JP7425361B2 - 画像調整装置、画像調整方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像調整装置、画像調整方法及びプログラムに関する。
近年、画像の強調処理の需要が著しく増大している。例えば、狭いダイナミックレンジを持つ画像に隠れている詳細を明らかにすることを目的として、コントラストを強調する処理が画像に対して実行される場合がある。しかしながら、十分な強調結果をユーザが市販の画像編集ソフトウェアを用いて得るためには、画像編集の専門知識を持つことがユーザに要求される。また、多くの手作業がユーザに要求される場合がある。そこで、様々な入力画像に自動的に対応する適応的な画像強調の方法(画像調整方法)が求められている。
画像強調の方法の一つであるヒストグラム平坦化は、直感的な実装品質と高効率とを有しているという理由で、最も注目を集めた方法である。ヒストグラム平坦化では、入力画像の輝度を変換する関数(以下「輝度変換関数」という。)が、画像における輝度分布のエントロピーが最大化されるように導出される。以下、画素同士の画素値(輝度)のコントラスト(差)を用いて濃淡を表す画像を「濃淡画像」という。
非特許文献1に示された方法では、局所的なコントラスト値として濃淡画像の反射率成分画像の勾配が導出される。また、コントラスト値で重み付けされた輝度ヒストグラムが導出される。非特許文献1に示された方法では、入力画像の明るさが過度に強調されることなく、様々な入力画像に対応する適応的な画像強調が、輝度ヒストグラムの平坦化によって実現されている。
しかしながら、非特許文献1に示された方法とヒストグラム平坦化とにおいて、単調性の制約が輝度変換関数に課される。つまり、非特許文献1に示された方法とヒストグラム平坦化とにおいて、輝度変換関数を用いて変換された出力画像の輝度は入力画像の輝度の増加に応じて常に増加していなければならないという制約が、輝度変換関数に課される。
また、Retinex理論では、自然のシーンが撮影されている画像は照明成分画像と反射率成分画像との組み合わせであると見なされる。照明成分画像は大域的なコントラストを構成し、反射率成分画像は局所的な詳細を構成する。
非特許文献2に示された方法では、反射率成分画像は、コントラストの強調された所望の出力画像であると見なされる。推定された照明成分画像が入力画像から除去されることによって、入力画像と比較してコントラストが強調された出力画像が導出される。非特許文献2に示された方法では、パラメータが適切に調整されることによって、画像における暗く局所的な詳細が効果的に強調される。しかしながら、画像における大域的なコントラストが完全に失われてしまうので、画像における大域的な明るさが過度になってしまうという問題がある。
画像における大域的なコントラストが失われることなく画像を明るくすることを目的として、照明成分画像における照明成分を強調する方法が提案されている。この方法では、照明成分画像と反射率成分画像とに、入力画像が分解される。また、照明成分画像における照明成分が適度に強調され、強調された照明成分画像と反射率成分画像とが再結合される。
例えば、非特許文献3に示された方法では、推定された照明成分画像における照明成分がガンマ補正で強調され、強調された照明成分を含む照明成分画像と反射率成分画像とが再結合される。この再結合画像は、明るさが強調された画像として出力される。しかしながら、ガンマ補正では画像を適応的に明るくすることができない。このため、非特許文献3に示された方法では、画像の明るさが過度になってしまう場合がある。また、画像の明るさが不足してしまう場合がある。
Xiaomeng Wu, Takahito Kawanishi, and Kunio Kashino, "REFLECTANCE-GUIDED, CONTRAST-ACCUMULATED HISTOGRAM EQUALIZATION, " IEEE International Conference on Acoustics, Speech, and Signal Processing (ICASSP) 2020. Xiaojie Guo, Yu Li, and Haibin Ling, "LIME: Low-light image enhancement viaillumination map estimation," IEEE Transactions On Image Processing, Vol.26, No.2, pp.982-993, 2017. Xueyang Fu, Delu Zeng, Yue Huang, Xiao-Ping Zhang, and Xinghao Ding, "A weighted variational model for simultaneous reflectance and illumination estimation," In Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR), pp.2782-2790, 2016.
非特許文献1に示された方法では、輝度(画素値)のコントラストが強調された領域が画像に存在する限り、その画像内の他の領域における輝度のコントラストは、単調性の制約によって必然的に抑制されることになる。コントラストが抑制された結果、非特許文献1に示された方法では、画像における局所的な詳細が減衰してしまうという問題がある。ヒストグラム平坦化についても同様である。このように、大域的な明るさが適応的に調整された画像において局所的な詳細を強調することができない場合がある。
上記事情に鑑み、本発明は、大域的な明るさが適応的に調整された画像において局所的な詳細を強調することが可能である画像調整装置、画像調整方法及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明の一態様は、輝度のコントラストを用いて濃淡を表す画像である濃淡画像を取得する入力部と、カメラ応答関数に基づいて前記濃淡画像内の座標に応じて関数値が変化する輝度変換関数を用いて前記濃淡画像の各画素の輝度を変換することによって、大域的な明るさを適応的に調整しかつ局所的な詳細を強調するように輝度が変換された前記濃淡画像である変換濃淡画像を生成し、前記変換濃淡画像を所定の装置に出力する輝度変換部とを備える画像調整装置である。
本発明の一態様は、画像調整装置が実行する画像調整方法であって、輝度のコントラストを用いて濃淡を表す画像である濃淡画像を取得する入力ステップと、カメラ応答関数に基づいて前記濃淡画像内の座標に応じて関数値が変化する輝度変換関数を用いて前記濃淡画像の各画素の輝度を変換することによって、大域的な明るさを適応的に調整しかつ局所的な詳細を強調するように輝度が変換された前記濃淡画像である変換濃淡画像を生成し、前記変換濃淡画像を所定の装置に出力する輝度変換ステップとを含む画像調整方法である。
本発明の一態様は、上記の画像調整装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
本発明により、大域的な明るさが適応的に調整された画像において局所的な詳細を強調することが可能である。
実施形態における、画像調整装置の構成例を示す図である。 実施形態における、画像調整装置のハードウェア構成例を示す図である。 実施形態における、画像調整装置の輝度変換部の動作例を示すフローチャートである。 実施形態における、変換濃淡画像と他の画像との比較の第1例を示す図である。 実施形態における、変換濃淡画像と他の画像との比較の第2例を示す図である。 実施形態における、変換濃淡画像と他の画像との比較の第3例を示す図である。 実施形態における、変換濃淡画像と他の画像との比較の第4例を示す図である。 実施形態における、変換濃淡画像と他の画像との比較の第5例を示す図である。 実施形態における、変換濃淡画像と他の画像との比較の第6例を示す図である。 実施形態における、変換濃淡画像と他の画像との比較の第7例を示す図である。 実施形態における、変換濃淡画像と他の画像との比較の第8例を示す図である。
以下では、行列の演算は、画像の要素ごとに実行される。また以下では、画像内の全ての画素値は、[0,1]の範囲内で正規化されている。
以下では、任意の画像強調方法(以下「基盤画像強調方法」という。)に対する後処理の方法が提案される。以下、基盤画像強調方法を用いて輝度が調整された濃淡画像を「強調濃淡画像」という。以下では、濃淡画像「Ain」から強調濃淡画像への変換が、非単調な輝度変換関数に近似される。すなわち、濃淡画像「Ain」から強調濃淡画像への変換が、画像内の座標に応じて変化する輝度変換関数(空間的に変化する輝度変換関数)に近似される。また、このように近似された非単調な輝度変換関数を用いて濃淡画像を強調する方法が提案される。
以下では、基盤画像強調方法は、例えば、画像の大域的な明るさを適応的に強調可能な方法である。単調な輝度変換関数を用いて濃淡画像が強調される方法が基盤画像強調方法の一例として採用された場合、基盤画像強調方法に対する後処理は、顕著に有効である。そこで以下では、非特許文献1の方法が、基盤画像強調方法の一例として用いられる。
画像におけるコントラストを強調する目的で非単調な輝度変換関数が用いられる場合、非単調な輝度変換関数は、画像の局所的な詳細を強調できる必要がある。このため、非単調な輝度変換関数は、空間的に変化する関数、すなわち画像内の座標に応じて関数値が変化する関数である必要がある。これらの要件が満たされるように、以下では、非単調な輝度変換関数が、カメラ応答関数に基づいて導出される。
参考文献1「Steve Mann, "Comparametric equations with practical applications in quantigraphic image processing," IEEE Trans. Image Processing, Vol.9, No.8, pp.1389-1406, 2000.」では、比較方程式(Comparametric Equation)が解かれることによって輝度変換関数をカメラ応答関数から導出する方法が、提案されている。この輝度変換関数では、カメラ応答関数(Camera Response Function : CRF)のパラメータ(以下「CRFパラメータ」という。)と、写真の露出値とが、変数として使用されている。ここで、露出値はスカラーである。
以下、入力画像の輝度から変換された出力画像の輝度を「変換輝度」という。変換輝度は、カメラ応答関数から導出される輝度変換関数が用いられることによって、入力画像の輝度から変換される。露出値が大きいほど、変換輝度は高くなる。すなわち、露出値が小さいほど、変換輝度は低くなる。露出値がスカラーである限り、入力画像の輝度を変換輝度に変換するための、カメラ応答関数から導出される輝度変換関数は、単調に増加する関数である。このため、入力画像の輝度を変換輝度に変換するための、カメラ応答関数から導出される輝度変換関数は、そのままでは、非単調な輝度変換関数として使用できない。
画素周辺の領域が元々暗い場合、画像の局所的な詳細の視認性を高めるには、画素の変換輝度を上げる必要がある。また、画素周辺の領域が元々明るい場合、画像の局所的な詳細の視認性を高めるには、画素の変換輝度を下げる必要がある。
上述したように、露出値が大きいほど変換輝度は高くなり、露出値が小さいほど変換輝度は低くなる。つまり、画素周辺の領域が元々暗い場合、画像の局所的な詳細の視認性を高めるには、露出値を大きくする必要がある。また、画素周辺の領域が元々明るい場合、画像の局所的な詳細の視認性を高めるには、露出値を小さくする必要がある。
以下では、平滑化された濃淡画像に着目する。以下、平滑化された濃淡画像を「平滑濃淡画像」という。画素周辺の領域が元々暗い場合、平滑濃淡画像の画素値が小さい。また、画素周辺の領域が元々明るい場合、平滑濃淡画像の画素値が大きい。そこで以下では、平滑濃淡画像の画素値に反比例する正の実数行列を露出値行列として使用する方法が提案される。
この露出値行列を変数とする輝度変換関数は、単調には増加しない関数である。変換輝度は、入力画像の輝度と、画素周辺の領域における元々の明るさ(暗さ)とに応じて定まる。露出値行列を変数とする輝度変換関数が使用されることによって、画像の局所的な詳細を強調することが可能になる。
そこで以下では、濃淡画像から強調濃淡画像への変換が、上述の露出値行列を変数とする輝度変換関数に近似される。このように近似する目的を達成するために、画像調整装置は、濃淡画像と強調濃淡画像とを含む画像データに、輝度変換関数を適合させる。これにより、輝度変換関数の変数としてのCRFパラメータが導出される。導出されたCRFパラメータを変数とする輝度変換関数が、濃淡画像に適用される。CRFパラメータを変数とする輝度変換関数を用いて濃淡画像の輝度が変換されることによって、濃淡画像が強調される。以下、CRFパラメータを変数とする輝度変換関数を用いて輝度が変換された濃淡画像を「変換濃淡画像」という。
このように、画像調整装置は、基盤画像強調方法を使用して、強調濃淡画像を導出する。次に、画像調整装置は、一つ以上のパラメータ(CRFパラメータ)を有する単調増加関数を、カメラ応答関数として用いる。画像調整装置は、この関数の比較方程式を解くことによって、輝度変換関数を導出する。次に、画像調整装置は、平滑濃淡画像を濃淡画像から導出する。ここで、画像調整装置は、平滑濃淡画像の画素値に反比例する正の実数行列を、輝度変換関数の露出値行列として導出する。次に、強調濃淡画像と変換濃淡画像との差(例えば、残差の二乗和)が所定条件を満たすように、画像調整装置は、輝度変換関数のCRFパラメータを算出する。この所定条件とは、例えば、強調濃淡画像と変換濃淡画像との差が最小となるという条件である。画像調整装置は、輝度変換関数を濃淡画像に適用することによって、濃淡画像の輝度を変換する。これによって、変換濃淡画像が生成される。
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、画像調整装置1の構成例を示す図である。画像調整装置1は、画像を調整する装置である。例えば、画像調整装置1は、輝度のコントラストを調整する装置である。画像調整装置1は、入力画像における大域的な明るさ(輝度)を、任意の画像強調方法を用いて適応的に調整する。画像調整装置1は、大域的な明るさが調整された入力画像における局所的な詳細を、後処理において強調する。
画像調整装置1は、入力部10と、画像強調部11と、関数導出部12と、行列導出部13と、パラメータ導出部14と、輝度変換部15と、出力部16とを備える。
図2は、画像調整装置1のハードウェア構成例を示す図である。画像調整装置1は、プロセッサ2と、メモリ3と、記憶装置4と、表示部5とを備える。
画像調整装置1の各機能部の一部又は全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ2が、不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)である記憶装置4からメモリ3に展開されたプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置などの非一時的な記録媒体である。プログラムは、電気通信回線を経由して受信されてもよい。表示部5は、画像を表示可能なデバイスである。表示部5は、例えば液晶ディスプレイである。
画像調整装置1の各機能部の一部又は全部は、例えば、LSI(Large Scale Integration circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いた電子回路(electronic circuit又はcircuitry)を含むハードウェアを用いて実現されてもよい。
図1に戻り、画像調整装置1の概要を説明する。
入力部10は、濃淡画像を入力画像として取得する。濃淡画像では、画素値(明度又は輝度)が異なる各画素を用いて、濃淡が表されている。入力部10は、濃淡画像に基づいて、カメラ応答関数を導出する。入力部10は、画像強調部11と、行列導出部13と、パラメータ導出部14と、輝度変換部15とに、濃淡画像を出力する。入力部10は、カメラ応答関数を関数導出部12に出力する。
画像強調部11は、入力画像としての濃淡画像を、入力部10から取得する。
画像強調部11は、基盤画像強調方法を濃淡画像に適用することによって、強調濃淡画像を導出する。画像強調部11は、強調濃淡画像をパラメータ導出部14に出力する。
基盤画像強調方法として、輝度を調整する任意の方法を使用可能である。基盤画像強調方法として、例えば、画像の大域的な明るさを適応的に強調できる方法が好ましい。単調な輝度変換関数を使用して濃淡画像を強調する方法が基盤画像強調方法として採用された場合において、本実施形態の方法は顕著に有効である。単調な輝度変換関数を用いて濃淡画像を強調する方法は、例えば、ヒストグラム平坦化と、ガンマ補正と、参考文献2「Xiaomeng Wu, Xinhao Liu, Kaoru Hiramatsu, and Kunio Kashino, "Contrast-accumulated histogram equalization for image enhancement," In ICIP, pp.3190-3194, 2017.」に示された方法と、非特許文献1に示された方法とのうちのいずれでもよい。
以下では、非特許文献1に示された方法が、基盤画像強調方法として採用される。画像強調部11は、濃淡画像の反射率成分画像の勾配を、濃淡画像の局所的なコントラスト値として導出する。ここで、画像強調部11は、コントラスト値で重み付けされた濃淡画像の輝度ヒストグラムを導出する。画像強調部11は、この輝度ヒストグラムを平坦化することによって、濃淡画像の輝度を変換する。画像強調部11は、このようにして輝度が変換された濃淡画像を、強調濃淡画像として導出する。
関数導出部12は、カメラ応答関数を入力として、入力部10から取得する。関数導出部12は、一つ以上のパラメータ(CRFパラメータ)を有する単調増加関数をカメラ応答関数として用いることによって、この単調増加関数の比較方程式を解く。関数導出部12は、この単調増加関数の比較方程式を解くことによって、輝度変換関数を導出する。この輝度変換関数は、そのままでは、非単調な輝度変換関数として使用できない。関数導出部12は、パラメータ導出部14と輝度変換部15とに、導出された輝度変換関数を出力する。
カメラ応答関数「f(・)」として、一つ以上のパラメータを持つ任意の単調増加関数が使用可能である。ここで、「f(0)=0」及び「f(1)=1」を満たす関数がカメラ応答関数「f(・)」として使用されることが好ましい。
濃淡画像と同じサイズの未知の実数行列「Q」が、カメラ応答関数の変数として使用される。実数行列「Q」は、濃淡画像が撮影された場合における、各画素の放射照度を表す。カメラ応答関数の関数値「f(Q)」は、カメラで撮影された画像、すなわち濃淡画像を表す。
カメラ応答関数の比較方程式は、式(1)のような形式で表される。
Figure 0007425361000001
ここで、「g(・)」は、「f(・)」の比較関数(Comparametric Function)である。上述の参考文献1によれば、比較関数「g(・)」は、濃淡画像に適用される輝度変換関数として使用可能である。
式(1)における変数「E」は、露出値である。通常、露出値「E」はスカラーである。露出値「E」は、カメラレンズの絞り量と、濃淡画像が撮影された際の露光時間と、フィルム感度等との組み合わせに応じて定まる。ただし、カメラパラメータ等のカメラ情報が不明である場合には、露出値「E」は不明である。比較関数「g(・)」が輝度変換関数として使用される場合、露出値「E」がパラメータとして事前に設定される必要がある。露出値「E」は、行列導出部13によって導出される。
関数導出部12は、カメラ応答関数「f(・)」の比較方程式である式(1)を解くことによって、カメラ応答関数の比較関数「g(・)」を輝度変換関数として導出する。カメラ応答関数の関数値「f(Q)」は、濃淡画像「Ain」に対応している。つまり、「f(Q)=Ain」が成立している。このため、式(1)は式(2)のように表される。
Figure 0007425361000002
したがって、カメラ応答関数「f(・)」が可逆的である場合、輝度変換関数として使用可能である比較関数「g(・)」は、式(2)から導出可能である。
なお、カメラ応答関数のCRFパラメータの数が多いほど、関数導出部12によって導出される輝度変換関数の適合能力は高くなる。ただし、CRFパラメータの数が過剰に多い場合には、処理時間が非常に長くなると共に、パラメータ導出部14において過剰適合が発生する可能性も高くなる。この過剰適合とは、濃淡画像から強調濃淡画像への変換(基盤画像強調方法)を、関数導出部12によって導出される輝度変換関数が過剰に近似してしまうことである。これは、関数導出部12によって導出される輝度変換関数の自由度が高すぎるために発生する。過剰適合が発生した結果として、変換濃淡画像(輝度変換関数を用いて輝度が変換された濃淡画像)と強調濃淡画像とが全く同じ画像になってしまう可能性がある。変換濃淡画像と強調濃淡画像とが全く同じ画像になった場合には、画像の局所的な詳細を回復することができない。基盤画像強調方法を用いてコントラストが強調された画素値が存在する限り、他の画素値のコントラストが必然的に抑制されてしまうという問題は、画像の局所的な詳細を回復することができない場合には解決することができなくなる。そこで、過剰適合を回避し、よりバランスのとれた画像調整性能を得るためには、二つのCRFパラメータを持つ関数が使用される方が適切である。
関数導出部12によって導出される輝度変換関数の第1例は、式(3)から式(5)までに示されているように導出される。関数導出部12によって導出される輝度変換関数の第1例の導出処理では、カメラ応答関数としてのシグモイド関数が用いられる。シグモイド関数は、式(3)のように表される。
Figure 0007425361000003
ここで、「α」は、シグモイド関数における第1のCRFパラメータを表す。「β」は、シグモイド関数における第2のCRFパラメータを表す。式(3)の逆関数は、式(4)のように表される。
Figure 0007425361000004
関数導出部12は、式(3)と式(4)とを、式(2)に代入することによって、輝度変換関数として使用可能である比較関数「g(・)」が導出される。輝度変換関数の第1例は、式(5)のように表される。
Figure 0007425361000005
一方、関数導出部12によって導出される輝度変換関数の第2例は、式(6)から式(8)までに示されているように導出される。関数導出部12によって導出される輝度変換関数の第2例の導出処理では、カメラ応答関数として、べき関数が使用される。このべき関数は、式(6)のように表される。
Figure 0007425361000006
ここで、「γ」は、一つのCRFパラメータを表す。式(6)の逆関数は、式(7)のように表される。
Figure 0007425361000007
関数導出部12は、式(6)と式(7)とを式(2)に代入することによって、輝度変換関数として使用可能である比較関数「g(・)」が導出される。関数導出部12によって導出される輝度変換関数の第2例は、式(8)のように表される。
Figure 0007425361000008
輝度変換関数の第1例と輝度変換関数の第2例との各説明は以上である。
行列導出部13は、入力画像としての濃淡画像を、入力部10から取得する。行列導出部13は、平滑化された濃淡画像を、平滑濃淡画像として導出する。行列導出部13は、平滑濃淡画像の各画素値に反比例する正の実数行列を、露出値行列として導出する。行列導出部13は、露出値行列をパラメータ導出部14及び輝度変換部15に出力する。
本実施形態の目的は、基盤画像強調方法を用いて画像が強調されたことによって減衰した画像の局所的な詳細を回復または強調することである。この目的を達成するため、輝度変換部15は、関数導出部12から導出された輝度変換関数を濃淡画像に適用することによって、濃淡画像の輝度を変換する。したがって、輝度変換関数は、画像の局所的な詳細を強調することが可能な関数である必要がある。そこで、輝度変換部15が用いる輝度変換関数は、画像内の空間的に変化し、画像内の各画素の座標(位置)に応じて異なる値を取るという、非単調な関数である必要がある。以下、関数値の変化が単調ではないという要件を「非単調性要件」という。また、画像内の空間的に関数値が変化し、画像内の各画素の座標(位置)に応じて異なる値を取る(値が変動する)という要件を「空間変動性要件」という。
式(5)及び式(8)に示されているように、露出値がスカラーである場合には、関数導出部12によって導出された輝度変換関数は、単調増加する。すなわち、露出値がスカラーである場合には、関数導出部12によって導出された輝度変換関数は、上述の非単調性要件及び空間変動性要件を満たさない。式(5)及び式(8)に示されているように、露出値が大きいほど変換輝度「g(Ain)」は高くなり、露出値が小さいほど変換輝度「g(Ain)」は低くなる。
一方、画像の局所的な詳細の視認性が高くなるためには、画素周辺の領域が元々暗い場合、画像調整装置1が画素の変換輝度を上げる必要がある。また、画素周辺の領域が元々明るい場合、画像調整装置1が画素の変換輝度を下げる必要がある。このように、局所的な詳細の視認性を高くするためという視点と、画素周辺の領域が元々明るい場合という視点との二つの視点が考慮される。
これらの視点の組み合わせから、画素周辺の領域が元々暗い場合には露出値を大きくし、画素周辺の領域が元々明るい場合には露出値を小さくすることが、画像における局所的な詳細の視認性を高めるために必要であることが分かる。以下、露出値に関するこのような要件を「露出値要件」という。
露出値要件を満たす露出値の導出方法を検討するため、平滑化された濃淡画像に着目することが可能である。以下、平滑化された濃淡画像を「平滑濃淡画像」という。画素周辺の領域が元々暗い場合、平滑濃淡画像の画素値は小さい。画素周辺の領域が元々明るい場合、平滑濃淡画像の画素値が大きい。つまり、平滑濃淡画像の画素値に反比例する正の実数行列は、上述の露出値要件を必然的に満たす。以下では、平滑濃淡画像の画素値に反比例する正の実数行列を露出値行列として使用する方法が提案される。
平滑濃淡画像は、濃淡画像を平滑化することが可能な任意の方法を用いて導出可能である。ただし、より望ましい平滑濃淡画像が導出されるためには、エッジ保存平滑化と呼ばれる方法を使用する方が適切である。エッジ保存平滑化ではない方法が使用された場合、変換濃淡画像(輝度変換関数を用いて輝度が変換された濃淡画像)にハロー効果が発生する可能性がある。すなわち、明るさが急激に変化するエッジ付近(被写体の境界など)に、違和感のある欠陥が発生する可能性がある。
エッジ保存平滑化方法の例としては、メディアンフィルタと、バイラテラルフィルタと、ガイド付きフィルタと、異方性拡散フィルタと、参考文献3「Li Xu, Qiong Yan, Yang Xia, and Jiaya Jia, "Structure extraction from texture via relative total variation. ACM Trans. Graph," Vol.31, No.6, pp.139:1-139:10, 2012.」に示された方法とがある。
行列導出部13は、一例として、参考文献3に示された方法を使用して平滑濃淡画像を導出する。参考文献3に示された方法では、画素の周囲の局所領域における輝度の一次導関数の絶対値の平均と、輝度の一次導関数の平均の絶対値との比率が、テクスチャ強度として画素ごとに測定される。平滑濃淡画像は、濃淡画像と平滑濃淡画像との差と、テクスチャ強度との合計ができるだけ小さくなるように最適化される。行列導出部13は、最適化の結果としての画像を、平滑濃淡画像として導出する。
行列導出部13は、平滑濃淡画像「I」の画素値に反比例する正の実数行列を、輝度変換関数の露出値行列として導出する。行列導出部13は、「E=1/I」のように露出値行列「E」を導出する。
なお、行列導出部13は、平滑濃淡画像に反比例する任意の正の実数行列を使用できる。平滑濃淡画像「I」の画素値が[0,1]の範囲内で正規化されていると仮定可能な場合には、行列導出部13は、「E=1-I」のように露出値行列「E」を導出してもよい。
このようにして得られた露出値行列は、上述の露出値要件を満たす。結果として、露出値行列を変数とする輝度変換関数は、上述の非単調性要件及び空間変動性要件を満たす。したがって、露出値行列を変数とする輝度変換関数を輝度変換部15が使用することにより、輝度変換部15は画像の局所的な詳細を強調することができる。
パラメータ導出部14は、濃淡画像を入力として、濃淡画像を入力部10から取得する。パラメータ導出部14は、強調濃淡画像を入力として、強調濃淡画像を画像強調部11から取得する。パラメータ導出部14は、輝度変換関数を入力として、輝度変換関数を関数導出部12から取得する。パラメータ導出部14は、露出値行列を入力として、露出値行列を行列導出部13から取得する。
パラメータ導出部14は、強調濃淡画像と変換濃淡画像との差(例えば、残差の二乗和)が所定条件を満たす(例えば、最小となる)ように、輝度変換関数のCRFパラメータを導出する。パラメータ導出部14は、輝度変換関数のCRFパラメータを、輝度変換部15に出力する。
従来では、CRFパラメータは、カメラ応答関数に基づいて専門家によって設定されるか、又は、カメラ応答関数のデータセットに基づいて、機械学習の手法によって導出される。いずれの場合でも、従来のCRFパラメータは、固定値である。したがって、従来のCRFパラメータは、入力画像として取得された濃淡画像の状況に応じて適応的に設定されていない。
輝度変換関数の変数としてCRFパラメータが用いられる場合、CRFパラメータは、変換濃淡画像の大域的な明るさを制御するという役割を主に果たす。本実施形態では、最適な大域的な明るさを有する画像として強調濃淡画像が使用され、変換濃淡画像が強調濃淡画像に可能な限り近くなるようにCRFパラメータが導出される。これによって、濃淡画像の状況に応じてパラメータ導出部14がCRFパラメータを適応的に導出することが可能である。
パラメータ導出部14は、強調濃淡画像と変換濃淡画像との間の残差の二乗和を最小化するように、輝度変換関数のCRFパラメータを導出する。CRFパラメータは、式(9)のように表される。ここで、「Θ」は、CRFパラメータの集合を表す。「B」は、強調濃淡画像を表す。「g(Ain;Θ)」は、変換輝度「g(Ain)」を表す。
Figure 0007425361000009
また、式(3)に示されたようなシグモイド関数がカメラ応答関数として使用される場合、CRFパラメータは、式(10)のように表される。ここで、「E」は、露出値行列を表す。
Figure 0007425361000010
また、式(6)に示されたような「べき関数」がカメラ応答関数として使用される場合、CRFパラメータは、式(11)のように表される。
Figure 0007425361000011
式(9)、式(10)又は式(11)に示されたCRFパラメータを導出するという問題は、非線形計画問題又は非線形回帰問題と見なすことができる。したがって、パラメータ導出部14は、非線形計画問題又は非線形回帰問題を解決できる任意の方法を用いて、式(9)、式(10)又は式(11)を解くことによって、CRFパラメータを導出することができる。非線形計画問題または非線形回帰問題を解決できる方法は、例えば、ネルダー・ミード法(参考文献4「Jeffrey C. Lagarias, James A. Reeds, Margaret H. Wright, and Paul E. Wright, "Convergence properties of the Nelder-Mead simplex method in low dimensions," SIAM Journal on Optimization, Vol.9, No.1, pp.112-147, 1998.」)と、レーベンバーグ・マルカート法と、信頼領域法と、確率的勾配降下法とである。
パラメータ導出部14は、一例として「ネルダー・ミード法」を用いて、CRFパラメータと関数値との両方の終了許容誤差を「10-4」に設定する。
式(3)に示されたようなシグモイド関数がカメラ応答関数として使用される場合、パラメータ導出部14は、各CRFパラメータの初期値「α=0」及び「β=0」を設定する。
式(6)に示されたような「べき関数」がカメラ応答関数として使用される場合、パラメータ導出部14は、CRFパラメータ「γ」の初期値を「0」と設定する。
パラメータ導出部14によって導出された変換濃淡画像は、基盤画像強調方法を用いて導出された強調濃淡画像が持つ大域的な明るさと同じ大域的な明るさを持つ。
画像強調部11が実行した基盤画像強調方法によって濃淡画像における大域的な明るさを適応的に強調可能である場合、濃淡画像の状況に応じてパラメータ導出部14がCRFパラメータを適応的に設定することができる。また、このような場合、基盤画像強調方法によって画像において減衰した局所的な詳細を、露出値行列を変数とする輝度変換関数を用いて、輝度変換部15が回復又は強調することができる。
輝度変換部15は、入力画像としての濃淡画像を、入力部10から取得する。輝度変換部15は、カメラ応答関数に基づいて濃淡画像内の座標に応じて関数値が変化する輝度変換関数を入力として、関数導出部12から取得する。輝度変換部15は、露出値行列を入力として、行列導出部13から取得する。輝度変換部15は、CRFパラメータを入力として、パラメータ導出部14から取得する。
輝度変換部15は、濃淡画像の各画素の輝度(画素値)に対して、露出値行列とCRFパラメータとを変数とする輝度変換関数を適用することによって、大域的な明るさを適応的に調整しかつ局所的な詳細を強調するように輝度が変換された濃淡画像である変換濃淡画像を導出する。輝度変換部15は、変換濃淡画像を出力部16に出力する。輝度変換部15は、変換濃淡画像「Aout」を、式(12)のように導出する。
Figure 0007425361000012
出力部16は、表示装置であり、例えば液晶ディスプレイである。出力部16は、変換濃淡画像「Aout」を輝度変換部15から取得する。出力部16は、変換濃淡画像を表示する。出力部16は、通信装置でもよい。出力部16は、変換濃淡画像を外部装置(不図示)に送信してもよい。
次に、画像調整装置1の動作例を説明する。
図3は、画像調整装置1の輝度変換部15の動作例を示すフローチャートである。輝度変換部15は、輝度変換関数とCRFパラメータと露出値行列と濃淡画像とを取得する(ステップS101)。輝度変換部15は、CRFパラメータと露出値行列とを変数とする輝度変換関数を用いて、濃淡画像の各画素の輝度を変換する(ステップS102)。輝度変換部15は、出力部16等の所定の装置に変換濃淡画像を出力する(ステップS103)。
以上のように、画像強調部11は、輝度のコントラストが強調された濃淡画像である強調濃淡画像を、濃淡画像から生成する。関数導出部12は、カメラ応答関数に基づいて輝度変換関数を導出する。行列導出部13は、平滑濃淡画像に基づいて、露出値行列を導出する。パラメータ導出部14は、輝度変換関数と強調濃淡画像と濃淡画像と露出値行列とに基づいて、強調濃淡画像と変換濃淡画像との差が所定条件を満たすようにCRFパラメータを導出する。輝度変換部15は、輝度変換関数とCRFパラメータと露出値行列と濃淡画像とを取得する。輝度変換部15は、CRFパラメータと露出値行列とを変数とする輝度変換関数を用いて、濃淡画像の各画素の輝度を変換する。
このように、画像調整装置1は、非単調な輝度変換関数(空間的に変化する関数)を用いて、すなわち画像内の座標に応じて関数値が変化する関数を用いて、濃淡画像の各画素の輝度を変換する。例えば、画像調整装置1は、CRFパラメータと露出値行列とを変数とする輝度変換関数を用いて、濃淡画像の各画素の輝度を変換する。これによって、大域的な明るさが適応的に調整された画像において局所的な詳細を強調することが可能である。また、従来の画像強調方法(基盤画像強調方法)を使用して入力画像が強調された際に入力画像において減衰した(弱められた)局所的な詳細を、回復又は強調することが可能である。
輝度変換部15によって導出された変換濃淡画像は、基盤画像強調方法を用いて導出された強調濃淡画像が持つ大域的な明るさと同じ大域的な明るさを持つ。画像強調部11が実行した基盤画像強調方法によって濃淡画像における大域的な明るさを適応的に強調可能である場合、濃淡画像の状況に応じてパラメータ導出部14がCRFパラメータを適応的に設定することができる。また、このような場合、基盤画像強調方法によって画像において減衰した局所的な詳細を、露出値行列を変数とする輝度変換関数を用いて、輝度変換部15が回復又は強調することができる。
図4から図11までは、実施形態における、変換濃淡画像と他の画像との比較の第1例から第8例までを示す図である。図4から図11までにおいて、変換濃淡画像の生成に関して、式(3)に示されたシグモイド関数がカメラ応答関数として使用されている。
図4から図7までには、基盤画像強調方法(非特許文献1に示された方法)を用いて導出された強調濃淡画像と、輝度変換部15によって導出された変換濃淡画像とが、比較可能に表されている。
図4には、濃淡画像100と、基盤画像強調方法が濃淡画像100に対して適用された結果である強調濃淡画像110と、露出値行列とCRFパラメータとを変数とする輝度変換関数が濃淡画像100に対して適用された結果である変換濃淡画像120とが、比較可能に表されている。
同様に、図5には、濃淡画像200と強調濃淡画像210と変換濃淡画像220とが、比較可能に表されている。図6には、濃淡画像300と強調濃淡画像310と変換濃淡画像320とが、比較可能に表されている。図7には、濃淡画像400と強調濃淡画像410と変換濃淡画像420とが、比較可能に表されている。
強調濃淡画像110と強調濃淡画像210と強調濃淡画像310と強調濃淡画像410とに表されているように、基盤画像強調方法によって濃淡画像から生成された強調濃淡画像では、画像における一部の局所的な詳細が必然的に減衰している。暗い画像領域のコントラストを強調するように基盤画像強調方法が設計されているので、画像において明るい領域の局所的な詳細が減衰する傾向がある。
変換濃淡画像120と変換濃淡画像220と変換濃淡画像320と変換濃淡画像420とに表されているように、輝度変換部15によって導出された変換濃淡画像では、強調濃淡画像における大域的な明るさを維持しながら、基盤画像強調方法によって減衰した画像の局所的な詳細を回復又は強調することが可能である。
図8から図11までには、濃淡画像と、非特許文献2に示された方法を用いて導出された「LIME(Low-light IMage Enhancement)画像」と、非特許文献3に示された方法を用いて導出された「SRIE(Simultaneous Reflectance and Illumination Estimation)画像」と、輝度変換部15によって導出された変換濃淡画像とが、比較可能に表されている。
図8には、濃淡画像500と、非特許文献2に示された方法が濃淡画像500に対して適用された結果であるLIME画像510と、非特許文献3に示された方法が濃淡画像500に対して適用された結果であるSRIE画像520と、露出値行列とCRFパラメータとを変数とする輝度変換関数が濃淡画像500に対して適用された結果である変換濃淡画像530とが、比較可能に表されている。
同様に、図9には、濃淡画像600とLIME画像610とSRIE画像620と変換濃淡画像630とが、比較可能に表されている。図10には、濃淡画像700とLIME画像710とSRIE画像720と変換濃淡画像730とが、比較可能に表されている。図11には、濃淡画像800とLIME画像810とSRIE画像820と変換濃淡画像830とが、比較可能に表されている。
非特許文献2に示された方法では、反射率成分画像が所望の強調結果と見なされる。推定された照明成分画像が濃淡画像から除去されることによって、強調結果が導出される。しかしながら、LIME画像510とLIME画像610とLIME画像810とに示されているように、LIME画像における大域的なコントラストが完全に無くなる場合がある。このため、明るさが過度になるという問題が発生することもある。
非特許文献3に示された方法では、推定された照明成分画像がガンマ補正で強調される。強調された照明成分画像と反射率成分画像とが再結合される。この再結合された画像は、強調結果として導出される。しかしながら、SRIE画像520とSRIE画像620とSRIE画像720とSRIE画像820とに示されているように、ガンマ補正を用いて画像における明るさを適応的に高めることができない場合がある。このため、SRIE画像の明るさが過度になってしまう場合があるという問題が発生することもある。また、SRIE画像の明るさが不足してしまう場合があるという問題が発生することもある。
露出値行列とCRFパラメータとを変数とする輝度変換関数が濃淡画像に対して適用されるという方法(単調ではなく、画像における空間的にも変化し、各画素の座標に応じて異なる値を取る輝度変換関数が用いられるという方法)では、変換濃淡画像530と変換濃淡画像630と変換濃淡画像730と変換濃淡画像830とに示されているように、バランスのとれた自然なコントラスト強調が、一貫して可能となっている。このような方法では、画像の局所的な詳細が弱められることなく、画像における大域的な明るさが濃淡画像の状況に応じて適応的に強調される。また、画像の明るさが過度になってしまう場合があるという問題が発生することと、画像の明るさが不足してしまう場合があるという問題が発生することとを、効率的に回避することが可能である。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、「輝度」は「明度」と読み替えられてもよい。
本発明は、画像処理装置に適用可能である。
1…画像調整装置、2…プロセッサ、3…メモリ、4…記憶装置、5…表示部、10…入力部、11…画像強調部、12…関数導出部、13…行列導出部、14…パラメータ導出部、15…輝度変換部、16…出力部、100…濃淡画像、110…強調濃淡画像、120…変換濃淡画像、200…濃淡画像、210…強調濃淡画像、220…変換濃淡画像、300…濃淡画像、310…強調濃淡画像、320…変換濃淡画像、400…濃淡画像、410…強調濃淡画像、420…変換濃淡画像、500…濃淡画像、510…LIME画像、520…SRIE画像、530…変換濃淡画像、600…濃淡画像、610…LIME画像、620…SRIE画像、630…変換濃淡画像、700…濃淡画像、710…LIME画像、720…SRIE画像、730…変換濃淡画像、800…濃淡画像、810…LIME画像、820…SRIE画像、830…変換濃淡画像

Claims (4)

  1. 輝度のコントラストを用いて濃淡を表す画像である濃淡画像を取得する入力部と、
    カメラ応答関数に基づいて前記濃淡画像内の座標に応じて関数値が変化する輝度変換関数を用いて前記濃淡画像の各画素の輝度を変換することによって、大域的な明るさを適応的に調整しかつ局所的な詳細を強調するように輝度が変換された前記濃淡画像である変換濃淡画像を生成し、前記変換濃淡画像を所定の装置に出力する輝度変換部と
    輝度が調整された前記濃淡画像である強調濃淡画像を前記濃淡画像から生成する画像強調部と、
    前記カメラ応答関数に基づいて前記輝度変換関数を導出する関数導出部と、
    平滑化された前記濃淡画像である平滑濃淡画像に基づいて、前記平滑濃淡画像の画素値に反比例する正の実数行列である露出値行列を導出する行列導出部と、
    前記輝度変換関数と前記強調濃淡画像と前記濃淡画像と前記露出値行列とに基づいて、前記強調濃淡画像と前記変換濃淡画像との差が所定条件を満たすようにパラメータを導出するパラメータ導出部と
    を備え、
    前記輝度変換部は、前記露出値行列と前記パラメータとを変数とする前記輝度変換関数を用いて、前記濃淡画像の各画素の輝度を変換する、
    画像調整装置。
  2. 前記所定条件は、前記強調濃淡画像と前記変換濃淡画像との残差の二乗和が最小となるという条件である、
    請求項に記載の画像調整装置。
  3. 画像調整装置が実行する画像調整方法であって、
    輝度のコントラストを用いて濃淡を表す画像である濃淡画像を取得する入力ステップと、
    カメラ応答関数に基づいて前記濃淡画像内の座標に応じて関数値が変化する輝度変換関数を用いて前記濃淡画像の各画素の輝度を変換することによって、大域的な明るさを適応的に調整しかつ局所的な詳細を強調するように輝度が変換された前記濃淡画像である変換濃淡画像を生成し、前記変換濃淡画像を所定の装置に出力する輝度変換ステップと
    輝度が調整された前記濃淡画像である強調濃淡画像を前記濃淡画像から生成する画像強調ステップと、
    前記カメラ応答関数に基づいて前記輝度変換関数を導出する関数導出ステップと、
    平滑化された前記濃淡画像である平滑濃淡画像に基づいて、前記平滑濃淡画像の画素値に反比例する正の実数行列である露出値行列を導出する行列導出ステップと、
    前記輝度変換関数と前記強調濃淡画像と前記濃淡画像と前記露出値行列とに基づいて、前記強調濃淡画像と前記変換濃淡画像との差が所定条件を満たすようにパラメータを導出するパラメータ導出ステップと
    を含み、
    前記輝度変換ステップは、前記露出値行列と前記パラメータとを変数とする前記輝度変換関数を用いて、前記濃淡画像の各画素の輝度を変換することを含む、
    画像調整方法。
  4. 請求項1又は請求項に記載の画像調整装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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