JP7432207B2 - ポリシロキサン複合体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリシロキサン複合体に関する。
シリカやアルミナなどに対し、新たな機能を付与するために表面にポリマー鎖を付加することが試みられている。
一方、発明者のグループは、かご型シルセスキオキサンと鎖状ジメチルシロキサンが交互に連なったネックレス型のシロキサンポリマーを開発した。
Necklace-shaped Dimethylsiloxane Polymers Bearing Polyhedral Oligomeric Silsesquioxane Cage Prepared by Polycondensation and Ring-opening Polymerization. Yoshimatsu M, Komori K, Ohnagamitsu Y, Sueyoshi N, Kawashima N, Chinen S, Murakami Y, Izumi J, Inoki D, Sakai K, Matsuo T, Watanabe K and Kunitake M; Chem. Lett. 41 (6) 622-624 (2012) Necklace-Shaped Dimethylsiloxane Polymers Bearing Polyhedral Oligomeric Silsesquioxane Cages with Alternating Length Chains. Katsuta N, Yoshimatsu M, Komori K, Natsuaki T, Suwa K, Sakai K, Matsuo T, Ohba T, Uemura S, Watanabe S and Kunitake M; Polymer. 127 8-14 (2017)
本発明は、無機物質及び有機物質から選択される物質の表面にポリシロキサンを結合させたポリシロキサン複合体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。まず、シリカゲルとポリシロキサンを単純に混合あるいは溶剤等を使用し撹拌混合したところ、複合化は可能であるが、分散性が悪く、凝集等で粗密が発生し、不均一な複合体となってしまい、フィラーの特徴を十分に発揮できないということがわかった。そこで、シリカゲル表面に鎖状又は環状シロキサンを平衡重合させる工程を行い、次いで、かご型シルセスキオキサンを平衡重合させる工程を行うことで、シリカゲル-ポリシロキサン複合体が効率よく製造できることを見出し、さらに得られたシリカゲル-ポリシロキサン複合体を用いることでシリカゲルがポリマー中に効率よく分散できることを見出した。このような知見に基づき、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の実施形態には、以下の構成が含まれる。
[1]無機物質及び有機物質から選択される物質と、該物質表面に結合した、式(A)で表されるかご型シルセスキオキサン繰り返し単位および式(B)で表される鎖状シロキサン繰り返し単位を含むポリシロキサンと、を含む、ポリシロキサン複合体であって、前記ポリシロキサンは式(B)で表される鎖状シロキサンを介して前記物質表面に結合した、ポリシロキサン複合体。
Figure 0007432207000001
は、独立して、炭素数6~20のアリール又は炭素数5~6のシクロアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール及び前記炭素数5~6のシクロアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素など、以下同様)又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく;
は、それぞれ独立して、水素原子、ビニル、アリル、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、又は炭素数1~40のアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール、前記炭素数5~6のシクロアルキル及び前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアリールは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく、前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアルキレンは、任意の水素原子がハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-、-CH=CH-、又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、前記炭素数1~40のアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく;
は独立して、水素原子、ビニル、アリル、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、又は炭素数1~40のアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール、前記炭素数5~6のシクロアルキル及び前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアリールは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく、前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアルキレンは、任意の水素原子がハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-、-CH=CH-、又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、前記炭素数1~40のアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく;
x、yは、1以上の実数を表す。
[2]式(A)で表されるかご型シルセスキオキサン繰り返し単位および式(B)で表され
る鎖状シロキサン繰り返し単位を含むポリシロキサンの重量平均分子量が2,000~1,000,000の範囲にある、[1]のポリシロキサン複合体。
[3]Rが独立してフェニル又は、シクロヘキシルを表し、R1、Rが独立してメチル又は、フェニルを表す、[1]または[2]のポリシロキサン複合体。
[4]前記無機物質が金属、金属酸化物およびカーボンから選択される、[1]~[3]のいずれかのポリシロキサン複合体。
[5]前記無機物質がシリカ、アルミナ、酸化チタンおよび酸化ジルコニウムから選択される金属酸化物である、[1]~[3]のいずれかのポリシロキサン複合体。
[6] 前記無機物質が金属微粒子、酸化物微粒子、複合酸化物微粒子および炭素系微粒子から選択される、[1]~[3]のいずれかのポリシロキサン複合体。
[7] 前記有機物質がポリマーである、[1]~[3]のいずれかのポリシロキサン複合体。
[8] 前記有機物質がポリマー系微粒子である、[7]のポリシロキサン複合体。
[9] 無機物質及び有機物質から選択される物質の表面に鎖状又は環状シロキサンを平衡重合させる工程、次いで、かご型シルセスキオキサンを平衡重合させる工程を含む、ポリシロキサン複合体の製造方法。
[10]鎖状又は環状シロキサンが以下の式(b)および/または(c)で表される化合物である、[9]の製造方法。
Figure 0007432207000002
は独立して、水素原子、ビニル、アリル、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、又は炭素数1~40のアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール、前記炭素数5~6のシクロアルキル及び前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアリールは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく、前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアルキレンは、任意の水素原子がハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-、-CH=CH-、又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、前記炭素数1~40のアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく;
nは2~30の整数である。
[11]かご型シルセスキオキサンが以下の式(a)で表される化合物である、[9]または[10]の製造方法。
Figure 0007432207000003
は、独立して、炭素数6~20のアリール又は炭素数5~6のシクロアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール及び前記炭素数5~6のシクロアルキルは、任意の水素
原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく;
は、それぞれ独立して、水素原子、ビニル、アリル、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、又は炭素数1~40のアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール、前記炭素数5~6のシクロアルキル及び前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアリールは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく、前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアルキレンは、任意の水素原子がハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-、-CH=CH-、又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、前記炭素数1~40のアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
本発明により、無機物質及び有機物質から選択される物質の表面にポリシロキサンを結合させたポリシロキサン複合体が提供される。無機物質及び有機物質から選択される物質の表面にポリシロキサンをグラフトすることで、ポリマー中への前記物質の分散性を著しく向上できる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に何ら限定されない。また、本発明の実施態様は適宜組み合わせることもできる。
なお、本明細書で用いる用語は、次のように定義される。アルキルおよびアルキレンは、いずれの場合も直鎖の基であってもよく、分岐された基であってもよい。このことは、これらの基において任意の水素がハロゲンや環式の基などと置き換えられた場合も、任意の-CH-が-O-、-CH=CH-、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、フェニレンなどで置き換えられた場合も同様である。本発明で用いる「任意の」は、位置のみならず個数も任意であることを示す。そして、個数が複数であるときには、それぞれ異なる基で置き換えられてもよい。例えば、アルキルにおいて2個の-CH-が-O-と-CH=CH-で置き換えられる場合には、アルコキシアルケニル又はアルケニルオキシアルキルを示すことになる。この場合のアルコキシ、アルケニレン、アルケニルおよびアルキレンのいずれの基も、直鎖の基であってもよく、分岐された基であってもよい。但し、任意の-CH-が-O-で置き換えられると記述するときには、連続する複数の-CH-が-O-で置き換えられることはない。すなわち、例えば、-CH-CH-が-O-O-に置き換えられることはない。
本発明のポリシロキサン複合体は、無機物質及び有機物質から選択される物質と、該物質表面に結合した、式(A)で表されるかご型シルセスキオキサン繰り返し単位および式(B)で表される鎖状シロキサン繰り返し単位を含むポリシロキサンと、を含む、ポリシロキサン複合体であって、前記ポリシロキサンは式(B)で表される鎖状シロキサンを介して前記物質表面に結合した、ポリシロキサン複合体である。
無機物質及び有機物質から選択される物質
母材である物質は特に限定されず、無機物質でも有機物質でもよい。
無機物質としては、例えば、Si、Al、Ti、Zr、B、Bi、Ta、Sn、Zn、Cu、V、Sb、In、Hf、Y、Ce、Sc、La、Eu、Ni、Co、Feなどの元素から構成される物質、それらの酸化物、複合酸化物または窒化物等の物質が挙げられ、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウムがより好ましい。無機物質としてはカーボン材料でもよく、カーボン材料としては、グラフェン、グラファイト、フラーレンなどが挙げられる。
有機物質としては、有機ポリマー(ポリシロキサンを除く)などが挙げられる。
物質の状態は特に制限されず、固体でもゲルでもよい。
物質の形状は特に制限されず、板状、棒状、球状等、任意の形状をとることができる。物質が粒子の場合、粒径は10~500nmが好ましい。
すなわち、無機物質及び有機物質から選択される物質としては、金属微粒子、酸化物微粒子、複合酸化物微粒子、炭素系微粒子、ポリマー微粒子が好ましい。
ポリシロキサン
ポリシロキサンは、式(A)で表されるかご型シルセスキオキサン繰り返し単位および式(B)で表される鎖状シロキサン繰り返し単位を含む。
式(A)で表されるかご型シルセスキオキサン繰り返し単位
Figure 0007432207000004
式(A)中、
は、独立して、炭素数6~20のアリール又は炭素数5~6のシクロアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール及び前記炭素数5~6のシクロアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく;
は、それぞれ独立して、水素原子、ビニル、アリル、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、又は炭素数1~40のアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール、前記炭素数5~6のシクロアルキル及び前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアリールは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく、前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアルキレンは、任意の水素原子がハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-、-CH=CH-、又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、前記炭素数1~40のアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく;
xは1以上の実数を示す。
(R
は、独立して、炭素数6~20のアリール又は炭素数5~6のシクロアルキルを表す。
炭素数6~20のアリールとしては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニルなどがあげられる。これらの中では、フェニル、ナフチル、アントリル、およびフェナントリルが好ましく、フェニル、ナフチルおよびアントリルがより好ましい。
炭素数5~6のシクロアルキルとしては、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
は、好ましくは、フェニル又はシクロヘキシルである。
(R
は、独立して、水素、ビニル、アリル、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、又は炭素数1~40のアルキルを表す。
炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキルは、Rで説明したものと同様のものが挙げられる。
炭素数7~40のアリールアルキルとしては、例えば、例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、2,2-ジフェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチルが挙げられる。
炭素数1~40のアルキルとしては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、sec-ペンチル、iso-ペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ドデシル、オクタデシルが挙げられる。
は、好ましくは、フェニル、シクロヘキシル、及び炭素数1~5のアルキルから選ばれ、好ましくはフェニルまたはメチルである。
(x)
xは1以上の実数を示し、ポリシロキサン中に含まれる式(A)で表されるかご型シルセスキオキサン繰り返し単位の総数としては、例えば、1~500である。
式(B)で表される鎖状シロキサン繰り返し単位
Figure 0007432207000005
式(B)中、Rは独立して、水素原子、ビニル、アリル、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、又は炭素数1~40のアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール、前記炭素数5~6のシクロアルキル及び前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアリールは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく、前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアルキレンは、任意の水素原子がハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-、-CH=CH-、又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、前記炭素数1~40のアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく;
yは1以上の実数を表す。
(R
は、それぞれ独立して、水素原子、ビニル、アリル、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、又は炭素数1~40のアルキルを表すが、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキルは、Rで説明したものと同様のものが挙げられ、炭素数7~40のアリールアルキル、炭素数1~40のアルキルは、Rで説明したものと同様のものが挙げられる。
(y)
yは1以上の実数を示し、ポリシロキサン中に含まれる式(B)で表される鎖状シロキサン繰り返し単位の総数(後述のy1+y2)としては、例えば、1~3000である。
前記ポリシロキサンは式(B)で表される鎖状シロキサンを介して無機物質及び有機物質から選択される物質の表面に結合している。ここで、結合は化学結合が好ましい。例えば、前記物質表面に水酸基などの官能基を付与し、該官能基と式(B)で表される鎖状シロキサンの末端水酸基との化学反応により化学結合を形成してもよい。式(B)で表される鎖状シロキサンは前記物質の表面に直接結合していてもよいし、スペーサーなどを介して結合していてもよい。
「ポリシロキサンが式(B)で表される鎖状シロキサンを介して無機物質及び有機物質から選択される物質の表面に結合する」とは、式(B)で表される鎖状シロキサン(リンカー部分)がまず前記物質の表面に結合し、続いて、式(A)で表されるかご型シルセスキオキサン繰り返し単位と式(B)で表される鎖状シロキサン繰り返し単位が任意の割合及び任意の順序で結合していることを意味する。
無機物質及び有機物質から選択される物質-By1-(Ay2
前記物質表面に結合する式(B)で表される鎖状シロキサン(リンカー部分)における繰り返し数y1は例えば1~1000である。
(Ay2)における、連続する式(A)で表されるかご型シルセスキオキサン繰り返し単位の数は例えば1~5であり、連続する式(B)で表される鎖状シロキサン繰り返し単位は例えば1~30である。
本発明に係る複合体において、ポリシロキサンの無機物質及び有機物質から選択される物質に結合する末端と異なる末端は、特に限定されず、水酸基であってもよいが、下記の基を有してもよい。
Figure 0007432207000006

ここで、Rは独立して、水素、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、炭素数1~40のアルキル、炭素数1~40のアルコキシ、ビニル、又はアリル表し、前記炭素数6~20のアリール、前記炭素数5~6のシクロアルキル及び前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアリールは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく、前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアルキレンは、任意の水素原子がハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-、-CH=CH-、又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、前記炭素数1~40のアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく;前記炭素数1~40のアルコキシは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキルは、Rで説明したものと同様のものが挙げられる。
炭素数7~40のアリールアルキル、炭素数1~40のアルキルは、Rで説明したものと同様のものが挙げられる。
炭素数1~40のアルコキシとしては、特に制限されないが、炭素数1~10が好ましく、メトキシ、エトキシ、プロポキシなどが例示される。
は好ましくは水素、メチルフェニル、ビニル、アリル、又は水酸基である。
本発明の複合体におけるポリシロキサンにおいては、式(A)で表される繰り返し単位と式(B)で表される繰り返し単位の割合(x:y)は特に制限されないが、例えば、1:1~1:30である。
なお、本発明の複合体におけるポリシロキサンにおいては、式(A)および式(B)で表される繰り返し単位が占める質量%は、通常10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましくは70%以上であり、通常100未満、好ましくは99%以下である。すなわち、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、式(1)で表される繰り返し単位以外のユニットを含んでいてもよい。そのようなユニットとしては、例えば、-(CH-CH)-、-(CH=CH)-、-(O-SiMe-C-SiMe)-が挙げられる。
本発明の複合体におけるポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、好ましくは2,000以上、より好ましくは10,000以上であり、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下、さらに好ましくは200,000以下である。重量平均分子量は、後述の実施例に記載されるように、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にて得られたクロマトグラムを、分子量標準サンプルにて得られた検量線により計算して求める。
多分散度は、例えば、1~4である。
ポリシロキサン複合体の製造方法
ポリシロキサン複合体は、例えば、以下の工程により製造することができる。
(i)無機物質及び有機物質から選択される物質の表面に鎖状又は環状シロキサンを平衡重合させる工程、次いで、
(ii)かご型シルセスキオキサンを平衡重合させる工程
例えば、表面が水酸基である無機酸化物(シリカ)を鎖状又は環状シロキサン、酸触媒、溶媒で反応させることにより、シリカ表面に鎖状シロキサンがグラフトされる。次いで、重合中の溶液に末端シラノール型のかご型シルセスキオキサンを加えることで、グラフ
トされたシロキサンポリマーと平衡重合し、鎖状シロキサンの途中にかご状シルセスキオキサンが組み込まれ、分子ネックレスポリマーがグラフトされたシリカが得られる。
鎖状又は環状シロキサン
鎖状又は環状シロキサンとしては、式(b)または式(c)で表される化合物が挙げられる。これらのいずれか一方または両方を使用することができる。なお、無機物質及び有機物質から選択される物質の表面には水酸基など反応性官能基が存在することが好ましく、このような反応性官能基を導入するために表面処理を施してもよい。
Figure 0007432207000007
Figure 0007432207000008
式(b)および式(c)におけるRは式(A)におけるRと同様に定義される基であり、好ましい例も同様である。nは2~30の整数である。
式(b)で表される化合物としては、例えば、2,2,4,4,6,6-ヘキサメチルシクロトリシロキサン、2,4,6-トリエチル-2,4,6-トリメチルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6-ヘキサエチルシクロトリシロキサン、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6-トリエチル-2,4,6-トリプロピルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6-ヘキサプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリス(1-メチルエチル)シクロトリシロキサン、2,4,6-トリエチル-2,4,6-トリス(1-メチルエチル)シクロトリシロキサン2,2,4,4,6,6-ヘキサキス(1-メチルエチル)シクロトリシロキサン、2,4,6-トリブチル-2,4,6-トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6-トリブチル-2,4,6-トリエチルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6-ヘキサブチルシクロトリシロキサン、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリス(1,1-ジメチルエチル)シクロトリシロキサン、2,4
6-トリエチル-2,4,6-トリス(1,1-ジメチルエチル)シクロトリシロキサン、2,4,6-トリス(1,1-ジメチルエチル)-2,4,6-トリプロピルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6-ヘキサキス(1,1-ジメチルエチル)シクロトリシロキサン、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリス(トリフルオロメチル)シクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6-ヘキサキス(トリフルオロメチル)シクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6-ヘキサキス(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)シクロトリシロキサン、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリス(3,3,3-トリフルオロプロピル)シクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6-ヘキサキス(3,3,3-トリフルオロプロピル)シクロトリシロキサン、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリフェニルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6-ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、2,4,6-トリシクロへキシル-2,4,6-トリメチルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6-ヘキサシクロへキシルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6-ヘキサビニルシクロトリシロキサン、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリビニルシクロトリシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8-オクタメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラエチル-2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8-オクタエチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラエチル-2,4,6,8-テトラプロピルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8-オクタプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラキス(1-メチルエチル)シクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラエチル-2,4,6,8-テトラキス(1-メチルエチル)シクロテトラシロキサン2,2,4,4,6,6,8,8-オクタキス(1-メチルエチル)シクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラブチル-2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラブチル-2,4,6,8-テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8-オクタブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)シクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラエチル-2,4,6,8-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)シクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)-2,4,6,8-テトラプロピルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8-オクタキス(1,1-ジメチルエチル)シクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラキス(トリフルオロメチル)シクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8-オクタキス(トリフルオロメチル)シクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8-オクタキス(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)シクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラキス(3,3,3-トリフルオロプロピル)シクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8-オクタキス(3,3,3-トリフルオロプロピル)シクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラフェニルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8-オクタフェニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラシクロへキシル-2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8-オクタシクロへキシルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8-オクタビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,6-ジエチニル-2,4,4,6,8,8-ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10-デカメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタエチル-2,4,6,8,10-ペンタメチルシクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10-デカエチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8.10-ペンタメチル-2,4,6,8-ペンタプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタエチル-2,4,6,8,10-ペンタプロピルシクロペンタシロキサン、2,2
,4,4,6,6,8,8,10,10-デカプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタメチル-2,4,6,8,10-ペンタキス(1-メチルエチル)シクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタエチル-2,4,6,8,10-ペンタキス(1-メチルエチル)シクロペンタシロキサン2,2,4,4,6,6,8,8,10,10-デカキス(1-メチルエチル)シクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタブチル-2,4,6,8,10-ペンタメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタブチル-2,4,6,8,10-ペンタエチルシクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10-デカブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10,10-ペンタメチル-2,4,6,8,10,10-ペンタキス(1,1-ジメチルエチル)シクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタエチル-2,4,6,8,10-ペンタキス(1,1-ジメチルエチル)シクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタキス(1,1-ジメチルエチル)-2,4,6,8,10-ペンタプロピルシクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10-デカキス(1,1-ジメチルエチル)シクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタメチル-2,4,6,8-ペンタキス(トリフルオロメチル)シクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10.10-デカキス(トリフルオロメチル)シクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10-デカキス(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)シクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10,10-ペンタメチル-2,4,6,8-ペンタキス(3,3,3-トリフルオロプロピル)シクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10-デカキス(3,3,3-トリフルオロプロピル)シクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタメチル-2,4,6,8-ペンタフェニルシクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10-デカフェニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタシクロへキシル-2,4,6,8,10-ペンタメチルシクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10-デカシクロへキシルシクロペンタシロキサン、2,2,4,4,6,6,8,8,10,10-デカビニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタメチル-2,4,6,8,10-ペンタビニルシクロペンタシロキサンが挙げられ、中でも、Rが炭素数1~40のアルキルである低分子環状シロキサンが好ましく、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)等の環状シロキサンがより好ましく、入手の容易さ、コスト面、取扱いの観点から、オクタメチルシクロテトラシロキサンが特に好ましい。
式(c)で表される化合物としては、例えば、
1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジシロキサンジオール、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-トリシロキサンジオール、1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチル-1,7-テトラシロキサンジオール、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9-デカメチル-1,9-ペンタシロキサンジオール、1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ジシロキサンジオール、1,1,3,3,5,5-ヘキサフェニル-1,5-トリシロキサンジオール、DMS-S12(商品名、Gelest製)、DMS-S14(商品名、Gelest製)、DMS-S15(商品名、Gelest製)
1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシロキサン、1,1,1,3,3,5,5,5-オクタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,3,5,5,7,7-デカメチルテトラシロキサン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジアリル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,5-ジビニル-1,1,3,3,5,5-へプタメチルトリシロキサン、1,5-ジアリル-1,1,3,3,5,5-へプタメチルトリシロキサン、DMS-V00(商品名、Gelest製)、DMS-V03(商品名、Gelest製)、DMS-V05(商品名、Gelest製)
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリ
シロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9-デカメチルペンタシロキサン、 1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11-ドデカメチルヘキサシロキサン、1,3-ジメチル-1,3-ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3-テトラフェニルジシロキサン、1,3-シクロへキシル-1,3-ジメチルジシロキサン、1,1,3,3-テトラシクロへキシルジシロキサン、1,3-ジエチル-1,3-ジメチルジシロキサン、1,1,3,3-テトラエチルジシロキサン、1,3-ジメチル-1,3-ジプロピルジシロキサン、1,3-ジエチル-1,3-ジプロピルジシロキサン、1,1,3,3-テトラプロピルジシロキサン、1,3-ジメチル-1,3-ビス(1-メチルエチル)ジシロキサン、1,3-ジエチル-1,3-ビス(1-メチルエチル)ジシロキサン、1,1,3,3-テトラキス(1-メチルエチル)ジシロキサン、1,1,3,3-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)ジシロキサン、1,3-ビス(1,1-ジメチルエチル)-1,3-ジメチルジシロキサン、DMS-Hm15(商品名、Gelest製)、DMS-Hm25(商品名、Gelest製)、DMS-H03(商品名、Gelest製)、DMS-H11(商品名、Gelest製)、FM 1105(商品名、JNC(株)製)、FM 1111(商品名、JNC(株)製)、1,3-ジフルオロ-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,5-ジフルオロ-1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ビス(トリフルオロメチル)ジシロキサン、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ビス(トリフルオロメチル)ジシロキサン、1,3-ジメトキシ-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,5-ジメトキシ-1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサン、1,3-ジエトキシ-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,5-ジエトキシ-1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジプロポキシジシロキサン 、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ジプロポキシトリシロキサン、1,1,3,5,7,7-ヘキサメトキシ-1,3,5,7-テトラメチルテトラシロキサン、3,3,11,11-テトラメトキシ-6,6,8,8-テトラメチル-2,7,12-トリオキサ-3,6,8,11-テトラシラトリデカン、4,4,12,12-テトラエトキシ-7,7,9,9-テトラメチル-3,8,13-トリオキサ-4,7,9,12-テトラシラペンタデカン、1,3-ジエチニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,5-ジエチニルl-1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサン、FM 2205(商品名、JNC(株)製)、1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジ-2-プロパン-1-イルジシロキサン、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ジ-2-プロパン-1-イルトリシロキサン、FM-4411(商品名、JNC(株)製)、FM-4421(商品名、JNC(株)製)、FM-4425(商品名、JNC(株)製)、DMS-C15(商品名、Gelest製)、DMS-C16(商品名、Gelest製)、DMS-C21(商品名、Gelest製)、DMS-CA21(商品名、Gelest製)が挙げられる。
かご型シルセスキオキサン
かご型シルセスキオキサンとしては、式(a)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007432207000009
は式(A)におけるRと同様に定義される基であり、好ましい例も同様である。
は式(A)におけるRと同様に定義される基であり、好ましい例も同様である。式(a)で表される化合物は、例えば、特開2006-022207号公報の記載を参照して合成することができ、以下に示される化合物が好ましい。
Figure 0007432207000010
また、上記工程(ii)において得られるポリシロキサン複合体において、ポリシロキサンの無機物質及び有機物質から選択される物質の表面に結合する末端と異なる末端に式(d)で表される化合物を反応させることにより、ポリシロキサンの前記物質の表面に結合する末端とは異なる末端を修飾してもよい。
(式(d)で表される化合物)
Figure 0007432207000011

式(d)中、Rは、上記式(C)で説明したとおりであり、好ましい基も同様である。
はそれぞれ独立して、水素原子、ビニル基、アリル基、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、又は炭素数1~40のアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール、前記炭素数5~6のシクロアルキル及び前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアリールは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく、前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアルキレンは、任意の水素原子がハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-、-CH=CH-、又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、前記炭素数1~40のアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
nは1~30の整数を表す。
式(d)で表される化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサフェニルジシロキサン、オクタフェニルトリシロキサン、デカフェニルテトラシロキサン、Gelest製 DMA-T07Rが挙げられる。
上記工程(i)、(ii)においては、平衡重合を採用することができる。
平衡重合については、例えば、特開2017-14320に記載されている方法を参考にして行うことができる。反応には、下記のような溶剤と酸触媒を使用することが好ましい。また、窒素(N)等の不活性雰囲気下で反応を行うことが好ましい。また、攪拌しながら反応を行うことが好ましい。反応温度は例えば、25~120℃である。
(溶剤)
反応に使用する溶剤としては、前記原料化合物(a)、(b)および/または(c)を溶解可能であれば、特に限定されない。好ましい溶剤は、ブタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アニソールなどの芳香族炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶剤;酢酸エチルなどのエステル系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などのグリコールエステル系溶剤;ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチルピロリドン(NMP)、ピリジンなどの含窒素系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤などである。好ましくは、トルエン、メシチレン、アニソール、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸2-(2-エトキシエトキシ)エチルであり、より好ましくはトルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)である。溶剤は1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。また、溶剤は脱水して用いてもよい。溶剤の使用量は、特に限定されないが、前記原料化合物に対して、通常10質量%以上、好ましくは20質量%以上であり、通常1000質量%以下、好ましくは500質量%以下で用いることができる。
(触媒)
平衡重合には、酸触媒を用いることが好ましい。
酸触媒としては、例えば、リン酸、トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸、硝酸、酢酸及び安息香酸、DIAION(商標)RCP-160M(強酸性イオン交換樹脂、三菱ケミカル(株)製)が挙げられる。
触媒の添加量は、前記ポリシロキサンに対して、通常0.001質量%以上、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。触媒を2種以上使用する場合は、合計含有量が上記範囲内にあることが好ましい。
ポリシロキサン複合体の物性
本発明のポリシロキサン複合体は、無機物質及び有機物質から選択される物質単体と比較して、耐熱性向上、機械特性向上、基材への接着性向上、無機物質及び有機物質から選択される物質の分散性向上、有機溶剤への分散性向上などの優れた物性を有する。
以下において、実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明するが、これらの記載により本発明の範囲が限定されることはない。
実施例で用いた試薬を以下に示す。
・オクタメチルシクロテトラシロキサン(D、東京化成工業製)
・THF(ナカライテスク(株)製)
・シリカゲル(商品名MP-2040、粒径200nm、日産化学(株)製)
・トルエン(ナカライテスク(株)製)
・硫酸(ナカライテスク(株)製)
・炭酸水素ナトリウム(ナカライテスク(株)製)
・メタノール(ナカライテスク(株)製)
Figure 0007432207000012
化合物(α)は、以下の化合物(4)と化合物(5)とを反応させ、さらに加水分解することにより合成した(例えば、特開2006-022207号公報の0032段落参照。
Figure 0007432207000013
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって求めることができ、より具体的には下記の条件で求めることができる。ただし、シリカゲルに修飾されたポリシロキサンはGPCで測定できないため、精製により得られたシリカゲルと結合していないポリシロキサンのGPCを測定し、ポリシロキサン複合体のポリシロキサンの重量平均分子量を推定した。
<GPC測定条件>
カラム:昭和電工(株)製 Shodex KF-806M
移動相:THF(ナカライテスク(株)製)
流速:1ml/min
温度:45℃
検出器:UV(256nm)
分子量標準サンプル:分子量既知のポリスチレン
<H-NMR測定条件>
装置:JEOL製 JNM-EX400
積算回数:64

<固体29Si-NMR測定条件>
装置:Varian製 AS400/54型
測定方法:CP/MAS法
積算回数:1500
Relaxation_Delay: 5
実施例1
ディーンスターク管、還流管、温度計を設置した四つ口丸底フラスコにスターラーチップ入れ、シリカゲル(商品名MP-2040、日産化学(株)製)9.0g、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D、東京化成工業(株)製) 2.8g、トルエン(ナカライテスク(株)製)11.4gを加え、3時間還流脱水した。硫酸(ナカライテスク(株)製)0.26gを加え、24時間還流後、化合物(α) 5.0g加え、さらに3時間還流した。80℃まで冷却し、3時間熟成した。純水を加え分液後、有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え中和洗浄した。その後数回純水で洗浄し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液をメタノール中で再沈殿させ、メタノールで数回洗浄後、乾燥させシリカ-ポリシロキサン複合体(β)6.4gを得た。H-NMRよりシリカゲルにグラフトしたシロキサンポリマーにおいて、かご型シルセスキオキサン間のジメチルシロキサン部のケイ素原子の数は平均で4.9であった(x=8.8、y=43.1;x:y=1:4.9)。固体29Si-NMRより、シリカのシグナルに加え、化合物(α)由来のシグナルとジメチルシロキサンのシグナルが現れており、化合物(α)のシラノール(-50ppm付近)が消失していた。このことから、ポリシロキサンにかご型シルセスキオキサンが平衡重合により取り込まれ、さらにシリカ表面に修飾されていることが分かった。GPCによりポリシロキサン部の重量平均分子量は15,000、多分散度は2.4であった。
H-NMR測定結果
H-NMR(400MHz, CO(CD)δ(ppm): 7.17~7.66(Ph)、0.18~0.40(Me)、0.10~-0.10(Me)
固体29Si-NMR測定結果
固体29Si-NMR(CP/MAS法) δ(ppm): -20.7、-22.1、-65.4、-79.0、-95.4~-110.6(ブロード)
実施例2
ディーンスターク管、還流管、温度計を設置した四つ口丸底フラスコにスターラーチップ入れ、シリカゲル(商品名MP-2040、日産化学(株)製)5.0g、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D、東京化成工業(株)製) 5.2g、トルエン(ナカライテスク(株)製)11.6gを加え、3時間還流脱水した。硫酸(ナカライテスク(株)製)0.44gを加え、24時間還流後、化合物(α) 5.0g加え、さらに3時間還流した。80℃まで冷却し、3時間熟成した。純水を加え分液後、有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え中和洗浄した。その後数回純水で洗浄し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液をメタノール中で再沈殿させ、メタノールで数回洗浄後、乾燥させシリカ-ポリシロキサン複合体(γ)9.1gを得た。H-NMRよりシリカゲルにグラフトしたシロキサンポリマーにおいて、かご型シルセスキオキサン間のジメチルシロキサン部のケイ素原子の数は平均で7.9であった(x=12、y=94.8;x:y=1:7.9)。固体29Si-NMRより、シリカのシグナルに加え、化合物(α)由来のシグナルとジメチルシロキサンのシグナルが現れており、化合物(α)のシラノール(-50ppm付近)が消失していた。ことから、ポリシロキサンにかご型シルセスキオキサンが平衡重合により取り込まれ、さらにシリカ表面に修飾されていることが分かった。GPCによりポリシロキサン部の重量平均分子量は24,000、多分散度は2.4であった。
H-NMR測定結果
H-NMR(400MHz, CO(CD)δ(ppm): 7.17~7.66(Ph)、0.18~0.40(Me)、0.10~-0.22(Me)
固体29Si-NMR測定結果
固体29Si-NMR(CP/MAS法) δ(ppm): -21.5、-22.4、-23.1、-66.1、-79.7、-112.3(ブロード)
比較例
ディーンスターク管、還流管、温度計を設置した四つ口丸底フラスコにスターラーチップ入れ、化合物(α) 5.0g、シリカゲル(商品名MP-2040、日産化学(株)製)9.0g、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4、東京化成工業(株)製) 2.6g、トルエン(ナカライテスク(株)製)、11.6gを加え、3時間還流脱水した。硫酸(ナカライテスク(株)製) 0.25gを加え、24時間還流した。80℃まで冷却し、3時間熟成した。純水を加え分液後、有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え中和洗浄した。その後数回純水で洗浄し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液をメタノール中で再沈殿させ、メタノールで数回洗浄後、乾燥させ白色固体 0.8gを得た。固体29Si-NMRより、ジメチルシロキサン(-20ppm付近)のシグナルが出現せず、化合物(α)とシリカゲルのシグナルのみ確認された。さらに化合物(α)のシラノール(-50ppm付近)のシグナルが確認されたことにより、シリカゲル表面にポリシロキサンが修飾されたものではなく、シリカゲル表面に化合物(α)が吸着したものであることが分かった。
(固体29Si-NMR測定結果)
固体29Si-NMR(CP/MAS法) δ(ppm): -50.4、-66.1、-76.1、-78.9、-96.7(ブロード)、-109.5(ブロード)
修飾確認
未修飾のシリカゲル(商品名MP-2040)、シリカ-ポリシロキサン複合体(β)、シリカ-ポリシロキサン複合体(γ)を室温下、THF、純水中で撹拌し静置した。結果を以下の表1に示す。
Figure 0007432207000014
未修飾のシリカゲル(商品名MP-2040)をTHF中で撹拌したが、凝集し沈殿が生成し不溶であった。一方で純水中では均一に分散した。一方、シリカ-ポリシロキサン複合体(β)および(γ)をTHF中で撹拌したところ均一に分散し、一方で純水中では凝集し不溶であった。
したがって、シリカ-ポリシロキサン複合体(β)および(γ)においてシリカゲル表面に分子ネックレスポリマーがグラフトされていることが分かった。
本発明に係るポリシロキサン複合体は、分散性に優れるため、エレクトロニクス等の分野で好適に使用できる。

Claims (11)

  1. 無機物質及び有機物質から選択される物質と、該物質表面に結合した、式(A)で表されるかご型シルセスキオキサン繰り返し単位および式(B)で表される鎖状シロキサン繰り返し単位を含むポリシロキサンと、を含む、ポリシロキサン複合体であって、前記ポリシロキサンは式(B)で表される鎖状シロキサンを介して前記物質表面に結合した、ポリシロキサン複合体。
    Figure 0007432207000015

    は、独立して、炭素数6~20のアリール又は炭素数5~6のシクロアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール及び前記炭素数5~6のシクロアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく;
    は、それぞれ独立して、水素原子、ビニル、アリル、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、又は炭素数1~40のアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール及び前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアリールは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく、前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアルキレンは、任意の水素原子がハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-、-CH=CH-、又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、前記炭素数1~40のアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく;
    は独立して、水素原子、ビニル、アリル、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、又は炭素数1~40のアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール及び前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアリールは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく、前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアルキレンは、任意の水素原子がハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-、-CH=CH-、又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、前記炭素数1~40のアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく;
    x、yは、1以上の実数を表す。
  2. 式(A)で表されるかご型シルセスキオキサン繰り返し単位および式(B)で表される鎖状シロキサン繰り返し単位を含むポリシロキサンの重量平均分子量が2,000~1,000,000の範囲にある、請求項1記載のポリシロキサン複合体。
  3. が独立してフェニル又は、シクロヘキシルを表し、R1およびRが独立してメチル又は、フェニルを表す、請求項1または2に記載のポリシロキサン複合体。
  4. 前記無機物質が金属、金属酸化物およびカーボンから選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリシロキサン複合体。
  5. 前記無機物質がシリカ、アルミナ、酸化チタンおよび酸化ジルコニウムから選択される金属酸化物である、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリシロキサン複合体。
  6. 前記無機物質が金属微粒子、酸化物微粒子、複合酸化物微粒子および炭素系微粒子から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリシロキサン複合体。
  7. 前記有機物質がポリマーである、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリシロキサン複合体。
  8. 前記有機物質がポリマー系微粒子である、請求項7に記載のポリシロキサン複合体。
  9. 無機物質及び有機物質から選択される物質の表面に鎖状又は環状シロキサンを平衡重合させる工程、次いで、かご型シルセスキオキサンを平衡重合させる工程を含む、ポリシロキサン複合体の製造方法。
  10. 鎖状又は環状シロキサンが以下の式(b)および/または式(c)で表される化合物である、請求項9に記載の製造方法。
    Figure 0007432207000016

    は独立して、水素原子、ビニル、アリル、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、又は炭素数1~40のアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール及び前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアリールは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく、前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアルキレンは、任意の水素原子がハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-、-CH=CH-、又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、前記炭素数1~40のアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく;
    nは2~30の整数である。
  11. かご型シルセスキオキサンが以下の式(a)で表される化合物である、請求項9または10に記載の製造方法。
    Figure 0007432207000017

    は、独立して、炭素数6~20のアリール又は炭素数5~6のシクロアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール及び前記炭素数5~6のシクロアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく;
    は、それぞれ独立して、水素原子、ビニル、アリル、水酸基、炭素数6~20のアリール、炭素数5~6のシクロアルキル、炭素数7~40のアリールアルキル、又は炭素数1~40のアルキルを表し、前記炭素数6~20のアリール及び前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアリールは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子又は炭素数1~20のアルキルで置き換えられてもよく、前記炭素数7~40のアリールアルキル中のアルキレンは、任意の水素原子がハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-、-CH=CH-、又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、前記炭素数1~40のアルキルは、任意の水素原子が独立してハロゲン原子で置き換えられてもよく、任意の-CH-が独立して-O-又は炭素数5~20のシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
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