JP7414433B2 - ボールジョイント - Google Patents

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Description

本発明は、車両における路面からの衝撃軽減等の役割を果たすボールジョイントに関する。
車両のサスペンションは、路面から車体に伝わる衝撃を軽減し、スタビライザは、車体のロール剛性(捩れに対する剛性)を高める。このサスペンションとスタビライザは、スタビリンクを介して連結されている。スタビリンクは、棒状のサポートバーの両端にボールジョイントを備えて構成されている。
この種のボールジョイントとして、例えば特許文献1に記載のリンクアーム部材のボールジョイントがある。このボールジョイントの構造を図6に断面図で示す。図6に示すボールジョイントJは、樹脂をインサート成形したカップ状のハウジング11内に、金属製のボールスタッド10のボール部10bを回転可能に収容して構成されている。ハウジング11は、金属製のサポートバー1aの端部にインサート成形で取り付けられている。
ボールスタッド10は、棒状のスタッド部10sの一端に球状のボール部10bが一体に連結された構造となっている。スタッド部10sには、雄ねじ10nが螺刻されており、この雄ねじ10nよりも先端側(ボール部10b側)に、周回状に拡がる鍔部10a1と小鍔部10a2とが離間して形成されている。鍔部10a1とハウジング11の上端側との間には、ダストカバー13が配設されている。ダストカバー13の上端部は、鍔部10a1と小鍔部10a2との間に挟まれて固定され、下端部は、ハウジング11の上端部11fの外周面に固定されている。
サポートバー1aを水平線Hに沿って水平とした際に、ボールスタッド10の軸芯が水平線Hに対して垂直線Vで示す垂直となるように構成されている。
球状のボール部10bを包含するハウジング11の内球面(ハウジング内球面)11aは、ボール部10bの球状に沿った球形湾曲状となっている。ボール部10bに密着成形されたハウジング内球面11aは成形収縮により、ボール部10bを締めつけている。ハウジング11の胴部11bは、断面形状が上下方向にストレート形状となっている。
ハウジング11には、内球面11aの上端11uから上りテーパ形状で外方に円環状(円錐形状)に広がるテーパ部11f1を有する凸形状部11fが設けられている。つまり、凸形状部11fは、テーパ部11f1を有する円環形状を成す。テーパ部11f1の開始点は、上端11uの外側コーナー11u1となっている。
凸形状部11fの内周面であるテーパ部11f1の傾斜角は、双方向矢印α1で示すように、ボールスタッド10が揺動した際に、ボールスタッド10の揺動角を満たすように設計されている。
このようなボールジョイントJでは、車両のサスペンションがストロークするに伴い、ボール部10bとハウジング内球面11aとが揺摺動するが、この揺摺動する際の特性が、揺動トルク及び回転トルク(各トルクともいう)と定義づけられる。ボール部10bの回転時に、ハウジング内球面11aへの摩擦力が増加して各トルクが高まると、乗り心地が悪化する。
ハウジング11内のボール部10bに対するハウジング内球面11aの締め代を減少させると、各トルクを下げることができるが、同時に弾性リフト量が上がる。弾性リフト量とは、ハウジング内球面11aにおけるボール部10bの移動量である。弾性リフト量が大きくなると、ボール部10bがハウジング11内で大きく移動し、ボールジョイントJにガタが発生し、車両走行中の異音の発生に繋がる。つまり、各トルクと弾性リフト量との間には、各トルクが低下すると、弾性リフト量が増大するといった相反関係がある。この種のボールジョイントとして、更に、特許文献2に記載のものがある。
特許第5923154号公報 特許第3004745号公報
しかし、図6に示したインサート成形で製造されたボールジョイントJにおいては、ハウジング11の胴部11bが寸法t1で示す厚い肉厚となっており、底部付近及び底部11dが寸法t1よりも大幅に薄い寸法t2で示す薄い肉厚となっている。
このようなハウジング11の肉厚がアンバランスのため、ボール部10bを、ハウジング内球面11aで締め付ける強度が、胴部11bで強く、底部11d及びこの付近で弱くなる。このため、ボール部10bの締め付け強度にバラツキが生じるので、ボール部10bの回転時の摩擦力が部分的に異なり、ボール部10bを安定して回転できず、必要なトルクで回転させることができないという問題がある。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、ハウジング内に回転自在に包含されるボールスタッドのボール部を、安定して回転できるようにすることで、必要なトルクで回転させることができるボールジョイントを提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、構造体に一端部が連結されるスタッド部の他端部に、金属製の球体部が一体に接合されて成るボールスタッドと、当該ボールスタッドの球体部を包含する内球面を有し、当該球体部に接合されたスタッド部が突き出るように開口した空間を有する樹脂製のハウジングとを備えるボールジョイントであって、前記ハウジングは、前記球体部を前記開口の位置まで包含する球形湾曲形状の胴部を備え、当該胴部は外周面が内球面に沿う形状を有し、前記胴部の外周面における前記球体部の中心を仮想的に通る水平線よりも上側の位置と、下側の位置との双方に、環状に周回するフランジ部を備えることを特徴とするボールジョイントである。
この構成によれば、球体部を包含する胴部は外周面が内球面に沿う形状を有するので、胴部のフランジ部を有する以外の部分の厚みが均一となる。このため、胴部の肉厚の異方性が略無くなり、胴部の成形収縮の量が略均等となって球体部の締付力が略均等となる。このため、球体部の回転(又は回動)が安定し、低トルク化が達成できる。
これに加え、インサート成形時に、球体部の中心の上下に位置する胴部のフランジ部の部分において成形収縮が増加する。このため、胴部における球体部の中心を挟んだ上下のフランジ部で、球体部を上下に2線支持する状態となる。この2線支持によって、球体部に対する面圧が上下のフランジ部の位置で高くなるので、球体部の中心とハウジング内球中心が一致し、よりトルクを安定させることができる。従って、ハウジング内に回転自在に包含されるボールスタッドの球体部を、安定して回転できるので、必要なトルクで回転させることができる。
請求項2に係る発明は、前記水平線よりも上側及び下側の双方のフランジ部の間に介在され、双方のフランジ部を上下方向に連結する複数のリブを備え、前記複数のリブは、予め定められた隣接間隔で配置されていることを特徴とする請求項1に記載のボールジョイントである。
この構成によれば、ハウジングの成型時の冷却過程でフランジ部が歪むが、上下のフランジ部間に所定間隔で複数のリブが存在するので、その歪みを防止できる。また、複数のリブの隣接間隔を、この間隔による間隙に泥等の夾雑物が入っても出る寸法、つまり、夾雑物が入って固まらない寸法とすれば、リブ間に夾雑物が溜まることが無くなる。
請求項3に係る発明は、前記水平線よりも上側のフランジ部の上面は、前記スタッド部に上端部が固定されるダストカバーの下端部を接地して固定する接地面となることを特徴とする請求項1又は2に記載のボールジョイントである。
この構成によれば、ダストカバーの下端部を、上側のフランジ部の上面である接地面に突き当てて接地するのみで固定できる。このため、ダストカバーのポジションを容易に安定させて固定できる。
請求項4に係る発明は、前記胴部の内球面と前記球体部との間に、樹脂製のボールシートを介挿したことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のボールジョイントである。
この構成によれば、胴部の内球面と球体部との間にボールシートを介挿することで、胴部をボールシートの厚み分、薄くできる。この薄肉化された胴部でボールシートを介して球体部を包含した場合、薄肉化により胴部の成形収縮量の絶対値が減少しているので、相対的に包含のバラつきが低減し、このため、トルク特性を安定できる。
請求項5に係る発明は、前記ボールシートは、前記球体部との間に隙間ができる球形状のサイズであることを特徴とする請求項4に記載のボールジョイントである。
この構成によれば、インサート成型時に、ハウジング型の胴部形成部分に樹脂が流れ込んで成形収縮しても、ボールシートの球形状が球体部よりもやや大きいので、ボールシートがバリアになって、胴部による球体部への圧縮力が弱くなる。この圧縮力の低下と、胴部の薄肉化による圧縮力の低下とが合わさって、よりトルクを下げることができ、これによって、よりトルク特性を安定させることができる。
本発明のボールジョイントによれば、ハウジング内に回転自在に包含されるボールスタッドのボール部を、安定して回転できるようにすることで、必要なトルクで回転させることができる。
本発明に係る実施形態のボールジョイントの構成を示す斜視図である。 図1に示すII-II断面図である。 本発明に係る実施形態のボールジョイントのダストカバーを示す断面図である。 図1に示すボールジョイントを下から見た平面図である。 本発明に係る実施形態の変形例によるボールジョイントの構成を示す断面図である。 従来のボールジョイントの構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。但し、本明細書の全図において対応する構成部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
<実施形態>
図1は、本発明に係る実施形態のボールジョイントの構成を示す斜視図である。図2は図1に示すII-II断面図である。但し、図1又は図2に示すボールジョイントJ1におい
て、スタッド部10sの先端側が「上」、ハウジング21の底部側が「下」であるとする。
図2に示す実施形態のボールジョイントJ1が、従来のボールジョイントJ(図6)と異なる点は、ハウジング21が、ボール部10bを開口21cの位置まで包含する球形湾曲形状の胴部21bを備え、胴部21bは外周面が内球面に沿う形状を有することにある。これに加え、胴部21bの外周面におけるボール部10bの中心を仮想的に通る水平線Hよりも上側の位置と、下側の位置との双方に、環状に周回するフランジ部21g,21hを備える構成としたことにある。
ハウジング21は、樹脂製であり、金属製のボールスタッド10の先端部のボール部10bを覆うように樹脂がインサート成形され、且つ、ハウジング21と、ボールジョイント連結用のサポートバー1aの先端部(図6参照)とが一体結合するようにインサート成形されている。
ボールスタッド10は、ボール部10bとスタッド部10sとが抵抗溶接にて一体化されていることで、高真球度を達成でき、低トルク且つ滑らかな動きが可能となる。但し、ボール部10bの真球加工が可能であれば、ボール部10bとスタッド部10sとが1つの金属材料による一体のボールスタッド10でも構わない。
ボールスタッド10は、棒状のスタッド部10sの一端に球状のボール部10bが一体に連結されている。スタッド部10sには、雄ねじ10nが螺刻されており、この雄ねじ10nよりも下側(ボール部10b側)に、周回状に拡がる鍔部10a1と小鍔部10a2とが離間して形成されている。
球状のボール部10bを包含するハウジング21の内球面(ハウジング内球面)21aは、ボール部10bの球状に沿った球形湾曲状となっている。ボール部10bに密着成形されたハウジング内球面21aは成形収縮により、ボール部10bを締めつけている。
なお、ボール部10bの中心を通る水平線Hに対して垂直に通る軸線Vは、ボールスタッド10の軸芯と一致している。水平線Hは、水平に配置されたサポートバー1aの軸芯に一致する。水平線Hは、ボール部10bの中心を水平に通ることから赤道Hとも称す。
ボール部10bを包含するハウジング21の胴部21bは、外周面が内球面に沿う形状を有するので、フランジ部21g,21h以外の部分の厚みが略均一又は均一となっている。言い換えれば、胴部21bは、フランジ部21g,21hを除いた場合の球形湾曲形状の厚みが略均一となっている。具体的には、球形湾曲形状の胴部21bは、包含するボール部10bの赤道Hの下側の厚みW1と、ボールスタッド10が突き出るハウジング21の開口部21cと赤道H間の厚みW1とが、均一な寸法となっている。
このようなハウジング内球面21aとボール部10bとの摩擦力は、低トルクスタビリンクを実現する適正範囲であることが望ましい。言い換えれば、その摩擦力は、ボールスタッド10の揺動トルク及び回転トルク(各トルク)を、車両の乗り心地が向上するように低下させ、弾性リフト量を、ボールジョイントJ1にガタが発生しないように小さくできることが望ましい。
上述したハウジング21の胴部21bでは、ボール部10bの中心に向かう肉厚W1が均一又は略均一となるので、ボール部10bの締付力が均等又は略均等となり、低トルク化を図ることが可能となる。言い換えれば、ボール部10bに当接する樹脂による胴部21bを、ボール部10bに沿って肉厚の異方性を低減して均一又は略均一な肉厚W1とすることにより、胴部21bの成形収縮の量と異方性が低減され、低トルク化が達成可能となる。
ここで、車両のサスペンションは、路面から車体に伝わる衝撃を軽減し、スタビライザは、車体のロール剛性を高めるものであり、サスペンションとスタビライザは、スタビリンクを介して連結されている。スタビリンクは、棒状のサポートバー1a(図1)の両端に、上述したボールジョイントJ1を備えて構成されている。なお、サスペンション又はスタビライザは、請求項記載の構造体を構成する。
サポートバー1aは、金属材料として例えば、鋼管が使用されており、先端部(図6参照)はボールスタッド10が延在する方向にプレスされて平板状に変形されている。なお、サポートバー1aは、金属製以外に、樹脂製やこの他の材料であってもよい。更に、サポートバー1aが樹脂製である場合、ハウジング21と一体に構成してもよい。
図2に示した、ボールシートが内包されていない場合のハウジング21は、PA66(Polyamide 66)+GF30(PA66に重量比30%のガラス繊維を入れた材料)が用いられる。この材料を用いることにより、ハウジング21で、ボール部10bを直接保持した際に、低トルク化により低面圧化されるので、グリース蔓延性が向上する。
但し、ハウジング21の材料は強度要件が満たされるものであればよい。例えば、PEEK(polyetheretherketone)、PA6(Polyamide 6)、PPS(Poly Phenylene Sulfide Resin)、POM(polyoxymethylene)等のエンジニアリングプラスティック、スーパーエンジニアリングプラスティック、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスティック)等が使用される。
また、ハウジング21に、GF(Carbon Fiber)50を使用することで同形状でも成形収縮量を低減でき、更なる低トルク化が達成される。
このような熱可塑性樹脂によりインサート成形されるハウジング21の内球面21aは、ボールスタッド10のボール部10bが揺摺動するため、所定の摩耗耐久性を有している。
ハウジング21には、内球面21aの上端21uから上りテーパ形状で外方に円環状(円錐形状)に広がるテーパ部21f1を有する凸形状部21fが設けられている。つまり、凸形状部21fは、テーパ部21f1を有する円環形状を成す。テーパ部21f1の開始点は、上端21uの外側コーナー21u1となっている。
凸形状部21fの内周面であるテーパ部21f1の傾斜角は、双方向矢印α1で示すように、ボールスタッド10が揺動した際に、ボールスタッド10の揺動角を満たすように設計されている。
ハウジング21の外周面には、赤道Hを挟んで上側と下側との所定位置に、ハウジング21の強度を補完する環状のフランジ部21g,21hが設けられている。
上側のフランジ部21g(上側フランジ部21gともいう)は、ハウジング21の外方側に、赤道Hと平行に環状に突き出て設けられている。下側のフランジ部21h(下側フランジ部21hともいう)も、ハウジング21の外方側に、赤道Hと平行に環状に突き出て設けられている。各フランジ部21g,21hの肉厚W2は、胴部21bと同等であることが好ましい。
このように、赤道Hの上側と下側とにフランジ部21g,21hを設けることで、ハウジング21の胴部21bの樹脂強度を補完できる。
ハウジング11の凸形状部21fの上端部分は、外方側に赤道Hと平行に環状に突き出た突出部21f2となっている。この突出部21f2と、上側フランジ部21gとの間は、環状に周回する溝部21iとなっている。これと同様に、上側フランジ部21gと、下側フランジ部21hとの間も、環状に周回する溝部21jとなっている。
上側の溝部21iには、図3に示すように、ダストカバー23の下端部23aが嵌合され、外周側から1巻き以上、2巻き以下のサークリップ25で固定されている。この固定によりダストカバー23の固定力を向上させている。溝部21iの一面を構成する上側フランジ部21gの上面21g1は、ダストカバー23の下端部23aが接地される接地面21g1としての役割を果たしている。一方、ダストカバー23の上端部23bは、鍔部10a1と小鍔部10a2との間に挟まれて固定されている。
次に、図1に示すように、上下に離間した各フランジ部21g,21hの間には、フランジ部21g,21hの倒れ防止と、フランジ部21g,21hを補強するためのリブ21m,21n,21oが設けられている。リブ21m,21n,21oは、上側フランジ部21gの下面と、下側フランジ部21hの上面とを、上下方向に連結している。
図4は、図1に示すボールジョイントJ1を下から見た平面図であり、投影したリブ21m,21n,21oを破線で示してある。
図4に示すように、胴部21bを挟んで直線上に位置する2つのリブ21mは、上下のフランジ部21g,21h側である、上下の端面が長方形となった柱状(図1参照)を成す。2つのリブ21mは、サポートバー1aの水平線Hに沿う軸線(バー軸線ともいう)に対してハウジング21の中心で直交する線Lの上に、リブ21mの長手方向が一致するように設けられている。各リブ21mは、長手方向の両端側の面の一方である後面が胴部21bに一体に連結(図1参照)されており、他方である前面が上下のフランジ部21g,21hの外周面と上下方向で面一となっている。
図4に示すリブ21nは、上下の端面が長く延びる壁状を成し、この壁状の長手方向が、バー軸線に直交する状態で設けられている。このリブ21nの長手方向に延びる両側面の一方である後面の中央部分が、胴部21bに一体に連結され、他方である前面が上下のフランジ部21g,21hの間に位置している。また、リブ21nの長手方向の両先端側の面は、上下のフランジ部21g,21hの外周面と上下方向で面一となっている。
リブ21oは、上下の端面が長方形となった柱状を成し、この長手方向がバー軸線に沿って設けられている。リブ21oは、長手方向の両端側の面の一方である後面が、壁状のリブ21nに一体に連結(図1参照)されており、他方である前面が、上下のフランジ部21g,21hの外周面と上下方向で面一となっている。
但し、壁状のリブ21nは、この長手方向がバー軸線と直交するので、バー軸線を挟んだ直交方向の両側に2つのリブ21nが突き出ている状態となっている。この状態を踏まえると、少なくとも、バー軸線と直交する方向に4つのリブ21m,21nが設けられ、バー軸線と同方向に1つのリブ21oが設けられている。
これらのリブ21m,21n,21oの隣り合う間隔は、この間隔による間隙に泥等の夾雑物が入っても出る寸法、つまり、夾雑物が入って固まらない寸法とするのが好ましい。
各リブ21m,21n,21oの幅W3は、フランジ部21g,21hの肉厚W2(図2)の概略1/2とすることが好ましい。何故なら、ハウジング型(図示せず)によるハウジング21の成型時に、樹脂が、最初にフランジ部21g,21hの空洞に入って充満し、次に、リブ21m,21n,21oの空洞に入って充満する流れとすることが、適正形状のハウジング21を形成するために好適だからである。このため、リブ21m,21n,21oの幅W3を、フランジ部21g,21hの肉厚W2の概略1/2の寸法とするのが好ましい。
なお、ハウジング成型時に樹脂を流入するハウジング型の流入位置(ゲート位置)は、図4に符号21pで示すハウジング21のボトムの中心に対応する位置が好ましい。これは型の中心位置から樹脂を均等に流すためである。このように、ゲート位置をハウジング21のボトム位置に設けることで、ボール部10b周りの均等な樹脂流れを確保し、ウェルドフロー(融着不良)を防止できる。
<実施形態の効果>
このような本実施形態によるボールジョイントJ1の効果について説明する。このボールジョイントJ1は、構造体としてのサスペンション又はスタビライザに一端部が連結されるスタッド部10sの他端部に、金属製のボール部10bが一体に接合されて成るボールスタッド10と、ボールスタッド10のボール部10bを包含する内球面21aを有し、ボール部10bに接合されたスタッド部10sが突き出るように開口(開口部21c)した空間を有する樹脂製のハウジング21とを備える。
(1)ハウジング21は、ボール部10bを開口の位置まで包含する球形湾曲形状の胴部21bを備え、当該胴部21bは外周面が内球面に沿う形状を有し、胴部21bの外周面におけるボール部10bの中心を仮想的に通る水平線Hよりも上側の位置と、下側の位置との双方に、環状に周回するフランジ部21g,21hを備える構成とした。
この構成によれば、ボール部10bを包含する胴部21bの外周面が内球面に沿う形状を有するので、胴部21bのフランジ部21g,21hを有する以外の部分の厚みが均一となる。このため、胴部21bの肉厚の異方性が無くなり、胴部21bの成形収縮の量が略均等となってボール部10bの締付力が略均等となる。このため、ボール部10bの回転(又は回動)が安定し、低トルク化が達成できる。
これに加え、インサート成形時に、ボール部10bの中心の上下に位置する胴部21bのフランジ部21g,21hの部分において成形収縮が増加する。このため、胴部21bにおけるボール部10bの中心を挟んだ上下のフランジ部21g,21hで、ボール部10bを上下に2線支持する状態となる。この2線支持によって、ボール部10bに対する面圧が上下のフランジ部21g,21hの位置で高くなるので、ボール部10bの中心とハウジング21の内球中心とが一致し、よりトルクを安定させることができる。従って、ハウジング21内に回転自在に包含されるボールスタッド10のボール部10bを、安定して回転できるので、必要なトルクで回転させることができる。
また、ボールジョイントJ1に硬い石等の固形物が飛んで来ても、フランジ部21g,21hに当たってその衝撃が緩和されるので、ハウジング21を保護できる。
(2)水平線Hよりも上側及び下側の双方のフランジ部21g,21hの間に介在され、双方のフランジ部21g,21hを上下方向に連結する複数のリブ21m,21n,21oを備え、複数のリブ21m,21n,21oは、予め定められた隣接間隔で配置されている構成とした。
この構成によれば、ハウジング21の成型時の冷却過程でフランジ部21g,21hが歪むが、上下のフランジ部21g,21h間に所定間隔で複数のリブ21m,21n,21oが存在するので、その歪みを防止できる。また、複数のリブ21m,21n,21oの隣接間隔を、この間隔による間隙に泥等の夾雑物が入っても出る寸法、つまり、夾雑物が入って固まらない寸法とすれば、リブ21m,21n,21o間に夾雑物が溜まることが無くなる。
(3)水平線Hよりも上側のフランジ部21g,21hの上面は、スタッド部10sに上端部が固定されるダストカバー23の下端部を接地して固定する接地面21g1となる構成とした。
この構成によれば、ダストカバー23の下端部を、上側のフランジ部21g,21hの上面である接地面21g1に突き当てて接地するのみで固定できる。このため、ダストカバー23のポジションを容易に安定させて固定できる。
この他、上述したフランジ部21g,21hの外径を強度の許す限り大又は小に調整することで、トルクを調整できる。胴部21bから周回状に突き出るフランジ部21g,21hの長さを大きくする程に、ボール部10bを強い力で圧縮するのでトルクが大きくなる。本例では、図2に示すように、下側フランジ部21hが、上側フランジ部21gの赤道Hからの離間長さよりも、長い長さで赤道Hから下方側に離れている。言い換えれば、下側フランジ部21hは、上側フランジ部21gよりも、球形湾曲形状の胴部21bの垂直線V側に近い位置から突き出ている。このため、胴部21bの外周面から突き出た上側フランジ部21gの長さよりも、下側フランジ部21hの長さの方が長くなる。
<実施形態の変形例>
図5は、本発明に係る実施形態の変形例によるボールジョイントの構成を示す斜視図である。
図5に示す変形例のボールジョイントJ2が、上述した実施形態のボールジョイントJ1(図2)と異なる点は、ハウジング21の内球面21aとボール部10bとの間に、ボールシート30を介挿したことにある。
ボールシート30は、この環状の上端部に、ハウジング21の方向に凸状に周回して突き出る凸部30aを備える。凸部30aの上面30bは、平坦となっている。
このボールシート30で包含されたボール部10bを、ハウジング型にセットし、樹脂を流入すると、胴部21bの上側フランジ部21gを水平方向に延長した内球面21aの位置に、凸部30aにより凹んだ凹部21qが周回状に形成される。この際の凸部30aの位置は、赤道Hよりも上側にある。この場合、ハウジング21の内球面21aの凹部21qに、ボールシート30の凸部30aが嵌合状態に形成される。この嵌合状態で胴部21bに固定されたボールシート30でボール部10bが包含されてボールジョイントJ2が構成される。
変形例のハウジング21の胴部21bの肉厚W1aは、実施形態のハウジング21よりも薄くしてある。この薄肉化は、胴部21bの内球面とボール部10bとの間にボールシート30を介挿することで、インサート成形時に、胴部21bをボールシート30の厚み分、薄くできる。この薄肉化された胴部21bでボールシート30を介してボール部10bが包含されている。このため、薄肉化により胴部21bの成形収縮量の絶対値が減少しており、胴部21bのボール部10bへの圧縮力のバラつきが相対的に低減し、このため、トルク特性を安定できる。
この他、ボール部10bを包むボールシート30を、ボール部10bとの間に隙間ができる、やや大きい球状サイズとしてもよい。この場合、インサート成型時に、ハウジング型の胴部形成部分に樹脂が流れ込んで成形収縮しても、ボールシート30の球形状がボール部10bよりもやや大きいので、ボールシート30がバリアになって、胴部21bによるボール部10bへの圧縮力が弱くなる。この圧縮力の低下と、胴部21bの薄肉化による圧縮力の低下とが合わさって、よりトルクを下げることができ、これによって、よりトルク特性を安定させることができる。
その他、具体的な構成について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
本発明の製造方法で製造されるボールジョイントJは、産業用ロボットや人型ロボット等のロボットアームの関節部分や、ショベルカーやクレーン車等のアームが関節部分で回転する装置に適用可能である。
10 ボールスタッド
10b ボール部(球体部)
10s スタッド部
10b ボール部
21 ハウジング
21a 内球面
21b 胴部
21g,21h フランジ部
21g1 フランジ部の上面(接地面)
21m,21n,21o リブ
23 ダストカバー
30ボールシート
J1,J2 ボールジョイント

Claims (3)

  1. 構造体に一端部が連結されるスタッド部の他端部に、金属製の球体部が一体に接合されて成るボールスタッドと、当該ボールスタッドの球体部を包含する内球面を有し、当該球体部に接合されたスタッド部が突き出るように開口した空間を有する樹脂製のハウジングとを備えるボールジョイントであって、
    前記ハウジングは、前記球体部を前記開口の位置まで包含する球形湾曲形状の胴部を備え、当該胴部は外周面が内球面に沿う形状を有し、
    前記胴部の外周面における前記球体部の中心を仮想的に通る水平線よりも上側の位置と、下側の位置との双方に、環状に周回するフランジ部を備え、
    前記胴部の外周面から突き出た上側の前記フランジ部の長さよりも、前記胴部の外周面から突き出た下側の前記フランジ部の長さの方が長く、
    前記水平線から上側の前記フランジまでの離間長さよりも、前記水平線から下側の前記フランジまでの離間長さの方が大きい
    ことを特徴とするボールジョイント。
  2. 前記水平線よりも上側及び下側の双方のフランジ部の間に介在され、双方のフランジ部を上下方向に連結する複数のリブを備え、
    前記複数のリブは、予め定められた隣接間隔で配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のボールジョイント。
  3. 前記水平線よりも上側のフランジ部の上面は、前記スタッド部に上端部が固定されるダストカバーの下端部を接地して固定する接地面となる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のボールジョイント。
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