JP7423167B2 - 加締め方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加締め方法に関する。
例えば自動車の製造工程のうちCVTの組立工程では、ステータシャフトの外周にCVTケース又はリテーナなどCVTケースに固定される部材に設けた穴を圧入等により嵌合することで、ステータシャフトをCVTケースに固定している(例えば、特許文献1を参照)。
また、ステータシャフトの固定強度をさらに高める目的で、CVTケース又はCVTケースに固定される部材の軸方向端部をパンチで押し潰して半径方向内側に塑性変形させることで、ステータシャフトとの機械的結合を図るための加締め部を形成している。ここで、加締め強度は、加締め態様にもよるが、通常、塑性変形を生じた量に影響を受けることから、この種の加締め工程においては、加締め時の塑性変形量又はこの変形量に準じたパラメータを管理することが重要となる。
ここで、例えば特許文献1には、ナットを軸方向に押込んで当該ナットを径方向内側に塑性変形させることによってボルトとの結合を図るに際して、押込み部の押込み方向のストローク量を制御する方法が記載されている。詳述すると、特許文献1には、所定の条件を満たす加締め深さを決定する工程と、決定した加締め深さ以上となる押込み部のストローク量を所定の関係に基づいて決定する工程と、決定した押込み部のストローク量以上となる駆動部のストローク量を所定の関係に基づいて決定する工程と、決定した駆動部のストローク量以上でかつ予め設定された加締め部(塑性変形部)が破損する駆動部のストローク量未満となる目標制御ストローク量で、駆動部を制御する工程とを備えた加締め方法が提案されている。
特開2016-198774号公報
ところで、実際の加締め対象となる部材が、例えばアルミなど一般的な自動車用材料である鉄以外の所定の材料からなる場合、硬度に大きなばらつきが見られることがある。このように硬度が大きくばらつく部材を加締めの対象として、特許文献1に記載の如きストローク制御で加締めを行う場合には、相対的に硬度が高い、すなわち硬度のばらつきの上限値を示す被加締め部材に応じた条件で加締めを行う必要が生じる。そのため、相対的に硬度が低い(硬度のばらつきの下限値を示す)部材を加締めの対象とする場合には、必要以上の荷重又はストロークで押し潰すことになり、加締め部以外の箇所、例えば上述したCVTケース側とステータシャフトとの加締めの場合、当該ケース側とシャフトとの嵌合部が変形する事態を招くおそれがある。これでは、たとえ加締め部を設けたとしても、嵌合部の密着性が低下するため、所要のリーク性能を満たすことができない。
例えば被加締め部材ごとに硬度を測定し、測定した硬度に基づいて適切な加締め条件(特許文献1の場合であればストローク量)を設定すれば、上述した問題を回避できるようにも思われる。しかしながら、被加締め部材を一つずつ硬度計にセットして硬度を測定した後、硬度計から被加締め部材を取り外して、加締め装置にセットし直す手間を考えると、生産効率の面から適用は難しい。
以上の事情に鑑み、本明細書では、硬度にばらつきが出やすい部材を加締め対象とする場合において、個々の部材の硬度に応じた適切な加締めを簡便かつ短時間で実施可能とすることを、解決すべき技術課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係る加締め方法によって達成される。すなわち、この方法は、被加締め部材をパンチで押し潰した際に被加締め部材に生じる塑性流動で、被加締め部材に加締め部を形成するための方法において、被加締め部材の押し潰し量と被加締め部材の硬度との相関を取得する相関取得工程と、パンチが被加締め部材から受ける反力が所定の押し潰し時荷重に達するまで、パンチで被加締め部材を押し潰す第一押し潰し工程と、第一押し潰し工程で生じた被加締め部材の押し潰し量を測定する押し潰し量測定工程と、押し潰し量測定工程で得た押し潰し量と、相関取得工程で取得した相関とに基づいて、被加締め部材の硬度を推定する硬度推定工程と、推定した硬度に基づいて所定の押し潰し時荷重より大きな再押し潰し時の荷重を設定する再押し潰し時荷重設定工程と、パンチが被加締め部材から受ける反力が再押し潰し時荷重に達するまで、パンチで被加締め部材を押し潰す第二押し潰し工程とを備える点をもって特徴付けられる。
このように、本発明に係る加締め方法では、まず被加締め部材の硬度を推定するために被加締め部材の押し潰しを行うと共に、推定した硬度に基づいて設定した押し潰し時荷重(再押し潰し時荷重)で被加締め部材を押し潰すようにした。そのため、この方法によれば、硬度に基づいて個々の被加締め部材に適した条件で加締めを施すことができる。よって、硬度のばらつきによって押し潰し量に過不足が生じることなく、常に適切な押し潰し量を付与して、安定した品質の加締め部を形成することが可能となる。そのため、例えば加締め相手と嵌合する部位など、被加締め部材のうち好ましくない箇所の変形を極力小さく抑制又は防止することが可能となる。また、本発明によれば、加締め動作の一環で硬度を推定することができるので、加締め動作を繰り返すだけで個々の被加締め部材に適した条件で加締めを施すことが可能となる。よって、簡便にかつ短時間で効果的な加締めを実施することが可能となる。
また、本発明に係る加締め方法において、被加締め部材の硬度が所定のばらつきを示す場合、硬度のばらつきの下限値を示す被加締め部材の再押し潰し時荷重を基準に、押し潰し時荷重を設定してもよい。
本発明に係る加締め方法において硬度を推定する場合、第一押し潰し工程における押し潰し時荷重が大きいほど、言い換えると、第一押し潰し工程における押し潰し量が大きいほど、硬度との相関が押し潰し量に反映され易い。そのため高精度に硬度を推定するのであれば第一押し潰し工程時の押し潰し時荷重を大きくすればよいが、あまりに大きくし過ぎると、例えば硬度のばらつきの下限値側に属する被加締め部材の場合に過剰に押し潰す結果となるおそれがある。ここで、上述のように、硬度のばらつきの下限値を示す被加締め部材の再押し潰し時荷重を基準に、押し潰し時荷重を設定すれば、第一押し潰し工程時に過剰に押し潰す事態を確実に回避しつつも、硬度との相関を押し潰し量に明確に反映させて個々の被加締め部材に応じた適切な条件で加締めを施すことが可能となる。
以上のように、本発明によれば、硬度にばらつきが出やすい部材を加締め対象とする場合において、個々の部材の硬度に応じた適切な加締めを簡便かつ短時間で実施することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る加締め方法の手順を示すフローチャートである。 図1に示す加締め方法に使用する加締め装置の全体構成を示す図である。 被加締め部材の硬度と押し潰し量との関係を示すグラフである。 図1に示す第一押し潰し工程と押し潰し量測定工程の流れを示すフローチャートである。 加締めに係る押し潰し動作の概念を説明するための要部拡大図で、(a)押し潰し開始時の要部拡大図と、(b)押し潰し完了時の要部拡大図である。
以下、本発明の一実施形態に係る加締め方法の内容を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る加締め方法の手順を示している。すなわち、本実施形態に係る加締め方法は、相関取得工程S1と、第一押し潰し工程S2と、押し潰し量測定工程S3と、硬度推定工程S4と、再押し潰し時荷重設定工程S5、及び第二押し潰し工程S6とを具備する。まず、各押し潰し工程S2,S6に使用する装置の構成を説明した後、各工程S1~S6の詳細を順に説明する。
なお、本実施形態では、図2に示すように、加締め相手となるシャフト部1の外周面1aに嵌合穴2aが嵌合した状態にある被加締め部材2の端部2bを押し潰すことで、被加締め部材2に加締めを施す場合を例にとって説明を行う。
図2は、本実施形態に係る加締め装置10の全体構成を示している。すなわち、本実施形態に係る加締め装置10は、パンチ11と、パンチ11を駆動する駆動部12と、駆動部12の制御を行う制御部13とを具備する。
パンチ11は、被加締め部材2の端部2bを押し潰し可能とするもので、被加締め部材2の端部2bと正対する向きに配置される。また、パンチ11はその先端に円環状の押し潰し部を有し、同じく円環状をなす被加締め部材2の端部2bを全周にわたって軸方向に押し潰し可能に構成される。
駆動部12は、パンチ11を被加締め部材2の押し潰し方向に沿って駆動可能とするもので、例えば直線的に往復動可能に構成される。また、駆動部12は、パンチ11の押し潰し方向の位置、及びパンチ11が被加締め部材2から受ける反力を検知可能に構成される。なお、駆動部12としては、パンチ11を上述した態様で駆動可能な限りにおいて任意の手段が採用可能であり、例えば高精度な荷重制御を可能とするサーボシリンダが好適である。
制御部13は、駆動部12の制御を可能とするもので、例えば後述するようにパンチ11が被加締め部材2から受けた反力の大きさに基づいてパンチ11の駆動を制御可能としている。言い換えると、制御部13は、パンチ11の駆動を荷重制御可能としている。
(S1)相関取得工程
この工程S1では、加締めの対象となる被加締め部材2の硬度と、当該被加締め部材2に加締めを施した際の押し潰し量との相関を取得する。具体的には、まず加締めの対象となる多数の被加締め部材2を用意し、硬度計など図示しない適当な硬度測定装置を用いて各被加締め部材2の硬度(好ましくは特に押し潰し対象となる端部2bの硬度)を測定する。また、硬度を測定した被加締め部材2に対して加締めを施し、その際に生じた押し潰し量を測定する。そしてこれらの測定値に所定の処理を施すことで、硬度と押し潰し量との相関を取得する。相関は、例えば一次又は二次以上の近似直線又は近似曲線により具現化することが可能である。
図3には、上述のようにして取得した被加締め部材2の硬度Hと押し潰し量Cとの相関の一例として近似曲線が示されている。図3中の太線ラインが相関に係る近似曲線を示している。図3に示すように、少なくとも本実施形態に係る加締め態様においては、硬度Hが大きくなるにつれて押し潰し量Cは減少し、硬度Hが小さくなるにつれて押し潰し量Cが増大する傾向がみられる。また、この場合、硬度Hと押し潰し量Cとの相関を示す太線ラインが、加締め時の荷重(押し潰し時の荷重)の如何によって全体的にシフト(平行移動)する傾向がみられる。すなわち、押し潰し時荷重が大きいほど上記太線ラインは上方にシフトし、押し潰し時荷重が小さいほど上記太線ラインは下方にシフトする傾向がみられる。そのため、図3に示すように、各太線ラインに係るデータを取得した際の加締め時荷重(押し潰し時荷重)を第一~第三設定値P1~P3とする場合、これらP1~P3は、P1>P2>P3の関係にある。
以上の点を踏まえて、例えば被加締め部材2の硬度Hが、図3に示すように、下限値H1から上限値H2まで所定のばらつきを示す場合、硬度Hのばらつきの上限値H2を示す被加締め部材2の押し潰し量Cが、当該押し潰し量Cの許容範囲内に収まるように、第二押し潰し工程S6における押し潰し時荷重(再押し潰し時荷重)の大きさが設定される。すなわち、押し潰し量Cの許容範囲の下限値がC1、上限値がC2である場合、硬度Hが上限値H2を示す被加締め部材2の押し潰し量Cが、少なくとも押し潰し量Cの許容範囲の下限値C1以上となるように、第二押し潰し工程S6における押し潰し時荷重(再押し潰し時荷重)が適宜の大きさに設定される。図3に示す例でいえば、押し潰し時荷重が第一設定値P1の場合に、上述した条件を満たすことから、第二押し潰し工程S6における再押し潰し時荷重の大きさを第一設定値P1に設定するのがよい。
その一方で、第一押し潰し工程S2における押し潰し時荷重Pの設定に際しては、硬度Hのばらつきの下限値H1を基準に行われるのがよい。すなわち、後述する硬度推定工程S4において被加締め部材2の硬度Hを推定する場合、第一押し潰し工程S2における押し潰し時荷重Pが大きいほど、その際の押し潰し量Cが大きくなるため、硬度Hとの相関が押し潰し量Cに反映され易い。そのためより高精度に硬度Hを推定するのであれば第一押し潰し工程S2時の押し潰し時荷重Pを大きくすればよいが、あまりに大きくし過ぎると、図3中、最も上位の太線ラインで示すように、硬度Hのばらつきの下限値H1側に属する被加締め部材2の場合には、過剰に端部2bを押し潰した結果、不要な箇所(例えばシャフト部1との嵌合部)の塑性変形を招くおそれが生じる。以上の観点から、硬度Hのばらつきの下限値H1を示す被加締め部材2の最終的な加締め時荷重(すなわち第二押し潰し工程S6時の再押し潰し時荷重)を基準に、押し潰し時荷重Pを設定するのがよい。図3に示す例でいえば、硬度Hのばらつきの下限値H1を示す被加締め部材2の押し潰し量Cが許容範囲内(C1以上でかつC2以下)に収まるように、第一押し潰し工程S2時の押し潰し時荷重を所定の大きさ(図3でいえば第二設定値P2又は第三設定値P3が該当)に設定するのがよい。ここでは第一押し潰し工程S2時の押し潰し時荷重を第三設定値P3に設定するものとする。
次に、第一押し潰し工程S2と押し潰し量測定工程S3の実施手順の一例を、主に図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
(S2)第一押し潰し工程
(S3)押し潰し量測定工程
この工程S2では、まず制御部13が駆動部12に指令を送り、押し潰し方向(図2の下向き)にパンチ11を駆動させる。この場合、パンチ11の移動速度は所定の大きさに設定される。そして、駆動開始後、パンチ11が被加締め部材2から受ける反力を検知することで、パンチ11の先端が被加締め部材2の端部2bに当接したと判断した場合(図5(a)を参照)、その時点におけるパンチ11の押し潰し方向の位置を検知する(押し潰し前当接位置検知工程S31)。
然る後、パンチ11を引き続き押し潰し方向に駆動させると共に、一定時間ごとにパンチ11が被加締め部材2から受ける反力を検知する。そして、反力を検知する度に、制御部13は、検知した反力が、予め設定した押し潰し時荷重の第三設定値P3以上であるか否かを判定する(図4中の一点鎖線で囲われた領域を参照)。ここで、検知した反力が第三設定値P3未満であると判定した場合、パンチ11の押し潰し方向の駆動を継続する(図4を参照)。あるいは、検知した反力が第三設定値P3以上であると判定した場合、硬度Hの推定に必要な分の押し潰しが生じたものとして、パンチ11の押し潰し方向の駆動を停止する。また、この時点におけるパンチ11の押し潰し方向の位置を検知する(押し潰し後位置検知工程S32)。
このように、押し潰し完了時のパンチ11の押し潰し方向の位置が検知されたら、各工程S31,S32で検知した位置データの差分を取ることで、第一押し潰し工程S2で発生した被加締め部材2の押し潰し量Cが算出される。なお、上述のように、反力が第三設定値P3に達したと判定した時点でパンチ11の駆動を停止し、停止した位置を検知する場合、最終的に得られる位置データの差分は、被加締め部材2の押し潰し方向の塑性変形分だけでなく弾性変形分を含む値となっている。そのため、弾性変形分を排除してより高精度な押し潰し量Cを得る場合には、検知した反力が第三設定値P3以上であると判定した時点で、一旦パンチ11を被加締め部材2から遠ざける向きに駆動して、被加締め部材2を押し潰し方向と反対向きに弾性復元させた後、改めて押し潰し方向にパンチ11を被加締め部材2に向けて駆動させて、パンチ11と被加締め部材2とが当接した時点のパンチ11の押し潰し方向の位置を検知するのがよい。これにより、塑性変形分のみを反映した押し潰し量Cを算出し得る。
なお、パンチ11が被加締め部材2に当接したか否かの判断は、例えばパンチ11が被加締め部材2から受ける反力に基づいて行うことができる。具体的には、反力の検知能力の最小値(例えば最大検出可能荷重の1/100~1/200程度)相当の反力が検知された場合に、パンチ11が被加締め部材2と当接したものと判定することが可能である。
(S4)硬度推定工程
この工程S4では、押し潰し量測定工程S3で得た第一押し潰し工程S2時の押し潰し量Cと、相関取得工程S1で取得した被加締め部材2の硬度Hと押し潰し量Cとの相関とに基づいて、第一押し潰し工程S2で押し潰し(仮加締め)の対象となった被加締め部材2の硬度Hを推定する。例えば図3に示すように。押し潰し時荷重が第三設定値P3に達するまで被加締め部材2を押し潰した際の押し潰し量がC3であった場合、第三設定値P3の場合の硬度Hと押し潰し量Cとの相関を示す近似曲線(図3中、最も下側の太線ライン)から、押し潰し量C3に対応する硬度の値(ここではH3)をこの被加締め部材2の硬度Hとして取得する。このようにして、被加締め部材2の硬度Hが推定される。
(S5)再押し潰し時荷重設定工程
この工程S5では、前工程S4で推定した被加締め部材2の硬度Hに基づいて、再度の押し潰しとなる第二押し潰し工程S6における押し潰し時の荷重(再押し潰し時荷重)を設定する。例えば上述のように、加締め対象となる被加締め部材2の硬度HがH3であると推定される場合であって、かつ一度目の加締め(第一押し潰し工程S2)により生じた被加締め部材2の押し潰し量C3が許容範囲の下限値C1より小さい場合、再押し潰しにより最終的な被加締め部材2の押し潰し量Cが許容範囲内(C1以上でかつC2以下)となるように、第二押し潰し工程S2時の荷重(再押し潰し時荷重)を、第一押し潰し工程S2時の荷重よりも大きな値に設定する。例えば図3に示す例の場合だと、再押し潰し時荷重を第二設定値P2に設定する。なお、被加締め部材2の硬度Hがばらつきの下限値H1付近の値であると推定される場合、第一押し潰し工程S2で必要な大きさの押し潰し量Cが得られているものとみなして、第二押し潰し工程S6では第一押し潰し工程S2時の押し潰し時荷重と同じ大きさの荷重(再押し潰し時荷重)で被加締め部材2の押し潰しを行う。
(S6)第二押し潰し工程
この工程S6では、工程S2と同様、制御部13が駆動部12に指令を送り、押し潰し方向(図2の下向き)にパンチ11を駆動させる。この場合、加締め装置10による被加締め部材2の再押し潰し(いわば本加締め)は、第一押し潰し工程S2と同様のフローに沿って行われる。すなわち、パンチ11の押し潰し方向への駆動開始後、一定時間ごとにパンチ11が被加締め部材2から受ける反力を検知しながら、押し潰し方向にパンチ11を継続して駆動させる。そして、反力を検知する度に、制御部13は、検知した反力が、予め設定した押し潰し時荷重の第二設定値P2以上であるか否かを判定する。ここで、検知した反力が第二設定値P2未満であると判定した場合、パンチ11の押し潰し方向の駆動を継続する。あるいは、検知した反力が第二設定値P2以上であると判定した場合、必要な量の押し潰しが生じたものとして、パンチ11の押し潰し方向の駆動を停止する。これにより、被加締め部材2に径方向内側に突出変形し、シャフト部1と軸方向に係合する加締め部3が形成される。
以上述べたように、本実施形態に係る加締め方法では、まず被加締め部材2の硬度Hを推定するために被加締め部材2の押し潰し(第一押し潰し工程S2)を行うと共に、推定した硬度Hに基づいて設定した押し潰し時荷重(再押し潰し時荷重)で被加締め部材2を押し潰すようにした(第二押し潰し工程S6)。そのため、この方法によれば、推定した硬度Hに基づいて個々の被加締め部材2に適した条件で加締めを施すことができる。よって、硬度Hのばらつきによって押し潰し量Cに過不足が生じることなく、常に適切な押し潰し量Cを付与して、安定した品質の加締め部3を形成することが可能となる。そのため、シャフト部1との嵌合部を構成する嵌合穴2aの表層部など、被加締め部材2との嵌合部など好ましくない箇所の変形を極力小さく抑制又は防止することが可能となる。また、本発明によれば、加締め動作の一環で硬度Hを推定することができるので、被加締め部材2を取り外したり取付け直したりすることなく、加締め動作を繰り返すだけで個々の被加締め部材2に適した条件で加締めを施すことが可能となる。よって、簡便にかつ短時間で効果的な加締めを実施することが可能となる。
特に、本実施形態では、硬度Hのばらつきの下限値H1を示す被加締め部材2が最終的に必要な最小限の再押し潰し時荷重を基準に、第一押し潰し工程S2時の押し潰し時荷重を設定した。このように、硬度Hのばらつきの下限値H1を示す被加締め部材2の再押し潰し時荷重を基準に、押し潰し時荷重を設定すれば、第一押し潰し工程S1時に被加締め部材2を過剰に押し潰す事態を確実に回避しつつも、硬度Hとの相関を押し潰し量Cに明確に反映させて個々の被加締め部材2に応じた適切な条件で加締めを施すことが可能となる。詳述すると、推定した個々の被加締め部材2の硬度Hに応じて、第二押し潰し工程S6でさらに追加が必要な押し潰し量Cを正確に評価できるので、硬度Hに応じて被加締め部材2ごとに適切な押し潰し量C(例えば第一押し潰し工程S2時の押し潰し量Cと合わせて、許容範囲の上限値C2よりわずかに下回るような大きさの押し潰し量)を第二押し潰し工程S6で付与することで、硬度Hに応じた適切な加締め量(適切な大きさな加締め部3)を全ての被加締め部材2に与えることが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明に係る加締め方法は、その趣旨を逸脱しない範囲において、上記以外の構成を採ることも可能である。
例えば、上記実施形態では、硬度Hのばらつきの下限値H1を示す被加締め部材2の押し潰し量Cが許容範囲内(C1以上でかつC2以下)に収まるように、第一押し潰し工程S2時の押し潰し時荷重を所定の大きさ(図3でいえば第二設定値P2又は第三設定値P3が該当)に設定した場合を説明したが、もちろんこれには限られない。第一押し潰し工程S2で取得した押し潰し量Cに基づいて被加締め部材2の硬度Hが正確に推定できる限りにおいて、第一押し潰し工程S2時の押し潰し時荷重の大きさは任意に設定可能であり、例えば第一押し潰し工程S2時の押し潰し量Cがその許容範囲の下限値C1より少し小さい大きさになるように、第一押し潰し工程S2時の押し潰し時荷重を設定することも可能である。
また、上記実施形態では、パンチ11の押し潰し方向の位置を測定するために、パンチ11と被加締め部材2との当接時に被加締め部材2からパンチ11が受ける反力を検知することで、パンチ11の押し潰し方向の位置を測定した場合を例示したが、もちろんこれ以外の手段でパンチ11の押し潰し方向の位置を測定することも可能である。例えば図示は省略するが、パンチ11に取り付けたレーザー変位センサーなどの距離測定装置で、パンチ11と被加締め部材2との押し潰し方向の距離を測定することで、パンチ11の押し潰し量Cを測定してもよい。
また、押し潰し時の荷重についても同様に、駆動部12によりパンチ11が被加締め部材2から受ける反力を検知する以外の手段で、押し潰し時荷重を直接的又は間接的に測定してもよいことはもちろんである。
また、以上の説明では、シャフト部1に嵌合する被加締め部材2の嵌合穴2aの軸方向端部2bに仮加締め及び本加締めとしての二度の押し潰しを行う場合を例示したが、もちろん、本発明に係る加締め方法は上記以外の構成に係る被加締め部材2に対しても適用してもよい。また、上記以外の加締め態様に係る加締め工程に本発明を適用することも可能である。
1 シャフト部
2 被加締め部材
2a 嵌合穴
2b 端部
3 加締め部
10 加締め装置
11 パンチ
12 動部
13 制御部
C,C1,C2,C3 押し潰し量
H,H1,H2,H3 硬度
P1,P2,P3 押し潰し時荷重
S1 相関取得工程
S2 第一押し潰し工程
S3 押し潰し量測定工程
S4 硬度推定工程
S5 再押し潰し時荷重設定工程
S6 第二押し潰し工程

Claims (2)

  1. 被加締め部材をパンチで押し潰した際に前記被加締め部材に生じる塑性流動で、前記被加締め部材に加締め部を形成するための方法において、
    前記被加締め部材の押し潰し量と前記被加締め部材の硬度との相関を取得する相関取得工程と、
    前記パンチが前記被加締め部材から受ける反力が所定の押し潰し時荷重に達するまで、前記パンチで前記被加締め部材を押し潰す第一押し潰し工程と、
    前記第一押し潰し工程で生じた前記被加締め部材の押し潰し量を測定する押し潰し量測定工程と、
    前記押し潰し量測定工程で得た押し潰し量と、前記相関取得工程で取得した相関とに基づいて、前記被加締め部材の硬度を推定する硬度推定工程と、
    前記推定した硬度に基づいて再押し潰し時の荷重を設定する再押し潰し時荷重設定工程と、
    前記パンチが前記被加締め部材から受ける反力が前記再押し潰し時荷重に達するまで、前記パンチで前記被加締め部材を押し潰す第二押し潰し工程とを備える、加締め方法。
  2. 前記被加締め部材の硬度が所定のばらつきを示す場合、前記硬度のばらつきの下限値を示す前記被加締め部材の前記再押し潰し時荷重を基準に、前記押し潰し時荷重を設定する請求項1に記載の加締め方法。
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