JP7414852B2 - 眼科装置、及びその制御方法 - Google Patents

眼科装置、及びその制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、眼科装置、及びその制御方法に関する。
近年、眼科装置を用いたスクリーニング検査が行われる。このような眼科装置は、自己検診への応用も期待されており、より一層の小型化、軽量化が望まれる。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、スリット光を用いて被検眼をパターン照明し、その戻り光をCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサで検出するように構成された眼科装置が開示されている。この眼科装置は、照明パターンと、CMOSイメージセンサによる受光タイミングとを調整することにより、簡素な構成で被検眼の画像を取得することが可能である。
米国特許第7831106号明細書 米国特許第8237835号明細書
しかしながら、被検眼の瞳孔が小瞳孔である場合、眼内に入射する光量が低下し、取得される被検眼の画像(特に中心部)が暗くなることが知られている。また、被検眼の状態(屈折度数等)によっては画質が低下する。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、簡素な構成で、被検眼の状態に影響されることなく被検眼の高画質の画像を取得するための新たな技術を提供することにある。
いくつかの実施形態の第1態様は、光源と、前記光源からの光を用いてスリット状の照明光を生成する照明光学系と、前記照明光を偏向して被検眼の眼底に導く光スキャナと、前記眼底からの前記照明光の戻り光をイメージセンサに導く撮影光学系と、前記眼底における前記照明光の照射位置に対応した前記戻り光の受光結果を取得するようにローリングシャッター方式で前記イメージセンサを制御する制御部と、を含み、記照明光学系は、前記眼底と光学的に略共役な位置に配置可能なスリット状の開口部が形成されたスリットと、前記光源と前記スリットとの間に配置され、前記被検眼の虹彩と光学的に略共役な位置に配置可能な虹彩絞りと、前記光源と前記虹彩絞りとの間に配置され、前記光源からの光を偏向する光学素子と、を含む、眼科装置である。
いくつかの実施形態の第2態様は、光源と、被検眼の眼底と光学的に略共役な位置に配置可能なスリット状の開口部が形成されたスリットを含み、前記光源からの光を用いてスリット状の照明光を生成する照明光学系と、前記スリットを前記照明光学系の光軸方向に移動する第1移動機構と、前記照明光を偏向して前記眼底に導く光スキャナと、前記眼底からの前記照明光の戻り光をイメージセンサに導く撮影光学系と、前記眼底における前記照明光の照射位置に対応した前記戻り光の受光結果を取得するようにローリングシャッター方式で前記イメージセンサを制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記被検眼の屈折度数に基づいて前記第1移動機構を制御する、眼科装置である。
いくつかの実施形態の第3態様は、第2態様において、前記光源の位置及び向きの少なくとも1つを変更する第2移動機構を含み、前記制御部は、前記第1移動機構により移動された前記スリットの位置に応じて、前記第2移動機構を制御する。
いくつかの実施形態の第4態様は、第3態様において、前記照明光学系は、前記光源と前記スリットとの間に配置され、前記被検眼の虹彩と光学的に略共役な位置に配置可能な虹彩絞りを含み、前記制御部は、前記虹彩絞りを通過した光が前記開口部を通過するように前記第2移動機構を制御する。
いくつかの実施形態の第5態様では、第4態様において、前記照明光学系は、前記光スキャナと前記スリットとの間に配置された第1リレーレンズ系を含み、前記第1リレーレンズ系の後側焦点位置は、前記虹彩と光学的に略共役な位置である。
いくつかの実施形態の第6態様では、第5態様において、前記光スキャナは、前記後側焦点位置又はその近傍に配置される。
いくつかの実施形態の第7態様は、第5態様又は第6態様において、観察用光源と、前記第1リレーレンズ系と前記虹彩絞りとの間に配置され、前記光源から出力された光の光路と前記観察用光源から出力された光の光路とを結合する光路結合部材と、前記観察用光源と前記光路結合部材との間に配置された観察用虹彩絞りと、を含む。
いくつかの実施形態の第8態様は、第5態様又は第6態様において、前記スリットと前記虹彩絞りとに間に配置された第2リレーレンズ系を含み、前記第2リレーレンズ系の前側焦点位置又はその近傍に、前記虹彩絞りが配置される。
いくつかの実施形態の第9態様では、第8態様において、前記第1レンズの屈折度及び前記第2レンズの屈折度の少なくとも1つを変更可能である。
いくつかの実施形態の第10態様では、第9態様において、前記光源の発光面のサイズに応じて、前記第1レンズの屈折度及び前記第2レンズの屈折度の少なくとも1つを変更可能である。
いくつかの実施形態の第11態様は、第8態様~第10態様のいずれかにおいて、観察用光源と、前記第2リレーレンズ系と前記虹彩絞りとの間に配置され、前記光源から出力された光の光路と前記観察用光源から出力された光の光路とを結合する光路結合部材と、前記観察用光源と前記光路結合部材との間に配置された観察用虹彩絞りと、を含む。
いくつかの実施形態の第12態様では、第4態様~第11態様のいずれかにおいて、前記虹彩絞りには、前記被検眼の角膜、水晶体前面、及び水晶体後面において前記照明光の光束断面と前記被検眼からの戻り光の光束断面とが分離するように、前記照明光が通過する1以上の開口部が形成されている。
いくつかの実施形態の第13態様では、第12態様において、前記虹彩絞りには、2以上の開口部が形成され、前記2以上の開口部は、前記照明光学系の光軸を通り前記スリットに形成された開口部の長手方向に対応した方向に伸びる直線に対して線対称に形成される。
いくつかの実施形態の第14態様では、第13態様において、前記開口部は、弓形形状であり、前記弓形形状の弦の方向は、前記スリットに形成された開口部の長手方向に対応した方向に略平行である。
いくつかの実施形態の第15態様では、第4態様~第14態様のいずれかにおいて、前記照明光学系は、前記光源と前記虹彩絞りとの間に配置され、前記光源からの光を偏向する光学素子を含む。
いくつかの実施形態の第16態様では、第1態様又は第15態様において、前記光学素子は、前記虹彩絞りと前記開口部とを結ぶ方向の光量分布が最大になるように前記光源からの光を偏向する。
いくつかの実施形態の第17態様は、第1態様、第15態様、又は第16態様において、前記光学素子の位置及び向きの少なくとも1つを変更する第3移動機構を含み、前記制御部は、前記第3移動機構を制御する。
いくつかの実施形態の第18態様では、第1態様、第15態様~第17態様のいずれかにおいて、前記光学素子は、プリズム、マイクロレンズアレイ又はフレネルレンズを含む。
いくつかの実施形態の第19態様は、光源と、被検眼の眼底と光学的に略共役な位置に配置可能なスリット状の開口部が形成されたスリットを含み、前記光源からの光を用いてスリット状の照明光を生成する照明光学系と、前記スリットを前記照明光学系の光軸方向に移動する第1移動機構と、前記照明光を偏向して前記眼底に導く光スキャナと、前記眼底からの前記照明光の戻り光をイメージセンサに導く撮影光学系と、前記眼底における前記照明光の照射位置に対応した前記戻り光の受光結果を取得するようにローリングシャッター方式で前記イメージセンサを制御する制御部と、を含む眼科装置の制御方法である。眼科装置の制御方法は、前記被検眼の屈折度数を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された前記屈折度数に基づいて前記第1移動機構を制御する第1制御ステップと、を含む。
いくつかの実施形態の第20態様では、第19態様において、前記眼科装置は、前記光源の位置及び向きの少なくとも1つを変更する第2移動機構を含む。眼科装置の制御方法は、前記第1移動機構により移動された前記スリットの位置に応じて、前記第2移動機構を制御する第2制御ステップを含む。
いくつかの実施形態の第21態様では、第20態様において、前記照明光学系は、前記光源と前記スリットとの間に配置され、前記被検眼の虹彩と光学的に略共役な位置に配置可能な虹彩絞りを含む。眼科装置の制御方法では、前記第2制御ステップは、前記虹彩絞りを通過した光が前記開口部を通過するように前記第2移動機構を制御する。
いくつかの実施形態の第22態様では、第21態様において、前記照明光学系は、前記光源と前記虹彩絞りとの間に配置され、前記光源からの光を偏向する光学素子を含み、前記眼科装置は、前記光学素子の位置及び向きの少なくとも1つを変更する第3移動機構を含む。眼科装置の制御方法は、前記第3移動機構を制御する第3制御ステップを含む。
いくつかの実施形態の第23態様では、第22態様において、前記光学素子は、プリズム、マイクロレンズアレイ又はフレネルレンズを含む。
なお、上記した複数の態様に係る構成を任意に組み合わせることが可能である。
この発明によれば、簡素な構成で、被検眼の状態に影響されることなく被検眼の高画質の画像を取得するための新たな技術を提供することができる。
第1実施形態に係る眼科装置の光学系の構成例を示す概略図である。 第1実施形態に係る眼科装置の制御系の構成例を示す概略図である。 第1実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 第1実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 第1実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 第1実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 第1実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 第1実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 第1実施形態に係る眼科装置の動作例のフロー図である。 第2実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 第3実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 第3実施形態に係る眼科装置の構成例の説明図である。 第3実施形態に係る眼科装置の構成例の説明図である。 第4実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 第4実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 第5実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 第6実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 第6実施形態に係る眼科装置の構成例の説明図である。 第7実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。
この発明に係る眼科装置、及びその制御方法の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この明細書に記載された文献の記載内容を、以下の実施形態の内容として適宜援用することが可能である。
実施形態に係る眼科装置は、スリット状の照明光の照射位置(照射範囲)を移動させながら被検眼の所定部位を照明し、1次元的に又は2次元的に受光素子が配列されたイメージセンサを用いて所定部位からの戻り光を受光する。戻り光の受光結果は、照明光の照射位置の移動タイミングに同期して、照明光の照射位置に対応した戻り光の受光位置における受光素子から読み出される。いくつかの実施形態では、所定部位は、前眼部、又は後眼部である。前眼部には、角膜、虹彩、水晶体、毛様体、チン小帯などがある。後眼部には、硝子体、眼底又はその近傍(網膜、脈絡膜、強膜など)などがある。
実施形態に係る眼科装置の制御方法は、実施形態に係る眼科装置においてプロセッサ(コンピュータ)により実行される処理を実現するための1以上のステップを含む。実施形態に係るプログラムは、プロセッサに実施形態に係る眼科装置の制御方法の各ステップを実行させる。
本明細書において「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。プロセッサは、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
以下、実施形態に係る眼科装置が、主に、被検眼の眼底の画像を取得する場合について説明する。
<第1実施形態>
[光学系の構成]
図1~図4に、第1実施形態に係る眼科装置の構成例のブロック図を示す。図1は、第1実施形態に係る眼科装置1の光学系の構成例を表す。図2は、第1実施形態に係る眼科装置1の制御系(処理系)の構成例のブロック図を表す。図3は、光軸Oの方向からみたときの図1の虹彩絞り21の構成例を模式的に表す。図4は、側面又は上面からみたときの図1の虹彩絞り21と図1のスリット22の構成例を表す。図1~図4において、同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
眼科装置1は、光源10と、照明光学系20と、光スキャナ30と、投影光学系35と、撮影光学系40と、撮像装置50とを含む。いくつかの実施形態では、照明光学系20は、光源10、光スキャナ30、及び投影光学系35の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、撮影光学系40は、撮像装置50を含む。いくつかの実施形態では、投影光学系35又は照明光学系20は、光スキャナ30を含む。
(光源10)
光源10は、可視領域の光を発生する可視光源を含む。例えば、光源10は、420nm~700nmの波長範囲の中心波長を有する光を発生する。このような光源10は、例えば、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)、ハロゲンランプ、又はキセノンランプを含む。いくつかの実施形態では、光源10は、白色光源又はRGBの各色成分の光を出力可能な光源を含む。いくつかの実施形態では、光源10は、赤外領域の光又は可視領域の光を切り換えて出力することが可能な光源を含む。光源10は、眼底Ef及び虹彩のそれぞれと光学的に非共役な位置に配置される。
(照明光学系20)
照明光学系20は、光源10からの光を用いてスリット状の照明光を生成する。照明光学系20は、生成された照明光を光スキャナ30に導く。
照明光学系20は、虹彩絞り21と、スリット22と、リレーレンズ23とを含む。光源10からの光は、虹彩絞り21に形成された開口部を通過し、スリット22に形成された開口部を通過し、リレーレンズ23を透過する。リレーレンズ23は、1以上のレンズを含む。リレーレンズ23を透過した光は、光スキャナ30に導かれる。
(虹彩絞り21)
虹彩絞り21(具体的には、後述の開口部)は、被検眼Eの虹彩(瞳孔)と光学的に略共役な位置に配置可能である。虹彩絞り21には、光軸Oから離れた位置に1以上の開口部が形成されている。例えば、図3に示すように、虹彩絞り21には、光軸Oと中心とする円周方向に沿って所定の厚さを有する開口部21A、21Bが形成されている。虹彩絞り21に形成された開口部は、被検眼Eの虹彩における照明光の入射位置(入射形状)を規定する。例えば、図3に示すように開口部21A、21Bを形成することにより、光軸Oに被検眼Eの瞳孔中心が配置されたとき、瞳孔中心から偏心した位置(具体的には、瞳孔中心を中心とする点対称の位置)から照明光を眼内に入射させることが可能である。
図4に示すように、光源10と虹彩絞り21との間には、光学素子24が配置される。光学素子24は、虹彩と光学的に略共役な位置に配置可能である。光学素子24は、光源からの光を偏向する。光学素子24は、虹彩絞り21に形成された開口部21A(又は開口部21B)とスリット22に形成された開口部とを結ぶ方向の光量分布が最大になるように光源10からの光を偏向する。このような光学素子の例として、プリズム、マイクロレンズアレイ、又はフレネルレンズなどがある。図4では、虹彩絞り21に形成された開口部ごとに光学素子24が設けられているが、1つの素子で虹彩絞り21に形成された開口部21A、21Bを通過する光を偏向するように構成されていてもよい。
また、光源10と虹彩絞り21に形成された開口部との間の相対位置を変更することにより、虹彩絞り21に形成された開口部を通過する光の光量分布を変更することが可能である。
(スリット22)
スリット22(具体的には、後述の開口部)は、被検眼Eの眼底Efと光学的に略共役な位置に配置可能である。例えば、スリット22には、後述するイメージセンサ51からローリングシャッター方式で読み出されるライン方向(ロウ方向)に対応した方向に開口部が形成されている。スリット22に形成された開口部は、被検眼Eの眼底Efにおける照明光の照射パターンを規定する。
スリット22は、移動機構(後述の移動機構22D)により照明光学系20の光軸方向に移動可能である。移動機構は、後述の制御部100からの制御を受け、スリット22を光軸方向に移動する。例えば、制御部100は、被検眼Eの状態に応じて移動機構を制御する。これにより、被検眼Eの状態(具体的には、屈折度数、眼底Efの形状)に応じてスリット22の位置を移動することができる。
いくつかの実施形態では、スリット22は、被検眼Eの状態に応じて、光軸方向に移動されることなく開口部の位置及び形状の少なくとも1つを変更可能に構成される。このようなスリット22の機能は、例えば液晶シャッターにより実現される。
虹彩絞り21に形成された開口部を通過した光源10からの光は、スリット22に形成された開口部を通過することによりスリット状の照明光として出力される。スリット状の照明光は、リレーレンズ23を透過して、光スキャナ30に導かれる。
(光スキャナ30)
光スキャナ30は、被検眼Eの虹彩と光学的に略共役な位置に配置される。光スキャナ30は、リレーレンズ23を透過するスリット状の照明光(スリット22に形成された開口部を通過したスリット状の光)を偏向する。具体的には、光スキャナ30は、被検眼Eの虹彩又はその近傍をスキャン中心位置として所定の偏向角度範囲内で偏向角度を変更しつつ、眼底Efの所定の照明範囲を順次に照明するためのスリット状の照明光を偏向し、投影光学系35に導く。光スキャナ30は、照明光を1次元的又は2次元的に偏向することが可能である。
1次元的に偏向する場合、光スキャナ30は、所定の偏向方向を基準に所定の偏向角度範囲で照明光を偏向するガルバノスキャナを含む。2次元的に偏向する場合、光スキャナ30は、第1ガルバノスキャナと、第2ガルバノスキャナとを含む。第1ガルバノスキャナは、照明光学系20の光軸に直交する水平方向に照明光の照射位置を移動するように照明光を偏向する。第2ガルバノスキャナは、照明光学系20の光軸に直交する垂直方向に照明光の照射位置を移動するように、第1ガルバノスキャナにより偏向された照明光を偏向する。光スキャナ30による照明光の照射位置を移動するスキャン態様としては、例えば、水平スキャン、垂直スキャン、十字スキャン、放射スキャン、円スキャン、同心円スキャン、螺旋スキャンなどがある。
(投影光学系35)
投影光学系35は、光スキャナ30により偏向された照明光を被検眼Eの眼底Efに導く。実施形態では、投影光学系35は、後述の光路結合部材としての穴鏡45により撮影光学系40の光路と結合された光路を介して、光スキャナ30により偏向された照明光を眼底Efに導く。
投影光学系35は、リレーレンズ41、黒点板42、反射ミラー43、リレーレンズ44を含む。リレーレンズ41、44のそれぞれは、1以上のレンズを含む。
(黒点板42)
黒点板42は、対物レンズ46のレンズ表面又はその近傍と光学的に略共役な位置に配置される。これにより、対物レンズ46のレンズ表面からの反射光が光源10に導光されることを防ぐことができる。
このような投影光学系35では、光スキャナ30により偏向された照明光は、リレーレンズ41を透過し、黒点板42を通過し、反射ミラー43により穴鏡45に向けて反射される。
(撮影光学系40)
撮影光学系40は、投影光学系35を導かれてきた照明光を被検眼Eの眼底Efに導くと共に、眼底Efからの照明光の戻り光を撮像装置50に導く。
撮影光学系40では、投影光学系35からの照明光の光路と、眼底Efからの照明光の戻り光の光路とが結合される。これらの光路を結合する光路結合部材として穴鏡45を用いることで、照明光とその戻り光とを瞳分割することが可能である。
撮影光学系40は、穴鏡45、対物レンズ46、合焦レンズ47、リレーレンズ48、及び結像レンズ49を含む。リレーレンズ48のそれぞれは、1以上のレンズを含む。
(穴鏡45)
穴鏡45には、撮影光学系40の光軸に配置される孔部が形成される。穴鏡45の孔部は、被検眼Eの虹彩と光学的に略共役な位置に配置される。穴鏡45は、孔部の周辺領域において、投影光学系35からの照明光を対物レンズ46に向けて反射する。このような穴鏡45は、撮影絞りとして機能する。
すなわち、穴鏡45は、照明光学系20(投影光学系35)の光路と孔部を通過する光軸の方向に配置された撮影光学系40の光路とを結合すると共に、孔部の周辺領域において反射された照明光を眼底Efに導くように構成される。
(合焦レンズ47)
合焦レンズ47は、図示しない移動機構により撮影光学系40の光軸方向に移動可能である。移動機構は、後述の制御部100からの制御を受け、合焦レンズ47を光軸方向に移動する。これにより、被検眼Eの状態に応じて、穴鏡45の孔部を通過した照明光の戻り光を撮像装置50のイメージセンサ51の受光面に結像させることができる。
このような撮影光学系40では、投影光学系35からの照明光は、穴鏡45に形成された孔部の周辺領域において対物レンズ46に向けて反射される。穴鏡45の周辺領域において反射された照明光は、対物レンズ46により屈折されて、被検眼Eの瞳孔を通じて眼内に入射し、被検眼Eの眼底Efを照明する。
眼底Efからの照明光の戻り光は、対物レンズ46により屈折され、穴鏡45の孔部を通過し、合焦レンズ47を透過し、リレーレンズ48を透過し、結像レンズ49により撮像装置50のイメージセンサ51の受光面に結像される。
(撮像装置50)
撮像装置50は、撮影光学系40を通じて被検眼Eの眼底Efから導かれてきた照明光の戻り光を受光するイメージセンサ51を含む。撮像装置50は、後述の制御部100からの制御を受け、戻り光の受光結果の読み出し制御を行うことが可能である。
(イメージセンサ51)
イメージセンサ51は、ピクセル化された受光器としての機能を実現する。イメージセンサ51の受光面(検出面、撮像面)は、眼底Efと光学的に略共役な位置に配置可能である。
イメージセンサ51による受光結果は、後述の制御部100からの制御を受け、ローリングシャッター方式により読み出される。
このようなイメージセンサ51は、CMOSイメージセンサを含む。この場合、イメージセンサ51は、ロウ方向に配列された複数のピクセル(受光素子)群がカラム方向に配列された複数のピクセルを含む。具体的には、イメージセンサ51は、2次元的に配列された複数のピクセルと、複数の垂直信号線と、水平信号線とを含む。各ピクセルは、フォトダイオード(受光素子)と、キャパシタとを含む。複数の垂直信号線は、ロウ方向(水平方向)に直交するカラム方向(垂直方向)のピクセル群毎に設けられる。各垂直信号線は、受光結果に対応した電荷が蓄積されたピクセル群と選択的に電気的に接続される。水平信号線は、複数の垂直信号線と選択的に電気的に接続される。各ピクセルは、戻り光の受光結果に対応した電荷を蓄積し、蓄積された電荷は、例えばロウ方向のピクセル群毎に順次読み出される。例えば、ロウ方向のライン毎に、各ピクセルに蓄積された電荷に対応した電圧が垂直信号線に供給される。複数の垂直信号線は、選択的に水平信号線と電気的に接続される。垂直方向に順次に上記のロウ方向のライン毎の読み出し動作を行うことで、2次元的に配列された複数のピクセルの受光結果を読み出すことが可能である。
このようなイメージセンサ51に対してローリングシャッター方式で戻り光の受光結果を取り込む(読み出す)ことにより、ロウ方向に延びる所望の仮想的な開口形状に対応した受光像が取得される。このような制御については、例えば、米国特許第8237835号明細書等に開示されている。
図5に、実施形態に係る眼科装置1の動作説明図を示す。図5は、眼底Efに照射されるスリット状の照明光の照射範囲IPと、イメージセンサ51の受光面SRにおける仮想的な開口範囲OPとを模式的に表す。
例えば、後述の制御部100は、照明光学系20により形成されたスリット状の照明光を光スキャナ30を用いて偏向する。それにより、眼底Efにおいて、スリット状の照明光の照射範囲IPがスリット方向(例えば、ロウ方向、水平方向)と直交する方向(例えば、垂直方向)に順次に移動される。
イメージセンサ51の受光面SRでは、後述の制御部100によって読み出し対象のピクセルをライン単位で変更することによって、仮想的な開口範囲OPが設定される。開口範囲OPは、受光面SRにおける照明光の戻り光の受光範囲IP´又は受光範囲IP´より広い範囲であることが望ましい。後述の制御部100は、照明光の照射範囲IPの移動制御に同期して、開口範囲OPの移動制御を実行する。それにより、不要な散乱光の影響を受けることなく、簡素な構成で、コントラストが強い眼底Efの高画質の画像を取得することが可能である。
図6及び図7に、イメージセンサ51に対するローリングシャッター方式の制御タイミングの一例を模式的に示す。図6は、イメージセンサ51に対する読み出し制御のタイミングの一例を表す。図7は、照明光の照射範囲IP(受光範囲IP´)の移動制御タイミングを図6の読み出し制御タイミングに重畳させて表したものである。図6及び図7において、横軸はイメージセンサ51のロウ数、縦軸は時間を表す。
なお、図6及び図7では、説明の便宜上、イメージセンサ51のロウ数が1920であるものとして説明するが、実施形態に係る構成はロウ数に限定されるものではない。また、図7において、説明の便宜上、スリット状の照明光のスリット幅(ロウ方向の幅)が40ロウ分であるものとする。
ロウ方向の読み出し制御は、リセット制御と、露光制御と、電荷転送制御と、出力制御とを含む。リセット制御は、ロウ方向のピクセルに蓄積されている電荷の蓄積量を初期化する制御である。露光制御は、フォトダイオードに光を当てて、受光量に対応した電荷をキャパシタに蓄積させる制御である。電荷転送制御は、ピクセルに蓄積された電荷量を垂直信号線に転送する制御である。出力制御は、複数の垂直信号線に蓄積された電荷量を水平信号線を介して出力する制御である。すなわち、図6に示すように、ロウ方向のピクセルに蓄積された電荷量の読み出し時間Tは、リセット制御に要する時間Tr、露光制御に要する時間(露光時間)Te、電荷転送制御に要する時間Tc、出力制御に要する時間Toutの和である。
図6では、ロウ単位で読み出し開始タイミング(時間Tcの開始タイミング)をシフトさせることで、イメージセンサ51における所望の範囲のピクセルに蓄積された受光結果(電荷量)が取得される。例えば、図6に示すピクセル範囲が1フレーム分の画像である場合、フレームレートFRが一意に決まる。
この実施形態では、複数のロウ数分のスリット幅を有する照明光の眼底Efにおける照射位置を、眼底Efにおいてカラム方向に対応する方向に順次にシフトさせる。
例えば、図7に示すように、所定のシフト時間Δt毎に、照明光の眼底Efにおける照射位置をカラム方向に対応する方向にロウ単位でシフトさせる。シフト時間Δtは、イメージセンサ51におけるピクセルの露光時間Teを照明光のスリット幅(例えば、40)で分割することにより得られる(Δt=Te/40)。この照射位置の移動タイミングに同期させて、シフト時間Δt単位でロウ毎にピクセルの各ロウの読み出し開始タイミングを遅延させて開始させる。これにより、簡素な制御で、且つ、短時間に、コントラストが強い眼底Efの高画質の画像を取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、イメージセンサ51は、1以上のラインセンサにより構成される。
[制御系の構成]
図2に示すように、眼科装置1の制御系は、制御部100を中心に構成されている。なお、制御系の構成の少なくとも一部が眼科装置1に含まれていてもよい。
(制御部100)
制御部100は、眼科装置1の各部を制御する。制御部100は、主制御部101と、記憶部102とを含む。主制御部101は、プロセッサを含み、記憶部102に記憶されたプログラムに従って処理を実行することで、眼科装置1の各部の制御処理を実行する。
(主制御部101)
主制御部101は、光源10、移動機構10Dの制御、照明光学系20の制御、光スキャナ30の制御、撮影光学系40の制御、撮像装置50の制御、及びデータ処理部200の制御を行う。
光源10の制御には、光源の点灯や消灯(又は光の波長領域)の切り替え、光源の光量の変更制御が含まれる。
移動機構10Dは、公知の機構により、光源10の位置及び向きの少なくとも1つを変更する。主制御部101は、虹彩絞り21及びスリット22に対する光源10の相対位置及び相対向きの少なくとも1つを変更することが可能である。
照明光学系20の制御には、移動機構22Dの制御が含まれる。移動機構22Dは、スリット22を照明光学系20の光軸方向に移動する。主制御部101は、被検眼Eの状態に応じて移動機構22Dを制御することにより、被検眼Eの状態に対応した位置にスリット22を配置する。被検眼Eの状態として、眼底Efの形状、屈折度数、眼軸長などがある。屈折度数は、例えば、特開昭61-293430号公報又は特開2010-259495号公報に開示されているような公知の眼屈折力測定装置から取得可能である。眼軸長は、公知の眼軸長測定装置、又は光干渉断層計の測定値から取得可能である。
例えば、屈折度数に対して照明光学系20の光軸におけるスリット22の位置があらかじめ関連付けられた第1制御情報が記憶部102に記憶されている。主制御部101は、第1制御情報を参照して屈折度数に対応したスリット22の位置を特定し、特定された位置にスリット22が配置されるように移動機構22Dを制御する。
ここで、スリット22の移動に伴い、スリット22に形成された開口部を通過する光の光量分布が変化する。このとき、上記のように、主制御部101は、移動機構10Dを制御することにより、光源10の位置及び向きを変更することが可能である。
図8に、実施形態に係る主制御部101の制御内容の説明図を示す。図8において、図1~図4と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
上記のように、被検眼Eの状態に応じて、移動前のスリット22´の位置からスリット22の位置が移動される。これにより、スリット22に形成された開口部を通過する光の光量分布が変化する。
このとき、主制御部101が移動機構10Dを制御することにより、虹彩絞り21と光源10との相対位置が変化する。虹彩絞り21に形成された開口部21A、21Bと光源10との相対位置を変更することで、開口部21A、21Bを通過する光の光量分布が変更される。更に、スリット22に形成された開口部における、虹彩絞り21の開口部21A、21Bを通過した光の光量分布が変更される。
主制御部101は、被検眼Eの状態としての被検眼Eの屈折度数、スリット22の移動後の位置(又は基準位置に対するスリット22の移動方向及び移動量)に基づいて移動機構10Dを制御することが可能である。
例えば、屈折度数、スリット22の移動後の位置(又は基準位置に対するスリット22の移動方向及び移動量)に対して光源10の位置及び向きの少なくとも1つがあらかじめ関連付けられた第2制御情報が記憶部102に記憶されている。主制御部101は、第2制御情報を参照して、屈折度数又はスリット22の移動後の位置に対応した光源10の位置及び向きの少なくとも1つを特定し、特定された位置又は向きに光源10が配置されるように移動機構10Dを制御する。
図2において、光スキャナ30の制御には、スキャン範囲(スキャン開始位置及びスキャン終了位置)及びスキャン速度の制御が含まれる。
撮影光学系40の制御には、移動機構47Dの制御が含まれる。移動機構47Dは、合焦レンズ47を撮影光学系40の光軸方向に移動する。主制御部101は、イメージセンサ51を用いて取得された画像の解析結果に基づいて移動機構47Dを制御することが可能である。また、主制御部101は、後述の操作部110を用いたユーザの操作内容に基づいて移動機構47Dを制御することが可能である。
撮像装置50の制御には、イメージセンサ51の制御(ローリングシャッター制御)が含まれる。イメージセンサ51の制御には、リセット制御、露光制御、電荷転送制御、出力制御などが含まれる。また、リセット制御に要する時間Tr、露光制御に要する時間(露光時間)Te、電荷転送制御に要する時間Tc、出力制御に要する時間Tout等を変更することが可能である。
データ処理部200の制御には、イメージセンサ51から取得された受光結果に対する各種の画像処理や解析処理が含まれる。画像処理には、受光結果に対するノイズ除去処理、受光結果に基づく受光像に描出された所定の部位を識別しやすくするための輝度補正処理がある。解析処理には、合焦状態の特定処理などがある。
データ処理部200は、主制御部101(制御部100)からの制御を受けてローリングシャッター方式によりイメージセンサ51から読み出された受光結果に基づいて、任意の開口範囲に対応した受光像を形成することが可能である。データ処理部200は、開口範囲に対応した受光像を順次に形成し、形成された複数の受光像から被検眼Eの画像を形成することが可能である。
データ処理部200は、プロセッサを含み、記憶部等に記憶されたプログラムに従って処理を行うことで、上記の機能を実現する。
いくつかの実施形態では、光源10は、2以上の光源を含む。この場合、2以上の光源のそれぞれは、虹彩絞り21に形成された2以上の開口部に対応して設けられる。主制御部201は、2以上の光源のそれぞれに対応して設けられた移動機構を制御することにより、各光源の位置及び向き(光量分布が最大になる方向の向き)の少なくとも1つを変更することが可能である。
いくつかの実施形態では、光学素子24は、虹彩絞り21に形成された開口部に対して、位置及び向きの少なくとも1つを変更可能である。例えば、主制御部101は、光学素子24を移動させる移動機構を制御することにより、位置及び向きの少なくとも1つを変更することが可能である。
(記憶部102)
記憶部102は、各種のコンピュータプログラムやデータを記憶する。コンピュータプログラムには、眼科装置1を制御するための演算プログラムや制御プログラムが含まれる。
(操作部110)
操作部110は、操作デバイス又は入力デバイスを含む。操作部110には、眼科装置1に設けられたボタンやスイッチ(たとえば操作ハンドル、操作ノブ等)や、操作デバイス(マウス、キーボード等)が含まれる。また、操作部110は、トラックボール、操作パネル、スイッチ、ボタン、ダイアルなど、任意の操作デバイスや入力デバイスを含んでいてよい。
(表示部120)
表示部120は、データ処理部200により生成された被検眼Eの画像を表示させる。表示部120は、LCD(Liquid Crystal Display)等のフラットパネルディスプレイなどの表示デバイスを含んで構成される。また、表示部120は、眼科装置1の筺体に設けられたタッチパネルなどの各種表示デバイスを含んでいてもよい。
なお、操作部110と表示部120は、それぞれ個別のデバイスとして構成される必要はない。例えばタッチパネルのように、表示機能と操作機能とが一体化されたデバイスを用いることも可能である。その場合、操作部110は、このタッチパネルとコンピュータプログラムとを含んで構成される。操作部110に対する操作内容は、電気信号として制御部100に入力される。また、表示部120に表示されたグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)と、操作部110とを用いて、操作や情報入力を行うようにしてもよい。いくつかの実施形態では、表示部120及び操作部110の機能は、タッチスクリーンにより実現される。
(その他の構成)
いくつかの実施形態では、眼科装置1は、更に、固視投影系を含む。例えば、固視投影系の光路は、図1に示す光学系の構成において、撮影光学系40の光路に結合される。固視投影系は、内部固視標又は外部固視標を被検眼Eに提示することが可能である。内部固視標を被検眼Eに提示する場合、固視投影系は、制御部100からの制御を受けて内部固視標を表示するLCDを含み、LCDから出力された固視光束を被検眼Eの眼底に投影する。LCDは、その画面上における固視標の表示位置を変更可能に構成されている。LCDにおける固視標の表示位置を変更することにより、被検眼Eの眼底における固視標の投影位置を変更することが可能である。LCDにおける固視標の表示位置は、操作部110を用いることによりユーザが指定可能である。
いくつかの実施形態では、眼科装置1は、アライメント系を含む。いくつかの実施形態では、アライメント系は、XYアライメント系と、Zアライメント系とを含む。XYアライメント系は、装置光学系(対物レンズ46)の光軸に交差する方向に装置光学系と被検眼Eとの位置合わせを行うために用いられる。Zアライメント系は、眼科装置1(対物レンズ46)の光軸の方向に装置光学系と被検眼Eとの位置合わせを行うために用いられる。
例えば、XYアライメント系は、被検眼Eに輝点(赤外領域又は近赤外領域の輝点)を投影する。データ処理部200は、輝点が投影された被検眼Eの前眼部像を取得し、取得された前眼部像に描出された輝点像とアライメント基準位置との変位を求める。制御部100は、求められた変位がキャンセルされるように図示しない移動機構により装置光学系と被検眼Eとを光軸の方向と交差する方向に相対的に移動させる。
例えば、Zアライメント系は、装置光学系の光軸から外れた位置から赤外領域又は近赤外領域のアライメント光を投影し、被検眼Eの前眼部で反射されたアライメント光を受光する。データ処理部200は、装置光学系に対する被検眼Eの距離に応じて変化するアライメント光の受光位置から、装置光学系に対する被検眼Eの距離を特定する。制御部100は、特定された距離が所望の作動距離になるように図示しない移動機構により装置光学系と被検眼Eとを光軸の方向に相対的に移動させる。
いくつかの実施形態では、アライメント系の機能は、装置光学系の光軸から外れた位置に配置された2以上の前眼部カメラにより実現される。例えば、特開2013-248376号公報に開示されているように、データ処理部200は、2以上の前眼部カメラで実質的に同時に取得された被検眼Eの前眼部像を解析して、公知の三角法を用いて被検眼Eの3次元位置を特定する。制御部100は、装置光学系の光軸が被検眼Eの軸に略一致し、かつ、被検眼Eに対する装置光学系の距離が所定の作動距離になるように図示しない移動機構により装置光学系と被検眼Eとを3次元的に相対的に移動させる。
移動機構22Dは、実施形態に係る「第1移動機構」の一例である。移動機構10Dは、実施形態に係る「第2移動機構」の一例である。光学素子24の位置及び向きの少なくとも1つを変更する移動機構(不図示)は、実施形態に係る「第3移動機構」の一例である。
[動作]
次に、眼科装置1の動作について説明する。
図9に、実施形態に係る眼科装置1の動作例のフロー図を示す。記憶部102には、図9に示す処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されている。主制御部101は、このコンピュータプログラムに従って動作することにより、図9に示す処理を実行する。
ここでは、図示しないアライメント系により被検眼Eに対して装置光学系のアライメントが完了し、図示しない固視投影系により所望の固視位置に導くように被検眼Eの眼底に対して固視標が投影されているものとする。
(S1:屈折度数を取得)
まず、主制御部101は、外部の眼科測定装置又は電子カルテから被検眼Eの屈折度数を取得する。
(S2:スリットの位置を変更)
次に、主制御部101は、ステップS1において取得された被検眼Eの屈折度数に応じて、照明光学系20の光軸におけるスリット22の位置を変更する。
具体的には、主制御部101は、記憶部102に記憶された第1制御情報を参照して屈折度数に対応したスリット22の位置を特定し、特定された位置にスリット22が配置されるように移動機構22Dを制御する。
(S3:光源の位置又は向きを変更)
続いて、主制御部101は、ステップS2において光軸における位置が変更されたスリット22の新たな位置に応じて、光源10の位置及び向きの少なくとも1つを変更する。
具体的には、主制御部101は、記憶部102に記憶された第2制御情報を参照して、屈折度数又はスリット22の移動後の位置に対応した光源10の位置及び向きの少なくとも1つを特定する。その後、主制御部101は、特定された位置又は向きに光源10が配置されるように移動機構10Dを制御する。
(S4:照明光を照射)
次に、主制御部101は、照明光学系20によりスリット状の照明光を生成させ、光スキャナ30の偏向制御を開始させることにより、眼底Efにおける所望の照射範囲に対する照明光の照射を開始させる。照明光の照射が開始されると、上記のように、スリット状の照明光が所望の照射範囲内で順次に照射される。
(S5:受光結果を取得)
主制御部101は、上記のように、ステップS4において実行された眼底Efにおける照明光の照射範囲に対応したイメージセンサ51の開口範囲におけるピクセルの受光結果を取得する。
(S6:次の照射位置?)
主制御部101は、次に照明光で照射すべき照射位置があるか否かを判定する。主制御部101は、順次に移動される照明光の照射範囲があらかじめ決められた眼底Efの撮影範囲を網羅したか否かを判定することにより、次に照明光で照射すべき照射位置があるか否かを判定することが可能である。
次に照明光で照射すべき照射位置があると判定されたとき(S6:Y)、眼科装置1の動作はステップS4に移行する。次に照明光で照射すべき照射位置があると判定されなかったとき(S6:N)、眼科装置1の動作はステップS7に移行する。
(S7:画像を形成)
ステップS6において、次に照明光で照射すべき照射位置があると判定されなかったとき(S6:N)、主制御部101は、ステップS5において照明光の照射範囲を変更しつつ繰り返し取得された受光結果から被検眼Eの画像をデータ処理部200に形成させる。
例えば、データ処理部200は、ステップS4~ステップS6の処理の繰返し回数分の互いに照明光の照射範囲(イメージセンサ51の受光面SRにおける開口範囲)が異なる複数の受光結果を照射範囲の移動順序に基づいて合成する。それにより、眼底Efの1フレーム分の眼底像が形成される。
いくつかの実施形態では、ステップS4では、隣接する照射範囲との重複領域が設けられるように設定された照射範囲に照明光が照射される。それにより、ステップS7では、互いの重複領域が重なるように画像を合成することで1フレーム分の眼底像が形成される。
以上で、眼科装置1の動作は終了である(エンド)。
<第2実施形態>
実施形態に係る眼科装置の構成は、第1実施形態で説明した構成に限定されない。例えば、第2実施形態に係る眼科装置は、眼底Efの撮影画像と眼底Efの観察画像とを取得することが可能である。この場合、光源10が撮影用光源として用いられ、光源10と異なる別の光源が観察用光源として用いられる。撮影画像は、第1実施形態と同様のローリングシャッター方式により取得される。観察画像もまた、撮影画像と同様のローリングシャッター方式により取得される。
以下、第2実施形態に係る眼科装置の構成について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図10に、第2実施形態に係る眼科装置の構成例を示す。図10において、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
第2実施形態に係る眼科装置1aの構成が第1実施形態に係る眼科装置1の構成と異なる点は、照明光学系20に代えて照明光学系20aが設けられた点と、光源10aが追加された点である。
照明光学系20aの構成が照明光学系20の構成と異なる点は、光路結合部材としてのダイクロイックミラー25と、観察用の虹彩絞り21aとが追加された点である。ダイクロイックミラー25は、スリット22と虹彩絞り21との間に配置され、光源10からの光の光路に光源10aからの光の光路を結合する。虹彩絞り21aは、光源10aとダイクロイックミラー25との間に配置される。
光源10aは、赤外領域の光を発生する赤外光源を含む。いくつかの実施形態では、光源10aは、近赤外領域の光を発生する近赤外光源を含む。例えば、光源10aは、800nm~2500nmの波長範囲の中心波長を有する光を発生する。このような光源10aは、例えば、LED、LD、ハロゲンランプ、又はキセノンランプを含む。光源10aは、眼底Ef及び虹彩のそれぞれと光学的に非共役な位置に配置される。
虹彩絞り21a(具体的には、開口部)は、被検眼Eの虹彩(瞳孔)と光学的に略共役な位置に配置可能である。虹彩絞り21aは、虹彩絞り21と同様の構成を有し、1以上の開口部が形成されている。
ダイクロイックミラー25は、光源10からの光を透過し、光源10aからの光を光スキャナ30に向けて反射する。
この実施形態では、イメージセンサ51は、可視領域の光と赤外領域の光とを検出可能である。このとき、第2実施形態に係る制御部は、光源10aに対して光源10と同様の制御を行う。例えば、制御部は、眼底Efを撮影するときに光源10を点灯させると共に光源10aを消灯させ、眼底Efを観察するときに光源10aを点灯させると共に光源10を消灯させる。
光源10を点灯させる場合、光源10から出力された可視光は、虹彩絞り21に形成された開口部を通過し、ダイクロイックミラー25を透過し、スリット22に形成された開口部を通過し、リレーレンズ23を通過し、光スキャナ30に導かれる。光スキャナ30に導かれた光は、第1実施形態と同様に、眼底Efを照明する。眼底Efからの照明光の戻り光は、撮像装置50に導かれる。すなわち、第1実施形態と同様に、ローリングシャッター方式により撮影画像が取得される。
光源10aを点灯させる場合、光源10aから出力された赤外光(又は近赤外光)は、虹彩絞り21aに形成された開口部を通過し、ダイクロイックミラー25により反射され、スリット22に形成された開口部を通過し、リレーレンズ23を通過し、光スキャナ30に導かれる。光スキャナ30に導かれた光は、第1実施形態と同様に、眼底Efを照明する。眼底Efからの照明光の戻り光は、撮像装置50に導かれる。すなわち、第1実施形態と同様のローリングシャッター方式により観察画像が取得される。例えば、観察画像は、被検眼Eに対する光学系の位置合わせ、及び眼底Ef等の撮影部位の観察に用いられる。
第2実施形態に係る眼科装置1aの動作は、第1実施形態に係る眼科装置1の動作と同様であるため、詳細の説明を省略する。
光源10は、実施形態に係る「撮影用光源」の一例である。光源10aは、実施形態に係る「観察用光源」の一例である。ダイクロイックミラー25は、実施形態に係る「光路結合部材」の一例である。虹彩絞り21aは、実施形態に係る「観察用虹彩絞り」の一例である。
第2実施形態によれば、観察画像を取得しつつ、簡素な構成で、眼底の撮影に必要な照度を確保し、被検眼の状態に影響されることなく被検眼の高画質の画像を取得することが可能になる。
なお、第2実施形態では、スリット22に対して光源10の側の位置で、観察用光源の光の光路を撮影用光源の光の光路に結合する場合について説明したが、実施形態に係る構成はこれに限定されない。対物レンズ46から虹彩絞り21までの間の任意の位置で、観察用光源の光の光路を撮影用光源の光の光路に結合することができる。いくつかの実施形態では、観察用光源からの光が、対物レンズ46を通過することなく瞳孔を通じて眼内に入射するように構成される。
<第3実施形態>
上記の実施形態では、虹彩絞り21に形成された開口部が図3に示す形状であるものとして説明したが、実施形態に係る虹彩絞りに形成された開口部の形状は図3に示す形状に限定されない。
具体的には、実施形態に係る虹彩絞りには、被検眼Eにおける照明光の経路における反射部位において、照明光の光束断面(照明光束断面)と被検眼E(眼底Ef)からの戻り光の光束断面(撮影光束断面)とが分離するように1以上の開口部が形成される。上記の反射部位において照明光束断面と撮影光束断面とが分離されていれば、虹彩絞りに形成される開口部の形状に限定されない。反射部位として、角膜(角膜前面、角膜後面)、水晶体前面、水晶体後面などがある。
図11に、第3実施形態に係る虹彩絞りの構成例を示す。図11では、図3に示す虹彩絞り21と対比できるように第3実施形態に係る虹彩絞り60が図示されている。
虹彩絞り21と同様に、虹彩絞り60には1以上の開口部(図11では、開口部60A、60B)が形成される。開口部60A、60Bは、開口部21A、21Bと同様に、光軸Oの位置を通りスリット22の長手方向に対応した方向に伸びる直線に対して線対称に形成される。開口部60A、60Bの内径の形状は、虹彩絞り21A、21Bのスリット22の短手方向に対応した方向の距離が変化しないように開口部21A、21Bの内径上の2点を結ぶ直線により画定される。
すなわち、開口部60A、60Bのそれぞれは、弓形(circular segment)形状である。弓形は、円又は楕円の劣弧と、この劣弧の弦とで囲まれた領域である。弓形形状の弦の方向は、スリット22に形成される開口部の長手方向に対応した方向に略平行である。
図12に、虹彩絞り60を用いて被検眼Eを照明する場合の被検眼Eの瞳上の光束断面の例を模式的に示す。
虹彩絞り60に形成された開口部60A、60Bを通過した光は、瞳上において、例えば光束断面IR1、IR2を形成するように眼内に入射する。光束断面IR1は、例えば、開口部60Aを通過した光の光束断面である。光束断面IR2は、例えば、開口部60Bを通過した光の光束断面である。
眼内に入射し、眼底Efにより反射された戻り光(撮影光)は、瞳上において、例えば、光束断面PRを形成し、撮影光学系40に導かれる。
このとき、開口部60A、60Bは、照明光の光束断面IR1、IR2と撮影光の光束断面PRとが分離するように形成される。
図13に、虹彩絞り60を用いて被検眼Eを照明する場合の被検眼Eの眼内の各部における照明光束断面と撮影光束断面とを模式的に示す。図13は、光スキャナ30が所定の偏向角度で偏向するときのフットプリントFP1~FP3を模式的に表す。フットプリントFP1は、角膜面における光束断面を表す。フットプリントFP2は、水晶体前面(虹彩面)(又は撮影絞り面)における光束断面を表す。フットプリントFP3は、水晶体後面における光束断面を表す。
水晶体前面(虹彩面)(又は撮影絞り面)は虹彩絞り60と光学的に略共役な位置であるため、フットプリントFP2に示すように、図12と同様の照明光束断面IR12、IR22と撮影光束断面PR2とが形成される。照明光束断面IR12、IR22の形状は、虹彩絞り60に形成された開口部60A、60Bの形状とほぼ同様である。撮影光束断面PR2の形状は、撮影絞り(穴鏡45に形成された開口部)の形状とほぼ同様である。虹彩絞り60と光学的に略共役な位置では、フットプリントFP2のように照明光束断面と撮影光束断面とが分離される。
虹彩絞り60と光学的に非共役な角膜面では、照明光束断面IR11、IR21と撮影光束断面PR1とがスリット22の長手方向に対応した方向に広がる(フットプリントFP1)。一方、スリット22の短手方向に対応した方向における照明光束断面IR11、IR21と撮影光束断面PR1との相対関係は変化しない。
同様に、虹彩絞り60と光学的に非共役な水晶体後面では、照明光束断面IR13、IR23と撮影光束断面PR3とがスリット22の長手方向に対応した方向に広がる(フットプリントFP3)。一方、スリット22の短手方向に対応した方向における照明光束断面IR13、IR23と撮影光束断面PR3との相対関係は変化しない。
虹彩絞り60と光学的に非共役な位置では、光スキャナ30により照明光の偏向角度が変化すると、照明光束断面と撮影光束断面の位置がスリット22の短手方向に対応した方向に移動する。偏向角度が変化しても、フットプリントFP1、FP3に示すような照明光束断面と撮影光束断面との相対関係が維持される。
従って、虹彩絞り60に形成される開口部60Aは、図12に示すように、照明光束断面(光束断面IR1)の下端と撮影光束断面(光束断面PR)の上端との距離(スリット22の短手方向に対応した方向の距離)d1が所定の第1距離以上になるように形成されることが求められる。同様に、虹彩絞り60に形成される開口部60Bは、図12に示すように、照明光束断面(光束断面IR2)の上端と撮影光束断面(光束断面PR)の下端との距離d2が所定の第2距離以上であることが求められる。ここで、第1距離は第2距離と同じであってよい。更に、虹彩絞り60に形成される開口部60A、60Bは、図13に示すように、スリット22の短手方向に対応した方向の距離d3が所定の第3距離以上になるように形成されることが求められる。
すなわち、開口部60A、60Bの内径の形状は、照明光束断面の形状及び撮影光束断面の形状に寄与しない。
以上のように、虹彩絞り60に、被検眼Eの角膜、水晶体前面、及び水晶体後面において照明光束断面と撮影光束断面とが分離するように開口部60A、60Bが形成される。それにより、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、不要な散乱光の影響を受けることなく、簡素な構成で、コントラストが強い眼底Efの高画質の画像を取得することが可能である。
特に、開口部60A、60Bの形状を図11に示す形状にすることで、第1実施形態及び第2実施形態と比較して、照明光の光量を増大させることができ、より高画質の画像を取得することが可能になる。
<第4実施形態>
実施形態に係る眼科装置の構成は、上記の実施形態で説明した構成に限定されない。第4実施形態では、バーダル(Badal)の原理に従って光学系が構成される。これにより、被検眼Eの屈折度数にかかわらず、眼底Efにおけるスリット像の大きさを一定にすることができる。
以下、第4実施形態に係る眼科装置の構成について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図14に、第4実施形態に係る眼科装置の構成例を示す。図14において、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
第4実施形態に係る眼科装置1bの構成が第1実施形態に係る眼科装置1の構成と異なる主な点は、照明光学系20に代えて照明光学系20bが設けられた点である。なお、図14では、虹彩絞り21に代えて図11に示す虹彩絞り60が設けられているが、虹彩絞り21を備えた構成にも適用可能である。
照明光学系20bの構成が照明光学系20の構成と異なる点は、リレーレンズ23に代えてリレーレンズ系RL1が設けられた点である。すなわち、リレーレンズ系RL1は、リレーレンズ23と同様に、光スキャナ30とスリット22との間に配置される。リレーレンズ系RL1、リレーレンズ41、44、及び対物レンズ46は、バーダル光学系を構成する。
図15に、第4実施形態に係るリレーレンズ系RL1の構成例を示す。図15では、説明の便宜上、リレーレンズ系RL1と光スキャナ30とが図示されている。また、図15では、リレーレンズ系RL1が3つのレンズを含むものとする。
リレーレンズ系RL1は、リレーレンズ23と同様に、1以上のレンズを含む。リレーレンズ系RL1の後側焦点位置F1が、被検眼Eの虹彩と光学的に略共役な位置に配置される。
すなわち、上記のように被検眼Eの虹彩と略共役な位置に配置された光スキャナ30が、リレーレンズ系RL1の後側焦点位置F1又はその近傍に配置される。従って、被検眼Eの屈折度数に応じてスリット22が光軸方向に移動された場合でも、被検眼Eの屈折度数にかかわらず、眼底Efに投影されるスリット像(スリット22に形成された開口部を通過した光により形成される像)の大きさは変化しない。これは、スリット22が光軸方向に移動しても、眼底Efへのスリット像の投影倍率が変化しないことを意味する。
第4実施形態に係る眼科装置1bの動作は、第1実施形態に係る眼科装置1の動作と同様であるため、詳細の説明を省略する。
リレーレンズ系RL1は、実施形態に係る「第1リレーレンズ系」の一例である。
第4実施形態によれば、リレーレンズ系RL1の後側焦点位置F1(又はその近傍)に光スキャナ30を配置することにより、リレーレンズ系RL1、リレーレンズ41、42、及び対物レンズ46でバーダル光学系が構成される。
それにより、被検眼Eの屈折度数にかかわらず、被検眼Eの視軸に対するスリット像の投影画角(投影倍率)(スリット22の長手方向及び短手方向)を一定にすることができる。その結果、被検眼Eの屈折度数にかかわらず、スリット像の大きさが変化しないため、光スキャナ30の偏向動作速度を一定にすることが可能になり、光スキャナ30の制御を簡素化することができる。
また、被検眼Eの屈折度数にかかわらず、被検眼Eの視軸に対するスリット像の投影画角(投影倍率)が一定であるため、被検眼Eの屈折度数にかかわらず、眼底Efにおけるスリット像の照度を一定にすることができる。
更に、眼科装置においてあらかじめ決められた撮影画角で画像を取得する場合に、上記のように投影倍率が一定であるため、所定の大きさのスリット像を取得するために設けられたスリット22の長手方向の長さにマージンを設ける必要がなくなる。
<第5実施形態>
第4実施形態に係る眼科装置は、第2実施形態と同様に、眼底Efの撮影画像と眼底Efの観察画像とを取得することが可能である。この場合、光源10が撮影用光源として用いられ、光源10と異なる別の光源が観察用光源として用いられる。撮影画像は、第1実施形態と同様のローリングシャッター方式により取得される。観察画像もまた、撮影画像と同様のローリングシャッター方式により取得される。
以下、第5実施形態に係る眼科装置の構成について、第4実施形態との相違点を中心に説明する。
図16に、第5実施形態に係る眼科装置の構成例を示す。図16において、図14と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
第5実施形態に係る眼科装置1cの構成が第4実施形態に係る眼科装置1bの構成と異なる点は、照明光学系20bに代えて照明光学系20cが設けられた点と、光源10aが追加された点である。
照明光学系20cの構成が照明光学系20bの構成と異なる点は、光路結合部材としてのダイクロイックミラー25と、観察用の虹彩絞り60aとが追加された点である。第2実施形態と同様に、ダイクロイックミラー25は、スリット22と虹彩絞り60との間に配置され、光源10からの光の光路に光源10aからの光の光路を結合する。虹彩絞り60aは、光源10aとダイクロイックミラー25との間に配置される。
光源10aは、第2実施形態で説明した光源である。
虹彩絞り60a(具体的には、開口部)は、被検眼Eの虹彩(瞳孔)と光学的に略共役な位置に配置可能である。虹彩絞り60aは、虹彩絞り60と同様の形状を有し、1以上の開口部が形成されている。
ダイクロイックミラー25は、第2実施形態で説明したダイクロイックミラーである。
この実施形態では、イメージセンサ51は、可視領域の光と赤外領域の光とを検出可能である。このとき、第5実施形態に係る制御部は、光源10aに対して光源10と同様の制御を行う。例えば、制御部は、眼底Efを撮影するときに光源10を点灯させると共に光源10aを消灯させ、眼底Efを観察するときに光源10aを点灯させると共に光源10を消灯させる。
光源10を点灯させる場合、光源10から出力された可視光は、虹彩絞り60に形成された開口部を通過し、ダイクロイックミラー25を透過し、スリット22に形成された開口部を通過し、リレーレンズ系RL1を通過し、光スキャナ30に導かれる。光スキャナ30に導かれた光は、第4実施形態と同様に、眼底Efを照明する。眼底Efからの照明光の戻り光は、撮像装置50に導かれる。すなわち、第4実施形態と同様に、ローリングシャッター方式により撮影画像が取得される。
光源10aを点灯させる場合、光源10aから出力された赤外光(又は近赤外光)は、虹彩絞り60aに形成された開口部を通過し、ダイクロイックミラー25により反射され、スリット22に形成された開口部を通過し、リレーレンズ系RL1を通過し、光スキャナ30に導かれる。光スキャナ30に導かれた光は、第4実施形態と同様に、眼底Efを照明する。眼底Efからの照明光の戻り光は、撮像装置50に導かれる。すなわち、第4実施形態と同様のローリングシャッター方式により観察画像が取得される。例えば、観察画像は、被検眼Eに対する光学系の位置合わせ、及び眼底Ef等の撮影部位の観察に用いられる。
第5実施形態に係る眼科装置1cの動作は、第4実施形態に係る眼科装置1bの動作と同様であるため、詳細の説明を省略する。
虹彩絞り60aは、実施形態に係る「観察用虹彩絞り」の一例である。
第5実施形態によれば、観察画像を取得しつつ、第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第5実施形態では、スリット22に対して光源10の側の位置で、観察用光源の光の光路を撮影用光源の光の光路に結合したが、実施形態に係る構成はこれに限定されない。対物レンズ46から虹彩絞り21までの間の任意の位置で、観察用光源の光の光路を撮影用光源の光の光路に結合することができる。いくつかの実施形態では、観察用光源からの光が、対物レンズ46を通過することなく瞳孔を通じて眼内に入射するように構成される。
<第6実施形態>
実施形態に係る眼科装置の構成は、第4実施形態又は第5実施形態に係る眼科装置の構成に限定されない。第6実施形態に係る眼科装置では、光学設計の自由度を向上させるために、スリット22と虹彩絞り60との間にリレーレンズ系が配置される。以下の実施形態において、虹彩絞り60は、虹彩絞り21であってよい。
以下、第6実施形態に係る眼科装置の構成について、第4実施形態との相違点を中心に説明する。
図17に、第6実施形態に係る眼科装置の構成例を示す。図17において、図14と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
第6実施形態に係る眼科装置1dの構成が第4実施形態に係る眼科装置1bの構成と異なる主な点は、照明光学系20bに代えて照明光学系20dが設けられた点である。
照明光学系20dの構成が照明光学系20bの構成と異なる点は、リレーレンズ系RL2が設けられた点である。すなわち、リレーレンズ系RL2は、スリット22と虹彩絞り60との間に配置される。
図18に、第6実施形態に係るリレーレンズ系RL2の構成例を示す。図18では、説明の便宜上、虹彩絞り60(虹彩絞り21)、リレーレンズ系RL2、スリット22、リレーレンズ系RL1、及び光スキャナ30が図示されている。また、図18では、リレーレンズ系RL2が2つのレンズを含むものとする。
リレーレンズ系RL2は、リレーレンズ系RL1と同様に、1以上のレンズを含む。リレーレンズ系RL2の前側焦点位置F2又はその近傍に、虹彩絞り60が配置される。
上記のように、リレーレンズ系RL2の前側焦点位置F2又はその近傍に、虹彩絞り60が配置される。すなわち、リレーレンズ系RL1の後側焦点位置F1は虹彩絞り60と光学的に略共役な位置であり、リレーレンズ系RL2の前側焦点位置F2には虹彩絞り60が配置される。従って、虹彩絞り60から(後側焦点位置F1に配置された)光スキャナ30までの投影倍率は、リレーレンズ系RL1の焦点距離f1とリレーレンズ系RL2の焦点距離f2で決定される。このとき、投影倍率は、(f1/f2)である。
実施形態に係る眼科装置は、被検眼Eの虹彩上に所定の大きさで虹彩絞り60の像を形成する必要がある。被検眼Eの虹彩から対物レンズ46を経由して光スキャナ30までの投影倍率が既知の投影倍率であるとき、光スキャナ30上に所定の大きさの虹彩絞り60の像を投影すればよい。このとき、虹彩絞り60から光スキャナ30までの投影倍率は、リレーレンズ系RL1の焦点距離f1とリレーレンズ系RL2の焦点距離f2で決定される。従って、焦点距離f1、f2の少なくとも一方を変更することで、被検眼Eの虹彩上に所定の大きさで虹彩絞り60の像を容易に形成することが可能になる。いくつかの実施形態では、焦点距離f1を固定したまま、焦点距離f2だけが変更される。
焦点距離f1は、リレーレンズ系RL1の合成焦点距離である。いくつかの実施形態では、リレーレンズ系RL1は、屈折度が異なる複数のレンズを含み、リレーレンズ系RL1を構成するレンズの少なくとも1つを変更することにより焦点距離f1を変更する。いくつかの実施形態では、リレーレンズ系RL1を構成するレンズの少なくとも1つは、屈折度が変更可能なレンズである。焦点距離が変更可能なレンズには、液晶レンズ、液体レンズ、アルバレツレンズなどがある。焦点距離f1を変更する場合でも、リレーレンズ系RL1の後側焦点位置が被検眼Eの虹彩と光学的に略共役な位置(瞳共役位置)に配置される。
焦点距離f2は、リレーレンズ系RL2の合成焦点距離である。いくつかの実施形態では、リレーレンズ系RL2は、屈折度が異なる複数のレンズを含み、リレーレンズ系RL2を構成するレンズの少なくとも1つを変更することにより焦点距離f2を変更する。いくつかの実施形態では、リレーレンズ系RL2を構成するレンズの少なくとも1つは、屈折度が変更可能なレンズである。焦点距離f2を変更する場合でも、リレーレンズ系RL2の前側焦点位置が被検眼Eの虹彩と光学的に略共役な位置(瞳共役位置)に配置される。
また、眼底Efの撮影のために、高輝度な光を発する光源であることが望ましい。しかしながら、汎用的に入手可能な光源(量産されている光源)は、発光面のサイズ(発光面積、出力光束断面サイズ)が限られており、光源の発光面のサイズに対応した投影倍率で虹彩絞り60の像を光スキャナ30上に投影する必要がある。
この実施形態によれば、焦点距離f1、f2の少なくとも一方を変更することで、虹彩絞り60から光スキャナ30までの投影倍率を変更することができるため、任意の大きさの虹彩絞り60の像を光スキャナ30上に所望の大きさで投影することができる。それにより、光源の発光面のサイズが異なる場合でも、焦点距離f1、f2の少なくとも一方を変更するだけで光スキャナ30上に所望の大きさの虹彩絞り60の像を投影することができ、光学系の設計自由度が向上する。特に、焦点距離f1を固定し、焦点距離f2だけを変更することで、被検眼Eの屈折度数の変化に対するスリット22の移動量(屈折度数の変化に対するスリット22の移動の感度)を固定することができ、光学系の設計自由度をより一層向上させることができる。
第6実施形態に係る眼科装置1dの動作は、第4実施形態に係る眼科装置1bの動作と同様であるため、詳細の説明を省略する。
リレーレンズ系RL2は、実施形態に係る「第2リレーレンズ系」の一例である。
第6実施形態によれば、リレーレンズ系RL1を構成する1以上のレンズの有効径を小さくすることができる。
その理由は、光スキャナ30と虹彩絞り60との間には、被検眼Eの眼底Efと光学的に略共役な位置に配置されるスリット22が配置されている。スリット22は、被検眼Eの屈折度数に応じて光軸方向に移動可能である。ここで、虹彩絞り60から光スキャナ30までの投影倍率は、光スキャナ30とリレーレンズ系RL1との第1距離と、虹彩絞り60とリレーレンズ系RL1との第2距離で決定されるため、第1距離を短くすると、第2距離も短くする必要がある。しかしながら、スリット22の光軸方向の移動スペースを確保しつつ、虹彩との共役関係及び眼底Efとの共役関係を維持する必要があるため、第1距離が長くなり、リレーレンズ系RL1の有効径が大きくなる。この実施形態によれば、リレーレンズ系RL2を設けることにより、第1距離を短くしても、リレーレンズ系RL2を用いて投影倍率を調整することが可能になる。それにより、スリット22の光軸方向の移動スペースを確保し、且つ、虹彩との共役関係及び眼底Efとの共役関係を維持しつつ、第1距離を短くすることが可能になり、リレーレンズ系RL1を構成する1以上のレンズの有効径を小さくすることができる。
また、リレーレンズ系RL1を構成する1以上のレンズの有効径を小さくすることができるので、光スキャナ30から光源10までの光学系の長さを小さくすることができる。
<第6実施形態の変形例>
第6実施形態において、光源10の種別に応じて、焦点距離f1及び焦点距離f2の少なくとも一方を変更可能であってよい。第6実施形態の変形例に係る眼科装置は、光源10の発光面のサイズ(発光面積、出力光束断面サイズ)に応じて、焦点距離f1及び焦点距離f2の少なくとも一方を変更可能である。
例えば、リレーレンズ系RL1は、光源10の発光面のサイズに応じて、第6実施形態と同様に焦点距離f1を変更する。例えば、リレーレンズ系RL2は、光源10の発光面のサイズに応じて、第6実施形態と同様に焦点距離f2を変更する。
いくつかの実施形態では、主制御部101は、操作部110により指定された光源10の発光面のサイズに応じてリレーレンズ系RL1(又は屈折度が変更可能なレンズ)を制御することにより焦点距離f1を変更する。いくつかの実施形態では、主制御部101は、操作部110により指定された光源10の発光面のサイズに応じてリレーレンズ系RL2(又は屈折度が変更可能なレンズ)を制御することにより焦点距離f2を変更する。
<第7実施形態>
第6実施形態又はその変形例に係る眼科装置は、第2実施形態又は第5実施形態と同様に、眼底Efの撮影画像と眼底Efの観察画像とを取得することが可能である。この場合、光源10が撮影用光源として用いられ、光源10と異なる別の光源が観察用光源として用いられる。撮影画像は、第1実施形態と同様のローリングシャッター方式により取得される。観察画像もまた、撮影画像と同様のローリングシャッター方式により取得される。
以下、第7実施形態に係る眼科装置の構成について、第6実施形態との相違点を中心に説明する。
図19に、第7実施形態に係る眼科装置の構成例を示す。図19において、図16又は図17と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
第7実施形態に係る眼科装置1eの構成が第6実施形態に係る眼科装置1dの構成と異なる点は、照明光学系20dに代えて照明光学系20eが設けられた点と、光源10aが追加された点である。
照明光学系20eの構成が照明光学系20dの構成と異なる点は、光路結合部材としてのダイクロイックミラー25と、観察用の虹彩絞り60aとが追加された点である。第6実施形態と同様に、ダイクロイックミラー25は、スリット22と虹彩絞り60との間に配置され、光源10からの光の光路に光源10aからの光の光路を結合する。虹彩絞り60aは、光源10aとダイクロイックミラー25との間に配置される。
光源10aは、第2実施形態(第5実施形態)で説明した光源である。
虹彩絞り60a(具体的には、開口部)は、被検眼Eの虹彩(瞳孔)と光学的に略共役な位置に配置可能である。虹彩絞り60aは、虹彩絞り60と同様の形状を有し、1以上の開口部が形成されている。
ダイクロイックミラー25は、第2実施形態(第5実施形態)で説明したダイクロイックミラーである。
この実施形態では、イメージセンサ51は、可視領域の光と赤外領域の光とを検出可能である。このとき、第7実施形態に係る制御部は、光源10aに対して光源10と同様の制御を行う。例えば、制御部は、眼底Efを撮影するときに光源10を点灯させると共に光源10aを消灯させ、眼底Efを観察するときに光源10aを点灯させると共に光源10を消灯させる。
光源10を点灯させる場合、光源10から出力された可視光は、虹彩絞り60に形成された開口部を通過し、ダイクロイックミラー25を透過し、スリット22に形成された開口部を通過し、リレーレンズ系RL1を通過し、光スキャナ30に導かれる。光スキャナ30に導かれた光は、第5実施形態と同様に、眼底Efを照明する。眼底Efからの照明光の戻り光は、撮像装置50に導かれる。すなわち、第6実施形態と同様に、ローリングシャッター方式により撮影画像が取得される。
光源10aを点灯させる場合、光源10aから出力された可視光は、虹彩絞り21aに形成された開口部を通過し、ダイクロイックミラー25により反射され、スリット22に形成された開口部を通過し、リレーレンズ系RL1を通過し、光スキャナ30に導かれる。光スキャナ30に導かれた光は、第5実施形態と同様に、眼底Efを照明する。眼底Efからの照明光の戻り光は、撮像装置50に導かれる。すなわち、第6実施形態と同様のローリングシャッター方式により観察画像が取得される。例えば、観察画像は、被検眼Eに対する光学系の位置合わせ、及び眼底Ef等の撮影部位の観察に用いられる。
第7実施形態に係る眼科装置1eの動作は、第6実施形態に係る眼科装置1dの動作と同様であるため、詳細の説明を省略する。
第7実施形態によれば、観察画像を取得しつつ、第6実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第7実施形態では、スリット22に対して光源10の側の位置で、観察用光源の光の光路を撮影用光源の光の光路に結合したが、実施形態に係る構成はこれに限定されない。対物レンズ46から虹彩絞り21までの間の任意の位置で、観察用光源の光の光路を撮影用光源の光の光路に結合することができる。いくつかの実施形態では、観察用の光源からの光が、対物レンズ46を通過することなく瞳孔を通じて眼内に入射するように構成される。
[作用・効果]
実施形態に係る眼科装置、及びその制御方法の作用および効果について説明する。
いくつかの実施形態に係る眼科装置(1、1a、1b、1c、1d、1e)は、光源(10)と、照明光学系(20)と、光スキャナ(30)と、撮影光学系(40)と、制御部(100、主制御部101)とを含む。照明光学系は、光源からの光を用いてスリット状の照明光を生成する。光スキャナは、照明光を偏向して被検眼(E)の眼底(Ef)に導く。撮影光学系は、眼底からの照明光の戻り光をイメージセンサ(51)に導く。制御部は、眼底における照明光の照射位置に対応した戻り光の受光結果を取得するようにローリングシャッター方式でイメージセンサを制御する。照明光学系は、眼底と光学的に略共役な位置に配置可能なスリット状の開口部が形成されたスリット(22)と、光源とスリットとの間に配置され、被検眼の虹彩と光学的に略共役な位置に配置可能な虹彩絞り(21)と、光源と虹彩絞りとの間に配置され、光源からの光を偏向する光学素子(24)と、を含む。
このような構成によれば、光源からの光のうち虹彩絞りを通過した光を光学素子により偏向し、スリットに形成された開口部に導くことが可能になる。それにより、光源からの光を効率よく瞳分割で被検眼に入射することができる。従って、広がり角が広い安価な光源を用いた場合でも、簡素な構成で、眼底の撮影に必要な照度を確保し、被検眼の状態に影響されることなく被検眼の高画質の画像を取得することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置(1、1a、1b、1c、1d、1e)は、光源(10)と、照明光学系(20)と、第1移動機構(移動機構22D)と、光スキャナ(30)と、撮影光学系(40)と、制御部(100、主制御部101)とを含む。照明光学系は、被検眼(E)の眼底(Ef)と光学的に略共役な位置に配置可能なスリット状の開口部が形成されたスリット(22)を含み、光源からの光を用いてスリット状の照明光を生成する。第1移動機構は、スリットを照明光学系の光軸方向に移動する。光スキャナは、照明光を偏向して被検眼の眼底に導く。撮影光学系は、眼底からの照明光の戻り光をイメージセンサ(51)に導く。制御部は、眼底における照明光の照射位置に対応した戻り光の受光結果を取得するようにローリングシャッター方式でイメージセンサを制御する。制御部は、被検眼の屈折度数に基づいて第1移動機構を制御する。
このような構成によれば、被検眼の眼底と光学的に略共役な位置に配置されるスリットの位置を被検眼の屈折度数に応じて移動するようにしたので、光源からの光を効率よく被検眼の眼底に導くことが可能になる。それにより、光源からの光を効率よく瞳分割で被検眼に入射することができる。従って、広がり角が広い安価な光源を用いた場合でも、簡素な構成で、眼底の撮影に必要な照度を確保し、被検眼の状態に影響されることなく被検眼の高画質の画像を取得することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置は、光源の位置及び向きの少なくとも1つを変更する第2移動機構(移動機構10D)を含み、制御部は、第1移動機構により移動されたスリットの位置に応じて、第2移動機構を制御する。
このような構成によれば、被検眼の屈折度数に応じて光源とスリットとの位置関係が変更された場合でも、光源とスリットの開口部とを結ぶ方向の光量分布を変更することができる。それにより、被検眼の屈折度数に影響されることなく、所望の照度で眼底を照明することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、照明光学系は、光源とスリットとの間に配置され、被検眼の虹彩と光学的に略共役な位置に配置可能な虹彩絞り(21、60)を含み、制御部は、虹彩絞りを通過した光が開口部を通過するように第2移動機構を制御する。
このような構成によれば、被検眼の屈折度数に応じて光源と虹彩絞りとスリットとの位置関係が変更された場合でも、光源からの光が照射される虹彩絞りを通過した光がスリットの開口部を通過するように調整することができる。それにより、被検眼の屈折度数に影響されることなく、所望の照度で眼底を照明することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、照明光学系は、光スキャナとスリットとの間に配置された第1リレーレンズ系(リレーレンズ系RL1)を含み、第1リレーレンズ系の後側焦点位置(F1)は、虹彩と光学的に略共役な位置である。
このような構成によれば、バーダルの原理に従って第1リレーレンズ系から被検眼の虹彩に至る光学系を構成することができる。それにより、被検眼の屈折度数に応じてスリットが光軸方向に移動された場合でも、被検眼の屈折度数にかかわらず、眼底に投影されるスリット像の大きさは変化しない。これは、スリットが光軸方向に移動しても、眼底へのスリット像の投影倍率が変化しないことを意味する。その結果、被検眼の屈折度数にかかわらず、光スキャナの偏向動作速度を一定にすることが可能になり、光スキャナの制御を簡素化することができる。また、被検眼の屈折度数にかかわらず、被検眼の視軸に対するスリット像の投影画角(投影倍率)が一定であるため、被検眼の屈折度数にかかわらず、眼底におけるスリット像の照度を一定にすることができる。更に、眼科装置においてあらかじめ決められた撮影画角で画像を取得する場合に、投影倍率が一定であるため、スリットの長手方向の長さにマージンを設ける必要がなくなる。
いくつかの実施形態では、光スキャナは、後側焦点位置又はその近傍に配置される。
このような構成によれば、光学系のサイズを小型化しつつ被検眼の屈折度数にかかわらず、光スキャナの偏向動作速度を一定にすることが可能になり、光スキャナの制御を簡素化することができる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置は、観察用光源(光源10a)と、第1リレーレンズ系と虹彩絞りとの間に配置され、光源から出力された光の光路と観察用光源から出力された光の光路とを結合する光路結合部材(ダイクロイックミラー25)と、観察用光源と光路結合部材との間に配置された観察用虹彩絞り(虹彩絞り60a)と、を含む。
このような構成によれば、観察画像を取得しつつ、簡素な構成で、眼底の撮影に必要な照度を確保し、被検眼の状態に影響されることなく被検眼の高画質の画像を取得することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置は、スリットと虹彩絞りとに間に配置された第2リレーレンズ系(リレーレンズ系RL2)を含み、第2リレーレンズ系の前側焦点位置又はその近傍に、虹彩絞りが配置される。
このような構成によれば、第1レンズの焦点距離及び第2レンズの焦点距離の少なくとも一方を変更することで、虹彩絞りから光スキャナまでの投影倍率を変更することができるため、任意の大きさの虹彩絞りの像を光スキャナ上に所望の大きさで投影することができる。それにより、光源の発光面のサイズが異なる場合でも、光スキャナ上に所望の大きさの虹彩絞りの像を投影することができ、光学系の設計自由度が向上する。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、第1レンズの屈折度及び第2レンズの屈折度の少なくとも1つを変更可能である。
このような構成によれば、任意の大きさの虹彩絞りの像を光スキャナ上に所望の大きさで投影することができる。それにより、光源の発光面のサイズが異なる場合でも、光スキャナ上に所望の大きさの虹彩絞りの像を投影することができ、光学系の設計自由度が向上する。
いくつかの実施形態では、光源の発光面のサイズに応じて、第1レンズの屈折度及び第2レンズの屈折度の少なくとも1つを変更可能である。
このような構成によれば、光源の発光面のサイズに制限されることなく、低コストで、被検眼の高画質の画像を取得することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置は、観察用光源(光源10a)と、第2リレーレンズ系と虹彩絞りとの間に配置され、光源から出力された光の光路と観察用光源から出力された光の光路とを結合する光路結合部材(ダイクロイックミラー25)と、観察用光源と光路結合部材との間に配置された観察用虹彩絞り(虹彩絞り60a)と、を含む。
このような構成によれば、観察画像を取得しつつ、簡素な構成で、眼底の撮影に必要な照度を確保し、被検眼の状態に影響されることなく被検眼の高画質の画像を取得することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、虹彩絞りには、被検眼の角膜、水晶体前面、及び水晶体後面において照明光の光束断面と被検眼からの戻り光の光束断面とが分離するように、照明光が通過する1以上の開口部が形成されている。
このような構成によれば、被検眼に入射する照明光と被検眼からの戻り光とを高精度に瞳分割することで、簡素な構成で、眼底の撮影に必要な照度を確保し、被検眼の状態に影響されることなく被検眼の高画質の画像を取得することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、虹彩絞りには、2以上の開口部が形成され、2以上の開口部は、照明光学系の光軸を通りスリットに形成された開口部の長手方向に対応した方向に伸びる直線に対して線対称に形成される。
このような構成によれば、眼底を異なる方向から被検眼に入射する照明光と被検眼からの戻り光とを高精度に瞳分割することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、開口部は、弓形形状であり、弓形形状の弦の方向は、スリットに形成された開口部の長手方向に対応した方向に略平行である。
このような構成によれば、簡素な構成で、照明光の光量を増大させ、よりコントラストが強い眼底の高画質の画像を取得することが可能である。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、照明光学系は、光源と虹彩絞りとの間に配置され、光源からの光を偏向する光学素子(24)を含む。
このような構成によれば、光源からの光のうち虹彩絞りを通過した光を光学素子により偏向し、スリットに形成された開口部に導くことが可能になる。それにより、光源からの光を効率よく瞳分割で被検眼に入射することができる。従って、広がり角が広い安価な光源を用いた場合でも、簡素な構成で、眼底の撮影に必要な照度を確保することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、光学素子は、虹彩絞りと開口部とを結ぶ方向の光量分布が最大になるように光源からの光を偏向する。
このような構成によれば、安価の光源を用いた場合でも、簡素な構成で、所望の照度で眼底を照明することができる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置は、光学素子の位置及び向きの少なくとも1つを変更する第3移動機構を含み、制御部は、第3移動機構を制御する。
このような構成によれば、光学素子の位置及び向きの少なくとも1つを偏向するようにしたので、虹彩絞りとスリットの開口部とを結ぶ方向の光量分布を調整することができる。それにより、光源と虹彩絞りとスリットの位置関係が変更された場合でも、虹彩絞りと開口部とを結ぶ方向の光量分布を調整することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、光学素子は、プリズム、マイクロレンズアレイ又はフレネルレンズを含む。
このような構成によれば、低コストで、光源からの光を効率よく瞳分割で被検眼に入射することができる。従って、簡素な構成で、眼底の撮影に必要な照度を確保することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置(1、1a、1b、1c、1d、1e)の制御方法は、光源(10)と、照明光学系(20)と、第1移動機構(移動機構22D)と、光スキャナ(30)と、撮影光学系(40)と、制御部(100、主制御部101)とを含む眼科装置の制御方法である。照明光学系は、被検眼(E)の眼底(Ef)と光学的に略共役な位置に配置可能なスリット状の開口部が形成されたスリット(22)を含み、光源からの光を用いてスリット状の照明光を生成する。第1移動機構は、スリットを照明光学系の光軸方向に移動する。光スキャナは、照明光を偏向して被検眼の眼底に導く。撮影光学系は、眼底からの照明光の戻り光をイメージセンサ(51)に導く。制御部は、眼底における照明光の照射位置に対応した戻り光の受光結果を取得するようにローリングシャッター方式でイメージセンサを制御する。眼科装置の制御方法は、被検眼の屈折度数を取得する取得ステップと、取得ステップにおいて取得された屈折度数に基づいて第1移動機構を制御する第1制御ステップと、を含む。
このような方法によれば、被検眼の眼底と光学的に略共役な位置に配置されるスリットの位置を被検眼の屈折度数に応じて移動するようにしたので、光源からの光を効率よく被検眼の眼底に導くことが可能になる。それにより、光源からの光を効率よく瞳分割で被検眼に入射することができる。従って、広がり角が広い安価な光源を用いた場合でも、簡素な構成で、眼底の撮影に必要な照度を確保し、被検眼の状態に影響されることなく被検眼の高画質の画像を取得することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置の制御方法では、眼科装置は、光源の位置及び向きの少なくとも1つを変更する第2移動機構(移動機構10D)を含み、第1移動機構により移動されたスリットの位置に応じて、第2移動機構を制御する第2制御ステップを含む。
このような方法によれば、被検眼の屈折度数に応じて光源とスリットとの位置関係が変更された場合でも、光源とスリットの開口部とを結ぶ方向の光量分布を変更することができる。それにより、被検眼の屈折度数に影響されることなく、所望の照度で眼底を照明することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置の制御方法では、照明光学系は、光源とスリットとの間に配置され、被検眼の虹彩と光学的に略共役な位置に配置可能な虹彩絞り(21、60)を含み、第2制御ステップは、虹彩絞りを通過した光が開口部を通過するように第2移動機構を制御する。
このような方法によれば、被検眼の屈折度数に応じて光源と虹彩絞りとスリットとの位置関係が変更された場合でも、光源からの光が照射される虹彩絞りを通過した光がスリットの開口部を通過するように調整することができる。それにより、被検眼の屈折度数に影響されることなく、所望の照度で眼底を照明することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置の制御方法では、照明光学系は、光源と虹彩絞りとの間に配置され、光源からの光を偏向する光学素子(24)を含み、眼科装置は、光学素子の位置及び向きの少なくとも1つを変更する第3移動機構を含む。眼科制御装置の制御方法は、第3移動機構を制御する第3制御ステップを含む。
このような方法によれば、光学素子の位置及び向きの少なくとも1つを偏向するようにしたので、虹彩絞りとスリットの開口部とを結ぶ方向の光量分布を調整することができる。それにより、光源と虹彩絞りとスリットの位置関係が変更された場合でも、虹彩絞りと開口部とを結ぶ方向の光量分布を調整することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置の制御方法では、光学素子は、プリズム、マイクロレンズアレイ又はフレネルレンズを含む。
このような方法によれば、低コストで、光源からの光を効率よく瞳分割で被検眼に入射することができる。従って、簡素な構成で、眼底の撮影に必要な照度を確保することが可能になる。
以上に示された実施形態又はその変形例は、この発明を実施するための一例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において任意の変形、省略、追加等を施すことが可能である。
上記の実施形態において、眼科装置は、例えば、眼軸長測定機能、眼圧測定機能、光干渉断層撮影(OCT)機能、超音波検査機能など、眼科分野において使用可能な任意の機能を有していてもよい。なお、眼軸長測定機能は、光干渉断層計等により実現される。また、眼軸長測定機能は、被検眼に光を投影し、当該被検眼に対する光学系のZ方向(前後方向)の位置を調整しつつ眼底からの戻り光を検出することにより、当該被検眼の眼軸長を測定するようにしてもよい。眼圧測定機能は、眼圧計等により実現される。OCT機能は、光干渉断層計等により実現される。超音波検査機能は、超音波診断装置等により実現される。また、このような機能のうち2つ以上を具備した装置(複合機)に対してこの発明を適用することも可能である。
いくつかの実施形態では、上記の眼科装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。このようなプログラムを、コンピュータによって読み取り可能な非一時的な(non-transitory)任意の記録媒体に記憶させることができる。この記録媒体としては、たとえば、半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク(CD-ROM/DVD-RAM/DVD-ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)などを用いることが可能である。また、インターネットやLAN等のネットワークを通じてこのプログラムを送受信することも可能である。
第1実施形態~第7実施形態、及び第6実施形態の変形例において説明した構成を任意に組み合わせることが可能である。
1、1a、1b、1c、1d、1e 眼科装置
10、10a 光源
20、20a、20b、20c、20d、20e 照明光学系
21、21a、60、60a 虹彩絞り
22 スリット
23、41、44、48 リレーレンズ
25 ダイクロイックミラー
30 光スキャナ
35 投影光学系
40 撮影光学系
42 黒点板
43 反射ミラー
45 穴鏡
46 対物レンズ
47 合焦レンズ
49 結像レンズ
50 撮像装置
51 イメージセンサ
E 被検眼
Ef 眼底
RL1、RL2 リレーレンズ系

Claims (13)

  1. 光源と、
    被検眼の眼底と光学的に略共役な位置に配置可能なスリット状の開口部が形成されたスリットと、前記光源と前記スリットとの間に配置され前記被検眼の虹彩と光学的に略共役な位置に配置可能な虹彩絞りと、前記光源と前記虹彩絞りとの間に配置され前記光源からの光を偏向する光学素子とを含み、前記光源からの光を用いてスリット状の照明光を生成する照明光学系と、
    前記照明光を偏向して被検眼の眼底に導く光スキャナと、
    前記眼底からの前記照明光の戻り光をイメージセンサに導く撮影光学系と、
    前記眼底における前記照明光の照射位置に対応した前記戻り光の受光結果を取得するようにローリングシャッター方式で前記イメージセンサを制御する制御部と、
    を含み、
    前記制御部は、
    前記被検眼の屈折度数に基づいて前記スリットを前記照明光学系の光軸方向に移動させ、前記虹彩絞りを通過した光が前記開口部を通過するように前記移動された前記スリットの位置に応じて前記光源の位置及び向きの少なくとも1つを変更させ、前記光学素子の位置及び向きの少なくとも1つを変更させる、眼科装置。
  2. 前記照明光学系は、前記光スキャナと前記スリットとの間に配置された第1リレーレンズ系を含み、
    前記第1リレーレンズ系の後側焦点位置は、前記虹彩と光学的に略共役な位置である
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記光スキャナは、前記後側焦点位置又はその近傍に配置される
    ことを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  4. 観察用光源と、
    前記第1リレーレンズ系と前記虹彩絞りとの間に配置され、前記光源から出力された光の光路と前記観察用光源から出力された光の光路とを結合する光路結合部材と、
    前記観察用光源と前記光路結合部材との間に配置された観察用虹彩絞りと、
    を含む
    ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の眼科装置。
  5. 前記スリットと前記虹彩絞りとに間に配置された第2リレーレンズ系を含み、
    前記第2リレーレンズ系の前側焦点位置又はその近傍に、前記虹彩絞りが配置される
    ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の眼科装置。
  6. 観察用光源と、
    前記第2リレーレンズ系と前記虹彩絞りとの間に配置され、前記光源から出力された光の光路と前記観察用光源から出力された光の光路とを結合する光路結合部材と、
    前記観察用光源と前記光路結合部材との間に配置された観察用虹彩絞りと、
    を含む
    ことを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  7. 前記虹彩絞りには、前記被検眼の角膜、水晶体前面、及び水晶体後面において前記照明光の光束断面と前記被検眼からの戻り光の光束断面とが分離するように、前記照明光が通過する1以上の開口部が形成されている
    ことを特徴とする請求項~請求項のいずれか一項に記載の眼科装置。
  8. 前記虹彩絞りには、2以上の開口部が形成され、
    前記2以上の開口部は、前記照明光学系の光軸を通り前記スリットに形成された開口部の長手方向に対応した方向に伸びる直線に対して線対称に形成される
    ことを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  9. 前記開口部は、弓形形状であり、
    前記弓形形状の弦の方向は、前記スリットに形成された開口部の長手方向に対応した方向に略平行である
    ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の眼科装置。
  10. 前記光学素子は、前記虹彩絞りと前記開口部とを結ぶ方向の光量分布が最大になるように前記光源からの光を偏向する
    ことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の眼科装置。
  11. 前記光学素子は、プリズム、マイクロレンズアレイ又はフレネルレンズを含む
    ことを特徴とする請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の眼科装置。
  12. 光源と、
    被検眼の眼底と光学的に略共役な位置に配置可能なスリット状の開口部が形成されたスリットと、前記光源と前記スリットとの間に配置され前記被検眼の虹彩と光学的に略共役な位置に配置可能な虹彩絞りと、前記光源と前記虹彩絞りとの間に配置され、前記光源からの光を偏向する光学素子とを含み、前記光源からの光を用いてスリット状の照明光を生成する照明光学系と、
    前記スリットを前記照明光学系の光軸方向に移動する第1移動機構と、
    前記光源の位置及び向きの少なくとも1つを変更する第2移動機構と、
    前記光学素子の位置及び向きの少なくとも1つを変更する第3移動機構と、
    前記照明光を偏向して前記眼底に導く光スキャナと、
    前記眼底からの前記照明光の戻り光をイメージセンサに導く撮影光学系と、
    前記眼底における前記照明光の照射位置に対応した前記戻り光の受光結果を取得するようにローリングシャッター方式で前記イメージセンサを制御する制御部と、
    を含む眼科装置の制御方法であって、
    前記被検眼の屈折度数を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップにおいて取得された前記屈折度数に基づいて前記第1移動機構を制御する第1制御ステップと、
    前記第1移動機構により移動された前記スリットの位置に応じて、前記虹彩絞りを通過した光が前記開口部を通過するように前記第2移動機構を制御する第2制御ステップと、
    前記第3移動機構を制御する第3制御ステップと、
    を含む眼科装置の制御方法。
  13. 前記光学素子は、プリズム、マイクロレンズアレイ又はフレネルレンズを含む
    ことを特徴とする請求項12に記載の眼科装置の制御方法。
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