JP7424913B2 - 植物栽培施設 - Google Patents

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Description

本発明は、植物を栽培する植物栽培施設に関するものである。
現在、環境問題や資源枯渇問題に対応した循環型社会を構築することが課題となっており、農業分野においても、有機資源を循環させながら農産物を生産する循環型農業が推進されている。
ここで、特許文献1には、栽培ハウスの外に有機性廃棄物を収容した有機物収容部を配設し、この有機性収容部と栽培ハウス内とを連通する通気パイプを設けた植物栽培施設が開示されている(特許文献1の図4参照)。この特許文献1に開示された植物栽培施設によれば、有機性廃棄物の発酵によって発生する二酸化炭素を、通気パイプを介して栽培ハウス内の植物に供給することで、植物の生育を促進することができる。
特開2014-7971号公報
しかしながら、有機性廃棄物の発酵によって発生する二酸化炭素の量は、温度や湿度などの諸条件に応じて変動するため不安定である。したがって、特許文献1に記載の植物栽培施設は、所定濃度の二酸化炭素を予め貯留したガス容器を二酸化炭素の供給源として用いたものと比較して、栽培ハウス内の環境に応じて、二酸化炭素の細かな濃度管理を行うことが難しいという問題を抱えていた。この問題により、例えば、栽培ハウス内で供給過多となった二酸化炭素が植物の呼吸を妨げて、却って植物の生育が阻害されるといった事態が懸念される。
そこで、本発明は、有機資源を利用しながら、所定濃度の二酸化炭素を栽培ハウス内に安定供給でき、栽培ハウス内における二酸化炭素の細かな濃度管理を可能とする植物栽培施設を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、
栽培ハウス外から二酸化炭素を含む混合気体を回収する回収部と、
前記回収部が回収した混合気体中の二酸化炭素を濃縮して炭酸ガスを生成する炭酸ガス濃縮生成部と、
前記炭酸ガス濃縮生成部が生成した炭酸ガスを貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された炭酸ガスを栽培ハウス内の植物へと供給する供給部とを備える植物栽培施設であって、
前記回収部は、前記回収部内の二酸化炭素濃度を検出する第一センサ部と、前記回収部内の混合気体を回収して前記炭酸ガス濃縮生成部へと送る気体回収装置を備え、
前記気体回収装置は、雑草が繁茂した圃場を被覆自在な被覆装置を備えることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、貯留部に所定濃度以上の炭酸ガスを貯留させ、その結果、供給部から所定濃度以上の炭酸ガスを植物に安定供給することが可能となる。これにより、有機資源を二酸化炭素の供給源として、所定濃度の二酸化炭素を栽培ハウス内に安定供給でき、栽培ハウス内における二酸化炭素の細かな濃度管理を可能とする植物栽培施設を提供することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記被覆装置は、被覆状態と非被覆状態を切換え可能に構成され、
夜間に被覆状態となり、日中に非被覆状態となるよう構成されたことを特徴とする。
上記第2の発明によれば、夜間に被覆装置を被覆状態とすることで、雑草から夜間発生する二酸化炭素を良好に回収することができる。
第3の発明は、上記の目的を達成するため、
栽培ハウス外に配置された有機性廃棄物から発生するバイオガスを回収する回収部と、
前記回収部が回収したバイオガスから炭酸ガスを生成する炭酸ガス濃縮生成部と、
前記炭酸ガス濃縮生成部が生成した炭酸ガスを貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された炭酸ガスを栽培ハウス内の植物へと供給する供給部とを備える植物栽培施設であって、
前記回収部は、前記回収部内の二酸化炭素濃度を検出する第一センサ部と、前記回収部内のバイオガスを回収して前記炭酸ガス濃縮生成部へと送る気体回収装置を備え、
前記気体回収装置は、前記第一センサ部が検出した二酸化炭素濃度の値が所定値以上であることを条件として、前記回収部内のバイオガスを回収して前記炭酸ガス濃縮生成部へと送ることを特徴とする。
上記第3の発明によれば、貯留部に、所定濃度以上の炭酸ガスが貯留し、その結果、供給部から所定濃度以上の炭酸ガスを植物に安定供給することが可能となる。これにより、有機性廃棄物を二酸化炭素の供給源としつつ、所定濃度の二酸化炭素を栽培ハウス内に安定供給でき、栽培ハウス内における二酸化炭素の細かな濃度管理を可能とする植物栽培施設を提供することができる。
第4の発明は、上記第2の発明において、前記貯留部は、炭酸ガスを貯留する貯留容器内の圧力を検出する圧力センサを備え、
前記回収部は、前記有機性廃棄物の上方を被覆自在な被覆装置を備え、
前記被覆装置は、被覆状態と非被覆状態を切換え可能に構成され、
前記被覆装置は、前記圧力センサの圧力値が所定の値より小さいとき、被覆状態となり、所定の値以上のとき、非被覆状態となるよう構成されたことを特徴とする。
上記第4の発明によれば、上記第3の発明の効果に加え、圧力センサの圧力値が所定の値より小さいとき、被覆状態として、所定濃度以上の二酸化炭素を回収するため、回収部内の二酸化炭素濃度を高めることができ、一方で、圧力センサの圧力値が所定の値以上のとき、すなわち、貯留部の炭酸ガスが満量であるときには、非被覆状態として、回収部内の微生物の死滅を防止することができる。
第5の発明は、上記第4の発明において、
前記被覆装置は、一方向に沿って配列された複数の回動羽根部材を備え、
前記複数の回動羽根部材は、制御部により回動制御されて、前記被覆状態においては、前記回動羽根部材の互いの端同士が重なるよう構成され、前記非被覆状態においては、前記回動羽根部材の互いの隙間間隔を調節可能に設けられたことを特徴とする。
上記第5の発明によれば、上記第4の発明の効果に加え、回動羽根部材同士の隙間間隔を調節し、回収部内の照度、温度、湿度等を調節することが可能であるため、回収部内において、微生物に好適な環境を実現できる。また、回収部内の環境をコントロールすることで、発酵の進行や停止等をコントロールすることができる。
第6の発明は、上記第5の発明において、
前記回動羽根部材の両端に、互いの端同士の隙間を塞ぐシール部が設けられたことを特徴とする。
上記第6の発明によれば、上記第3の発明の効果に加え、シール部が回動羽根部材の端同士に生じる隙間をシールすることで、より良好に気流を遮断することができる。
第7の発明は、上記第6の発明において、
前記第一センサ部は、さらに、前記回収部内の温度を検出可能に構成され、
前記被覆装置は、非被覆状態のとき、前記第一センサ部から温度の検出値を取得して、前記回動羽根部材の互いの隙間間隔の調節により、回収部内の温度を調節することを特徴とする。
上記第7の発明によれば、上記第6の発明の効果に加え、回収部内の温度を調節し、微生物の培養に好適な環境を実現できる。
第8の発明は、上記第1から7のいずれかの発明において、さらに、炭酸ガス濃縮生成部または貯留部に補充用の炭酸ガスを供給可能な補充部が設けられたことを特徴とする。
上記第8の発明によれば、上記第1から7のいずれかの発明の効果に加え、補充部から補充用の炭酸ガスを供給可能することによって、炭酸ガスをさらに安定供給することが可能となる。
第9の発明は、上記第8の発明において、
前記補充部は、前記貯留部に貯留された炭酸ガスの二酸化炭素濃度が所定の基準値に満たない場合、前記貯留部に補充用の炭酸ガスを供給することを特徴とする。
上記第9の発明によれば、上記第8の発明の効果に加え、前記貯留部に貯留された炭酸ガスの二酸化炭素濃度が所定の基準値に満たない場合、前記貯留部に補充用の炭酸ガスを供給することで二酸化炭素濃度を高め、これにより、栽培ハウス内に所定の基準値以上の二酸化炭素濃度の炭酸ガスを安定供給することが可能となる。
本発明によれば、有機資源を二酸化炭素の供給源として、所定濃度の二酸化炭素を栽培ハウス内に安定供給でき、栽培ハウス内の二酸化炭素の細かな濃度管理を可能とする植物栽培施設を提供することが可能になる。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る植物栽培施設の概略構成図である。 図2は、図1に示された回収部の概略構成図である。 図3は、図2に示された被覆装置の構成を示す斜視図である。 図4は、図3に示された被覆装置の回動羽根部材の概略側面図である。 図5(a)及び図5(b)は、図4の回動羽根部材の動作を説明する説明図である。 図3の回動羽根部材を略水平姿勢とした場合を示す概略側面図である。 図7は、図1の制御部の構成を示すブロック図である。 図8は、別実施形態に係る植物栽培施設の概略構成図である。 図9は、変形例に係る被覆装置の構成を示す斜視図である。
[第1実施形態]
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施形態につき、詳細に説明を加える。
第1実施形態の植物栽培施設1は、雑草から発生した二酸化炭素を栽培ハウスに供給して、植物の生育に利用する。
<全体構成>
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る植物栽培施設1の概略構成図である。図1に示されるように、植物栽培施設1は、栽培ハウスH外の雑草Zから発生する二酸化炭素を含む混合気体を回収する回収部Bと、回収部が回収した混合気体から炭酸ガスを生成する炭酸ガス濃縮生成部Rと、炭酸ガス濃縮生成部が生成した炭酸ガスを貯留する貯留部Tと、補充用の炭酸ガスを供給可能な補充部Jと、貯留部Tに貯留された炭酸ガスを植物Gへと供給する供給部Dと、植物Gが収容された栽培ハウスHとを備える。次に、各構成について以下説明する。
<回収部>
図2は、図1に示された回収部Bの概略構成図である。
回収部Bは、栽培ハウスHの外に配設された圃場HJに繁茂した雑草Zの上方を被覆自在な被覆装置Aを備え、この被覆装置Aの下方に、回収部B内の環境を検出する第一センサ部Sn1と、回収部B内の混合気体を回収する気体回収装置Kとが配設されている。ここで、圃場HJは、遊休地や空き地などの土地でもよく、また、雑草Zは、夜間に二酸化炭素を発生させる植物であればよく、圃場HJで栽培される栽培用の植物であってもよい。
第一センサ部Sn1は、回収部B内の二酸化炭素濃度、照度、温度、湿度を検出可能なセンサ群であり、検出情報を制御部Cに送信可能となっている。なお、回収部B内とは、より詳細には、圃場HJと被覆装置Aとの間に形成される空間を指す。また、第一センサ部Sn1は、回収部B内の検出精度を高めるため、複数設けられてもよい。
気体回収装置Kは、圃場HJの上部において所定範囲に亘って延びる吸気管k1と、配管系を経て吸気管と接続された送気ポンプk2を備える。この吸気管k1は、周面に貫通孔が多数形成された管状体であり、送気ポンプk2と配管接続されている。また、吸気管k1は、圃場HJの地面近傍に、複数本の吸気管k1が所定間隔で格子状に組み合わせて配設されている(図3参照)。このように配設された吸気管k1は、地面近傍に位置するため、雑草Zに近接しており、さらに、二酸化炭素は下方に滞留しやすいため、良好に二酸化炭素を吸気して回収できる。また、複数本の吸気管k1が所定間隔で格子状に組み合わせて配設されたため、回収部B内の全体から満遍なく、効率的に二酸化炭素を吸気して回収できるように構成されている。
送気ポンプk2は、制御部Cにより駆動制御される。送気ポンプk2の駆動により、雑草Zの呼吸によって発生する二酸化炭素と空気との混合気体が、吸気管k1から吸い込まれて回収され、後述する炭酸ガス濃縮生成部Rに送り出される。
<被覆装置>
図3は、図2に示された被覆装置Aの構成を示す斜視図である。
図3に示されるように、被覆装置Aは、圃場HJの上方を覆う被覆手段として、複数の回動羽根部材a1を有しており、この回動羽根部材a1は被覆装置Aの長さ方向に沿って複数配列されており、全体として、屋根状に圃場HJ及び雑草Zの上方を覆うように構成されている。この複数の回動羽根部材a1は、圃場HJ及び雑草Zの上方を覆うとともに、太陽光Lを受けて発電する機能を有し、発電手段として、細長い矩形板状の太陽光パネルP(P1,P2)を備えている。
回動羽根部材a1は、駆動軸axに複数連結されており、制御部Cにより制御されて正逆回転可能なモータMの駆動により駆動軸axが回転すると、その回転方向に応じて、回転軸a13を中心として、太陽光パネルPを正逆回動可能に構成されている。
また、それぞれの第1の回動羽根部材a11はモータM1の駆動と連動し、それぞれの第2の回動羽根部材a12はモータM2の駆動と連動して動作するよう構成されている。具体的には、第1のモータM1が駆動すると、第1のモータM1に接続された駆動軸ax1が回転し、これにより、この駆動軸ax1と連結された複数の第1の回動羽根部材a11,a11,a11・・・が、複数の太陽光パネルP1,P1,P1・・・を同期して回動する。また、第2のモータM2が駆動すると、第2のモータM2に接続された駆動軸ax2が回転し、これにより、この駆動軸ax2と連結された複数の第2の回動羽根部材a12,a12,a12・・・が、複数の太陽光パネルP2,P2,P2・・・を同期して回動する。このようにして、第1の回動羽根部材a11と、第2の回動羽根部材a12は、それぞれ独立した動作が可能となっている。
図3に示されるように、第1の回動羽根部材a11と、第2の回動羽根部材a12は、一端側から交互に配列されている。さらに、回動羽根部材a1は、太陽光パネルPを略水平姿勢としたとき、隣り合う回動羽根部材a1の端同士が重なる間隔で配設されている。これにより、回動羽根部材a1の太陽光パネルP(P1,P2)をそれぞれ略水平姿勢としたときに、回動羽根部材a1の端同士が重なることで回動羽根部材a1同士の隙間が塞がれ、圃場HJ及び雑草Zの上方における気流を遮断し、被覆状態とすることが可能となる。これにより、圃場HJ及び雑草Zの上方を隙間なく被覆することで、雑草Zの呼吸により発生した二酸化炭素を回収部B内に滞留させ、回収部B内の二酸化炭素の濃度を高めることができる。
他方で、略水平姿勢から回動羽根部材a1の太陽光パネルP(P1,P2)を回動させて傾斜姿勢としたとき、回動羽根部材a1同士に隙間を生じさせて、圃場HJ及び有機性廃棄物Uの上方における被覆状態を解消し、非被覆状態とすることで、気流の遮断を解除するとともに、太陽光Lを通過させて圃場HJへ導入できるよう構成されている。
図4は、図3に示された被覆装置Aの回動羽根部材a1の概略右側面図である。
回動羽根部材a1は、支持フレームh1に横架され、圃場HJの上方に架け渡された横桟h2に支持固定された座板a15上に、太陽光パネルPを支持する支柱a16と、支柱a16に回動軸a13を中心として回動自在に取付けられ、上面に太陽光パネルPが組み付けられた架台a17と、架台a17の両端に取り付けられたシール部a18と、太陽光パネルPの発電を蓄電する蓄電池a19と、駆動軸axの回転運動を太陽光パネルPの回動運動に変換する回動機構a20が設けられている。
回動機構a20は、駆動軸ax上に設けられたウォーム歯車a21と噛合する駆動ギアa22が内蔵されており、駆動軸axが回転すると、この駆動ギアa22が回転し、その結果、この駆動ギアa22と同軸上に連結された巻取軸a23が架台a17に取り付けられた巻取ワイヤーa14を巻き取ることで、太陽光パネルPを回動することが可能となっている。なお、図4中の矢印は、一例として、太陽光パネルPを正転方向(紙面反時計回り)に回動するときの各部材の動きを示している。
図5(a)及び図5(b)は、回動羽根部材a1の動作を説明する説明図である。
上記構成によって、各回動羽根部材a1に配設された太陽光パネルPは、駆動軸axの回転方向に応じて、水平姿勢を基準として、図5(a)に示されるように、紙面手前側から見て正転方向(紙面反時計回り)に回動角度α(0≦α≦90°)、図5(b)に示されるように、逆転方向(紙面時計回り)に回動角度β(0≦β≦90°)の範囲(回動角度幅)で回動し、太陽光パネルPの仰角方向Fを約180°の範囲で変更することが可能となっている。なお、仰角方向Fとは、太陽光パネルPの遮光面から垂直に延びる方向を指す。なお、制御部Cは、モータMの制御量により、上記の回動角度α,βの値を判断可能となっている。
上記構成により、回動羽根部材a1を回動制御することで、回動羽根部材a1同士の隙間間隔(回動羽根部材a1の端同士の間隔)を調節し、これにより、回収部B内の照度、温度、湿度等を調節することが可能となっている。すなわち、回動羽根部材a1の回動制御により、回動羽根部材a1同士の隙間間隔を拡げて通気性を向上させることで、栽培施設1内の温度や湿度を低下させることができ、照度を向上できる。逆に、回動羽根部材a1同士の隙間間隔を狭め通気性を低下させることで、あるいは、塞いで気流を遮断することで、回収部B内の温度や湿度を上昇させ、照度を低下することができる。これにより、圃場HJの微生物に好適な環境を実現できる。
また、架台a17の両端には、下方に突出するようにして、表面の断面形状が略U字状に形成されたシール部a18が、両端に沿って設けられている。このシール部a18は、可撓性を有するゴム等の弾性部材で形成されている。
図6は、図3の回動羽根部材a1を略水平姿勢とした場合を示す概略側面図である。。
図6に示されるように、回動羽根部材a1を略水平姿勢としたとき(被覆状態)に、それぞれの太陽光パネルPは略水平に重なり合い、さらに、シール部a18が、回動羽根部材a1同士の重なり部分において、回動羽根部材a1の端同士に生じる隙間をシールすることで、より良好に気流を遮断することができる仕組みとなっている。なお、シール部a18が、可撓性を有する弾性部材で形成されたことにより、押圧力により弾性変形して隙間を好適に塞ぐことができる。
なお、蓄電池a19に蓄電された電力は、図示しないコネクタにより取り出すことができ、各機構に供給可能となっている。これにより、植物栽培施設1全体のエネルギー効率を向上できる。以上のようにして、被覆装置Aは、被覆状態と非被覆状態を切換え可能に構成され、複数の回動羽根部材a1を備えたことにより、回収部B内の全体の通気性、照度、温度、湿度等を斑なく調節することが可能となっている。
<炭酸ガス濃縮生成部>
炭酸ガス濃縮生成部Rは、図2に示されるように、配管系を経て送気ポンプk2から送られてきた混合気体から、塵埃等の不純物を除去するエアフィルタr1と、混合気体中の二酸化炭素を濃縮する二酸化炭素濃縮装置r2とを備えている。
二酸化炭素濃縮装置r2の構成は、混合気体中の二酸化炭素を濃縮するもの、すなわち混合気体中の二酸化炭素を取り入れて高濃度二酸化炭素含有ガスを放出するものであれば、特に限定されない。二酸化炭素濃縮装置r2は、例えば、二酸化炭素に対する選択的透過性を有する分離膜、二酸化炭素を可逆的に吸脱着可能な吸着体等であってよい。
炭酸ガス濃縮生成部Rにおいて、配管系を経て送気ポンプk2から送られてきた混合気体は、エアフィルタr1で不純物が除去され、二酸化炭素濃縮装置r2により混合気体中の二酸化炭素が濃縮されて、所定濃度の炭酸ガスとなり、配管系を経て貯留部Tへと送られる。
<貯留部>
貯留部Tは、図1に示されるように、炭酸ガスを貯留する貯留容器t1と、取り入れた炭酸ガスを圧縮して貯留容器t1に貯留するコンプレッサt2と、貯留容器t1内の圧力を検出する圧力センサt3と、貯留容器t1内に貯留された炭酸ガスの二酸化炭素の濃度を検出する貯留濃度検出センサt4を備え、炭酸ガス濃縮生成部Rから送り込まれた炭酸ガスは、コンプレッサt2により圧縮されて貯留容器t1に貯留される。貯留容器t1は、炭酸ガスを貯留可能なタンクやボンベ等の容器である。また、貯留容器t1は、流入側が気体回収装置Kの送気ポンプk2と、流出側が後述する供給部Dと配管接続されている。これにより、貯留部Tは、貯留容器t1に炭酸ガスを貯留するとともに、貯留した炭酸ガスを供給部Dに送る機能を果たす。
圧力センサt3の検出した圧力値は、制御部Cに送信され、これにより、制御部Cは、圧力センサt3の圧力値から、貯留容器t1が炭酸ガスを貯留する余裕があるか否かを判断可能となっている。すなわち、貯留容器t1内の圧力値が所定の値よりも小さいとき、貯留容器t1が炭酸ガスを貯留する余裕があると判断する。
貯留濃度検出センサt4が検出した炭酸ガスの二酸化炭素濃度の値は、制御部Cに送信され、これにより、制御部Cは、貯留容器t1内の炭酸ガスの二酸化炭素濃度を判断可能となっている。
<補充部>
補充部Jは、炭酸ガス容器j1と、開閉弁j2,j3とを備えている。炭酸ガス容器j1は、炭酸ガスが充填可能なタンクやボンベ等の容器であり、補充用の高濃度の炭酸ガスが充填されている。この炭酸ガス容器j1は、炭酸ガス濃縮生成部R及び貯留部Tの出口側配管とそれぞれ配管接続され、その中途部には、後述する制御部Cによって開閉制御される開閉弁j2,j3が設けられている。これにより、補充部Jは、開閉弁j2,j3の開閉によって、炭酸ガス濃縮生成部R及び貯留部Tの出口側配管に、それぞれ、高濃度の炭酸ガスを供給可能になっている。
ここで、炭酸ガス濃縮生成部R及び貯留部Tの出口側配管には、それぞれ、二酸化炭素濃度を検出するセンサである濃度チェックセンサSm1,Sm2が設けられており、その検出値を制御部Cが取得可能となっている。
これにより、制御部Cは、炭酸ガス濃縮生成部R及び貯留部Tの出口側配管を流れる炭酸ガスが制御部Cに予め設定された設定濃度に満たないとき、開閉弁j2,j3を開制御して、炭酸ガス容器j1に充填された補充用の高濃度の炭酸ガスを供給し、設定濃度以上となるように制御する。その結果、回収部Bにおいて、二酸化炭素が十分に生成されなかった場合においても、補充部Jから高濃度の炭酸ガスが補充供給されることにより、栽培ハウスHに設定濃度以上の炭酸ガスを安定供給できるように構成されている。また、これにより、キノコ類やブロッコリー等の生育において、高濃度の二酸化炭素の供給が必要とされる場合においても、良好に対応できる。
また、制御部Cは、貯留容器t1内の炭酸ガスの二酸化炭素濃度が、制御部Cに予め設定された所定の基準値に満たない場合、開閉弁j2を開弁して、貯留容器t1内に高濃度の炭酸ガスを供給し、貯留容器t1内の炭酸ガスの二酸化炭素濃度が所定の基準値に達するよう制御する。これにより、貯留容器t1内の炭酸ガスの二酸化炭素濃度を基準値以上に確保できる。すなわち、貯留部Tに貯留された炭酸ガスの二酸化炭素濃度が所定の基準値に満たない場合、貯留部Tに補充用の炭酸ガスを供給することで二酸化炭素濃度を高め、これにより、栽培ハウスH内に所定の基準値以上の二酸化炭素濃度の炭酸ガスを安定供給することが可能となる。
<供給部>
供給部Dは、栽培ハウスH内に配設され、第二センサ部Sn3と、制御部Cと、開閉バルブd1と、供給パイプd2とを備えている。なお、栽培ハウスHは、光透過性のシート、板材等から構成された一般的なものであって、その内部に栽培対象となる植物Gが定植あるいは収容されている。
第二センサ部Sn2は、栽培ハウスH内の二酸化炭素濃度、照度、温度、湿度を検出可能なセンサ群であり、検出情報を制御部Cに送信可能となっている。
開閉バルブd1は、連通・遮断を電気的に制御可能な切換え可能な電磁弁であり、流入側が貯留部Tの貯蔵容器t1と配管接続され、流出側が供給パイプd2と配管接続されており、制御部Cにより開閉制御される。
供給パイプd2は、全周に亘り多数の微細な孔が形成された管状体であり、管内に送気された炭酸ガスを全体から均一に排出可能となっており、植物Gの近傍に配設される。これにより、開閉バルブd1が開状態となると、貯蔵容器t1内の炭酸ガスを供給パイプd2から噴出して、植物Gに供給するよう構成されている。
<制御部>
図7は、図1の制御部Cの構成を示すブロック図である。
制御部Cは、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成された制御部であり、演算処理に必要な情報を読み書き可能なメモリとを備えて構成され、メモリに記憶された各種プログラムに従ってCPUが動作することにより、各種の機能が実現される。なお、制御部Cは、筐体内に収容されて、栽培ハウスHの内あるいは外の適宜の場所に配設される。また、制御部Cは、制御対象となる各機器や各センサと有線あるいは無線で接続されて、制御信号(以下、制御命令という場合がある。)や検出値に関する情報を送受可能となっている。
制御部Cは、入力側に、第一センサ部Sn1、第二センサ部Sn2、圧力センサt3、が接続され、出力側に、モータM、送気ポンプk2、開閉弁j2,j3,d1が接続され、被覆管理部c1と、回収管理部c2と、供給管理部c3と、計時部c4とを備えている。
被覆管理部c1は、モータMに制御命令を出力し、被覆装置Aの動作を制御するプログラムである。被覆管理部c1は、計時部c4から現在時刻の情報を取得し、被覆装置Aの動作を制御して、雑草Zの呼吸が行われて二酸化炭素が排出される夜間は、回動羽根部材a1を略水平姿勢(被覆状態)とし、圃場HJの上方を被覆するよう制御する。これにより、被覆装置Aにより圃場HJの上方を被覆して密閉度を高めることにより、回収部B内の二酸化炭素濃度を高めることができる。その結果、雑草Zから夜間発生する二酸化炭素を良好に回収することができる。
被覆管理部c1は、日中は、回動羽根部材a1を傾斜姿勢(非被覆状態)に制御する。
この際、太陽光パネルPの仰角方向Fが太陽SNの方向を向くように制御される。さらに、制御部Cは、第一センサ部Sn1から、照度、温度、湿度等の情報を取得し、圃場HJの環境が栽培植物や微生物にとって好適なものとなるように、回動羽根部材a1の回動制御により回動羽根部材a1同士の隙間間隔を調節するよう、仰角方向Fを変更可能となっている。その結果、回収部B内の照度、温度、湿度等を調節することが可能となっている。
例えば、制御部Cは、回収部B内の湿度が、栽培植物や微生物に好適な値(制御部Cに所望の値が予め設定される。)よりも大きいとき、回動羽根部材a1同士の間隔を広げるように制御し、小さいときは、間隔を狭めるよう制御する。間隔を広げるほど、通気性を向上し、湿度を下げることができる。また、照度、温度の場合は、栽培植物や微生物に好適な値(制御部Cに所望の値が予め設定される。)よりも大きいとき、回動羽根部材a1同士の間隔を狭めるように制御し、小さいときは、広げるように制御する。間隔を広げるほど、通気性を向上により温度を下げ、また、照度を向上することができる。
回収管理部c2は、送風ポンプk2に制御命令を出力し、気体回収装置Kの動作を制御するプログラムである。回収管理部c2は、所定の時間間隔で、圧力センサt3の検出値及び第一センサ部Sn2の検出値を取得し、貯留容器t1の圧力値が所定の値よりも小さいとき、すなわち、貯留容器t1が炭酸ガスを貯留する余裕があるときであって、かつ、第1センサ部Sn2が検出した二酸化炭素濃度の値が所定値(例えば、800ppm)以上であるとき、送風ポンプk2を駆動して、回収部B内の雑草Zから発生した二酸化炭素と空気の混合気体を回収し、貯留部Tの貯留容器t1に、回収した混合気体から生成された炭酸ガスを貯留するよう制御する。これにより、貯留容器t1には、所定濃度以上の炭酸ガスが送り込まれて貯留されることとなり、貯留容器t1内に所定濃度よりも少ない炭酸ガスが送り込まれて二酸化炭素の濃度が低下してしまう不具合が防止される。その結果、貯留容器t1内の二酸化炭素濃度を安定化させて、供給部Dから所定濃度以上の炭酸ガスを植物Gに安定供給することが可能となり、植物Gの生育を良好に促進できる。
また、回収管理部c2は、計時部c4から現在時刻の情報を取得し、これにより、現在時刻の情報から、太陽SNの高度を演算し、回動羽根部材a1を傾斜姿勢に制御する場合において、演算した太陽SNの高度を基に、太陽光パネルPの仰角方向Fが太陽SNの方向を追随して向くように、制御可能となっている。
供給管理部c3は、開閉弁d1に制御命令を出力し、供給パイプd2からの炭酸ガスの供給を制御するプログラムである。供給管理部c3は、所定の時間間隔で、第二センサ部Sn2の検出値を取得し、栽培ハウスH内の二酸化炭素濃度、照度等の情報から、植物Gの光合成の状況を判断し、所定条件(例えば、照度が所定値以上で、かつ、単位時間当たりの二酸化炭素の濃度の減少が所定値以上)の充足により、植物Gが光合成を行っていると判断したとき、開閉弁d1を開状態として、植物Gに炭酸ガスを供給する。所定条件を充足せず、光合成が行われていない、あるいは効率が低いと判断したとき、開閉弁d1を閉状態として、炭酸ガスの供給を停止する。
計時部c4は、現在時刻の情報を提供するプログラムである。計時部c4は、各種機構に、現在時刻の情報を提供する機能を果たす。
以上のように、植物栽培施設1は、回収部B内の二酸化炭素濃度が所定値以上のときに、雑草Zの呼吸によって発生した二酸化炭素を含む混合気体を回収するよう構成されている。これにより、貯留部Tに所定濃度以上の炭酸ガスを貯留できるため、有機資源を二酸化炭素の供給源としつつ、所定濃度の二酸化炭素を栽培ハウスH内に安定供給でき、栽培ハウスH内における二酸化炭素の細かな濃度管理が可能となっている。これにより、例えば、トマトや苺等の果菜類を良好に生育することができる。また、植物に限らず、椎茸やきくらげ等のキノコ類についても良好に生育できる。
[第2実施形態]
図8は、別実施形態に係る植物栽培施設1の概略構成図である。
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に述べる。ここで、第2実施形態の植物栽培施設1は、有機性廃棄物Uから発生した二酸化炭素を栽培ハウスHに供給して、植物の生育に利用する。
<回収部>
回収部Bは、図8に示されるように、栽培ハウスHの外に配設された圃場HJに、有機性廃棄物Uが配置され、この圃場HJ及び有機性廃棄物Uの上方を被覆自在な被覆装置Aが配設されており、この被覆装置Aの下方に、回収部B内の環境を検出する第一センサ部Sn1と、回収部B内のバイオガスを回収する気体回収装置Kとが配設されている。ここで、圃場HJは、有機性廃棄物Uを発酵可能な微生物が生存する土壌を備えたものであればよい。また、有機性廃棄物Uは、発酵反応を行う有機物であればよく、例えば、廃木材、藁、籾殻、野菜屑、花卉屑等の植物残渣を用いることができる。
被覆装置Aは、略水平姿勢から回動羽根部材a1の太陽光パネルP(P1,P2)を回動させて傾斜姿勢としたとき、回動羽根部材a1同士に隙間を生じさせて、圃場HJ及び有機性廃棄物Uの上方における被覆状態を解消し、非被覆状態とすることで、気流の遮断を解除するとともに、太陽光Lを通過させて圃場HJへ導入できるよう構成されている。これにより、圃場HJの微生物の死滅を防止することができる。
また、被覆装置Aは、回動羽根部材a1の回動制御により、回動羽根部材a1同士の隙間間隔を拡げて通気性を向上させることで、回収部B内の温度や湿度を低下させることができ、照度を向上できる。逆に、回動羽根部材a1同士の隙間間隔を狭め通気性を低下させることで、あるいは、塞いで気流を遮断することで、回収部B内の温度や湿度を上昇させ、照度を低下することができる。これにより、圃場HJの微生物に好適な環境を実現できる。また、回収部B内の環境をコントロールすることで、発酵の進行や停止等をコントロールすることができる。
<炭酸ガス濃縮生成部>
炭酸ガス濃縮生成部Rは、図2に示されるように、配管系を経て送気ポンプk2から送られてきた混合気体から、塵埃等の不純物を除去するエアフィルタr1と、混合気体中の二酸化炭素を濃縮する二酸化炭素濃縮装置r2と、メタンを除去するメタン除去装置r3とを備えている。メタン除去装置r3としては、混合気体中のメタンを除去可能なものであれば、特に限定されない。具体的には、メタン除去装置r2としては、沸点差を利用した低温吸着法を適用した装置を用いることができる。
炭酸ガス濃縮生成部Rにおいて、配管系を経て送気ポンプk2から送られてきた混合気体は、エアフィルタr1で不純物が除去され、メタン除去装置r3によりメタンが除去されて、二酸化炭素濃縮装置r2により濃縮されて所定濃度の炭酸ガスとなり、配管系を経て貯留部Tへと送られる。
<制御部>
被覆管理部c1は、モータMに制御命令を出力し、被覆装置Aの動作を制御するプログラムである。被覆管理部c1は、所定の時間間隔で、圧力センサt3の検出値を取得し、貯留容器t1の圧力値が所定の値よりも小さいとき、すなわち、貯留容器t1が炭酸ガスを貯留する余裕があるときは、被覆装置Aの動作を制御して、回動羽根部材a1を略水平姿勢(被覆状態)とし、圃場HJの上方を被覆するよう制御する。これにより、貯留容器t1内に炭酸ガスを貯留する余裕があるときは、被覆装置Aにより圃場HJの上方を被覆し、回収部B内の二酸化炭素濃度を高めるようにする。
また、貯留容器t1の圧力値が所定の値以上のとき、すなわち、貯留容器t1が炭酸ガスを貯留する余裕がなく、満量であるときは、被覆装置Aの動作を制御して、回動羽根部材a1を傾斜姿勢とし、回動羽根部材a1同士に隙間を生じさせて、圃場HJの上方の被覆を解除するよう制御する。これにより、貯留容器t1内に炭酸ガスを貯留する余裕がないときは、被覆装置Aによる圃場HJの上方における被覆を解除し、圃場HJの微生物の死滅を防止するよう構成されている。
さらに、被覆管理部c1は、回動羽根部材a1を傾斜姿勢に制御する場合(非被覆状態)において、第一センサ部Sn1から、照度、温度、湿度等の情報を取得し、これらが、圃場HJの微生物の培養に好適なものとなるように、回動羽根部材a1の回動制御により回動羽根部材a1同士の隙間間隔を調節し、回収部B内の照度、温度、湿度等を調節することが可能となっている。例えば、回収部B内の湿度が、微生物の培養に好適な値(制御部Cに所望の値が予め設定される。)よりも大きいとき、回動羽根部材a1同士の間隔を広げるように制御し、小さいときは、間隔を狭めるよう制御する。間隔を広げるほど、通気性を向上し、湿度を下げることができる。また、照度、温度の場合は、微生物の培養に好適な値(制御部Cに所望の値が予め設定される。)よりも大きいとき、回動羽根部材a1同士の間隔を狭めるように制御し、小さいときは、広げるように制御する。間隔を広げるほど、通気性を向上により温度を下げ、また、照度を向上することができる。このようにして、被覆管理部c1は、被覆装置Aを制御し、非被覆状態のとき、第一センサ部Sn1から照度、温度、湿度等の検出値を取得して、回動羽根部材a1の互いの隙間間隔の調節により、回収部B内の照度、温度、湿度等を調節可能に構成されている。
このように、植物栽培施設1は、回収部B内の二酸化炭素濃度の値が所定値以上のときに、有機性廃棄物Uの発酵によって発生したバイオガスを含む混合気体を回収し、貯留部Tに所定濃度以上の炭酸ガスを貯留するように構成されたため、有機性廃棄物Uを二酸化炭素の供給源としつつ、所定濃度の二酸化炭素を栽培ハウスH内に安定供給でき、栽培ハウスH内における二酸化炭素の細かな濃度管理が可能となっている。
[変形例]
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上記に説明した実施形態等に限定されるものではない。したがって、本発明の要旨の範囲内において、実施形態は、種々の変形又は変更が可能である。例えば、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
被覆装置Aは、図2ないし図6に示される構成に代えて、図9に示されるように、支持フレームh1に、巻取り式の可撓性カーテンa1´を配し、この可撓性カーテンa1´を、制御部Cによって制御可能に構成した電動式モータM´の駆動により駆動軸ax´を回動して、公知の開閉機構(例えば、特開2008-263905号に記載の折り畳み伸長自在の天井可動枠体)により開閉制御する被覆装置A´として、圃場HJの上方を被覆自在としてもよい。これによれば、より簡易な構成で、被覆装置Aを構成することができる。なお、可撓性カーテンa1´は、気密性を向上するため、ビニールやゴム等の可撓性部材で形成される。
また、回収部B内に、雨を検知する雨検知センサや、風力を測定する風力センサを設け、雨が降っているとき、または、風力が所定値以上の強風のときは、制御部Cが、遮光カーテンa1´を開制御して、被覆装置A´を非被覆状態とするように制御してもよい。これにより、悪天候の場合には、二酸化炭素の回収を中断して非被覆状態とすることで、圃場HJの環境を良好なものとすることができる。
また、可撓性カーテンa1´は、被覆状態において一方向に向かって下る傾斜をもたせて配設し、カーテンa1´上に降りかかった雨を一方向に流して排出可能に構成してもよい。これにより、可撓性カーテンa1´上に雨が溜まる不具合を防止できる。また、回収部Bは、栽培ハウスHとは別の栽培ハウス内部に配設されてもよい。
また、栽培ハウスH内に制御部Cにより制御可能な送風ファンを設け、供給管理部c3は、所定の時間間隔で、第二センサ部Sn2の検出値を取得し、栽培ハウスH内の二酸化炭素濃度の情報から、栽培ハウスH内の二酸化炭素濃度の増減を監視し、所定時間において、二酸化炭素濃度が所定値下がらないときは、植物Gが光合成を行っていないと判断し、開閉弁d1を閉状態として、植物Gへの炭酸ガスの供給を停止し、送風ファンにより送風して、植物Gの呼吸を促進するよう構成してもよい。これにより、植物Gの生育を促進できる。
また、図3及び図9において、圃場HJの四方(あるいは、支持フレームh1によって形成される被覆装置Aの四側面)は、回収部B内の密閉性を向上し、二酸化炭素またはバイオガスを滞留させるため、ビニールシート等の可撓性部材や壁部材で囲まれてもよい。
また、図1及び図8において、貯留部に制御部Cにより開閉制御される開閉弁を設け、必要に応じて、補充部Jのみから供給部Dへ炭酸ガスを供給できるようにしてもよい。これにより、配管の故障等の不具合が発生した場合においても、補充部Jから栽培ハウスHに炭酸ガスを安定して供給できる。
1 植物栽培施設
A 被覆装置
a1 回動羽根部材
a11 第1の回動羽根部材
a12 第2の回動羽根部材
a13 回転軸
a14 巻取ワイヤー
a15 座板
a16 支柱
a17 架台
a18 シール部
a19 蓄電池
a20 回動機構
a21 ウォーム歯車
a22 駆動ギア
a23 巻取軸
ax 駆動軸
B 回収部
C 制御部
D 供給部
d1 開閉弁
d2 供給パイプ
G 植物
H 栽培ハウス
h1 支持フレーム
h2 横桟
J 補充部
j1 炭酸ガス容器
j2,j3 開閉弁
HJ 圃場
K 気体回収装置
k1 吸気管
k2 送気ポンプ
L 太陽光
M モータ
P 太陽光パネル
R 炭酸ガス濃縮生成部
Sn1 第一センサ部
Sn2 第二センサ部
Sm1,Sm2 濃度チェックセンサ
r1 エアフィルタ
r2 二酸化炭素濃縮装置
r3 メタン除去装置
T 貯留部
t1 貯留容器
t2 エアコンプレッサ
t3 圧力センサ
t4 貯留濃度検出センサ
U 有機性廃棄物
Z 雑草

Claims (6)

  1. 栽培ハウス外から二酸化炭素を含む混合気体を回収する回収部と、
    前記回収部が回収した混合気体中の二酸化炭素を濃縮して炭酸ガスを生成する炭酸ガス濃縮生成部と、
    前記炭酸ガス濃縮生成部が生成した炭酸ガスを貯留する貯留部と、
    前記貯留部に貯留された炭酸ガスを栽培ハウス内の植物へと供給する供給部とを備える植物栽培施設であって、
    前記回収部は、前記回収部内の二酸化炭素濃度を検出する第一センサ部と、前記回収部内の混合気体を回収して前記炭酸ガス濃縮生成部へと送る気体回収装置とを備え、
    前記気体回収装置は、雑草が繁茂した圃場を被覆自在な被覆装置を備えることを特徴とする植物栽培施設。
  2. 前記被覆装置は、被覆状態と非被覆状態を切換え可能に構成され、
    夜間に被覆状態となり、日中に非被覆状態となるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の植物栽培施設。
  3. 栽培ハウス外に配置された有機性廃棄物から発生するバイオガスを回収する回収部と、
    前記回収部が回収したバイオガスから炭酸ガスを生成する炭酸ガス濃縮生成部と、
    前記炭酸ガス濃縮生成部が生成した炭酸ガスを貯留する貯留部と、
    前記貯留部に貯留された炭酸ガスを栽培ハウス内の植物へと供給する供給部とを備える植物栽培施設であって、
    前記回収部は、前記回収部内の二酸化炭素濃度を検出する第一センサ部と、前記回収部内のバイオガスを回収して前記炭酸ガス濃縮生成部へと送る気体回収装置を備え、
    前記気体回収装置は、前記第一センサ部が検出した二酸化炭素濃度の値が所定値以上であることを条件として、前記回収部内のバイオガスを回収して前記炭酸ガス濃縮生成部へと送るよう構成され、さらに、
    前記貯留部は、炭酸ガスを貯留する貯留容器内の圧力を検出する圧力センサを備え、
    前記回収部は、前記有機性廃棄物の上方を被覆自在な被覆装置を備え、
    前記被覆装置は、被覆状態と非被覆状態を切換え可能に構成され、
    前記被覆装置は、前記圧力センサの圧力値が所定の値より小さいとき、被覆状態となり、所定の値以上のとき、非被覆状態となるよう構成されたことを特徴とする植物栽培施設。
  4. 前記被覆装置は、一方向に沿って配列された複数の回動羽根部材を備え、
    前記複数の回動羽根部材は、制御部により回動制御されて、前記被覆状態においては、前記回動羽根部材の互いの端同士が重なるよう構成され、前記非被覆状態においては、前記回動羽根部材の互いの隙間間隔を調節可能に設けられたことを特徴とする請求項に記載の植物栽培施設。
  5. 前記回動羽根部材の両端に、互いの端同士の隙間を塞ぐシール部が設けられたことを特徴とする請求項に記載の植物栽培施設。
  6. 前記第一センサ部は、さらに、前記回収部内の温度を検出可能に構成され、
    前記被覆装置は、非被覆状態のとき、前記第一センサ部から温度の検出値を取得して、前記回動羽根部材の互いの隙間間隔の調節により、回収部内の温度を調節することを特徴とする請求項に記載の植物栽培施設。
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