JP7410781B2 - ジメチルシクロブタノン化合物、ジメチルシクロブタン化合物及びそれらの製造方法 - Google Patents

ジメチルシクロブタノン化合物、ジメチルシクロブタン化合物及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、昆虫の性フェロモンの合成中間体として有用な、ジメチルシクロブタノン化合物、ジメチルシクロブタン化合物及びそれらの製造方法に関する。
昆虫の性フェロモンは、通常、雌個体が雄個体を誘引する機能をもつ生物活性物質であり、少量で高い誘引活性を示す。性フェロモンは、発生予察及び地理的な拡散(特定地域への侵入)の確認の手段として、また害虫防除の手段として広く利用されている。害虫防除の手段としては、大量誘殺法(Mass trapping)、誘引殺虫法(Lure & kill又はAttract & kill)、誘引感染法(Lure & infect又はAttract & infect)及び交信撹乱法(Mating disruption)と呼ばれる防除法が広く実用に供されている。性フェロモンの利用にあたっては必要量のフェロモン原体を経済的に製造することが、基礎研究のために、更には応用のために必要とされる。
性フェロモンの化学構造の中でも特異な構造の一例として、シクロブタン構造が挙げられる。例えば、世界中に広く分布し、柑橘類を加害する経済的に重要な害虫である、Planococcus citri(一般名:Citrus mealybug)の性フェロモンは(+)-cis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートであることがBierl-Leonhardtらによって報告されている(非特許文献1)。また、Pseudococcus cryptus(一般名:Citriculus mealybug)及びAcutaspis albopicta(一般名:Albopicta scale)の性フェロモンもCitrus mealybugの性フェロモンと同様に、カルボン酸のcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチルエステル構造を有する(非特許文献2、3)。更に、Maconellicoccus hirsutus(一般名:Pink hibiscus mealybug)及びPhenacoccus solenopsis(一般名:Cotton mealybug)のように、Citrus mealybugの性フェロモンとは二重結合の位置が異なる、(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチルエステルを性フェロモンとして利用する種も知られている(非特許文献4、5)。
これらのシクロブタン構造を有する性フェロモンの代表的な製造方法として、ピネンを出発原料に用いたものが挙げられる。例えば、Passaroらはピネンの酸化によりベルベノール又はベルベノンを合成し、それらをさらに酸化して二重結合を開裂した後、ケトンのメチレン化、カルボン酸の還元、アセチル化等を経てCitrus mealybugの性フェロモンを合成している(非特許文献6)。また、Zhangらも同様にベルベノンの酸化を行った後、ケトンのメチル化、ラクトン化、ラクトン環の開裂によるイソプロピリデン基の構築、カルボン酸の還元により、Pink hibiscus mealybug及びCotton mealybugの性フェロモンのアルコール部分に相当する(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールを合成している(非特許文献7)。また、Matsuoらは、アミドと無水トリフルオロメタンスルホン酸から発生させたケテン=イミニウムとアリル=ベンジル=エーテルとの反応によりCitrus mealybugの性フェロモンと共通の部分構造を有する3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノンを合成している(非特許文献8)。
Tetrahedron.Lett.22,389(1981) J.Chem.Ecol.29,2213(2003) J. Econ. Entomol.105,497(2012) Proc. Natl. Acad. Sci. 101,9601(2004) J.Chem.Ecol.42,1193(2016) J. Agric. Food Chem.2004,52,2896(2004) Tetrahedron.Lett.45,9401(2004) Tetrahedron.Lett.53,432(2012)
しかしながら、非特許文献6に記載された製造方法では、ピネンのベルベノール及びベルベノンへの酸化に四酢酸鉛及び酸化クロムを用いているため、有害で環境負荷の高い重金属廃棄物を大量に与える上、これらの酸化剤は爆発を引き起こす恐れもあるため工業的には実施し難い。また、ベルベノール及びベルベノンを更に酸化するために、高価なルテニウム触媒を用いており、経済性の面からも工業的には実施し難い。また、非特許文献7に記載された製造方法では、ピネンのベルベノンへの酸化を酸素雰囲気下で行っており、安全性の面から工業的には実施し難い上、7日間もの反応時間を要するため効率が悪く、非経済的である。また、非特許文献6と同様にベルベノンの酸化に高価なルテニウム触媒を使用している点からも非経済的である。また、非特許文献8に記載された、Citrus mealybugの性フェロモンと共通の部分構造を有するシクロブタノンの製造方法では、反応性が高く取り扱いが困難であり、高価な無水トリフルオロメタンスルホン酸を使用しているために、工業的に実施し難い。
Citrus mealybugの性フェロモンに代表されるシクロブタン構造を有する性フェロモン化合物の基礎的な生物学的研究及び農学的研究のために、また、応用及び実用に供する目的のために、十分量のフェロモン原体の供給が可能な効率的で工業的に実施可能な製造方法が強く望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、効率的で工業的に実施可能な、シクロブタン構造を有する性フェロモン化合物の合成中間体として有用なジメチルシクロブタノン化合物、ジメチルシクロブタン化合物及びそれらの製造方法を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本明細書の下記に示す一般式(1A)、一般式(1B)、一般式(2)、一般式(5)、一般式(6)及び一般式(1)で表されるジメチルシクロブタン化合物を用いることにより、安全性及び経済性並びに環境負荷の面から工業的に実施し難い酸化反応を用いることなく、効率的で工業的に実施可能な、シクロブタン構造を有する性フェロモン化合物を製造することができることを見出し、本発明を為すに至った。
本発明の一つの態様によれば、下記一般式(2)
(式中、Xは、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。)で表されるジメチルシクロブタノン化合物と、下記一般式(3)
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素数1~10の一価の炭化水素基を表す。)
で表されるホスホン酸エステル化合物との反応(特に、オレフィン化反応、好ましくはホーナー・ワズワース・エモンズ反応)により、下記一般式(4)
(式中、R、Xは上記で定義された通りである。)で表される、ジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物を得る工程と、
上述のジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物(4)を還元応に付すことにより、下記一般式(1A)
(式中、Xは、水酸基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。)で表されるジメチルシクロブタン化合物を得る工程と
を少なくとも含む、ジメチルシクロブタン化合物(1A)の製造方法が提供される。
また、本発明の他の態様では、上述のジメチルシクロブタン化合物(1A)の上述の製造方法における各工程と、
上述のジメチルシクロブタン化合物(1A)の水酸基、及び任意的にX、を変換することにより、下記一般式(1B)
(式中、Xは、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基、炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基、炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基又はハロゲン原子を表し、及び、Xは、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。)で表されるジメチルシクロブタン化合物を得る工程と、
を少なくとも含む、ジメチルシクロブタン化合物(1B)の製造方法が提供される。
また、本発明の他の態様では、下記一般式(1)
(式中、Xは、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基、炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基、炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基又はハロゲン原子を表し、Xは上記で定義された通りである。)で表されるジメチルシクロブタン化合物を還元反応に付すことにより、下記一般式(5)
(式中、Xは、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子のいずれかを表す。)で表されるイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物及び/又は下記一般式(6)
(式中、Xは上記で定義された通りである。)で表されるイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物を得る工程
を少なくとも含む、イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6)の製造方法が提供される。
更に、本発明の他の態様では、上述のイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6)の上記製造方法における工程と、
前記イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6)におけるXを上記で定義された特定の基Xの選択肢中の別の基Xに置換して、イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5’)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6’)を得る工程と
を少なくとも含む、イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5’)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6’)の製造方法が提供される。
更に、本発明の他の態様では、上述の一般式(1)
(式中、X、Xは上記で定義された通りである。)
で表されるジメチルシクロブタン化合物(1)が提供される。
本発明の他の態様では、ジメチルシクロブタン化合物(1)において特には、Xが水酸基であり、且つXが、水酸基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。
本発明の他の態様では、ジメチルシクロブタン化合物(1)において特には、Xは、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基、炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基、炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基又はハロゲン原子を表す。
更に、本発明の他の態様によれば、下記一般式(7)
(式中、Xは、ハロゲン原子を表す。)で表される酸ハロゲン化物と、下記一般式(8)
(式中、X12は、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。)で表されるアリル化合物と塩基の反応により、下記一般式(2A)
(式中、X12は上記で定義された通りである。)で表される、ジメチルシクロブタノン化合物を得る工程
を少なくとも含む、ジメチルシクロブタノン化合物(2A)の製造方法が提供される。
更に、本発明の他の態様では、下記一般式(2B)
(式中、X13は、カルボニル基の炭素を含めた炭素数3~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、ベンジルオキシ基を除く炭素数2~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、又は炭素数3~20のシリルオキシ基を表す。)
で表されるジメチルシクロブタノン化合物(2B)が提供される。
本発明によれば、安全性、経済性、環境負荷の面から工業的な実施が困難な酸化反応を用いることなく、効率的且つ工業的にシクロブタン構造を有する性フェロモン化合物を製造することができる。本発明は、Citrus mealybug、Citriculus mealybug及びAlbopicta scaleの性フェロモンである(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチルエステル、並びにPink hibiscus mealybug及びCotton mealybugの性フェロモンである(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチルエステルの製造に応用可能である。
本明細書中の中間体、試薬及び目的物の化学式において、構造上、置換位置の異なる異性体、又はエナンチオ異性体若しくはジアステレオ異性体等の立体異性体が存在し得るものがあるが、特に記載がない限り、いずれの場合も各化学式はこれらの異性体のすべてを表すものとする。また、これらの異性体は、単独であってもよく、混合物であってもよい。
[I]ジメチルシクロブタン化合物(1)
まず、ジメチルシクロブタン化合物(1)について説明する。ジメチルシクロブタン化合物(1)は、下記一般式(1)で表される。
としては、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基、炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基、炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基又はハロゲン原子等が挙げられる。
としては、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子等が挙げられる。
及びXはそれぞれ独立して、上記記載した基から選択される。
カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、アセトキシ(AcO)基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基、デカノイルオキシ基、クロトニルオキシ基等の直鎖状の脂肪族アシルオキシ基、2-メチルプロパノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、2-メチルブタノイルオキシ基、3-メチル-2-ブテノイルオキシ基、3-メチル-3-ブテノイルオキシ基等の分岐状の脂肪族アシルオキシ基、トリクロロアセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基等のハロゲン化アシルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等の芳香族アシルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアシルオキシ基でもよい。
また、これらのアシルオキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例としてホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、2-メチルブタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基としては、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n-プロポキシカルボニルオキシ基、n-ブトキシカルボニルオキシ基、n-ペンチルオキシカルボニルオキシ基、n-ヘキシルオキシカルボニルオキシ基、n-ヘプチルオキシカルボニルオキシ基、n-オクチルオキシカルボニルオキシ基、n-ノニルオキシカルボニルオキシ基、n-デシルオキシカルボニルオキシ基等の直鎖状の飽和アルコキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、t-ブトキシカルボニルオキシ基等の分岐状の飽和アルコキシカルボニルオキシ基、2-プロペニルオキシカルボニルオキシ基、2-プロピニルオキシカルボニルオキシ基等の直鎖状の不飽和アルコキシカルボニルオキシ基、2-メチル-2-プロペニルオキシカルボニルオキシ基等の分岐状の不飽和アルコキシカルボニルオキシ基、シクロプロピルオキシカルボニルオキシ基、2-メチルシクロプロピルオキシカルボニルオキシ基、シクロブチルオキシカルボニルオキシ基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基等の環状アルコキシカルボニルオキシ基、ベンジルオキシカルボニルオキシ基、パラメトキシベンジルオキシカルボニルオキシ基等の芳香環を含有するアルコキシカルボニルオキシ基、メトキシメトキシカルボニルオキシ基、ベンジルオキシメトキシカルボニルオキシ基、パラメトキシベンジルオキシメトキシカルボニルオキシ基等のオキシアルコキシカルボニルオキシ基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルオキシ基等のハロゲン化アルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアルコキシカルボニルオキシ基でもよい。また、これらのアルコキシカルボニルオキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基としては、入手の容易さ等の観点から特に好ましい例として、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n-プロポキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基としては、メタンスルホニルオキシ(MsO)基、エタンスルホニルオキシ基、1-ブタンスルホニルオキシ基、1-ペンタンスルホニルオキシ基、1-ヘキサンスルホニルオキシ基、1-ヘプタンスルホニルオキシ基、1-オクタンスルホニルオキシ基、1-ノナンスルホニルオキシ基、1-デカンスルホニルオキシ基、アリルスルホニルオキシ基、10-カンファ―スルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、α-ベンジルスルホニルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアルカンスルホニルオキシ基でもよい。
また、これらのアルカンスルホニルオキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基としては、ベンゼンスルホニルオキシ基、4-クロロベンゼンスルホニルオキシ基、4-メトキシベンゼンスルホニルオキシ基、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ(TsO)基、1-ナフタレンスルホニルオキシ基、2-ナフタレンスルホニルオキシ基が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアレーンスルホニルオキシ基でもよい。また、これらのアレーンスルホニルオキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、ベンゼンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1~12のアルコキシ基としては、メトキシ(MeO)基、エトキシ(EtO)基、n-プロポキシ(PrO)基、n-ブトキシ(BuO)基、n-ペンチルオキシ(PenO)基、n-ヘキシルオキシ(HexO)基、n-ヘプチルオキシ(HepO)基、n-オクチルオキシ(OctO)基、n-ノニルオキシ(NonO)基、n-デシルオキシ(DecO)基、n-ウンデシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基等の直鎖状の飽和アルコキシ基、イソプロポキシ基(i-PrO)、イソブチルオキシ基(i-BuO)、t-ブトキシ(t-BuO)基等の分岐状の飽和アルコキシ基、2-プロペニルオキシ基、2-プロピニルオキシ基等の直鎖状の不飽和アルコキシ基、2-メチル-2-プロペニルオキシ基等の分岐状の不飽和アルコキシ基、シクロプロピルオキシ基、2-メチルシクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ(c-HexO)基等の環状アルコキシ基、ベンジルオキシ(BnO)基、パラメトキシベンジルオキシ基等の芳香環を含有するアルコキシ基、メトキシメトキシ(MOMO)基、2-メトキシエトキシメトキシ基、ベンジルオキシメトキシ基、パラメトキシベンジルオキシメトキシ基、1-エトキシエトキシ(EEO)基、1-アリルオキシエトキシ基、テトラヒドロピラン-2-イルオキシ(THPO)基等のオキシアルコキシ基、2,2,2-トリクロロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等のハロゲン化アルコキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアルコキシ基でもよい。また、これらのアルコキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
炭素数1~12のアルコキシ基としては、調製の容易さ等の観点から特に好ましい例として、メトキシ基、エトキシ基、2-プロペニルオキシ基、メトキシメトキシ基、1-エトキシエトキシ基、1-アリルオキシエトキシ基、テトラヒドロピラン-2-イルオキシ基等が挙げられる。
炭素数6~12のアリールオキシ基としては、フェノキシ(PhO)基、4-クロロフェノキシ基、4-メトキシフェノキシ基、ナフトキシ基、4-ビフェニルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアリールオキシ基でもよい。また、これらのアリールオキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。炭素数6~12のアリールオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、フェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
炭素数3~20のシリルオキシ基としては、トリメチルシリルオキシ(TMSO)基、トリエチルシリルオキシ(TESO)基、トリイソプロピルシリルオキシ(TIPSO)基、t-ブチルジメチルシリルオキシ(TBSO)基等のトリアルキルシリルオキシ基、t-ブチルジフェニルシリルオキシ(TBDPSO)基等のモノアルキルジアリールシリルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるシリルオキシ基でもよい。また、これらのシリルオキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。炭素数3~20のシリルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、t-ブチルジメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基としては、トリメチルホスホニオ基、トリエチルホスホニオ基、トリプロピルホスホニオ基、トリブチルホスホニオ基、トリペンチルホスホニオ基、トリへキシルホスホニオ基、トリヘプチルホスホニオ基、トリオクチルホスホニオ基、トリノニルホスホニオ基、トリデシルホスホニオ基、トリシクロへキシルホスホニオ基等が挙げられる。炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、トリブチルホスホニオ基、トリシクロへキシルホスホニオ基、トリオクチルホスホニオ基等が挙げられる。
炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基としてはトリフェニルホスホニオ基、トリ(2-メチルフェニル)ホスホニオ基、トリフリルホスホニオ基、トリ(1-ナフチル)ホスホニオ基等が挙げられる。炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、トリフェニルホスホニオ基、トリ(2-メチルフェニル)ホスホニオ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。入手の容易さの観点から特に好ましい例として、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
ジメチルシクロブタン化合物(1)としては、下記一般式(1-1)で表される(S,Z)-体のジメチルシクロブタン化合物、下記一般式(1-2)で表される(R,Z)-体のジメチルシクロブタン化合物、下記一般式(1-3)で表される(S,E)-体のジメチルシクロブタン化合物、及び下記一般式(1-4)で表される(R,E)-体のジメチルシクロブタン化合物、並びにこれらのラセミ体、ジアステレオマー混合物及びスカレミック混合物が挙げられる。
ジメチルシクロブタン化合物(1)としては、水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物、アシルオキシ基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物、ハロゲン原子とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物、ホスホニオ基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物、2つの水酸基を有するジメチルシクロブタン化合物、2つのアシルオキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物、2つのハロゲン原子を有するジメチルシクロブタン化合物、ホスホニオ基と水酸基を有するジメチルシクロブタン化合物、ハロゲン原子とアシルオキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物等が挙げられる。
水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物としては、2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール、2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール、2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロパン-1-オール等の2-(3-アルコキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール化合物、2-[3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン]プロパン-1-オール化合物等が挙げられる(下記の実施例11、12、13及び16を参照)。
アシルオキシ基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物としては、2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル=アセテート、2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロピル=アセテート等の2-(3-アルコキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル=アシレート化合物等が挙げられる(下記の実施例20及び21を参照)。
ハロゲン原子とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物としては、[3-(2-クロロ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メトキシメチルベンゼン、[3-(2-ブロモ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メトキシメチルベンゼン等の1-アルコキシメチル-3-(2-ハロ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブタン化合物等が挙げられる(下記の実施例17及び18を参照)。
ホスホニオ基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物としては、2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピルトリフェニルホスホニウム等の[2-(3-アルコキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル]トリアリールホスホニウム化合物等が挙げられる(下記の実施例19を参照)。
2つの水酸基を有するジメチルシクロブタン化合物としては、2-(3-ヒドロキシキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オールが挙げられる(下記の実施例14、15、22及び23参照)。
2つのアシルオキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物としては、[3-(2-アセトキシ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メチル=アセテート、(3-[2-(2-メチルブタノイルオキシ)-1-メチルエチリデン]-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエート等の[3-(2-アシルオキシ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メチル=アシレート化合物等が挙げられる(下記の実施例24及び25を参照)。
2つのハロゲン原子を有するジメチルシクロブタン化合物としては、1-クロロメチル-3-(2-クロロ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブタン等の1-ハロメチル-3-(2-ハロ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブタン化合物等が挙げられる(下記の実施例26を参照)。
ホスホニオ基と水酸基を有するジメチルシクロブタン化合物としては、トリフェニル[2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル]ホスホニウム等の[2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル]トリアリールホスホニウム化合物等が挙げられる(下記の実施例27を参照)。
ハロゲン原子とアシルオキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物としては、[2,2-ジメチル-3-(2-ブロモ-1-メチルエチリデン)シクロブチル]メチル=アセテート等の[2,2-ジメチル-3-(2-ハロ-1-メチルエチリデン)シクロブチル]メチル=アシレート化合物等が挙げられる(下記の実施例28を参照)。
ジメチルシクロブタン化合物(1)としては、上記で例示したものに加え、例えば下記式で表されるジメチルシクロブタン化合物が挙げられる。
[II]ジメチルシクロブタン化合物(1A)の製造方法
次に、下記に示す2つの化学反応式で示される、ジメチルシクロブタン化合物(1A)の製造方法について説明する。当該製造方法は、下記一般式(2)で表されるジメチルシクロブタノン化合物と、下記一般式(3)で表されるホスホン酸エステル化合物との反応、特にオレフィン化反応、好ましくはホーナー・ワズワース・エモンズ反応により、下記一般式(4)で表される、ジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物を得る工程と、
上述のジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物(4)を還元反応に付すことにより、ジメチルシクロブタン化合物(1A)を得る工程と
を少なくとも含む。
まず、上述のジメチルシクロブタノン化合物(2)から上述のジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物(4)を得る工程について説明する。
ジメチルシクロブタノン化合物(2)におけるXは、上記で定義された通りである。ジメチルシクロブタノン化合物(2)の中でも、化合物の安定性及び/又は後に、特定の基Xを上記で定義されたXの選択中の別の基Xに変換する容易さの観点から、一般式(2B)で示されるジメチルシクロブタノン化合物(2B)が好ましい。
ジメチルシクロブタノン化合物(2B)におけるX13は、カルボニル基の炭素を含めた炭素数3~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、ベンジルオキシ基を除く炭素数2~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基を表す。
ジメチルシクロブタノン化合物(2)としては、下記一般式(2-1)で表される(S)-体のジメチルシクロブタノン化合物、及び下記一般式(2-2)で表される(R)-体のジメチルシクロブタノン化合物、並びにこれらのラセミ体、及びスカレミック混合物が挙げられる。
ジメチルシクロブタノン化合物(2)の具体例としては、3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノン、(2,2-ジメチル-3-オキソシクロブチル)メチル=アセテート、3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノン、3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノン、2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブタノン、3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブタノン、3-(1-アリルオキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブタノン、3-アリルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノン等が挙げられる。化合物の安定性及び/又は後に、特定の基Xを上記で定義されたXの選択中の別の基Xに変換する容易さの観点から、ジメチルシクロブタノン化合物(2B)である、3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノン、2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブタノン、3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブタノン、3-(1-アリルオキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブタノン、3-アリルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノンが好ましい。
ジメチルシクロブタノン化合物(2)は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、ジメチルシクロブタノン化合物(2)は、例えば以下のように製造できる。以下、ジメチルシクロブタノン(2)におけるXの定義から水酸基を除いた、ジメチルシクロブタノン化合物(2A)と、ジメチルシクロブタノン化合物(2)におけるXが水酸基である3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノンに分けて、説明する。
[III]ジメチルシクロブタン化合物(2A)
ジメチルシクロブタン化合物(2A)については、上記で説明した通りである。
ジメチルシクロブタノン化合物(2A)の製造方法
次に、下記化学反応式で示される、ジメチルシクロブタノン化合物(2A)の製造方法について説明する。当該製造方法は、下記一般式(7)で表される酸ハロゲン化物と、下記一般式(8)で表されるアリル化合物と、塩基との反応により、下記一般式(2A)で表される、ジメチルシクロブタノン化合物を得る工程を少なくとも含む。
酸ハロゲン化物(7)におけるXは、ハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アリル化合物(8)におけるX12は上記で定義された通りである。
カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、アセトキシ(AcO)基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基、デカノイルオキシ基、クロトニルオキシ基等の直鎖状の脂肪族アシルオキシ基、2-メチルプロパノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、2-メチルブタノイルオキシ基、3-メチル-2-ブテノイルオキシ基、3-メチル-3-ブテノイルオキシ基等の分岐状の脂肪族アシルオキシ基、トリクロロアセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基等のハロゲン化アシルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等の芳香族アシルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアシルオキシ基でもよい。
また、これらのアシルオキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例としてホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、2-メチルブタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基としては、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n-プロポキシカルボニルオキシ基、n-ブトキシカルボニルオキシ基、n-ペンチルオキシカルボニルオキシ基、n-ヘキシルオキシカルボニルオキシ基、n-ヘプチルオキシカルボニルオキシ基、n-オクチルオキシカルボニルオキシ基、n-ノニルオキシカルボニルオキシ基、n-デシルオキシカルボニルオキシ基等の直鎖状の飽和アルコキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、t-ブトキシカルボニルオキシ基等の分岐状の飽和アルコキシカルボニルオキシ基、2-プロペニルオキシカルボニルオキシ基、2-プロピニルオキシカルボニルオキシ基等の直鎖状の不飽和アルコキシカルボニルオキシ基、2-メチル-2-プロペニルオキシカルボニルオキシ基等の分岐状の不飽和アルコキシカルボニルオキシ基、シクロプロピルオキシカルボニルオキシ基、2-メチルシクロプロピルオキシカルボニルオキシ基、シクロブチルオキシカルボニルオキシ基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基等の環状アルコキシカルボニルオキシ基、ベンジルオキシカルボニルオキシ基、パラメトキシベンジルオキシカルボニルオキシ基等の芳香環を含有するアルコキシカルボニルオキシ基、メトキシメトキシカルボニルオキシ基、ベンジルオキシメトキシカルボニルオキシ基、パラメトキシベンジルオキシメトキシカルボニルオキシ基等のオキシアルコキシカルボニルオキシ基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルオキシ基等のハロゲン化アルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアルコキシカルボニルオキシ基でもよい。また、これらのアルコキシカルボニルオキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基としては、入手の容易さ等の観点から特に好ましい例として、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n-プロポキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基としては、メタンスルホニルオキシ(MsO)基、エタンスルホニルオキシ基、1-ブタンスルホニルオキシ基、1-ペンタンスルホニルオキシ基、1-ヘキサンスルホニルオキシ基、1-ヘプタンスルホニルオキシ基、1-オクタンスルホニルオキシ基、1-ノナンスルホニルオキシ基、1-デカンスルホニルオキシ基、アリルスルホニルオキシ基、10-カンファ―スルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、α-ベンジルスルホニルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアルカンスルホニルオキシ基でもよい。
また、これらのアルカンスルホニルオキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基としては、ベンゼンスルホニルオキシ基、4-クロロベンゼンスルホニルオキシ基、4-メトキシベンゼンスルホニルオキシ基、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ(TsO)基、1-ナフタレンスルホニルオキシ基、2-ナフタレンスルホニルオキシ基が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアレーンスルホニルオキシ基でもよい。また、これらのアレーンスルホニルオキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、ベンゼンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1~12のアルコキシ基としては、メトキシ(MeO)基、エトキシ(EtO)基、n-プロポキシ(PrO)基、n-ブトキシ(BuO)基、n-ペンチルオキシ(PenO)基、n-ヘキシルオキシ(HexO)基、n-ヘプチルオキシ(HepO)基、n-オクチルオキシ(OctO)基、n-ノニルオキシ(NonO)基、n-デシルオキシ(DecO)基、n-ウンデシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基等の直鎖状の飽和アルコキシ基、イソプロポキシ基(i-PrO)、イソブチルオキシ基(i-BuO)、t-ブトキシ(t-BuO)基等の分岐状の飽和アルコキシ基、2-プロペニルオキシ基、2-プロピニルオキシ基等の直鎖状の不飽和アルコキシ基、2-メチル-2-プロペニルオキシ基等の分岐状の不飽和アルコキシ基、シクロプロピルオキシ基、2-メチルシクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ(c-HexO)基等の環状アルコキシ基、ベンジルオキシ(BnO)基、パラメトキシベンジルオキシ基等の芳香環を含有するアルコキシ基、メトキシメトキシ(MOMO)基、2-メトキシエトキシメトキシ基、ベンジルオキシメトキシ基、パラメトキシベンジルオキシメトキシ基、1-エトキシエトキシ(EEO)基、1-アリルオキシエトキシ基、テトラヒドロピラン-2-イルオキシ(THPO)基等のオキシアルコキシ基、2,2,2-トリクロロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等のハロゲン化アルコキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアルコキシ基でもよい。また、これらのアルコキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
炭素数1~12のアルコキシ基としては、調製の容易さ等の観点から特に好ましい例として、メトキシ基、エトキシ基、2-プロペニルオキシ基、メトキシメトキシ基、1-エトキシエトキシ基、1-アリルオキシエトキシ基、テトラヒドロピラン-2-イルオキシ基等が挙げられる。
炭素数6~12のアリールオキシ基としては、フェノキシ(PhO)基、4-クロロフェノキシ基、4-メトキシフェノキシ基、ナフトキシ基、4-ビフェニルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアリールオキシ基でもよい。また、これらのアリールオキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。炭素数6~12のアリールオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、フェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
炭素数3~20のシリルオキシ基としては、トリメチルシリルオキシ(TMSO)基、トリエチルシリルオキシ(TESO)基、トリイソプロピルシリルオキシ(TIPSO)基、t-ブチルジメチルシリルオキシ(TBSO)基等のトリアルキルシリルオキシ基、t-ブチルジフェニルシリルオキシ(TBDPSO)基等のモノアルキルジアリールシリルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるシリルオキシ基でもよい。また、これらのシリルオキシ基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。炭素数3~20のシリルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、t-ブチルジメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。入手の容易さの観点から特に好ましい例として、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
アリル化合物(8)は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、アリル化合物(8)は、市販されているものであってもよく、また独自に合成したものを用いてもよい。
アリル化合物(8)の使用量は、酸ハロゲン化物(7)1molに対して、好ましくは0.2~100.0mol、より好ましくは0.4~50.0mol、更に好ましくは0.6~25.0molである。
上記の反応に用いる塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の水素化金属類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、キノリン、ピロリジン、ピペリジン、コリジン、ルチジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等の有機塩基化合物等を挙げることができる。
該塩基は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該塩基は、市販されているものを用いることができる。
該塩基の使用量は、酸ハロゲン化物(7)1molに対して、好ましくは0.7~5.0mol、より好ましくは0.8~4.0mol、更に好ましくは0.9~3.0molである。
上記の反応は無溶媒もしくは溶媒の存在下で行うことができる。
上記の反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、酸ハロゲン化物(7)1molに対し、好ましくは0~10,000gである。
上記の反応における反応温度は、好ましくは40~200℃、より好ましくは50~190℃、更に好ましくは60~180℃である。
上記の反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~72時間程度である。
また、上記の反応によってシクロブタノン化合物(2A)を得た後に、特定の基X12を別の基である水酸基へと変換して用いることもできる。例えば、X12が1-エトキシエトキシ基の場合、酸加水分解によりX12を水酸基へと変換することが可能である。
ホスホン酸エステル化合物(3)におけるR及びRはそれぞれ独立して、炭素数1~10の一価の炭化水素基を表す。R及びRの炭素数は、1~10、好ましくは1~5である。
該一価の炭化水素基としては、メチル(Me)基、エチル(Et)基、n-プロピル(Pr)基、n-ブチル(Bu)基、n-ペンチル(Pen)基、n-ヘキシル(Hex)基、n-ヘプチル(Hep)基、n-オクチル(Oct)基、n-ノニル(Non)基、n-デシル(Dec)基等の直鎖状の飽和炭化水素基、イソプロピル(i-Pr)基、sec-ブチル基、イソブチル(i-Bu)基、t-ブチル(t-Bu)基等の分岐状の飽和炭化水素基、2-プロペニル基、2-プロピニル基等の直鎖状の不飽和炭化水素基、2-メチル-2-プロペニル基等の分岐状の不飽和炭化水素基、シクロプロピル基、2-メチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル(c-Hex)基等の環状炭化水素基、フェニル(Ph)基、2-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられ、これらと異性体の関係にある炭化水素基でもよい。
また、これらの一価の炭化水素基の水素原子の一部がメチル基、エチル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
ホスホン酸エステル化合物(3)の入手の容易さを考慮するとR及びRの特に好ましい例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基及びt-ブチル基等、より特に好ましい例としてはメチル基、エチル基、n-プロピル基等が挙げられる。
ホスホン酸エステル化合物(3)としては、特に、2-ホスホノプロピオン酸トリエチル等が挙げられる。
ホスホン酸エステル化合物(3)は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、ホスホン酸エステル化合物(3)は、市販されているものであってもよく、また独自に合成したものを用いてもよい。例えば、ホスホン酸エステル化合物(3)は亜リン酸エステルと、2-ブロモプロピオン酸エステルとのArbuzov反応により合成することができる。
ホスホン酸エステル化合物(3)の使用量は、ジメチルシクロブタノン化合物(2)1molに対して、好ましくは0.7~5.0mol、より好ましくは0.8~4.0mol、更に好ましくは0.9~3.0molである。
上記の反応に用いる塩基としては、ナトリウム=メトキシド、ナトリウム=エトキシド、ナトリウム=t-ブトキシド、ナトリウム=t-アミロキシド、リチウム=メトキシド、リチウム=エトキシド、リチウム=t-ブトキシド、リチウム=t-アミロキシド、カリウム=メトキシド、カリウム=エトキシド、カリウム=t-ブトキシド、カリウム=t-アミロキシド等のアルコキシド類、メチルリチウム、エチルリチウム、n-ブチルリチウム、塩化メチルマグネシウム、ジムシルナトリウム等の有機金属化合物、ナトリウム=アミド、リチウム=アミド、リチウム=ジイソプロピルアミド、リチウム=ヘキサメチルジシラジド、ナトリウム=ヘキサメチルジシラジド、カリウム=ヘキサメチルジシラジド、リチウム=ジシクロヘキシルアミド等の金属アミド類、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の水素化金属類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、キノリン、ピロリジン、ピペリジン、コリジン、ルチジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等の有機塩基化合物等を挙げることができる。
該塩基は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該塩基は、市販されているものを用いることができる。
該塩基の使用量は、ホスホン酸エステル化合物(3)1molに対して、好ましくは0.7~5.0mol、より好ましくは0.8~4.0mol、更に好ましくは0.9~3.0molである。
上記の反応は、ルイス酸の共存下で行われてもよい。
該ルイス酸としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム等のハロゲン化リチウム等が挙げられる。
該ルイス酸は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該ルイス酸は、市販されているものを用いることができる。
該ルイス酸の使用量は、ホスホン酸エステル化合物(3)1molに対して、好ましくは0.7~5.0mol、より好ましくは0.8~4.0mol、更に好ましくは0.9~3.0molである。
上記の反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、t-ブチルアルコール等のアルコール類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、ジメチルシクロブタノン化合物(2)1molに対し、好ましくは10~10,000gである。
上記の反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
上記の反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
ジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物(4)としては、下記一般式(4-1)で表される(S,Z)-体のジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物、下記一般式(4-2)で表される(R,Z)-体のジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物、下記一般式(4-3)で表される(S,E)-体のジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物、及び下記一般式(4-4)で表される(R,E)-体のジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物、並びにこれらのラセミ体、ジアステレオマー混合物及びスカレミック混合物が挙げられる。
ジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物(4)としては、特に、エチル=2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート、エチル=2-(3-アセトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート、エチル=2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート、エチル=2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロパノエート、エチル=2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート、エチル=2-[3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン]プロパノエート等が挙げられる。
次に、上述のジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物(4)から上述のジメチルシクロブタン化合物(1A)を得る工程について説明する。
ジメチルシクロブタン化合物(1A)におけるXは、水酸基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。これらの基及びハロゲン原子としては、上記のX及びXが炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基及びハロゲン原子である場合に例示した上記基が挙げられる。
上記還元反応において、ジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物(4)のXが維持される場合にはXと該反応後のXは同一となり、一方、Xが維持されない場合にはXと該反応後のXは異なる。
還元反応に用いる還元剤としては、水素、ボラン、ビス(3-メチル-2-ブチル)ボラン等のアルキルボラン化合物、トリエチルシラン等のアルキルシラン化合物、水素化アルミニウム等の金属水素化物類、水素化ジイソブチルアルミニウム等のアルキル金属水素化物類、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、水素化ジエトキシアルミニウムリチウム、水素化トリtert-ブトキシアルミニウムリチウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等の錯体水素化物類及びそれらのアルコキシあるいはアルキル誘導体等が挙げられる。
該還元剤は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該還元剤は、市販されているものを用いることができる。
該還元剤の使用量は、ジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物(4)1molに対して、ヒドリド換算で、好ましくは3.5~100.0mol、より好ましくは3.6~20.0mol、更に好ましくは3.7~15.0molである。
還元反応において用いる溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、t-ブチルアルコール等のアルコール類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、ジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物(4)1molに対して、好ましくは10~20,000gである。
還元反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-78~160℃、更に好ましくは-78~140℃である。
還元反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
ジメチルシクロブタン化合物(1A)としては、上述のジメチルシクロブタン化合物(1)にて例示したものが挙げられる。
[IV]ジメチルシクロブタン化合物(1B)の製造方法
次に、下記の化学反応式で示される、上述のジメチルシクロブタン化合物(1B)の製造方法について説明する。当該製造方法は、上述のジメチルシクロブタン化合物(1A)の水酸基、及び任意的にX、を変換することにより、ジメチルシクロブタン化合物(1B)を得る工程を少なくとも含む。

は、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基、炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基、炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基又はハロゲン原子を表す。これらの基及びハロゲン原子としては、上記のX及びXがカルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基、炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基、炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基及びハロゲン原子である場合に例示した上記基が挙げられる。
は、上記Xと同じである。
上記の変換反応において、ジメチルシクロブタン化合物(1A)のXが維持される場合にはXと該反応後のXは同一となり、一方、Xが維持されない場合はXと該反応後のXは異なる。
上記の変換反応は、公知の方法により行うことができる。
下記一般式(1D)で表される、アシルオキシ基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物は、下記の化学反応式で示される通り、下記一般式(1C)で表される水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物と、アシル化剤とのアシル化反応により製造することができる(下記の実施例20及び21を参照)。
水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)及びアシルオキシ基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1D)におけるXは、炭素数1~12のアルコキシ基を表す。炭素数1~12のアルコキシ基としては、上記のX及びXが炭素数1~12のアルコキシ基である場合に例示した上記基が挙げられる。
は、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基を表す。カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基としては、上記のX及びXがカルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基である場合に例示した上記基が挙げられる。
アシル化剤としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ブタン酸、無水2-メチルブタン酸等の酸無水物、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ブタノイル、塩化2-メチルブタノイル等の酸塩化物等が挙げられる。
該アシル化剤は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該アシル化剤は、市販されているものを用いることができる。
該アシル化剤の使用量は、水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)の水酸基1molに対して、好ましくは0.7~100mol、より好ましくは0.8~50mol、更に好ましくは0.9~20molである。
アシル反応に用いる塩基としては、ナトリウム=メトキシド、ナトリウム=エトキシド、ナトリウム=t-ブトキシド、ナトリウム=t-アミロキシド、リチウム=メトキシド、リチウム=エトキシド、リチウム=t-ブトキシド、リチウム=t-アミロキシド、カリウム=メトキシド、カリウム=エトキシド、カリウム=t-ブトキシド、カリウム=t-アミロキシド等のアルコキシド類、メチルリチウム、エチルリチウム、n-ブチルリチウム、塩化メチルマグネシウム、ジムシルナトリウム等の有機金属化合物、ナトリウム=アミド、リチウム=アミド、リチウム=ジイソプロピルアミド、リチウム=ヘキサメチルジシラジド、ナトリウム=ヘキサメチルジシラジド、カリウム=ヘキサメチルジシラジド、リチウム=ジシクロヘキシルアミド等の金属アミド類、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の水素化金属類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、キノリン、ピロリジン、ピペリジン、コリジン、ルチジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等の有機塩基化合物等を挙げることができる。
該塩基は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該塩基は、市販されているものを用いることができる。
該塩基の使用量は、水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)の水酸基1molに対して、好ましくは0.8~110mol、より好ましくは0.9~60mol、更に好ましくは1~30molである。
アシル化反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)1molに対し、好ましくは10~10,000gである。
アシル化反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
アシル化反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
下記一般式(1F)で表される、2つのアシルオキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物は、下記の化学反応式で示される通り、下記式(1E)で表される、2つの水酸基を有するジメチルシクロブタン化合物と、アシル化剤とのアシル化反応により製造することができる(下記の実施例24及び25を参照)。
は、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基を表す。カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基としては、上記のX及びXがカルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基である場合に例示した上記基が挙げられる。
アシル化反応は、上述のアシルオキシ基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1D)を得る工程と同じようにして行うことができる。
下記一般式(1G)で表される、ハロゲン原子とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物は、下記の化学反応式で示される通り、上述の水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)と、ハロゲン源と、ホスフィン化合物とのハロゲン化反応により、または上述の水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)とスルホニルハライド化合物とのハロゲン化反応により製造することができる(下記の実施例17及び18を参照)。
ハロゲン原子とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1G)におけるXは、上記で定義された通りである。
は、ハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
はじめに、ハロゲン源とホスフィン化合物を用いたハロゲン化反応について説明する(下記の実施例18を参照)。
ハロゲン源としては、四塩化炭素、四臭化炭素等の四ハロゲン化炭素化合物、臭素、ヨウ素等のハロゲン単体等が挙げられる。
該ハロゲン源は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該ハロゲン源は、市販されているものを用いることができる。
該ハロゲン源の使用量は、水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)の水酸基1molに対して、好ましくは0.7~1000mol、より好ましくは0.8~500mol、更に好ましくは0.9~200molである。
ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィン化合物、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン化合物等が挙げられる。
該ホスフィン化合物の使用量は、水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)1molに対して、好ましくは1.4~20.0mol、より好ましくは1.4~16mol、更に好ましくは1.5~14molである。
該ホスフィン化合物は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該ホスフィン化合物は、市販されているものを用いることができる。
上記のハロゲン化反応は塩基の存在下で行ってもよい。
該塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、キノリン、ピロリジン、ピペリジン、コリジン、ルチジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等の有機塩基化合物等を挙げることができる。
該塩基は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該塩基は、市販されているものを用いることができる。
該塩基の使用量は、水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)の水酸基1molに対して、好ましくは0~1000mol、より好ましくは0~500mol、更に好ましくは0~200molである。
上記のハロゲン化反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)1molに対し、好ましくは0~20,000gである。
ハロゲン化反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
ハロゲン化反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
次に、スルホニルハライド化合物を用いたハロゲン化反応について説明する(下記の実施例17を参照)。
スルホニルハライド化合物としては、塩化パラトルエンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル等のアレーンスルホニル=ハライド化合物、塩化メタンスルホニル等のアルカンスルホニル=ハライド化合物、塩化チオニル等が挙げられる。
該スルホニルハライド化合物は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該スルホニルハライド化合物は、市販されているものを用いることができる。
該スルホニルハライド化合物の使用量は、水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)の水酸基1molに対して、好ましくは0.7~1000mol、より好ましくは0.8~500mol、更に好ましくは0.9~200molである。
上記のハロゲン化反応は塩基の存在下で行ってもよい。
該塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、キノリン、ピロリジン、ピペリジン、コリジン、ルチジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等の有機塩基化合物等を挙げることができる。
該塩基は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該塩基は、市販されているものを用いることができる。
該塩基の使用量は、水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)の水酸基1molに対して、好ましくは0~1000mol、より好ましくは0~500mol、更に好ましくは0~200molである。
ハロゲン化反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)1molに対し、好ましくは10~10,000gである。
ハロゲン化反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
ハロゲン化反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
下記一般式(1H)で表される、2つのハロゲン原子を有するジメチルシクロブタン化合物は、下記の化学反応式で示される通り、上述の2つの水酸基を有するジメチルシクロブタン化合物(1E)とハロゲン源とホスフィン化合物とのハロゲン化反応により製造することができる(下記の実施例26を参照)。
は、上記で定義された通りである。
ハロゲン化反応は、上述のハロゲン原子とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1G)を得る工程と同じようにして行うことができる。
下記一般式(1I)で表される、ホスホニオ基と水酸基を有するジメチルシクロブタン化合物は、下記の化学反応式で示される通り、上述の2つの水酸基を有するジメチルシクロブタン化合物(1E)とホスフィンハロゲン化水素塩とのホスホニオ化反応により製造することができる(下記の実施例27を参照)。
10は、炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基又は炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基を表す。炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基としては、上記のX及びXが炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基である場合に例示した上記基が挙げられる。炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基としては、上記のX及びXが炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基である場合に例示した上記基が挙げられる。X10は、ホスホニオ化反応において用いられるホスフィンハロゲン化水素塩に由来する。
ホスフィンハロゲン化水素塩としては、トリフェニルホスフィン塩化水素塩、トリフェニルホスフィン臭化水素塩、トリフェニルホスフィンヨウ化水素塩等が挙げられる。
該ホスフィンハロゲン化水素塩の使用量は、2つの水酸基を有するジメチルシクロブタン化合物(1E)1molに対して、好ましくは0.7~10.0mol、より好ましくは0.8~8.0mol、更に好ましくは0.9~6.0molである。
該ホスフィンハロゲン化水素塩は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該ホスフィンハロゲン化水素塩は、市販されているものを用いることができる。
ホスホニオ化反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、t-ブチルアルコール等のアルコール類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、2つの水酸基を有するジメチルシクロブタン化合物(1E)1molに対し、好ましくは10~10,000gである。
ホスホニオ化反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
ホスホニオ化反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
また、上述のジメチルシクロブタン化合物(1B)における置換基(すなわち、X及びX)を多段的に他の基に変換することも可能である。
下記一般式(1E)で表される、2つの水酸基を有するジメチルシクロブタン化合物は、下記の化学反応式で示される通り、上述の水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)と酸との脱保護反応により製造することができる(下記の実施例22を参照)。そして、その後、2つの水酸基を有するジメチルシクロブタン化合物(1E)中の水酸基をアシル化、ハロゲン化、ホスホニオ化等の変換反応に付すことができる。
酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類またはこれらの塩類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の有機酸類またはこれらの塩類、テトラフルオロホウ酸リチウム、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、四塩化錫、四臭化錫、二塩化錫、四塩化チタン、四臭化チタン、トリメチルヨードシラン等のルイス酸類、アルミナ、シリカゲル、チタニア等の酸化物、モンモリロナイト等の鉱物等が挙げられる。
該酸は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該酸は、市販されているものを用いることができる。
該酸の使用量は、水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)1molに対して、好ましくは0.00001~10,000mol、より好ましくは0.0001~1,000mol、更に好ましくは0.001~100molである。
脱保護反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、t-ブチルアルコール等のアルコール類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)1molに対し、好ましくは10~10,000gである。
脱保護反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
脱保護反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
下記一般式(1J)で表される、ハロゲン原子とアシルオキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物は、下記の化学反応式で示される通り、上述の2つのアシルオキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1F)と、ハロゲン化水素化合物とのハロゲン化反応により製造することができる(下記の実施例28を参照)。
、Xは、上記で定義された通りである。
ハロゲン化水素化合物としては、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素等が挙げられる。
該ハロゲン化水素化合物は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該ハロゲン化水素化合物は、市販されているものを用いることができる。
該ハロゲン化水素化合物の使用量は、2つのアシルオキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1F)1molに対して、好ましくは0.7~10mol、より好ましくは0.8~8mol、更に好ましくは0.9~6molである。
ハロゲン化反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、2つのアシルオキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1F)1molに対し、好ましくは10~10,000gである。
ハロゲン化反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
ハロゲン化反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
下記一般式(1K)で表される、ホスホニオ基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物は、下記の化学反応式で示される通り、上述のハロゲン原子とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1G)とホスフィン化合物とのホスホニオ化反応により製造することができる(下記の実施例19を参照)。
、X10は、上記で定義された通りである。
ホスフィン化合物としてはトリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィン化合物、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン化合物等が挙げられる。
該ホスフィン化合物の使用量は、ハロゲン原子とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1G)1molに対して、好ましくは0.7~10.0mol、より好ましくは0.8~8.0mol、更に好ましくは0.9~6.0molである。
ホスホニオ化反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、t-ブチルアルコール等のアルコール類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、ハロゲン原子とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1G)1molに対し、好ましくは10~10,000gである。
ホスホニオ化反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
ホスホニオ化反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
ジメチルシクロブタン化合物(1B)としては、上述のジメチルシクロブタン化合物(1)にて例示した化合物が挙げられる。ただし、ジメチルシクロブタン化合物(1)のうち、Xが水酸基である場合を除く。
ジメチルシクロブタン化合物(1)におけるXが水酸基でありかつXがアシルオキシ基又はアルコキシカルボニルオキシ基である場合の製造方法としては、例えば、X及びXがアシルオキシ基又はアルコキシカルボニルオキシ基であるジメチルシクロブタン化合物(1)の加水分解により、Xを水酸基に変換する方法が挙げられる。
[V]イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6)の製造方法
次に、下記の化学反応式で示される、下記一般式(5)で表されるイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物及び/又は下記一般式(6)で表されるイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物の製造方法について説明する。当該製造方法は、上述のジメチルシクロブタン化合物(1)を還元反応に付すことにより、イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6)を得る工程を少なくとも含む(下記の実施例29~42を参照)。
イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6)におけるXは、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。また、イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6)におけるXにおける上記の各基としては、上記のX及びXが当該各基である場合に例示した上記基が挙げられる。
還元反応において、イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)のXが維持される場合にはXと該反応後のXは同一となり、一方、Xが維持されない場合にはXと該反応後のXは異なる。
還元剤としては、水素、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸アンモニウム、ギ酸トリエチルアンモニウム等のギ酸塩、ボラン、ビス(3-メチル-2-ブチル)ボラン等のアルキルボラン化合物、トリエチルシラン等のアルキルシラン化合物、水素化アルミニウム等の金属水素化物類、水素化ジイソブチルアルミニウム等のアルキル金属水素化物類、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、水素化ジエトキシアルミニウムリチウム、水素化トリtert-ブトキシアルミニウムリチウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等の錯体水素化物類及びそれらのアルコキシあるいはアルキル誘導体、2-ニトロベンゼンスルホノヒドラジド、N’-イソプロピリデン-2-ニトロベンゼンスルホノヒドラジド等のジアゼニル化剤等が挙げられる。
該還元剤は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該還元剤は、市販されているものを用いることができる。
該還元剤の使用量は、ジメチルシクロブタン化合物(1)1molに対して、ヒドリド換算で、好ましくは0.7~100.0mol、より好ましくは0.8~80.0mol、更に好ましくは0.9~60.0molである。
還元反応は金属触媒の存在下で行ってもよい。
該金属触媒としては、パラジウム触媒、ニッケル触媒、鉄触媒、コバルト触媒、モリブデン触媒、タングステン触媒、ロジウム触媒、イリジウム触媒等が挙げられ、収率及び選択性の観点から、好ましくはパラジウム触媒である。
パラジウム触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム等の0価のパラジウム触媒、酢酸パラジウム、ビス(アセタト)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、塩化パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、アリルパラジウム=クロリド、アセチルアセトンパラジウム等の2価のパラジウム触媒等が挙げられる。
該金属触媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該金属触媒は、市販されているものを用いることができる。
該金属触媒の使用量は、ジメチルシクロブタン化合物(1)1molに対して、好ましくは0.0001~1mol、より好ましくは0.0002~0.9mol、更に好ましくは0.0003~0.8molである。
また、必要に応じて、該金属触媒と共に配位子を用いてもよい。
該配位子としては、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル等の亜リン酸エステル化合物、トリブチルホスフィン、トリシクロへキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル等のホスフィン化合物、アセチルアセトン、ジベンジリデンアセトン等のアセトン誘導体、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物、ジメチルイミダゾリジノン、エチレンジアミン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の窒素含有化合物、1,5-シクロオクタジエン、2,5-ノルボルナジエン等のジエン化合物等が挙げられる。
該配位子は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該配位子は、市販されているものを用いることができる。
該配位子の使用量は、金属触媒1molに対して、好ましくは0.001~10,000mol、より好ましくは0.01~1,000mol、更に好ましくは0.1~100molである。
還元剤としてジアゼニル化剤を使用する場合においては、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)等のアゾジカルボン酸エステル化合物、トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物との光延反応を経て還元反応を行うことができる。
光延反応におけるアゾジカルボン酸エステル化合物の使用量は、ジメチルシクロブタン化合物(1)1molに対して、好ましくは0.7~100.0mol、より好ましくは0.8~80.0mol、更に好ましくは0.9~60.0molである。
光延反応におけるホスフィン化合物の使用量は、ジメチルシクロブタン化合物(1)1molに対して、好ましくは0.7~100.0mol、より好ましくは0.8~80.0mol、更に好ましくは0.9~60.0molである。
還元反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、t-ブチルアルコール、トリフルオロエタノール等のアルコール類、アセトン、2-ブタノン等のケトン類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、ジメチルシクロブタン化合物(1)1molに対し、好ましくは10~150,000gである。
還元反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
還元反応の反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~30時間程度である。
イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)としては、下記一般式(5-1)で表される(1R,3R)-3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブタン化合物、下記一般式(5-2)で表される(1S,3S)-3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブタン化合物、下記一般式(5-3)で表される(1R,3S)-3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブタン化合物、及び下記一般式(5-4)で表される(1S,3R)-3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブタン化合物、並びにこれらのラセミ体、ジアステレオマー混合物及びスカレミック混合物が挙げられる。
イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)としては、アシルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物、ハロメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物、ヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物、アルカンスルホニルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物、アルコキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物等が挙げられる。
アシルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物としては、(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート、(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエート、(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=3-メチル-3-ブテノエート等の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アシレート化合物等が挙げられる。
ハロメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物としては、1-クロロメチル-3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブタン等の1-ハロメチル-3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブタン化合物が挙げられる。
ヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物としては、(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール等が挙げられる。
アルカンスルホニルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物としては(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=メタンスルホネート等の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アルカンスルホネート化合物が挙げられる。
アルコキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物としては、2-[(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシ]テトラヒドロピラン、(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼン等の1-アルコキシメチル-3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブタン化合物が挙げられる。
イソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6)としては、下記一般式(6-1)で表される(1R)-3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブタン化合物、及び下記一般式(6-2)で表される(1S)-3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブタン化合物、並びにこれらのラセミ体及びスカレミック混合物が挙げられる。
イソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6)としては、アシルオキシメチル基を有するイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物、ハロメチル基を有するイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物、ヒドロキシメチル基を有するイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物、アルカンスルホニルオキシメチル基を有するイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物、アルコキシメチル基を有するイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物等が挙げられる。
アシルオキシメチル基を有するイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物としては、(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート、(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエート、(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=3-メチル-2-ブテノエート、(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=3-メチル-3-ブテノエート等の(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アシレート化合物等が挙げられる。
ハロメチル基を有するイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物としては、1-クロロメチル-3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブタン等の1-ハロメチル-3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブタン化合物等が挙げられる。
ヒドロキシメチル基を有するイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物としては、(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール等が挙げられる。
アルカンスルホニルオキシメチル基を有するイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物としては、アルカンスルホニルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物としては(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=メタンスルホネート等の(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アルカンスルホネート化合物等が挙げられる。
アルコキシメチル基を有するイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物としては、2-[(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシ]テトラヒドロピラン、(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼン等の1-アルコキシメチル-3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブタン化合物等が挙げられる。
下記一般式(5A)で表される、アルコキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物及び下記一般式(6A)で表されるイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物は、下記の化学反応式で示される通り、上述のハロゲン原子とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1G)を還元反応に付すことにより製造することができる(下記の実施例29を参照)。該還元反応は、必要に応じて金属触媒及び配位子の存在下で、還元剤を用いて行われる。
アルコキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5A)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6A)におけるXは、上記で定義された通りである。
上述のアルコキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5A)及び上述のイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6A)は、下記の化学反応式で示される通り、上述のホスホニオ基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1K)を還元反応に付すことにより製造することができる(下記の実施例30を参照)。該還元反応は、必要に応じて金属触媒及び配位子の存在下で、還元剤を用いて行われる。
上述のアルコキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5A)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6A)は、下記の化学反応式で示される通り、上述のハロゲン原子とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1G)を還元反応に付すことにより製造することができる(下記の実施例31を参照)。該還元反応は、必要に応じて金属触媒及び配位子の存在下で、還元剤を用いて行われる。
下記式(5B)で表されるヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物及び/又は下記式(6B)で表されるイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物は、下記の化学反応式で示される通り、上述のアシルオキシ基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1D)を還元反応に付すことにより製造することができる(下記の実施例32参照)。該還元反応は、金属触媒及び必要に応じて配位子の存在下で、還元剤を用いて行われる。
上述のアルコキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5A)及び上述のイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6A)は、下記の化学反応式で示される通り、上述のアシルオキシ基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1D)を還元反応に付すことにより製造することができる(下記の実施例33を参照)。該還元反応は、金属触媒及び必要に応じて配位子の存在下で、還元剤を用いて行われる。
上述のアルコキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5A)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6A)は、下記の化学反応式で示される通り、上述の水酸基とアルコキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1C)を還元反応に付すことにより製造することができる(下記の実施例34を参照)。該還元反応は、還元剤としての例えばジアゼニル化剤を用いて行われる。
下記一般式(5C)で表されるアシルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物及び下記一般式(6C)で表されるイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物は、下記の化学反応式で示される通り、上述の二つのアシルオキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1F)を還元反応に付すことにより製造することができる(下記の実施例35~39を参照)。該還元反応は、金属触媒及び必要に応じて配位子の存在下で、還元剤を用いて行われる。
は、上記で定義された通りである。
下記一般式(5D)で表されるハロメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物及び下記一般式(6D)で表されるイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物は、下記の化学反応式で示される通り、上述の2つのハロゲン原子を有するジメチルシクロブタン化合物(1H)を還元反応に付すことにより製造することができる(下記の実施例40を参照)。該還元反応は、金属触媒及び必要に応じて配位子の存在下で、還元剤を用いて行われる。
は、上記で定義された通りである。
上述のヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5B)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6B)は、下記の化学反応式で示される通り、上述のホスホニオ基と水酸基を有するジメチルシクロブタン化合物(1I)を還元反応に付すことより製造することができる(下記の実施例41を参照)。該還元反応は、必要に応じて金属触媒及び配位子の存在下で、還元剤を用いて行われる。
上述のヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5B)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6B)は、下記の化学反応式で示される通り、上述のハロゲン原子とアシルオキシ基を有するジメチルシクロブタン化合物(1J)を還元反応に付すことにより製造することができる(下記の実施例42を参照)。該還元反応は、必要に応じて金属触媒及び配位子の存在下で、還元剤を用いて行われる。
また、必要に応じて、上述のイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)及び/又は上述のイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6)における特定の基Xを上記で定義されたXの選択肢中の別の基Xに変換する工程を行うことにより官能基の変換を行って、該別の置換基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5’)及び/又は該別の置換基を有するイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6’)を得ることもできる(下記の実施例43~52を参照)。
官能基の変換は、公知の方法により、行うことができる。
例えば、上述のアシルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5C)及び上述のイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6C)は、下記の化学反応式で示される通り、上述のハロメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5D)及び/又は上述のイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6D)と、カルボン酸塩とのアシルオキシ化反応により製造することができる(下記の実施例46を参照)。
該化学反応式は、化合物(5D)及び(6D)の混合物から化合物(5C)及び(6C)の混合物を製造すること、化合物(5D)から化合物(5C)を製造すること、並びに化合物(6D)から化合物(6C)を製造することを示す。
カルボン酸塩としては酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等の金属カルボン酸塩、酢酸アンモニウム、テトラブチルアンモニウム=アセテート等のアンモニウム=カルボキシラート等が挙げられる。
該カルボン酸塩は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該カルボン酸塩は、市販されているものを用いることができる。
該カルボン酸塩は、カルボン酸と水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の塩基とを反応させることにより反応系内で調製してもよい。
該カルボン酸塩の使用量は、ハロメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5D)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6D)の合計1molに対して、好ましくは0.7~10mol、より好ましくは0.8~8mol、更に好ましくは0.9~6molである。
また、アシルオキシ化反応は、ハロゲン化物の共存下で行われてもよい。
該ハロゲン化物としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム等の金属ハロゲン化物、ヨウ化アンモニウム、臭化アンモニウム、テトラブチルアンモニウム=ヨージド、テトラブチルアンモニウム=ブロミド、テトラブチルアンモニウム=クロリド等のアンモニウム=ハライド化合物等が挙げられる。
該ハロゲン化物は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該ハロゲン化物は、市販されているものを用いることができる。
該ハロゲン化物の使用量は、ハロメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5D)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6D)の合計1molに対して、好ましくは0.0001~10mol、より好ましくは0.0002~8mol、更に好ましくは0.0003~6molである。
アシルオキシ化反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、t-ブチルアルコール等のアルコール類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、ハロメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5D)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6D)の合計1molに対し、好ましくは10~10,000gである。
アシルオキシ化反応における反応温度は、好ましくは-78~200℃、より好ましくは-60~180℃、更に好ましくは-40~160℃である。
アシルオキシ化反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
上述のアシルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5C)及び上述のイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6C)は、下記の化学反応式で示される通り、上述のヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5B)及び/又は上述のイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6B)と、アシル化剤とのアシル化反応により製造することができる(下記の実施例44、45及び50を参照)。
該化学反応式は、化合物(5B)及び(6B)の混合物から化合物(5C)及び(6C)の混合物を製造すること、化合物(5B)から化合物(5C)を製造すること、並びに化合物(6B)から化合物(6C)を製造することを示す。
アシル化剤としては、無水酢酸等の酸無水物、塩化アセチル等の酸塩化物等が挙げられる。
該アシル化剤は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該アシル化剤は、市販されているものを用いることができる。
該アシル化剤の使用量は、ヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5B)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6B)の合計1molに対して、好ましくは0.7~100mol、より好ましくは0.8~50mol、更に好ましくは0.9~20molである。
アシル化反応に用いる塩基としては、ナトリウム=メトキシド、ナトリウム=エトキシド、ナトリウム=t-ブトキシド、ナトリウム=t-アミロキシド、リチウム=メトキシド、リチウム=エトキシド、リチウム=t-ブトキシド、リチウム=t-アミロキシド、カリウム=メトキシド、カリウム=エトキシド、カリウム=t-ブトキシド、カリウム=t-アミロキシド等のアルコキシド類、メチルリチウム、エチルリチウム、n-ブチルリチウム、塩化メチルマグネシウム、ジムシルナトリウム等の有機金属化合物、ナトリウム=アミド、リチウム=アミド、リチウム=ジイソプロピルアミド、リチウム=ヘキサメチルジシラジド、ナトリウム=ヘキサメチルジシラジド、カリウム=ヘキサメチルジシラジド、リチウム=ジシクロヘキシルアミド等の金属アミド類、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の水素化金属類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、キノリン、ピロリジン、ピペリジン、コリジン、ルチジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等の有機塩基化合物等を挙げることができる。
該塩基は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該塩基は、市販されているものを用いることができる。
該塩基の使用量は、ヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5B)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6B)の合計1molに対して、好ましくは0.7~100mol、より好ましくは0.8~50mol、更に好ましくは0.9~20molである。
アシル化反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、ヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5B)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6B)の合計1molに対し、好ましくは10~15,000gである。
アシル化反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
アシル化反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
下記一般式(5G)で表されるアルカンスルホニルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物及び下記一般式(6G)で表されるイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物は、下記の化学反応式で示される通り、上述のヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5B)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6B)と、アルカンスルホニル化剤とのアルカンスルホニル化反応により製造することができる(下記の実施例47を参照)。
該化学反応式は、化合物(5B)及び(6B)の混合物から化合物(5G)及び(6G)の混合物を製造すること、化合物(5B)から化合物(5G)を製造すること、並びに化合物(6B)から化合物(6G)を製造することを示す。
11は、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基を表す。炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基としては、上記のX及びXが炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基である場合に例示した上記基が挙げられる。
アルカンスルホニル化剤としては、メタンスルホン酸無水物等のアルカンスルホン酸無水物、塩化メタンスルホニル等のアルカンスルホン酸塩化物等が挙げられる。
該アルカンスルホニル化剤は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該アルカンスルホニル化剤は、市販されているものを用いることができる。
該アルカンスルホニル化剤の使用量は、ヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5B)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6B)の合計1molに対して、好ましくは0.7~100mol、より好ましくは0.8~50mol、更に好ましくは0.9~20molである。
アルカンスルホニル化反応に用いる塩基としては、ナトリウム=メトキシド、ナトリウム=エトキシド、ナトリウム=t-ブトキシド、ナトリウム=t-アミロキシド、リチウム=メトキシド、リチウム=エトキシド、リチウム=t-ブトキシド、リチウム=t-アミロキシド、カリウム=メトキシド、カリウム=エトキシド、カリウム=t-ブトキシド、カリウム=t-アミロキシド等のアルコキシド類、メチルリチウム、エチルリチウム、n-ブチルリチウム、塩化メチルマグネシウム、ジムシルナトリウム等の有機金属化合物、ナトリウム=アミド、リチウム=アミド、リチウム=ジイソプロピルアミド、リチウム=ヘキサメチルジシラジド、ナトリウム=ヘキサメチルジシラジド、カリウム=ヘキサメチルジシラジド、リチウム=ジシクロヘキシルアミド等の金属アミド類、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の水素化金属類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、キノリン、ピロリジン、ピペリジン、コリジン、ルチジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等の有機塩基化合物等を挙げることができる。
該塩基は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該塩基は、市販されているものを用いることができる。
該塩基の使用量は、ヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5B)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6B)の合計1molに対して、好ましくは0.7~100mol、より好ましくは0.8~50mol、更に好ましくは0.9~20molである。
アルカンスルホニル化反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、ヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5B)及びはイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6B)の合計1molに対し、好ましくは10~10,000gである。
アルカンスルホニル化反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
アルカンスルホニル化反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
上述のアシルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5C)及び上述のイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6C)は、下記の化学反応式で示される通り、上述のアルカンスルホニルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5G)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6G)と、カルボン酸塩とのアシルオキシ化反応により製造することができる(下記の実施例48を参照)。
該化学反応式は、化合物(5G)及び(6G)の混合物から化合物(5C)及び(6C)の混合物を製造すること、化合物(5G)から化合物(5C)を製造すること、並びに化合物(6G)から化合物(6C)を製造することを示す。
カルボン酸塩としてはとしては3-メチル-2-ブテン酸リチウム、3-メチル-2-ブテン酸ナトリウム、3-メチル-2-ブテン酸カリウム、3-メチル-2-ブテン酸セシウム等の3-メチル-2-ブテン酸アルカリ金属塩、3-メチル-2-ブテン酸マグネシウム、3-メチル-2-ブテン酸カルシウム等の3-メチル-2-ブテン酸アルカリ土類金属塩、3-メチル-2-ブテン酸アンモニウム、テトラブチルアンモニウム=3-メチル-2-ブテノエート等のアンモニウム=カルボキシラート等が挙げられる。
該カルボン酸塩は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該カルボン酸塩は、市販されているものを用いることができる。
該カルボン酸塩はカルボン酸と水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の塩基と系内で調製してもよい。
該カルボン酸塩の使用量は、アルカンスルホニルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5G)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6G)の合計1molに対して、好ましくは0.7~10mol、より好ましくは0.8~8mol、更に好ましくは0.9~6molである。
また、アシルオキシ化反応は、ハロゲン化物の共存下で行われてもよい。
該ハロゲン化物としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム等の金属ハロゲン化物、ヨウ化アンモニウム、臭化アンモニウム、テトラブチルアンモニウム=ヨージド、テトラブチルアンモニウム=ブロミド、テトラブチルアンモニウム=クロリド等のアンモニウム=ハライド化合物等が挙げられる。
該ハロゲン化物は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該ハロゲン化物は、市販されているものを用いることができる。
該ハロゲン化物の使用量は、アルカンスルホニルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5G)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6G)の合計1molに対して、好ましくは0.0001~10mol、より好ましくは0.0002~8mol、更に好ましくは0.0003~6molである。
アシルオキシ化反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、t-ブチルアルコール等のアルコール類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、アルカンスルホニルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5G)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6G)1molに対し、好ましくは10~10,000gである。
アシルオキシ化反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
アシルオキシ化反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
上述のヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5B)及び上述のイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6B)は、下記の化学反応式で示される通り、上述のアルコキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5A)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6A)と、酸との脱保護反応により製造することができる(下記の実施例43を参照)。
該化学反応式は、化合物(5A)及び(6A)の混合物から化合物(5B)及び(6B)の混合物を製造すること、化合物(5A)から化合物(5B)を製造すること、並びに化合物(6A)から化合物(6B)を製造することを示す。
酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類またはこれらの塩類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の有機酸類またはこれらの塩類、テトラフルオロホウ酸リチウム、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、四塩化錫、四臭化錫、二塩化錫、四塩化チタン、四臭化チタン、トリメチルヨードシラン等のルイス酸類、アルミナ、シリカゲル、チタニア等の酸化物、モンモリロナイト等の鉱物等が挙げられる。
該酸は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該酸は、市販されているものを用いることができる。
該酸の使用量は、アルコキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5A)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6A)の合計1molに対して、好ましくは0.00001~10,000mol、より好ましくは0.0001~1,000mol、更に好ましくは0.001~100molである。
脱保護反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、t-ブチルアルコール等のアルコール類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、アルコキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5A)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6A)の合計1molに対し、好ましくは10~10,000gである。
脱保護反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
脱保護反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
上述のヒドロキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5B)及び上述のイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6B)は、下記の化学反応式で示される通り、上述のアシルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5C)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6C)と、塩基との脱保護反応により製造することができる(下記の実施例49を参照)。
該化学反応式は、化合物(5C)及び(6C)の混合物から化合物(5B)及び(6B)の混合物を製造すること、化合物(5C)から化合物(5B)を製造すること、並びに化合物(6C)から化合物(6B)を製造することを示す。
脱保護反応に用いる塩基としては、アンモニア、ヒドラジン等の窒素化合物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、ナトリウム=メトキシド、ナトリウム=エトキシド、ナトリウム=t-ブトキシド、ナトリウム=t-アミロキシド、リチウム=メトキシド、リチウム=エトキシド、リチウム=t-ブトキシド、リチウム=t-アミロキシド、カリウム=メトキシド、カリウム=エトキシド、カリウム=t-ブトキシド、カリウム=t-アミロキシド等のアルコキシド類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、キノリン、ピロリジン、ピペリジン、コリジン、ルチジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等の有機塩基化合物等を挙げることができる。
該塩基は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該塩基は、市販されているものを用いることができる。
該塩基の使用量は、アシルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5C)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6C)の合計1molに対して、好ましくは0.00001~10,000mol、より好ましくは0.0001~1,000mol、更に好ましくは0.001~100molである。
脱保護反応における溶媒としては、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、N,N-ジメチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、メタノール、エタノール、t-ブチルアルコール等のアルコール類、及び水等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、アシルオキシメチル基を有するイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5C)及びイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6C)の合計1molに対し、好ましくは10~10,000gである。
脱保護反応における反応温度は、好ましくは-78~180℃、より好ましくは-60~160℃、更に好ましくは-40~140℃である。
脱保護反応における反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)又はシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5~24時間程度である。
上記製造方法によって得られた(1R,3R)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート(5-1;Xは、アセトキシ基)を用いて性フェロモン組成物を調製し、当該性フェロモン組成物を用いて、Planococcus citri(一般名:Citrus mealybug)の誘引剤を製造することができる。
まず、上記フェロモン組成物について説明する。
当該性フェロモン組成物は、Planococcus citriの性フェロモン物質である(1R,3R)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートを少なくとも含む。同じくcis-体である鏡像体(1S,3S)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートについては、性フェロモン物質ではないものの、誘引を阻害しないことが報告されている(J. Econ. Entomol.97,361(2004))。そのため、上記cis-体は、当該性フェロモン組成物に含まれてもよく、例えば、cis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートのラセミ体及びスカレミック混合物を利用することができる。
また、当該フェロモン組成物は、trans-体である(1S,3R)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート、及び/又は(1R,3S)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート、を含んでいてもよく、さらに必要に応じて、(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート(6;Xは、アセトキシ基)の立体異性体である、(R)-(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート、及び/又は(S)-(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートを含んでいてもよい。
フェロモン組成物における(1S,3S)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの含有量としては、(1R,3R)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート100重量部に対して、2~100重量部である。
フェロモン組成物における(1S,3R)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの含有量としては、(1R,3R)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート100重量部に対して、4~97重量部である。
フェロモン組成物における(1R,3S)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの含有量としては、(1R,3R)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート100重量部に対して、4~97重量部である。
フェロモン組成物における(R)-(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの含有量としては、(1R,3R)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート100重量部に対して、0.1~97部である。
フェロモン組成物における(S)-(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの含有量としては、(1R,3R)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート100重量部に対して、0.1~97重量部である。
さらに、当該性フェロモン組成物には、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)等の安定剤、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ハイドロキノン、ビタミンE等の酸化防止剤、及び/又は2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5'-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤等の添加剤を加えてもよい。
性フェロモン組成物中におけるそれぞれの添加剤の添加量は、例えば、(1R,3R)-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート100重量部に対して、安定剤は好ましくは1~15重量部であり、酸化防止剤は好ましくは1~15重量部であり、紫外線吸収剤は好ましくは1~15重量部である。
次に、性フェロモン組成物と、性フェロモン組成物中の性フェロモン物質を放出可能に担持するための担持体とを少なくとも備えるPlanococcus citriの誘引剤について説明する。
担持体としては、性フェロモン組成物を安定に保持可能で、少なくとも性フェロモン物質を一定期間放出できるものであれば特に限定されないが、セプタム、キャップ及び鉱物等が挙げられる。
また、担持体は、性フェロモン物質等を少なくとも徐放させるものであれば特に限定されないが、高分子製であることが望ましい。
高分子としては、性フェロモン物質等が透過し、適度な速度で高分子膜の外に放出させることが出来れば特に限定されないが、例えば、cis-ポリイソプレンに例示される天然ゴム、イソプレンゴムやブタジエンゴムに例示される合成ゴム、ポリエチレンやポリプロピレンに例示されるポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合体やエチレン-アクリル酸エステル共重合体に例示されるエチレンを80重量%以上含む共重合体、生分解性のポリエステル及び塩化ビニル等が挙げられる。
担持体への担持量は、施用方法や施用量によって異なるが、1製剤当たり好ましくは10μg~1000mg、より好ましくは10μg~100mgである。
担持体を少なくとも備える誘引剤は、例えば担持体への練り込みや含浸等、周知の技術で製造することができる。
次に、誘引剤を圃場に設置し、誘引剤中の性フェロモン活性物質を放出するステップを少なくとも含むPlanococcus citriの誘引方法について説明する。
誘引剤の圃場への設置は、特に限定されないが、例えば誘引剤の設置密度としては、誘引を行う圃場内に均一に好ましくは0.1~100箇所/ha、より好ましくは1~50箇所/haである。
Planococcus citriの性フェロモン組成物の性フェロモン物質の圃場への放出期間は、該害虫の誘引ができれば特に限定されない。
一つの放出箇所からの放出量は、圃場環境や気象条件等によって一概には言えないが、好ましくは0.01~100μg/日/haである。
Planococcus citriの誘引を利用した防除方法としては、大量誘殺法(Mass trapping)、誘引殺虫法(Lure & killまたはAttract & kill)及び誘引感染法(Lure & infectまたはAttract & infect)等が挙げられる。
[実施例]
以下、実施例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
化合物のスペクトル測定のためのサンプルは、場合により粗生成物を精製して得たものである。
なお、粗収率とは、精製を行わずに算出した収率をいう。
実施例1
3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブタノンの製造
窒素雰囲気下、反応器に3-(1-エトキシエトキシ)-1-プロペン(1761g,13.53mol)、トリエチルアミン(301.3g,2.978mol)を加え、100℃で撹拌した。該溶液に、イソブチリル=クロリド(288.4g,2.707mol)を、反応器内温度が110℃を超えないように48.07gずつ6時間おきに滴下した。滴下終了後、該液を100℃で10時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液を減圧蒸留することにより、目的の3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブタノン(280.8g,1.402mol)を収率52%で得た。
上記で得られた3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブタノン(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=2973,2932,2871,1779,1463,1446,1380,1341,1268,1133,1087,1062,986,946,869cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.11(1.5H,s),1.12(1.5H,s),1.19(3H,t,J=7.1Hz),1.210(1.5H,s),1.211(1.5H,s),1.29(3H,d,J=5.4Hz),2.27-2.34(1H,m),2.74(0.5H,dd,J=1.4,17.6Hz),2.75(0.5H,dd,J=1.3,17.6Hz),3.10(0.5H,dd,J=2.9,17.6Hz),3.12(0.5H,dd,J=3.0,17.6Hz),3.42-3.76(4H,m),4.66-4.70(1H,m)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=15.23,15.25,16.69,16.72,19.64,19.70,23.99,24.03,35.62,35.65,45.77,60.67,60.74,60.93,65.08,65.55,99.58,99.75,214.27,214.29ppm。
実施例2
3-(1-アリルオキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブタノンの製造
窒素雰囲気下、反応器に3-(1-アリルオキシエトキシ)-1-プロペン(757.8g,5.329mol)、トリエチルアミン(255.8g,2.528mol)を加え、100℃で撹拌した。該溶液に、イソブチリル=クロリド(224.4g,2.106mol)を、反応器内温度が110℃を超えないように74.80gずつ10時間おきに滴下した。滴下終了後、該液を100℃で12時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液を減圧蒸留することにより、目的の3-(1-アリルオキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブタノン(228.0g,1.074mol)を収率51%で得た。
上記で得られた3-(1-アリルオキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブタノン(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=3081,2963,2930,2869,1779,1647,1463,1383,1344,1267,1132,1098,1066,1040,993,923cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.11(1.5H,s),1.12(1.5H,s),1.212(1.5H,s),1.214(1.5H,s),1.31(3H,d,J=5.4Hz),2.28-2.34(1H,m),2.75(0.5H,dd,J=1.5,17.6Hz),2.76(0.5H,dd,J=1.5,17.6Hz),3.10(0.5H,dd,J=3.0,17.6Hz),3.12(0.5H,dd,J=3.3,17.6Hz),3.51(0.5H,dd,J=6.7,9.8Hz),3.56(0.5H,dd,J=7.5,9.8Hz),3.69(0.5H,dd,J=6.8,9.8Hz),3.74(0.5H,dd,J=7.6,9.8Hz),3.96-4.00(1H,m),4.06-4.11(1H,m),4.72-4.76(1H,m),5.13-5.17(1H,m),5.24-5.29(1H,m),5.85-5.93(1H,m)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=16.72,16.74,19.53,19.60,23.98,24.01,35.60,35.62,45.76,60.68,65.04,65.49,66.09,66.26,99.21,99.40,116.65,134.53,134.55,214.20,214.22ppm。

実施例3
2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブタノンの製造
窒素雰囲気下、反応器に3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)-1-プロペン(644.4g,4.486mol)、トリエチルアミン(215.3g,2.128mol)を加え、100℃で撹拌した。該溶液に、イソブチリル=クロリド(188.9g,1.773mol)を、反応器内温度が110℃を超えないように62.97gずつ8時間おきに滴下した。滴下終了後、該液を100℃で10時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液を減圧蒸留することにより、目的の2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブタノン(138.8g,0.6539mol)を収率37%で得た。
上記で得られた2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブタノン(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.12(1.5H,s),1.14(1.5H,s),1.212(1.5H,s),1.214(1.5H,s),1.46-1.64(4H,m),1.65-1.72(1H,m),1.72-1.84(1H,m),2.30-2.38(1H,m),2.77(0.5H,dd,J=6.9,17.6Hz),2.80(0.5H,dd,J=6.9,17.6Hz),3.10(0.5H,dd,J=1.6,17.6Hz),3.12(0.5H,dd,J=1.6,17.6Hz),3.44-3.54(2H,m),3.79-3.85(1H,m),3.87(0.5H,dd,J=6.7,10.3Hz),3.93(0.5H,dd,J=7.2,10.3Hz),4.57-4.62(1H,m)ppm。
実施例4
3-アリルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノンの製造
窒素雰囲気下、反応器にジアリル=エーテル(405.9g,4.136mol)、トリエチルアミン(90.72g,0.8966mol)を加え、95℃で撹拌した。該溶液に、イソブチリル=クロリド(86.85g,0.8151mol)を、反応器内温度が100℃を超えないように28.95gずつ6時間おきに滴下した。滴下終了後、該液を95℃で10時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液を減圧蒸留することにより、目的の3-アリルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノン(53.55g,0.3183mol)を収率39%で得た。
上記で得られた3-アリルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノン(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=3534,3081,2963,2929,2866,1779,1647,1463,1400,1381,1363,1328,1264,1090,1066,994,926,561cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.12(3H,s),1.21(3H,s),2.30-2.37(1H,m),2.75(1H,dd,J=6.8,17.6Hz),3.10(1H,dd,J=9.2,17.6Hz),3.52(1H,dd,J=6.5,9.6Hz),3.58(1H,dd,J=7.6,9.6Hz),3.93-4.01(2H,m),5.15-5.19(1H,m),5.23-5.28(1H,m),5.84-5.93(1H,m)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):16.65,23.99,35.60,45.60,60.78,70.43,72.01,116.98,134.56,214.27ppm。
実施例5
エチル=2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエートの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化ナトリウム(1.38g,57.4mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(140g)を加え、25℃で撹拌することにより、懸濁物を調製した。その懸濁物に2-ホスホノプロピオン酸トリエチル(13.7g,57.4mmol)のTHF(10g)溶液を、反応器内温度が35℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、該液を55℃で1時間撹拌し、その後、3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノン(10.9g,49.9mmol)のTHF(30g)溶液を、反応器内温度が60℃を超えないようにして滴下し、還流下10時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=40:1)により精製し、目的のエチル=2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート(12.2g,40.4mmol)をE:Z=30:70の幾何異性体混合物として収率81%で得た。
上記で得られたエチル=2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.22-1.35(9H,m),1.67-1.69,1.77-1.80(3H,m),2.27-3.16(3H,m),3.45-3.50(1H,m),3.57-3.65(1H,m),4.10-4.25(2H,m),4.47-4.44(2H,m),7.26-7.38(5H,m)ppm。
実施例6
エチル=2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエートの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化ナトリウム(386mg,16.1mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(70g)を加え、25℃で撹拌することにより、懸濁液を調製した。その懸濁液に2-ホスホノプロピオン酸トリエチル(3.84g,16.1mmol)のTHF(9g)溶液を、反応器内温度が30℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、該液を55℃で1時間撹拌し、その後、3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノン(2.63g,15.3mmol)のTHF(30g)溶液を、反応器内温度が60℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、該液を加熱還流下7時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により精製し、目的のエチル=2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート(2.55g,9.95mmol)をE:Z=30:70の幾何異性体混合物として収率65%で得た。
上記で得られたエチル=2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.20-1.33(9H,m),1.67,1.78(3H,t,J=1.1Hz,t,J=2.1Hz),2.21-2.38(2H,m),2.58-2.65,2.73-2.80(1H,m),3.36(3H,s),3.47-3.58(1H,m),3.63-3.76(1H,m),4.11-4.23(2H,m),4.60,4.68(2H,m)ppm。
実施例7
エチル=2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロパノエートの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化ナトリウム(10.7g,449mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(1500g)を加え、25℃で撹拌することにより、懸濁液を調製した。その懸濁液に2-ホスホノプロピオン酸トリエチル(107g,449mmol)を、反応器内温度が30℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、該液を55℃で1時間撹拌し、その後、2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブタノン(90.9g,428mmol)を、反応器内温度が60℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、該液を加熱還流下9時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液を減圧蒸留することにより、目的のエチル=2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロパノエート(80.0g,270mmol)をジアステレオマー混合物として収率63%で得た。
上記で得られたエチル=2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロパノエート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.20-1.35(9H,m),1.45-1.92(9H,m),2.22-2.38,2.59-2.66,2.72-2.80,3.06-3.14,3.34-3.40,3.44-3.54,3.74-3.80,3.82-3.91,4.10-4.20,4.55-4.59,4.93-4.96(10H,m)ppm。
実施例8
エチル=2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエートの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化ナトリウム(996mg,41.5mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(50g)を加え、10℃で撹拌することにより、懸濁液を調製した。その懸濁液に2-ホスホノプロピオン酸トリエチル(9.89g,41.5mmol)のTHF(10g)溶液を、反応器内温度が20℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、該液を55℃で1時間撹拌し、その3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブタノン(2.47g,19.3mmol)のTHF(10g)溶液を、反応器内温度が60℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、該液を加熱還流下9時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、目的のエチル=2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート(2.05g,9.65mmol)を50:50の幾何異性体混合物として収率50%で得た。
上記で得られたエチル=2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=3433,2958,2928,2869,1702,1448,1417,1366,1304,1281,1254,1148,1096,1065,1039,905,864,772cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.23-1.31(9H,m),1.32(3H,s),1.33(3H,s),1.67,1.77(3H,t,J=1.5Hz,t,J=2.1Hz),1.72(1H,brs),2.13-2.22(1H,m),2.28-2.34,2.56-2.63(1H,m),2.71-2.78,3.04-3.12(1H,m),3.61-3.68(1H,m),3.75-3.82(1H,m),4.07-4.21(2H,m)ppm。
実施例9
エチル=2-(3-アセトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエートの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化ナトリウム(224mg,9.33mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(30g)を加え、20℃で撹拌することにより、懸濁液を調製した。その懸濁液に2-ホスホノプロピオン酸トリエチル(2.22g,9.33mmol)のTHF(6g)溶液を、反応器内温度が30℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、該液を55℃で1時間撹拌し、その後、(2,2-ジメチル-3-オキソシクロブチル)メチル=アセテート(1.38g,8.11mmol)のTHF(8g)溶液を、反応器内温度が60℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、該液を加熱還流下7時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)により精製し、目的のエチル=2-(3-アセトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート(654mg,2.57mmol)を50:50の幾何異性体混合物として収率32%で得た。
上記で得られたエチル=2-(3-アセトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート(一方の幾何異性体)(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.10(3H,s),1.25(3H,s),1.28(3H,t,J=7.1Hz),1.84-1.86(3H,m),1.92-1.94(3H,m),2.19-2.23(2H,m),2.32-2.40(1H,m),3.86(1H,t,J=9.4Hz),4.17(2H,q,J=7.1Hz),4.26(1H,dd,J=7.3,9.2
Hz)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=14.17,15.62,18.22,20.91,23.31,32.72,41.46,44.52,60.29,69.28,125.29,140.83,169.34,181.76ppm。
上記で得られたエチル=2-(3-アセトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート(もう一方の幾何異性体)(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.07(3H,s),1.23(3H,s),1.27(3H,t,J=7.1Hz),1.76-1.78(3H,m),1.84(3H,brs),2.27-2.31(1H,m),2.33-2.40(1H,m),2.69(1H,dd,J=10.9,12.8Hz),4.03(1H,t,J=9.8Hz),4.13-4.19(3H,m)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=14.23,15.97,18.11,20.18,23.20,32.65,41.44,44.81,60.29,69.43,125.54,141.95,168.99,182.26ppm。
実施例10
エチル=2-[3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン]プロパノエートの製造
窒素雰囲気下、反応器にカリウム=t-ブトキシド(120g,1.07mol)、トルエン(1420g)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC,710g)を加え、20℃で撹拌した。その溶液に2-ホスホノプロピオン酸トリエチル(255g,1.07mol)を、反応器内温度が30℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、該液を75℃で1時間撹拌し、その後、3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブタノン(164g,819mmol)を、反応器内温度が80℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、該液を75℃で18時間撹拌した。続いて、反応混合物に食塩水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液を減圧蒸留することにより、目的のエチル=2-[3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン]プロパノエート(182g,639mmol)をE:Z=70:30の幾何異性体混合物として収率78%で得た。
上記で得られたエチル=2-[3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン]プロパノエート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=2977,2930,2870,1780,1704,1669,1460,1381,1366,1304,1281,1254,1137,1097,1059,1043,982,947,930,874,766cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.17-1.34(15H,m),1.67(0.9H,t,J=1.5Hz),1.77(2.1H,t,J=1.9Hz),2.11-2.34(1.3H,m),2.54-2.70(0.7H,m),2.72-2.79(0.3H,m),3.00-3.13(0.7H,m),3.37-3.70(4H,m),4.00-4.22(2H,m),4.63-4.69(1H,m)ppm。
実施例11
2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オールの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)の1.00Mトルエン溶液(120ml,120mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(322g)を加え、-60℃で撹拌した。該溶液に、実施例5で得られたエチル=2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート(12.2g,40.2mmol)のE:Z=30:70の幾何異性体混合物を、反応器内温度が-50℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を10℃まで徐々に昇温しながら3時間撹拌した。続いて、該混合物に飽和ロッシェル塩水溶液を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により精製し、目的の2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(9.30g,35.7mmol)をE:Z=30:70の幾何異性体混合物として収率89%で得た。
上記で得られた2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.17(3H,s),1.29,1.30(3H,s),1.48(1H,brs),1.56-1.58,1.67-1.69(3H,m),2.15-2.38(2H,m),2.60-2.75(1H,m),3.40-3.50(1H,m),3.58(1H,dd,J=8.0,9.6Hz),3.90,4.01(1H,d,J=11.4Hz,d,J=11.5Hz),3.92,4.05(1H,d,J=11.4Hz,d,J=11.5Hz),4.43-4.53(2H,m),7.26-7.38(5H,m)ppm。
実施例12
2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オールの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)の1.00Mトルエン溶液(40.0ml,40.0mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(150g)を加え、-60℃で撹拌した。該溶液に、実施例6で得られたエチル=2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエート(2.52g,9.82mmol)のE:Z=30:70の幾何異性体混合物を、反応器内温度が-50℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を10℃まで徐々に昇温しながら3時間撹拌した。続いて、反応混合物に飽和ロッシェル塩水溶液を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、目的の2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(2.02g,9.43mmol)をE:Z=30:70の幾何異性体混合物として収率96%で得た。
上記で得られた2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.16(3H,s),1.27(3H,s),1.51(1H,brs),1.55-1.56,1.65-1.67(3H,m),2.14-2.25(2H,m),2.59-2.72(1H,m),3.35(3H,s),3.45-3.57(1H,m),3.61-3.68(1H,m),3.90,4.00(1H,d,J=3.8Hz,d,J=8.0Hz),4.59,4.67(2H,s)ppm。
実施例13
2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロパン-1-オールの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムの3.60Mトルエン溶液(120ml、432mmol)、トルエン(122g)を加え、0℃で撹拌した。該溶液に、実施例に従って得られたエチル=2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロパノエート(71.4g,241mmol)のジアステレオマー混合物を、反応器内温度が10℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を26℃まで徐々に昇温しながら9時間撹拌した。続いて、反応混合物に苛性ソーダ水溶液を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行い、目的の2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロパン-1-オールの粗生成物(50.4g,198mmol)をジアステレオマー混合物として粗収率82%で得た。
上記で得られた2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロパン-1-オール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.15,1.18,1.19(3H,s,s,s),1.27(3H,s),1.40-1.85(10H,m),2.09-2.28(2H,m),2.58-2.73(1H,m),3.32-3.37(2H,m),3.71-3.78,3.82-3.93,3.98-4.60(4H,m),4.53-4.59(4H,m)ppm。
実施例14
2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オールの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)の1.01Mトルエン溶液(100ml,101mmol)、テトラヒドロフラン(THF、300g)を加え、-60℃で撹拌した。該溶液に、実施例8に従って得られたエチル=2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエートのE:Z=50:50の幾何異性体混合物(5.36g,25.3mmol)を、反応器内温度が-50℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を10℃まで徐々に昇温しながら8時間撹拌した。続いて、反応混合物に飽和ロッシェル塩水溶液を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行うことにより、目的の2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(4.31g,25.3mmol)の粗生成物をE:Z=50:50の幾何異性体混合物として粗収率100%で得た。
上記で得られた(E)-2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=3322,2955,2922,2864,1703,1459,1382,1361,1311,1276,1224,1167,1101,1053,1031,1005,942,886cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.18(3H,s),1.28(3H,s),1.66(3H,t,J=1.9Hz),1.76(2H,brs),2.06-2.13(1H,m),2.19-2.26(1H,m),2.66-2.72(1H,m),3.61(1H,dd,J=7.2,10.7Hz),3.75(1H,dd,J=7.6,10.7Hz),3.89(2H,brs)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=14.19,20.51,27.54,28.24,42.71,44.40,63.78,63.88,125.64,142.47ppm。
上記で得られた(Z)-2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=3329,2954,2925,2865,1702,1445,1374,1362,1312,1272,1249,1166,1121,1066,1026,1003,888cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.18(3H,s),1.28(3H,s),1.56(3H,t,J=1.3Hz),1.57(2H,brs),2.07-2.23(2H,m),2.59-2.65(1H,m),3.62(1H,dd,J=6.8,10.7Hz),3.76(1H,dd,J=7.6,10.7Hz),3.98-4.05(2H,m)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=15.07,21.90,27.63,29.56,42.49,44.58,62.51,63.97,126.32,143.79ppm。
実施例15
2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オールの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)の1.01Mトルエン溶液(100ml,101mmol)、テトラヒドロフラン(THF、200g)を加え、-60℃で撹拌した。該溶液に、実施例9に従って得られたエチル=2-(3-アセトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパノエートのE:Z=50:50の幾何異性体混合物(4.28g,16.8mmol)を、反応器内温度が-50℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を10℃まで徐々に昇温しながら8時間撹拌した。続いて、反応混合物に飽和ロッシェル塩水溶液を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行うことにより、目的の2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(2.86g,16.8mmol)の粗生成物をE:Z=50:50の幾何異性体混合物として粗収率100%で得た。該得られた2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータは、実施例14で得られたスペクトルデータと同じであった。
実施例16
2-[3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン]プロパン-1-オールの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムの3.60Mトルエン溶液(258ml、928mmol)、トルエン(534g)を加え、20℃で撹拌した。該溶液に、エチル=2-[3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン]プロパノエート(175g,615mmol)のE:Z=70:30の幾何異性体混合物を、反応器内温度が30℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を65℃まで徐々に昇温しながら4時間撹拌した。続いて、反応混合物に苛性ソーダ水溶液を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行い、目的の2-[3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン]プロパン-1-オールの粗生成物(149g,615mmol)をE:Z=70:30の幾何異性体混合物として粗収率100%で得た。
上記で得られた(E)-2-[3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン]プロパン-1-オール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=3404,2956,2923,2866,1459,1445,1380,1361,1342,1275,1223,1133,1087,1058,1001,945,930,875cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.14-1.24(6H,m),1.24-1.35(6H,m),1.60(1H,s),1.62-1.67(3H,m),2.07-2.26(2H,m),2.66-2.71(1H,m),3.34-3.92(6H,m),4.61-4.69(1H,m)ppm。
上記で得られた(Z)-2-[3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン]プロパン-1-オール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=3416,2957,2926,2866,1458,1445,1379,1362,1342,1223,1133,1087,1058,1038,1002,930,875cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.14-1.24(6H,m),1.24-1.34(6H,m),1.50(1H,s),1.52-1.56(3H,m),2.07-2.28(2H,m),2.59-2.67(1H,m),3.35-4.05(6H,m),4.60-4.78(1H,m)ppm。
実施例17
[3-(2-クロロ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メトキシメチルベンゼンの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例11で得られた2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(1.35g,5.17mmol)のE:Z=30:70の幾何異性体混合物、塩化メチレン(50g)、トリエチルアミン(1.57g,15.5mmol)を加え、0℃で撹拌した。該溶液に塩化パラトルエンスルホニル(1.18g,6.20mmol)を加え、25℃まで徐々に昇温しながら24時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)により精製し、目的の[3-(2-クロロ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メトキシメチルベンゼン(586mg,2.10mmol)をE:Z=30:70の幾何異性体混合物として収率41%で得た。
上記で得られた[3-(2-クロロ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メトキシメチルベンゼン(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.21(3H,s),1.33(3H,s),1.59-1.61(3H,m),2.17-2.33(2H,m),2.63-2.69(1H,m),3.47(1H,dd,J=6.5,9.5Hz),3.58(1H,dd,J=8.0,9.5Hz),4.00-4.08(2H,m),4.51(2H,s),7.26-7.38(5H,m)ppm。
実施例18
[3-(2-ブロモ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メトキシメチルベンゼンの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例11で得られた2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(469mg,1.80mmol)のE:Z=3070の幾何異性体混合物、塩化メチレン(30g)、トリフェニルホスフィン(734mg,2.80mmol)を加え、0℃で撹拌した。そして、四臭化炭素(929mg,2.80mmol)を加え、25℃まで徐々に昇温しながら15時間撹拌した。続いて、反応混合物にエタノール3mlを加え、その後、濃縮し、析出したトリフェニルホスフィン=オキシドをヘキサンを用いてろ過することにより除去した。得られたろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、目的の[3-(2-ブロモ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メトキシメチルベンゼン(454mg,1.40mmol)をE:Z=3070の幾何異性体混合物として収率78%で得た。
上記で得られた[3-(2-ブロモ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メトキシメチルベンゼン(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.17,1.22(3H,s,s),1.28,1.34(3H,s,s),1.61,1.72(3H,t,J=1.5Hz,t,J=1.9Hz),2.16-2.33(2H,m),2.64,2.67-2.73(1H,dd,J=8.8,16.0Hz,m),3.47(1H,dd,J=6.9,9.6Hz),3.59(1H,dd,J=8.2,9.4Hz),3.86,3.99(2H,s,s),4.51(2H,s)ppm。
実施例19
2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル(トリフェニル)ホスホニウム=ブロミド
窒素雰囲気下、反応器に、実施例18で得られた[3-(2-ブロモ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メトキシメチルベンゼン(220mg,0.680mmol)のE:Z=25:75の幾何異性体混合物、アセトニトリル(8g)、トリフェニルホスフィン(232mg,0.884mmol)を加え、加熱還流下13時間撹拌した。この反応混合物を減圧濃縮した。次に、濃縮液にトルエン(18g)を加え、そして減圧濃縮する操作を2回行い、目的の2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル(トリフェニル)ホスホニウム=ブロミドの粗生成物(500mg)をE:Z=25:75の幾何異性体混合物として得た。
上記で得られた2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル(トリフェニル)ホスホニウム=ブロミド(無色固体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCN):δ=0.69,1.06(3H,s,s),0.86,1.17(3H,s,s),1.28-1.31,1.43-1.46(3H,m),2.00-2.25(2H,m),2.58-2.67(1H,m),3.16,3.30(1H,dd,J=6.5,9.6Hz,dd,J=6.5,9.5Hz),3.34,3.38(1H,dd,J=7.6,9.6Hz,dd,J=8.0,9.6Hz),4.36,4.39(2H,s,s),7.20-7.80(20H,m)ppm。
実施例20
2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル=アセテートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例12で得られた2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(812mg,3.79mmol)のE:Z=30:70の幾何異性体混合物、ピリジン(3.0g,38mmol)を加え、25℃で撹拌した。そして、無水酢酸(2.00g,19.6mmol)を、反応器内温度が30℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を25℃で24時間撹拌した。続いて、該混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により精製し、目的の2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル=アセテート(952mg,3.71mmol)をE:Z=30:70の幾何異性体混合物として収率98%で得た。
上記で得られた2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル=アセテート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.16(3H,s),1.27(3H,s),1.52,1.60-1.62(3H,brs,m),2.04,2.05(3H,s,s),2.16-2.25(2H,m),2.62-2.73(1H,m),3.35(3H,s),3.46-3.59(1H,m),3.61-3.68(1H,m),4.35,4.48(2H,brs,brs),4.59,4.67(2H,s,s)ppm。
実施例21
2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロピル=アセテートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例13で得られた2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロパン-1-オール(50.1g,197mmol)のジアステレオマー混合物、ピリジン(81g,1.0mol)、トルエン(311g)を加え、25℃で撹拌した。そして、無水酢酸(41.6g,408mmol)を、反応器内温度が30℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を25℃で24時間撹拌した。続いて、該混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液を減圧蒸留することにより、目的の2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロピル=アセテート(54.5g,184mmol)をジアステレオマー混合物として収率94%で得た。
上記で得られた2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロピル=アセテート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.14-1.19(3H,m),1.24-1.29(3H,m),1.44-1.59(6H,m),1.60-1.62(1H,m),1.63-1.71(1H,m),1.74-1.83(1H,m),2.00-2.06(3H,m),2.15-2.29(2H,m),2.60-2.73(1H,m),3.31-3.37,3.42-3.51(2H,m),3.71-3.77,3.81-3.87(2H,m),4.32-4.38,4.47-4.48(2H,m),4.52-4.58(1H,m),ppm。
実施例22
2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オールの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例13で得られた2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロパン-1-オールのジアステレオマー混合物(45.0g,177mmol)、p-トルエンスルホン酸(189mg、0.0011mmol)、メタノール(1100g)を加え、20℃で24時間撹拌した。続いて、反応混合物に重曹(200mg)を加え、濃縮し、目的の2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(30.1g,177mmol)の粗生成物をE:Z=50:50の幾何異性体混合物として粗収率100%で得た。該得られた2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータは、実施例14で得られたスペクトルデータと同じであった。
実施例23
2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オールの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例16で得られた2-[3-(1-エトキシエトキシ)メチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン]プロパン-1-オールのE:Z=70:30の幾何異性体混合物の粗生成物(149g,615mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(306g)、酢酸(34g)、水(102g)を加え、20℃で撹拌した。続いて、穏やかな還流が継続するよう減圧しながら、混合物を徐々に75℃まで昇温し、低沸点成分を留出した。留出終了後、反応混合物に食塩水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行い、目的の2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(105g,615mmol)の粗生成物をE:Z=70:30の幾何異性体混合物として粗収率100%で得た。該得られた2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータは、実施例14で得られたスペクトルデータと同じであった。
実施例24
[3-(2-アセトキシ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メチル=アセテートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例14で得られた2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オールのE:Z=57:43の幾何異性体混合物(24.5g,0.144mol)、トルエン(202g)、ピリジン(114g,1.44mol)を加え、10℃で撹拌した。該溶液に無水酢酸(73.6g,0.721mol)を、反応器内温度が20℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を15℃で6時間撹拌した。続いて、該混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液を減圧蒸留することにより、目的の[3-(2-アセトキシ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メチル=アセテートをE:Z=57:43の幾何異性体混合物(30.0g,0.118mol)として収率82%で得た。
上記で得られた[(E)-3-(2-アセトキシ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メチル=アセテート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=2958,1740,1459,1380,1365,1235,1171,1023,974,893,830,605cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.16(3H,s),1.27(3H,s),1.61(3H,t,J=1.9Hz),2.02(3H,s),2.04(3H,s),2.20-2.29(2H,m),2.68-2.75(1H,m),4.06-4.14(2H,m),4.32(1H,d,J=11.8Hz),4.35(1H,d,J=11.8Hz)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=14.51,20.54,20.92,20.95,27.72,27.85,39.05,44.62,65.25,65.31,121.57,144.58,171.06,171.11ppm。
上記で得られた[(Z)-3-(2-アセトキシ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メチル=アセテート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=2957,1741,1462,1366,1236,1024,975,891,631,606cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.15(3H,s),1.26(3H,s),1.51-1.52(3H,m),2.02(3H,s),2.04(3H,s),2.17-2.27(2H,m),2.61-2.69(1H,m),4.09(1H,d,J=5.4Hz),4.12(1H,d,J=5.4Hz),4.47(2H,brs)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=15.46,20.91,20.94,21.65,27.80,28.82,38.88,44.79,64.06,65.23,121.91,145.70,171.05,171.14ppm。
実施例25
(3-[2-(2-メチルブタノイルオキシ)-1-メチルエチリデン]-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例14で得られた2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オールのE:Z=50:50の幾何異性体混合物(1.72g,10.1mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(36g)、ピリジン(16g,200mmol)を加え、0℃で撹拌した。該溶液に塩化2-メチルブタノイル(4.85g,40.2mmol)を、反応器内温度が20℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を20℃で3時間撹拌した。続いて、該混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)により精製し、目的の(3-[2-(2-メチルブタノイルオキシ)-1-メチルエチリデン]-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエートをE:Z=50:50の幾何異性体混合物(1.88g,5.56mmol)として収率55%で得た。
上記で得られた(3-[2-(2-メチルブタノイルオキシ)-1-メチルエチリデン]-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=0.87-0.91(6H,m),1.12(3H,d,J=4.2Hz),1.13(3H,d,J=4.6Hz),1.14,1.16(3H,s,s),1.26,1.27(3H,s,s),1.40-1.52,1.61-1.72(7H,m),2.19-2.41(4H,m),2.62-2.76(1H,m),4.08-4.27(2H,m),4.32-4.40,4.44-4.50(2H,m)ppm。
実施例26
1-クロロメチル-3-(2-クロロ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブタンの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例14で得られた2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オールのE:Z=50:50の幾何異性体混合物(1.64g,9.61mmol)、四塩化炭素(48g,0.31mol)を加え、0℃で撹拌した。続いて、トリフェニルホスフィン(7.56g,28.8mmol)を加え、20℃まで徐々に昇温しながら24時間撹拌した。続いて、周囲温度で、反応混合物にメタノール(5g)を加え、1時間撹拌した。反応液を濃縮し、その後、ヘキサンを加えて析出物をろ過により除去した。ろ液を濃縮し、濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製し、目的の1-(2-クロロ-1-メチルエチリデン)-3-クロロメチル-2,2-ジメチルシクロブタンをE:Z=50:50の幾何異性体混合物(1.06g,5.13mmol)として収率53%で得た。
上記で得られた1-クロロメチル-3-(2-クロロ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブタン(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.20,1.23(3H,s),1.31,1.35(3H,s),1.59,1.71(3H,m),2.21-2.37(2H,m),2.70-2.85(1H,m),3.50-3.54(1H,m),3.61-3.66(1H,m),3.89,4.02(2H,m)ppm。
実施例27
2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル(トリフェニル)ホスホニウム=ブロミドの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例14で得られた2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロパン-1-オール(300mg,1.76mmol)、アセトニトリル(12g)、トリフェニルホスフィン臭化水素酸塩(670mg,1.95mmol)を加え、加熱還流下5時間撹拌した。得られた[2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル]トリフェニルホスホニウム=ブロミドの溶液にピリジン(1.0g,13mmol)を加え、そして減圧濃縮し、さらに濃縮液にトルエン(12g)を加え、減圧濃縮する操作を2回行い、トリフェニル[2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル]ホスホニウム=ブロミドの粗生成物(872mg,1.76mmol)を粗収率100%で得た。
上記で得られた2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル(トリフェニル)ホスホニウム=ブロミド(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCN):δ=0.72,1.06(3H,s),0.85,1.17(3H,s),1.28-1.32,1.43-1.47(3H,m),1.47-2.70(3H,m),3.18-3.22,3.32-3.46(2H,m),3.83,3.91(2H,d,J=14.6Hz,d,J=14.6Hz),7.26-7.92(15H,m)ppm。
実施例28
[2,2-ジメチル-3-(2-ブロモ-1-メチルエチリデン)シクロブチル]メチル=アセテートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例24で得られた[3-(2-アセトキシ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メチル=アセテートのE:Z=50:50の幾何異性体混合物(1.78g,6.99mmol)、塩化メチレン(30g)、臭化水素30%酢酸溶液(2.83g,10.5mmol)を加え、20℃で6時間撹拌した。続いて、反応混合物に飽和重曹水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)により精製し、目的の[2,2-ジメチル-3-(2-ブロモ-1-メチルエチリデン)シクロブチル]メチル=アセテートをE:Z=50:50の幾何異性体混合物(1.70g,6.18mmol)として収率88%で得た。
上記で得られた[2,2-ジメチル-3-(2-ブロモ-1-メチルエチリデン)シクロブチル]メチル=アセテート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.15,1.20(3H,s,s),1.26,1.31(3H,s,s),1.59-1.60,1.70-171(3H,m),2.03(3H,s),2.15-2.29(2H,m),2.60-2.75(1H,m),3.82,3.94,3.97(2H,s,d,J=9.6Hz,d,J=9.6Hz),4.08-4.15(2H,m)ppm。
実施例29
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼン及び(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼンの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例17で得られた[3-(2-クロロ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メトキシメチルベンゼン(502mg,1.80mmol)のE:Z=12:88の幾何異性体混合物、アセトニトリル(24g)、トリフェニルホスフィン(200mg,0.763mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(200mg,0.348mmol)を加え、20℃で撹拌した。そして、ギ酸アンモニウム(400mg,6.34mmol)を加え、60℃で6時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=40:1)により精製し、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼン(415mg,1.70mmol)をcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼンとの68:30:2の異性体混合物として収率94%で得た。
上記で得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼン(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=0.81(3H,s),1.24(3H,s),1.55-1.64(1H,m),1.65-1.69(3H,m),1.91(1H,dt,J=7.6,10.7Hz),2.18-2.28(1H,m),2.40(1H,dd,J=7.6,10.7Hz),3.37(1H,dd,J=6.5,9.6Hz),3.44(1H,dd,J=8.4,9.6Hz),4.47(1H,d,J=11.9Hz),4.51(1H,d,J=11.9Hz),4.57(1H,brs),4.79-4.82(1H,m),7.26-7.37(5H,m)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=15.68,21.69,28.41,29.06,40.17,45.04,45.78,71.59,73.22,123.32,127.65,127.72,128.47,138.67,147.37ppm。
実施例30
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼンの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化アルミニウムリチウム(650mg,17.1mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(24g)を加え、0℃で撹拌した。該溶液に、実施例19で得られた2-(3-ベンジルオキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル(トリフェニル)ホスホニウム=ブロミドの粗生成物(500mg)のTHF(32g)溶液を、反応器内温度が10℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を30℃まで徐々に昇温しながら1.5時間撹拌した。続いて、水(650mg)、15重量%水酸化ナトリウム水溶液(650mg)、次に更に水(1.95g)を加え、そしてろ過を行い、得られたろ液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼン(143mg,0.585mmol)をcis:trans=74:26のジアステレオマー混合物として得た。収率は、[3-(2-ブロモ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メトキシメチルベンゼンからの2工程で86%であった。
なお、二重結合の位置異性体(3-イソプリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼンは、GC上検出されなかった。
上記で得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼン(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=0.81(3H,s),1.24(3H,s),1.56(1H,d,J=10.7Hz),1.60(1H,d,J=10.7Hz),1.65-1.69(3H,m),1.91(1H,dt,J=7.6,10.7Hz),2.18-2.28(1H,m),2.40(1H,dd,J=7.6,10.7Hz),3.37(1H,dd,J=6.5,9.6Hz),3.44(1H,dd,J=8.4,9.6Hz),4.47(1H,d,J=11.9Hz),4.51(1H,d,J=11.9Hz),4.57(1H,brs),4.79-4.82(1H,m),7.26-7.37(5H,m)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=15.68,21.69,28.41,29.06,40.17,45.04,45.78,71.59,73.22,123.32,127.65,127.72,128.47,138.67,147.37ppm。
実施例31
(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼンの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化リチウムアルミニウム(630mg,16.6mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(120g)を加え、0℃で撹拌した。該溶液に、実施例18で得られた[3-(2-ブロモ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メトキシメチルベンゼン(440mg,1.36mmol)のTHF(20g)溶液を、反応器内温度が10℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を30℃まで昇温しながら4時間撹拌した。続いて、水(630mg)、15重量%水酸化ナトリウム水溶液(630mg)、次に更に水(1.89g)を加えた。その後、ろ過を行い、得られたろ液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、目的の(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼン(269mg,1.10mmol)を収率81%で得た。
なお、二重結合の位置異性体(3-イソプロぺニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼンは、GC上検出されなかった。
上記で得られた(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシメチルベンゼン(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.16(3H,s),1.29(3H,s),1.46-1.49,1.59-1.61(6H,m),2.10-2.17,2.21-2.28,2.58-2.65(3H,m),3.47(1H,dd,J=6.8,9.6Hz),3.60(1H,dd,J=8.2,9.3Hz),4.52(2H,s),7.26-7.40(5H,m)ppm。
実施例32
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール及び(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例20で得られた2-(3-メトキシメトキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル=アセテート(902mg,3.52mmol)のE:Z=30:70の幾何異性体混合物、アセトニトリル(24g)、トリフェニルホスフィン(200mg,0.763mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(200mg,0.348mmol)を加え、20℃で撹拌した。そして、ギ酸アンモニウム(670mg,10.6mmol)を加え、引き続き加熱還流下12時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(152mg,0.986mmol)をcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールとの68:30:2の異性体混合物として収率28%で得た。
上記で得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=0.82(3H,s),1.22(3H,s),1.55(1H,q,J=10.7Hz),1.65(3H,s),1.85-1.91(1H,m),2.03-2.10(1H,m),2.34-2.39(1H,m),3.52(1H,dd,J=6.5,10.7Hz),3.59(1H,dd,J=8.3,10.7Hz),4.55(1H,brs),4.78-4.81(1H,m)ppm。
上記で得られたtrans-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=0.95(3H,s),1.12(3H,s),1.51(1H,brs),1.58-1.63(1H,m),1.65(3H,s),1.76-1.90(1H,m),2.03-2.14(1H,m),2.53-2.59(1H,m),3.69(1H,dd,J=7.6,10.7Hz),3.85(1H,dd,J=7.3,10.7Hz),4.62(1H,brs),4.81-4.84(1H,m)ppm。
実施例33
2-[(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシ]テトラヒドロピラン及び2-[(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシ]テトラヒドロピランの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例21で得られた2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロピル=アセテート(46.2g,156mmol)のジアステレオマー混合物、テトラヒドロフラン(THF)(440g)、トリオクチルホスフィン(2.31g,6.24mmol)、酢酸パラジウム(350mg,1.56mmol)を加え、20℃で撹拌した。そして、反応系中においてギ酸トリエチルアンモニウムを調製するために、トリエチルアミン(63.1g,623mmol)、ギ酸(21.5g,467mmol)を加え、引き続き35℃で15時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液を減圧蒸留することにより、目的の2-[(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシ]テトラヒドロピラン(35.3g,148mmol)をcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体2-[(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシ]テトラヒドロピランとの64:35:1の異性体混合物として収率95%で得た。
上記で得られた2-[(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシ]テトラヒドロピラン(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=0.78-1.25(6H,m),1.40-1.75(10H,m),1.76-2.62(3H,m),3.24-3.97(4H,m),4.50-4.65(2H,m),4.77-4.83(1H,m)ppm。
実施例34
2-[(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシ]テトラヒドロピランの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例13で得られた2-[2,2-ジメチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシメチル)シクロブチリデン]プロパン-1-オールのジアステレオマー混合物(560mg,2.20mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(24g)、トリフェニルホスフィン(761mg,2.90mmol)、N’-イソプロピリデン-2-ニトロベンゼンスルホノヒドラジド(IPNBSH,746mg,2.90mmol)を加え、0℃で撹拌した。そして、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)の40%トルエン溶液(1.22g,2.80mmol)を加え、そして30℃まで徐々に昇温しながら2時間撹拌した。続いて、反応混合物にトリフルオロエタノール(14g)と水(14g)の混合液を加え、30℃で6時間撹拌した。飽和重曹水を加え、そしてエーテルで抽出し、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=40:1)により精製し、目的の2-[(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシ]テトラヒドロピラン(202mg,0.846mmol)をcis-体とtrans-体との51:49の異性体混合物として収率38%で得た。
なお、二重結合の位置異性体2-[(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシ]テトラヒドロピランは、GC上検出されなかった。
実施例35
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート及び(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例24で得られた[3-(2-アセトキシ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メチル=アセテートのE:Z=57:43の幾何異性体混合物(483mg,1.90mmol)、アセトニトリル(12g)、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル(230mg,0.771mmol)、酢酸パラジウム(40mg,0.18mmol)を加え、20℃で撹拌した。そして、反応系中においてギ酸トリエチルアンモニウムを調製するために、トリエチルアミン(770mg,7.61mmol)、ギ酸(260mg,5.65mmol)を加え、引き続き30℃で19時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートをcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートとの78:18:4の異性体混合物(328mg,1.67mmol)として収率88%で得た。
上記で得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=3080,2957,2870,1743,1647,1460,1385,1368,1240,1162,1031,972,886,641,607,556cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=0.81(3H,s),1.19(3H,s),1.59(1H,q,J=10.7Hz)1.64(3H,t,J=0.8Hz),1.89(1H,dt,J=7.6,10.7Hz),2.02(3H,s),2.13-2.22(1H,m),2.37-2.41(1H,m),3.94(1H,dd,J=8.6,11.3Hz),4.04(1H,dd,J=6.3,11.3Hz),4.56(1H,brs),4.79-4.82(1H,m)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=16.07,21.02,22.92,22.96,30.92,39.74,41.05,48.83,64.95,109.42,144.93,171.05ppm。
実施例36
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート及び(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例24で得られた[3-(2-アセトキシ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メチル=アセテートのE:Z=57:43の幾何異性体混合物(483mg,1.90mmol)、アセトニトリル(12g)、トリフェニルホスフィン(200mg,0.763mmol)、酢酸パラジウム(40mg,0.18mmol)を加え、20℃で撹拌した。そして、反応系中においてギ酸トリエチルアンモニウムを調製するために、トリエチルアミン(770mg,7.61mmol)、ギ酸(260mg,5.65mmol)を加え、引き続き加熱還流下24時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートをcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートとの68:30:2の異性体混合物(321mg,1.63mmol)として収率86%で得た。該得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータは、実施例35で得られたスペクトルデータと同じであった。
実施例37
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート及び(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例24で得られた[3-(2-アセトキシ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メチル=アセテートのE:Z=57:43の幾何異性体混合物(1.86g,7.33mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(19g)、トリオクチルホスフィン(220mg,0.594mmol)、酢酸パラジウム(33mg,0.15mmol)を加え、20℃で撹拌した。そして、反応系中においてギ酸トリエチルアンモニウムを調製するために、トリエチルアミン(2.97g,29.3mmol)、ギ酸(1.01g,22.0mmol)を加え、引き続き35℃で5時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートをcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートとの65:34:1の異性体混合物(1.27g,6.45mmol)として収率88%で得た。該得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータは、実施例35で得られたスペクトルデータと同じであった。
実施例38
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート及び(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、酢酸パラジウム(1.86g,8.27mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(1602g)、トリオクチルホスフィン(12.3g,33.1mmol)、[3-(2-アセトキシ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブチル]メチル=アセテートのE:Z=70:30の幾何異性体混合物(420g,1.65mol)を加え、45℃で撹拌した。続いて、トリエチルアミン(335g,3.31mol)、ギ酸(114g,2.48mol)のアセトニトリル(MeCN)(335g)溶液を反応器内温度が50℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、45℃で4時間撹拌した。続いて、反応混合物に酢酸、そして食塩水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液を減圧蒸留することにより、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートをcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートとの68:31:1の異性体混合物(310g,1.58mmol)として収率96%で得た。該得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータは、実施例35で得られたスペクトルデータと同じであった。
実施例39
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエート及び(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例25で得られた(3-[2-(2-メチルブタノイルオキシ)-1-メチルエチリデン]-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエート(1.84g,5.43mmol)のE:Z=50:50の異性体混合物、テトラヒドロフラン(THF)(40g)、トリオクチルホスフィン(160mg,0.436mmol)、酢酸パラジウム(24mg,0.11mmol)を加え、20℃で1時間撹拌した。そして、反応系中においてギ酸トリエチルアンモニウムを調製するために、トリエチルアミン(2.19g,21.7mmol)、ギ酸(750mg,16.3mmol)を加え、引き続き35℃で24時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:1)により精製し、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエート(1.15g,4.84mmol)をcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエートとの64:32:4の異性体混合物として収率89%で得た。
上記で得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=0.81(3H,s),0.89(3H,t,J=7.5Hz),1.11(3H,q,J=7.0Hz),1.20(3H,s),1.40-1.51(1H,m),1.56-1.72(5H,m),1.87(1H,dt,J=7.6,10.7Hz),2.13-2.22(1H,m),2.29-2.41(2H,m),3.92,3.94(1H,dd,J=6.1,11.1Hz,dd,J=6.1,11.1Hz),4.04,4.05(1H,dd,J=6.1,11.1Hz,dd,J=6.1,11.1Hz),4.55(1H,brs),4.78-4.81(1H,m)ppm。
実施例40
1-クロロメチル-3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブタン及び1-クロロメチル-3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブタンの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例26で得られた1-クロロメチル-3-(2-クロロ-1-メチルエチリデン)-2,2-ジメチルシクロブタンのE:Z=50:50の幾何異性体混合物(988mg,4.77mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(20g)、トリオクチルホスフィン(280mg,0.763mmol)、酢酸パラジウム(40mg,0.18mmol)を加え、20℃で1時間撹拌した。そして、反応系中においてギ酸トリエチルアンモニウムを調製するために、トリエチルアミン(1.93g,19.1mmol)、ギ酸(660mg,14.3mmol)を加え、引き続き55℃で24時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製し、目的の1-クロロメチル-3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブタンをcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体1-クロロメチル-3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブタンとの53:46:1の異性体混合物(553mg,3.20mmol)として収率67%で得た。
上記で得られた1-クロロメチル-3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブタン(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=0.85,0.98(3H,s),1.14,1.26(3H,s),1.57,1.72(1H,q,J=10.7Hz,m),1.66-1.67(3H,m),1.98,2.04-2.10(1H,dt,J=7.7,10.7Hz,m),2.15-2.30(1H,m),2.35-2.39,2.52-2.57(1H,m),3.40-3.49,3.60,3.72(2H,m,dd,J=8.8,10.7Hz,dd,J=6.8,10.7Hz),4.56,4.66(1H,brs,brs),4.80-4.83,4.85-4.87(1H,m)ppm。
実施例41
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例27で得られたトリフェニル[2-(3-ヒドロキシメチル-2,2-ジメチルシクロブチリデン)プロピル]ホスホニウム=ブロミドの粗生成物(872mg,1.76mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(70g)を加え、0℃で撹拌した。続いて、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムの3.60Mトルエン溶液(2.00ml、7.20mmol)を、反応器内温度が10℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、20℃まで徐々に昇温しながら1時間撹拌した。続いて、反応混合物に10重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールをcis-体とtrans-体との77:23の幾何異性体混合物(195mg,1.27mmol)として収率72%で得た。該得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(無色から淡黄色の油状液体)及びtrans-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータはそれぞれ、実施例32で得られたスペクトルデータと同じであった。
なお、二重結合の位置異性体(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールは、GC上検出されなかった。
実施例42
(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールの製造
窒素雰囲気下、反応器に水素化アルミニウムリチウム(570mg,15.0mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(60g)を加え、0℃で1時間撹拌した。該溶液に、実施例28で得られた[2,2-ジメチル-3-(2-ブロモ-1-メチルエチリデン)シクロブチル]メチル=アセテートのE:Z=50:50の幾何異性体混合物(1.62g,5.89mmol)を、反応器内温度が5℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を20℃まで徐々に昇温しながら6時間撹拌した。続いて、反応混合物に、水(570mg)、15重量%水酸化ナトリウム水溶液(570mg)、次に更に水(1.71g)を加えた。その後、該反応混合物をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、目的の(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(909mg,5.89mmol)を収率100%で得た。
なお、二重結合の位置異性体(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールは、GC上検出されなかった。
上記で得られた(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.15(3H,s),1.26(3H,s),1.45(3H,s),1.56-1.58(3H,m),1.63(1H,brs),2.03-2.14(2H,m),2.54-2.62(1H,m),3.61(1H,dd,J=6.9,10.7Hz),3.76(1H,dd,J=7.7,10.7Hz)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=18.48,19.53,20.90,27.70,28.67,42.65,44.05,64.30,122.42,137.39ppm。
実施例43
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール及び(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例34で得られた2-[(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メトキシ]テトラヒドロピランの異性体混合物(32.7g,137mmol)、p-トルエンスルホン酸(320mg、0.0019mmol)、メタノール(436g)を加え、20℃で24時間撹拌した。続いて、反応混合物に重曹(210mg)を加え、濃縮し、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールをcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールとの64:35:1の異性体混合物(21.1g,137mmol)として収率100%で得た。該得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(無色から淡黄色の油状液体)及びtrans-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータはそれぞれ、実施例32で得られたスペクトルデータと同じであった。
実施例44
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例41で得られた(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールのcis:trans=77:23の異性体混合物(154mg,1.00mmol)、ピリジン(316mg,4.00mmol)、トルエン(10g)を加え、0℃で撹拌した。続いて、無水酢酸(204mg,2.00mmol)を、反応器内温度が10℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を20℃まで徐々に昇温しながら6時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートをcis-体とtrans-体との77:23の異性体混合物(183mg,0.930mmol)として収率93%で得た。該得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータは、実施例35で得られたスペクトルデータと同じであった。
実施例45
(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例42で得られた(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(818mg,5.30mmol)、トルエン(10g)、ピリジン(1.68g,21.2mmol)、無水酢酸(1.09g,10.7mmol)を加え、20℃で24時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、目的の(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート(911mg,4.64mmol)を収率88%で得た。
上記で得られた(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.13(3H,s),1.24(3H,s),1.45(3H,s),1.57(3H,t,J=1.9Hz),2.03(3H,s),2.10-2.22(2H,m),2.56-2.63(1H,m),4.07-4.15(2H,m)ppm。
実施例46
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート及び(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例40で得られた1-クロロメチル-3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブタン及び1-クロロメチル-3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブタンの混合物(535mg,3.10mmol)、酢酸ナトリウム(580mg,7.07mmol)、ヨウ化ナトリウム(100mg,0.667mmol)、ジメチルアセトアミド(DMAC,20g)を加え、150℃で24時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートをcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートとの57:42:1の異性体混合物(255mg,1.30mmol)として収率42%で得た。該得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータは、実施例35で得られたスペクトルデータと同じであった。
実施例47
(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=メタンスルホネートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例42で得られた(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(858mg,5.56mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(20g)、トリエチルアミン(1.71g,16.9mmol)を加え、0℃で1時間撹拌した。該溶液に塩化メタンスルホニル(MsCl)(1.09g,10.7mmol)を、反応器内温度が10℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を20℃で1時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、目的の(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=メタンスルホネート(1.29g,5.56mmol)を収率100%で得た。
上記で得られた(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=メタンスルホネート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.17(3H,s),1.27(3H,s),1.45(3H,brs),1.58(3H,t,J=1.9Hz),2.15-2.22(1H,m),2.25-2.33(1H,m),2.61-2.67(1H,m),3.00(3H,s),4.23(1H,dd,J=7.3,9.9Hz),4.31(1H,dd,J=8.0,10.0Hz)ppm。
実施例48
(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=3-メチル-2-ブテノエートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例47で得られた(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=メタンスルホネート(1.29g,5.56mmol)、トルエン(40g)、水(430mg)、セネシオ酸(3-メチル-2-ブテン酸)(690mg,6.92mmol)、炭酸カリウム(610mg,4.39mmol)、テトラブチルアンモニウム=クロリド(60mg,0.23mmol)を加え、100℃で24時間撹拌した。続いて、反応混合物に水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製し、目的の(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=3-メチル-2-ブテノエート(1.20g,5.06mmol)を収率91%で得た。
上記で得られた(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=3-メチル-2-ブテノエート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=2956,2917,2864,1719,1659,1449,1376,1361,1349,1272,1227,1146,1076,993,851cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=1.14(3H,s),1.25(3H,s),1.45(3H,brs),1.56-1.58(3H,m),1.88(3H,d,J=1.5Hz),2.12-2.30(5H,m),2.56-2.64(1H,m),4.11(1H,dd,J=6.8,11.4Hz),4.15(1H,dd,J=8.0,11.5Hz),5.64-5.66(1H,m)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=18.50,19.54,20.15,20.99,27.34,27.78,28.39,39.14,44.21,64.75,116.15,122.53,137.18,156.25,166.82ppm。
実施例49
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール及び(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例38で得られた(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの異性体混合物(60.3g,307mmol)、メタノール(94g)、25%水酸化ナトリウム水溶液(94g)を加え、20℃で12時間撹拌した。続いて、反応混合物に食塩水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液を減圧蒸留することにより、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールをcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールとの67:32:1の異性体混合物(46.0g,298mmol)として収率97%で得た。該得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(無色から淡黄色の油状液体)及びtrans-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータはそれぞれ、実施例32で得られたスペクトルデータと同じであった。
実施例50
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエート及び(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例49で得られた(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールの異性体混合物(12.6g,82.0mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(100g)、ピリジン(16.9g,213mmol)を加え、0℃で撹拌した。該溶液に、塩化2-メチルブタノイル(12.9g,107mmol)を、反応器内温度が15℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を20℃まで徐々に昇温しながら6時間撹拌した。続いて、反応混合物に食塩水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液を減圧蒸留することにより、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエートをcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエートとの68:31:1の異性体混合物(19.5g,81.6mmol)として収率100%で得た。該得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエートのスペクトルデータは、実施例39で得られたスペクトルデータと同じであった。
実施例51
(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=3-メチル-3-ブテノエート及び(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=3-メチル-3-ブテノエートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例49で得られた(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノールの異性体混合物(13.4g,86.6mmol)、ジクロロメタン(665g)、3-メチル-3-ブテン酸(12.5g,125mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP,1.06g,8.66mmol)を加え、0℃で撹拌した。該溶液に、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC,24.8g,120mmol)を加えた。その後、混合物を20℃まで徐々に昇温しながら2時間撹拌した。続いて、反応混合物にエーテル、食塩水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=40:1)により精製し、目的の(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=3-メチル-3-ブテノエートをcis-体とtrans-体と二重結合の位置異性体(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=3-メチル-3-ブテノエートとの67:32:1の異性体混合物(20.2g,85.6mmol)として収率99%で得た。
上記で得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=3-メチル-3-ブテノエート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=3080,2956,2870,1738,1648,1454,1385,1370,1337,1284,1241,1153,1075,1030,994,889cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=0.80(3H,s),1.19(3H,s),1.61(1H,q,J=10.7Hz),1.64-1.65(3H,m),1.79-1.81(3H,m),1.88(1H,dt,J=10.7,7.5Hz),2.15-2.22(1H,m),2.39(1H,dd,J=10.7,7.5Hz),3.00-3.01(2H,m),3.96(1H,dd,J=8.8,11.1Hz),4.07(1H,dd,
J=6.5,11.1Hz),4.56(1H,s),4.79-4.81(1H,m),4.83-4.84(1H,m),4.89-4.91(1H,m)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=16.09,22.46,22.86,22.94,30.91,39.78,41.07,43.57,48.81,65.12,109.44,114.61,138.52,144.94,171.32,ppm。
実施例52
(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエートの製造
窒素雰囲気下、反応器に、実施例42で得られた(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メタノール(9.16g,59.4mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(100g)、ピリジン(14.1g,178mmol)を加え、0℃で撹拌した。該溶液に、塩化2-メチルブタノイル(10.8g,89.2mmol)を、反応器内温度が15℃を超えないようにして滴下した。滴下終了後、混合物を20℃まで徐々に昇温しながら3時間撹拌した。続いて、反応混合物に食塩水を加え、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った。その後、得られた濃縮液を減圧蒸留することにより、目的の(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエート(14.2g,59.4mmol)を収率100%で得た。
上記で得られた(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=2-メチルブタノエート(無色から淡黄色の油状液体)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(D-ATR):νmax=2964,2935,2878,1735,1461,1383,1361,1264,1240,1186,1152,1081,1013,973,889,755cm-1
H-NMR(500MHz,CDCl):δ=0.89(3H,t,J=7.5Hz),1.13(3H,d,J=8.0Hz),1.13(3H,s),1.24(3H,s),1.42-1.50(4H,m),1.57(3H,t,J=1.7Hz),1.60-1.77(1H,m),2.09-2.23(2H,m),2.30-2.39(1H,m),2.55-2.61(1H,m),4.08-4.15(2H,m)ppm。
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ=11.64,16.58,16.63,18.50,19.54,21.02,21.04,26.72,26.75,27.50,27.52,28.40,39.12,39.15,41.17,44.20,65.33,122.60,136.99,176.73ppm。
実施例53
実施例35の方法で得られたcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートとtrans-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートと(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの混合物を10%硝酸銀シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)により分離した後、100:43:4、100:5:1、100:96:96の重量比になるように混合し、それぞれcis-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの担持量が200μgとなるようにイソプレンよりなるゴムキャップに担持して、下記の表1に示すルアーA、B及びCを作製した。
ルアーA、B、Cおよび市販ルアーのPherodis Planococcus citri(Koppert Biological Systems)を粘着型トラップに取り付けたものと、ルアーを取り付けていない粘着型トラップ(ブランク)とを南アフリカ共和国、ポートエリザベスのネーブルオレンジ圃場に設置した。そして、各トラップにおいて誘殺されたPlanococcus citri(一般名:Citrus mealybug)雄成虫数を1週間おきに計測した。各ルアーは1ヶ月ごとに交換した。9月下旬~2月上旬の雄成虫の総誘殺数を下記の表2に示す。
trans-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートと(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートの含有量の低いルアーBが市販ルアーと同等の誘引活性を示したのに対して、それらの含有量の高いルアーA及びCが誘引活性を示さなかった。従って、trans-(3-イソプロペニル-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートと(3-イソプロピリデン-2,2-ジメチルシクロブチル)メチル=アセテートが誘引阻害活性を有すると考えられる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(2)
    (式中、Xは、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。)で表されるジメチルシクロブタノン化合物と、下記一般式(3)
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して、炭素数1~10の直鎖状の飽和炭化水素基又は炭素数1~5の分岐状の飽和炭化水素基を表す。)
    で表されるホスホン酸エステル化合物との反応により、下記一般式(4)
    (式中、R、Xは、上記で定義された通りである。)で表される、ジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物を得る工程と、
    前記ジメチルシクロブタン環を有する不飽和エステル化合物(4)を還元反応に付すことにより、下記一般式(1A)
    (式中、Xは、水酸基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。)で表されるジメチルシクロブタン化合物を得る工程と
    を少なくとも含む、ジメチルシクロブタン化合物(1A)の製造方法。
  2. 及びRはそれぞれ独立して、炭素数1~5の直鎖状の飽和炭化水素基を表す、請求項1に記載のジメチルシクロブタン化合物(1A)の製造方法。
  3. 及びRはそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、又はn-ブチル(Bu)基を表す、請求項1に記載のジメチルシクロブタン化合物(1A)の製造方法。
  4. ジメチルシクロブタン化合物(1A)の、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法における各工程と、
    前記ジメチルシクロブタン化合物(1A)の水酸基、及び任意的にX、を変換することにより、下記一般式(1B)
    (式中、Xは、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基、炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基、炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基又はハロゲン原子を表し、及び、Xは、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。)で表されるジメチルシクロブタン化合物を得る工程と、
    を少なくとも含む、ジメチルシクロブタン化合物(1B)の製造方法。
  5. 下記一般式(1)
    (式中、Xは、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基、炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基、炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基又はハロゲン原子を表し、及び、Xは、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。)で表されるジメチルシクロブタン化合物を還元反応に付すことにより、下記一般式(5)
    (式中、Xは、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。)で表されるイソプロペニルジメチルシクロブタン化合物及び/又は下記一般式(6)
    (式中、Xは上記で定義された通りである。)で表されるイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物を得る工程
    を少なくとも含む、イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6)の製造方法。
  6. イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6)の、請求項に記載の製造方法における工程と、
    前記イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6)における特定の基Xを上記で定義されたXの選択肢中の別の基Xに変換して、イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5’)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6’)を得る工程と
    を少なくとも含む、イソプロペニルジメチルシクロブタン化合物(5’)及び/又はイソプロピリデンジメチルシクロブタン化合物(6’)の製造方法。
  7. 下記一般式(1)
    (式中、Xは、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基、炭素数3~30のトリアルキルホスホニオ基、炭素数12~30のトリアリールホスホニオ基又はハロゲン原子を表し、及び、Xは、水酸基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。)で表されるジメチルシクロブタン化合物。
  8. 下記一般式(7)
    (式中、Xは、ハロゲン原子を表す。)で表される酸ハロゲン化物と、下記一般式(8)
    (式中、X12は、カルボニル基の炭素を含めた炭素数1~10のアシルオキシ基、カルボニル基の炭素を含めた炭素数2~10のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリールオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基又はハロゲン原子を表す。)で表されるアリル化合物と塩基の反応により、下記一般式(2A)
    (式中、X12は上記で定義された通りである。)で表される、ジメチルシクロブタノン化合物を得る工程
    を少なくとも含む、ジメチルシクロブタノン化合物(2A)の製造方法。
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