JP7427202B2 - 動脈瘤頚部塞栓部材および動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法 - Google Patents

動脈瘤頚部塞栓部材および動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法 Download PDF

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本発明は、動脈瘤頚部塞栓部材および動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法に関する。
血管壁の脆弱などに起因する動脈の局所的な伸張、拡張または解離である動脈瘤を処置するための手法は数多く提案されている。例えば、開頭手術は、動脈瘤血管外での位置を確認し、処置する手法である。開頭手術を受ける際に患者は、全身麻酔を受ける必要があったり、医師が動脈瘤に到達するために種々の組織を切断する必要があったりする。よって、患者は、動脈瘤およびその他の領域に大きな脳損傷(ダメージ)を被ってしまう可能性がある。例えば、脳動脈瘤を血管外で処置する場合には、医師は、患者の頭蓋骨の一部分を除去する必要があり、処置の際に脳組織に損傷を負わせてしまう恐れがある。
一方、血管内(インターナル)の処置としては、動脈瘤の内部で塞栓を形成する手法が主流である。これは血管内手術が脳のダメージが最も少ないためである。塞栓を形成する手法としては、例えば、マイクロカテーテルを動脈瘤まで到達させ、このマイクロカテーテルの遠位端が動脈瘤内に挿入し、該マイクロカテーテルを用いて動脈瘤内に塞栓材が注入される。
しかしながら、動脈瘤の内部で塞栓を形成する方法では、一般的には離脱可能なコイルが挿入され、動脈瘤の内部に挿入されたコイルが動脈瘤内から出て親動脈内へ移動することがある。または、離脱可能なコイルが注入された場合には、動脈瘤がどの程度満たされているのかを正確に測ることが困難である。このため、動脈瘤を充填し過ぎる危険性が発生し、その場合には離脱可能なコイルもまた親動脈内へ溢れ出てしまうか、若しくは動脈瘤をコイルの過充填で破裂させてしまう恐れがある。
更に、塞栓材である液状ポリマーが動脈瘤内に注入された場合は、血管系の血行力学のために液状ポリマーが動脈瘤内から出て移動し、親動脈の不可逆性閉塞を引き起こすことがある。
そこで、特許文献1には、動脈瘤内部に挿入される第1足部および動脈瘤の外部(すなわち、親動脈内)に挿入される第2足部を両端に備えるネッククリッピング用留置具が開示されている。ネッククリッピング用留置具は、動脈瘤内部に挿入される第1足部および動脈瘤の外部に挿入される第2足部が親動脈と動脈瘤の間の動脈瘤頚部(所謂ネック部)を両側から挟み込むため、ネッククリッピング用留置具またはいずれの足部も動脈瘤内から出る可能性も動脈瘤を充填し過ぎる可能性もない。
特開2003-275218号公報
しかし、特許文献1に開示されたネッククリッピング用留置具では、動脈瘤内部に挿入される第1足部および動脈瘤の外部に挿入される第2足部が金属製のワイヤーの足、または、ポリマーチューブを外側に翻転させたポリマーの足を束ねることによって形成されており、血管内または動脈瘤に必要以上の圧力をかけてしまう恐れがある。動脈瘤内での動脈瘤壁への圧力は、動脈瘤の破裂を誘発するので限りなく0グラムに近い方がよい。圧力は、0グラムが達成できなくても6グラム以下、どんなことがあっても15グラム未満でなければならない。
また、特許文献1に開示されたネッククリッピング用留置具は、動脈瘤内部に挿入される4本の第1足部および動脈瘤の外部に挿入される4本の第2足部を有しており、第1足部同士の間隔または第2足部同士の間隔が広い。すなわち、足部の間隔が広いことによって、足部の間に(動脈瘤を塞栓すると)通常であれば発生(生じて)してくる内皮細胞への血小板の遊走および粘着の高い効果(所謂内膜の形成)が期待できない。
更に、特許文献1に開示されたネッククリッピング用留置具は、動脈瘤内部に挿入される第1足部および動脈瘤の外部に挿入される第2足部を本体の両側に備える構成であり、部品点数も多いため、製造が困難だったり、ネッククリッピング用留置具のサイズが大きくなる可能性がある。
そこで、本発明は上記課題を考慮し、簡素な構成でありながら、血管または動脈瘤内に必要以上の圧力をかけずに動脈瘤に塞栓を形成することを可能とした動脈瘤頚部塞栓部材および動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、動脈瘤頚部塞栓部材に関する。動脈瘤頚部塞栓部材は、
可撓性を有するよう編成された筒状の網材からなる本体部を備え、
前記本体部が、前記本体部に挿入される棒材を前記本体部の一端部が包持するように固定された固定部と、前記本体部の少なくとも一部が前記本体部の半径方向に伸び出し前記本体部より形成された頚部と、動脈瘤の内部に挿入される体部と、を含み、
前記頚部は、収縮して、軸方向の一端部と他端部との間に動脈瘤の頚部を介在させ、
前記頚部の前記他端部を前記動脈瘤の外部に在る親動脈の側から前記動脈瘤の頚部に対向させて前記動脈瘤の頚部に係止する。
本発明によると、容易に動脈瘤および動脈瘤ネックNを塞栓でき、且つ、動脈瘤頚部塞栓部材の表面に内膜の形成を促進することができる動脈瘤頚部塞栓部材および動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法を提供することができる。
本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材の第1構造の概略図である。 本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材の第1構造の概略図である。 本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材の筒状の網材の概略図である。 本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材の第2構造の概略図である。 本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材の第2構造の概略図である。 本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材を含む生体内離脱具を示す断面図である。 カテーテルおよびガイドワイヤーによる動脈瘤頚部塞栓部材の移動前後の状態を示す断面図である。 本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材の第1構造を示す模式図である。 本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材の第1構造を示す模式図である。 動脈瘤頚部塞栓部材の第1構造を立体的に示す斜視図である。 本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材の第2構造を示す模式図である。 動脈瘤頚部塞栓部材の第2構造を立体的に示す斜視図である。 動脈瘤頚部塞栓部材の取りうる他の形態を示す概略図である。 第1構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法を説明するための模式図である。 第2構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法を説明するための模式図である。 第1構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材を動脈瘤に留置した状態を示す模式図である。 第1構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材を動脈瘤に留置した状態を立体的に示す斜視図である。 第2構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材を動脈瘤に留置した状態を示す模式図である。 第2構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材を動脈瘤に留置した状態を立体的に示す斜視図である。 変形例1に係る動脈瘤頚部塞栓部材を示す模式図である。 変形例1に係る動脈瘤頚部塞栓部材を示す模式図である。 変形例1に係る動脈瘤頚部塞栓部材を示す模式図である。 変形例2に係る動脈瘤頚部塞栓部材を示す模式図である。 変形例2に係る動脈瘤頚部塞栓部材を示す模式図である。 変形例2に係る動脈瘤頚部塞栓部材を示す模式図である。 動脈瘤頚部塞栓部材を形成する網材の構造を示す斜視図である。
以下、本開示の一側面に係る動脈瘤頚部塞栓部材および動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法について図を参照しつつ説明する。但し、本開示の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物におよぶ点に留意されたい。
(動脈瘤頚部塞栓部材の第1構造の概要)
図1A、図1Bは、本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材5の第1構造の概略図である。尚、第1構造とは動脈瘤頚部塞栓部材の第1の製造方法で作成した構造物及び製造方法のことを示す。詳細は後述する。
図1Aの通り、本発明の本質は、大動脈瘤から5mm以下の小さい動脈瘤まで全ての動脈瘤の頚部の部分(これをネックという:動脈瘤の頚部は動脈瘤ネックNと命名:動脈瘤の頚部と動脈瘤頚部塞栓部材5の頚部を混同しないように動脈瘤の頚部は動脈瘤ネックNとした)を塞栓できる動脈瘤頚部塞栓部材5である。本発明によれば、全ての動脈瘤のネックの部分で、適切な動脈瘤頚部塞栓部材5を係止し動脈瘤ネックNと動脈瘤頚部塞栓部材5をピタッと合わせれば血管内手術で動脈瘤を治癒することができる。更に本発明では、動脈瘤ネックNで動脈瘤頚部塞栓部材5の頚部53を係止し容易に動脈瘤および動脈瘤ネックを塞栓する方法も提供する。
言葉の定義として、動脈瘤の呼び方として動脈瘤の頚部を動脈瘤ネックNとした。次に塞栓部材の呼び方を人間の体に例えてみた(図1A参照)。動脈瘤のネック(頚部)を塞栓する部材という意味で動脈瘤頚部塞栓部材5と命名した。この動脈瘤頚部塞栓部材5の先端部分(動脈瘤の一番奥に入る塞栓部材)より図1A、図1Bのように命名し、脚部51、体部52、頚部53、頭部54、頭頂部55とした。そして、これらの部位をはっきりさせるために塞栓部材の最も奥である遠位端から脚部先端51A、動脈瘤の頚部の方向に向かって脚部後端51B、体部先端52A(これは脚部後端51Bと接している)、体部後端52B、頚部先端53A(これは体部後端52Bと接している)、頚部後端53B、頭部先端54A(これは頚部後端53Bと接している)、頭部後端54B、頭頂部先端55A(これは頭部後端54Bと接している)、頭頂部後端55B、とした。更にAとBの中間をCとした。脚部先端51Aと脚部後端51Bの中間を脚部中間51Cとした。体部先端52Aと体部後端52Bの中間を体部中間52Cとした。頚部先端53Aと頚部後端53Bの中間を頚部中間53Cとした。頭部先端54Aと頭部後端54Bの中間を頭部中間54Cとした。頭頂部先端55Aと頭頂部後端55Bの中間を頭頂部中間55Cとした。なお、動脈瘤の形状によっては脚部51と頭頂部55は無くてもよい、もしくは解放された状態のままでもよい。つまり塞栓部材の頚部を正確には「動脈瘤頚部塞栓部材5の頚部53」と呼ぶが、「頚部塞栓部材5の頚部53」もしくは「頚部53」と略す。特に体部52、頚部53、頭部54を本体部と呼ぶ。可撓性を有し複数の貫通孔を有する筒状の形状を有する網材からなる。前記本体部に挿入される棒材を前記本体部の一端部が包持するように固定された脚部51と頭頂部55を固定部と呼ぶ。更に前記本体部の少なくとも一部が前記本体部の半径方向に伸び出した頚部53を塞栓部と呼ぶ。
具体的には、動脈瘤頚部塞栓部材5は、後述する内筒6に固定されており、後述する生体内離脱具1によって、所望の動脈瘤ネックNに留置される。また、動脈瘤頚部塞栓部材5は、動脈瘤頚部塞栓部材5の径方向において最大になる箇所「頚部塞栓部材の頚部53」において、動脈瘤ネックNに係合する。動脈瘤ネックNに係合することで動脈瘤頚部塞栓部材5が動脈瘤に固定される。動脈瘤頚部塞栓部材の第1の製造方法(第1構造)においては小さい動脈瘤(15mm 以下の動脈瘤)や、いびつな動脈瘤に適しているため、この図1Aの形状がよいこととなる。つまり、先が細く段々と動脈瘤ネックNに近づくにつれて、太くなる形状である。動脈瘤内に動脈瘤頚部塞栓部材5を導入する場合動脈瘤の内部の壁を圧迫し動脈瘤を破裂させてしまうことがある。これをなくすために動脈瘤頚部塞栓部材5の形状は動脈瘤ネックNで係止して固定されることが良い。その形状とは図1Aの通りである。しかし動脈瘤の形状は嚢状の形が多く頚部53よりも体部52の方が大きくなる場合もある。また、脚部51や頭頂部55がない場合もある。詳細は後述する。図1Aでは頭頂部55に接して離脱装置Dが作成されている。動脈瘤ネックNで係止して固定後、この離脱装置Dの位置で動脈瘤頚部塞栓部材5を離脱する。離脱装置として電気離脱やメカニカル離脱等で適宜切断する。離脱後はガイドワイヤーを引き抜けば動脈瘤ネックNで係止し固定されることとなる。図1Bではこの離脱装置Dがない。動脈瘤頚部塞栓部材5を目的の動脈瘤ネックNに留置できたときにガイドワイヤーG、もしくは内筒6とガイドワイヤーGを引き抜くことで、動脈瘤頚部塞栓部材5を適宜切断する。つまりガイドワイヤーGに直接固定してもしなくても良いわけである。同様に内筒6に直接固定してもしなくても良いわけである。尚、離脱装置Dは動脈瘤頚部塞栓部材5に接して記載してあるが(図1A参照)、内筒6と内筒6の間に作成してもよい(図2B参照)。また、ガイドワイヤーを離断しガイドワイヤーとガイドワイヤーの間に作成してもよい(図5A参照)。このように直接固定した場合は動脈瘤頚部塞栓部材5に離脱装置が必要である。詳細は後述する。
(動脈瘤頚部塞栓部材の第2構造の概要)
図2A、図2B、図2Cは、本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材5の第2構造の概略図である。尚、第2構造とは動脈瘤頚部塞栓部材5の第2の製造方法で作成した構造物及び製造方法のことを示す。詳細は後述する。
図2B.図2Cの通り、本発明の本質は、大動脈瘤から5mm以下の小さい動脈瘤まで全ての動脈瘤ネックNの部分を塞栓できる動脈瘤頚部塞栓部材5である。本発明によれば、全ての動脈瘤ネックNの部分で、適切な動脈瘤頚部塞栓部材5を係止しピタッと合わせれば血管内手術で動脈瘤を治癒することができることである。筒状の網材を変形する方法として動脈瘤頚部塞栓部材5を翻転する方法を記載する。その他にも色々な筒状の網材を変形する方法がある。前述の動脈瘤頚部塞栓部材5の第1構造との差異(翻転することの一番(最大の)の利点)は、一端部が他端部側(図は、右の端部が左の端部)に翻転することにより、動脈瘤頚部塞栓部材5(特に頭部54と頭頂部55の部分が)が動脈瘤ネックNで親血管に顔を出さないことである。これを我々は動脈瘤頚部塞栓部材5の襟を親血管に出さないと表現している(英語ではcollarlessもしくはno collar)という。これは動脈瘤の塞栓術では最も重要な問題で親血管に動脈瘤頚部塞栓部材5が顔を出すとその部分で血栓を形成し血管を閉塞することになったり、同部位から末梢に血栓を飛ばし脳梗塞を作ることになる。重篤な合併症を作ることになる。なお、この翻転についても詳細は後述する。翻転による名称について説明する。第1構造と同様に、動脈瘤の頚部の呼び方は、動脈瘤ネックNとする。動脈瘤のネック(頚部)を塞栓する部材も同様に動脈瘤頚部塞栓部材5と命名した。次に塞栓部材の呼び方を前述の人間の体に例え(図2B、図2C参照)、動脈瘤の一番奥に入る塞栓部材より図2Bのように命名し、脚部51、体部52、頚部53、頭部54、頭頂部55(尚、翻転しているので頭頂部55は動脈瘤ネックから動脈瘤の内側に形成されることになる)とした。そして、これらの部位に位置をはっきりさせるために原点を定めた。前述の第1構造と同様に塞栓部材の最も奥である遠位端から脚部先端51A、動脈瘤の頚部の方向に向かって脚部後端51B、体部先端52A(これは脚部後端51Bと接している)、体部後端52B、頚部先端53A(これは体部後端52Bと接している)、頚部後端53B、頭部先端54A(これは頚部後端53Bと接している)、頭部後端54B、頭頂部先端55A(これは頭部後端54Bと接している)、頭頂部後端55B、とした。更にAとBの中間をCとした。脚部先端51Aと脚部後端51Bの中間を脚部中間51Cとした。体部先端52Aと体部後端52Bの中間を体部中間52Cとした。頚部先端53Aと頚部後端53Bの中間を頚部中間53Cとした。頭部先端54Aと頭部後端54Bの中間を頭部中間54Cとした。頭頂部先端55Aと頭頂部後端55Bの中間を頭頂部中間55Cとした。特に体部52、頚部53、頭部54を本体部と呼ぶ。可撓性を有し複数の貫通孔を有する筒状の形状を有する網材からなる。前記本体部に挿入される棒材を前記本体部の一端部が包持するように固定された脚部51と頭頂部55を固定部と呼ぶ。更に前記本体部の少なくとも一部が前記本体部の半径方向に伸び出した頚部53を塞栓部と呼ぶ。
具体的には、動脈瘤頚部塞栓部材5は、後述する内筒6に固定されており、後述する生体内離脱具1によって、所望の動脈瘤に留置される。また、動脈瘤頚部塞栓部材5の第2製造方法(第2構造)においては大きな動脈瘤(15mm以上50mm 以下の動脈瘤)の塞栓に適している。大きく作るためには、翻転させる部位に特徴があり、動脈瘤頚部塞栓部材5の径方向においてできれば最大になる箇所が頚部53で頭部54は限りなく0mmに近く、動脈瘤ネックNに係合する。動脈瘤ネックNに係合することで動脈瘤頚部塞栓部材5が動脈瘤に固定される。図1A同様に、動脈瘤内に動脈瘤頚部塞栓部材5を導入する場合、動脈瘤の内部の壁を圧迫し動脈瘤を破裂させてしまうことがある。これをなくすために動脈瘤頚部塞栓部材5の形状は動脈瘤のネックNで係止して固定されることが良い。その形状とはこの図1A、図2Bおよび図2Cの通りである。つまり、先が細く段々と動脈瘤ネックNに近づくにつれて、太くなる形状である。しかし動脈瘤の形状は嚢状の形が多く頚部53よりも体部52の方がおおきくなる場合もある。また、脚部51や頭頂部55がない場合もある。詳細は後述する。
(生体内離脱具1の構成)
図1Bおよび図3は、本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材5を含む生体内離脱具1を示す断面図である。
図1Bおよび図3に示す通り、生体内離脱具1は、親カテーテル2と、子カテーテル3と、動脈瘤頚部塞栓部材5と、ガイドワイヤーGとを備える。通常動脈瘤頚部塞栓部材5の内側をガイドワイヤーGが移動可能にしてある。移動可能とは、ガイドワイヤーGが単純に動脈瘤頚部塞栓部材5の内筒6(後述する)の中を自由に移動できること。また、通常の手技中は、目的の動脈瘤の動脈瘤ネックNまでガイドワイヤーG、子カテーテル3と動脈瘤頚部塞栓部材5は一緒に誘導される。なお、動脈瘤頚部塞栓部材5は、はじめから子カテーテル3の遠端3A近傍(子カテーテル3の内部でも先端でもよい)に取り付けられているとよい。離脱の際に動脈瘤により圧力の負担をかけないで離脱できる。
また、生体内離脱具1は、動脈瘤頚部塞栓部材5を親動脈と動脈瘤の間のネックNに留置するだけでなく、親動脈と動脈瘤の間の動脈瘤ネックNにおいて動脈瘤頚部塞栓部材5の径方向に適宜変形させることで確実に親動脈と動脈瘤の間の動脈瘤ネックNを覆うことができる。すなわち、動脈瘤頚部塞栓部材5は、親動脈と動脈瘤の間の動脈瘤ネックNの少なくとも一部と係合していればよい。
図4は、カテーテル2、3およびガイドワイヤーGによる動脈瘤頚部塞栓部材5の移動前後の状態を示す断面図である。なお、本明細書において、親カテーテル2および子カテーテル3をまとめてカテーテル2、3と記載することがある。
図4(A)に示すように、親カテーテル2は、近端(図示しない)と遠端2Aとを有する。なお、本明細書では、近端とは施術者が操作する操作部(図示しない)が取り付けられている端部であり、遠端2Aとは、子カテーテル3が延出できるよう開放されている端部である。また、親カテーテル2は、長尺なチューブ状であり、子カテーテル3をチューブ内部に長手方向に沿って移動可能に保持している。
また、図4(A)に示すように、子カテーテル3も親カテーテル2と同様に、長尺なチューブ状をなしており、近端(図示しない)と遠端3Aとを有する。遠端3Aは、動脈瘤頚部塞栓部材5が延出できるように開放されている。勿論動脈瘤頚部塞栓部材5はチューブ内部も移動は可能である。ガイドワイヤーGも内筒6の内部を移動は可能である。なお、子カテーテル3の近端も施術者が操作可能となっている。通常は、動脈瘤頚部塞栓部材5は、後述する内筒6に固定されている。しかし、動脈瘤頚部塞栓部材5は、後述する内筒6に固定されていなくてもよい。内筒6に固定されていない場合の説明をする。更に小さな動脈瘤の場合、内筒6と動脈瘤頚部塞栓部材5は、ガイドワイヤーGの先端(操作端とは反対側の端部)に取り付けられている。そして、動脈瘤頚部塞栓部材5は、内筒6とガイドワイヤーGが一体となり、目的の動脈瘤に留置される。そして、内筒6とガイドワイヤーを引き抜くと、動脈瘤頚部塞栓部材5のみが動脈瘤の頚部に係止され動脈瘤は塞栓される。勿論この場合、目的の動脈瘤に留置されるのは、動脈瘤頚部塞栓部材5のみとなる。なお、以下の図4(C)の説明においては、動脈瘤頚部塞栓部材5がガイドワイヤーGに直接固定されている例を記載するが、本発明は本構成に限定されるものではない。
図4(C)に動脈瘤頚部塞栓部材5(後述する内筒6はあった方が動脈瘤頚部塞栓部材5の作成する上で都合がよいが内筒6はなくてもよい)がガイドワイヤーGに直接固定されている例の記載をする。前述の通り、ガイドワイヤーGの先端には、動脈瘤頚部塞栓部材5が一体になっており、動脈瘤ネックNに誘導される。ガイドワイヤーGには、動脈瘤頚部塞栓部材5と一体型に接続されているガイドワイヤーの先端部分があり、これを切り離すための離脱装置D(電気離脱もしくはメカニカル離脱装置等で離脱する)が用意されている。これらは施術者によってガイドワイヤーGを操作することによって操作可能とされる。施術者がガイドワイヤーGを操作することによって、動脈瘤頚部塞栓部材5を離脱させて親動脈と動脈瘤の間の動脈瘤ネックNに留置することができる。なお、ガイドワイヤーGは、後述する内筒6と共に本発明の棒材に相当することができる。つまり、更により小さな動脈瘤の場合、動脈瘤頚部塞栓部材5はガイドワイヤーGの先端(操作端とは反対側の端部)に一体型として取り付けられている(内筒6はあってもよい)。そして、動脈瘤頚部塞栓部材5は、ガイドワイヤーGと一体となり目的の動脈瘤に留置される。離脱装置Dを用いて動脈瘤頚部塞栓部材5と一体型に接続されているガイドワイヤーの先端部分を離脱する。そして、先端を切り離したガイドワイヤーGを引き抜くと、動脈瘤頚部塞栓部材5と一体型に接続されていたガイドワイヤーの先端部分が動脈瘤の頚部に係止され動脈瘤は塞栓される。勿論この場合、目的の動脈瘤に留置されるのは、動脈瘤頚部塞栓部材5と一体型に接続されているガイドワイヤーの先端部分のみとなる。繰り返しになるが内筒6はあってもなくてもよい。内筒6が無い場合は、動脈瘤頚部塞栓部材5と先端に一体型に接続されているガイドワイヤーの先端部分はPVA等で接続しこれを離脱装置D(電気離脱やメカニカル離脱)で切り離す。内筒6がある場合も同様に内筒6と、一体型に接続されているガイドワイヤーの先端部分はPVA等で接続しこれを離脱装置D(電気離脱やメカニカル離脱)で切り離す。ここでは動脈瘤頚部塞栓部材5がガイドワイヤーGに直接固定されている例の記載をしたが、固定せずガイドワイヤーGの先端に載せるだけでも良い、つまり動脈瘤頚部塞栓部材5を目的の動脈瘤ネックNに留置できたときにガイドワイヤーGを引き抜けばよい。これもメカニカル離脱装置の1つである。このように動脈瘤頚部塞栓部材5を離脱する方法としては、電気離脱とメカニカル離脱があるが、本発明は、本離脱装置に限定されるものではない。適宜切断できればよい。
そして、図4(B)のように、親カテーテル2が目的の部位(子カテーテル3を延出する箇所)に到達すると、親カテーテル2の内部を子カテーテル3が移動して遠端2Aを飛び出す。そして、子カテーテル3が目的の部位(動脈瘤)まで到達すると、ガイドワイヤーGおよび動脈瘤頚部塞栓部材5が子カテーテル3の内部を移動して子カテーテル3の遠端3Aを抜け出る。
生体内離脱具1は、動脈瘤頚部塞栓部材5を子カテーテル3の遠端3Aに取り付けて、目的位置となる動脈瘤でガイドワイヤーGを施術者側に引くか、または子カテーテル3を遠端3A側に押し出す。この施術者の操作により、生体内離脱具1は、動脈瘤頚部塞栓部材5を子カテーテル3およびガイドワイヤーGから離脱させて親動脈と動脈瘤の間の動脈瘤ネックNに留置可能にする。
図4(A)と図4(B)における動脈瘤頚部塞栓部材5の形状は、それぞれ異なっている。図4(A)において、動脈瘤頚部塞栓部材5は、子カテーテル3の内径に制限された外径まですぼめられている。図4(B)のように、動脈瘤頚部塞栓部材5は、子カテーテル3を飛び出すことによって、子カテーテル3の内壁による外力がかからなくなるため、子カテーテル3の内径または外径よりも動脈瘤頚部塞栓部材5の外径が大きくなる。
本発明は、大きく2通りの動脈瘤頚部塞栓部材5の製造方法がある。1つ目の製造方法は、後述する動脈瘤頚部塞栓部材5の第1構造の製造方法であり、簡易な製造方法を有する。動脈瘤頚部塞栓部材5の第1構造は、小さな動脈瘤(15mm未満)または形がいびつな動脈瘤に適している。すなわち、動脈瘤頚部塞栓部材5の第1構造は、動脈瘤頚部塞栓部材5自体を小さく製造できる点に特徴がある。一方、2つ目の製造方法は、後述する動脈瘤頚部塞栓部材5の第2構造の製造方法である。動脈瘤頚部塞栓部材5の第2構造は、大きな動脈瘤(15mm~50mm程度)に適している。すなわち、動脈瘤頚部塞栓部材5の第2構造は、動脈瘤頚部塞栓部材5自体を大きく作るために翻転させる製造方法に特徴がある。以降、動脈瘤頚部塞栓部材5の第1構造および動脈瘤頚部塞栓部材5の第2構造について個別に説明する。
(動脈瘤頚部塞栓部材5の第1構造)
図5は、本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材5の第1構造を示す模式図である。更に、図6は、動脈瘤頚部塞栓部材5の第1構造を立体的に示す斜視図である。
図5および図6の通り、動脈瘤頚部塞栓部材5は、筒状の網材を変形することで形成されている。動脈瘤頚部塞栓部材5は、繊維や糸などの長尺かつ可撓性を有する複数の可撓体を編むことで網目状にして複数の貫通孔を有するとともに全体を筒状の形状を有する。このようにすることで、複数の可撓体を束ねて一体化して動脈瘤頚部塞栓部材5を形成することができる。また、可撓性を有する箔や薄い板やフィルムなどの連続体に複数の貫通孔を形成して全体を筒状に形成したものでもよい。また、可撓性を有する箔や薄い板やフィルムなどの連続体に複数の貫通孔を形成せずに全体を筒状に形成したものでもよい。このように形成することで連続体から動脈瘤頚部塞栓部材5を一体的に形成することができる。すなわち、動脈瘤頚部塞栓部材5は、全体が筒状の形状(中空)を有し、複数の貫通孔を有するとともに、変形可能に可撓性を有するものであればよい。このように、動脈瘤頚部塞栓部材5は、複数の可撓体を束ねて一体化する態様も、連続体から一体的に形成する態様も含まれる。なお、本明細書では、簡便のため、いずれの態様も動脈瘤頚部塞栓部材5の形態を筒状の網材と総称する。動脈瘤頚部塞栓部材5は、脚部51、体部52、頚部53、頭部54、頭頂部55から形成されている。
具体的に、脚部51、体部52、頚部53、頭部54、頭頂部55は、単一の網材からなる。動脈瘤頚部塞栓部材5は、筒状のままでもよく、動脈瘤頚部塞栓部材5の長手方向の一端部脚部先端51Aから逆側の端部である他端部頭頂部後端55Bに向かって広がっていく方がよい。動脈瘤頚部塞栓部材5を子カテーテル3のチューブ内に収めて移動可能な状態にする場合と、子カテーテル3のチューブ内に収めないで移動可能な状態にする場合もある。この場合は動脈瘤頚部塞栓部材5が広がった状態で子カテーテル3の遠端3A側にセットされている。いずれの場合も、動脈瘤頚部塞栓部材5が移動可能な形状であればよい。
脚部51と頭頂部55は、動脈瘤頚部塞栓部材5の一端部脚部先端51Aもしくは頭頂部後端55Bの径方向における周縁部が内筒6もしくはガイドワイヤーGに寄せ集められることによって形成されている。脚部51と頭頂部55は、内筒6もしくはガイドワイヤーGに動脈瘤頚部塞栓部材5が取り付けられた部分である。固定手法としては、ワイヤーによって一端部脚部先端51Aや脚部後端51Bもしくは頭頂部先端55Aや頭頂部後端55Bを縛り付ける方法やアロンアルファー(登録商標)などの接着剤を使用して接合する方法が好ましい。ワイヤーの材質は、特に限定されず、一般的な縫合糸を用いることができる。本発明において、図5および図6の通り、脚部51と頭頂部55は、網材がガイドワイヤーGで移動可能にされている部分を示す。また図5Aでは、ガイドワイヤーを離断しガイドワイヤーとガイドワイヤーの間に離脱装置Dを接続し電気離脱もしくはメカニカル離脱が可能にしてある。図5Bではこの離脱装置Dがない。このように、図1Aでは、離脱装置Dは動脈瘤頚部塞栓部材5に接して記載してあるが、図2Bのように内筒6と内筒6の間に作成してもよい。図5Aのようにガイドワイヤーの間に離脱装置Dを作成してもよい。内筒6とガイドワイヤーGを引き抜くことで、動脈瘤頚部塞栓部材5を離脱する。詳細は後述する。
本実施形態において、(1)離脱装置DがガイドワイヤーGとガイドワイヤーGの間に直接固定されている例を提示した(図5A参照)。この場合動脈瘤頚部塞栓部材5に直接接合していないが、離脱装置が必要である。(2)動脈瘤頚部塞栓部材5の脚部51と頭頂部55がガイドワイヤーGに載せてあるだけの例を提示した(図5B参照)。この場合ガイドワイヤーGに固定していないのでガイドワイヤーGは移動が可能にしてある。(3)動脈瘤頚部塞栓部材5の脚部51と頭頂部55が内筒6に直接固定されている例を提示した(図1A参照)。動脈瘤頚部塞栓部材5と直接接合してあるので、この場合動脈瘤頚部塞栓部材5と内筒6の間に離脱装置が必要である。(4)動脈瘤頚部塞栓部材5の脚部51と頭頂部55が内筒6(図1参照)に直接載せて固定してあるだけの例を提示した(図1B参照)。ガイドワイヤーGに載せてあるだけの例も提示した(図5B参照)。この場合ガイドワイヤーGに固定したのではないのでガイドワイヤーGは移動が可能にしてある。
つまり(2)と(4)の場合、動脈瘤頚部塞栓部材5を目的の動脈瘤ネックNに留置できたときにガイドワイヤーGもしくは内筒6とガイドワイヤーGを引き抜けばよい。つまりガイドワイヤーGに直接固定してもしなくても良いわけである。同様に内筒6に直接固定してもしなくても良いわけである。直接固定した場合は動脈瘤頚部塞栓部材5に離脱装置が必要である。なお、内筒6は、金属製でもポリマーで形成されていてもよい。内筒6を全てポリマーで作成した場合は、離脱装置を用いて術者の好きな位置(任意の位置)で動脈瘤頚部塞栓部材5と内筒6を離脱できる。動脈瘤頚部塞栓部材5の内筒6への固定は、アロンアルファー(登録商標)などの接着剤を使用して接合する方法、または熱で圧着する方法が好ましい。また、内筒6の長手方向の全長は、動脈瘤頚部塞栓部材5の長手方向の全長以下が好ましいが全長より長くてもよい。また、内筒6の内径は、ガイドワイヤーGの直径より大きい必要があり、少なくても20μm程度以上大きければよい。これは、内筒6およびガイドワイヤーGの隙間が20μm程度以上空いていればガイドワイヤーGは、内筒6の内部を移動できるためである。また、内筒6も本発明の棒材に相当することができる。先に述べたとおり、動脈瘤頚部塞栓部材5と内筒6、ガイドワイヤーを一体型で作る場合もある。その場合ガイドワイヤーもしくは動脈瘤頚部塞栓部材5に離脱装置が必要である。その際はガイドワイヤーの直径と内筒6の直径は同じでも小さい直径でもよい。場合によっては内筒6はなくてもよい。
頚部53は、網材の一部分から成り、体部52と頭部54の間に形成されている。頚部53の一端部頚部先端53Aよりも他端部頚部後端53Bが動脈瘤ネックNに係止させることが好ましい。すると親動脈に動脈瘤頚部塞栓部材5が顔を出すことがなく理想の動脈瘤ネックNでピタッと係止したことを意味する。図5および図6では、通常の形態、つまり頚部53が一端部頭部先端54A付近に形成されている例を開示している。つまり頭部54と頭頂部55は限りなく0mmに近く、頚部53の一端部頚部先端53Aか他端部頚部後端53Bが動脈瘤ネックNに係合している。
図5のように、動脈瘤頚部塞栓部材5の脚部51が形成されている部分における直径D1が動脈瘤頚部塞栓部材5の最小の直径である。また、動脈瘤頚部塞栓部材5の頚部53が形成されている部分における直径D3が動脈瘤頚部塞栓部材5の最大の直径である。そして、動脈瘤頚部塞栓部材5の体部52が形成されている部分における直径D2がD1およびD3の間の直径を有する。すなわち、D1<D2<D3の関係が成り立つ。つまり、頚部53は、動脈瘤頚部塞栓部材5の全体において、最も径方向に突出している部位である。頭頂部55が動脈瘤頚部塞栓部材5の中央に形成された場合は、体部52が動脈瘤ネックNに係止される。この場合はD1<D3<D2の関係が成り立つ。前述した様に、動脈瘤内に動脈瘤頚部塞栓部材5を導入する場合動脈瘤の内部の壁を圧迫し動脈瘤を破裂させてしまうことがある。これをなくすために動脈瘤頚部塞栓部材5の形状は動脈瘤ネックNで係止して固定されることが良い。その形状とは図5Aの通りである。しかし動脈瘤の形状は嚢状の形が多く動脈瘤頚部塞栓部材5は頚部53よりも体部52の方がおおきくなる場合もある。この場合もD1<D3<D2の関係が成り立つ。また、脚部51や頭頂部55がない場合もある。
(動脈瘤頚部塞栓部材5の第2構造)
図7は、本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材5の第2構造を示す模式図である。更に、図8は、動脈瘤頚部塞栓部材5の第2構造を立体的に示す斜視図である。
図7および図8の通り、動脈瘤頚部塞栓部材5は、筒状の網材を変形することで形成されている。動脈瘤頚部塞栓部材5は、脚部51、体部52、頚部53、頭部54、頭頂部55を含む。
具体的に、筒状の網材を変形する方法として動脈瘤頚部塞栓部材5を翻転する方法を記載する。動脈瘤頚部塞栓部材5の第2構造では、筒状の網材の一端を固定して長手方向にめくるように翻転することで形成される。翻転後、動脈瘤の一番奥に入る塞栓部材より図2B、図7のように命名し、脚部51、体部52、頚部53、頭部54、頭頂部55とした。尚、筒状の網材の一端を固定して長手方向にめくるように翻転しているので頭頂部55は動脈瘤の内側に向かって形成されることになる。第1構造との違いが最も明らかな点である。この違いは非常に重要で、翻転することの一番(最大の)の利点は、動脈瘤頚部塞栓部材5(特に頭部54と頭頂部55の部分)が動脈瘤ネックNで親血管に顔を出さないことである。これを我々は動脈瘤頚部塞栓部材5の襟を親血管に出さないと表現している(英語ではcollarlessもしくはno collarという)。これは動脈瘤の塞栓術では最も重要な問題で親血管に動脈瘤頚部塞栓部材5が顔を出すとその部分で血栓を形成し血管を閉塞することになったり、同部位から末梢に血栓を飛ばし脳梗塞を作ることになる(重篤な合併症を作ることになる)。
図7における脚部51と頭頂部55は、動脈瘤頚部塞栓部材5の一端部脚部先端51Aや脚部後端51Bもしくは頭頂部先端55Aや頭頂部後端55Bの径方向における周縁部がガイドワイヤーGに寄せ集められることによって形成されている。脚部51と頭頂部55は、ガイドワイヤーGに動脈瘤頚部塞栓部材5が取り付けられた部分である。固定手法としては、ワイヤーによって縛り付ける方法やアロンアルファー(登録商標)などの接着剤を使用して接合する方法が好ましい。ワイヤーの材質は、特に限定されず、一般的な縫合糸を用いることができる。本発明において、脚部51と頭頂部55は、網材がガイドワイヤーGに移動可能にされている部分を示す。
本実施形態において、脚部51および頭頂部55がガイドワイヤーGに直接接合して固定(ワイヤーなどで固定した場合ガイドワイヤーGは移動可能にしてある)してもよいが、ガイドワイヤーGの外周を移動可能な内筒6(図2Bと図2C参照)に固定されることにしてもよい。この場合、脚部51および頭頂部55は、内筒6に確実に固定されていてもよい。内筒6は、金属製でもポリマーで形成されていてもよい。動脈瘤頚部塞栓部材5の内筒6への固定は、アロンアルファー(登録商標)などの接着剤を使用して接合する方法、または熱で圧着する方法が好ましい。また、内筒6の長手方向の全長は、動脈瘤頚部塞栓部材5の長手方向の全長以下が好ましいが全長より長くてもよい。また、内筒6の内径は、ガイドワイヤーGの直径より大きい必要があり、20μm程度以上大きければよい。これは、内筒6およびガイドワイヤーGの隙間が20μm程度空いていればガイドワイヤーGは、内筒6の内部を移動できるためである。また、内筒6も本発明の棒材に相当することができる。
翻転することの一番(最大の)の利点は、動脈瘤頚部塞栓部材5が親血管に顔を出さないことである。このためには少しでも頭部54は親血管に顔を出さないことである。図7の場合、頚部53は、動脈瘤ネックNで係止して固定される。頭部54は頭頂部55が形成されている一端部頭頂部先端55A付近に形成されているとよい。図7および図8では、頭部54が一端部頭頂部先端55A付近に形成されている例を開示している。頭部54は限りなく0mmに近い状態で、頚部53の一端部53Aか他端部53Bが動脈瘤ネックNに係合している(もしくは頭部54の一端部54Aが動脈瘤ネックNに係合している)ことが好ましい。
図7のように、動脈瘤頚部塞栓部材5の脚部51と頭頂部55が形成されている部分における直径D1が動脈瘤頚部塞栓部材5の最小の直径である。また、動脈瘤頚部塞栓部材5の頚部53が形成されている部分における直径D3が動脈瘤頚部塞栓部材5の最大の直径である。そして、動脈瘤頚部塞栓部材5の体部52が形成されている部分における直径D2がD1およびD3の間の直径を有する。すなわち、D1<D2<D3の関係が成り立つ。すなわち、頚部53は、動脈瘤頚部塞栓部材5の全体において、最も径方向に突出している部位である。動脈瘤頚部塞栓部材5の第1構造とは異なり、動脈瘤頚部塞栓部材5の第2構造の場合は、頭頂部55が動脈瘤頚部塞栓部材5の中央に形成された場合であっても、この関係が成り立つ。つまりD1<D2<D3の関係が成り立つ。動脈瘤内に動脈瘤頚部塞栓部材5を導入する場合動脈瘤の内部の壁を圧迫し動脈瘤を破裂させてしまうことがある。これをなくすために動脈瘤頚部塞栓部材5の形状は動脈瘤ネックNで係止して固定されることが良い。その形状とはこの図2、図7の通りである。つまり、先が細く段々と動脈瘤ネックNに近づくにつれて、太くなる形状である。しかし動脈瘤の形状は嚢状の形が多く頚部53よりも体部52の方がおおきくなる場合もある。また、脚部51や頭頂部55がない場合もある。
(網材の材質)
脚部51、体部52、頚部53、頭部54、頭頂部55からなる網材は、金属材料、金属合金、形状記憶合金、合成樹脂および超電導材料のいずれかの材料で成形されている。具体的に、網材は、金属材料、金属合金、形状記憶合金、合成樹脂および超電導材料のいずれかの材料からなるワイヤーを編むことで成形されているが、一体成型でもよい。網材は、処置中に動脈や動脈瘤内で容易に変形することができれば、特に材質に限定されない。
網材のワイヤーの径は、材質によって変わるため、ここでは特に限定しない。例えば、金属材料として白金や金であれば、20μm以下のワイヤー径が好ましいが、可能であれば、10μm程度であると更によい。例えば、形状記憶合金であるNi-Ti合金であれば、25μm程度、好ましくは10μm程度のワイヤー径であることが好ましい。
また、網材は、X線不透過性材料を含有することが好ましい。X線不透過性材料としては、例えば、硫酸バリウム、酸化ビスマス、タングステン、などが挙げられる。動脈瘤頚部塞栓部材5がX線不透過性を有することで、動脈瘤頚部塞栓部材5を再配置や回収する際に便利である。
金属材料は、網材を柔らかく成形できればよく、様々な材料を選択することができる。金属材料は、金、銀、銅以外でも形状記憶合金、合成樹脂及び超電導材料のいずれかの材料であるとよい。例えば、ステンレススチール、白金、金などが挙げられる。更に、白金の場合は、イリジウムを20%程度含んでいてもよい。好ましくは、イリジウムを10%以下含んでいるとよい。更に、白金に7~8%のイリジウムを含有させると更によい。イリジウムによって、白金の硬度を調節することができるため、イリジウムを割金として含む白金が好ましい。
形状記憶合金は、網材を柔らかく成形できればよく、様々な材料を適宜選択することができる。形状記憶合金は、Ni-Ti合金、Ni-Ti-Co合金、Ni-Ti-Fe合金、Ni-Ti-Mn合金、Ni-Ti-Cr合金、Ni-Ti-V合金、Ni-Ti-Al合金、Ni-Ti-Nb合金、Cu-Zn系合金、Cu-Zn-Be合金、Cu-Zn-Si合金、Cu-Zn-Sn合金、Cu-Zn-Ga合金、Cu-Al-Ni系合金、Cu-Al-Zn系合金などが挙げられ、用途、形状記憶性等の程度などに応じて合金濃度を変えて用いることができる。特に、Ni濃度が49~58原子%、好ましくは50~51原子%、より好ましくは50.3~50.7原子%のNi-Ti合金が好ましい。
合成樹脂は、網材を柔らかく成形できればよく、様々な材料を適宜選択することができる。合成樹脂は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン系樹脂、などが挙げられるが、これらの中でも、アクリル系樹脂(PAMA(ポリアクリル酸メチル)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PEMA(ポリエチルメタクリレート)など)、シリコーン系樹脂が生体内適合性、強度、成形性などの点から好ましい。人工の高機能繊維(アラミド繊維等)や、炭素繊維を選択することもできる。
超電導材料は、網材を柔らかく成形できればよく、様々な材料を適宜選択することができる。超電導材料は、Nb-Ti、Nb-Zr、Nb3Sn、Nb3Ge、Nb3Ga,Nb3(Al、Ge)、V3Ga、V3Si、NbN、などが挙げられる。
更に網材は、例えば、抗血栓性を与えるポリウレタン系、ナイロン系、ポリオレフィン系等の親水性ポリマー、血栓耐性物質、ヒアルロン酸若しくはパクリタキセルなどの抗血栓物質、または血管新生物質若しくは増殖因子類のような適切な物質を用いてコーティングしてもよい。特に、頚部53は、子カテーテル3内で表面に滑りをもたせるために潤滑性とヌメリ性を与える親水性ポリマー(無水マレイン酸共重合体やもしくはポリビニルピロリドン)を塗布することが好ましい。勿論動脈瘤内での動脈瘤頚部塞栓部材5の移動をなくす目的で親水性ポリマーを塗布しない場合もある。一方、脚部51から頭頂部55まで、血管新生物質若しくは増殖因子類のような適切な物質を用いてコーティングすることが好ましい。これによって、脚部51から頭頂部55まで、血栓形成を促進し動脈瘤ネックNでしっかりと血栓形成後係止できるので好ましい。
増殖因子類としては、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、血管透過性更新因子(VPF)、塩基性繊維芽細胞増殖因子(BFGF)、変換成長因子β(TGF-β)、などが挙げられる。
網材のメッシュの孔サイズは、大動脈でも最大で5000μm程度であり、1000μm以下でもよく、500μm以下であると更によい。血液の成分の大きさを考慮すると、白血球の15μm未満が好ましいが、赤血球の8μm未満または血小板の2μm未満であることが望ましい。しかしながら、現実的には、素線径20μの金属線を編む場合、製造可能である最小サイズである20μm程度から1000μm程度の孔サイズであることが好ましい。
(動脈瘤頚部塞栓部材5のバリエーション)
図9は、動脈瘤頚部塞栓部材5の取りうる他の形態を示す概略図である。
まず、図9(A)は、前述した動脈瘤頚部塞栓部材5の第1構造において、頭頂部55を複数設けた例である。すなわち、本発明において、頭頂部55は、複数設けられていてもよい。この場合、頚部53は、一端部脚部先端51Aおよび他端部頭頂部後端55Bの略中央部付近に形成されている。
そして、図9(B)は、前述した動脈瘤頚部塞栓部材5の第2構造において、頭頂部55を複数設けた例である。すなわち、本発明において、頭頂部55は、複数設けられていてもよい。この場合、頚部53は、通常一端部頭頂部先端55A側(図においては右端側)に形成されている。
また、図9(C)は、図9(B)の例と同様に前述した動脈瘤頚部塞栓部材5の第2構造において、頭頂部55を複数設けた例である。この例では、頚部53は、通常一端部頭頂部先端55A側(図においては右端側)に形成されている。そして図9(B)との差異は、一端部脚部先端51Aにおいて、脚部51が、他端部頭頂部後端55Bと同様に翻転されている点である。
これらの図9(A)~図9(C)から明らかな通り、動脈瘤頚部塞栓部材5の脚部51と頭頂部55の数は特に制限されることはなく、1つ以上あればよい。また、無い場合もある。頚部53は、対象の動脈瘤ごとに動脈瘤頚部塞栓部材5が用意されるため、1箇所だけ形成されていることが好ましい。動脈瘤の形状によっては、動脈瘤頚部塞栓部材5に頚部53が複数形成されていてもよい。
(第1構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材5の製造方法)
図10は、第1構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材5の製造方法を説明するための模式図である。
図10(A)の通り、まずは、筒状の網材を用意する。
続いて、図10(B)の通り、ガイドワイヤーGを網材に挿入する。ガイドワイヤーGは、網材の全長において挿入してもよく、脚部51と頭頂部55を形成する箇所にさえ挿入されていればよい。
次に図10(C)のように、網材を寄せ集めてガイドワイヤーGを網材によって包持するように移動可能に取り付けることで脚部51もしくは頭頂部55を形成する。この際、動脈瘤ネックNと網材の間に隙間がないように脚部51と頭頂部55の位置を調節し頚部53を形成することで、動脈瘤および動脈瘤ネックNを効果的に塞ぐことが可能となる。頭頂部55は、動脈瘤頚部塞栓部材5の一端部頭頂部先端55Aと他端部頭頂部後端55Bの間に形成される。
そして、図10(D)に示すように、体部52の少なくとも一部を頭部54に向かって膨らまことで、当該体部52が膨らみ半径方向に伸び出すことで頚部53を形成する。頚部53は、動脈瘤頚部塞栓部材5の他端部頚部後端53B(もしくは頭部先端54A)付近に形成されることが好ましい。
なお、脚部51と頭頂部55および頚部53を形成する順序は、逆であってもよい。また、頚部53を形成してから、ガイドワイヤーGを挿入して、脚部51と頭頂部55を形成してもよい。すなわち、矛盾がなければ、工程は当業者が可能な限り入れ替えることができる。
(第2構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材5の製造方法)
図11は、第2構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材5の製造方法を説明するための模式図である。
図11(A)の通り、まずは、筒状の網材を用意する。
続いて、図11(B)の通り、ガイドワイヤーGを網材に挿入する。ガイドワイヤーGは、網材の全長において挿入してもよく、脚部51と頭頂部55を形成する箇所にさえ挿入されていればよい。
次に図11(C)のように、網材を寄せ集めてガイドワイヤーGを網材によって包持するように移動可能に取り付けることで頭頂部55を形成する。
次に、図11(C)と図11(D)に示すように、筒状の網材の一端頭頂部55を固定して長手方向にめくるように翻転することで形成される。具体的には、図11(C)に示す矢印Pの向きに動脈瘤頚部塞栓部材5をめくって移動することで翻転は行われる。翻転後、動脈瘤の一番奥に入る塞栓部材より図2B、図7のように命名し、脚部51、体部52、頚部53、頭部54、頭頂部55とした。第1構造との違いが最も明らかな点である。
第1構造と同様に、この際、動脈瘤ネックNと網材の間に隙間がないように脚部51と頭頂部55の位置を調節し頚部53を形成することで、動脈瘤および動脈瘤ネックNを効果的に塞ぐことが可能となる。頚部53は、動脈瘤頚部塞栓部材5の他端部頚部後端53B付近(網材が翻転された部分付近)に形成されることが好ましい。
そして、図11(E)に示すように、動脈瘤頚部塞栓部材5の少なくとも一部を頭部54に向かって膨らますことで、当該体部52が膨隆し半径方向に伸び出すことで頚部53を形成する。
なお、脚部51と頭頂部55および頚部53を形成する順序は、逆であってもよい。また、頚部53を形成してから、ガイドワイヤーGを挿入して、頭頂部55を形成してもよい。更に、翻転する工程も頚部53を形成する前であれば、いつでもよい。すなわち、矛盾がなければ、工程は当業者が可能な限り入れ替えることができる。
(第1構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材5の作用)
図12は、第1構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材5を動脈瘤に留置した状態を示す模式図である。
図12AおよびBのように、動脈瘤頚部塞栓部材5は、親動脈( Parent artery :PAと略す)と動脈瘤の間の動脈瘤ネックNに留置される。具体的には、脚部51および体部52が、動脈瘤の内部に挿入される。頚部53が親動脈と動脈瘤の間の動脈瘤ネックNに係止する。頭部54および頭頂部55が僅かであるが親動脈に出る。親動脈に出ることを少しでも少なくするもしくはなくすために頭部54および頭頂部55は親動脈とは逆に動脈瘤の内部に向かうように作成すると良い。頚部53は、柔らかい性質を備えるよう設計されているため、動脈瘤ネックNの大きさに合わせて変形可能である。頚部53が、動脈瘤ネックNでネックの形状に変形することで食い込むように係合される。動脈瘤頚部塞栓部材5は、動脈瘤の大きさに応じて適宜サイズを決めることができる。
なお、図12AおよびBに示す通り、第1構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材5は、比較的小さい動脈瘤(概ね15mm程度まで)に適している。頚部53は、体部52の直径より大きく構成できる。頚部53は、網材の直径の10倍以上の直径程度まで大きく製造することができる。
また、動脈瘤頚部塞栓部材5は、動脈瘤の内部に触れていないため、動脈瘤に圧力をかけないため、動脈瘤の破裂の可能性を下げることができる。具体的には、動脈瘤頚部塞栓部材5の径方向の側面から動脈瘤の内壁までの距離L1が動脈瘤の壁と略同サイズでもよいが、通常動脈瘤は塞栓後縮小してくるため1mm以上であることが好ましい。更に、動脈瘤頚部塞栓部材5の一端部脚部先端51Aおよび動脈瘤の内壁までの距離L2、L3(3次元空間で想定すると縦・横・高さをL1・L2・L3と呼称した)も1mm以上であることが好ましい。L1、L2、およびL3の距離を最大限にすると、動脈瘤の内部に動脈瘤頚部塞栓部材5内が殆ど存在しない場合もあり得る。その場合、頚部53からL1・L2・L3までの距離が略0mmとなる。そのため、解離性動脈瘤のような動脈瘤にも適応することができる。すなわち、本願の動脈瘤頚部塞栓部材5は、頚部53が存在すれば、動脈瘤頚部塞栓部材5の軸方向の全長は特に限定されない。
(第2構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材5の作用)
図13は、第2構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材5を動脈瘤に留置した状態を示す模式図である。
図13AおよびBのように、動脈瘤頚部塞栓部材5は、親動脈と動脈瘤の間の動脈瘤ネックNに留置される。具体的には、脚部51および体部52が、動脈瘤の内部に挿入される。頚部53が親動脈と動脈瘤の間の動脈瘤ネックNに係止する。頭部54が僅かであるが親動脈に顔を出す。しかし翻転しているので、頭頂部55は動脈瘤の内部に挿入され親動脈に顔を出すことはなくなる。頭部54を少しでも少なくするために頭部54および頭頂部55は親動脈とは逆に動脈瘤の内部に向かうように作成すると良い。これが第1構造との大きな違いでこの違いは非常に重要である。翻転することの一番(最大の)の利点は、動脈瘤頚部塞栓部材5(特に頭部54と頭頂部55の部分が)が動脈瘤ネックNで親血管に顔を出さないことである。これを我々は動脈瘤頚部塞栓部材5の襟を親血管に出さないと表現している(英語ではcollarlessもしくはno collar)という。これは動脈瘤の塞栓術では最も重要な問題で親血管に動脈瘤頚部塞栓部材5が顔を出すとその部分で血栓を形成し血管を閉塞することになったり、同部位から末梢に血栓を飛ばし脳梗塞を作ることになる(重篤な合併症を作ることになる)。
なお、図13AおよびBに示す通り、第2構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材5は、比較的大きい動脈瘤(概ね15mm~50mm程度まで)に適している。頚部53は、頭頂部先端55Aで翻転しているため、翻転する前の頚部53(網材)の直径の10倍以上大きく製造することができる。
また、動脈瘤ネックNにおける頚部53は、動脈瘤の内部に触れていないため、動脈瘤に圧力をかけないため、動脈瘤の破裂の可能性を下げることができる。具体的には、動脈瘤頚部塞栓部材5の径方向の側面から動脈瘤の内壁までの距離L1が1mm以上であることが好ましい。更に、動脈瘤頚部塞栓部材5の他端部脚部先端51Aおよび動脈瘤の内壁までの距離L2・L3(3次元空間で想定すると縦・横・高さをL1・L2・L3と呼称した)も1mm以上であることが好ましい。L1、L2、およびL3の距離を最大限にすると、動脈瘤の内部に動脈瘤頚部塞栓部材5が殆ど存在しない場合もあり得る。その場合、頚部53からL1・L2・L3までの距離が略0mmとなる。そのため、解離性動脈瘤のような動脈瘤にも適応することができる。すなわち、本願の動脈瘤頚部塞栓部材5は、頚部53が存在すれば、動脈瘤頚部塞栓部材5の軸方向の全長は特に限定されない。
以上説明したように、本発明に係る動脈瘤頚部塞栓部材5および動脈瘤頚部塞栓部材5の製造方法によると、容易に動脈瘤および動脈瘤ネックNを塞栓でき、且つ、動脈瘤頚部塞栓部材5の表面に内膜の形成を促進することができる。具体的には、動脈瘤頚部塞栓部材5を親動脈ではなく、動脈瘤ネックNに容易に留置することができる。動脈瘤頚部塞栓部材5は、柔らかいメッシュ素材からなるため、動脈瘤ネックNにおいて、適宜変形させることが可能であり、動脈瘤ネックNにおいて係止および係合することができる。すなわち、頚部53が、動脈瘤ネックNでネックの形状に変形することで食い込むように係合される。また、動脈瘤頚部塞栓部材5は、適度な孔を有するメッシュ構造をなしていることから、内皮細胞への血小板の遊走、粘着の高い効果(所謂内膜の形成)が期待できる。
当業者は、本発明の精神および範囲から外れることなく、さまざまな変更、置換および修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
(変形例1)
図14~図16は、変形例1に係る動脈瘤頚部塞栓部材5を示す模式図である。
図14~図16の通り、変形例1に係る動脈瘤頚部塞栓部材5は、上述の第1構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材5に留め具7を更に有する。留め具7は、チューブ状であり、ガイドワイヤーGを内部に有する。留め具7には、更に親動脈側(ガイドワイヤーGの操作端側)に長手方向の切れ込みが複数入っている。この切れ込みによって、留め具7の端部が径方向に開いた複数の足71が複数形成される。複数の足71によって動脈瘤頚部塞栓部材5を動脈瘤ネックNに係止および係合する。留め具7の長さ(切れ込み形成前)は、動脈瘤頚部塞栓部材5の長手方向の全長L0以下であり、L0の1/4以上であるとよい。留め具7の切れ込みの数および長さは、動脈瘤頚部塞栓部材5の大きさおよび材質などによって適宜決定される。なお、複数の足71が形成される端部は、ガイドワイヤーGの操作端である必要はないが、子カテーテル3内での移動性を考慮すると、操作端側に形成されていることが好ましい。すなわち、留め具7には、ガイドワイヤーGが貫通され、頚部53付近において、動脈瘤頚部塞栓部材5の半径方向に放射状に広がった複数の足71を有する。この留め具7によって、動脈瘤頚部塞栓部材5の頚部53と一緒になって動脈瘤ネックNでの係止または係合を補助し、より強化に動脈瘤ネックNに留置される。本変形例では、複数の足71が、頚部53を内側から外側に向けて付勢している。
具体的に、複数の足71は、図14のように頚部53の内部から頚部53を動脈瘤ネックNに付勢する。複数の足71は、動脈瘤ネックNの外側(親動脈側)に位置するように設けられている。しかし、この複数の足71の位置は、図15のように動脈瘤ネックNの内側(動脈瘤の内部)であってもよい。この場合も図14のように、複数の足71は、頚部53を動脈瘤ネックNに付勢している。または、図16のように、頚部53の形成される他端部頚部後端53B(もしくは頭部先端54A)に隣接するように設けられてもよい。この場合、複数の足71は、頚部53と共に動脈瘤ネックNに係合することをサポートしている。特に、複数の足71は、動脈瘤ネックNの親動脈(PA)側に当接することで、動脈瘤頚部塞栓部材5を動脈瘤ネックNに係合することをサポートする。図14~図16において、複数の足71の位置の理解を容易にするために、動脈瘤ネックNを図に付け加えて示してある。
また、この留め具7は、子カテーテル3の内部では、複数の足71が子カテーテル3の内壁によって閉じられている。そして、複数の足71は、子カテーテル3の外部にガイドワイヤーGによって押し出された際に複数の足71の径方向外側への付勢力によって開く構造となっている。これによって、動脈瘤ネックNにおいて、動脈瘤および動脈瘤ネックNを塞栓可能となる。
留め具7の材質は、合成樹脂からなることが好ましいが、人体に影響がなく、適度な弾力性を有する材質であれば特に限定されるものではない。合成樹脂は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン系樹脂、などが挙げられるが、これらの中でも、アクリル系樹脂(PAMA(ポリアクリル酸メチル)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PEMA(ポリエチルメタクリレート)など)、シリコーン系樹脂が生体内適合性、強度、成形性などの点から好ましい。人工の高機能繊維(アラミド繊維等)や、炭素繊維を選択することもできる。
また、留め具7は、金属製であってもよい。この場合、留め具7は、複数の金属製のワイヤーを略チューブ状に束ねた状態で用意し、ワイヤーの先端をフック状に形成し動脈瘤頚部塞栓部材5の半径方向に放射状に広がるようにする。これを折り曲げることで複数の複数の足71を形成する。詳細は、前述のチューブからなる留め具7と同等であるため割愛する。
(変形例2)
図17~図19は、変形例2に係る動脈瘤頚部塞栓部材5を示す模式図である。
図17~図19の通り、変形例2に係る動脈瘤頚部塞栓部材5は、上述の第2構造を有する動脈瘤頚部塞栓部材5に留め具7を更に有する。留め具7は、チューブ状またはワイヤーを略チューブ状に配置してあり、ガイドワイヤーGを内部に有する。留め具7には、更に親動脈側(ガイドワイヤーGの操作端側)に長手方向の切れ込みが複数入っている。この切れ込みによって、留め具7の端部が半径方向に全周性に開いた複数の足71が複数形成される。複数の足71によって動脈瘤頚部塞栓部材5を動脈瘤ネックNに係止および係合する。留め具7の長さ(切れ込み形成前)は、動脈瘤ネックNに引っかかるよう動脈瘤頚部塞栓部材5の長手方向の全長L0以下であり、L0の1/4以上であるとよい。または、留め具7の長さは、動脈瘤ネックNに引っかかるよう動脈瘤頚部塞栓部材5の頚部53が形成されている部分における直径D3以上であり、D3の5/4以上であってもよい。切れ込みの数および長さは、動脈瘤頚部塞栓部材5の大きさおよび材質などによって適宜決定される。なお、複数の足71が形成される端部は、動脈瘤の頚部(ネック)側(端)、つまりガイドワイヤーGの操作端である必要はないが、子カテーテル3内での移動性を考慮すると、操作端側に形成されていることが好ましい。すなわち、留め具7には、ガイドワイヤーGが貫通され、頚部53付近において、動脈瘤頚部塞栓部材5の半径方向に放射状に広がった複数の足71を有する。この留め具7によって、動脈瘤頚部塞栓部材5の頚部53の動脈瘤ネックNでの係止または係合を補助し、より強化に動脈瘤ネックNに留置される。本変形例では、留め具7が、動脈瘤頚部塞栓部材5の頭頂部55を覆うように配置されている。そして、複数の足71が頚部53を内側から外側に向けて付勢している。また、複数の足71は、体部52(脚部51)が翻転された部分に沿うように開いている。
具体的に、複数の足71は、図17のように動脈瘤の内部から頚部53を動脈瘤ネックNに付勢する。複数の足71は、動脈瘤ネックNの外側(親動脈側)に位置するように設けられている。しかし、この複数の足71の位置は、図18のように動脈瘤ネックNの内側(動脈瘤の内部)であってもよい。この場合も図17のように、複数の足71は、頚部53を動脈瘤ネックNに付勢している。または、図19のように、頚部53の形成される他端部頚部後端53B(もしくは頭部先端54A)に隣接するように設けられてもよい。この場合、複数の足71は、頚部53と共に動脈瘤ネックNに係合することをサポートしている。特に、複数の足71は、動脈瘤ネックNの動脈側に当接することで、動脈瘤頚部塞栓部材5を動脈瘤ネックNに係合することをサポートする。図17~図19において、複数の足71の位置の理解を容易にするために、動脈瘤ネックNを図に付け加えて示してある。
また、この留め具7は、子カテーテル3の内部では、複数の足71が子カテーテル3の内壁によって閉じられている。そして、複数の足71は、子カテーテル3の外部にガイドワイヤーGによって押し出された際に複数の足71の径方向外側への付勢力によって開く構造となっている。これによって、動脈瘤ネックNにおいて、動脈瘤および動脈瘤ネックNを塞栓可能となる。
留め具7の材質は、変形例1同様に、合成樹脂からなることが好ましいが、人体に影響がなく、適度な弾力性を有する材質であれば特に限定されるものではない。合成樹脂は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン系樹脂、などが挙げられるが、これらの中でも、アクリル系樹脂(PAMA(ポリアクリル酸メチル)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PEMA(ポリエチルメタクリレート)など)、シリコーン系樹脂が生体内適合性、強度、成形性などの点から好ましい。人工の高機能繊維(アラミド繊維等)や、炭素繊維を選択することもできる。
(変形例3)
図20は、動脈瘤頚部塞栓部材5を形成する網材の構造を示す斜視図である。
上述の実施形態においては、動脈瘤頚部塞栓部材5を構成する網材が一層である場合を開示したが、変形例3では、二層からなる網材について説明する。ただし、網材の層数は、二層に限定されず、適度や柔らかさおよび弾力性を有するのであれば、層数は特に限定されるものではない。
図20の通り、変形例3の網材は、内側に素線径の大きい内層n1(つまり硬めの動脈瘤頚部塞栓部材5が形成される)を有し、外側に上述の網材である外層n2を有する。すなわち、外層n2は、内層n1と比較して、素線径が小さい(つまり軟らかめの動脈瘤頚部塞栓部材5が形成される)。しかし、本発明において、内層n1および外層n2は、逆でもよい。すなわち、本発明は、少なくとも素線径の異なる網材を二層以上備えているとよい。
通常は、網材を作成する素材の素線径と網目が動脈瘤頚部塞栓部材5の硬さ・柔らかさを決める。素材の素線径が太いと動脈瘤頚部塞栓部材5は硬く、網目が小さいほど動脈瘤頚部塞栓部材5は硬くなる。硬さを網材に求める時は素線径を太く網目を小さくします、素線径と網目の比率が40μ:800μ、つまり1:20程度である方がよい。本発明においては、動脈瘤ネックNへの圧力を極力減らすためには、内層M1および外層M2の素線径と網目の比率が1:10から1:20程度である方がよい。すなわち、外層を柔らかくするには、外層M2の素線径はある程度小さいことが好ましい。これは、適度な柔らかさおよび弾力性を得るために必要である。
1 生体内離脱具
2 親カテーテル
2A 親カテーテルの遠端
3 子カテーテル
3A 子カテーテルの遠端
5 動脈瘤頚部塞栓部材
51 脚部
52 体部
53 頚部
54 頭部
55 頭頂部
51A 脚部の一端部
51B 脚部の他端部
51C 脚部の中央部
D 離脱装置
G ガイドワイヤー
N 動脈瘤ネック部
6 内筒
7 留め具
71 複数の足
PA 親動脈

Claims (18)

  1. 可撓性を有するよう編成された筒状の網材からなる本体部を備え、
    前記本体部が、前記本体部に挿入される棒材を前記本体部の一端部が包持するように固定された固定部と、前記本体部の少なくとも一部が前記本体部の半径方向に伸び出し前記本体部より形成された頚部と、動脈瘤の内部に挿入される体部と、を含み、
    前記頚部は、収縮して、軸方向の一端部と他端部との間に動脈瘤の頚部を介在させ、
    前記頚部の前記他端部を前記動脈瘤の外部に在る親動脈の側から前記動脈瘤の頚部に対向させて前記動脈瘤の頚部に係止することを特徴とした動脈瘤頚部塞栓部材。
  2. 前記固定部は、前記本体部の前記一端部の周縁部が前記棒材に寄せ集められることによって形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の動脈瘤頚部塞栓部材。
  3. 前記固定部は、前記本体部の内側に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の動脈瘤頚部塞栓部材。
  4. 前記本体部が前記固定部付近で前記棒材の軸方向に翻転されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の動脈瘤頚部塞栓部材。
  5. 前記本体部は単一の網材からなることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の動脈瘤頚部塞栓部材。
  6. 前記網材からなる本体部は、金属材料、金属合金、形状記憶合金、合成樹脂および超電導材料のいずれかの材料で成形されている
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の動脈瘤頚部塞栓部材。
  7. 前記網材を構成するワイヤーの径は、10μm~20μm程度である
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の動脈瘤頚部塞栓部材。
  8. 前記網材の孔サイズは、10μm~5000μmである
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の動脈瘤頚部塞栓部材。
  9. 前記棒材が貫通され、前記頚部付近において、前記本体部の半径方向に放射状に広がった足部を有する留め具を更に有する
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の動脈瘤頚部塞栓部材。
  10. 可撓性を有するよう編成された筒状の網材からなる本体部を用意する工程と、
    前記本体部に棒材を挿入する工程と、
    前記棒材を前記本体部の一端部が包持するように固定することで固定部を形成する工程と、
    前記本体部の少なくとも一部を当該本体部の半径方向に伸び出し動脈瘤の頸部における動脈瘤の側と、前記動脈瘤の外部に在る親動脈の側とに沿って収縮する頚部を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法。
  11. 前記固定部は、前記本体部の前記一端部の周縁部が前記棒材に寄せ集められることによって形成されている
    ことを特徴とする請求項10に記載の動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法。
  12. 前記頚部を形成する前に、前記本体部の他端部を前記本体部の一端部側に翻転する工程を更に含む
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法。
  13. 前記本体部が前記固定部付近で翻転されている
    ことを特徴とする請求項12に記載の動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法。
  14. 前記本体部は単一の網材からなることを特徴とする請求項10~13のいずれか一項に記載の動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法。
  15. 前記網材からなる本体部は、金属材料、金属合金、形状記憶合金、合成樹脂および超電導材料のいずれかの材料で成形されている
    ことを特徴とする請求項10~14のいずれか一項に記載の動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法。
  16. 前記網材を構成するワイヤーの径は、10μm~20μm程度である
    ことを特徴とする請求項10~15のいずれか一項に記載の動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法。
  17. 前記網材の孔サイズは、10μm~5000μmである
    ことを特徴とする請求項10~16のいずれか一項に記載の動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法。
  18. 前記頚部付近において、前記本体部の半径方向に放射状に広がった足部を有する留め具を前記棒材に貫通させる工程を更に有する
    ことを特徴とする請求項10~17のいずれか一項に記載の動脈瘤頚部塞栓部材の製造方法。
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