JP7426128B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
例えば、下記特許文献1に記載の遊技機では、遊技球が流下可能な遊技領域に、各種入賞口(始動口、大入賞口、一般入賞口)が設けられている。そして、各種入賞口に遊技球が入球すると、遊技者に賞球が付与される。
特開2017-209170号公報
しかしながら、上記特許文献1の遊技機では、遊技者が継続した遊技によって、過剰な賞球を獲得することがあり得る。この場合、遊技機が遊技者に対して過剰な賞球を付与しないようにすることはなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題は、遊技者に過剰な賞球を付与しない遊技機を提供することにある。
本発明の遊技機は、
報知手段と、
操作手段と、
遊技を制御可能な遊技制御手段と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数以上である場合には、その後、遊技を実行不能に制御し、
前記演出実行手段は、
前記報知手段を用いて、前記特定計測数の状況を報知する報知演出を実行可能であり、
通常遊技の期間よりも遊技者に有利な有利遊技期間の終了に際して、当該有利遊技期間に獲得した賞球数を示唆可能な表示演出を実行可能であり、
前記特定計測数が前記基準数に達していないとき、且つ、前記表示演出が実行されている実行期間内の所定のタイミングで前記操作手段が操作された場合には、前記報知演出が実行されることを特徴とする。
本発明によれば、遊技者に過剰な賞球を付与しないことが可能である。
遊技機の正面図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 第2大入賞装置等を詳細に示す正面図である。 表示器類の正面図である。 (A)は盤上可動装置と盤下可動装置とが待機状態のときの演出用ユニットの正面図であり、(B)は盤上可動装置と盤下可動装置とが作動したときの演出用ユニットの正面図である。 主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 遊技機の裏側を示す斜視図である。 7セグ表示器を示す正面図である。 (A)は普図関係乱数を示す表であり、(B)は特図関係乱数を示す表である。 (A)は当たり判定テーブルであり、(B)は普図変動パターン判定テーブルであり、(C)は補助遊技制御テーブルである。 (A)は大当たり判定テーブルであり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルである。 特図1変動パターン判定テーブルである。 特図2変動パターン判定テーブルである。 先読み判定テーブルである。 大当たり遊技制御テーブルである。 遊技状態の説明図である。 演出モードの具体例を示す説明図である。 (A)は通過可能報知演出を示す説明図であり、(B-1)は第1報知演出を示す説明図であり、(B-2)は第2報知演出を示す説明図である。 特図変動演出の通常変動の具体例を示す説明図である。 特図変動演出のNリーチの具体例を示す説明図である。 特図変動演出のSPリーチの具体例を示す説明図である。 保留演出の具体例を示す説明図である。 可動体演出の具体例を示す説明図である。 操作演出の具体例を示す説明図である。 過賞球防止機能を示す図である。 差玉数のリセットを示す図である。 (A)は過賞球異常である場合の演出態様を示す図であり、(B)は磁気検出異常の場合の演出態様を示す図である。 (A)は過賞球予告画像を示す図であり、(B)は遊技停止予告画像を示す図である。 (A)は高確高ベース状態であるときに紫縁画像が表示されている図であり、(B)は高確ベース状態であるときに赤縁画像が表示されている図である。 (A)は特別リセットスイッチが押下操作されたときを示す図であり、(B)は客待ち状態が1時間経過したときを示す図である。 通過可能報知演出および報知演出に関する演出の流れを示す説明図である。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 入力処理のフローチャートである。 差玉数計測処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 客待ち計測処理のフローチャートである。 大当たり判定処理のフローチャートである。 変動パターン判定処理のフローチャートである。 変動パターン判定処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 特別電動役物処理のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 出力処理のフローチャートである。 外端信号出力処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 1mタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10mタイマ割り込み処理のフローチャートである。 第2実施形態に係る、大当たり遊技制御テーブルである。 第2実施形態に係る、特図1変動パターン判定テーブルである。 第2実施形態に係る、特図2変動パターン判定テーブルである。 第2実施形態に係る、特図1変動パターンの振分率を示す表である。 第2実施形態に係る、特図2変動パターンの振分率を示す表である。 第2実施形態に係る、同一の偶数を用いたリーチ後の演出の流れを示す説明図である。 第2実施形態に係る、図柄変化演出を示す説明図である。 第2実施形態に係る、昇格演出を示す説明図である。 第3実施形態に係る、大当たり図柄種別判定テーブルである。 第3実施形態に係る、大当たり遊技制御テーブルである。 第3実施形態に係る、時短終了時リザルト表示を示す図である。 第3実施形態に係る、時短終了時リザルト表示を示す図である。 第3実施形態に係る、時短終了時リザルト表示を示す図である。 変更例において操作促進画像演出を伴う時短終了時リザルト表示を示す図である。 変形例において過賞球防止機能を示す図である。 変形例において差玉数のリセットを示す図である。 変形例において差玉数が7セグ表示器で表示される場合を示す図である。 変形例において最大差玉数を説明する図である。 変形例において最低差玉数からの増加数に基づいて過賞球防止機能を作動させる変形例におけるカウンタの推移を説明する図である。
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
1.遊技機の構造
第1実施形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1~図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、外枠22と、その外枠22に対して開閉可能な前扉23とを備えている。さらに、前扉23は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠2Aに対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技場(遊技店)に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。通常ボタン40は、例えば押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。特殊ボタン41は、例えば押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52(音出力手段)は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に図2~図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能もしくは極めて困難な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。
第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能もしくは極めて困難である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。なお、誘導ステージ12gの上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでおり、遊技球が第2大入賞口15に入球することは不可能もしくは極めて困難である。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であると遊技球の第2大入賞口15への入球が容易となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能もしくは極めて困難であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば10R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。
また、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図4に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
次に、図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイ,ドット表示器,7セグメント表示装置等で構成され、図柄等を表示可能な表示画面50aを具備する。
盤上可動装置55は、表示画面50aよりも前方に配置され、表示画面50aに沿って移動可能であり、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示画面50aよりも前方に配置され、表示画面50aに沿って移動可能であり、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に、図6~図9に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6~図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」ともいう)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出)、客待ち演出、通常ボタン40や特殊ボタン41の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板、以下「サブ制御基板」ともいう)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている(図8参照)。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。また、演出制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ191が設けられている。RAMクリアスイッチ191(特定操作手段)は、電源投入時に、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)を、遊技用CPU102にクリア(以下「RAMクリア」と呼ぶ)させるためのものである。図8に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源基板190上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、RAMクリアスイッチ191がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。なお第1実施形態では、RAMクリアスイッチ191が電源基板190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ191の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば主制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。
また電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ193が接続されている。電源スイッチ193のON操作またはOFF操作により、電源の投入と遮断とが切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。また遊技用RAM104には、非消去記憶部107が設けられていて、非消去記憶部107には、総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107cが設けられている。非消去記憶部107では、RAMクリアが実行されても、遊技用CPU102が記憶内容を消去しないようになっている。非消去記憶部107(総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107c)については、後に詳述する。
また主制御基板100には、7セグ表示器300と、設定キーシリンダ180と、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)と、が設けられている(図8参照)。7セグ表示器300は、図9に示すように、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器300は、左から右に向かって順番に、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330と第4表示領域340とを備えている。そして4つの表示領域310、320、330、340は、それぞれ「0」~「9」までの数字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1~LB8、LB9~LB16、LB17~LB24、LB25~LB32を有している。7セグ表示器300の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
設定キーシリンダ180は、大当たり判定確率に対応する設定値を設定する際に、操作手段として機能するものである。この設定キーシリンダ180の内部は、設定キー(図示省略)が挿入された状態で、初期位置と回転位置との間で回転操作される。よって、本パチンコ遊技機PY1では、設定キーシリンダ180を回転位置へ回転操作しておき、RAMクリアスイッチ191を押下操作しながら、電源を投入することで、設定値を設定可能な設定モードに移行することができる。そして、この設定モードにおいて、設定値を「1」に設定することができる。しかしながら、本パチンコ遊技機PY1では、設定値が1種類である「1」しか設けられていない。従って、設定値を「1」から変更できないようになっている。なお、設定モードに設定されているときに、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ回転操作すると、設定モードが終了して、RAMクリアが実行される。
また主制御基板100には、押下操作可能な特別リセットスイッチ181が設けられている。図8に示すように、特別リセットスイッチ181は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された主制御基板100上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、特別リセットスイッチ181を操作することはできない。即ち、特別リセットスイッチ181は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。特別リセットスイッチ181の機能については、後に詳述する。また主制御基板には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が実装されている。
主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類MSや各種アクチュエータ類MAが接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類MSが出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類MAに信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類MSには、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する第1始動口センサ、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する第2始動口センサ、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する一般入賞口センサ、ゲート13を通過した遊技球を検知するゲートセンサ、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する第1大入賞口センサ、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する第2大入賞口センサ15a、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する特定領域センサ16a、および、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する非特定領域センサ17aが含まれている。
また各種センサ類MSには、遊技領域6を流下する全ての遊技球(総発射球数)を検知する排出口センサが含まれている。ここで、遊技領域6の外部へ流下した遊技球は、遊技盤取付枠2の下部に設けられている排出経路(図示省略)を通って、本パチンコ遊技機PY1の外部に排出される。そのため、排出口センサは、排出経路内に設けられている。また各種センサ類MSには、不正な磁気を検知する磁気センサが含まれている。磁気センサは、遊技者が磁石等を用いて遊技球を不正に各種入賞口10、11、12、14へ入賞させる際に生じる磁気を検知するものである。上記した各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
また各種センサ類MSには、前扉23の外枠22に対する開放を検知する前扉開放センサと、前枠23mの遊技盤取付枠2Aに対する開放を検知する前枠センサと、が含まれている。前扉開放センサは、前扉23の開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。前枠センサは、前枠23mの開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類MAには、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する電チューソレノイド、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する第2大入賞口ソレノイド、および、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sが含まれている。なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73や貸球払出装置74を用いて、賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球の数は、払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイドを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また払出制御基板170は、外部端子板160に接続されている。つまり、外部端子板160は、払出制御基板170を介して、主制御基板100に接続されている。外部端子板160は、主制御基板100から送信される外端信号を、パチンコ遊技機PY1の外部に設けられている外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信するものである。外端信号に含まれる情報には、例えば、大当たりに当選したかを示す情報、遊技状態の情報、エラーや不正(異常)を示す情報が含まれる。なお、外部端子板160は、外端信号をパラレル通信によって外部ユニットGUに送信しているが、外端信号を非同期シリアル通信(共通の非同期シリアル通信ポート)で送信するようにしても良い。また、払出制御基板170を介して主制御基板100を外部端子板160に接続したが、払出制御基板170以外の基板(例えば中継基板)を介して主制御基板100を外部端子板160に接続したり、主制御基板100と外部端子板160とを直接接続するようにしても良い。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100と演出制御基板120との接続は、主制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、および、サブ側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、演出制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示画面50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類SA、各種ランプ類SLが接続されている。演出制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類SAに信号を出力する。また、演出制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類SLの点灯制御を行う。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類SAには、盤上可動装置55,盤下可動装置56,枠可動装置58等を駆動するモータが含まれ、モータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。なお、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種ランプ類SLには、枠ランプ53,盤ランプ54等が含まれ、各ランプを発光させる。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、演出制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図10~図15を用いて説明する。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図10(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、図11(A)に示すような1または複数の当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、遊技状態には非時短状態と時短状態とが含まれ、当たり判定テーブルとして、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、を区別することが可能である。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。また、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、図11(B)に示すような1または複数の普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、普図変動パターン判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技は、補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態に基づいて、図11(C)に示すような1または複数の補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。また、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図10(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。なお、乱数を判定情報と言うこともある。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、図12(A)に示すような1または複数の大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。遊技状態には、通常確率状態と高確率状態とが含まれ、大当たり判定テーブルは、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルとして、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と、高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図12(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図12(B)に示すような1または複数の大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルとして、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)と、を区別することが可能である。
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。また、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
例えば、図12(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Xが50%、大当たり図柄Yが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Zが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図12(C)に示すような1または複数のリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
リーチ判定テーブルは、遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、リーチ判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ成立乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図12(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ成立乱数値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3-2-4.特図変動
特図変動パターン判定は、図13~図14に示すような1または複数の特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることが可能である。特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルとして、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図13)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図14)と、を区別することが可能である。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態にも関連付けることが可能である。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。
また、遊技状態に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果またはリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用(大当たり図柄種別ごと)、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用(大当たり図柄種別ごと)、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンには、図13~図14の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローに関連付けることが可能である。
なお、図13~図14の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」という。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」という。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図15に示すような1または複数の先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行う。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルとして、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、を区別することが可能である。
また、先読み判定テーブルは、遊技状態にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、を区別することが可能である。
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、を区別することが可能である。なお、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図16に示すような1または複数の大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎に大当たり遊技構成要素が格納されている。大当たり遊技として、1種類又は複数種類の大当たり遊技を制御することが可能である。
例えば、図16に示すように、1Rから9Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、10R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサに検知されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
また、各要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。このように、振分部材16kが一定の作動態様(特定領域16が一定の開閉態様)で制御されるが、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)が設定されることになる。なお、以下において、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいう。
第2大入賞口の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、大当たり遊技には、当該大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、を実行することが可能である。このように、Vロング開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vロング大当たり」という。一方、Vショート開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vショート大当たり」という。
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図17に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することができる。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
第1実施形態では、大当たり遊技が図16に示す大当たり遊技X又は大当たり遊技Zである場合には、遊技球が特定領域16を通過することによって、当該大当たり遊技の実行後、高確率状態が設定される。この高確率状態は、大当たりに当選することなく第1所定回数(具体的には130回)の大当たり判定が行われることで、高確率状態から通常確率状態に設定が切り替わることになる。一方、大当たり遊技が図16に示す大当たり遊技Yである場合や、大当たり遊技X,大当たり遊技Zにおいて遊技球が特定領域16を通過しなかった場合には、当該大当たり遊技の実行後、通常確率状態が設定される。
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.00秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われるようにすることも可能である(図13~図14参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くすることが可能である。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くすることが可能である。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
第1実施形態では、大当たり遊技が図16に示す大当たり遊技X又は大当たり遊技Zである場合には、遊技球が特定領域16を通過することによって、当該大当たり遊技の実行後、時短状態が設定される。この時短状態は、大当たりに当選することなく第1所定回数(具体的には130回)の大当たり判定が行われることで、時短状態から非時短状態に設定が切り替わることになる。一方、大当たり遊技が図16に示す大当たり遊技Yである場合や、大当たり遊技X,大当たり遊技Zにおいて遊技球が特定領域16を通過しなかった場合には、当該大当たり遊技の実行後、時短状態が設定される。この時短状態は、大当たりに当選することなく第2所定回数(具体的には100回)の大当たり判定が行われることで、時短状態から非時短状態に設定が切り替わることになる。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。
また、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、当たり判定は行われるが大当たり判定は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。なお、通常遊技状態以外の遊技状態として、「高確高ベース状態」、「高確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確率状態」、「時短状態」、「高ベース状態」、「大当たり遊技状態」を、遊技者に特典が付与されている「特典遊技状態」と呼ぶことができる。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図18~図24を用いて説明する。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図18(A-1)に示すように、表示画面50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、図18(A-2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示画面50aの輝度設定(「光量設定」)、実行される演出の頻度設定(「演出設定」)などがある。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、図18(B-1)に示すように、表示画面50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、図18(B-2)に示すように、表示画面50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、図18(B-3)に示すように、表示画面50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1~第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示画面50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図18(B-4)に示すように、表示画面50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示画面50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図18(B-5)に示すように、表示画面50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示画面50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、図18(C-1)に示すように、表示画面50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、図18(C-2)に示すように、表示画面50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、図18(C-3)に示すように、表示画面50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や、大当たり遊技状態で払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
第1実施形態では、大当たり遊技が図16に示す「Vロング大当たり(大当たり遊技X,大当たり遊技Z)」である場合には、上述したように10ラウンド目に第2大入賞口15が最長29.5秒間の開放時間で開放し、この第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16をさらに通過可能となっている。そこで、本パチンコ遊技機PY1では、この10ラウンド目のラウンド遊技の実行中に、通過可能報知演出、ならびに、第1報知演出または第2報知演出が実行可能となっている。
通過可能報知演出は、第2大入賞口15が開放し、さらに特定領域16に遊技球が通過可能であることを報知するための演出である。図19(A)に示す、キャラクタ表示画像G120、および、キャラクタ表示画像G120に示すキャラクタが発する、文字列「特定領域に玉を通過させろ!」を示す第1セリフ画像G121を表示部50aに表示する画像演出である。このような通過可能報知演出の実行によって、第2大入賞口15内の特定領域16に遊技球が通過可能であることを遊技者に把握させることができる。
第1報知演出は、特定領域16に遊技球が通過したことを報知するための演出である。この第1報知演出は、図19(B-1)に示す、キャラクタ表示画像G120、および、キャラクタ表示画像G120に示すキャラクタが発する、文字列「通過おめでとう!」を示す第2セリフ画像G122を表示部50aに表示する画像演出である。このような第1報知演出の実行によって、第2大入賞口15内の特定領域16に遊技球が通過したことを遊技者に把握させることが可能である。そして、当該大当たり遊技の実行後、大当たり判定が最大で第1所定回数(130回)行われるまで、遊技状態が高確率高ベース遊技状態に設定されることを遊技者に把握させることが可能である。
それに対し、第2報知演出は、上記第1報知演出とは逆に、特定領域16に遊技球が通過しなかったことを報知可能な演出である。この第2報知演出は、図19(B-2)に示す、キャラクタ表示画像G120、および、キャラクタ表示画像G120に示すキャラクタが発する、文字列「残念・・・・」を示す第3セリフ画像G123を表示部50aに表示する画像演出である。このような第2報知演出の実行によって、第2大入賞口15内の特定領域16に遊技球が通過しなかったことを遊技者に把握させることができる。そして、当該大当たり遊技の実行後、遊技状態が低確率高ベース遊技状態に設定されることを遊技者に把握させることが可能である。
また、第1実施形態では、大当たり遊技の実行中に差玉数が基準数(80000)以上になる場合には、その大当たり遊技にて特定領域16に遊技球が通過しても、図19(B-1)に示す第1報知演出が行われず、その代わりに図19(B-2)に示す第2報知演出が行われる。
第1実施形態では、大当たり遊技で差玉数が基準数以上になると、その後の遊技状態が通常遊技状態に設定されるタイミング(具体的には図26(C)に示すラッシュ終了のタイミング(すなわち高確高ベース状態から通常遊技状態に切り替わるタイミング))で、遊技停止になることが決まる。そのため、実行中の「Vロング大当たり」で差玉数が基準数以上になる場合に、その大当たり遊技の特定領域16への遊技球の通過に伴って第1報知演出が行われてしまうと、その後、遊技停止に制御されるにもかかわらず、その大当たり遊技の実行後の高確率高ベース遊技状態において、更なる大当たりの当選を遊技者に期待させてしまうことになる。そこで、差玉数が基準数以上になる「Vロング大当たり」で特定領域16に遊技球が通過しても、第1報知演出の代わりに第2報知演出が行われることによって、当該大当たり遊技の実行後に、大当たり判定の結果が大当たり当選となり易く、遊技者にとって有利な高確率高ベース遊技状態ではなく、それよりも不利な低確率高ベース遊技状態が設定されることを遊技者に意識させることが可能となっている。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示画面50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄は、例えば1~9の数字図柄で構成され、演出図柄の変動表示では、特図の可変表示の開始に伴って演出図柄が変動し、特図の可変表示の終了に伴って演出図柄が停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示画面50aには、図20(A)に示すように、表示画面50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図20(A)に示すように、表示画面50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、例えば、1~9の数字図柄で構成される。
なお、図20(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特図の可変表示が開始されると、例えば、図20(A)に示すように、表示画面50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3(以下、「演出図柄EZ1、EZ2、EZ3」又は「演出図柄EZ」とも呼ぶ)が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、図20(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。なお、図19中の「↓」は、図柄の変動表示中であることを示している。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、図20(C-1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図20(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。ハズレを示唆する停止態様には、「1・1・2」や「2・4・6」など、左右の図柄が同一ではない停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、図20(C-2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様(所謂リーチ目)で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図21(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図21(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図21(C-1)に示すように、リーチハズレを示唆する停止態様(所謂リーチハズレ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もリーチハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。リーチハズレを示唆する停止態様には、「7・6・7」や「5・3・5」など、左右の図柄が同一且つ中の図柄が左右の図柄と異なる停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、図21(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。大当たりを示唆する停止態様には、「7・7・7」や「2・2・2」など、左右中の図柄が同一の停止態様が複数種類ある。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図22(A)に示すように、表示画面50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図22(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、図22(C-1)に示すように、表示画面50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、図22(C-2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチハズレを示唆する停止態様で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度、当選期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とした場合、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とした場合、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%とすれば、SPリーチBの大当たり期待度を、SPリーチAの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示画面50aには、図23(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が「1」の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が「2」の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図23(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
保留演出では、特図1保留数が「0」のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、図23(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図23(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が「2」であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図23(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が「1」であることが遊技者に報知される。
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、ボタン40,41等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、図23(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、遊技者から見て、表示画面50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示画面50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、図23(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者が通常ボタン40や特殊ボタン41を操作する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、特殊ボタン41の押下操作が有効な期間(ボタン操作有効期間)が発生し、このボタン操作有効期間の発生に伴って、図25(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(ボタン操作促進演出)が行われる。ボタン操作促進演出において、表示画面50aに、ボタン操作促進画像G3が表示される。ボタン操作促進画像G3は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像G32)と、ボタン操作有効期間の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像G33)と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、図25(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、遊技者から見て、盤上可動体55kが表示画面50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
先読み演出では、例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図23(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。例えば、特図変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様を変化させることも可能である。
5.7セグ表示器での表示
次に、7セグ表示器300(図9参照)での表示について説明する。7セグ表示器300では、通常遊技状態で遊技者が獲得した通常総賞球数と通常遊技状態で遊技者が発射した通常発射球数との割合である通常ベースが百分率(%)の値として表示される。なお7セグ表示器300では、通常ベース以外のベース(時短状態で遊技者が獲得した時短総賞球数と時短状態で遊技者が発射した時短発射球数との割合である時短ベース、大当たり遊技状態で遊技者が獲得した大当たり総賞球数と大当たり遊技状態で遊技者が発射した大当たり発射球数との割合である大当たりベース)が表示されることはない。
ここで、遊技制御用マイコン101は、通常発射球数と、通常総賞球数と、総発射球数と、を常にカウントするようになっている。総発射球数とは、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において、遊技者が発射した発射球数のことである。総発射球数は、遊技制御用マイコン101が排出口センサの検知をカウントすることで算出される。通常発射球数は、遊技制御用マイコン101が通常遊技状態に限って排出口センサの検知をカウントすることで算出される。通常総賞球数は、遊技制御用マイコン101が通常遊技状態で払い出す賞球数をカウントすることで算出される。
7セグ表示器300での表示のためにカウントされた通常発射球数の情報と通常総賞球数の情報と総発射球数の情報とは、遊技用RAM104の非消去記憶部107(図6参照)の特定記憶領域(図示省略)に記憶されている。従って、RAMクリアが実行されても、通常発射球数の情報と通常総賞球数の情報と総発射球数の情報は維持される(消去されない)。こうして、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが実行されても、電源遮断時の通常発射球数と電源遮断時の通常総賞球数とを用いて、通常ベースを演算することができる。そして、遊技制御用マイコン101は、遊技状態に拘わらず(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態などにおいて)、通常ベースの値を、7セグ表示器300の右2桁(第3表示領域330と第4表示領域340(図9参照))で表示する。
ここで、通常ベースは、総発射球数が60000発毎に区切って演算される。つまり、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が60000発になるまでに演算された通常ベースは、最初の通常ベースとなる。その後、総発射球数が60001発を超えると、最初の通常ベースだった値は、1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が60001発から120000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。その後、総発射球数が120001発を超えると、1回前の通常ベースだった値は2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が120001発から180000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。
その後、総発射球数が180001発を超えると、2回前の通常ベースだった値が3回前の通常ベースとして記憶され、1回前の通常ベースだった値が2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が180001発から240000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。その後、総発射球数が240001発を超えると、3回前の通常ベースだった値は消去され、2回前の通常ベースだった値が3回前の通常ベースとして記憶され、1回前の通常ベースだった値が2回前の通常ベースとして記憶され、現在の通常ベースだった値が1回前の通常ベースとして記憶される。そして、総発射球数が240001発から300000発になるまでに演算された通常ベースは、現在の通常ベースとなる。以後同様に、総発射球数が60000発毎に通常ベースが演算されて、3回前の通常ベースの値までが記憶される。
こうして、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の非消去記憶部107にて、現在の通常ベース、1回前の通常ベース、2回前の通常ベース、3回前の通常ベースを最大で記憶させておくことができる。この場合、遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300において、現在の通常ベース⇒1回前の通常ベース⇒2回前の通常ベース、⇒3回前の通常ベース⇒現在の通常ベースを5秒間毎に切替えて表示するようになっている。
具体的に、7セグ表示器300では、左2桁(第1表示領域310と第2表示領域320(図9参照))で「bL」が示されるときに、右2桁(第3表示領域330と第4表示領域340)で現在の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「bL」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、現在の通常ベースであることを把握することができる。
そして、現在の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b1」が示されると共に、右2桁で1回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b1」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、1回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、1回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b2」が示されると共に、右2桁で2回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b2」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、2回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、2回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、左2桁で「b3」が示されると共に、右2桁で3回前の通常ベースが表示される。そのため、左2桁で「b3」を見た人は、右2桁で示されている値(通常ベース)が、3回前の通常ベースであることを把握することができる。
そして、3回前の通常ベースの表示が開始されてから5秒間が経過すると、7セグ表示器300では、上述したように、左2桁で「bL」が示されると共に、右2桁で現在の通常ベースが表示されて、以後同様に繰り返される。
また7セグ表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから総発射球数が300球以下であると、右2桁に「--」が表示される。つまり、総発射球数が300球以下では、通常ベースの値が表示されず、総発射球数が300球を超えてから、通常ベースの値が表示される。こうして、総発射球数が300球以下である場合には、通常ベースの分母の値(通常発射球数)が小さ過ぎることで、信頼性の低い通常ベースの値を表示することを回避している。なお、総発射球数が300球以下であっても、7セグ表示器300の左2桁では、「bL」⇒「b1」⇒「b2」⇒「b3」の表示が5秒間毎に繰り返される。
また7セグ表示器300では、工場出荷後に電源が初めて投入されてから通常発射球数が6000球以下であると、左2桁で示される「bL」、「b1」、「b2」、「b3」が点滅態様になる。その後、工場出荷後に電源が初めて投入されてから通常発射球数が6000球を超えると、左2桁で示される「bL」、「b1」、「b2」、「b3」が点灯態様になる。こうして、7セグ表示器300で通常ベースを確認する人に対して、左2桁で点滅態様を見せた場合には、右2桁で示されている通常ベースの値が未だ十分に収束していない値であることを把握させることが可能である。言い換えると、通常ベースを確認する人に対して、左2桁で点灯態様を見せた場合には、右2桁で示されている通常ベースの値がある程度収束している値であることを把握させることが可能である。
また7セグ表示器300では、電源投入後に設定モードに移行すると、第4表示領域340にて、設定値(「1」)が表示される。その後、設定キーシリンダ180が回転位置から待機位置へ回転操作されると、設定モードが終了して、第4表示領域340にて、設定値(「1」)が表示されなくなる。こうして、設定モードに設定されている間に限り、7セグ表示器300の第4表示領域340で、設定値が示される。
また7セグ表示器300では、電源が投入されてから通常ベースの表示が開始されるまでの間に、初期表示が行われる。なお上述したように、電源投入後に設定モードに移行する場合には、設定モードが終了した後に、初期表示が実行される。7セグ表示器300での初期表示は、第1表示領域310から第4表示領域340までに含まれている全ての点灯部分LB1~LB32(図9参照)が点灯する。つまり、7セグ表示器300において「8.8.8.8.」が示される。こうして、電源投入直後に、7セグ表示器300で初期表示が実行されることで、7セグ表示器300が正常に動作することが示される。
6.過賞球防止機能
次に、過賞球防止機能について説明する。本パチンコ遊技機PY1では、遊技者に過剰な賞球を付与しないように、遊技制御用マイコン101が、過賞球防止機能を作動できるようになっている。具体的に、過賞球防止機能は、差玉数が80000(基準数)以上であることを条件に、遊技を実行不能にする機能である。ここで、差玉数(特定計測数)とは、総賞球数と総発射球数との差のことである。総賞球数は、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において遊技者が獲得する(遊技者に払い出される)賞球数のことである。なお総賞球数は、遊技制御用マイコン101が遊技者に払い出す予定の賞球数の合計を意味しているが、遊技者に実際に払い出された賞球数の合計を意味していても良い。総発射球数は、上述したように、全ての遊技状態において、遊技者が発射した発射球数のことである。
遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数をカウントしていて、カウントされた総賞球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総賞球数記憶部107a(図6参照)に記憶される。また遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総発射球数をカウントしていて、カウントされた総発射球数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている総発射球数記憶部107b(図6参照)に記憶される。そして遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数から総発射球数を減算して、差玉数を演算していて、演算された差玉数の情報は、遊技用RAM104の非消去記憶部107に設けられている差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶される。
よって、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアが実行されても、非消去記憶部107に記憶されている総賞球数の情報と総発射球数の情報と差玉数の情報とを消去しない。こうして、遊技制御用マイコン101は、電源遮断時の総賞球数と電源遮断時の総発射球数とを用いて、日付を跨いで差玉数を演算することができる。なお遊技制御用マイコン101は、総発射球数の値が総賞球数の値よりも大きい場合には、差玉数をマイナスの値として扱うようになっている。
第1実施形態では、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技に関する遊技制御処理(後述するステップS102~S108の処理、図34参照)を停止させるだけでなく、遊技球を発射させるための発射制御処理(後述するステップS109の処理、図34参照)も停止させる。従って、遊技者は、ハンドル72kを回転操作しても、遊技球が発射されないことで、遊技ができない状況にすぐに気づくことができる。なお、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101は、遊技制御処理を停止することで、各種センサ類MSから検知内容に応じた信号を受信しなくなり、表示器類8及び7セグ表示器300の表示制御を実行しなくなり、各種アクチュエータ類MAを作動させなくなり、払出制御基板170を介して外部端子板160に外端信号を出力しなくなる。
過賞球防止機能が作動した後、遊技が実行不能な状況は、電源が遮断されるまで継続する。第1実施形態では、過賞球防止機能は、RAMクリアが実行されることを条件に解除される。つまり、過賞球防止機能が作動した後、遊技場の従業員は電源スイッチ193のOFF操作により電源を遮断する。そして、遊技場の従業員は、電源スイッチ193のON操作により電源を投入するときに、RAMクリアスイッチ191を押下操作する。これにより、RAMクリアが実行されることで、遊技制御用マイコン101は、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を実行することができる。こうして、第1実施形態では、過賞球防止機能が作動した後、電源のOFF及びON(再投入)だけでは遊技を再開することができず、RAMクリアが実行されることで遊技を再開することができる。
次に、過賞球防止機能が作動するタイミングについて、図26に基づいて説明する。過賞球防止機能は、差玉数が80000以上であることを条件に、遊技者にとって有利な有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると作動する。つまり、差玉数が80000に達したタイミングで、必ず過賞球防止機能が作動するわけではない。第1実施形態では、有利遊技状態とは、大当たり遊技後の高確高ベース状態、又は大当たり遊技後の低確高ベース状態のことである。
例えば図26(A)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が70000に達したこととする。勿論このときには、過賞球防止機能が作動しない。次に、図26(B)に示す大当たり遊技状態の途中で、差玉数が80000に達したこととする。このとき、過賞球防止機能が作動しない。続いて、この大当たり遊技状態から高確高ベース状態に移行するタイミングでも、過賞球防止機能が作動しない。その後、図26(C)に示すように、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行するタイミングになると、過賞球防止機能が作動する。こうして第1実施形態では、大当たり遊技状態の途中や、高確高ベース状態の途中で、遊技が停止することがなく、遊技者にとって有利遊技状態が終了した区切りの良いタイミングで、遊技を終了させることが可能である。
第1実施形態では、差玉数の情報は、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されていて、電源のOFF及びONによって、差玉数がリセット(クリア)されることはない。そして上述したように、電源投入時にRAMクリアが実行されても、差玉数がリセットされることはない。これは、以下の理由に基づく。
パチンコ遊技機PY1では、営業時間内であっても、バグや故障、重度の不正等によって、電源のOFF及びON(再投入)、又はRAMクリアを実行する状況がある。このような状況の場合、仮に、電源の再投入、又はRAMクリアの実行によって、差玉数がリセットされてしまうと、過賞球防止機能を設けた意味が損なわれてしまう。つまり、バグや故障、重度の不正が生じた方が、その後に遊技を再開する遊技者にとって、過賞球防止機能が作動し難くなるという不当な利益を与えるおそれがある。そこで第1実施形態では、遊技者に上記した不当な利益を与えないようにするため、電源の再投入、又はRAMクリアの実行によって、差玉数がリセットされないようにしている。
次に、差玉数がリセットされる条件について、図27に基づいて説明する。第1実施形態では、差玉数がリセットされるリセット条件は、2つある。第1のリセット条件は、図27(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることである。つまり、遊技制御用マイコン101は、特別リセットスイッチ181が押下操作されたことに基づく信号を受信すると、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアする。なお、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がリセット(クリア)されるときには、併せて、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報及び総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報もリセットされるが、以下では、単に「差玉数がリセット(クリア)される」と呼ぶことにする。なお、図27(A)では、客待ち状態において、特別リセットスイッチ181が押下操作されると差玉数がリセットされる場合が示されているが、どの遊技状態(例えば通常遊技状態)であっても、特別リセットスイッチ181が押下操作されると差玉数がリセットされる。
第2のリセット条件は、図27(A)に示すように、客待ち状態が1時間(所定時間)継続することである。つまり、客待ち状態に移行してから遊技がそのまま1時間行われないと、遊技制御用マイコン101が、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報をクリアする。なお客待ち状態は、遊技が実行されずに特別図柄が停止表示されたままの遊技状態のことである。
上記2つのリセット条件が設けられているのは、以下の理由に基づく。例えば、図27(A)(B)に示すように、或る遊技者の遊技によって、大当たり遊技状態にて差玉数が70000に達したこととする。その後、或る遊技者は、大当たり遊技状態から高確高ベース状態を経て通常遊技状態に移行すると、遊技を終了したこととする。この場合、次に遊技を開始する遊技者にとっては、差玉数が残り僅か(10000以内)増加すると、過賞球防止機能が作動し得る状況であり、非常に不利になっている。
そこで第1実施形態では、図27(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることで、差玉数がリセットされる。これにより、遊技場の従業員は、或る遊技者の遊技を終了した後、任意のタイミングで、特別リセットスイッチ181を押下操作して、差玉数をリセットすることができる。また図27(B)に示すように、客待ち状態が1時間継続すれば、遊技者が遊技を終了させた状況と判断して、差玉数が自動的にリセットされる。これにより、遊技場の従業員にリセットのための操作負担をかけることなく、差玉数をリセットすることができる。こうして、上記2つのリセット条件を設けることで、次に遊技を開始する遊技者が、遊技を開始してすぐに過賞球防止機能が作動してしまい、非常に不利になるのを防ぐことが可能である。
次に、過賞球防止機能が作動するときの演出態様について、図28(A)に基づいて説明する。過賞球防止機能が作動すると、図28(A)に示すように、表示画面50aには、赤色の赤背景画像REが表示されると共に、「エラーX 過賞球異常 RAMクリアしてください」を示すエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。こうして、図28(A)に示す演出態様により、遊技者には、遊技が実行できない状況をすぐに認識させることが可能である。なお、図28(A)に示す演出態様は、電源が遮断されるまで継続される。そして、図28(A)に示す演出態様は、RAMクリアが実行されると解除されるが、電源の再投入だけでは、そのまま継続される。
ここで、本パチンコ遊技機PY1において、不正な磁気が検知されたときについて説明する。磁気センサにより不正な磁気が検知されると、磁気センサは、磁気検知に応じた信号を主制御基板100に出力する。これにより、遊技制御用マイコン101は、過賞球防止機能を作動させるときと同様に、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を停止させる。こうして、磁気検知によって遊技が実行不能な状況は、電源が遮断されるまで継続する。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動した場合と異なり、電源のOFF及びON(電源の再投入)によって、遊技制御用マイコン101は、遊技に関する遊技制御処理及び発射制御処理を実行することができる。
続いて、不正な磁気が検知されたときの演出態様について、図28(B)に基づいて説明する。磁気センサにより不正な磁気が検知されると、図28(B)に示すように、表示画面50aには、赤色の赤背景画像REが表示されると共に、「エラー1 磁気検出異常 電源を再投入してください」を示すエラー解除方法画像ER1が表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53は全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54は全て消灯する。こうして、過賞球防止機能が作動するときの演出態様(図27(A)参照)と、不正な磁気が検知されたときの演出態様(図28(B)参照)とを比較すると、解除方法画像以外は、同じである。よって、遊技場の従業員又は遊技者に対して、不正な磁気が検知されたときと、過賞球防止機能が作動したときとで、共に遊技が実行不能な状況であるということを認識させ易くすることが可能である。
次に、差玉数が70000に達した場合の演出態様について、図29(A)に基づいて説明する。前提条件として、図26(A)に示すタイミングで、差玉数が70000に達したこととする。先ず、図29(A)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が70000に達すると、表示画面50aの縁部では、紫色の紫縁画像EFaが表示され、表示画面50aの下部では、「残り10000発で過賞球異常」を示す過賞球予告画像KYが表示される。これら紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYの表示により、遊技者に過賞球防止機能の作動が近づいている状況を把握させることが可能である。紫縁画像EFaの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、過賞球予告画像KYの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、過賞球予告画像KYは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。
続いて、差玉数が80000に達した場合の演出態様について、図29(B)に基づいて説明する。前提条件として、図26(B)に示すタイミングで、差玉数が80000に達したこととする。図29(B)に示すように、表示画面50aでは、ラウンド画像G109や賞球数画像G110が表示されている。そして、差玉数が80000に達すると、表示画面50aの縁部では、赤色の赤縁画像EFbが表示され、表示画面50aの下部では、「ラッシュ終了で遊技中止」を示す遊技停止予告画像KHが表示される。これら赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHの表示により、遊技者に遊技停止が近づいていると共に、いつ遊技が停止されるのかを把握させることが可能である。赤縁画像EFbの表示は、大当たり遊技状態が終了した後も継続されるが、遊技停止予告画像KHの表示は、大当たり遊技状態が終了することによって終了するようになっている。なお、遊技停止予告画像KHは、大当たり遊技状態が終了した後も、表示し続けるようにしても良い。
ここで、図26(A)に示すタイミングで差玉数が70000に達した後、高確高ベース状態での演出態様は、図30(A)に示す通りである。即ち、図30(A)に示すように、表示画面50aでは、確変用背景画像G105が表示されていて、演出図柄EZが変動表示している。そして、表示画面50aの縁部では、紫縁画像EFaが表示されている。この紫縁画像EFaにより、遊技者には、差玉数が70000に達していることを把握させつつ、遊技させることが可能である。
また、図26(B)に示すタイミングで差玉数が80000に達した後、高確高ベース状態での演出態様は、図30(B)に示す通りである。即ち、図30(B)に示すように、表示画面50aでは、確変用背景画像G105が表示されていて、演出図柄EZが変動表示している。そして、表示画面50aの縁部では、赤縁画像EFbが表示されている。この赤縁画像EFbにより、遊技者には、差玉数が80000に達していることを把握させつつ、遊技させることが可能である。
次に、図27(A)に示すように、特別リセットスイッチ181が押下操作されることで、差玉数がリセットされた場合の演出態様について説明する。この場合には、遊技場の従業員が、前扉23を外枠22に対して開放していて、特別リセットスイッチ181を押下操作した状況になる。そのため、前扉開放センサが前扉23の開放を検知していて、表示画面50aでは、図31(A)に示すように、「エラー2 前扉を閉めて下さい」を示すエラー解除方法画像ER2が表示される。そして、このときには、表示画面50aの下部にて、「差玉数をリセットしました」を示す差玉数リセット報知画像CLSが表示される。これにより、遊技場の従業員に、差玉数がリセットされたことを把握させることが可能である。
続いて、図27(B)に示すように、客待ち状態が1時間継続した場合の演出態様について説明する。この場合には、表示画面50aでは、客待ちデモ動画G100が表示されている。そして、このときには、表示画面50aの下部にて、「差玉数をリセットしました」を示す差玉数リセット報知画像CLSが表示される。これにより、遊技場の従業員に、差玉数がリセットされたことを把握させることが可能である。
7.通過可能報知演出および第1報知演出,第2報知演出
続いて、大当たり遊技の実行中に差玉数が基準数(80000)以上になる場合と、基準数に達しない場合の通過可能報知演出および第1報知演出,第2報知演出の実行について、図32を用いて説明する。第1実施形態では、演出制御用マイコン121が、これから行われる大当たり遊技の実行開始時における差玉数を参照して、その大当たり遊技の実行中に差玉数が基準数以上になるかどうかを判定する。
具体的に、演出制御用マイコン121は、これから行われる大当たり遊技が大当たり遊技Xである場合、この大当たり遊技Xの実行開始時のタイミングに、主制御基板100の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数(差玉数の情報)が79250(基準数から750少ない数)以上かどうかを判定する。演出制御用マイコン121は、差玉数が79250以上である場合に、当該大当たり遊技Xの実行中に差玉数が基準数以上になると判別する。一方、差玉数が79250未満である場合には、当該大当たり遊技Xの実行中に差玉数が基準数に達しないと判別する。
また、演出制御用マイコン121は、これから行われる大当たり遊技が大当たり遊技Zである場合、この大当たり遊技Zの実行開始時のタイミングに、主制御基板100の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数(差玉数の情報)が78500(基準数から1500少ない数)以上かどうかを判定する。演出制御用マイコン121は、差玉数が78500以上である場合に、当該大当たり遊技Zの実行中に差玉数が基準数以上になると判別する。一方、差玉数が78500未満である場合には、当該大当たり遊技Zの実行中に差玉数が基準数に達しないと判別する。
演出制御用マイコン121は、これから行われる大当たり遊技(大当たり遊技X,大当たり遊技Z)の実行中に差玉数が基準数に達しないと判定した場合には、当該大当たり遊技の10R(10回目のラウンド遊技)の開始とともに表示部50a上で通過可能報知演出の実行を開始する(図32(A)参照)。そして、10Rの実行中、第2大入賞口15の特定領域16に遊技球が通過した場合(図32(B))には、通過可能報知演出の実行から第1報知演出の実行に切り替わる(図32(C-1)参照)。具体的に演出制御用マイコン121は、第2大入賞口15の特定領域16への遊技球の通過によって、通過可能報知演出の実行を終了して第1報知演出の実行を開始する。なお、10Rの実行中、第2大入賞口15の特定領域16に遊技球が通過しなかった場合には、通過可能報知演出の実行から第2報知演出の実行に切り替わる(図19(B-2)参照)。具体的に演出制御用マイコン121は、10Rの第2大入賞口15の閉鎖によって、通過可能報知演出の実行を終了して第2報知演出の実行を開始する。
それに対し、演出制御用マイコン121は、これから行われる大当たり遊技(大当たり遊技X,大当たり遊技Z)の実行中に差玉数が基準数以上になると判定した場合にも、差玉数が基準数に達しないと判定した場合と同様、当該大当たり遊技の10Rの開始とともに表示部50a上で通過可能報知演出の実行を開始する(図32(A)参照)。そして、10Rの実行中、第2大入賞口15の特定領域16に遊技球が通過した場合(図32(B))には、通過可能報知演出の実行から第2報知演出の実行に切り替わる(図32(C-2)参照))。すなわち、10Rの実行中、第2大入賞口15の特定領域16に遊技球が通過したとしても、演出制御用マイコン121は第1報知演出ではなく第2報知演出の実行を開始する。なお、10Rの実行中、第2大入賞口15の特定領域16に遊技球が通過しなかった場合には、差玉数が基準数に達しないと判定した場合と同様、通過可能報知演出の実行から第2報知演出の実行に切り替わる(図32(C-2)参照)。
一方で、これから行われる大当たり遊技が大当たり遊技Yである場合、演出制御用マイコン121は、主制御基板100の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数(差玉数の情報)が基準数に関する判定を行わない。また、演出制御用マイコン121は、大当たり遊技Yの10R(10回目のラウンド遊技)の開始とともに表示部50a上で通過可能報知演出を実行することもない。
8.遊技制御用マイコンの動作
[主制御メイン処理]次に図33~図49に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図33に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず電源投入時処理を行う(ステップS001)。
電源投入時処理(S001)では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等、初期設定を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお電源投入時処理(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
また電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ191への押下操作に基づく信号を入力すると、RAMクリアを実行する。RAMクリアが実行されると、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)が消去される。但し、RAMクリアが実行されても、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報は、クリアされない。
この電源投入時処理(S001)において、後述する遊技停止フラグは、ONである状態でRAMクリアが実行されると、OFFに切替わる。一方、遊技停止フラグは、ONである状態でRAMクリアが実行されなければ、ONのままとなる。つまり、電源の再投入だけでは、遊技停止フラグの状態は変わらない。こうして、過賞球防止機能の作動によって、遊技停止フラグがONになった後、RAMクリアが実行されるか否かによって、遊技が再開されるか否かが決まる。
電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図34に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず遊技停止フラグがONであるか否かを判定する(S101)。遊技停止フラグは、過賞球防止機能が作動することよりONされるものである。遊技停止フラグがONであれば(S101でYES)、ステップS102~S113の処理がパスされる。これにより、遊技が実行不能になる。一方、遊技停止フラグがOFFであれば(S101でNO)、続いて、後述する入力処理を実行する(S102)。
次に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S103)。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図33の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。続いて、センサ検出処理を実行する(S104)。
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理、排出口センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブルとを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブルとを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
特定領域センサ処理では、特定領域センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
排出口センサ処理では、排出口センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。
遊技制御用マイコン101は、図34に示すセンサ検出処理(S104)の次に、普通動作処理を実行する(S105)。普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
遊技制御用マイコン101は、図34に示す普通動作処理(S105)の次に、後述する差玉数計測処理(S106)、後述する特別動作処理(S107)を実行する。続いて、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を実行する(S108)。
次に、遊技制御用マイコン101は、遊技球の発射を制御するための発射制御処理を実行する(S109)。つまり、発射制御処理(S109)が実行されることで、遊技者はハンドル72kへの回転操作により、遊技球を発射させることができる。一方、発射制御処理(S109)が実行されなければ、遊技者はハンドル72kを回転操作しても、遊技球を発射させることができない。
続いて、遊技制御用マイコン101は、7セグ表示器300の表示を制御するための7セグ表示制御処理を実行する(S110)。次に、磁気検知によるエラー(不正)や前扉23又は前枠23mの開放によるエラーなどを判断するためのエラー処理を実行する(S111)。エラー処理(S111)では、磁気センサによって不正な磁気が検出されたか否か判定する。そして、当該処理の結果に応じて、磁気センサ用コマンドを生成する。またエラー処理(S111)では、前扉センサ又は前枠センサによって、前扉23又は前枠23mが開放しているか否かを判定する。そして、当該処理の結果に応じて、枠開放用コマンドを生成する。
次に、遊技制御用マイコン101は、後述する出力処理を実行する(S112)。続いて、その他の処理を実行する(S113)。その他の処理(S113)として、例えば、特図保留数に基づいて特図保留表示器83をその数を示す表示態様に制御したり、タイマの更新などを行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、電源が断たれる際の電源断監視処理を実行して(S114)、本処理を終える。電断監視処理(S114)では、遊技制御用マイコン101は、監視電圧の低下により電源が遮断されると判断すると、遊技情報、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報、遊技停止フラグの情報等が、遊技用RAM104の所定の記憶領域に格納する。その後、遊技用RAM104へのアクセスの禁止設定を行う。
[入力処理]図35に示すように、入力処理(S102)ではまず、特別リセットスイッチ181がONか否か、即ち、特別リセットスイッチ181への押下操作に基づく信号を受信したか否かを判断する(S201)。ONでなければ(S201でNO)、ステップS204に進む。一方、ONであれば(S201でYES)、非消去クリア処理を実行する(S202)。非消去クリア処理(S202)では、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされる。なお、非消去クリア処理(S202)が実行されても、非消去記憶部107の特定記憶領域(図示省略)に記憶されている総発射球数の情報はクリアされない。この総発射球数の情報は、上述したように、7セグ表示器300での表示のために用いられるためである。
ステップS202に続いて、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S203)、ステップS204に進む。こうして、非消去クリアコマンドが、演出制御基板120に送信されると、図31(A)に示すように、表示画面50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。ステップS204では、その他の処理を実行して、本処理を終える。その他の処理(S204)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
[差玉数計測処理]図36に示すように、差玉数計測処理(S106)ではまず、遊技者に払い出す総賞球数をカウントする総賞球数カウント処理を実行する(S301)。カウントされた総賞球数の情報は、総賞球数記憶部107a(図6参照)に記憶される。次に、排出口センサによる検知に基づいて、総発射球数をカウントする総発射球数カウント処理を実行する(S302)。カウントされた総発射球数の情報は、総発射球数記憶部107b(図6参照)に記憶される。そして、総賞球数に対して総発射球数を減算して、差玉数を演算する差玉数演算処理を実行する(S303)。演算された差玉数の情報は、差玉数記憶部107c(図6参照)に記憶される。
続いて、ステップS304では、過賞球予告フラグがOFFか否かを判断する。過賞球予告フラグは、差玉数が70000以上であることを示すものである。ONであれば(S304でNO)、ステップS308に進む。一方、OFFであれば(S304でYES)、差玉数が70000以上であるか否かを判定する(S305)。70000未満であれば(S305でNO)、ステップS308に進む。これに対して、70000以上であれば(S305でYES)、過賞球予告フラグをONにして(S306)、過賞球予告コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。これにより、過賞球予告コマンドが演出制御基板120に送信されると、図29(A)に示すように、表示画面50aにて、紫縁画像EFa及び過賞球予告画像KYが表示される。
続いて、ステップS308では、過賞球フラグがOFFか否かを判断する。過賞球フラグは、差玉数が80000以上であることを示すものである。ONであれば(S308でNO)、本処理を終える。一方、OFFであれば(S308でYES)、差玉数が80000以上であるか否かを判定する(S309)。80000未満であれば(S309でNO)、本処理を終える。これに対して、80000以上であれば(S309でYES)、過賞球フラグをONにして(S310)、過賞球予告フラグをOFFにする(S311)。そして、過賞球報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。これにより、過賞球報知コマンドが演出制御基板120に送信されると、図29(B)に示すように、表示画面50aにて、赤縁画像EFb及び遊技停止予告画像KHが表示される。
[特別動作処理]図37に示すように特別動作処理(S107)では、特図表示器81及び大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図38に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口12の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口11の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1416)。客待ちフラグは、客待ち状態であることを示すものである。ONであれば(S1416でYES)、後述する客待ち計測処理を実行して(S1419)、本処理を終える。一方、OFFであれば(S1416でNO)、客待ちコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットするとともに(S1417)、客待ちフラグをONにして(S1418)、本処理を終える。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ちフラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ちフラグをOFFにする(S1414)。そして、客待ちカウンタの値を「0」にクリア(リセット)する客待ちカウンタクリア処理を実行して(S1415)、本処理を終える。客待ちカウンタは、遊技用RAM104に設けられていて、客待ち状態が継続している時間を計測するためのものである。なお、客待ちカウンタの値は、RAMクリアの実行の有無に拘わらず、電源の再投入によってクリアされる。
[客待ち計測処理]図39に示すように、客待ち計測処理(S1419)ではまず、客待ちカウンタの値を増加させる客待ちカウンタ増加処理を実行する(S1420)。これにより、遊技制御用マイコン101は、客待ちカウンタの値に基づいて、客待ち状態が継続している時間を把握することができる。続いて、客待ち状態が1時間以上継続しているか否かを判定する。継続していないと判定すれば(S1421でNO)、本処理を終える。一方、継続していると判定すれば(S1421でYES)、上述したステップS202の処理(図35参照)と同様、非消去クリア処理を実行する(S1422)。これにより、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされる。
続いて、非消去クリアコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S1423)、本処理を終える。こうして、非消去クリアコマンドが、演出制御基板120に送信されると、図31(B)に示すように、表示画面50aの下部にて、差玉数リセット報知画像CLSが表示される。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図40に基づいてまとめて説明する。図40に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、特別図柄乱数(大当たり乱数)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、遊技用RAM104の特図2保留記憶部105bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている特別図柄乱数を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、遊技用RAM104の特図1保留記憶部105aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている特別図柄乱数を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図12(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち通常確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1000」~「1219」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図12(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1000」~「2499」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して、図12(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データを、遊技用RAM104に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図41及び図42に基づいてまとめて説明する。図41に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たり通常テーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1603)。
ステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ、リーチ乱数がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図12(C)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」~「29」であり、時短状態であれば「0」~「9」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されるようになっている(図13又は図14参照)。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図42に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図13又は図14に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602~S1606と同様の流れで処理(S1607~S1611)を行う。
すなわち大当たりであれば、図13又は図14の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば、図13又は図14の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば、図13又は図14の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、特図変動パターン乱数に基づいて特図変動パターンを選択する(S1611)。
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、図41に示すように、選択した特図変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした特図変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S112)により演出制御基板120に送られる。
[特別図柄変動中処理]図43に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特図変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された特図変動パターンに応じて決まる特図変動時間、図13又は図14参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、特図変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図44に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された特図変動パターンに応じて決まる停止時間)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図16参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1904に続いて、遊技状態リセット処理を行う(S1905)。遊技状態リセット処理(S1905)では、確変フラグがONであれば確変フラグをOFFにして、時短フラグがONであればOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態に制御される。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1907)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1908)、本処理を終える。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図45に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否か判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1だけ減少させて(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFにして(S2004)、ステップS2005に進む。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、直ちにステップS2005に進む。
ステップS2005では、時短フラグがONか否か判定する。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1だけ減少させて(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFにして(S2008)、ステップS2009に進む。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2012に進む。
ステップS2009では、過賞球フラグがONか否かを判定する。つまり、差玉数が80000以上になっているか否かを判定する。過賞球フラグがONでなければ(S2009でNO)、ステップS2012に進む。一方、過賞球フラグがONであれば(S2009でYES)、遊技停止フラグをONにして(S2010)、ステップS2011に進む。こうして、差玉数が80000以上になっていて、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると、遊技が実行不能になる。
ステップS2011では、遊技停止報知コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、ステップS2012に進む。これにより、遊技停止報知コマンドが演出制御基板120に送信されると、図28(A)に示すように、表示画面50aにて、赤背景画像RE及びエラー解除方法画像ERXが表示される。また、スピーカ52から遊技停止音が出力される。更に、枠ランプ53が全て白色で点灯すると共に、盤ランプ54が全て消灯する。
ステップS2012では、現在の遊技状態の情報(確変フラグ及び時短フラグがON又はOFFの何れであるかの情報)、確変カウンタの値及び時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]特別電動役物処理は、大当たり遊技の実行のための処理である。図46に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、大入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口15)の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置14D又は第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、大入賞口を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たり(図16参照)に基づく大当たり遊技か否かを判定する(S2704)。Vロング大当たりでなければ(S2704でNO)、ステップS2707に進むが、Vロング大当たりであれば(S2704でYES)、特定領域16への通過が可能な10R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2705)。10R目を開始するタイミングでなければ(S2705でNO)、そのままステップS2707に進む。これに対して、10R目を開始するタイミングであれば(S2705でYES)、V有効期間設定処理を行う(S2706)。
V有効期間設定処理(S2706)では、Vロング大当たりの10R目における第2大入賞口15の開放中及び第2大入賞口15の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお第1実施形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONするということである。また、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。
ステップS2707では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図16参照)に従って大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)を開放させる。なお、振分部材16kは、第1ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターンでは、第10ラウンドにおいて、第2大入賞口15に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域16を通過できるようにAT開閉部材14kが開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターンでは、第10ラウンドにおいて、遊技球が第2大入賞口15に入賞しても特定領域16を通過することができないように、振分部材16kの動作に対するAT開閉部材14kの開放タイミングが設定されている。
続いてステップS2708では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2708)では、ステップS2703での大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお第1実施形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2708では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2702において、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放中であれば、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2709)。第1実施形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(第1実施形態では1R当たり10個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図16参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2709でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の閉鎖条件が成立している場合(S2709でYES)には、大入賞口を閉鎖(閉塞)する(S2710)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2711)。終了していなければ(S2711でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2711でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2712)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2713)。「0」でなければ(S2713でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2713でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2714)、大当たりのエンディングを開始する(S2715)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2716)、処理を終える。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば(S2701でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2717)、エンディング時間が経過していなければ(S2717でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2717でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2718)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2719)。続いて、大当たりフラグをOFFにする(S2720)。続いて、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2721)、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図47に示すように、遊技状態設定処理(S2719)ではまず、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する(S2801)。ONであれば(S2801でYES)、確変フラグをONにすると共に(S2802)、時短フラグをONにする(S2803)。これにより、大当たり遊技後に高確高ベース状態に制御されることになる。続いて、確変カウンタに「160」をセットすると共に(S2804)、時短カウンタに「160」をセットして(S2805)、ステップS2808に進む。これにより、ST回数が160回であり且つ時短回数が160回である高確高ベース状態に制御されることになる。
一方、ステップS2801において、VフラグがONでないと判定すれば(S2801でNO)、時短フラグをONにする(S2806)。即ち、このときには確変フラグをONにしない。これにより、大当たり遊技後に低確高ベース状態に制御されることになる。続いて、時短カウンタに「100」をセットして(S2807)、ステップS2808に進む。即ち、これにより、時短回数が100回である低確高ベース状態に制御されることになる。
ステップS2808では、遊技制御用マイコン101は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短フラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2719)を終える。
[出力処理]図48に示すように、出力処理(S112)では、後述する外端信号出力処理を実行する(S3001)。続いて、その他の出力処理(S3002)として、上述した各処理において遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170に出力して、本処理を終える。
[外端信号出力処理]図49に示すように、外端信号出力処理(S3001)では、過賞球予告フラグがONであるか否かを判定する(S3101)。つまり、差玉数が70000に達した状況か否かを判定する。過賞球予告フラグがONでなければ(S3101でNO)、ステップS3103に進む。一方、過賞球予告フラグがONであれば(S3101でYES)、過賞球予告用外端信号出力処理を実行して(S3102)、ステップS3102に進む。過賞球予告用外端信号出力処理(S3102)では、差玉数が70000に達したことを示す外端信号(以下「過賞球予告用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、過賞球予告用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において差玉数が残り僅か(10000以内)増加すると、過賞球防止機能が作動し得る状況を把握させることが可能である。
ステップS3103では、過賞球フラグがONであるか否かを判定する。つまり、差玉数が80000に達した状況か否かを判定する。過賞球フラグがONでなければ(S3103でNO)、ステップS3105に進む。一方、過賞球フラグがONであれば(S3103でYES)、過賞球用外端信号出力処理を実行して(S3104)、ステップS3105に進む。過賞球用外端信号出力処理(S3104)では、差玉数が80000に達したことを示す外端信号(以下「過賞球用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、過賞球予告用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において差玉数が80000に達していて、高確高ベース状態又は低確低ベース状態が終了すると遊技が実行不能になる状況を把握させることが可能である。
ステップS3105では、遊技停止フラグがONであるか否かを判定する。つまり、遊技が実行不能になった状況か否かを判定する。遊技停止フラグがONでなければ(S3107でNO)、ステップS3107に進む。一方、遊技停止フラグがONであれば(S3105でYES)、遊技停止用外端信号出力処理を実行して(S3106)、ステップS3107に進む。遊技停止用外端信号出力処理(S3106)では、過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能になったことを示す外端信号(以下「遊技停止用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、遊技停止用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において過賞球防止機能の作動によって遊技が実行不能になった状況を把握させることが可能である。
ステップS3107では、ステップS203に示す非消去クリア処理、又はステップS1422に示す非消去クリア処理が実行されたか否かを判定する。即ち、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報がクリアされたか否かを判定する。非消去クリア処理が実行されていなければ(S3107でNO)、ステップS3109に進む。一方、非消去クリア処理が実行されていれば(S3107でYES)、リセット用外端信号出力処理を実行して(S3108)、ステップS3109に進む。リセット用外端信号出力処理(S3108)では、差玉数がリセットされたことを示す外端信号(以下「リセット用外端信号」と呼ぶ)が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。これにより、外部端子板160は、リセット用外端信号をパラレル通信によって、外部ユニットGUに送信する。その結果、ホールコンピュータを監視している遊技場の従業員に、本パチンコ遊技機PY1において差玉数がリセットされた状況を把握させることが可能である。なお主制御基板100には、専用の信号線が接続されていて、この専用の信号線を介して、過賞球予告用外端信号、過賞球用外端信号、遊技停止用外端信号、リセット用外端信号が、主制御基板100から払出制御基板170を介して外部端子板160に送信される。
9.演出制御用マイコンの動作
次に、図50~図52に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図50に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理(S4004)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示画面50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53や盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S112)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図51に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理(S4101)では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理(S4102)では、入力処理(S4101)や後述する演出データ作成処理(S4204)等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)を参照する。そして、発光データに基づいて、ランプ制御回路151を制御する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動体制御処理(S4103)では、入力処理(S4101)や後述する演出データ作成処理(S4204)等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを参照する。そして、駆動データに基づいて、ランプ制御回路151を制御する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58を所定の動作態様で動作させる。ウォッチドッグタイマ処理(S4104)では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図52に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理(S4201)では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理(S4202)では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理(S4202)では、通常ボタン40や特殊ボタン41といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理(S4203)では、入力処理(S4101)や受信コマンド解析処理(S4201)の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161の制御とが行われる。演出用データ作成処理(S4204)では、受信コマンド解析処理(S4201)の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SPリーチに関連付けられた変動パターン)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、特別遊技に伴う演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出、演出モードの制御などの他の演出についても基本的には同じである。
10.第1実施形態の作用効果
以上説明したように、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、差玉数が基準数(80000)に達しない大当たり遊技Xまたは大当たり遊技Zの実行中に、遊技球が特定領域16に進入した場合には、図19(B-1)に示す第1報知演出が実行される一方、差玉数が基準数以上となる大当たり遊技Xまたは大当たり遊技Zの実行中に遊技球が特定領域16に進入した場合には、第1報知演出が実行されないで、図19(B-2)に示す第2報知演出が実行される。このパチンコ遊技機PY1は、差玉数が基準数以上となる大当たり遊技Xまたは大当たり遊技Zの実行後に遊技が実行不能となる。よって、そのような大当たり遊技Xまたは大当たり遊技Zの実行中に特定領域16に遊技球が進入して第1報知演出が行われると、その後に遊技が実行不能になるにも拘わらず、遊技者に有利な高確率高ベース遊技状態になることを遊技者に意識させてしまうことになる。
そこで、差玉数が基準数(80000)以上となる大当たり遊技Xまたは大当たり遊技Zの実行中に遊技球が特定領域16に進入した場合には、差玉数が基準数に達しない大当たり遊技Xまたは大当たり遊技Zの実行中の場合とは異なり、第1報知演出が実行されない。そのため、遊技が実行不能になる前に、高確率高ベース遊技状態になることを遊技者に意識させないことができ、遊技が実行不能になったときの遊技者の残念な気持ちに拍車がかかるのを防止できる。
また、上述したように高確率高ベース遊技状態とは、低確率高ベース遊技状態よりも特別図柄が大当たり図柄で停止表示され易い遊技状態(つまり特別図柄の判定結果が大当たり当選となり易い遊技状態)である。そのため、差玉数が基準数(80000)以上となる大当たり遊技Xまたは大当たり遊技Zの実行中に特定領域16に遊技球が進入して第1報知演出が行われると、その後に遊技が実行不能になるにも拘わらず、特別図柄が大当たり図柄で停止表示され易い遊技状態になり、特別遊技の更なる獲得を遊技者に期待させてしまうことになる。
そこで、差玉数が基準数(80000)以上となる大当たり遊技Xまたは大当たり遊技Zの実行中に遊技球が特定領域16に進入した場合には第1報知演出が行われないので、遊技が実行不能になる前に、高確率高ベース遊技状態になることを遊技者に意識させないことが可能である。
11.第2実施形態
以下、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の説明において、上記第1実施形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
11-1.大当たり遊技
まず、第2実施形態の大当たり遊技について、図53に基づいて説明する。第2実施形態の遊技用ROM103には、図53に示す大当たり遊技制御テーブルが格納されている。遊技制御用マイコン101は、図53に示す大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を実行可能である。第2実施形態の大当たり遊技には、図53に示すように「大当たり遊技1」、「大当たり遊技2」、「大当たり遊技3」および「大当たり遊技4」がある。
「大当たり遊技1」は、遊技制御用マイコン101による特図1判定処理で大当たり判定の結果が「大当たり」且つ、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄1」の場合に実行される大当たり遊技である。なお、特図1判定処理における「大当たり図柄1」の振分率は「50%」である(図53参照)。「大当たり遊技1」ではラウンド遊技が6回行われる。各ラウンド遊技は、最大で29.5秒にわたる第1大入賞口14の開放を伴う。
「大当たり遊技2」は、遊技制御用マイコン101による特図1判定処理で大当たり判定の結果が「大当たり」且つ、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄2」の場合に実行される大当たり遊技である。なお、特図1判定処理における「大当たり図柄2」の振分率は「50%」である(図53参照)。「大当たり遊技2」では、上記「大当たり遊技1」と同じく、最大で29.5秒にわたる第1大入賞口14の開放を伴うラウンド遊技が6回行われる。
「大当たり遊技3」は、遊技制御用マイコン101による特図2判定処理で大当たり判定の結果が「大当たり」且つ、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄3」の場合に実行される大当たり遊技である。なお、特図2判定処理における「大当たり図柄3」の振分率は「65%」である(図53参照)。「大当たり遊技3」では、最大で29.5秒にわたる第1大入賞口14の開放を伴うラウンド遊技が10回行われる。
「大当たり遊技4」は、遊技制御用マイコン101による特図2判定処理で大当たり判定の結果が「大当たり」且つ、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄4」の場合に実行される大当たり遊技である。なお、特図2判定処理における「大当たり図柄4」の振分率は「35%」である(図53参照)。「大当たり遊技4」では、上記「大当たり遊技3」と同じく、最大で29.5秒にわたる第1大入賞口14の開放を伴うラウンド遊技が10回行われる。
第2実施形態では、ラウンド遊技の回数が10回である「大当たり遊技3」および「大当たり遊技4」は、ラウンド遊技の回数が6回である「大当たり遊技1」および「大当たり遊技2」よりも遊技者に有利な大当たり遊技といえる。つまり「大当たり遊技3」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技2」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態といえる。また、「大当たり遊技4」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技2」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態といえる。
また、第2実施形態では「大当たり遊技1」、「大当たり遊技2」、「大当たり遊技3」および「大当たり遊技4」の実行後には遊技状態が時短状態(「低確率高ベース遊技状態」又は「高確率高ベース遊技状態」)に設定される(図53参照)。
「大当たり遊技1」および「大当たり遊技3」の実行後には遊技状態が高確率状態(「高確率高ベース遊技状態」)に設定される(図53参照)。但し、第2実施形態では「大当たり遊技1」および「大当たり遊技3」のラウンド遊技で上記第2大入賞口15の開放がない。つまり、大当たり遊技後における高確率状態への設定は、第1実施形態とは異なり、第2大入賞口15内の特定領域16への遊技球の通過によらない。
一方、「大当たり遊技2」および「大当たり遊技4」の実行後には遊技状態が低確率状態(「低確率高ベース遊技状態」)に設定される(図53参照)。
第2実施形態では「高確率高ベース遊技状態」は、次回の大当たり遊技が実行されるまで継続可能であり、「低確率高ベース遊技状態」は、特図の可変表示の回数が100回となるまで継続可能である。従って、大当たり遊技後に「高確率高ベース遊技状態」に設定される「大当たり遊技1」および「大当たり遊技3」は、大当たり遊技後に「低確率高ベース遊技状態」に設定される「大当たり遊技2」および「大当たり遊技4」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であるといえる。つまり「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態といえる。
また、第2実施形態では、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には、当該の特図(特図1,特図2)の可変表示に伴う特図変動演出で、所定の数字(第2実施形態では数字「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」又は「8」)を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで表示部50a上に停止表示(本停止表示)される。
そして、特図1判定処理での大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄1」の場合には、当該の特図1の可変表示に伴う特図変動演出において、1種類の奇数の数字(数字「1」、「3」、「5」又は「7」)を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで本停止表示されるときと、1種類の偶数の数字(数字「2」、「4」、「6」又は「8」)を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで本停止表示されるときとがある。それに対し「大当たり図柄2」の場合には、1種類の奇数の数字を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3ではなく、1種類の偶数の数字を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで本停止表示される。
そのため、特図1の可変表示に伴う特図変動演出にて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が奇数の数字を含む三つ揃いで本停止表示した場合に、遊技者は「大当たり図柄1」に当選したことを把握できる。それに対し、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が偶数の数字を含む三つ揃いで本停止表示した場合には、「大当たり図柄1」に当選したのか、「大当たり図柄2」に当選したのか遊技者が判断し難い。
また、特図2判定処理での大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄3」の場合には、当該の特図2の可変表示に伴う特図変動演出で、1種類の奇数の数字を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで本停止表示されるときと、1種類の偶数の数字を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで本停止表示されるときとがある。それに対し、「大当たり図柄4」の場合には、1種類の偶数の数字を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで本停止表示される。
そのため、特図1の可変表示に伴う特図変動演出と同じく、特図2の可変表示に伴う特図変動演出にて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が奇数の数字を含む三つ揃いで本停止表示した場合に、遊技者は「大当たり図柄3」に当選したことを把握できる。それに対し、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が偶数の数字を含む三つ揃いで本停止表示した場合には、「大当たり図柄3」に当選したのか、「大当たり図柄4」に当選したのか遊技者が判断し難い。
11-2.特図変動パターン
次に、遊技制御用マイコン101が決定可能な特図変動パターンについて、図54および図55に基づいてさらに説明する。第2実施形態の遊技用ROM103には、図54に示す特図1変動パターン判定テーブル、および、図55に示す特図2変動パターン判定テーブルが格納されている。遊技制御用マイコン101は、特図1変動パターン判定処理において、大当たり判定の結果、大当たり図柄種別判定の結果および特図変動パターン乱数に基づいて、図54に示す特図1変動パターン判定テーブルを用いて特図1変動パターンを決定する。また、特図2変動パターン判定処理において、大当たり判定の結果、大当たり図柄種別判定の結果および特図変動パターン乱数に基づいて、図55に示す特図2変動パターン判定テーブルを用いて特図2変動パターンを決定する。いずれの特図変動パターンに決定するかは、特図変動パターン乱数によって異なる。
具体的に、非時短状態で大当たり判定の結果が「大当たり」で大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄1」の場合の特図1変動パターンには、特図変動パターン「P21」~「P24」の4種類がある(図54参照)。
特図変動パターン「P21」は、通常変動、リーチ、Nリーチおよび発展演出を経てSPリーチが行われる特図変動パターンである。この特図変動パターンのリーチでは、奇数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示される。そして、SPリーチの実行後、その奇数を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで本停止表示される。この特図変動パターン「P21」を「第1SP大当たり変動」という。
特図変動パターン「P22」は、通常変動、リーチ、Nリーチおよび発展演出を経てSPリーチが行われる特図変動パターンである。この特図変動パターンのリーチでは、偶数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示される。そして、SPリーチの実行後、その偶数を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで停止表示後、後述の図柄変化演出が第1態様で実行される。その後、奇数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが三つ揃いで本停止表示される。この特図変動パターン「P22」を「第2SP大当たり変動」という。
特図変動パターン「P23」は、通常変動、リーチ、Nリーチおよび発展演出を経てSPリーチが行われる特図変動パターンである。この特図変動パターンのリーチでは、偶数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示される。そして、SPリーチの実行後、その偶数を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで停止表示後、後述の図柄変化演出が第2態様で実行される。その後、偶数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが三つ揃いで本停止表示される。なお、その後の大当たり遊技1の実行中に、後述の昇格演出が成功態様で実行される。この特図変動パターン「P23」を「第3SP大当たり変動」という。
特図変動パターン「P24」は、通常変動およびリーチを経てNリーチが行われる特図変動パターンである。この特図変動パターンのリーチでは、奇数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示される。そして、Nリーチの実行後、その奇数を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで本停止表示される。この特図変動パターン「P24」を「第1N大当たり変動」という。
また、非時短状態で大当たり判定の結果が「大当たり」で大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄2」の場合の特図1変動パターンには、特図変動パターン「P25」~「P26」の2種類がある(図54参照)。
特図変動パターン「P25」は、上記「P23」と同じく、通常変動、リーチ、Nリーチおよび発展演出を経てSPリーチが行われる特図変動パターンである。但し、その後の大当たり遊技2の実行中に、後述の昇格演出が失敗態様で実行される点で、上記「P23」とは異なる。この特図変動パターン「P25」を「第4SP大当たり変動」という。
特図変動パターン「P26」は、通常変動およびリーチを経てNリーチが行われる特図変動パターンである。この特図変動パターンのリーチでは、偶数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示される。そして、Nリーチの実行後、その偶数を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで停止表示後、後述の図柄変化演出が第2態様で実行される。この特図変動パターン「P26」を「第2N大当たり変動」という。
また、非時短状態で、大当たり判定の結果が「ハズレ」で、リーチ判定の結果が「リーチ有り」の場合の特図1変動パターンには、特図変動パターン「P27」~「P28」の2種類がある(図54参照)。
特図変動パターン「P27」は、上記「P21」~「P23」,「P25」の「ハズレ」に対応した特図1変動パターンである。すなわち、通常変動、リーチ、Nリーチおよび発展演出を経てSPリーチが行われ、その後、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様で本停止表示される。この特図変動パターンのリーチでは、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として、奇数の数字を含む演出図柄のうちの同一のもの、或いは、偶数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが仮停止表示される。この特図変動パターン「P27」を「第1SPハズレ変動」という。
特図変動パターン「P28」は、上記「P24」,「P26」の「ハズレ」に対応した特図1変動パターンである。すなわち、通常変動およびリーチを経てNリーチが行われ、その後、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様で本停止表示される。この特図変動パターンのリーチでは、上記「P24」と同じく、奇数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示されたり、上記「P26」と同じく、偶数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示されたりする。この特図変動パターン「P28」を「第1Nハズレ変動」という。
時短状態で大当たり判定の結果が「大当たり」で大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄3」の場合の特図2変動パターンには、特図変動パターン「P61」~「P64」の4種類がある(図55参照)。
特図変動パターン「P61」は、通常変動、リーチ、Nリーチおよび発展演出を経てSPリーチが行われる特図変動パターンである。この特図変動パターンのリーチでは、奇数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示される。そして、SPリーチの実行後、その奇数を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで本停止表示される。この特図変動パターン「P61」を「第5SP大当たり変動」という。
特図変動パターン「P62」は、通常変動、リーチ、Nリーチおよび発展演出を経てSPリーチが行われる特図変動パターンである。この特図変動パターンのリーチでは、偶数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示される。そして、SPリーチの実行後、その偶数を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで停止表示後、後述の図柄変化演出が第1態様で実行される。その後、奇数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが三つ揃いで本停止表示される。この特図変動パターン「P62」を「第6SP大当たり変動」という。
特図変動パターン「P63」は、通常変動、リーチ、Nリーチおよび発展演出を経てSPリーチが行われる特図変動パターンである。この特図変動パターンのリーチでは、偶数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示される。そして、SPリーチの実行後、その偶数を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで停止表示後、後述の図柄変化演出が第2態様で実行される。その後、偶数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが三つ揃いで本停止表示される。なお、その後の大当たり遊技3の実行中に、後述の昇格演出が成功態様で実行される。この特図変動パターン「P63」を「第7SP大当たり変動」という。
特図変動パターン「P64」は、通常変動およびリーチを経てNリーチが行われる特図変動パターンである。この特図変動パターンのリーチでは、奇数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示される。そして、Nリーチの実行後、その奇数を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで本停止表示される。この特図変動パターン「P64」を「第3N大当たり変動」という。
また、時短状態で大当たり判定の結果が「大当たり」で大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄4」の場合の特図2変動パターンには、特図変動パターン「P65」~「P66」の2種類がある(図55参照)。
特図変動パターン「P65」は、上記「P63」と同じく、通常変動、リーチ、Nリーチおよび発展演出を経てSPリーチが行われる特図変動パターンである。但し、その後の大当たり遊技4の実行中に、後述の昇格演出が失敗態様で実行される点で、上記「P63」とは異なる。この特図変動パターン「P65」を「第8SP大当たり変動」という。
特図変動パターン「P66」は、通常変動およびリーチを経てNリーチが行われる特図変動パターンである。この特図変動パターンのリーチでは、偶数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示される。そして、Nリーチの実行後、その偶数を含む演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が三つ揃いで停止表示後、後述の図柄変化演出が第2態様で実行される。この特図変動パターン「P66」を「第4N大当たり変動」という。
また、時短状態で、大当たり判定の結果が「ハズレ」で、リーチ判定の結果が「リーチ有り」の場合の特図2変動パターンには、特図変動パターン「P67」~「P68」の2種類がある(図55参照)。
特図変動パターン「P67」は、上記「P61」~「P63」,「P65」の「ハズレ」に対応した特図2変動パターンである。すなわち、通常変動、リーチ、Nリーチおよび発展演出を経てSPリーチが行われ、その後、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様で本停止表示される。この特図変動パターンのリーチでは、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として、奇数の数字を含む演出図柄のうちの同一のもの、或いは、偶数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが仮停止表示される。この特図変動パターン「P67」を「第2SPハズレ変動」という。
特図変動パターン「P68」は、上記「P64」,「P66」の「ハズレ」に対応した特図2変動パターンである。すなわち、通常変動およびリーチを経てNリーチが行われ、その後、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様で本停止表示される。この特図変動パターンのリーチでは、上記「P64」と同じく、奇数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示されたり、上記「P66」と同じく、偶数の数字を含む演出図柄のうちの同一のものが左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3として仮停止表示されたりする。この特図変動パターン「P68」を「第2Nハズレ変動」という。
図56には、非時短状態での特図1変動パターン判定テーブル(図54)における特図変動パターンの振分率(実行確率)を示す。第2実施形態では、非時短状態で、大当たり判定の結果が「大当たり」且つ、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄1」の場合に、遊技制御用マイコン101は図56(A)に示す振分率で特図変動パターンを決定する。また、非時短状態で、大当たり判定の結果が「大当たり」且つ、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄2」の場合に、遊技制御用マイコン101は図56(B)に示す振分率で特図変動パターンを決定する。さらに、非時短状態で、大当たり判定の結果が「ハズレ」且つ、リーチ判定の結果が「リーチ有り」の場合に、遊技制御用マイコン101は図56(C)に示す振分率で特図変動パターンを決定する。
図56(A)によれば、特図変動パターン「P21」の振分率の値が「20%」、特図変動パターン「P22」の振分率の値が「40%」、および、特図変動パターン「P23」の振分率の値が「35%」であり、特図変動パターン「P24」の振分率の値(「5%」)よりいずれも大きい。そのため、特図1変動パターン判定処理での判定の結果が「大当たり」且つ「大当たり図柄1」の場合には、Nリーチまでしか行われない特図1変動パターンよりも、Nリーチを経てSPリーチが行われる特図1変動パターンの方が選択され易い。
また、特図変動パターン「P22」の振分率の値は「40%」であり、特図変動パターン「P23」の振分率の値よりも、また、特図変動パターン「P21」の振分率の値よりも大きい(図56(A)参照)。そのため、特図1変動パターン判定処理での判定の結果が「大当たり」且つ「大当たり図柄1」の場合には、特図変動パターン「P22」が最も選択され易く、次いで特図変動パターン「P23」が選択され易く、次いで特図変動パターン「P21」が選択され易く、特図変動パターン「P24」が最も選択されづらい。
一方、図56(C)によれば、特図変動パターン「P21」~「P23」,「P25」の「ハズレ」用の特図1変動パターンである特図変動パターン「P27」の振分率の値は「25%」である。この値は、特図変動パターン「P24」,「P26」の「ハズレ」用の特図1変動パターンである特図変動パターン「P28」の振分率の値(「75%」)よりも小さい。そのため、特図1変動パターン判定処理での判定の結果が「ハズレ」の場合には、Nリーチまでしか行われない特図1変動パターンの方が、Nリーチを経てSPリーチが行われる特図1変動パターンよりも選択され易い。
以上により、遊技者は、NリーチからSPリーチに発展した方が発展しない場合よりも、その後の大当たり遊技1および大当たり遊技2の実行を期待できる。
図57には、時短状態での特図2変動パターン判定テーブル(図55)における特図変動パターンの振分率(実行確率)を示す。第2実施形態では、時短状態で、大当たり判定の結果が「大当たり」且つ、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄3」の場合に、遊技制御用マイコン101は図57(A)に示す振分率で特図変動パターンを決定する。また、時短状態で、大当たり判定の結果が「大当たり」且つ、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄4」の場合に、遊技制御用マイコン101は図57(B)に示す振分率で特図変動パターンを決定する。さらに、時短状態で、大当たり判定の結果が「ハズレ」且つ、リーチ判定の結果が「リーチ有り」の場合に、遊技制御用マイコン101は図57(C)に示す振分率で特図変動パターンを決定する。
図57(A)によれば、特図変動パターン「P61」の振分率の値が「40%」、特図変動パターン「P62」の振分率の値が「25%」、および、特図変動パターン「P63」の振分率の値が「20%」であり、特図変動パターン「P64」の振分率の値(「15%」)よりいずれも大きい。そのため、特図2変動パターン判定処理での判定の結果が「大当たり」且つ「大当たり図柄3」の場合には、Nリーチまでしか行われない特図2変動パターンよりも、Nリーチを経てSPリーチが行われる特図2変動パターンの方が選択され易い。
また、特図変動パターン「P61」の振分率の値は「40%」であり、特図変動パターン「P62」の振分率の値よりも、また、特図変動パターン「P63」の振分率の値よりも大きい(図57(A)参照)。そのため、特図2変動パターン判定処理での判定の結果が「大当たり」且つ「大当たり図柄3」の場合には、特図変動パターン「P61」が最も選択され易く、次いで特図変動パターン「P62」が選択され易く、次いで特図変動パターン「P63」が選択され易く、特図変動パターン「P64」が最も選択されづらい。
一方、図57(C)によれば、特図変動パターン「P61」~「P63」,「P65」の「ハズレ」用の特図2変動パターンである特図変動パターン「P67」の振分率の値は「25%」である。この値は、特図変動パターン「P64」,「P66」の「ハズレ」用の特図2変動パターンである特図変動パターン「P68」の振分率の値(「75%」)よりも小さい。そのため、特図2変動パターン判定処理での判定の結果が「ハズレ」の場合には、Nリーチまでしか行われない特図2変動パターンの方が、Nリーチを経てSPリーチが行われる特図2変動パターンよりも選択され易い。
以上により、遊技者は、NリーチからSPリーチに発展した方が発展しない場合よりも、その後の大当たり遊技3および大当たり遊技4の実行を期待できる。
11-3.各種演出
次に、第2実施形態における各種演出についてさらに説明する。第2実施形態の演出制御用マイコン121は、特図変動演出において図柄変化演出を実行可能である。また、大当たり演出モードにおいて昇格演出を実行可能である。
11-3-1.特図変動演出
まず、第2実施形態の特図変動演出について説明する。特図変動演出では、表示部50aにおいて3つの演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が行われる。これら演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は、特図の可変表示の開始に伴って変動し、特図の可変表示の終了に伴って停止する。すなわち、特図の可変表示の特図変動時間において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が行われ、その後に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示(本停止表示)が行われる。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示によって大当たり判定(特図抽選)の結果が報知される。
なお、第2実施形態では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の本停止表示の前に、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止表示が行われる場合がある。仮停止表示とは、例えば演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の揺れ変動表示や、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を再変動させる前の短時間の停留表示である。本停止表示とは異なり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止表示によって、特図抽選の結果が必ずしも報知されない。
さらに、特図変動演出では、表示部50aにおいて3つの小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が行われる。これら小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と同じく、特図の可変表示の開始に伴って変動し、特図の可変表示の終了に伴って停止する。そして、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。但し、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3とは異なり、小図柄KZ1,KZ2,KZ3には仮停止表示がない。
第2実施形態の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3にはそれぞれ8種類の異なる演出図柄がある。さらに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3にも、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3にそれぞれ対応した8種類のものがある。具体的には、数字「1」を含む図柄(演出図柄,小図柄)、数字「2」を含む図柄(演出図柄,小図柄)、数字「3」を含む図柄(演出図柄,小図柄)、数字「4」を含む図柄(演出図柄,小図柄)、数字「5」を含む図柄(演出図柄,小図柄)、数字「6」を含む図柄(演出図柄,小図柄)、数字「7」を含む図柄(演出図柄,小図柄)、および、数字「8」を含む図柄(演出図柄,小図柄)がある。これら図柄(演出図柄,小図柄)は、数字「1」を含む図柄、数字「2」を含む図柄、数字「3」を含む画像、数字「4」を含む図柄、数字「5」を含む図柄、数字「6」を含む図柄、数字「7」を含む図柄、および、数字「8」を含む図柄の順に並ぶ。そして、数字「8」を含む図柄に次いで、数字「1」を含む図柄が続く。
また、第2実施形態では、数字「1」を含む図柄(演出図柄,小図柄)、数字「3」を含む図柄(演出図柄,小図柄)、数字「5」を含む図柄(演出図柄,小図柄)、および、数字「7」を含む図柄(演出図柄,小図柄)を特に奇数の数字を含む図柄(演出図柄,小図柄)ともいう。これに対し、数字「2」を含む図柄(演出図柄,小図柄)、数字「4」を含む図柄(演出図柄,小図柄)、数字「6」を含む図柄(演出図柄,小図柄)、および、数字「8」を含む図柄(演出図柄,小図柄)を特に偶数の数字を含む図柄(演出図柄,小図柄)ともいう。
また、第2実施形態の大当たりを示唆する停止態様には8種類ある。具体的には「1・1・1」、「2・2・2」、「3・3・3」、「4・4・4」、「5・5・5」、「6・6・6」、「7・7・7」および「8・8・8」、左中右の図柄(演出図柄,小図柄)が同一(三つ揃い)の停止態様がある。
また、第2実施形態では、三つ揃いの停止態様をなす図柄の種類によって、特図抽選の結果を遊技者に示唆している。具体的に「1・1・1」や「3・3・3」や「5・5・5」や「7・7・7」といった、最終の停止態様が同じ奇数図柄の三つ揃いであれば、特図抽選の結果が大当たり図柄1あるいは大当たり図柄3での大当たりであることを遊技者に示唆している。それに対し「2・2・2」や「4・4・4」や「6・6・6」や「8・8・8」といった、最終の停止態様が同じ偶数図柄の三つ揃いであれば、特図抽選の結果が大当たり図柄2あるいは大当たり図柄4での大当たりである可能性と、大当たり図柄1あるいは大当たり図柄3での大当たりである可能性を示唆している。
11-3-2.リーチ
「リーチ」は、表示部50a上で、上記通常変動の後、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一の演出図柄で仮停止表示する演出である。「リーチ」では、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一の奇数図柄で仮停止表示される場合と、同一の偶数図柄で仮停止表示される場合とがある。
特図1の特図変動演出で、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一の奇数図柄のリーチに移行した場合には、大当たりに当選するかもしれないことを遊技者に期待させるとともに、その大当たりの種別が大当たり図柄1だと遊技者に意識させることが可能となっている。また、特図1の特図変動演出で、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一の偶数図柄のリーチに移行した場合には、大当たりに当選するかもしれないことを遊技者に期待させるとともに、その大当たりの種別が大当たり図柄1あるいは大当たり図柄2だと遊技者に意識させることが可能となっている。
特図2の特図変動演出もまた、上記特図1の特図変動演出と同じように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一の奇数図柄のリーチに移行した場合には、大当たりに当選するかもしれないことを遊技者に期待させるとともに、その大当たりの種別が大当たり図柄3だと遊技者に意識させることが可能となっている。また、特図2の特図変動演出で、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一の偶数図柄のリーチに移行した場合には、大当たりに当選するかもしれないことを遊技者に期待させるとともに、その大当たりの種別が大当たり図柄3あるいは大当たり図柄4だと遊技者に意識させることが可能となっている。
11-3-3.演出図柄の仮停止表示および停止表示
特図変動演出の「SPリーチ」の終盤で、3つの演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がいずれも仮停止表示される。また、「SPリーチ」に進行しない「Nリーチ」の終盤でも3つの演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がいずれも仮停止表示される。そして所定の期間、仮停止表示された後にその3つの演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がいずれも停止表示される。
具体的に例えば、第2実施形態のSPリーチでは、図21(B)に示すNリーチの後、図22(A)に示す上述したSPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われ、図58(A)(および図22(B))に示すようなSPリーチ専用演出の最終局面を迎える。特図変動パターン「P22」,「P23」,「P25」である場合には、図58(B)に示すように、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が同一の偶数図柄の三つ揃いで仮停止表示される。
後述する図柄変化演出が実行されない場合には、所定の期間、仮停止表示された後、図58(C)に示すように、その演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示される。そして、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示される。一方、図柄変化演出が実行される場合には、所定の期間、仮停止表示された後、小図柄KZ1,KZ2,KZ3が停止表示される前に、図59(D)、図59(E)、図59(F-1)または図59(F-2)に示す、後述の図柄変化演出が実行される。そして、図柄変化演出の実行後に、図59(G-1)または図59(G-2)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3並びに小図柄KZ1,KZ2,KZ3がいずれも停止表示されることになる。
11-3-4.図柄変化演出
次に、第2実施形態における図柄変化演出について、図59に基づいて説明する。この図柄変化演出は、同一の偶数図柄の三つ揃いで一旦仮停止表示された演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が、同一の奇数図柄の三つ揃いに変化可能な演出である。この図柄変化演出には第1態様と第2態様とがある。第1態様とは、同一の偶数図柄の三つ揃いで一旦仮停止表示された演出図柄EZ1,EZ2,EZ3から、同一の奇数図柄の三つ揃いで一旦仮停止表示された演出図柄EZ1,EZ2,EZ3に変化する演出態様である。それに対し第2態様とは、同一の偶数図柄の三つ揃いで一旦仮停止表示された演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変化しない演出態様である。上述したように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が同一の奇数図柄の三つ揃いとなれば、大当たり図柄1(又は大当たり図柄3)の当選が確定することになる。そのため、図柄変化演出によって、同一の偶数図柄の三つ揃いで一旦仮停止表示された演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が、大当たり図柄1(又は大当たり図柄3)に対応した演出図柄EZ1,EZ2,EZ3に変化することを遊技者に期待させることが可能となっている。
第2実施形態で、図柄変化演出は、特図変動パターン「P22」,「P23」,「P25」,「P62」,「P63」,「P65」でのSPリーチ中、又は、特図変動パターン「P26」,「P66」でのNリーチ中に実行される。
この図柄変化演出ではまず、図59(D)に示すような、頭部からなるキャラ画像G120と、吹き出し内に文字列「変わるかな?」を示すセリフ画像G131とを用いた表示演出(第1部分演出)が行われる。この第1部分演出は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が偶数図柄の三つ揃いで仮停止表示されている状態で行われる。
上述したように遊技者は、その大当たり図柄2(又は大当たり図柄4)よりも大当たり図柄1(又は大当たり図柄3)の方が遊技者にとって有利な大当たり図柄である。そのため、特図抽選の結果が大当たりであれば、その大当たり種別として大当たり図柄2(又は大当たり図柄4)よりも大当たり図柄1(又は大当たり図柄3)の方が好ましいと考えがちである。したがって、上記の第1部分演出の実行によって、大当たり図柄2(又は大当たり図柄4)の大当たりに当選するものと思っていた遊技者に期待させることが可能となっている。
続いて、図59(E)に示すような「ブラックアウト」を示す画像G122を用いた表示演出(第2部分演出)が行われる。これにより、仮停止表示中の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が表示部50a上から消えることになり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3に注目していた遊技者の意表を付くことが可能となっている。また、第2部分演出の実行によって、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が表示部50a上から一旦消えるので、表示部50a上に再表示される演出図柄EZ1,EZ2,EZ3に遊技者の注目を集めることが可能となっている。
第1態様での図柄変化演出では図59(F-1)に示すように、最後に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が奇数図柄(例えば「7」)の三つ揃いで仮停止表示する表示演出(第3部分演出)が行われる。そして、このような図柄変化演出の後、図59(G-1)に示すように、その奇数図柄の三つ揃いで演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示され、特図変動演出が終了する。それに対し、第2態様での図柄変化演出では図59(F-2)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変化せずに偶数図柄の三つ揃いで仮停止表示する表示演出(第3部分演出)が行われる。そして、このような図柄変化演出の後、図59(G-2)に示すように、その偶数図柄の三つ揃いで演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示され、特図変動演出が終了する。
11-3-5.大当たり演出モード
第2実施形態の大当たり演出モードでは、大当たり遊技における1回目のラウンド遊技の実行中に昇格演出が実行可能である。
上述したように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が偶数の数字を含む三つ揃いで本停止表示した場合には、大当たり図柄1(又は大当たり図柄3)に当選したのか、大当たり図柄2(又は大当たり図柄4)に当選したのか遊技者が判断し難い。つまり、実行中の大当たり遊技が大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)なのか、大当たり遊技2(又は大当たり遊技4)なのか、遊技者が把握し難い。そこで、昇格演出の実行によって、当選したのが大当たり図柄1(又は大当たり図柄3)なのか、それとも、大当たり図柄2(又は大当たり図柄4)なのかを、遊技者に把握させることが可能となっている。具体的には、実行中の大当たり遊技が、その後の遊技状態として高確率高ベース遊技状態になる大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)なのか、それとも、その後の遊技状態として低確率高ベース遊技状態になる大当たり遊技2(又は大当たり遊技4)なのかを、遊技者に把握させることが可能となっている。
第2実施形態の昇格演出は、直前の特図変動演出にて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が偶数の数字を含む三つ揃いで本停止表示した場合に実行される。直前の特図変動演出にて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が奇数の数字を含む三つ揃いで本停止表示した場合には、その後の大当たり遊技にて昇格演出が行われない。
昇格演出には、成功態様と失敗態様とがある。成功態様とは、実行中の大当たり遊技が大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)である場合に実行される演出態様である。それに対し、失敗態様とは、実行中の大当たり遊技が大当たり遊技2(又は大当たり遊技4)である場合に実行される演出態様である。
昇格演出ではまず、図60(A)に示すような、頭部からなるキャラ画像G120と、吹き出し内に文字列「昇格演出」を示すセリフ画像G141とを用いた表示演出(第4部分演出)が行われる。この第4部分演出は、大当たり遊技の1回目のラウンド遊技の開始とともに実行が開始される。
続いて、図60(B)に示すような「ブラックアウト」を示す画像G122を用いた表示演出(第5部分演出)が行われる。これにより、表示部50aに遊技者の注目を集めることが可能であり、その後の演出の展開に遊技者を注目させることが可能となっている。
成功態様での昇格演出では、図60(C-1)に示すように、キャラ画像G120と、吹き出し内に文字列「昇格成功!」を示すセリフ画像G142とを用いた表示演出(第6部分演出)が行われる。これにより、遊技者は、実行中の大当たり遊技が、大当たり遊技2(又は大当たり遊技4)ではなく大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)であることを把握できる。一方、失敗態様での昇格演出では、キャラ画像G120と、吹き出し内に文字列「昇格失敗」を示すセリフ画像G143とを用いた表示演出(第6部分演出)が行われる。これにより、遊技者は、実行中の大当たり遊技が、大当たり遊技2(又は大当たり遊技4)であることを把握できる。昇格演出は、大当たり遊技における1回目のラウンド遊技の終了とともに実行が終了する。
11-4.演出の流れ
次に、大当たり判定の結果が大当たり当選で、それによって実行される大当たり遊技で差玉数が基準数(80000)以上になる場合と、基準数に達しない場合の各種演出の実行について、図54、図55、図59、図60を用いて説明する。第2実施形態では、演出制御用マイコン121が、大当たり判定の結果が大当たり当選である特図変動演出の実行開始時における差玉数を参照して、その後の大当たり遊技の実行中に差玉数が基準数以上になるかどうかを判定する。
具体的に、演出制御用マイコン121は、これから実行を開始する特図変動演出が、大当たり図柄1の大当たり当選を示すものである場合、この特図変動演出の実行開始時のタイミングに、主制御基板100の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数(差玉数の情報)が79100(基準数から900少ない数)以上かどうかを判定する。演出制御用マイコン121は、そのタイミングでの差玉数が79100以上である場合、その後の大当たり遊技1(大当たり図柄1に対応した大当たり遊技)の実行中に差玉数が基準数以上になると判別する。一方、差玉数が79100未満である場合には、その後の大当たり遊技1の実行中に差玉数が基準数に達しないと判別する。
また、演出制御用マイコン121は、これから実行を開始する特図変動演出が、大当たり図柄3の大当たり当選を示すものである場合、この特図変動演出の実行開始時のタイミングに、主制御基板100の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数(差玉数の情報)が78500(基準数から1500少ない数)以上かどうかを判定する。演出制御用マイコン121は、そのタイミングでの差玉数が78500以上である場合、その後の大当たり遊技3(大当たり図柄3に対応した大当たり遊技)の実行中に差玉数が基準数以上になると判別する。一方、差玉数が78500未満である場合には、その後の大当たり遊技3の実行中に差玉数が基準数に達しないと判別する。
演出制御用マイコン121は、大当たり当選を示す特図変動演出の後に行われる大当たり遊技(大当たり遊技1,大当たり遊技3)の実行中に差玉数が基準数に達しないと判定した場合には、図54や図55に示す特図変動演出の演出フローにある各種演出を実行する。
具体的に演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P21」の実行後の大当たり遊技1の実行中に差玉数が基準数に達しないと判定した場合、その特図変動パターン「P21」による特図変動演出として、図54に示す演出フロー、すなわち通常変動、奇数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチ、Nリーチおよび発展演出を経てSPリーチを実行する。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P22」の実行後の大当たり遊技1の実行中に差玉数が基準数に達しないと判定した場合、その特図変動パターン「P22」による特図変動演出として、図54に示す演出フロー、すなわち通常変動、偶数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチ、Nリーチおよび発展演出を経たSPリーチの後、第1態様での図柄変化演出を実行する。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P23」の実行後の大当たり遊技1の実行中に差玉数が基準数に達しないと判定した場合、その特図変動パターン「P23」による特図変動演出として、図54に示す演出フロー、すなわち通常変動、偶数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチ、Nリーチおよび発展演出を経たSPリーチの後、第2態様での図柄変化演出を実行する。そして、その後の大当たり遊技1の実行中に、成功態様で昇格演出を行う。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P24」の実行後の大当たり遊技1の実行中に差玉数が基準数に達しないと判定した場合、その特図変動パターン「P24」による特図変動演出として、図54に示す演出フロー、すなわち通常変動、および、奇数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチを経てNリーチを実行する。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P61」の実行後の大当たり遊技3の実行中に差玉数が基準数に達しないと判定した場合、その特図変動パターン「P61」による特図変動演出として、図55に示す演出フロー、すなわち通常変動、奇数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチ、Nリーチおよび発展演出を経てSPリーチを実行する。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P62」の実行後の大当たり遊技3の実行中に差玉数が基準数に達しないと判定した場合、その特図変動パターン「P62」による特図変動演出として、図55に示す演出フロー、すなわち通常変動、偶数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチ、Nリーチおよび発展演出を経たSPリーチの後、第1態様での図柄変化演出を実行する。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P63」の実行後の大当たり遊技3の実行中に差玉数が基準数に達しないと判定した場合、その特図変動パターン「P63」による特図変動演出として、図55に示す演出フロー、すなわち通常変動、偶数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチ、Nリーチおよび発展演出を経たSPリーチの後、第2態様での図柄変化演出を実行する。そして、その後の大当たり遊技3の実行中に、成功態様で昇格演出を行う。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P64」の実行後の大当たり遊技3の実行中に差玉数が基準数に達しないと判定した場合、その特図変動パターン「P64」による特図変動演出として、図55に示す演出フロー、すなわち通常変動、および、奇数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチを経てNリーチを実行する。
それに対し、演出制御用マイコン121は、大当たり当選を示す特図変動演出の後に行われる大当たり遊技(大当たり遊技1,大当たり遊技3)の実行中に差玉数が基準数以上になると判定した場合には、図54や図55に示す特図変動演出の演出フローを一部変更して実行する。
具体的に演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P21」の実行後の大当たり遊技1の実行中に差玉数が基準数以上になると判定した場合、その特図変動パターン「P21」による特図変動演出として、図55に示す演出フローの、奇数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチに代えて、偶数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチを行う。さらにNリーチおよび発展演出を経たSPリーチの後、第2態様での図柄変化演出を実行する。つまり、差玉数が基準数に達しないと判定した場合とは異なり、演出制御用マイコン121は、奇数ではなく偶数を含む同一の演出図柄を用いたリーチに切り替え、さらに第2態様での図柄変化演出を加えた特図変動演出を実行する。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P22」の実行後の大当たり遊技1の実行中に差玉数が基準数以上になると判定した場合、その特図変動パターン「P22」による特図変動演出として、図55に示す演出フローの、第1態様での図柄変化演出に代えて、第2態様での図柄変化演出を行う。そして、その後の大当たり遊技1の実行中に、失敗態様で昇格演出を行う。つまり、差玉数が基準数に達しないと判定した場合とは異なり、演出制御用マイコン121は、第1態様ではなく第2態様での図柄変化演出に切り替えた特図変動演出を実行し、さらにその後の大当たり遊技1の実行中に失敗態様での昇格演出の実行を加える。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P23」の実行後の大当たり遊技1の実行中に差玉数が基準数以上になると判定した場合、その特図変動パターン「P23」による特図変動演出として、差玉数が基準数に達しないと判定した場合と同様、図55に示す演出フロー、すなわち通常変動、偶数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチ、Nリーチおよび発展演出を経たSPリーチの後、第2態様での図柄変化演出を実行する。しかしながら、その後の大当たり遊技1の実行中に、成功態様での昇格演出に代えて失敗態様での昇格演出を行う。つまり、差玉数が基準数に達しないと判定した場合とは異なり、演出制御用マイコン121は、その後の大当たり遊技1の実行中にて、成功態様ではなく失敗態様に切り替えた昇格演出を実行する。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P24」の実行後の大当たり遊技1の実行中に差玉数が基準数以上になると判定した場合、その特図変動パターン「P24」による特図変動演出として、図55に示す演出フローの、奇数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチに代えて、偶数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチを行う。つまり、差玉数が基準数に達しないと判定した場合とは異なり、演出制御用マイコン121は、奇数ではなく偶数を含む同一の演出図柄を用いたリーチに切り替えた特図変動演出を実行する。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P61」の実行後の大当たり遊技3の実行中に差玉数が基準数以上になると判定した場合、その特図変動パターン「P61」による特図変動演出として、図56に示す演出フローの、奇数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチに代えて、偶数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチを行う。さらにNリーチおよび発展演出を経たSPリーチの後、第2態様での図柄変化演出を実行する。つまり、差玉数が基準数に達しないと判定した場合とは異なり、演出制御用マイコン121は、奇数ではなく偶数を含む同一の演出図柄を用いたリーチに切り替え、さらに第2態様での図柄変化演出を加えた特図変動演出を実行する。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P62」の実行後の大当たり遊技3の実行中に差玉数が基準数以上になると判定した場合、その特図変動パターン「P62」による特図変動演出として、図56に示す演出フローの、第1態様での図柄変化演出に代えて、第2態様での図柄変化演出を行う。そして、その後の大当たり遊技3の実行中に、失敗態様で昇格演出を行う。つまり、差玉数が基準数に達しないと判定した場合とは異なり、演出制御用マイコン121は、第1態様ではなく第2態様での図柄変化演出に切り替えた特図変動演出を実行し、さらにその後の大当たり遊技3の実行中に失敗態様での昇格演出の実行を加える。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P63」の実行後の大当たり遊技3の実行中に差玉数が基準数以上になると判定した場合、その特図変動パターン「P63」による特図変動演出として、差玉数が基準数に達しないと判定した場合と同様、図56に示す演出フロー、すなわち通常変動、偶数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチ、Nリーチおよび発展演出を経たSPリーチの後、第2態様での図柄変化演出を実行する。しかしながら、その後の大当たり遊技3の実行中に、成功態様での昇格演出に代えて失敗態様での昇格演出を行う。つまり、差玉数が基準数に達しないと判定した場合とは異なり、演出制御用マイコン121は、その後の大当たり遊技3の実行中にて、成功態様ではなく失敗態様に切り替えた昇格演出を実行する。
また演出制御用マイコン121は、特図変動パターン「P64」の実行後の大当たり遊技3の実行中に差玉数が基準数以上になると判定した場合、その特図変動パターン「P64」による特図変動演出として、図56に示す演出フローの、奇数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチに代えて、偶数の数字を含む同一の演出図柄を用いたリーチを行う。つまり、差玉数が基準数に達しないと判定した場合とは異なり、演出制御用マイコン121は、奇数ではなく偶数を含む同一の演出図柄を用いたリーチに切り替えた特図変動演出を実行する。
11-5.第2実施形態の作用効果
以上説明したように、第2実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、差玉数が基準数(80000)以上となる大当たり遊技の実行後には遊技が実行不能となる。よって、そのような大当たり遊技が大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)である場合には、その後に遊技が実行不能になるにも拘わらず、遊技者にとって有利な遊技状態である高確率高ベース遊技状態になることを遊技者に意識させてしまうことになる。
そこで、差玉数が基準数以上となる大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)が行われる場合には、差玉数が基準数に達しない大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)が行われる場合とは異なり、大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)の実行前に、奇数のゾロ目(3つ揃い)で演出図柄が停止表示する特図変動演出が実行されずに、偶数のゾロ目(3つ揃い)で演出図柄が停止表示する特図変動演出が行われる。そのため、遊技が実行不能になる前に、有利な遊技状態(高確率高ベース遊技状態)になることを遊技者に意識させないことができ、遊技が実行不能になったときの遊技者の残念な気持ちに拍車がかかるのを防止可能となっている。
また、差玉数が基準数以上となる大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)が行われる場合には、差玉数が基準数に達しない大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)が行われる場合とは異なり、大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)の実行前に、大当たり遊技2(又は大当たり遊技4)が行われる場合と同じように偶数のゾロ目で演出図柄が停止表示する。そのため、差玉数が基準数以上となる大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)が行われる場合には、より確実に、遊技が実行不能になる前に有利な遊技状態になることを遊技者に意識させないことができる。
また、差玉数が基準数以上となる大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)が行われる場合には、差玉数が基準数に達しない大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)が行われる場合とは異なり偶数のゾロ目(3つ揃い)で演出図柄が仮停止表示した後、第1態様で図柄変化演出が行われず、偶数のゾロ目(3つ揃い)で演出図柄が停止表示する特図変動演出が実行される。そのため、差玉数が基準数以上となる大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)が行われる場合には、大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)の実行前の偶数のゾロ目(3つ揃い)で演出図柄が停止表示する特図変動演によって、より確実に、遊技が実行不能になる前に有利な遊技状態になることを遊技者に意識させないことができる。
また、差玉数が基準数以上となる大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)が行われている場合には、差玉数が基準数に達しない大当たり遊技1(又は大当たり遊技3)が行われている場合とは異なり、成功態様での昇格演出が行われない。そのため、遊技が実行不能になる前に有利な遊技状態になることを遊技者に意識させないことができ、遊技が実行不能になったときの遊技者の残念な気持ちに拍車がかかるのを防止可能となっている。
12.第3実施形態
以下、第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態の説明において、上記第1実施形態や第2実施形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
12-1.大当たり図柄種別判定
まず、第3実施形態の大当たり図柄種別判定について図61を用いて説明する。大当たり図柄種別判定とは、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図61に示す大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄種別を決定するための判定である。第3実施形態では、大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容(具体的には、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素)を対応付けている。
第3実施形態の大当たり図柄には、大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄Cおよび大当たり図柄Dの4種類がある。大当たり図柄Aおよび大当たり図柄Bは、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選で選択可能な大当たり図柄であり、大当たり図柄Cおよび大当たり図柄Dは、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選で選択可能な大当たり図柄である。
特図表示器81の特図1表示器81aに大当たり図柄Aが停止表示された場合にはその後、大当たり遊技A(後述)が行われ、大当たり図柄Bが停止表示された場合にはその後、大当たり遊技B(後述)が行われる。また、特図表示器81の特図2表示器81bに大当たり図柄Cが停止表示された場合にはその後、大当たり遊技C(後述)が行われ、大当たり図柄Dが停止表示された場合にはその後、大当たり遊技D(後述)が行われる。
第3実施形態では、特図1抽選の結果が大当たりである場合に、その大当たりの大当たり図柄として大当たり図柄Aが選択される振分率(確率)は50%であり、大当たり図柄Bが選択される振分率(確率)は50%である(図61参照)。つまり、特図1抽選の結果が大当たりであれば、その大当たり図柄として大当たり図柄Aも大当たり図柄Bも同等の確率で選択され得る。それに対し、特図2抽選の結果が大当たりである場合に、その大当たりの大当たり図柄として大当たり図柄Cが選択される振分率(確率)は40%であり、大当たり図柄Dが選択される振分率(確率)は60%である(図61参照)。つまり、特図2抽選の結果が大当たりであれば、その大当たり図柄として大当たり図柄Dの方が大当たり図柄Cよりも選択され易い。
12-2.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について図62を用いて説明する。第3実施形態の大当たり遊技には、図62に示す大当たり遊技A、大当たり遊技B、大当たり遊技Cおよび大当たり遊技Dの4種類がある。
これら大当たり遊技A、大当たり遊技B、大当たり遊技Cおよび大当たり遊技Dではいずれも1Rから10Rまでの10回のラウンド遊技が実行される。そして、1Rから9Rまでの9回のラウンド遊技では第1大入賞口14が開放し、10R(最終ラウンド)のラウンド遊技では第2大入賞口15が開放する(図62参照)。但し、大当たり遊技の種類に応じて、第1大入賞口14および第2大入賞口15の開放時間が異なっている。
具体的に大当たり遊技Aでは、1Rから3Rまでの3回のラウンド遊技として、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が行われる。その後、4Rから9Rまでの6回のラウンド遊技として、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が行われる。さらに、10Rのラウンド遊技として、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が行われる。4Rから9Rまでのラウンド遊技では第1大入賞口14に遊技球が入球し難いため、大当たり遊技Aは、遊技球が入球可能なラウンド遊技が実質4R分である大当たり遊技になっている。
なお、この大当たり遊技Aでは、上述の振分部材16kが10Rのラウンド遊技中、第1状態(図3(A))から第2状態(図3(B))に変化している。そのため、大当たり遊技Aの10Rのラウンド遊技では第2大入賞口15に容易に入球した遊技球が特定領域16にも通過可能となっている。よって、大当たり遊技Aが行われた場合には、その後の遊技状態が高確率高ベース遊技状態に設定され易い。なお、大当たり遊技Aの10Rのラウンド遊技で遊技球が特定領域16に通過しなかった場合には、その後の遊技状態が高確率高ベース遊技状態ではなく低確率高ベース遊技状態に設定される。
また、大当たり遊技Bでは、1Rから4Rまでの4回のラウンド遊技として、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が行われる。その後、5Rから9Rまでの5回のラウンド遊技として、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が行われる。さらに、10Rのラウンド遊技として、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が行われる。5Rから10Rまでのラウンド遊技では大入賞口14,15に遊技球が入球し難いため、大当たり遊技Bは、大当たり遊技Aと同様、遊技球が入球可能なラウンド遊技が実質4R分である大当たり遊技になっている。
なお、この大当たり遊技Bでは、大当たり遊技Aと同じく、振分部材16kが10Rのラウンド遊技中、第1状態(図3(A))から第2状態(図3(B))に変化しているけれども、大当たり遊技Aとは異なり、第2大入賞口15に遊技球が入球し難い。よって、大当たり遊技Bの10Rのラウンド遊技では遊技球が特定領域16に通過し難い。従って、大当たり遊技Bが行われた場合には、その後の遊技状態が高確率高ベース遊技状態に設定されづらく、低確率高ベース遊技状態に設定され易い。
また、大当たり遊技Cでは、大当たり遊技Aと同様、1Rから3Rまでの3回のラウンド遊技として、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放し、その後、4Rから9Rまでの6回のラウンド遊技として、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放する。さらに10Rのラウンド遊技として、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が行われる。4Rから9Rまでのラウンド遊技では大入賞口14,15に遊技球が入球し難いため、大当たり遊技Cは、大当たり遊技Aと同様、遊技球が入球可能なラウンド遊技が実質4R分である大当たり遊技になっている。
なお、大当たり遊技Cでは、大当たり遊技Aと同様、第2大入賞口15に遊技球が容易に入球可能であるため、その第2大入賞口15を通過した遊技球が特定領域16にも通過可能となっている。よって、大当たり遊技Cが行われた場合には、大当たり遊技Aと同じく、その後の遊技状態が高確率高ベース遊技状態に設定され易い。なお、大当たり遊技Cの10Rのラウンド遊技で遊技球が特定領域16に通過しなかった場合には、大当たり遊技Aの場合と同じく、その後の遊技状態が高確率高ベース遊技状態ではなく低確率高ベース遊技状態に設定される。
また、大当たり遊技Dでは、大当たり遊技Aおよび大当たり遊技Cと同様、1Rから3Rまでのラウンド遊技として最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放し、その後の4Rから9Rまでのラウンド遊技でも最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放する。さらに10Rのラウンド遊技として、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放する。つまり、大当たり遊技Dは、大当たり遊技A,大当たり遊技B,大当たり遊技Cと異なり、全てのラウンド遊技において遊技球が容易に入球できる。
また、大当たり遊技Dの10Rのラウンド遊技では、大当たり遊技Aおよび大当たり遊技Cと同様、第2大入賞口15に遊技球が入球可能であるため、その第2大入賞口15を通過した遊技球が特定領域16にも通過可能となっている。よって、大当たり遊技Dが行われた場合には、大当たり遊技Aおよび大当たり遊技Cと同じく、その後の遊技状態が高確率高ベース遊技状態に設定され易い。なお、大当たり遊技Dの10Rのラウンド遊技で遊技球が特定領域16に通過しなかった場合には、大当たり遊技Aの場合や大当たり遊技Cの場合と同じく、その後の遊技状態が高確率高ベース遊技状態ではなく低確率高ベース遊技状態に設定される。
12-3.遊技状態
次に、遊技状態についてさらに説明する。第3実施形態のパチンコ遊技機PY1は、図17に示す遊技状態のうち、「低確率低ベース遊技状態(通常遊技状態)」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能となっている。
第3実施形態では、通常遊技状態(低確率低ベース遊技状態)でも低確率高ベース遊技状態でも通常確率状態が設定される。しかしながら、通常遊技状態では時短状態が設定されないけれども低確率高ベース遊技状態では時短状態が設定される。上述したように時短状態では、スムーズな遊技の進行のもとで遊技者は大当たりを狙うことができるので、低確率高ベース遊技状態の方が通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
また、第3実施形態の高確率高ベース遊技状態では、低確率高ベース遊技状態と同じく、時短状態が設定される。さらに、通常確率状態よりも大当たりに当選し易い。よって、高確率高ベース遊技状態の方が通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
さらに、大当たり遊技状態は、上述の大当たり遊技A、大当たり遊技B、大当たり遊技C又は大当たり遊技Dを実行する遊技状態である。各大当たり遊技のラウンド遊技では、第1大入賞口14および第2大入賞口15の少なくともいずれかが入球可能に開放するため、大当たり遊技状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。特に、遊技状態が通常遊技状態の設定中に大入賞口14,15の開放がない。そのため、大入賞口14,15への遊技球の入球による賞球に関して、大当たり遊技状態の方が通常遊技状態よりも遊技者に有利であるといえる。
第3実施形態のパチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには、通常遊技状態が設定される。そして、その通常遊技状態の設定時における特図抽選の結果が大当たりの場合には、遊技状態が通常遊技状態から大当たり遊技状態に移行して、大当たり遊技が行われる。具体的に、特図1抽選の結果が大当たり図柄Aであれば大当たり遊技Aが、大当たり図柄Bであれば大当たり遊技Bが大当たり遊技状態の設定中に行われる。また、特図2抽選の結果が大当たり図柄Cであれば大当たり遊技Cが、大当たり図柄Dであれば大当たり遊技Dが行われる。
大当たり遊技の実行後には、遊技状態が大当たり遊技状態から高確率高ベース遊技状態又は低確率高ベース遊技状態に移行する。第3実施形態では、大当たり遊技の実行中に第2大入賞口15内の特定領域16に遊技球が入球した場合には、その大当たり遊技の実行後の遊技状態が高確率高ベース遊技状態に変更され、特定領域16に遊技球が入球しなかった場合には、その大当たり遊技の実行後の遊技状態が低確率高ベース遊技状態に変更される。第3実施形態では、大当たり遊技A、大当たり遊技C又は大当たり遊技Dの実行後には高確率高ベース遊技状態に設定され易く、大当たり遊技Bの実行後には低確率高ベース遊技状態に設定され易い。
遊技状態が高確率高ベース遊技状態に設定された場合には、特図抽選(特図1抽選,特図2抽選)の回数が第1特定回数(第3実施形態では「130回」)に達するまでその高確率高ベース遊技状態の設定が継続され得る。つまり、本パチンコ遊技機PY1は、最大第1特定回数の「ST(スペシャルタイム)」を搭載した遊技機(「ST機」)である。具体的に、遊技状態が高確率高ベース遊技状態に設定された後、その高確率高ベース遊技状態での特図抽選(特図1抽選,特図2抽選)の回数が第1特定回数に達した場合には、次の特図抽選に伴う特図の可変表示の開始前に遊技状態が高確率高ベース遊技状態から低確率低ベース遊技状態(通常遊技状態)に移行する。但し、遊技状態が高確率高ベース遊技状態に設定された後、その高確率高ベース遊技状態での特図抽選の回数が第1特定回数に達するまでに特図抽選の結果が大当たりになった場合には、その高確率高ベース遊技状態の設定が途中で(すなわち、特図抽選の回数が第1特定回数に達する前に)終了する。そして、遊技状態が高確率高ベース遊技状態から大当たり遊技状態に移行して大当たり遊技が行われる。
一方、低確率高ベース遊技状態に設定された場合には、特図抽選(特図1抽選,特図2抽選)の回数が第2特定回数(第3実施形態では「100回」)に達するまでその低確率高ベース遊技状態の設定が継続され得る。具体的に、遊技状態が低確率高ベース遊技状態に設定された後、その低確率高ベース遊技状態での特図抽選の回数が第2特定回数に達した場合には、次の特図変動の開始前に遊技状態が低確率高ベース遊技状態から低確率低ベース遊技状態に移行する。但し、遊技状態が低確率高ベース遊技状態に設定された後、その低確率高ベース遊技状態での特図抽選の回数が第2特定回数に達するまでに特図抽選の結果が大当たりになった場合には、その低確率高ベース遊技状態の設定が途中で(すなわち、特図抽選の回数が第2特定回数に達する前に)終了する。そして、遊技状態が低確率高ベース遊技状態から大当たり遊技状態に移行して大当たり遊技が行われる。
なお、第3実施形態では、通常遊技状態の設定時に大当たりに当選した場合、その通常遊技状態から大当たり遊技状態に遊技状態が変更され、さらにその後、通常遊技状態ではなく高ベース遊技状態(高確率高ベース遊技状態又は低確率高ベース遊技状態)に遊技状態が移行する。上述したように、大当たり遊技状態および高ベース遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態であるので、ひとたび大当たりに当選した場合には、通常遊技状態よりも有利な遊技状態が連続して設定されることになる。このように、一連で大当たり遊技状態および高ベース遊技状態(高確率高ベース遊技状態,低確率高ベース遊技状態)が設定される状態を特に連続有利状態という。そして、その連続有利状態が設定される期間を連続有利期間ともいう。なお、その後に高ベース遊技状態が設定される大当たり遊技状態のみからなる状態についても便宜上、連続有利状態という。
連続有利状態の設定中(連続有利期間中)に遊技者は、大当たり遊技状態が設定される毎に、それに伴う大当たり遊技で開放される第1大入賞口14および第2大入賞口15の賞球を獲得可能である。また、高ベース遊技状態が設定される都度、所持する遊技球をあまり減らすことなく次の大当たりの当選を狙うことが可能である。よって、1回の連続有利状態において遊技者が獲得した遊技球数は、その連続有利状態で設定された大当たり遊技状態毎の大入賞口14,15の賞球数を加算(積算)した数値と大差ない。
12-4.演出
次に、第3実施形態における各種演出について、図63~図65に基づいて説明する。第3実施形態の演出制御用マイコン121は、高ベース遊技状態(高確率高ベース遊技状態,低確率高ベース遊技状態)の終了時に「時短終了時リザルト表示」を実行可能である。
12-4-1.時短終了時リザルト表示
時短終了時リザルト表示について図63~図65を用いて説明する。この時短終了時リザルト表示は、高ベース遊技状態(高確率高ベース遊技状態,低確率高ベース遊技状態)の最終回(最後)の特図の可変表示の終盤に行われる。時短終了時リザルト表示は、右打ち画像G108、第1画像G151および第2画像G152からなる。さらに、この時短終了時リザルト表示には状況報知画像G160が表示され得る。
右打ち画像G108は、時短終了時リザルト表示の実行時、図63に示すように表示画面50aの右上部に表示され、遊技者に「右打ち」を促す画像である。また、第1画像G151は、時短終了時リザルト表示の実行時に表示画面50aの左上部に表示される(図63参照)。この第1画像G151は、一連の連続有利状態(連続有利期間)で行われた、複数回分の大当たり遊技にて払い出された、第1大入賞口14および第2大入賞口15への入球による賞球数の総数に関する画像である。また、第2画像G152は、時短終了時リザルト表示の実行時、表示画面50aの中央に表示される(図63参照)。この第2画像G152は、高確率高ベース遊技状態の設定の終了に伴い、確変演出モードが終了することを示唆する画像である。
時短終了時リザルト表示の状況報知画像G160は、図63に示すように表示画面50aの右下部に表示可能な画像である。この状況報知画像G160は、現時点(時短終了時)における差玉数の程度(状況)を遊技者に報知可能な画像である。第3実施形態の状況報知画像G160には、第1報知画像G161、第2報知画像G162、第3報知画像G163、第4報知画像G164および第5報知画像G165の5種類のものがある。
第1報知画像G161は、内部が白色の色彩からなる丸形状の画像である(図63参照)。また、第2報知画像G162は、内部が青色の色彩からなる丸形状の画像である(図64(A)参照)。また、第3報知画像G163は、内部が緑色の色彩からなる丸形状の画像である(図64(B)参照)。また、第4報知画像G164は、内部が紫色の色彩からなる丸形状の画像である(図64(C)参照)。そして、第5報知画像G165は、内部が赤色の色彩からなる丸形状の画像である(図64(D)参照)。
第1報知画像G161は、差玉数が10000未満である場合に表示可能な状況報知画像G160として用いられる。また、第2報知画像G162は、差玉数が10000以上かつ30000未満である場合に表示可能な状況報知画像G160として用いられる。また、第3報知画像G163は、差玉数が30000以上かつ50000未満である場合に表示可能な状況報知画像G160として用いられる。また、第4報知画像G164は、差玉数が50000以上かつ70000未満である場合に表示可能な状況報知画像G160として用いられる。また、第5報知画像G165は、差玉数が70000以上かつ80000(基準数)未満である場合に表示可能な状況報知画像G160として用いられる。したがって、状況報知画像G160が表示画面50a上に表示された場合に、遊技者は表示された状況報知画像G160の種類(具体的には色彩)によって、現時点(時短終了時)における差玉数がどの程度であるかを把握可能となっている。
また、第3実施形態では、上述した右打ち画像G108、第1画像G151および第2画像G152はいずれも、時短終了時リザルト表示の実行開始から表示画面50aに表示されるのに対し、図65(A)に示すように状況報知画像G160は、時短終了時リザルト表示の実行開始時に表示画面50aに表示されることはない。図65(B)に示すように、時短終了時リザルト表示の実行中に遊技者が特殊ボタン41を押下操作した場合には、図65(C)に示すように状況報知画像G160が表示画面50a上に表示される。なお、第3実施形態では、時短終了時リザルト表示の実行中に特殊ボタン41の押下操作がなければ、状況報知画像G160が表示画面50a上に表示されることはない。つまり、時短終了時リザルト表示の実行中における特殊ボタン41の押下操作を契機として状況報知画像G160が表示される構成になっている。換言すれば、第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY1は、特殊ボタン41を所謂「裏ボタン」とし、時短終了時リザルト表示の実行中にその「裏ボタン」を操作した遊技者への特典として状況報知画像G160が表示される構成を備える。
12-5.第3実施形態の作用効果
以上説明したように、第3実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、表示画面50a上に時短終了時リザルト表示の状況報知画像G160が表示された場合には、遊技者は、その状況報知画像G160を通じて差玉数の状況を把握することが可能となっている。
また、差玉数が基準数(80000)に達していないときにおける時短終了時リザルト表示の実行期間中のタイミングで特殊ボタン41が操作された場合には、表示される状況報知画像G160によって差玉数の状況を遊技者が把握可能となっている。
また、一連の連続有利状態(連続有利期間)において、時短終了時リザルト表示に遊技者の注目が集まり易い。そのため、差玉数が基準数(80000)に達していないときに、時短終了時リザルト表示の実行期間中のタイミングで特殊ボタン41が操作された場合、表示される状況報知画像G160にも遊技者の注目を集めることが可能であり、差玉数の状況を遊技者により確実に把握させることが可能となっている。
また、時短終了時リザルト表示の実行期間中に、特殊ボタン41を遊技者に操作させることを促すための演出が行われずに、特殊ボタン41の操作によって状況報知画像G160が表示されるので、時短終了時リザルト表示の実行期間中の特殊ボタン41の操作によって状況報知画像G160が表示されることを知る遊技者の特典として状況報知画像G160を表示することが可能となっている。
13.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記第3実施形態では、時短終了時リザルト表示の実行期間中(実行期間内)に、特殊ボタン41(操作手段)を遊技者に操作させることを促すための演出が行われずに、操作手段の操作によって状況報知画像G160が表示される(報知演出が実行される)構成とした。しかしながら、時短終了時リザルト表示の実行期間(表示演出が実行されている実行期間)内に操作手段を遊技者に操作させることを促すための操作促進演出が、実行期間内に行われるときがある構成としてもよい。
上記構成として、図66(A)に示すような、操作促進画像G170を表示する操作促進画像演出が実行される構成が挙げられる。この操作促進画像G170は、時短終了時リザルト表示の実行期間内に特殊ボタン41を遊技者に操作させることを促すための画像である。操作促進画像G170は、上述した第1実施形態のボタン操作促進画像G3と同様、特殊ボタン41を模した画像である特殊ボタン画像G171と、特殊ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像である押下操作画像G172と、ボタン操作有効期間の残り時間を表す画像である操作有効期間残り時間画像G173とを含む。特殊ボタン画像G171は上記第1実施形態の特殊ボタン画像G31と、押下操作画像G172は上記第1実施形態の押下操作画像G32と、操作有効期間残り時間画像G173は上記第1実施形態の操作有効期間残り時間画像G33とそれぞれ同じ画像になっている。このような操作促進画像G170を用いた操作促進画像演出が実行された場合、より確実に特殊ボタン41の操作を遊技者に促すことができる。
この操作促進画像G170を用いた操作促進画像演出は、第3実施形態の上記右打ち画像G108、第1画像G151および第2画像G152とともに、時短終了時リザルト表示の実行開始から表示画面50aに表示される。そして図66(B)に示すように、操作促進画像演出を伴う時短終了時リザルト表示の実行中に遊技者が特殊ボタン41を押下操作した場合には、図66(C)に示すように状況報知画像G160が表示画面50a上に表示される。なお、時短終了時リザルト表示の実行中に特殊ボタン41の押下操作がなければ、上記第3実施形態と同様、状況報知画像G160が表示画面50a上に表示されることはない。つまり、上記第3実施形態と同様、時短終了時リザルト表示の実行中における特殊ボタン41の押下操作を契機として状況報知画像G160が表示される構成になっている。
以上、上述の構成の遊技機によれば、時短終了時リザルト表示の実行期間内に操作促進画像G170を表示する操作促進画像演出が実行された場合には、より確実に特殊ボタン41の操作を遊技者に促すことが可能であり、特殊ボタン41の操作後に実行される状況報知画像G160によって差玉数(特定計測数)の数(状況)を遊技者に把握させることが可能となっている。
また、上記第3実施形態では、表示画面50aを本願発明に係る「報知手段」とした。しかしながら、表示画面50aに代えて、盤ランプ54等の各種ランプや、LEDや、スピーカ52や、盤上可動体55k,盤下可動体56kの可動体や、通常ボタン40,特殊ボタン41の操作手段を報知手段としてもよい。
また、上記第3実施形態では、状況報知画像G160を用いた演出を本願発明に係る「報知演出」とした。しかしながら、状況報知画像G160以外の画像を用いた演出を報知演出としてもよい。具体的に、例えば丸以外の形状の画像を用いた演出を報知演出としてもよい。また、例えば形状画像に代えてキャラ画像を用いた演出を報知演出としてもよい。また、状況報知画像G160を用いた演出の種類(演出態様の種類)を5種類としたが、4種類以下、あるいは、6種類以上の演出態様としてもよい。
また、状況報知画像G160における色彩の違いを、報知演出の種類の違いとした。しかしながら、例えば状況報知画像にキャラ画像が含まれる場合に、そのキャラ画像(キャラクタ)の違いを、報知演出の違いとしてもよい。また、例えば状況報知画像にセリフ画像が含まれる場合に、そのセリフ画像(セリフの内容)の違いを、報知演出の違いとしてもよい。また、例えば報知手段が各種ランプやLEDである場合に、その各種ランプやLEDの発光色の違いを、報知演出の違いとしてもよい。また、例えば報知手段が各種ランプやLEDである場合に、その各種ランプやLEDの間欠点滅や点灯の違いを、報知演出の違いとしてもよい。また、例えば報知手段がスピーカである場合に、そのスピーカから発生する音声の違いを、報知演出の違いとしてもよい。また、例えば報知手段が可動体である場合に、その可動体の動作態様の違いを、報知演出の違いとしてもよい。また、例えば報知手段が複数の操作手段である場合に、操作させる操作手段の種類の違いを、報知演出の違いとしてもよい。
また、上記第3実施形態では、特殊ボタン41を本願発明に係る「操作手段」とした。しかしながら、特殊ボタン41に代えて通常ボタン40を操作手段としてもよい。また、特殊ボタン41や通常ボタン40以外のボタンを操作手段としてもよい。また、レバーやダイヤルやタッチパネルといったボタン以外の操作可能なものを操作手段としてもよい。
また、上記第3実施形態では、時短終了時リザルト表示の実行期間中のタイミングを本願発明に係る「所定のタイミング」とした。しかしながら、時短終了時リザルト表示の実行期間中のタイミングに限らず、時短終了時リザルト表示がなされていない期間中のタイミングを所定のタイミングとしてもよい。
また、上記第3実施形態では、差玉数(特定計測数)が基準数に達していないときにおける時短終了時リザルト表示の実行期間中のタイミング(所定のタイミング)で特殊ボタン41(操作手段)が操作された場合には、状況報知画像G160を用いた演出(報知演出)が実行される構成とした。しかしながら、特定計測数が基準数以上であるときにおける所定のタイミングで操作手段が操作された場合に、報知演出が実行され得る構成としてもよい。
また、上記第3実施形態では、特殊ボタン41(操作手段)が操作された場合に、状況報知画像G160を用いた演出(報知演出)が実行される構成とした。しかしながら、操作手段の操作に関係なく、報知演出が実行される構成としてもよい。つまり、所定のタイミングで自動的に報知演出が実行される構成としてもよい。また、操作手段の操作に関係なく、報知演出が実行されるときと、報知演出が実行されないときとがある構成としてもよい。つまり、所定のタイミングで自動的に報知演出が実行されるときと報知演出が実行されないときとがある構成としてもよい。
また、上記第3実施形態では、差玉数(特定計測数)の数(量)を、状況報知画像G160を用いた演出(報知演出)が報知する、本願発明に係る「特定計測数の状況」とした。しかしながら、例えば基準数に達するまでの数(量)を、特定計測数の状況としてもよい。つまり基準数から差玉数を引いた差を、特定計測数の状況としてもよい。
また、上記第3実施形態では、上述した一連の連続有利状態(連続有利期間)を、本願発明に係る「有利遊技期間」とした。しかしながら、一連の連続有利状態(連続有利期間)以外の、例えば大当たり遊技の実行期間のみや、高確率高ベース遊技状態の設定期間のみや、低確率高ベース遊技状態の設定期間のみを有利遊技期間としてもよい。また、低確率低ベース遊技状態(通常遊技状態)における第2特別図柄の判定に伴う特図変動中を有利遊技期間に含めてもよい。
また、上記第1実施形態では、第2大入賞口15を本願発明に係る「可変入賞領域」とした。しかしながら、第2大入賞口15に代えて第1大入賞口14を可変入賞領域としてもよい。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、高確率高ベース遊技状態、および、低確率高ベース遊技状態を本願発明に係る「第1遊技状態」および「第2遊技状態」とした。しかしながら、第1遊技状態が第2遊技状態より遊技者に有利な遊技状態であれば、第1遊技状態を高確率高ベース遊技状態以外の遊技状態とし、且つ、第2遊技状態を低確率高ベース遊技状態以外の遊技状態としてもよい。
また、第1遊技状態を、第2遊技状態よりも大当たり遊技を実行すると判定され易い遊技状態とした。つまり第2遊技状態よりも第1遊技状態の方が、特別図柄が大当たり図柄(特殊態様)で停止表示され易い遊技状態とした。しかしながら、第1遊技状態も第2遊技状態も同程度に特別図柄が特殊態様で停止表示され得る遊技状態としてもよい。また、第2遊技状態よりも第1遊技状態の方が、特別図柄が特殊態様で停止表示されづらい遊技状態としてもよい。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、大当たり遊技を本願発明に係る「特別遊技」とした。しかしながら、大当たり遊技に代えて小当たり遊技を特別遊技としてもよい。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、基準数を80000としたが、例えば200000や120000や100000や85000や60000や50000など、80000以外の数としてもよい。
また、上記第1実施形態では、図19(B-1)に示す第1報知演出を本願発明に係る「進入報知演出」とした。しかしながら、図19(B-1)とは異なる演出内容の演出を進入報知演出としてもよい。具体的に例えば、第2セリフ画像G122以外の文字列を示すセリフ画像を含む演出を進入報知演出としてもよい。また例えば、キャラクタ表示画像G120の表示がない演出を進入報知演出としてもよい。また例えば、第2セリフ画像G122の表示がない演出を進入報知演出としてもよい。
また、上記第1実施形態では、図19(B-2)に示す画像演出を第2報知演出とした。しかしながら、図19(B-2)とは異なる演出内容の演出を第2報知演出としてもよい。具体的に例えば、第3セリフ画像G123以外の文字列を示すセリフ画像を含む演出を第2報知演出としてもよい。また例えば、キャラクタ表示画像G120の表示がない演出を第2報知演出としてもよい。また例えば、第3セリフ画像G123の表示がない演出を第2報知演出としてもよい。
また、上記第1実施形態では、差玉数(特定計測数)が基準数以上になる大当たり遊技X(又は大当たり遊技Z)の実行中に遊技球が特定領域16に進入した場合には、第1報知演出(進入報知演出)に代えて第2報知演出を実行する構成とした。しかしながら、そのような場合に、第1報知演出(進入報知演出)も第2報知演出も実行しない構成としてもよい。また、そのような場合に、第1報知演出(進入報知演出)に代えて第2報知演出を実行するときと、第2報知演出も実行しないときと、がある構成としてもよい。
また、そのような場合には、第1報知演出(進入報知演出)に代えて、その後に遊技が実行不能に制御されることを報知するための演出を実行する構成としてもよい。
また、上記第1実施形態で演出制御用マイコン121は、これから行われる大当たり遊技が大当たり遊技Xである場合、この大当たり遊技Xの実行開始時のタイミングに、主制御基板100の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数(差玉数の情報)が79250(基準数から750少ない数)以上かどうかを判定する構成とした。しかしながら、演出制御用マイコン121は、大当たり遊技Xの実行開始前のタイミングに、主制御基板100の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数が79250以上かどうかを判定する構成としてもよい。或いは、演出制御用マイコン121は、大当たり遊技Xの実行開始後のタイミングに、主制御基板100の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数が79250以上かどうかを判定する構成としてもよい。
また、演出制御用マイコン121は、これから行われる大当たり遊技が大当たり遊技Zである場合、この大当たり遊技Zの実行開始時のタイミングに、主制御基板100の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数(差玉数の情報)が78500(基準数から1500少ない数)以上かどうかを判定する構成とした。しかしながら、演出制御用マイコン121は、大当たり遊技Zの実行開始前のタイミングに、主制御基板100の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数が78500以上かどうかを判定する構成としてもよい。或いは、演出制御用マイコン121は、大当たり遊技Zの実行開始後のタイミングに、主制御基板100の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数が78500以上かどうかを判定する構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では、これから行われる大当たり遊技が大当たり遊技X(または大当たり遊技Z)である場合、大当たり遊技X(または大当たり遊技Z)の実行開始時のタイミングに、演出制御用マイコン121が主制御基板100の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数(差玉数の情報)に基づいて判定する構成とした。しかしながら、演出制御基板120が差玉数記憶部を備え、これから行われる大当たり遊技が大当たり遊技X(または大当たり遊技Z)である場合、大当たり遊技X(または大当たり遊技Z)の実行開始時のタイミングに、演出制御用マイコン121が演出制御基板120の差玉数記憶部に記憶されている差玉数(差玉数の情報)に基づいて判定する構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では、通過可能報知演出の実行開始のタイミングを大当たり遊技の10R(10回目のラウンド遊技)の開始のタイミングとした。しかしながら、大当たり遊技の10Rの開始後のタイミングとしてもよい。また、大当たり遊技の10Rの開始前のタイミングとしてもよい。
また、上記第1実施形態では、特定領域16への遊技球の通過が可能となるラウンド遊技を10R(10回目のラウンド遊技)とした。しかしながら、10R以外のラウンド遊技としてもよい。
また、上記第2実施形態では、実行後の遊技状態が高確率高ベース遊技状態(第1遊技状態)に設定される第1特別遊技を2種類(大当たり遊技1,大当たり遊技3)設けた構成とした。しかしながら、第1特別遊技を1種類のみ、或いは、3種類以上設けた構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、実行後の遊技状態が低確率高ベース遊技状態(第2遊技状態)に設定される第2特別遊技を2種類(大当たり遊技2,大当たり遊技4)設けた構成とした。しかしながら、第2特別遊技を1種類のみ、或いは、3種類以上設けた構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、奇数のゾロ目(3つ揃い)で演出図柄が停止表示する特図変動演出を、本願発明に係る「第1事前報知演出」とした。つまり、演出図柄に含まれる画像の種類が数字(奇数)のゾロ目で停止表示する特図変動演出を第1事前報知演出とした。しかしながら、演出図柄に含まれる画像の種類が特定の色(赤など)による同色揃いで停止表示する特図変動演出を第1事前報知演出としてもよい。また、偶数のゾロ目(3つ揃い)で演出図柄が停止表示する特図変動演出を、本願発明に係る「第2事前報知演出」とした。つまり、演出図柄に含まれる画像の種類が数字(偶数)のゾロ目で停止表示する特図変動演出を第2事前報知演出とした。しかしながら、演出図柄に含まれる画像の種類が、第1事前報知演出とは異なる特定の色(青など)による同色揃いで停止表示する特図変動演出を第2事前報知演出としてもよい。
また、上記第2実施形態では、差玉数(特定計測数)が基準数に達しない大当たり遊技1又は大当たり遊技3(第1特別遊技)が行われる場合には、奇数のゾロ目で演出図柄が停止表示する特図変動演出(第1事前報知演出)が行われるときがある構成とした。しかしながら、そのような場合に第1事前報知演出が必ず行われる構成としてもよい。また、特定計測数が基準数以上となる第1特別遊技が行われる場合には、第2事前報知演出が行われる構成とした。しかしながら、そのような場合に、第2事前報知演出が行われるときと、第2事前報知演出が行われずに、第1事前報知演出や第2事前報知演出以外の、単に特別遊技が行われることを報知する演出が行われるときとがある構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、特定計測数が基準数以上となる大当たり遊技1又は大当たり遊技3(第1特別遊技)が行われる場合には、一旦抽選で決定した特図変動演出の演出内容を差し替えて、第2事前報知演出が行われる構成とした。しかしながら、特定計測数が基準数以上となる第1特別遊技が行われる場合の特図変動パターンとして、第1事前報知演出がなく第2事前報知演出しかない特図変動パターンから抽選で決定可能な構成としてもよい。すなわち、特図変動パターンの抽選後に特図変動演出の演出内容を差し替えるのではなく、図54-図55に示す変動パターンテーブルから、第1事前報知演出がなく第2事前報知演出が含まれる特図変動パターンしかないテーブルに変更して、特図変動パターンを抽選で決定する構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、奇数のゾロ目(3つ揃い)を本願発明に係る「第1表示態様」とした。しかしながら、演出図柄に含まれる画像における色のうち、特定の色(赤など)による同色揃いを第1表示態様としてもよい。また、偶数のゾロ目(3つ揃い)を本願発明に係る「第2表示態様」とした。しかしながら、演出図柄に含まれる画像における色のうち、第1表示態様とは異なる特定の色(青など)による同色揃いを第2表示態様としてもよい。
また、上記第2実施形態では、図59(D)(E)(F-1)に示す図柄変化演出を、本願発明に係る「態様変更演出」とした。しかしながら、図59(D)(E)(F-1)とは異なる演出内容の演出を態様変更演出としてもよい。具体的に例えば、図59(E)に示すブラックアウトがない演出を態様変更演出としてもよい。
また、上記第2実施形態では、差玉数(特定計測数)が基準数に達しない大当たり遊技1又は大当たり遊技3(第1特別遊技)が行われる場合には、偶数のゾロ目(第2表示態様)で演出図柄が仮停止表示した後、その第1特別遊技の実行前、且つ、偶数のゾロ目で演出図柄が停止表示する特図変動演出(第2事前報知演出)の実行前に、図柄変化演出(態様変更演出)が行われるときと、態様変更演出が行われないときとがある構成とした。しかしながら、その場合には、態様変更演出が必ず行われる構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、図60に示す昇格演出を、本願発明に係る「特殊演出」とした。しかしながら、図60とは異なる演出内容の演出を特殊演出としてもよい。具体的に例えば、ブラックアウトがない演出を特殊演出としてもよい。
また、上記第2実施形態では、昇格演出(特殊演出)を1回の大当たり遊技(特別遊技)の実行中に1回実行可能な構成とした。しかしながら、特殊演出を1回の特別遊技の実行中に複数回実行可能な構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、昇格演出(特殊演出)を大当たり遊技(特別遊技)の1R目のラウンド遊技の実行中に実行可能な構成とした。しかしながら、特殊演出を特別遊技の1R目以外のラウンド遊技の実行中に実行可能な構成としてもよい。また、ラウンド遊技以外の、オープニング、インターバル、或いは、エンディングの実行中に実行可能な構成としてもよい。
また、上記第2実施形態で演出制御用マイコン121が、大当たり判定の結果が大当たり当選である特図変動演出の実行開始時における差玉数を参照して、その後の大当たり遊技の実行中に差玉数が基準数以上になるかどうかを判定する構成とした。しかしながら、演出制御用マイコン121が、大当たり判定の結果が大当たり当選である特図変動演出の実行開始前における差玉数を参照して、その後の大当たり遊技の実行中に差玉数が基準数以上になるかどうかを判定する構成としてもよい。或いは、演出制御用マイコン121が、大当たり判定の結果が大当たり当選である特図変動演出の実行開始後における差玉数を参照して、その後の大当たり遊技の実行中に差玉数が基準数以上になるかどうかを判定する構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、これから実行が開始される特図変動演出が大当たり図柄1の大当たり当選を示すものである場合、この特図変動演出の実行開始時のタイミングに、演出制御用マイコン121が主制御基板100の差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数(差玉数の情報)に基づいて判定する構成とした。しかしながら、演出制御基板120が差玉数記憶部を備え、これから実行が開始される特図変動演出が大当たり図柄1の大当たり当選を示すものである場合、この特図変動演出の実行開始時のタイミングに、演出制御用マイコン121が演出制御基板120の差玉数記憶部に記憶されている差玉数(差玉数の情報)に基づいて判定する構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では、特定領域16への遊技球の通過が可能となるラウンド遊技を10R(10回目のラウンド遊技)とした。しかしながら、10R以外のラウンド遊技としてもよい。
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、第1所定回数を130回としたが、130回未満の回数や、130回を超える回数としてもよい。また、第2所定回数を100回としたが、100回未満の回数や、100回を超える回数としてもよい。
また、上記第1実施形態および第2実施形態の遊技機を、特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、大入賞口が最大で1.8秒開放する小当たり遊技が実行される遊技機として構成してもよい。この場合、小当たり遊技の実行により大入賞口に入球した遊技球が、大入賞口内の特定領域を通過すると、大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される遊技機として構成してもよい。そして、特別図柄の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行されて、遊技球が大入賞口内の特定領域を通過すると大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される1種2種大当たり遊技として構成してもよい。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、差玉数が80000以上であって、高確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行するとき(図26参照)、又は低確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行するときに、過賞球防止機能が作動するようにした。しかしながら、有利遊技状態から通常遊技状態に移行するときでなくても良く、単に有利遊技状態が終了するときに、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。例えば、高確高ベース状態(有利遊技状態)から低確高ベース状態に移行するときや、高確高ベース状態から高確低ベース状態に移行するときに、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。
また例えば、図67に示すように、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行するときに、特図2保留数が最大である4個(所定数)あったこととする。そして、特図2の抽選は、特図1の抽選よりも優先して実行されて、且つ特図1の抽選よりも遊技者にとって有利に設定されていることとする。この場合、高確高ベース状態から通常遊技状態に移行すると、特図2の抽選が4回分実行されることになり、遊技者にとっては未だ有利な状態が続いているということができる。従ってこの場合には、通常遊技状態に移行したときに残っている特図2保留(特図2残保留)が全て消化されるまでは、有利遊技状態であるとみなすこととする。そして、特図2残保留が全て消化されるときに(特図2残保留に基づく第2特別図柄の変動表示及び停止表示が全て終了するときに)、過賞球防止機能が作動する(遊技を実行不能にする)ようにしても良い(図67参照)。なお、特図1の抽選が、特図2の抽選よりも優先して実行されるようにしたり、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞した順番に、特図1の抽選又は特図2の抽選が実行されるようにしても良い。
特に、1種2種混合機であって、特図2の抽選で小当たりに当選した場合には、実質的に必ず2種大当たり遊技が実行される(遊技球が特定領域を通過できる)ように構成されている場合には、図67に示すように、通常遊技状態にて特図2残保留が全て消化されたときに過賞球防止機能が作動することが好適である。高ベース状態(時短状態)から通常遊技状態に移行しても、特図2残保留が全て消化されるまでは、2種大当たり遊技が非常に実行され易いためである。即ち、仮に高ベース状態が終了するタイミングで、過賞球防止機能の作動により遊技が実行不能になると、2種大当たり遊技を獲得できるチャンスが失われて、遊技者にとって酷になるからである。なお特図2保留の上限数は、4個に限られるものではなく、例えば1個であっても良く、適宜変更可能である。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、過賞球防止機能が作動するタイミングは、高確高ベース状態が終了するとき、又は低確高ベース状態が終了するときであった。しかしながら、高確高ベース状態が終了するときにだけ、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。この場合には、所謂「ラッシュ状態(連荘期間)」が終了したときにだけ、遊技を中止させることが可能である。また例えば、差玉数が80000以上であって、客待ち状態に移行したタイミングや、客待ち状態が或る一定時間継続したタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、差玉数が80000以上であって、大当たり遊技状態が終了したタイミングで過賞球防止機能が作動するようにしても良い。また例えば、差玉数が80000以上になったタイミングで、過賞球防止機能が作動するようにしても良い。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)が押下操作されるという第1のリセット条件(図27(A)参照)、又は客待ち状態が1時間(所定時間)継続するという第2のリセット条件(図27(B)参照)が成立すると、差玉数がリセット(消去)されるようにした。しかしながら、リセット条件は、上記したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、上述したように、大当たり遊技状態が終了したタイミングや、差玉数が80000以上になったタイミングで、過賞球防止機能が作動する場合において、図68(A)に示すように、高確高ベース状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。この場合には、所謂「ラッシュ状態(連荘期間)」が終了すると差玉数がリセットされるため、1回でのラッシュ状態中に差玉数が80000(基準数)に達した場合に限り、過賞球防止機能を作動させることが可能である。なお、高確高ベース状態や低確高ベース状態以外に、大当たり遊技状態や高確低ベース状態などの有利遊技状態から通常遊技状態に移行すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。また、RAMクリアスイッチ191が押下操作されたり、設定キーシリンダ180が回転操作されることで、差玉数がリセットされるようにしても良い。
また例えば、図68(B)に示すように、通常遊技状態が特定時間(例えば1時間)継続すると、差玉数がリセットされるようにしても良い。この場合には、通常遊技状態にて特定時間(例えば1時間)が継続すると、遊技者にとって有利な状況がしばらく続いていないことになる。従って、この場合には、差玉数をリセットすることで、しばらく差玉数が80000以上にならないようにすることが可能である。なお上記した特定時間は1時間に限られるものではなく、適宜変更可能である。また例えば、通常遊技状態にて特別図柄の変動回数が特定回数に達すると、差玉数をリセットするようにしても良い。また例えば、電源のOFF及びON(電源の再投入)によって、差玉数がリセットされるようにしても良い。
また例えば、遊技制御用マイコン101が、予め定められた基準時間(例えば午前9時)であると判断すると、差玉数をリセットするようにしても良い。この場合には、遊技場の従業員に何ら操作を強いることなく、差玉数を自動的に消去させることが可能である。なお上記した基準時間は午前9時に限られるものではなく、適宜変更可能である。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、差玉数をリセットするための特別リセットスイッチ181(特別操作手段)が、主制御基板100上に配置されていた(図8参照)。しかしながら、特別操作手段が操作されたことに基づく信号が遊技制御用マイコン101に入力されるのであれば、差玉数をリセットするための特別操作手段の配置箇所は、適宜変更可能である。従って、特別操作手段は、例えば、払出制御基板170上に配置されていたり、専用の基板に配置されていても良い。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、計測された差玉数が表示手段で表示されることがなかった。しかしながら、計測された差玉数が表示手段で表示されるようにしても良い。例えば、遊技制御用マイコン101は、表示器類8(図4参照)や7セグ表示器300(図9参照)にて、計測した差玉数を表示するようにしても良い。この場合、例えば、差玉数が0~50000(第1範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第1態様を表示して、差玉数が50001~70000(第2範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第2態様を表示して、差玉数が70001~80000(第3範囲)である場合には、表示器類8又は7セグ表示器300にて第3態様を表示するようにしても良い。また例えば、遊技制御用マイコン101は、差玉数の情報(又は総賞球数の情報、総発射球数の情報)を演出制御基板120に送信して、演出制御用マイコン121が、画像表示装置50等の表示手段にて、差玉数を表示するようにしても良い。また例えば、遊技制御用マイコン101は、払い出した賞球数(又は払い出す予定の賞球数)の情報と排出口センサの検知の情報とを、演出制御基板120に送信する。そして、演出制御用マイコン121が、これらの情報に基づいて、差玉数を演算することで、画像表示装置50等の表示手段にて、差玉数を表示するようにしても良い。
また遊技制御用マイコン101は、図69に示す変形例のように、7セグ表示器300にて差玉数を表示しても良い。即ち、この変形例では、差玉数の情報は、4つの区間(所定区間)に区分けされていて、非消去記憶部107の差玉数記憶部107cの4つの記憶領域にそれぞれ記憶されている。1番目の記憶領域には、今回電源が投入されてから現時点までの差玉数が記憶されている。2番目の記憶領域には、前回(1回前)に電源が投入されてから前回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。3番目の記憶領域には、前々回(2回前)に電源が投入されてから前々回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。4(N)番目の記憶領域には、前々前回(3回前)に電源が投入されてから前々前回に電源が遮断されるまでの差玉数が記憶されている。こうして、電源がOFF及びONされる度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4番目の記憶領域に記憶されていた差玉数は消去される。なお、1番目から4番目の記憶領域に記憶されている差玉数の情報は、RAMクリアが実行されても消去されない。
そして、この変形例では、1番目の記憶領域に記憶されている差玉数、2番目の記憶領域に記憶されている差玉数、3番目の記憶領域に記憶されている差玉数、4番目の記憶領域に記憶されている差玉数が、7セグ表示器300の右2桁(第3表示領域330及び第4表示領域340)にて、千球単位で順番に切替わって表示される。具体的に、7セグ表示器300では、図69(A)に示すように、例えば「bL36」が5秒間表示される。これにより、現在の通常ベースが36%であることが示される。次に、図69(B)に示すように、例えば「b134」が5秒間表示される。これにより、1回前の通常ベースが36%であることが示される。次に、図69(C)に示すように、例えば「b238」が5秒間表示される。これにより、2回前の通常ベースが38%であることが示される。次に、図69(D)に示すように、例えば「b235」が5秒間表示される。これにより、3回前の通常ベースが38%であることが示される。
続いて、7セグ表示器300では、図69(E)に示すように、例えば「cL20」が5秒間表示される。これにより、今回電源が投入されてから現時点までの差玉数が20000であることが示される。次に、図69(F)に示すように、例えば「c100」が5秒間表示される。これにより、前回(1回前)に電源が投入されてから前回に電源が遮断されるまでの差玉数が「0」であることが示される。なお総発射球数が総賞球数よりも多いことで、差玉数が「0」よりも小さい場合には、「0」が表示される。次に、図69(G)に示すように、例えば「c265」が5秒間表示される。これにより、前々回(2回前)に電源が投入されてから前々回に電源が遮断されるまでの差玉数が65000であることが示される。次に、図69(H)に示すように、例えば「c348」が5秒間表示される。これにより、前々前回(3回前)に電源が投入されてから前々前回に電源が遮断されるまでの差玉数が48000であることが示される。その後、図69(A)~(H)が5秒間毎に繰り返して表示される。
上述した変形例では、電源がOFF及びON(再投入)される度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにした。しかしながら、RAMクリアが実行される度に、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにしても良い。又は、遊技制御用マイコンが予め定められた規定時間(例えば午前9時)であると判断すると、計測された差玉数がシフトされて記憶されて、4(N)番目の記憶領域に記憶されていた差玉数が消去されるようにしても良い。なお、上記したNは、2以上の自然数であれば、適宜変更可能である。
上述した変形例では、図69に示すように、7セグ表示器300において、5秒間毎に、差玉数の表示が自動的に切替わった。しかしながら、RAMクリアスイッチ191への押下操作や、設定キーシリンダ180への回転操作など、所定の操作手段の操作によって、差玉数の表示が切替わるようにしても良い。また、所定の操作手段の操作によって、通常ベースの表示と、差玉数の表示とを切替えるようにしても良い。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、差玉数が70000(所定数)に達すると、図29(A)に示す演出態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示した。しかしながら、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示す演出態様は、図29(A)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、スピーカ52からの特殊音声(例えば「差玉数が70000です」)や、盤ランプ54や枠ランプ53等の発光手段の特殊発光態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示すようにしても良い。また差玉数が多くになるにつれて、多段階に変化する演出態様によって、過賞球防止機能の作動に近づいていることを示すようにしても良い。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、差玉数が80000(基準数)に達すると、図29(B)に示す演出態様によって、遊技が停止し得る状況を示した。しかしながら、遊技が停止し得る状況を示す演出態様は、図29(B)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、スピーカ52からの特殊音声(例えば「差玉数が80000です」)や、盤ランプ54や枠ランプ53等の発光手段の特殊発光態様によって、遊技が停止し得る状況を示すようにしても良い。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、過賞球防止機能が作動すると、図28(A)に示す演出態様によって、遊技が実行不能な状況を示した。しかしながら、遊技技が実行不能な状況を示す演出態様は、図28(A)に示す演出態様に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、表示画面50aに「遊技が実行できません」を示す画像を表示したり、スピーカ52からの特殊音声(例えば「遊技が実行できません」)を出力するようにしても良い。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、RAMクリアが実行されても、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報が消去されないようにした。しかしながら、差玉数の情報を、遊技用RAM104の所定の記憶領域(消去記憶部)に記憶させるようにして、RAMクリアが実行されると、差玉数の情報がクリアされるようにしても良い。即ち、差玉数がリセットされる条件には、RAMクリアが実行されることが含まれているようにしたり、差玉数がリセットされるリセット条件を、RAMクリアが実行されることだけにしても良い。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技に関する遊技制御処理(ステップS102~S108の処理、図34参照)を停止させるだけでなく、遊技球を発射させるための発射制御処理(ステップS109の処理、図34参照)も停止させた。しかしながら、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、遊技制御処理を停止させる一方、発射制御処理を停止しないようにしても良い。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動しても、遊技者は、ハンドル72kへの回転操作によって、遊技球が遊技領域6を流下する。そのため、遊技が実行不能である状況をすぐに把握し難いという問題点がある。よって、遊技制御処理及び発射制御処理の両方を停止させた方が、遊技者に、遊技が実行不能である状況をすぐに把握させることが可能である。また例えば、過賞球防止機能が作動すると、遊技制御用マイコン101が、発射制御処理を停止させる一方、遊技制御処理を停止させないようにしても良い。但し、この場合には、過賞球防止機能が作動したタイミングで、未だ遊技球が遊技領域6を流下していることがあり、遊技球が各種入賞口に入球して、遊技者に賞球が付与され得るという問題点がある。よって、遊技制御処理及び発射制御処理の両方を停止させた方が、過賞球防止機能が作動した後、遊技者には確実に賞球を付与しないことが可能である。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、遊技制御用マイコン101は、排出口センサの検知に基づいて、総発射球数をカウントした。しかしながら、各種入賞口への入賞を検知するセンサ(第1始動口センサ、第2始動口センサ、一般入賞口センサ、第1大入賞口センサ、第2大入賞口センサ15a)の検知に基づいて、総発射球数をカウントするようにしても良い。又は、内側壁部1Bの上端部に戻り玉防止部が設けられていて、この戻り玉防止部に遊技球を検知可能なセンサが設けられている場合に、このセンサの検知に基づいて、総発射球数をカウントするようにしても良い。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、差玉数が70000に達すると、図29(A)に示すように、過賞球予告画像KYが表示された。しかしながら、差玉数に拘わらず、客待ち演出、大当たり遊技中の演出(例えばエンディング演出)、変動演出に伴う予告演出などにおいて、差玉数が80000以上になることを条件に遊技が実行不能になることを説明する演出を実行しても良い。このような演出によって、過賞球防止機能があるパチンコ遊技機PY1であることを、遊技者や遊技場の従業員に事前に知らせることができるからである。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報を、遊技用RAM104の非消去記憶部107に記憶させることで、RAMクリアが実行されても、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報が消去されないようにした。しかしながら、遊技用RAM104とは別に設けた不揮発性の記憶手段(例えばFRAM(登録商標))に、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報を記憶させることで、RAMクリアが実行されても、総賞球数の情報、総発射球数の情報、差玉数の情報が消去されないようにしても良い。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、電源が投入されてから随時、差玉数がカウントされるようにした。しかしながら、差玉数のカウントの始期を、所謂初当たり(通常遊技状態における大当たりへの当選)からとしてもよい。この場合には、電源が投入されてから初当たりに至るまでの差玉数のマイナス分(つまり総発射球数)がカウントされないことになる。従って、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を、初当たり以降の持ち球数と同じにすることが可能である。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、遊技制御用マイコン101は、総賞球数と総発射球とを別個でカウントして、総賞球数から総発射球数を減算することで、差玉数を演算した。しかしながら、差玉数をカウントするための差玉カウンタだけを用いて、差玉数を計測(カウント)するようにしても良い。つまり、賞球がある度に、差玉カウンタに対して、賞球の値を加算する。また、遊技球が発射される度(排出口センサの検知がある度)に、差玉カウンタの値を減算する。こうして、総賞球数と総発射球とを別個でカウントしないで、差玉数を計測するようにしても良い。この場合において、差玉カウンタの値が、マイナスにならないようにして、常に「0」以上になるようにしても良い。そうすれば、上述したように、過賞球防止機能が作動する契機となる差玉数を、実質的に初当たり以降の持ち球数と同じにすることが可能である。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、過賞球防止機能は、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報のクリアが行われた(すなわち、非消去クリア処理)後の総賞球数と総発射球数との差である差玉数が予め定められた基準数以上となることに基づいて作動することとして説明した。しかし、過賞球防止機能は、最大差玉数(最大持ち球、MY等ということもある)として計測される値が予め定められた基準数となることに応じて作動させてもよい。つまり、特定計測数は、最大差玉数であってもよい。ここで、図70により、最大差玉数について説明する。図70(A)~(C)にはそれぞれ、差玉数の推移の例と、各差玉数の推移に応じて算出される最大差玉数の例とを示している。
図70(A)は、最初の最低差玉数が記録された後、最低差玉数が更新されることなく差玉数が推移する例である。最低差玉数は、計測された差玉数の最低値である。具体的に、図70(A)では、前回の非消去クリア処理が行われた後、差玉数が減少傾向にて推移し、時刻tA1にて最低差玉数「-10000」が記録されている。その後、差玉数は増加および減少するものの、時刻tA1における最低差玉数よりも減少することなく、推移している。そして、時刻tA1のよりも後の時刻tA2には、差玉数のピーク「70000」が記録されている。差玉数のピークは、最低差玉数が計測された後における差玉数の最高値である。そして、図70(A)の例おける最大差玉数MYAは、時刻tA1における最低差玉数「-10000」と時刻tA2における差玉数のピーク「70000」との差である「80000」である。
なお、図70(A)の例において、最低差玉数は、時刻tA1までは、差玉数が減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。しかし、その後、時刻tA1における最低差玉数を下回ることがないため、時刻tA1よりも後には、最低差玉数は更新されていない。
図70(B)は、最低差玉数の更新が複数回なされつつ差玉数が推移する例である。この例では、前回の非消去クリア処理が行われた後、時刻tB1に最初の最低差玉数「-10000」が記録されている。また、時刻tB4には、時刻tB1における差玉数「-10000」よりも少ない最低差玉数「-20000」が記録されている。さらに、時刻tB7には、時刻tB4における差玉数よりも少ない最低差玉数「-30000」が記録されている。そして、図70(B)の時刻tB1から時刻tB4までの間においては、時刻tB2に差玉数のピーク「20000」が記録されている。また、時刻tB4から時刻tB7までの間においては、時刻tB5に差玉数のピーク「0」が記録されている。さらに、時刻tB7よりも後の時刻tB8には、差玉数のピーク「50000」が記録されている。そして、図70(B)の例における最大差玉数MYBは、時刻tB7における最低差玉数「-30000」と時刻tB8における差玉数のピーク「50000」との差である「80000」である。
なお、図70(B)の例においても、最低差玉数は、時刻tB1までは、差玉数が減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。また、最低差玉数は、時刻tB3から時刻tB4までの間には、差玉数がそれ以前の最低差玉数である時刻tB1における差玉数よりも少なく、かつ、減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。さらに、最低差玉数は、時刻tB6から時刻tB7までの間にも、差玉数がそれ以前の最低差玉数である時刻tB4における差玉数よりも少なく、かつ、減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。
図70(C)は、差玉数がマイナスで推移する例である。この例では、前回の非消去クリア処理が行われた後、時刻tC1に最初の最低差玉数「-30000」が記録されている。また、時刻tC4には、時刻tC1の最低差玉数「-30000」よりも少ない最低差玉数「-50000」が記録されている。そして、図70(C)の時刻tC1から時刻tC4までの間においては、時刻tC2に差玉数のピーク「-10000」が記録されている。また、時刻tC4よりも後の時刻tC5には、差玉数のピーク「-10000」が記録されている。そして、図70(C)の例における最大差玉数MYCは、時刻tC4における最低差玉数「-50000」と時刻tC5における差玉数のピーク「-10000」との差である「40000」である。
なお、図70(C)の例においても、最低差玉数は、時刻tC1までは、差玉数が減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。また、最低差玉数は、時刻tC3から時刻tC4までの間には、差玉数がそれ以前の最低差玉数である時刻tC1における差玉数よりも少なく、かつ、減少傾向にあるため、差玉数の減少に応じて複数回更新されている。
上記の通り、最大差玉数は、計測された差玉数の最低値である最低差玉数と、最低差玉数が計測された後における差玉数のピーク(最高値)との差により算出される。そして、過賞球防止機能は、最低差玉数と、最低差玉数が記録された後に計測される差玉数との差が予め定められた基準数となることに応じて作動させることができる。換言すれば、過賞球防止機能は、最低差玉数からの差玉数の増加数が予め定められた基準数となることに応じて作動させることができる。また、過賞球防止機能は、最大差玉数が予め定められた基準数となることに応じて作動させることができる。
具体的には、例えば、過賞球防止機能は、最低差玉数を所定の記憶領域に記憶させつつ、記憶されている最低差玉数と現在(最新)の差玉数との差を算出するとともに、その算出値が予め定められた基準数となることに応じて作動させることが考えられる。最低差玉数の情報、および、最低差玉数と現在の差玉数との差の算出値の情報は、遊技用RAM104の所定の記憶領域(非消去記憶部107)に記憶させておけばよい。そして、これらの値は、所定の非消去クリア処理にて、差玉数のクリアがなされる際にクリア(すなわち初期値に設定)することとすればよい。
また、過賞球防止機能を、最低差玉数と、最低差玉数が記録された後に計測される差玉数との差が予め定められた基準数となることに応じて作動させる場合、すなわち、最低差玉数からの差玉数の増加数を特定計測数とする場合には、特定計測数をカウントするためのカウンタを設けることとしてもよい。そのようなカウンタは、例えば、賞球数に基づく加算については値に関係なく常に行い、発射球数に基づく減算については「0」よりも多い場合に行うものとすることができる。差玉数が「0」以下の場合には、発射球数に基づく減算を行わない。このようなカウンタの値は、「0」以上の整数で推移する。このカウンタを以下、差玉自然数カウンタということがある。差玉自然数カウンタの情報についても、遊技用RAM104の所定の記憶領域(非消去記憶部107)に記憶させておけばよい。そして、差玉自然数カウンタの値は、所定の非消去クリア処理に相当する処理(上記の実施形態にて差玉数をクリアするとした処理)にてクリア(すなわち初期値に設定)することとすればよい。
差玉自然数カウンタの値の推移の例について図71により説明する。図71(A)~(C)にはそれぞれ、差玉自然数カウンタの値の推移を示している。図71(A)~(C)に示す差玉自然数カウンタの値の推移はそれぞれ、図70(A)~(C)の差玉数の推移に対応したものである。
図71(A)~(C)に示すように、差玉自然数カウンタの値は、最低差玉数が更新されている間には「0」となる。そして、差玉自然数カウンタは、最低差玉数からの差玉数の増加数を自然数によりカウント可能である。よって、差玉自然数カウンタを用いることにより、過賞球防止機能を適切に機能させることが可能である。さらに、常に「0」以上で推移する差玉自然数カウンタでは、過賞球防止機能の作動に最低限必要な値をわかりやすい態様で算出可能である。また、「0」未満の値を用いる場合、遊技制御用マイコン101による演算に係る情報量が多くなってしまうことがある。このような場合、常に「0」以上で推移する差玉自然数カウンタを用いることで、遊技制御用マイコン101の負荷を低減可能である。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、差玉数(特定計測数)が80000(基準数)以上であることを条件に、過賞球防止機能が作動するようにした。しかしながら、過賞球防止機能が作動するための基準となる差玉数(基準数)は、80000に限られるものではなく、50000、100000、120000であっても良く、適宜変更可能である。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、過賞球防止機能が作動するための契機となる特定計測数は、総賞球数と総発射球数との差である差玉数であった。しかしながら、特定計測数は、過剰な賞球を付与しないという観点により、遊技者に付与される賞球数に基づくものであれば、適宜変更可能である。例えば、特定計測数は、大当たり遊技状態など或る遊技状態や、連荘期間など或る期間に限った差玉数であっても良い。また例えば、特定計測数は、全ての遊技状態での総賞球数、大当たり遊技状態など或る遊技状態に限った総賞球数、連荘期間など或る期間に限った総賞球数であっても良い。また例えば、特定計測数は、全ての遊技状態でのベース、大当たり遊技状態など或る遊技状態に限ったベース、連荘期間など或る期間に限ったベースであっても良い。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、パチンコ遊技機PY1が、内部に収容している遊技球が遊技領域6を流下した後に、当該パチンコ遊技機PY1の外部に排出される非封入式パチンコとして構成されていた。しかしながら、パチンコ遊技機が、内部に収容している遊技球が遊技領域を流下した後に、循環して再び遊技領域に進入可能な封入式パチンコとして構成されていても良い。この場合には、払出制御基板170に相当する枠制御基板に、7セグ表示器が配置されている。よって、この7セグ表示器に、差玉数(特定計測数)を表示し得るようにしても良い。また前扉の下部に、持ち球数を表示する6桁の7セグ表示器が配置されている。よって、この6桁の7セグ表示器に、差玉数(特定計測数)を表示し得るようにしても良い。なお、本形態の「計測」とは、カウント又は計数と同じ意味である。
14.上記の実施形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
報知手段(表示画面50a)と、
遊技を制御可能な遊技制御手段(主制御基板100)と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120)と、を備え、
前記遊技制御手段は、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上である場合には、その後、遊技を実行不能に制御し、
前記演出実行手段は、
前記報知手段を用いて、前記特定計測数の状況を報知する報知演出(状況報知画像G160を用いた演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、報知手段を用いて報知演出が行われた場合に、遊技者は、その報知演出の実行を通じて特定計測数の状況を把握可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
操作手段(特殊ボタン41)を備え、
前記特定計測数が前記基準数に達していないときにおける所定のタイミング(時短終了時リザルト表示の実行期間中のタイミング)で前記操作手段が操作された場合には、前記報知演出が実行されることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数に達していないときにおける所定のタイミングで操作手段が操作された場合には、実行される報知演出によって特定計測数の状況を遊技者が把握可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
通常遊技の期間よりも遊技者に有利な有利遊技期間の終了に際して、当該有利遊技期間に獲得した賞球数を示唆可能な表示演出(時短終了時リザルト表示)を実行可能であり、
前記所定のタイミングとは、前記表示演出が実行されている実行期間(時短終了時リザルト表示の実行期間)内であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、有利遊技期間において払い出された数に基づく払出総数を表示可能な表示演出に遊技者の注目が集まり易い。そのため、特定計測数が基準数に達していないときに、表示演出の実行期間中のタイミングで操作手段が操作された場合、実行される報知演出にも遊技者の注目を集めることが可能であり、特定計測数の状況を遊技者により確実に把握させることが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機であって、
前記実行期間内に、前記操作手段を遊技者に操作させることを促すための演出が行われずに、前記操作手段の操作によって前記報知演出が実行されることを特徴とする遊技機出である。
この構成の遊技機によれば、実行期間内に、操作手段を遊技者に操作させることを促すための演出が行われずに、操作手段の操作によって報知演出が実行されるので、実行期間内の操作手段の操作によって報知演出が実行されることを知る遊技者の特典として報知演出を実行することが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記所定のタイミングで前記操作手段を遊技者に操作させることを促すための操作促進演出(操作促進画像演出)を実行可能であり、
前記実行期間内に、前記操作促進演出が行われるときがあることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、実行期間内に操作促進演出が実行された場合には、より確実に操作手段の操作を遊技者に促すことが可能であり、操作手段の操作後に実行される表示演出によって特定計測数の状況を遊技者に把握させることが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(主制御基板100)と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120)と、を備え、
前記遊技制御手段は、
可変入賞領域(第2大入賞口15)が開状態に可変して、遊技者に賞球を付与可能な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
前記特別遊技の実行中、前記可変入賞領域に進入した遊技球が特定領域(16)にさらに進入した場合には、当該特別遊技の終了後に第1遊技状態(高確率高ベース遊技状態)に制御可能であり、前記可変入賞領域に進入した遊技球が前記特定領域に進入しなかった場合には、当該特別遊技の終了後に第2遊技状態(低確率高ベース遊技状態)に制御可能であり、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上である場合には、その後、遊技を実行不能に制御し、
前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態であり、
前記演出実行手段は、
遊技球が前記特定領域に進入したことを報知するための進入報知演出(第1報知演出)を実行可能であり、
前記特定計測数が前記基準数に達しない前記特別遊技の実行中に遊技球が前記特定領域に進入した場合には、前記進入報知演出を実行することがある一方、前記特定計測数が前記基準数以上となる前記特別遊技の実行中に遊技球が前記特定領域に進入した場合には、前記進入報知演出を実行しないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上になる特別遊技の実行後には遊技が実行不能となる。よって、そのような特別遊技の実行中に特定領域に遊技球が進入して進入報知演出が行われると、その後に遊技が実行不能になるにも拘わらず、有利な第1遊技状態になることを遊技者に意識させてしまうことになる。
そこで、特定計測数が基準数以上になる特別遊技の実行中に遊技球が特定領域に進入した場合には、特定計測数が基準数に達しない特別遊技の実行中の場合とは異なり、進入報知演出を実行しないので、遊技が実行不能になる前に有利な遊技状態になることを遊技者に意識させないことができ、遊技が実行不能になったときの遊技者の残念な気持ちに拍車がかかるのを防止可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記第1遊技状態とは、前記第2遊技状態よりも前記特別遊技を実行すると判定され易い遊技状態であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態とは、第2遊技状態よりも特別遊技を実行すると判定され易い遊技状態であるため、特定計測数が基準数以上になる特別遊技の実行中に特定領域に遊技球が進入して進入報知演出が行われると、その後に遊技が実行不能になるにも拘わらず、特別遊技を実行すると判定され易い遊技状態になり、特別遊技の更なる獲得を遊技者に期待させてしまうことになる。
そこで、特定計測数が基準数以上になる特別遊技の実行中に遊技球が特定領域に進入した場合には進入報知演出が行われないので、遊技が実行不能になる前に特別図柄が特殊態様で停止表示され易い遊技状態になることを遊技者に意識させないことができ、遊技が実行不能になったときの遊技者の残念な気持ちに拍車がかかるのを防止可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(主制御基板100)と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120)と、を備え、
前記遊技制御手段は、
第1遊技状態(高確率高ベース遊技状態)および第2遊技状態(低確率高ベース遊技状態)を含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能であり、
遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能であり、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数(差玉数)を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数(80000)以上である場合には、その後、遊技を実行不能に制御し、
前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態であり、
前記特別遊技には、実行後の遊技状態が前記第1遊技状態に設定される第1特別遊技(大当たり遊技1,大当たり遊技3)があり、
前記演出実行手段は、
前記第1特別遊技が行われることを報知する第1事前報知演出(奇数のゾロ目で演出図柄が停止表示する特図変動演出)を実行可能であり、
前記特定計測数が前記基準数に達しない前記第1特別遊技が行われる場合には、前記第1事前報知演出が行われるときがあり、
前記特定計測数が前記基準数以上となる前記第1特別遊技が行われる場合には、前記第1事前報知演出が行われないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上となる特別遊技の実行後には遊技が実行不能となる。よって、そのような特別遊技が第1特別遊技である場合には、その後に遊技が実行不能になるにも拘わらず、有利な第1遊技状態になることを遊技者に意識させてしまうことになる。
そこで、特定計測数が基準数以上となる第1特別遊技が行われる場合には、特定計測数が基準数に達しない第1特別遊技が行われる場合とは異なり、第1事前報知演出を実行しない。そのため、遊技が実行不能になる前に有利な遊技状態になることを遊技者に意識させないことができ、遊技が実行不能になったときの遊技者の残念な気持ちに拍車がかかるのを防止可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機であって、
前記特別遊技には、実行後の遊技状態が前記第2遊技状態に設定される第2特別遊技(大当たり遊技2,大当たり遊技4)があり、
前記演出実行手段は、
前記第2特別遊技が行われることを報知可能な第2事前報知演出(偶数のゾロ目(3つ揃い)で演出図柄が停止表示する特図変動演出)を実行可能であり、
前記第2特別遊技が行われる場合には、前記第2事前報知演出が行われることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2特別遊技が行われる場合には第2事前報知演出が行われるので、第2事前報知演出の実行によって、第2特別遊技が実行されることを遊技者に意識させることが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
特別図柄が特殊態様で停止表示するときには、特定の表示態様(ゾロ目(3つ揃い)での停止態様)で演出図柄を停止表示可能であり、
前記特定の表示態様には、前記第1特別遊技の実行を示唆する第1表示態様(奇数のゾロ目での表示態様)と、前記第2特別遊技の実行を示唆する第2表示態様(偶数のゾロ目での表示態様)と、があり、
前記第2特別遊技が行われる場合には、当該第2特別遊技の実行前に、前記第2事前報知演出として前記第2表示態様で演出図柄が停止表示し、
前記特定計測数が前記基準数に達しない前記第1特別遊技が行われる場合には、当該第1特別遊技の実行前に、前記第1事前報知演出として前記第1表示態様で演出図柄が停止表示するときがあり、
前記特定計測数が前記基準数以上となる前記第1特別遊技が行われる場合には、当該第1特別遊技の実行前に、前記第2表示態様で演出図柄が停止表示するときがあることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上となる第1特別遊技が行われる場合には、特定計測数が基準数に達しない第1特別遊技が行われる場合とは異なり、第1特別遊技の実行前に、第2特別遊技が行われる場合と同じように第2表示態様で演出図柄が停止表示する。そのため、特定計測数が基準数以上となる第1特別遊技が行われる場合には、より確実に、遊技が実行不能になる前に有利な遊技状態になることを遊技者に意識させないことができる。
手段C4に係る発明は、
手段C3に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
演出図柄を、前記特定の表示態様で停止表示する前に仮停止表示可能であり、
前記第2表示態様で演出図柄を仮停止表示した場合に、当該第2表示態様から前記第1表示態様に変更する態様変更演出(第1態様での図柄変化演出)を実行可能であり、
前記第2表示態様での演出図柄の仮停止表示後に、前記特定計測数が前記基準数に達しない前記第1特別遊技が行われる場合には、前記第2表示態様での演出図柄の仮停止表示後に前記態様変更演出が行われ、その後、前記第1事前報知演出が実行されるときがあり、
前記第2表示態様での演出図柄の仮停止表示後に、前記特定計測数が前記基準数以上となる前記第1特別遊技が行われる場合には、前記第2表示態様での演出図柄の仮停止表示後に前記態様変更演出が行われず、その後、前記第2事前報知演出が実行されることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上となる第1特別遊技が行われる場合には、特定計測数が基準数に達しない第1特別遊技が行われる場合とは異なり、第2表示態様で演出図柄が仮停止表示した後、態様変更演出が行われず、第2事前報知演出が実行される。そのため、特定計測数が基準数以上となる第1特別遊技が行われる場合には、第1特別遊技の実行前の第2事前報知演出によって、より確実に、遊技が実行不能になる前に有利な遊技状態になることを遊技者に意識させないことができる。
手段C5に係る発明は、
遊技を制御可能な遊技制御手段と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、
第1遊技状態および第2遊技状態を含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能であり、
遊技者に有利な特別遊技を実行可能であり、
遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、
前記特定計測数が予め定められた基準数以上である場合には、その後、遊技を実行不能に制御し、
前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態であり、
前記特別遊技には、実行後の遊技状態が前記第1遊技状態に設定される第1特別遊技があり、
前記演出実行手段は、
前記特別遊技の実行中、所定の演出内容の特殊演出(昇格演出)を実行可能であり、
前記所定の演出内容には、実行中の前記特別遊技が前記第1特別遊技であることを示唆可能な第1演出内容(成功態様)があり、
前記特定計測数が前記基準数に達しない前記第1特別遊技の実行中に前記特殊演出が行われる場合には、前記第1演出内容の前記特殊演出が行われるときがあり、
前記特定計測数が前記基準数以上となる前記第1特別遊技の実行中に前記特殊演出が行われる場合には、前記第1演出内容の前記特殊演出が行われないことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定計測数が基準数以上となる第1特別遊技が行われている場合には、特定計測数が基準数に達しない第1特別遊技が行われている場合とは異なり、第1演出内容の特殊演出が行われないので、遊技が実行不能になる前に有利な遊技状態になることを遊技者に意識させないことができ、遊技が実行不能になったときの遊技者の残念な気持ちに拍車がかかるのを防止可能である。
手段C6に係る発明は、
手段C5に記載の遊技機であって、
前記特別遊技には、実行後の遊技状態が前記第2遊技状態に設定される第2特別遊技があり、
前記所定の演出内容には、実行中の前記特別遊技が前記第2特別遊技であることを示唆する第2演出内容(失敗態様)があり、
前記第2特別遊技の実行中に前記特殊演出が行われる場合には、前記第2演出内容の前記特殊演出が行われることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2特別遊技が行われる場合には第2演出内容の特殊演出が行われるので、このような第2演出内容の特殊演出の実行によって、第2特別遊技が実行されることを遊技者に意識させることが可能である。
15…第2大入賞口(可変入賞領域)
16…特定領域
100…遊技制御基板(遊技制御手段)
101…遊技制御用マイコン
120…演出制御基板(演出実行手段)
121…演出制御用マイコン
PY1…パチンコ遊技機

Claims (1)

  1. 報知手段と、
    操作手段と、
    遊技を制御可能な遊技制御手段と、
    所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
    前記遊技制御手段は、
    遊技者に付与される賞球数に基づく特定計測数を計測可能であり、
    前記特定計測数が予め定められた基準数以上である場合には、その後、遊技を実行不能に制御し、
    前記演出実行手段は、
    前記報知手段を用いて、前記特定計測数の状況を報知する報知演出を実行可能であり、
    通常遊技の期間よりも遊技者に有利な有利遊技期間の終了に際して、当該有利遊技期間に獲得した賞球数を示唆可能な表示演出を実行可能であり、
    前記特定計測数が前記基準数に達していないとき、且つ、前記表示演出が実行されている実行期間内の所定のタイミングで前記操作手段が操作された場合には、前記報知演出が実行されることを特徴とする遊技機。
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