JP7416467B1 - 衛星位置推定方法及び衛星位置推定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】測距センサを利用することなく複数の衛星の間の相対位置関係を推定することができる技術を提供する。【解決手段】複数の衛星の中から送信衛星、受信衛星、及び複数の中継衛星が衛星セットとして選択される。送信衛星はテスト信号を送信する。各中継衛星は、送信衛星から受信したテスト信号の位相をシフトさせ、位相シフト後のテスト信号を送信する。受信衛星は、各中継衛星から送信される位相シフト後のテスト信号を受信する。受信衛星におけるテスト信号の受信信号強度が最大となるように、複数の中継衛星の各々におけるテスト信号の位相シフト量が調整される。受信信号強度が最大となる場合の、衛星セットの位置と位相シフト量との間の関係を表す方程式が取得される。そして、複数種類の衛星セットのそれぞれに対して得られる複数の方程式を解くことによって、複数の衛星の間の相対位置関係が推定される。【選択図】図4

Description

本開示は、複数の衛星を利用した衛星通信技術に関する。
特許文献1は、衛星通信システムを開示している。親局端末と子局端末は、人工衛星を経由する回線を用いて通信を行う。
特開2020-161927号公報
複数の衛星の間の相対位置関係の情報を取得することを考える。測距センサを利用して衛星間の距離を計測することも考えられるが、その場合、コストが増大する。
本開示の1つの目的は、測距センサを利用することなく複数の衛星の間の相対位置関係を推定することができる技術を提供することにある。
第1の観点は、複数の衛星の間の相対位置関係を推定する衛星位置推定方法に関連する。
衛星位置推定方法は、
複数の衛星の中から送信衛星、受信衛星、及び複数の中継衛星を衛星セットとして選択することと、
送信衛星からテスト信号を送信することと、
複数の中継衛星の各々において、送信衛星から受信したテスト信号の位相をシフトさせ、位相シフト後のテスト信号を送信することと、
複数の中継衛星の各々から送信される位相シフト後のテスト信号を受信衛星によって受信することと、
受信衛星におけるテスト信号の受信信号強度が最大となるように、複数の中継衛星の各々におけるテスト信号の位相シフト量を調整することと、
受信信号強度が最大となる場合の、衛星セットの位置と位相シフト量との間の関係を表す方程式を取得することと、
複数種類の衛星セットのそれぞれに対して得られる複数の方程式を解くことによって、複数の衛星の間の相対位置関係を推定することと
を含む。
第2の観点は、複数の衛星の間の相対位置関係を推定する衛星位置推定システムに関連する。
衛星位置推定システムは、1又は複数のプロセッサを備える。
1又は複数のプロセッサは、
複数の衛星の中から送信衛星、受信衛星、及び複数の中継衛星を衛星セットとして選択し、
送信衛星からテスト信号を送信させ、
複数の中継衛星の各々に、送信衛星から受信したテスト信号の位相をシフトさせ、位相シフト後のテスト信号を送信させ、
複数の中継衛星の各々から送信される位相シフト後のテスト信号を受信衛星によって受信させ、
受信衛星におけるテスト信号の受信信号強度が最大となるように、複数の中継衛星の各々にテスト信号の位相シフト量を調整させ、
受信信号強度が最大となる場合の、衛星セットの位置と位相シフト量との間の関係を表す方程式を取得し、
複数種類の衛星セットのそれぞれに対して得られる複数の方程式を解くことによって、複数の衛星の間の相対位置関係を推定する
ように構成される。
本開示によれば、測距センサを利用することなく、複数の衛星の間の相対位置関係を容易に推定することが可能となる。
実施の形態に係る衛星通信システムの概要を説明するための概念図である。 実施の形態に係る衛星通信システムの概要を説明するための概念図である。 実施の形態に係る衛星の基本構成例を示すブロック図である。 実施の形態に係る衛星位置推定技術を説明するための概念図である。 実施の形態に係る衛星位置推定技術を説明するための図である。 実施の形態に係る衛星位置推定技術を説明するための図である。 比較例を説明するための概念図である。 実施の形態に係る信号中継制御技術を説明するための概念図である。 実施の形態に係る信号中継制御技術を説明するための概念図である。 実施の形態に係る信号中継制御技術を説明するための概念図である。 実施の形態に係る信号中継制御技術を説明するための概念図である。 実施の形態に係る衛星の機能構成例を示すブロック図である。
添付図面を参照して、本開示の実施の形態を説明する。
1.超小型衛星を利用した衛星通信システム
図1は、本実施の形態に係る衛星通信システム1の概要を説明するための概念図である。衛星通信システム1は、送信装置10、受信装置20、及び複数の衛星100を含んでいる。送信装置10と受信装置20は、複数の衛星100を介して通信を行う。複数の衛星100は、送信装置10と受信装置20との間の通信を中継する。送信装置10から送信される信号は、複数の衛星100を介して受信装置20に伝送される。
本実施の形態では、衛星100として超小型の衛星が用いられる。例えば、1つの衛星100のサイズは数cm~数十cmである。そのような超小型の衛星100が多数集合し、フォーメーションフライト(formation flight, 編隊飛行)を行う。衛星100の総数Nは、特に限定されない。衛星100の総数Nは、数百、数千、あるいは数万以上であってもよい。隣り合う衛星100間の距離は、例えば、数cm~数十cmである。隣り合う衛星100間の距離は、波長程度であってもよいし、波長より短くてもよい(例:想定周波数帯=0.8GHz~60GHz)。各衛星100の高度は、例えば、数百km~千km程度である。
各衛星100はアンテナを備えている。そして、多数の衛星100は、集合してフォーメーションフライトを行うことにより、1つの大きなアレイアンテナとして機能する。そのようなフォーメーションフライトの利点としては、(1)サイズ及び質量の抑制、(2)通信容量の増加、(3)冗長構成による信頼性向上(仮に一部の衛星100が故障したとしても全体としての機能は維持される)、等が挙げられる。
一般的に、アンテナの直径が2倍になると、その性能は4倍になる。但し、通常の衛星の場合、アンテナ直径が増加すると、衛星全体のサイズは3次元的に増大する。すなわち、アンテナが大きくなるにつれて、衛星全体のサイズ及び質量が著しく増大する。
一方、本実施の形態によれば、多数の衛星100が集合して1つの大きなアンテナとして機能するため、衛星100全体のサイズとアンテナ全体のサイズはほぼ同じである。アンテナ面積が増加しても、衛星100全体のサイズは3次元的に増大しない。従って、衛星100全体のサイズ及び質量が抑制される。このことは、コスト削減に寄与し、好適である。
また、衛星100の総数Nが増加するにつれて、送信電力及び受信電力が増加する。更に、多数の衛星100の集合をフェーズドアレイアンテナとして機能させることができる。従って、通信容量が増大する。例えば、本願発明者がN=4~9892の場合についてシミュレーションを行ったところ、EIRP(Equivalent Isotropically Radiated Power)がNの約2乗に比例することが明らかになった。EIRPは送信可能データ伝送量に比例するため、送信可能データ伝送量はNの約2乗に比例する。すなわち、衛星100の総数Nの増加に伴い、送信可能データ伝送量は著しく増大する。
また、衛星100の総数Nが増加するほど、メインローブのコーン角が小さくなり、より多くの通信を同時に収容することが可能となる。また、衛星100間の間隔が狭くなるにつれて、サイドローブ(漏れ)は小さくなる。例えば、衛星100間の間隔は波長未満に設定されてもよい。
このような多数の衛星100のフォーメーションフライトにより、大容量通信サービスを提供することが可能となる。送信装置10及び受信装置20は、特に限定されない。例えば、送信装置10及び受信装置20は、スマートフォン等の携帯端末であってもよい。送信装置10及び受信装置20は、基地局を介さずに、衛星100と直接通信を行ってもよい。電波の弱さについては、上述の通り衛星100の総数Nを増やすことによって補うことが可能である。
図2に示されるように、複数の送信装置10と複数の受信装置20が同時に通信を行ってもよい。このとき、各衛星100における信号中継を工夫することによって、混信を回避することが可能となる。混信を回避することができる信号中継制御方法については、後のセクション3-3において詳しく説明する。
衛星通信システム1は、更に、衛星100全体の管理を行う管理システム200を含んでいてもよい。管理システム200は、各衛星100と通信可能である。管理システム200は、地上局であってもよいし、衛星100とは異なる他の衛星であってもよいし、複数の衛星100のうちいずれかに含まれていてもよい。
図3は、衛星100の基本構成例を示すブロック図である。衛星100は、アンテナ110、送受信回路120、推進装置130、及び制御装置140を備えている。
送受信回路120は、アンテナ110を介して信号を受信し、受信信号を制御装置140に送る。また、送受信回路120は、制御装置140から送信信号を受け取り、アンテナ110を介して送信信号を送信する。
推進装置130は、衛星100の位置及び姿勢を調整するための機構である。フォーメーションフライトを行う超小型の衛星100の場合、推進装置130は、電磁石131を含んでいてもよい。電磁石131によって生成される磁場は、近い衛星100には作用するが、遠い衛星100にはほとんど影響しない。よって、電磁石131を利用することによって、近い衛星100同士で位置及び姿勢を調整することができる。すなわち、シンプルな構成によってフォーメーションフライトを実現することができる。このことは、衛星100の小型軽量化、低コスト化の観点から好ましい。
制御装置140は、衛星100を制御する。具体的には、制御装置140は、推進装置130を制御することによって衛星100の位置及び姿勢を制御する。また、制御装置140は、衛星100と他の装置との通信を制御する。更に、制御装置140は、各種の信号処理及び各種の情報処理を行う。
制御装置140は、1又は複数のプロセッサ141(以下、単に「プロセッサ141」と呼ぶ)と1又は複数の記憶装置142(以下、単に「記憶装置142」と呼ぶ)を含んでいる。プロセッサ141は、各種の情報処理を行う。例えば、プロセッサ141は、CPU(Central Processing Unit)を含んでいる。記憶装置142には、プロセッサ141による処理に必要な各種情報が格納される。
制御プログラム143は、プロセッサ141によって実行されるコンピュータプログラムである。制御プログラム143を実行するプロセッサ141と記憶装置142との協働によって、制御装置140の機能が実現される。制御プログラム143は、記憶装置142に格納される。制御プログラム143は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。
以下、本実施の形態に係る衛星通信システム1に適用される新たな技術として、「衛星位置推定技術」と「信号中継制御技術」について説明する。
2.衛星位置推定技術
複数の衛星100の間の相対位置関係の情報を取得することを考える。各衛星100に測距センサを搭載し、測距センサを利用して衛星100間の距離を計測することも考えられるが、その場合、コストが増大する。そこで、セクション2では、測距センサを利用することなく複数の衛星100の間の相対位置関係を推定することができる手法を提案する。
2-1.基本コンセプト
図4は、衛星セットSとその衛星セットSにおける通信を説明するため概念図である。衛星セットSは、4基以上の衛星100を含み、衛星通信システム1を構成する複数の衛星100の中から選択される。衛星セットSは、送信衛星、受信衛星、及び複数の中継衛星を含む。図4に示される例では、衛星セットSは、送信衛星A、中継衛星B、中継衛星C、及び受信衛星Dを含んでいる。
送信衛星Aは、テスト信号を周囲に送信する。中継衛星Bと中継衛星Cの各々は、送信衛星Aから送信されたテスト信号を受信する。中継衛星Bは、受信したテスト信号の位相を位相シフト量αbだけシフトさせ、位相シフト後のテスト信号を周囲に送信する。同様に、中継衛星Cは、受信したテスト信号の位相を位相シフト量αcだけシフトさせ、位相シフト後のテスト信号を周囲に送信する。受信衛星Dは、中継衛星Bから送信される位相シフト後のテスト信号と、中継衛星Cから送信される位相シフト後のテスト信号を、並列的に受信する。受信衛星Dは、テスト信号の受信信号強度の情報を取得する。そして、受信衛星Dにおけるテスト信号の受信信号強度が最大となるように、中継衛星Bにおける位相シフト量αbと中継衛星Cにおける位相シフト量αcが調整される。
尚、送信衛星Aから受信衛星Dへの直接波と区別するために、中継衛星Bと中継衛星Cの各々は、テスト信号を中継する際に周波数を所定の倍率だけ逓倍する。但し、中継されたテスト信号を直接波と区別することができれば、その手法は問わない。
図4において、Dabは、送信衛星Aと中継衛星Bとの間の距離である。Dacは、送信衛星Aと中継衛星Cとの間の距離である。Dbdは、中継衛星Bと受信衛星Dとの間の距離である。Dcdは、中継衛星Cと受信衛星Dとの間の距離である。これら距離Dab、Dac、Dbd、Dcdは、衛星A、B、C、D間の位置関係に依存して一意に定まる。言い換えれば、距離Dab、Dac、Dbd、Dcdは、衛星セットSの位置に依存して一意に定まる。
また、中継衛星Bにおいてテスト信号を中継する際の信号処理による遅れ(信号処理時間)は、βbで表される。同様に、中継衛星Cにおいてテスト信号を中継する際の信号処理による遅れ(信号処理時間)は、βcで表される。
実効距離Dabdは、中継衛星Bを介した送信衛星Aから受信衛星Dへの信号パスの実効的な距離である。同様に、実効距離Dacdは、中継衛星Cを介した送信衛星Aから受信衛星Dへの信号パスの実効的な距離である。実効距離Dabd,Dacdは、それぞれ、下記式(1)、(2)で表される。尚、下記式(1)、(2)において、αb、βb、αc、βcは、距離の次元に換算した量を表すとする。
式(1):Dabd=Dab+αb+βb+Dbd
式(2):Dacd=Dac+αc+βc+Dcd
距離差Δは、次の式(3)により定義される。
式(3):Δ=Dabd-Dacd
受信衛星Dにおけるテスト信号の受信信号強度が最大となる場合は、距離差Δが0になる場合に相当する。すなわち、受信衛星Dにおけるテスト信号の受信信号強度が最大となる場合、次の式(4)が成立する。
式(4):Dabd-Dacd=(Dab+αb+βb+Dbd)-(Dac+αc+βc+Dcd)=0
式(4)は、受信衛星Dにおけるテスト信号の受信信号強度が最大となる場合の、衛星セットSの位置と、位相シフト量αb、αcと、遅れβb、βcとの間の関係を表す方程式である。
衛星通信システム1を構成する複数の衛星100において、送信衛星A、中継衛星B、中継衛星C、及び受信衛星Dの組み合わせとしては様々なものが存在する。すなわち、複数種類の衛星セットSが存在する。それら複数種類の衛星セットSのそれぞれに対して上記の処理が実施される。その結果、複数種類の衛星セットSのそれぞれに対して、複数の方程式(式(4))が得られる。
衛星100の総数がN(N≧4)である場合に得られる方程式の数は、次の通りである。まず、送信衛星Aと受信衛星Dの組み合わせ数は、N×(N-1)/2である。送信衛星Aと受信衛星Dが選択された後、中継衛星Bと中継衛星Cの組み合わせ数は、(N-2)×(N-3)/2である。単純には、方程式の数は、両者の掛け算となる。但し、実際には方程式の重複が発生するため、方程式の実質的な数はより少なくなる。
図5を参照して、方程式の重複について説明する。図5に示される例では、衛星100の総数Nは5である。図5中の丸数字は、5個の衛星100-1、100-2、100-3、100-4、及び100-5のそれぞれを意味する。衛星100-1が送信衛星Aであり、衛星100-2が受信衛星Dである。中継衛星Bと中継衛星Cの組み合わせとしては、[100-3、100-4]、[100-3、100-5]、[100-4、100-5]の3パターンがある。それら3パターンに対して、「D142=D132」、「D152=D132」、「D152=D142」の3個の方程式が得られる。しかしながら、1個の方程式は、他の2個の方程式の組み合わせと同じである。よって、方程式の実質的な数は少なくなる。
方程式の重複も考慮すると、衛星100の総数がN(N≧4)である場合に得られる方程式の数は、次の式(5)で表される。
式(5):方程式の数=N×(N-1)×(N-3)/2
その一方で、方程式中の不明パラメータは、衛星100間の距離と各衛星100における遅れβである。衛星100間の距離は、XYZ座標系において定義される各衛星100の位置(X、Y、Z)から算出される。従って、1基の衛星100あたりの不明パラメータは、位置(X、Y、Z)と遅れβの4個である。N基の衛星100に対する不明パラメータの数は、4Nである。
ここで、衛星100-1は原点に位置し、衛星100-2はX軸上に位置し、衛星100-3はXY平面上に位置するとする。また、衛星100-1における遅れβは推定しないとする。これにより、不明パラメータの数を7個減らすことができる。結果として、不明パラメータの数は、次の式(6)で表される。
式(6):不明パラメータの数=4N-7
式(5)、(6)から分かるように、衛星100の総数Nが増加するにつれて、方程式の数は不明パラメータの数よりも急激に増加する。従って、複数の方程式(連立方程式)を解くことによって、不明パラメータを算出することが可能となる。
図6は、本願発明者により実施されたシミュレーションの結果を示している。連立方程式を解くために行列が作成されるが、実際には行列のランク落ちが発生することが判明した。例えば、N=8の場合、上記式(5)から求められる方程式の数は140であるが、実際にはランク落ちのため方程式の数は25まで減少する。以上のことから、衛星100の総数Nが8以上であれば、連立方程式を解くことができることが判明した。よって、衛星100の総数Nは8以上であることが好ましい。
尚、変形例として、各衛星100における遅れβは等しいと仮定されてもよい。この場合、不明パラメータの数は更に減る。衛星位置推定の精度は多少低下する可能性はあるが、その精度が許容範囲であれば、各衛星100における遅れβは等しいと仮定してもよい。
以上に説明されたように、本実施の形態によれば、衛星通信システム1を構成する複数の衛星100の中から送信衛星、受信衛星、及び複数の中継衛星が衛星セットSとして選択される。そして、受信衛星におけるテスト信号の受信信号強度が最大となるように、各中継衛星におけるテスト信号の位相シフト量αが調整される。これにより、受信信号強度が最大となる場合の衛星セットSの位置と位相シフト量αとの間の関係を少なくとも表す方程式が得られる。更に、衛星セットSを様々に変更することによって、複数種類の衛星セットSのそれぞれに対して複数の方程式が得られる。このようにして得られた複数の方程式(連立方程式)を解くことによって、複数の衛星100の間の相対位置関係を推定(算出)することが可能となる。
各衛星100における遅れβも不明パラメータとして扱う場合、複数の衛星100の間の相対位置関係と共に、各衛星100における遅れβも推定(算出)される。
2-2.衛星位置推定システム
衛星位置推定システムは、上述の基本コンセプトに従って衛星位置推定処理を実行する。そのために、衛星位置推定システムは、各衛星100と通信を行い、各衛星100に指示を出し、また、各衛星100から必要な情報を収集する。衛星位置推定システムは任意である。例えば、衛星位置推定システムは、複数の衛星100のうちいずれかの制御装置140(図3参照)により実現される。他の例として、衛星位置推定システムは、管理システム200(図1、2参照)により実現されてもよい。衛星位置推定システムは、いずれかの衛星100と管理システム200に分散していてもよい。
一般化すれば、衛星位置推定システムは、1又は複数のプロセッサを備える。その1又は複数のプロセッサが、本実施の形態に係る衛星位置推定処理を実行する。
具体的には、衛星位置推定システムは、複数の衛星100の中から送信衛星、受信衛星、及び複数の中継衛星を衛星セットSとして選択する。また、衛星位置推定システムは、衛星セットSに対し、図4で説明されたような通信処理を実行するよう指示する。更に、衛星位置推定システムは、テスト信号の受信信号強度に関する情報を受信衛星から収集する。更に、衛星位置推定システムは、中継衛星の各々から位相シフト量αに関する情報を収集する。更に、衛星位置推定システムは、受信装置におけるテスト信号の受信信号強度が最大となる場合の方程式を取得する。そして、衛星位置推定システムは、複数種類の衛星セットSのそれぞれに対して得られた複数の方程式(連立方程式)を解くことによって、複数の衛星100の間の相対位置関係を推定(算出)する。
2-3.効果
以上に説明されたように、本実施の形態に係る衛星位置推定技術によれば、測距センサを利用することなく、複数の衛星100の間の相対位置関係を容易に推定することが可能となる。衛星位置推定に利用されるのは、通常の通信においても使用される通信機器である。衛星位置推定専用の特殊な機器を衛星100に搭載する必要は無い。このことは、衛星100の小型軽量化及び低コスト化に寄与する。
3.信号中継制御技術
図1で示されたように、本実施の形態に係る衛星通信システム1では、送信装置10と受信装置20は、複数の衛星100を介して通信を行う。つまり、複数の衛星100は、送信装置10と受信装置20との間の通信を中継する。セクション3では、複数の衛星100の各々における信号中継について考える。
以下の説明では、便宜上、複数の衛星100の各々を「衛星100-i」と呼ぶ。iは、各衛星100の識別子であり、1~Nの値を取る。Nは、衛星通信システム1を構成する衛星100の総数である。「複数の衛星100-i」という表現は、衛星100-1~100-Nを意味する。
3-1.比較例
まず、図7を参照して、比較例について説明する。第1送信装置10-Aと第1受信装置20-Aは、複数の衛星100-iを介して通信を行う。複数の衛星100-iは、第1送信装置10-Aと第1受信装置20-Aとの間の通信を中継する。
パスPAiは、第1送信装置10-Aから衛星100-iへの信号パスである。第1パスPAAiは、第1送信装置10-Aから第1受信装置20-Aへの信号パスであって、衛星100-iを通過(経由)する信号パスである。複数の衛星100-iのそれぞれを通過する複数の第1パスPAAiの長さは、互いに異なっている。
第1送信装置10-Aは、第1受信装置20-Aに対して第1信号TAを送信する。第1送信装置10-Aから送信された第1信号TAは、複数の第1パスPAAiを介して第1受信装置20-Aに伝送される。
便宜上、以下の説明において、信号について次のような表現を用いる。
・第1信号TA[PAi]=パスPAiを経て衛星100-iによって受信される第1信号TA
・第1信号TA[PAAi]=第1パスPAAiを経て第1受信装置20-Aによって受信される第1信号TA
第1受信装置20-Aは、複数の第1パスPAAiのそれぞれを介して複数の第1信号TA[PAAi]を受信する。よって、図7に示されるように、第1受信装置20-Aにおける受信信号は、複数の第1信号TA[PAAi]の和で表される。
しかしながら、上述の通り、複数の第1パスPAAiの長さは、互いに異なっている。従って、第1受信装置20-Aの位置において、複数の第1信号TA[PAAi]の位相が揃わず、十分な受信信号強度が得られない。つまり、第1受信装置20-Aの位置では、位相の異なる複数の第1信号TA[PAAi]が重なり合ってノイズとなる。その結果、第1受信装置20-Aにおいて第1信号TAを正確に復調できなくなる。
このような課題を解決するために、本実施の形態によれば、各衛星100-iが以下に説明される「遅延処理」を実行する。
3-2.遅延処理
図8は、本実施の形態に係る衛星100-iにおける遅延処理を説明するための概念図である。衛星100-iは、第1送信装置10-Aから受信した第1信号TA[PAi]に対して遅延処理を実行する。より詳細には、衛星100-iは、第1信号TA[PAi]を第1遅延量δAiだけ遅延させる。
便宜上、以下の説明において、信号について次のような表現を用いる。
・第1遅延信号TA[PAi+δAi]=衛星100-iにおいて第1遅延量δAiだけ遅延させられた第1信号TA[PAi]
・第1遅延信号TA[PAAi+δAi]=衛星100-iにおいて第1遅延量δAiだけ遅延させられた第1信号TA[PAAi]
衛星100-iにおける第1遅延量δAiは、複数の第1パスPAAi間の距離差を吸収するように設定される。言い換えれば、衛星100-iにおける第1遅延量δAiは、第1受信装置20-Aの位置において複数の第1遅延信号TA[PAAi+δAi]の位相が揃うように設定される。第1遅延量δAiは、衛星100-i毎に異なる。
「第1遅延パターンDLA」は、複数の衛星100-iのそれぞれにおける複数の第1遅延量δAiの組み合わせである。第1遅延パターンDLAは、第1送信装置10-Aと第1受信装置20-Aと複数の衛星100-iとの間の位置関係に基づいて決定される。そのような第1送信装置10-Aと第1受信装置20-Aと複数の衛星100-iとの間の位置関係を示す情報を、以下、「位置情報POS」と呼ぶ。
位置情報POSは、例えば、次のように取得される。第1送信装置10-Aは、GNSS(Global Navigation Satellite System)等を利用して自身の位置情報を取得する。第1受信装置20-Aは、GNSS等を利用して自身の位置情報を取得する。複数の衛星100-iのうち少なくとも1つの代表衛星100-Rは、周知の手法を用いて、絶対座標系における自身の位置及び姿勢の情報を取得する。例えば、代表衛星100-Rは、カメラを用いて太陽、月、地球、あるいは恒星を撮像することによって、絶対座標系における自身の位置及び姿勢の情報を取得する。複数の衛星100-iの間の相対位置関係は、上記セクション2において説明した「衛星位置推定技術」によって得られる。これらの情報に基づいて、位置情報POSを取得することができる。
例えば、代表衛星100-Rは、第1送信装置10-Aと第1受信装置20-Aからそれぞれの位置情報を取得する。また、代表衛星100-Rは、絶対座標系における自身の位置及び姿勢の情報を取得する。更に、代表衛星100-Rは、上記セクション2において説明した衛星位置推定技術によって、複数の衛星100-iの間の相対位置関係を取得する。これら情報に基づいて、代表衛星100-Rは位置情報POSを取得する。
更に、代表衛星100-Rは、位置情報POSに基づいて、複数の第1パスPAAiの長さを算出し、複数の第1パスPAAi間の距離差を吸収するような第1遅延パターンDLAを決定する。そして、代表衛星100-Rは、第1遅延パターンDLAを複数の衛星100-iに通知する。各衛星100-iは、通知された第1遅延パターンDLAを参照して、各衛星100-iに関する第1遅延量δAiを取得する。
他の例として、代表衛星100-Rは、第1遅延パターンDLAの中から衛星100-iに関する第1遅延量δAiを抽出し、その第1遅延量δAiの情報を衛星100-iに通知してもよい。これによっても、各衛星100-iは、各衛星100-iに関する第1遅延量δAiを取得することができる。
更に他の例として、代表衛星100-Rは、位置情報POSを複数の衛星100-iに通知してもよい。この場合、各衛星100-iは、位置情報POSに基づいて、複数の第1パスPAAiの長さを算出し、複数の第1パスPAAi間の距離差を吸収するような第1遅延パターンDLAを決定する。そして、各衛星100-iは、第1遅延パターンDLAを参照して、各衛星100-iに関する第1遅延量δAiを取得する。
更に他の例として、上記の代表衛星100-Rの代わりに、管理システム200(図1、図2参照)が上記の代表衛星100-Rと同様の処理を行ってもよい。
いずれの場合であっても、衛星100-iは、少なくとも衛星100-iに関する第1遅延量δAiの情報を取得する。衛星100-iは、受信信号(TA[PAi])を第1遅延量δAiだけ遅延させることによって第1遅延信号TA[PAi+δAi]を生成する。そして、衛星100-iは、第1遅延信号TA[PAi+δAi]を含む信号を第1受信装置20-Aに送信する。
第1受信装置20-Aは、複数の第1パスPAAiのそれぞれを介して複数の第1遅延信号TA[PAAi+δAi]を受信する。図8に示されるように、第1受信装置20-Aにおける受信信号は、複数の第1遅延信号TA[PAAi+δAi]の和で表される。各衛星100-iにおける遅延処理の結果、第1受信装置20-Aの位置において、複数の第1遅延信号TA[PAAi+δAi]の位相が揃う。従って、十分な受信信号強度が得られる。その結果、第1受信装置20-Aにおいて第1信号TAを正確に復調することが可能となる。すなわち、複数の衛星100-iが通信を中継する場合であっても、適切に通信を行うことが可能となる。
尚、上述の第1遅延パターンDLAは、あくまでも、第1送信装置10-Aと第1受信装置20-Aとの組み合わせに最適化された遅延パターンであることに留意されたい。第1送信装置10-Aと第1受信装置20-Aの組み合わせとは異なる組み合わせに関しては、信号パスが異なるため、第1遅延パターンDLAは有効ではない。この性質を利用することによって、以下に説明されるように、多対多通信における混信を回避することが可能となる。
3-3.多対多通信
図9は、多対多通信を説明するための概念図である。ここでは、第1送信装置10-Aと第1受信装置20-Aとの間の通信、及び、第2送信装置10-Bと第2受信装置20-Bとの間の通信が同時に行われる場合について考える。送信装置10と受信装置20の組み合わせが3以上ある場合についても同様である。
第1送信装置10-A、第1受信装置20-A、パスPAi、第1パスPAAi、第1信号TA、第1遅延量δAi、第1遅延パターンDLAは、上述の通りである。
第2送信装置10-B、第2受信装置20-B、パスPBi、第2パスPBBi、第2信号TB、第2遅延量δBi、第2遅延パターンDLBは、上記説明における「第1」を「第2」と読み替え、「A」を「B」と読み替えたものに相当する。
衛星100-iにおける第2遅延量δBiは、複数の第2パスPBBi間の距離差を吸収するように設定される。第2遅延量δBiは、衛星100-i毎に異なる。第2遅延パターンDLBは、複数の衛星100-iのそれぞれにおける複数の第2遅延量δBiの組み合わせである。第2遅延パターンDLBは、第2送信装置10-Bと第2受信装置20-Bと複数の衛星100-iとの間の位置関係に基づいて決定される。第2遅延パターンDLBの取得方法は、第1遅延パターンDLAの場合と同様である。第2遅延パターンDLBは、第2送信装置10-Bと第2受信装置20-Bとの組み合わせに最適化された遅延パターンであることに留意されたい。
衛星100-iは、衛星100-iに関する第1遅延量δAiと第2遅延量δBiの両方の情報を取得する。
図10及び図11は、多対多通信の場合の遅延処理を説明するための概念図である。衛星100-iは、第1送信装置10-Aから送信される第1信号TAと第2送信装置10-Bから送信される第2信号TBを同時に受信する。すなわち、衛星100-iが受信する受信信号SRiは、TA[PAi]+TB[PBi]で表される。
図10に示されるように、衛星100-iは、受信信号SRiを第1遅延量δAiだけ遅延させることによって第1遅延信号SAiを生成する。また、衛星100-iは、受信信号SRiを第2遅延量δBiだけ遅延させることによって第2遅延信号SBiを生成する。ここで、受信信号SRiを第1送信装置10-Aから受信した第1信号TAと第2送信装置10-Bから受信した第2信号TBとに分離・区別する必要は無い。更に、衛星100-iは、第1遅延信号SAiと第2遅延信号SBiを合成することによって合成遅延信号SCiを生成する。
図11に示されるように、衛星100-iは、合成遅延信号SCiを含む信号を第1受信装置20-A及び第2受信装置20-Bの両方に送信する。第1受信装置20-Aは、複数の衛星100-iのそれぞれから送信される合成遅延信号SCiを受信する。第1受信装置20-Aが受信する第1受信信号SRAは、図11に示される通りである。同様に、第2受信装置20-Bは、複数の衛星100-iのそれぞれから合成遅延信号SCiを受信する。第2受信装置20-Bが受信する第2受信信号SRBは、図11に示される通りである。
上述の通り、第1遅延パターンDLA及び第1遅延量δAiは、第1送信装置10-Aと第1受信装置20-Aとの組み合わせに最適化されている。つまり、第1遅延パターンDLA及び第1遅延量δAiは、第1送信装置10-Aから第1受信装置20-Aへの第1パスPAAiに最適化されている。よって、第1遅延量δAiは、第1パスPAAiに対しては有効であるが、他のパス(PABi、PBAi、PBBi)に対しては特に有効ではない。
一方、第2遅延パターンDLB及び第2遅延量δBiは、第2送信装置10-Bと第2受信装置20-Bとの組み合わせに最適化されている。つまり、第2遅延パターンDLB及び第2遅延量δBiは、第2送信装置10-Bから第2受信装置20-Bへの第2パスPBBiに最適化されている。よって、第2遅延量δBiは、第2パスPBBiに対しては有効であるが、他のパス(PAAi、PABi、PBAi)に対しては特に有効ではない。
従って、第1受信装置20-Aにおける第1受信信号SRAに関しては、パスと遅延量がマッチしている信号TA[PAAi+δAi]の位相だけが揃い、十分な受信信号強度が得られることになる。それ以外の信号の位相は揃わず、ノイズとなる。従って、第1受信装置20-Aにおいて第1信号TAを正しく復調することが可能となる。複数の衛星100-iが通信を中継することに起因するパス長差を逆手に取って、目的ではない信号を消していると言うこともできる。
同様に、第2受信装置20-Bにおける第2受信信号SRBに関しては、パスと遅延量がマッチしている信号TB[PBBi+δBi]の位相だけが揃い、十分な受信信号強度が得られることになる。それ以外の信号の位相は揃わず、ノイズとなる。従って、第2受信装置20-Bにおいて第2信号TBを正しく復調することが可能となる。
以上に説明した手法によって、多対多通信においても、混信を回避して適切に通信を行うことが可能となる。本手法によって混信を回避することができるため、複数の送信装置10に送信タイミングを割り当てるコンダクターは不要である。各送信装置10は、任意のタイミングで信号を送信してもよい。
また、衛星100-iは、受信信号SRiを第1送信装置10-Aからの第1信号TAと第2送信装置10-Bからの第2信号TBに分離する必要はない。言い換えれば、衛星100-iは、受信信号SRiから第1信号TAと第2信号TBを復調する必要はない。衛星100-iは、単に、受信信号SRiから第1遅延信号SAiと第2遅延信号SBiを生成し、それら第1遅延信号SAiと第2遅延信号SBiを合成するだけでよい。この処理は、受信信号SRiから第1信号TAと第2信号TBを復調するための複雑な処理と比較すれば、はるかに容易である。すなわち、本実施の形態によれば、シンプルな処理によって混信を回避することが可能となる。このことは、処理負荷の軽減、消費電力の削減、等の観点から好適である。
3-4.機能構成例
図12は、本実施の形態に係る衛星100-iの機能構成例を示すブロック図である。衛星100-iは、遅延処理部150、合成部160、及び遅延設定部170を含んでいる。これら機能ブロックは、衛星100-iの制御装置140(図3参照)により実現される。
遅延処理部150は、受信信号SRiに対して上述の遅延処理を行う。収容中の通信数がkである場合、k種類の遅延処理部150が設定される。例えば、図9で示された状況では、遅延処理部150は、第1遅延処理部150-Aと第2遅延処理部150-Bを含む。第1遅延処理部150-Aは、受信信号SRiを第1遅延量δAiだけ遅延させることによって第1遅延信号SAiを生成する。第2遅延処理部150-Bは、受信信号SRiを第2遅延量δBiだけ遅延させることによって第2遅延信号SBiを生成する。
合成部160は、第1遅延信号SAiと第2遅延信号SBiを合成することによって合成遅延信号SCiを生成する。
遅延設定部170は、遅延処理部150における遅延量を設定する。例えば、遅延設定部170は、送信装置10と受信装置20と複数の衛星100-iとの間の位置関係を示す位置情報POSを取得する。そして、遅延設定部170は、位置情報POSに基づいて第1遅延パターンDLAと第2遅延パターンDLBを決定する。あるいは、遅延設定部170は、代表衛星100-Rあるいは管理システム200によって決定された第1遅延パターンDLA及び第2遅延パターンDLBの情報を取得してもよい。遅延設定部170は、第1遅延パターンDLAで示される第1遅延量δAiを第1遅延処理部150-Aに設定し、また、第2遅延パターンDLBで示される第2遅延量δBiを第2遅延処理部150-Bに設定する。
3-5.効果
以上に説明されたように、本実施の形態に係る信号中継制御技術によれば、複数の衛星100-iが通信を中継する際に、各衛星100-iがパス長差を吸収するように遅延処理を行う。これにより、適切に通信を行うことが可能となる。
更に、図2に示されるような多対多通信においても、混信を回避して適切に通信を行うことが可能となる。複数の送信装置10に送信タイミングを割り当てるコンダクターは不要である。また、各衛星100-iにおいて受信信号SRiから各構成要素信号を復調する必要はなく、シンプルな処理によって混信を回避することが可能となる。このことは、処理負荷の軽減、消費電力の削減、等の観点から好適である。
1…衛星通信システム, 10…送信装置, 20…受信装置, 100…衛星, 110…アンテナ, 120…送受信回路, 130…推進装置, 131…電磁石, 140…制御装置, 141…プロセッサ, 142…記憶装置, 143…制御プログラム, 150…遅延処理部, 150-A…第1遅延処理部, 150-B…第2遅延処理部, 160…合成部, 170…遅延設定部, 200…管理システム, DLA…第1遅延パターン, DLB…第2遅延パターン, POS…位置情報, SA…1遅延信号, SB…第2遅延信号, SC…合成遅延信号, SR…受信信号, SRA…第1受信信号, SRB…第2受信信号

Claims (2)

  1. 複数の衛星の間の相対位置関係を推定する衛星位置推定システムであって、
    1又は複数のプロセッサを備え、
    前記1又は複数のプロセッサは、
    前記複数の衛星の中から送信衛星、受信衛星、及び複数の中継衛星を衛星セットとして選択し、
    前記送信衛星からテスト信号を送信させ、
    前記複数の中継衛星の各々に、前記送信衛星から受信した前記テスト信号の位相をシフトさせ、位相シフト後の前記テスト信号を送信させ、
    前記複数の中継衛星の各々から送信される前記位相シフト後の前記テスト信号を前記受信衛星によって受信させ、
    前記受信衛星における前記テスト信号の受信信号強度が最大となるように、前記複数の中継衛星の各々に前記テスト信号の位相シフト量を調整させ、
    前記受信信号強度が最大となる場合の、前記衛星セットの位置と前記位相シフト量との間の関係を表す方程式を取得し、
    複数種類の衛星セットのそれぞれに対して得られる複数の方程式を解くことによって、前記複数の衛星の間の前記相対位置関係を推定する
    ように構成された
    衛星位置推定システム。
  2. 請求項に記載の衛星位置推定システムであって、
    前記方程式は、前記受信信号強度が最大となる場合の、前記衛星セットの前記位置と、前記位相シフト量と、前記複数の中継衛星の各々における信号処理による遅れとの間の関係を表す
    衛星位置推定システム。
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