JP7420616B2 - 稼働情報取得装置及び稼働情報収集システム - Google Patents
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Description
ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分の検出回数が一回で停止した場合に、インチングの実行を検出することを特徴とする。
ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記動作部材は、天秤部材であり、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分について連続的な検出が行われたときの経過時間から、前記稼働情報としてのミシンの稼働時間を取得することを特徴とする。
また、稼働情報取得装置にかかる他の本発明は、
ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記動作部材は、天秤部材であり、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分の検出回数から、前記稼働情報としてのミシンの針数を取得することを特徴とする。
また、稼働情報取得装置にかかる他の本発明は、
ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記動作部材は、天秤部材であり、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分について連続的な検出が行われたときの経過時間と前記特定部分の検出回数とから、前記稼働情報としての縫製速度を取得することを特徴とする。
また、稼働情報取得装置にかかる他の本発明は、
ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記動作部材は、主軸と連動回転を行うプーリであり、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分について連続的な検出が行われたときの経過時間から、前記稼働情報としてのミシンの稼働時間を取得することを特徴とする。
また、稼働情報取得装置にかかる他の本発明は、
ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記動作部材は、主軸と連動回転を行うプーリであり、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分の検出回数から、前記稼働情報としてのミシンの針数を取得することを特徴とする。
また、稼働情報取得装置にかかる他の本発明は、
ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記動作部材は、主軸と連動回転を行うプーリであり、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分について連続的な検出が行われたときの経過時間と前記特定部分の検出回数とから、前記稼働情報としての縫製速度を取得することを特徴とする。
一部又は全部の前記ミシンについて、当該ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分の検出回数が一回で停止した場合に、インチングの実行を検出することを特徴とする。
さらに、メーカーの違い、装備や仕様の違い、機種の違い、製造年代の違い等を有する多種多様なミシンを有する環境下であっても、これらの全て又は大部分のミシンから稼働情報を取得することが可能となり、工場や組織等、所定の単位区分に属する全て又は大部分のミシンの稼働状態を把握することが可能となる。
図1は本発明の実施の形態である縫製管理システム1の構成図である。図1に示すように、縫製管理システム1は、縫製工場SP1~SP3に属するミシンについて縫製工場ごとに構築された稼働情報収集システム10と、それぞれの稼働情報収集システム10に接続された管理端末101とを含む構成となっている。なお、縫製工場SP1~SP3の稼働情報収集システム10は、構成が同一であるため、図1では、縫製工場SP2のみについて稼働情報収集システム10の構成を図示して、縫製工場SP1,SP3については、稼働情報収集システム10の図示を省略する。
管理者は、稼働状況等を確認することにより、例えば、管理端末101を通じて、各縫製工場SP1~SP3の縫製に関する各種パラメータの設定を変更することができる。
なお、管理端末101は、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)やタブレットPC若しくはスマートデバイス(スマートフォンやスマートウォッチ、スマートグラスなど)などで構成される。
縫製ラインを構成する複数のミシンは、厳密には多種多様であるが、これらのミシンは、概ね、二種類のミシン20とミシン30とに分類することができる。
即ち、一方の分類に属するミシン20は、当該ミシンの構成の状態変化を検出する搭載型検出装置を搭載し、その検出情報又は当該検出情報に基づく稼働情報を外部に出力する機能を有している。なお、ここでいう「搭載」とは、ミシンに当初から装備されていることを意味し、後から改造等を行って付加した検出装置やミシンの装備ではない外部の検出装置は含まないものとする。
また、他方の分類に属するミシン30は、当該ミシンの構成の状態変化を検出する搭載型検出装置を備えていない、或いは、搭載型検出装置の検出情報又は当該検出情報に基づく稼働情報を外部に出力する機能を有していない。
管理サーバ11、各ミシン20及び各稼働情報取得装置40は、稼働情報収集システム10のネットワークNW2に接続されている。
図示のように、それぞれのミシン20は、ミシン20全体を制御する制御部21と、制御部21に接続された記憶部22、表示部23、入力部24、通信部25、操作部26及び駆動部27とを有している。
制御部21は、CPUなどの中央演算手段で構成される。記憶部22は、制御部21が実行するプログラムを記憶すると共に、制御部21のワーク領域として機能する。
入力部24は、オペレータからの指示や設定の入力を受け付ける。
通信部25は、ネットワークNW2を介して管理サーバ11との間で通信を行う。例えば、通信部25は、ミシン20の稼働情報を管理サーバ11に送信する。
駆動部27は、前述した主軸モーター、糸切りを実行するアクチュエーター、縫いピッチを変更するアクチュエーター、その他、縫製に関する各種動作の駆動源等を含む。
検出装置28は、主軸モーターの回転数を検出するエンコーダーである。また、稼働情報の種別に応じて、他の検出装置を付加しても良い。
稼働情報としての「針数」は、縫製中の針落ちの積算数である。エンコーダーによって検出される主軸モーターの回転数の積算値から取得することができる。
稼働情報としての「縫製速度」は、縫製中の平均的な単位時間当たりの針落ち回数である。エンコーダー検出される主軸モーターの回転速度から取得することができる。
稼働情報としての「糸切り回数」は、糸切りの累積的な実行回数である。操作部26によって検出される糸切り指令の入力をカウントすることで取得することが可能である。
稼働情報としての「出来高」は、縫製が完了した縫製物の枚数である。一つの縫製物に対して行われる糸切りの回数が決まっているので、「糸切り回数」を一つの縫製物に対して行われる糸切りの回数で除算して求められる。なお、一つの縫製物に対して行われる糸切りの回数は、入力部24によって予め設定入力される。
このため、各ミシン30には、ミシン外部から稼働情報を取得するための稼働情報取得装置40A又は40Bのいずれかが個別に併設されている。
図3は稼働情報取得装置40の制御系を示すブロック図である。なお、稼働情報取得装置40は、稼働情報取得装置40Aから40Eの五種類を例示するが、これらの共通する内容について説明する場合には「稼働情報取得装置40」と記載して重複する説明は省略する。また、これらの異なる点を説明する場合には、稼働情報取得装置40A,40B,40C,40D,40Eを区別して記載して説明する。
制御部41は、CPUなどの中央演算手段で構成される。記憶部42は、制御部41が実行するプログラムを記憶すると共に、制御部41のワーク領域として機能する。また、記憶部42には、稼働情報取得装置40に固有の取得装置ID、当該稼働情報取得装置40が併設されたミシン30に割り振られたミシンIDが記録されている。
入力部44は、オペレータからの稼働情報の取得に必要な設定値の入力を受け付ける。
通信部45は、ネットワークNW2を介して管理サーバ11との間で通信を行う。例えば、通信部45は、ミシン30から検出した検出情報及び稼働情報を管理サーバ11に送信する。
稼働情報取得装置40が取得する稼働情報には、「稼働時間」、「針数」、「縫製速度」、「糸切り回数」、「出来高」が挙げられる(なお、稼働情報取得装置40A~40Eの一部は、これらの稼働情報の内の一部しか取得することはできない)。これらの定義は、前述したミシン20の場合と同一である。また、稼働情報には,上記以外の情報も含まれる。稼働情報取得装置40がこれらの稼働情報を取得する方法については後述する。
なお、稼働情報取得装置40Aは、検出装置50Aとして、少なくとも、光電センサ51Aを備えているが、電流センサ53、光センサ54及び出来高スイッチ56は備えていない場合もある。
光電センサ51Aは、縫い針307の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材として天秤部材304の有無を検出する。
天秤部材304は、上糸を通す糸通し孔が形成されたその先端部が本体フレーム301のミシンアーム部における正面側(オペレータと正対する面)において、外部に延出されている。天秤部材304は、主軸の回転から動力を得て、その先端部が縫い針307の上下動と同周期で上下に往復揺動動作を行う。
天秤部材304は、往復揺動動作における上死点が、ミシン30の縫製終了時に主軸の停止位置となる針棒上停止位置(縫い針307が針板の上方に退避した状態で停止する)に合致している。
光電センサ51Aは、接着、ネジ止め、ブラケットを介してネジ止め等、固定可能ないずれの方法を利用しても良い。また、光電センサ51Aは、本体フレーム301の表面に直接取り付けなくとも良く、例えば、ミシン30の本体フレーム301の正面側に立設された支持体に支持される構成としても良い。
図9のように、光電センサ51Aの検出がH状態を継続する場合には、針棒下停止位置で主軸モーターが停止している状態を示す。
例えば、図10の場合は上りエッジEuが二回発生して停止しているので針数=2とカウントされ、図11の場合も同様に針数=2とカウントされ、図12の場合には針数=3とカウントされる。
そして、制御部41は、最初の上りエッジEuの検出から停止直前の最後の上りエッジEuまでの経過時間を計時し、この経過時間から「稼働時間」を取得することができる。
さらに、制御部41は、取得した「針数」を取得した「稼働時間」で除算して「縫製速度」を取得することができる。
針棒下停止位置での停止は、布地に縫い針307が突き通されて拘束された状態が維持されており、その後も、方向転換等を行って縫製が再開されることが一般的に行われる。これに対して、針棒上停止位置での停止は、布地が縫い針307による拘束を解かれた状態にあり、縫製が終了して糸切りに移行することが一般的に行われる。
従って、制御部41は、図11のような針棒上停止位置での停止の場合には、糸切りが実行されたものと見なして、「糸切り回数」のカウントを行い、「糸切り回数」の値を取得することができる。
インチングは、縫製途中で行われる一針分の針落ちであることから、針棒下停止位置で停止した状態から一針分の針落ちが行われて再び針棒下停止位置で停止される。このため、光電センサ51Aの検出がH状態で停止中に、上りエッジEuが一回検出され、再び、H状態で停止が検出されることにより、「インチング」の実行を検出することができる。
インチングの際には、上りエッジEuが一回検出しか検出されないので、「針数」=1となり、前述した「稼働時間」を求めることができず、これに伴い「縫製速度」も求めることができない。そこで、一般にインチングは非常に低速で行われることに鑑みて、一般的なミシンにおける最低縫製速度である300[spm]でインチングが行われたと仮定し、「インチング」が検出された場合には、「針数」を1、「稼働時間」を0.2[s]、「縫製速度」を300[spm]とする稼働情報を取得する。なお、インチングの際の稼働時間t2は、入力部44から任意に設定することが可能である。
電流センサ53は、環状部に二分割可能な環状磁気コアと、環状磁気コアを内嵌するコイルと、コイルに並列に設けられたシャント抵抗とを備え、コイルの両端部から電流ケーブル302に電流が流れる際の漏れ磁束を検出する。
この電流センサ53は、ミシン30の外部に引き出された電流ケーブル302を挿通させることでモーター電流を検出可能であることから、ミシン30に対して改造を加えることなく容易に外付け及び後付けを行うことが可能である。
なお、電流センサ53は、電流ケーブル302に限らず、主軸モーターにつながる他のケーブル、例えば、主軸モーターのアース線や主軸モーターに接続されたエンコーダーの被覆ケーブル等に取り付けても良い。
光センサ54は、ミシン30の本体フレーム301や電装ボックス等の表面に設けられた電源ランプ303の近傍に対向状態で設けられ、電源ランプ303の点灯によってミシンの主電源が投入されたことを検出する。
また、光センサ54は、電源ランプから光を検出する場合に限られず、主電源投入時に発光するミシン30の他のいかなる構成から光を検出しても良い。例えば、主電源投入時に発光する表示パネルや作業用ライト等から主電源の投入を検出しても良い。
この光センサ54は、ミシン30の外部に対して発光する電源ランプ等から主電源の投入を検出可能であることから、ミシン30に対して改造を加えることなく容易に外付け及び後付けを行うことが可能である。
なお、稼働情報取得装置40Bは、検出装置50Bとして、少なくとも、光電センサ51Bを備えているが、電流センサ53、光センサ54及び出来高スイッチ56は備えていない場合もある。
即ち、稼働情報取得装置40Bは、光電センサ51Bの構成のみが稼働情報取得装置40Aと異なっている。以下、この光電センサ51Bの構成について説明する。
光電センサ51Bは、縫い針307の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材としてプーリ305の回転を検出する。
プーリ305は、本体フレーム301の側面側において、外部から手回し操作が行えるように、外部に露出配置されている。プーリ305は、主軸に連結され、主軸と共に連動回転動作を行う。従って、プーリ305は、縫い針307の上下動動作と同周期で回転を行う。
プーリ305の外周面又は円形端面の外周近傍の所定の位置に、反射部としての反射シート52Bが貼着され、光電センサ51Bは、針棒上停止位置のときの反射シート52Bの位置に検出光を照射するように、ミシン30の近傍又はミシン30の本体フレーム301の表面に配置される。
光電センサ51Bは、ミシン30の本体フレーム301の表面又はテーブル上に接着、ネジ止め、ブラケットを介してネジ止め等、固定可能ないずれの方向で設置しても良い。また、光電センサ51Bは、例えば、テーブルに立設された支持体に支持される構成としても良い。
具体的には、検出装置50Cは、図16に示すように、ミシン30の縫製開始や主軸モーターを起動させる操作ペダル31の入力操作を検出する近接センサ55と出来高スイッチ56とを備えている。
なお、稼働情報取得装置40Cは、検出装置50Cとして、少なくとも、近接センサ55を備えているが、出来高スイッチ56は備えていない場合もある。
近接センサ55は、操作ペダル31の操作によって接離移動を行う部位(例えば、踏板)に対向して配置され、接離移動を行う部位の接近と離隔の位置変化を検出する。
近接センサ55は、光学的、磁気的に対象物の接離を検出可能なセンサや、超音波による距離検出センサ、リミットスイッチなどでも良い。
近接センサ55は、ミシン30のテーブルや床面上に接着、ネジ止め、ブラケットを介してネジ止め等、固定可能ないずれの方向で設置しても良い。また、近接センサ55は、例えば、床面に立設された支持体に支持される構成としても良い。
この近接センサ55により、操作ペダル31が踏み込まれた入力操作状態が検出されると、入力操作状態の経過時間から「稼働時間」を取得することができる。
また、操作ペダル31が逆踏みで糸切りを実行するタイプである場合であって、近接センサ55が対象物の距離を段階的に複数段階に分けて検出可能である場合には、操作ペダル31の糸切り操作を検出することができ、「糸切り回数」及びこれに基づく「出来高」を検出することが可能である。
具体的には、検出装置50Dは、ミシン30がボビンの糸巻き装置を備えている場合に、ボビンの設置台や回転軸の回転を検出するセンサと出来高スイッチ56とを備えている。
なお、稼働情報取得装置40Dは、検出装置50Dとして、少なくとも、ボビンの設置台や回転軸の回転を検出するセンサを備えているが、出来高スイッチ56は備えていない場合もある。
ボビンの設置台や回転軸の回転を検出するセンサは、例えば、前述した光電センサ51Bと反射シート52Bのように、ボビンの設置台や回転軸に反射シートを取り付け、光電センサにより反射シートの移動を検出することで、糸巻き装置の作動状態と非作動状態とを検出する。
検出装置50Dにより、糸巻き装置の作動状態が検出されると、ミシン30が稼働状態にある「稼働の有無」や糸巻き装置の作動状態から「稼働時間」を取得することができる。
具体的には、検出装置50Eは、図17に示すように、出来高スイッチ56を備えている。
出来高スイッチ56は、ミシンで作業をする作業者が操作するスイッチであり、一つの作業(工程)が終わる度に作業者が押下する。この出来高スイッチ56を押下することで、出来高を一つカウントアップする。これにより、稼働情報としての「出来高」を取得することができる。
管理サーバ11の稼働情報収集処理について図18のフローチャートに基づいて説明する。
まず、管理サーバ11は、ネットワークNW2を通じて接続されている各ミシン20及び各稼働情報取得装置40に対して、現在取得している稼働情報を要求する。この要求は、定期的に実行しても良いし、管理端末101の要求に従って実行しても良いし、管理サーバ11の管理者の操作によって行っても良い。
この要求に対して、各ミシン20又は各稼働情報取得装置40のいずれかの応答が得られた場合には、管理サーバ11は、その応答信号がミシン20によるものか稼働情報取得装置40によるものかを識別する(ステップS1)。
そして、応答信号が、稼働情報取得装置40Bである場合(ステップS5:YES)には、情報送信要求を行って、当該稼働情報取得装置40Bの取得装置IDと、当該稼働情報取得装置40Bが設置されたミシンIDと、プーリ305から稼働情報を取得する形式の取得装置であることを示す形式情報と、稼働時間、針数、縫製速度(回転数)、糸切り回数及び出来高からなる直近の稼働情報のデータを取得、保存する(ステップS7)。そして、処理を終了する。
そして、管理サーバ11は、稼働情報取得装置40Eに対して情報送信要求を行って、当該稼働情報取得装置40Eの取得装置IDと、当該稼働情報取得装置40Eが設置されたミシンIDと、出来高スイッチ56から稼働情報を取得する形式の取得装置であることを示す形式情報と、「出来高」からなる直近の稼働情報のデータを取得、保存する(ステップS14)。そして、処理を終了する。
管理端末101では、工場SP1~SP3ごとにそれぞれに属するミシン20,30の稼働情報を取得することができ、これらから、工場SP1~SP3ごとに分析して、ラインバランスの改善等、生産効率の向上に資する分析を行うことができる。
稼働情報取得装置40Aの稼働情報取得処理について図19のフローチャートに基づいて説明する。稼働情報取得装置40Aと稼働情報取得装置40Bでは、同一の稼働情報取得処理が行われるが、ここでは、稼働情報取得装置40Aの場合を例示する。
まず、稼働情報取得装置40Aでは、稼働情報の取得のために必要な設定値を予め入力部44から設定する(ステップS31)。設定値は、光電センサ51Aが最後の上りエッジEuを検出してから主軸停止と判定するための経過時間である停止判断時間t1と、インチングの際に近似的に擬制する稼働時間t2と、出来高を求めるためのパラメータである一つの縫製物の縫製で実行される糸切り回数xである。
なお、主電源の投入が検出されない状態が予め定められた規定時間継続する場合には、制御部41は、対応するミシン30は、電源が投入されず、非稼働(稼働情報なし)であることを示すデータを記憶部42に記録する。この時点で管理サーバ11から稼働情報の要求があった場合には、制御部41は、稼働情報に替えて、ミシン30は、非稼働であることを示す情報を現在時刻と共に記憶部42に記録する。
制御部41は、光電センサ51Aの出力から最初の上りエッジEuの検出待ちを行う(ステップS35)。
このとき、制御部41は、電流センサ53により、ミシン30の主軸モーターへの通電が行われているか否かを判定する(ステップS37)。主軸モーターへの通電が検出された場合には、通電検出を記憶し(ステップS38)、処理を進める。また、主軸モーターへの通電が検出されなかった場合には、通電非検出を記憶し、処理を進める。
一方、次の上りエッジEuが停止判断時間t1以内に検出されない場合には、主軸モーター及び主軸が停止したと判定する(ステップS43)。
そして、主軸モーターへの通電が再び検出されなかった場合には、ステップS39における上りエッジEuの検出は、プーリ305の手回し操作によるものだったものとして、上りエッジEuのカウントを無効にしてステップS35に処理を戻す。
また、主軸モーターへの通電が再び検出された場合には、ステップS45に処理を進める。
そして、制御部41は、主軸モーターの駆動開始から停止までの針数が2以上か否かを判定する(ステップS47)。
さらに、「針数」を「稼働時間」で除して「縫製速度」を算出する(ステップS55)。
針棒上停止位置の停止ではない場合(針棒下停止位置の停止の場合)には(図11参照)、縫製が再開されるので、これまでの「針数」、「稼働時間」、「縫製速度」を現在時刻と共に稼働情報として記憶部42に記録して、ステップS37に処理を戻す(ステップS57)。
さらに、「糸切り回数」が一つの縫製物の縫製で実行される糸切り回数xに達した場合には、「出来高」を一つカウントアップする(ステップS61)。
そして、制御部41は、「針数」、「稼働時間」、「縫製速度」、「糸切り回数」、「出来高」を現在時刻と共に稼働情報として記憶部42に記録し、ステップS37に処理を戻す。
この後は、同様の処理が繰り返し行われ、稼働情報が順次蓄積される。
上述した稼働情報収集システム10の稼働情報取得装置40A,40Bは、ミシン30の本体フレーム301の外側において天秤部材304又はプーリ305の状態変化を光電センサ51A,51Bで検出して、稼働情報を取得する。このため、稼働情報の取得や外部に出力する機能を有していないミシン30に対して、改造を行うことなく、光電センサ51A,51Bを後付け且つ外付けすることで、容易に稼働情報を取得することが可能となる。
また、稼働情報取得装置40Eは、ミシン30の本体フレーム301の外側に設けられた出来高スイッチ56の入力に基づいて稼働情報を取得する。このため、稼働情報の取得や外部に出力する機能を有していないミシン30に対して、改造を行うことなく、出来高スイッチ56を後付け且つ外付けすることで、容易に稼働情報を取得することが可能となる。
また、天秤部材304は、先端部の上死点が針棒上停止位置となるので、光電センサ51Aの取り付け位置を容易に求めることができ、設置作業の負担を低減することが可能となる。
例えば、光電センサ51A,51BのようなHとLの簡易な検出情報から、周期的に検出される上りエッジEuに基づいて「針数」を取得することが可能となる。
さらに、上りエッジEuの時間間隔から「稼働時間」を取得することが可能となり、「針数」及び「稼働時間」から「縫製速度」を取得することが可能となる。
また、所定の検出位置である針棒上停止位置か否かの判定により、「糸切りの回数」を取得することが可能である。さらに、「糸切りの回数」から「出来高」を取得することが可能となる。
また、稼働情報取得装置40A,40Bでは、針数=1によりインチングを検出することができ、インチングの縫製時の「針数」、「稼働時間」及び「縫製速度」を取得することが可能である。
これにより、主軸モーターの稼働状態を検出でき、この検出と合わせて、稼働情報を取得することにより、例えば、非縫製時において(例えば、調整作業等の際)、誤って稼働情報を取得することを回避することができ、取得する稼働情報の信頼性を向上させることが可能となる。
また、稼働情報収集システム10は、種別の異なるミシン20,30について、同等となる「針数」、「稼働時間」、「縫製速度」等のパラメータからなる稼働情報を取得することができ、種別の異なるミシン20,30について、区別することなく、稼働状況を把握すると共に、その分析を縫製ライン単位で行うことが可能となる。
上記実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記稼働情報収集システム10では、ミシン20や稼働情報取得装置40において、エンコーダーや光電センサ51A,51Bによる検出情報の取得までを行い、これら検出情報から稼働情報を算出する処理は、全て、管理サーバ11が行う構成としてもよい。
また、検出装置50Bでは、光電センサ51Bは、針棒上停止位置のときの反射シート52Bの位置に検出光を照射するように配置する例を示したが、針棒下停止位置のときの反射シート52Bの位置に検出光を照射するように配置しても良い。その場合、反射シート52Bの検出時を針棒下停止位置と判定し、反射シート52Bの非検出時を針棒上停止位置と判定する。また、反射シート52Bの周方向の角度範囲は、狭くとも良いが、ある程度の広さを有していても良い。例えば、数度から数十度の範囲であっても良い。
10 稼働情報収集システム
11 管理サーバ
20,30 ミシン
21 制御部
40,40A,40B,40C,40D,40E 稼働情報取得装置
41 制御部
50,50A,50B,50C,50D,50E 検出装置(外部検出装置)
51A,51B 光電センサ
52B 反射シート
53 電流センサ(電流検出装置)
54 光センサ(光検出装置)
101 管理端末
301 本体フレーム
302 電流ケーブル
303 電源ランプ(発光部)
304 天秤部材(動作部材)
305 プーリ(動作部材)
306 針棒
307 縫い針
Eu 上りエッジ
Claims (18)
- ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分の検出回数が一回で停止した場合に、インチングの実行を検出することを特徴とする稼働情報取得装置。 - ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記動作部材は、天秤部材であり、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分について連続的な検出が行われたときの経過時間から、前記稼働情報としてのミシンの稼働時間を取得することを特徴とする稼働情報取得装置。 - ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記動作部材は、天秤部材であり、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分の検出回数から、前記稼働情報としてのミシンの針数を取得することを特徴とする稼働情報取得装置。 - ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記動作部材は、天秤部材であり、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分について連続的な検出が行われたときの経過時間と前記特定部分の検出回数とから、前記稼働情報としての縫製速度を取得することを特徴とする稼働情報取得装置。 - ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記動作部材は、主軸と連動回転を行うプーリであり、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分について連続的な検出が行われたときの経過時間から、前記稼働情報としてのミシンの稼働時間を取得することを特徴とする稼働情報取得装置。 - ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記動作部材は、主軸と連動回転を行うプーリであり、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分の検出回数から、前記稼働情報としてのミシンの針数を取得することを特徴とする稼働情報取得装置。 - ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記動作部材は、主軸と連動回転を行うプーリであり、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分について連続的な検出が行われたときの経過時間と前記特定部分の検出回数とから、前記稼働情報としての縫製速度を取得することを特徴とする稼働情報取得装置。 - 前記特定部分について連続的な検出が行われたときの経過時間から、前記稼働情報としてのミシンの稼働時間を取得することを特徴とする請求項1に記載の稼働情報取得装置。
- 前記特定部分の検出回数から、前記稼働情報としてのミシンの針数を取得することを特徴とする請求項1に記載の稼働情報取得装置。
- 前記特定部分について連続的な検出が行われたときの経過時間と前記特定部分の検出回数とから、前記稼働情報としての縫製速度を取得することを特徴とする請求項1に記載の稼働情報取得装置。
- 前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を針棒上停止位置又は針棒下停止位置に相当する検出位置で検出し、
前記針棒上停止位置又は針棒下停止位置での停止の検出から、前記稼働情報として糸切りの実行を取得することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の稼働情報取得装置。 - 前記特定部分の検出回数が一回で停止した場合に、インチングの実行を検出することを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の稼働情報取得装置。
- 前記本体フレームの外側に引き出された主軸モーターにつながるケーブルの外側から通電を検出する電流検出装置を備え、
前記主軸モーターの稼働状態を取得することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の稼働情報取得装置。 - 前記ミシンの主電源投入時に発光する発光部の発光状態を検出する光検出装置を備え、
前記ミシンの主電源投入状態を検出することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の稼働情報取得装置。 - 前記ミシンで作業をする作業者が操作することで出来高を検出する出来高入力部を備えることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の稼働情報取得装置。
- 複数のミシンから稼働情報を収集する稼働情報収集システムであって、
一部又は全部の前記ミシンについて、当該ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と同周期で周期的動作を行う動作部材の状態変化を検出する外部検出装置を備え、
前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
前記外部検出装置は、前記動作部材の特定部分を所定の検出位置で検出し、
前記特定部分の検出回数が一回で停止した場合に、インチングの実行を検出することを特徴とする稼働情報収集システム。 - 一部の前記ミシンについて、前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
他の一部の前記ミシンについて、当該ミシンに搭載され、当該ミシンの構成の状態変化を検出する搭載型検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得することを特徴とする請求項16に記載の稼働情報収集システム。 - 一部の前記ミシンについて、前記外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得し、
他の一部の前記ミシンについて、当該ミシンの本体フレームの外側に設けられ、縫い針の上下動動作と非同期な動作を行う動作部材の状態変化を検出する他の外部検出装置を備え、前記他の外部検出装置の検出に基づいて稼働情報を取得することを特徴とする請求項16又は17に記載の稼働情報収集システム。
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