JP7430410B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
例えば、下記特許文献1に記載の遊技機では、遊技球が流下可能な遊技領域に、各種入賞口(始動口、大入賞口、一般入賞口)が設けられている。そして、各種入賞口に遊技球が入球すると、遊技者に賞球が付与される。
特開2017-209170号公報
しかしながら、上記特許文献1の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題は、遊技者に対して過剰な賞球が付与されることを防ぐ遊技機を提供することにある。
本発明の遊技機は、
遊技を実行可能な遊技実行手段と、演出を実行可能な演出実行手段とを備え、
前記遊技実行手段は、判定条件が成立すると所定判定を実行し、前記所定判定で特定結果が導出されると、遊技利益として遊技媒体を付与可能な大当たり遊技を実行することがあり、前記所定判定を実行する権利を保留することが可能な遊技機において、
前記遊技実行手段は、
遊技者に付与される遊技媒体に基づく特定計測数を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態に制御することがあり、
前記演出実行手段は、前記大当たり遊技の開始時に、前記特定結果が導出されることになる前記所定判定を実行する権利が保留されており、前記基準数から当該大当たり遊技の開始時の前記特定計測数を減算した特定値が、当該大当たり遊技で付与可能な遊技媒体の個数である第1付与個数よりも多く、前記保留されている前記特定結果に基づいて実行される大当たり遊技で付与可能な遊技媒体の個数である第2付与個数に前記第1付与個数を加算した値よりも少ないことを条件として、当該保留に係る前記大当たり遊技で前記特定計測数が前記基準数に達する可能性があることを遊技者が認識可能な特別演出を実行することがあることを特徴とする。
本発明によれば、遊技者に対して過剰な賞球が付与されることを防ぐことが可能である。
遊技機の正面図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 第2大入賞装置等を詳細に示す正面図である。 表示器類の正面図である。 (A)は盤上可動装置と盤下可動装置とが待機状態のときの演出用ユニットの正面図であり、(B)は盤上可動装置と盤下可動装置とが作動したときの演出用ユニットの正面図である。 主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 遊技機の裏側を示す斜視図である。 7セグ表示器を示す正面図である。 (A)は普図関係乱数を示す表であり、(B)は特図関係乱数を示す表である。 (A)は当たり判定テーブルであり、(B)は普図変動パターン判定テーブルであり、(C)は補助遊技制御テーブルである。 (A)は大当たり判定テーブルであり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルである。 特図1変動パターン判定テーブルである。 特図2変動パターン判定テーブルである。 先読み判定テーブルである。 大当たり遊技制御テーブルである。 遊技状態の説明図である。 演出モードの具体例を示す説明図である。 特図変動演出の通常変動の具体例を示す説明図である。 特図変動演出のNリーチの具体例を示す説明図である。 特図変動演出のSPリーチの具体例を示す説明図である。 保留演出の具体例を示す説明図である。 可動体演出の具体例を示す説明図である。 操作演出の具体例を示す説明図である。 過賞球防止機能を示す図である。 差玉数のリセットを示す図である。 (A)は過賞球異常である場合の演出態様を示す図であり、(B)は磁気検出異常の場合の演出態様を示す図である。 (A)は過賞球予告画像を示す図であり、(B)は遊技停止予告画像を示す図である。 (A)は高確高ベース状態であるときに紫縁画像が表示されている図であり、(B)は高確ベース状態であるときに赤縁画像が表示されている図である。 (A)は特別リセットスイッチが押下操作されたときを示す図であり、(B)は客待ち状態が1時間経過したときを示す図である。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 入力処理のフローチャートである。 差玉数計測処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 客待ち計測処理のフローチャートである。 大当たり判定処理のフローチャートである。 変動パターン判定処理のフローチャートである。 変動パターン判定処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 特別電動役物処理のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 出力処理のフローチャートである。 外端信号出力処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 1mタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10mタイマ割り込み処理のフローチャートである。 変形例において過賞球防止機能を示す図である。 変形例において差玉数のリセットを示す図である。 差玉数が「164」である場合に7セグ表示器300に表示される表示内容(差玉数下部分表示)の具体例を表す図である。 差玉数が「164」である場合に7セグ表示器300に表示される表示内容(差玉数上部分表示)の具体例を表す図である。 差玉数が「22457」である場合に7セグ表示器300に表示される表示内容(差玉数下部分表示)の具体例を表す図である。 差玉数が「22457」である場合に7セグ表示器300に表示される表示内容(差玉数上部分表示)の具体例を表す図である。 第3実施形態に係る主制御メイン処理のフローチャートである。 (A)は特別電源復旧演出の具体例を表す図であり、(B)は通常電源復旧演出の具体例を表す図である。 第4実施形態に係る主制御メイン処理のフローチャートである。 第5実施形態に係る大当たり図柄種別判定テーブルの構成例である。 (A)は第5実施形態に係る大当たり遊技制御テーブルの構成例であり、(B)は第5実施形態に係る遊技状態設定テーブルの構成例である。 第1発射消極演出が実行されている様子を表す説明図である。 第2発射消極演出、および大当たり終了残り時間示唆演出が実行されている様子を表す説明図である。 (A)~(E)は通常オープニング画像が表示されている様子を表す図であり、(F)は祝福演出の具体例を表す図である。 第8実施形態に係る残り差玉数報知演出の具体例を表す図である。 第8実施形態に係る残り差玉数報知演出の具体例を表す図である。 第9実施形態に係る残り差玉数報知演出の具体例を表す図である。 第10実施形態に係る残り差玉数報知演出の具体例を表す図である。 第10実施形態に係る残り差玉数報知演出の具体例を表す図である。 第11実施形態における台詞予告の演出態様と台詞の内容との関係とを示す表である。 台詞予告実行判定テーブルの構成例を表す図である。 台詞予告態様判定テーブルの構成例を表す図である。 台詞予告態様判定テーブルの構成例を表す図である。 第11実施形態に係る過賞球防止機能搭載説明演出の具体例を表す図である。 第11実施形態に係る特別残り差玉数報知演出の具体例を表す図である。 第11実施形態に係る過賞球防止機能搭載説明演出、および特別残り差玉数報知演出の具体例を表す図である。 最大差玉数を説明する図である。 差玉数の最低値からの増加数に基づいて過賞球防止機能を作動させる変形例におけるカウンタの推移を説明する図である。
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
<第1実施形態>
最初に、本発明に係る第1実施形態について説明する。
1.遊技機の構造的構成
第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の構造的構成について図1~図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、外枠22と、その外枠22に対して開閉可能な前扉23とを備えている。さらに、前扉23は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠2Aに対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技場(遊技店)に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。遊技球は、遊技者に付与される遊技利益を構成するものである。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。通常ボタン40は、例えば押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。特殊ボタン41は、例えば押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカー52が設けられている。スピーカー52(音出力手段)は、左側に配置された左スピーカー52Lと、右側に配置された右スピーカー52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に図2~図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能もしくは極めて困難な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。
第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能もしくは極めて困難である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。なお、誘導ステージ12gの上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでおり、遊技球が第2大入賞口15に入球することは不可能もしくは極めて困難である。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であると遊技球の第2大入賞口15への入球が容易となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能もしくは極めて困難であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば10R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。
また、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図4に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
次に、図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイ,ドット表示器,7セグメント表示装置等で構成され、図柄等を表示可能な表示画面50aを具備する。
盤上可動装置55は、表示画面50aよりも前方に配置され、表示画面50aに沿って移動可能であり、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示画面50aよりも前方に配置され、表示画面50aに沿って移動可能であり、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に、図6~図9に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6~図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」ともいう)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出)、客待ち演出、通常ボタン40や特殊ボタン41の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板、以下「サブ制御基板」ともいう)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている(図8参照)。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。また、演出制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ191が設けられている。RAMクリアスイッチ191(特定操作手段)は、電源投入時に、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)を、遊技用CPU102にクリア(以下「RAMクリア」と呼ぶ)させるためのものである。図8に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源基板190上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、RAMクリアスイッチ191がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。なお本形態では、RAMクリアスイッチ191が電源基板190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ191の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば主制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。
また電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ193が接続されている。電源スイッチ193のON操作またはOFF操作により、後述する主制御基板100や演出制御基板120(実質的には、当該パチンコ遊技機PY1)に対する電源の投入と遮断と(電力供給の実行と停止と)が切り換えられる。ただし、主制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124などに対する電力供給のバックアップの方法は特に限定されず、主制御基板100や演出制御基板120などの基板毎に、バックアップ電源回路192のような電力を供給する専用の電源回路を設けても良い。
なお、詳細な説明は省略するが、第1実施形態では、一般的な遊技場と同様に、当該パチンコ遊技機PY1を含めて複数台のパチンコ遊技機が並べて設置されることによって1つの島が構成されているものとする。そして、この1つの島には、当該島専用の電源供給装置(島電源供給装置:不図示)が設置されており、この島に設置された各パチンコ遊技機は、共通の島電源ラインを介して島電源供給装置と電気的に接続されている。そのため、例えば、パチンコ遊技機PY1の個別電源スイッチである電源スイッチ193をON操作した状態で島電源供給装置の電源を投入することで、当該パチンコ遊技機PY1を起動させることができる。また、反対に、電源スイッチ193がON操作された状態であっても島電源供給装置の電源が遮断されると、当該パチンコ遊技機PY1が停止する。
また、当然に、電源スイッチ193がOFF操作されている状態で島電源供給装置からパチンコ遊技機PY1に電力が供給されているときに、電源スイッチ193がON操作されると、当該パチンコ遊技機PY1が起動する。一方、電源スイッチ193がON操作されている状態で島電源供給装置からパチンコ遊技機PY1に電力が供給されているときに、電源スイッチ193がOFF操作されると、当該パチンコ遊技機PY1が停止する。このように、島電源供給装置からパチンコ遊技機PY1に電力が供給されている限り、電源スイッチ193の操作状態(ON操作/OFF操作)に関わらず、実質的には当該パチンコ遊技機PY1に電力が供給されていることになる。しかし、以下においては、島電源供給装置からパチンコ遊技機PY1に電力が供給されているときに、電源スイッチ193がOFF操作からON操作にされたり、電源スイッチ193がON操作されている状態で島電源供給装置の電源が投入されたりすることによって、電源基板190から主制御基板100や演出制御基板120などに電力供給が実行されて当該パチンコ遊技機PY1が起動する(実質的に遊技が可能な状態になる)ことを「パチンコ遊技機PY1に電力が供給(電源が投入)された」というように捉えることもある。反対に、島電源供給装置からパチンコ遊技機PY1に電力が供給されているときに、電源スイッチ193がON操作からOFF操作にされたり、電源スイッチ193がON操作された状態で島電源供給装置の電源が遮断されたりすることによって、電源基板190から主制御基板100や演出制御基板120などに電力供給されなくなって当該パチンコ遊技機PY1が停止する(実質的に遊技が不可能な状態になる)ことを「パチンコ遊技機PY1への電力供給が停止(電源が遮断された)された」というように捉えることもある。
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。また遊技用RAM104には、非消去記憶部107が設けられていて、非消去記憶部107には、総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107cが設けられている。非消去記憶部107では、RAMクリアが実行されても、遊技用CPU102が記憶内容を消去しないようになっている。非消去記憶部107(総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107c)については、後に詳述する。
また主制御基板100には、7セグ表示器300と、設定キーシリンダ180と、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)と、が設けられている(図8参照)。7セグ表示器300は、図9に示すように、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器300は、左から右に向かって順番に、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330と第4表示領域340とを備えている。そして4つの表示領域310、320、330、340は、それぞれ「0」~「9」までの数字や文字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1~LB8、LB9~LB16、LB17~LB24、LB25~LB32を有している。具体的には、7セグ表示器300は、線状に形成された線状点灯部分LB1~LB7、LB9~LB15、LB17~LB23、LB25~LB31と、ドット状に形成されたドット状点灯部分LB8、LB16、LB24、LB32とを有する。なお、7セグ表示器300の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
設定キーシリンダ180は、大当たり判定確率に対応する設定値を設定する際に、操作手段として機能するものである。この設定キーシリンダ180の内部は、設定キー(図示省略)が挿入された状態で、初期位置と回転位置との間で回転操作される。よって、本パチンコ遊技機PY1では、設定キーシリンダ180を回転位置へ回転操作しておき、RAMクリアスイッチ191を押下操作しながら、電源を投入することで、設定値を設定可能な設定モードに移行することができる。そして、この設定モードにおいて、設定値を「1」に設定することができる。しかしながら、本パチンコ遊技機PY1では、設定値が1種類である「1」しか設けられていない。従って、設定値を「1」から変更できないようになっている。なお、設定モードに設定されてるときに、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ回転操作すると、設定モードが終了して、RAMクリアが実行される。
また主制御基板100には、押下操作可能な特別リセットスイッチ181が設けられている。図8に示すように、特別リセットスイッチ181は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された主制御基板100上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、特別リセットスイッチ181を操作することはできない。即ち、特別リセットスイッチ181は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。特別リセットスイッチ181の機能については、後に詳述する。また主制御基板には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が実装されている。
主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類MSや各種アクチュエータ類MAが接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類MSが出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類MAに信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類MSには、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する第1始動口センサ、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する第2始動口センサ、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する一般入賞口センサ、ゲート13を通過した遊技球を検知するゲートセンサ、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する第1大入賞口センサ、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する第2大入賞口センサ15a、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する特定領域センサ16a、および、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する非特定領域センサ17aが含まれている。
また各種センサ類MSには、遊技領域6を流下する全ての遊技球(総発射球数)を検知する排出口センサが含まれている。ここで、遊技領域6の外部へ流下した遊技球は、遊技盤取付枠2の下部に設けられている排出経路(図示省略)を通って、本パチンコ遊技機PY1の外部に排出される。そのため、排出口センサは、排出経路内に設けられている。また各種センサ類MSには、不正な磁気を検知する磁気センサが含まれている。磁気センサは、遊技者が磁石等を用いて遊技球を不正に各種入賞口10、11、12、14、15へ入賞させる際に生じる磁気を検知するものである。上記した各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
また各種センサ類MSには、前扉23の外枠22に対する開放を検知する前扉開放センサと、前枠23mの遊技盤取付枠2Aに対する開放を検知する前枠開放センサと、が含まれている。前扉開放センサは、前扉23の開放を検知すると、その検知内容に応じた信号(前扉開放検知信号)を主制御基板100に出力する。前枠開放センサは、前枠23mの開放を検知すると、その検知内容に応じた信号(前枠開放検知信号)を主制御基板100に出力する。なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類MAには、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する電チューソレノイド、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する第2大入賞口ソレノイド、および、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sが含まれている。なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73や貸球払出装置74を用いて、賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球の数は、払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイドを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また払出制御基板170は、外部端子板160に接続されている。つまり、外部端子板160は、払出制御基板170を介して、主制御基板100に接続されている。外部端子板160は、主制御基板100から送信される外端信号を、パチンコ遊技機PY1の外部に設けられている外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信するものである。外端信号に含まれる情報には、例えば、大当たりに当選したかを示す情報、遊技状態の情報、エラーや不正(異常)を示す情報が含まれる。なお、外部端子板160は、外端信号をパラレル通信によって外部ユニットGUに送信しているが、外端信号を非同期シリアル通信(共通の非同期シリアル通信ポート)で送信するようにしても良い。また、主制御基板100は払出制御基板170を介して外部端子板160に接続されているが、主制御基板100が払出制御基板170以外の基板(例えば中継基板)を介して外部端子板160に接続されたり、主制御基板100と外部端子板160が直接接続されるようにしても良い。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100と演出制御基板120との接続は、主制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、および、サブ側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、演出制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示画面50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカー52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカー52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類SA、各種ランプ類SLが接続されている。演出制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類SAに信号を出力する。また、演出制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類SLの点灯制御を行う。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類SAには、盤上可動装置55,盤下可動装置56,枠可動装置58等を駆動するモータが含まれ、モータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。なお、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種ランプ類SLには、枠ランプ53,盤ランプ54等が含まれ、各ランプを発光させる。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、演出制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図10~図15を用いて説明する。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図10(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、図11(A)に示すような1または複数の当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、遊技状態には非時短状態と時短状態とが含まれ、当たり判定テーブルとして、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、を区別することが可能である。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。また、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、図11(B)に示すような1または複数の普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、普図変動パターン判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技は、補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態に基づいて、図11(C)に示すような1または複数の補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。また、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。また、「特図1の変動表示」のことを「特図1変動表示」と称し、「特図2の変動表示」のことを「特図2変動表示」と称することもある。さらに、「特図1変動表示」と「特図2変動表示」のことを合わせて「特図変動表示」と称することある。また、「特図1の可変表示」のことを「特図1可変表示」と称し、「特図2の可変表示」のことを「特図2可変表示」と称することもある。さらに、「特図1可変表示」と「特図2可変表示」のことを合わせて「特図可変表示」と称することある。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図10(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。なお、乱数を判定情報と言うこともある。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、図12(A)に示すような1または複数の大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。遊技状態には、通常確率状態と高確率状態とが含まれ、大当たり判定テーブルは、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルとして、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と、高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図12(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図12(B)に示すような1または複数の大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルとして、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)と、を区別することが可能である。
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。また、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
例えば、図12(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Xが50%、大当たり図柄Yが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Zが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図12(C)に示すような1または複数のリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
リーチ判定テーブルは、遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、リーチ判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ成立乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図12(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ成立乱数値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3-2-4.特図変動
特図変動パターン判定は、図13~図14に示すような1または複数の特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることが可能である。特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルとして、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図13)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図14)と、を区別することが可能である。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態にも関連付けることが可能である。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。
また、遊技状態に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果またはリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用(大当たり図柄種別ごと)、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用(大当たり図柄種別ごと)、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンには、図13~図14の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローに関連付けることが可能である。
なお、図13~図14の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」という。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」という。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図15に示すような1または複数の先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行う。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルとして、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、を区別することが可能である。
また、先読み判定テーブルは、遊技状態にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、を区別することが可能である。
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、を区別することが可能である。なお、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図16に示すような1または複数の大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎に大当たり遊技構成要素が格納されている。大当たり遊技として、1種類又は複数種類の大当たり遊技を制御することが可能である。
例えば、図16に示すように、1Rから9Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、10R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサに検知されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
また、各要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。このように、振分部材16kが一定の作動態様(特定領域16が一定の開閉態様)で制御されるが、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)が設定されることになる。なお、以下において、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいう。
第2大入賞口の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、大当たり遊技には、当該大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、を実行することが可能である。このように、Vロング開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vロング大当たり」という。一方、Vショート開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vショート大当たり」という。
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図17に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することができる。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.00秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われるようにすることも可能である(図13~図14参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くすることが可能である。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くすることが可能である。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、当たり判定は行われるが大当たり判定は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。なお、通常遊技状態以外の遊技状態として、「高確高ベース状態」、「高確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確率状態」、「時短状態」、「高ベース状態」、「大当たり遊技状態」を、遊技者に特典が付与されている「特典遊技状態」と呼ぶことができる。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図18~図24を用いて説明する。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図18(A-1)に示すように、表示画面50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、図18(A-2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカー52から出力される音の音量設定、表示画面50aの輝度設定(「光量設定」)、実行される演出の頻度設定(「演出設定」)などがある。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、図18(B-1)に示すように、表示画面50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、図18(B-2)に示すように、表示画面50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、図18(B-3)に示すように、表示画面50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1~第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示画面50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図18(B-4)に示すように、表示画面50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示画面50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図18(B-5)に示すように、表示画面50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示画面50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、図18(C-1)に示すように、表示画面50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、図18(C-2)に示すように、表示画面50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、図18(C-3)に示すように、表示画面50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や、大当たり遊技状態で払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示画面50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄は、例えば1~9の数字図柄で構成され、演出図柄の変動表示では、特図の可変表示の開始に伴って演出図柄が変動し、特図の可変表示の終了に伴って演出図柄が停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示画面50aには、図19(A)に示すように、表示画面50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図19(A)に示すように、表示画面50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、例えば、1~9の数字図柄で構成される。
なお、図19(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特図の可変表示が開始されると、例えば、図19(A)に示すように、表示画面50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3(以下、「演出図柄EZ1、EZ2、EZ3」又は「演出図柄EZ」とも呼ぶ)が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、図19(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。なお、図19中の「↓」は、図柄の変動表示中であることを示している。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、図19(C-1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図19(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。ハズレを示唆する停止態様には、「1・1・2」や「2・4・6」など、左右の図柄が同一ではない停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、図19(C-2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様(所謂リーチ目)で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図20(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図20(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図20(C-1)に示すように、リーチハズレを示唆する停止態様(所謂リーチハズレ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もリーチハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。リーチハズレを示唆する停止態様には、「7・6・7」や「5・3・5」など、左右の図柄が同一且つ中の図柄が左右の図柄と異なる停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、図20(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。大当たりを示唆する停止態様には、「7・7・7」や「2・2・2」など、左右中の図柄が同一の停止態様が複数種類ある。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図21(A)に示すように、表示画面50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図21(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、図21(C-1)に示すように、表示画面50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、図19(C-2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチハズレを示唆する停止態様で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度、当選期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とした場合、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とした場合、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%とすれば、SPリーチBの大当たり期待度を、SPリーチAの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示画面50aには、図22(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が「1」の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が「2」の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図22(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
保留演出では、特図1保留数が「0」のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、図22(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が「2」であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図20(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が「1」であることが遊技者に報知される。
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、ボタン40,41等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、図23(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、遊技者から見て、表示画面50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示画面50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、図23(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者が通常ボタン40や特殊ボタン41を操作する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、特殊ボタン41の押下操作が有効な期間(ボタン操作有効期間)が発生し、このボタン操作有効期間の発生に伴って、図24(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(ボタン操作促進演出)が行われる。ボタン操作促進演出において、表示画面50aに、ボタン操作促進画像G3が表示される。ボタン操作促進画像G3は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像G32)と、ボタン操作有効期間の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像G33)と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、図24(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、遊技者から見て、盤上可動体55kが表示画面50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
先読み演出では、例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図22(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。例えば、特図変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様を変化させることも可能である。
5.7セグ表示器での表示
次に、7セグ表示器300(図9参照)での表示について説明する。7セグ表示器300では、通常遊技状態で遊技者が獲得した通常総賞球数と通常遊技状態で遊技者が発射した通常発射球数との割合である通常ベースが百分率(%)の値として表示される。なお7セグ表示器300では、通常ベース以外のベース(時短状態で遊技者が獲得した時短総賞球数と時短状態で遊技者が発射した時短発射球数との割合である時短ベース、大当たり遊技状態で遊技者が獲得した大当たり総賞球数と大当たり遊技状態で遊技者が発射した大当たり発射球数との割合である大当たりベース)が表示されることはない。
ここで、遊技制御用マイコン101は、通常発射球数と、通常総賞球数と、総発射球数と、を常にカウントするようになっている。総発射球数とは、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において、遊技者が発射した発射球数のことである。総発射球数は、遊技制御用マイコン101が排出口センサの検知をカウントすることで算出される。通常発射球数は、遊技制御用マイコン101が通常遊技状態に限って排出口センサの検知をカウントすることで算出される。通常総賞球数は、遊技制御用マイコン101が通常遊技状態で払い出す賞球数をカウントすることで算出される。
7セグ表示器300での表示のためにカウントされた通常発射球数の情報と通常総賞球数の情報と総発射球数の情報とは、遊技用RAM104の非消去記憶部107(図6参照)の特定記憶領域(図示省略)に記憶されている。従って、RAMクリアが実行されても、通常発射球数の情報と通常総賞球数の情報と総発射球数の情報は維持される(消去されない)。こうして、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが実行されても、電源遮断時の通常発射球数と電源遮断時の通常総賞球数とを用いて、通常ベースを演算することができる。そして、遊技制御用マイコン101は、遊技状態に拘わらず(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態などにおいて)、通常ベースの値を、7セグ表示器300の右2桁(第3表示領域330と第4表示領域340(図9参照))で表示する。
ここで、通常ベースは、総発射球数が60000発毎に区切って演算される。つまり、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が60000発になるまでに演算された通常ベースは、最初の通常ベースとなる。その後、総発射球数が60001発を超えると、最初の通常ベースだった値は、1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が60001発から120000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。その後、総発射球数が120001発を超えると、1回前の通常ベースだった値は2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が120001発から180000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。
その後、総発射球数が180001発を超えると、2回前の通常ベースだった値が3回前の通常ベースとして記憶され、1回前の通常ベースだった値が2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が180001発から240000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。その後、総発射球数が240001発を超えると、3回前の通常ベースだった値は消去され、2回前の通常ベースだった値が3回前の通常ベースとして記憶され、1回前の通常ベースだった値が2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が240001発から300000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。以後同様に、総発射球数が60000発毎に通常ベースが演算されて、3回前の通常ベースの値までが記憶される。
こうして、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の非消去記憶部107にて、現在の通常ベース、1回前の通常ベース、2回前の通常ベース、3回前の通常ベースを最大で記憶させておくことができる。この場合、遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300において、現在の通常ベース⇒1回前の通常ベース⇒2回前の通常ベース、⇒3回前の通常ベース⇒現在の通常ベースを5秒間毎に切替えて表示するようになっている。
具体的に、7セグ表示器300では、左2桁(第1表示領域310と第2表示領域320(図9参照))で「bL」が示されるときに、右2桁(第3表示領域330と第4表示領域340)で現在の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「bL」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、現在の通常ベースであることを把握することができる。
そして、現在の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b1」が示されると共に、右2桁で1回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b1」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、1回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、1回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b2」が示されると共に、右2桁で2回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b2」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、2回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、2回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b3」が示されると共に、右2桁で3回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b3」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、3回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、3回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、上述したように、左2桁で「bL」が示されると共に、右2桁で現在の通常ベースが表示されて、以後同様に繰返される。
また7セグ表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が300球以下であると、右2桁に「--」が表示される。つまり、総発射球数が300球以下では、通常ベースの値が表示されず、総発射球数が300球を超えてから、通常ベースの値が表示される。こうして、総発射球数が300球以下である場合には、通常ベースの分母の値(通常発射球数)が小さ過ぎることで、信頼性の低い通常ベースの値を表示することを回避している。なお、総発射球数が300球以下であっても、7セグ表示器300の左2桁では、「bL」⇒「b1」⇒「b2」⇒「b3」の表示が5秒間毎に繰り返される。
また7セグ表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから通常発射球数が6000球以下であると、左2桁で示される「bL」、「b1」、「b2」、「b3」が点滅態様になる。その後、工場出荷後に電源が初めて投入されてから通常発射球数が6000球を超えると、左2桁で示される「bL」、「b1」、「b2」、「b3」が点灯態様になる。こうして、7セグ表示器300で通常ベースを確認する人に対して、左2桁で点滅態様を見せた場合には、右2桁で示されている通常ベースの値が未だ十分に収束していない値であることを把握させることが可能である。言い換えると、通常ベースを確認する人に対して、左2桁で点灯態様を見せた場合には、右2桁で示されている通常ベースの値がある程度収束している値であることを把握させることが可能である。
また7セグ表示器300では、電源投入後に設定モードに移行すると、第4表示領域340にて、設定値(「1」)が表示される。その後、設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置へ回転操作されると、設定モードが終了して、第4表示領域340にて、設定値(「1」)が表示されなくなる。こうして、設定モードに設定されている間に限り、7セグ表示器300の第4表示領域340で、設定値が示される。
また7セグ表示器300では、電源が投入されてから通常ベースの表示が開始されるまでの間に、初期表示が行われる。なお上述したように、電源投入後に設定モードに移行する場合には、設定モードが終了した後に、初期表示が実行される。7セグ表示器300での初期表示は、第1表示領域310から第4表示領域340までに含まれている全ての点灯部分LB1~LB32(図9参照)が点灯する。つまり、7セグ表示器300において「8.8.8.8.」が示される。こうして、電源投入直後に、7セグ表示器300で初期表示が実行されることで、7セグ表示器300が正常に動作することが示される。
5.過賞球防止機能
次に、過賞球防止機能について説明する。本パチンコ遊技機PY1では、遊技者に過剰な賞球を付与しないように、遊技制御用マイコン101が、過賞球防止機能を作動できるようになっている。具体的に、過賞球防止機能は、差玉数が80000(基準数)以上であることを条件に、遊技を実行不能にする機能である。ここで、差玉数(特定計測数)とは、総賞球数と総発射球数との差のことである。総賞球数は、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において遊技者が獲得する(遊技者に払い出される)賞球数のことである。なお総賞球数は、遊技制御用マイコン101が遊技者に払い出す予定の賞球数の合計を意味しているが、遊技者に実際に払い出された賞球数の合計を意味していても良い。総発射球数は、上述したように、全ての遊技状態において、遊技者が発射した発射球数のことである。
遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数をカウントしていて、カウントされた総賞球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総賞球数記憶部107a(図6参照)に記憶される。また遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総発射球数をカウントしていて、カウントされた総発射球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総発射球数記憶部107b(図6参照)に記憶される。そして遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数から総発射球数を減算して、差玉数を計測していて、計測された差玉数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶される。
よって、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが実行されても、非消去記憶部107に記憶されている総賞球数の情報と総発射球数の情報と差玉数の情報とを消去しない。こうして、遊技制御用マイコン101は、電源遮断時の総賞球数と電源遮断時の総発射球数とを用いて、日付を跨いで差玉数を演算することができる。なお遊技制御用マイコン101は、総発射球数の値が総賞球数の値よりも大きい場合には、差玉数をマイナスの値として扱うようになっている。
本形態では、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技に関する遊技制御処理(後述するステップS102~S108の処理、図32参照)を停止させるだけでなく、遊技球を発射させるための発射制御処理(後述するステップ109の処理、図32参照)も停止させる。従って、遊技者は、ハンドル72kを回転操作しても、遊技球が発射されないことで、遊技ができない状況にすぐに気づくことができる。なお、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101は、遊技制御処理を停止することで、各種センサ類MSから検知内容に応じた信号を受信しなくなり、表示器類8及び7セグ表示器300の表示制御を実行しなくなり、各種アクチュエータ類MAを作動させなくなり、払出制御基板170を介して外部端子板160に外端信号を出力しなくなる。
過賞球防止機能が作動した後、遊技が実行不能な状況は、電源が遮断されるまで継続する。本形態では、過賞球防止機能は、RAMクリアが実行されること条件に解除される。つまり、過賞球防止機能が作動した後、遊技場の従業員は電源スイッチ193のOFF操作により電源を遮断する。そして、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のON操作により電源を投入するときに、RAMクリアスイッチ191を押下操作する。これにより、RAMクリアが実行されることで、遊技制御用マイコン101は、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を実行することができる。こうして、本形態では、過賞球防止機能が作動した後、電源のOFF及びON(再投入)だけでは遊技を再開することができず、RAMクリアが実行されることで遊技を再開することができる。
次に、過賞球防止機能が作動するタイミングについて、図25に基づいて説明する。過賞球防止機能は、差玉数が80000以上であることを条件に、遊技者にとって有利な有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると作動する。つまり、差玉数が80000に達したタイミングで、必ず過賞球防止機能が作動するわけではない。本形態では、有利遊技状態とは、大当たり遊技後の高確高ベース状態、又は大当たり遊技後の低確高ベース状態のことである。
例えば図25(A)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球防止機能が作動しない。次に、図25(B)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動しない。続いて、この大当たり遊技状態から高確高ベース状態に移行するタイミングでも、過賞球防止機能が作動しない。その後、図25(C)に示すように、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行するタイミングになると、過賞球防止機能が作動する。こうして本形態では、大当たり遊技状態の途中や、高確高ベース状態の途中で、遊技が停止することがなく、遊技者にとって有利遊技状態が終了した区切りの良いタイミングで、遊技を終了させることが可能である。
本形態では、差玉数の情報は、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されていて、電源のOFF及びONによって、差玉数がリセット(クリア)されることはない。そして上述したように、電源投入時にRAMクリアが実行されても、差玉数がリセットされることはない。これは、以下の理由に基づく。
パチンコ遊技機PY1では、営業時間内であっても、バグや故障、重度の不正等によって、電源のOFF及びON(再投入)、又はRAMクリアを実行する状況がある。このような状況の場合、仮に、電源の再投入、又はRAMクリアの実行によって、差玉数がリセットされてしまうと、過賞球防止機能を設けた意味が損なわれてしまう。つまり、バグや故障、重度の不正が生じた方が、その後に遊技を再開する遊技者にとって、過賞球防止機能が作動し難くなるという不当な利益を与えるおそれがある。そこで本形態では、遊技者に上記した不当な利益を与えないようにするため、電源の再投入、又はRAMクリアの実行によって、差玉数がリセットされないようにしている。
次に、差玉数がリセットされる条件について、図26に基づいて説明する。本形態では、差玉数がリセットされるリセット条件は、2つある。第1のリセット条件は、図26(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることである。つまり、遊技制御用マイコン101は、特別リセットスイッチ181が押下操作されたことに基づく信号を受信すると、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアする。なお、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がリセット(クリア)されるときには、併せて、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報及び総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報もリセットされるが、以下では、単に「差玉数がリセット(クリア)される」と呼ぶことにする。なお、図26(A)では、客待ち状態において、特別リセットスイッチ181が押下操作されると差玉数がリセットされる場合が示されているが、どの遊技状態(例えば通常遊技状態)であっても、特別リセットスイッチ181が押下操作されると差玉数がリセットされる。
第2のリセット条件は、図26(A)に示すように、客待ち状態が1時間(所定時間)継続することである。つまり、客待ち状態に移行してから遊技がそのまま1時間行われないと、遊技制御用マイコン101が、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアする。なお客待ち状態は、遊技が実行されずに特別図柄が停止表示されたままの遊技状態のことである。
上記2つのリセット条件が設けられているのは、以下の理由に基づく。例えば、図26(A)(B)に示すように、或る遊技者の遊技によって、大当たり遊技状態にて差玉数が70000に達したこととする。その後、或る遊技者は、大当たり遊技状態から高確高ベース状態を経て通常遊技状態に移行すると、遊技を終了したこととする。この場合、次に遊技を開始する遊技者にとっては、差玉数が残り僅か(10000以内)増加すると、過賞球防止機能が作動し得る状況であり、非常に不利になっている。
そこで本形態では、図26(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることで、差玉数がリセットされる。これにより、遊技場の従業員は、或る遊技者の遊技を終了した後、任意のタイミングで、特別リセットスイッチ181を押下操作して、差玉数をリセットすることができる。また図26(B)に示すように、客待ち状態が1時間継続すれば、遊技者が遊技を終了させた状況と判断して、差玉数が自動的にリセットされる。これにより、遊技場の従業員にリセットのための操作負担をかけることなく、差玉数をリセットすることができる。こうして、上記2つのリセット条件を設けることで、次に遊技を開始する遊技者が、遊技を開始してすぐに過賞球防止機能が作動してしまい、非常に不利になるのを防ぐことが可能である。
次に、過賞球防止機能が作動するときの演出態様について、図27(A)に基づいて説明する。過賞球防止機能が作動すると、図27(A)に示すように、表示画面50aには、赤色の赤背景画像REが表示されると共に、「エラーX 過賞球異常 RAMクリアしてください」を示すエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカー52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。こうして、図27(A)に示す演出態様により、遊技者には、遊技が実行できない状況をすぐに認識させることが可能である。なお、図27(A)に示す演出態様は、電源が遮断されるまで継続される。そして、図27(A)に示す演出態様は、RAMクリアが実行されると解除されるが、電源の再投入だけでは、そのまま継続される。
ここで、本パチンコ遊技機PY1において、不正な磁気が検知されたときについて説明する。磁気センサにより不正な磁気が検知されると、磁気センサは、磁気検知に応じた信号を主制御基板100に出力する。これにより、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能を作動させるときと同様に、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を停止させる。こうして、磁気検知によって遊技が実行不能な状況は、電源が遮断されるまで継続する。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動した場合と異なり、電源のOFF及びON(電源の再投入)によって、遊技制御用マイコン101は、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を実行することができる。
続いて、不正な磁気が検知されたときの演出態様について、図27(B)に基づいて説明する。磁気センサにより不正な磁気が検知されると、図27(B)に示すように、表示画面50aには、赤色の赤背景画像REが表示されると共に、「エラー1 磁気検出異常 電源を再投入してください」を示すエラー解除方法画像ER1が表示される。また、スピーカー52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。こうして、過賞球防止機能が作動するときの演出態様(図27(A)参照)と、不正な磁気が検知されたときの演出態様(図27(B)参照)とを比較すると、解除方法画像以外は、同じである。よって、遊技場の従業員又は遊技者に対して、不正な磁気が検知されたときと、過賞球防止機能が作動したときとで、共に遊技が実行不能な状況であるということを認識させ易くすることが可能である。
次に、差玉数が70000に達した場合の演出態様について、図28(A)に基づいて説明する。前提条件として、図25(A)に示すタイミングで、差玉数が70000に達したこととする。先ず、図28(A)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が70000に達すると、表示画面50aの縁部では、紫色の紫縁画像EFaが表示され、表示画面50aの下部では、「残り10000発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示される。これら紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYの表示により、遊技者に過賞球防止機能の作動が近づいている状況を把握させることが可能である。紫縁画像EFaの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、過賞球予告画像KYの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、過賞球予告画像KYは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。
続いて、差玉数が80000に達した場合の演出態様について、図28(B)に基づいて説明する。前提条件として、図25(B)に示すタイミングで、差玉数が80000に達したこととする。図28(B)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が80000に達すると、表示画面50aの縁部では、赤色の赤縁画像EFbが表示され、表示画面50aの下部では、「ラッシュ終了で遊技中止」を示す遊技停止予告画像KHが表示される。これら赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHの表示により、遊技者に遊技停止が近づいていると共に、いつ遊技が停止されるのかを把握させることが可能である。赤縁画像EFbの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、遊技停止予告画像KHの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、遊技停止予告画像KHは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。
ここで、図25(A)に示すタイミングで差玉数が70000に達した後、高確高ベース状態での演出態様は、図29(A)に示す通りである。即ち、図29(A)に示すように、表示画面50aでは、確変用背景画像G105が表示されていて、演出図柄EZが変動表示している。そして、表示画面50aの縁部では、紫縁画像EFaが表示されている。この紫縁画像EFaにより、遊技者には、差玉数が70000に達していることを把握させつつ、遊技させることが可能である。
また、図25(B)に示すタイミングで差玉数が80000に達した後、高確高ベース状態での演出態様は、図29(B)に示す通りである。即ち、図29(B)に示すように、表示画面50aでは、確変用背景画像G105が表示されていて、演出図柄EZが変動表示している。そして、表示画面50aの縁部では、赤縁画像EFbが表示されている。この赤縁画像EFbにより、遊技者には、差玉数が80000に達していることを把握させつつ、遊技させることが可能である。
次に、図26(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることで、差玉数がリセットされた場合の演出態様について説明する。この場合には、遊技場の従業員が、前扉23を外枠22に対して開放していて、特別リセットスイッチ181を押下操作した状況になる。そのため、前扉開放センサが前扉23の開放を検知していて、表示画面50aでは、図30(A)に示すように、「エラー2 前扉を閉めて下さい」を示すエラー解除方法画像ER2が表示される。そして、このときには、表示画面50aの下部にて、「差玉数をリセットしました」を示す差玉数リセット報知画像CLSが表示される。これにより、遊技場の従業員に、差玉数がリセットされたことを把握させることが可能である。
続いて、図26(B)に示すように、客待ち状態が1時間継続した場合の演出態様について説明する。この場合には、表示画面50aでは、客待ちデモ動画G100が表示されている。そして、このときには、表示画面50aの下部にて、「差玉数をリセットしました」を示す差玉数リセット報知画像CLSが表示される。これにより、遊技場の従業員に、差玉数がリセットされたことを把握させることが可能である。
7.遊技制御用マイコンの動作
[主制御メイン処理]次に図31~図47に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図31に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず電源投入時処理を行う(ステップS001)。
電源投入時処理(S001)では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等、初期設定を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお電源投入時処理(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
また電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ191への押下操作に基づく信号を入力すると、RAMクリアを実行する。RAMクリアが実行されると、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)が消去される。但し、RAMクリアが実行されても、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報は、クリアされない。
この電源投入時処理(S001)において、後述する遊技停止フラグは、ONである状態でRAMクリアが実行されると、OFFに切替わる。一方、遊技停止フラグは、ONである状態でRAMクリアが実行されなければ、ONのままとなる。つまり、電源の再投入だけでは、遊技停止フラグの状態は変わらない。こうして、過賞球防止機能の作動によって、遊技停止フラグがONになった後、RAMクリアが実行されるか否かによって、遊技が再開されるか否かが決まる。
電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図32に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず遊技停止フラグがONであるか否かを判定する(S101)。遊技停止フラグは、過賞球防止機能が作動することよりONされるものである。遊技停止フラグがONであれば(S101でYES)、ステップS102~S113の処理がパスされる。これにより、遊技が実行不能になる。一方、遊技停止フラグがOFFであれば(S101でNO)、続いて、後述する入力処理を実行する(S102)。
次に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S103)。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図31の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。続いて、センサ検出処理を実行する(S104)。
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理、排出口センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブルとを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブルとを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
特定領域センサ処理では、特定領域センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
排出口センサ処理では、排出口センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。
遊技制御用マイコン101は、図32に示すセンサ検出処理(S104)の次に、普通動作処理を実行する(S105)。普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
遊技制御用マイコン101は、図32に示す普通動作処理(S105)の次に、後述する差玉数計測処理(S106)、後述する特別動作処理(S107)を実行する。続いて、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を実行する(S108)。
次に、遊技制御用マイコン101は、遊技球の発射を制御するための発射制御処理を実行する(S109)。つまり、発射制御処理(S109)が実行されることで、遊技者はハンドル72kへの回転操作により、遊技球を発射させることができる。一方、発射制御処理(S109)が実行されなければ、遊技者はハンドル72kを回転操作しても、遊技球を発射させることができない。
続いて、遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300の表示を制御するための7セグ表示制御処理を実行する(S110)。次に、磁気検知によるエラー(不正)や前扉23又は前枠23mの開放によるエラーなどを判断するためのエラー処理を実行する(S111)。エラー処理(S111)では、磁気センサによって不正な磁気が検出されたか否か判定する。そして、当該処理の結果に応じて、磁気センサ用コマンドを生成する。またエラー処理(S111)では、前扉センサ又は前枠センサによって、前扉23又は前枠23mが開放しているか否かを判定する。そして、当該処理の結果に応じて、枠開放用コマンドを生成する。
次に、遊技制御用マイコン101は、後述する出力処理を実行する(S112)。続いて、その他の処理を実行する(S113)。その他の処理(S113)として、例えば、特図保留数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したり、タイマの更新などを行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、電源が断たれる際の電源断監視処理を実行して(S114)、本処理を終える。電断監視処理(S114)では、遊技制御用マイコン101は、監視電圧の低下により電源が遮断されると判断すると、遊技情報、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報、遊技停止フラグの情報等が、遊技用RAM104の所定の記憶領域に格納する。その後、遊技用RAM104へのアクセスの禁止設定を行う。
[入力処理]図33に示すように、入力処理(S102)ではまず、特別リセットスイッチ181がONか否か、即ち、特別リセットスイッチ181への押下操作に基づく信号を受信したか否かを判断する(S201)。ONでなければ(S201でNO)、ステップS204に進む。一方、ONであれば(S201でYES)、非消去クリア処理を実行する(S202)。非消去クリア処理(S202)では、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされる。なお、非消去クリア処理(S202)が実行されても、非消去記憶部107の特定記憶領域(図示省略)に記憶されている総発射球数の情報はクリアされない。この総発射球数の情報は、上述したように、7セグ表示器300での表示のために用いられるためである。
ステップS202に続いて、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S203)、ステップS204に進む。こうして、非消去クリアコマンドが、演出制御基板120に送信されると、図30(A)に示すように、表示画面50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。ステップS204では、その他の処理を実行して、本処理を終える。その他の処理(S204)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
[差玉数計測処理]図34に示すように、差玉数計測処理(S106)ではまず、遊技者に払い出す総賞球数をカウントする総賞球数カウント処理を実行する(S301)。カウントされた総賞球数の情報は、総賞球数記憶部107a(図6参照)に記憶される。次に、排出口センサによる検知に基づいて、総発射球数をカウントする総発射球数カウント処理を実行する(S302)。カウントされた総発射球数の情報は、総発射球数記憶部107b(図6参照)に記憶される。そして、総賞球数に対して総発射球数を減算して、差玉数を演算する差玉数演算処理を実行する(S303)。演算された差玉数の情報は、差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶される。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS304では、過賞球フラグがOFFか否かを判断する。過賞球フラグは、差玉数が80000以上であることを示すものである。過賞球フラグがONであれば(S304でNO)、本処理を終える。一方、過賞球フラグがOFFであれば(S304でYES)、差玉数が80000以上であるか否かを判定する(S305)。差玉数が80000未満であれば(S305でNO)、ステップS309に進む。これに対して、差玉数が80000以上であれば(S305でYES)、後述する過賞球予告フラグをOFFにし(S306)、過賞球フラグをONにし(S307)、過賞球報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S308)、本処理を終える。過賞球報知コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(B)に示すように、表示画面50aにて、赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHが表示される。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS309では、過賞球予告フラグがOFFか否かを判断する。過賞球予告フラグは、差玉数が70000以上であることを示すものである。過賞球予告フラグがONであれば(S309でNO)、そのまま本処理を終える。一方、過賞球予告フラグがOFFであれば(S309でYES)、差玉数が70000以上であるか否かを判定する(S310)。差玉数が70000未満であれば(S310でNO)、本処理を終える。これに対して、差玉数が70000以上であれば(S310でYES)、過賞球予告フラグをONにして(S311)、過賞球予告コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S312)、本処理を終える。過賞球予告コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(A)に示すように、表示画面50aにて、紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYが表示される。
[特別動作処理]図35に示すように特別動作処理(S107)では、特図表示器81及び大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図36に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口12の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口11の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1416)。客待ちフラグは、客待ち状態であることを示すものである。ONであれば(S1416でYES)、後述する客待ち計測処理を実行して(S1419)、本処理を終える。一方、OFFであれば(S1416でNO)、客待ちコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットするとともに(S1417)、客待ちフラグをONにして(S1418)、本処理を終える。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ちフラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ちフラグをOFFにする(S1414)。そして、客待ちカウンタの値を「0」にクリア(リセット)する客待ちカウンタクリア処理を実行して(S1415)、本処理を終える。客待ちカウンタは、遊技用RAM104に設けられていて、客待ち状態が継続している時間を計測するためのものである。なお、客待ちカウンタの値は、RAMクリアの実行の有無に拘わらず、電源の再投入によってクリアされる。
[客待ち計測処理処理]図37に示すように、客待ち計測処理(S1419)ではまず、客待ちカウンタの値を増加させる客待ちカウンタ増加処理を実行する(S1420)。これにより、遊技制御用マイコン101は、客待ちカウンタの値に基づいて、客待ち状態が継続している時間を把握することができる。続いて、客待ち状態が1時間以上継続しているか否かを判定する。継続していないと判定すれば(S1421でNO)、本処理を終える。一方、継続していると判定すれば(S1421でYES)、上述したステップS202の処理(図33参照)と同様、非消去クリア処理を実行する(S1422)。これにより、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされる。
続いて、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S1423)、本処理を終える。こうして、非消去クリアコマンドが、演出制御基板120に送信されると、図30(B)に示すように、表示画面50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図38に基づいてまとめて説明する。図38に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、特別図柄乱数(大当たり乱数)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、遊技用RAM104の特図2保留記憶部105bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている特別図柄乱数を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、遊技用RAM104の特図1保留記憶部105aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている特別図柄乱数を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図12(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち通常確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1000」~「1219」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1000」~「2499」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して、図12(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データを、遊技用RAM104に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図39及び図40に基づいてまとめて説明する。図39に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たり通常テーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1603)。
ステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ、リーチ乱数がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図12(C)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」~「29」であり、時短状態であれば「0」~「9」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されるようになっている(図13又は図14参照)。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図40に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602~S1606と同様の流れで処理(S1607~S1611)を行う。
すなわち大当たりであれば、図13又は図14の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば、図13又は図14の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば、図13又は図14の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1611)。
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、図39に示すように、選択した特図変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした特図変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S112)により演出制御基板120に送られる。
[特別図柄変動中処理]図41に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特図変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された特図変動パターンに応じて決まる特図変動時間、図13又は図14参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、特図変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図42に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された特図変動パターンに応じて決まる停止時間)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。なお、特別図柄が停止してから停止時間が経過すると当該停止した特別図柄が確定したことになり、当該特図可変表示が完了することになる。そこで、この特別図柄に係る停止時間のことを「特図確定時間」と称することもある。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図16参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1904に続いて、遊技状態リセット処理を行う(S1905)。遊技状態リセット処理(S1905)では、確変フラグがONであれば確変フラグをOFFにして、時短フラグがONであればOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態に制御される。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1907)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1908)、本処理を終える。なお、オープニングコマンドには、大当たり図柄種別に関する情報が含まれており、演出制御用マイコン121は、オープニングコマンドを受信することによって、大当たり図柄種別を特定することができる。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図43に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1だけ減少させて(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFにして(S2004)、ステップS2005に進む。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2005に進む。
ステップS2005では、時短フラグがONか否か判定する。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1だけ減少させて(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFにして(S2008)、ステップS2009に進む。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2012に進む。
ステップS2009では、過賞球フラグがONか否かを判定する。つまり、差玉数が80000以上になっているか否かを判定する。過賞球フラグがONでなければ(S2009でNO)、ステップS2012に進む。一方、過賞球フラグがONであれば(S2009でYES)、過賞球フラグをOFFにして(S2010)、遊技用RAM104の非消去記憶部107を除く所定領域において、遊技停止フラグをONにして(S2012)、ステップS2012に進む。こうして、差玉数が80000以上になっていて、時短状態(高確高ベース状態又は低確低ベース状態)が終了すると、遊技が実行不能になる。なお、以下において、この遊技停止フラグがONとなって、遊技が実行不能な状態のことを「遊技実行不能状態」と称することもある。
ステップS2011では、遊技停止報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、ステップS2012に進む。これにより、遊技停止報知コマンドが演出制御基板120に送信されると、図27(A)に示すように、表示画面50aにて、赤背景画像RE及びエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカー52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53が全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54が全て消灯する。
ステップS2012では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、確変カウンタの値及び時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]特別電動役物処理は、大当たり遊技の実行のための処理である。図44に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口15)の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置14D又は第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、大入賞口を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たり(図16参照)に基づく大当たり遊技か否かを判定する(S2704)。Vロング大当たりでなければ(S2704でNO)、ステップS2707に進むが、Vロング大当たりであれば(S2704でYES)、特定領域16への通過が可能な10R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2705)。10R目を開始するタイミングでなければ(S2705でNO)、そのままステップS2707に進む。これに対して、10R目を開始するタイミングであれば(S2705でYES)、V有効期間設定処理を行う(S2706)。
V有効期間設定処理(S2706)では、Vロング大当たりの10R目における第2大入賞口15の開放中及び第2大入賞口15の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONするということである。また、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。
ステップS2707では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図16参照)に従って大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)を開放させる。なお、振分部材16kは、第1ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターンでは、第10ラウンドにおいて、第2大入賞口15に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域16を通過できるようにAT開閉部材14kが開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターンでは、第10ラウンドにおいて、遊技球が第2大入賞口15に入賞しても特定領域16を通過することができないように、振分部材16kの動作に対するAT開閉部材14kの開放タイミングが設定されている。
続いてステップS2708では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2708)では、ステップS2703での大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2708では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2702において、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放中であれば、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2709)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり10個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図16参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2709でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の閉鎖条件が成立している場合(S2709でYES)には、大入賞口を閉鎖(閉塞)する(S2710)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2711)。終了していなければ(S2711でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2711でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2712)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2713)。「0」でなければ(S2713でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2713でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2714)、大当たりのエンディングを開始する(S2715)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2716)、処理を終える。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2717)、エンディング時間が経過していなければ(S2717でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2717でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2718)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2719)。続いて、大当たりフラグをOFFにする(S2720)。続いて、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2721)、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図45に示すように、遊技状態設定処理(S2719)ではまず、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する(S2801)。ONであれば(S2801でYES)、確変フラグをONにすると共に(S2802)、時短フラグをONにする(S2803)。これにより、大当たり遊技後に高確高ベース状態に制御されることになる。続いて、確変カウンタに「160」をセットすると共に(S2804)、時短カウンタに「160」をセットして(S2805)、ステップS2808に進む。これにより、ST回数が160回であり且つ時短回数が160回である高確高ベース状態に制御されることになる。
一方、ステップS2801において、VフラグがONでないと判定すれば(S2801でNO)、時短フラグをONにする(S2806)。即ち、このときには確変フラグをONにしない。これにより、大当たり遊技後に低確高ベース状態に制御されることになる。続いて、時短カウンタに「100」をセットして(S2807)、ステップS2808に進む。即ち、これにより、時短回数が100回である低確高ベース状態に制御されることになる。
ステップS2808では、遊技制御用マイコン101は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2719)を終える。
[出力処理]図46に示すように、出力処理(S112)では、後述する外端信号出力処理を実行する(S3001)。続いて、その他の出力処理(S3002)として、上述した各処理において遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170に出力して、本処理を終える。
[外端信号出力処理]図47に示すように、外端信号出力処理(S3001)では、過賞球予告フラグがONであるか否かを判定する(S3101)。つまり、差玉数が70000に達した状況か否かを判定する。過賞球予告フラグがONでなければ(S3101でNO)、ステップS3103に進む。一方、過賞球予告フラグがONであれば(S3101でYES)、過賞球予告用外端信号出力処理を実行して(S3102)、ステップS3102に進む。過賞球予告用外端信号出力処理(S3102)では、差玉数が70000に達したことを示す外端信号(以下「過賞球予告用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、過賞球予告用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において差玉数が残り僅か(10000以内)増加すると、過賞球防止機能が作動し得る状況を把握させることが可能である。
ステップS3103では、過賞球フラグがONであるか否かを判定する。つまり、差玉数が80000に達した状況か否かを判定する。過賞球フラグがONでなければ(S3103でNO)、ステップS3105に進む。一方、過賞球フラグがONであれば(S3103でYES)、過賞球用外端信号出力処理を実行して(S3104)、ステップS3105に進む。過賞球用外端信号出力処理(S3104)では、差玉数が80000に達したことを示す外端信号(以下「過賞球用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、過賞球予告用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において差玉数が80000に達していて、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると遊技が実行不能になる状況を把握させることが可能である。
ステップS3105では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定する。つまり、遊技が実行不能になった状況か否かを判定する。遊技停止フラグがONでなければ(S3107でNO)、ステップS3107に進む。一方、遊技停止フラグがONであれば(S3105でYES)、遊技停止用外端信号出力処理を実行して(S3106)、ステップS3107に進む。遊技停止用外端信号出力処理(S3106)では、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能になったことを示す外端信号(以下「遊技停止用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、遊技停止用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能になった状況を把握させることが可能である。
ステップS3107では、ステップS203に示す非消去クリア処理、又はステップS1422に示す非消去クリア処理が実行されたか否かを判定する。即ち、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされたか否かを判定する。非消去クリア処理が実行されていなければ(S3107でNO)、ステップS3109に進む。一方、非消去クリア処理が実行されていれば(S3107でYES)、リセット用外端信号出力処理を実行して(S3108)、ステップS3109に進む。リセット用外端信号出力処理(S3108)では、差玉数がリセットされたことを示す外端信号(以下「リセット用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、リセット用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において差玉数がリセットされた状況を把握させることが可能である。なお主制御基板100には、専用の信号線が接続されていて、この専用の信号線を介して、過賞球予告用外端信号、過賞球用外端信号、遊技停止用外端信号、リセット用外端信号が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。
8.演出制御用マイコンの動作
次に、図48~図50に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図48に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理(S4004)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示画面50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53や盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S112)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図49に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理(S4101)では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理(S4102)では、入力処理(S4101)や後述する演出データ作成処理(S4204)等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)を参照する。そして、発光データに基づいて、ランプ制御回路151を制御する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動体制御処理(S4103)では、入力処理(S4101)や後述する演出データ作成処理(S4204)等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを参照する。そして、駆動データに基づいて、ランプ制御回路151を制御する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58を所定の動作態様で動作させる。ウォッチドッグタイマ処理(S4104)では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図50に示すように、演出制御用マイコン121は、10msタイマ割り込み処理(S4012)において、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)、および初期動作確認処理(S4205)を順次行う。
受信コマンド解析処理(S4201)では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SPリーチに関連付けられた変動パターン)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、特別遊技に伴う演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出、演出モードの制御などの他の演出についても基本的には同じである。
また、演出制御用マイコン121は、演出タイマ更新処理(S4202)において、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理(S4202)では、演出制御用マイコン121によって、通常ボタン40や特殊ボタン41といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングが計測される。さらに、演出制御用マイコン121は、音声制御処理(S4203)において、入力処理(S4101)や受信コマンド解析処理(S4201)の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカー52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161の制御とが行われる。また、演出制御用マイコン121は、演出用データ作成処理(S4204)において、受信コマンド解析処理(S4201)の処理結果に基づいて、演出用データの作成を行う。
さらに、演出制御用マイコン121は、初期動作確認処理(S4205)において、電源投入時における各種演出装置の動作確認(初期動作確認)として、枠ランプ53、および盤ランプ54の発光、盤上可動装置55、盤下可動装置56、および枠可動装置58の作動、ならびにスピーカー52からの音声出力のそれぞれを所定時間(例えば、20秒)掛けて所定の演出態様で行う。例えば、演出制御用マイコン121は、初期動作確認処理(S4205)において、最初に、初期動作確認が完了したことを示す初期動作確認完了フラグが演出用RAM124にONされているか否かを確認する。ここで、演出制御用マイコン121は、初期動作確認フラグがONされていると判定すると当該初期動作確認処理を終える。一方、演出制御用マイコン121は、初期動作確認フラグがONされていると判定すると初期動作確認を開始する。具体的には、演出制御用マイコン121は、枠ランプ53、および盤ランプ54のそれぞれを所定の発光態様で発光させ、盤上可動装置55、盤下可動装置56、および枠可動装置58のそれぞれを所定の作動態様で作動させ、所定の音声をスピーカー52から出力させる。また、演出制御用マイコン121は、初期動作確認を開始させると共に、演出用RAM124に設けられた初期動作確認用のタイマを用いて、初期動作確認に要する時間(初期動作確認時間:第1実施形態では20秒)の計測を開始させる。そして、演出制御用マイコン121は、初期動作確認を開始させてから初期動作確認時間が経過すると、初期動作確認を終了させると共に、初期動作確認が完了したことを示す初期動作確認完了フラグを演出用RAM124の所定領域にONし、客待ちデモ動画G100を表示させる。ただし、ここで表示する画像は客待ちデモ動画G100に限られず適宜に変更しても良い。また、初期動作確認時間も20秒に限られず適宜に変更しても良い。
以上説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、差玉数が80000以上であって、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとっては、大当たり遊技状態の途中や、高確高ベース状態又は低確高ベース状態の途中で、突然遊技が停止されるわけではなく、特段大きな不利益になるわけではない。こうして、遊技者に対して遊技を止めやすいタイミングで遊技を中止させつつ、過剰な賞球を付与しないパチンコ遊技機PY1を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、差玉数が80000以上であって、高ベース状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)が終了すると、遊技が実行不能になる。従って、遊技者にとって、高ベース状態が終了した後で持ち球が減っていくような状況になる前に、遊技を中止させることが可能である。つまり、高ベース状態から通常遊技状態に移行した後では、総発射球数が増加していき、差玉数が80000未満になる状況も想定され得る。よって、上記した状況が生じないように、高ベース状態が終了したタイミングで、遊技を中止させることが可能である。
ところで、差玉数が80000になる前に、或る遊技者が遊技を止めて、後で遊技を行う遊技者が遊技を開始してからすぐに、差玉数が80000以上になると、酷な事態となる。そこで、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、電源投入を契機としないリセット条件の成立に基づいて、計測された差玉数がリセットされる。具体的には、特別リセットスイッチ181が押下操作されること、又は客待ち状態が1時間継続することで、差玉数がリセットされる。これにより、後で遊技を行った遊技者に対して、遊技を開始してからすぐに遊技が中止されないようにすることができて、酷な事態となるのを防ぐことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技場の従業員が、電源投入時にRAMクリアスイッチ191を押下操作すると、遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)が消去される一方、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報が消去されない。従って、営業時間中に、不具合等によって遊技情報を消去しなければならない状況でも、計測された差玉数を消去しないようにすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、上述したように、RAMクリアが実行されても、計測された差玉数が消去されない。しかしながら、遊技場の従業員が特別リセットスイッチ181を押下操作することで、計測された差玉数を消去できる。こうして、遊技場の従業員は、任意のタイミングで、計測された差玉数を消去することが可能である。
(第1実施形態の変更例)
ここで、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、パチンコ遊技機PY1を、所謂「V確機(特定領域16(V領域)への遊技球の通過に基づいて高確率状態に制御される遊技機)」として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記形態では、パチンコ遊技機PY1を、所謂「ST機(特別図柄の変動回数に応じて高確率状態が終了する遊技機)」として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が継続する遊技機(いわゆる確変ループタイプ機)や、転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、大入賞口が最大で1.8秒開放する小当たり遊技が実行される遊技機として構成してもよい。この場合、小当たり遊技の実行により大入賞口に入球した遊技球が、大入賞口内の特定領域を通過すると、大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される遊技機として構成してもよい。そして、特別図柄の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行されて、遊技球が大入賞口内の特定領域を通過すると大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される1種2種大当たり遊技として構成してもよい。
上記形態では、差玉数が80000以上であって、高確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行するとき(図25参照)、又は低確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行するときに、過賞球防止機能が作動するようにした。しかしながら、有利遊技状態から通常遊技状態に移行するときでなくても良く、単に有利遊技状態が終了するときに、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。例えば、高確高ベース状態(有利遊技状態)から低確高ベース状態に移行するときや、高確高ベース状態から高確低ベース状態に移行するときに、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。
また例えば、図51に示すように、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行するときに、特図2保留数が最大である4個(所定数)あったこととする。そして、特図2の抽選は、特図1の抽選よりも優先して実行されて、且つ特図1の抽選よりも遊技者にとって有利に設定されていることとする。この場合、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行すると、特図2の抽選が4回分実行されることになり、遊技者にとっては未だ有利な状態が続いているということができる。従ってこの場合には、通常遊技状態に移行したときに残っている特図2保留(特図2残保留)が全て消化されるまでは、有利遊技状態であるとみなすこととする。そして、特図2残保留が全て消化されるときに(特図2残保留に基づく第2特別図柄の変動表示及び停止表示が全て終了するときに)、過賞球防止機能が作動する(遊技を実行不能にする)ようにしても良い(図51参照)。なお、特図1の抽選が、特図2の抽選よりも優先して実行されるようにしたり、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞した順番に、特図1の抽選又は特図2の抽選が実行されたりするようにしても良い。
特に、1種2種混合機であって、特図2の抽選で小当たりに当選した場合には、実質的に必ず2種大当たり遊技が実行される(遊技球が特定領域を通過できる)ように構成されている場合には、図51に示すように、通常遊技状態にて特図2残保留が全て消化されたときに過賞球防止機能が作動することが好適である。高ベース状態(時短状態)から通常遊技状態に移行しても、特図2残保留が全て消化されるまでは、2種大当たり遊技が非常に実行され易いためである。即ち、仮に高ベース状態が終了するタイミングで、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能になると、2種大当たり遊技を獲得できるチャンスが失われて、遊技者にとって酷になるからである。なお特図2保留の上限数は、4個に限られるものではなく、例えば1個であっても良く、適宜変更可能である。
上記形態では、過賞球防止機能が作動するタイミングは、高確高ベース状態が終了するとき、又は低確高ベース状態が終了するときであった。しかしながら、高確高ベース状態が終了するときにだけ、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。この場合には、所謂「ラッシュ状態(連荘期間)」が終了したときにだけ、遊技を中止させることが可能である。また例えば、差玉数が80000以上であって、客待ち状態に移行したタイミングや、客待ち状態が或る一定時間継続したタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、差玉数が80000以上であって、大当たり遊技状態が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、差玉数が80000以上になったタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。
上記形態では、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)が押下操作されるという第1のリセット条件(図26(A)参照)、又は客待ち状態が1時間(所定時間)継続するという第2のリセット条件(図26(B)参照)が成立すると、差玉数がリセット(消去)されるようにした。しかしながら、リセット条件は、上記したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、上述したように、大当たり遊技状態が終了したタイミングや、差玉数が80000以上になったタイミングで、過賞球防止機能が作動する場合において、図52(A)に示すように、高確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。この場合には、所謂「ラッシュ状態(連荘期間)」が終了すると差玉数がリセットされるため、1回でのラッシュ状態中に差玉数が80000(基準数)に達した場合に限り、過賞球防止機能を作動させることが可能である。なお、高確高ベース状態や低確高ベース状態以外に、大当たり遊技状態や高確低ベース状態などの有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。また、RAMクリアスイッチ191が押下操作されたり、設定キーシリンダ180が回転操作されることで、差玉数がリセットされたりするようにしても良い。
また例えば、図52(B)に示すように、通常遊技状態が特定時間(例えば1時間)継続すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。この場合には、通常遊技状態にて特定時間(例えば1時間)が継続すると、遊技者にとって有利な状況がしばらく続いていないことになる。従って、この場合には、差玉数をリセットすることで、しばらく差玉数が80000以上にならないようにすることが可能である。なお上記した特定時間は1時間に限られるものではなく、適宜変更可能である。また例えば、通常遊技状態にて特別図柄の変動回数が特定回数に達すると、差玉数をリセットするようにしても良い。また例えば、電源のOFF及びON(電源の再投入)によって、差玉数がリセットされるようにしても良い。
また例えば、遊技制御用マイコン101が、予め定められた基準時間(例えば午前9時)であると判断すると、差玉数をリセットするようにしても良い。この場合には、遊技場の従業員に何ら操作を強いることなく、差玉数を自動的に消去させることが可能である。なお上記した基準時間は午前9時に限られるものではなく、適宜変更可能である。
上記形態では、差玉数をリセットするための特別リセットスイッチ181(特別操作手段)が、主制御基板100上に配置されていた(図8参照)。しかしながら、特別操作手段が操作されたことに基づく信号が遊技制御用マイコン101に入力されるのであれば、差玉数をリセットするための特別操作手段の配置箇所は、適宜変更可能である。従って、特別操作手段は、例えば、払出制御基板170上に配置されていたり、専用の基板に配置されていても良い。
上記形態では、計測された差玉数が表示手段で表示されることがなかった。しかしながら、計測された差玉数が表示手段で表示されるようにしても良い。例えば、遊技制御用マイコン101は、表示器類8(図4参照)や7セグ表示器300(図9参照)にて、計測した差玉数を表示するようにしても良い。この場合、例えば、差玉数が0~50000(第1範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第1態様を表示して、差玉数が50001~70000(第2範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第2態様を表示して、差玉数が70001~80000(第3範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第3態様を表示するようにしても良い。また例えば、遊技制御用マイコン101は、差玉数の情報(又は総賞球数の情報、総発射球数の情報)を演出制御基板120に送信して、演出制御用マイコン121が、画像表示装置50等の表示手段にて、差玉数を表示するようにしても良い。また例えば、遊技制御用マイコン101は、払い出した賞球数(又は払い出す予定の賞球数)の情報と排出口センサの検知の情報とを、演出制御基板120に送信する。そして、演出制御用マイコン121が、これらの情報に基づいて、差玉数を演算することで、画像表示装置50等の表示手段にて、差玉数を表示するようにしても良い。
上記形態では、差玉数が70000(所定数)に達すると、図28(A)に示す演出態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示した。しかしながら、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示す演出態様は、図28(A)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、スピーカー52からの特殊音声(例えば「差玉数が70000です」)や、盤ランプ54や枠ランプ53等の発光手段の特殊発光態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示すようにしても良い。また差玉数が多くになるにつれて、多段階に変化する演出態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示すようにしても良い。
上記形態では、差玉数が80000(基準数)に達すると、図28(B)に示す演出態様によって、遊技が停止し得る状況を示した。しかしながら、遊技が停止し得る状況を示す演出態様は、図28(B)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、スピーカー52からの特殊音声(例えば「差玉数が80000です」)や、盤ランプ54や枠ランプ53等の発光手段の特殊発光態様によって、遊技が停止し得る状況を示すようにしても良い。
上記形態では、過賞球防止機能が作動すると、図27(A)に示す演出態様によって、遊技が実行不能な状況を示した。しかしながら、遊技技が実行不能な状況を示す演出態様は、図27(A)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、表示画面50aに「遊技が実行できません」を示す画像を表示したり、スピーカー52からの特殊音声(例えば「遊技が実行できません」)を出力したりするようにしても良い。
上記形態では、RAMクリアが実行されても、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報が消去されないようにした。しかしながら、差玉数の情報を、遊技用RAM104の所定の記憶領域(消去記憶部)に記憶させるようにして、RAMクリアが実行されると、差玉数の情報がクリアされるようにしても良い。即ち、差玉数がリセットされる条件には、RAMクリアが実行されることが含まれているようにしたり、差玉数がリセットされるリセット条件を、RAMクリアが実行されることだけにしたりするようにしても良い。
上記形態では、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技に関する遊技制御処理(ステップS102~S108の処理、図32参照)を停止させるだけでなく、遊技球を発射させるための発射制御処理(ステップ109の処理、図32参照)も停止させた。しかしながら、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技制御処理を停止させる一方、発射制御処理を停止しないようにしても良い。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動しても、遊技者は、ハンドル72kへの回転操作によって、遊技球が遊技領域6を流下する。そのため、遊技が実行不能である状況をすぐに把握し難いという問題点がある。よって、遊技制御処理及び発射制御処理の両方を停止させた方が、遊技者に、遊技が実行不能である状況をすぐに把握させることが可能である。また例えば、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、発射制御処理を停止させる一方、遊技制御処理を停止させないようにしても良い。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動したタイミングで、未だ遊技球が遊技領域6を流下していることがあり、遊技球が各種入賞口に入球して、遊技者に賞球が付与され得るという問題点がある。よって、遊技制御処理及び発射制御処理の両方を停止させた方が、過賞球防止機能が作動した後、遊技者には確実に賞球を付与しないことが可能である。
上記形態では、遊技制御用マイコン101は、排出口センサの検知に基づいて、総発射球数をカウントした。しかしながら、各種入賞口への入賞を検知するセンサ(第1始動口センサ、第2始動口センサ、一般入賞口センサ、第1大入賞口センサ、第2大入賞口センサ15a)の検知に基づいて、総発射球数をカウントするようにしても良い。又は、内側壁部1Bの上端部に戻り玉防止部が設けられていて、この戻り玉防止部に遊技球を検知可能なセンサが設けられている場合に、このセンサの検知に基づいて、総発射球数をカウントするようにしても良い。
上記形態では、差玉数が70000に達すると、図28(A)に示すように、過賞球予告画像KYが表示された。しかしながら、差玉数に拘わらず、客待ち演出、大当たり遊技中の演出(例えばエンディング演出)、変動演出に伴う予告演出などにおいて、差玉数が80000以上になることを条件に遊技が実行不能になることを説明する演出を実行しても良い。このような演出によって、過賞球防止機能があるパチンコ遊技機PY1であることを、遊技者や遊技場の従業員に事前に知らせることができるからである。
上記形態では、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報を、遊技用RAM104の非消去記憶部107に記憶させることで、RAMクリアが実行されても、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報が消去されないようにした。しかしながら、遊技用RAM104とは別に設けた不揮発性の記憶手段(例えばFRAM(登録商標))に、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報を記憶させることで、RAMクリアが実行されても、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報が消去されないようにしても良い。
上記形態では、電源が投入されてから随時、差玉数がカウントされるようにした。しかしながら、差玉数のカウントの始期を、所謂初当たり(通常遊技状態における大当たりへの当選)からとしてもよい。この場合には、電源が投入されてから初当たりに至るまでの差玉数のマイナス分(つまり総発射球数)がカウントされないことになる。従って、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を、初当たり以降の持ち球数と同じにすることが可能である。
上記形態では、遊技制御用マイコン101は、総賞球数と総発射球とを別個でカウントして、総賞球数から総発射球数を減算することで、差玉数を演算した。しかしながら、差玉数をカウントするための差玉カウンタだけを用いて、差玉数を計測(カウント)するようにしても良い。つまり、賞球がある度に、差玉カウンタに対して、賞球の値を加算する。また、遊技球が発射される度に(排出口センサの検知がある度)に、差玉カウンタの値を減算する。こうして、総賞球数と総発射球とを別個でカウントしないで、差玉数を計測するようにしても良い。この場合において、差玉カウンタの値が、マイナスにならないようにして、常に「0」以上になるようにしても良い。そうすれば、上述したように、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を、実質的に初当たり以降の持ち球数と同じにすることが可能である。
上記形態では、差玉数(特定計測数)が80000(基準数)以上であることを条件に、過賞球防止機能が作動するようにした。しかしながら、過賞球防止機能が作動するための基準となる差玉数(基準数)は、80000に限られるものではなく、50000、100000、120000であっても良く、適宜変更可能である。
上記形態では、過賞球防止機能が作動するための契機となる特定計測数は、総賞球数と総発射球数との差である差玉数であった。しかしながら、特定計測数は、過剰な賞球を付与しないという観点により、遊技者に付与される賞球数に基づくものであれば、適宜変更可能である。例えば、特定計測数は、大当たり遊技状態など或る遊技状態や、連荘期間など或る期間に限った差玉数であっても良い。また例えば、特定計測数は、全ての遊技状態での総賞球数、大当たり遊技状態など或る遊技状態に限った総賞球数、連荘期間など或る期間に限った総賞球数であっても良い。また例えば、特定計測数は、全ての遊技状態でのベース、大当たり遊技状態など或る遊技状態に限ったベース、連荘期間など或る期間に限ったベースであっても良い。
上記形態では、パチンコ遊技機PY1が、内部に収容している遊技球が遊技領域6を流下した後に、当該パチンコ遊技機PY1の外部に排出される非封入式パチンコとして構成されていた。しかしながら、パチンコ遊技機が、内部に収容している遊技球が遊技領域を流下した後に、循環して再び遊技領域に進入可能な封入式パチンコとして構成されていても良い。この場合には、払出制御基板170に相当する枠制御基板に、7セグ表示器が配置されている。よって、この7セグ表示器に、差玉数(特定計測数)を表示し得るようにしても良い。また前扉の下部に、持ち球数を表示する6桁の7セグ表示器が配置されている。よって、この6桁の7セグ表示器に、差玉数(特定計測数)を表示し得るようにしても良い。なお、本形態の「計測」とは、カウント又は計数と同じ意味である。
<第2実施形態>
次に、前述の本発明に係る第1実施形態に基づいて、本発明に係る第2実施形態について説明する。以下においては、主に、第2実施形態として、第1実施形態と異なる点について説明する。また、第1実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2は、7セグ表示器300を用いて差玉数を表示することがある。そして、遊技制御用マイコン101は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)において、以下に説明する差玉数表示制御処理を行う。差玉数表示制御処理は、差玉数の表示を制御するための処理であり、差玉数の表示を開始させる条件が成立したか否かを確認する差玉数表示開始条件成立確認処理と、差玉数を7セグ表示器300に表示させる差玉数表示実行処理と、差玉数の表示を終了させる条件が成立したか否かを確認する差玉数表示終了条件成立確認処理とを含む。差玉数表示開始条件成立確認処理、および差玉数表示終了条件成立確認処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)における入力処理(S102)のその他の入力処理(S204)として実行され、差玉数表示実行処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)におけるその他の処理(113)として実行される。
差玉数表示開始条件成立確認処理において、遊技制御用マイコン101は最初に、差玉数の7セグ表示器300への表示を開始させるための条件(差玉数表示開始条件)が成立したか否かを判定する。第2実施形態において、差玉数表示開始条件には、パチンコ遊技機PY2(主制御基板100)に電力が供給されていることと、RAMクリアスイッチ191が操作されたことが含まれている。なお、パチンコ遊技機PY2は、RAMクリアスイッチ191が操作されると、電源基板190が、当該操作が行われたことを示すRAMクリアスイッチ操作検知信号を主制御基板100に出力するように構成されている。また、当該差玉数表示開始条件成立確認処理が実行されるということは、当該パチンコ遊技機PY2(主制御基板100)に電力が供給されているということになるので、当該処理が行われている時点で、差玉数表示開始条件を構成する「当該パチンコ遊技機PY2に電力が供給されていること」は満たされていることになる。
遊技制御用マイコン101は、差玉数表示開始条件成立確認処理において、差玉数表示開始条件が成立したと判定すると、言い換えるとRAMクリアスイッチ191が操作された(RAMクリアスイッチ操作検知信号が入力した)と判定すると、そのときに7セグ表示器300で行っている通常ベースに関する表示を中断させると共に、差玉数の表示が実行されていることを示す差玉数表示実行フラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、当該差玉数表示開始条件成立確認処理を終える。なお、遊技制御用マイコン101は、差玉数表示開始条件が成立していないと判定すると、言い換えるとRAMクリアスイッチ191が操作されていない(RAMクリアスイッチ操作検知信号が入力していない)と判定すると、そのまま当該差玉数表示開始条件成立確認処理を終える。
差玉数表示実行処理において、遊技制御用マイコン101は最初に、差玉数表示実行フラグがONしているか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、差玉数表示実行フラグがONしていないと判定すると、そのまま当該差玉数表示実行処理を終える。一方、遊技制御用マイコン101は、差玉数表示実行フラグがONしていると判定すると、差玉数を7セグ表示器300に表示する処理を行う。具体的には、遊技制御用マイコン101は、差玉数の表示として、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数を確認し、差玉数の下3桁の7セグ表示器300への表示と、差玉数の上3桁の7セグ表示器300への表示とを交互に繰り返し行い続ける。
差玉数の下3桁の7セグ表示器300への表示と、差玉数の下3桁の7セグ表示器300への表示の順序は特に限定されないが、第2実施形態では、最初に差玉数の下3桁の7セグ表示器300への表示が行われて、その次に、差玉数の上3桁の7セグ表示器300への表示が行われる。したがって、この1組の「差玉数の下3桁の7セグ表示器300への表示+差玉数の上3桁の7セグ表示器300への表示」でそのときの差玉数が7セグ表示器300に表示されたことになる。以下において、この1組の「差玉数の下3桁の7セグ表示器300への表示+差玉数の上3桁の7セグ表示器300への表示」を「差玉数全体表示」と称し、「差玉数の下3桁の7セグ表示器300への表示」を「差玉数下部分表示」と称し、「差玉数の上3桁の7セグ表示器300への表示」を「差玉数上部分表示」と称する。また、差玉数全体表示、差玉数下部分表示、および差玉数上部分表示のことを合わせて「差玉数表示」と称することもある。
また、第2実施形態では、差玉数表示実行フラグがONされ続けている限りにおいて、言い換えると、後述する差玉数表示終了条件が成立するまで、遊技制御用マイコン101は、差玉数全体表示を繰り返し実行し続ける。
さらに、差玉数下部分表示に要する時間(差玉数下部分表示時間)、および差玉数上部分表示に要する時間(差玉数上部分表示時間)の具体的な値は適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、差玉数下部分表示時間、および差玉数上部分表示時間は同一の5秒で構成されている。差玉数全体表示(差玉数下部分表示、および差玉数上部分表示)の具体例については後述する。
したがって、第2実施形態においては、遊技制御用マイコン101は、差玉数表示実行フラグをONして差玉数表示を開始することになると、その次に行われるメイン側タイマ割り込み処理において、差玉数記憶部107cを確認してそのときの差玉数を例えば遊技用RAM104の所定領域に記憶しておくと共に、そのときの差玉数の下3桁を7セグ表示器300に表示させる(差玉数下部分表示を行う)。さらには、ここで、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104に設けられているタイマなどを用いて、差玉数下部分表示を開始させてからの経過時間を計測する。そして、差玉数上部分表示を開始させてからの経過時間が差玉数下部分表示時間(5秒)に達すると、遊技制御用マイコン101は、メイン側タイマ割り込み処理において、遊技用RAM104の所定領域に記憶しておいた差玉数を確認してその差玉数の上3桁を7セグ表示器300に表示させる(差玉数上部分表示を行う)。さらには、ここで、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104に設けられているタイマなどを用いて、差玉数上部分表示を開始させてからの経過時間を計測する。
差玉数上部分表示を開始させてからの経過時間が差玉数上部分表示時間(5秒)に達すると、遊技制御用マイコン101は、メイン側タイマ割り込み処理において、差玉数記憶部107cを確認してそのときの差玉数を例えば遊技用RAM104の所定領域に記憶しておくと共に、そのときの差玉数の下3桁を7セグ表示器300に表示させる(差玉数下部分表示を行う)。そして、それ以降、遊技制御用マイコン101は、差玉数表示実行フラグがONされている限り、同じ処理を繰り返し行い続ける。
このように、遊技制御用マイコン101は、5秒間隔で差玉数下部分表示と差玉数上部分表示とを交互に繰り返し行う。また、遊技制御用マイコン101は、新たに差玉数全体表示を開始させるときに、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数を遊技用RAM104の所定領域に記憶することで、差玉数に関する情報を更新する。
また、差玉数表示終了条件成立確認処理において、遊技制御用マイコン101は最初に、差玉数の7セグ表示器300への表示を終了させるための条件(差玉数表示終了条件)が成立したか否かを判定する。第2実施形態において、差玉数表示終了条件には、差玉数が7セグ表示器300へ表示されているときに前扉23が閉じられることが含まれている。前述の通り、差玉数を7セグ表示器300に表示させるためにはRAMクリアスイッチ191を操作することが必要であるが、そもそも7セグ表示器300を見るためには、前扉23を開放させる必要がある。そして、前扉23が閉じられたということは7セグ表示器300を見られない状況であることから、前扉23が閉じられることは差玉数表示終了条件に含まれる。
なお、パチンコ遊技機PY2では、前述の前扉23の外枠22に対する開放を検知する前扉開放センサは、当該開放が行われている間は、検知信号(前扉開放検知信号)を主制御基板100に出力し続けるように構成されているものとする。よって、遊技制御用マイコン101は、前扉開放検知信号が入力していないことによって、前扉23が閉じられると判断することができる。
遊技制御用マイコン101は、差玉数表示終了条件が成立したか否かを判定するために、最初に、差玉数が7セグ表示器300に表示されているか否かを判定、言い換えると差玉数表示実行フラグがONされているか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、差玉数が7セグ表示器300に表示されていると判定すると、続いて、前扉23が閉じられているか否かを判定、言い換えると、前扉開放検知信号が入力されていないか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、前扉23が閉じられていると判定、言い換えると、差玉数表示終了条件が成立したと判定すると、そのときに7セグ表示器300で行っている差玉数の表示を終了させて、差玉数表示実行フラグをOFFにすると共に、非消去記憶部107を確認し、通常ベースの7セグ表示器300への表示を再開させる。また、遊技制御用マイコン101は、差玉数表示終了条件が成立していないと判定すると、言い換えると、差玉数が7セグ表示器300に表示されていないと判定、または前扉23が閉じられていない(開放している)と判定すると、そのまま当該差玉数表示終了条件成立確認処理を終える。
なお、差玉数表示終了条件が成立したか否かを判定するための「差玉数が7セグ表示器300に表示されているか否かの判定」と「前扉23が閉じられているか否かを判定」の順序はこれに限れず反対であっても良い。
次に、差玉数の7セグ表示器300への表示の具体例について説明する。パチンコ遊技機PY2は、7セグ表示器300の中の第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340を用いて、差玉数下部分表示、および差玉数上部分表示の双方を行う。具体的に、パチンコ遊技機PY2は、差玉数下部分表示において、第4表示領域340の線状点灯部分LB25~LB31を用いて差玉数の一の位(1桁目)を適宜に表示し、第3表示領域330の線状点灯部分LB17~LB23を用いて差玉数の十の位(2桁目)を適宜に表示し、第2表示領域320の線状点灯部分LB9~LB15を用いて差玉数の百の位(3桁目)を適宜に表示する。一方、パチンコ遊技機PY2は、差玉数上部分表示において、第4表示領域340の線状点灯部分LB25~LB31を用いて差玉数の千の位(4桁目)を適宜に表示し、第3表示領域330の線状点灯部分LB17~LB23を用いて差玉数の万の位(5桁目)を適宜に表示し、第2表示領域320の線状点灯部分LB9~LB15を用いて差玉数の十万の位(6桁目)を適宜に表示する。すなわち、パチンコ遊技機PY2は、差玉数下部分表示、および差玉数上部分表示のそれぞれを、7セグ表示器300において右詰めで行う。
なお、差玉数は必ず6桁で構成されているものとする。すなわち、差玉数が1000未満の場合は、千の位(4桁目)、万の位(5桁目)、および十万の位(6桁目)のそれぞれは「0」で構成され、差玉数が1000以上10000未満の場合は、万の位(5桁目)、および十万の位(6桁目)のそれぞれは「0」で構成され、差玉数が10000以上100000未満の場合は、十万の位(6桁目)は「0」で構成されているものとする。
また、パチンコ遊技機PY2は、差玉数下部分表示において、差玉数表示に用いられる第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340に係るドット状点灯部分LB16、LB24、およびLB32を点灯させる一方、差玉数上部分表示において、第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340に係るドット状点灯部分LB16、LB24、およびLB32を点灯させない。ドット状点灯部分LB16、LB24、およびLB32の点灯の有無によって差玉数下部分表示と差玉数下部分表示とを区別して見分けるためである。
ここで、図53、および図54は、差玉数が「164」である場合に7セグ表示器300に表示される表示内容の具体例を表す図である。詳細には、図53は、差玉数が「164」である場合に7セグ表示器300で差玉数下部分表示が行われている様子を表す図であり、図54は、差玉数が「164」である場合に7セグ表示器300で差玉数上部分表示が行われている様子を表す図である。なお、差玉数が「164」である場合、当該差玉数を6桁で表すと「000164」となる。
図53に示すように、差玉数下部分表示では、7セグ表示器300において「164」が表示され、詳細には、第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340に係る線状点灯部分LB25~LB31,LB17~LB23、LB9~LB15が適宜に点灯されて、第2表示領域320に「1」が表示され、第3表示領域330に「6」が表示され、第4表示領域340に「4」が表示される。さらに、差玉数下部分表示であることを明示するために、第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340に係るドット状点灯部分LB16、LB24、およびLB32が点灯される。
また、図54に示すように、差玉数上部分表示では、7セグ表示器300において「000」が表示され、詳細には、第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340に係る線状点灯部分LB25~LB31,LB17~LB23、LB9~LB15が適宜に点灯されて、第2表示領域320に「0」が表示され、第3表示領域330に「0」が表示され、第4表示領域340に「0」が表示される。さらに、差玉数上部分表示であることを明示するために、第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340に係るドット状点灯部分LB16、LB24、およびLB32が点灯されない(ドット状点灯部分LB16、LB24、およびLB32が消灯する)。
また、図55、および図56は、差玉数が「22457」である場合に7セグ表示器300に表示される表示内容の具体例を表す図である。詳細には、図55は、差玉数が「22457」である場合に7セグ表示器300で差玉数下部分表示が行われている様子を表す図であり、図56は、差玉数が「22457」である場合に7セグ表示器300で差玉数上部分表示が行われている様子を表す図である。なお、差玉数が「22457」である場合、当該差玉数を6桁で表すと「022457」となる。
図55に示すように、差玉数下部分表示では、7セグ表示器300において「457」が表示され、詳細には、第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340に係る線状点灯部分LB25~LB31,LB17~LB23、LB9~LB15が適宜に点灯されて、第2表示領域320に「4」が表示され、第3表示領域330に「5」が表示され、第4表示領域340に「7」が表示される。さらに、差玉数下部分表示であることを明示するために、第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340に係るドット状点灯部分LB16、LB24、およびLB32が点灯される。
また、図56に示すように、差玉数上部分表示では、7セグ表示器300において「022」が表示され、詳細には、第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340に係る線状点灯部分LB25~LB31,LB17~LB23、LB9~LB15が適宜に点灯されて、第2表示領域320に「0」が表示され、第3表示領域330に「2」が表示され、第4表示領域340に「2」が表示される。さらに、差玉数上部分表示であることを明示するために、第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340に係るドット部分である点灯部分LB16、LB24、およびLB32が点灯されない(ドット状点灯部分LB16、LB24、およびLB32が消灯する)。
以上のように、パチンコ遊技機PY2によれば、遊技制御用マイコン101は、遊技者に付与される賞球数に基づく差玉数(特定計測数)を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(過賞球防止機能が作動している状態)に制御することがある。したがって、遊技者に対して過剰な賞球が付与されることを防ぐことができる。さらに、RAMクリアスイッチ191(特定操作手段)が操作されることによって差玉数(特定計測数)を表示(報知)することがあるので、当該遊技場が営業中であっても、従業員は特定状態(過賞球防止機能が作動している状態)に関する情報を把握することができる。
また、パチンコ遊技機PY2によれば、遊技制御用マイコン101が計測した差玉数(特定計測数)を記憶する遊技用RAM104(差玉数記憶部107c)をさらに備え、特別リセットスイッチ181が操作されることによって、遊技用RAM104(差玉数記憶部107c)に記憶されている差玉数(特定計測数)がクリアされるときとクリアされないときとがある。したがって、例えば、営業日をまたいで差玉数がクリアされるときとそのまま引き継がれるときとがあり、差玉数(特定計測数)の管理が複雑となるが、RAMクリアスイッチ191(特定操作手段)が操作されることによって差玉数(特定計測数)を表示(報知)することができるので、特定状態(過賞球防止機能が作動している状態)になることがあることに対する不利益を軽減することができると共に、当該差玉数の表示に対する有効性が向上する。さらに、パチンコ遊技機PY2によれば、RAMクリアスイッチ191(特定操作手段)は、遊技者よりも遊技場の従業員の方が操作容易な箇所に配置されているので、遊技場による差玉数の管理に対する機密性を高めることができる。
(第2実施形態の変更例)
次に、第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
第2実施形態では、差玉数下部分表示では差玉数の下3桁が表示され、差玉数上部分表示では差玉数の上3桁が表示されているが、差玉数下部分表示、および差玉数上部分表示で表示される差玉数の具体的な桁数は特に限定されず適宜に変更しても良い。また、第2実施形態では、差玉数下部分表示に係る差玉数の桁数と差玉数上部分表示に係る差玉数の桁数とは「3桁」で同一であるが、差玉数下部分表示に係る差玉数の桁数と差玉数上部分表示に係る差玉数の桁数とが異なるようにしても良い。
また、第2実施形態では、差玉数全体表示は、差玉数下部分表示、および差玉数上部分表示で構成され、差玉数は2回に分けて表示されているが、この区分数は2回に限定されず適宜に変更しても良い。例えば、差玉数を、下位の部分(例えば、1桁目と2桁目)、中間の部分(例えば、3桁目と4桁目)、および上位の部分(例えば、5桁目と6桁目)の3つに分けて3回で表示するようにしても良い。この場合、下位の部分の場合は、第4表示領域340に係るドット状点灯部分LB32を点灯させ、中間の部分の場合は、第3表示領域330に係るドット状点灯部分LB24を点灯させ、上位の部分の場合は、第2表示領域320に係るドット状点灯部分LB16を点灯させるなどして、何れの部分が表示されているのかを明示しても良い。あるいは、差玉数を最上位の位からもしくは最下位の位から1桁ずつ順番に表示するようにしても良い。
さらに、第2実施形態では、差玉数は、差玉数下部分表示と差玉数上部分表示との2回に分けて表示されているが、7セグ表示器300とは異なる表示装置を用いて差玉数を表示し、当該表示装置の性能上、差玉数が何れの値であっても1回でできる場合、1回で差玉数を表示するようにしても良い。
また、第2実施形態では、7セグ表示器300の中の第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340を用いて、当該7セグ表示器300において右詰めで数字が表示されているが、7セグ表示器300の中の第1表示領域310、第2表示領域320、および第3表示領域330を用いて、当該7セグ表示器300において左詰めで数字が表示されるようにしても良い。
さらに、第2実施形態では、差玉数表示に用いられる第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340に係るドット部分であるドット状点灯部分LB16、LB24、およびLB32の点灯の有無によって、差玉数下部分表示と差玉数上部分表示とを見分けられるように構成されているが、この見分けられるための方法・手段は第2実施形態に限られず適宜に変更しても良い。例えば、第2表示領域320、第3表示領域330、および第4表示領域340に係るドット状点灯部分LB16、LB24、およびLB32に代えて、もしくは加えて差玉数表示に用いられない第1表示領域310に係る点灯部分LB8を用いても良い。また、差玉数下部分表示の場合と差玉数上部分表示の場合とで点灯色を替える(例えば、白と赤)ことで、あるいは差玉数下部分表示の場合と差玉数上部分表示の場合とで点灯態様を替える(例えば、点灯と点滅)ことで、差玉数下部分表示と差玉数上部分表示とを見分けられるようにしても良い。さらには、差玉数下部分表示の場合と差玉数上部分表示の場合とで表示する桁数を替える(例えば、4桁と2桁)ことで、あるいは差玉数下部分表示の場合と差玉数上部分表示の場合とで表示する位置(例えば、右詰めと左詰め)ことで、差玉数下部分表示と差玉数上部分表示とを見分けられるようにしても良い。
また、差玉数表示に係る差玉数表示開始条件の内容も特に限定されず適宜に変更しても良い。例えば、操作する対象をRAMクリアスイッチ191とは異なる操作手段にしても良い。この場合、設定キーシリンダ180や特別リセットスイッチ181が操作されることに応じて差玉数表示が実行されるようにしても良い。あるいは、差玉数表示を実行させるための専用の操作手段を設けて当該操作手段が操作されることに応じて差玉数表示が実行されるようにしても良い。さらには、RAMクリアスイッチ191を含めて、あるいはRAMクリアスイッチ191を除いて複数の操作手段が同時に操作されることに応じて差玉数表示が実行されるようにしても良い。
また、差玉数表示に係る差玉数表示終了条件の内容も特に限定されず適宜に変更しても良い。例えば、差玉数表示が実行されているときに、差玉数表示を開始させるためのRAMクリアスイッチ191と同一のRAMクリアスイッチ191、あるいは差玉数表示を開始させるためのRAMクリアスイッチ191と異なる操作手段を操作することによって、当該差玉数表示が終了するようにしても良い。あるいは、差玉数表示が開始されてから所定時間(例えば、30秒)が経過することに応じて当該差玉数表示が終了するようにしても良い。さらには、差玉数全体表示が所定回数(例えば、5回)実行されることに応じて当該差玉数表示が終了するようにしても良い。
さらには、第2実施形態では、差玉数表示において表示される差玉数は10秒おきに(1回の差玉数全体表示が実行されるたびに)更新されるが、表示する差玉数を更新することなく、差玉数表示が開始されるときの差玉数、言い換えると差玉数表示開始条件が成立して差玉数実行フラグがONされるときの差玉数を表示し続けるようにしても良い。
また、第2実施形態では、遊技制御用マイコン101が差玉数表示を行っているが、演出制御用マイコン121が差玉数表示を行っても良い。この場合、例えば、差玉数表示開始条件が成立すると、遊技制御用マイコン101は、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数に関する情報を演出制御基板120に送信し、演出制御用マイコン121は当該情報に基づいて、表示画面50aに差玉数を表示させることによって、あるいはスピーカー52から差玉数を音声で出力させることによって差玉数を報知するようにしても良い。
さらに、第2実施形態では、差玉数表示によって、そのときの差玉数が表示されているが、表示する対象として、基準数(80000)とそのときの差玉数との差分、詳細には、基準数からそのときの差玉数を減算した値を表示するようにしても良い。この場合も、第2実施形態と同様に、当該差分の下3桁部分と上3桁部分とを分けるなど複数回に分けて表示しても良い。この表示によって、特に、遊技場の従業員は、あとどれくらい差玉数が発生したら過賞球防止機能が作動するのかを直接的に理解することができる。
<第3実施形態>
次に、前述の本発明に係る第1実施形態に基づいて、本発明に係る第3実施形態について説明する。以下においては、主に、第3実施形態として、第1実施形態と異なる点について説明する。また、第1実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3では、遊技用RAM104における非消去記憶部107の差玉数記憶部107cをクリアする処理(第1実施形態における「非消去クリア処理(S202、S1422)」)は、特別リセットスイッチ181を操作しながら当該パチンコ遊技機PY3(主制御基板100)に電力を供給することで実行され、遊技が可能な状態において実行されることはない。言い換えると、パチンコ遊技機PY3は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)、および客待ち計測処理(S1419)ではなく、電源投入時処理(S001)において、遊技用RAM104における差玉数記憶部107cをクリアする処理(非消去クリア処理)を実行可能に構成されている点でパチンコ遊技機PY1と異なる。そして、パチンコ遊技機PY3では、パチンコ遊技機PY1におけるステップS201~ステップS203の処理、およびステップS1419の処理は実行されない。
パチンコ遊技機PY3は、パチンコ遊技機PY1と違って、遊技が実行できない電力が供給されるときに非消去クリア処理を実行可能であることから、電源基板190から主制御基板100に電源電圧が供給されたときの主制御メイン処理について、パチンコ遊技機PY1と異なっている。図57は、第3実施形態に係る主制御メイン処理のフローチャートを示す図である。
図57に示すように、主制御メイン処理では、遊技制御用マイコン101は、まず、割り込みを禁止し(S1)、次いで遊技用RAM104へのアクセスを許可に設定する(S2)。続いて、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチが操作されたか否かを判定し(S3)、操作されていなければ(S3でNO)、後述するステップS8に進み、操作されていれば(S3でYES)、ステップS4において初期化処理を行った後にステップS5に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS4の初期化処理において、遊技用RAM104を初期化する。ただし、遊技制御用マイコン101は、初期化処理において初期化するのは、遊技用RAM104における非消去記憶部107、および不図示の設定値を記憶する領域以外の記憶領域に記憶されている情報である。すなわち、ステップS4の初期化処理において、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報、および設定値を示す情報はクリアされない。したがって、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報、および設定値に関しては電力供給が停止されたときのものが引き継がれることになる。また、前述したように、遊技停止フラグは遊技用RAM104における非消去記憶部107を除く領域にONされるので、前回電力の供給が停止(電力遮断)されるときに遊技停止フラグがON(過賞球防止機能が作動)していたときは、ここで当該遊技停止フラグがOFF(過賞球防止機能が解除)されることになる。
さらに、遊技制御用マイコン101は、ステップS4の初期化処理において、遊技用RAM104の作業領域の初期設定も行う。遊技制御用マイコン101は、この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。そして、初期設定情報には、遊技状態を通常遊技状態にすることが含まれている。すなわち、遊技制御用マイコン101は、ステップS4において、遊技状態として通常遊技状態を設定したことになる。さらに、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定において、遊技用RAM104が初期化(クリア)されたことを通知するためのRAMクリア通知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
次に、遊技制御用マイコン101は、設定値を設定する設定値設定の操作がされているか否かを判定する(S5)。具体的に、遊技制御用マイコン101は、設定キーシリンダ180が基準状態から回転操作されているか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、設定値設定の操作がされていないと判定すると(S5でNO)そのままステップS7に進み、設定値設定の操作がされていると判定すると(S5でYES)、設定値を設定する設定値設定処理(S6)を行った後にステップS7に進む。前述したように、パチンコ遊技機PY1では、設定値は1種類のみ設定されており、本実施形態でも同様に設定値は1種類のみ設定されている。
遊技制御用マイコン101は、ステップS7において、RAMクリアスイッチ191が操作されて電源が投入されたこと、言い換えると、遊技用RAM104の非消去記憶部107を除く部分がクリアされて電源が投入されたことを示す電源投入コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、ステップS17に進む。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS8において、バックアップがされているか否かを判定する。例えば、遊技制御用マイコン101は、電力供給が停止されると(電断時に)、図示しないバックアップ処理を行う。バックアップ処理では、データの保持、チェックサムの算出・記憶、および電源断フラグのONなどがなされる。遊技制御用マイコン101は、電源断フラグがONであると、バックアップされていると判定し、電源断フラグがONではなければ、バックアップされていないと判定する。
そして、遊技制御用マイコン101は、バックアップされていないと判定すると(S8でNO)、ステップS17に進み、バックアップされていると判定すると(S8でYES)、チェックサムを算出して(S9)、これを電断時に算出しておいたチェックサムと比較し、チェックサムは正常であるか否かを判定する(S10)。チェックサムは、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計が算出されたものである。
遊技制御用マイコン101は、前述の図示しないバックアップ処理において算出・記憶したチェックサム値と、ステップS9において算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定し、一致した場合にチェックサムは正常であると判定し、一致しなかった場合にチェックサムは正常ではないと判定する。そして、遊技制御用マイコン101は、チェックサムが正常であると判定すると(S10でYES)、ステップS11に処理を移行し、チェックサムが正常でない(異常である)と判定すると(S10でNO)、遊技禁止処理(エラー設定)を行う(S13)。具体的には、遊技制御用マイコン101は、遊技禁止処理として、画像表示装置50等を用いたエラー報知を行わせるためのエラーコマンドを演出制御基板120に送信したり、後述の設定値設定処理が行われない限りエラーを解除することが不可能となるような処理を行ったりする。そして、遊技制御用マイコン101は、当該エラーを解除するための不図示の所定処理が実行されない限り当該処理に留まる。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS11の復帰処理において、前回の電力供給が停止される際に遊技用RAM104に記憶されていた各種遊技に関する情報を復帰させる復帰処理を行い、ステップS12に進む。遊技制御用マイコン101は、ステップS11の復帰処理において、当該電源の復旧時における遊技用RAM104の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。すなわち、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104について、電力供給が停止される直前の状態に復帰させる。そして、復電時情報には、電力供給が停止される直前の遊技状態を示す情報が含まれている。したがって、遊技制御用マイコン101は、ここで電力供給が停電される直前(電断時)の遊技状態を設定することになる。そして、遊技制御用マイコン101は、復帰処理において、電断時の遊技状態を示すコマンド(遊技状態指定コマンド)を遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS12において、特別リセットスイッチ181の操作がされているか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、特別リセットスイッチ181の操作がされていると判定すると(S12でYES)、ステップS14に進み、特別リセットスイッチ181の操作がされていないと判定すると(S12でNO)、特別リセットスイッチ181、およびRAMクリアスイッチ191の双方が操作されずに電源が復旧(電力が供給)されたこと、言い換えると、差玉数に関する情報を含む遊技に関する情報がクリアされずに電源が復旧されたことを示す通常電源復旧コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、ステップS17に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS14において、非消去クリア処理を行い、ステップS15において、RAMクリアスイッチ191は操作されていないが特別リセットスイッチ181が操作されて電源が復旧(電力が供給)されたこと、言い換えると、差玉数は除く主要な遊技に関する情報はクリアされていないが差玉数に関する情報はクリアされて電源が復旧されたことを示す特別電源復旧コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、ステップS17に進む。
遊技制御用マイコン101はステップS17において、使用するCTC(Counter/Timer Circuit:割り込み時間の管理のための回路)等を設定するCTC起動設定処理を行い、ステップS18において、割り込みを許可する。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S19)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S18)がされてから開始される。
なお、遊技制御用マイコン101は、ステップS17において、最初に割り込みを許可するまでの待機時間(例えば、3秒)を計測する。待機時間は、演出制御基板120などの周辺基板のシステムが起動(電源投入時処理が完了)するまで待機する時間である。この待機時間は適宜に設定可能であるが、本実施形態では、3.0秒に設定されている。したがって、遊技用RAM104の出力バッファにセットされたRAMクリア通知コマンド、電源投入コマンド、電断時の遊技状態を示すコマンド(遊技状態指定コマンド)、通常電源復旧コマンド、および特別電源復旧コマンドは、この後最初に行われるメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理にて、演出制御基板120に送信されることになる。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理が終了すると、遊技制御用マイコン101は、ステップS20において、電力の供給が停止(電源が遮断)されたか否かを判定する。具体的には、遊技制御用マイコン101は、電源基板190の電断検出回路(不図示)から電断検出信号が入力したか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、電源が遮断されていないと判定すると(S20でNO)、ステップ18に進んで割り込みを許可する。一方、遊技制御用マイコン101は、電源が遮断されたと判定すると(S20でYES)、割り込みを禁止し(S21)、遊技用RAM104へのアクセスを禁止して、バックアップ処理として、遊技用RAM104に記憶されているデータをバックアップデータとして記憶し、さらにはチェックサム値を算出して記憶してから、パチンコ遊技機PY3の電源が遮断されるのを待つ(S22)。
前述のように、RAMクリアスイッチ191が操作されずに電力が供給された場合は、電力が供給されてから所定の待機時間(3秒)が経過したときに通常電源復旧コマンド、または特別電源復旧コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。ここで、前述したように、演出制御用マイコン121は、電力が供給されると直ぐに、最初に初期動作確認時間(20秒)掛けて初期動作確認を行うが(S4205)、その間、言い換えると初期動作確認の完了に応じた画像(客待ちデモ動画G100)が表示されるまでの間、通常電源復旧コマンド、および特別電源復旧コマンドに応じた演出が実行される。通常電源復旧コマンドに応じた演出は、通常電源復旧演出であり、特別電源復旧コマンドに応じた演出は、特別電源復旧演出である。
通常電源復旧演出、および特別電源復旧演出は共に、電力が復旧されていることを示唆する演出である。さらに、通常電源復旧演出は、差玉数がクリアされていない場合に生成コマンドであることから、差玉数がクリアされていないことも示唆する演出である。一方、特別電源復旧演出は、差玉数がクリアされた場合に生成コマンドであることから、差玉数がクリアされたことも示唆する演出である。
なお、通常電源復旧演出と特別電源復旧演出のことを「電源復旧演出」と総称する。また、特別電源復旧演出の具体的な演出内容は、電力が復旧されていること、および差玉数がクリアされたことを遊技場の従業員が認識できる範囲で適宜に変更しても良い。通常電源復旧演出の具体的な表示内容は、電力が復旧されていること、および差玉数がクリアされたことを遊技場の従業員が認識できる範囲で適宜に変更しても良い。
第3実施形態において、通常電源復旧演出は、通常電源復旧演出に応じた画像(通常電源復旧画像)G150Bの表示画面50aへの表示で構成されている。また、特別電源復旧演出は、特別電源復旧演出に応じた画像(特別電源復旧画像)G150Aの表示画面50aへの表示で構成されている。
通常電源復旧画像G150B、および特別電源復旧画像G150Aの何れも電力が復旧されていることを示唆する画像である。さらに、通常電源復旧画像G150Bは、差玉数がクリアされていないことも示唆する画像である。一方、特別電源復旧画像G150Aは、差玉数がクリアされたことも示唆する画像である。なお、以下において、通常電源復旧コマンドと特別電源復旧コマンドのことを「電源復旧コマンド」と総称し、特別電源復旧画像G150Aと通常電源復旧画像G150Bのことを「電源復旧画像G150」と総称する。
図58(A)は、特別電源復旧画像G150Aが表示画面50aに表示(特別電源復旧演出が実行)されている様子を表す図であり、図58(B)は、通常電源復旧画像G150Bが表示画面50aに表示(通常電源復旧演出が実行)されている様子を表す図である。
図58(A)に示すように、特別電源復旧画像G150Aは、白色の背景画像の上に、電力が復旧されていることを示唆する文字「電源復旧中」、および差玉数がクリアされたことを示唆する文字「差玉数をクリアしました」が表示されるように構成されている。一方、図58(B)に示すように、通常電源復旧画像G150Bは、灰色の背景画像の上に、電力が復旧されていることを示唆する文字「電源復旧中」、および差玉数がクリアされていないことを示唆する文字「差玉数をクリアしていません」が表示されるように構成されている。そして、演出制御用マイコン121は、初期動作確認が完了すると、特別電源復旧画像G150A、または通常電源復旧画像G150Bから客待ちデモ動画G100に切り替える。
なお、特別電源復旧画像G150Aの具体的な表示内容は、電力が復旧されていること、および差玉数がクリアされたことを遊技場の従業員が認識できる範囲で適宜に変更しても良い。通常電源復旧画像G150Bの具体的な表示内容は、電力が復旧されていること、および差玉数がクリアされたことを遊技場の従業員が認識できる範囲で適宜に変更しても良い。
また、実際には、特別電源復旧画像G150A、または通常電源復旧画像G150Bが表示されている間、電力が正常に供給されているので、電源の復旧が完了に向かって進行している訳ではなく、遊技を実行することが可能な状態であるが、演出制御基板120が各種演出装置(スピーカー52、枠ランプ53、盤ランプ54、盤上可動装置55、盤下可動装置56、枠可動装置58)について初期動作確認を行っているので、遊技が開始されると当該各種演出装置に不具合が発生するおそれがあるので、敢えて「電源復旧中」と、電源の復旧中であり遊技が実行できないかのように表示されている。
以上のようにパチンコ遊技機PY3によれば、遊技者に付与される賞球数に基づく差玉数(特定計測数)を計測可能であり、計測した差玉数(特定計測数)を遊技用RAM104の非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶可能であり、差玉数(特定計測数)が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(過賞球防止機能が作動した状態)に制御することがある。したがって、遊技者に対して過剰な賞球が付与されることを防ぐことができる。さらに、当該主制御基板100(当該パチンコ遊技機PY3)に電力が供給される際に、差玉数記憶部107cに記憶された差玉数(特定計測数)をクリアするときとクリアしないときとがあり、少なくとも、差玉数記憶部107cに記憶された差玉数(特定計測数)がクリアされた場合、および差玉数記憶部107cに記憶された差玉数(特定計測数)がクリアされなかった場合の何れか一方において、当該事項を報知する報知手段(特別電源復旧演出や通常電源復旧演出を実行する演出制御用マイコン121)を備えるので、遊技場の従業員は、差玉数(特定計測数)がクリアされたのかクリアされていないのかを把握して差玉数(特定計測数)の管理を適切に行うことができる。その結果、遊技者が不利益を被り遊技興趣が低下することを防ぐことができる。
また、パチンコ遊技機PY3によれば、通常電源復旧演出が実行されることによって、少なくとも差玉数記憶部107cに記憶された差玉数(特定計測数)がクリアされなかった場合、当該差玉数(特定計測数)がクリアされなかったことが報知されるので、例えば、前日の差玉数(特定計測数)が引き継がれて遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。さらに、パチンコ遊技機PY3によれば、特別リセットスイッチ181(特定操作手段)をさらに備え、主制御基板100(当該パチンコ遊技機PY3)に電力が供給される際に、特別リセットスイッチ181(特定操作手段)が操作されていることを条件に差玉数記憶部107cに記憶された差玉数(特定計測数)がクリアされ、特別リセットスイッチ181が操作されなかった場合は差玉数記憶部107cに記憶された差玉数(特定計測数)がクリアされないので、遊技場の従業員は、差玉数(特定計測数)の管理を適切に行うことができるようになる。その結果、遊技者が不利益を被り遊技興趣が低下することを防ぐことができる。
(第3実施形態の変更例)
次に、第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
第3実施形態では、特別リセットスイッチ181を操作しながら電力が供給されると、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cがクリアされ、差玉数がクリアされたことを示唆する特別電源復旧演出が実行されているが、差玉数記憶部107cがクリアされる方法は第3実施形態に限られず適宜に変更しても良い。例えば、RAMクリアスイッチ191を操作しながら電力が供給されると、差玉数記憶部107cがクリアされ、差玉数がクリアされたことを示唆する特別電源復旧演出が実行されるようにしても良い。
また、第3実施形態では、表示画面50aへの表示によって、差玉数がクリアされたことを示唆する特別電源復旧演出、または差玉数がクリアされていないことを示唆する通常電源復旧演出が実行されることによって、遊技場の従業員は、差玉数がクリアされたかクリアされていないかを認識できるが、特別電源復旧演出、および通常電源復旧演出を実行する演出装置は、画像表示装置50(表示画面50a)に限られず、差玉数がクリアされたかクリアされていないかを従業員が認識できる範囲で、適宜に変更しても良い。例えば、特別電源復旧演出、および通常電源復旧演出をスピーカー52からの音声の出力、枠ランプ53や盤ランプ54の発光で構成しても良い。ただし、この場合は、当該演出装置は、初期動作確認の対象から除外されることが好ましい。
また、第3実施形態では、特別電源復旧演出、および通常電源復旧演出は、同一の画像表示装置50(表示画面50a)を用いて実行されているが、特別電源復旧演出に係る演出装置と通常電源復旧演出に係る演出装置とが異なっていても良い。
さらに、第3実施形態では、特別電源復旧演出のときと通常電源復旧演出のときとで異なる画像が表示画面50aに表示されているが、通常電源復旧演出のときと特別電源復旧演出のときとで共通の電源が復旧中であることを示唆する画像を表示し、特別電源復旧演出のときは、スピーカー52からの音声出力などの表示画面50aとは異なる演出装置を用いて差玉数がクリアされたことを示唆する一方、通常電源復旧演出のときは、スピーカー52からの音声出力などの表示画面50aとは異なる演出装置を用いて差玉数がクリアされていないことを示唆するようにしても良い。
また、第3実施形態では、電力が供給されるときに、差玉数がクリアされている場合、および差玉数がクリアされていない場合の何れの場合もそのことが示唆されているが、例えば、差玉数がクリアされていない場合などの何れか一方の場合は、そのことが示唆されずに、差玉数がクリアされた場合などの何れか他方の場合は、そのことが示唆されるようにして、遊技場の従業員が、差玉数がクリアされたのか差玉数がクリアされていないのかを認識できるようにしても良い。
さらに、第3実施形態では、差玉数がクリアされていること、および差玉数がクリアされていないことの何れについても、初期動作確認が実行されている全期間において示唆されているが、差玉数がクリアされていること、および差玉数がクリアされていないことを示唆する期間は適宜に変更しても良い。例えば、初期動作確認が開始されてから所定時間が経過してから差玉数がクリアされていること、および差玉数がクリアされていないことが示唆され、初期動作確認の終了に伴って当該示唆を終了するようにしても良い。また、初期動作確認の開始に伴って差玉数がクリアされていること、および差玉数がクリアされていないことが示唆され、初期動作確認の途中で当該示唆が終了するようにしても良い。あるいは、初期動作確認が開始されてから所定時間が経過してから差玉数がクリアされていること、および差玉数がクリアされていないことが示唆され、初期動作確認の途中で当該示唆が終了するようにしても良い。
また、第3実施形態では、差玉数がクリアされていることが示唆されている時間、および差玉数がクリアされていないことが示唆されている時間は同一であるが、異なるようにしても良い。
<第4実施形態>
次に、前述の本発明に係る第3実施形態に基づいて、本発明に係る第4実施形態について説明する。以下においては、主に、第4実施形態として、第3実施形態と異なる点について説明する。また、第3実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機PY4では、遊技用RAM104における差玉数記憶部107cをクリアする処理(第3実施形態における「非消去クリア処理(S14)」)は、前扉23が開放した状態で当該パチンコ遊技機PY4に電力が供給されることで実行され、前扉23が閉鎖した状態で当該パチンコ遊技機PY4に電力が供給されることで実行されることはない。
なお、パチンコ遊技機PY4は、パチンコ遊技機PY3の場合と同様に、主制御メイン処理において、遊技用RAM104における差玉数記憶部107cをクリアする処理(第3実施形態における「非消去クリア処理(S14)」)を実行可能に構成されている。また、第4実施形態でも、第2実施形態の場合と同様に、前扉開放センサは、当該開放が行われている間は、検知信号(前扉開放検知信号)を主制御基板100に出力し続けるように構成されているものとする。
図59は、第4実施形態に係る主制御メイン処理のフローチャートである。なお、ここでは、第3実施形態に係る主制御メイン処理との相違点について説明する。図59に示すように、主制御メイン処理では、遊技制御用マイコン101は、ステップS12において、前扉23が閉鎖されているか否かを判定する。言い換えると、遊技制御用マイコン101は、ステップS12において、前扉開放センサから前扉23を開放していることを検知する信号(前扉開放検知信号)が入力しているか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、前扉23が開放していない(前扉開放検知信号が入力していない)、すなわち前扉23が閉鎖していると判定すると(S12でYES)、ステップS14に進み、前扉23が開放している(前扉開放検知信号が入力している)と判定すると(S12でNO)、通常電源復旧コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、ステップS17に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS14において、非消去クリア処理を行い、ステップS15において、特別電源復旧コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、ステップS17に進む。
このように、パチンコ遊技機PY4によれば、遊技者に付与される賞球数に基づく差玉数(特定計測数)を計測可能であり、計測した差玉数(特定計測数)を遊技用RAM104の非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶可能であり、差玉数(特定計測数)が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(過賞球防止機能が作動した状態)に制御することがある。さらに、前扉23が開放した状態で主制御基板100(当該パチンコ遊技機PY4)に電力が供給されると、差玉数記憶部107cがクリアされて、差玉数に関する情報が消去される一方、前扉23が閉鎖した状態で主制御基板100(当該パチンコ遊技機PY4)に電力が供給されると、差玉数記憶部107cがクリアされずに、差玉数に関する情報は消去されない。差玉数に関する情報が消去されるということは、差玉数がリセットされる(「0」になる)ということであり、差玉数に関する情報が消去されないということは、前回電力供給が停止したときの差玉数がそのまま引き継がれるということである。前述の通り、電源スイッチ193は前扉23を開放しないと操作できない箇所に取り付けられているので、前扉23が開放した状態で主制御基板100(当該パチンコ遊技機PY4)に電力が供給されたということは、おそらく、遊技場の営業中に、当該パチンコ遊技機PY4の不具合や当該パチンコ遊技機PY4への不正などが生じたため、従業員が一度電源スイッチ193をOFF操作して再度ON操作したと考えられる。よって、そのような状況で、差玉数がリセットされると、過賞球防止機能に支障を来し、また例えば、過賞球防止機能が作動する間際にわざと差玉数をリセットするという不正が可能となるが、このような状況での電源スイッチ193のOFF操作からON操作への切り替えによっては、差玉数に関する情報は消去されないので、過賞球防止機能に支障を来すこと、および過賞球防止機能が作動する間際にわざと差玉数をリセットするという不正を防止することができる。一方、前扉23が閉鎖した状態で主制御基板100(当該パチンコ遊技機PY4)に電力が供給されたということは、おそらく、当該パチンコ遊技機PY4を起動させる(主制御基板100に電力を供給する)ため、電源スイッチ193がON操作されている状態で、島電源供給装置が電源投入されて島電源供給装置から当該パチンコ遊技機PY4に電力が供給されたと考えられる。一般的には、遊技場には当該パチンコ遊技機PY4を含めて多数のパチンコ遊技機が設定されているところ、遊技場の閉店時には、効率良く各パチンコ遊技機を終了させる(各パチンコ遊技機への電力供給を停止させる)ために、電源スイッチ193をON操作状態にしたまま島電源供給装置に対して電源を遮断するための操作し、遊技場の開店時には、効率良く各パチンコ遊技機を起動させる(各パチンコ遊技機に電力を供給させる)ために、遊技場の従業員は、電源スイッチ193がON操作状態にされたまま島電源供給装置に対して電源を投入するための操作をするが、その際に確実に差玉数に関する情報を消去することで、例えば、前日遊技場が閉店する間際に差玉数が基準数に迫っていてもう少しで過賞球防止機能が作動するという状況であった場合に、翌日の開店時に差玉数が引き継がれて、遊技者が遊技を行って直ぐに差玉数が基準数に達して過賞球防止機能が作動するという事態を防ぐことができる。
なお、第4実施形態では、パチンコ遊技機PY4は、前扉23が閉鎖した状態で電力が供給されると差玉数記憶部107cがクリアされ、前扉23が開放した状態で電力が供給されると差玉数記憶部107cがクリアされないように構成されているが、この差玉数記憶部107cのクリアの条件に係る前扉23を前枠23mに代えて、前枠23mが閉鎖した状態で電力が供給されると差玉数記憶部107cがクリアされ、前枠23mが開放した状態で電力が供給されると差玉数記憶部107cがクリアされないように構成しても良い。また、差玉数記憶部107cのクリアの条件に前枠23mに代えて、前扉23、および前枠23mの双方が閉鎖した状態で電力が供給されると差玉数記憶部107cがクリアされ、前扉23、および前枠23mの双方が開放した状態で電力が供給されると差玉数記憶部107cがクリアされないように構成しても良い。
<第5実施形態>
次に、前述の本発明に係る第1実施形態に基づいて、本発明に係る第5実施形態について説明する。以下においては、主に、第5実施形態として、第1実施形態と異なる点について説明する。また、第1実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第5実施形態に係るパチンコ遊技機PY5は、大当たり図柄種別乱数の数値範囲、大当たり図柄の種別、大当たり図柄の種別に基づく大当たり遊技を構成する要素、ならびに大当たり図柄の種別に基づく大当たり遊技の終了に応じた遊技状態およびその終了条件についてパチンコ遊技機PY1と異なる。
パチンコ遊技機PY5に係る大当たり図柄種別乱数の数値範囲は「0~99」に設定されている。また、パチンコ遊技機PY5に係る大当たり図柄種別として、大当たり図柄A~大当たり図柄Fの6種類の大当たり図柄が設定されている。詳細には、特図1に係る大当たり図柄として、大当たり図柄A~大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄が設定され、特図2に係る大当たり図柄として、大当たり図柄D~大当たり図柄Fの3種類の大当たり図柄が設定されている。
ここで、第5実施形態に係る大当たり図柄種別判定テーブルの構成例を示す図60に示す。図60に示すように、特図1に係る大当たり図柄種別判定テーブルによると、10/100の確率で大当たり図柄Aに決定され、45/100の確率で大当たり図柄Bに決定され、45/100の確率で大当たり図柄Cに決定される。一方、特図2に係る大当たり図柄種別判定テーブルによると、50/100の確率で大当たり図柄Dに決定され、30/100の確率で大当たり図柄Eに決定され、20/100の確率で大当たり図柄Fに決定される。
各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が、図60に示す選択率となるように適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の数、および各大当たり図柄種別の選択率は、第5実施形態に限られず適宜に設定しても良い。
次に、第5実施形態に係る大当たり遊技について説明する。第5実施形態においても、大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)、言い換えると大当たり遊技を制御するための大当たり遊技制御テーブルは、停止表示した特別図柄の種別、詳細には、当該大当たり遊技の実行契機となる大当たり図柄種別に対応付けられている。大当たり遊技制御テーブルの構成例を図61(A)に示す。
大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が8回行われる。そして、1Rから8Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングが行われる。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングが行われる。
大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が4回行われる。そして、1Rから4Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放する。また、第2大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングが行われる。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第2大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングが行われる。
大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が4回行われる。そして、1Rから4Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放する。また、第3大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングが行われる。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第3大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングが行われる。
大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放する。また、第4大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングが行われる。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第4大当たり遊技が終了するまでの間、10.0秒間にわたり第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングが行われる。
大当たり図柄Eに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第5大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放する。また、第5大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングが行われる。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、10.0秒間にわたり第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングが行われる。
大当たり図柄Fに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第6大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が2回行われる。そして、1Rから2Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放する。また、第6大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングが行われる。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第6大当たり遊技が終了するまでの間、10.0秒間にわたり第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングが行われる。
なお、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が第1大入賞口センサ14aによって検知されると、第1大入賞口14の最大開放時間が経過する前であっても、第1大入賞口14を閉鎖してラウンド遊技が終了する。すなわち、各ラウンド遊技において、最大、所定個数(入賞規定個数)の遊技球を第1大入賞口14に入賞させることが可能である。また、大当たり遊技構成要素の種類や具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
また、図61(A)に示す大当たり遊技制御テーブルでは、何れの種類の大当たり遊技が実行されるかは、大当たり図柄種類によって決定されているが、これとは異なる方法で大当たり遊技が実行されるようにしても良い。例えば、遊技領域6に2つの入賞口に振分け可能な装置を設け、一方の入賞口に入賞すると所定数のラウンド遊技からなる大当たり遊技のみが実行される一方、他方の入賞口に入賞すると、所定数より多いラウンド遊技からなる大当たり遊技と所定数より少ないラウンド遊技からなる大当たり遊技の何れかが抽選などによって所定の確率で実行されるようにしても良い。
次に、パチンコ遊技機PY5が、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行させる遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件について説明する。第5実施形態では、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行する遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、当該大当たり遊技の実行契機となる大当たり図柄種別に対応付けられている。ここで、大当たり図柄種別と、当該大当たり図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および当該遊技状態に係る終了条件との関係を表したテーブル(大当たり遊技後遊技状態移行テーブル)の構成例を図61(B)に示す。
図61(B)に示すように、パチンコ遊技機PY5においては、大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄D、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技(第1大当たり遊技、第2大当たり遊技、第4大当たり遊技、および第5大当たり遊技)の終了に応じて高確率高ベース遊技状態に移行する。そして、各大当たり図柄種別に基づく高確率高ベース遊技状態については終了条件が設けられていない。すなわち、次に大当たり当選するまで高確率高ベース遊技状態が継続可能である。よって、遊技を継続する限り、実質的には、次回の大当たり当選が確約されている(大当たりが確定している)ということになる。
また、図61(B)に示すように、パチンコ遊技機PY5においては、大当たり図柄C、および大当たり図柄Fに係る大当たり遊技(第3大当たり遊技、および第6大当たり遊技)の終了に応じて低確率高ベース遊技状態に移行する。そして、各大当たり図柄種別に基づく低確率高ベース遊技状態については終了条件が設けられている。具体的には、各低確率高ベース遊技状態の終了条件として、100回の特図2可変表示が実行されることに設定されている。なお、この大当たり種別図柄と大当たり遊技の終了に応じて移行する遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容との関係は一例であって、これに限られない。
次に、パチンコ遊技機PY5の過賞球防止機能について説明する。パチンコ遊技機PY5も、パチンコ遊技機PY1と同様に、差玉数が基準数に達することを条件に、過賞球防止機能が作動する(遊技を行うことができない状態(特定状態)に制御される)が、過賞球防止機能が作動するタイミングについてパチンコ遊技機PY5は、パチンコ遊技機PY1と異なる。
パチンコ遊技機PY5では、大当たり遊技中に差玉数が基準数に達すると、当該大当たり遊技が終了するときに、詳細には、当該大当たりのエンディングが終了するときに過賞球防止機能が作動する(遊技を行うことができない状態(特定状態)に制御される)。したがって、パチンコ遊技機PY1に比べて早いタイミングで過賞球防止機能が作動することになる。なお、遊技制御用マイコン101が行う過賞球防止機能作動に係る処理内容は適宜に設定可能であるが、例えば、第1実施形態の遊技状態管理処理(S1902)におけるステップS2009~ステップS2012の処理が、第1実施形態の特別電動役物処理(S1307)におけるステップS2721の後に行われる。
また、パチンコ遊技機PY5は、差玉数が80000に達した場合の演出(図28(B)に示す赤色の赤縁画像EFbの表示、および遊技停止予告画像KH、ならびに図29(B)に示す赤縁画像EFbの表示)を実行しない。
次に、パチンコ遊技機PY5が、大当たり遊技が開始される際に過賞球防止機能に係る特定条件が成立したことに応じて、当該大当たり遊技中に実行する過賞球関連特別演出について説明する。
過賞球関連特別演出に係る特定条件は、これから開始される大当たり遊技が相対的に獲得可能な賞球数が少ない大当たり遊技であり、当該大当たり遊技で獲得可能な賞球数(大当たり獲得予定賞球数)が、そのときの基準数から差玉数を減算した値(過賞球残り賞球数)を超えていて、当該大当たり遊技の終了に応じ高確率高ベース遊技状態に移行することである。すなわち、特定条件は、(1)これから開始される大当たり遊技が相対的に獲得可能な賞球数が少ない大当たり遊技であること(個別特定条件1)、(2)当該大当たり遊技で獲得可能な賞球数(大当たり獲得予定賞球数)が、そのときの基準数から差玉数を減算した値(過賞球残り賞球数)を超えていること(個別特定条件2)、(3)当該大当たり遊技の終了に応じ高確率高ベース遊技状態に移行すること(個別特定条件3)の3つの個別特定条件で構成されている。
ここで、大当たり獲得予定賞球数について説明する。前述の通り、所謂「オーバー入賞」を考慮しなければ、各ラウンド遊技において、最大で入賞規定個数(10個)の遊技球を第1大入賞口14に入賞させることが可能であり、1回の第1大入賞口への入賞に基づいて、15個の賞球は払い出される。したがって、第1大当たり遊技の大当たり獲得予定賞球数は、1200個(15個×10個×8回のラウンド遊技)となり、第2大当たり遊技、および第3大当たり遊技の大当たり獲得予定賞球数は、600個(15個×10個×4回のラウンド遊技)となり、第4大当たり遊技の大当たり獲得予定賞球数は、1500個(15個×10個×10回のラウンド遊技)となり、第5大当たり遊技の大当たり獲得予定賞球数は、900個(15個×10個×6回のラウンド遊技)となり、第6大当たり遊技の大当たり獲得予定賞球数は、300個(15個×10個×2回のラウンド遊技)となる。
そして、第5実施形態では、獲得可能な賞球数が相対的に少ない(個別特定条件1が成立する)大当たり遊技として、第2大当たり遊技、第3大当たり遊技、第5大当たり遊技、および第6大当たり遊技が設定されている。ただし、第3大当たり遊技、および第6大当たり遊技については、当該大当たり遊技の終了に応じて、低確率高ベース遊技状態に移行することから、第3大当たり遊技、および第6大当たり遊技が開始されても個別特定条件3は成立していないことになる。一方、第2大当たり遊技、および第5大当たり遊技については、当該大当たり遊技の終了に応じて、高確率高ベース遊技状態に移行することから、第2大当たり遊技、および第5大当たり遊技が開始されると個別特定条件3が成立していることになる。
なお、獲得可能な賞球数が相対的に少ない大当たり遊技は、遊技者にとっては、賞球獲得の観点から相対的に不利であるので、当該大当たり遊技(第2大当たり遊技、第3大当たり遊技、第5大当たり遊技、および第6大当たり遊技)のことを「不利大当たり遊技」と称することもある。一方、獲得可能な賞球数が相対的に多い大当たり遊技は、遊技者にとっては、賞球獲得の観点から相対的に有利であるので、当該大当たり遊技(第1大当たり遊技、および第4大当たり遊技)のことを「有利大当たり遊技」と称することもある。
次に、特定条件が成立した場合の状況について説明する。個別特定条件1、および個別特定条件2が成立したということは、これから不利大当たり遊技が開始されるが、当該不利大当たり遊技において普通に第1大入賞口14を狙って遊技球を発射し続けると、差玉数が基準数に到達して、当該不利大当たり遊技の終了に応じて過賞球防止機能が作動し、当該パチンコ遊技機PY5に係る遊技が停止する。ここで、個別特定条件3も成立したということは、当該大当たり遊技の終了に応じて高確率高ベース遊技状態に移行するということであるので、基本的には、そのまま遊技を継続すると、再度、大当たり当選することになる。そして、そのように大当たり当選がほぼ確定している中で、特図2可変表示(特図2抽選(特図2に係る大当たり判定、大当たり種別判定など)によって、有利大当たり遊技が実行される可能性もある。すなわち、特定条件が成立するということは、これから開始される不利大当たり遊技で賞球獲得を我慢すると、当該大当たり遊技後に有利大当たり遊技の実行のチャンスがあり、今回よりも多くの賞球を獲得できる可能性があるという状況である。言い換えると、この後に、より多くの賞球を獲得できる可能性があるにも関わらず、今回の大当たり遊技を普通に消化させる(遊技球を発射して第1大入賞口14に入賞させる)と遊技者は損をするという状況である。
なお、特定条件には、個別特定条件3が含まれているので、当該大当たり遊技の終了に応じて低確率高ベース遊技状態に移行する場合は、特定条件が成立しない。これは、パチンコ遊技機PY5で遊技を行っている限りは、当該大当たり遊技の後に有利大当たり遊技が実行される可能性はあるが、通常確率状態で遊技を行うので、有利大当たり遊技実行の前提となる大当たり当選自体、容易ではない状況となる。そうすると、所持する遊技球をかなり消費するおそれもある。
次に、過賞球関連特別演出について説明する。過賞球関連特別演出は、直接的に、または間接的に過賞球防止機能に関する演出である。過賞球関連特別演出には大きく分けて、遊技球を発射しない方が良いことを示唆する発射消極演出と、最後のラウンド遊技が終了するまでの残り時間を示唆する大当たり終了残り時間示唆演出とがある。発射消極演出には、さらに、第1発射消極演出と、第2発射消極演出とがある。
前述の特定条件が成立した状況で発射消極演出が実行されることによって、遊技者による遊技球の発射を阻止できれば、遊技者の不利益を抑えることができる。また、前述の特定条件が成立した状況で大当たり終了残り時間示唆演出が実行されることによって、当該大当たり遊技で遊技球の発射を行わずに退屈している遊技者に対して、最後のラウンド遊技が終了するまでの残り時間を示唆することで、遊技者のストレスを軽減することができる。
第1発射消去演出は、大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始するまでの間、言い換えると、オープニング中に継続的に実行される。第2発射消極演出は、最初のラウンド遊技が開始(オープニングが終了)されてから最後のラウンド遊技が終了(エンディングが開始)するまでの間、言い換えると、全ラウンド遊技中に継続的に実行される。大当たり終了残り時間示唆演出は、最初のラウンド遊技が開始(オープニングが終了)されてから最後のラウンド遊技が終了(エンディングが開始)するまでの間、言い換えると、全ラウンド遊技中に継続的に実行される。
発射消極演出の具体的な演出内容は、遊技者が遊技球を発射しない方が良いことを認識できる範囲、言い換えると、不利大当たり遊技が開始されるときに、不利大当たり遊技において獲得可能(付与可能)な遊技球が獲得(付与)されると差玉数が基準数に達して過賞球防止機能が作動することになることを遊技者が認識可能な範囲で適宜に設定しても良い。また、大当たり終了残り時間示唆演出の具体的な演出内容は、当該大当たり遊技が終了するまでの残り時間を遊技者が認識できる範囲で適宜に設定しても良い。
第5実施形態において、第1発射消極演出は、第1発射消極演出に対応付けられた専用の画像(第1発射消極演出画像)G160Aの表示画面50aへの表示で構成されている。第2発射消極演出は、第2発射消極演出に対応付けられた専用の(第2発射消極演出画像)G160Bの表示画面50aへの表示で構成されている。大当たり終了残り時間示唆演出は、大当たり終了残り時間示唆演出に対応付けられた専用の画像(大当たり終了残り時間示唆演出)G161の表示画面50aへの表示で構成されている。なお、第1発射消極演出画像G160Aと、第2発射消極演出画像G160Bとを合わせて「発射消極演出画像G160」と総称することもある。
また、第1発射消極演出画像G160Aは、遊技球を発射しない方が良いことを示唆する画像であるが、遊技球を発射しない方が良いことの他に、大当たり遊技が開始されることも示唆する。すなわち、第1発射消極演出画像G160Aは、第1実施形態のオープニング画像G107のような大当たり遊技の開始を示唆する画像(オープニング画像)としても機能する。
また、第1発射消極演出画像G160Aは、特定条件が成立した場合の大当たり遊技のオープニングにおいて、オープニング画像G107の代わりに表示される。すなわち、特定条件が成立していない場合には、オープニング画像G107が通常のオープニング画像として表示され、特定条件が成立している場合には、第1発射消極演出画像G160Aが特別なオープニング画像として表示される。そこで、本実施形態では、オープニング画像G107が、特定条件が成立していないときに表示される通常のオープニング画像であることを位置付けるために、「通常オープニング画像G107」と称する。
なお、第5実施形態に係る通常オープニング画像G107は、第1実施形態に係る通常オープニング画像G107と異なる。第5実施形態では、各大当たり遊技に名称が対応付けられており、通常オープニング画像G107は大当たり遊技単位で設定され、当該大当たり遊技の名称を表す文字で構成されている。
第5実施形態では、大当たり図柄Aに係る第1大当たり遊技には「HYPER BONUS」という名称が対応付けられ、大当たり図柄B、大当たり図柄Cに係る第2大当たり遊技、第3大当たり遊技には「REGULAR BONUS」という名称が対応付けられ、大当たり図柄Dに係る第4大当たり遊技には「BIG BONUS」という名称が対応付けられ、大当たり図柄Eに係る第5大当たり遊技には「MEDIUM BONUS」という名称が対応付けられ、大当たり図柄Fに係る第6大当たり遊技には「MINI BONUS」という名称が対応付けられている。
そして、通常オープニング画像G107として、第1大当たり遊技に対応付けられた第1通常オープニング画像G107Aと、第2大当たり遊技、および第3大当たり遊技に対応付けられた第2通常オープニング画像G107Bと、第4大当たり遊技に対応付けられた第4通常オープニング画像G107Dと、第5大当たり遊技に対応付けられた第5通常オープニング画像G107Eと、第6大当たり遊技に対応付けられた第6通常オープニング画像G107Fとがある。
図62(A)~図62(E)は、第1通常オープニング画像G107A(図62(A))、第2通常オープニング画像G107B(図62(B))、第4通常オープニング画像G107D(図62(C))、第5通常オープニング画像G107E(図62(D))、および第6通常オープニング画像G107F(図62(E))のそれぞれが表示画面50aに表示されている様子を表す図である。
第1大当たり遊技、第3大当たり遊技、第4大当たり遊技、および第6大当たり遊技に対して特定条件が成立することはないので、これらの大当たり遊技が開始されると、当該大当たり遊技のオープニングで、図62(A)、図62(B)、図62(C)、または図62(E)に示す当該大当たり遊技に係る通常オープニング画像G107が表示される。また、個別特定条件2が成立していない状況で第2大当たり遊技、または第3大当たり遊技が開始されると、当該大当たり遊技のオープニングで、図62(B)に示す第2通常オープニング画像G107B、または図62(E)に示す第5通常オープニング画像G107Eが表示される。
ところで、第1発射消極演出画像G160Aには、特定条件が成立した場合の大当たり遊技(特定条件成立大当たり遊技)に対応付けられた名称が含まれている。特定条件成立大当たり遊技に対応付けられた名称は、遊技者が遊技球を発射しない方が良いことを認識できる範囲で適宜に設定可能であるが、第5実施形態では、特定条件成立大当たり遊技に「発射アカン BONUS」という名称が対応付けられている。そこで、図62(F)は、第1発射消極演出画像G160Aが表示画面50aに表示されている様子を表す図である。
したがって、個別特定条件2が成立している状況で第2大当たり遊技、または第5大当たり遊技が開始されると、当該大当たり遊技のオープニングで、図62(F)に示す第1発射消極演出画像G160Aが特別なオープニング画像として表示される。
また、第2発射消極演出画像G160Bは、遊技球を発射しない方が良いことを示唆する画像であるが、遊技球を発射しない方が良いことの他に、右打ちすることは好ましくないことも示唆する。すなわち、第2発射消極演出画像G160Bは、右打ちすることは好ましくないことも示唆する画像としても機能する。
第2発射消極演出画像G160Bは、特定条件が成立した場合の大当たり遊技のラウンド遊技において、右打ち画像G108の代わりに表示される。すなわち、特定条件が成立していない場合には、右打ち画像G108が右打ちを促す画像として表示され、特定条件が成立している場合には、第2発射消極演出画像G160Bが、右打ちすることは好ましくないことも示唆する画像として表示される。
第2発射消極演出画像G160Bの表示内容は、遊技者が遊技球を発射しない方が良いこと、および右打ちすることは好ましくないことを認識できる範囲で適宜に設定可能であるが、第5実施形態では、第2発射消極演出画像G160Bは、右打ち画像G108に係る右向き矢印の上に大きな×印が付されて構成されている。
また、大当たり終了残り時間示唆演出画像G161は、特定条件が成立した場合の大当たり遊技のラウンド遊技において、ラウンド画像G109の代わりに表示される。すなわち、特定条件が成立していない場合には、ラウンド画像G109がラウンド数を示す画像として表示され、特定条件が成立している場合には、大当たり終了残り時間示唆演出画像G161が、ラウンド遊技が終了するまでの残り時間を示唆する画像として表示される。
大当たり終了残り時間示唆演出画像G161の表示内容は、遊技者が最後のラウンド遊技が終了するまでの残り時間を認識できる範囲で適宜に設定可能であるが、第5実施形態では、「大当たり終了まで あと、〇〇秒」という文字で構成されている。ただし、この大当たり終了残り時間示唆演出画像G161の「〇〇」の部分には、当該大当たり遊技が終了するまでの残り時間(秒数)を表す具体的な数字が表示される。なお、厳密には大当たり遊技にエンディングが含まれているので、最後のラウンド遊技が終了するまでの残り時間は、大当たり遊技が終了するまでの残り時間とならないが、遊技者からするとラウンド遊技が実質的な大当たり遊技となるので、ここでは、最後のラウンド遊技が終了するまでの残り時間に対して「大当たり終了まで」と表している。
ここで、図63(A)は、特定条件が成立していない状況で大当たり遊技が開始された場合に当該大当たり遊技のラウンド遊技において右打ち画像G108、およびラウンド画像G109が表示画面50aに表示されている様子を表す図である。一方、図61(B)は、特定条件が成立している状況で大当たり遊技が開始された場合に当該大当たり遊技のラウンド遊技において、右打ち画像G108の代わりに第2発射消極演出画像G160Bが表示画面50aに表示され、ラウンド画像G109の代わりに大当たり終了残り時間示唆演出画像G161が表示画面50aに表示されている様子を表す図である。なお、図63(A)は、ラウンド画像G109の表示内容が「ラウンド5」であることから、5R(5番目のラウンド遊技)が実行されているときの様子を表す図である。
図63(A)に示すように、特定条件が成立していない大当たり遊技のラウンド遊技においては、右打ち画像G108が表示画面50aの右上隅部に表示され、ラウンド画像G109が表示画面50aの左上隅部に表示される。一方、図63(B)に示すように、特定条件が成立している大当たり遊技のラウンド遊技においては、右打ち画像G108、およびラウンド画像G109は表示されておらず、右打ち画像G108が表示されていた位置と同一または略同一の位置(表示画面50aの右上隅部)に第2発射消極演出画像G160Bが表示され、ラウンド画像G109が表示されていた位置と同一または略同一の位置(表示画面50aの左上隅部)に大当たり終了残り時間示唆演出画像G161表示される。
なお、前述の通り、各ラウンド遊技において第1大入賞口14に入賞可能な遊技球の個数(入賞規定個数)は10個に設定されているので、各ラウンド遊技において、当該ラウンド遊技が開始してから当該ラウンド遊技に係る開放時間が経過する前に、当該ラウンド遊技における第1大入賞口14への入賞個数が入賞規定個数に達すると、当該ラウンド遊技の途中で第1大入賞口14が閉鎖することになる。しかし、大当たり遊技中に遊技者が遊技球を発射しなければ、各ラウンド遊技において、第1大入賞口14は予め設定された開放時間、開放することになる。
したがって、各大当たり遊技について、1回目のラウンド遊技が開始されてから最後のラウンド遊技が終了するまでの時間(ラウンド遊技総時間)は、図60(A)に示す{(開放時間×ラウンド遊技の回数)+(閉鎖時間×(ラウンド遊技の回数-1))}となる。その結果、第1大当たり遊技のラウンド遊技総時間は250秒、第2大当たり遊技、および第3大当たり遊技のラウンド遊技総時間は124秒、第4大当たり遊技のラウンド遊技総時間は313秒、第5大当たり遊技のラウンド遊技総時間は187秒、第6大当たり遊技のラウンド遊技総時間は61秒となる。その結果、各大当たり遊技において、大当たり終了残り時間示唆演出が開始される際には、大当たり終了残り時間示唆演出画像G161における「〇〇」の部分に、これらの秒数が表示されることになる。
そして、何れの大当たり遊技であっても、最後のラウンド遊技が終了するまでの残り時間の経過に伴って、大当たり終了残り時間示唆演出画像G161における「〇〇」の部分は、適宜に減少し(更新され)、最終的に最後のラウンド遊技が終了するときには、「0」が表示されることになる。また、大当たり終了残り時間示唆演出について、大当たり終了残り時間示唆演出画像G161における「〇〇」の部分の減少パターン(更新態様)は適宜に設定可能であるが、例えば、1秒単位で減少する(更新される)ようにしても良い。
以上のように、パチンコ遊技機PY5は、発射消極演出、および大当たり終了残り時間示唆演出を実行可能であるが、これらの演出は、演出制御用マイコン121によって実行される。そして、パチンコ遊技機PY5においては、遊技制御用マイコン101が、差玉数を計測し、大当たり遊技の種類、大当たり獲得予定賞球数、および当該大当たり遊技に終了に応じて移行する遊技状態が対応付けられた大当たり図柄種別を決定することから、差玉数、および大当たり図柄種別に関する情報を適宜に演出制御用マイコン121に送信することによって、演出制御用マイコン121は、特定条件が成立したか否かを判定し、当該判定結果に基づいて、発射消極演出、および大当たり終了残り時間示唆演出を実行可能とする。
例えば、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能が発動していないが、当該発動にある程度迫ってきたと考えられる過賞球予告フラグがONしているとき(差玉数が基準値に達するまで残り10000を切った状況で)、オープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする際に、差玉数記憶部107cを確認し、差玉数を示すコマンド(差玉数指定コマンド)も遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、差玉数指定コマンドは演出制御基板120に送信されることから、演出制御用マイコン121は、差玉数指定コマンドを受信すると、そのときの差玉数を特定することができる。
また、演出用ROM123には、予め、各大当たり図柄種別に係る大当たり遊技の大当たり獲得予定賞球数、および過賞球防止機能に係る基準数が記憶されているものとする。そして、演出制御用マイコン121は、差玉数指定コマンドを受信したときに、基準数から差玉数を減算した値と、差玉数指定コマンドと共に受信されてきたオープニングコマンドが示す大当たり図柄種別に対応付けられた大当たり獲得予定賞球数とを比較して、基準数から差玉数を減算した値が大当たり獲得予定賞球数よりも少ない(大当たり獲得予定賞球数が基準数から差玉数を減算した値よりも多い)場合は個別特定条件2が成立したと判断する。
演出制御用マイコン121は、個別特定条件2が成立したと判断した場合、オープニングコマンドが示す大当たり図柄種別が不利大当たり遊技に係る大当たり図柄種別(大当たり図柄B、大当たり図柄C、大当たり図柄E、大当たり図柄F)であるか否か、言い換えると個別特定条件1が成立したか否かを判定する。
演出制御用マイコン121は、個別特定条件1が成立したと判断した場合、オープニングコマンドが示す大当たり図柄種別が、当該大当たり遊技の終了に応じて高確率高ベース遊技状態に移行する大当たり遊技に係る大当たり図柄種別(大当たり図柄B、大当たり図柄E)であるか否か、言い換えると個別特定条件3が成立したか否かを判定する。
演出制御用マイコン121は、個別特定条件3が成立したと判断した場合、特定条件が成立したことになるので、これから開始される大当たり遊技において、適宜に発射消極演出、および大当たり終了残り時間示唆演出を実行するものとする。なお、演出制御用マイコン121は、個別特定条件1~個別特定条件3の何れかが成立していないと判断した場合は、当該発射消極演出、および大当たり終了残り時間示唆演出に関する処理を終える。
以上のように、パチンコ遊技機PY5によれば、大当たり遊技には、第1個数の遊技媒体を付与可能な第1大当たり遊技(例えば、第3大当たり遊技、第6大当たり遊技)と、第1個数よりも多い第2個数の遊技媒体を付与可能な第2大当たり遊技(例えば、第1大当たり遊技、第4大当たり遊技)とがあり、遊技者に付与される遊技媒体に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(過賞球防止機能が作動した状態)に制御することがあり、第1大当たり遊技が開始されるときに、基準数からそのときの特定計測数を減算した値が第1個数(第3大当たり遊技や第6大当たり遊技の大当たり獲得予定賞球数)よりも少ない場合、当該事項に基づく特定演出(発射消極演出、大当たり終了残り時間示唆演出)を実行することがある。したがって、遊技者に過剰な賞球を付与しないようにしつつ、遊技を実行することができない特定状態になる間際に、遊技者がより多くの賞球を獲得できる大当たり遊技の機会を逃して不利益を被ることを防ぐことができる。さらに、特定演出として、当該第1大当たり遊技において第1個数の遊技媒体が付与されると特定計測数が基準数に達して特定状態に制御されることになることを遊技者が認識可能な特別演出(発射消極演出)が実行される。したがって、確実に、遊技を実行することができない特定状態になる間際に、遊技者がより多くの賞球を獲得できる大当たり遊技の機会を逃して不利益を被ることを防ぐことができる。また、特定演出として、特別演出の他に、当該第1大当たり遊技が終了するタイミングを遊技者が認識可能な終了タイミング演出(大当たり終了残り時間示唆演出)が実行される。したがって、特別演出(発射消極演出)が実行されて、例えば遊技者が遊技球の発射を停止させて退屈している中で、大当たり遊技の終了タイミングが分からないことによって抱く不快感を軽減することができる。
また、パチンコ遊技機PY5によれば、大当たり遊技には、第1大当たり遊技(例えば、第3大当たり遊技、第6大当たり遊技)と、第1大当たり遊技よりも多くの遊技媒体を付与可能な第2大当たり遊技(例えば、第1大当たり遊技、第4大当たり遊技)とがあり、遊技者に付与される遊技媒体に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(過賞球防止機能が作動した状態)に制御することがあり、第1大当たり遊技が開始されるときに、基準数からそのときの特定計測数を減算した値が、当該第1大当たり遊技で付与可能な遊技媒体(第3大当たり遊技や第6大当たり遊技の大当たり獲得予定賞球数)よりも少なく、且つ、当該第1大当たり遊技が終了することに応じて、第1遊技状態(通常遊技状態、低確率低ベース遊技状態)よりも所定判定(大当たり判定)で特定結果(大当たり)が導出され易い第2遊技状態(高確率高ベース遊技状態)に移行される場合、当該第1大当たり遊技において付与可能な遊技媒体が付与されると特定計測数が基準数に達して特定状態に制御されることになることを遊技者が認識可能な特別演出(発射消極演出)を実行することがある。したがって、遊技者に過剰な賞球を付与しないようにしつつ、遊技を実行することができない特定状態になる間際に、遊技者がより多くの賞球を獲得できる大当たり遊技の機会を逃して不利益を被ることを防ぐことができる。また、第1大当たり遊技が開始されるときに、基準数からそのときの特定計測数を減算した値が、当該第1大当たり遊技で付与可能な遊技媒体よりも少ないが、当該第1大当たり遊技が終了することに応じて第1遊技状態(通常遊技状態、低確率低ベース遊技状態)に移行される場合、(発射消極演出)は実行されない。したがって、特定結果が導出され難い中で特定結果を目指すことになり、かえって遊技者が不利益を被ることを防ぐことができる。
<第6実施形態>
次に、前述の本発明に係る第5実施形態に基づいて、本発明に係る第6実施形態について説明する。以下においては、主に、第6実施形態として、第5実施形態と異なる点について説明する。また、第1実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第6実施形態に係るパチンコ遊技機PY6は、過賞球関連特別演出に係る特定条件がパチンコ遊技機PY5と異なる。パチンコ遊技機PY6に係る特定条件には、前述の個別特定条件2と、当該パチンコ遊技機PY6に特有な個別特定条件4とが含まれており、前述の個別特定条件1、および個別特定条件3は含まれていない。個別特定条件4は、当該大当たり遊技が開始されるときに存在する特図保留の中に、当該大当たり遊技に係る大当たり獲得予定賞球数よりも多い大当たり獲得予定賞球数となる大当たり遊技に対応付けられた特図抽選結果(大当たり図柄種別)を示すものが含まれていることである。なお、パチンコ遊技機PY6が実行可能な大当たり遊技の種類は、パチンコ遊技機PY5と同一である。
そのため、第1大当たり遊技が開始するときに、第4大当たり遊技を実行することとなる特図保留が存在する場合は、個別特定条件4が成立する。また、第2大当たり遊技、または第3大当たり遊技が開始するときに、第1大当たり遊技、第4大当たり遊技、第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技を実行することとなる特図保留が存在する場合は、個別特定条件4が成立する。同様に、第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技が開始するときに、第1大当たり遊技、または第4大当たり遊技を実行することとなる特図保留が存在する場合は、個別特定条件4が成立する。なお、第6実施形態において、第4大当たり遊技は、大当たり獲得予定賞球数が最も多い大当たり遊技であるので、第4大当たり遊技が開始するときに、個別特定条件4が成立することはない。
ここで、演出制御用マイコン121が、大当たり遊技の開始時に個別特定条件4が成立しているか否かを判定するための処理の一例について説明する。演出制御用マイコン121が、個別特定条件4が成立しているか否かの判定を行うために、前提として、遊技制御用マイコン101から必要な情報を受信する。遊技制御用マイコン101は、その必要な情報として、第1始動口11への入賞、および第2始動口12への入賞、詳細には、特図1保留の発生、および特図2の発生に基づく先読み判定において、当該先読み判定としての大当たり判定の結果が大当たりである場合は、当該始動口(特図)の種別に応じた当たり図柄種別判定テーブルに大当たり図柄種別乱数を照合する大当たり図柄種別判定を行う。そして、遊技制御用マイコン101は、始動入賞コマンドと共に、先読み判定としての大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別を示すコマンド(先読み大当たり図柄種別コマンド)を当該始動入賞コマンドに対応付けて遊技用RAM104の出力バッファにセットして、演出制御基板120に送信する。
また、演出制御基板120は、先読み大当たり図柄種別コマンドを受信可能であり、始動入賞コマンドと同様に、特図の種別ごとに、消化される順番(当該特図保留が発生した順番(入賞順))に対応付けて、当該先読み大当たり図柄種別コマンドに対応する特図可変表示が終了するまで当該先読み大当たり図柄種別コマンドを記憶可能に構成されているものとする。また、演出用ROM123には、各大当たり図柄種別と、大当たり図柄種別に基づく大当たり遊技の大当たり獲得予定賞球数との関係を示すテーブル(大当たり獲得予定賞球数テーブル)が格納されている。そして、演出制御用マイコン121は、先読み大当たり図柄種別コマンドを記憶しているときには、当該先読み大当たり図柄種別コマンドに基づいて、その特図保留に基づく大当たり遊技の当該大当たり獲得予定賞球数テーブルを認識することができるものとする。
さらに、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能が発動していないが、当該発動にある程度迫ってきたと考えられる過賞球予告フラグがONしているとき(差玉数が基準値に達するまで残り10000を切った状況で)、オープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする際に、差玉数記憶部107cを確認し、差玉数を示すコマンド(差玉数指定コマンド)も遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
演出制御基板120は、先読み大当たり図柄種別コマンドを受信可能に構成されているものとする。そして、演出制御用マイコン121は、差玉数指定コマンドを受信すると、受信コマンド解析処理(S4201)において、前述の個別特定条件2が成立したか否かを判定し、個別特定条件2が成立したと判定すると、以下に説明する個別特定条件4が成立するか否かを判定する処理(個別特定条件4成否判定処理)を行うものとする。
演出制御用マイコン121は、個別特定条件4成否判定処理において、まずは、先読み大当たり図柄種別コマンドを記憶しているか否か、すなわち、先読み判定結果が大当たりであることを示す特図保留があるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、先読み大当たり図柄種別コマンドを記憶していないと判定すると、個別特定条件4が成立していないと判断して、当該個別特定条件4成否判定処理を終え、先読み大当たり図柄種別コマンドを記憶していると判定すると、当該差玉数指定コマンドと共に受信されてきたオープニングコマンドが示す大当たり図柄種別の大当たり獲得予定賞球数(こらから開始される大当たり遊技の大当たり獲得予定賞球数:当該大当たり獲得予定賞球数)と、先読み大当たり図柄種別コマンドが示す大当たり図柄種別の大当たり獲得予定賞球数(当該大当たり遊技の後に開始される大当たり遊技の大当たり獲得予定賞球数:保留大当たり獲得予定賞球数)とを比較して、前者(当該大当たり獲得予定賞球数)より後者(保留大当たり獲得予定賞球数)の方が多いか否かを判定する。なお、複数の先読み大当たり図柄種別コマンドを記憶している場合、言い換えると、先読み判定結果が大当たりであることを示す特図保留が複数ある場合、演出制御用マイコン121は、大当たり獲得予定賞球数の最も多いものを当該大当たり遊技との比較対象に採用する。演出制御用マイコン121は、当該大当たり獲得予定賞球数より保留大当たり獲得予定賞球数の方が多くない(少ない)と判定すると、個別特定条件4が成立していないと判断して、当該個別特定条件4成否判定処理を終え、当該大当たり獲得予定賞球数より保留大当たり獲得予定賞球数の方が多いと判定すると、個別特定条件4が成立したと判断する。
演出制御用マイコン121は、個別特定条件4が成立したと判断すると、第5実施形態と同様に、発射消極演出、および大当たり終了残り時間示唆演出を実行する。
以上のように、パチンコ遊技機PY6によれば、大当たり図柄には、第1個数の遊技媒体を付与可能な第1大当たり遊技(大当たり獲得予定賞球数が相対的に少ない大当たり遊技;例えば、第6大当たり遊技)を実行させることが可能な第1特定結果(大当たり獲得予定賞球数が相対的に少ない大当たり遊技に対応付けられた大当たり図柄:例えば、大当たり図柄F)と、第1個数よりも多い第2個数の遊技媒体を付与可能な第2大当たり遊技(大当たり獲得予定賞球数が相対的に多い大当たり遊技;例えば、第1大当たり遊技や第4大当たり遊技)を実行させることが可能な第2特定結果(大当たり獲得予定賞球数が相対的に多い大当たり遊技に対応付けられた大当たり図柄:例えば、大当たり図柄Aや大当たり図柄D)とがあり、遊技者に付与される遊技媒体に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、特定計測数が予め定められた基準数に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(過賞球防止機能が作動した状態)に制御することがあり、第1大当たり遊技が開始されるときに、基準数からそのときの特定計測数を減算した値が、第1個数(大当たり獲得予定賞球数が相対的に少ない大当たり遊技の大当たり獲得予定賞球数)よりも少なく、且つ、第2特定結果が導出されることになる所定判定(大当たり判定、大当たり図柄種別判定)を実行する権利(特図保留)が保留されている場合、当該第1大当たり遊技において付与可能な遊技媒体が付与されると特定計測数が基準数に達して特定状態に制御されることになることを遊技者が認識可能な特別演出(発射消極演出)を実行することがある。したがって、遊技者に過剰な賞球を付与しないようにしつつ、遊技を実行することができない特定状態になる間際に、遊技者がより多くの賞球を獲得できる大当たり遊技の機会を逃して不利益を被ることを防ぐことができる。さらに、パチンコ遊技機PY6によれば、第1大当たり遊技において特定計測数が基準数に達した場合、当該第1大当たり遊技が終了するときに特定状態(過賞球防止機能が作動した状態)に制御される。よって、特別演出(発射消極演出)の演出効果が向上する。
(第5、6実施形態の変更例)
次に、第5実施形態に係るパチンコ遊技機PY5、および第6実施形態に係るパチンコ遊技機PY6(パチンコ遊技機PY5等)の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
パチンコ遊技機PY5等は、画像表示装置50(表示画面50a)に所定の演出画像を表示することによって発射消極演出、および大当たり終了残り時間演出を実行しているが、これらの演出の一方、または双方について、所定の演出画像の表示に代えて、もしくは加えて、スピーカー52からの音声の出力などの他の演出装置による演出を用いても良い。この場合、他の演出装置による演出内容は、発射消極演出については、遊技者が遊技球を発射しない方が良いことを認識できる範囲で、換言すると、大当たり獲得予定賞球数が相対的に少ない大当たり遊技において当該大当たり獲得予定賞球数が付与されると差玉数が基準数に達して特定状態に制御(過賞球防止機能が作動)されることになることを遊技者が認識可能な範囲で、大当たり終了残り時間示唆演出については、遊技者が当該大当たり遊技が終了するまでの残り時間を認識できる範囲で適宜に設定しても良い。さらには、パチンコ遊技機PY5等は、発射消極演出と大当たり終了残り時間演出とを同一の画像表示装置50を用いて実行しているが、異なる演出装置を用いて実行するようにしても良い。
さらには、パチンコ遊技機PY5等は、発射消極演出として、第1発射消極演出、および第2発射消極演出の2種類の発射消極演出が実行されているが、何れか一方のみが実行されるようにしても良い。あるいは、パチンコ遊技機PY5等は、第1発射消極演出、および第2発射消極演出の一方、または双方に代えて、もしくは加えて、別の遊技者が遊技球を発射しない方が良いことを示唆する演出を実行するようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY5等は、画像表示装置50(表示画面50a)に所定の演出画像を表示することによって第1発射消極演出、および第2発射消極演出を実行しているが、これらの演出の一方、または双方について、所定の演出画像の表示に代えて、もしくは加えて、スピーカー52からの音声の出力などの他の演出装置による演出を用いても良い。この場合、他の演出装置による演出内容は、遊技者が遊技球を発射しない方が良いことを認識できる範囲で適宜に設定しても良い。さらには、パチンコ遊技機PY5等は、第1発射消極演出と第2発射消極演出とを同一の画像表示装置50を用いて実行しているが、異なる演出装置を用いて実行するようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY5等は、特定条件が成立すると、遊技者が遊技球を発射しない方が良いことを示唆する発射消極演出ではなく、遊技球を第1大入賞口14や第2大入賞口15に入賞させない方が遊技者に有利である(遊技者は不利益を被らない)旨を報知する演出を実行しても良い。あるいは、特定条件が成立すると、発射消極演出ではなく、当該大当たり遊技で遊技球を発射し続けると差玉数が基準数に達することになる旨を報知する演出、これから開始される大当たり遊技の大当たり獲得予定賞球数は基準数から現在の差玉数を減算した値を越えている旨を報知する演出、もしくは当該大当たり遊技で過賞球防止機能が作動する(遊技停止状態)ことになる旨を報知する演出を実行するようにしても良い。
さらには、パチンコ遊技機PY5等は、発射消極演出として、第1発射消極演出、および第2発射消極演出の2種類の発射消極演出が実行されているが、何れか一方のみが実行されるようにしても良い。あるいは、パチンコ遊技機PY5等は、第1発射消極演出、および第2発射消極演出の一方、または双方に代えて、もしくは加えて、別の遊技者が遊技球を発射しない方が良いことを示唆する演出を実行するようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY5等は、大当たり遊技を開始させる際に特定条件が成立している場合は、当該大当たり遊技のオープニングにおいて、通常オープニング画像G107に代えて第1発射消極演出画像G160Aを表示することで、第1発射消極演出を実行しているが、各大当たり遊技に係る大当たり図柄種別の応じた通常オープニング画像G107は特定条件が成立していない場合と同様に表示されて、大当たり遊技が開始することを示唆する機能とは別の機能を有する他の第1発射消極演出に対応付けられた画像を別途表示することで、第1発射消極演出を実行するようにしても良い。
さらに、パチンコ遊技機PY5等は、大当たり遊技を開始させる際に特定条件が成立している場合は、当該大当たり遊技のラウンド遊技の全期間において、右打ち画像G108に代えて第2発射消極演出画像G160Bを表示することで、第2発射消極演出を実行しているが、右打ち画像G108は特定条件が成立していない場合と同様に表示されて、右打ちを促す機能とは別の機能を有する他の第2発射消極演出に対応付けられた画像を別途表示することで、第2発射消極演出を実行するようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY5等は、大当たり遊技を開始させる際に特定条件が成立している場合は、当該大当たり遊技のラウンド遊技の全期間において、ラウンド画像G109に代えて大当たり終了残り時間示唆演出画像G161を表示することで、大当たり終了残り時間示唆演出を実行しているが、ラウンド画像G109は特定条件が成立していない場合と同様に表示しつつ、大当たり終了残り時間示唆演出画像G161を別途表示することで、大当たり終了残り時間示唆演出を実行するようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY5等は、大当たり終了残り時間示唆演出において、1秒ごとに、言い換えると大当たり終了残り時間が1秒減少(更新)される度に、大当たり終了残り時間示唆演出が示唆する大当たり終了残り時間を同様に減少(更新)させるが、この減少(更新)のタイミングは、特に限定されず、遊技者が大当たり終了残り時間を認識できる範囲で適宜に変更しても良い。例えば、大当たり終了残り時間が、10秒などの1秒とは異なる時間減少(更新)する度に、大当たり終了残り時間示唆演出が示唆する大当たり終了残り時間を同様に減少(更新)するようにしても良い。あるいは、各ラウンド遊技、もしくは所定のラウンド遊技が開始するタイミング、もしくは終了するタイミングで、そのときの大当たり終了残り時間を示唆するようにしても良い。
さらには、パチンコ遊技機PY5等では、大当たり終了残り時間は数字で表されているが、大当たり終了残り時間の表示形式は数字に限られず、遊技者が大当たり終了残り時間を認識できる範囲で適宜に変更しても良い。例えば、大当たり終了残り時間を、大当たり終了残り時間の減少に伴って減少するゲージで表示するようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY5等では、大当たり終了残り時間示唆演出は、最後のラウンド遊技が終了までの時間を実質的な大当たり遊技が終了するまでの時間として示唆しているが、実際に当該大当たり遊技が終了するまでの残り時間、言い換えるとエンディングが終了するまでの残り時間を示唆するようにしても良い。また、パチンコ遊技機PY5等では、大当たり終了残り時間示唆演出は、1回目のラウンド遊技の開始時から開始されているが、この開始タイミングも適宜に変更しても良い。例えば、当該大当たり遊技が開始されるときから大当たり終了残り時間示唆演出を開始するようにしても良い。また、2回目以降の所定のラウンド遊技の開始時から大当たり終了残り時間示唆演出を開始するようにしても良い。あるいは、オープニングやラウンド遊技の開始時に限られず、オープニングやラウンド遊技の終了時もしくは途中から大当たり終了残り時間示唆演出を開始するようにしても良い。または、大当たり終了残り時間が60秒など所定時間となったときから大当たり終了残り時間示唆演出を開始するようにしても良い。さらには、パチンコ遊技機PY5は、大当たり終了残り時間示唆演出を開始してから終了するまで途切れることなく継続的に実行しているが、所定時間間隔で断続的に実行するようにしても良い。
さらに、パチンコ遊技機PY5等では、大当たり遊技は大当たり図柄の停止表示によって実行されているが、例えば、パチンコ遊技機PY5等は、所謂「1種2種混合機」で構成されており、特図1抽選や特図2抽選で小当たりに当選すると、小当たり図柄が停止表示したことによって、第2大入賞口15が開放する小当たり遊技が実行され、小当たり遊技で開放した第1大入賞口14、または第2大入賞口15に入球した遊技球が、特定領域(所謂「Vゾーン」)を通過(所謂「V入賞」)すると大当たり遊技が実行されるようにしても良い。そして、この場合は、小当たり契機の大当たり遊技も特定条件に関わる大当たり遊技に含めるようにしても良い。また、小当たり契機の大当たり遊技に係る大当たり獲得予定賞球数は、当該大当たり遊技で獲得可能な賞球数にしても、当該小当たり遊技および大当たり遊技で獲得可能な賞球数にしても良い。
また、パチンコ遊技機PY5等では、大当たり遊技が実行されているときに差玉数が基準数に達すると、当該大当たり遊技が終了するときに過賞球防止機能が作動するが、当該大当たり遊技が終了するまでであれば、過賞球防止機能が作動するタイミングは適宜に変更しても良い。例えば、大当たり遊技が実行されているときに差玉数が基準数に達すると、そのときに過賞球防止機能が作動するようにしても良い。あるいは、大当たり遊技が実行されているときに差玉数が基準数に達すると、そのときのラウンド遊技が終了するときに過賞球防止機能が作動するようにしても良い。
さらに、パチンコ遊技機PY5等では、特定条件が成立した場合、当該大当たり遊技において遊技球が発射されているか否かに関わらず、発射消極演出、および大当たり終了残り時間示唆演出が実行され続けるが、当該大当たり遊技において遊技球の発射が検知されると、一度開始させた発射消極演出、および大当たり終了残り時間示唆演出の双方、または一方を終了させるようにしても良い。この場合、遊技球の発射の検知方法は適宜に設定可能であるが、例えば、当該大当たり遊技で開放する大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)への入賞にしても良い。また、この場合、検知する遊技球の個数も適宜に設定しても良い。すなわち、発射された遊技球が1つ検知されると発射消極演出、および大当たり終了残り時間示唆演出の双方、または一方を終了させるようにしても良い。あるいは、発射された遊技球が2以上の所定個数検知されると発射消極演出、および大当たり終了残り時間示唆演出の双方、または一方を終了させるようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY5は、大当たり遊技が開始される際に特定条件が成立するか否かを判定、言い換えると大当たり遊技単位で特定条件が成立するか否かを判定しているが、ラウンド遊技単位で、差玉数が基準数に達するか否かを判定しても良い。例えば、パチンコ遊技機PY5(演出制御用マイコン121)は、各ラウンド遊技が開始されるときに、そのときの差玉数を確認し、基準数から差玉数を減算して、その減算した値(残り差玉数)がこれから開始されるラウンド遊技で獲得可能な賞球数以上か未満かを判定し、獲得可能な賞球数未満と判定されると、当該ラウンド遊技で差玉数が基準数に達すると予想されるので、特定条件が成立したとして、当該ラウンド遊技の開始時から発射消極演出、および大当たり終了残り時間示唆演出を実行するようにしても良い。また、発射消極演出、および大当たり終了残り時間示唆演出の何れか一方については、第5実施形態のように、大当たり遊技が開始される際に、残り差玉数がこれから開始される大当たり遊技で獲得可能な賞球数以上か未満かを判定し、獲得可能な賞球数未満と判定されると実行し、他方については、ラウンド遊技が開始される際に、残り差玉数がこれから開始されるラウンド遊技で獲得可能な賞球数以上か未満かを判定し、獲得可能な賞球数未満と判定されると実行するようにしても良い。また、ラウンド遊技単位とする場合は、2回以上のラウンド遊技を1つの単位としても良い。
さらに、パチンコ遊技機PY5では、特定条件に、個別特定条件3(当該大当たり遊技の終了に応じて高確率高ベース遊技状態に移行すること)が含まれているが、個別特定条件3が含まれないようにしても良い。すなわち、当該不利大当たり遊技の終了に応じて移行する遊技状態の種類に関わらず、当該不利大当たり遊技において差玉数が基準数に達することが予想される場合は、発射消極演出、および大当たり終了残り示唆演出の双方または何れか一方が実行されるようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY5では、8回のラウンド遊技で構成される第1大当たり遊技、および10回のラウンド遊技で構成される第4大当たり遊技が有利大当たり遊技に設定され、4回のラウンド遊技で構成される第2大当たり遊技、および第3大当たり遊技、ならびに5回のラウンド遊技で構成される第5大当たり遊技、および第6大当たり遊技が不利大当たり遊技に設定されているが、有利大当たり遊技、および不利大当たり遊技に対応付けられる大当たり遊技の種類は特に限定されず適宜に変更しても良い。例えば、ラウンド遊技の実行回数が最も多い大当たり遊技、言い換えると最も大当たり獲得予定賞球数の多い大当たり遊技(第5実施形態では、第4大当たり遊技)のみを有利大当たり遊技に設定しても良い。また、ラウンド遊技の実行回数が最も少ない大当たり遊技、言い換えると最も大当たり獲得予定賞球数の少ない大当たり遊技(第5実施形態では、第5大当たり遊技、および第6大当たり遊技)のみを不利大当たり遊技に設定しても良い。
さらに、パチンコ遊技機PY6では、当該大当たり遊技が開始されるときに存在する特図保留の中に、当該大当たり遊技に係る大当たり獲得予定賞球数よりも多い大当たり獲得予定賞球数となる大当たり遊技に対応付けられた特図抽選結果を示すものが含まれていることが個別特定条件4を構成しているが、個別特定条件4の内容を適宜に変更しても良い。例えば、当該大当たり遊技が開始されるときに存在する特図保留の中に、当該大当たり遊技に係る大当たり獲得予定賞球数よりも多い大当たり獲得予定賞球数となる大当たり遊技に対応付けられた特図抽選結果を示すものが含まれており、且つ、当該大当たり獲得予定賞球数の差が所定個数(例えば、500個)以上であることが個別特定条件4を構成するようにしても良い。あるいは、パチンコ遊技機PY5のように、大当たり遊技を不利大当たり遊技と有利大当たり遊技とに分け、これから開始される大当たり遊技が不利大当たり遊技であり、特図保留に係る大当たり遊技が有利大当たり遊技であることが個別特定条件4を構成するようにしても良い。
<第7実施形態>
次に、前述の本発明に係る第6実施形態に基づいて、本発明に係る第7実施形態について説明する。以下においては、主に、第7実施形態として、第6実施形態と異なる点について説明する。また、第6実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第7実施形態に係るパチンコ遊技機PY7は、過賞球関連特別演出の演出内容についてパチンコ遊技機PY6と異なる。具体的に、パチンコ遊技機PY6では、過賞球関連特別演出は、遊技球を発射しない方が良いことを示唆する発射消極演出と、最後のラウンド遊技が終了するまでの残り時間を示唆する大当たり終了残り時間示唆演出とを含んでいたが、パチンコ遊技機PY7では、過賞球関連特別演出は、発射消極演出、および大当たり終了残り時間示唆演出の何れも含んでおらず、それらの代わりに、祝福演出を含んでいる。祝福演出の詳細な演出内容は後述するが、祝福演出は、差玉数が基準数に達して過賞球防止機能が作動することになるものの、賞球獲得の観点からは遊技者に好ましい状況となったことを示唆する演出である。
また、第7実施形態に係るパチンコ遊技機PY7は、過賞球関連特別演出を実行するための特定条件がパチンコ遊技機PY6と異なる。パチンコ遊技機PY7に係る特定条件には、当該パチンコ遊技機PY7に特有な個別特定条件5、および個別特定条件6が含まれており、前述の個別特定条件1~個別特定条件4は含まれていない。
個別特定条件5は、これから開始される大当たり遊技に係る大当たり獲得予定賞球数(当該大当たり獲得賞球数)よりも、当該大当たり遊技開始時の基準数から差玉数を減算した値(差玉数が基準数に到達するまでの残りの差玉数:大当たり開始時残り差玉数)の方が多いこと、言い換えると、そのときの差玉数に当該大当たり獲得予定賞球数を加算した値が基準数未満であることである。なお、以下において、大当たり開始時などのタイミングに関係なく、差玉数が基準数に到達するまでの残りの差玉数のことを「残り差玉数」と称する。
個別特定条件6は、当該大当たり遊技が開始されるときに存在する特図保留の中に、先読み判定結果が大当たりを示すものがあり、その大当たりを示す特図保留の中で直近に実行される大当たり遊技(特定保留大当たり遊技)に係る大当たり獲得賞球数(特定保留大当たり獲得賞球数)が、大当たり遊技開始時残り差玉数から当該大当たり獲得賞球数を減算した値(大当たり終了時残り差玉数)以上であること、言い換えると、そのときの差玉数に、当該大当たり獲得賞球数および特定保留大当たり獲得予定賞球数を加算した値(あるいは、大当たり終了時残り差玉数に特定保留大当たり獲得予定賞球数を加算した値)が基準数以上であることである。
したがって、個別特定条件5と個別特定条件6の双方が成立している状況を現象面で表現すると、当該大当たり遊技における第1大入賞口14への入賞に基づく賞球によって差玉数が基準数に到達することはないが、特定保留大当たり遊技における第1大入賞口14への入賞に基づく賞球によって差玉数が基準数に到達する状況ということになる。この場合、特定保留大当たり遊技で差玉数が基準数に到達することになり、特定保留大当たり遊技の終了に応じて過賞球防止機能が作動して遊技実行不能状態になってしまうが、遊技者からすると、最後に大当たり遊技2回分の賞球をまとめて獲得できたことになるので、捉えようによっては好ましい状況といえる。そこで、このように遊技実行不能状態になる直前の最後に大当たり遊技2回分の賞球をまとめて獲得できた遊技者に好ましいことが、祝福演出の示唆内容である「過賞球防止機能が作動するものの、賞球獲得の観点からは遊技者に好ましい状況となったことを祝福」に相当する。したがって、祝福演出は、具体的には、特図保留内で大当たり当選して連荘(所謂「保留連」)となり、当該保留連に係る大当たり遊技で差玉数が基準数に到達して当該大当たり遊技の終了に伴って過賞球防止機能が作動し、遊技実行不能状態になることを示唆する演出である。
なお、個別特定条件5、および個別特定条件6の双方が成立していれば、当該大当たり獲得予定賞球数と特定保留大当たり獲得予定賞球数との大小関係は問われない。すなわち、当該大当たり獲得予定賞球数<特定保留大当たり獲得予定賞球数であってもよく、当該大当たり獲得予定賞球数>特定保留大当たり獲得予定賞球数であってもよく、当該大当たり獲得予定賞球数=特定保留大当たり獲得予定賞球数であってもよい。なお、パチンコ遊技機PY7が実行可能な大当たり遊技の種類は、パチンコ遊技機PY6と同一である。
また、個別特定条件5、および個別特定条件6が成立するということは、当該大当たり遊技と特定保留大当たり遊技との間に特図可変表示が実行される場合があるものの、当該大当たり遊技の後に特定保留大当たり遊技が実行されることは確実であるため、遊技者の心理からすると、当該大当たり遊技と特定保留大当たり遊技とが連続的、または一体的に実行されると捉えても過言ではないが、この連続的、または一体的に実行される2つの大当たり遊技をまとめて「特別大当たり遊技」と称する。
次に、演出制御用マイコン121が、大当たり遊技の開始時に個別特定条件5,6が成立しているか否か、言い換えると過賞球関連特別演出(祝福演出)を実行するか否かを判定するための処理の一例について説明する。なお、パチンコ遊技機PY6の場合と同様に、演出制御用マイコン121には、先読み大当たり図柄種別コマンドが送信され、演出制御用マイコン121は、入賞順に対応付けて先読み大当たり図柄種別コマンドを記憶可能に構成されている。さらには、演出用ROM123には、各大当たり図柄種別と、大当たり獲得予定賞球数テーブルとが格納されているものとする。また、パチンコ遊技機PY6の場合と同様に、演出制御用マイコン121には、差玉数指定コマンドが送信されるものとする。
演出制御用マイコン121は、差玉数指定コマンドを受信すると、受信コマンド解析処理(S4201)において、過賞球関連特別演出(祝福演出)を実行するか否かを判定するための処理(過賞球関連特別演出実行判定処理)として、まずは、前述の個別特定条件5が成立したか否かを判定する処理(個別特定条件5成否判定処理)を行うものとする。
演出制御用マイコン121は、個別特定条件5成否判定処理において、当該差玉数指定コマンドと共に受信されてきたオープニングコマンドが示す大当たり図柄種別の大当たり獲得予定賞球数(当該大当たり獲得予定賞球数)が、差玉数指定コマンドが示す差玉数を基準数から減算した値(大当たり開始時残り差玉数)未満であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、当該大当たり獲得予定賞球数が、大当たり開始時残り差玉数未満ではないと判定すると、個別特定条件5が成立していないと判断して、当該過賞球関連特別演出実行判定処理を終え、当該大当たり獲得予定賞球数が、大当たり開始時残り差玉数未満であると判定すると、個別特定条件5が成立していると判断して、過賞球関連特別演出実行判定処理として次に、前述の個別特定条件6が成立したか否かを判定する処理(個別特定条件6成否判定処理)を行うものとする。
演出制御用マイコン121は、個別特定条件6成否判定処理において、まずは、先読み大当たり図柄種別コマンドを記憶しているか否か、すなわち、先読み判定結果が大当たりであることを示す特図保留があるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、先読み大当たり図柄種別コマンドを記憶していないと判定すると、個別特定条件6が成立していないと判断して、当該個別特定条件6成否判定処理、言い換えると過賞球関連特別演出実行判定処理を終え、先読み大当たり図柄種別コマンドを記憶していると判定すると、大当たり開始時残り差玉数から当該大当たり獲得予定賞球数を減算して大当たり終了時残り差玉数を算出し、特定保留大当たり獲得予定賞球数が大当たり終了時残り差玉数以上であるか否かを判定する。
演出制御用マイコン121は、特定保留大当たり獲得予定賞球数が大当たり終了時残り差玉数以上ではないと判定すると、個別特定条件6が成立していないと判断して、過賞球関連特別演出実行判定処理を終え、特定保留大当たり獲得予定賞球数が大当たり終了時残り差玉数以上であると判定すると、個別特定条件6が成立したと判断して、当該大当たり遊技の開始に伴って、過賞球関連特別演出を構成する祝福演出を実行する。
次に、祝福演出の具体例について説明する。パチンコ遊技機PY7において、祝福演出は、大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始するまでの間、言い換えると、オープニング中に継続的に実行される。また、祝福演出の具体的な演出内容は、差玉数が基準数に達して過賞球防止機能が作動することになるものの、賞球獲得の観点からは遊技者に好ましい状況となったこと、言い換えると、特図保留内で大当たり当選して連荘(所謂「保留連」)となり、当該保留連に係る大当たり遊技で差玉数が基準数に到達して当該大当たり遊技の終了に伴って過賞球防止機能が作動し、遊技実行不能状態になることを遊技者が認識可能な範囲で適宜に設定しても良い。
第7実施形態において、祝福演出は、祝福演出に対応付けられた専用の画像(祝福演出画像)G170の表示画面50aへの表示で構成されている。祝福演出画像G170は、差玉数が基準数に達して過賞球防止機能が作動することになるものの、賞球獲得の観点からは遊技者に好ましい状況となったこと(特図保留内で大当たり当選して連荘(所謂「保留連」)となり、当該保留連に係る大当たり遊技で差玉数が基準数に到達して当該大当たり遊技の終了に伴って過賞球防止機能が作動し、遊技実行不能状態になること)を示唆する画像であるが、この他に、大当たり遊技が開始されることも示唆する。すなわち、祝福演出画像G170は、第1実施形態のオープニング画像G107のような大当たり遊技の開始を示唆する画像(オープニング画像)としても機能する。
また、祝福演出画像G170は、特定条件(個別特定条件5,6)が成立した場合の当該大当たり遊技のオープニングにおいて、オープニング画像G107の代わりに表示される。すなわち、特定条件が成立していない場合には、第5実施形態の場合と同様に、オープニング画像G107が通常のオープニング画像として表示され、特定条件が成立している場合には、祝福演出画像G170が特別なオープニング画像として表示される。そこで、本実施形態では、オープニング画像G107が、特定条件が成立していないときに表示される通常のオープニング画像であることを位置付けるために、「通常オープニング画像G107」と称する。
なお、第7実施形態に係る通常オープニング画像G107は、第5実施形態に係る通常オープニング画像G107と同一である(図64(A)~図64(E)参照)。そして、祝福演出画像G170には、特別大当たり遊技に対応付けられた名称が含まれている。特別大当たり遊技に対応付けられた名称は、近々差玉数が基準数に達して過賞球防止機能が作動することになるものの、賞球獲得の観点からは遊技者に好ましい状況となったこと(特図保留内で大当たり当選して連荘(所謂「保留連」)となり、当該保留連に係る大当たり遊技で差玉数が基準数に到達して当該大当たり遊技の終了に伴って過賞球防止機能が作動し、遊技実行不能状態になること)を認識できる範囲で適宜に設定可能であるが、第7実施形態では、特別大当たり遊技に「Last Lucky BONUS」という名称が対応付けられている。
図64(F)は、祝福演出画像G170が表示画面50aに表示されている様子を表す図である。したがって、大当たり遊技の開始時に個別特定条件5、および個別特定条件6が成立していると、当該大当たり遊技のオープニングで、図64(F)に示す祝福演出画像G170が特別なオープニング画像として表示される。なお、第7実施形態において、特別大当たり遊技を構成する当該大当たり遊技のオープニングでは、オープニング画像として祝福演出画像G170が表示されるが、特定保留連大当たり遊技のオープニングでは、オープニング画像は表示されない。詳細な説明は省略するが、特別大当たり遊技を構成する2つの大当たり遊技(当該大当たり遊技、および特定保留連大当たり遊技)を一体的に見せるために、当該大当たり遊技のエンディングでエンディング演出が実行されず、特定保留連大当たり遊技のオープニングでオープニング演出が実行されず、当該大当たり遊技のエンディングが開始してから、特定保留連大当たり遊技のオープニングが終了するまで、大当たり遊技間の特図変動表示も含めて一連の特別な演出が実行される。一連の特別な演出として、当該大当たり遊技のラウンド遊技(特に、最後のラウンド遊技)と、特定保留連大当たり遊技のラウンド遊技(特に、最初のラウンド遊技)とをつなぐように、表示画面50aでは当該一連の特別な演出に応じた特殊な背景画像が表示され、スピーカー52からは当該一連の特別な演出に応じた特殊なBGMが出力され、枠ランプ53、盤ランプ54では当該一連の特別な演出に応じた特殊な態様の発光が行われる。
以上のように、パチンコ遊技機PY7によれば、特定計測数(差玉数)が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御されることがあり、大当たり遊技の開始時に、特定結果(大当たり)が導出されることになる所定判定(大当たり判定)を実行する権利が保留されており、基準数から当該大当たり遊技の開始時の特定計測数を減算した特定値(残り差玉数)が、当該大当たり遊技で付与可能な遊技媒体の個数である第1付与個数(当該大当たり獲得賞球数)よりも多く、保留されている特定結果に基づいて実行される大当たり遊技で付与可能な遊技媒体の個数である第2付与個数(特定保留大当たり獲得賞球数)に第1付与個数を加算した値よりも少ないことを条件として、当該保留に係る大当たり遊技で特定計測数が基準数に達する可能性があることを遊技者が認識可能な特別演出(祝福演出)を実行することがある。したがって、遊技者に過剰な賞球を付与しないようにしつつ、間もなく特定差玉数が基準数に達して遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御されてしまうものの、特定状態を迎える前に、1回分多くの大当たり遊技が実行されることになるため賞球獲得の観点からは遊技者にお得感を抱かせて喜ばせることができるという効果を奏する。
(第7実施形態の変更例)
次に、第7実施形態に係るパチンコ遊技機PY7の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
パチンコ遊技機PY7は、画像表示装置50(表示画面50a)に祝福演出画像G170を表示することによって祝福演出を実行しているが、祝福演出画像G170の表示に代えて、もしくは加えて、スピーカー52からの音声の出力などの他の演出装置による演出によって祝福演出を実行しても良い。この場合、他の演出装置による演出内容は、差玉数が基準数に達して過賞球防止機能が作動することになるものの、賞球獲得の観点からは遊技者に好ましい状況となったこと(特図保留内で大当たり当選して連荘(所謂「保留連」)となり、当該保留連に係る大当たり遊技で差玉数が基準数に到達して当該大当たり遊技の終了に伴って過賞球防止機能が作動し、遊技実行不能状態になること)を遊技者が認識可能な範囲で適宜に設定しても良い。
また、パチンコ遊技機PY7では、祝福演出は、特別大当たり遊技における当該大当たり遊技のオープニングで実行されるが、特定保留連大当たり遊技のオープニングでは実行されていない。しかし、特定保留連大当たり遊技のオープニングでも祝福演出が実行されるようにしても良い。例えば、祝福演出画像G170には、当該大当たり遊技に対応付けられた祝福演出画像G170Aと、特定保留連大当たり遊技に対応付けられた祝福演出画像G170Bとがあり、祝福演出画像G170Aの表示内容と、祝福演出画像G170Bの表示内容とが異なるようにしても良い。この場合、例えば、先に実行される当該大当たり遊技に係る祝福演出画像G170Aは「Last Lucky BONUS(前半)」という文字で構成され、後に実行される特定保留連大当たり遊技に係る祝福演出画像G170Bは「Last Lucky BONUS(後半)」という文字で構成されるようにしても良い。また、当該大当たり遊技に対応付けられた祝福演出画像G170Aの表示内容と、特定保留連大当たり遊技に対応付けられた祝福演出画像G170Bの表示内容とが同一になるようにしても良い。
さらに、パチンコ遊技機PY7は、大当たり遊技を開始させる際に特定条件が成立している場合は、当該大当たり遊技のオープニングにおいて、通常オープニング画像G107に代えて祝福演出画像G170を表示することで、祝福演出を実行しているが、各大当たり遊技に係る大当たり図柄種別の応じた通常オープニング画像G107は特定条件が成立していない場合と同様に表示されて、祝福演出に対応付けられた画像を別途表示することで、祝福演出を実行するようにしても良い。また、祝福演出として、ラウンド遊技における背景画像を祝福演出専用の特別な背景画像にしても良い。この場合は、当該大当たり遊技におけるラウンド遊技のみ特別な背景画像にしても、当該大当たり遊技におけるラウンド遊技、および特定保留連大当たり遊技におけるラウンド遊技の双方で特別な背景画像にしても良い。また、ラウンド遊技における特別な背景画像に代えて、あるいは加えて、スピーカー52による祝福演出専用の特別なBGMや枠ランプ53・盤ランプ54による祝福演出専用の特別な発光演出としても良い。
また、パチンコ遊技機PY7は、個別特定条件5、および個別特定条件6の双方が成立すれば過賞球関連特別演出として祝福演出が実行されるが、祝福演出が実行されるための条件を、個別特定条件5、および個別特定条件6以外の条件で構成しても良い。例えば、個別特定条件5、および個別特定条件6に加えて、当該大当たり獲得予定賞球数よりも特定保留大当たり獲得予定賞球数の方が多いことをさらなる条件としても良い。この場合、遊技者のお得感が高まり、祝福演出の演出効果が向上する。また、この条件に代えて、あるいは加えて、特定保留大当たり獲得予定賞球数が大当たり開始時残り差玉数よりも多いことをさらなる条件としても良い。この場合、遊技者のお得感が高まり、祝福演出の演出効果が向上する。
さらに、パチンコ遊技機PY7では、大当たり遊技は大当たり図柄の停止表示によって実行されているが、例えば、パチンコ遊技機PY7は、所謂「1種2種混合機」で構成されており、特図1抽選や特図2抽選で小当たりに当選すると、小当たり図柄が停止表示したことによって、第2大入賞口15が開放する小当たり遊技が実行され、小当たり遊技で開放した第2大入賞口15に入球した遊技球が、特定領域(所謂「Vゾーン」)を通過(所謂「V入賞」)すると大当たり遊技が実行されるようにしても良い。そして、この場合は、小当たり契機の大当たり遊技も特定条件に関わる大当たり遊技に含めるようにしても良い。また、小当たり契機の大当たり遊技に係る大当たり獲得予定賞球数は、当該大当たり遊技で獲得可能な賞球数にしても、当該小当たり遊技および大当たり遊技で獲得可能な賞球数にしても良い。
<第8実施形態>
次に、前述の本発明に係る第5実施形態に基づいて、本発明に係る第8実施形態について説明する。以下においては、主に、第8実施形態として、第5実施形態と異なる点について説明する。また、第5実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第8実施形態に係るパチンコ遊技機PY8では、パチンコ遊技機PY5における過賞球防止機能に係る特定条件が設定されておらず、パチンコ遊技機PY5で実施可能であった過賞球関連特別演出が実行されることはないが、別の過賞球関連特別演出として、差玉数が基準数に達していないときに特殊ボタン41が所定操作されることによって、差玉数が基準数に達するまでの残りの差玉数(残り差玉数)を報知する残り差玉数報知演出が実行される。詳細な説明は省略するが、遊技制御用マイコン101は、特図変動表示が終了する際に、言い換えると、変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする際に、差玉数記憶部107cを確認し、差玉数を示す差玉数指定コマンドも遊技用RAM104の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされた差玉数指定コマンドは出力処理(S112)によって変動停止コマンドと共に演出制御基板120に送信される。
また、図示しないが、演出制御基板120の演出用RAM124には、差玉数を記憶する演出用差玉数記憶領域125が設けられている。そして、演出制御用マイコン121は、受信コマンド処理(S4201)において適宜に差玉数指定コマンドを受信したか否かを判定し、受信したと判定すると、差玉数指定コマンドが示す差玉数を演出用差玉数記憶領域125に記憶する。したがって、演出制御用マイコン121は、演出用差玉数記憶領域125を確認することによって差玉数を特定することができる。
そして、演出制御用マイコン121は、過賞球防止機能の作動に基づく遊技実行不能状態に遷移されていないときに、特殊ボタン41の所定操作を検知すると、まずは演出用差玉数記憶領域125を確認して差玉数を特定し、続いて、特定した差玉数を基準数から減算して残り差玉数を算出してから、当該残り差玉数を報知する残り差玉数報知演出を実行する。
残り差玉数報知演出は、一度も差玉数が基準数に達しておらず、過賞球防止機能の作動に基づく遊技実行不能状態に遷移されていないことを条件に、特図に係る(第1始動口11,および第2始動口12への入賞に基づく)遊技が実行されている状態、および特図に係る(第1始動口11,および第2始動口12への入賞に基づく)遊技が実行されていない状態の何れにおいても実行可能である。
特図に係る(第1始動口11,および第2始動口12への入賞に基づく)遊技が実行されている状態は、特図可変表示が実行されている状態と、大当たり遊技が実行されている状態とに分けることができる。なお、特図可変表示が実行されている状態は、特図変動表示が開始されてから、特図停止表示が終了するまでの期間のことである。「特図停止表示が終了」とは、特図変動表示が停止(特図停止表示が開始)してからさらに特図確定時間が経過することである。
また、第8実施形態では、特図可変表示が終了してから、すなわち特図が停止表示して特図確定時間が経過してから、さらに所定時間(第8実施形態では、30秒)経過するまでは、背景画像が維持されたままその直近に行われた演出図柄EZ1~EZ3の停止表示、および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が継続し、所定時間が経過したときに、演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3が消去されると共に、背景画像が客待ちデモ動画G100に切り替わるものとする。
そして、パチンコ遊技機PY8は、特図に係る(第1始動口11,および第2始動口12への入賞に基づく)遊技が実行されていない状態であって、演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3が表示されているとき、および客待ちデモ動画G100が表示されているときに、残り差玉数報知演出を実行可能である。なお、以下において、特図可変表示が終了してから客待ちデモ動画G100に切り替わるまでの所定時間のことを「客待ち待機時間」と称する。ただし、客待ち待機時間は特に限定されず適宜に設定しても良い。
残り差玉数報知演出の具体的な演出内容は、遊技者が残り差玉数を認識可能な範囲で適宜に設定しても良い。ただし、前述の通り、第8実施形態では、差玉数指定コマンドは特図変動表示が終了する際に演出制御基板120に送信されるため、言い換えると、演出制御基板120が特定可能な差玉数は、特図変動表示が終了する際に更新されるので、残り差玉数報知演出が報知する残り差玉数は、残り差玉数報知演出が実行されるタイミングによってそのときの実際の残り差玉数と一致している場合と相違している場合とがある。直近の特図変動表示が終了した後に排出口センサが遊技球を検出しておらず、賞球が払い出されていない場合は、そのときに行われた残り差玉数報知演出が報知する残り差玉数は、そのときの実際の残り差玉数と一致していることになる。一方、直近の特図変動表示が終了した後に排出口センサが遊技球を検出し、または賞球が払い出された場合は、そのときに行われた残り差玉数報知演出が報知する残り差玉数は、そのときの実際の残り差玉数と相違していることになる。
残り差玉数報知演出の演出内容は、遊技者が残り差玉数を認識できる範囲で適宜に設定可能であるが、第8実施形態では、残り差玉数報知演出は、残り差玉数報知演出に対応付けられた専用の画像(残り差玉数報知演出画像)G30の表示画面50aへの表示で構成されている。残り差玉数報知演出画像G30は、直近に演出制御用マイコン121が算出した残り差玉数を示唆する画像で構成されている。具体的に、残り差玉数報知演出画像G30は、残り差玉数を示す文「遊技停止まであと〇〇発です」で構成され、当該文の「〇〇」の部分に、演出制御用マイコン121が直近に算出した残り差玉数が表示される。
また、残り差玉数報知演出を実行するための特殊ボタン41への所定操作は、3秒間の継続した押下操作(所謂「長押し」)で構成されている。ただし、特殊ボタン41への所定操作の操作態様は、特に限定されておらず適宜に変更しても良い。
ここで、残り差玉数報知演出の具体例について説明する。最初に、図65を用いて、特図に係る遊技が実行されていない状態であって表示画面50aに客待ちデモ動画G100が表示されているときに、残り差玉数報知演出が実行される場合の具体例を説明する。
例えば、図65(A)に示すように、遊技実行不能状態ではなくて、言い換えると、過賞球防止機能が作動されておらずに、特図に係る遊技が実行されていない状態(客待ち状態)において、表示画面50aに客待ちデモ動画G100が表示されている状況であるとする。このような状況で、特殊ボタン41が所定操作(長押し)されると、図65(B)に示すように、演出制御用マイコン121は、直近の特図変動表示が終了したときの残り差玉数(図65(B)では、「22457個」)が表示された残り差玉数報知演出画像G30を客待ちデモ動画G100に重畳的に表示することによって、直近の特図可変表示が終了したときの残り差玉数を報知する残り差玉数報知演出を実行する。そして、残り差玉数報知演出画像G30が表示されてから所定時間(第8実施形態では、5秒)が経過すると、図65(C)に示すように、客待ちデモ動画G100は継続して表示されたまま残り差玉数報知演出画像G30が消える。すなわち、残り差玉数報知演出の演出時間は5秒である。ただし、残り差玉数報知演出の演出時間は適宜に変更しても良い。
なお、図示しないが、客待ち状態であって、客待ちデモ動画G100が表示される前の状況であっても、図65の場合と同様に残り差玉数報知演出が実行される。客待ち状態であって、客待ちデモ動画G100が表示される前では、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103、夜間通常用背景画像G104、確変用背景画像G105、または時短用背景画像G106などの特図変動演出の通常変動に係る背景画像に重畳的に演出図柄EZ1~EZ3や小図柄KZ1~KZ3が停止表示している。よって、この状況で、特殊ボタン41が所定操作されると、直近の特図変動表示が終了したときの残り差玉数が表示された残り差玉数報知演出画像G30が、昼間通常用背景画像G102などの背景画像に重畳的に表示されることによって、直近の特図可変表示が終了したときの残り差玉数を報知する残り差玉数報知演出が実行される。
次に、特図に係る遊技が実行されている状態、詳細には、図66を用いて特図変動表示が実行されているときに、残り差玉数報知演出が実行される場合の具体例を説明する。例えば、図66(A)に示すように、特図変動表示が実行されている状態であって、リーチに発展しておらず、表示画面50aに昼間通常用背景画像G102が表示され、昼間通常用背景画像G102に重畳的に演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われている状況であるとする。このような状況で、特殊ボタン41が所定操作(長押し)されると、図66(B)に示すように、演出制御用マイコン121は、直近の特図変動表示が終了したときの残り差玉数(図66(B)では、「22457個」)が表示された残り差玉数報知演出画像G30を昼間通常用背景画像G102、および変動表示している演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に表示することによって、直近の特図可変表示が終了したときの残り差玉数を報知する残り差玉数報知演出を実行する。そして、残り差玉数報知演出画像G30が表示されてから所定時間(第8実施形態では、5秒)が経過すると、図66(C)に示すように、昼間通常用背景画像G102、および変動表示している演出図柄EZ1~EZ3は継続して表示されたまま残り差玉数報知演出画像G30が消える。
なお、図示しないが、特図変動表示が実行されている状態であって、SPリーチなどのリーチが成立した後の状況であっても、図66の場合と同様に残り差玉数報知演出が実行される。よって、例えば、表示画面50aにSPリーチ用背景画像G113が表示されているときに、特殊ボタン41が所定操作(長押し)されると、直近の特図可変表示が終了したときの残り差玉数が表示された残り差玉数報知演出画像G30が、SPリーチ用背景画像G113に重畳的に表示されることによって、直近の特図可変表示が終了したときの残り差玉数を報知する残り差玉数報知演出が実行される。
また、図示しないが、大当たり遊技が実行されている状態であって、図66の場合と同様に残り差玉数報知演出が実行される。よって、例えば、表示画面50aに、オープニングに応じた背景画像やラウンド遊技に応じた背景画像が表示されているときに、特殊ボタン41が所定操作(長押し)されると、直近の特図可変表示が終了したときの残り差玉数が表示された残り差玉数報知演出画像G30が、オープニングに応じた背景画像やラウンド遊技に応じた背景画像に重畳的に表示されることによって、直近の特図可変表示が終了したときの残り差玉数を報知する残り差玉数報知演出が実行される。
なお、図65や図66に示すような残り差玉数報知演出画像G30を表示画面50aに表示(残り差玉数報知演出を実行)するために、算出した残り差玉数を含む残り差玉数報知演出の演出内容を示す残り差玉数報知演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた残り差玉数報知演出開始コマンドは、ステップS4004のコマンド送信処理によって画像制御基板140に送信される。画像制御基板140の画像用CPU141は残り差玉数報知演出開始コマンドを受信すると、当該コマンドが示す演出内容の残り差玉数報知演出画像G30を表示画面50aに適宜に表示する。
以上のように、パチンコ遊技機PY8によれば、特定計測数(差玉数)が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御されることがあり、特定状態(遊技実行不能状態)に制御されていないときに特定操作手段(特殊ボタン41)が所定操作(長押し)されることによって、特定計測数(差玉数)が基準数に達するまでの残りの特定計測数(差玉数)である残り特定計測数(残り差玉数)を遊技者が認識可能な特定演出(残り差玉数報知演出)を実行することがある。したがって、遊技者に過剰な賞球を付与しないようにしつつ、遊技者の任意で残り特定計測数(残り差玉数)が報知されて遊技者に安心感を与えることができるという効果を奏する。
<第9実施形態>
次に、前述の本発明に係る第8実施形態に基づいて、本発明に係る第9実施形態について説明する。以下においては、主に、第9実施形態として、第8実施形態と異なる点について説明する。また、第8実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第9実施形態に係るパチンコ遊技機PY9も、第8実施形態と同一の残り差玉数報知演出が実行することがある。しかし、第8実施形態の場合と、残り差玉数報知演出を実行するための条件(残り差玉数報知演出実行条件)が異なる。残り差玉数報知演出実行条件は、一度も差玉数が基準数に達していないこと(残り差玉数報知演出実行条件1)、残り差玉数が所定範囲(第9実施形態では、10000個以下)であること(残り差玉数報知演出実行条件2)、および客待ち状態に移行したこと(残り差玉数報知演出実行条件3)である。
なお、残り差玉数報知演出実行条件1、および残り差玉数報知演出実行条件2が成立しているときに、客待ち状態に移行すると、言い換えると残り差玉数報知演出実行条件3が成立すると、第8実施形態の場合のように特殊ボタン41などの操作手段の所定操作の有無に関係なく、当該移行時に残り差玉数報知演出が実行される。また、第9実施形態でも、第8実施形態の場合と同様に、遊技制御用マイコン101は、特図変動表示が終了する際に、差玉数指定コマンドを演出制御基板120に送信し、演出制御基板120は、差玉数指定コマンドが示す差玉数を演出用差玉数記憶領域125に記憶するものとする。
また、詳細な説明は省力するが、演出制御用マイコン121による残り差玉数報知演出を実行するための処理(残り差玉数報知演出制御処理)としては、演出制御用マイコン121は、一度も差玉数が基準数に達していないときに(残り差玉数報知演出実行条件1が成立しているときに)、客待ちコマンドをすると(残り差玉数報知演出実行条件3が成立すると)、まずは演出用差玉数記憶領域125を確認して差玉数を特定し、続いて、特定した差玉数を基準数から減算して残り差玉数を算出する。
次に、演出制御用マイコン121は、残り差玉数が所定範囲(10000個以下)であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、残り差玉数が所定範囲ではない(残り差玉数報知演出実行条件2が成立していない)と判定すると当該残り差玉数報知演出制御処理を終え、残り差玉数が所定範囲である(残り差玉数報知演出実行条件2が成立している)と判定すると、例えば、残り差玉数を含む残り差玉数報知演出の演出内容を示す残り差玉数報知演出開始コマンドを画像制御基板140に送信して、画像制御基板140に、残り差玉数報知演出画像G30を表示画面50aに表示させることで残り差玉数報知演出を実行させる。なお、演出制御用マイコン121は、過賞球報知コマンドを受信していなければ、一度も差玉数が基準数に達していない(残り差玉数報知演出実行条件1が成立している)と判定し、過賞球報知コマンドを受信していれば、差玉数が基準数に達した(残り差玉数報知演出実行条件1が成立していない)と判定するものとする。
ここで、図67を用いて第9実施形態に係る残り差玉数報知演出が実行される場合の具体例を説明する。なお、残り差玉数報知演出実行条件1、および残り差玉数報知演出実行条件2が成立している状況と仮定する。また、直近の特図変動表示が終了するときの残り差玉数は5000個であったとする。
例えば、特図保留がない状態で、ハズレに係る特図変動表示が終了すると、図67(A)に示すように、ハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。そして、特図変動表示が終了してから特図確定時間が経過すると、客待ち状態となって客待ちコマンドが演出制御基板120に送信される(残り差玉数報知演出実行条件3が成立する)。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信すると、演出用差玉数記憶領域125を確認してから残り差玉数を算出し、その残り差玉数を含む残り差玉数報知演出開始コマンドを画像制御基板140に送信し、図67(B)に示すように、残り差玉数報知演出画像G30を表示画面50aに表示させて、残り差玉数報知演出を実行する。
第9実施形態では、残り差玉数報知演出は、新たな特図変動演出が開始されるまで継続して実行され続ける。したがって、図67(B)に示す状況では、特図可変表示が終了した直後であるので、特図変動演出に係るある背景画像(図67(B)では、昼間通常用背景画像G102)に重畳的にハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3が停止表示し、当該背景画像に重畳的に残り差玉数報知演出画像G30が表示されているが、前述したように、特図変動表示が終了してから特図確定時間が経過した後、新たな特図可変表示が開始されないまま、さらに所定時間(30秒)が経過すると、図67(c)に示すように、背景画像は客待ちデモ動画G100に切り替わる。そして、残り差玉数報知演出は新たな特図変動演出が開始されるまで継続して実行され続けるので、背景画像が客待ちデモ動画G100に切り替わっても、残り差玉数報知演出画像G30はそのまま表示され続ける。
そして、図67(c)に示す状況で、新たに特図可変表示が開始されると、図67(d)に示すように、特図変動演出(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示)が開始されると共に、残り差玉数報知演出画像G30が消去されて残り差玉数報知演出が終了する。
なお、特図変動表示(特図停止表示)の後だけでなく、大当たり遊技の後にも客待ち状態になることがある。大当たり遊技が終了するときに特図保留がなければ、そのまま客待ち状態になり、言い換えると、当該大当たり遊技終了直後の特別図柄待機処理(S1302)で客待ちコマンドが遊技用RAM104の出力バッファにセットされて(S1417)、客待ちコマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
また、図示はしないが、第9実施形態では、大当たり遊技のエンディングの途中で、エンディング演出として、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111が表示され、続いてエンディングが終了する直前には、表示画面50aに、当該大当たり遊技の後の遊技状態に応じた背景画像(例えば、確変用背景画像G105や時短用背景画像G106)が表示されると共に、当該大当たり遊技が開始される直前に表示されていた大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3が当該背景画像に重畳的に表示される。そして、このときに特図保留があれば、大当たり遊技の終了に応じて特図可変表示が開始され、当該特図可変表示に伴って特図変動演出(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示)が開始される。一方、このときに特図保留がなければ、大当たり遊技が終了しても、大当たりを示す態様で停止している状態の演出図柄EZ1~EZ3の当該背景画像に重畳的な表示がそのまま継続する。そして、大当たり遊技の終了に応じて客待ち状態に移行することになるので、このときに、残り差玉数報知演出実行条件1、および残り差玉数報知演出実行条件2が成立していれば、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140に、遊技状態に応じた背景画像(例えば、確変用背景画像G105や時短用背景画像G106)に重畳的に残り差玉数報知演出画像G30を表示させて、残り差玉数報知演出を実行する。その後、演出制御用マイコン121は、特図変動表示の後の場合と同様に、大当たり遊技が終了してから所定時間(30秒)が経過すると、残り差玉数報知演出画像G30を表示したまま背景画像を客待ちデモ動画G100に切り替えさせる。
以上のように、パチンコ遊技機PY9によれば、特定計測数(差玉数)が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御されることがあり、特定計測数(差玉数)が基準数に達するまでの残りの特定計測数(差玉数)である残り特定計測数(残り差玉数)が所定の判定数(10000)以下になっていることを条件に、残り特定計測数(残り差玉数)を遊技者が認識可能な特定演出(残り差玉数報知演出)を実行することがある。したがって、遊技者に過剰な賞球を付与しないようにしつつ、特定演出の実行頻度を抑えて特定演出の演出効果の低下を防ぐと共に、残り特定計測数(残り差玉数)が報知されて遊技者に安心感を与えることができるという効果を奏する。さらに、パチンコ遊技機PY9によれば、識別情報の可変表示(特別図柄の可変表示)、および特定遊技(大当たり遊技)の何れも実行されてない状態であることを条件に特定演出を実行可能であるので、新たに遊技を開始しようとする遊技者に有益な情報を提供できると共に、遊技に係る演出の演出効果の低下を防ぐことができる。
(第8、9実施形態の変更例)
次に、第8実施形態に係るパチンコ遊技機PY8、および第9実施形態に係るパチンコ遊技機PY9(パチンコ遊技機PY8等)の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
パチンコ遊技機PY8等では、遊技制御用マイコン101は、特図変動表示が終了する際に差玉数指定コマンドを演出制御基板120に送信するが、言い換えると、演出制御基板120が特定可能な(管理する)差玉数は特図変動表示が終了する度に更新されるが、差玉数指定コマンドが演出制御基板120に送信されるタイミング(演出制御基板120が特定可能な差玉数が更新されるタイミング)は、特図変動表示の終了の際に限られず適宜に変更しても良い。例えば、差玉数指定コマンドは特図変動表示が終了する際に演出制御基板120に送信されないが、特図変動表示が開始する際に(例えば、変動開始コマンドが送信される際に)演出制御基板120に送信されるようにしても良い。また、特図変動表示が開始する際、および特図変動表示が終了する際の何れにも差玉数指定コマンドが演出制御基板120に送信されるようにしても良い。あるいは、2以上の所定回数の特図変動表示が開始する度に、もしくは終了する度に差玉数指定コマンドが演出制御基板120に送信されるようにしても良い。
また、特図変動表示に代えて、あるいは加えて、大当たり遊技の実行中にも差玉数指定コマンドが演出制御基板120に送信されるようにしても良い。例えば、オープニングの開始時、オープニングの終了時、エンディングの開始時、およびエンディングの終了時の何れか1つ、何れか、または全てにおいて差玉数指定コマンドが演出制御基板120に送信されるようにしても良い。また、全てのラウンド遊技の開始時、または特定のラウンド遊技の開始時に差玉数指定コマンドが演出制御基板120に送信されるようにしても良い。あるいは、遊技制御用マイコン101が客待ちコマンドを演出制御基板120に送信する際に差玉数指定コマンドが演出制御基板120に送信されるようにしても良い。
あるいは、特図に係る遊技の所定契機とは関係なく、普図変動表示や補助遊技などの普図に係る遊技の所定契機に基づいて差玉数指定コマンドが演出制御基板120に送信されるようにしても良い。
また、特図や普図に係る遊技の所定契機に関わらず、所定時間間隔で差玉数指定コマンドが演出制御基板120に送信されるようにしても良い。あるいは、差玉数が所定個数(例えば、500個)増加する度に差玉数指定コマンドが演出制御基板120に送信されるようにしても良い。
このように、差玉数指定コマンドが演出制御基板120に送信されるタイミングは適宜に変更可能であり、そのタイミングの頻度が増えることによって、残り差玉数報知演出で報知される残り差玉数の精度が高くなるが、その頻度が高くなり過ぎると、遊技制御用マイコン101の処理負担が増大する。ここで、残り差玉数報知演出の課題を「遊技者が遊技を開始して直ぐに、または、最初に実行された大当たり遊技、もしくは2~3回目の大当たり遊技で差玉数が基準値に達して遊技が実行できない状態となることを防ぐこと」にするのであれば、一般的に遊技者は、スペックによるが、特図可変表示の終了や大当たり遊技の終了に応じて遊技を終了することを鑑みると、特図可変表示が終了するタイミングと大当たり遊技が終了するタイミングで差玉数指定コマンドが演出制御基板120に送信されることが望ましい。遊技者が遊技を終了すると、客待ち状態となって、客待ち状態において新たに遊技を開始しようとする遊技者が残り差玉数報知演出を実行させて残り差玉数を確認できるからである。
また、パチンコ遊技機PY8等は、画像表示装置50(表示画面50a)に残り差玉数報知演出画像G30を表示することによって残り差玉数報知演出を実行しているが、残り差玉数報知演出画像G30の表示内容は、第8実施形態や第9実施形態に限られず、遊技者が残り差玉数を認識可能な範囲で適宜に変更しても良い。さらに、パチンコ遊技機PY8等は、画像表示装置50(表示画面50a)に残り差玉数報知演出画像G30を表示することによって残り差玉数報知演出を実行しているが、残り差玉数報知演出画像G30の表示に代えて、もしくは加えて、スピーカー52からの音声の出力などの他の演出装置による演出を用いても良い。この場合、他の演出装置による演出内容は、残り差玉数を遊技者が認識可能な範囲で適宜に設定しても良い。
さらには、パチンコ遊技機PY8等では、遊技制御用マイコン101が演出制御基板120に差玉数指定コマンドを送信することで差玉数を示す情報を演出制御基板120に提供しているが、演出制御基板120に代えて、あるいは加えて、払出制御基板170など主制御基板100、および演出制御基板120以外の制御基板に差玉数を示す情報を送信し、当該制御基板は受信した差玉数を示す差玉数を記憶可能に構成されているようにしても良い。そして、例えば、当該制御基板にある操作手段が電気的に接続されており、当該制御基板はその操作手段への操作を検知可能に構成されている場合、当該制御手段は、操作手段が所定操作されることに応じて、記憶している差玉数に基づいて残り差玉数報知演出を実行するようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY8等では、残り差玉数報知演出が実行されることで遊技者は直接的に残り差玉数を認識することができるが、残り差玉数報知演出に代えて、差玉数を報知する演出を実行するようにしても良い。例えば、当該パチンコ遊技機PY8等に係る基準数がオフィシャルで公開、または特図変動演出中などにおける演出として報知されるなど遊技者が事前に基準数を知得することができる場合、遊技者は差玉数が報知されることで、残り差玉数を算出することができる。
また、パチンコ遊技機PY8では、遊技者が特殊ボタン41を長押しすることによって残り差玉数報知演出を任意に実行することが可能であるが、特殊ボタン41の操作態様は長押しに限られず、単純な1回操作など適宜に変更しても良い。さらに、残り差玉数報知演出を実行するために操作する操作手段も特殊ボタン41に限られず、通常ボタン40や図示しない十字ボタン、返却ボタン、および球貸しボタンなどの他の操作手段に適宜に変更しても良い。さらには、複数の操作手段を同時に操作したり、所定の順序で操作したりするなど複数の操作手段を所定態様で操作することによって残り差玉数報知演出が実行されるようにしても良い。
さらに、パチンコ遊技機PY8では、残り差玉数報知演出は、遊技実行不能状態に遷移されていない状態では何れのタイミングでも実行可能であり、実行が制限される期間が設けられていないが、実行が制限される期間が設けられても良い。例えば、特図変動演出においてリーチが成立した以降の期間や演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われている期間は、特殊ボタン41が所定操作されても残り差玉数報知演出が実行されないようにしても良い。遊技に係る演出の演出効果の低下を防ぐためである。また、遊技が実行されているときに特殊ボタン41の操作が有効な期間において特殊ボタン41が所定操作されても残り差玉数報知演出が実行されないようにしても良い。特殊ボタン41への操作に基づく演出の演出効果の低下を防ぐためである。これは、残り差玉数報知演出に係る操作手段が通常ボタン40や図示しない十字ボタン、返却ボタン、および球貸しボタンなどの他の操作手段である場合も同様である。
また、パチンコ遊技機PY9では、残り差玉数報知演出は、客待ち状態への移行時に開始しているが、開始タイミングは特に限定されず、適宜に変更しても良い。例えば、客待ち状態に移行してから客待ちデモ動画G100が実行されるまでの間の所定タイミング(例えば、客待ち状態に移行してから10秒後)に残り差玉数報知演出が開始されるようにしても良い。あるいは、客待ちデモ動画G100の開始時に残り差玉数報知演出が開始されるようにしても良い。さらには、客待ちデモ動画G100が開始してから所定時間(例えば、5秒と)に残り差玉数報知演出が開始されるようにしても良い。また、通常ボタン40や特殊ボタン41などの所定の操作手段が所定操作されると残り差玉数報知演出が開始されるようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY9では、残り差玉数報知演出は、新たな特図可変表示の開始時に終了しているが、終了タイミングは特に限定されず、適宜に変更しても良い。例えば、客待ち状態に移行してから客待ちデモ動画G100が実行されるまでの間の所定タイミング(例えば、客待ち状態に移行してから10秒後)に残り差玉数報知演出が終了されるようにしても良い。あるいは、客待ちデモ動画G100の開始時に残り差玉数報知演出が終了されるようにしても良い。さらには、客待ちデモ動画G100が開始してから所定時間(例えば、5秒)経過後に残り差玉数報知演出が終了されるようにしても良い。また、通常ボタン40や特殊ボタン41などの所定の操作手段が所定操作されると残り差玉数報知演出が終了されるようにしても良い。
また、残り差玉数報知演出実行条件2に係る所定範囲も第9実施形態に限られず適宜に変更しても良い。例えば、所定範囲を残り差玉数が15000個以下で構成させるなど所定範囲を広くしても良い。反対に、所定範囲を残り差玉数が5000個以下で構成させるなど所定範囲を狭くしても良い。
さらに、パチンコ遊技機PY9では、客待ち状態に移行していることが残り差玉数報知演出を実行するための条件に含まれているが、遊技状態に限られず、残り差玉数報知演出実行条件1、および残り差玉数報知演出実行条件2の双方が成立した時点で残り差玉数報知演出を実行するようにしても良い。すなわち、残り差玉数報知演出実行条件に、残り差玉数報知演出実行条件3が含まれないようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY9については、残り差玉数報知演出のように、残り差玉数が報知される演出に代えて、残り差玉数は報知されないが、差玉数が基準数に近づいてきていること、言い換えると残り差玉数が少なくなってきていることに対する注意喚起あるいは警告を行うための演出のように残り差玉数が所定個数以下になったことに応じた演出を実行するようにしても良い。
<第10実施形態>
次に、前述の本発明に係る第9実施形態に基づいて、本発明に係る第10実施形態について説明する。以下においては、主に、第10実施形態として、第9実施形態と異なる点について説明する。また、第8実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第10実施形態に係るパチンコ遊技機PY10でも、残り差玉数を報知する残り差玉数報知演出が実行されるが、残り差玉数報知演出実行条件についてパチンコ遊技機PY9と異なる。具体的には、パチンコ遊技機PY10における残り差玉数報知演出実行条件は、第9実施形態の一度も差玉数が基準数に達していないこと(残り差玉数報知演出実行条件1)、および残り差玉数が所定範囲(第10実施形態では、10000個以下)であること(残り差玉数報知演出実行条件2)である。よって、残り差玉数報知演出実行条件に、第9実施形態の客待ち状態に移行したこと(残り差玉数報知演出実行条件3)は含まれていない。すなわち、特図可変表示や大当たり遊技などの遊技が実行されている状態においても残り差玉数報知演出が実行可能である。
また、パチンコ遊技機PY10では、残り差玉数報知演出実行条件1、および残り差玉数報知演出実行条件2が成立している限り、残り差玉数報知演出が継続的に実行され、当該実行中は、残り差玉数報知演出によって残り差玉数がリアルタイムで更新される。さらに、パチンコ遊技機PY10では、一度、残り差玉数報知演出実行条件1、および残り差玉数報知演出実行条件2が成立して残り差玉数報知演出が実行された後に、例えば、残り差玉数が所定範囲でなくなり残り差玉数報知演出実行条件2が成立しなくなった場合は、その時点で残り差玉数報知演出が終了する。しかし、その後、再び残り差玉数が所定範囲に属するようになって残り差玉数報知演出実行条件2が成立した場合は、その時点で残り差玉数報知演出が再開される。
なお、詳細な説明は省略するが、パチンコ遊技機PY10では、残り差玉数報知演出が実行されているときには残り差玉数をリアルタイムで報知・更新するために、遊技制御用マイコン101は、差玉数、具体的には差玉数記憶部107cに記憶している差玉数の情報を更新するたびに差玉数を示す差玉数指定コマンドを演出制御基板120に送信するものとする。
また、詳細な説明は省力するが、演出制御用マイコン121による残り差玉数報知演出を実行するための処理(残り差玉数報知演出制御処理)としては、演出制御用マイコン121は、一度も差玉数が基準数に達していないときに(残り差玉数報知演出実行条件1が成立しているときに)、差玉数指定コマンドをすると、まずは演出用差玉数記憶領域125を確認して差玉数を特定し、続いて、特定した差玉数を基準数から減算して残り差玉数を算出する。次に、演出制御用マイコン121は、残り差玉数が所定範囲(10000個以下)であるか否かを判定する。
演出制御用マイコン121は、残り差玉数が所定範囲ではない(残り差玉数報知演出実行条件2が成立していない)と判定すると、現在、残り差玉数報知演出を実行しているか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、残り差玉数報知演出を実行していないと判定すると当該残り差玉数報知演出制御処理を終え、残り差玉数報知演出を実行していると判定すると当該残り差玉数報知演出を終了させるために、残り差玉数報知演出の終了を示す残り差玉数報知演出終了コマンドを画像制御基板140に送信する。画像制御基板140は、残り差玉数報知演出終了コマンドを受信すると、残り差玉数報知演出に対応付けられた画像(残り差玉数報知演出画像)G40を消去することで、残り差玉数報知演出を終了させる。なお、第10実施形態に係る残り差玉数報知演出画像G40の表示内容・表示位置・大きさは、第8実施形態等に係る残り差玉数報知演出画像G30の表示内容・表示位置・大きさと異なる。
演出制御用マイコン121は、残り差玉数が所定範囲である(残り差玉数報知演出実行条件2が成立している)と判定すると、残り差玉数を示す残り差玉数報知演出実行コマンドを画像制御基板140に送信する。画像制御基板140は、現在、残り差玉数報知演出が実行されていない場合は、当該残り差玉数報知演出実行コマンドが示す残り差玉数を含む残り差玉数報知演出画像G40を表示画面50aに表示することで残り差玉数報知演出を開始させる。一方、画像制御基板140は、現在、残り差玉数報知演出が実行されている場合は、残り差玉数報知演出画像G40における残り差玉数を表す部分を当該残り差玉数報知演出実行コマンドが示す残り差玉数に変更させることで、残り差玉数報知演出を更新させる。
次に、図68を用いて、パチンコ遊技機PY10が実行可能な残り差玉数報知演出の具体例を説明する。なお、残り差玉数報知演出実行条件1、および残り差玉数報知演出実行条件2が成立している状況と仮定する。
例えば、残り差玉数報知演出実行条件1が成立している中で、多くの大当たり遊技が実行されて残り差玉数が増加し、残り差玉数が所定範囲に差し掛かろうとしているが残り差玉数報知演出実行条件2が成立しておらず、図68(a)に示すように、確変演出モードで特図変動演出(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示)が行われている状況とする。このとき、残り差玉数報知演出実行条件が成立していないので、残り差玉数報知演出は実行されていない。
そして、図68(a)に示す状況から遊技が進行して、大当たり当選して大当たり遊技が実行され、図68(b)に示すように、ラウンド遊技が実行されている中で残り差玉数が所定範囲に属するようになり、具体的には残り差玉数が10000に達し、残り差玉数報知演出実行条件2が成立したとする。すると、図68(c)に示すように、そのときの残り差玉数を示す残り差玉数報知演出画像G40が表示画面50aに表示されることで、残り差玉数報知演出が実行される。なお、第10実施形態においては遊技中に残り差玉報知演出が実行可能であることから、残り差玉数報知演出が他の遊技に係る演出に支障を来すことを防ぐために、残り差玉数報知演出画像G40の大きさは第9実施形態の場合よりも小さくなり、残り差玉数報知演出画像G40の表示位置は第9実施形態の場合よりも視認し難い位置になっている。また、残り差玉数報知演出画像G40は、大当たり遊技に対応付けられた背景画像(大当たり用背景画像)G200に重畳的に表示される。
ラウンド遊技が実行されている間、基本的には差玉数は徐々に増加していくので、その後は差玉数の増加に応じて残り差玉数も徐々に減少していく。したがって、ラウンド遊技中に残り差玉数報知演出が開始されると、図68(d)に示すように、残り差玉数報知演出画像G40が示す残り差玉数も開始時から減少していく。そして、大当たり遊技が終了するときに、残り差玉数が9700個になっていたとすると、図69(a)に示すように、残り差玉数報知演出画像G40は残り差玉数が9700個であることを示す。なお、ここでは、当該大当たり遊技の終了に伴って低確率高ベース遊技状態且つ時短演出モードに移行するものとする。
また、図69(a)に示す状況から遊技が進行して、低確率高ベース遊技状態且つ時短演出モードにて、大当たり当選しないまま差玉数が徐々に減少していき、図69(b)に示すように、残り差玉数が10000まで増加してきたとする。そして、さらに差玉数が1個減少し、残り差玉数が10001まで増加すると、残り差玉数が所定範囲から外れて残り差玉数報知演出実行条件2が成立していない状況になったので、図68(c)に示すように、残り差玉数報知演出画像G40が消えることで残り差玉数報知演出が終了する。
なお、図示はしないが、図68(c)の状況の後、大当たり遊技が実行されて、差玉数が増加する反面、残り差玉数が減少して再び10000個に達し、所定範囲に属するようになって残り差玉数報知演出実行条件2が成立すると、そのときの残り差玉数を示す残り差玉数報知演出画像G30が表示画面50aに表示されることで、残り差玉数報知演出が実行される。
以上のように、パチンコ遊技機PY10によれば、特定計測数(差玉数)が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御されることがあり、特定計測数(差玉数)が基準数に達するまでの残りの特定計測数(差玉数)である残り特定計測数(残り差玉数)が所定の判定数(10000)以下になっていることを条件に、残り特定計測数(残り差玉数)を遊技者が認識可能な特定演出(残り差玉数報知演出)を実行することがある。したがって、遊技者に過剰な賞球を付与しないようにしつつ、特定演出の実行頻度を抑えて特定演出の演出効果の低下を防ぐと共に、残り特定計測数(残り差玉数)が報知されて遊技者に安心感を与えることができるという効果を奏する。さらに、パチンコ遊技機PY10によれば、特定演出を実行しているときに残り特定計測数が判定数を越えた場合、特定演出を終了させるので、特定演出の実行機会が適正化されて、特定演出の演出効果の低下を防ぐことができる。
(第10実施形態の変更例)
次に、第10実施形態に係るパチンコ遊技機PY10の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
また、パチンコ遊技機PY10は、画像表示装置50(表示画面50a)に残り差玉数報知演出画像G30を表示することによって残り差玉数報知演出を実行しているが、残り差玉数報知演出画像G30の表示内容は、第10実施形態に限られず、遊技者が残り差玉数を認識可能な範囲で適宜に変更しても良い。さらに、パチンコ遊技機PY10は、画像表示装置50(表示画面50a)に残り差玉数報知演出画像G30を表示することによって残り差玉数報知演出を実行しているが、残り差玉数報知演出画像G30の表示に代えて、もしくは加えて、スピーカー52からの音声の出力などの他の演出装置を用いて残り差玉数報知演出を実行するようにしても良い。この場合、他の演出装置による演出内容は、残り差玉数を遊技者が認識可能な範囲で適宜に設定しても良い。
さらには、パチンコ遊技機PY10では、遊技制御用マイコン101が演出制御基板120に差玉数指定コマンドを送信することで差玉数を示す情報を演出制御基板120に提供しているが、演出制御基板120に代えて、あるいは加えて、払出制御基板170など主制御基板100、および演出制御基板120以外の制御基板に差玉数を示す情報を送信し、当該制御基板は受信した差玉数を示す差玉数を記憶可能に構成されているようにしても良い。そして、例えば、当該制御基板は、記憶している差玉数を示す情報に基づいて残り差玉数報知演出を実行するようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY10では、残り差玉数報知演出が実行されることで遊技者は直接的に残り差玉数を認識することができるが、残り差玉数報知演出に代えて、差玉数を報知する演出を実行するようにしても良い。例えば、当該パチンコ遊技機PY10に係る基準数がオフィシャルで公開、または特図変動演出中などにおける演出として報知されるなど遊技者が事前に基準数を知得することができる場合、遊技者は差玉数が報知されることで、残り差玉数を算出することができる。
さらに、残り差玉数報知演出実行条件2に係る所定範囲も第10実施形態に限られず適宜に変更しても良い。例えば、所定範囲を残り差玉数が15000個以下で構成させるなど所定範囲を広くしても良い。反対に、所定範囲を残り差玉数が5000個以下で構成させるなど所定範囲を狭くしても良い。
また、パチンコ遊技機PY10では、遊技制御用マイコン101は、差玉数が更新されるたびに差玉数指定コマンドを演出制御基板120に送信し、演出制御用マイコン121はその差玉数指定コマンドを受信することで差玉数をリアルタイムで把握・更新することができるが、演出制御用マイコン121が差玉数をリアルタイムで把握・更新するための処理はこれに限られず適宜に変更しても良い。例えば、排出経路(図示省略)を通って、本パチンコ遊技機PY10の外部に排出される遊技球を、排出口センサが検知すると、遊技制御用マイコン101は、当該排出される遊技球が発生したことを示すコマンド(排出球指定コマンド)を演出制御基板120に送信し、賞球が払い出されると当該賞球の数を示すコマンド(賞球数指定コマンド)を演出制御基板120に送信し、演出制御用マイコン121は、排出球指定コマンド、および賞球数指定コマンドに基づいて、遊技制御用マイコン101と同様に、差玉数を計数するようにしても良い。
さらには、パチンコ遊技機PY10では、遊技制御用マイコン101は、差玉数が更新されるたびに、演出制御用マイコン121が差玉数をリアルタイムで把握・更新できるための情報を演出制御基板120に送信しているが、第8実施形態や第9実施形態のように(変更例を含む)、所定タイミングで演出制御用マイコン121が差玉数を把握・更新できるための情報を演出制御基板120に送信するようにしても良い。また、遊技制御用マイコン101は、残り差玉数が所定範囲に属するようになったときに、そのことを示すコマンドを演出制御基板120に送信し、その後、残り差玉数が所定範囲に属しているときに、演出制御用マイコン121が差玉数をリアルタイムで把握・更新できるための情報を演出制御基板120に送信するようにしても良い。
また、図68~図69では、残り差玉数報知演出実行条件2が成立したときに表示される残り差玉数は、所定範囲に係る閾値である10000個となっているが、賞球数は契機によって異なり、例えば、残り差玉数が10001個のときに第1大入賞口14に入賞すると、15個の賞球が払い出されるので残り差玉数は一気に9986個となるので、そのような場合は、賞球払い出しの1回の契機単位で残り差玉数報知演出画像G30が表示する残り差玉数が更新されるようにしても良い。
<第11実施形態>
次に、前述の本発明に係る第10実施形態に基づいて、本発明に係る第11実施形態について説明する。以下においては、主に、第11実施形態として、第10実施形態と異なる点について説明する。また、第10実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第11実施形態に係るパチンコ遊技機PY11でも、第10実施形態と同じように、残り差玉数報知演出実行条件1、および残り差玉数報知演出実行条件2が成立しているときに、表示画面50aに残り差玉数報知演出画像G30を表示することで残り差玉数を報知する残り差玉数報知演出が実行されるが、他の実行条件が成立したときに、残り差玉数報知演出とは異なる演出態様の残り差玉数を報知する演出が実行される。
なお、以下において、第10実施形態に係る残り差玉数報知演出、および当該演出とは異なる演出態様の残り差玉数を報知する演出を合わせて「残り差玉数報知演出」と称し、第10実施形態に係る残り差玉数報知演出のことを「通常残り差玉数報知演出」と称し、通常残り差玉数報知演出とは異なる演出態様の残り差玉数を報知する演出のことを「特別残り差玉数報知演出」と称する。また、特別残り差玉数報知演出の実行条件のことを「残り差玉数報知演出実行条件4」と称する。残り差玉数報知演出実行条件4については後述する。
パチンコ遊技機PY11では、特別残り差玉数報知演出は、遊技者に有利な遊技状態になる可能性があることを示唆する予告演出として実行される。詳細には、パチンコ遊技機PY11は、特別残り差玉数報知演出としての予告演出は、所定のキャラクタが台詞を喋っているように見せる台詞予告で構成される。第11実施形態では、台詞予告は、通常演出モードにおける特図変動演出の通常変動で実行可能である。台詞予告の演出態様には複数の種類があり、その中の一態様として、特別残り差玉数報知演出が実行される。したがって、台詞予告の演出態様には、特別残り差玉数報知演出に対応付けられたものと、特別残り差玉数報知演出に対応付けられていないものとがある。
また、特別残り差玉数報知演出に対応付けられていない台詞予告の演出態様には、過賞球防止機能が搭載されていること、言い換えると、差玉数が基準数に達すると遊技実行不能状態になることを説明するものがある。以下において、過賞球防止機能が搭載されていることを説明する演出態様の台詞予告のことを「過賞球防止機能搭載説明演出」と称することもある。
このように、パチンコ遊技機PY11が実行可能な台詞予告の演出態様には、特別残り差玉数報知演出に対応付けられたものと、過賞球防止機能搭載説明演出に対応付けられたものと、それら以外のものがある。以下において、特別残り差玉数報知演出に対応付けられた演出態様の台詞予告、および過賞球防止機能搭載説明演出に対応付けられた演出態様の台詞予告のことを、広く過賞球防止機能に関する特別な台詞予告として「特別台詞予告」と称し、特別台詞予告以外の過賞球防止機能と関わりのない通常の台詞予告を「通常台詞予告」と称する。
なお、詳細は後述するが、通常台詞予告には、遊技者に有利な遊技状態になる期待度(大当たり期待度)の大小を示す「第1通常台詞予告」と、過賞球防止機能に関わらないが当該パチンコ遊技機PY11における過賞球防止機能とは別の事項を説明する「第2通常台詞予告」とがある。また、以下において、第2通常台詞予告、および過賞球防止機能搭載説明演出のことを、広く当該パチンコ遊技機PY11に関する所定事項を説明する演出として、「説明系台詞予告」と称する。
次に、第11実施形態における台詞予告の演出態様について説明する。図70は、第11実施形態における台詞予告の演出態様と台詞の内容との関係とを示す表である。なお、以下において、通常台詞予告と特別台詞予告とを台詞予告の大分類と位置付ける。また、通常台詞予告を構成する第1通常台詞予告と第2通常台詞予告のそれぞれ、および特別台詞予告を構成する特別残り差玉数報知演出と過賞球防止機能搭載説明演出のそれぞれを、台詞予告の小分類と位置付ける。
図70に示すように、第11実施形態では、台詞予告の演出態様が15個ある。なお、図70の表における大分類の項目の「特別」は特別台詞予告のことであり、「通常」は通常台詞予告のことである。また、図70の表における小分類の項目の「過賞球」は過賞球防止機能搭載説明演出のことであり、「残り差玉数」は特別残り差玉数報知演出のことであり、「第2」は第2通常台詞予告のことであり、「第1」は第1通常台詞予告のことである。
第11実施形態では、台詞予告の演出態様01に係る台詞の内容は、過賞球防止機能が搭載されていることを説明する内容になっており、台詞予告の演出態様02に係る台詞の内容は、残り差玉数を報知する内容になっており、台詞予告の演出態様03に係る台詞の内容は、過賞球防止機能が搭載されていることを説明する内容、および過賞球防止機能が搭載されていることを説明する内容になっている。すなわち、演出態様01の台詞予告は過賞球防止機能搭載説明演出を構成し、演出態様02の台詞予告は特別残り差玉数報知演出を構成し、演出態様03の台詞予告は過賞球防止機能搭載説明演出、および特別残り差玉数報知演出の双方を構成している。
なお、台詞予告の演出態様04~演出態様06に係る台詞の内容は、当該パチンコ遊技機PY11に係るモチーフにおけるキャラクタを説明する内容になっており、台詞予告の演出態様07~演出態様09に係る台詞の内容は、当該パチンコ遊技機PY11に係る演出、具体的には遊技者に有利な遊技状態になる可能性があることを示唆する演出を説明する内容になっている。
また、パチンコ遊技機PY11では、差玉数指定コマンドが演出制御基板120に送信されるタイミングがパチンコ遊技機PY10と異なる。具体的には、パチンコ遊技機PY11では、遊技制御用マイコン101は、特図変動表示を開始する際に、言い換えると、変動開始コマンドと共に、差玉数指定コマンドを演出制御基板120に送信するものとする。
次に、特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出を含む台詞予告に係る制御内容の一例について説明する。なお、以下に説明する制御内容は、台詞予告に係る制御内容の一例であるので、その制御内容は以下の内容に限定されることなく、適宜に変更しても良い。
例えば、演出制御用マイコン121は、ステップS4306において、特図変動演出の演出パターンを決定した後に、通常演出モードであるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、通常演出モードではないと判定すると、当該台詞予告に係る処理を終え、通常演出モードであると判定すると、受信した変動開始コマンドが特図1変動パターンに対応するものであるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図1変動パターンに対応する変動開始コマンドではないと判定すると、当該台詞予告に係る処理を終え、特図1変動パターンに対応する変動開始コマンドであると判定すると、当該変動開始コマンドに基づいて、台詞予告の実行の可否を決定するための台詞予告実行判定を行う。
台詞予告実行判定は、台詞予告実行判定テーブルを参照して実行される。台詞予告実行判定テーブルの構成例を図71に示す。図71に示すように、台詞予告実行判定テーブルは、変動開始コマンドが示す特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、台詞予告実行判定テーブルとして、大当たり変動用(SP大当たり変動、L大当たり変動)の台詞予告実行判定テーブル、SPハズレ変動用の台詞予告実行判定テーブル、Lハズレ変動用の台詞予告実行判定テーブル、Nハズレ変動用の台詞予告実行判定テーブル、特図変動時間が13秒の通常ハズレ変動用の台詞予告実行判定テーブル、および特図変動時間が4秒の通常ハズレ変動用の台詞予告実行判定テーブルが設けられている。図71に示す各台詞予告実行判定テーブルは、台詞予告を実行する/実行しないに対する選択率が図71に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図71に示すように、変動開始コマンドが示す特図変動パターンが大当たり変動の場合もハズレ変動の場合も「実行する」に決定されることがある。したがって、台詞予告が実行されると、台詞予告の契機となった特図1可変表示で大当たりになる可能性がある。すなわち、台詞予告は、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出である。また、変動開始コマンドが示す特図変動パターンが、リーチが成立する特図変動パターンの場合もリーチが成立しない特図変動パターンの場合も「実行する」に決定されることがある。したがって、台詞予告が実行されると、台詞予告に係る特図1可変表示に応じた特図変動演出でリーチが成立する可能性がある。すなわち、台詞予告は、リーチになる可能性があることを示唆する演出である。
なお、特図変動時間が4秒の通常ハズレ変動の場合は、台詞予告が実行されない。これは、特図変動時間が短いため、当該特図1変動表示において、台詞予告が完了しないおそれがあるからである。
演出制御用マイコン121は、台詞予告実行判定を終えると、当該判定結果が「実行する」であるか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、当該判定結果が「実行する」ではないと判定すると、当該台詞予告に係る処理を終え、当該判定結果が「実行する」と判定すると、当該変動開始コマンドに基づいて、台詞予告の演出態様(台詞予告態様)を決定するための台詞予告態様判定を行う。
台詞予告態様判定は、台詞予告態様判定テーブルを参照して実行される。台詞予告態様判定テーブルの構成例を図72~図73に示す。図72~図73に示すように、台詞予告態様判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、台詞予告態様判定テーブルとして、大当たり変動(SP大当たり変動、L大当たり変動)用の台詞予告態様判定テーブル、SPハズレ変動用の台詞予告態様判定テーブル、Lハズレ変動用の台詞予告態様判定テーブル、Nハズレ変動用の台詞予告態様判定テーブル、および特図変動時間が13秒の通常ハズレ変動用の台詞予告態様判定テーブルが設けられている。図72~図73に示す各台詞予告態様判定テーブルは、各台詞予告態様に対する選択率が図72~図73に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
演出制御用マイコン121は、台詞予告態様判定を行った後に当該判定の結果である台詞予告態様を示すコマンド(台詞予告実行コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。出力バッファにセットされた台詞予告実行コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。
画像制御基板140の画像用CPU141は、台詞予告実行コマンドを受信すると、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されてから、所定時間(例えば、3秒)が経過したときに、表示画面50aにおいて、台詞予告に係る画像を表示することで台詞予告を実行する。
また、前述の通り、台詞予告態様判定の結果が演出態様02、または演出態様03である場合、台詞予告として、特別残り差玉数報知演出を実行される。演出制御用マイコン121は、当該特別残り差玉数報知演出としての台詞予告で残り差玉数を報知するために、当該台詞予告に係る変動開始コマンドと共に送信されてきた差玉数指定コマンドが示す差玉数に基づいて、残り差玉数を算出し(基準数から差玉数を減算し)、算出した残り差玉数を示す残り差玉数指定コマンドを台詞予告実行コマンドと共に演出用RAM124の出力バッファにセットして画像制御基板140に送信する。画像制御基板140の画像用CPU141は、演出態様02、または演出態様03を示す予告演出実行コマンドと共に残り差玉数指定コマンドを受信すると、当該残り差玉数指定コマンドが示す残り差玉数を報知する特別残り差玉数報知演出を演出態様02、または演出態様03の台詞予告として実行する。なお、このように、台詞予告態様判定の結果が演出態様02、または演出態様03である場合、特別残り差玉数報知演出を実行されることから、台詞予告実行判定で「実行する」と判定され、台詞予告態様判定で「演出態様02」、または「演出態様03」と判定されることが、残り差玉数報知演出実行条件4を構成する。
次に、特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出、言い換えると演出態様01~演出態様03の台詞予告の具体例について説明する。図74は、過賞球防止機能搭載説明演出(演出態様01の台詞予告)が表示画面50aで実行されている様子を表す図、図75は、特別残り差玉数報知演出(演出態様02の台詞予告)が表示画面50aで実行されている様子を表す図、図76は、過賞球防止機能搭載説明演出、および特別残り差玉数報知演出の双方(演出態様03の台詞予告)が表示画面50aで実行されている様子を表す図である。なお、図74~図76に示すように、演出モードは通常演出モードであり、表示画面50aには、昼間通常用背景画像G102が表示されているものとする。また、台詞予告が実行される対象となる特図変動演出が開始されるときの残り差玉数は「22457」であったとする。
最初に過賞球防止機能搭載説明演出(演出態様01の台詞予告)について説明する。過賞球防止機能搭載説明演出(演出態様01の台詞予告)が実行される場合、図74(a)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始してから所定時間(第11実施形態では、3秒)が経過すると、図74(b)に示すように、昼間通常用背景画像G102に重畳的に、過賞球防止機能搭載説明演出(演出態様01の台詞予告)に対応付けられた画像(第1台詞予告画像)G91が表示される。第1台詞予告画像G91は、過賞球防止機能が搭載されていることを説明する台詞を所定のキャラクタが喋っている様子を表すように、所定のキャラクタ部分と、当該台詞が表示された吹き出し部分とからなる。第11実施形態では、過賞球防止機能が搭載されていることを説明する台詞は、「この機種は過賞球防止機能を搭載しているよ」という文で構成されている。
そして、過賞球防止機能搭載説明演出(演出態様01の台詞予告)が開始されてから所定の演出時間(第11実施形態では、3秒)が経過すると、図74(c)に示すように、過賞球防止機能搭載説明演出(演出態様01の台詞予告)が終了する。言い換えると、第1台詞予告画像G91が表示されてから所定の演出時間(第11実施形態では、3秒)が経過すると、第1台詞予告画像G91が消える。
次に、特別残り差玉数報知演出(演出態様02の台詞予告)について説明する。特別残り差玉数報知演出(演出態様02の台詞予告)が実行される場合、図75(a)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始してから所定時間(第11実施形態では、3秒)が経過すると、図74(b)に示すように、昼間通常用背景画像G102に重畳的に、特別残り差玉数報知演出(演出態様02の台詞予告)に対応付けられた画像(第2台詞予告画像)G92が表示される。第2台詞予告画像G92は、所定のキャラクタが残り差玉数を報知する台詞を喋っている様子を表すように、所定のキャラクタ部分と、当該台詞が表示された吹き出し部分とからなる。第11実施形態では、残り差玉数を報知する台詞は、「残り〇〇発で過賞球防止機能が作動するよ」という文で構成されている。この文の「〇〇」の部分に、現在実行されている演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の開始時の残り差玉数が表示される。ここでは、現在実行されている演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の開始時の残り差玉数は「22457」と仮定しているので、図75(b)では「残り22457発で過賞球防止機能が作動するよ」という台詞を含む第2台詞予告画像G92が表示されている。
そして、特別残り差玉数報知演出(演出態様02の台詞予告)が開始されてから所定の演出時間(第11実施形態では、3秒)が経過すると、図75(c)に示すように、特別残り差玉数報知演出(演出態様02の台詞予告)が終了する。言い換えると、第2台詞予告画像G92が表示されてから所定の演出時間(第11実施形態では、3秒)が経過すると、第2台詞予告画像G92が消える。
次に、過賞球防止機能搭載説明演出、および特別残り差玉数報知演出の双方(演出態様03の台詞予告)について説明する。過賞球防止機能搭載説明演出、および特別残り差玉数報知演出の双方(演出態様03の台詞予告)が実行される場合、図76(a)に演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始してから所定時間(第11実施形態では、3秒)が経過すると、図76(b)に示すように、昼間通常用背景画像G102に重畳的に、過賞球防止機能搭載説明演出、および特別残り差玉数報知演出の双方(演出態様03の台詞予告)に対応付けられた画像(第3台詞予告画像)G93が表示される。第3台詞予告画像G93は、所定のキャラクタが、過賞球防止機能が搭載されていることを説明する台詞、および残り差玉数を報知する台詞を喋っている様子を表すように、所定のキャラクタ部分と、当該台詞が表示された吹き出し部分とからなる。第11実施形態では、第3台詞予告画像G93における過賞球防止機能が搭載されていることを説明する部分の台詞は、第1台詞予告画像G91と同一に構成され、第3台詞予告画像G93における残り差玉数を報知する部分の台詞は、第2台詞予告画像G92と同一に構成されている。
そして、過賞球防止機能搭載説明演出、および特別残り差玉数報知演出の双方(演出態様03の台詞予告)が開始されてから所定の演出時間(第11実施形態では、3秒)が経過すると、図76(c)に示すように、過賞球防止機能搭載説明演出、および特別残り差玉数報知演出の双方(演出態様03の台詞予告)が終了する。言い換えると、第3台詞予告画像G93が表示されてから所定の演出時間(第11実施形態では、3秒)が経過すると、第3台詞予告画像G93が消える。
このように、パチンコ遊技機PY11では、過賞球防止機能搭載説明演出を構成するが特別残り差玉数報知演出を構成しない台詞予告として、演出態様01の台詞予告を実行可能であり、特別残り差玉数報知演出を構成するが過賞球防止機能搭載説明演出を構成しない台詞予告として、演出態様02の台詞予告を実行可能であり、過賞球防止機能搭載説明演出、および特別残り差玉数報知演出の双方を構成する台詞予告として、演出態様03の台詞予告を実行可能である。
以上のように、パチンコ遊技機PY11によれば、特定計測数(差玉数)が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御されることがあり、遊技者が有利な遊技状態になる可能性があることを示唆する示唆演出(台詞予告)を実行することがあり、示唆演出(台詞予告)には、特定状態に関する所定事項を説明する特定示唆演出(演出態様01、演出態様02、および演出態様03の台詞予告)がある。したがって、遊技者に過剰な賞球を付与しないようにしつつ、特定演出の実行頻度を抑えて特定演出の演出効果の低下を防ぐと共に、遊技者間の当該パチンコ遊技機PY11に関する知識の差による不公平を軽減することができるという効果を奏する。さらに、パチンコ遊技機PY11によれば、特定状態に関する所定事項は、当該パチンコ遊技機PY11では特定計測数が基準数(80000)に達したことを条件に、特定状態(遊技実行不能状態)に制御されることがあることであるので、遊技者が当該事項を知らない中で突然特定状態に制御されて遊技者に不快感を与えることを防ぐことができる。また、パチンコ遊技機PY11によれば、特定状態に関する所定事項は、特定計測数が基準数に達するまでの残りの特定計測数である残り特定計測数(残り差玉数)のことであるので、残り特定計測数(残り差玉数)が報知されて遊技者に安心感を与えることができるという効果を奏する。
(第11実施形態の変更例)
次に、第11実施形態に係るパチンコ遊技機PY11の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
パチンコ遊技機PY11は、画像表示装置50(表示画面50a)に第1台詞予告画像G91、第2台詞予告画像G92、または第3台詞予告画像G93を表示することによって過賞球防止機能搭載説明演出や特別残り差玉数報知演出を実行しているが、第1台詞予告画像G91等の表示内容は、第11実施形態に限られず、過賞球防止機能が搭載されていることや残り差玉数を遊技者が認識可能な範囲で適宜に変更しても良い。ここでの表示内容とは、台詞の内容や、キャラクタ部分と台詞が表示された吹き出し部分とかなることといった画像全体の構成のことをいう。画像全体の構成としては、例えば、吹き出しを伴わない台詞を表示画面50a全体に大きく表示するようにしても良い。また、演出態様03については、過賞球防止機能搭載説明演出、および特別残り差玉数報知演出の一方の部分が最初にあるキャラクタの台詞によって行われ、続いて他方の部分が別のキャラクタの台詞によって段階的に行われるようにしても良い。さらに、パチンコ遊技機PY11は、画像表示装置50(表示画面50a)に第1台詞予告画像G91等を表示することによって過賞球防止機能搭載説明演出や特別残り差玉数報知演出を実行しているが、第1台詞予告画像G91等の表示に代えて、もしくは加えて、スピーカー52からの音声の出力などの他の演出装置による演出で実行するようにしても良い。この場合、他の演出装置による演出内容は、過賞球防止機能が搭載されていることや残り差玉数を遊技者が認識可能な範囲で適宜に設定しても良い。
また、パチンコ遊技機PY11では、第2台詞予告画像G92における残り差玉数を報知する台詞と、第3台詞予告画像G93における残り差玉数を報知する台詞とは同一であるが異なるようにしても良い。さらに、特別残り差玉数報知演出を構成するが過賞球防止機能搭載説明演出を構成しない台詞予告の演出態様は1種類であるが、台詞の内容の違いやキャラクタの違いによって複数種類設けられても良い。同様に、過賞球防止機能搭載説明演出、および特別残り差玉数報知演出の双方を構成する台詞予告の演出態様は1種類であるが、残り差玉数を報知する台詞の内容の違いやキャラクタの違いによって複数種類設けられても良い。
さらに、パチンコ遊技機PY11では、第1台詞予告画像G91における過賞球防止機能が搭載されていることを説明する台詞と、第3台詞予告画像G93における過賞球防止機能が搭載されていることを説明する台詞とは同一であるが異なるようにしても良い。さらに、過賞球防止機能搭載説明演出を構成するが特別残り差玉数報知演出を構成しない台詞予告の演出態様は1種類であるが、台詞の内容の違いやキャラクタの違いによって複数種類設けられても良い。同様に、過賞球防止機能搭載説明演出、および特別残り差玉数報知演出の双方を構成する台詞予告の演出態様は1種類であるが、過賞球防止機能が搭載されていることを説明する台詞の内容の違いやキャラクタの違いによって複数種類設けられても良い。
また、第11実施形態では、キャラクタ部分と吹き出しを伴う台詞部分とからなる1つの台詞予告の種別によって、特別残り差玉数報知演出が実行されているが、2つ以上の台詞予告の種別によって特別残り差玉数報知演出が実行されるようにしても良い。例えば、キャラクタ部分と吹き出しを伴う台詞部分とからなる台詞予告、およびキャラクタ部分と吹き出しを伴わない台詞部分とからなる台詞予告が別系統の台詞予告として相互に独立して実行可能であり、双方の種別の台詞予告で特別残り差玉数報知演出を実行可能にしても良い。この場合、台詞予告の種別に応じて、残り差玉数を報知する台詞が異なるようにしても良い。また、一方の種別の台詞予告と他方の種別の台詞予告とで残り差玉数を報知する台詞の種類の数が異なるようにしても良い。あるいは、双方の種別の台詞予告で、特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出の双方を構成する演出態様を含むようにしても、何れか一方の種別の台詞予告では特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出の双方を構成する演出態様を含むが、他方の種別の台詞予告では特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出の双方を構成する演出態様を含まないようにしても良い。
さらに、第11実施形態では、キャラクタ部分と吹き出しを伴う台詞部分とからなる1つの台詞予告の種別によって、過賞球防止機能搭載説明演出が実行されているが、2つ以上の台詞予告の種別によって過賞球防止機能搭載説明演出が実行されるようにしても良い。例えば、キャラクタ部分と吹き出しを伴う台詞部分とからなる台詞予告、およびキャラクタ部分と吹き出しを伴わない台詞部分とからなる台詞予告が別系統の台詞予告として相互に独立して実行可能であり、双方の種別の台詞予告で過賞球防止機能搭載説明演出を実行可能にしても良い。この場合、台詞予告の種別に応じて、過賞球防止機能が搭載されていることを説明する台詞が異なるようにしても良い。また、一方の種別の台詞予告と他方の種別の台詞予告とで過賞球防止機能が搭載されていることを説明する台詞の種類の数が異なるようにしても良い。
また、台詞予告の開始時期、および演出時間の双方あるいは何れか一方は、第11実施形態に限られず適宜に変更しても良い。あるいは、第11実施形態では、台詞予告の開始時期、および演出時間は、演出態様に関わらず同一であるが、台詞予告の開始時期、および演出時間の双方あるいは一方は、演出態様に応じて全てあるいは部分的に異なるようにしても良い。
さらに、第11実施形態では、特別残り差玉数報知演出の実行は規制されていないが、所定条件を満たした場合には特別残り差玉数報知演出の実行が規制されるようにしても良い。ここで、「実行の規制」とは、実行されることがないようにすること、および実行確率が減少することを含む。また、「実行の規制」に係る所定条件も適宜に設定可能であるが、例えば、所定条件を「通常残り差玉数報知演出が実行されていること」にしても良い。したがって、「実行の規制」の内容が「実行されることがないようにすること」であり、「実行の規制に係る所定条件」が「通常残り差玉数報知演出が実行されていること」である場合、例えば、演出制御用マイコン121は、通常残り差玉数報知演出が実行されているときに台詞予告実行判定で台詞予告を実行すると判定し、台詞予告態様で演出態様02や演出態様03に決定された場合は、当該演出態様の台詞予告の実行をキャンセルして、特別残り差玉数報知演出を実行しないようにしても良い。あるいは、台詞予告の実行そのものをキャンセルするのではなく、過賞球防止機能搭載説明演出や第2通常台詞予告などの説明系台詞予告に差し替えるようにしても良い。
また、第11実施形態では、特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出は、台詞予告で構成されており、台詞予告実行判定、および台詞予告態様判定の結果として実行されているが、特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出の双方あるいは一方については、台詞予告実行判定、および台詞予告態様判定とは別に、その演出専用の判定によって実行の可否が決定されるようにしても良い。この場合、台詞予告実行判定のように特図変動パターンによって異なる確率で実行すると判定されるようにしても特図変動パターンによらず同一の確率で実行すると判定されるようにしても良い。言い換えると、特別残り差玉数報知演出や過賞球防止機能搭載説明に、遊技者に有利な遊技状態になる可能性(大当たり期待度)が対応付けられるようにしても対応付けられないようにしても良い。
さらに、第11実施形態では、特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出は、通常演出モードにおいて実行可能であり、他の演出モードでは実行されないが、特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出の双方あるいは一方については、通常演出モードに代えて、あるいは加えて他の演出モードで実行されるようにしても良い。また、第11実施形態では、特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出は、特図1に係る特図変動演出において実行可能であり、特図2に係る特図変動演出では実行されないが、特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出の双方あるいは一方については、特図1に係る特図変動演出に代えて、あるいは加えて特図2に係る特図変動演出で実行されるようにしても良い。さらに、第11実施形態では、特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出は、通常変動において実行可能であり、リーチ演出中では実行されないが、特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出の双方あるいは一方については、通常変動に代えて、あるいは加えてリーチ演出中で実行されるようにしても良い。
また、第11実施形態では、特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出は、特図変動演出において実行可能であり、大当たり遊技が実行されているときには実行されないが、特別残り差玉数報知演出、および過賞球防止機能搭載説明演出の双方あるいは一方については、特図変動演出に代えて、あるいは加えて大当たり遊技が実行されているときに実行されるようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY11では、特別残り差玉数報知演出で残り差玉数が報知されることで遊技者は直接的に残り差玉数を認識することができるが、特別残り差玉数報知演出での報知内容を残り差玉数に代えて、差玉数にしても良い。例えば、当該パチンコ遊技機PY11に係る基準数がオフィシャルで公開されている場合、または特図変動演出中や客待ち状態などにおける演出として報知されるなど遊技者が事前に基準数を知得することができる場合、遊技者は差玉数が報知されることで、残り差玉数を算出することができる。
さらに、第11実施形態では、残り差玉数報知演出として、通常残り差玉数報知演出と、特別残り差玉数報知演出とが実行可能であるが、通常残り差玉数報知演出は実行されないようにしても良い。
(第1実施形態~第11実施形態の変更例)
次に、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1~第11実施形態に係るパチンコ遊技機PY11の変更例について説明する。
第1実施形態~第11実施形態では、過賞球防止機能は、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報のクリアが行われた(すなわち、非消去クリア処理)後の総賞球数と総発射球数との差である差玉数が予め定められた基準数以上となることに基づいて作動することとして説明した。しかし、過賞球防止機能は、最大差玉数(最大持ち球、MY等ということもある)として計測される値が予め定められた基準数となることに応じて作動させてもよい。つまり、特定計測数は、最大差玉数であってもよい。ここで、図77により、最大差玉数について説明する。図77(A)~図77(C)にはそれぞれ、差玉数の推移の例と、各差玉数の推移に応じて算出される最大差玉数の例とを示している。
図77(A)は、最初の差玉数の最小値が記録された後、差玉数の最小値が更新されることなく差玉数が推移する例である。具体的に、図77(A)では、前回の非消去クリア処理が行われた後、差玉数が減少傾向にて推移し、時刻tA1にて差玉数の最小値「-10000」が記録されている。その後、差玉数は増加および減少するものの、時刻tA1における差玉数の最小値よりも減少することなく、推移している。そして、時刻tA1のよりも後の時刻tA2には、差玉数の最大値「70000」が記録されている。差玉数の最大値は、差玉数の最小値が計測された後における差玉数の最高値である。そして、図77(A)の例おける最大差玉数MYAは、時刻tA1における差玉数の最小値「-10000」と時刻tA2における差玉数の最大値「70000」との差である「80000」である。
なお、図77(A)の例において、差玉数の最小値は、時刻tA1までは、差玉数が減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。しかし、その後、時刻tA1における差玉数の最小値を下回ることがないため、時刻tA1よりも後には、差玉数の最小値は更新されていない。
図77(B)は、差玉数の最小値の更新が複数回なされつつ差玉数が推移する例である。この例では、前回の非消去クリア処理が行われた後、時刻tB1に最初の差玉数の最小値「-10000」が記録されている。また、時刻tB4には、時刻tB1における差玉数「-10000」よりも少ない差玉数の最小値「-20000」が記録されている。さらに、時刻tB7には、時刻tB4における差玉数よりも少ない差玉数の最小値「-30000」が記録されている。そして、図77(B)の時刻tB1から時刻tB4までの間においては、時刻tB2に差玉数のピーク「20000」が記録されている。また、時刻tB4から時刻tB7までの間においては、時刻tB5に差玉数の最大値「0」が記録されている。さらに、時刻tB7よりも後の時刻tB8には、差玉数の最大値「50000」が記録されている。そして、図77(B)の例における最大差玉数MYBは、時刻tB7における差玉数の最小値「-30000」と時刻tB8における差玉数の最大値「50000」との差である「80000」である。
なお、図77(B)の例においても、差玉数の最小値は、時刻tB1までは、差玉数が減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。また、差玉数の最小値は、時刻tB3から時刻tB4までの間には、差玉数がそれ以前の差玉数の最小値である時刻tB1における差玉数よりも少なく、かつ、減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。さらに、差玉数の最小値は、時刻tB6から時刻tB7までの間にも、差玉数がそれ以前の差玉数の最小値である時刻tB4における差玉数よりも少なく、かつ、減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。
図77(C)は、差玉数がマイナスで推移する例である。この例では、前回の非消去クリア処理が行われた後、時刻tC1に最初の差玉数の最小値「-30000」が記録されている。また、時刻tC4には、時刻tC1の差玉数の最小値「-30000」よりも少ない差玉数の最小値「-50000」が記録されている。そして、図77(C)の時刻tC1から時刻tC4までの間においては、時刻tC2に差玉数の最大値「-10000」が記録されている。また、時刻tC4よりも後の時刻tC5には、差玉数の最大値「-10000」が記録されている。そして、図77(C)の例における最大差玉数MYCは、時刻tC4における差玉数の最小値「-50000」と時刻tC5における差玉数の最大値「-10000」との差である「40000」である。
なお、図77(C)の例においても、差玉数の最小値は、時刻tC1までは、差玉数が減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。また、差玉数の最小値は、時刻tC3から時刻tC4までの間には、差玉数がそれ以前の差玉数の最小値である時刻tC1における差玉数よりも少なく、かつ、減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。
上記の通り、最大差玉数は、計測された差玉数の最低値と、当該差玉数の最低値が計測された後における差玉数の最大値との差により算出される。そして、過賞球防止機能は、差玉数の最低値と、当該差玉数の最低値が記録された後に計測される差玉数との差が予め定められた基準数となることに応じて作動させることができる。換言すれば、過賞球防止機能は、差玉数の最低値からの差玉数の増加数が予め定められた基準数となることに応じて作動させることができる。また、過賞球防止機能は、最大差玉数が予め定められた基準数となることに応じて作動させることができる。
具体的には、例えば、過賞球防止機能は、差玉数の最低値を所定の記憶領域に記憶させつつ、記憶されている差玉数の最低値と現在(最新)の差玉数との差を算出するとともに、その算出値が予め定められた基準数となることに応じて作動させることが考えられる。差玉数の最低値の情報、および、差玉数の最低値と現在の差玉数との差の算出値の情報は、遊技用RAM104の所定の記憶領域(非消去記憶部107)に記憶させておけばよい。そして、これらの値は、所定の非消去クリア処理にて、差玉数のクリアがなされる際にクリア(すなわち初期値に設定)することとすればよい。
また、過賞球防止機能を、差玉数の最低値と、当該差玉数の最低値が記録された後に計測される差玉数との差が予め定められた基準数となることに応じて作動させる場合、すなわち、差玉数の最低値からの差玉数の増加数を特定計測数とする場合には、特定計測数をカウントするためのカウンタを設けることとしてもよい。そのようなカウンタは、例えば、賞球数に基づく加算については値に関係なく常に行い、発射球数に基づく減算については「0」よりも多い場合に行うものとすることができる。差玉数が「0」以下の場合には、発射球数に基づく減算を行わない。このようなカウンタの値は、「0」以上の整数で推移する。このカウンタを以下、差玉自然数カウンタということがある。差玉自然数カウンタの情報についても、遊技用RAM104の所定の記憶領域(非消去記憶部107)に記憶させておけばよい。そして、差玉自然数カウンタの値は、所定の非消去クリア処理に相当する処理(上記の実施形態にて差玉数をクリアするとした処理)にてクリア(すなわち初期値に設定)することとすればよい。
差玉自然数カウンタの値の推移の例について図78により説明する。図78(A)~図78(C)にはそれぞれ、差玉自然数カウンタの値の推移を示している。図78(A)~(C)に示す差玉自然数カウンタの値の推移はそれぞれ、図78(A)~図78(C)の差玉数の推移に対応したものである。
図78(A)~図78(C)に示すように、差玉自然数カウンタの値は、差玉数の最低値が更新されている間には「0」となる。そして、差玉自然数カウンタは、差玉数の最低値からの差玉数の増加数を自然数によりカウント可能である。よって、差玉自然数カウンタを用いることにより、過賞球防止機能を適切に機能させることが可能である。さらに、常に「0」以上で推移する差玉自然数カウンタでは、過賞球防止機能の作動に最低限必要な値をわかりやすい態様で算出可能である。また、「0」未満の値を用いる場合、遊技制御用マイコン101による演算に係る情報量が多くなってしまうことがある。このような場合、常に「0」以上で推移する差玉自然数カウンタを用いることで、遊技制御用マイコン101の負荷を低減可能である。
6.上記の実施形態に示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A~発明Kが開示されている。発明A~発明Kの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A4の総称であり、発明Bは、以下の発明B1~B3の総称であり、発明Cは、以下の発明C1~C2の総称であり、発明Dは、以下の発明D1~D3の総称であり、発明Eは、以下の発明E1~E2の総称であり、発明Fは、以下の発明F1~F2の総称であり、発明Gは、以下の発明G1~G3の総称であり、発明Hは、以下の発明H1の総称であり、発明Iは、以下の発明I1~I2の総称であり、発明Jは、以下の発明J1~J2の総称であり、発明Kは、以下の発明K1~K4の総称である。
6-1-1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(主制御基板100)と、特定操作手段(RAMクリアスイッチ191)とを備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(過賞球防止機能が作動している状態)に制御することがあり、
前記特定操作手段が操作されることによって前記特定計測数を報知する報知手段(7セグ表示器300)をさらに備えることを特徴とする遊技機。
6-1-2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(主制御基板100)と、特定操作手段(RAMクリアスイッチ191)とを備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御することがあり、
前記特定操作手段が操作されることによって、前記基準数と前記特定計測数との差分を報知する報知手段(7セグ表示器300)をさらに備えることを特徴とする遊技機。
6-1-3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A1または発明A2に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段が計測した前記特定計測数を記憶する記憶手段(非消去記憶部107)をさらに備え、
前記遊技制御手段は、電力が供給されていることを条件に遊技を制御可能であり、
当該遊技制御手段に電力が供給されるときに、前記記憶手段に記憶されている前記特定計測数がクリアされるときとクリアされないときとがあることを特徴とする遊技機。
6-1-4.発明A4
発明A4に係る遊技機は、
発明A1乃至発明A3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記特定操作手段は、遊技者よりも遊技店の店員の方が操作容易な箇所に配置されていることを特徴とする遊技機。
6-2-1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
電力が供給されていることを条件に遊技を制御可能な遊技制御手段(主制御基板100)を備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
計測した前記特定計測数を所定の記憶部(非消去記憶部107)に記憶可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御することがあり、
当該遊技制御手段に電力が供給される際に、前記記憶部に記憶された前記特定計測数をクリアするときとクリアしないときとがあり、
少なくとも、前記記憶部に記憶された前記特定計測数がクリアされた場合、および前記記憶部に記憶された前記特定計測数がクリアされなかった場合の何れか一方において、当該事項を報知する報知手段(通常電源復旧演出や特別電源復旧演出を実行する演出制御基板120)をさらに備えることを特徴とする遊技機。
6-2-2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記報知手段は、少なくとも前記記憶部に記憶された前記特定計測数がクリアされなかった場合、当該特定計測数がクリアされなかったことを報知することを特徴とする遊技機。
6-2-3.発明B3
発明B3に係る遊技機は、
発明B1または発明B2に係る遊技機であって、
特定操作手段(特別リセットスイッチ181)をさらに備え、
前記遊技制御手段は、当該遊技制御手段に電力が供給される際に、前記特定操作手段が操作されていることを条件に前記記憶部に記憶された前記特定計測数をクリアし、前記特定操作手段が操作されなかった場合は前記記憶部に記憶された前記特定計測数をクリアしないことを特徴とする遊技機。
6-3-1.発明C1
発明C1に係る遊技機は、
遊技場に固定されている外枠(外枠22)に対して開閉可能な扉体(前扉23)と、電力が供給されていることを条件に遊技を制御可能な遊技制御手段(主制御基板100)とを備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
計測した前記特定計測数を所定の記憶部(非消去記憶部107)に記憶可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御することがあり、
前記扉体が閉鎖している状態で前記遊技制御手段に電力が供給されると前記記憶部に記憶された前記特定計測数をクリアし、前記扉体が開放している状態で前記遊技制御手段に電力が供給されると前記記憶部に記憶された前記特定計測数をクリアしないことを特徴とする遊技機。
6-3-2.発明C2
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記遊技制御手に電力を供給するための操作が可能な操作手段(電源スイッチ193)をさらに備え、
前記操作手段は、前記扉体が開放された状態で操作可能な箇所に設置され、第1操作態様(ON操作)と第2操作態様(OFF操作)とを取ることが可能であり、
前記操作手段が前記第1操作態様を取っているときに前記遊技制御手段に電力供給可能であり、前記操作手段が前記第2操作態様を取っているときに前記遊技制御手段に電力供給不可能であることを特徴とする遊技機。
6-4-1.発明D1
発明D1に係る遊技機は、
遊技を実行可能な遊技実行手段(主制御基板100)と、演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120)とを備え、
前記遊技実行手段は、遊技利益として遊技媒体(遊技球)を付与可能な大当たり遊技を実行することがある遊技機において、
前記大当たり遊技には、第1個数の遊技媒体を付与可能な第1大当たり遊技(例えば、第3大当たり遊技、第6大当たり遊技)と、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技媒体を付与可能な第2大当たり遊技(例えば、第1大当たり遊技、第4大当たり遊技)とがあり、
前記遊技実行手段は、
遊技者に付与される遊技媒体に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御することがあり、
前記演出実行手段は、前記第1大当たり遊技が開始されるときに、前記基準数からそのときの特定計測数を減算した値が前記第1個数よりも少ない場合、当該事項に基づく特定演出(発射消極演出、大当たり終了残り時間示唆演出)を実行することがあることを特徴とする遊技機。
6-4-2.発明D2
発明D2に係る遊技機は、
発明D1に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記特定演出として、当該第1大当たり遊技において前記第1個数の遊技媒体が付与されると前記特定計測数が前記基準数に達して前記特定状態に制御されることになることを遊技者が認識可能な特別演出(発射消極演出)を実行することを特徴とする遊技機。
6-4-3.発明D3
発明D3に係る遊技機は、
発明D2に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記特定演出として、前記特別演出の他に、当該第1大当たり遊技が終了するタイミングを遊技者が認識可能な終了タイミング演出(大当たり終了残り時間示唆演出)を実行することを特徴とする遊技機。
6-5-1.発明E1
発明E1に係る遊技機は、
遊技を実行可能な遊技実行手段(主制御基板100)と、演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120)とを備え、
前記遊技実行手段は、所定判定(大当たり判定)を実行することがあり、前記所定判定で特定結果(大当たり(小当たりに基づく大当たりも含む))が導出されると、遊技利益として遊技媒体(遊技球)を付与可能な大当たり遊技を実行することがあり、前記大当たり遊技が終了することに応じて、第1遊技状態(通常確率状態)よりも前記所定判定で前記特定結果が導出され易い第2遊技状態(高確率状態)に移行させることがある遊技機において、
前記大当たり遊技には、第1大当たり遊技(例えば、第3大当たり遊技、第6大当たり遊技)と、前記第1大当たり遊技よりも多くの遊技媒体を付与可能な第2大当たり遊技(例えば、第1大当たり遊技、第4大当たり遊技)とがあり、
前記遊技実行手段は、
遊技者に付与される遊技媒体に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(過賞球防止機能が作動している状態)に制御することがあり、
前記演出実行手段は、前記第1大当たり遊技が開始されるときに、前記基準数からそのときの特定計測数を減算した値が、当該第1大当たり遊技で付与可能な遊技媒体よりも少なく、且つ、当該第1大当たり遊技が終了することに応じて前記第2遊技状態に移行される場合、当該第1大当たり遊技において付与可能な遊技媒体が付与されると前記特定計測数が前記基準数に達して前記特定状態に制御されることになることを遊技者が認識可能な特別演出(発射消極演出)を実行することがあることを特徴とする遊技機。
6-5-2.発明E2
発明E2に係る遊技機は、
発明E1に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第1大当たり遊技が開始されるときに、前記基準数からそのときの特定計測数を減算した値が、当該第1大当たり遊技で付与可能な遊技媒体よりも少なく、且つ、当該第1大当たり遊技が終了することに応じて前記第1遊技状態に移行される場合、前記特別演出を実行しないことを特徴とする遊技機。
6-6-1.発明F1
発明F1に係る遊技機は、
遊技を実行可能な遊技実行手段(主制御基板100)と、演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120)とを備え、
前記遊技実行手段は、判定条件が成立すると所定判定(大当たり判定、大当たり図柄種別判定)を実行し、前記所定判定で特定結果(大当たり)が導出されると、遊技利益として遊技媒体を付与可能な大当たり遊技を実行することがあり、前記所定判定を実行する権利を保留することが可能な遊技機において、
前記特定結果の種別として、第1個数の遊技媒体を付与可能な第1大当たり遊技(大当たり獲得予定賞球数が相対的に少ない大当たり遊技:例えば、第6大当たり遊技)を実行させることが可能な第1特定結果(大当たり獲得予定賞球数が相対的に少ない大当たり遊技に対応付けられた大当たり図柄種別:例えば、大当たり図柄F)と、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技媒体を付与可能な第2大当たり遊技(大当たり獲得予定賞球数が相対的に多い大当たり遊技:例えば、第1大当たり遊技、第4大当たり遊技)を実行させることが可能な第2特定結果(大当たり獲得予定賞球数が相対的に多い大当たり遊技に対応付けられた大当たり図柄種別:例えば、大当たり図柄A、大当たり図柄D)とがあり、
前記遊技実行手段は、
遊技者に付与される遊技媒体に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(過賞球防止機能が作動している状態)に制御することがあり、
前記演出実行手段は、前記第1大当たり遊技が開始されるときに、前記基準数からそのときの特定計測数を減算した値が前記第1個数よりも少なく、且つ、前記第2特定結果が導出されることになる前記所定判定を実行する権利が保留されている場合、当該第1大当たり遊技において前記第1個数の遊技媒体が付与されると前記特定計測数が前記基準数に達して前記特定状態に制御されることになることを遊技者が認識可能な特別演出(発射消極演出)を実行することがあることを特徴とする遊技機。
6-6-2.発明F2
発明F2に係る遊技機は、
発明F1に係る遊技機であって、
前記遊技実行手段は、前記第1大当たり遊技において前記特定計測数が前記基準数に達した場合、当該第1大当たり遊技が終了するまでに前記特定状態に制御することを特徴とする遊技機。
6-7-1.発明G1
発明G1に係る遊技機は、
遊技を実行可能な遊技実行手段(主制御基板100)と、演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120)とを備え、
前記遊技実行手段は、判定条件が成立すると所定判定(大当たり判定、大当たり図柄種別判定)を実行し、前記所定判定で特定結果(大当たり(小当たりに基づく大当たりも含む))が導出されると、遊技利益として遊技媒体を付与可能な大当たり遊技を実行することがあり、前記所定判定を実行する権利を保留することが可能な遊技機において、
前記遊技実行手段は、
遊技者に付与される遊技媒体に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御することがあり、
前記演出実行手段は、前記大当たり遊技の開始時に、前記特定結果が導出されることになる前記所定判定を実行する権利が保留されており、前記基準数から当該大当たり遊技の開始時の前記特定計測数を減算した特定値(大当たり開始時残り差玉数)が、当該大当たり遊技で付与可能な遊技媒体の個数である第1付与個数(当該大当たり獲得賞球数)よりも多く、前記保留されている前記特定結果に基づいて実行される大当たり遊技で付与可能な遊技媒体の個数である第2付与個数(特定保留大当たり獲得賞球数)に前記第1付与個数を加算した値よりも少ないことを条件として、当該保留に係る前記大当たり遊技で前記特定計測数が前記基準数に達する可能性があることを遊技者が認識可能な特別演出(祝福演出)を実行することがあることを特徴とする遊技機。
6-7-2.発明G2
発明G2に係る遊技機は、
発明G1に係る遊技機であって、
前記第1付与個数よりも前記第2付与個数の方が多いことを特徴とする遊技機。
6-7-3.発明G3
発明G3に係る遊技機は、
発明G1または発明G2に係る遊技機であって、
前記第2付与個数は前記特定値よりも多いことを特徴とする遊技機。
6-8-1.発明H1
発明H1に係る遊技機は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御することがある遊技制御手段(主制御基板100)と、
特定操作手段(特殊ボタン41)と、
前記特定状態に制御されていないときに前記特定操作手段が所定操作(長押し)されることによって、前記特定計測数が前記基準数に達するまでの残りの前記特定計測数である残り特定計測数(残り差玉数)を遊技者が認識可能な特定演出(残り差玉数報知演出)を実行することがある演出制御手段(演出制御基板120)とを備えることを特徴とする遊技機。
6-8-2.発明H2
発明H2に係る遊技機は、
遊技を制御可能な第1制御手段(主制御基板100)と、第2制御手段(演出制御基板120)と、特定操作手段(特殊ボタン41)とを備える遊技機において、
前記第1制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(、差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御することがあり、
所定条件が成立すると、当該成立時の前記特定計測数を示す特定情報(差玉数指定コマンド)を前記第2制御基板に送信し、
前記第2制御手段は、
前記特定情報を記憶可能であり、
前記特定状態に制御されていないときに前記特定操作手段が所定操作(長押し)されることによって、前記特定計測数が前記基準数に達するまでの残りの前記特定計測数である残り特定計測数(残り差玉数)を遊技者が認識可能な特定演出(残り差玉数報知演出)を実行することがあることを特徴とする遊技機。
6-9-1.発明I1
発明I1に係る遊技機は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御することがある遊技制御手段(主制御基板100)と、
前記特定計測数が前記基準数に達するまでの残りの前記特定計測数である残り特定計測数(残り差玉数)が所定の判定数(10000)以下になっていることを条件に、遊技者が前記残り特定計測数を認識可能な特定演出(残り差玉数報知演出)を実行することがある演出制御手段(演出制御基板120)とを備えることを特徴とする遊技機。
6-9-2.発明I2
発明I2に係る遊技機は、
発明I1に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段は、識別情報(特別図柄)の可変表示を実行可能であり、前記識別情報の可変表示で特定結果が導出されると、遊技者に有利な特定遊技(大当たり遊技)を実行し、
前記演出制御手段は、前記識別情報の可変表示、および前記特定遊技の何れも実行されてない状態であることを条件に前記特定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
6-9-3.発明I3
発明I3に係る遊技機は、
遊技を制御可能な第1制御手段(主制御基板100)と、第2制御手段(演出制御基板120)と、を備える遊技機において、
前記第1制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御することがあり、
所定条件が成立すると、当該成立時の前記特定計測数を示す特定情報(差玉数指定コマンド)を前記第2制御基板に送信し、
前記第2制御手段は、
前記特定情報を記憶可能であり、
前記特定情報が示す前記特定計測数が前記基準数に達するまでの残りの前記特定計測数である残り特定計測数(残り差玉数)が所定値(10000)以下になっていることを条件に、前記残り特定計測数が前記所定値以下になっていることに応じた特定報知演出(残り差玉数報知演出)を実行することがあることを特徴とする遊技機。
6-10-1.発明J1
発明J1に係る遊技機は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御することがあり、
前記特定計測数が前記基準数に達するまでの残りの前記特定計測数である残り特定計測数(残り差玉数)が所定の判定数(10000)以下になっていることを条件に、遊技者が前記残り特定計測数を認識可能な特定演出(残り差玉数報知演出)を実行することがあることを特徴とする遊技機。
6-10-2.発明J2
発明J2に係る遊技機は、
発明J1に係る遊技機であって、
前記特定演出を実行しているときに前記残り特定計測数が前記判定数を越えた場合、前記特定演出を終了させることを特徴とする遊技機。
6-11-1.発明K1
発明K1に係る遊技機は、
遊技を実行可能な遊技実行手段(主制御基板100)と、演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120)とを備え、
前記遊技実行手段は、判定条件が成立すると所定判定(大当たり判定、大当たり図柄種別判定)を実行し、前記所定判定で特定結果(大当たり(小当たりに基づく大当たりも含む))が導出されると、遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態)にすることがある遊技機において、
前記遊技実行手段は、
遊技者に付与される遊技媒体に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態(遊技実行不能状態)に制御することがあり、
前記演出実行手段は、前記有利遊技状態になる可能性があることを示唆する示唆演出(予告演出)を実行することがあり、
前記示唆演出には、前記特定状態に関する所定事項を説明する特定示唆演出(特別残り差玉数報知演出、過賞球防止機能搭載説明)があることを特徴とする遊技機。
6-11-2.発明K2
発明K2に係る遊技機は、
発明K1に係る遊技機であって、
前記所定事項は、当該遊技機では前記特定計測数が前記基準数に達したことを条件に、前記特定状態に制御されることがあることであることを特徴とする遊技機。
6-11-3.発明K3
発明K3に係る遊技機は、
発明K1に係る遊技機であって、
前記所定事項は、前記特定計測数が前記基準数に達するまでの残りの前記特定計測数である残り特定計測数(残り差玉数)のことであることを特徴とする遊技機。
6-11-4.発明K4
発明K4に係る遊技機は、
発明K1に係る遊技機であって、
前記所定事項は、当当該遊技機では前記特定計測数が前記基準数に達したことを条件に、前記特定状態に制御されることがあること、および前記特定計測数が前記基準数に達するまでの残りの前記特定計測数である残り特定計測数(残り差玉数)のことであることを特徴とする遊技機。
41…特殊ボタン
50…画像表示装置
50a…表示画面
100…主制御基板
101…遊技制御用マイコン
104…遊技用RAM
120…サブ制御基板
121…演出制御用マイコン
107…非消去記憶部
107c…差玉数記憶部
121…演出制御用マイコン
181…特別リセットスイッチ
190…電源基板
191…RAMクリアスイッチ
193…電源スイッチ
300…7セグ表示器
PY1~PY11…パチンコ遊技機

Claims (3)

  1. 遊技を実行可能な遊技実行手段と、演出を実行可能な演出実行手段とを備え、
    前記遊技実行手段は、判定条件が成立すると所定判定を実行し、前記所定判定で特定結果が導出されると、遊技利益として遊技媒体を付与可能な大当たり遊技を実行することがあり、前記所定判定を実行する権利を保留することが可能な遊技機において、
    前記遊技実行手段は、
    遊技者に付与される遊技媒体に基づく特定計測数を計測可能であり、
    前記特定計測数が予め定められた基準数に達したことを条件に、遊技を実行することができない特定状態に制御することがあり、
    前記演出実行手段は、前記大当たり遊技の開始時に、前記特定結果が導出されることになる前記所定判定を実行する権利が保留されており、前記基準数から当該大当たり遊技の開始時の前記特定計測数を減算した特定値が、当該大当たり遊技で付与可能な遊技媒体の個数である第1付与個数よりも多く、前記保留されている前記特定結果に基づいて実行される大当たり遊技で付与可能な遊技媒体の個数である第2付与個数に前記第1付与個数を加算した値よりも少ないことを条件として、当該保留に係る前記大当たり遊技で前記特定計測数が前記基準数に達する可能性があることを遊技者が認識可能な特別演出を実行することがあることを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機であって、
    前記第1付与個数よりも前記第2付与個数の方が多いことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項1または2に記載の遊技機であって、
    前記第2付与個数は前記特定値よりも多いことを特徴とする遊技機。
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