JP7431574B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は積層体に関する。
近年、電子及び電気機器の小型化及び高性能化が進行しており、電子部品の実装密度が高くなっている。このため、狭いスペースの中で電子部品から発生する熱を、如何に放熱するかが問題となっている。電子部品から発生した熱は、電子及び電気機器の信頼性に直結するので、発生した熱の効率的な放散が緊急の課題となっている。
上記の課題を解決する一つの手段としては、パワー半導体デバイス等を実装する放熱基板に、高い熱伝導性を有するセラミックス基板を用いる手段が挙げられる。このようなセラミックス基板としては、アルミナ基板及び窒化アルミニウム基板等が挙げられる。
しかしながら、上記セラミックス基板を用いる手段では、多層化が困難であり、加工性が悪く、コストが非常に高いという課題がある。さらに、セラミックス基板と銅回路との線膨張係数の差が大きいので、冷熱サイクル時に銅回路が剥がれやすいという課題もある。
そこで、線膨張係数が低い窒化ホウ素などの板状無機粒子を用いた樹脂組成物が、放熱材料として注目されている。例えば、特許文献1~2には、窒化ホウ素を用いた樹脂組成物が開示されている。このような樹脂組成物からなる絶縁性の樹脂層と、該樹脂層上に銅などの金属層が積層された積層体を、放熱材料として用いる技術が知られている。
特開2014-040533号公報 特開2013-89670号公報
現在のパワーデバイスの回路パターンは、大電流化、及び熱負荷低減の観点から、上記した銅などの金属層を厚くする技術が必要されている。しかし、金属層を厚くした場合、特に金属層を回路パターンに加工した場合などにおいては、樹脂層と金属層との接着力が小さく、剥がれやすくなるという問題が生じる。また、このように、樹脂層と金属層との接着力が小さいと、特に熱が加わった場合などの際に、両者の密着性が悪くなり、絶縁性が悪くなる場合がある。
以上から、本発明は、良好な熱伝導性を有しながら、樹脂層と金属層との間の接着力の高い積層体を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、窒化ホウ素(a)を含む無機粒子(X)を含有する絶縁樹脂層と、該絶縁樹脂層上に設けられた第1の金属層とを有する積層体において、前記窒化ホウ素(a)における粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度が40mN以上である積層体により、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]窒化ホウ素(a)を含む無機粒子(X)を含有する絶縁樹脂層と、該絶縁樹脂層上に設けられた第1の金属層とを備える積層体であって、前記窒化ホウ素(a)における粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度が40mN以上である、積層体。
[2]前記窒化ホウ素(a)における粒子径D50の凝集粒子の解砕時の強度が30mN以下である、上記[1]に記載の積層体。
[3]前記窒化ホウ素(a)が窒化ホウ素凝集粒子である、上記[1]又は[2]に記載の積層体。
[4]前記窒化ホウ素(a)の一次粒子のアスペクト比が2以上である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の積層体。
[5]前記無機粒子(X)が、さらに窒化ホウ素(b)を含み、該窒化ホウ素(b)における粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度が30mN以下である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の積層体。
[6]前記窒化ホウ素(b)が窒化ホウ素凝集粒子である、上記[5]に記載の積層体。
[7]前記窒化ホウ素(b)の一次粒子のアスペクト比が2以上である、上記[5]又は[6]に記載の積層体。
[8]前記無機粒子(X)が、前記窒化ホウ素以外の無機粒子(c)を含有する、上記[1]~[7]のいずれかに記載の積層体。
[9]前記無機粒子(c)は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び炭化ケイ素からなる群から選択される1種以上である、上記[8]に記載の積層体。
[10]前記絶縁樹脂層は、無機粒子(X)、熱硬化性化合物、並びに熱硬化剤及び硬化触媒の少なくとも一方を含有する樹脂組成物から形成される、上記[1]~[9]のいずれかに記載の積層体。
[11]前記熱硬化性化合物は、エポキシ化合物、オキセタン化合物、エピスルフィド化合物、及びシリコーン化合物から選択される少なくとも1種を含む、上記[10]に記載の積層体。
[12]前記絶縁樹脂層の厚みが100μm以上である、上記[1]~[11]のいずれかに記載の積層体。
[13]前記絶縁樹脂層の前記第1の金属層が設けられた面と反対側の面に、第2の金属層が設けられている、上記[1]~[12]のいずれかに記載の積層体。
[14]上記[1]~[13]のいずれかに記載の積層体と、該積層体に載置された半導体チップとを備える、電子部品。
本発明によれば、良好な熱伝導性を有しながら、絶縁樹脂層と第1の金属層の間の接着力が高い積層体を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る積層体を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る積層体を模式的に示す断面図である。 本発明の電子部品を模式的に示す断面図である。
本発明の積層体は、窒化ホウ素を含む無機粒子(X)を含有する絶縁樹脂層と、該絶縁樹脂層上に設けられた第1の金属層とを備える積層体であって、前記窒化ホウ素(a)における粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度が40mN以上の積層体である。
本発明の積層体は、粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度が40mN以上の窒化ホウ素(a)を絶縁樹脂層に含有させて、これにより、絶縁樹脂層と第1の金属層との接着力を高めている。接着力が高まる理由は以下のように推定している。絶縁樹脂層と金属層との剥離は、絶縁樹脂層と金属層との界面で生じるよりもむしろ、絶縁樹脂層が一部破壊されることにより生じることが多い。絶縁樹脂層中に、解砕時の強度が高い凝集粒子を含む無機粒子を含有することにより、絶縁樹脂層の破壊が抑制され、その結果、絶縁樹脂層と金属層との接着力が高まるものと考えられる。
<絶縁樹脂層>
(窒化ホウ素)
本発明の絶縁樹脂層は、窒化ホウ素(a)を含む無機粒子(X)を含有する。窒化ホウ素は、絶縁樹脂層中の樹脂に分散しており、金属層から伝達される熱を放熱させる機能を有するため、絶縁樹脂層の熱伝導性が良好になる。
窒化ホウ素(a)は、窒化ホウ素の一次粒子を凝集させた二次粒子を含む窒化ホウ素凝集粒子であり、解砕時の強度が40mN以上の凝集粒子を含有する。これにより、絶縁樹脂層と第1の金属層の接着力が高くなる。
絶縁樹脂層と第1の金属層との接着力を向上させる観点から、窒化ホウ素は、解砕時の強度が45mN以上の凝集粒子を含有することが好ましく、解砕時の強度が50mN以上の凝集粒子を含有することがより好ましい。
窒化ホウ素(a)における粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度は40mN以上である。すなわち、窒化ホウ素(a)を構成する凝集粒子のうち、大きな粒子径を有する凝集粒子の解砕時の強度が一定程度大きいことにより、絶縁樹脂層と第1の金属層との接着強度が高まりやすい。
窒化ホウ素(a)における粒子径D50の凝集粒子の解砕時の強度が30mN以下であることが好ましい。すなわち、窒化ホウ素(a)を構成する凝集粒子のうち、中程度の粒子径を有する凝集粒子の解砕時の強度が一定程度小さいことにより、絶縁樹脂層の絶縁性が高まりやすい。
窒化ホウ素(a)において、粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度が40mN以上であるとともに、粒子径D50の凝集粒子の解砕時の強度が30mN以下であることが好ましい。このような窒化ホウ素(a)を含有する絶縁樹脂層は、熱伝導性が良好で、第1の金属層との接着力が高くなると共に、絶縁性にも優れる。
窒化ホウ素(a)において、粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度は、好ましくは45mN以上であり、より好ましくは50mN以上である。
また、窒化ホウ素(a)において、粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度は、好ましくは200mN以下であり、より好ましくは150mN以下である。
窒化ホウ素(a)において、粒子径D50の凝集粒子の解砕時の強度は、好ましくは25mN以下であり、より好ましくは20mN以下である。
窒化ホウ素(a)の平均粒径は特に限定されないが、5~80μmであることが好ましく、10~70μmであることがより好ましい。なお平均粒径は、D50のことを意味する。
上記したD50及びD90とは、それぞれレーザー回折式粒度分布測定装置による粒子径分布測定の体積基準の積算分率において、小さい側から積算して50%、90%に相当する径の値をいう。
本発明において、窒化ホウ素などの無機粒子に含まれる凝集粒子の解砕時の強度は、以下のように測定する。
微小圧縮試験機を用いて、圧縮速度0.67mN/秒の条件でダイヤモンド製の角柱を圧縮部材として、該圧縮部材の平滑端面を、無機粒子を構成する個々の凝集粒子に向かって降下させて、凝集粒子に荷重をかける。荷重を徐々に増加させていき、凝集粒子が解砕されたときの荷重を解砕時の強度とする。
上記した粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度測定は、顕微鏡を用いて窒化ホウ素等の無機粒子を観察し、粒子径D90の凝集粒子を10個選出し、それぞれについて、解砕時の強度を求め、その結果を平均することにより行う。測定対象とする粒子径D90の凝集粒子は、粒子径がD90から5%未満の誤差範囲の凝集粒子から選択すればよい。
粒子径D50の凝集粒子の解砕時の強度は、前述した粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度測定に関する記載において、「D90」を「D50」に読み替えて測定することができる。
窒化ホウ素(a)の一次粒子のアスペクト比は、2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、4~6であることが更に好ましい。アスペクト比が2以上であることで、窒化ホウ素(a)の長径が長くなり、熱伝導性を向上させることができる。なお、本明細書において、アスペクト比は、長径/短径を意味する。
窒化ホウ素(a)の含有量は、無機粒子(X)全量基準で好ましくは10~100質量%であり、より好ましくは20~90質量%であり、更に好ましくは30~70質量%である。窒化ホウ素(a)の含有量が上記のとおりであると、絶縁樹脂層は、熱伝導性が良好で、第1の金属層との接着力が高くなりやすい。
無機フィラー(X)の含有量は、絶縁樹脂層全量基準で好ましくは10~95質量%であり、より好ましくは30~90質量%であり、更に好ましくは60~90質量%である。
本発明の絶縁樹脂層に含有される無機粒子(X)は、窒化ホウ素(a)以外に、窒化ホウ素(b)を含有することが好ましい。窒化ホウ素(b)は、熱伝導性及び絶縁性を高める観点から、窒化ホウ素凝集粒子であることが好ましい。窒化ホウ素(b)における粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度が30mN以下であることが好ましい。粒子径が大きく、かつ強度の弱い凝集粒子を含む窒化ホウ素(b)を上記した窒化ホウ素(a)と併用することにより、絶縁樹脂層の熱伝導性、及び第1の金属層との接着性が良好になり、更に絶縁性が優れたものになる。
窒化ホウ素(b)の粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度は、好ましくは20mN以下であり、より好ましくは10mN以下である。
窒化ホウ素(b)の粒子径D50の凝集粒子の解砕時の強度は、絶縁樹脂層の絶縁性を向上させる観点から、好ましくは30mN以下であり、より好ましくは20mN以下であり、更に好ましくは10mN以下である。
窒化ホウ素(b)の平均粒径は特に限定されないが、5~80μmであることが好ましく、10~70μmであることがより好ましい。
窒化ホウ素(b)の一次粒子のアスペクト比は、2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、4~6であることが更に好ましい。アスペクト比が2以上であることで、窒化ホウ素(b)の長径が長くなり、熱伝導性を向上させることができる。
絶縁樹脂層に含まれる無機粒子(X)中の窒化ホウ素(a)に対する窒化ホウ素(b)の質量比は、0.2~5であることが好ましく、0.5~2であることがより好ましく、0.8~1.2であることが更に好ましい。このような範囲であると、絶縁樹脂層の熱伝導性及び絶縁性、並びに第1の金属層との接着性が良好になる。
窒化ホウ素(b)の含有量は、無機粒子(X)全量基準で好ましくは20~80質量%であり、より好ましくは30~70質量%である。
窒化ホウ素(a)及び(b)は、上記したとおり好ましくは、窒化ホウ素凝集粒子である。
窒化ホウ素凝集粒子は、窒化ホウ素の一次粒子を材料として製造されることが好ましい。窒化ホウ素凝集粒子の材料となる窒化ホウ素としては特に限定されず、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、ホウ素化合物とアンモニアとの還元窒化法により作製された窒化ホウ素、ホウ素化合物とメラミン等の含窒素化合物とから作製された窒化ホウ素、及び、ホウ水素ナトリウムと塩化アンモニウムとから作製された窒化ホウ素等が挙げられる。
窒化ホウ素凝集粒子としては、六方晶窒化ホウ素凝集粒子が好ましい。六方晶窒化ホウ素凝集粒子は、六方晶窒化ホウ素を材料として製造されるものであり、解砕時の強度が40mN以上の凝集粒子を含みやすく、かつ熱伝導性に優れる。
六方晶窒化ホウ素凝集粒子は、窒化ホウ素20~90質量%及び酸化ホウ素10~80質量%を含む粗製六方晶窒化ホウ素粉末100質量部と、炭素換算で9~15質量部の炭素源を混合し、成形した後、窒素ガスを含む雰囲気下で焼成する方法により得ることが好ましい。
上記粗製六方晶窒化ホウ素粉末は、酸素及びホウ素を含む化合物とアミノ基を有する化合物とを混合し、成形した後、加熱し、粉砕することにより好適に得ることができる。
酸素及びホウ素を含む化合物としては、例えば、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸(HBO)、テトラホウ酸(H)、無水ホウ酸(B)等が挙げられ、中でも、アミノ基を有する化合物との混合性が良好であるため、オルトホウ酸が好ましい。
アミノ基を有する化合物としては、アミノトリアジン化合物、グアニジン化合物、尿素等が挙げられる。アミノトリアジン化合物としては、メラミン、グアナミン、ベンゾグアナミン、及びこれらの縮合物であるメラム、メレム、メロン等が挙げられる。
炭素源としては、黒鉛、カーボンブラック、炭化ホウ素、糖類、メラミン、フェノール樹脂等が挙げられ、好ましくは黒鉛である。
六方晶窒化ホウ素凝集粒子の製造において、粗製六方晶窒化ホウ素粉末と炭素源を混合した後、該混合物を適当な形状に成形することが好ましい。成形すること、好ましくは加圧成形することにより、解砕時の強度が高い凝集粒子を含む窒化ホウ素凝集粒子が生成しやすくなる。解砕時の強度が高い凝集粒子を含む窒化ホウ素凝集粒子を生成しやすくする観点から、成形後の密度は、好ましくは0.5g/cm以上、より好ましくは0.8g/cm以上、更に好ましくは1g/cm以上である。また、成形後の密度は、好ましくは、2g/cm以下、より好ましくは1.8g/cm以下、更に好ましくは1.5g/cm以下である。
粗製六方晶窒化ホウ素粉末と炭素源の混合物を成形した後、焼成することで、粗製六方晶窒化ホウ素粉末に含まれる酸化ホウ素と炭素源に含まれる炭素とが反応して、解砕時の強度が高い凝集粒子を含む窒化ホウ素凝集粒子を得ることができる。
焼成は、窒素ガス雰囲気下で行うことが好ましい。焼成温度は好ましくは1000~2200℃であり、焼成時間は好ましくは1~20時間である。
窒化ホウ素凝集粒子の製造方法は、上記した製造方法に何ら限定されず、噴霧乾燥方法及び流動層造粒方法等を用いてもよい。噴霧乾燥方法は、スプレー方式によって、二流体ノズル方式、ディスク方式(ロータリ方式とも呼ばれる)、及び超音波ノズル方式等に分類でき、これらのどの方式でも適用できる。全細孔容積をより一層容易に制御できる観点から、超音波ノズル方式が好ましい。
本発明の絶縁樹脂層は、上記した窒化ホウ素以外に、無機粒子(c)を含有することが好ましい。
無機粒子(c)としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び炭化ケイ素からなる群から選択される1種以上であることが好ましく、中でも酸化アルミニウムがより好ましい。このような無機粒子(c)を含有することにより、上記した窒化ホウ素(a)及び必要に応じて配合する窒化ホウ素(b)の含有量を少なくすることができ、その結果、絶縁樹脂層と第1の金属層との接着力を向上させることができる。
窒化ホウ素(a)に対する無機粒子(c)の質量比は、0.2~5であることが好ましく、0.5~2であることが好ましく、0.8~1.2であることが更に好ましい。このような範囲であると、絶縁樹脂層の熱伝導性及び第1の金属層との接着性が良好になる。
無機粒子(c)の平均粒径は、0.1~80μmが好ましく、0.5~70μmがより好ましい。
無機粒子(c)の含有量は、無機粒子(X)全量基準で好ましくは20~80質量%であり、より好ましくは30~70質量%である。
(樹脂組成物)
本発明の絶縁樹脂層は、上記した無機粒子(X)、熱硬化性化合物、並びに熱硬化剤及び硬化触媒の少なくとも一方を含有する樹脂組成物から形成される。
上記熱硬化性化合物は、エポキシ化合物、オキセタン化合物、エピスルフィド化合物、及びシリコーン化合物から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの中でも、エポキシ化合物が好ましい。
エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、フェノールアラルキル型エポキシ化合物、ナフトールアラルキル型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、アントラセン型エポキシ化合物、アダマンタン骨格を有するエポキシ化合物、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ化合物、ナフチレンエーテル型エポキシ化合物、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ化合物等が挙げられる。
上記エポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ化合物であることが好ましい。
オキセタン化合物としては、例えば、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4-ビス[(3-メチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3-メチル-3-グリシジルオキセタン、3-エチル-3-グリシジルオキセタン、3-メチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、ジ{1-エチル(3-オキセタニル)}メチルエーテル等が挙げられる。
エピスルフィド化合物は、エピスルフィド基を有していれば特に限定されず、例えば、エポキシ化合物のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換した化合物が挙げられる。
上記エピスルフィド化合物として、具体的には例えば、ビスフェノール型エピスルフィド化合物(ビスフェノール型エポキシ化合物のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換した化合物)、水添ビスフェノール型エピスルフィド化合物、ジシクロペンタジエン型エピスルフィド化合物、ビフェニル型エピスルフィド化合物、フェノールノボラック型エピスルフィド化合物、フルオレン型エピスルフィド化合物、ポリエーテル変性エピスルフィド化合物、ブタジエン変性エピスルフィド化合物、トリアジンエピスルフィド化合物、ナフタレン型エピスルフィド化合物等が挙げられる。なかでも、ナフタレン型エピスルフィド化合物が好ましい。
なお、酸素原子から硫黄原子への置換は、エポキシ基の少なくとも一部におけるものであってもよく、すべてのエポキシ基の酸素原子が硫黄原子に置換されていてもよい。
シリコーン化合物は、縮合硬化型シリコーン化合物、付加反応硬化型シリコーン化合物のいずれでもよいが、付加反応硬化型シリコーン化合物が好ましい。付加反応硬化型シリコーン化合物としては、例えば、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンとを含むものが好ましい。
樹脂組成物中の熱硬化性化合物の含有量は、樹脂組成物全量基準で、5~80質量%であることが好ましく、8~60質量%であることがより好ましく、10~40質量%であることが更に好ましい。
本発明の絶縁樹脂層を形成するための樹脂組成物は、熱硬化性化合物、並びに熱硬化剤及び硬化触媒の少なくとも一方を含有する。
熱硬化性化合物として、エポキシ化合物、オキセタン化合物、エピスルフィド化合物などを用いる場合は、熱硬化剤を用い、熱硬化性化合物として、シリコーン化合物を用いる場合は、硬化触媒を用いればよい。
熱硬化剤としては、特に限定されず、シアネートエステル化合物(シアネートエステル硬化剤)、フェノール化合物(フェノール熱硬化剤)、アミン化合物(アミン熱硬化剤)、チオール化合物(チオール熱硬化剤)、イミダゾール化合物、ホスフィン化合物、酸無水物、活性エステル化合物及びジシアンジアミド等が挙げられる。
シアネートエステル化合物としては、特に限定されず、ノボラック型シアネートエステル樹脂、ビスフェノール型シアネートエステル樹脂、並びにこれらが一部三量化されたプレポリマー等が挙げられる。上記ノボラック型シアネートエステル樹脂としては、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂及びアルキルフェノール型シアネートエステル樹脂等が挙げられる。上記ビスフェノール型シアネートエステル樹脂としては、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールE型シアネートエステル樹脂及びテトラメチルビスフェノールF型シアネートエステル樹脂等が挙げられる。
シアネートエステル化合物の市販品としては、特に限定されず、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製「PT-30」及び「PT-60」)、及びビスフェノール型シアネートエステル樹脂が三量化されたプレポリマー(ロンザジャパン社製「BA-230S」、「BA-3000S」、「BTP-1000S」及び「BTP-6020S」)等が挙げられる。
フェノール化合物としては、特に限定されず、ノボラック型フェノール、ビフェノール型フェノール、ナフタレン型フェノール、ジシクロペンタジエン型フェノール、アラルキル型フェノール及びジシクロペンタジエン型フェノール等が挙げられる。
フェノール化合物の市販品としては、特に限定されず、ノボラック型フェノール(DIC社製「TD-2091」)、ビフェニルノボラック型フェノール(明和化成社製「MEHC-7851」)、アラルキル型フェノール化合物(明和化成社製「MEH-7800」)、並びにアミノトリアジン骨格を有するフェノール(DIC社製「LA1356」及び「LA3018-50P」)等が挙げられる。
アミン化合物としては、特に限定されず、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)2,4,8,10-テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
チオール化合物としては、特に限定されず、トリメチロールプロパントリス-3-メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトールヘキサ-3-メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
イミダゾール化合物としては、特に限定されず、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン及び2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
ホスフィン化合物としては、特に限定されず、アルキルホスフィン化合物、アリールホスフィン化合物などが挙げられる。
アルキルホスフィン化合物としては、トリエチルホスフィン、トリ-n-プロピルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、トリ-n-ヘキシルホスフィン、トリ-n-オクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリス(3-ヒドロキシプロピル)ホスフィンなどが挙げられる。
アリールホスフィン化合物としては、トリベンジルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、ビスジフェニルホスフェノエタン、ビスジフェニルホスフィノブタン等が挙げられる。
酸無水物としては、特に限定されず、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸及びメチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
活性エステル化合物としては、特に限定されず、市販品としては、DIC社製「HPC-8000」、「HPC-8000-65T」及び「EXB9416-70BK」等が挙げられる。
熱硬化剤の配合量は適宜選択されるが、熱硬化性化合物100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。
硬化触媒としては、例えば、上記したアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンとを反応させるヒドロシリル化反応用触媒が挙げられる。具体的には、錫系触媒、白金系触媒、ロジウム系触媒及びパラジウム系触媒等が挙げられる。中でも、白金系触媒が好ましい。
硬化触媒を用いる場合は、熱硬化性化合物100質量部に対して、硬化触媒の含有量は、好ましくは0.001質量部以上であり、より好ましくは0.01質量部以上であり、更に好ましくは0.05質量部以上であり、そして好ましくは0.5質量部以下である。
熱硬化性化合物と、熱硬化剤及び硬化触媒の少なくとも1種とを反応させて得られる樹脂の含有量は、絶縁樹脂層中において5~80質量%が好ましく、10~70質量%がより好ましく、15~50質量%が更に好ましい。
樹脂組成物には、上記した成分の他に、分散剤、キレート剤、酸化防止剤等の他の成分を含んでいてもよい。
絶縁樹脂層は、上記した無機粒子(X)、熱硬化性化合物、熱硬化剤及び硬化触媒の少なくとも一方を含む樹脂組成物を半硬化若しくは硬化して形成される。この樹脂組成物は、その粘度を調節する観点から、溶剤を含有することができる。溶剤としては、特に限定されることなく、例えば、トルエンやメチルエチルケトン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
絶縁樹脂層の厚みは、50μm以上であることが好ましく、80μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることが更に好ましく、また600μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましい。
本発明の積層体は、上記した絶縁樹脂層(第1の絶縁樹脂層ともいう)と、該絶縁樹脂層上に設けられる後述する第1の金属層とを備えるものであるが、第1の絶縁樹脂層の第1の金属層が設けられている面とは反対の面に第2の絶縁樹脂層を設けていてもよい。
第2の絶縁樹脂層の組成は、上記した第1の絶縁樹脂層の組成と同一であっても異なっていてもよい。
<第1の金属層>
本発明の第1の金属層は、熱伝導体としての機能を発揮するため、その熱伝導率は、好ましくは10W/(m・K)以上であることが好ましい。第1の金属層を構成する材料としては、アルミニウム、銅、金、銀、及びグラファイトシート等が挙げられる。熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、アルミニウム、銅、又は金であることが好ましく、アルミニウム又は銅であることがより好ましい。
本発明の第1の金属層の厚みは、200μm以上であることが好ましい。200μm以上とすることで、熱抵抗を低下させることができる。金属層の厚みは、より好ましくは250μm以上であり、さらに好ましくは300μm以上であり、そして通常は、2000μm以下である。
本発明では、このように比較的厚い第1の金属層を用いているが、上記したように特定の絶縁樹脂層を用いているため、絶縁樹脂層と第1の金属層との間の接着力が高く、絶縁樹脂層から第1の金属層が剥がれるのを防止できる。
<第2の金属層>
本発明の積層体は、上記した絶縁樹脂層(第1の絶縁樹脂層)の前記第1の金属層が設けられた面と反対側の面に、第2の金属層が設けられていることが好ましい。
すなわち、本発明の積層体の一実施態様としては、例えば、図1に模式的に示すように、積層体10は、第1の金属層12、第1の絶縁樹脂層14、第2の金属層16がこの順に積層された積層体となる。
また本発明の絶縁樹脂層(第1の絶縁樹脂層)の第1の金属層が設けられている面とは反対の面に第2の絶縁樹脂層を設け、第2の絶縁樹脂層を第1の絶縁樹脂層と第2の金属層との間に配置してもよい。このような実施態様としては、例えば図2に模式的に示すように、第1の金属層22、第1の絶縁樹脂層24B、第2の絶縁樹脂層24A、第2の金属層26がこの順に積層された積層体20が挙げられる。また、第2の金属層は、金属ベース板などの基材として用いることが好ましい。
このように、第2の金属層を設けることで、半導体チップなどの発熱体から発生する熱を、第1の金属層から樹脂層を介して第2の金属層に伝えて放熱することができる。
第2の金属層に用いる材料としては、アルミニウム、銅、金、銀及びグラファイトシート等が挙げられる。熱伝導性を高める観点からは、アルミニウム、銅、又は金であることが好ましく、アルミニウム又は銅であることが好ましい。
第2の金属層の厚みは、特に限定されないが、0.3~5mmであることが好ましく、0.5~4.5mmであることがより好ましく、0.8~4mmであることが更に好ましい。
(積層体の製造)
本発明の積層体は、例えば、第1の金属層の表面に対して、樹脂組成物を塗布した後、加熱して硬化させることで得ることができる。加熱は、180~210℃程度の温度で行い、加熱時にプレス処理を行ってもよい。
本発明の積層体が、絶縁樹脂層の第1の金属層が設けられた面と反対側の面に、第2の金属層が設けられた積層体の場合は、以下のようにして積層体を製造できる。
第2の金属層上に樹脂組成物を塗布して、必要に応じて半硬化させた後、第1の金属層を樹脂組成物に接触するように貼り合わせ、ある程度高めの圧力(例えば、180~210℃で8~25MPa程度の圧力)を加えるプレス処理を行って製造することができる。また、樹脂組成物からなるシートの両面を第1の金属層と第2の金属層とでそれぞれ挟み、上記プレス処理を行って製造することもできる。
また、第1の絶縁樹脂層と第2の絶縁樹脂層とを用いる場合、積層体は、例えば、第2の金属層上に第2の絶縁樹脂層となる樹脂組成物を塗布して、必要に応じて半硬化させた後、さらにその上に、第1の絶縁樹脂層となる樹脂組成物を塗布して、必要に応じて半硬化させる。その後、第1の金属層を樹脂組成物に接触するように貼り合わせ、上記プレス処理を行って製造することができる。また、第1の絶縁樹脂層となる樹脂組成物からなるシートと第2の絶縁樹脂層となる樹脂組成物からなるシートとの積層シートの両面を第1の金属層と第2の金属層とでそれぞれ挟み、上記プレス処理を行って製造することもできる。
以上のような本発明の積層体は、例えば、電子機器において、発熱部品と放熱部品との間に配置され、CPUとフィンとの間に設置される放熱体、又は電気自動車のインバーター等で利用されるパワーカードの放熱体として用いられる。
また、本発明の積層体と、該積層体に載置された半導体チップとを備える電子部品として使用することもできる。
図3は、本発明の積層体を用いた電子部品の一例を模式的に示した断面図である。
電子部品30は、第1の金属層33と、絶縁樹脂層32と、第2の金属層31がこの順に積層された積層体39と、接続導電部34と、半導体チップ35と、リード37(37a、37b)と、ワイヤ(金属配線)36と、封止樹脂38とを備える。
接続導電部34は、半導体チップ35と、第1の金属層33との間に配置されており、両者を接合させている。接続導電部34は、はんだにより形成されていることが好ましい。
第1の金属層33は、一端側を電子部品30の側面から外方に延出させたリード37aの他端部がその上面にはんだ付けされている。さらに、半導体チップ35は前記リード37aと対向するように配置された別のリード37bとワイヤ36によって電気的に接続されており、リード37a、37bを通電させることにより、第1の金属層33に電流が流れるようになっている。また、第1の金属層33は、エッチング等によってパターニングされていてもよい。
半導体チップ35から発生する熱は、第1の金属層33から絶縁樹脂層32を介して、第2の金属層31に伝達される。本発明の積層体における絶縁樹脂層は、上記したとおり、熱伝導性に優れるため、半導体チップ35から発生する熱を効率よく第2の金属層31に伝達できる。さらに、第1の金属層と絶縁樹脂層間の接着力が高いため、両者が剥がれにくく、製品の性能を良好に維持できる。
以下、実施例及び比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例及び比較例で用いた原料]
<熱硬化性化合物>
・三菱化学社製「エピコート828US」、エポキシ化合物
<熱硬化剤>
・東京化成工業社製「ジシアンジアミド」
・四国化成工業社製「2MZA-PW」、イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール
<窒化ホウ素凝集粒子>
・昭和電工社製「高強度品」 平均粒子径40μm、アスペクト比4
・昭和電工社製「UHP-G1H」 平均粒子径40μm、アスペクト比7
・水島合金属社製「HP-40」 平均粒子径40μm、アスペクト比5
・モメンティブ社製「PTX60H」 平均粒子径60μm、アスペクト比13
<アルミナ>
・昭和電工社製「AS50」 平均粒子径10μm
(凝集粒子の解砕時の強度)
各実施例、比較例で用いる無機粒子(窒化ホウ素凝集粒子及びアルミナ)において、D90及びD50に相当する粒子径を有する凝集粒子の解砕時の強度については、以下のとおり測定した。
レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、「AEROS」)を用いて、各実施例、比較例で用いる各無機粒子のD90、D50を測定した。
微小圧縮試験機(フィッシャーインスツルメンツ社製、「HM-2000」)を用いて、圧縮速度0.67mN/秒の条件でダイヤモンド製の角柱を圧縮部材として、該圧縮部材の平滑端面を、無機粒子を構成する個々の凝集粒子に向かって降下させて、凝集粒子に荷重をかけた。荷重を徐々に増加させていき、凝集粒子が解砕されたときの荷重を解砕時の強度とした。
粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度測定は、顕微鏡を用いて窒化ホウ素等の無機粒子を観察し、粒子径D90の凝集粒子を10個選出し、それぞれについて、解砕時の強度を求め、その結果を平均することにより行った。粒子径D90の凝集粒子は、粒子径がD90から5%未満の誤差範囲の凝集粒子から選択した。
粒子径D50の凝集粒子の解砕時の強度は、上記した粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度と同様の方法で行った。すなわち、前述した粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度測定に関する記載において、「D90」を「D50」に読み替えて測定した。
上記のとおり測定した粒子径D90及びD50の凝集粒子の解砕時の強度を表1に示した。
(実施例1)
エポキシ樹脂(エピコート828US)を19.7質量%、熱硬化剤としてジシアンジアミドを0.7質量%、2MZA-PWを0.4質量%、窒化ホウ素(a)として窒化ホウ素凝集粒子(高強度品)を79.2質量%となるように混合し、樹脂組成物を得た。
樹脂組成物を離型PETシート(厚み40μm)上に、厚み200μmになるように塗工し、50℃のオーブン内で10分間乾燥して、離型PETシート上に樹脂組成物からなるシートを形成させた。その後、離型PETシートを剥がして、樹脂組成物からなるシートの両面を、第1の金属層(銅板、厚さ500μm)と第2の金属層(アルミニウム板、厚さ1.0mm)とで挟み、温度150℃、圧力10MPaの条件で真空プレスすることにより、第1の金属層、絶縁樹脂層、第2の金属層がこの順に積層された積層体を作製した。評価結果を表2に示した。
(実施例2~6、比較例1~4)
樹脂組成物の配合を表2のとおりとした以外は実施例1と同様にして、積層体を得た。評価結果を表2に示した。
<評価>
各実施例、比較例の積層体について、以下のとおり評価した。
<絶縁性:初期>
実施例・比較例で作製した各積層体(6cm×6cm)にφ2の円電極を作成し、電極に対して20kV/minの速度で電圧を印可した。測定試料が破壊した電圧を絶縁破壊電圧とし、以下の基準で絶縁性を評価した。
[絶縁性の判定基準]
◎:絶縁破壊電圧が10kV以上
〇:絶縁破壊電圧が5kV以上、10kV未満
×:絶縁破壊電圧が5kV未満
<熱伝導率>
実施例及び比較例の各積層体を1cm角にカットした後に、両面にカーボンブラックをスプレーした測定サンプルを用いて、レーザーフラッシュ法により熱伝導率の測定を行った。結果を下記表2に示す。
<接着力>
実施例及び比較例の各積層体の第1の金属層(銅板)の端部にチャックを取り付け、島津製作所社製「マイクロオートグラフMST-I」を用いて、23℃雰囲気下、引っ張り速度50mm/分で90°ピール強度を測定した。
上記した各実施例の積層体は、解砕時の強度が40mN以上の凝集粒子を含む窒化ホウ素(a)を含む絶縁樹脂層を備えているため、絶縁樹脂層の接着力が高く、熱伝導率にも優れていることが分かった。
これに対して、解砕時の強度が40mN以上の凝集粒子を含む窒化ホウ素を含有しない絶縁樹脂層を用いた各比較例の積層体は、絶縁樹脂層の接着力、及び熱伝導率の少なくとも一方の結果が悪かった。
10、20 積層体
12、22 第1の金属層
14 樹脂層
16、26 第2の金属層
24A 第2の樹脂層
24B 第1の樹脂層
30 電子部品
31 第2の金属層
32 絶縁樹脂層
33 第1の金属層
34 接続導電部
35 半導体チップ
36 ワイヤ
37a,37b リード
38 封止樹脂
39 積層体

Claims (11)

  1. 窒化ホウ素(a)を含む無機粒子(X)を含有する絶縁樹脂層と、該絶縁樹脂層上に設けられた第1の金属層とを備える積層体であって、前記窒化ホウ素(a)における粒子径D90の凝集粒子の解砕時の強度が40mN以上である、積層体。
  2. 前記窒化ホウ素(a)における粒子径D50の凝集粒子の解砕時の強度が30mN以下である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記窒化ホウ素(a)が窒化ホウ素凝集粒子である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記窒化ホウ素(a)の一次粒子のアスペクト比が2以上である、請求項1~3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記無機粒子(X)が、前記窒化ホウ素以外の無機粒子(c)を含有する、請求項1~のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記無機粒子(c)は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び炭化ケイ素からなる群から選択される1種以上である、請求項に記載の積層体。
  7. 前記絶縁樹脂層は、無機粒子(X)、熱硬化性化合物、並びに熱硬化剤及び硬化触媒の少なくとも一方を含有する樹脂組成物から形成される、請求項1~のいずれかに記載の積層体。
  8. 前記熱硬化性化合物は、エポキシ化合物、オキセタン化合物、エピスルフィド化合物、及びシリコーン化合物から選択される少なくとも1種を含む、請求項に記載の積層体。
  9. 前記絶縁樹脂層の厚みが100μm以上である、請求項1~のいずれかに記載の積層体。
  10. 前記絶縁樹脂層の前記第1の金属層が設けられた面と反対側の面に、第2の金属層が設けられている、請求項1~のいずれかに記載の積層体。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載の積層体と、該積層体に載置された半導体チップとを備える、電子部品。
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