JP7420255B2 - 温度測定装置、方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、生体内部の温度を非侵襲に精度良く測定する温度測定装置、方法およびプログラムに関する。
従来、生体の内部(深部を含む)体温を非侵襲に測定する技術が知られている。例えば、特許文献1(特開2020-003291号公報)は、生体と、複数の温度計素子からなる熱流束センサを備える温度測定センサ(以下、「センサ」という。)と、外気とにおける疑似的な一次元モデルを仮定して、生体の深部体温を推定する技術を開示している。
図7に、生体71内部の温度測定における疑似的な一次元モデルの模式図を示す。被測定物(生体)71の内部の温度Tcoreは、被測定物(生体)71の表面に熱抵抗Rsを有する物体(センサ)を置いたとき、センサ72における表面(その物体と接する面)近傍の温度Tskin、センサ72における裏面(外気と接する側の面)近傍の温度Ttから以下の式を用いて推定できる。
Tcore = Tskin + Rbody × Hskin
ここで、Hskinは熱流束であり、Hskin=(Tskin-Tt)/Rsで表される。また、Rbodyは生体の熱抵抗、Rsはセンサの熱抵抗である。
特開2020-003291号公報
しかしながら、この推定方法では、外気への熱の輸送形態を一定と仮定するため、扇風機などで風を当てる場合や、被測定物がランニングなどにより動く場合には推定温度に誤差が生じる。
図8に、扇風機で風を当てた時の真の内部温度81と推定温度82との比較を示す。この真の内部温度81と推定温度82の差(誤差)は、風がある閾値を超えて当てられると、熱の輸送形態が熱伝導から対流熱伝達に変化し、熱が外に伝わる量が大きく変化することに起因する。
また、対流が生じることにより熱流束Hskinはセンサの外部へも流れるため、対流時のRbodyが変化し、誤差が生じる。
このように、生体内部の温度の測定において、推定温度に誤差が生じることが問題となっている。また、推定温度の誤差において、誤差が長い時間継続すること、誤差の原因となる熱の対流時に生体の熱抵抗Rbodyが変化することが問題となる。
上述したような課題を解決するために、本発明に係る温度測定方法は、生体の内部の温度を、センサにより検出された温度を基に測定する温度測定方法であって、前記センサにおいて、前記生体に接触する面近傍の第1の温度を測定し、前記第1の温度が測定される位置と異なる位置で第2の温度を測定し、センサ被覆部の表面近傍で外部温度を測定するステップと、前記第1の温度と前記第2の温度の差を基に熱流束を算出するステップと、前記熱流束の時間微分を算出するステップと、前記熱流束の時間微分が対流検出閾値を超える場合に、前記外部温度の時間微分を算出するステップと、前記外部温度の時間微分を温度検出閾値と比較することにより、前記生体の内部の温度の推定温度の算出式を決定するステップとを備え、前記推定温度の算出式が、前記熱流束に基づく第1の式と、前記第1の式による推定温度を補正する第2の式とのいずれかであることを特徴とする。
また、本発明に係る温度測定装置は、生体の内部の温度を、センサにより検出された温度を基に測定する温度測定装置であって、前記生体に接触する面近傍に配置され、第1の温度を測定する第1の温度計素子と、第1の温度計素子から離れた位置に配置され、第2の温度を測定する第2の温度計素子とを有する前記センサと、前記センサの被覆部に配置され、外部温度を測定する第3の温度計素子と、前記第1の温度と前記第2の温度の差を基に熱流束を算出し、前記熱流束の時間微分を算出し、前記熱流束の時間微分が対流検出閾値を超える場合に、前記外部温度の時間微分を算出し、前記外部温度の時間微分を温度検出閾値と比較することにより、前記生体の内部の温度の推定温度の算出式を決定する演算部とを備え、前記推定温度の算出式が、前記熱流束に基づく第1の式と、前記第1の式による推定温度を補正する第2の式とのいずれかであることを特徴とする。
また、本発明に係る温度測定プログラムは、生体の内部の温度を、センサにより検出された温度を基に測定する温度測定装置に対し、前記センサにおいて、前記生体に接触する面近傍の第1の温度を測定し、前記第1の温度が測定される位置と異なる位置で第2の温度を測定し、センサ被覆部の表面近傍で外部温度を測定するステップと、前記第1の温度と前記第2の温度の差を基に熱流束を算出するステップと、前記熱流束の時間微分を算出するステップと、前記熱流束の時間微分が対流検出閾値を超える場合に、前記外部温度の時間微分を算出するステップと、前記外部温度の時間微分を温度検出閾値と比較することにより、前記生体の内部の温度の推定温度の算出式を決定するステップとを備え、前記推定温度の算出式が、前記熱流束に基づく第1の式と、前記第1の式による推定温度を補正する第2の式とのいずれかである処理を実行させることを特徴とし、温度測定装置を機能させる。
本発明によれば、生体内部の温度を非侵襲に精度良く測定する温度測定装置、方法およびプログラムを提供できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る温度測定方法を説明するための温度の経時変化の概要図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る温度測定方法を説明するための熱流束の時間微分の経時変化を示す図である。 図3Aは、本発明の第1の実施の形態に係る温度測定装置の構成を示すブロック図である。 図3Bは、本発明の第1の実施の形態に係る温度測定装置における測定部の構成を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る温度測定方法のフローチャート図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係る温度測定方法の実施例を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態におけるコンピュータの構成例を示す図である。 図7は、従来の生体内部の温度測定における疑似的な一次元モデルの模式図である。 図8は、従来法により測定される深部温度の経時変化を示す図である。
図1は、本実施の形態に係る方法を説明するための温度の経時変化の概要図である。図1は、前述の図8に基づくものであり、風を当てた時の温度変化を示す。実線11は真の内部温度、点線12は式(1)により算出される推定温度Tcoreを示す。
Tcore = Tskin + Rbody × Hskin(1)
ここで、Hskinは熱流束であり、Hskin=(Tskin-Tt)/Rsで表され、TskinとTtの差分より算出される。また、Tskinはセンサにおける表面(例えば、生体と接する面)近傍の温度、Ttはセンサにおける裏面(例えば、外気と接する側の面)近傍の温度であり、Rbodyは生体の熱抵抗、Rsはセンサの熱抵抗である。
風を当てたことにより、対流の開始にともなう熱輸送形態の変化が生じると、推定温度12には正のピーク(上に凸)が発現する。また、風を停止して対流の終了にともなう熱輸送形態(対流)の変化が生じると、推定温度12には負のピーク(下に凸)が発現する。
このように、推定温度12には、内部温度11に比べて、誤差が生じるので、正確な推定温度を算出するためには、この誤差を含む推定温度12を補正する必要がある。
推定温度の補正においては、まず、補正を要するとき、すなわち熱輸送形態(対流)の変化が生じるときを検知する必要がある。図1に示すように、推定温度12の変化は、生体やセンサの熱容量に依存するため、緩やかである。そこで、推定温度12の変化より熱輸送形態を検出して、推定温度12を補正することは難しい。そこで、本実施の形態においては、熱流束Hskinの時間微分dHskinを用いて熱輸送形態の変化を検出して、推定温度12における誤差を補正する。
図2に、図1に示す温度の経時変化における熱流束Hskinの時間微分dHskinを示す。推定温度の変化と異なり、時間微分dHskinは熱輸送形態が変化すると鋭敏に変化し急峻なピーク21、22を発現するので、その時刻を特定することが容易になる。
また、推定温度Tcoreは、以下の式により、補正して算出することができる。
Tcore = Tskin + α × Rbody × Hskin (2)
ここで、αは補正係数であり、1.03~1.15であることが望ましい。本実施の形形態では、α = 1.05とする。このように、式(2)は式(1)による推定温度を補正するものである。
以上のように、推定温度には対流変化により誤差が生じるため、対流変化の検知を契機に補正を行う。具体的には、熱流束Hskinの時間微分dHskinが基準値(閾値)を超えた場合に対流変化が生じたと判定して補正を行う。
しかしながら、外気温や室内温度などのセンサ外部の環境温度(以下、「外部温度」という。)が変化したときも同様に、Hskinの時間微分dHskinが閾値を超える。その結果、対流変化が生じていないにもかかわらず、対流変化が生じたものと誤認識(検知)することになる。この場合には、本来用いるべき式(1)ではなく式(2)を用いて推定温度が算出されるため、誤差が生じる。
この測定誤差を解消するために、本実施の形態では、外部温度を測定する温度計をさらに備え、この温度計による測定温度Tairの時間微分dTairを用いて、dHskinの変化が対流変化によるものか、外部温度の変化によるものかを判定する。以下に詳細を説明する。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態について図1~図5を参照して説明する。
<温度測定装置の構成>
図3Aに、本実施の形態に係る温度測定装置30の構成のブロック図を示す。温度測定装置30は、測定部(センサ)31と、記憶部32と、演算部33と、出力部34とを備える。
図3Bに、温度測定装置30における測定部31の構成を示す。測定部31は、第1の温度計素子3111と、第2の温度計素子3112とを有するセンサ311と、第3の温度計素子3121を有するセンサ被覆部312とを備える。
センサ311において、第1の温度計素子3111は、被測定物(例えば、生体)の表面と接触する面近傍に配置され、センサ311の表面近傍での温度Tskin(第1の温度)を測定する。また、第2の温度計素子3112は、センサ311の裏面(表面に対向する面)近傍で、温度Tt(第2の温度)を測定する。
ここで、温度Ttを測定する箇所は、測定部31の裏面近傍に限らず、温度Tskinを測定する箇所とは異なる箇所であればよく、温度Tskinを測定する箇所すなわち第1の温度計素子3111から離れた箇所であることが望ましい。第2の温度計素子3112は、第1の温度と第2の温度から正確に熱流束を算出できる程度離れた箇所に配置されればよい。
センサ被覆部312は、通気性が良いメッシュ状等の素材で構成され、対流を妨げない。
メッシュ状等の素材には、布製のメッシュシート、空気メッシュ状に空気孔の樹脂または金属膜などを用いることができる。
センサ被覆部312の表面(外気などのセンサ外部環境と接する面)近傍に、第3の温度計素子3121が配置され、外部温度Tairを測定する。
また、本実施の形態では、3個の温度計素子を用いるが、3個に限らず複数であればよい。複数の温度計素子を用いた方が精度よく熱流束を測定できる。
記憶部32は、測定部31で測定される測定時刻と測定温度を記憶し、本実施の形態に係る温度測定に必要な時定数、基準値(閾値)、補正係数などの数値等を記憶する。また、演算部33の算出部331で式(1)と式(2)により算出される推定温度を記憶することもできる。
演算部33において、算出部331は、式(1)と式(2)により推定温度を算出する。また、算出部331は、熱流束やその時間微分、外部温度の時間微分などの本実施の形態に係る温度測定に必要な数値等について算出、演算する。
また、比較部332は、算出部331で算出される熱流束の時間微分dHskinを基準値と比較する。また、算出部331で算出される外部温度の時間微分dTairを基準値と比較する。また、比較の結果に基づき、推定温度の算出式を決定する。
出力部34は、式(1)と式(2)により算出される推定温度を出力(表示)する。正確な温度を出力できない場合には、ブランク(何も表示しない状態)や正確な温度を測定できないことを出力(表示)することもできる。
<温度測定方法>
本実施の形態に係る方法の概要を、図4を参照して説明する。図4に、本実施の形態に係る温度測定方法のフローチャート図を示す。
初めに、センサ(測定部)により、センサの表面温度(生体と接する部分の温度、第1の温度)Tskinと、センサの裏面温度(第2の温度)Tt、外部温度(第3の温度)Tairを測定する(ステップ401)。
次に、式(1)により、推定温度を算出する(ステップ402)。
次に、熱流束Hskinの時間微分dHskinを算出する(ステップ403)。dHskinは、隣接するサンプリング(測定)時刻での熱流束Hskinの差分として算出する。ここで、例えば、隣接するサンプリング(測定)時刻の間隔は1秒程度である。
例えば、時刻taでTskin(ta)とTt(ta)が測定されるとき、Hskin(ta)は、Hskin(ta)={Tskin(ta)-Tt(ta)}/Rsで算出される。
同様に、時刻taに引き続き、時刻tbでTskin(tb)とTt(tb)が測定されるとき、Hskin(tb)は、Hskin(tb)={Tskin(tb)-Tt(tb)}/Rsで算出される。
このとき、dHskinは、dHskin=Hskin(tb)-Hskin(ta)で算出される。
ここで、taとtbは隣接するサンプリング(測定)時刻でなくてもよく、所定の間隔を有してもよい。
次に、dHskinの値が基準値(以下、「対流検出閾値」という。)dHskin_thresを比較する(ステップ404)。
dHskinが対流検出閾値dHskin_thres以下の場合には(|dHskin|≦dHskin_thres)、対流によって熱伝達の形態が変化していないと判定して、以下のステップを行わず、上述のTcoreを、この時刻での推定温度と決定して、引き続き、次の時刻で測定を実行する。
一方、dHskinが対流検出閾値dHskin_thresを上回る場合には(|dHskin|>dHskin_thres)、このdHskinの変化が対流の変化によるものか、外部温度の変化など他の要因によるものかを、以下の通り、判定する。ここで、対流検出閾値dHskin_thresは、例えば、0.02℃/secとする。
次に、外部温度Tairの時間微分dTairを算出する(ステップ405)。dTairは、隣接するサンプリング(測定)時刻での外部温度Tairの差分として算出する。
例えば、時刻tcでTair(tc)が測定され、引き続き、時刻tdでTair(td)が測定されるとき、dTairは、dTair=Tair(td)-Tair(tc)で算出される。
ここで、tcとtdは隣接するサンプリング(測定)時刻でなくてもよく、所定の間隔を有してもよい。
次に、dTairの値が基準値(以下、「温度検出閾値」という。)dTair_thresを比較する(ステップ406)。
dTairが温度検出閾値dTair_thresを上回る場合には(|dTair|>dTair_thres)、熱流束の変化が外部温度の変化によるものであり、対流変化によるものでないと判定する。そこで、推定温度の算出式を変更することなく、推定温度を算出する(ステップ407)。
この場合、例えば、対流変化が生じていない状態で式(1)により推定温度を算出しているときには、対流状態は変化しないので、判定後も式(1)により推定温度を算出する。同様に、対流変化が生じている状態で式(2)により推定温度を算出しているときには、判定後も式(2)により推定温度を算出する。
ここで、温度検出閾値dTair_thresは、例えば、0.02℃/secとする。
一方、dTairが温度検出閾値dTair_thres以下の場合には(|dTair|≦dTair_thres)、熱流束の変化が外部温度の変化によるものでなく、対流変化によるものと判定する。そこで、対流変化にともない推定温度の算出式を変更して、推定温度を算出する(ステップ408)。
この場合、例えば、対流変化が生じていない状態で式(1)により推定温度を算出しているときには、対流の開始が判定されるので、判定後は式(2)により推定温度を算出する。また、対流変化が生じている状態で式(2)により推定温度を算出しているときには、対流の終了が判定されるので、判定後は式(1)により推定温度を算出する。
<実施例>
本実施の形態に係る温度測定方法の一例としての実施例を、図5を参照に説明する。
図5に、本実施の形態に係る温度測定方法における、熱流束の時間微分dHskinの経時変化51と外部温度の時間微分dTairの経時変化52を示す。
また、推定温度の経時変化53は、本実施の形態に係る実施例の温度測定方法による推定温度531と、比較例として、外部温度の変化を考慮しない温度測定方法による推定温度532を示す。また、真の内部温度530として、鼓膜で測定される温度を示す。
対流変化が生じていない状態から温度測定を開始する場合を一例として説明する。初めに、推定温度52は、対流が生じていないので、式(1)で算出される。
次に、時刻t1でdHskin51が基準値(閾値)511を超えるとき、外部温度の時間微分dTair52は変化しない。したがって、dHskin51の変化は対流変化によるものと判定し、算出式を変更して、式(2)により推定温度を算出する。
次に、時刻t2でdHskin51が基準値(閾値)511を超えたとき、外部温度の時間微分dTair52が変化して基準値(閾値)521を超える。したがって、dHskin51の変化は外部温度の変化によるものであり、対流変化によるものでないと判定し、算出式を変更することなく、式(2)により推定温度を算出する。
本実施の形態に係る実施例の温度測定方法により算出される推定温度531では、時刻t1以降、推定温度は対流変化による補正を含む式(2)により算出されて、内部温度530と同等の温度を示す。また、時刻t2で、dHskin51の変化が外部温度の変化によるものであり、対流状態は変化せず、すなわち、対流は終了しないので、t2以前と同様に、推定温度は式(2)より算出されて、内部温度530と同等の温度を示す。
一方、比較例の推定温度532では、時刻t1以降、推定温度は対流変化による補正を含む式(2)により算出されて、内部温度530と同等の温度を示す。しかしながら、時刻t2で、dHskin51の変化が外部温度の変化によるものであるにもかかわらず、対流状態の変化によるものと誤認される。その結果、対流が終了したものとみなされ、推定温度は式(1)より算出されるので、内部温度530と差異(誤差)が生じる。
このように、本実施の形態に係る温度測定方法によれば、気温変化発生時に対流変化の誤認識をすることなく、高精度で生体内部の温度を測定できる。
本発明に係る実施の形態では、熱流束の時間微分dHskinの変化を正負で測定することにより、対流発生と対流終了を検出できる。例えば、dHskinの変化が0以上の時に、対流開始にともなう熱伝導の形態の変化を検出して、dHskinの変化が0未満の時に、対流終了にともなう熱伝導の形態の変化を検出することにより、対流期間を検出できる。
本発明に係る実施の形態では、熱流束の時間微分の変化が検知されずに対流が生じていない場合には、測定部(センサ)31で測定された温度を基に、順次演算部33で算出される推定温度が、出力部34に出力される。
一方、熱流束の時間微分の変化が検知される場合には、測定部(センサ)31で測定された後に、演算部33で外部温度の時間微分を基に判定して算出式が決定され、推定温度が算出され、出力部34に出力される。このように、本発明に係る実施の形態では、記憶部32を必ずしも必要としない。
また、測定部(センサ)で測定された温度をまとめて記憶部に記憶してから、温度データを読み出して(読み込んで)推定温度を算出してもよい。
本実施の形態に係る温度測定装置は、ウェアラブルデバイス一体としてユーザの身体に装着されてもよい。
または、本発明に係る実施の形態に係る温度測定装置は、測定部(センサ)31をウェアラブルデバイスとしてユーザの身体に装着して、ウェアラブルデバイス外部のスマートフォンやサーバ等に記憶部32、演算部33を備えてもよい。この場合、温度測定装置はウェアラブルデバイスと外部のサーバ等それぞれに送受信部を備え、ウェアラブルデバイスで測定される測定温度をサーバ等に送信し、サーバ等で記憶、計算を行う。最後に、推定温度等(深部温度は測定されないことの表示等を含む)はサーバ等に出力されてもよいし、ウェアラブルデバイス等に送信されて出力されてもよい。
<コンピュータの構成例>
図6に、本発明の実施の形態に係る温度測定装置におけるコンピュータ60の構成例を示す。温度測定装置は、CPU(Central Processing Unit)63、記憶装置(記憶部)62およびインタフェース装置61を備えたコンピュータ60と、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。ここで、インタフェース装置に、測定部と、出力部が接続される。CPUは、記憶装置に格納された温度測定プログラムに従って本発明の実施の形態における処理を実行する。このように、温度測定プログラムは温度測定装置を機能させる。
本発明の実施の形態に係る温度測定装置では、コンピュータを装置内部に備えてもよいし、コンピュータの機能の少なくとも1部を外部コンピュータを用いて実現してもよい。また、記憶部も装置外部の記憶媒体64を用いてもよく、記憶媒体64に格納された温度測定プログラムを読み出して実行してもよい。記憶媒体64には、各種磁気記録媒体、光磁気記録媒体、CD-ROM、CD-R、各種メモリを含む。また、温度測定プログラムはインターネットなどの通信回線を介してコンピュータに供給されてもよい。
以上のように、本実施の形態に係る温度測定装置、方法およびプログラムによれば、生体内部の温度を非侵襲に精度良く測定できる。
本発明の実施の形態では、温度測定装置の構成および温度測定方法等において、各構成部の構造、寸法、材料等の一例を示したが、これに限らない。温度測定装置の構成および温度測定方法等の機能を発揮し効果を奏するものであればよい。
本発明は、作業者、競技者等の体温管理に用いる深部温度計に適用することができる。
30 温度測定装置
31 測定部(センサ)
32 記憶部
33 演算部
331 算出部
332 比較部
34 出力部

Claims (7)

  1. 生体の内部の温度を、センサにより検出された温度を基に測定する温度測定方法であって、
    前記センサにおいて、前記生体に接触する面近傍の第1の温度を測定し、前記第1の温度が測定される位置と異なる位置で第2の温度を測定し、センサ被覆部の表面近傍で外部温度を測定するステップと、
    前記第1の温度と前記第2の温度の差を基に熱流束を算出するステップと、
    前記熱流束の時間微分を算出するステップと、
    前記熱流束の時間微分が対流検出閾値を超える場合に、前記外部温度の時間微分を算出するステップと、
    前記外部温度の時間微分を温度検出閾値と比較することにより、前記生体の内部の温度の推定温度の算出式を決定するステップとを備え、
    前記推定温度の算出式が、前記熱流束に基づく第1の式と、前記第1の式による推定温度を補正する第2の式とのいずれかである温度測定方法。
  2. 前記外部温度の時間微分が温度検出閾値を超える場合に、前記推定温度の算出式を変更することなく、前記推定温度が算出され、
    前記外部温度の時間微分が温度検出閾値以下の場合に、前記推定温度の算出式を変更して、前記推定温度が算出される、請求項に記載の温度測定方法。
  3. 前記第1の式が、
    Tcore = Tskin + Rbody × (Tskin-Tt)/Rs
    であり、前記第2の式が、
    Tcore = Tskin + α × Rbody × (Tskin-Tt)/Rs
    であり、Tskinが第1の温度であり、Ttが第2の温度であり、Rbodyは生体の熱抵抗であり、Rsはセンサの熱抵抗であり、αが補正係数である、
    請求項1又は請求項2に記載の温度測定方法。
  4. 前記第2の式における補正係数が1.03以上1.15以下であることを特徴とする請求項に記載の温度測定方法。
  5. 前記熱流束の時間微分が0以上のときに対流の開始にともなう熱輸送形態の変化を判定し、前記熱流束の時間微分が0より小さいときに前記対流の終了にともなう熱輸送形態の変化を判定することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の温度測定方法。
  6. 生体の内部の温度を、センサにより検出された温度を基に測定する温度測定装置であって、
    前記生体に接触する面近傍に配置され、第1の温度を測定する第1の温度計素子と、第1の温度計素子から離れた位置に配置され、第2の温度を測定する第2の温度計素子とを有する前記センサと、
    前記センサの被覆部に配置され、外部温度を測定する第3の温度計素子と、
    前記第1の温度と前記第2の温度の差を基に熱流束を算出し、前記熱流束の時間微分を算出し、前記熱流束の時間微分が対流検出閾値を超える場合に、前記外部温度の時間微分を算出し、前記外部温度の時間微分を温度検出閾値と比較することにより、前記生体の内部の温度の推定温度の算出式を決定する演算部と
    を備え
    前記推定温度の算出式が、前記熱流束に基づく第1の式と、前記第1の式による推定温度を補正する第2の式とのいずれかである温度測定装置。
  7. 生体の内部の温度を、センサにより検出された温度を基に測定する温度測定装置に対し、
    前記センサにおいて、前記生体に接触する面近傍の第1の温度を測定し、前記第1の温度が測定される位置と異なる位置で第2の温度を測定し、センサ被覆部の表面近傍で外部温度を測定するステップと、
    前記第1の温度と前記第2の温度の差を基に熱流束を算出するステップと、
    前記熱流束の時間微分を算出するステップと、
    前記熱流束の時間微分が対流検出閾値を超える場合に、前記外部温度の時間微分を算出するステップと、
    前記外部温度の時間微分を温度検出閾値と比較することにより、前記生体の内部の温度の推定温度の算出式を決定するステップとを備え、
    前記推定温度の算出式が、前記熱流束に基づく第1の式と、前記第1の式による推定温度を補正する第2の式とのいずれかである処理を実行させることを特徴とする、温度測定装置を機能させるための温度測定プログラム。
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