JP7428525B2 - 荷物の収納庫 - Google Patents

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Description

本発明は、荷物の収納庫に係り、特に、物置を宅配ボックスと兼用するのに好適な荷物の収納庫に関する。
宅配便の再配達を削減するために、宅配ボックスの普及が進んでいる。集合住宅では、シェアー宅配ボックス(特許文献1参照)が多く設置され、駅ではPUDO(プドー(登録商標))等の設置が進んでいる。駅やコンビニエンスストアーでの受け取りは、家まで持ち帰る必要があり、重量物や大型荷物の場合、自動車等の持ち運び手段がないと、持ち帰ることは容易ではない。
一方、家庭用の宅配ボックスも普及しつつあるが、ゴルフバックのような大きい荷物が格納できる宅配ボックスは市場に普及していない。また、受取り時に、宅配ボックスの扉を解錠しておくか、都度、解錠する必要がある。近年では、スマートフォン等の電子機器の普及に伴い、解錠施錠を遠隔操作することができるようになったが、都度、宅配業者と到着時間等の調整が必要となり、煩雑である。
特許文献2では、宅配業者に予備鍵を預けるタイプが提案されているが、鍵(キー)を宅配業者等の第三者に預けること自体がセキュリティー上問題となる。また、郵便受けや金庫等のように、左右に何回か回す回転式数字ロック鍵等を用い、鍵番号を宅配業者に知らせておくことも考えられるが、鍵の番号等が宅配業者から別の第三者に知られてしまうリスクがある。
特許文献3では、外側ドアと内側ドアとを備え、来客対応時には内側ドアのみを格子越しに開放して防犯を図ると共に、両ドアを開放することで一枚ドアと同様に玄関を開放できる防犯用二重ドアが提案されている。この二重ドアは、玄関等に設置され、室外側からキーを用いてドアを施錠解錠するものなので、両ドアを解錠するには宅配業者(第三者)にキーを預ける必要があり、宅配荷物についての根本的な解決にならない。
個人宅では、一般的に、玄関先に宅配ボックスが設置されるが、近年、都市部やその近郊では、隣接する家間、道路との境界に塀がない家が多く存在する。また、狭小地に家を建てるため、建屋内の収納スペースが少なく、建屋外のガレージにスチール物置等を設置する家が増加している。そのため、不特定多数の人が家前のガレージに入ることは容易であり、日常化している。これらの物置や宅配ボックスは常に使用している状態ではないケースもあり、これらの機能が一つの設備で利用することができれば、効率のよい使用ができる。
特開平11-128057号公報 特開平9-276120号公報 特開平9-317347号公報
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、宅配業者等の第三者が荷物を収納庫に入れてキーを用いることなく施錠でき、施錠後は本人のみがキーを用いて収納庫から荷物を取り出すことができ、物置を宅配ボックスと兼用するのに好適な荷物の収納庫を提供することにある。
上記目的を達成すべく創案された発明によれば、荷物が収納される収納庫本体に開閉自在に設けられ庫外側からキーを用いて施錠解錠される第1ロックを備えた第1扉と、収納庫本体に開閉自在に設けられ通常解錠されており荷物が収納庫本体に入れられた後に庫外側からキーを用いることなく施錠されると庫外側からは解錠できず庫内側からのみ解錠可能な第2ロックを備えた第2扉と、を有し、収納庫本体の内部に、物置として使用する第1スペースと宅配ボックス兼物置として使用する第2スペースとを仕切る仕切り板が設けられ、収納庫本体の第1スペースおよび第2スペースを区画する面に第1扉が設けられ、収納庫本体の第2スペースを区画する面に第2扉が配設されており、第2ロックは、第2扉の庫外側に設けられた操作部と、第2扉の庫内側に設けられ操作部の操作に機械的に連動する従動部材と、従動部材に押されて解錠位置から施錠位置まで水平方向に移動するスライダーと、施錠位置に移動したスライダーの先端が係合して第2扉を閉状態にロックすべく収納庫本体の庫内側に設けられたストライクと、スライダーの上面に形成されたロック溝と、第2扉の庫内側に鉛直方向にスライド自在に設けられスライダーが解錠位置のときスライダーの上面の前記ロック溝以外の部分に当接しスライダーが施錠位置に移動されたとき自身の自重に作用する重力によって落下してロック溝に係合するロックキーと、を備えたことを特徴とする荷物の収納庫が提供される。
本発明に係る荷物の収納庫においては、ロックキーの上面に、スライダーが施錠位置に移動されたとき自身の自重に作用する重力によって落下してロック溝に係合したロックキーを庫内側から引き上げてロック溝から離脱させるための引上ロッドが設けられていてもよい。
本発明に係る荷物の収納庫によれば、宅配業者等の第三者が荷物を収納庫本体に入れてキーを用いることなく施錠でき、施錠後はキーを有する本人のみがキーを用いて収納庫本体から荷物を取り出すことができ、物置を宅配ボックスと兼用するのに好適な荷物の収納庫となる。
発明の一実施形態に係る荷物の収納庫の説明図であり、(a)は上記開閉扉を備えた収納庫の正面斜視図、(b)は同収納庫の側面斜視図、(c)は同収納庫の第1扉を取り外し、第2扉を開いた状態の収納庫の正面斜視図である。 第2扉を施錠解錠する第2ロックの説明図であり、(a)は解錠状態の斜視図、(b)はキーを用いることなく庫外側から施錠状態とした斜視図である。 第2ロックの変形例を示す説明図であり、(a)は解錠状態の正面断面図、(b)は施錠状態の正面断面図である。 第2ロックの別の変形例を示す説明図であり、(a)は解錠状態の斜視図、(b)はキーを用いることなく庫外側から施錠状態とした斜視図、(c)は第2ロックを第2扉の板厚方向から見た側面図である。 別の発明の一実施形態に係る荷物の収納庫の説明図であり、第1扉および第2扉が共に開かれた収納庫の斜視図である。 図5に示す収納庫の斜視図であり、(a)は第2扉のみが開かれた荷物を入れる際の斜視図、(b)は第1扉のみが開かれた荷物を取り出す際の斜視図である。 図5に示す収納庫の開閉扉の変形例を示す斜視図である。 更に別の発明の一実施形態に係る荷物の収納庫を示す斜視図である。 図8に示すロックおよび鍵機構を示す説明図であり、(a1)は宅配業者等の第三者が荷物を入れる前の状態を示す斜視図、(b1)は第三者が荷物を入れてキーを用いることなく庫外側から施錠した状態を示す斜視図、(c1)は施錠されたロックを本人がキーを用いて庫外側から無効にした状態を示す斜視図、(a2)(b2)(c2)はそれぞれ(a1)(b1)(c1)を反対側から見た斜視図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。係る実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
発明:荷物の収納庫
図1、図2を用いて発明の一実施形態に係る荷物の収納庫の概要を説明する。図1(a)、図1(b)に示すように、本実施形態に係る荷物収納庫の開閉扉1は、荷物の収納庫本体2に開閉自在に設けられ庫外側からキー3を用いて施錠解錠される第1ロック4を備えた第1扉5と、収納庫本体2に開閉自在に設けられ通常解錠されており荷物が収納庫本体2に入れられた後に庫外側からキーを用いることなく施錠されると庫外側からは解錠できず庫内側からのみ解錠可能な第2ロック6を備えた第2扉7とを有する。本実施形態では、第1扉5はスライドレール8に沿って扉が移動するスライド扉であり、第2扉7はヒンジ9によって扉が回動するヒンジ扉であるが、逆でもよく、双方がスライド扉でもよく、双方がヒンジ扉でもよい。
図1(c)に示すように、収納庫本体2の内部には、物置として使用する第1スペース10と宅配ボックス兼物置として使用する第2スペース11とを仕切る仕切り板12が設けられている。物置として使用する第1スペース10には、仕切り板12と収納庫本体2の側板2aとを掛け渡すようにして、棚板13が設けられている。収納庫本体2の第1スペース10および第2スペース11を区画する面(正面、図1(a)参照)には、庫外側からキー3を用いて施錠解錠される第1ロック4を備えた第1扉5が設けられている。収納庫本体2の第2スペース11を区画する面(側面、図1(b)参照)には、通常解錠されており荷物が収納庫2に入れられた後に庫外側からキーを用いることなく施錠されると庫外側からは解錠できず庫内側からのみ解錠可能な第2ロック6を備えた第2扉7が配設されている。
図2を用いて第2ロック6を説明する。図2(a)は第2扉7が解錠された状態、図2(b)は第2扉7がキーを用いることなく庫外側から施錠された状態を示す。第2ロック6は、第2扉7の庫外側に設けられた操作部(サムターン14)と、サムターン14の回動操作に機械的に連動する従動部材(回転カム15)と、回転カム15に押されて解錠位置から施錠位置まで水平移動するスライダー16と、施錠位置に移動したスライダー16の先端が係合して第2扉7を閉状態にロックすべく収納庫本体2に設けられたストライク17と、スライダー16に形成されたロック溝18と、スライダー18が解錠位置のときスライダー16のロック溝18以外の部分に当接しスライダー18が施錠位置に移動されたときロック溝18に係合するロックキー19と、を備えている。
図2(a)、図2(b)に示すように、サムターン14は、第2扉7に回転自在に支持されたシャフト14aと、シャフト14aの庫外側の端部に設けられたツマミ14bとを有し、シャフト14aの庫内側の端部には、回転カム15が設けられている。回転カム15には、シャフト14aからの距離が短い部分と長い部分とを滑らかに繋ぐように湾曲部15aが形成されている。回転カム15が回転されたとき湾曲部15aが当接するスライダー16の端部には、湾曲部15aが引っ掛かることを防止するため、アール部16aが形成されている。回転カム15に押されて解錠位置から施錠位置まで水平移動するスライダー16は、第2扉7に設けられたガイド20にスライド自在に支持されており、スライド方向が案内されるようになっている。ガイド20は、以降の図面では作図の都合上、省略する。施錠位置に移動されたスライダー16の先端が係合するストライク17は、収納庫2に固定された基板17aと、基板17aに直角に設けられ施錠位置に移動されたスライダー16の先端が挿通される孔17bが形成された孔板17cとを有する。
図2(a)、図2(b)に示すように、スライダー16の上面には、ロック溝18が形成されている。ロック溝18には、ロックキー19が係合離脱される。ロックキー19は、第2扉7に取付けられた角筒状の落下キーガイド21の内部に鉛直方向にスライド自在に収納された角柱からなり、図2(a)に示すように、スライダー16が解錠位置のときスライダー16の上面のロック溝18以外の部分に支持され、図2(b)に示すように、スライダー16が施錠位置に移動されたとき自重により落下してロック溝18に係合する。ロックキー19の自重落下を案内する落下キーガイド21は鉛直に配設されている。落下したロックキー19がロック溝18に係合すると、スライダー16が施錠位置に固定される。ロックキー19の上部には、ロック溝18に係合したロックキー19を引き上げてスライダー16を移動自在とするための引上ロッド19aが設けられている。引上ロッド19aは、第2扉7の庫内側の面に露出しており、庫内側から操作できるようになっている。
(荷物の受入、取出)
図1、図2に示す荷物の収納庫の開閉扉1によれば、宅配業者(第三者)が荷物を収納庫本体2に入れるに先立って、図1(a)に示す第1扉5の第1ロック4を収納庫本体2の持ち主(本人)がキー3で施錠し、図1(b)に示す第2扉7の第2ロック6を本人が解錠しておく。すなわち、図2(a)に示すように、第2ロック6のサムターン14を所定位置に回してスライダー16の先端がストライク17の孔17bから離脱した解錠状態としておく。第2扉7は誰でも開くことができるが、図1(c)に示すように、収納庫本体2の内部が仕切り板12で仕切られているため、開かれた第2扉7からアクセスできるのは宅配ボックスとして使用可能な第2スペース11のみであり、専ら物置として使用する第1スペース10にはアクセスできない。よって、第1スペース10の荷物が盗まれることはない。なお、第2スペース11は空の状態としておくことは勿論である。
宅配業者が荷物を収納庫本体2に入れる場合、宅配業者は、図1(b)に示す第2扉7を図1(c)に示すように開き、荷物を収納庫本体2の第2スペース11に入れる。その後、宅配業者は、第2扉7を図1(b)に示すように閉め、庫外側から第2ロック6のサムターン14を回し、第2ロック6を図2(b)に示す施錠状態とする。サムターン14を図2(a)の状態から図2(b)の状態に回すと、回転カム15によってスライダー16が押され、スライダー16の先端が収納庫本体2に設けられたストライカー17の孔17bに挿入され、第2扉7が施錠状態となる。この施錠状態においては、スライダー16のロック溝18にロックキー19が自重により落下して係合するためスライダー16が施錠位置に保持される。庫外側からサムターン14を逆方向に回しても、回転カム14がスライダー16の端部から離間するのみであり、スライダー16が解錠位置に移動されることはなく、第2扉7を開くことはできない。第2扉7を開くためには、ロックキー19の引上ロッド19aを摘まんでロックキー19をロック溝18から引き上げる必要があるが、第1扉5がキー3によって施錠されているので、第三者が庫外側から引上ロッド19aにアクセスすることはできない。よって、第2スペース11の荷物が盗まれることはない。
本人が第2スペース11の荷物を取り出すときには、図1(a)に示す第1扉5の第1ロック4を本人がキー3を用いて解錠し、第1扉5を開く。第1扉5を開くと、図1(c)に示すように、第1スペース10のみならず第2スペース11も開放されるため、第2スペース11に入れられた荷物を取り出すことができる。その後、図2(b)に示すように、スライダー16のロック溝18に係合しているロックキー19の引上ロッド19aを本人が第2スペース11を通じて庫内側から摘まみ、ロックキー19をロック溝18から上方に引き抜き、施錠位置となっているスライダー16を図2(a)に示す解錠位置に戻し、サムターン14を逆方向に回して元の回転位置に戻す。これにより、第2扉7が最初の状態(解錠状態)にリセットされ、第2スペース11を再び宅配ボックスとして使用できる。また、図1(c)に示す第2扉7を閉じて第2ロック6を図2(b)に示す施錠状態としておけば、第2スペース11を、専ら第1扉5を開閉してアクセスする通常の物置として使用することもできる。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施形態に係る荷物の収納庫によれば、宅配業者等の第三者が荷物を収納庫本体2に入れてキーを用いることなく施錠でき、施錠後はキー3を有する本人のみがキー3を用いて収納庫本体2から荷物を取り出すことができ、物置を宅配ボックスと兼用するのに好適な荷物収納庫の開閉扉1となる。すなわち、キー3を宅配業者等の第三者に渡す必要がないので、セキュリティー上、安全であり、キー3を用いた通常の物置としても使用できるので、物置を宅配ボックスと兼用するのに好適な荷物収納庫の開閉扉となる。
現在市販されている家庭用の宅配ボックスには、ゴルフバッグや保冷品を保管できる広いスペースを有するものは見当たらない。本実施形態に係る荷物収納庫の開閉扉1を利用すれば、市販の物置を改造することで、ゴルフバッグ等を保管できる広いスペースを有する宅配ボックス兼物置として機能する荷物収納庫を、容易に低コストで製作することができる。市販の物置は、通常、図1(a)に示す第1扉5および第1ロック4を備えているので、図1(b)に示す第2扉7および第2ロック6を追加する改造を行えばよい。
物置と宅配ボックスとが一体化されているため、昨今の住宅状況下でもガレージ等に設置することができる。狭小地に設置される扉がヒンジで回動するタイプの物置、一般的な扉がスライドするタイプの物置のどちらにも本実施形態を適用でき、用途が広い。自宅に宅配ボックスの機能を有する荷物収納庫が設置されることで、駅等に設置されたPUDO(登録商標)やコンビニエンスストアーから荷物を持って帰る必要がなくなる。
電子デバイスを用いたキーではないため、施錠解錠時に宅配業者と連絡を取り合う必要がない。荷物の受領印は、図1(c)に示す収納庫本体2の第2スペース11に印鑑(認め印)を入れておけば、宅配業者に使用してもらうことができる。機械的機構を用いて施錠解錠しているので電源が不要であり、荷物収納庫の設置場所が電源の有る場所に限定されず、電子部品が無いため製造コストが安く、電気代が不要なためランニングコストは零である。
また、図1(c)に示す第2扉7に開閉される収納庫2の第2スペース11に、万が一、人(子供等)が閉じ込められたとしても、図2(b)に示す引上ロッド19aを摘まんで引き上げることで、第2扉7の第2ロック6を庫内側から手動で解錠して脱出できるので、安全性が高い。
(第2ロック6の変形例)
図3に第2ロック6の変形例を示す。図3(a)は解錠状態、図3(b)は施錠状態を示す。この変形例に係る第2ロック6aは、図2(a)および図2(b)を用いて説明した最初の実施形態の第2ロック6と基本的な構成は同様であり、ロックキー19をバネ22の力でロック溝18に係合する方向(下方)に付勢するようにした点のみが相違する。バネ22は、角筒状の落下キーガイド21内に収容されており、バネ22の上端が落下キーガイド21の上部開口に設けられた蓋板21aの下面に接し、バネ22の下端がロックキー19の頂面19aに接し、図3(a)に示すようにロックキー19の下端が解錠位置のスライダー16の上面に接しているとき、圧縮された状態となっている。
この構成によれば、回転カム15が回動されてスライダー16が図3(a)に示す解錠位置から図3(b)に示す施錠位置に水平移動されたとき、ロックキー19が自重に加えてバネ22の力によって下方に付勢され、スライダー16のロック溝18に係合する。バネ22の力によってロックキー19が下方に移動されるため、確実に施錠状態とすることができる。
(第2ロック6の別の変形例)
図4に第2ロック6の別の変形例を示す。図4(a)は解錠状態、図4(b)は施錠状態、図4(c)は第2ロック6bを第2扉7の板厚方向から見た図である。この別の変形例に係る第2ロック6bは、図2(a)および図2(b)を用いて説明した最初の実施形態の第2ロック6の回転カム15の代わりに、サムターン14の回転に連動してデッドバー23がスライドするタイプの市販のボックスセット24を用いたものであり、その他は最初の実施形態の第2ロック6と同様の構成となっている。
図4(a)、図4(b)、図4(c)に示すように、このボックスセット24においては、庫外側に設けられたサムターン14(操作部)を回転させると、それに機械的に連動してデッドバー23(従動部材)がボックスセット24の端面から水平方向に出没する。デッドバー23には、スライダー16が溶接等によって取付けられている。この別の変形例に係る第2ロック6bの作用・効果は、図2(a)、図2(b)に示す最初の実施形態の第2ロックと同様であるため、説明を省略する。
の発明:荷物の収納庫
図5、図6(a)、図6(b)を用いての発明の一実施形態に係る荷物の収納庫の概要を説明する。図5に示すように、この実施形態に係る荷物収納庫の開閉扉1aは、荷物の収納庫本体2に開閉自在に設けられ庫外側からキー3を用いて施錠解錠される第1ロック4を備えた第1扉5と、第1扉5に開閉自在に設けられ通常解錠されており荷物が収納庫本体2に入れられた後に庫外側からキーを用いることなく施錠されると庫外側からは解錠できず庫内側からのみ解錠可能な第2ロック6を備えた第2扉7とを有する。第1扉5は収納庫本体2に取付けられたヒンジ5aによって回動するヒンジ扉であり、第2扉7は第1扉5に取付けられたヒンジ7aによって回動するヒンジ扉である。
図5に示すように、収納庫本体2の内部には、物置として使用する奥側スペース25と宅配ボックス兼物置として使用する手前側スペース26とを仕切る内部扉27が設けられている。内部扉27は、手前側スペース26からキー3を用いて施錠解錠されるロック(図示せず)を備えたヒンジ扉からなる。収納庫本体2の手前側スペース26を区画する面には、庫外側からキー3を用いて施錠解錠される第1ロック4を備えた第1扉5が設けられている。第1扉5のキー3と内部扉27のキー3とは、共用しても共用しなくてもよい。第1扉5は、上方から見て略長方形の収納庫2の短手側の面に設けられており、内部扉27は、収納庫2の奥行きが深い長手方向を前後に仕切るように設けられている。第1扉5には、通常解錠されており荷物が収納庫本体2に入れられた後に庫外側からキーを用いることなく施錠されると庫外側からは解錠できず庫内側からのみ解錠可能な第2ロック6を備えた第2扉7が配設されている。
(第2ロック6)
図5~図6に示す実施形態の第2ロック6の構成は、基本的には、図1~図4を用いて説明した最初の実施形態の第2ロック6と同様であり、図2(a)、図2(b)に示すストライク17が収納庫本体2ではなく第1扉5に設けられている点がのみが相違する。すなわち、図2(a)、図2(b)を参照すると、図5に示す第2ロック6は、第2扉7の庫外側に設けられた操作部(サムターン14)と、サムターン14の回動操作に機械的に連動する従動部材(回転カム15)と、回転カム15に押されて解錠位置から施錠位置まで水平移動するスライダー16と、施錠位置に移動したスライダー16の先端が係合して第2扉7を閉状態にロックすべく第1扉5に設けられたストライク17と、スライダー16に形成されたロック溝18と、スライダー16が解錠位置のときスライダー16のロック溝18以外の部分に当接しスライダー16が施錠位置に移動されたときロック溝18に係合するロックキー19と、を備えている。なお、図5~図6に示す実施形態の第2ロック6について、図3の変形例、図4の変形例を適用できることは勿論である。
図5~図6に示す荷物収納庫の開閉扉1aによれば、宅配業者(第三者)が荷物を収納庫2に入れるに先立って、収納庫本体2の持ち主(本人)が、内部扉27を手前側スペース26からキー3で施錠し、第1扉5の第1ロック4をキー3で施錠し、第2扉7の第2ロック6を解錠しておく。すなわち、第2ロック6のサムターン14を所定位置に回して、図2(a)に示すように、スライダー16の先端がストライク17の孔17bから離脱した解錠状態としておく。第2扉7は、図6(a)に示すように、誰でも開くことができるが、収納庫本体2の内部が施錠された内部扉27で仕切られているため、開かれた第2扉7からアクセスできるのは宅配ボックスとして使用可能な手前側スペース26のみであり、専ら物置として使用する奥側スペース25にはアクセスできない。よって、奥側スペース25の荷物が盗まれることはない。なお、手前側スペース26は空の状態としておくことは勿論である。
宅配業者が荷物を収納庫に入れる場合、宅配業者は、図6(a)に示すように、第2扉7を開き、荷物を収納庫本体2の手前側スペース26に入れる。その後、宅配業者は、第2扉7を閉め、庫外側から第2ロック6のサムターン14を回し、第2ロックを図2(b)に示す施錠状態とする。サムターン14を図2(a)の状態から図2(b)の状態に回すと、回転カム15によってスライダー16が押され、スライダー16の先端が第1扉5に設けられたストライカー17の孔17bに挿入され、第2扉7が施錠状態となる。この施錠状態においては、スライダー16のロック溝18にロックキー19が落下して係合するためスライダー16が施錠位置に保持される。庫外側からサムターン14を逆方向に回しても、回転カム15がスライダー16の端部から離間するのみであり、スライダー16が解錠位置に移動されることはなく、第2扉7を開くことはできない。第2扉7を開くためには、引上ロッド19aを摘まんでロックキー19をロック溝18から引き上げる必要があるが、第1扉5がキー3によって施錠されているので、第三者が庫外側から引上ロッド19aにアクセスすることはできない。よって、手前側スペース26の荷物が盗まれることはない。
本人が手前側スペース26の荷物を取り出すときには、図6(b)に示すように、第1扉5の第1ロック4を本人がキー3(図5参照)を用いて解錠し、第1扉5を開く。第1扉5を開くと、手前側スペース26が開放されるため、手前側スペース26に入れられた荷物を取り出すことができる。その後、図2(b)に示すように、スライダー16のロック溝18に係合しているロックキー19の引上ロッド19aを本人が第2扉7の裏面側から摘まみ、ロックキー19をロック溝18から上方に引き抜き、施錠位置となっているスライダー16を図2(a)に示す解錠位置に戻し、サムターン14を逆方向に回して元の回転位置に戻す。これにより、第2扉7が最初の状態(解錠状態)にリセットされ、手前側スペース26を再び宅配ボックスとして使用できる。また、図6(b)に示すように、第2扉7を閉じて第2ロック6を図2(b)に示す施錠状態とし、第2扉7を第1扉5と一体としておけば、手前側スペース26を、専ら第1扉5を開閉してアクセスする通常の物置として使用することもできる。
(作用・効果)
図5~図6に示す実施形態の作用・効果は、基本的に、図1~図4に示す最初の実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、図6(a)に示す第1扉5には、庫外側にはノブが設けられているが、庫内側にはサムターン(玄関ドアノブ等の室内側に設けられているサムターン)が設けられていないため、第2扉7を開いても、施錠されている第1扉5を庫内側から解錠することはできず、セキュリティーが保たれる。
(第2扉の変形例)
図7に第2扉7の変形例を示す。この変形例においては、基本的な構成は図5~図6に示す実施形態と同様であり、第2扉7が第1扉5に上下に2個設けられ、手前側スペース26が取り外し可能な仕切り棚(荷物棚28)によって上下に仕切られている点が、図5~図6に示す実施形態と相違する。この構成によれば、本人の外出中に宅配便が2回来ても、上下二枚の第2扉7によって両方の宅配荷物に対応できる。
更に別の発明:荷物の収納庫
図8を用いて更に別の発明の一実施形態に係る荷物の収納庫の概要を説明する。図8に示すように、この実施形態に係る荷物収納庫の開閉扉1bは、収納庫本体2に開閉自在に設けられ通常解錠されており荷物が収納庫本体2に入れられた後に庫外側からキーを用いることなく施錠されると庫外側からは解錠できず庫内側からのみ解錠可能なロック6xを備えた扉7xと、収納庫本体2に設けられ施錠された扉7xの施錠を庫外側からキー3xを用いて無効にする鍵機構4xとを有する。扉7xは収納庫本体2に取付けられたヒンジ7aによって回動するヒンジ扉である。なお、扉7xはスライド扉でもよい。
図9(a1)、図9(b1)、図9(c1)に示すように、ロック6xは、扉7xの庫外側に設けられた操作部(サムターン14x(ドアノブでもよい))と、サムターン14xの操作に機械的に連動して扉に取付けられたボックスセット24xの端面から出没する従動部材(出没バー23x)と、出没バー23xに押されて解錠位置から施錠位置まで移動するスライダー16xと、施錠位置に移動したスライダー16xの先端が係合して扉7xを閉状態にロックすべく収納庫2に設けられたデッドバー29と、スライダー16xに形成されたロック溝18xと、スライダー16xが解錠位置のときスライダー16xのロック溝18x以外の部分に当接しスライダー16xが施錠位置に移動されたときロック溝18xに係合するロックキー19xと、を備えている。スライダー16xは、出没バー23xの端面に溶接等によって取付けられている。なお、図8~図9に示す実施形態のロック6xについて、図2の構成、図3の構成を適用できることは勿論である。
図9(a1)、図9(b1)、図9(c1)に示すように、鍵機構4xは、収納庫本体2の庫外側に設けられキー3xを用いて回動操作されるキー操作部30と、キー操作部30の回動操作に機械的に連動してデッドバー29をスライダー16xと係合する施錠位置(図9(b1))とスライダー16xから離脱する解錠位置(図9(c1))とに移動させるカム機構(図示せず)を有している。キー操作部30には、キー3xが差し込まれるキー孔が設けられており、キー孔にキー3xを差し込んで回転させることで、公知の機械的なカム機構によって、デッドバー29がスライダー16xと係合する施錠位置(図9(b1))とスライダー16xから離脱する解錠位置(図9(c1))とに移動する。扉7xは、収納庫本体2の庫外側(手前)にのみ開き、図示しない戸当りによって収納庫本体2の庫内側(奥側)には開かない構造となっている。図9(c1)に示す施錠位置のデッドバー29は、扉が庫外側に開くことを防止して、扉7xを施錠状態とする。
(荷物の受入、取出)
図8に示す荷物収納庫の開閉扉1bによれば、宅配業者(第三者)が荷物を収納庫本体2に入れるに先立って、収納庫本体2の持ち主(本人)が、扉7xのサムターン14xを操作して図9(a1)に示すように扉7xのスライダー16xを解除位置に移動させ、キー3xをキー操作部30に差し入れて回動させて図9(a1)に示すように収納庫本体2のデッドバー29を施錠位置(突出位置)に移動させておく。収納庫本体2のデッドバー29が施錠位置に突出しているものの、扉7xのスライダー16xが解除位置となっているため、スライダー16xがデッドバー29と係合することはなく、扉7xは自由に開く状態となっている。
宅配業者が荷物を収納庫本体2に入れる場合、宅配業者は、図8に示す扉7xを開き、荷物を収納庫本体2に入れる。その後、宅配業者は、扉7xを閉め、庫外側からサムターン14xを回し、スライダー16xを図9(b1)に示す施錠位置に移動させる。これにより、スライダー16xの先端が施錠位置のデッドバー29と係合する位置となり、扉7xが施錠状態となる。この施錠状態において、スライダー16xのロック溝18xにロックキー19xが落下して係合し、スライダー16xが施錠位置に保持され、サムターン14xが回転不能となる。よって、収納庫本体2の荷物が盗まれることはない。
本人が収納庫本体2の荷物を取り出すときには、図9(c1)に示すように、本人がキー3xをキー操作部30に差し入れて回動させ、デッドバー29を解錠位置(没入位置)に移動させる。これにより、デッドバー29のスライダー16xとの係合が解除され、扉7xのロック(施錠)が庫外側から無効にされる。よって、扉7xを開くことができ、収納庫本体2内の荷物を取り出すことができる。その後、スライダー16xのロック溝18xに係合しているロックキー19xの引上ロッド19aを本人が扉7xの裏面側から摘まみ、ロックキー19xをロック溝18xから上方に引き抜き、施錠位置となっているスライダー16xを図9(a1)に示す解錠位置に戻し、サムターン14xを逆方向に回して元の回転位置に戻す。これにより、扉7xが最初の状態(解錠状態)にリセットされる。また、図9(b1)に示すように、スライダー16xを施錠位置に移動させた状態としておき、図9(c1)に示すように、キー操作部30をキー3xで操作してデッドバー29を出没させるようにすれば、収納庫本体2を通常のキー付きの物置として使用することもできる。
(作用・効果)
図8~図9に示す実施形態の作用・効果は、基本的に、図1~図4に示す最初の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例または修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
本発明は、宅配業者等の荷物を収納するのに好適であり、物置を宅配ボックスと兼用可能な荷物の収納庫に利用できる。
1 荷物収納庫の開閉扉
2 収納庫本体
3 キー
4 第1ロック
5 第1扉
6 第2ロック
7 第2扉
10 第1スペース
11 第2スペース
12 仕切り板
14 操作部(サムターン)
15 従動部材(回転カム)
16 スライダー
17 ストライク
18 ロック溝
19 ロックキー
25 奥側スペース
26 手前側スペース
27 内部扉
3x キー
4x 鍵機構
6x ロック
7x 扉
14x 操作部(サムターン)
18x ロック溝
19x ロックキー
23x 従動部材(出没バー)
29 デッドバー
30 キー操作部

Claims (2)

  1. 荷物が収納される収納庫本体に開閉自在に設けられ庫外側からキーを用いて施錠解錠される第1ロックを備えた第1扉と、前記収納庫本体に開閉自在に設けられ通常解錠されており荷物が前記収納庫本体に入れられた後に庫外側からキーを用いることなく施錠されると庫外側からは解錠できず庫内側からのみ解錠可能な第2ロックを備えた第2扉と、を有し、
    前記収納庫本体の内部に、物置として使用する第1スペースと宅配ボックス兼物置として使用する第2スペースとを仕切る仕切り板が設けられ、前記収納庫本体の前記第1スペースおよび前記第2スペースを区画する面に前記第1扉が設けられ、前記収納庫本体の前記第2スペースを区画する面に前記第2扉が配設されており、
    前記第2ロックは、前記第2扉の庫外側に設けられた操作部と、前記第2扉の庫内側に設けられ前記操作部の操作に機械的に連動する従動部材と、該従動部材に押されて解錠位置から施錠位置まで水平方向に移動するスライダーと、施錠位置に移動した前記スライダーの先端が係合して前記第2扉を閉状態にロックすべく前記収納庫本体の庫内側に設けられたストライクと、前記スライダーの上面に形成されたロック溝と、前記第2扉の庫内側に鉛直方向にスライド自在に設けられ前記スライダーが解錠位置のとき前記スライダーの上面の前記ロック溝以外の部分に当接し前記スライダーが施錠位置に移動されたとき自身の自重に作用する重力によって落下して前記ロック溝に係合するロックキーと、を備えたことを特徴とする荷物の収納庫
  2. 前記ロックキーの上面に、前記スライダーが施錠位置に移動されたとき自身の自重に作用する重力によって落下して前記ロック溝に係合した前記ロックキーを庫内側から引き上げて前記ロック溝から離脱させるための引上ロッドが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の荷物の収納庫
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