JP7426323B2 - 原子炉 - Google Patents

原子炉 Download PDF

Info

Publication number
JP7426323B2
JP7426323B2 JP2020174674A JP2020174674A JP7426323B2 JP 7426323 B2 JP7426323 B2 JP 7426323B2 JP 2020174674 A JP2020174674 A JP 2020174674A JP 2020174674 A JP2020174674 A JP 2020174674A JP 7426323 B2 JP7426323 B2 JP 7426323B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
heat
nuclear
section
heat conduction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020174674A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022065896A (ja
Inventor
望 村上
道 中里
喬 長谷川
覚 蒲原
康考 原井
忠勝 淀
翔太 小林
昇平 大槻
豊 田中
達男 石黒
浩徳 野口
秀行 工藤
貴史 野田
和弘 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2020174674A priority Critical patent/JP7426323B2/ja
Priority to US18/031,766 priority patent/US20230386686A1/en
Priority to PCT/JP2021/034615 priority patent/WO2022080095A1/ja
Publication of JP2022065896A publication Critical patent/JP2022065896A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7426323B2 publication Critical patent/JP7426323B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C1/00Reactor types
    • G21C1/32Integral reactors, i.e. reactors wherein parts functionally associated with the reactor but not essential to the reaction, e.g. heat exchangers, are disposed inside the enclosure with the core
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C5/00Moderator or core structure; Selection of materials for use as moderator
    • G21C5/14Moderator or core structure; Selection of materials for use as moderator characterised by shape
    • G21C5/16Shape of its constituent parts
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C15/00Cooling arrangements within the pressure vessel containing the core; Selection of specific coolants
    • G21C15/02Arrangements or disposition of passages in which heat is transferred to the coolant; Coolant flow control devices
    • G21C15/04Arrangements or disposition of passages in which heat is transferred to the coolant; Coolant flow control devices from fissile or breeder material
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C15/00Cooling arrangements within the pressure vessel containing the core; Selection of specific coolants
    • G21C15/02Arrangements or disposition of passages in which heat is transferred to the coolant; Coolant flow control devices
    • G21C15/10Arrangements or disposition of passages in which heat is transferred to the coolant; Coolant flow control devices from reflector or thermal shield
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C3/00Reactor fuel elements and their assemblies; Selection of substances for use as reactor fuel elements
    • G21C3/30Assemblies of a number of fuel elements in the form of a rigid unit
    • G21C3/36Assemblies of plate-shaped fuel elements or coaxial tubes
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C5/00Moderator or core structure; Selection of materials for use as moderator
    • G21C5/12Moderator or core structure; Selection of materials for use as moderator characterised by composition, e.g. the moderator containing additional substances which ensure improved heat resistance of the moderator
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C11/00Shielding structurally associated with the reactor
    • G21C11/06Reflecting shields, i.e. for minimising loss of neutrons
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C15/00Cooling arrangements within the pressure vessel containing the core; Selection of specific coolants
    • G21C15/24Promoting flow of the coolant
    • G21C15/257Promoting flow of the coolant using heat-pipes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

本開示は、原子炉に関する。
例えば、特許文献1,2には、炉心の燃料が円板状の層に形成された構造が示されている。
特開昭62-17689号公報 特開平5-45485号公報
原子炉においては、核燃料物質の核分裂により放出される核分裂生成物(FP:Fission Product)を原子炉容器内部に保持することと、核燃料物質から構成される原子炉の炉心から熱を効率よく取り出すことが望まれている。
本開示は、上述した課題を解決するものであり、核分裂生成物を原子炉容器内部に保持しつつ、炉心から効率よく熱を取り出すことのできる原子炉を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る原子炉は、核燃料物質の表面に被覆部を設けた燃料部と、熱伝導部とを備える。
本開示は、核分裂生成物を保持しつつ、炉心から効率よく熱を取り出すことができる。
図1は、実施形態に係る原子炉を用いた原子力発電システムの模式図である。 図2は、実施形態1に係る原子炉を示す模式図である。 図3は、実施形態1に係る原子炉の断面模式図である。 図4は、実施形態1に係る原子炉の他の例の断面模式図である。 図5は、実施形態1に係る原子炉の一部切取拡大模式図である。 図6は、実施形態1に係る原子炉の一部切取拡大模式図である。 図7は、実施形態1に係る原子炉の一部切取拡大模式図である。 図8は、実施形態1に係る原子炉の一部切取拡大模式図である。 図9は、実施形態1に係る原子炉の燃料部の断面模式図である。 図10は、実施形態1に係る原子炉の燃料部の模式斜視図である。 図11は、実施形態1に係る原子炉の燃料部の他の例の模式斜視図である。 図12は、実施形態1に係る原子炉の燃料部の他の例の模式斜視図である。 図13は、実施形態1に係る原子炉の核燃料の他の例の断面模式図である。 図14は、実施形態1に係る原子炉の燃料部の他の例の模式斜視図である。 図15は、実施形態2に係る原子炉を示す模式図である。 図16は、実施形態2に係る原子炉の断面模式図である。 図17は、実施形態2に係る原子炉の他の形態を示す模式図である。 図18は、実施形態2に係る原子炉の熱伝導部の拡大模式図である。 図19は、実施形態2に係る原子炉の他の形態を示す模式図である。 図20は、図18に示す形態の説明図である。 図21は、実施形態3に係る原子炉を示す模式図である。
以下に、本開示に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、実施形態に係る原子炉を用いた原子力発電システムの模式図である。図1に示すように、原子力発電システム50は、原子炉容器51と、熱交換器52と、熱伝導部53と、冷媒循環手段54と、タービン55と、発電機56と、冷却器57と、圧縮機58と、を有する。
原子炉容器51は、後述する実施形態の原子炉11(12,13)を有する。原子炉容器51は、内部に原子炉11(12,13)が格納されている。原子炉容器51は、原子炉11(12,13)を密閉状態で格納する。原子炉容器51は、内部に載置する原子炉11(12,13)が格納または取り出せるように、例えば蓋である開閉部が設けられている。原子炉容器51は、原子炉11(12,13)において核分裂反応がおき、内部が高温、高圧になった場合でも、密閉状態を維持することができる。原子炉容器51は、中性子線の遮へい性能を備える材料で形成される。
熱交換器52は、原子炉11(12,13)との間で熱交換を行う。実施形態の熱交換器52は、原子炉容器51の内部に一部配置された熱伝導部53の固体の高熱伝導材料を介して原子炉11(12,13)の熱を回収する。なお、図1で示している熱伝導部53は、後述する熱伝導部3,103,104を総称して模式的に示したものである。
冷媒循環手段54は、冷媒を循環させる経路であり、熱交換器52と、タービン55と、冷却器57と、圧縮機58と、が接続されている。冷媒循環手段54を流れる冷媒は、熱交換器52、タービン55、冷却器57、圧縮機58の順で流れ、圧縮機58を通過した冷媒は、熱交換器52に供給される。従って、熱交換器52は、熱伝導部53の固体の高熱伝導材料と、冷媒循環手段54を流れる冷媒との間で熱交換を行う。
タービン55は、熱交換器52を通過した冷媒が流入する。タービン55は、加熱された冷媒のエネルギーにより回転される。つまりタービン55は、冷媒のエネルギーを回転エネルギーに変換して、冷媒からエネルギーを吸収する。
発電機56は、タービン55と連結されており、タービン55と一体で回転する。発電機56は、タービン55と回転することで発電する。
冷却器57は、タービン55を通過した冷媒を冷却する。冷却器57は、チラーや冷媒を一時的に液化する場合、復水器等である。
圧縮機58は、冷媒を加圧するポンプである。
原子力発電システム50は、原子炉11(12,13)の核燃料の反応で生じた熱を熱伝導部53で熱交換器52に伝える。原子力発電システム50は、熱交換器52において、熱伝導部53の高熱伝導材料の熱で、冷媒循環手段54を流れる冷媒を加熱する。つまり、冷媒は、熱交換器52において熱を吸収する。これにより、原子炉11(12,13)で発生した熱は、冷媒で回収される。冷媒は、圧縮機58で圧縮された後、熱交換器52の通過時に加熱され、圧縮し加熱されたエネルギーでタービン55を回転させる。冷媒は、その後、冷却器57で基準状態まで冷却され、再び圧縮機58に供給される。
原子力発電システム50は、以上のように、原子炉11(12,13)から取り出された熱を高熱伝導材料を介し、タービン55を回転する媒体となる冷媒に伝達する。これにより、原子炉11(12,13)と、タービン55を回転する媒体となる冷媒とを隔離することができ、タービン55を回転する媒体が汚染される恐れを低減できる。
[実施形態1]
図2は、実施形態1に係る原子炉を示す模式図である。図3は、実施形態1に係る原子炉の断面模式図である。図4は、実施形態1に係る原子炉の他の例の断面模式図である。図5は、実施形態1に係る原子炉の一部切取拡大模式図である。図6は、実施形態1に係る原子炉の一部切取拡大模式図である。図7は、実施形態1に係る原子炉の一部切取拡大模式図である。図8は、実施形態1に係る原子炉の一部切取拡大模式図である。図9は、実施形態1に係る原子炉の燃料部の断面模式図である。図10は、実施形態1に係る原子炉の燃料部の模式斜視図である。図11は、実施形態1に係る原子炉の燃料部の他の例の模式斜視図である。図12は、実施形態1に係る原子炉の燃料部の他の例の模式斜視図である。図13は、実施形態1に係る原子炉の核燃料の他の例の断面模式図である。図14は、実施形態1に係る原子炉の燃料部の他の例の模式斜視図である。
図2から図5に示すように、原子炉11は、燃料部(炉心)1と、遮へい部2と、熱伝導部3と、制御機構4と、を含む。
燃料部1は、板状に形成された燃料層1Aを有する。燃料層1Aは、実施形態1では、円板状に形成されている。燃料層1Aは、複数設けられ、相互が板面を対向するように並べて配置されている。この複数の燃料層1Aが板面を対向して並ぶ方向を軸方向という場合もある。燃料層1Aは、核燃料物質であるウランを含む。
遮へい部2は、燃料部1の周囲を覆うものである。遮へい部2は、例えば、金属ブロックからなり、核燃料から照射される放射線(中性子)を反射することで、燃料部1を覆った外部への放射線の漏洩を防ぐ。遮へい部2は、使用する材料の中性子散乱および中性子吸収の能力に応じて反射体と呼ばれることがある。遮へい部2は、遮へい層2Aを有する。遮へい層2Aは、燃料層1Aの外周面1Aaに沿って燃料層1Aの周囲を覆う板状に形成されている。遮へい層2Aは、板状の両板面に貫通する貫通穴2Aaを有して環状(リング状)に形成されている。遮へい部2は、貫通穴2Aaに燃料層1Aが収容される。
遮へい部2は、軸方向の両端に設けられた燃料部1を覆うように板状に形成された蓋部2Bを有している。遮へい部2は、各遮へい層2Aおよび各蓋部2Bにより、燃料部1を密閉した内部に収容する。燃料部1を内部に収容するにあたり、内部の酸化を防止する目的から、密閉構造とした内部に例えば窒化ガス等の不活性ガスを充填するとよい。
熱伝導部3は、板状に形成された熱伝導層3Aを有する。熱伝導層3Aは、その板面を燃料層1Aの板面に沿って接触するように軸方向に積層して配置される。熱伝導層3Aは、燃料層1Aおよび遮へい層2Aよりも外径が大きく形成され、燃料層1Aおよび遮へい層2Aの外周に突出する。実施形態1の熱伝導層3Aは、円板状に形成され、燃料層1Aおよび遮へい層2Aの全外周から径方向に突出して設けられる。径方向とは、積層方向(軸方向)に対して直交する方向である。熱伝導層3Aは、燃料部1の燃料層1Aと交互に軸方向に積層され、密閉した遮へい部2の内部から外部に延出して設けられる。また、熱伝導層3Aは、燃料層1Aの核燃料の核分裂反応により生じる熱を遮へい層2Aの外部に固体熱伝導で伝える。熱伝導層3Aは、例えばチタン、ニッケル、銅、グラファイトを用いることができる。グラファイトは、特に、グラフェンを用いることができる。グラフェンは、炭素原子とその結合からできた六角形格子が連続した構造であり、六角形格子の連続した方向を熱の伝達方向とすることで、熱伝達効率を向上できる。熱伝導層3Aは、遮へい層2Aの外部に延出した部分が、原子炉容器51の内部にて冷媒と熱交換可能に設けられている。
制御機構4は、燃料層1Aの径方向の外側であって、遮へい部2に配置される。実施形態1の制御機構4は、図3に示すように、制御ドラム4Aとして構成されている。制御ドラム4Aは、円筒状であって、いわゆるドラム状に形成されている。制御ドラム4Aは、円筒が原子炉11の軸方向に延びて形成されている。制御ドラム4Aは、遮へい部2および熱伝導部3を軸方向に貫通して設けられている。制御ドラム4Aは、原子炉11の軸方向の周りである周方向に複数(実施形態1では12個)が均等に配置されている。制御ドラム4Aは、円筒の周りに回転が可能に設けられている。制御ドラム4Aは、円筒の外周の一部に中性子吸収体4Aaが設けられている。中性子吸収体4Aaは、少なくとも燃料層1Aの外周面1Aaに向く位置に設けられ、例えば、ボロンカーバイト(BC)を用いることができる。中性子吸収体4Aaは、制御ドラム4Aの回転に伴って回転移動し、炉心である燃料部1の外周面1Aaに対して接近または離隔する。中性子吸収体4Aaが燃料部1に対して接近すると、燃料部1の反応度が下がり、中性子吸収体4Aaが燃料部1に対して離隔すると、燃料部1の反応度が上がる。このように、制御ドラム4Aは、中性子吸収体4Aaを回転により燃料部1に対して接近または離隔することで炉心である燃料部1の反応度を制御でき、燃料部1の炉心温度を制御できる。炉心温度は、熱伝導部3により遮へい部2の外部に取り出される炉心平均温度である。制御ドラム4Aは、その回転を駆動する図示しない駆動部を有する。駆動部は、制御ドラム4Aの中性子吸収体4Aaが燃料部1の内面に対して接近するように回転が付勢されており、制御ドラム4Aとの連結がクラッチ機構などにより絶たれた場合に自動的に中性子吸収体4Aaが燃料部1の外周面1Aaに対して接近するように構成されている。このため、例えば、燃料部1の温度が設定する温度以上となった緊急時に、自動的に中性子吸収体4Aaが燃料部1の内面に対して接近して燃料部1の反応度を下げることができる。
なお、制御機構4は、制御ドラム4Aに限らず、図4に示すように、制御棒4Bであってもよい。制御棒4Bは、燃料部1および熱伝導部3を軸方向に貫通して複数設けられている。制御棒4Bは、棒状に形成されている。制御棒4Bは、原子炉11の軸方向に延びて形成されている。制御棒4Bは、軸方向にスライドが可能に設けられている。制御棒4Bは、中性子吸収体により形成されている。中性子吸収体は、例えば、ボロンカーバイト(BC)を用いることができる。制御棒4Bは、スライドによって軸方向に移動し、燃料部1の筒状の内部に挿入され、または燃料部1の筒状の外部に引き抜かれることで、炉心である燃料部1に対して接近または離隔することが可能に設けられている。制御棒4Bが燃料部1に挿入されると、燃料部1の反応度が下がり、制御棒4Bが燃料部1から引き抜かれると、燃料部1の反応度が上がる。このように、制御棒4Bは、中性子吸収体をスライドにより燃料部1に対して挿入または引き抜くことで炉心である燃料部1の反応度を制御でき、燃料部1の炉心温度を制御できる。制御棒4Bは、そのスライドを駆動する図示しない駆動部を有する。駆動部は、制御棒4Bが燃料部1の内面に対して挿入されるようにスライドが付勢されており、制御棒4Bとの連結がクラッチ機構などにより絶たれた場合に自動的に制御棒4Bを燃料部1に挿入する。このため、例えば、燃料部1の温度が設定する温度以上となった緊急時に、自動的に制御棒4Bが燃料部1に挿入して燃料部1の反応度を下げることができる。
従って、実施形態1の原子炉11は、燃料部1の核燃料の核分裂反応により生じる熱を、熱伝導部3により固体熱伝導で遮へい部2の外部に取り出すことができる。そして、遮へい部2の外部に取り出された熱は、冷媒に伝達され、タービン55を回転させる。
実施形態1の原子炉11は、燃料部1の核燃料の熱を熱伝導部3により固体熱伝導で遮へい部2の外部に取り出し(図2矢印参照)、冷媒に熱を伝えることができる。この結果、実施形態1の原子炉11は、放射性物質などの漏えいを防止できる。また、実施形態1の原子炉11は、熱伝導部3が燃料部1の内部および遮へい部2の外部に延出して配置されているため、内部に熱伝導部3がない場合と比べて燃料部1の核燃料の熱の伝熱距離を抑えつつ遮へい部2の外部に取り出すことができる。この結果、実施形態1の原子炉11は、高い出力温度を確保できる。なお、実施形態1の原子炉11は、固体熱伝導で熱を取り出す形態の熱伝導部3を説明したが、例えば、他の熱伝導部として、流体が封入されたヒートパイプを用いる流体熱伝導で熱を取り出す形態を用いてもよい。
また、実施形態1の原子炉11では、燃料部1の燃料層1Aおよび熱伝導部3の熱伝導層3Aが、板状に形成されて板面を対向して交互に重ねて配置され、板状の熱伝導層3Aは、板状の外周部が遮へい部2の外部に延出して配置される。従って、実施形態1の原子炉11は、熱伝導部3が、遮へい部2を貫通して燃料部1の内部および遮へい部2の外部に延出して配置される形態とすることができ、燃料部1の熱を遮へい部2の外部に固体熱伝導で取り出すことができる。なお、燃料層1Aの複数の板状や、熱伝導層3Aの複数の板状は、板厚を変えてもよい。また、熱伝導部3が延出していない遮へい部2の外部を断熱材で覆うことで、熱伝導部3による熱の回収効率を向上できる。
また、実施形態1の原子炉11では、図6に示すように、熱伝導部3は、各熱伝導層3Aの遮へい部2の外部に延出する部分に切込3Bが複数形成されているとよい。切込3Bは、遮へい部2の外面から遠ざかるように径方向に延びて形成され、遮へい部2の外周に沿うように、熱伝導部3の外周に複数並んで形成されている。即ち、熱伝導部3は、遮へい部2の外部に延出する部分であって、熱交換器52で熱交換を行うため冷媒循環手段54を循環する冷媒と熱交換を行う部分に、切込3Bにより冷媒を通過させる隙間が形成される。従って、実施形態1の原子炉11は、熱伝導部3で取り出した熱を冷媒に伝達する効率を高められる。
遮へい部2の外面から遠ざかるように径方向に延びて形成された熱伝導部3において、取り出す熱は、燃料部1に近い径方向内側が高く、燃料部1から遠い径方向外側が低くなる。例えば、図6において、遮へい部2の外面から遠ざかるように径方向に延びて形成された熱伝導部3において、仮想線Lにより径方向に二つの領域に分けた場合、仮想線Lよりも径方向内側が径方向外側よりも取り出した熱の温度が高い。このため、熱伝導部3において、冷媒と熱交換を行うにあたり、冷媒を先に仮想線Lよりも径方向外側に通過させ、その後に戻して仮想線Lよりも径方向内側に通過させてから、冷媒を熱交換器52に送り出す。このようにすれば、熱伝導部3で取り出した熱を冷媒に伝達する効率を高められる。
また、実施形態1の原子炉11では、図7に示すように、熱伝導部3は、各熱伝導層3Aの遮へい部2の外部に延出する部分に、冷媒を流通する伝熱管3Cが貫通されているとよい。伝熱管3Cは、遮へい部2の外周に沿うように、熱伝導部3の外周に複数並んで形成されている。即ち、熱伝導部3は、遮へい部2の外部に延出する部分であって、熱交換器52で熱交換を行うため冷媒循環手段54を循環する冷媒と熱交換を行う部分に、冷媒を流通する伝熱管3Cが貫通されている。従って、実施形態1の原子炉11は、熱伝導部3で取り出した熱を伝熱管3Cを介して冷媒に伝達する。また、実施形態1の原子炉11は、熱伝導部3で取り出した熱を伝熱管3Cで間接的に冷媒に伝達するため、放射線の遮へい性を維持できる。
例えば、図7において、遮へい部2の外面から遠ざかるように径方向に延びて形成された熱伝導部3において、仮想線Lにより径方向に二つの領域に分けた場合、仮想線Lよりも径方向内側が径方向外側よりも取り出した熱の温度が高い。このため、伝熱管3Cは、径方向に複数配置し、仮想線Lよりも径方向内側に配置された内側伝熱管3Caと、仮想線Lよりも径方向外側に配置された外側伝熱管3Cbとを含む。そして、熱伝導部3において、冷媒と熱交換を行うにあたり、冷媒を先に外側伝熱管3Cbに流通させ、その後に戻して内側伝熱管3Caに流通させてから、冷媒を熱交換器52に送り出す。このようにすれば、熱伝導部3で取り出した熱を冷媒に伝達する効率を高められる。
また、実施形態1の原子炉11では、図8に示すように、熱伝導部3において、各熱伝導層3Aは、燃料部1の燃料層1Aと重なる軸方向に複数の板材3Dを重ねて板状に形成されているとよい。熱伝導部3は、例えばグラフェンを用いることができるが、グラフェンは、炭素原子とその結合からできた六角形格子が連続した構造であり、六角形格子の連続した方向で熱の伝達性が高い。このグラフェンをシート状の板材3Dとすることで、六角形格子が板材3Dの面に沿って連続する。そして、この板材3Dを軸方向に重ねて板状に形成する。すると、熱伝導部3は、板材3Dの面に沿って径方向に熱の伝達性が高くなる。このため、熱伝導部3は、遮へい部2の外部に径方向に延出する部分に対して熱の伝達性が高くなる。この結果、実施形態1の原子炉11は、熱伝導部3で取り出した熱を冷媒に伝達する効率を高められる。
また、実施形態1の原子炉11において、図9に示すように、燃料部1の燃料層1Aは、核燃料1Abと、被覆部1Acとを有する。核燃料1Abは、例えば、ウランの粉末を板状(円板状)に焼き固めて形成することができる。被覆部1Acは、核燃料1Abの表面全体を覆うように設けられている。被覆部1Acは、金属または炭素化合物からなり、核燃料1Abの核分裂により放出される核分裂生成物(FP)の放出を抑えるように保持するものである。
このように、実施形態1の原子炉11では、核燃料1Abの表面に被覆部1Acを設けた燃料部1と、上述した熱伝導部3とを備える構成である。従って、実施形態1の原子炉11は、核分裂生成物を保持しつつ、熱伝導部3により炉心である燃料部1の核燃料1Abから効率よく熱を取り出すことができる。
具体的に、実施形態1の原子炉11では、燃料部1は、板状に形成された核燃料1Abの表面に被覆部1Acが設けられた燃料層1Aを構成する。熱伝導部3は、板状に形成された熱伝導層3Aを構成し、燃料層1Aの被覆部1Acに面して積層して設けられる。即ち、燃料部1と、熱伝導部3とは、燃料層1Aの被覆部1Acに面して熱伝導層3Aが積層して設けられており、被覆部1Acに面して熱伝導部3と燃料部1とが積層して設けられている。従って、実施形態1の原子炉11は、共に板状に形成された燃料層1Aおよび熱伝導層3Aの積層構造により、燃料部1の核燃料1Abから効率よく熱を取り出すことができる。また、実施形態1の原子炉11は、板状に形成された核燃料1Abの表面に被覆部1Acが設けられた燃料層1Aを構成することで、多数のペレット状の核燃料の表面に被覆部を設けることと比較して、被覆部1Acを設ける表面積を低減でき、燃料充填率を向上できる。なお、板状に形成された核燃料1Abの表面に被覆部1Acが設けられた燃料層1Aは、制御機構4が制御棒4Bの場合、制御棒4Bを貫通する穴の内面にも被覆部1Acが設けられる。
また、具体的に、実施形態1の原子炉11では、図10から図12に示すように、燃料部1は、燃料層1Aをなす核燃料1Abが、複数のブロック状の核燃料部材1Bとして構成され、各核燃料部材1Bを図9に示すように板状に纏めた表面に被覆部1Acが設けられる。図10では、ブロック状の核燃料部材1Bが矩形状に形成されて端部を互いに接触できるように並べられた例を示している。図11では、ブロック状の核燃料部材1Bが三角形状に形成されて端部を互いに接触できるように並べられた例を示している。図12では、ブロック状の核燃料部材1Bが六角形状に形成されて端部を互いに接触できるように並べられた例を示している。このように、図10から図12に示す形態は、平たく形成されたブロック状の各核燃料部材1Bが、板状に並べられ核燃料1Abを構成している。従って、実施形態1の原子炉11は、複数のブロック状の核燃料部材1Bにより核燃料1Abを構成し、これを纏めて被覆部1Acを設けることで、図2から図5や図9に示すような板状の燃料部1を容易に製造できる。
また、具体的に、実施形態1の原子炉11では、図13に示すように、燃料部1は、粒子状に形成された核燃料1Abの表面に被覆部1Acが設けられた核燃料部材1Cを有している。そして、図14に示すように、核燃料部材1Cは、熱伝導部3’を母材として複数纏めて構成されている。熱伝導部3’は、例えばチタン、ニッケル、銅、グラファイトを用いることができる。グラファイトは、特に、グラフェンを用いることができる。核燃料部材1Cは、例えば、直径1mmとされ、被覆部1Acは、例えば、セラミックスであることが好ましい。従って、実施形態1の原子炉11は、熱伝導部3’を母材として核燃料部材1Cを複数纏めた燃料部1を構成することで、核分裂生成物を保持しつつ、熱伝導部3により炉心である燃料部1の核燃料1Abから効率よく熱を取り出すことができる。また、実施形態1の原子炉11は、図14に示す燃料部1において、図2から図5に示すような板状の燃料層1Aとして形成することができる。また、実施形態1の原子炉11は、図14に示す燃料部1において、図10から図12に示すようなブロック状の核燃料部材1Bとし、その表面の被覆部1Acを省略して形成することができる。また、実施形態1の原子炉11は、図14に示す燃料部1において、図2に示すような板状の燃料層1Aとして形成することができ、板状の熱伝導部3(熱伝導層3A)が積層して設けられる構成とする。即ち、熱伝導部3’を母材として核燃料部材1Cを複数纏めた燃料部1、および熱伝導部3’とは別の熱伝導部(熱伝導部3(熱伝導層3A))は、互いに板状に形成されて積層して設けられる。これにより、炉心である燃料部1の核燃料1Abから効率よく熱を取り出す効果を顕著に得ることができる。なお、実施形態1の原子炉11は、図14に示す燃料部1において板状の燃料層として形成し、熱伝導部3’とは別の熱伝導部を有さず、当該燃料層だけを複数積層する構成としてもよい。
また、具体的に、実施形態1の原子炉11では、熱伝導部3(熱伝導層3A)は、固体熱伝導により燃料部1の熱を外部に伝える。従って、実施形態1の原子炉11は、放射線の漏えいを抑制しつつ熱を取り出すことができ、高い出力温度を確保できる。
また、実施形態1の原子炉11の構成においては、燃料部1は、核燃料1Abの配置密度を均等とした場合、外周部分よりも中央部分の温度が高くなる。実施形態1の原子炉11は、燃料部1の径方向である外周側に熱を取り出す構成であり、熱を取り出しやすくするには、核燃料1Abの温度分布を均等にすることが好ましい。このため、実施形態1の原子炉11は、燃料部1において、核燃料1Abの配置密度を、外周部分よりも中央部分を低くすることで、燃料部1の温度分布を均等にし、熱を取り出しやすくすることができる。
[実施形態2]
図15は、実施形態2に係る原子炉を示す模式図である。図16は、実施形態2に係る原子炉の断面模式図である。図17は、実施形態2に係る原子炉の他の形態を示す模式図である。図18は、実施形態2に係る原子炉の熱伝導部の拡大模式図である。図19は、実施形態2に係る原子炉の他の形態を示す模式図である。図20は、図18に示す形態の説明図である。
図15および図16に示すように、原子炉12は、燃料部(炉心)101と、遮へい部102と、熱伝導部103と、を含む。また、原子炉12は、図には明示しないが、実施形態1で説明した制御機構4を含む。
燃料部101は、全体として柱状に形成されている。実施形態2では、燃料部101は、ほぼ円柱状に形成されている。この柱状の延びる方向を軸方向という場合もある。また、軸方向に直交する方向を径方向と言う場合もある。燃料部101は、核燃料であるウランを含む。
遮へい部102は、燃料部101の周囲を覆うものである。遮へい部102は、金属ブロックからなり、核燃料から照射される放射線(中性子)を反射することで、燃料部101を覆った外部への放射線の漏洩を防ぐ。遮へい部102は、使用する材料の中性子散乱および中性子吸収の能力に応じて反射体と呼ばれることがある。
遮へい部102は、実施形態2では、燃料部101に柱形状の全外周を囲むように筒状に形成された胴体102Aと、胴体102Aの両端を塞ぐ各蓋体102Bと、を含む。なお、遮へい部102は、燃料部101を内部に収容するにあたり、内部の酸化を防止する目的から、密閉構造とした内部に例えば窒化ガス等の不活性ガスを充填するとよい。
熱伝導部103は、軸方向に延びる棒状に形成されている。熱伝導部103は、遮へい部102を貫通し、当該遮へい部102が覆う燃料部101の内部に挿入されることで、燃料部101の内部および遮へい部102の外部に延出して配置されている。熱伝導部103は、燃料部101の核燃料の核分裂反応により生じる熱を遮へい部102の外部に固体熱伝導で伝える。熱伝導部103は、例えばチタン、ニッケル、銅、グラファイトを用いることができる。グラファイトは、特に、グラフェンを用いることができる。熱伝導部103の遮へい部102の外部に延出した部分は、原子炉容器51の内部にて冷媒と熱交換可能に設けられている。
制御機構4は、実施形態1で説明した図3で示す制御ドラム4Aとして構成できる。制御ドラム4Aは、遮へい部102に配置される。制御ドラム4Aの詳細構成は実施形態1で説明したものであり、ここでは説明を省略する。また、制御機構4は、実施形態1で説明した図4で示す制御棒4Bとして構成できる。制御棒4Bは、燃料部1において熱伝導部103と平行に軸方向に延びて配置される。制御棒4Bの詳細構成は実施形態1で説明したものであり、ここでは説明を省略する。
従って、実施形態2の原子炉12は、燃料部101の核燃料の核分裂反応により生じる熱を、熱伝導部103により固体熱伝導で遮へい部2の外部に取り出すことができる。そして、遮へい部102の外部に取り出された熱は、冷媒に伝達され、タービン55を回転させる。
実施形態2の原子炉12は、燃料部101の核燃料の熱を熱伝導部103により固体熱伝導で遮へい部102の外部に取り出し(図15矢印参照)、冷媒に熱を伝えることができる。この結果、実施形態2の原子炉12は、放射性物質などの漏えいを防止できる。また、実施形態2の原子炉12は、熱伝導部103が燃料部101の内部および遮へい部102の外部に延出して配置されているため、燃料部101の核燃料の熱の伝熱距離を抑えつつ遮へい部102の外部に取り出すことができる。この結果、実施形態2の原子炉12は、高い出力温度を確保できる。なお、実施形態2の原子炉12は、固体熱伝導で熱を取り出す形態の熱伝導部103を説明したが、例えば、他の熱伝導部として、流体が封入されたヒートパイプを用いる流体熱伝導で熱を取り出す形態を用いてもよい。
また、実施形態2の原子炉12では、図17に示すように、熱伝導部103は、燃料部101を貫通し、遮へい部102の軸方向の反対側の各外部に延出して配置されていてもよい。即ち、図17に示す原子炉12は、熱伝導部103が遮へい部102の両蓋体102Bを貫通して軸方向に延び、遮へい部102の反対側の各外部にて配置される。従って、実施形態2の原子炉12は、燃料部101の熱を遮へい部102の反対側の各外部に固体熱伝導で取り出すことができる(図17矢印参照)。
また、実施形態2の原子炉12では、図18に示すように、熱伝導部103は、棒状の延在方向に連続する板材103Dを重ねて棒状に形成されているとよい。熱伝導部103は、例えばグラフェンを用いることができるが、グラフェンは、炭素原子とその結合からできた六角形格子が連続した構造であり、六角形格子の連続した方向で熱の伝達性が高い。このグラフェンをシート状の板材103Dとすることで、六角形格子が板材103Dの面に沿って連続する。そして、この板材103Dを重ねて棒状に形成する。すると、熱伝導部103は、板材103Dの面に沿って棒状の延在方向である軸方向に熱の伝達性が高くなる。このため、熱伝導部103は、遮へい部102の外部に軸方向に延出する部分に対して熱の伝達性が高くなる。この結果、実施形態2の原子炉12は、熱伝導部103で取り出した熱を冷媒に伝達する効率を高められる。
また、実施形態2の原子炉12では、図19、図20に示すように、熱伝導部103が延出されていない遮へい部102の外部に取り付けられる別の熱伝導部104を含むとよい。実施形態2において、熱伝導部103が延出されていない遮へい部102とは、胴体102Aであり、この胴体102Aの外部に別の熱伝導部104を取り付ける。別の熱伝導部104は、図19、図20に示すように、遮へい部102の胴体102Aの周りを囲むリング状に形成され、軸方向に複数並んで取り付ける。また、図には明示しないが、別の熱伝導部104は、軸方向に延びる板状に形成され、遮へい部102の胴体102Aの周りを囲むように複数並んで取り付けられてもよい。別の熱伝導部104は、例えばチタン、ニッケル、銅、グラファイトを用いることができる。グラファイトは、特に、グラフェンを用いることができる。別の熱伝導部104を設けることにより、熱伝導部103が延出されていない遮へい部102の外部からも熱を取り出せる(図19矢印参照)。この別の熱伝導部104が取り出した熱は、実施形態1において図6、図7を参照して説明したように、冷媒と熱交換を行うにあたり、冷媒を先に径方向外側に通過させ、その後に戻して径方向内側に通過させてから、冷媒を熱交換器52に送り出す。
また、実施形態2の原子炉12では、熱伝導部103は、棒状の延在方向に連続する板材103Dを重ねて棒状に形成された形態において、棒状の周面をなす板材103Dの端103Daを、遮へい部102の外部に取り付けた別の熱伝導部104に向けて配置されているとよい。図18に示すような棒状の延在方向に連続する板材103Dの面を重ねて棒状に形成された熱伝導部103は、棒状の周面をなす板材103Dの端103Daが、板材103Dの面に沿って反対方向に向いている。そして、この棒状の周面をなす板材103Dの端103Daを、図20に矢印で示すように、遮へい部102の外部に取り付けた別の熱伝導部104に向けて配置する。上述したように、熱伝導部103は、板材103Dの面に沿って熱の伝達性が高くなる。このため、板材103Dの面に沿って反対方向に向く端103Daを別の熱伝導部104に向けることで、別の熱伝導部104に対して熱の伝達性が高くなる。この結果、実施形態2の原子炉12は、熱伝導部103で取り出した熱を別の熱伝導部104で効率よく取り出せるため、冷媒に伝達する効率を高められる。
このような実施形態2の原子炉12において、燃料部101は、図には明示しないが、実施形態1の燃料部1と同様に、核燃料と、被覆部とを有する。核燃料は、例えば、ウランの粉末を柱状(円柱状)に焼き固めて形成することができる。被覆部は、核燃料の表面全体を覆うように設けられている。被覆部は、金属または炭素化合物からなり、核燃料の核分裂により放出される核分裂生成物(FP)の放出を抑えるように保持するものである。
このように、実施形態2の原子炉12は、核燃料の表面に被覆部を設けた燃料部101と、上述した熱伝導部103とを備える構成である。従って、実施形態2の原子炉12は、核分裂生成物を保持しつつ、熱伝導部103により炉心である燃料部1の核燃料から効率よく熱を取り出すことができる。また、実施形態2の原子炉12は、柱状に形成された核燃料の表面に被覆部が設けられた燃料部1を構成することで、多数のペレット状の核燃料の表面に被覆部を設けることと比較して、被覆部を設ける表面積を低減でき、燃料充填率を向上できる。なお、柱状に形成された核燃料の表面に被覆部が設けられた燃料部1は、制御機構4が制御棒4Bの場合、制御棒4Bを貫通する穴の内面にも被覆部が設けられる。
また、実施形態2の原子炉12では、燃料部101は、図には明示しないが、実施形態1の燃料部1と同様に、核燃料が、複数のブロック状の核燃料部材として構成され、各核燃料部材を柱状に纏めた表面に被覆部が設けられてもよい。従って、実施形態2の原子炉12は、複数のブロック状の核燃料部材により核燃料を構成し、これを纏めて被覆部を設けることで、一塊の柱状の燃料部101を容易に製造できる。
また、実施形態2の原子炉12では、燃料部101は、図には明示しないが、実施形態1の燃料部1と同様に、粒子状に形成された核燃料の表面に被覆部が設けられた核燃料部材を有し、この核燃料部材が、熱伝導部を母材として複数纏めて構成されていてもよい。従って、実施形態2の原子炉12は、熱伝導部を母材として核燃料部材を複数纏めた燃料部101を構成することで、核分裂生成物を保持しつつ、熱伝導部により炉心である燃料部101の核燃料から効率よく熱を取り出すことができる。また、実施形態2の原子炉12は、熱伝導部を母材として核燃料部材を複数纏めた燃料部101において、ブロック状の核燃料部材とし、その表面の被覆部を省略して形成することができる。また、実施形態2の原子炉12は、熱伝導部を母材として核燃料部材を複数纏めた燃料部101において、棒状に形成された上述の熱伝導部103が設けられる構成とすることで、炉心である燃料部101の核燃料から効率よく熱を取り出す効果を顕著に得ることができる。
また、実施形態2の原子炉12では、熱伝導部103は、固体熱伝導により燃料部101の熱を外部に伝える。従って、実施形態2の原子炉12は、固体熱伝導により燃料部101の熱を外部に伝えることで、放射線の漏えいを抑制しつつ熱を取り出すことができ、高い出力温度を確保できる。
また、実施形態2の原子炉12において、上述したように、熱伝導部103は、棒状に形成されて燃料部101に軸方向に延在し遮へい部102の蓋体102Bを貫通して配置されている。この構成において、取り出す熱は、燃料部101の配置密度を均等とした場合、外周部分よりも中央部分の温度が高くなる。このため、熱伝導部103において、冷媒と熱交換を行うにあたり、冷媒を先に径方向外側の熱伝導部103の部分を通過させ、その後に径方向内側の熱伝導部103の部分を通過させてから、冷媒を熱交換器52に送り出す。このようにすれば、熱伝導部103で取り出した熱を冷媒に伝達する効率を高められる。また、燃料部101の配置密度を均等とした場合、外周部分よりも中央部分の温度が高くなるが、中央部分では面積が少なく熱を取り出す効率が低下するため、中央部分の熱伝導部103の密度が高くなるように、燃料部101の中央部分で棒状の熱伝導部103を太くしたり、配置間隔を近づけたりしてもよい。また、面積の大きい燃料部101の外周部分で燃料部101の配置密度を高くすれば、面積の大きい部分で熱を取り出す効率を高めることができる。この場合は、燃料部101の外周部分で熱伝導部103の密度が高くなるように、燃料部101の外周部分で棒状の熱伝導部103を太くしたり、配置間隔を近づけたりしてもよい。
[実施形態3]
図21は、実施形態3に係る原子炉を示す模式図である。
実施形態3の原子炉13は、上述した実施形態1の原子炉11の構成と、実施形態2の原子炉12の構成とを組み合わせている。よって、原子炉11および原子炉12の構成と同等の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態3の原子炉13は、実施形態1の原子炉11の燃料部1と、遮へい部2と、熱伝導部(第一熱伝導部)3と、実施形態2の原子炉12の熱伝導部(第二熱伝導部)103と、を含む。また、原子炉13は、図には明示しないが、実施形態1で説明した制御機構4(制御ドラム4A、制御棒4B)を含む。
即ち、原子炉13は、燃料部1の燃料層1Aおよび熱伝導部3の熱伝導層3Aに、熱伝導部103が挿入される穴が形成されている。
実施形態3の原子炉13は、熱伝導部は、板状に形成されて燃料層1Aと積層して配置される第一熱伝導部3と、棒状に形成されて燃料層1Aおよび第一熱伝導部3が重なる軸方向に延在して配置される第二熱伝導部103と、を含む。従って、実施形態3の原子炉13は、第一熱伝導部3および第二熱伝導部103が、遮へい部2を貫通して燃料部1の内部および遮へい部2の外部に延出して配置される形態とすることができ、燃料部1の熱を遮へい部2の外部に固体熱伝導で取り出すことができる。
そして、実施形態3の原子炉13では、上述した実施形態1の原子炉11および実施形態2の原子炉12と同様の構成により、実施形態1および実施形態2と同様の作用効果を得られる。
1 燃料部
1A 燃料層
1Aa 外周面
1Ab 核燃料
1Ac 被覆部
1B 核燃料部材
1C 核燃料部材
2 遮へい部
2A 遮へい層
2Aa 貫通穴
2B 蓋部
3 熱伝導部(第一熱伝導部)
3A 熱伝導層
3B 切込
3C 伝熱管
3Ca 内側伝熱管
3Cb 外側伝熱管
3D 板材
4 制御機構
4A 制御ドラム
4Aa 中性子吸収体
4B 制御棒
11,12,13 原子炉
50 原子力発電システム
51 原子炉容器
52 熱交換器
53 熱伝導部
54 冷媒循環手段
55 タービン
56 発電機
57 冷却器
58 圧縮機
101 燃料部
102 遮へい部
102A 胴体
102B 蓋体
103 熱伝導部(第二熱伝導部)
103D 板材
103Da 端
104 熱伝導部

Claims (5)

  1. 核燃料の表面に被覆部を設けた燃料部と、熱伝導部とを備え
    前記被覆部に面して前記熱伝導部と前記燃料部とが積層して設けられ、前記熱伝導部が前記燃料部の外周から突出して設けられる、原子炉。
  2. 前記燃料部は、前記核燃料が複数のブロック状の核燃料部材により構成され、ブロック状の各前記核燃料部材を纏めた表面に前記被覆部が設けられる、請求項に記載の原子炉。
  3. 粒子状に形成された核燃料の表面に被覆部が設けられた核燃料部材を有し、当該核燃料部材が熱伝導部を母材として複数纏めて構成される燃料部を備え、
    前記燃料部および別の熱伝導部は、互いに板状に形成されて積層して設けられる、原子炉。
  4. 粒子状に形成された核燃料の表面に被覆部が設けられた核燃料部材を有し、当該核燃料部材が熱伝導部を母材として複数纏めて構成される燃料部を備え、
    記燃料部および別の熱伝導部は、互いに板状に形成されて積層して設けられ、前記別の熱伝導部が前記燃料部の外周から突出して設けられる、原子炉。
  5. 前記熱伝導部は、固体熱伝導により前記燃料部の熱を外部に伝える、請求項1からのいずれか1項に記載の原子炉。
JP2020174674A 2020-10-16 2020-10-16 原子炉 Active JP7426323B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020174674A JP7426323B2 (ja) 2020-10-16 2020-10-16 原子炉
US18/031,766 US20230386686A1 (en) 2020-10-16 2021-09-21 Nuclear reactor
PCT/JP2021/034615 WO2022080095A1 (ja) 2020-10-16 2021-09-21 原子炉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020174674A JP7426323B2 (ja) 2020-10-16 2020-10-16 原子炉

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022065896A JP2022065896A (ja) 2022-04-28
JP7426323B2 true JP7426323B2 (ja) 2024-02-01

Family

ID=81208013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020174674A Active JP7426323B2 (ja) 2020-10-16 2020-10-16 原子炉

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20230386686A1 (ja)
JP (1) JP7426323B2 (ja)
WO (1) WO2022080095A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000284084A (ja) 1999-03-31 2000-10-13 Japan Atom Energy Res Inst 高温ガス炉用燃料棒
JP2017534864A (ja) 2014-10-17 2017-11-24 トール エナジー エーエス 原子力沸騰水型原子炉のための燃料集合体

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000284084A (ja) 1999-03-31 2000-10-13 Japan Atom Energy Res Inst 高温ガス炉用燃料棒
JP2017534864A (ja) 2014-10-17 2017-11-24 トール エナジー エーエス 原子力沸騰水型原子炉のための燃料集合体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022065896A (ja) 2022-04-28
WO2022080095A1 (ja) 2022-04-21
US20230386686A1 (en) 2023-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230112687A1 (en) Integrated in-vessel neutron shield
JP7209574B2 (ja) 原子力発電システム及び原子炉ユニット
CN111066092A (zh) 核反应堆堆芯
CN113314240B (zh) 一种空间堆热管理系统及工作方法
CN110491533B (zh) 一种双层冷却堆芯发电系统
EP4022651A2 (en) Heat pipe networks for heat removal, such as heat removal from nuclear reactors, and associated systems and methods
CN109859859A (zh) 一种基于钨导热的无对流换热整体模块式超小型空间反应堆堆芯
JP7426323B2 (ja) 原子炉
JP6702546B2 (ja) 核融合炉用ブランケット及びその支持構造
JP7386100B2 (ja) 原子炉
ES500269A0 (es) Perfeccionamientos en reactores de temperatura elevada
WO2022075023A1 (ja) 原子炉
CN110310748B (zh) 加装涡轮的热电转换一体化反应堆
WO2021171689A1 (ja) 原子炉および原子炉の制御方法
EP4348684A2 (en) Fuel-moderator inversion for safer nuclear reactors
JP7499139B2 (ja) 原子炉ユニット及び原子炉ユニットの冷却方法
US20130207401A1 (en) High efficiency radioisotope thermodynamic electrical generator
CN112289473A (zh) 一种热声发电系统
US20240079153A1 (en) Thermal bridge
CN113436757B (zh) 一种具有均温结构的模块化固态反应堆堆芯
JP2024086010A (ja) 原子炉
Benenati et al. Low activity aluminum blanket
US20240021327A1 (en) Heat pipe fuel element and fission reactor incorporating same, particularly having phyllotaxis spacing pattern of heat pipe fuel elements, and method of manufacture
WO2022248418A1 (en) Thermal power reactor
CN117153435A (zh) 一种热管集成高温反应堆

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7426323

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150