JP7428373B2 - 衣類 - Google Patents

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Description

本開示は、上肢または下肢の少なくとも一部を覆う衣類に関し、特に、就寝時に着用される、快眠を促すための衣類に関する。
昨今、健康志向が深まるなか、睡眠の重要性が高まっている。睡眠は、心身の疲労回復をもたらすとともに、免疫機能を強化すると言われており、健康を維持するために重要な役割を果たす。そこで、快眠を促すための衣料が求められている。
いわゆる熟睡に至るためには、まず早期に眠りにつくことが重要である。早期に眠りにつくためには、冷え等の阻害要因をいち早く解消し、自律神経を交感神経から副交感神経に切り替え、早期に身体をリラックス状態にする必要がある。
睡眠状態に近づくと、人体は、深部体温を下げるために、AVA(動静脈吻合:Arteriovenous Anastomoses)血管が拡張し、血流が促進される仕組みになっている。AVA血管は、動脈と静脈とを繋ぐ血管であり、手、足、顔にのみ局在している。AVA血管が拡張すると、動脈血が一気に流れて皮膚温が上昇し、末梢部位からの熱放散量が急激に増加することで、深部体温が急激に低下する。この結果、睡眠がはじまる。
特許第5524587号公報 特開2005-68588号公報
このように、AVA血管が拡張すると、AVA血管の収縮時には血流が滞り易かった手足の指先が温められ、熱放出が始まる。しかしながら、手足の爪先等から熱が放出され難いと、深部体温が下がらず、やがて過剰な温かさで逆に寝苦しさを感じるようになる。よって、爪先部またはその近傍から過剰な熱を放出しなければ、寝苦しさで睡眠から覚めることになる。なお、本開示では、手または足の先端部の指がある部分を、爪先と称し、衣類における、「手または足の先端部の指がある部分に対応する部分」を「爪先部」と称する。
このため、快眠を促すためには、皮下脂肪および筋肉が相対的に少なく冷え易い部位を温めることで冷えを解消し、早期の睡眠導入を促すと同時に、爪先部またはその近傍から熱を放出することを促進することが重要となる。
特許文献1には、就寝時に着用する衣類として、静脈環流を促進して脚のむくみの除去あるいは低減を行うとともに爪先部の蒸れを生じさせないように、爪先部が無く、踵から膝上方位置までのレッグ部からなるレッグウェアが開示されている。
また、特許文献2には、就寝時に着用する衣類として、複数枚の布地を、足部の立体形状に合わせて裁断、縫合するとともに、足先に開口部を設けることで、踵のホールド性が高く、足部の保温性が良好で、かつ、通気性を改善した靴下が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のレッグウェアは、脚のむくみの除去を目的としたものであり、爪先部が開放されていることから、爪先部を温めることができず、冷えの早期解消による早期の睡眠導入を促すことはできない。
また、特許文献2に記載の靴下は、脹ら脛と足首との間に靴下の上端が位置するクルー丈を有している。しかしながら、足先が冷えている場合、足先だけを温めても、冷たい血液が循環してくることから、冷えの早期解消には、不十分である。
また、特許文献2には、足部の保温性を高めるために、上記布地に、発熱性を有する繊維を用いて製造された布地を用いることが開示されている。
しかしながら、靴下全体に、発熱性の高さを考慮しないまま発熱性を有する繊維を用いると、却って保温が過剰となるおそれが生じる。このため、快適な睡眠を得ることができなくなるおそれがある。
本開示の一態様は、上記問題点に鑑みなされたものであり、温まり難い末梢部位、並びに、皮下脂肪および筋肉が相対的に少ない箇所を温めることで冷えを解消するとともに、爪先部を開放し、熱を放出することができる衣類を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る衣類は、下肢および上肢の少なくとも一方の少なくとも一部を覆う衣類であって、他の部分よりも保温性が高い複数の保温部を有し、上記複数の保温部は、膝部および踵部並びに下肢の爪先部と、手首部および肘部並びに上肢の爪先部と、のうち少なくとも一方を含み、上記複数の保温部のうち上記爪先部または該爪先部に隣接する部分に、他の部分よりも通気性が高い放熱部が設けられている。
本開示の一態様によれば、温まり難い末梢部位、並びに、皮下脂肪および筋肉が相対的に少ない箇所を温めることで冷えを解消するとともに、爪先部またはその近傍から熱を放出することができる衣類を提供することができる。
実施形態1に係る靴下の外観を示す図である。 図1に示す靴下の編地の展開図である。 実施形態2に係る靴下の外観を示す図である。 図3に示す靴下の要部の斜視図である。 図3および図4に示す靴下の編地の展開図である。 実施形態2の変形例に係る靴下の外観を示す図である。 実施形態3に係るアームカバーの外観を示す図である。 図7に示すアームカバーの編地の展開図である。 実施形態4に係るアームカバーの要部の外観を示す図である。 図9に示すアームカバーの編地の展開図である。 実施形態4の変形例1に係るアームカバーの要部の外観を示す図である。 図11に示すアームカバーの編地の展開図である。
〔実施形態1〕
本開示の一実施形態について、図1~図6を参照して以下に説明する。なお、以下では、本実施形態に係る衣類が靴下(レッグウェア)である場合を例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態に係る靴下10の外観を示す図である。
図1に示す靴下10は、下肢における爪先から太腿の一部に至るサイハイ丈を有する靴下である。なお、太腿の一部とは、具体的には、太腿上半(つまり、骨盤と膝との間の部分の上半分の部分)を示す。靴下10は、膝上部1、膝部2、脛部3、踵部4、フート部5、爪先部6を有している。また、フート部5の一部には、他の部分よりも通気性が高い放熱部51が設けられている。
膝上部1には、下肢を靴下10に挿入するための開口部である履口12が設けられた履口部11が設けられている。履口12は、靴下10の上端に設けられている。
一方、爪先部6は、靴下10の下端に設けられている。爪先部6は、足の爪先全体を包み込むように袋状に形成されている。放熱部51は、フート部5のうち爪先部6に隣接する部分に設けられている。放熱部51は、例えば、メッシュ状に形成されたメッシュ部であることが望ましく、放熱部51が編物である場合、例えば鹿の子編(メッシュ編)で編成されていることが望ましい。放熱部51が例えばメッシュ状となるように該放熱部51を鹿の子編で編成することで、通気性を高めることができ、爪先部6およびその近傍の熱を、放熱部51から効果的に外部へ放熱することができる。但し、放熱部51は、他の部分よりも通気性を向上させることができれば、どのような構造であってもよい。本実施形態においては放熱部51に鹿の子編を用いたが、例えば編目の大きさを大きくしたり、編成糸の太さを細くしたりすることで放熱部51の通気性を高めることができる。また、フート部5における、爪先部6に隣接する部分に、メッシュ状の素材を縫い合わせてもよい。また、放熱部51は、足甲部および足底部を含み、周状(リング状)に設置することが望ましい。図1に示す例では、放熱部51が、フート部5を爪先部6に沿って一周するように、周状に設けられている場合を例に挙げて図示している。放熱部51をこのように構成することで効果的に放熱することができる。放熱部51の面積はフート部5の領域内であれば特に限定されるものではない。しかしながら、放熱部51の面積が広いほど放熱効果は高まる一方、冷えが生じやすい。このため、放熱部51は、フート部5のうち、爪先部6側の1/3~1/2を占める領域に設けることが望ましい。
また、フート部5および爪先部6は、靴下10を着用して踵部4を踵に合わせたときに爪先部6が爪先を覆う長さに設定されている。したがって、爪先部6は、足の第3関節(つまり、爪先の第3関節)の上面および下面を被覆している。
なお、本開示で言う足(爪先)の第3関節とは、中足趾関節もしくはMP関節と呼ばれ、中足骨の爪先側の端と趾骨の踵側の端とを繋ぐように形成する関節を指す。また、第3関節の上面とは第3関節の甲側に対応する皮膚面を指し、第3関節の下面とは第3関節の足底側に対応する皮膚面を指す。
膝部2、踵部4、爪先部6は、他の部分よりも保温性が高い保温部である。このように、靴下10は、他の部分よりも保温性が高い複数の保温部を有している。
早期に眠りにつくためには、冷え等の阻害要因をいち早く解消する必要がある。このとき、一番冷えを感じるのは爪先であり、爪先をなるべく速く温めることが重要である。
しかしながら、このように例えば足の末端が冷えている場合、爪先部6のように足先だけを温めても、冷たい血液が循環してくることから、冷えの早期解消には、不十分である。冷えの早期解消には、足先だけでなく、体の中心から足先に至るまでの部分で、特に冷え易いとされる皮下脂肪および筋肉が相対的に少ない部分(具体的には、膝、踵)を温めることが有効である。これにより、体の中心から来る血液を温かいまま足先まで運ぶことができる。また、脚を覆う面積が大きいほど温かさを感じる。しかしながら、その一方で、膝、踵、爪先以外の脚の部分は、膝、踵、爪先よりも皮下脂肪や筋肉で覆われており、冷え難い。
このため、膝、踵、爪先以外の部分は、膝、踵、爪先ほどの保温性は必要ではない。また、靴下10における下肢との接触部分全体を、高い発熱性を有する繊維を高い含有率で使用する等して、下肢全体を温めると、却って保温が過剰となる。このため、快適な睡眠のためには、下肢を部分的に温めることで、過剰に保温しないことが重要である。なお、下肢を部分的に温めるとは、具体的には、温まり難い末梢部位、並びに、皮下脂肪および筋肉が相対的に少ない箇所のみを温めることを示す。言い換えれば、快適な睡眠のためには、膝、踵、爪先を含む部分を、適所適温に温めることが重要である。
上記靴下10は、このような睡眠のメカニズムを踏まえ、温まり難い末梢部位、並びに、冷え易いとされる皮下脂肪および筋肉が相対的に少ない箇所(下肢では、膝、踵、爪先に相当)を重点的に温めることで、冷えを解消し、早期の睡眠導入を促す。その一方で、上記靴下10は、爪先部6近傍から熱を放出することで、快眠を促すことができる。
なお、膝部2は、少なくとも膝蓋骨に対応する領域を被覆することが望ましい。また、踵部4は、爪先とは反対側の踵骨端部近傍を被覆することが望ましく、踵骨上端から繋がるアキレス腱下端近傍を被覆することがさらに望ましい。これにより、特に冷えを軽減することができる。なお、本実施形態において、膝上部1は、膝関節よりも上側の領域を被覆する部分を示す。脛部3は、膝関節と足首の関節との間の領域を被覆する部分を示す。フート部5は、足首の関節よりも下側の領域を覆う部分で、かつ、踵部4と爪先部6とを除く部分を示す。
靴下10の生地は、編物(ニット)であっても織物であってもよい。但し、フィット感を与えるとともに、過剰な締め付け感がなく、リラックスを阻害しないように、靴下10の生地は、少なくとも通常の睡眠時に生じる動きにに、履く人のストレス無く追随する程度に全体が伸縮性を有していることが望ましい。このため、靴下10は、編目のループにより適度な伸縮性とフィット感を得やすいことから、編物であることが望ましい。
上記保温部は、他の部分よりも保温性が高ければ、どのような素材で構成されていてもよく、また、どのような構造を有していてもよい。しかしながら、上記保温部は、それぞれ、保温性を有する編成糸で編成されていることが望ましい。保温性を有する編成糸としては、例えば、吸湿発熱性を有する繊維を含む編成糸、断熱性を有する編成糸、遠赤外線による保温性を有する繊維を含む編成糸、温感性を有する温感加工糸等が挙げられる。吸湿発熱性を有する繊維としては、例えば、アクリレート系繊維、ウール、レーヨン等が挙げられる。断熱性を有する編成糸としては、例えば、中空糸、バルキー糸等が挙げられる。遠赤外線による保温性を有する編成糸としては、例えば、遠赤セラミック練りこみ繊維を含む編成糸等が挙げられる。温感加工糸としては、例えば、カプサイシンの成分を繊維に付着させた編成糸等が挙げられる。つまり、ここで言う保温性とは、上記の通り、発熱、断熱、温感のうち何れかを生じさせる物性または構造を含むが、これに限らず、被覆部位の冷えを防ぎ、温かさを保つことができる性能全般を指す。
また、上記保温部(膝部2、踵部4、爪先部6)は、各保温部を編成する編成糸に含まれる素材の保温値Wの合計値が、それぞれ、12.5~50.0の範囲内であることが望ましく、25.0~50.0の範囲内であることがより望ましい。上記保温値Wは、各保温部を編成する編成糸に含まれる素材の公定水分率と、該編成糸に含まれる素材の含有率が100重量%である場合の該素材の含有割合を1.0としたときの該編成糸に含まれている素材の含有割合と、を乗じて求められる数値を示す。
つまり、上記保温値Wは、上記素材の保温性能を示し、保温値W=A×Bで定義される。上記式中、Aは、各保温部を編成する編成糸に含まれる素材の公定水分率(%)であり、Bは、上記編成糸に対する上記素材の含有率が100%である場合の該素材の含有割合を1.0としたときの、該編成糸に含まれている素材の含有割合を示す。
上記素材が吸湿発熱性繊維である場合、Aは、吸湿発熱性繊維の公定水分率(%)を示す。Bは、上記編成糸に対する吸湿発熱繊維の含有率が100重量%である場合の該吸湿発熱繊維の含有割合を1.0としたときの、該編成糸に含まれている吸湿発熱繊維の含有割合を示す。
以下に、例えば、上記保温部の何れかを編成する編成糸が、アクリレート系繊維とポリエステルとの混紡糸である場合を例に挙げて具体的に説明する。吸湿発熱繊維であるアクリレート系繊維の公定水分率が50%であり、上記編成糸における上記アクリレート系繊維の含有率が50重量%(含有割合0.5)であるとき、上記保温部におけるアクリレート系繊維の保温値Wは25となる。また、上記ポリエステルの公定水分率が0.4%であり、上記編成糸におけるポリエステルの含有率が50重量%(含有割合0.5)であるとき、上記保温部における上記ポリエステルの保温値Wは0.2となる。したがって、この場合、上記保温部を編成する編成糸に含まれる各素材の保温値Wの合計値(各素材の保温値Wの和)は、25+0.2=25.2となる。
上記保温部を、上記保温値Wの合計値が50.0を超える編成糸で編成した場合、過剰な熱により快眠を阻害するおそれが高くなる。また、そのような編成糸で編成した保温部が設けられた靴下10を長時間着用した場合、皮膚へのダメージ(乾燥や低温火傷)の懸念が高くなる。このため、上記保温値Wの合計値は、上述した範囲内とすることが望ましい。
また、靴下10における保温部以外の部分(膝上部1、脛部3、フート部5)を編成する編成糸に含まれる素材の保温値Wの合計値は、上記保温部以外の部分での過剰な保温を避けるため、12.5未満であることが好ましい。
例えば、上記保温部以外の部分を編成する編成糸が、レーヨンと絹との混紡糸である場合を例に挙げて説明する。レーヨンの公定水分率が11%、上記編成糸におけるレーヨンの含有率が50%(含有割合0.5)であるとき、上記保温部以外の部分におけるレーヨンの保温値Wは5.5となる。また、絹の公定水分率が11%、上記編成糸における絹の含有率が50重量%(含有割合0.5)であるとき、上記保温部以外の部分における絹の保温値Wも5.5となる。したがって、この場合、上記保温部以外の部分を編成する編成糸に含まれる各素材の保温値Wの合計値(各素材の保温値Wの和)は、5.5+5.5=11.0となる。
上記編成糸に含まれる素材の公定水分率Aと、上記編成糸に含まれる素材の含有割合との組み合わせによる保温値Wの一覧を、表1に示す。
Figure 0007428373000001
また、上記保温部と、上記保温部以外の部分とにおける具体的な素材の組み合わせの一例を、表2に示す。但し、表2は、あくまでも、具体的な素材の組み合わせの一例であり、表2に示す組み合わせに限定されない。
Figure 0007428373000002
上述したように、上記保温部を編成する編成糸としては、保温性を有する編成糸であれば、特に限定されるものではない。しかしながら、上記保温部を効率よく温め、早期の冷え解消を図る上で、上記編成糸としては、吸湿発熱性を有するアクリレート系繊維を含む編成糸が好適に用いられる。上記編成糸の番手(太さ)は、編機の針数やゲージに合わせて一般的な適合番手を中心に適宜選択可能である。
本実施形態で用いられる、吸湿発熱性を有するアクリレート系繊維としては、上記保温部を効率よく温める上で、公定水分率が35%以上のアクリレート系繊維が望ましく、公定水分率が50%以上のアクリレート系繊維がより望ましい。なお、上記複数の保温部は、それぞれ、上述したアクリレート系繊維を含む編成糸で編成されていることが望ましい。
また、部分的な保温性能のムラを抑制し、編成糸内の保温性能を均一化するために、上記編成糸におけるアクリレート系繊維の含有率は、25%以上であることが好ましい。また、各保温部は、温かさの違いによるストレスを軽減するとともに、生産効率を維持するために、何れも同じ編成糸で編成されていることが好ましい。
編成糸における同じ素材の含有率が高いほど当該素材の性能が均一に発揮できる。一方で、上記含有率が低いほど編成糸内の当該素材の性能の均一性が損なわれ、編成糸としての性能にムラが生じる可能性がある。このことから、編成糸におけるアクリレート系繊維の含有率を25%以上とすることで、アクリレート系繊維の性能を概ねムラなく均一に発揮することができる。また、アクリレート系繊維は、他の素材より公定水分率が高いことが知られている。アクリレート系繊維は、他の素材と混紡する際に保温値Wの合計値が前述した数値範囲内となる混合糸を比較的製造し易くなる。
上記保温部を編成する編成糸に、公定水分率が50%のアクリレート系繊維を例えば50重量%含み、残り50重量%に例えばポリエステルを用いた混紡糸を用いることで、高い吸湿発熱性により、上記保温部をより効率よく温めることができる。
図2は、図1に示す靴下10の編地の展開図である。
図2に示すように、靴下10は、例えば、丸編機により、履口12から爪先部6(爪先部先端)に至るまで連続した筒状に編成されている。
例えば、膝上部1の編組織はゴム入りのゾッキ編であり、脛部3、および、放熱部51以外のフート部5の編組織は平編、放熱部51の編組織は鹿の子編(メッシュ編)とした。また、膝部2はV字型にゴアラインを形成する構造とし、踵部4はエクステンドヒール構造とし、爪先部6は、爪先部分を大きく包み込むようにV字型にゴアラインを形成する構造とした。
また、保温部である、膝部2、踵部4、および爪先部6には、膝、踵、爪先の球面の曲面を確実に覆い、睡眠時の動きに追随できるように、編機の往復回転を利用して、通常、踵部を編成するために用いる、編み増し領域を設けた。これにより、これら保温部を立体的に編成した。また、上記編み増し領域は、V字型にゴアラインGLを形成することにより設けた。また、爪先部6は、爪先を包み込むため、長さの異なるゴアラインGLをV字型に形成することにより設けた。但し、本実施形態は、これに限定されるものではなく、上記保温部に、Y字型あるいは多分岐型のゴアラインGLを形成してもよいし、直線状に長いゴアラインGLを設けてもよい。
また、編機の往復回転を利用せず、膝部2、踵部4、および爪先部6に対応する部分のみ保温性の高い糸を部分的に挿入してもよい。
なお、爪先部6は、上述した三点の保温部のなかで最も心臓から遠く、血流が滞り易いことから、冷えも感じ易い。このため、爪先部6は、他の保温部よりも保温力を高めることが望ましい。そこで、爪先部6は、編成糸の本数を増やす等して、他の保温部よりも生地を厚く設計することが望ましい。なお、より保温性を高めるために、爪先部6を、編目をループ状の嵩高構造としたパイル構造としてもよい。
また、上記丸編機の釜径(シリンダーの直径)は、通常の靴下を編成する丸編機の釜径(3.75~4.0インチ)よりも大きい釜径を有していることが望ましい。丸編機の釜径は、編み上がりの筒の直径に寄与する。上記丸編機の釜径を、4.0インチよりも大きくすることで、靴下10に、優しく緩やかな締め付けと伸びを持たせることができる。本実施形態では、上記丸編機として、5.0インチの釜径を有する丸編機を用いた。これにより、リラックスを阻害しない、ゆったりした編み地の靴下10を得ることができ、この結果、睡眠を阻害しない、より快適な着用感を得ることができた。
但し、靴下10は、睡眠を阻害するような強い締め付け力を有するものでなければよく、例えば、3.75インチの釜径を有する丸編機を用いて編成されていても構わない。このように通常の釜を用いた場合の締め付け感の調整方法としては、例えば、裏糸に伸縮性の低い弾性糸を用いたり、当該弾性糸の挿入量を減らしたりする方法が考えられる。
表糸の素材は、自然な肌触りを重視し、例えば、綿やシルク等の天然繊維を用いることが望ましい。しかしながら、より柔らかな風合いを重視し、綿とモダールとの混紡糸、レーヨンとシルクとの混紡糸を用いる等、睡眠を阻害しない肌触りが得られれば、表糸の素材は特に限定されない。
また、裏糸の素材も特に限定されない。裏糸には、例えばFTY(Filament Twisted Yarn:フィラメント・ツイステッド・ヤーン)を用いることができる。
本実施形態では、保温部には、編成糸にアクリレート系繊維50重量%とポリエステル50重量%とを混紡した30番単糸の紡績糸を使用し、裏糸に30/150FTYを使用した。保温部以外には、編成糸に綿100重量%の10番単糸の紡績糸を使用し、裏糸に30/75FTYを使用した。30/150FTYとは、30デニールの弾性糸に150デニールのポリエステルをカバーリングしたFTYを示す。また、30/75FTYとは、30デニールの弾性糸に75デニールのポリエステルをカバーリングしたFTYを示す。
本実施形態の靴下10では、釜径5.0インチのシリンダーを使用しているため、ソフトなフィット感が得られる。また、表糸の番手に合わせて針数が84本の編機を使用したが、例えば30番単糸の表糸に対し針数208本の編機を使用する等、適宜選択可能である。
また、太腿部を覆う膝上部1は、特にゆったりした構造を有していることが望ましい。特に、膝上部1における履口部11は、リラックスを阻害しないよう、締め付けによるストレスを極力軽減することが望ましい。また、靴下10における膝部2の上端よりも上の部分(具体的には、膝部2の上端から履口12に至るまでの部分)が、脛部3よりも締め付け力が弱いことが望ましい。
このため、例えば、履口部11は、鹿の子編みで編成することが望ましい。但し、履口部11は、締め付けが緩やかであれば他の編成方法でもよく、例えばシンカー乗せ編み等でも構わない。
<変形例>
本実施形態では、上述したように、靴下10の丈を、大腿部を覆うサイハイ丈とした。しかしながら、上記丈は、膝の全面を覆う丈であればよく、爪先から膝上に至る丈を有するニーハイ丈としても構わない。但し、下肢(脚)を覆う面積が大きいほど温かさを感じ易いことから、靴下10の丈を、サイハイ丈とすることで、冷えの早期解消効果を得易い。
また、図1では、フート部5内に、爪先部6に隣接して放熱部51が設けられている場合を例に挙げて図示した。しかしながら、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、爪先部6内に、フート部5に隣接して放熱部が設けられていてもよい。
また、図示はしていないが、冷えの改善に効果のある経穴(ツボ)を押圧または刺激する構造を靴下10に付与してもよい。
例えば、足首内側の上部に存在する三陰交は、押圧もしくは刺激することで冷えの改善に効果があると言われており、着用時に三陰交を押圧もしくは刺激する構造を付与することで、効果的に冷えを抑制することができる。
そこで、三陰交を押圧または刺激する構造として、例えば、着用時に三陰交に対応する位置(内踝の頂点から指4本部直上した部分)に、保温効果のある保温素材を用いて、直径4センチ前後の円状のパイル編部を設けてもよい。これにより、靴下10を着用した際に、三陰交に温熱刺激を加えることができ、冷え改善効果を奏することができる。また、脛部3における、上記パイル編部を囲む部分のフィット性を、脛部3に締め付け感が生じない程度に高めることが、パイル編部を三陰交の位置に維持することができることから望ましい。なお、上記パイル編部の形状は任意でよい。また、上記保温素材は、例えば、ウール、アクリレート系繊維等の吸湿発熱素材;カプサイシン等を用いた温感加工素材;等を用いることができるが、これに限らない。
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について、図3~図5を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。また、本実施形態でも、実施形態1と同様の変形が可能であることは、言うまでもない。
図3は、本実施形態に係る靴下の外観を示す図である。
放熱部は、爪先を露出可能な開口部であってもよい。したがって、靴下10は、爪先を露出可能な開口部を放熱部として有していてもよい。図3に示す靴下10は、フート部5に放熱部51としてメッシュ部を設ける代わりに、爪先部6に、爪先を露出可能な露出口62を放熱部として有する穴開き部61が設けられている。この点を除けば、本実施形態に係る靴下10は、実施形態1に係る靴下10と同じである。
本実施形態によれば、爪先部6に露出口62が設けられていることで、爪先部6から靴下10を部分的に脱がすことが可能となる。また、図3に示す例では、露出口62は、爪先部6における甲側(上面側)に設けられている。甲側に露出口62を設けることで、爪先を露出させる動作(手で脱がす、或いは足先で脱がす動作)が行い易い。このように露出口62から爪先の一部を突出させて露出することにより、爪先の熱を素早く放熱することができる。
図4は、図3に示す靴下10の要部の斜視図である。図4に符号1011で示す図は、図3に示す靴下10の穴開き部61における露出口62の縁部を重ねて穴開き部61を折り畳むことで露出口62を閉じた状態を示す。また、図4に符号1012で示す図は、図3に示す靴下10の爪先部6の一部(露出口62よりも爪先側の部分)を捲って爪先の一部を露出させた状態を示す。
爪先部6は、足の第3関節の上面および下面の少なくとも一方を被覆していることが望ましい。露出口62は、爪先の少なくとも一部を露出可能な大きさを有していればよいが、爪先部6を引き下ろして露出口62から爪先を抜くことができる大きさを有していることが望ましい。なお、ここで、「爪先の少なくとも一部」とは、具体的には、複数本の足指のうち少なくとも一部の足指を示す。また、爪先部6を引き下ろして露出口62から爪先を抜く場合、露出口62から5本の足指全てを完全に露出させる必要はない。しかしながら、露出口62は、5本の足指全ての一部(指先)を突出させることができる大きさを有していることが望ましい。
爪先部6は、靴下10を装着したときに、足の先端(つまり、爪先の先端)から足(爪先)の少なくとも第3関節までを覆うことができる長さを有している。本実施形態において、穴開き部61は、足(爪先)の第3関節よりも先端側(爪先側)に露出口62が設けられていることが望ましい。本実施形態によれば、図4の符号1011に示すように、靴下10を装着した状態において、露出口62の縁部を重ねて穴開き部61を折り畳んだときに、足(爪先)の少なくとも第3関節を覆うことができる。このため、最低限の保温性を保ちつつ効率的に爪先を露出することができる。
また、露出口62は、靴下10の着用初期段階(言い換えれば、就寝から意図的に爪先を露出させるまでの間)に、寝具との軽い摩擦等で意図せず爪先が露出しないような位置および形状に形成されていることが望ましい。
図5は、図3および図4に示す靴下10の編地の展開図である。
図5に示すように、靴下10は、例えば、丸編機により、履口12から露出口62(言い替えれば、穴開き部61の先端)に至るまで連続した筒状に編成されている。
例えば、膝上部1の編組織はゴム入りのゾッキ編であり、脛部3およびフート部5の編組織は平編、穴開き部61の編組織はゴム入りの平編とした。また、膝部2はV字型にゴアラインを形成する構造とし、踵部4はエクステンドヒール構造とした。爪先部6における穴開き部61以外の部分は、爪先部分を大きく包み込むようにV字型にゴアラインを形成する構造とした。
また、実施形態1同様、保温部である、膝部2、踵部4、および爪先部6には、膝、踵、爪先の球面の曲面を確実に覆い、睡眠時の動きに追随できるように、編機の往復回転を利用して、通常、踵部を編成するために用いる、編み増し領域を設けた。これにより、これら保温部を、立体的に編成した。また、上記編み増し領域は、V字型にゴアラインGLを形成することにより設けた。また、爪先部6は、爪先を包み込むため、長さの異なるゴアラインGLをV字型に形成することにより設けた。但し、実施形態1同様、本実施形態は、これに限定されるものではなく、上記保温部に、Y字型あるいは多分岐型のゴアラインGLを形成してもよいし、直線状に長いゴアラインGLを設けてもよい。
また、編機の往復回転を利用せず、膝部2、踵部4、および爪先部6に対応する部分のみ保温性の高い糸を部分的に挿入してもよい。
実施形態1で説明したように、爪先部6は、上述した三点の保温部のなかで最も心臓から遠く、血流が滞り易いことから、冷えも感じ易い。このため、爪先部6は、他の保温部よりも保温力を高めることが望ましい。そこで、実施形態1で説明したように、爪先部6は、編成糸の本数を増やす等して、他の保温部よりも生地を厚く設計することが望ましい。なお、より保温性を高めるために、爪先部6を、編目をループ状の嵩高構造としたパイル構造としてもよい。
また、実施形態1同様、上記丸編機の釜径(シリンダーの直径)は、通常の靴下を編成する丸編機の釜径(3.75~4.0インチ)よりも大きい釜径を有していることが望ましい。丸編機の釜径は、編み上がりの筒の直径に寄与する。実施形態1同様、上記丸編機の釜径を、4.0インチよりも大きくすることで、靴下10に、優しく緩やかな締め付けと伸びを持たせることができる。本実施形態でも、上記丸編機には、5.0インチの釜径を有する丸編機を用いた。これにより、リラックスを阻害しない、ゆったりした編み地の靴下10を得ることができ、この結果、睡眠を阻害しない、より快適な着用感を得ることができた。
但し、靴下10は、睡眠を阻害するような強い締め付け力を有するものでなければよく、例えば、3.75インチの釜径を有する丸編機を用いて編成されていても構わない。このように通常の釜を用いた場合の締め付け感の調整方法としては、実施形態1で説明したように、例えば、裏糸に伸縮性の低い弾性糸を用いたり、当該弾性糸の挿入量を減らしたりする方法が考えられる。
実施形態1同様、表糸の素材は、自然な肌触りを重視し、例えば、綿やシルク等の天然繊維を用いることが望ましい。しかしながら、より柔らかな風合いを重視し、綿とモダールとの混紡糸、レーヨンとシルクとの混紡糸を用いる等、睡眠を阻害しない肌触りが得られれば、表糸の素材は特に限定されない。
また、実施形態1で説明したように、裏糸の素材も特に限定されない。裏糸には、例えばFTYを用いることができる。但し、本実施形態では、睡眠時に爪先を露出し易いように、爪先部6には、他の領域よりも、伸縮性が低く、締め付け力が弱い糸(ウーリーナイロン)を裏糸として使用した。しかしながら、本実施形態は、これに限定されるものではなく、爪先部6にも、通常の締め付け力をもたらすFTYを裏糸として使用しても構わない。
本実施形態では、保温部には、実施形態1と同じく、編成糸にアクリレート系繊維50重量%とポリエステル50重量%とを混紡した30番単糸の紡績糸を使用した。また、爪先部6以外の保温部の裏糸には30/150FTYを使用した。爪先部6の保温部の裏糸には上述したようにウーリーナイロンを使用した。保温部以外には、編成糸に綿100重量%の10番単糸の紡績糸を使用し、裏糸に30/75FTYを使用した。本実施形態の靴下10では、釜径5.0インチのシリンダーを使用しているため、ソフトなフィット感が得られる。また、表糸の番手に合わせて針数が84本の編機を使用したが、例えば30番単糸の表糸に対し針数208本の編機を使用する等、適宜選択可能である。
また、実施形態1で説明したように、太腿部を覆う膝上部1は、特にゆったりした構造を有していることが望ましい。特に、膝上部1における履口部11は、リラックスを阻害しないよう、締め付けによるストレスを極力軽減することが望ましい。また、靴下10における膝部2の上端よりも上の部分(具体的には、膝部2の上端から履口12に至るまでの部分)が、脛部3よりも締め付け力が弱いことが望ましい。
このため、実施形態1同様、例えば、履口部11は、鹿の子編みで編成することが望ましい。但し、履口部11は、締め付けが緩やかであれば他の編成方法でもよく、例えばシンカー乗せ編み等でも構わない。
<変形例>
図6は、本実施形態の変形例に係る靴下10の外観を示す図である。
実施形態1、2では、靴下10が編物である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、靴下10は、編物ではなく、生地の縫製で作製してもよい。また、図6に示すように、保温部(例えば、膝部2、踵部4、および爪先部6)と保温部以外の部分とを同じ編成糸で編成してもよい。この場合、保温部のみ、例えば肌側に保温シート9を貼り付けたり、保温材を収納する図示しない収容袋部が形成されていたり、等してもよい。なお、保温シート9は、例えば、吸湿発熱性を有する繊維等、前述した保温性(例えば、発熱、断熱、温感等を生じさせる物性または構造)を有する繊維で形成された織物シートあるいは不織布等であってもよい。また、保温シート9は、保温性を有していれば、非繊維素材からなるシートであってもよい。なお、図6では、一例として、図3に示す靴下10に保温シート9を貼り付けた場合を例に挙げて図示した。しかしながら、図1に示す靴下10に保温シート9を貼り付ける等してもよいことは、言うまでもない。
また、実施形態1、2では、レッグウェアが靴下である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、レッグウェアは、上述したように全体を連続的に編成したものに限らず、膝、踵、爪先のみを温める着用物であってもよい。なお、保温部は、膝部2、踵部4、爪先部6に加え、足首に対応する足首部にも設けられていてもよい。
〔実施形態3〕
本開示のさらに他の実施形態について、図7を参照して以下に説明する。
実施形態1、2では、本開示に係る衣類がレッグウェアである場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本開示に係る衣類は、レッグウェアに限定されるものではない。前述したようにAVA血管は、上肢(腕)にもある。このため、上記衣類は、アームウェアであってもよく、上肢および下肢を含む肢体を覆うナイトウェアであってもよい。
つまり、本開示に係る衣類は、上肢および下肢の少なくとも一方の少なくとも一部を覆う衣類である。上記衣類は、他の部分よりも保温性が高い複数の保温部を有し、上記保温部が、膝部および踵部並びに下肢の爪先部と、手首部および肘部並びに上肢の爪先部と、のうち少なくとも一方を含むものであればよい。
そこで、以下では、本実施形態に係る衣類がアームカバー(アームウェア)である場合を例に挙げて説明する。
図7は、本実施形態に係るアームカバー100の外観を示す図である。図7に符号1021で示す図は、本実施形態に係るアームカバー100を腕の外側から見たときの外観を示す図であり、図7に符号1022で示す図は、本実施形態に係るアームカバー100を腕の内側から見たときの外観を示す図である。
図7に示すアームカバー100は、上肢における爪先から上腕部の一部に至る丈を有する長手袋である。なお、上腕部の一部とは、具体的には、上腕部上半(つまり、肩と肘との間の部分の上半分の部分)を示す。アームカバー100は、肘上部101、肘部102、腕部103、手首部104、手本体部105、爪先部106を有している。また、手本体部105の一部には、他の部分よりも通気性が高い放熱部151が設けられている。
肘上部101には、上肢をアームカバー100に挿入するための開口部である挿入口112が設けられた挿入口部111が設けられている。挿入口112は、アームカバー100の上端(肘上部101における肘部102とは反対側の端部)に設けられている。
一方、爪先部106は、アームカバー100の下端に設けられている。爪先部106は、親指を除く手の爪先全体(言い替えれば、親指を除く4本の手指)を包み込むように袋状に形成されている。放熱部151は、手本体部105のうち爪先部106に隣接する部分に設けられている。放熱部151は、例えば、メッシュ状に形成されたメッシュ部であることが望ましく、放熱部151が編物である場合、例えば鹿の子編(メッシュ編)で編成されていることが望ましい。放熱部151が例えばメッシュ状となるように該放熱部151を鹿の子編で編成することで、通気性を高めることができ、爪先部106およびその近傍の熱を、放熱部151から効果的に外部へ放熱することができる。但し、放熱部151は、他の部分よりも通気性を向上させることができれば、どのような構造であってもよい。本実施形態においては放熱部151に鹿の子編を用いたが、実施形態1に係る放熱部51同様、例えば編目の大きさを大きくしたり、編成糸の太さを細くしたりすることで放熱部151の通気性を高めることができる。また、手本体部105における、爪先部106に隣接する部分に、メッシュ状の素材を縫い合わせてもよい。また、放熱部151は、手甲部および掌部を含み、周状(リング状)に設置することが望ましい。図7に示す例では、放熱部151が、手本体部105を爪先部106に沿って一周するように、周状に設けられている場合を例に挙げて図示している。放熱部151をこのように構成することで効果的に放熱することができる。放熱部151の面積は手本体部105の領域内であれば特に限定されるものではない。しかしながら、放熱部151の面積が広いほど放熱効果は高まる一方、冷えが生じやすい。このため、放熱部151は、手本体部105のうち、爪先部106側の1/3~1/2を占める領域に設けることが望ましい。
また、爪先部106は、アームカバー100を装着したときに、手(爪先)の先端から、親指を除く手の爪先(言い替えれば、親指を除く4本の手指)の少なくとも第3関節までを覆うことができる長さを有している。したがって、爪先部106は、親指を除く手の第3関節(つまり、爪先の第3関節)の上面および下面を被覆している。
なお、本開示で言う手(爪先)の第3関節とは、中手指節関節もしくはMP関節と呼ばれ、中手骨の爪先側の端と基節骨の手首側の端とを繋ぐように形成する関節を指す。また、第3関節の上面とは第3関節の甲側に対応する皮膚面を指し、第3関節の下面とは第3関節の掌側に対応する皮膚面を指す。
肘部102、手首部104、爪先部106は、他の部分よりも保温性が高い保温部である。
なお、肘部102は、少なくとも肘頭に対応する領域の一部を被覆することが望ましい。また、手首部104は、少なくとも手根骨に対応する領域の一部を被覆することが望ましい。手根骨とは舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨、大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鈎骨の総称である。これにより、特に冷えを軽減することができる。
なお、本実施形態において、肘上部101は、肘関節よりも上側の領域を被覆する部分を示す。腕部103は、肘関節と手首部104との間の領域を被覆する部分を示す。手本体部105は、手首部104と爪先部106との間の領域を被覆する部分を示す。
本実施形態でも、上記衣類(本実施形態ではアームカバー100)の生地は、編物(ニット)であっても織物であってもよい。但し、フィット感を与えるとともに、過剰な締め付け感がなく、リラックスを阻害しないように、上記衣類の生地は、少なくとも通常の睡眠時に生じる動きにストレス無く追随する程度に全体が伸縮性を有していることが望ましい。このため、アームカバー100は、編目のループにより適度な伸縮性とフィット感を得やすいことから、編物であることが望ましい。
なお、本実施形態でも、上記保温部は、他の部分よりも保温性が高ければ、どのような素材で構成されていてもよく、また、どのような構造を有していてもよい。しかしながら、上記保温部は、実施形態1、2同様、それぞれ、保温性を有する編成糸で編成されていることが望ましい。上記素材(編成糸)としては、実施形態1で説明した素材(編成糸)と同様の素材を用いることができる。
また、上記保温部(肘部102、手首部104、爪先部106)は、各保温部を編成する編成糸に含まれる素材の保温値Wの合計値が、それぞれ、12.5~50.0の範囲内であることが望ましく、25.0~50.0の範囲内であることがより望ましい。また、アームカバー100における保温部以外の部分(肘上部101、腕部103、手本体部105)を編成する編成糸に含まれる素材の保温値Wの合計値は、上記保温部以外の部分での過剰な保温を避けるため、12.5未満であることが好ましい。なお、上記保温部と、上記保温部以外の部分とにおける具体的な素材の組み合わせについては、実施形態1で例示した通りである。
図8は、図7に示すアームカバー100の編地の展開図である。
図8に示すように、アームカバー100は、靴下10同様、例えば、丸編機により、挿入口112から爪先部106(爪先部先端)に至るまで連続した筒状に編成されている。
本実施形態では、一例として、肘上部101、肘部102、腕部103、手首部104、放熱部151以外の手本体部105、爪先部106の編組織を何れも平編とした。また、放熱部151の編組織は鹿の子編(メッシュ編)とした。
また、編み増し領域である肘部102はV字型にゴアラインGLを形成する構造とした。但し、本実施形態は、これに限定されるものではなく、上記保温部に、Y字型あるいは多分岐型のゴアラインGLを形成してもよいし、直線状に長いゴアラインGLを設けてもよい。また、本実施形態でも、保温部に対応する部分のみ保温性の高い糸を部分的に挿入してもよい。
手首は、皮下脂肪および筋肉が相対的に少ない。また、手首は、甲側(外側)の方が、身体とは反対側に位置するため、上記甲側とは反対側となる掌側(内側)よりも体温で温まり難い。言い換えれば、手首は、甲側の方が、掌側よりも外気に影響され易く、比較的冷え易い。このため、手首部104は、前記踵部4同様、編機の往復回転を利用してゴアラインを形成し、甲側のみを被覆したり、周方向の途中で編成糸を切り変えるカットボスで甲側のみを覆うように保温部を編成したりすることが可能である。しかしながら、手首の甲側(外側)とその反対側(内側)とは、厚さ(距離)等の関係から、踵と、その反対側あるいは周囲との関係ほどには部位による冷え易さの差が大きくはない。このため、手首の場合、周状に保温部を設けても保温が過剰になり難い。また、AVAは、足の場合、足裏および指にあり、膝に加え、踵並びに足の爪先を温めることが特に有効である。しかしながら、手の場合、AVAは、甲側ではなく、掌側(内側)にある。手首の内側の皮膚直下には動・静脈が通っていることから、手首の内側を温めることで、AVAの開放により流れ出た血液が温められ、素早く指先等を温めることができる。そこで、本実施形態では、生産上の効率、および、コストの増加を避けるため、手首部104は、腕部103や手本体部105と同様、ゴアラインGLを設けず、フラットな筒状とし、周状に保温部を編成した。
なお、爪先部106は、上述した三点の保温部のなかで最も心臓から遠く、血流が滞り易いことから、冷えも感じ易い。このため、爪先部106は、他の保温部よりも保温力を高めることが望ましい。そこで、爪先部106は、編成糸の本数を増やす等して、他の保温部よりも生地を厚く設計することが望ましい。なお、より保温性を高めるために、爪先部106を、編目をループ状の嵩高構造としたパイル構造としてもよい。
また、上記丸編機の釜径(シリンダーの直径)は、通常のアームカバーを編成する丸編機の釜径(3.75~4.0インチ)よりも大きい釜径を有していることが望ましい。丸編機の釜径は、編み上がりの筒の直径に寄与する。上記丸編機の釜径を、4.0インチよりも大きくすることで、アームカバー100に、優しく緩やかな締め付けと伸びを持たせることができる。本実施形態では、上記丸編機として、5.0インチの釜径を有する丸編機を用いた。これにより、リラックスを阻害しない、ゆったりした編み地のアームカバー100を得ることができ、この結果、睡眠を阻害しない、より快適な着用感を得ることができた。
但し、アームカバー100は、睡眠を阻害するような強い締め付け力を有するものでなければよく、例えば、3.75インチの釜径を有する丸編機を用いて編成されていても構わない。このように通常の釜を用いた場合の締め付け感の調整方法としては、例えば、裏糸に伸縮性の低い弾性糸を用いたり、当該弾性糸の挿入量を減らしたりする方法が考えられる。
上記衣類がアームカバー100である場合でも、靴下10同様、表糸の素材は、自然な肌触りを重視し、例えば、綿やシルク等の天然繊維を用いることが望ましい。しかしながら、より柔らかな風合いを重視し、綿とモダールとの混紡糸、レーヨンとシルクとの混紡糸を用いる等、睡眠を阻害しない肌触りが得られれば、表糸の素材は特に限定されない。
また、裏糸の素材も特に限定されない。裏糸には、例えばFTYを用いることができる。
本実施形態において、保温部には、編成糸にアクリレート系繊維50重量%とポリエステル50重量%とを混紡した30番単糸の紡績糸を使用し、裏糸に30/150FTYを使用した。保温部以外には、編成糸に綿100重量%の10番単糸の紡績糸を使用し、裏糸に30/75FTYを使用した。本実施形態のアームカバー100では、釜径5.0インチのシリンダーを使用しているため、ソフトなフィット感が得られる。また、表糸の番手に合わせて針数が84本の編機を使用したが、靴下10と同様、例えば30番単糸の表糸に対し針数208本の編機を使用する等、適宜選択可能である。
また、上腕部を覆う肘上部101は、特にゆったりした構造を有していることが望ましい。特に、肘上部101における挿入口部111は、リラックスを阻害しないよう、締め付けによるストレスを極力軽減することが望ましい。またアームカバー100における肘部102の上端よりも上の部分(具体的には、肘部102の上端から挿入口112に至るまでの部分)が、腕部103よりも締め付け力が弱いことが望ましい。
このため、例えば、挿入口部111は、例えば鹿の子編みで編成することが望ましい。但し、履口部11は、締め付けが緩やかであれば他の編成方法でもよく、例えばシンカー乗せ編み等でも構わない。
<変形例>
本実施形態では、上述したように、アームカバー100の丈を、上腕部上半を覆う丈とした。しかしながら、上記丈は、肘の全面を覆う丈であればよく、爪先から肘上に至る丈を有する丈としても構わない。但し、上肢(腕)を覆う面積が大きいほど温かさを感じ易いことから、アームカバー100の丈を、上腕部上半を覆う丈とすることで、冷えの早期解消効果を得易い。
また、図示はしていないが、アームカバー100においても、冷えの改善に効果のある経穴(ツボ)を押圧または刺激する構造を付与してもよい。
また、本実施形態では、爪先部106が、手の先端から、親指を除く手の第3関節までを覆う場合を例に挙げて説明した。しかしながら、例えば爪先部106を湾曲して形成する等して、爪先部106が、手の先端から、親指を含めた手の第3関節までを覆う構成としてもよい。
〔実施形態4〕
本開示のさらに他の実施形態について、図9を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態3にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。また、本実施形態でも、実施形態3と同様の変形が可能であることは、言うまでもない。
図9は、本実施形態に係るアームカバー100の要部の外観を示す図である。図9に符号1031で示す図は、本実施形態に係るアームカバー100の穴開き部161における露出口162の縁部を重ねて穴開き部61を折り畳むことで露出口162を閉じた状態を示す。また、図9に符号1032で示す図は、本実施形態に係るアームカバー100の爪先部106の一部(露出口162よりも爪先側の部分)を捲って爪先の一部を露出させた状態を示す。
靴下10と同様に、アームカバー100においても、放熱部は、爪先を露出可能な開口部であってもよい。したがって、アームカバー100は、爪先を露出可能な開口部を放熱部として有していてもよい。図9に示すアームカバー100は、手本体部105に放熱部151としてメッシュ部を設ける代わりに、爪先部106に、爪先を露出可能な露出口162を放熱部として有する穴開き部161が設けられている。この点を除けば、本実施形態に係るアームカバー100は、実施形態3に係るアームカバー100と同じである。図9に示す例では、露出口162は、爪先部106における甲側(上面側)に設けられている。
また、図9に示すアームカバー100の爪先部106は、親指を除く爪先(手指)の少なくとも第3関節の下面を被覆している。露出口162の大きさは、爪先の少なくとも一部を露出可能な大きさを有していればよいが、爪先部106を引き下ろして露出口162から爪先を抜くことができる大きさを有していることが望ましい。なお、ここで、「爪先の少なくとも一部」とは、具体的には、複数本の手指のうち少なくとも一部の手指を示す。また、爪先部106を引き下ろして露出口162から爪先を抜く場合、露出口162から5本の手指全てを完全に露出させる必要はない。しかしながら、露出口162は、5本の手指全ての一部(指先)を突出させることができる大きさを有していることが望ましい。
本実施形態において、穴開き部161は、爪先部106が、親指を除く手(爪先)の少なくとも第3関節を覆うように、親指以外の手指の第3関節よりも先端側(爪先側)に露出口162が設けられていることが望ましい。これにより、最低限の保温性を保ちつつ効率的に爪先を露出することができる。
また、露出口162は、アームカバー100の着用初期段階、言い換えれば、就寝から意図的に爪先を露出させるまでの間、寝具との軽い摩擦等で意図せず爪先が露出しないような位置および形状に形成されていることが望ましい。
上述したように上記衣類がアームカバー100のようなアームウェアである場合にも、露出口162が、爪先部106における甲側(上面側)に設けられていることで、爪先を露出させる動作(手で脱がす動作)が行い易い。このように爪先部106に露出口162が設けられていることで、爪先部106からアームカバー100を部分的に脱がすことが可能であり、該露出口162から爪先の一部を突出させて露出することができる。
図10は、図9に示すアームカバー100の編地の展開図である。
図10に示すように、本実施形態に係るアームカバー100は、例えば、丸編機により、挿入口112から露出口162(言い替えれば、穴開き部161の先端)に至るまで連続した筒状に編成されている。
本実施形態では、一例として、肘上部101、肘部102、腕部103、手首部104、手本体部105、爪先部106の編組織を何れも平編とした。但し、爪先部106における穴開き部161の編組織は、ゴム入りの平編とした。また、編み増し領域である肘部102はV字型にゴアラインGLを形成する構造とした。
また、実施形態3で説明したように、手首の場合、手首の内側を温めることで、素早く指先等を温めることができる。そこで、本実施形態でも、実施形態3同様、生産上の効率、および、コストの増加を避けるため、手首部104は、腕部103や手本体部105と同様、ゴアラインGLを設けず、フラットな筒状とし、周状に保温部を編成した。
また、実施形態3同様、上記丸編機の釜径(シリンダーの直径)は、通常のアームカバーを編成する丸編機の釜径(3.75~4.0インチ)よりも大きい釜径を有していることが望ましい。上記丸編機の釜径を、4.0インチよりも大きくすることで、アームカバー100に、優しく緩やかな締め付けと伸びを持たせることができる。そこで、本実施形態でも、上記丸編機として、5.0インチの釜径を有する丸編機を用いた。これにより、リラックスを阻害しない、ゆったりした編み地のアームカバー100を得ることができ、この結果、睡眠を阻害しない、より快適な着用感を得ることができた。
また、表糸の素材については、実施形態3で説明した通りであり、裏糸の素材も特に限定されない。但し、本実施形態では、睡眠時に爪先を露出し易いように、爪先部106には、他の領域よりも、伸縮性が低く、締め付け力が弱い糸(例えばウーリーナイロン)を裏糸として使用することが望ましい。しかしながら、本実施形態は、これに限定されるものではなく、爪先部106にも、通常の締め付け力をもたらすFTYを裏糸として使用しても構わない。
本実施形態では、保温部には、実施形態3と同じく、編成糸にアクリレート系繊維50重量%とポリエステル50重量%とを混紡した30番単糸の紡績糸を使用した。また、爪先部106以外の保温部の裏糸には30/150FTYを使用した。爪先部106の保温部の裏糸には上述したようにウーリーナイロンを使用した。保温部以外には、編成糸に綿100重量%の10番単糸の紡績糸を使用し、裏糸に30/75FTYを使用した。本実施形態のアームカバー100では、釜径5.0インチのシリンダーを使用しているため、ソフトなフィット感が得られる。また、表糸の番手に合わせて針数が84本の編機を使用したが、靴下10と同様、例えば30番単糸の表糸に対し針数208本の編機を使用する等、適宜選択可能である。但し、本実施形態は、上記構成に限定されるものではない。本実施形態でも、実施形態1と同様の変形が可能である。
なお、本実施形態では、爪先部106が、親指を除く爪先(手指)の少なくとも第3関節の下面を被覆している場合を例に挙げて説明した。しかしながら、爪先部106は、親指を除く手(爪先)の第3関節の上面および下面の少なくとも一方を被覆していればよい。
<変形例1>
図11は、本変形例に係るアームカバー100の要部の外観を示す図である。図12は、図11に示すアームカバー100の編地の展開図である。
図11および図12に示すアームカバー100は、爪先部106に、親指を入れる指袋部163が設けられており、爪先部106の先端(手本体部105とは反対側の端部)が、親指以外の爪先全体を包み込むように袋状に形成されている。この点を除けば、図11および図12に示すアームカバー100は、図9および図10に示すアームカバー100と同じである。親指以外の手指の第三関節の位置は、親指の第三関節の位置よりも手の先端側(爪先側)に位置する。このため、本変形例によれば、爪先部106に、親指を入れる指袋部163が設けられていることで、各手指の第三関節を被覆した状態で露出口162から爪先の一部(親指以外の指の一部)を露出させ易い。
また、上記アームカバー100は、当該アームカバー100に、親指を入れる指袋部163が設けられていることで、親指を指袋部163に入れた状態で、指袋部163を、爪先部106の他の部分から独立して動かすことが可能である。このため、上記親指を露出させることなく、露出口162の位置をずらしたり、寝具を引き寄せたりする等の動作が可能となる。
また、アームカバー100に親指を入れる指袋部163が設けられていることで、手を動かすことでアームカバー100がずれることを抑制することもできる。
なお、本変形例では、編み増し領域である肘部102にV字型にゴアラインGLを形成するとともに、編み増し領域である、爪先部106における指袋部163に、親指を包み込むようにV字型にゴアラインGLを形成した。但し、本変形例もこれに限定されるものではなく、上記保温部に、Y字型あるいは多分岐型のゴアラインGLを形成してもよいし、直線状に長いゴアラインGLを設けてもよい。また、本変形例でも、保温部に対応する部分のみ保温性の高い糸を部分的に挿入してもよい。
<変形例2>
実施形態3、4では、アームカバー100が編物である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、靴下10同様、アームカバー100も、編物ではなく、生地の縫製で作製してもよい。また、図示はしないが、靴下10同様、アームカバー100も、保温部(例えば、肘部102、手首部104、および爪先部106)と保温部以外の部分とを同じ編成糸で編成してもよい。この場合、保温部のみ、例えば肌側に、前記保温シート9と同様の保温シートを貼り付けたり、保温材を収納する図示しない収容袋部が形成されていたり、等してもよい。
また、本実施形態では、アームウェアがアームカバー(長手袋)である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、レッグウェア同様、アームウェアは、上述したように全体を連続的に編成したものに限らず、肘、手首、および爪先のみを温める着用物であってもよい。
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 膝上部
2 膝部
3 脛部
4 踵部
5 フート部
51、151 放熱部
6、106 爪先部
10 靴下
11 履口部
12 履口(開口部)
61、161 穴開き部
62、162 露出口(開口部)
163 指袋部
100 アームカバー
101 肘上部
102 肘部
103 腕部
104 手首部
105 手本体部
111 挿入口部
112 挿入口(開口部)
GL ゴアライン

Claims (18)

  1. 下肢および上肢の少なくとも一方の少なくとも一部を覆う衣類であって、
    他の部分よりも保温性が高い複数の保温部を有し、
    上記衣類が下肢の少なくとも一部を覆う衣類であるとき、上記複数の保温部として膝部および踵部並びに下肢の爪先部を有し
    上記衣類が上肢の少なくとも一部を覆う衣類であるとき、上記複数の保温部として手首部および肘部並びに上肢の爪先部を有し
    上記複数の保温部のうち上記爪先部または該爪先部に隣接する部分に、他の部分よりも通気性が高い放熱部が設けられていることを特徴とする衣類。
  2. 上記放熱部が、メッシュ状に形成されたメッシュ部であることを特徴とする請求項1に記載の衣類。
  3. 当該衣類全体が伸縮性を有するとともに、上記放熱部は、上記爪先部に隣接して周状に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の衣類。
  4. 上記放熱部が、上記爪先部に設けられているとともに、上記爪先部が覆う爪先の少なくとも一部を露出可能な開口部であることを特徴とする請求項1に記載の衣類。
  5. 上記複数の保温部のうち、上記爪先部は、上記爪先部以外の保温部よりも生地が厚く、かつ、伸縮性が低く、
    上記爪先部における上記開口部は、甲側が開口していることを特徴とする請求項4に記載の衣類。
  6. 編成糸に含まれる素材の公定水分率と、上記編成糸に含まれる上記素材の含有率が100%である場合の上記素材の含有割合を1.0としたときの、上記編成糸に含まれている素材の含有割合と、を乗じて求められる数値を、上記素材の保温値Wとしたときに、
    上記複数の保温部は、それぞれ、少なくとも一種の素材を含む編成糸で編成されており、
    上記複数の保温部のそれぞれでは、それぞれの保温部を編成する編成糸に含まれる上記少なくとも一種の素材の保温値Wの合計値が、それぞれ12.5~50.0の範囲内であることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の衣類。
  7. 上記複数の保温部のそれぞれでは、それぞれの保温部を編成する編成糸に含まれる上記少なくとも一種の素材の保温値Wの合計値が、それぞれ25.0~50.0の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の衣類。
  8. 上記複数の保温部以外の上記他の部分が、少なくとも一種の素材を含む編成糸で編成されており、
    上記他の部分を編成する編成糸に含まれる上記少なくとも一種の素材の保温値Wの合計値が、12.5未満であることを特徴とする請求項6または7に記載の衣類。
  9. 当該衣類が、上記下肢における少なくとも膝、踵、および爪先を覆うレッグウェア、または、上記上肢における少なくとも肘および爪先を覆うアームウェアであり、
    上記下肢または上記上肢を当該衣類に挿入するための開口部から上記爪先部に至るまで丸編機で連続的に編成されており、
    上記複数の保温部は、それぞれ、吸湿発熱性を有する繊維を含む編成糸で編成されていることを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の衣類。
  10. 上記吸湿発熱性を有する繊維がアクリレート系繊維であり、
    上記編成糸における上記アクリレート系繊維の含有率が25%以上であり、
    上記複数の保温部は、何れも同じ編成糸で編成されていることを特徴とする請求項9に記載の衣類。
  11. 上記複数の保温部が、それぞれ、公定水分率が35%以上のアクリレート系繊維を含む編成糸で編成されていることを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の衣類。
  12. 上記複数の保温部が、それぞれ、公定水分率が50%以上のアクリレート系繊維を含む編成糸で編成されていることを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の衣類。
  13. 当該衣類は編物衣類であり、
    上記複数の保温部は、曲面を包み込むように往復回転で編成した編み増し領域を有することを特徴とする請求項1~12の何れか1項に記載の衣類。
  14. 上記編み増し領域は、V字型のゴアラインを形成することにより設けられていることを特徴とする請求項13に記載の衣類。
  15. 当該衣類は、上記下肢における爪先から太腿の一部に至る丈を有するレッグウェアであり、脛部を備えるとともに、
    上記複数の保温部は、上記膝部、上記踵部、および上記下肢の爪先部を含み、
    上記膝部の上端よりも上の部分が、上記脛部よりも締め付け力が弱いことを特徴とする請求項1~14の何れか1項に記載の衣類。
  16. 当該衣類は、上記上肢における爪先から上腕部の一部に至る丈を有するアームウェアであり、
    上記複数の保温部は、上記肘部、上記手首部、および上記上肢の爪先部を含むことを特徴とする請求項1~14の何れか1項に記載の衣類。
  17. 上記爪先部に、親指を入れる指袋部が設けられていることを特徴とする請求項16に記載の衣類。
  18. 釜径5.0インチの丸編機を用いて編成されていることを特徴とする請求項1~17の何れか1項に記載の衣類。
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