JP7413359B2 - ナノゲルを安定化させる方法及び組成、並びにそれによる歯科用組成物 - Google Patents

ナノゲルを安定化させる方法及び組成、並びにそれによる歯科用組成物 Download PDF

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Description

本開示は、ナノゲルを安定化させる方法及び組成、並びに、歯科用組成物の添加剤としてのこのようなナノゲルの使用に関する。
ナノゲルは、高度に分岐した個別のポリマー粒子である。ナノゲルは、伝統的に、モノメタクリレート/ジメタクリレートモノマーから溶液共重合によって合成されてきた。
以前のナノゲルプロセスの主な欠点は、モノメタクリレートとジメタクリレートとの共重合が不十分で、ナノゲルの最終組成が供給組成からずれることであった。モノメタクリレートの総じて低い収率(yield)と高い回収率(recovery rate)が観察されている。また、重合中及び真空乾燥後にマクロゲルが形成される可能性があり、それによりレジンへの再分散性が損なわれることがある。
マクロゲル化を回避するためにナノゲル組成物に連鎖移動剤が添加されている。米国特許第9,138,383号は、モノビニルモノマーと、ジビニルモノマーと、連鎖移動剤と、イニファータとを含むモノマー混合物の重合によって生成された可溶性のナノゲルポリマーを開示している。
米国特許第9,845,415号は、(i)少なくとも1つのモノビニルモノマーと、少なくとも1つのジビニルモノマーと、二官能性連鎖移動剤と、開始剤とを含むモノマー混合物を混合することと、(ii)前記混合物を重合して水分散性のナノゲルを形成することと、を含むプロセスによって生成され、前記少なくとも1つのモノビニルモノマーがポリエトキシ(10)エチルメタクリレート(E10 HEMA)を含む、水分散性のナノゲルを開示している。
他の課題は、ナノゲルの品質及び性能を保証するために副生成物(未反応のモノメタクリレート、残留ドデカンチオール(DDT)、及び残留溶媒)のすべてを効果的に除去することを含む。
さらに、重合収縮と破壊収縮応力は、まだ現代の歯科用コンポジットの主な制限であり、特に適用が増えているバルクフィル修復のために、材料の完全性が向上し、良好な結合が維持される高度なコンポジット修復をもたらすために、それらを軽減する必要が依然として大いにある。
ナノゲルは、予備重合した状態の重合可能な添加剤として、適合するモノマーマトリックス中に容易に分散させることができ、これは、重合可能な二重結合を効果的に減少させるため、体積収縮の低減に寄与する。さらに、重合中に、これらのモノマーで膨潤したナノゲル粒子は、迅速な光重合及びネットワーク形成中に、「応力吸収体」として効率よく作用する。
前述のように、高度なコンポジット修復をもたらすために、歯科用コンポジットの重合収縮及び破壊応力を低減する必要が大いにある。
本開示の目的は、収縮応力を顕著に低減し、硬化物の力学的特性をさらに強化するために、歯科用組成物の添加剤として用いることができる、本開示のプロセスによって生成されたナノゲルを提供することである。
さらに、ナノゲル溶液を安定化させるために、反応プロセス中のマクロゲル形成を回避する効果的なナノゲル形成プロセスを開発する必要性が引き続き存在している。これにより、ワークアッププロセス中のマクロゲル化が回避され、後でナノゲルがレジンに再分散することが容易になる。このプロセスは、ナノゲルの品質をより良くするために、副生成物のすべてを除去することができる。
本開示は、マクロゲル化を伴わない堅牢な製造プロセスのための、ナノゲル組成物を安定化させる方法及び組成を提供する。
本開示の第1の態様において、
(a)ナノゲル溶液を得るために或る反応温度で、
(i)1つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーと、
(ii)2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマー及び少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーのうちの少なくとも1つと、
(iii)少なくとも1つの連鎖移動剤と、
(iv)開始剤と、
を含む混合物を熱重合によって重合するステップと、
(b)反応温度を下げ、ラジカルスカベンジャーでナノゲル溶液をクエンチすることによって、重合を終了させるステップと、
を含むプロセスによって形成されたナノゲルを含む歯科用組成物が提供される。
一実施形態において、歯科用組成物を調製するための、本開示に係るプロセスによって得られるナノゲルの使用が提供される。歯科用組成物は、歯科用コンポジット、歯科用接着剤、歯科用セメント、レジン添加型グラスアイオノマー、バニッシュ、シーラント、義歯材料、コンポジットブロック、及び歯科用3Dプリンティングのためのコンポジットインクであり得る。
本開示の別の態様において、ナノゲルを形成する方法が提供される。この方法は、
(a)ナノゲル溶液を得るために或る反応温度で
(i)1つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーと、
(ii)2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマー及び少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーのうちの少なくとも1つと、
(iii)少なくとも1つの連鎖移動剤と、
(iv)開始剤と、
を含む混合物を熱重合によって重合するステップと、
(b)反応温度を下げ、ラジカルスカベンジャーでナノゲル溶液をクエンチすることによって、重合を終了させるステップと、
を含む。
方法の一実施形態において、ナノゲルは、本質的にマクロゲルを含まない。
方法の別の実施形態において、ナノゲルは、2nm~20nmの流体力学的半径を有する。
方法のさらに別の実施形態において、ラジカルスカベンジャーは、ナノゲル溶液が25℃で7日間の貯蔵時に熱安定性を有するような濃度で存在する。
総じて、ナノゲルは、ゲル化及びガラス化の遅延に寄与し、結果的に、応力発生が鈍化するだけでなく、最終的な収縮応力の大きさも低減することが観察された。
利点は歯科用コンポジットのみに限定されず、ナノゲル添加剤を伴う新規な歯科用接着剤は、耐久性及び材料特性の改善を達成する可能性も有する。
UDMA/POEMAナノゲルを合成するためのスキームを示す図である。 TEMPO安定化ナノゲルプロセス(80℃でのモノマーの総重量の0.09重量/重量%のTEMPOを有するZZ1-85)でのメタクリレート(MA)転化率を示す図である。 メタクリレート-ニトロキシド系における副反応の一般的なメカニズムを示す図である。 高温でのTEMPOクエンチナノゲルからの可能性のある副反応を示す図である。 UDMA/POEMAナノゲル/ZZ1-127B(TEMPOはモノマーの総重量の0.20重量/重量%)のTEMPO安定化メチルエチルケトン(MEK)溶液のUVスペクトルに対する室温でのエージングの影響を示す図である。 種々のTEMPO(40℃でのモノマーの総重量の、A:0重量/重量%、B:0.20重量/重量%、C:0.16重量/重量%、D:0.12重量/重量%)を有するナノゲルのTEMPO安定化MEK溶液/ZZ1-99のUVスペクトルに及ぼす熱エージングの影響を示す図である。 熱エージングしたナノゲル/MEK溶液ZZ1-99B(40℃でのモノマーの総重量の、AIBNは0.90重量/重量%、TEMPOは0.20重量/重量%)のUVスペクトルを示す図である。 7.02ppmに特徴的なピークを有するTMPTMA架橋剤[DMSO-d6]を含有するナノゲルの13C NMRを示す図である。 CDCl中で7.50ppmに特徴的なピークを有する15mol%のTMPTMA架橋剤を含有するナノゲルの13C NMRを示す図である。 CDCl中で7.51ppmに特徴的なピークを有する20mol%のTMPTMA架橋剤を含有するナノゲルの13C NMRを示す図である。 CDCl中で7.50ppmに特徴的なピークを有する25mol%のTMPTMA架橋剤を含有するナノゲルの13C NMRを示す図である。 CDCl中で118.11、132.23、及び176.62ppmに特徴的なピークを有する30mol%のBAABE架橋剤と70mol%のPOEMAを含有するナノゲルの13C NMRを示す図である。
本開示の上記の態様、並びに他の態様、特徴、及び利点を、添付図を参照しながら種々の実施形態に関連して以下に説明する。
本開示で用いられる用語のいくつかを以下に定義する:
「アルキル」という用語は、他に規定されない限り、1~18個の炭素原子を有するモノラジカル分岐又は非分岐飽和炭化水素鎖を指す。この用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、n-デシル、ドデシル、テトラデシルなどの基で例示され得る。アルキル基はさらに、アルケニル、アルコキシ、及びヒドロキシルから選択される1つ又は複数の置換基で置換され得る。
「アルキレン」という用語は、他に規定されない限り、1~18個の炭素原子の直鎖飽和二価炭化水素ラジカル又は3~18個の炭素原子の分岐飽和二価炭化水素ラジカル、例えば、メチレン、エチレン、2,2-ジメチルエチレン、プロピレン、2-メチルプロピレン、ブチレンなど、好ましくはメチレン、エチレン、又はプロピレンを指す。
「アリーレン」という用語は、「アリール」の二価部分である。「アリール」という用語は、C~C18員の芳香環、ヘテロ環、縮合芳香環、縮合ヘテロ環、二重芳香環、又は二重ヘテロ環系を指す。広義には、本明細書で用いられる場合の「アリール」としては、0から4個のヘテロ原子を含み得る5-、6-、7-、8-、9-、及び10員の単環芳香族基、例えば、ベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジンなどが挙げられる。環構造にヘテロ原子を有するこれらの「アリール」基は、「ヘテロアリール」又は「ヘテロ環」又は「ヘテロ芳香族」と呼ばれる場合もある。芳香環は、1つ又は複数の環位置で、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ(又は四級化アミノ)、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族又はヘテロ芳香族部分、-CF、-CN、及びこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の置換基で置換することができる。
「アリール」という用語はまた、2つの隣接する環と2つ以上の炭素が共通の2つ以上の環状環(すなわち「縮合環」)を有する多環式の環系を含み、この場合、環のうちの少なくとも1つは芳香環であり、他の1つ又は複数の環は、例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、及び/又はヘテロ環とすることができる。ヘテロ環式の環の例としては、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aHカルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H-インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシインドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H-ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアンスレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、及びキサンテニルが挙げられるがこれらに限定されない。
「アラルキレン」という用語は、「アラルキル」の二価部分である。「アラルキル」という用語は、式「-R-アリール」のラジカルを指し、式中、Rは、上記で定義したアルキレン、例えば、メチレン、エチレンなどである。アリール部は、前述のアリール基で置換されてもよい。
「シクロアルキレン」という用語は、「シクロアルキル」の二価部分である。「シクロアルキル」という用語は、単環式又は多環式のシクロアルキルラジカルを指す。単環式のシクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。多環式のシクロアルキルラジカルの例としては、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルなどが挙げられる。本明細書に特に明記されていない限り、「シクロアルキル」という用語は、アルキル、ハロ、オキソ、又はアルキレン鎖から選択される1つ又は複数の置換基によって置換されてもよい単環式又は多環式のシクロアルキルラジカルを含むように意図されている。
「シクロアルキルアルキレン」という用語は、基「-R-シクロアルキル-」を指し、式中、Rは、上記で定義したアルキレン、例えば、メチレン、エチレンなどである。本明細書で用いられる場合のC~Cシクロアルキルアルキレンは、C~Cアルキレン基を通じて連結されたシクロアルキルを指す。
「ヘテロアリーレン」という用語は、「ヘテロアリール」の二価部分である。
本開示の文脈における「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリレート並びに対応するメタクリレートを指すことを意味する。
本開示の文脈における「(メタ)アクリルアミド」という用語は、アクリルアミド及びメタクリルアミドを含むことを意味する。
本開示は、ナノゲル組成物を安定化させる方法及び組成を提供する。本開示に係るプロセスによって得られるナノゲルは、歯科用組成物を調製するのに特に有用である。歯科用組成物は、歯科用コンポジット、歯科用接着剤、歯科用セメント、レジン添加型グラスアイオノマー、バニッシュ、シーラント、義歯材料、コンポジットブロック、又は歯科用3Dプリンティングのためのコンポジットインクであり得る。
本開示に係る歯科用組成物は、成分としてナノゲルを含む。
本開示の一態様において、
(a)ナノゲル溶液を得るために或る反応温度で
(i)1つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーと、
(ii)2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマー及び少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーのうちの少なくとも1つと、
(iii)少なくとも1つの連鎖移動剤と、
(iv)開始剤と、
を含む混合物を熱重合によって重合するステップと、
(b)反応温度を下げ、ラジカルスカベンジャーでナノゲル溶液をクエンチすることによって、重合を終了させるステップと、
を含むプロセスによって形成されたナノゲルを含む歯科用組成物が提供される。
「2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマー及び少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーのうちの少なくとも1つ」という文言は、「2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーのみ」、「少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーのみ」、又は「2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマー及び少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーとの両方」を意味すると理解されるべきである。
歯科用組成物の一実施形態において、ナノゲルは、組成物の総重量に基づいて5~40重量/重量%、或いは10~30重量/重量%の範囲内、或いは10~25重量/重量%の範囲内、又は組成物の総重量に基づいて任意の値、範囲、若しくはそれらの間の部分範囲の濃度で存在し得る。
本明細書で開示されるプロセスによって形成されるナノゲルの或る実施形態において、1つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーは、C~C12アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、アリルエーテル、芳香族(メタ)アクリレート、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルアミン、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシルアルキルアクリルアミド、及びヒドロキシルアルキルメタクリルアミドからなる群から選択される。
~C12アルキル(メタ)アクリレートの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられるがこれらに限定されない。
ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートの例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)、ポリエトキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート及びヒドロキシブチルメタクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート及び10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレートが挙げられるがこれらに限定されない。
芳香族(メタ)アクリレートの例としては、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンゾイル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-フェニルエチル(メタ)アクリレート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリレート、4-フェニルブチル(メタ)アクリレート、4-メチルフェニル(メタ)アクリレート、4-メチルベンジル(メタ)アクリレート、及び2-(4-メトキシフェニル)エチルメタクリレートが挙げられるがこれらに限定されない。
ヒドロキシアルキルアクリルアミドの例としては、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル)アクリルアミド、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、又はこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
ヒドロキシルアルキルメタクリルアミドの例としては、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、及びN,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)メタクリルアミドが挙げられる。
ビニルエーテルの例としては、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、及びオクタデシルビニルエーテルが挙げられる。
ビニルエステルの例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルヘキサノエート、ビニルステアレート、ネオノナノエートエテニルエステル、バーサチン酸ビニルエステル、吉草酸ビニルエステル、カプロン酸ビニルエステル、ラウリン酸ビニルエステル、イソ吉草酸ビニルエステル、2-エチルヘキサン酸ビニルエステル、2,2-ジメチルオクタン酸ビニルエステル、2-メチル-2-プロピル-ペンタン酸ビニルエステル、4-メチル-4-ブチルヘキサン酸ビニルエステル、及びネオ酸のビニルエステルが挙げられるがこれらに限定されない。
メタクリルアミドの例としては、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-メチルエチル(メタ)アクリルアミド、及びN-(2-ヒドロキシエチル)メタクリルアミドが挙げられる。
アクリルアミドの例としては、N-ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジベンジルアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、及びN-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミドが挙げられるがこれらに限定されない。
或る実施形態では、1つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーは、混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて50~95モルパーセントの範囲内、或いは55~80モルパーセントの範囲内、或いは65~75モルパーセントの範囲内、又は混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて任意の値、範囲、若しくはそれらの間の部分範囲で存在し得る。
本明細書で開示されるプロセスによって形成されるナノゲルの或る実施形態において、2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーは、一般式Iの化合物を含み、
Figure 0007413359000001
一般式I
式中、
Xは、(メタ)アクリル又は(メタ)アクリルアミド部分であり、
Yは、(メタ)アクリル、メタクリルアミド、アリル、ビニルエーテル、ビニルエステル、又はビニルアミン部分であり、
Rは、直接結合又は有機部分であり、
有機部分は、非置換又は置換C~C18アルキレン、非置換又は置換C~Cシクロアルキレン、非置換又は置換アラルキレン、非置換又は置換C~Cシクロアルキルアルキレン、非置換又は置換C~C18アリーレン、及び非置換又は置換C~C18ヘテロアリーレンからなる群から選択され、有機部分は、C~Cアルキレン、1~7個のカルボニル基、1~7個のカルボキシル基(-(C=O)-O-又は-O-(C=O)-)、1~7個のアミド基(-(C=O)-NH-又は-(NH-(C=O)-)、1~7個のウレタン基(-NH-(C=O)-O-又は-O-(C=O)-NH-)、並びに酸素、窒素、及び硫黄から選択される1~14個のヘテロ原子のうちの少なくとも1つを含有してもよく、各置換有機部分は、アルキル、ヒドロキシル、チオール基、-COOM、-POM、-O-PO、又は-SOからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で置換されてもよく、式中M及びMは、互いに独立しており、水素原子又は金属である。
特定の実施形態において、有機部分は、非置換若しくは置換C~C18アルキレン、非置換若しくは置換C~Cシクロアルキレン、非置換若しくは置換アラルキレン、非置換若しくは置換C~Cシクロアルキルアルキレン、非置換若しくは置換C~C18アリーレン、又は非置換若しくは置換C~C18ヘテロアリーレンであり、各非置換又は置換有機部分は、C~Cアルキレン、1~4個のウレタン基(-NH-(C=O)-O-又は-O-(C=O)-NH-)、1~8個の酸素原子又は窒素原子のうちの少なくとも1つを含有してもよく、各置換有機部分は、アルキル、ヒドロキシル、チオール基、-COOM、-POM、-O-PO、又は-SOからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で置換され、式中M及びMは、互いに独立しており、水素原子又は金属である。
有機部分について、「有機部分は、..のうちの少なくとも1つを含有してもよい」という文言は、有機部分に含有され得る基が、共有結合によって有機部分に組み込まれていることを意味する。例えば、UDMAでは、2つのウレタン基(-NH-(C=O)-O-又は-O-(C=O)-NH-)が有機部分に組み込まれている。
1つの特定の実施形態において、2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーは、ジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリレート(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリレートビニルエステル、(メタ)アクリレートビニルチオエステル、(メタ)アクリレートビニルアミド、ビニルエーテル(メタ)アクリレート、ビニルエステル(メタ)アクリレート、ビニルアミン(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドビニルエステル、(メタ)アクリルアミドビニルチオエステル、ビニルエーテル(メタ)アクリルアミド、及びビニルアミン(メタ)アクリルアミドからなる群から選択され得る。
2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーの例としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシド繰返し単位の数が2~30まで異なる)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチレンオキシド繰返し単位の数が2~30まで異なる、特にトリエチレングリコールジメタクリレート(「TEGDMA」)、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、4,4,6,16(又は4,6,6,16)-テトラメチル-10,15-ジオキソ-11,14-ジオキサ-2,9-ジアザヘプタデカ-16-エン酸2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペン-1-イル)オキシ]エチルエステル(CAS番号72869-86-4)、(UDMA)、N,N’-エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-プロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-ブチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-ペンタメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジメチレンエーテルジアクリルアミド、ジメチレンエーテルジメタクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、及びメチレンビスメタクリルアミド、次の一般式の化合物:
Figure 0007413359000002
Figure 0007413359000003
が挙げられるがこれらに限定されない。
或る実施形態では、2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーは、混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて5~50モルパーセントの範囲内、或いは10~40モルパーセントの範囲内、或いは20~30モルパーセントの範囲内、又は混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて任意の値、範囲、若しくはそれらの間の部分範囲で存在する。
本明細書で開示されるプロセスによって形成されるナノゲルの或る実施形態において、少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、及びペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及びN,N’-ビスアクリロイル-N,N’-ビスアリル-1,4-ブタ-2-エンジアミン(BAABE)からなる群から選択される。
或る実施形態では、少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーは、混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて1~30モルパーセントの範囲内、或いは2~20モルパーセントの範囲内、或いは5~15モルパーセントの範囲内、又は混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて任意の値、範囲、若しくはそれらの間の部分範囲で存在する。
本明細書で開示されるプロセスによって形成されるナノゲルの或る実施形態において、少なくとも1つの連鎖移動剤が含まれ得る。
連鎖移動剤は、より短いポリマー鎖をもたらしてマクロゲルの形成を遅らせるために用いられ得る。連鎖移動剤は、RSHであってよく、式中、Rは、3~20個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキルである。連鎖移動剤の例としては、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、1-ドデカンチオール、メルカプトエタノール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
少なくとも1つの連鎖移動剤の量は、混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて5~50mol/mol%、或いは10~40mol/mol%の範囲内、或いは20~30mol/mol%の範囲内、又は混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて任意の値、範囲、若しくはそれらの間の部分範囲の濃度で存在する。
本明細書で開示されるプロセスによって形成されるナノゲルの或る実施形態において、開始剤が含まれ得る。
コモノマーの熱重合は、開始剤の分解によって開始され得る。開始剤は、有機過酸化物及びアゾ化合物のうちの少なくとも1つから選択され得る。
或る実施形態では、開始剤は、過酸化ベンゾイル、2,2-アゾビス-(2-メチルプロピオニトリル)、及び2,2-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)からなる群から選択される。好ましい実施形態において、開始剤は、アゾビス(イソブチロニトリル)である。
熱開始剤は、混合物中のコモノマーの総重量に基づいて0.5~5.0重量/重量%、或いは0.5~3.0重量/重量%の範囲内、或いは1.0~2.0重量/重量%の範囲内、又は混合物中のコモノマーの総重量に基づいて任意の値、範囲、若しくはそれらの間の部分範囲の濃度で存在し得る。
本明細書で開示されるプロセスによって形成されるナノゲルの或る実施形態において、ラジカルスカベンジャーが含まれ得る。
ラジカルスカベンジャーは、重合を停止させるために従来のラジカル重合の終了時に添加され得る。これにより、得られたポリマー内のすべてのラジカル種が非活性種として排除される。安定したナノゲル系が達成され、望ましくないマクロゲル化を引き起こさずにその後の熱及び真空への暴露が可能となる。
ラジカルスカベンジャーは、混合物中のコモノマーの総重量に基づいて少なくとも0.05重量/重量%~最大2.5重量/重量%の量で存在し、又はラジカルスカベンジャーは、少なくとも0.1%~最大1.5重量/重量%の量で存在し得る。或いは、ラジカルスカベンジャーは、ナノゲルに用いられる全開始剤に基づいて少なくとも0.1重量/重量%、又はナノゲルに用いられる全開始剤に基づいて10~50重量/重量%の量で存在し得る。
ラジカルスカベンジャーの例としては、TEMPO、置換TEMPO、及びポリ塩化トリフェニルメチルラジカル、フェナレニル、シクロペンタジエニル、及び他の炭素中心ラジカル、ニトロキシドラジカル、ジ-tert-アルキルイミノキシル、ヒドラジル単位を含有する非局在型ラジカル、金属配位型フェノキシラジカル、及びチアジル単位を含有する安定ラジカル、又は重いpブロック元素の安定ラジカルが挙げられるがこれらに限定されない。
TEMPOは、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルである。TEMPOの構造と置換TEMPOの代表的な例を以下に示す:
ポリ塩化トリフェニルメチルラジカルの例としては、以下が挙げられる:
Figure 0007413359000005
フェナレニルは、以下に示す構造である:
シクロペンタジエニルラジカルの典型的な構造は、以下を含む:
Figure 0007413359000007
ジ-tert-ブチルイミノキシルラジカルは、次式の構造を含む:
Figure 0007413359000008
金属配位型フェノキシラジカルとしては、以下に示す構造を含み得る:
本開示のプロセスによって形成されたナノゲルの一実施形態において、ナノゲルは、本質的にマクロゲルを含まない。
本開示のプロセスによって形成されたナノゲルは、50nm未満の流体力学的半径を有する。或いは、ナノゲルの流体力学的半径は、1nm~50nmの範囲内、より好ましくは2nm~20nmの範囲内である。
本開示の1つの態様において、ナノゲルを形成する方法が提供され、この方法は、
(a)ナノゲル溶液を得るために或る反応温度で
(i)1つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーと、
(ii)2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマー及び少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーのうちの少なくとも1つと、
(iii)少なくとも1つの連鎖移動剤と、
(iv)開始剤と、
を含む混合物を熱重合によって重合するステップと、
(b)反応温度を下げ、ラジカルスカベンジャーでナノゲル溶液をクエンチすることによって、重合を終了させるステップと、
を含む。
熱重合は、任意のフリーラジカル重合法、例えば、溶液、懸濁液、エマルジョン、及びバルク重合法を用いて実行され得る。
ナノゲルを形成する方法の一実施形態において、1つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマー、2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーと少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーとのうちの少なくとも1つ、少なくとも1つの連鎖移動剤、並びに開始剤の混合物が、溶媒中に溶解され得る。
本明細書でのナノゲルを調製する方法に用いられる適切な溶媒は、不活性溶媒である。適切な溶媒の例は、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトンなどの双極性非プロトン溶媒、アセトン、2-ブタノン、又はシクロヘキサノンなどのケトン、トルエン及びキシレンなどの炭化水素、ジオキサン又はテトラヒドロフランなどのエーテル、などのモノマーが溶解するものである。1つの特定の実施形態において、溶媒は、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトンである。
溶媒の量は、マクロゲルの形成を最小にするような濃度で存在してもよく、これは、全コモノマーの総重量の2~10倍の範囲であり得る。
ナノゲルを形成する方法の一実施形態において、熱重合は、40℃~150℃、例えば60℃~120℃又は75℃~105℃の反応温度で行われ得る。
ナノゲルを形成する方法の一実施形態において、熱重合は、反応温度を下げ、ラジカルスカベンジャーでナノゲル溶液をクエンチすることによって停止され得る。
熱重合を停止させるいくつかの実施形態において、反応温度は、ナノゲル溶液を-196℃~25℃の温度で冷却することによって下げられ得る。
熱重合を停止させるいくつかの実施形態において、ナノゲル溶液は、コモノマー混合物中のエチレン系不飽和基の55~85%がナノゲルを形成するために反応したときにラジカルスカベンジャーがナノゲル溶液に添加されるとクエンチされ得る。1つの特定の実施形態において、ラジカルスカベンジャーは、コモノマー混合物中のエチレン系不飽和基の75~80%がナノゲルを形成するために反応したときにナノゲル溶液に添加される。
さらなる実施形態では、本明細書で開示される方法はさらに、非極性溶媒を用いてラジカルスカベンジャーでクエンチした後にナノゲル混合物を沈殿させることを含み得る。或いは、10kDaの分画分子量を有する再生セルロース膜を用いてナノゲル混合物を溶媒に対して透析することを含み得る。
ナノゲル混合物を沈殿させるのに用いられる非極性溶媒は、ペンタン、ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、又は石油エーテルであり得る。
ナノゲル混合物を透析するのに用いられる溶媒は、アセトン、2-ブタノン、又はイソ-ブチルメチルケトンであり得る。
ナノゲル混合物を沈殿させた又は透析した後で、溶媒を真空下で除去すると、ナノゲルがされ得る。
本開示のプロセスによって形成されたナノゲルを適切な溶媒に再分散させて、安定したナノ粒子懸濁液を得ることができる。例えば、ナノゲルを、アセトン、トルエン、又はメチルエチルケトンからなる群から選択される溶媒に容易に再分散させ、適切な懸濁液をもたらすことができる。
本明細書で開示される歯科用組成物は、重合性レジン、重合開始剤、及び追加のフィラーを含有し得る。
重合性レジン
歯科用組成物の一実施形態において、重合性レジンは、歯科用組成物の約1重量パーセント~約95重量パーセントの量で存在し得る。
重合性レジンは、アクリレート、メタクリレート、エチレン系不飽和化合物、カルボキシル基を含有する不飽和モノマー、(メタ)アクリル酸のC~Cヒドロキシルアルキルエステル、(メタ)アクリル酸のC~C24アルキルエステル又はシクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸のC~C18アルコキシアルキルエステル、オレフィン又はジエン化合物、モノエステル/ジエステル、モノエーテル、付加物、TPHレジン、SDRレジン、及び/又はBPAフリーのレジンからなる群から選択され得る。
特定のアクリレートレジンの例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、グリシジルアクリレート、グリセロールモノ-及びジ-アクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、モノ-、ジ-、トリ-アクリレート、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールのモノ-、ジ-、トリ-、及びテトラアクリレート、1,3-ブタンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、2,2’-ビス[3(4-フェノキシ)-2-ヒドロキシプロパン-1-アクリレート]プロパン、2,2’-ビス(4-アクリロキシフェニル)プロパン、2,2’ビス[4(2-ヒドロキシ-3-アクリロキシ-フェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートエステルが挙げられるがこれらに限定されない。
特定の従来のメタクリレートレジンの例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ビス-フェノールA(2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシプロポキシ)フェニル]プロパン)のジグリシジルメタクリレート(BisGMA)、グリセロールモノ及びジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールのモノ-、ジ-、トリ-、及びテトラ-メタクリレート、1,3-ブタンジオールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、ビス[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]ホスフェート(BisMEP)、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、2,2’-ビス(4-メタクリロキシフェニル)プロパン、2,2’-ビス[4(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシ-フェニル)]プロパン、2,2’-ビス(4-メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-メタクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、及び2,2’-ビス[3(4-フェノキシ)-2-ヒドロキシプロパン-1-メタクリレート]プロパンが挙げられるがこれらに限定されない。
エチレン系不飽和化合物の例としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性アクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性メタクリル酸エステル、ハロゲン及びヒドロキシを有するメタクリル酸エステル、及びその組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。このようなフリーラジカル重合型化合物としては、n-、-、sec-、又はt-ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2,4-ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビス[1-(2-アクリロキシ)]-p-エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1-(3-アクリロキシ-2-ヒドロキシ)]-p-プロポキシフェニルジメチルメタン、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリスヒドロキシエチル-イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス-(メタ)アクリルアミド、及びジアセトン(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド(すなわち、アクリルアミド及びメタクリルアミド);ウレタン(メタ)アクリレート;ウレタン変性BisGMAレジン、ポリエチレングリコールのビス-(メタ)アクリレート、及び塩素-、臭素-、フッ素-、及びヒドロキシル基を含有するモノマー、例えば、3-クロロ-2-ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。
カルボキシル基を含有する不飽和モノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、及びフマル酸が挙げられるがこれらに限定されない。
(メタ)アクリル酸のC~Cヒドロキシルアルキルエステルの例としては、2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられるがこれらに限定されない。
(メタ)アクリル酸のC~C18アルコキシアルキルエステルの例としては、メトキシブチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、及びエトキシブチルメタクリレートが挙げられるがこれらに限定されない。
オレフィン又はジエン化合物としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブテン、イソプレン、クロロプロペン、フッ素を含有するオレフィン、及び塩化ビニルが挙げられるがこれらに限定されない。
モノエステルの例としては、ポリエーテルポリオール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリブチレングリコール)と不飽和カルボン酸(好ましくはメタクリル酸)との間のモノエステル、酸無水物基を含有する不飽和化合物(例えば、無水マレイン酸又は無水イタコン酸)とグリコール(例えば、エチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、又はネオペンチルグリコール)との間のモノエステル又はジエステルが挙げられる。
モノエーテルの例としては、ポリエーテルポリオール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリブチレングリコール)とヒドロキシル基を含有する不飽和モノマー(例えば、2-ヒドロキシルメタクリレート)との間のモノエーテルが挙げられる。
付加物の例としては、不飽和カルボン酸とモノエポキシ化合物との間の付加物、グリシジル(メタ)アクリレート(好ましくはメタクリレート)と一塩基酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、p-t-ブチル安息香酸、又は脂肪酸)との間の付加物が挙げられるがこれらに限定されない。
開始剤
開始剤は、熱又は光による開始を調節するためにラジカル重合などの連鎖成長重合によく用いられる。
熱重合開始剤は、熱を受けるとラジカル又はカチオンを生成する化合物である。例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)などのアゾ化合物及び過酸化ベンゾイル(BPO)などの有機過酸化物は、よく知られた熱ラジカル開始剤であり、ベンゼンスルホン酸エステル及びアルキルスルホニウム塩が、熱カチオン開始剤として開発されている。重合を開始するラジカルを生成するのに有機及び無機化合物を用いることができる。ラジカルは、熱又は周囲の酸化還元条件によって生成され得る。一部の開始剤の分解速度は、pH及びアミンの存在によって変化する。
追加のフリーラジカル開始剤としては、有機光開始剤が挙げられる。適切な光開始剤としては、タイプI及びタイプIIが挙げられる。それらは、独立して、又は異なる光開始剤と追加の共開始剤との混合物として用いることができる。適切な光増感剤としては、カンファーキノン、ベンジル、フリル、3,3,6,6-テトラメチルシクロヘキサンジオン、フェナントラキノン、及び他の環状アルファジケトンなどの、約300nm~約800nmの(約400nm~約500nmなどの)範囲内のいくらかの光を吸収する、モノケトン及びジケトン(例えばアルファジケトン)が挙げられる。いくつかの実施形態において、開始剤としては、カンファーキノンである。電子供与化合物の例は、アクセラレータとしての置換アミン、例えば、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸エチルが挙げられる。
フリーラジカル光重合型組成物を重合するための他の適切な光開始剤としては、典型的には約380nm~約1200nmの機能波長範囲を有するクラスのホスフィンオキシドが挙げられる。いくつかの実施形態において、約380nm~約450nmの機能波長範囲を有するホスフィンオキシドフリーラジカル開始剤は、アシル及びビスアシルホスフィンオキシドである。
約380nm超~約450nmの波長範囲で照射されたときにフリーラジカル開始可能な市販のホスフィンオキシド光開始剤としては、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE184)、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(IRGACURE651)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE819)、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(IRGACURE2959)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン(IRGACURE369)、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン(IRGACURE907)、及び2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(DAROCUR1173)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE819)、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-(2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド(CGI403)、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(IRGACURE1700)との重量比で25:75の混合物、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(DAROCUR4265)との重量比で1:1の混合物、及びエチル2,4,6-トリメチルベンジルフェニルホスフィネート(LUCIRIN LR8893X)が挙げられる。
歯科用組成物の一実施形態において、開始剤は、歯科用組成物の0.05重量パーセント~約5重量パーセントの量で存在し得る。
フィラー
本開示の歯科用組成物は、フィラーを含み得る。
適切なフィラー粒子の例としては、ストロンチウムシリケート、ストロンチウムボロシリケート、バリウムシリケート、バリウムボロシリケート、バリウムフルオロアルミノボロシリケートガラス、バリウムアルミノボロシリケート、カルシウムシリケート、カルシウムアルミノナトリウムフルオロホスホシリケート、ランタンシリケート、アルミノシリケート、及び上記のフィラーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。フィラー粒子としては、窒化ケイ素、二酸化チタン、フュームドシリカ、コロイド状のシリカ、石英、カオリンセラミックス、カルシウムヒドロキシアパタイト、ジルコニア、及びこれらの混合物がさらに挙げられる。フュームドシリカの例としては、DeGussa AGからのOX-50(平均粒径40nm)、DeGussa AGからのAerosil R-972(平均粒径16nm)、DeGussa AGからのAerosil9200(平均粒径20nm)が挙げられ、他のAerosilフュームドシリカとしては、Aerosil90、Aerosil150、Aerosil200、Aerosil300、Aerosil380、Aerosil R711、Aerosil R7200、及びAerosil R8200、並びに、Cabot Corp.からのCab-O-Sil M5、Cab-O-Sil TS-720、Cab-O-Sil TS-610が挙げられる。
本明細書で開示される組成物に用いられるフィラー粒子は、有機化合物とブレンドされる前に表面処理され得る。シランカップリング剤又は他の化合物を用いる表面処理は、フィラー粒子を有機レジンマトリクス中により均一に分散させることができ、物理的及び機械的特性も向上させるので有益である。適切なシランカップリング剤としては、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、及びこれらの混合物が挙げられる。
フィラー粒子は、約0.002ミクロン~約25ミクロンの粒径を有することができる。一実施形態において、フィラーは、バリウムアルミノフルオロボロシリケートガラス(BAFG、平均粒径約1ミクロンなど)などのミクロンサイズの放射線不透過性フィラーと、Degussa AGからのOX-50(平均粒径約40nm)などのフュームドシリカなどのナノフィラー粒子との混合物を含み得る。ミクロンサイズのガラス粒子の濃度は、歯科用組成物の約50重量パーセント~約75重量パーセントの範囲であり得てナノサイズのフィラー粒子は、歯科用組成物の約1重量パーセント~約20重量パーセントの範囲であり得る。
本開示の歯科用組成物は、約5~約95重量パーセントの量のフィラー材料を含み得る。
調合組成物には、紫外線安定剤、蛍光剤、乳白色剤、顔料、粘度調整剤、フッ素徐放剤、重合禁止剤などの追加の添加剤が随意的に含まれ得る。フリーラジカル系の典型的な重合禁止剤としては、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、ヒドロキノン、フェノール、ブチルヒドロキシアニリンなどが挙げられる。これらの禁止剤は、フリーラジカルスカベンジャーとして作用して組成物中のフリーラジカルを捕捉し、組成物の保存安定性を延長する。重合禁止剤は、存在する場合、歯科用組成物の約0.001重量パーセント~約1.5重量パーセント、例えば、歯科用組成物の約0.005重量パーセント~約1.1重量パーセント又は約0.01重量パーセント~約0.08重量パーセントの量で存在し得る。組成物は、1つ又は複数の重合禁止剤を含み得る。
本明細書に記載の開示は、以下の実施例で説明されるナノゲル組成物、歯科用組成物によってさらに例示されるが、これらの例は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例:
バッチ反応(従来の熱プロセス): 連鎖移動剤として20モル%のメルカプトエタノール(ME)及び20モル%の1-ドデカンチオール(DDT)を用いて、イソボルニルメタクリレート(IBMA)とウレタンジメタクリレート(UDMA)(モル比70/30)の溶液共重合を行った。熱重合には、それぞれ2-ブタノン(MEK)又はトルエン中で75~80℃で1wt%の2,2-アゾビスイソブチロニトリルを用いた。
UDMA/IBMA(モル比30:70)及び/又はUDMA/POEMA(モル比30:70)に基づくナノゲルの様々なラボバッチを再現することに成功したが、50~70%のより低い収率が一貫して達成された。表Iの例参照。さらに、最初に沈殿したナノゲルは完全に溶解することができたが、溶媒除去プロセス中にナノゲルと共にわずかなマクロゲルが形成される可能性があることが明らかになった。このようなマクロゲルの存在は、調合したレジン混合物中に生じるナノゲルの収率と溶解に悪影響を及ぼすであろう。
POEMAはIBMAよりも良好に共重合するように見えたが、モノメタクリレートとジメタクリレートの、例えばPOEMAとUDMAの共重合が不十分であったことが、低収率の原因であった。その結果、ナノゲルに組み込まれたPOEMAが少なくなり、このようなナノゲルの実際の組成は、30/70mol/molのUDMA/POEMAの供給組成から逸脱することになる。表IIの例17参照。
現在のナノゲルプロセスでのヘキサン可溶性画分について: NMR分析に基づくUDMA/IBMAとUDMA/POEMAとの比較では、以下のように結論付けられた:
(i)UDMA/IBMA(MEK中に30/70)の場合: 44.5g(37.5重量/重量%)のヘキサン可溶性液体が、未反応のIBMA、IBMAオリゴマー、及び遊離DDTとして収集された。ごく僅かのUDMAが存在した。
(ii)UDMA/POEMA(MEK中に25/75)の場合: 40.0g(33.5重量/重量%)のヘキサン可溶性液体が、POEG/PODEG、未反応のPOEMA、POEMAオリゴマー、及び遊離DDTとして収集された。UDMAはごく僅かで、結晶性残留物は見られなかった。
(a)H-NMR分析に基づいて、遊離DDTとして12.8g(32%)、遊離POEMA及び/又はPOEMAオリゴマーとして27.2g(68%)が存在すると推定された。
(b)12.8/13.6=94重量/重量%のDDTが回収され、27.2/56.8=47.9重量/重量%のPOEMAが回収された。
したがって、このナノゲルの最終組成は、39/61(mol/mol)のUDMA/POEMAであろう。
ナノゲルに捕捉されたフリーラジカルが不安定であるため、マクロゲルに起因する乾燥後の最終的なナノゲルの不溶性画分に伴う問題が依然としてあった。その後のワークアッププロセスを容易にし、調合した組成物中の最終的なナノゲルの再分散の品質を保証するために、この問題を解決する必要がある。したがって、ナノゲルを安定化させ、ワークアッププロセス中のマクロゲル化を回避するために、このような反応系に化学クエンチプロセスを導入することが提案された。形成されたナノゲルは、後でレジンに容易に再分散することも可能であろう。
安定ラジカルであるTEMPOは、この目的に適しているであろう。ニトロキシド媒介重合(NMP)による制御されたラジカル重合の一般的なメカニズムでは、成長ラジカルを適切に停止させなければならない。NMPの1つの重要な態様は、モノマーの構造の性質及び/又はニトロキシド化合物に応じて、可逆性が変化することである。例えば、スチレンは、さらに熱開裂を受けてラジカル重合に再び加わり、110~120℃などの高い温度で制御されたラジカル重合に発展する可能性がある。しかしながら、このような可逆的プロセスは、特別に設計されたニトロキシド化合物を用いない限り、どのメタクリレート系でも起こらない。より具体的には、TEMPOは、メタクリレート伝播ラジカルを適切にクエンチするはずであるが、メタクリレートへのNMPの役割を果たすようには機能しないであろう。したがって、TEMPOは、ナノゲルを安定化させるのに用いるための理想的な候補となるはずである。
調製例1:
以下の原材料を使用した:
Figure 0007413359000012
連鎖移動剤として30モル%の1-ドデカンチオール(DDT)を用いて、2-フェニルエチレングリコールメタクリレート(POEMA)とウレタンジメタクリレート(UDMA)の溶液共重合(モル比70/30、図1)を行った。2-ブタノン(MEK)200gに75~80℃で1重量/重量%の2,2-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)をそれぞれ添加した。メタクリレート転化率をFTIRでモニタリングし、75~80%の目標転化率が達成されると、反応溶液を排出させた。このような排出された溶液に0.20重量/重量%のTEMPOを添加し、室温で30分混合してナノゲル混合物を形成させた。ナノゲル混合物は、2000mLのヘキサン中で激しく攪拌すると沈殿し、湿潤したナノゲルが得られた。ヘキサン溶液をデカンテーションすることによって、湿潤したナノゲルを分離した。これを減圧下で少なくとも12時間さらに乾燥させた。乾燥したナノゲルを収集し、乾燥フラスコ内の残留物は、アセトンに完全に溶解することができた。これは効果的なTEMPOクエンチプロセスが起こったという良好な指標である。さらに、このようなTEMPO安定化ナノゲルは、アセトン又は他のレジンブレンドに容易に再溶解するはずである。
図2に示すように、通常のフリーラジカル重合プロセス中に、総メタクリレート転化率は着実に増加する。転化率が75%に達したときに反応溶液を排出させ、排出時及び/又は室温で1日エージング時からの転化率のさらなる増加は見られなかった。これは、TEMPOが成長ラジカルを恒久的に停止するのに非常に効果的であることを示唆している。
ナノゲルZZ1-99(UDMA/POEMA(MEK中に30/70)について、同じ反応系を4部に分け、0重量/重量%(ZZ1-99A)、0.20重量/重量%(ZZ1-99B)、0.16重量/重量%(ZZ1-99C)、及び0.12%(ZZ1-99D)wt/wtの、異なる量のTEMPOを添加した。次いで、40℃で種々の日数にわたって、重合後の熱エージングを進行させた(図6及び図7に示す)。エージングした溶液を、物理的外観、色の変化、及び溶液の粘度からモニタリングした。表III及び図7に示すように、マクロゲルはTEMPOの添加なしの系で形成されたが、他では形成されないように見える。しかしながら、TEMPOの濃度が高い系では、40℃でさらにエージングすると、粘度がより高くなったことがさらに注目された。TEMPOが最も低いナノゲル溶液(TEMPOが0.12%のZZ1-99D)からは、驚くほど最も粘度の増加が少ないことがわかる。メタクリレート-ニトロキシド系での副反応の一般的なメカニズムを図3に例示する(Macromol.Rapid Commun.2015,36(13):1227-1247)。図4に例示するようにエージングしたときに高温(MEK系では40~80℃、トルエンなどの他の溶媒では最高100℃)でナノゲル/TEMPO溶液に副反応が起こり得る。
TEMPO安定化ナノゲルプロセスでのヘキサン可溶性画分について、以下が観察された:
(i)UDMA/POEMA(MEK中に25/75)の場合: 40.0g(33.5重量/重量%)のヘキサン可溶性液体が、POEG/PODEG、未反応のPOEMA、POEMAオリゴマー、及び遊離DDTとして収集された。UDMAは僅かに存在し、結晶性残留物は存在しなかった。
(ii)UDMA/POEMA(MEK中に30/70のZZ1-99B、ZZ1-99C、ZZ1-99D)及び室温でTEMPO、次いで40℃で15日エージングの場合: 21.5g(18.9重量/重量%)のヘキサン可溶性液体が、POEG/PODEG、未反応のPOEMA、POEMAオリゴマー、及び遊離DDTとして収集された。UDMAは僅かに存在し、結晶性残留物が多く存在していた。
(iii)UDMA/POEMA(MEK中に30/70のZZ1-127A)及び室温でエージングを伴わないTEMPOの場合: 31.0g(28重量/重量%)のヘキサン可溶性液体が、POEG/PODEG、未反応のPOEMA、POEMAオリゴマー、及び遊離DDTとして収集された。UDMAはごく僅かで、結晶性残留物は存在しなかった。
(a)H NMRに基づいて、遊離DDTとして14.5g(46.8%)、遊離POEMAとして13.1g(42.2%)、及び3.4g(11.0%)のPOEMAオリゴマーが存在することが推定された。
(b)14.5/19.1=76重量/重量%のDDTが回収され、(13.1+3.4)/47.1=35重量/重量%のPOEMAが回収された。
(c)したがって、このナノゲルの最終組成は、39/61(mol/mol)のUDMA/POEMAであろう。
(iv)UDMA/POEMA(MEK中に30/70のZZ1-127B)及び室温でTEMPO、次いで室温で7日エージングの場合: 26.9g(27重量/重量%)のヘキサン可溶性液体が、POEG/PODEG、未反応のPOEMA、POEMAオリゴマー、及び遊離DDTとして収集された。UDMAは僅かに存在し、小さな結晶性残留物が存在した。
(v)UDMA/BZMA(MEK中に30/70のZZ1-130A)及び室温でエージングを伴わないTEMPOの場合: 38.8g(36重量/重量%)のヘキサン可溶性液体が、未反応のBZMA、BZMAオリゴマー、及び遊離DDTとして収集された。UDMAは僅かに存在し、結晶性残留物は存在しなかった。
(vi)UDMA/BZMA(MEK中に30/70のZZ1-130B)及び室温でTEMPO、次いで室温で7日エージングの場合: 33.2g(34重量/重量%)のヘキサン可溶性液体が、未反応のBZMA、BZMAオリゴマー、及び遊離DDTとして収集された。UDMAは僅かに存在し、結晶性残留物は存在しなかった。
ナノゲルZZ1-127B(UDMA/POEMA(MEK中に30/70)について、0.20重量/重量%のTEMPOを添加した。次いで、室温で種々の日数にわたって、重合後のエージングを進行させた(図5に示す)。
加えて、高温でのTEMPO添加又は室温でのTEMPO添加の他の結果も指摘しなければならないが、その後の高温でのさらなるエージングは、さらなる副反応を引き起こす可能性があり、これはナノゲルを効果的に安定化させる目的を脅かすことになる。
最後に、表IVに示すように、このようなTEMPO安定化UDMA/POEMAナノゲル系では、およそ77%の安定した総収率を達成することができた。一方、ナノゲルの総収率(約66%)は、高純度のモノメタクリレート(99.5%のBZMA)に単に切り替えるだけでは改善することができないこともわかった。
TEMPO安定化UDMA/POEMA/DDT/MEKナノゲルプロセスでは、以下のことが観察された。
(i)高温でのTEMPOクエンチ又は高い温度でのさらなる熱エージングの両方は、MEK溶液中のフロータの形成(関連するTEMPOからの副反応)の原因となるTEMPO/メタクリレートラジカルの副反応を誘発する可能性がある。したがって、周囲温度でのTEMPOクエンチが推奨される。
(ii)ナノゲルに用いられるAIBNに基づく10~15重量/重量%のTEMPOは、ナノゲル成長ラジカルを化学的にクエンチするのに効果的であろう。これにより、マクロゲル化を伴わずに後のワークアッププロセスを容易にする安定化したナノゲルが得られる。これは真空乾燥後のプロセスから完全に溶解するナノゲルを回収できるという事実から明らかである。
(iii)このような化学クエンチは、高温(80℃)で進行させるべきではないことが推奨される。代わりに、所望の転化率(75%)に達すると、排出されたナノゲル溶液を直接クエンチする。その後室温でさらなるエージングを行っても安定性に悪影響を及ぼすことはなく、ナノゲルとナノゲル残留物との両方に結晶性副生成物が生じることはない。
調製例2: 8mol%のトリビニル架橋剤を含有するナノゲル
306.8g(1.488mol)のエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート(POEMA)、55.2g(0.1632mol)のトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、180.0g(0.3825mol)のビス-(2-メタクリロイルエチル)-N,N’-1,9-ノニレンビスカルバメート(UDMA)、5.4g(0.033mol)の2,2-アゾビス-(2-メチルプロピオンニトリル)(AIBN)、及び123.9g(0.612mol)のドデカンチオール(DDT)を1084.0gのメチルイソブチルケトン(MIBK)中に溶解させた。次いで、溶液を100℃で4mL/minの流量でFluitec contiplant連続フローリアクタにポンプで送った。次いで、得られた生成物溶液を、氷浴に入れた0.54gの予め溶解した2,2,6,6-テトラメチル-ピペリジン-1-オキシル(TEMPO)に滴下することによってクエンチした。次いで、得られた粗生成物を、10kDaの分画分子量(MWCO)を有する再生セルロース膜を用いてアセトンに対して8日間透析した。次いで、精製した生成物を減圧下で蒸発させ、真空下で乾燥させた。
その後、生成物を13C NMRで分析した。7.02ppmでの-CHピーク(図8)は、用いた三官能性架橋剤を説明し、ナノゲルへの組み込みが成功したことを証明している。
調製例3、4、5: 15mol%、20mol%、又は25mol%のトリビニル架橋剤を含有するナノゲル
エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート(POEMA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、ビス-(2-メタクリロイルエチル)-N,N’-1,9-ノニレンビスカルバメート(UDMA)、2,2-アゾビス-(2-メチルプロピオンニトリル)(AIBN)、及びドデカンチオール(DDT)をメチルイソブチルケトン(MIBK)中に溶解させた。次いで、溶液を100℃で4mL/minの流量でFluitec contiplant連続フローリアクタにポンプで送った。次いで、得られた粗生成物溶液を、氷浴に入れた0.1gの予め溶解した2,2,6,6-テトラメチル-ピペリジン-1-オキシル(TEMPO)に滴下することによってクエンチした。得られた粗生成物を、10kDaの分画分子量(MWCO)を有する再生セルロース膜を用いてアセトンに対して10日間透析した。次いで、精製した生成物を減圧下で蒸発させ、真空下で乾燥させた。
表Vは、15mol%、20mol%、又は25mol%のトリビニル架橋剤を含有するナノゲルの合成に使用した試薬の量についての概要である。
試薬
その後、ナノゲルを13C NMRを用いて分析した。7.50~7.51ppmでのCHピーク(図9、図10、図11)は、用いた三官能性架橋剤を説明し、各ナノゲルへのTMPTMAの組み込みが成功したことを証明している。
調製例6: 30mol%のジビニル-ジアリル-モノアルケン架橋剤を含有するナノゲル
34.00g(0.165mol)のエチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート(POEMA)、9.39g(0.071mol)のN,N’-ビスアクリロイル-N,N’-ビスアリル-1,4-ブタ-2-エンジアミン(BAABE)、0.53g(0.003mol)の2,2-アゾビス-(2-メチルプロピオンニトリル)(AIBN)、及び14.30g(0.071mol)のドデカンチオール(DDT)を、250mLの丸底フラスコの中で106.78mLのメチルイソブチルケトン(MIBK)中に溶解させた。反応は80℃で110分間行う。次に、得られた粗生成物溶液を、液体窒素浴に入れることによってクエンチした。得られた粗生成物を、10kDaの分画分子量(MWCO)を有する再生セルロース膜を用いてアセトンに対して19日間透析した。次いで、精製した生成物を減圧下で蒸発させ、真空下で乾燥させた。
その後、生成物を13C NMRを用いて分析した。代表的なBAABEピークは、118.11ppmでのアクリル基からのCH-と、132.23ppmでのアリル基の-CH-である(図12)。代表的なPOEMAピークは、176.62ppmでの芳香族炭素である。これらのピークは、用いた五官能性架橋剤とPOEMAの組成を説明し、ナノゲルへの両方の組み込みが成功したことを証明している。
応用例1: 供給組成において8mol%のTMPTMAを組み込んだTEMPOクエンチナノゲルを10重量%のローディングレベルでCeram.x Universalレジン中に分散させ、TMPTMAなし(POEMA/UDMAのみ)のナノゲルと比較した。表VIに示すように、8mol%のTMPTMAを含有するナノゲルを有するレジンもCeram.x Universalレジン中に十分に分散させることができ、同様の粘度及び屈折率が得られる。さらに、POEMA/UDMAのみのナノゲル及びCeram.x Universal対照レジンと比べて、同等の曲げ強さ及び曲げ弾性率が見受けられた。さらに重要なことに、わずか10重量%のナノゲルのローディングで、顕著な収縮応力の減少が観察された。
応用例2: 供給組成において15mol%、20mol%、又は25mol%のTMPTMA又は30mol%のBABBEを組み込んだTEMPOクエンチナノゲルを10重量%のローディングレベルでCeram.x Universalレジン中に分散させた。15mol%、20mol%、又は25mol%のTMPTMA又は30mol%のBABBEを含有するナノゲルを分散させたCeram.x Universalレジンの特性を表VIIに示す。
本発明者らの以前の研究において、ナノゲル添加型Prime&Bond NTでは、5,000サイクル及び10,000サイクルの熱サイクル後に象牙質への剪断接着強さ(SBS)が向上することがわかった。また、37℃で6か月の水貯蔵後にPrime&Bond NTでは有意な変化は観察されなかったが、ナノゲル添加型Prime&Bond NTでは、37℃で6か月の水貯蔵後に象牙質とエナメル質に対するSBSがより高くなることが観察された。
本開示は、1つ又は複数の実施形態を参照して説明されてきたが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、その要素を均等物に置き換えることができることを当業者は理解するであろう。さらに、特定の状況又は材料をその本質的な範囲から逸脱することなく本開示の教示に適合させるために多くの修正を行うことができる。したがって、本開示は、本開示を実施するために考えられるベストモードとして開示された特定の実施形態に限定されないが、本開示は付属の請求項の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。加えて、詳細な説明で特定されたすべての数値は、正確な値と概算値との両方が明示的に特定されているかのように解釈されるものとする。

Claims (41)

  1. (a)ナノゲル溶液を得るために或る反応温度で
    (i)1つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーと、
    (ii)2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマー及び少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーのうちの少なくとも1つと、
    (iii)少なくとも1つの連鎖移動剤と、
    (iv)開始剤と、
    を含む混合物を熱重合によって重合するステップと、
    (b)反応温度を下げ、ラジカルスカベンジャーで前記ナノゲル溶液をクエンチすることによって、前記重合を終了させるステップと、
    を含むプロセスによって形成されたナノゲルを含む歯科用組成物。
  2. 前記混合物が溶媒をさらに含む、請求項1に記載の歯科用組成物。
  3. 前記ラジカルスカベンジャーが、前記混合物中のコモノマーの総重量に基づいて少なくとも0.1重量/重量%で存在する、請求項1に記載の歯科用組成物。
  4. 前記ステップ(b)のラジカルスカベンジャーが、TEMPO、置換TEMPO、ポリ塩化トリフェニルメチルラジカル、フェナレニル、シクロペンタジエニル、他の炭素中心ラジカル、ニトロキシドラジカル、ジ-tert-アルキルイミノキシル、ヒドラジル単位を含有する非局在型ラジカル、金属配位型フェノキシラジカル、チアジル単位を含有する安定ラジカル、又は重いpブロック元素の安定ラジカルである、請求項1に記載の歯科用組成物。
  5. 前記ラジカルスカベンジャーが、TEMPOである、請求項4に記載の歯科用組成物。
  6. 前記1つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーが、C~C12アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、アリルエーテル、芳香族(メタ)アクリレート、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルアミン、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシルアルキルアクリルアミド、及びヒドロキシルアルキルメタクリルアミドからなる群から選択される、請求項1に記載の歯科用組成物。
  7. 前記2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーが、一般式Iの化合物を含み、
    Figure 0007413359000018
    一般式I
    式中、
    Xは、(メタ)アクリル又は(メタ)アクリルアミド部分であり、
    Yは、(メタ)アクリル、メタクリルアミド、アリル、ビニルエーテル、ビニルエステル、又はビニルアミン部分であり、
    Rは、直接結合又は有機部分であり、
    前記有機部分は、非置換若しくは置換C~C18アルキレン、非置換若しくは置換C~Cシクロアルキレン、非置換若しくは置換アラルキレン、非置換若しくは置換C~Cシクロアルキルアルキレン、非置換若しくは置換C~C18アリーレン、又は非置換若しくは置換C~C18ヘテロアリーレンであり、各非置換又は置換有機部分は、C~Cアルキレン、1~4個のウレタン基(-NH-(C=O)-O-又は-O-(C=O)-NH-)、1~8個の酸素原子又は窒素原子のうちの少なくとも1つを含有してもよく、各置換有機部分は、アルキル、ヒドロキシル、チオール基、-COOM、-POM、-O-PO、又は-SOからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で置換され、M及びMは、互いに独立しており、水素原子又は金属である、請求項1に記載の歯科用組成物。
  8. 前記少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーが、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、及びペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及びN,N’-ビスアクリロイル-N,N’-ビスアリル-1,4-ブタ-2-エンジアミンからなる群から選択される、請求項1に記載の歯科用組成物。
  9. 前記少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つを含むコモノマーが、前記混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて1~30モルパーセントの範囲で存在する、請求項1に記載の歯科用組成物。
  10. 前記1つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーが、前記混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて50~95モルパーセントの範囲で存在する、請求項1に記載の歯科用組成物。
  11. 前記2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーが、混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて5~50モルパーセントの範囲で存在する、請求項1に記載の歯科用組成物。
  12. 前記少なくとも1つの連鎖移動剤がRSHであり、式中、Rは、3~20個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキルである、請求項1に記載の歯科用組成物。
  13. 前記少なくとも1つの連鎖移動剤が、前記混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて5~50%mol/molの濃度で存在する、請求項1に記載の歯科用組成物。
  14. 前記開始剤が、有機過酸化物及びアゾ化合物のうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の歯科用組成物。
  15. 前記開始剤が、過酸化ベンゾイル、2,2-アゾビス-(2-メチルプロピオニトリル)、及び2,2-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)からなる群から選択される、請求項14に記載の歯科用組成物。
  16. 前記開始剤が、前記混合物中のコモノマーの総重量に基づいて0.5~5.0重量/重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の歯科用組成物。
  17. 前記ナノゲルが、メチルエチルケトン、アセトン、及びトルエンからなる群から選択される少なくとも1つの溶媒に可溶である、請求項1に記載の歯科用組成物。
  18. 前記ナノゲルが、前記組成物の総重量に基づいて5~40重量/重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の歯科用組成物。
  19. (i)前記組成物の総重量に基づいて5~95重量/重量%の濃度の少なくとも1つのフィラーと、
    (ii)前記組成物の総重量に基づいて0.05~5重量/重量%の濃度の少なくとも1つの重合開始剤と、
    をさらに含む、請求項18に記載の歯科用組成物。
  20. (a)ナノゲル溶液を得るために或る反応温度で
    (i)1つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーと、
    (ii)2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマー及び少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーのうちの少なくとも1つと、
    (iii)少なくとも1つの連鎖移動剤と、
    (iv)開始剤と、
    を含む混合物を熱重合によって重合するステップと、
    (b)反応温度を下げ、ラジカルスカベンジャーで前記ナノゲル溶液をクエンチすることによって、前記重合を終了させるステップと、
    を含むプロセスによって形成されたナノゲルであって、本質的にマクロゲルを含まず、かつ前記ナノゲルが歯科用のナノゲルである、ナノゲル。
  21. 前記ナノゲルが、2nm~20nmの流体力学的半径を有する、請求項20に記載のナノゲル。
  22. 歯科用コンポジット、歯科用接着剤、歯科用セメント、レジン添加型グラスアイオノマー、バニッシュ、シーラント、義歯材料、コンポジットブロック、及び歯科用3Dプリンティングのためのコンポジットインクである歯科用組成物を調製するために請求項20に記載のナノゲルを用いる方法。
  23. ナノゲルを形成する方法であって、
    (a)ナノゲル溶液を得るために或る反応温度で
    (i)1つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーと、
    (ii)2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマー及び少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つのコモノマーのうちの少なくとも1つと、
    (iii)少なくとも1つの連鎖移動剤と、
    (iv)開始剤と、
    を含む混合物を熱重合によって重合することと、
    (b)反応温度を下げ、ラジカルスカベンジャーで前記ナノゲル溶液をクエンチすることによって、前記重合を終了させて前記ナノゲルを形成することと、
    を含み、
    前記ナノゲルが歯科用のナノゲルである、方法。
  24. 前記ラジカルスカベンジャーが、ナノゲル溶液が25℃で7日間の貯蔵時に熱安定性を有するような濃度で存在する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記混合物が溶媒をさらに含む、請求項23に記載の方法。
  26. 前記ステップ(b)のラジカルスカベンジャーが、TEMPO、置換TEMPO、及びポリ塩化トリフェニルメチルラジカル、フェナレニル、シクロペンタジエニル、及び他の炭素中心ラジカル、ニトロキシドラジカル、ジ-tert-アルキルイミノキシル、ヒドラジル単位を含有する非局在型ラジカル、金属配位型フェノキシラジカル、チアジル単位を含有する安定ラジカル、又は重いpブロック元素の安定ラジカルである、請求項23に記載の方法。
  27. 前記ラジカルスカベンジャーが、TEMPOである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記熱重合が、60℃~120℃の反応温度で行われる、請求項23に記載の方法。
  29. 前記重合の停止が、-196℃~25℃の反応温度で実行される、請求項23に記載の方法。
  30. 前記ラジカルスカベンジャーが、前記混合物中のコモノマーの総重量に基づいて少なくとも0.1重量/重量%で存在する、請求項24に記載の方法。
  31. 前記ラジカルスカベンジャーは、前記コモノマー混合物中のエチレン系不飽和基の55~85%が前記ナノゲルを形成するために反応したときに前記ナノゲル溶液に添加される、請求項24に記載の方法。
  32. 前記1つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーが、C~C12アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、アリルエーテル、芳香族(メタ)アクリレート、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルアミン、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシルアルキルアクリルアミド、及びヒドロキシルアルキルメタクリルアミドからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
  33. 前記2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーが、一般式Iの化合物を含み、
    Figure 0007413359000019
    一般式I
    式中、
    Xは、(メタ)アクリル又は(メタ)アクリルアミド部分であり、
    Yは、(メタ)アクリル、メタクリルアミド、アリル、ビニルエーテル、ビニルエステル、又はビニルアミン部分であり、
    Rは、直接結合又は有機部分であり、
    前記有機部分は、非置換若しくは置換C~C18アルキレン、非置換若しくは置換C~Cシクロアルキレン、非置換若しくは置換アラルキレン、非置換若しくは置換C~Cシクロアルキルアルキレン、非置換若しくは置換C~C18アリーレン、又は非置換若しくは置換C~C18ヘテロアリーレンであり、各非置換又は置換有機部分は、C~Cアルキレン、1~4個のウレタン基(-NH-(C=O)-O-又は-O-(C=O)-NH-)、1~8個の酸素原子又は窒素原子のうちの少なくとも1つを含有してもよく、各置換有機部分は、アルキル、ヒドロキシル、チオール基、-COOM、-POM、-O-PO、又は-SOからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で置換され、M及びMは、互いに独立しており、水素原子又は金属である、請求項23に記載の方法。
  34. 前記1つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーが、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート又はベンジル(メタ)アクリレートである、請求項32に記載の方法。
  35. 前記2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーが、2,2’-ビス[4-(3-メタクリロキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)-フェニル]プロパン(Bis-GMA)、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(TEGDMA)、及びウレタンジメタクリレート(UDMA)からなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
  36. 前記少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーが、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、及びN,N’-ビスアクリロイル-N,N’-ビスアリル-1,4-ブタ-2-エンジアミンからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
  37. 前記少なくとも3つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーが、前記混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて1~30モルパーセントの範囲で存在する、請求項23に記載の方法。
  38. 前記1つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーが、前記混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて50~95モルパーセントの範囲で存在する、請求項23に記載の方法。
  39. 前記2つのエチレン系不飽和基を有するコモノマーが、前記混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて5~50モルパーセントの範囲で存在する、請求項23に記載の方法。
  40. 前記開始剤が、前記混合物中のコモノマーの総重量の0.5~5.0重量/重量の濃度で存在する、請求項23に記載の方法。
  41. 前記少なくとも1つの連鎖移動剤が、前記混合物中のコモノマーの総モル量に基づいて5~50重量/重量%の濃度で存在する、請求項23に記載の方法。
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