JP7414072B2 - 状態検知装置、方法およびプログラム - Google Patents

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Description

この発明は、高所作業における状態検知装置、方法およびプログラムに関する。
電気通信工事などの高所作業中における人身事故が問題となっており、特に作業者の転落に関する事故は毎年一定数生じている。
そのため、作業者のふらつきや転落といった危険な動作を識別する技術が求められており、例えば平面上の物体に複数の計測点を持つ圧力センサを配置し、圧力センサが配置された平面上の物体の上で作業者が動作を行なった際の圧力の特徴点から、作業者の動作を識別する技術がある(例えば、特許文献1参照)。また、予め複数のセンサが配置された平面状シートも存在する(例えば、非特許文献1参照)。当該平面状シートの上で作業者が作業することで、動作を識別するも可能である。
日本国特開2006-223651号公報
アニマ株式会社、"バランスコーダBW-6000"、[online]、[令和1年9月9日検索]、インターネット< URL : https://anima.jp/products/bw6000/>
センサが配置された物体やシートの上で作業者が作業を行うことは、通常の足場や踏ざんの上で作業を行うこととは異なるため、安全面およびコストの面から現実的ではない。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、作業者の安全を確保しつつ、作業者の状態を容易に検知することができる状態検知装置、方法及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、この発明の一つの観点に係る状態検知装置は、センサ部と、取得部と、算出部と、判定部とを含む。センサ部は、作業者が乗る高所作業用器具の脚部に配置される。取得部は、前記複数のセンサから前記作業者の重心動揺に関する時系列データを取得する。算出部は、前記時系列データから前記重心動揺に関する評価値を計算する。判定部は、前記評価値が閾値以上である場合、作業をしている前記作業者の状態が不安定であると判定する。
すなわちこの発明によれば、作業者の安全を確保しつつ、作業者の状態を容易に検知することができる。
図1は、本実施形態に係る状態検知装置を含む状態検知システムを示すブロック図である。 図2は、高所作業用器具に取り付けられるセンサ部の配置例を示す図である。 図3は、本実施形態に係る状態検知装置の動作を示すフローチャートである。 図4は、本実施形態に係る作業情報管理データベースに格納される管理データの一例を示す図である。 図5は、作業情報管理データベースに格納される年齢別作業情報の一例を示す図である。 図6は、作業情報管理データベースに格納される単位時間ごとの年齢別作業情報の一例を示す図である。 図7は、本実施形態に係る出力部から出力される危険検知レポートの一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本開示の一実施形態に係る状態検知装置、方法及びプログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
本実施形態に係る状態検知装置を含む状態検知システムについて図1を参照して説明する。
本実施形態に係る状態検知システムは、状態検知装置1および作業情報管理データベース3を含む。
状態検知装置1と作業情報管理データベース3とは、ネットワーク5を介して無線または有線で接続される。なお、図1の例では、1つの状態検知装置1を図示しているが、複数の状態検知装置1が1つの作業情報管理データベース3に接続されてもよい。
状態検知装置1は、センサ部10、処理回路12、メモリ14、入力インタフェース18および通信インタフェース16を含む。処理回路12は、取得部121、算出部123、作成部125、判定部127および出力部129を含む。なお、センサ部10と、状態検知装置1に含まれる他の構成とは、有線または無線で接続される。処理回路12、メモリ14、通信インタフェース16および入力インタフェース18は、例えばバスを介して接続される。
センサ部10は、作業者の重心を計算できるように、複数のセンサが作業者が乗る高所作業用器具の脚部に分散して配置される。高所作業用器具は、本実施形態では、脚立を想定して説明するが、梯子、三脚、作業台および足場台など、作業者が当該器具に乗り、地面よりも高い位置で作業する際に用いられる器具であれば何でもよい。センサ部10は、作業者の重心の移動に応じて変化するセンサ値を取得する。センサ部10として用いられるセンサは、例えば、圧力値を計測可能な歪みセンサである。なお、センサ部10の配置例については図2を参照して後述する。
取得部121は、センサ部10から作業者の重心動揺に関する時系列データを取得する。
算出部123は、時系列データから、作業者の重心動揺に関する評価値を計算する。評価値とは、例えば、重心動揺面積、重心軌跡の各軸方向の振れ幅の最大値などが挙げられる。
作成部125は、作業情報管理データベース3を参照して、作業情報を生成する。作業情報は、作業者の識別情報、作業開始時間、作業経験、評価値を含むデータである。作業経験は、例えば何回目の作業かを示す作業回数であるが、累計の作業時間などでもよい。
判定部127は、評価値が閾値以上である場合、作業をしている作業者の状態が不安定であると判定する。作業者の状態が不安定である場合とは、具体的には、作業者がバランスを崩してふらついている状態、高所作業用器具から作業者が転落しそうな状態などが挙げられる。
出力部129は、判定部127により作業者の状態が不安定であると判定された場合、作業情報データに基づいて、作業者の識別情報および作業者の重心動揺の評価値を含む危険検知レポートを出力する。危険検知レポートは、作業情報管理データベース3に送信されてもよいし、作業者本人、または他の作業者または管理者が視聴可能なディスプレイに表示されてもよい。危険検知レポートについては図7を参照して後述する。
なお、処理回路12は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサまたはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路で構成される。上述した各処理部(取得部121、算出部123、作成部125、判定部127及び出力部129)は、プロセッサまたは集積回路が処理プログラムを実行することで、プロセッサまたは集積回路の一機能として実現されてもよい。
メモリ14は、センサ値、評価値、作業者の識別情報などのデータを格納する。メモリ14は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの一般的に用いられる記憶媒体であればよい。また、状態検知装置1が、ネットワーク5を介して作業情報管理データベース3とデータを送受信可能な状況であれば、状態検知装置1でデータ(センサ値、評価値、識別情報など)を取得および生成する度に作業情報管理データベース3に送信してもよく、メモリ14が過去のデータを保持しなくともよい。この場合メモリ14は、キャッシュメモリなどの揮発性メモリによる一時記憶媒体でもよい。
通信インタフェース16は、センサ部10、作業情報管理データベース3および状態検知装置1間でデータ通信するためのインタフェースである。通信インタフェース16は、一般的に用いられている通信インタフェースを用いればよいため、ここでの説明は省略する。
入力インタフェース18は、例えば、マウス、キーボード、スイッチ、ボタンまたはタッチパネルディスプレイであり、状態検知装置1のユーザからの入力を受け付ける。
作業情報管理データベース3は、状態検知装置1から送信される作業情報と、作業者の識別情報、作業経験、および判定部127で用いる閾値などを格納する。また、格納した作業情報に基づいて、年齢別の平均の作業経験および平均の評価値も格納する。作業情報管理データベース3は、例えばクラウドサーバに用意され、複数の状態検知装置1と通信することを想定するが、専用サーバに格納されてもよい。作業情報管理データベース3に格納される情報については図4から図6を参照して後述する。
次に、作業者が乗る高所作業用器具である、脚立に取り付けられるセンサ部10の一例について図2を参照して説明する。
図2に示すように、センサ部10は、作業者が乗る脚立20の各脚201に配置されるセンサ203を含む。センサ203は、例えば、脚立20の脚201の先端部に取り付けられることを想定する。脚201の先端部には通常ラバー製などの滑り止めグリップが設けられているため、滑り止めグリップと脚201の先端部との間にセンサ203が配置されてもよいし、滑り止めグリップ自体にセンサ203が埋め込まれてもよいし、脚201の先端部に滑り止めグリップの上からセンサ部10を含む滑り止め機能を有する部材が設けられてもよい。
センサ203は、圧力値をセンサ値として取得することを想定するが、センシングした時刻、高度、気温、磁場など他の情報をセンサ値として取得してもよい。図2の例では、4つのセンサ203が各脚201に配置されることで、それぞれのセンサ203から作業者が脚立20に乗った際の圧力をセンサ値として取得できる。作業者が脚立20に乗った際に、センサ203にかかる圧力が変動するため、作業者が脚立20に乗ったことを検知できる。さらに、4つのセンサ203の各位置からセンサ値を一定間隔で取得し続けることで、センサ値の時系列データから、作業者の重心の変動を算出することができる。
なお、センサ部10は、高所作業用器具の脚の先端部に取り付けられればよく、脚立であれば4つのセンサ203が設けられればよい。梯子であれば地面に接する脚と立て掛ける対象に接する脚とに計4つのセンサ203が設けられればよい。
また、センサ部10は、作業者が保持するID認識タグをセンシングするタグ認識部を含む。ID認識タグは、作業者を一意に識別する作業者IDを含む。センサ部10は、作業のため脚立20に乗ろうとする作業者のID認識タグを認識し、脚立20に乗っている作業者の作業者IDと脚立に乗った時刻とを取得する。センサ部10によるIDタグの認識は、例えば作業者がセンサ部10にID認識タグを近接または接触させることで認識できる構成でもよいし、センサ部10から一定範囲内に存在するID認識タグをセンサ部10が認識できる構成でもよい。
なお、ID認識タグにより作業者IDを識別する代わりに、状態検知装置1の入力インタフェース18に対し、自身の作業者IDを入力してから作業を行うことで、脚立20に乗っている作業者の作業者IDを識別するようにしてもよい。
次に、本実施形態に係る状態検知装置1の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは高所作業用器具として脚立を想定し、評価値は、重心動揺面積を想定する。
ステップS301では、取得部121が、センサ部10から、センサ値、作業者ID及び作業者が脚立に乗った時刻を取得する。なお、作業者が脚立に乗った時刻を作業開始時間とする。具体的には、センサ部10が、圧力値と時刻とをセンサ値として計測した場合は、センサ値に含まれる時間を作業開始時間として取得すればよい。また、状態検知装置1の入力インタフェース18に対し、自身の作業者IDを入力してから作業を行う場合は、作業者IDが入力された時刻を作業開始時間としてもよい。
ステップS302では、算出部123が、センサ値から作業者の重心を算出し、重心動揺に関する評価値を算出する。作業者の重心は、脚立の各脚のセンサ値が等しければ、4つのセンサの配置で規定される平面領域の中心(例えば、脚立の4本の脚で規定される作業者の作業領域の中心)に作業者の重心があると算出できる。よって、それぞれのセンサ値の変動を比較することで、当該平面領域のうちのどこに作業者の重心が存在するかを算出できる。なお、梯子などの場合は、予めセンサ値に偏りがあると考えるが、作業者が梯子に乗る前のセンサの値を初期状態として、そこからのセンサ値に変動により作業者の重心を算出すればよい。
また、重心動揺面積は、重心の軌跡の外形に基づく面積を用いるなど、一般的に算出される方法を用いればよいため、ここでの説明は省略する。評価値が重心軌跡の各軸方向の振れ幅の最大値の場合は、算出した重心について縦方向、横方向の座標の最大値および最小値を計算して差分を取り、振れ幅を算出すればよい。
ステップS303では、作成部125が、作業情報管理データベース3を参照して、作業情報を生成する。具体的には、例えば、ステップS301で取得した作業者IDをキーとして、作業情報管理データベース3から、現在作業している作業者の識別情報として氏名、年齢、および作業経験を取得する。作成部125は、作業者の氏名、年齢、作業開始時間、作業経験、重心動揺面積を含めて作業情報を生成する。なお、作業情報に含まれる作業経験は、作業情報管理データベース3から取得した値を1つインクリメントした値である。
また、作成部125は、作業者IDに基づいて、作業者の過去の作業データに基づく重心動揺面積の最大値(以下、最大重心動揺面積という)、年齢別の重心動揺面積の平均値(以下、平均重心動揺面積という)および高所作業用器具での年齢別の作業経験の平均値(以下、平均作業経験という)を取得する。
ステップS304では、判定部127が、作業者の評価値が閾値以上であるか否かを判定する。ここでは、重心動揺面積が作業者の年齢における平均重心動揺面積以上であるか否かを判定する。評価値が閾値以上である、つまり重心動揺面積が平均重心動揺面積以上である場合、ステップS305に進み、評価値が閾値未満である、つまり重心動揺面積が平均重心動揺面積未満である場合、ステップS301に戻り、同様の処理を繰り返す。
すなわち、センサ値は所定の間隔でサンプリングされた時系列データであるので、ステップS301およびステップS302の処理を繰り返すことで、当該時系列データとして新たなセンサ値が取得されるごとに重心の軌跡を算出し、リアルタイムに重心動揺面積を算出できる。なお、ステップS303における作業情報管理データベース3から作業者の識別情報を取得する処理は1度行えばよいため、繰り返しにおいては、作業者の識別情報を取得する処理は省略してもよい。
また、ステップS304において判定部127は、最大重心動揺面積と比較するのではなく、重心動揺面積が、作業者の最大重心動揺面積以上であってかつ作業者の作業経験が年齢別の平均作業経験以上であるか否かを判定してもよい。重心動揺面積が作業者の最大重心動揺面積以上であってかつ作業経験が平均作業経験以上である場合、ステップS305に進む。一方、重心動揺面積が最大重心動揺面積未満であるか、作業経験が平均作業経験未満である場合、ステップS301に戻り、同様の処理を繰り返す。
なお、平均作業経験未満である場合に作業者が不安定であると判定しないのは、作業者が脚立の作業そのものに不慣れなので、重心動揺に関して正確な情報が得られないと考えられるからである。
ステップS305では、判定部127が、作業をしている作業者の状態が不安定であると判定する。
ステップS306では、出力部129が、ステップS303で作成した作業情報に基づいて、不安定と判定された重心動揺面積のグラフを含む危険検知レポートを出力する。
次に、作業情報管理データベース3に格納される管理データの一例を図4に示す。
管理データとして、作業者ID、氏名、年齢、時間情報、作業経験および評価値がそれぞれ対応付けられて、管理データテーブル400に格納される。
時間情報は、作業者の作業開始時間である。なお、作業者が高所作業用器具を降りた時点を作業終了時間として、作業終了時間と作業開始時間との差分により作業時間を算出し、当該作業時間を時間情報として格納してもよい。
作業経験は、本実施形態では何回目の作業かを示す回数を想定するが、累計の作業時間または経験年数でもよく、作業者の作業に関する経験を表せる値であればよい。
図4に示す作業情報管理データベース3には、状態検知装置1から送信された作業情報を受信した場合、作業情報に含まれる作業開始時間が、既に管理データテーブル400に格納される同じ作業者IDの作業開始時間と異なる場合、同じ作業者IDのエントリとして、時間情報、作業経験および評価値の項目を新たに追加する。このとき、作業経験は既に格納される作業経験の値から1つインクリメントした値を格納する。
図4の例では、作業者ID「abc」、氏名「A山 B男」、年齢「45」の人物に対して、時間情報「2019/4/16/9:00」、作業経験(回数)「3」及び評価値(重心動揺面積)「100」のエントリと、時間情報「2019/4/17/9:00」、作業経験(回数)「4」及び評価値(重心動揺面積)「80」のエントリとがそれぞれ対応付けられて格納される。よって、作成部125は、作業者ID「abc」をキーとして、氏名「A山 B男」、年齢「45」および作業経験(回数)「3」という作業者の識別情報を得ることができる。
なお、これまでの作業経験の履歴を残さずに、作業者IDに対して、最新の作業データが格納されるようにしてもよい。すなわち、図4の例では、作業経験「4」に関するエントリだけ格納されてもよい。この際、過去の時間情報と作業経験と重心動揺面積とは別項目として、作業者IDと対応づけて格納されるとよい。
次に、作業情報管理データベース3に格納される年齢別作業情報の一例について図5を参照して説明する。
図5では、年齢別作業情報は、年齢、平均作業経験および評価値(平均重心動揺面積)がそれぞれ対応付けられて、年齢別作業情報テーブル500に格納される。
年齢は、20歳、32歳といった1年ごとの年齢別に限らず、「30歳~35歳」といった幅を持たせた年齢層でもよい。年齢別の平均作業経験および評価値(平均重心動揺面積)は、複数の状態検知装置1から得られる図4に示すような作業データを蓄積し、年齢別で平均を取るなどの解析を行うことで、平均作業経験および平均重心動揺面積が算出されればよい。
なお、長時間作業することによる疲労により、重心動揺面積の形状が変わる可能性がある。よって、この場合は、平均重心動揺面積または本人の最大重心動揺面積を単位時間ごとに格納しておく。判定部127が、平均重心動揺面積または本人の最大重心動揺面積を作業者の作業時間の長さに応じて、対応する単位時間ごとの平均重心動揺面積または本人の最大重心動揺面積に変更して、作業者の状態が不安定であるか否かを判定すればよい。
作業情報管理データベース3に格納される、単位時間ごとの年齢別作業情報の一例について図6を参照して説明する。
図6に示す年齢別作業情報テーブル600は、図5に示す年齢別作業情報テーブル500と比較して、単位時間ごとの時間情報と評価値(平均重心動揺面積)とのエントリを含む点で異なる。ここでは、単位時間として10分を想定する。
例えば、判定部127は、開始から10分までの作業においては、平均重心動揺面積「100」を基準として、現在計測中の重心動揺面積が「100」以上となるか否かで、作業者の状態を判定すればよい。
続いて、次の単位時間である10分から20分までの作業においては、疲労により作業者の重心に少しブレが生じてくる可能性があるため、平均重心動揺面積を少し増加させる。判定部127は、平均重心動揺面積「150」を基準として、現在計測中の重心動揺面積が「150」以上となるか否かで、作業者の状態を判定すればよい。これにより、作業者の状態の不安定性の検知精度を高めることができる。
但し、作業時間に関係なく、平均重心動揺面積の上限としてこれ以上ふらついたら危険という値を定める必要があるので、作業時間が一定時間以上の場合は、単位時間に関係なく平均重心動揺面積を一定値とする。例えば、作業時間30分以上の場合は平均重心動揺面積を「180」と設定すればよい。よって、判定部127は、一定作業時間以上は、現在計測中の重心同調面積が「180」以上となるか否かで、作業者の状態を判定すればよい。
次に、出力部129から出力される危険検知レポートの一例を図7に示す。
図7は、危険検知レポートとして、重心動揺の軌跡に関するグラフ701が表示され、作業データ703及びメッセージ705がグラフ701に重畳表示される一例を示す。メッセージは、作業者の状態が不安定であることまた危険であることが分かる表現であればよい。具体的には、グラフ701上段に作業データとして、氏名「A山B男」、年齢「45」、開始時間「2019年08月21日16時」、作業経験「脚立・梯子経験(10回目)」が表示され、グラフ701下段にメッセージ705「危険です」と表示される。
図7に示す危険検知レポートを本人が見ることにより、自身の感覚では認識できない不安定さを客観的に把握できる。また、当該危険検知レポートを他の作業者または管理者が見ることにより、普段よりふらついている、などといった兆候を把握することができ、事前に危険な兆候を把握する危険予測を行うことができる。
以上に示した本実施形態によれば、梯子や脚立など高所作業用器具の脚部にセンサを取り付け、重心動揺面積などの評価値を用いて、作業者が不安定であると判定された場合に危険検知レポートを出力する。これにより、作業者が本来の作業とは別にリアクションプレートなどに乗り重心動揺を計測するという無駄な作業を行うことなく、作業者は、自身が利用する高所作業用器具に乗って作業を継続するだけで、作業者のふらつきや転落の危険性などの不安定さを判定することができる。また、危険検知レポートを出力することにより、危険な兆候を可視化することができ、当該兆候を本人または周囲に知らせることができる。結果として、作業者の安全を確保しつつ、作業者の状態を容易に検知することができる。
上述の実施形態の中で示した処理手順に示された指示は、ソフトウェアであるプログラムに基づいてコンピュータで実行されることが可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1・・・状態検知装置
3・・・作業情報管理データベース
5・・・ネットワーク
10・・・センサ部
12・・・処理回路
14・・・メモリ
16・・・通信インタフェース
18・・・入力インタフェース
20・・・脚立
30・・・作業時間
121・・・取得部
123・・・算出部
125・・・作成部
127・・・判定部
129・・・出力部
201・・・脚
203・・・センサ
400・・・管理データテーブル
500,600・・・年齢別作業情報テーブル
701・・・グラフ
703・・・作業データ
705・・・メッセージ

Claims (8)

  1. 作業者が乗る高所作業用器具の脚部に配置されるセンサ部と、
    前記センサ部から前記作業者の重心動揺に関する時系列データを取得する取得部と、
    前記時系列データから前記重心動揺に関する評価値を算出する算出部と、
    前記評価値が閾値以上である場合、作業をしている前記作業者の前記高所作業用器具に乗っている状態が不安定であると判定する判定部と、を具備し、
    前記評価値は、重心動揺面積であり、
    前記判定部は、前記作業者の重心動揺面積が前記作業者の年齢に対応する重心動揺面積の平均値以上である場合、または、前記重心動揺面積が前記作業者の過去の作業における最大重心動揺面積以上であってかつ前記作業者の作業経験が前記作業者の年齢に対応する作業経験の平均値以上である場合、前記高所作業用器具に乗っている状態が不安定であると判定する、状態検知装置。
  2. 前記算出部は、前記作業者の重心動揺面積または重心軌跡の各軸方向の振れ幅の最大値を含む値を前記評価値として算出する、請求項1に記載の状態検知装置。
  3. 前記判定部は、前記重心動揺面積の平均値および前記最大重心動揺面積を前記作業者の作業時間の長さに応じて変更し、前記作業者の前記高所作業用器具に乗っている状態が不安定であるか否かを判定する、請求項1に記載の状態検知装置。
  4. 前記作業者の前記高所作業用器具に乗っている状態が不安定であると判定された場合、前記作業者の識別情報および前記作業者の前記評価値を含む危険検知レポートを出力する出力部をさらに具備する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の状態検知装置。
  5. 作業者が乗る高所作業用器具の脚部に配置されるセンサ部と、
    前記センサ部から前記作業者の重心動揺に関する時系列データを取得する取得部と、
    前記時系列データから前記重心動揺に関する評価値を算出する算出部と、
    前記評価値が閾値以上である場合、作業をしている前記作業者の前記高所作業用器具に乗っている状態が不安定であると判定する判定部と、を具備し、
    前記閾値は、前記作業者の作業時間が長いほど高く設定される、状態検知装置。
  6. 取得が、作業者が乗る高所作業用器具の脚部に配置されるセンサ部から作業者の重心動揺に関する時系列データを取得し、
    算出が、前記時系列データから前記重心動揺に関する評価値を算出し、
    判定が、前記評価値が閾値以上である場合、作業をしている前記作業者の前記高所作業用器具に乗っている状態が不安定であると判定し、
    前記評価値は、重心動揺面積であり、
    前記判定は、前記作業者の重心動揺面積が前記作業者の年齢に対応する重心動揺面積の平均値以上である場合、または、前記重心動揺面積が前記作業者の過去の作業における最大重心動揺面積以上であってかつ前記作業者の作業経験が前記作業者の年齢に対応する作業経験の平均値以上である場合、前記高所作業用器具に乗っている状態が不安定であると判定する、状態検知方法。
  7. 取得が、作業者が乗る高所作業用器具の脚部に配置されるセンサ部から前記作業者の重心動揺に関する時系列データを取得し、
    算出が、前記時系列データから前記重心動揺に関する評価値を算出し、
    判定が、前記評価値が閾値以上である場合、作業をしている前記作業者の前記高所作業用器具に乗っている状態が不安定であると判定し、
    前記閾値は、前記作業者の作業時間が長いほど高く設定される、状態検知方法。
  8. コンピュータを、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の状態検知装置の各として実行させるためのプログラム。
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