隔に応じた第3速度以上の移動体について検知停止できないことが報知される。例えば、移動体100の後側に設置されたスピーカで「時速10km以上の移動体について検知停車できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知時間間隔が0.4秒に制限される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がない場合(ステップS41でNo)、例えば注意喚起を報知せず、第1範囲について検知時間間隔を第1時間間隔に制限し、第2範囲について検知時間間隔を第2時間間隔に制限し、第3範囲について検知時間間隔を第3時間間隔に制限する。
なお、実施例1と同じように、報知内容及び検知時間間隔の制限の度合いが検知距離内にある移動体の種類に応じて決められてもよい。
次に、実施例2の変形例について説明する。実施例2の変形例では、変更される検知能力は検知時間間隔であり、検知できない対象についての報知がされる。実施例2の変形例では、センサ50の検知距離は固定とする。
図9は、実施例2の変形例に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図10は、実施例2の変形例に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
まず、情報処理システムは、センサ50の検知距離(図10に示す範囲A6、A7、A8又はA9)内に移動体があるか否かを判定する(ステップS51)。図10には、自車両として移動体100が示されており、移動体100に搭載されるセンサ50として、LCDを使ったMEMS方式のLiDAR等のセンサ51が示される。センサ51は、例えば、移動体100の天井等に設置され、移動体100の周囲のセンシングが可能となっている。図10には、センサ51の検知距離(例えば40m等)に対応する検知範囲である範囲A6、A7、A8及びA9が示されている。範囲A6は移動体100の前方の範囲であり、範囲A7は移動体100の右方の範囲であり、範囲A8は移動体100の左方の範囲であり、範囲A9は移動体100の後方の範囲である。また、図示していないが、例えば、移動体100の前後左右にスピーカが設置される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がある場合(ステップS51でYes)、第1方向では第1速度以上の移動体について検知停止できないこと、第2方向では第2速度以上の移動体について検知停止できないこと、第3方向では第3速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し(ステップS52)、第1方向について検知時間間隔を第1時間間隔に制限し、第2方向について検知時間間隔を第2時間間隔に制限し、第3方向について検知時間間隔を第3時間間隔に制限する(ステップS53)。例えば、ここでは、第1方向を移動体100の前方とし、移動体100の前方に対応する範囲A6の検知時間間隔、すなわちセンサ50が範囲A6をセンシングするときの検知時間間隔が第1時間間隔に変更されるとする。また、例えば、第2方向を移動体100の右方及び左方とし、移動体100の右方及び左方に対応する範囲A7及びA8の検知時間間隔、すなわちセンサ50が範囲A7及びA8をセンシングするときの検知時間間隔が第2時間間隔に変更されるとする。また、例えば、第3方向を移動体100の後方とし、移動体100の後方に対応する範囲A9の検知時間間隔、すなわちセンサ50が範囲A9をセンシングするときの検知時間間隔が第3時間間隔に変更されるとする。また、例えば、変更される検知時間間隔の度合いに応じて、検知停止できない移動体の速度が決まる。第1時間間隔は第2時間間隔よりも短い時間間隔であり、第2時間間隔は第3時間間隔よりも短い時間間隔であり、第1速度は第2速度よりも速い速度であり、第2速度は第3速度よりも速い速度である。
移動体100の前方は、移動体100の進行方向であり危険な状態になる可能性が高いため、センサ50が移動体100の前方をセンシングするときの検知時間間隔は、第1時間間隔(例えば0.2秒)とあまり制限されない。ただし、センサ50の検知時間間隔が第1時間間隔に制限されると、範囲A6について第1速度(例えば時速20km)以上の移動体については検知停止できなくなるため、範囲A6では第1時間間隔に応じた第1速度以上の移動体について検知停止できないことが報知される。例えば、移動体100の前側に設置されたスピーカで「時速20km以上の移動体について検知停車できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知時間間隔が0.2秒に制限される。
移動体の右方及び左方は、移動体100の進行方向と交差する方向であり危険な状態になる可能性は前方よりも低いため、センサ50が移動体の右方及び左方をセンシングするときの検知時間間隔は、第2時間間隔(例えば0.3秒)とある程度制限される。ただし、センサ50の検知時間間隔が第2時間間隔に制限されると、範囲A7及びA8について第2速度(例えば時速15km)以上の移動体については検知停止できなくなるため、範囲A7及びA8では第2時間間隔に応じた第2速度以上の移動体について検知停止できないことが報知される。例えば、移動体100の右側及び左側に設置されたスピーカで「時速15km以上の移動体について検知停車できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知時間間隔が0.3秒に制限される。
移動体の後方は、移動体100の進行方向と反対方向であり危険な状態になる可能性は低いため、センサ50が移動体100の後方をセンシングするときの検知時間間隔は、第3時間間隔(例えば0.4秒)に大きく制限される。ただし、センサ50の検知時間間隔が第3時間間隔に制限されると、範囲A9について第3速度(例えば時速10km)以上の移動体については検知停止できなくなるため、範囲A9では第3時間間隔に応じた第3速度以上の移動体について検知停止できないことが報知される。例えば、移動体100の後側に設置されたスピーカで「時速10km以上の移動体について検知停車できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知時間間隔が0.4秒に制限される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がない場合(ステップS51でNo)、例えば注意喚起を報知せず、第1方向について検知時間間隔を第1時間間隔に制限し、第2方向について検知時間間隔を第2時間間隔に制限し、第3方向について検知時間間隔を第3時間間隔に制限する。
なお、実施例1と同じように、報知内容及び検知時間間隔の制限の度合いが検知距離内にある移動体の種類に応じて決められてもよい。
次に、実施例3について説明する。実施例3では、変更される検知能力は検知距離であり、検知できない範囲(具体的には検知できない範囲にいる対象)についての報知がされる。実施例3では、センサ50の検知時間間隔は固定とする。
図11は、実施例3に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図12は、実施例3に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
まず、情報処理システムは、センサ50の検知距離(例えば最大の検知距離)内に移動体があるか否かを判定する(ステップS61)。図12には、自車両として移動体100が示されており、移動体100に搭載されるセンサ50として、LCDを使ったMEMS方式のLiDAR等のセンサ51が示される。センサ51は、例えば、移動体100の天井等に設置され、移動体100の周囲のセンシングが可能となっている。センサ51の検知距離は可変であり、図12には、センサ51の検知距離L1(例えば40m等)に対応する検知範囲である範囲B1、検知距離L2(例えば30m等)に対応する検知範囲である範囲B2、及び、検知距離L3(例えば20m等)に対応する検知範囲である範囲B3が示されている。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がない場合(ステップS61でNo)、第3距離以上の範囲にいる移動体について検知できないことを報知し(ステップS62)、検知距離を第3距離に制限する(ステップS63)。例えば、移動体100の状態及び移動体100の周辺の交通状況によって、検知距離を変更する度合いを決定することができる。ここでは、一例として、検知距離が、第1距離(例えば検知距離L1)、第2距離(例えば検知距離L2)及び第3距離(例えば検知距離L3)に変更されるとする。また、例えば、変更される検知距離の度合いに応じて、検知できない範囲が決まる。第3距離に対応する範囲B3は、第1距離に対応する範囲B1及び第2距離に対応する範囲B2よりも狭い範囲である。例えば、変更後の検知距離及び自車両の状態から、検知できない範囲を算出することができる。なお、変更後の検知距離及び自車両の状態の組み合わせ毎に検知できない範囲が対応付けられたテーブルが予め記憶されていてもよく、当該テーブルを参照することで、検知できない範囲が決められてもよい。
センサ50の検知距離内に移動体がない場合、センサ50の検知能力を制限しても危険な状態になる可能性が低いため、センサ50の検知距離が第3距離に大きく制限される。ただし、センサ50の検知距離が第3距離に制限されると、第3距離以上の範囲にいる移動体については検知できなくなるため、第3距離以上の範囲にいる移動体について検知できないことが報知される。例えば、移動体100に設置されたスピーカで「自車両から20m以上離れている移動体は検知できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知距離が20mに変更される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がある場合(ステップS61でYes)、当該移動体が自動車か否かを判定する(ステップS64)。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内にある移動体が自動車である場合(ステップS64でYes)、第1距離以上の範囲にいる移動体について検知できないことを報知し(ステップS65)、検知距離を第1距離に制限する(ステップS66)。第1距離に対応する範囲B1は、第2距離に対応する範囲B2及び第3距離に対応する範囲B3よりも広い範囲である。センサ50の検知距離内にある移動体が移動速度の速い自動車であるため、センサ50の検知距離が第1距離とあまり制限されない。ただし、センサ50の検知距離が第1距離に制限されると、第1距離以上の範囲にいる移動体については検知できなくなるため、第1距離以上の範囲にいる移動体について検知できないことが報知される。例えば、移動体100に設置されたスピーカで「自車両から40m以上離れている移動体は検知できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知距離が40mに変更される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内にある移動体が自動車でない場合(ステップS64でNo)、例えば自転車である場合、第2距離以上の範囲にいる移動体について検知できないことを報知し(ステップS67)、検知距離を第2距離に制限する(ステップS68)。第2距離に対応する範囲B2は、第3距離に対応する範囲B3よりも広く第1距離に対応する範囲B1よりも狭い範囲である。センサ50の検知距離内にある移動体が自動車よりも移動速度が遅い自転車であるため、センサ50の検知距離が第2距離とある程度制限される。ただし、センサ50の検知距離が第2距離に制限されると、第2距離以上の範囲にいる移動体については検知できなくなるため、第2距離以上の範囲にいる移動体について検知できないことが報知される。例えば、移動体100に設置されたスピーカで「自車両から30m以上離れている移動体は検知できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知距離が30mに変更される。
なお、移動体100の周辺の交通状況及び移動体100の状態が変化するにつれて、検知距離が段階的に制限されていってもよい。例えば、第1距離以上の範囲にいる移動体について検知できないことを報知し、検知距離を第1距離に制限した後に、移動体100の周辺の交通状況及び移動体100の状態に応じて、第2距離以上の範囲にいる移動体について検知できないことを報知し、検知距離を第2距離に制限してもよい。さらに、その後、移動体100の周辺の交通状況及び移動体100の状態に応じて、第3距離以上の範囲にいる移動体について検知できないことを報知し、検知距離を第3距離に制限してもよい。
また、検知距離内に移動体がない場合であっても、検知停止できない移動体についての報知がされる例について説明したが、実施例1の変形例と同じように、検知距離内に移動体がない場合には、検知できない範囲についての報知がされなくてもよい。
次に、実施例4について説明する。実施例4では、変更される検知能力は検知距離であり、検知できない範囲(具体的には検知できない範囲にいる対象)についての報知がされる。実施例4では、センサ50の検知時間間隔は固定とする。
図13は、実施例4に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図14は、実施例4に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
まず、情報処理システムは、センサ50の検知距離(例えば最大の検知距離)内に移動体があるか否かを判定する(ステップS71)。図14には、自車両として移動体100が示されており、移動体100に搭載されるセンサ50として、LiDAR等のセンサ51a、51b、51c及び51dが示される。センサ51aは、例えば、移動体100の前側に設置され、移動体100の前方のセンシングが可能となっている。センサ51bは、例えば、移動体100の右側に設置され、移動体100の右方のセンシングが可能となっている。センサ51cは、例えば、移動体100の左側に設置され、移動体100の左方のセンシングが可能となっている。センサ51dは、例えば、移動体100の後側に設置され、移動体100の後方のセンシングが可能となっている。センサ51a、51b、51c及び51dの検知距離は可変であり、図14には、センサ51aについては検知距離L4(例えば40m等)に対応する検知範囲である範囲B4、センサ51bについては検知距離L5(例えば20m等)に対応する検知範囲である範囲B5、センサ51cについては検知距離L6(例えば20m等)に対応する検知範囲である範囲B6、及び、センサ51dについては検知距離L7(例えば10m等)に対応する検知範囲である範囲B7が示されている。また、図示していないが、例えば、移動体100の前後左右にスピーカが設置される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がある場合(ステップS71でYes)、第1範囲では第1距離以上の範囲にいる移動体について検知できないこと、第2範囲では第2距離以上の範囲にいる移動体について検知できないこと、第3範囲では第3距離以上の範囲にいる移動体について検知できないことを報知し(ステップS72)、第1範囲について検知距離を第1距離に制限し、第2範囲について検知距離を第2距離に制限し、第3範囲について検知距離を第3距離に制限する(ステップS73)。例えば、ここでは、第1範囲を範囲B4とし、範囲B4の検知距離、すなわちセンサ51aの検知距離が第1距離(例えば検知距離L4)に変更されるとする。また、例えば、第2範囲を範囲B5及びB6とし、範囲B5及びB6の検知距離、すなわちセンサ51b及び51cの検知距離が第2距離(例えば検知距離L5及びL6)に変更されるとする。また、例えば、第3範囲を範囲B7とし、範囲B7の検知距離、すなわちセンサ51dの検知距離が第3距離(例えば検知距離L7)に変更されるとする。また、例えば、変更される検知距離の度合いに応じて、検知できない範囲が決まる。第1距離に対応する範囲B4は第2距離に対応する範囲B5及びB6よりも広い範囲であり、第2距離に対応する範囲B5及びB6は第3距離に対応する範囲B7よりも広い範囲である。
移動体100の前方は、移動体100の進行方向であり危険な状態になる可能性が高いため、移動体100の前側に設置されたセンサ51aの検知距離は、第1距離とあまり制限されない。ただし、センサ51aの検知距離が第1距離に制限されると、範囲B4外の第1距離以上の範囲にいる移動体については検知できなくなるため、移動体100の前方において移動体100から第1距離以上離れている移動体について検知できないことが報知される。例えば、移動体100の前側に設置されたスピーカで「自車両から40m以上離れている移動体は検知できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知距離が40mに制限される。なお、もともとの検知距離が40mの場合に、第1距離は40mであってもよく、つまり、検知距離が制限されなくてもよい。
移動体の右方及び左方は、移動体100の進行方向と交差する方向であり危険な状態になる可能性は前方よりも低いため、移動体100の右側及び左側に設置されたセンサ51b及び51cの検知距離は、第2距離とある程度制限される。ただし、センサ51b及び51cの検知距離が第2距離に制限されると、範囲B5及びB6外の第2距離以上の範囲にいる移動体について検知できなくなるため、移動体100の右方及び左方において移動体100から第2距離以上離れている移動体について検知できないことが報知される。例えば、移動体100の右側及び左側に設置されたスピーカで「自車両から20m以上離れている移動体は検知できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知距離が20mに制限される。
移動体の後方は、移動体100の進行方向と反対方向であり危険な状態になる可能性は低いため、移動体100の後側に設置されたセンサ51dの検知距離は、第3距離に大きく制限される。ただし、センサ51dの検知距離が第3距離に制限されると、範囲B7外の第3距離以上の範囲にいる移動体については検知できなくなるため、移動体100の後方において移動体100から第3距離以上離れている移動体について検知できないことが報知される。例えば、移動体100の後側に設置されたスピーカで「自車両から10m以上離れている移動体は検知できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知距離が10mに制限される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がない場合(ステップS71でNo)、例えば注意喚起を報知せず、第1範囲について検知距離を第1距離に制限し、第2範囲について検知距離を第2距離に制限し、第3範囲について検知距離を第3距離に制限する。
なお、実施例3と同じように、報知内容及び検知距離の制限の度合いが検知距離内にある移動体の種類に応じて決められてもよい。
次に、実施例4の変形例について説明する。実施例4の変形例では、変更される検知能力は検知距離であり、検知できない範囲(具体的には検知できない範囲にいる対象)についての報知がされる。実施例4の変形例では、センサ50の検知時間間隔は固定とする。
図15は、実施例4の変形例に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図16は、実施例4の変形例に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
まず、情報処理システムは、センサ50の検知距離(例えば最大の検知距離であり、図16に示す範囲B8)内に移動体があるか否かを判定する(ステップS81)。図16には、自車両として移動体100が示されており、移動体100に搭載されるセンサ50として、LCDを使ったMEMS方式のLiDAR等のセンサ51が示される。センサ51は、例えば、移動体100の天井等に設置され、移動体100の周囲のセンシングが可能となっている。図16には、センサ51の検知距離L8(例えば40m等)に対応する検知範囲である範囲B8、検知距離L9(例えば20m等)に対応する検知範囲である範囲B9、検知距離L10(例えば10m等)に対応する検知範囲である範囲B10、検知距離L11(例えば10m等)に対応する検知範囲である範囲B11、及び、検知距離L12(例えば5m等)に対応する検知範囲である範囲B12が示されている。範囲B9は移動体100の前方の範囲であり、範囲B10は移動体100の右方の範囲であり、範囲B11は移動体100の左方の範囲であり、範囲B12は移動体100の後方の範囲である。また、図示していないが、例えば、移動体100の前後左右にスピーカが設置される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がある場合(ステップS81でYes)、第1方向では第1距離以上の範囲にいる移動体について検知できないこと、第2方向では第2距離以上の範囲にいる移動体について検知できないこと、第3方向では第3距離以上の範囲にいる移動体について検知できないことを報知し(ステップS82)、第1方向について検知距離を第1距離に制限し、第2方向について検知距離を第2距離に制限し、第3方向について検知距離を第3距離に制限する(ステップS83)。例えば、ここでは、第1方向を移動体100の前方とし、センサ50が移動体100の前方をセンシングするときの検知距離が第1距離(例えば検知距離L9)に変更されるとする(つまり、移動体100の前方について、センサ50のセンシング範囲が範囲B9に制限されるとする)。また、例えば、第2方向を移動体100の右方及び左方とし、センサ50が移動体100の移動体100の右方及び左方をセンシングするときの検知距離が第2距離(例えば検知距離L10及びL11)に変更されるとする(つまり、移動体100の右方及び左方について、センサ50のセンシング範囲が範囲B10及びB11に制限されるとする)。また、例えば、第3方向を移動体100の後方とし、センサ50が移動体100の後方をセンシングするときの検知距離が第3距離(例えば検知距離L12)に変更されるとする(つまり、移動体100の後方について、センサ50のセンシング範囲が範囲B12に制限されるとする)。また、例えば、変更される検知距離の度合いに応じて、検知できない範囲が決まる。第1距離に対応する範囲B9は第2距離に対応する範囲B10及びB11よりも広い範囲であり、第2距離に対応する範囲B10及びB11は第3距離に対応する範囲B12よりも広い範囲である。
移動体100の前方は、移動体100の進行方向であり危険な状態になる可能性が高いため、センサ50が移動体100の前方をセンシングするときの検知距離は、第1距離とあまり制限されない。例えば、もともとの検知距離が40mの場合に、第1距離として20mに制限される。ただし、センサ50の検知距離が第1距離に制限されると、範囲B9外の第1距離以上の範囲にいる移動体については検知できなくなるため、移動体100の前方において移動体100から第1距離以上離れている移動体について検知できないことが報知される。例えば、移動体100の前側に設置されたスピーカで「自車両から20m以上離れている移動体は検知できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知距離が40mから20mに制限される。
移動体の右方及び左方は、移動体100の進行方向と交差する方向であり危険な状態になる可能性は前方よりも低いため、センサ50が移動体の右方及び左方をセンシングするときの検知距離は、第2距離とある程度制限される。例えば、もともとの検知距離が40mの場合に、第2距離として10mに制限される。ただし、センサ50の検知距離が第2距離に制限されると、範囲B10及びB11外の第2距離以上の範囲にいる移動体については検知できなくなるため、移動体100の右方及び左方において移動体100から第2距離以上離れている移動体について検知できないことが報知される。例えば、移動体100の右側及び左側に設置されたスピーカで「自車両から10m以上離れている移動体は検知できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知距離が40mから10mに制限される。
移動体の後方は、移動体100の進行方向と反対方向であり危険な状態になる可能性は低いため、センサ50が移動体100の後方をセンシングするときの検知距離は、第3距離に大きく制限される。例えば、もともとの検知距離が40mの場合に、第3距離として5mに制限される。ただし、センサ50の検知距離が第3距離に制限されると、範囲B12外の第3距離以上の範囲にいる移動体については検知できなくなるため、移動体100の後方において移動体100から第3距離以上離れている移動体について検知できないことが報知される。例えば、移動体100の後側に設置されたスピーカで「自車両から5m以上離れている移動体は検知できません。ご注意ください。」といったアナウンスがされ、検知距離が40mから5mに制限される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がない場合(ステップS81でNo)、例えば注意喚起を報知せず、第1方向について検知距離を第1距離に制限し、第2方向について検知距離を第2距離に制限し、第3方向について検知距離を第3距離に制限する。
なお、実施例3と同じように、報知内容及び検知距離の制限の度合いが検知距離内にある移動体の種類に応じて決められてもよい。
次に、実施例5について説明する。実施例5では、変更される検知能力は検知時間間隔及び検知距離の両方であり、検知できない対象についての報知がされる。
図17は、実施例5に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
まず、情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体があるか否かを判定する(ステップS91)。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がない場合(ステップS91でNo)、第3速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し(ステップS92)、検知時間間隔を第3時間間隔に制限し(ステップS93)、検知距離を第3距離に制限する(ステップS94)。例えば、移動体100の状態及び移動体100の周辺の交通状況によって、検知時間間隔を変更する度合い及び検知距離を変更する度合いを決定することができる。ここでは、一例として、検知距離が第1距離、第2距離及び第3距離に変更されるとする。また、例えば、変更される検知距離の度合いに応じて、変更される検知距離の度合いが決まる。例えば、検知時間間隔は、第1時間間隔、第2時間間隔及び第3時間間隔に変更されるとする。また、例えば、変更される検知時間間隔の度合いに応じて、検知停止できない移動体の速度が決まる。第3距離は、第1距離及び第2距離よりも短い距離であり、第3時間間隔は、第1時間間隔及び第2時間間隔よりも長い時間間隔であり、第3速度は、後述する第1速度及び第2速度よりも遅い速度である。例えば、変更後の検知時間間隔、検知距離及び自車両の状態から、検知停止できない移動体の速度を算出することができる。なお、変更後の検知時間間隔、検知距離及び自車両の状態の組み合わせ毎に検知停止できない移動体の速度が対応付けられたテーブルが予め記憶されていてもよく、当該テーブルを参照することで、検知停止できない移動体の速度が決められてもよい。
センサ50の検知距離内に移動体がない場合、センサ50の検知能力を制限しても危険な状態になる可能性が低いため、センサ50の検知時間間隔が第3時間間隔に、センサ50の検知距離が第3距離に大きく制限される。ただし、センサ50の検知時間間隔が第3時間間隔に制限され、センサ50の検知距離が第3距離に制限されると、第3速度以上の移動体については検知停止できなくなるため、第3速度以上の移動体について検知停止できないことが報知される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内に移動体がある場合(ステップS91でYes)、当該移動体が自動車か否かを判定する(ステップS95)。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内にある移動体が自動車である場合(ステップS95でYes)、第1速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し(ステップS96)、検知時間間隔を第1時間間隔に制限し(ステップS97)、検知距離を第1距離に制限する(ステップS98)。第1時間間隔は、第2時間間隔及び第3時間間隔よりも短い時間間隔であり、第1距離は、第2距離及び第3距離よりも長い距離であり、第1速度は、第2速度及び第3速度よりも速い速度である。センサ50の検知距離内にある移動体が移動速度の速い自動車であるため、センサ50の検知時間間隔が第1時間間隔、検知距離が第1距離とあまり制限されない。ただし、センサ50の検知時間間隔が第1時間間隔に制限され、検知距離が第1距離に制限されると、第1速度以上の移動体については検知停止できなくなるため、第1速度以上の移動体について検知停止できないことが報知される。
情報処理システムは、センサ50の検知距離内にある移動体が自動車でない場合(ステップS95でNo)、例えば自転車である場合、第2速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し(ステップS99)、検知時間間隔を第2時間間隔に制限し(ステップS100)、検知距離を第2距離に制限する(ステップS101)。第2時間間隔は、第3時間間隔よりも短く第1時間間隔よりも長い時間間隔であり、第2距離は、第3距離よりも長く第1距離よりも短い距離であり、第2速度は、第3速度よりも速く第1速度よりも遅い速度である。センサ50の検知距離内にある移動体が自動車よりも移動速度が遅い自転車であるため、センサ50の検知時間間隔が第2時間間隔、検知距離が第2距離とある程度制限される。ただし、センサ50の検知時間間隔が第2時間間隔に制限され、検知距離が第2距離に制限されると、第2速度以上の移動体については検知停止できなくなるため、第2速度以上の移動体について検知停止できないことが報知される。
なお、移動体100の周辺の交通状況及び移動体100の状態が変化するにつれて、検知時間間隔及び検知距離が段階的に制限されていってもよい。例えば、第1速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し、検知時間間隔を第1時間間隔に制限し、検知距離を第1距離に制限した後に、移動体100の周辺の交通状況及び移動体100の状態に応じて、第2速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し、検知時間間隔を第2時間間隔に制限し、検知距離を第2距離に制限してもよい。さらに、その後、移動体100の周辺の交通状況及び移動体100の状態に応じて、第3速度以上の移動体について検知停止できないことを報知し、検知時間間隔を第3時間間隔に制限し、検知距離を第3距離に制限してもよい。
(その他の実施の形態)
以上、本開示の一つ又は複数の態様に係る情報処理システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、決定部20は、さらに、決定した検知能力の変更の内容に応じて、移動体の監視者への報知の態様を決定し、報知部30は、決定した態様で監視者に注意喚起を報知してもよい。
図18Aは、監視者に報知される注意喚起の一例を示す図である。
図18Bは、監視者に報知される注意喚起の他の一例を示す図である。
例えば、図18A又は図18Bに示されるような表示が監視モニタ等に表示されることで、監視者は、監視している移動体に搭載されたセンサ50の検知能力を把握することができる。なお、「検知能力低下中」といった表示がされたり、表示する文字の色が変えられたりすることで、検知能力が制限されていることを監視者に認識させるようにしてもよい。また、決定された検知能力の変更の内容に応じて監視優先度が制御されてもよい。例えば、検知能力が制限されているセンサ50を搭載する移動体の監視優先度が高められてもよい。また、監視優先度に基づいて、監視者への報知の内容及び報知の手段等が決められてもよい。例えば、監視優先度が高い場合、表示及び音声の両方での報知がされたり、表示の色、輝度又は大きさ等が目立つものにされたり、表示が点滅されたりしてもよい。
例えば、上記実施の形態では、センサ50の検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知対象又は検知範囲が決定される例について説明したが、センサ50の検知能力が制限されても検知が可能であると推定される検知対象又は検知範囲が決定されてもよい。
例えば、上記実施の形態では、センサ50の検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知対象又は検知範囲に注意喚起を伝達可能な手段が決定される例について説明したが、センサ50の検知能力が制限されても検知が可能であると推定される検知対象又は検知範囲に注意喚起を伝達可能な手段が決定されてもよい。
例えば、上記実施の形態では、センサ50の検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知対象が認識可能な場所、又は、センサ50の検知能力の制限により検知が困難になると推定される検知範囲に対応する場所が決定される例について説明したが、センサ50の検知能力が制限されても検知が可能であると推定される検知対象が認識可能な場所、又は、センサ50の検知能力が制限されても検知が可能であると推定される検知範囲に対応する場所が決定されてもよい。
なお、本開示は、情報処理システムとして実現できるだけでなく、情報処理システムを構成する各構成要素が行うステップ(処理)を含む情報処理方法として実現できる。
例えば、情報処理方法は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、図2に示されるように、移動体に搭載されるセンサであって、物体を検知するためのセンサの検知能力を変更するか否かを判定し(ステップS1)、検知能力を変更すると判定した場合(ステップS1でYes)、変更の内容及び移動体の周辺への注意喚起の報知の態様を決定し(ステップS2)、決定した態様で移動体の周辺に注意喚起を報知し(ステップS3)、決定した内容に検知能力を変更する(ステップS4)処理を含む。
例えば、本開示は、情報処理方法に含まれるステップを、プロセッサに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本開示は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
例えば、本開示が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリ及び入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリ又は入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリ又は入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
なお、上記実施の形態において、情報処理システムに含まれる各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
上記実施の形態に係る情報処理システムの機能の一部又は全ては典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらに、本開示の主旨を逸脱しない限り、本開示の各実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本開示に含まれる。