JP7410118B2 - 薬物送達デバイス用のシステム - Google Patents

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Description

本開示は、薬物送達デバイス用のシステム、好ましくはペン型注射器などの注射デバイス用および/またはペン型デバイス用のシステムに関する。
標準的な薬物送達デバイスでは、薬物送達デバイスのハウジングに収容された単一の駆動機構が複数のカートリッジまたはアンプルとともに使用されて、カートリッジまたはアンプルに含まれる薬物がデバイスから投薬されるのだが、通常、このデバイスのカートリッジホルダは、ハウジングに対して解放可能に連結または取付けされており、使用済みのカートリッジを交換するためにハウジングから取外しまたは分離されることが可能である。これを行うために、カートリッジホルダはハウジングから連結解除され、使用済みカートリッジがホルダから取り外され、新カートリッジと交換され、この新カートリッジがカートリッジホルダに挿入され、カートリッジホルダが再びハウジングに取り付けられて、デバイスは、新カートリッジから薬物を再び投薬するために使用される準備が整う。
しかし、この種類のデバイスは、いくつかのリスクを有する。たとえば、薬物送達デバイスの機構の設計が特に対応してない薬物、すなわち誤った薬物を含むカートリッジが、カートリッジホルダに挿入され、ユーザは、誤った薬物のカートリッジをカートリッジホルダに入れたことに気付かないことがある。この過ちは、ユーザにとって致命的になることがあり、異なる薬物を有するカートリッジは通常かなりよく似ていることから、この過ちが生じる可能性も高い。さらに、カートリッジは、別々のアイテムとして販売される場合、特に標準的なカートリッジは通常ガラスカートリッジであることから、いつも容易に破損する。
本開示の目的は、薬物送達デバイスに関する改善を実現することである。この目的および潜在的に他の目的は、本開示によって、具体的には独立請求項の主題によって解決される。有利な実施形態および改善形態は、従属請求項の対象となる。
本開示の一態様は、薬物送達デバイス用のシステムに関する。別の態様は、このシステムを含む薬物送達デバイスに関する。薬物送達デバイスは、好ましくは薬剤を含む。さらに別の態様は、このシステムまたはデバイスを含む装置に関する。
一実施形態では、システムはハウジングを含む。ハウジングは、たとえば用量を設定しかつ/または設定された用量を送達するための、ハウジングに対して可動であるピストンロッドおよび/または用量設定部材などの用量設定機構および/または駆動機構のうちの1つまたはそれ以上の構成要素を収容してもよい。ピストンロッドは、好都合には、用量設定部材によって前に設定された用量のサイズに対応する距離だけ、用量送達中にハウジングに対して遠位方向に動かされる。
システムは、さらにカートリッジユニットを含む。カートリッジユニットは、ハウジングに取付け可能であり、または好ましくはハウジングに解放可能に取り付けられる。カートリッジユニットが解放可能に取り付けられる場合、カートリッジユニットはハウジングに取り付けられ、取付けが完了した後に分離されることが可能である。カートリッジユニットは、薬物送達デバイスから送達されることになる薬物または薬剤を含んでもよくまたは保持してもよい。カートリッジユニットがハウジングに取り付けられたとき、システムは薬物送達デバイスを形成することができる。カートリッジユニットはさらに、カートリッジユニット案内機能を含む。カートリッジユニット案内機能は、たとえばカートリッジユニットをハウジングに取り付けるとき、またはカートリッジユニットをハウジングから分離するときに、カートリッジユニットとハウジングの互いに対する相対的な動きを案内するための案内インターフェースを、ハウジング内にまたはハウジング上に設けられたハウジング案内機能と協働することなどによって、ハウジングとともに確立するために提供されることが好都合である。カートリッジユニットは、1つまたは複数のカートリッジユニット案内機能を含んでもよい。ハウジングは、1つまたはそれ以上のハウジング案内機能を含んでもよい。それぞれのハウジング案内機能は、1つのカートリッジユニット案内機能と協働するように配置される。カートリッジユニットはさらに、カートリッジユニットインターフェース機能を含む。カートリッジユニットインターフェース機能は、案内インターフェースに加えて、さらなるインターフェースをハウジングとともに形成するために提供される。カートリッジユニットインターフェース機能は、カートリッジユニット案内機能とは異なってもよい。カートリッジユニット案内機能とカートリッジユニットインターフェース機能は、互いに軸方向および/または角度方向にオフセットしていてもよい。カートリッジユニットは、1つまたは2つ以上のカートリッジユニットインターフェース機能を含んでもよい。ハウジングは、1つまたはそれ以上のハウジングインターフェース機能を含んでもよい。ハウジングインターフェース機能は、カートリッジユニットインターフェース機能と相互作用して、さらなるインターフェースを形成してもよい。さらなるインターフェースは、ハウジングへのカートリッジユニットの取付け中に確立されてもよい。さらなるインターフェースは、好都合には、カートリッジユニットがハウジングに取り付けられるときに確立される。さらなるインターフェースは、案内インターフェースによって相対的な動きが案内されている間に確立される。したがって、カートリッジユニットがハウジングに取り付けられるとき、案内インターフェースはすでに確立されており、さらなるインターフェースが確立される前に相対的な動きを案内する。
一実施形態では、案内インターフェースは、カートリッジユニットがハウジングに取り付けられるときに、カートリッジユニットとハウジングとの少なくとも2つの異なる動きのステージ、すなわち第1のステージおよび第2のステージを画成する。カートリッジユニットがハウジングに取り付けられるとき、第1のステージは第2のステージの前に行われる。カートリッジユニットが分離されるとき、第2のステージは第1のステージの前に行われる。第1のステージは、ハウジングに対するカートリッジユニットの軸方向のみの動き、または軸方向運動かつ回転運動、すなわちらせん状の動きなど、少なくとも軸方向の動きを有するステージとすることができる。カートリッジユニットは、第1のステージ中に、第1のステージの軸方向に第1のステージの軸方向距離だけ動かされる。第1のステージの軸方向は、ハウジングに向かう方向とすることができる。第2のステージでは、ハウジングに対するカートリッジユニットの相対的な動きは、第2のステージの回転方向に第2のステージの角度だけ少なくとも回転運動を含む。第2のステージは、回転運動だけを含んでもよく、または回転運動と軸方向、たとえばらせん状の動きを含んでもよい。第2のステージのらせん状の動きがそれに沿って生じるらせんと、第1のステージのらせん状の動きがそれに沿って生じるらせんは、反対向きであってもよい。第1のステージでは、ハウジングに対するカートリッジユニットの動きは、主に軸方向とすることができる。つまり、この動きの間に進む軸方向距離は、カートリッジユニット案内機能が回転する角度方向距離より大きくてもよい。第2のステージでは、このステージが回転運動と軸方向運動を含む場合、この動きは主に回転とすることができる。結果的に、カートリッジユニット案内機能が移動する角度方向距離は、軸方向距離より大きくてもよい。第1のステージの軸方向距離は、第2のステージの軸方向距離より大きくてもよい。第2のステージの角度方向距離は、第1のステージの角度方向距離より大きくてもよい。カートリッジユニットがそれに沿って動かされる軸、またはカートリッジユニットがそれに沿って回転する軸は、ハウジングおよび/またはカートリッジユニットの主長手方向軸とすることができる。案内インターフェースは、バヨネットまたはバヨネット型のインターフェースであってもよい。
一実施形態では、カートリッジユニットがハウジングに取り付けられるときに、カートリッジが第2のステージにおいて、第2のステージの軸方向に第2のステージの軸方向距離だけ、ハウジングに対して動かされるように、システムが構成される。第2のステージの軸方向距離は、第1のステージの軸方向距離と反対であってもよい。したがって、カートリッジユニットは、第2のステージ中、ハウジングから離れるように、たとえばらせん状に動かされる。第2のステージの軸方向距離は、第1のステージの軸方向距離より小さくてもよい。第2のステージ中の軸方向の動きは、複数の利点を有することが可能である。まず、第2のステージ中の反対の軸方向への動きは、ハウジングへのカートリッジユニットの取付け手順が終了する直前に生じる。したがって、この動きはユーザにとって気付きやすいことから、ユーザは、カートリッジユニットを適切に取り付けたという確信を得ることができる。さらに、反対の軸方向への軸方向の動きは、薬物送達のための規定の初期位置を提供するのを補助し、それによりデバイスから投薬される薬物の既存の第1の用量を正確に投薬することができ、プライミング動作を回避することができる。さらに、反対の軸方向への動きを使用して、薬物送達デバイスの用量設定機構および/または駆動機構の2つ以上の要素間の動作連結を再確立することができる。このような連結は、既存の第1の用量を正確に送達するのに必要でありうる。
一実施形態では、さらなるインターフェースは、傾斜インターフェースであるか、傾斜インターフェースを含む。傾斜インターフェースは、以下で詳述するように複数の利点を有する。
一実施形態では、さらなるインターフェースは、第1のステージが完了した後に、たとえば第2のステージ中または第2のステージの初めに確立される。
一実施形態では、ハウジングインターフェース機能および/またはカートリッジユニットインターフェース機能は、傾斜表面を含む。つまり、それぞれのインターフェース機能は、傾斜機能であってもよい。傾斜表面は、角度方向に、好ましくは主に角度方向に延びていてもよい。傾斜表面は、たとえばハウジングに設けられたとき、遠位方向に面してもよい。傾斜表面は、たとえばカートリッジユニットに設けられたとき、近位方向に面してもよい。遠位向き傾斜表面は、第2のステージの回転方向に隆起していてもよい。近位向き傾斜表面は、第2のステージの回転方向とは反対の方向に隆起していてもよい。
一実施形態では、第2のステージの軸方向距離分の動きは、傾斜インターフェースによって画成または制御される。つまり、傾斜インターフェースは、第2のステージ中に確立される。インターフェース機能、すなわちハウジングインターフェース機能かカートリッジユニットインターフェース機能のいずれかが、第2のステージの回転角度と組み合わされて接触する傾斜表面の傾きは、カートリッジユニットがハウジングから離れるように第2のステージの軸方向距離だけ動かされるように調節される。
一実施形態では、傾斜表面は、複数の傾斜表面を含む傾斜構造の一部であり、この複数の傾斜表面は、好ましくは、軸方向に位置合わせされ、かつ/またはすべてが同じ回転方向に隆起している。傾斜表面は、回転対称であるパターンに配置される。傾斜表面は、それぞれハウジングまたはカートリッジユニットの主長手方向軸の周りに周方向に配設される。
一実施形態では、傾斜表面の傾きまたはピッチは、第2のステージ中のらせん状の動きの傾きまたはピッチより小さくまたはそれに等しく、この傾きまたはピッチは、らせん状の動きに対応するらせんのらせん角度に対応してもよく、かつ/または第2のステージの軸方向距離および第2のステージの角度によって画成される傾きまたはピッチに対応してもよい。傾斜表面の傾きが、第2のステージ中の傾きに等しい場合、傾斜表面を使用して、第2のステージの軸方向への軸方向の動きを引き起こすことができる。傾斜表面の傾きが、第2のステージ中の傾きより小さい場合、傾斜表面は、第2のステージの軸方向への動きを妨げない。後者の場合には、第2のステージの軸方向への動きは、たとえば案内インターフェースによって引き起こすことができる。しかし、傾斜表面を含む傾斜構造は、以下でさらに検討するコーディング目的のためになお使用することができる。
一実施形態では、傾斜表面の角度方向範囲は、傾斜表面の径方向位置における第2のステージの角度によって画成される角度方向範囲など、第2のステージの角度によって画成される角度方向範囲より大きい、またはそれに等しい。こうして、傾斜表面は、第2のステージ中に軸方向の動きを駆動するように調節される。
一実施形態では、傾斜表面の両端間、特に傾斜表面を角度方向に画定する角度方向の両端間の高さの差は、第2のステージの軸方向距離より大きくまたはそれに等しい。
一実施形態では、カートリッジユニットがハウジングに取り付けられるとき、傾斜インターフェースは、動きの第1のステージが完了した後にしか確立されない。
一実施形態では、それぞれの傾斜表面は、角度方向または回転方向において一定の傾きを有する。
一実施形態では、カートリッジユニットは、少なくとも1つのカートリッジユニットコーディング構造を含む。カートリッジユニットコーディング構造は、1つまたはそれ以上のカートリッジユニットコーディング機能によって形成される。
一実施形態では、ハウジングは、少なくとも1つのハウジングコーディング構造を含む。ハウジングコーディング構造は、1つまたはそれ以上のハウジングコーディング機能によって形成される。
カートリッジユニットコーディング構造は、ハウジングのハウジングコーディング構造とともにコーディングインターフェースを確立するために提供される。コーディングインターフェースは、動きの第2のステージの前、たとえば第1のステージ中、またはさらには第1のステージの前に確立されることが可能である。コーディングインターフェースにより、ハウジングおよび/またはハウジングに保持された駆動機構が、薬物、薬物製剤、カートリッジの充填容積および/もしくは寸法、またはカートリッジユニットに入れられた薬物に適合することを保証することができる。カートリッジユニットコーディング構造とハウジングコーディング構造が適合しない場合には、ハウジングに対するカートリッジユニットの取付けが防止される。この目的のために、コーディング機能は機械的に協働し、ハウジングに対するカートリッジユニットのさらなる動きを阻止することができる。コーディングは、ハウジングとカートリッジユニットの適合する対だけを連結できることを保証する。結果的に、誤った薬物もしくは薬物製剤、または誤った寸法のカートリッジが、特定の機構に結合されるのを回避することができる。それぞれのカートリッジユニットコーディング機能は、カートリッジユニットインターフェース機能から軸方向および/または角度方向に、たとえば遠位方向または近位方向に離れている。したがって、コーディングインターフェースとさらなるインターフェースは、別々のインターフェースとすることができる。代替的にまたは追加的に、コーディングインターフェースと案内インターフェースは、別々のインターフェースとすることができる。したがって、標準的な案内インターフェースおよび/またはさらなるインターフェースを使用できる一方で、薬物、薬物製剤、および/またはカートリッジユニットに保持されたカートリッジの寸法などに関して異なるカートリッジユニット間の差別化は、専用に設計されたコーディング機能によって実現されることが可能である。たとえば、コーディング機能は軸方向に位置合わせされ、コーディング機能の角度方向幅および/または角度方向ピッチおよび/または個数を変えて、異なる駆動機構を保持する異なるハウジングに対して異なるカートリッジユニットをコーディングすることができる。コーディングインターフェースは、特に傾斜表面とは異なっている。該当する場合には、たとえば案内機能の角度方向幅および/または分配を変えることによって、案内機能をコーディング目的に使用することができる。
一実施形態では、コーディング機能は、カートリッジユニット案内機能および/または傾斜機能に加えて設けられる。
一実施形態では、それぞれのハウジングコーディング機能は、1つのハウジングインターフェース機能からまたはすべてのハウジングインターフェース機能から軸方向に離れていてもよい。特に、コーディング機能は、傾斜インターフェースに含まれる機能から軸方向に離れていてもよい。
一実施形態では、カートリッジユニットコーディング機能は、軸方向に延びている機能である。軸方向に延びている機能は、第1のステージの軸方向距離より大きいまたはそれに等しい長さまたは軸方向範囲を有する表面、すなわち角度方向表面により、角度方向、好ましくは第2のステージの回転方向とは反対の方向に画定される。こうして、ハウジングに対するカートリッジユニットの、第1のステージの軸方向距離分の軸方向移動を可能にすることができ、表面は、カートリッジユニットコーディング機能の表面に面するハウジングコーディング機能の表面に沿って移動できることが保証される。ハウジングコーディング機能の表面は、角度方向向きまたは角度方向の表面であってもよく、この表面は、ハウジングコーディング機能を角度方向において画定する。これは、ハウジングとカートリッジユニットのコーディング構造が適合する場合に該当し、その結果、カートリッジユニットをハウジングに取り付けることができる。第2のステージ中、角度方向向き表面同士は、第2のステージの角度によって画成された角度方向距離だけ離される。カートリッジユニットがハウジング連結されたとき、ハウジングコーディング機能の角度方向向き表面とカートリッジコーディング機能の角度方向向き表面は、なお向かい合っていてもよい。ハウジングとカートリッジユニットのコーディング構造が適合しない場合、カートリッジユニットコーディング機能、たとえばその近位向き表面が、ハウジングコーディング機能、たとえばその遠位向き表面に当接してもよい。この当接により、特に第1のステージ中に、ハウジングに向かうカートリッジユニットのさらなる軸方向の動きを阻止することができる。ハウジングコーディング機能の遠位向き表面は、ハウジングコーディング機能の角度方向表面の近くに配置される。したがって、動きの第1のステージ中またはその前に、適合しないコーディング構造同士は、カートリッジユニットコーディング機能とハウジングコーディング機能の当接、特にそれらの軸方向に向く表面同士の当接により、さらなる軸方向の動きを防止することができる。
一実施形態では、それぞれのハウジングコーディング機能は、軸方向に延びている機能である。それぞれのハウジングコーディング機能は、角度方向、好ましくは第2のステージの回転方向において、角度方向表面によって画定され、この表面は、第1のステージの軸方向距離より小さいまたはそれに等しい、特に傾斜表面に沿った軸方向範囲を有してもよい。こうして、傾斜表面にカートリッジユニットインターフェース機能が到達して、第1のステージ中の軸方向の動きが完了した後に傾斜インターフェースを確立できることが保証される。
一実施形態では、傾斜表面には、傾斜表面に軸方向に沿って延びている角度方向表面が角度方向に、たとえば第2のステージの回転方向とは反対の方向に隣接している。こうして、カートリッジユニットが第1のステージの軸方向距離だけ移動すると、傾斜インターフェースが確立され、それにより動きの第2のステージ中にカートリッジユニットがハウジングに対して第2のステージの軸方向距離だけ遠位に変位されることを達成することができる。
一実施形態では、ハウジングコーディング機能と傾斜表面、および/またはカートリッジユニットコーディング機能が、共通の傾斜構造に一体化される。具体的には、傾斜構造の傾斜表面を、たとえば第2のステージの回転方向または反対の回転方向もしくは角度方向に画定する表面領域は、第1のステージ中に適合しないカートリッジユニットのカートリッジユニットコーディング機能が当接するコーディング表面として設けられる。カートリッジユニットが、適合するコーディング機能を有する適合するカートリッジユニットの場合には、カートリッジユニットコーディング機能は傾斜表面を通過し、カートリッジユニットのカートリッジユニットインターフェース機能または傾斜表面が第2のステージ中に傾斜表面と協働することができる。
一実施形態では、それぞれのハウジングコーディング機能および/またはそれぞれのカートリッジユニットコーディング機能は、傾斜表面と同じ傾斜構造の一部であるが傾斜表面から角度方向に、たとえば第2のステージの回転方向とは反対の方向または第2のステージの回転方向にオフセットした機能によって形成される。それぞれのコーディング機能は、好ましくは軸方向に配向された突出部とすることができる。
一実施形態では、カートリッジユニットは、カートリッジホルダおよび/またはカートリッジを含む。カートリッジは、カートリッジホルダ内に受けられるまたは配置される。カートリッジは、薬物もしくは薬物製剤または薬剤を含んでもよい。カートリッジの近位端は、可動の栓またはピストンによって閉じられる。針がカートリッジの遠位端のセプタムを穿孔することなどによって、カートリッジの内部と外部との間で流体連通が確立され、カートリッジの出口に向かって栓がカートリッジに対して遠位方向に変位されると、カートリッジの内容物をカートリッジから投薬することができる。カートリッジユニット案内機能は、カートリッジホルダの外面、たとえばカートリッジホルダの側壁に設けられる。カートリッジユニット案内機能は、カートリッジホルダの近位セクションに設けられる。カートリッジホルダとハウジングが連結されたとき、近位セクションはハウジング内に受けられる。
一実施形態では、カートリッジユニットは、カートリッジアセンブリである。アセンブリは、カートリッジとカートリッジホルダとを含んでもよい。カートリッジを、カートリッジホルダ内に恒久的にかつ/または解放不可能に固定してもよい。したがって、カートリッジユニットは使い捨てアイテムを形成してもよい。代替的に、カートリッジを、カートリッジホルダ内に解放可能に固定してもよい。カートリッジホルダは、案内機能、インターフェース機能、および/またはコーディング機能が設けられたカートリッジユニットの部分とすることができる。したがって、コーディング、案内、および/またはインターフェースのために、標準的なカートリッジ設計を変更する必要はない。カートリッジホルダは、カートリッジの保護を強化することができる。さらに、たとえば1.5mLまたは3.0mLの容積の標準的なカートリッジを、たとえば異なる薬物または薬物製剤のために使用することができる。カートリッジアセンブリは、製造業者によってアセンブリされ、分配されることが可能である。異なるハウジング、駆動機構、インターフェース、および/またはコーディングに合わせた調節は、異なるカートリッジホルダを使用することによって行われる。
一実施形態では、カートリッジユニットインターフェース機能および/またはカートリッジユニットコーディング機能は、カートリッジユニット案内機能から軸方向にオフセットしていてもよい。カートリッジユニットインターフェース機能および/またはカートリッジユニットコーディング機能は、カートリッジユニット案内機能から近位方向または遠位方向にオフセットしていてもよい。カートリッジユニットインターフェース機能および/またはカートリッジユニットコーディング機能を、カートリッジホルダの近位リムまたは端壁に一体化してもよい。この場合、近位方向のオフセットが存在する。
一実施形態では、カートリッジホルダは、その外側に突出部分を含む。突出部分は、カートリッジホルダの周りに周方向に、たとえばフランジ状に延びていてもよい。カートリッジユニットインターフェース機能および/またはカートリッジユニットコーディング機能は、突出部分に、たとえばその近位表面に設けられる。カートリッジユニット案内機能は、突出部分よりも近位に配置される。
一実施形態では、案内インターフェースは、標準的なインターフェースである。したがって、異なるカートリッジユニットにおいて、案内機能を同様に形成することができる。案内機能および/またはコーディング機能に違いがあってもよい。したがって、薬物送達デバイスのセットのうちのすべてのデバイスにおいて、一般的な連結または案内の機構が同様に機能できるが、それぞれのデバイスのハウジングは、適合するコーディング構造またはコーディング機能を有するカートリッジユニットだけに連結可能である。セット内または装置内で、ハウジングとカートリッジユニットの対の適合するコーディング構造は、一意であってもよい。
一実施形態では、装置は、上に開示したシステムを含む。システムのカートリッジユニットは、第1のカートリッジユニットであってもよく、装置は、第2のカートリッジユニットを含んでもよい。第2のカートリッジユニットは、第1のカートリッジユニットと同様に構成される。特に、第2のカートリッジユニットは、好ましくは同じ構成で同じ相対的な配置のカートリッジユニット案内機能および/またはカートリッジユニットインターフェース機能を有してもよい。好都合には、第1および第2のカートリッジユニットのコーディング構造は異なる。第2のカートリッジユニットと第1のカートリッジユニットが、異なる薬物もしくは薬物製剤を含みかつ/または異なる寸法のカートリッジを含む場合には、このことは特に好都合である。異なる寸法のカートリッジは、異なる長さ、および/または内径もしくは外径などの異なる直径のカートリッジを含んでもよい。
この文脈において「異なる薬物」とは、異なる活性医薬成分に基づく薬物をカートリッジユニットが含むことを意味してもよい。「異なる薬物製剤」とは、製剤は同じ活性医薬成分に基づいているかもしれないが、たとえば異なる濃度の活性医薬成分を有する液体をカートリッジユニットが含むことを意味してもよい。
第1のカートリッジユニット案内機能と第2のカートリッジユニット案内機能は、同様に配置および構成されてもよく、かつ/または第1と第2のカートリッジユニットのカートリッジユニットコーディング構造は異なってもよい。第1のカートリッジユニットのカートリッジユニットコーディング構造とハウジングのハウジングコーディング構造は、互いに適合するか、対応している。したがって、第1のカートリッジユニットをハウジングに取り付けることができる。第2のカートリッジユニットのカートリッジユニットコーディング構造とハウジングコーディング構造は、好都合には互いに適合せず、それにより第2のカートリッジユニットをハウジングに取り付けすることはできない。したがって、第2のカートリッジユニットとハウジングの案内機能同士は、潜在的に互いに対応しているが、適合しないコーディング構造によって、第2のカートリッジユニットが(第1の)ハウジングに取り付けられることが防止される。第2のカートリッジユニットは、第2のハウジングに適合するコーディング構造を有してもよく、第1のカートリッジユニットのコーディング構造によって、第2のハウジングへの第1のカートリッジユニットの取付けが防止される。しかし、第1および第2のカートリッジユニットは、それぞれ第1のハウジングまたは第2のハウジングに取り付けられるときに、同じ順序の動きを、好ましくは同じ角度方向距離分および/または軸方向距離分、実行してもよい。したがって、カートリッジユニットは異なるが、取付けの動きの順序は、案内機能および/またはその寸法の典型でありうることから、ユーザにはよく知られていてもよい。
好ましくは、カートリッジユニットコーディング構造が異なることから、第2のカートリッジユニットを第2のハウジングに取り付けることができ、第1のカートリッジユニットは取り付けることができない。第1のハウジングおよび第1のカートリッジユニットと同様に、第2のカートリッジユニットと第2のハウジングは、カートリッジユニットインターフェース機能とハウジングインターフェース機能とを有し、これらが協働して、取付け中に案内インターフェースに加えてさらなるインターフェースを形成してもよい。さらなるインターフェースは、傾斜インターフェースを含む。第1のハウジングと第1のカートリッジユニットとの間の傾斜インターフェースを制御する、画成する、またはそれに加わる第1の傾斜表面と、第2のハウジングと第2のカートリッジユニットとの間の傾斜インターフェースを制御する、画成する、またはそれに加わる第2の傾斜表面とは、同じ傾きを有してもよい。それぞれの傾斜表面の角度方向範囲は、第2のステージの回転角度による回転によって画成される角度方向範囲より大きくてもよくまたはそれに等しくてもよい。
言い換えれば、第1のカートリッジユニットと第2のカートリッジユニットおよび/または第1のハウジングと第2のハウジングは、同じ傾きでかつ/または第2のステージの回転角度によって画成される角度方向範囲と少なくとも同じ大きさの角度方向範囲の傾斜表面を含んでもよい。したがって、傾斜表面とコーディング機能とが一体化した傾斜構造を提供することにより、多くの部材または部材用の型を調節する必要なしに薬物送達デバイス内に確立されることが可能なコーディング形状またはコーディングシステムが利用される。
一実施形態では、カートリッジユニットおよび/またはハウジングの案内機能は、第1のカートリッジユニットおよびハウジング用の案内機能と第2のカートリッジユニットおよびハウジング用の案内機能との間で、たとえば幅および角度方向位置を変えることによって、コーディング目的に使用することができる。それでもなお、同じ傾きの傾斜表面を、第1と第2のハウジングおよび/または第1と第2のカートリッジユニットに設けることができる。しかし、それぞれの傾斜構造は、コーディング機能を含んでいない。
言い換えれば、第1の傾斜表面は、複数の傾斜表面を含む第1の傾斜構造の一部であってもよく、第2の傾斜表面は、複数の傾斜表面を含む第2の傾斜構造の一部であってもよく、第1の傾斜構造と第2の傾斜構造は同様にまたは同じやり方で構成される。
一実施形態では、第1のコーディング機能、すなわち第1のハウジングのハウジングコーディング機能または第1のカートリッジユニットのカートリッジユニットコーディング機能は、第1の傾斜構造から軸方向にオフセットしており、第2のコーディング機能、すなわち第2のハウジングのハウジングコーディング機能または第2のカートリッジユニットのカートリッジユニットコーディング機能は、第2の傾斜構造から軸方向にオフセットしている。
一実施形態では、2つのカートリッジユニットの傾斜構造は同様に構成されるが、第1のカートリッジユニットと第2のカートリッジユニットとの間で、カートリッジユニットコーディング機能の角度方向ピッチおよび/またはカートリッジユニットコーディング機能の角度方向幅は異なっている。こうして、第2のカートリッジユニットがハウジングに取り付けられることを防止することができる。この場合、カートリッジユニットまたはハウジングの案内機能のうちの1つまたはそれ以上が、カートリッジユニットまたはハウジングのコーディング機能を形成してもよい。
一実施形態では、両方のカートリッジユニットのカートリッジユニットコーディング機能は、第1のステージの軸方向距離よりも大きいまたはそれに等しい長さを有する表面によって、角度方向に画定される。
カートリッジユニット内および/または異なる寸法のカートリッジ内に、異なる薬物または薬物製剤を含む2つの薬物送達デバイスを有するセットまたは装置の実施形態では、第1のデバイスのカートリッジユニットは、好都合には第2のデバイスのハウジングに連結することができず、好ましくは逆も同様である。したがって、同じ一般的な外観を有するハウジングに保持された異なる駆動機構に、カートリッジユニットを逆に連結してしまうことが、他方の薬物送達デバイスのハウジングコーディング構造と対応していないそれぞれのカートリッジユニットの異なるカートリッジユニットコーディング構造によって、回避されることが可能である。両方のデバイスは、動きの第2のステージ中に確立されかつ/または作用することが可能な対応する傾斜インターフェースを有してもよい。
それぞれのデバイスが上で説明されたデバイスである異なる2つの薬物送達デバイスを有する1セットのまたは1つの装置の実施形態では、いずれかのデバイスのカートリッジユニットをデバイスのハウジングから分離することができ、他方の薬物送達デバイスのハウジングに連結することができる。これら2つのカートリッジユニットは、好都合には、同じ薬物もしくは薬物製剤ならびに/または同じ寸法のカートリッジ、たとえば同じ長さ、直径、および/または容積を含む。2つのデバイスは、好ましくは同一の、たとえば同一の形状および/または配置のカートリッジユニットインターフェース機能および/またはハウジングインターフェース機能、および/またはカートリッジユニットコーディング機能およびハウジングのコーディング機能も備える。
特に有利な実施形態では、薬物送達デバイス用のシステムであって、
- ハウジングと、
- ハウジングに取付け可能である、またはハウジングに解放可能に取り付けられるカートリッジユニットと
を含み、カートリッジユニットは、カートリッジユニットをハウジングに取り付けるときに、カートリッジユニットとハウジングの互いに対する相対的な動きを案内するための案内インターフェースを、ハウジングとともに確立するために提供されるカートリッジユニット案内機能を含み、カートリッジユニットは、案内インターフェースに加えて、さらなるインターフェースをハウジングとともに形成するために提供されるカートリッジユニットインターフェース機能であって、さらなるインターフェースは、カートリッジユニットがハウジングに取り付けられるときに確立される、カートリッジユニットインターフェース機能を含み、案内インターフェースは、カートリッジユニットがハウジングに取り付けられるときに、カートリッジユニットとハウジングとの間の少なくとも2つの異なる動きのステージ、すなわち第1のステージの軸方向における第1のステージの軸方向距離分の少なくとも軸方向の動きを有する第1のステージ、および第2のステージの回転方向における第2のステージの角度分の少なくとも回転運動を有する第2のステージを画成するバヨネット型のインターフェースであり、さらなるインターフェースは、傾斜インターフェースであるか、傾斜インターフェースを含むシステムが提供される。
上で説明したように、傾斜インターフェースにより、ハウジングから離れるカートリッジユニットの軸方向の動きが、好ましくは第2のステージ中に実現される。この動きは、駆動機構、特にピストンロッドの遠位端と、カートリッジ内の栓との間の規定初期位置を実現するのに有益であってもよい。代替的にまたは追加的に、コーディング機能は、傾斜構造を確立する傾斜表面を有する共通の傾斜構造に一体化されることが可能である。
本明細書で用いられる場合、「遠位」および「近位」という用語は、反対の軸方向または軸方向端部を指してもよい。「遠位」は、投薬端に向かう方向、またはカートリッジ、カートリッジホルダ、カートリッジユニット、または薬物送達デバイスの投薬端であるかその最も近くに配置されることになる薬物送達デバイスの構成要素の端部を指してもよい。「近位」は、投薬端から離れる方向、またはカートリッジ、カートリッジホルダ、カートリッジユニット、または薬物送達デバイスの投薬端から遠く離れて配置されているか配置されることになる端部を指す。
本明細書で用いられる場合、「軸方向」、「径方向」、「角度方向」、または「方位角方向」は、デバイス、カートリッジユニット、カートリッジ、ハウジング、またはカートリッジホルダの主長手方向軸、たとえばカートリッジユニット、カートリッジ、カートリッジホルダ、または薬物送達デバイスの近位端と遠位端を通って延びている軸に対して使用される。
システム、装置、薬物送達デバイス、または薬物送達デバイスのセットとともに上に開示した機能は、記載した唯一の態様または実施形態を指すものとみなされるべきではない。むしろこれらの機能は、他の実施形態または態様にも当てはまる。当然ながら、上記または下記の特定の実施形態で開示される機能を、互いに組み合わせて適用することもでき、かつ/または他の実施形態の他の機能と組み合わせて適用することもできる。
本開示のさらなる機能、利点、および有利な実施形態は、図面とともに例示的な実施形態の以下の説明から明らかになろう。
カートリッジアセンブリの一実施形態の概略斜視図である。 カートリッジアセンブリの一実施形態の概略断面図である。 カートリッジが配置されていない状態のカートリッジホルダを示す、カートリッジアセンブリの一実施形態の図である。 カートリッジが配置されていない状態のカートリッジホルダを示す、カートリッジアセンブリの一実施形態の図である。 カートリッジが配置されていない状態のカートリッジホルダを示す、カートリッジアセンブリの一実施形態の図である。 カートリッジが配置されていない状態のカートリッジホルダを示す、カートリッジアセンブリの一実施形態の図である。 カートリッジユニットとしてのカートリッジアセンブリの一実施形態の斜視図である。 カートリッジユニットとしてのカートリッジアセンブリの一実施形態の概略断面図である。 薬物送達デバイスまたはこれらのデバイス用のシステムの実施形態の概略図である。 薬物送達デバイスまたはこれらのデバイス用のシステムの実施形態の概略図である。 薬物送達デバイスまたはこれらのデバイス用のシステムの実施形態の概略図である。 薬物送達デバイスまたはこれらのデバイス用のシステムの実施形態の概略図である。 薬物送達デバイスまたはこれらのデバイス用のシステムの実施形態の概略図である。 薬物送達デバイスまたはこれらのデバイス用のシステムの実施形態の概略図である。 薬物送達デバイスまたはこれらのデバイス用のシステムの実施形態の概略図である。 薬物送達デバイスまたはこれらのデバイス用のシステムの実施形態の概略図である。 薬物送達デバイスまたはこれらのデバイス用のシステムの実施形態の概略図である。 薬物送達デバイスまたはこれらのデバイス用のシステムの実施形態の概略図である。 薬物送達デバイスまたはこれらのデバイス用のシステムの実施形態の概略図である。 ある状況における薬物送達デバイスの一実施形態を示す図である。 別の状況における薬物送達デバイスの一実施形態を示す図である。
同一の要素、同種の要素、および同一の作用を及ぼす要素には、図全体を通して同じ参照符号が付与される。
以下では、図1A~図2Bとともに、カートリッジユニットとしてのカートリッジアセンブリの実施形態が開示される。いずれの場合も、固定機能は、ユニットのカートリッジホルダに組み込まれている。それぞれの実施形態の詳細を開示する前に、すべての実施形態に当てはまる機能について検討する。図1A~図1Fならびに図2Aおよび図2Bは、それぞれカートリッジアセンブリの一実施形態を示す。「A」で示す図は、いずれの場合もカートリッジアセンブリの概略斜視図を示し、「B」で示す図では、遠位領域のみ、すなわちアセンブリの遠位端に近い部材を示す。
カートリッジアセンブリ300は、カートリッジ301とカートリッジホルダ302を含む。カートリッジ301は、カートリッジホルダのカートリッジ把持または保持セクション303内に配置される。カートリッジ保持セクションは、カートリッジホルダ302の内壁304によって、好ましくは周方向に区切られることが好都合である。カートリッジホルダ302は、開口部305を有する。開口部305は、好都合には近位開口部である。近位開口部は、ホルダの近位端からカートリッジホルダの内部へのアクセスを提供することができる。開口部305を介して、カートリッジ301をカートリッジホルダに挿入することができる。カートリッジの投薬端306は、この開口部305を通って挿入または導入される。カートリッジホルダの反対側の端部は、カートリッジホルダ302の遠位端であり、カートリッジ301の投薬端306の最も近くに配置された端部とすることができる。カートリッジホルダの遠位端は、好ましくは、たとえば当接により、カートリッジをホルダ内に保持するように設計され、それにより、開口部305を通ってしかカートリッジホルダからカートリッジを出すことができない。カートリッジホルダの軸方向範囲は、カートリッジの全長の少なくとも50%、好ましくは60%超、または70%超、たとえば80%超、または90%超を覆うように選択されることが好都合である。実施形態に図示するように、カートリッジ全体が、カートリッジホルダ302によって覆われてもよい。
投薬端306の反対側のカートリッジの端部、すなわち近位端は、図に明示していない。この端部は、可動の栓またはストッパによって閉じることができ、この栓またはストッパも同じく明示していない。栓またはストッパは、カートリッジの近位開口部を密封閉鎖してもよい。薬物307または薬剤は、投薬端と栓との間に配置されたカートリッジの領域に含まれる。カートリッジ内部と外部との間で流体連通が実現され、栓が投薬端に向かって動かされると、薬物または薬剤が、カートリッジの投薬端306を通って投薬される。カートリッジ内の薬物307または薬剤の量は、好ましくは複数回の用量に対して十分であるが、用量のサイズはユーザによって設定されてもよく、またはこのカートリッジを含む薬物送達デバイスから薬物を送達するために使用される駆動機構の設計によって固定されていてもよい。
「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、1つもしくはそれ以上の活性医薬成分またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物と、場合により薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬製剤を記述する。活性医薬成分(「API」)とは、最広義には、ヒトまたは動物に対して生物学的効果を有する化学構造体のことである。薬理学では、薬剤または医薬は、疾患の治療、治癒、予防、または診断に使用されるか、さもなければ身体的または精神的なウェルビーイングを向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限定された継続期間で、または慢性障害では定期的に使用可能である。
以下に記載されるように、薬物または薬剤は、1つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも1つのAPIまたはその組合せを含みうる。APIの例としては、500Da以下の分子量を有する低分子、ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素)、炭水化物および多糖、ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(ネイキッドおよびcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスDNAおよびRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが挙げられうる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。1つまたはそれ以上の薬物の混合物も企図される。
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬物の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他の硬性もしくは可撓性のベッセルでありうる。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの場合には、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、投与される医薬製剤の2つ以上の成分(たとえば、APIと希釈剤、または2つの異なる薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジでありうるか、またはそれを含みうる。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
本明細書に記載の薬物送達デバイスに含まれる薬物または薬剤は、多くの異なるタイプの医学的障害の治療および/または予防のために使用可能である。障害の例としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。障害のさらなる例は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。APIおよび薬物の例は、ローテリステ2014年(Rote Liste 2014)(たとえば、限定されるものではないがメイングループ12(抗糖尿病薬剤)または86(オンコロジー薬剤))やメルク・インデックス第15版(Merck Index,15th edition)などのハンドブックに記載されているものである。
1型もしくは2型糖尿病または1型もしくは2型糖尿病に伴う合併症の治療および/または予防のためのAPIの例としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1アナログもしくはGLP-1レセプターアゴニスト、はそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アナログ」および「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドに存在する少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失および/または交換によりおよび/または少なくとも1つのアミノ酸残基の付加により天然に存在するペプチドの構造たとえばヒトインスリンの構造から形式的に誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換アミノ酸残基は、コード可能アミノ酸残基または他の天然に存在する残基または純合成アミノ酸残基のどれかでありうる。インスリンアナログは、「インスリンレセプターリガンド」とも呼ばれる。特に、「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドの構造から形式的に誘導可能な分子構造、たとえば、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば脂肪酸)がアミノ酸の1つまたはそれ以上に結合したヒトインスリンの分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然に存在するペプチドに存在する1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失し、および/または非コード可能アミノ酸を含めて他のアミノ酸によって置き換えられ、または天然に存在するペプチドに非コード可能なものを含めてアミノ酸が付加される。
インスリンアナログの例は、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28~B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
インスリン誘導体の例は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン、Lys(B29)(N-テトラデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、レベミル(Levemir)(登録商標));B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-N-オメガ-カルボキシペンタデカノイル-ガンマ-L-グルタミル-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、トレシーバ(Tresiba)(登録商標));B29-N-(N-リトコリル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
GLP-1、GLP-1アナログおよびGLP-1レセプターアゴニストの例は、たとえば、リキシセナチド(リキスミア(Lyxumia)(登録商標))、エキセナチド(エキセンジン-4、バイエッタ(Byetta)(登録商標)、ビデュリオン(Bydureon)(登録商標)、ヒラモンスターの唾液腺により産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(ビクトーザ(Victoza)(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(シンクリア(Syncria)(登録商標))、デュラグルチド(トルリシティ(Trulicity)(登録商標))、rエキセンジン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン、ビアドール-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、TT-401、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
オリゴヌクレオチドの例は、たとえば、家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセンナトリウム(キナムロ(Kynamro)(登録商標))である。
DPP4阻害剤の例は、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。
ホルモンの例としては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。
多糖の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランG-F20(シンビスク(Synvisc)(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムである。
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト(たとえばネズミ)抗体、または一本鎖抗体でありうる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fcレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Fcレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Fcレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体でありうる。抗体という用語は、4価二重特異的タンデムイムノグロブリン(TBTI)および/またはクロスオーバー結合領域配向を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗原結合分子も含む。
「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含みうるが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本発明に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、四重特異的および多重特異的抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、1価または多価抗体フラグメント、たとえば、2価、3価、4価および多価の抗体、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬(SMIP)、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、CDR配列でないかつ抗原結合が可能になるようにCDR配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与しうるか、またはCDR内の1つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼしうる。
抗体の例は、抗PCSK-9 mAb(たとえば、アリロクマブ)、抗IL-6 mAb(たとえば、サリルマブ)、および抗IL-4 mAb(たとえば、デュピルマブ)である。
本明細書に記載のいずれのAPIの薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで薬物または薬剤に使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。
本明細書に記載のAPI、公式、装置、方法、システム、および実施形態の様々な構成要素の修正(追加および/または除去)は、本発明の完全な範囲および趣旨から逸脱することなく行うことができ、本発明の完全な範囲および趣旨は、そうした修正形態、およびあらゆるその等価物を包含することを、当業者は理解するであろう。
投薬端306側では、薬物または薬剤307を保有しているカートリッジの内部が、セプタム308によって密封閉鎖されている。セプタム308は、セプタムリテーナ309によって、カートリッジのカートリッジ本体340に対して保持または固定されることが可能である。セプタム308は、好都合にはたとえば針によって穿孔可能であり、これによりカートリッジの内部と外部の間に流体連通が実現される。セプタムリテーナ309は、キャップ、たとえばアルミニウムキャップなどの金属キャップによって形成される。金属キャップは、締付けまたは圧着によりカートリッジ本体340に連結される。カートリッジの本体は、ガラス製であってもよい。本体340は、カートリッジの外側輪郭を画成してもよい。針がセプタムを穿孔するはずの投薬端306の領域では、セプタムリテーナ308に開口部が設けられて、セプタムリテーナの領域を針が通れるようになっている。カートリッジ301は、ヘッド部分310と本体部分311とを含む。ヘッド部分310は、投薬端306側に配置される。本体部分311は、ヘッド部分310よりもカートリッジの近位端の近くに配置される。ヘッド部分310と本体部分311との間にネック部分312が配置される。本体部分311は、栓またはストッパが移動できる領域とすることができる。本体部分は、管状の構成を有する。ネック部分312は、直径、すなわち外径および/または内径が、本体部分311に比べて小さくてもよい。ヘッド部分310は、直径、すなわち外径および/または内径が、本体部分311に比べて小さい。ネック部分312は、本体部分に比べて小さい直径を有し、かつヘッド部分310よりも小さい直径を有する。直径は、近位端と遠位端の間に延びているカートリッジまたはカートリッジアセンブリの主長手方向軸に対して垂直な方向におけるカートリッジの範囲とすることができる。ネック部分は、周方向に延びてもよい。カートリッジ301全体は、主長手方向軸に対して回転対称とすることができる。ヘッド部分310とネック部分312との間の移行部は、比較的急角度の表面によって形成されるが、この表面は、好ましくは、ネック部分312と本体部分311との間に設けられた表面ほど径方向に対して傾斜していない。したがって、ネック部分312と本体部分311との間の移行部は、ヘッド部分310とネック部分312との間の移行部ほど急角度ではない。具体的には、近位方向にヘッド部分310を画定することができるカートリッジ表面313は、遠位方向に本体部分を画定するショルダ表面314の傾斜より小さい傾斜を径方向に対して有してもよい。カートリッジ表面は、セプタムリテーナ309によって形成されてもよく、または代替的にカートリッジ本体340によって形成されてもよい。セプタムリテーナ309は、セプタムをカートリッジ本体に締め付けてもよい。したがって、カートリッジの遠位端から離れる方向に面し径方向に延びるカートリッジ本体のネック部分の表面まで、セプタムリテーナが遠位端からカートリッジに沿って延びて、カートリッジ本体にセプタム308を締め付けてもよい。カートリッジは、カートリッジ本体340、セプタム308、セプタムリテーナ309、薬物または薬剤307、および/または栓(明示していない)を含むか、それらから構成される。
カートリッジホルダ302は、開口部305とは反対の、カートリッジの投薬端306に最も近い端部に、すなわちその遠位端に、遠位端壁315を含む。遠位端壁は、周方向にリング状に延びていてもよい。遠位端壁315の近位表面は、カートリッジ301の遠位端面に当接するように配置される。こうして、カートリッジ301は、カートリッジホルダ302に対して遠位方向に動くことなく、カートリッジホルダに保持されることが可能である。遠位端壁315は、カートリッジホルダに開口部316を画成してもよい。開口部が端壁内の中央開口部になるように、端壁は開口部の周りに延びていてもよい。開口部は、端壁315を軸方向に貫通して延びていてもよい。開口部316は、針がカートリッジに向かって、特にセプタム308に向かって開口部を通って案内されることが可能になるように設けられる。
カートリッジホルダ302は、遠位領域317と本体領域318とを含んでもよい。遠位領域317は、カートリッジの投薬端および/またはカートリッジホルダの遠位端壁315の最も近くに配置される。本体領域318は、遠位端または遠位端壁315から遠く離れて、かつ/または遠位領域よりも開口部305の近くに配置される。本体領域に比べて、遠位領域の外径は縮小されていてもよい。縮小の程度は、カートリッジの本体部分の直径と比べて小さいヘッド部分の直径によって決定されてもよい。本体領域318と遠位領域は、内向きのショルダ領域331によってつながっている。遠位領域には、針コネクタ319、たとえばねじ山が配置される。針コネクタにより、針ユニット、たとえば針ユニットのハブを、カートリッジホルダ302に固定することができる。針ハブに保持された針は、開口部316を通るように案内され、セプタム308を穿孔し、カートリッジの内部に流体連通を提供して、カートリッジ301から薬物または薬剤307を投薬できるようにしてもよい。遠位領域317は、その内部でカートリッジ301のヘッド部分310を受けるように設計される。本体領域318は、カートリッジの本体部分311を受けるように設計される。近位端側では、カートリッジホルダが連結領域またはインターフェース領域320を有してもよい。この領域に連結機能またはインターフェース機能が提供され、これらの機能は、ハウジング10の対応する機能と協働するように構成されて、カートリッジアセンブリ300をハウジングに連結して薬物送達デバイス1が形成される(図4および図5を参照)。連結機能は、カートリッジホルダとハウジングとの間でねじ連結またはバヨネット連結できるように設計される。好ましくは、連結機能またはインターフェース機能は、カートリッジアセンブリのカートリッジに入れられた薬物用に設計された駆動機構を収容するハウジングに対してコーディングされる。コーディングにより、適切なカートリッジアセンブリだけをハウジングにアセンブリして薬物送達デバイスを形成できることが保証される。こうして、カートリッジの内容物を投薬するように専用に設計された駆動機構を使用して、カートリッジアセンブリ内の薬物が投薬されることを保証することができる。駆動機構はピストンロッドを含んでもよく、このピストンロッドは、薬物または薬剤をカートリッジから投薬すべき場合に、カートリッジに対して遠位方向に栓またはストッパを駆動するために配置される。カートリッジホルダに適用することができる潜在的なコーディングの実施形態については、以下でさらに詳細に検討する。
カートリッジホルダ302の近位端と遠位端の間に、好ましくは遠位端よりも近位端の近くに、径方向外向きに突出した段321またはフランジが設けられる。段またはフランジ321は、カートリッジホルダ302の周囲全体にわたって延びていてもよい。段321の近位表面は、カートリッジアセンブリがハウジングに連結されたときに、ハウジングの遠位表面に接触するように配置される。アセンブリがハウジングに連結されたとき、連結領域320はハウジングによって覆われる。しかし、本体領域318および遠位領域317は、ハウジングから突出してもよい。
さらに、カートリッジホルダ302は、少なくとも1つの固定機能322を含む。軸方向に沿って見るとき、固定機能322は、カートリッジホルダの2つの内部領域間に設けられ、これらの2つの内部領域のうちの一方は、ヘッド部分310を受け保持するように適用されており、他方は、カートリッジの本体部分を受け保持するように適用されている。固定機能322は、カートリッジ301のネック部分の領域に延びていてもよい。固定機能322は、カートリッジホルダ302の内壁から径方向に突出している。好ましくは、固定機能322は、この領域において内径がカートリッジのヘッド部分の外径より小さくなるように、カートリッジホルダの内径を小さくする。
したがって、カートリッジのヘッド部分が、近位開口部から固定機能を通過して軸方向に案内される場合、固定機能は径方向外向きに、たとえば径方向だけに変位する状態で、逸らされなくてはならない。固定機能が逸らされると、ヘッド部分は固定機能を通過することができる。好ましくは、固定機能は、ヘッド部分が固定機能の近位表面と協働することにより逸らされ、この近位表面は傾斜していてもよく、すなわちカートリッジホルダの主軸に対して垂直でも水平でもない。ヘッド部分が固定機能を通過した後、固定機能は再び径方向内向きに、たとえば弾性的に動いてもよい。ヘッド部分310を受けるように設計されたカートリッジホルダの内部領域は、本体部分311を受ける領域よりも小さい直径を有してもよい。
固定機能322は、カートリッジホルダの外面または少なくとも外側輪郭を画成するカートリッジホルダのセクションと一体に、たとえば射出成形によって形成される。つまり、適用可能な場合には、カートリッジホルダの外面にコーティングが施されてもよいが、固定機能が一体化されたカートリッジホルダのセクションによって外側輪郭がなお画成されることが可能である。図1A~図4Aでは、射出ゲートマーク323が示されており、これは、カートリッジホルダの形状を画成する成形キャビティ内に流体プラスチック化合物が射出された位置を示している。射出ゲートマーク323は、カートリッジホルダの遠位端壁315の領域、特に遠位端壁の遠位面に位置する。
固定機能322は、固定表面324を含む。固定表面324は、固定機能の遠位表面であってもよい。好ましくは、固定表面は径方向に配向される。すなわち、固定表面は、径方向および/または径方向平面に延びている。固定表面324は、カートリッジ表面313など、カートリッジの近位方向に面する表面に当接するように配置され、または当接する。したがって、カートリッジ表面313および固定表面324は、カートリッジが開口部305を通ってカートリッジホルダから近位方向に動くのを、互いの機械的協働によって防止するように配置される。したがって、開口部305を通ってホルダからカートリッジが取り外されることが、固定機能322によって防止される。固定機能322を、スナップおよび/またはクリップの機能として形成してもよい。固定機能または固定表面の角度方向範囲は、20°、15°、10°の値のうちの1つの値より小さくてもよくまたはそれに等しくてもよい。
さらに、カートリッジホルダの外壁が、固定機能の軸方向位置に設けられる。したがって、カートリッジホルダは、少なくとも固定機能の領域では閉じている。したがって、固定表面および/または固定機能に外側からアクセスすることはできない。これは、カートリッジアセンブリが不正開封されうる可能性を低下させる。
以下では、カートリッジホルダに一体化された固定機能を有するカートリッジホルダのいくつかの実施形態を、より詳細に検討する。図1Aおよび図1Bに示す実施形態は、1つの固定機能322、特にただ1つの固定機能を有する。当然ながら、複数の固定機能を設けることも可能である。こうした実施形態は、図1Aおよび図1Bの実施形態に非常によく似ている図2Aおよび図2Bに示してある。
固定機能322は、カートリッジホルダ302の内壁304から径方向に突出している。固定機能322は、カートリッジホルダ302の遠位領域317の内部、特に針コネクタ319が外部に設けられるカートリッジホルダの内部領域に配置される。図1Aおよび図1Bから明らかなように、全体的にリング状の構成を有する遠位端壁315は、開口部325を有する。開口部325は径方向に配向され、遠位端壁315によって画成されるリングを遮っている。開口部325は、開口部316から径方向外向きに延びている。開口部325の角度方向位置および径方向位置は、固定機能322または固定表面324のうちの1つに対応してもよく、開口部は固定機能から軸方向に、たとえば遠位方向にオフセットしている。特に、遠位端から軸に沿って見るとき、遠位端から固定表面が見えてもよい。固定表面は、開口部325を画定する側壁によって径方向および角度方向に囲まれてもよい。図では、カートリッジ301のヘッド部分310が、開口部325と固定表面324の間に配置される。開口部325の角度方向寸法および/または径方向寸法は、固定表面および/または固定機能の角方向度寸法および/または径方向寸法を画成してもよく、それに対応してもよく、またはそれより大きくてもよい。遠位端の領域に開口部を設けることにより、固定機能を有していないカートリッジホルダに比べて、軽微な修正を型または成形ツールに加えるだけで、一体化された固定機能を有するカートリッジホルダの成形が容易になる。固定機能を有していないカートリッジホルダでは、異なる直径の2つのコアピンを使用して、射出成形によりカートリッジホルダが生産され、1つのコアピンは遠位領域の内部を画成し、1つのコアピンは、カートリッジホルダの本体領域318の内部を画成する。短いコアピンが、遠位領域の内部を画成してもよく、長いコアピンが、本体領域の内部の領域を画成してもよい。固定機能322は、射出成形ツールの2つの異なるコアピンのちょうど交差部または境界で一体化される。開口部325は、成形プロセス中に形成されることが可能であり、固定機能322が一体化されたカートリッジホルダの成形を容易にする。開口部325は、短いコアピン上の、たとえば金属の突出部によって画成される。
固定機能が設けられる領域、たとえば遠位領域317では、カートリッジホルダが径方向に変形可能であってもよい。したがって、カートリッジホルダが径方向外向きに向かう力にさらされたとき、内径が増大してもよい。径方向に向かう力にさらされたとき、径方向に変形されるカートリッジホルダの性能は、開口部325に角度方向に重なる遠位領域317の角度方向セクションでより高くなっていてもよい。固定機能322は、開口部に角度方向に重なるので、この領域に配置される。固定機能は、好都合には非可撓性でありかつ/または剛性であり、たとえば遠位領域317、またはカートリッジのヘッド部分が配置されることになる第1の領域の内壁よりも剛性が高い。したがって、軸方向および/または径方向の力が固定機能に作用するとき、たとえばヘッド部分が、固定機能に沿ってそれに接触して案内されるとき、固定機能322が剛性であることによりカートリッジホルダが広がる。固定機能自体は変形も屈曲もしない。ヘッド部分310が固定機能322を通過すると、固定機能は再び内向きに変位し、カートリッジ表面313および固定表面324は、図1Bに示すように配置される。固定機能は、好ましくはこのプロセス中に変形せず、特に軸方向に逸れたり枢動したりしない。
図1Bに示すように、固定表面324から遠位にオフセットしたところにスロープ表面326が配置され、このスロープ表面326は遠位方向でその範囲に沿って径方向に隆起している。好ましくは固定表面の反対側に配置されるか、固定表面から少なくとも角度的にオフセットして配置されるこの表面により、固定表面324に径方向に重なる領域に向かってカートリッジ301のヘッド部分310の径方向の動きが実現される。したがって、このスロープ表面は、カートリッジアセンブリ300のアセンブリプロセス中に、カートリッジ案内機能として作用する。したがって、スロープ表面326について述べることは、カートリッジ案内機能について述べることみなされてもよく、その逆も同様である。カートリッジがその最終位置に到達したときの固定表面324とカートリッジ301の表面313との径方向の重なりは、こうして増大される。スロープ表面326は、たとえば1つの固定機能しか設けられない場合に、カートリッジホルダにカートリッジを固定する安定性を強化することができる。
固定機能、固定表面324、および/または固定機能322の径方向自由端からの、カートリッジ案内機能326の遠位へのオフセット(図1Bにおいて「B」と示す)は、カートリッジのセプタム308の厚さ(図1Bにおいて「A」と示す)より大きくてもよい。これにより、カートリッジが固定機能322と相互作用して、カートリッジホルダの内部を一時的に広げるために固定機能を径方向に変位させるとき、セプタムリテーナ309が、好ましくはセプタムではなく、より剛性の高いカートリッジ本体340によって支持されることが保証される。したがって、固定機能322を変位させるのに必要な力が、セプタムに伝わらない。この力がセプタムに伝わると、薄い金属の構成要素とすることができるセプタムリテーナ309が変形したり、セプタムが損傷したりするリスクが、かなり増大する。これは、カートリッジ案内機能326と固定表面324とが、セプタム308の厚さよりも大きく遠位にオフセットしていることにより、回避することが可能である。遠位へのオフセットBは、カートリッジのヘッド部分310の軸方向範囲よりも小さいことが好都合である。こうして、カートリッジ案内機能は、ヘッド部分310と協働することにより、カートリッジ301を径方向内向きに適切に案内することができる。
カートリッジ案内機能326と固定表面324との間のカートリッジホルダ302の内部の領域では、カートリッジ案内機能の領域および/またはカートリッジ案内機能から遠位にオフセットした領域が存在してもしなくてもよいが、もし存在するなら、カートリッジホルダの内径は、その領域より大きくてもよい。カートリッジ案内機能と固定表面との間のカートリッジホルダの内部の領域では、固定機能の領域の内径よりも、内径が大きくてもよい。カートリッジ案内機能326の領域および/またはカートリッジ案内機能より遠位の領域では、カートリッジホルダの内径が、固定機能の領域の内径より大きくてもよく、たとえばヘッド部分310の外径より大きくてもよくまたはそれに等しくてもよい。
言い換えれば、セプタムリテーナまたは金属スリーブ309は、柔らかいセプタム308を囲む遠位セクションと、カートリッジ本体またはガラスアンプルのネック部を囲む近位セクションを有する。セプタムリテーナの遠位セクションが固定表面324を通過してから、この遠位セクションカートリッジ案内機能またはスロープ表面326に接触するなら、有利である。こうして、金属スリーブ309と固定表面との径方向の重なりは、固定表面が金属スリーブ309を傷つける恐れのあるアセンブリ期間中には最小限に抑えられ、固定表面が金属スリーブ309の遠位セクションを通過し、近位セクションに径方向圧力を加えているときにのみ、この重なりが大きくなる。近位セクションは、遠位セクションよりも硬い、たとえばガラス状の材料で支持されるので、損傷したり凹んだりすることはない。アセンブリプロセスの終了時、固定表面とカートリッジ表面との最終的な重なりは、なお大きい。最終的な重なりは、スロープ表面326の終端を示すスロープ表面の領域におけるカートリッジホルダの内径がより小さいことによって、画成される。
一体化された固定機能322を有するカートリッジホルダ302が試験されたとき、スロープ表面326の前の直径がスロープ326の後の直径よりも十分に大きく、それによりセプタムリテーナの遠位セクションにおける干渉がある場合にはその干渉が最小の状態でカートリッジ301が固定機能から離れるように動くことができ、カートリッジ本体の、たとえばガラスのヘッド部分がセプタムリテーナを支持/サポートするセプタムリテーナ309の領域に固定機能が圧力を加えた後にのみ、この干渉が増大するようにしない限り、薄く容易に変形可能な金属構成要素でありうるセプタムリテーナ309の遠位セクションが大きく凹むことが見いだされている。
カートリッジ301がカートリッジホルダ302にアセンブリ済みであるとき、固定機能322は、ホルダ302に対するカートリッジ301の近位方向の動きを阻止することができる。しかし、固定機能は、好都合にはカートリッジに対して固定力、たとえば遠位方向または近位方向の力をいつもかけるわけではなく、カートリッジホルダからカートリッジが外れるのを防止するだけである。こうして、カートリッジにかかる力の負荷を有利に低くすることができる。
図1C~図1Fは、カートリッジホルダ302のさらなる図を示す。図1Cは、遠位端からの見た図を示す。すぐにわかるように、固定機能322の角度方向寸法は、開口部325の角度方向寸法より小さい。固定機能322または固定表面の径方向寸法も、開口部325の径方向寸法より小さい。同じく遠位端を示すが斜視図である図1Dから推測できることは、固定機能322に角度方向に隣接した領域において、カートリッジホルダ、特に遠位領域317が補強されていること、すなわち壁の強度または厚さが大きいことである。補強セクション341は、カートリッジホルダの内部に周方向に延びている。補強セクションは、固定機能に軸方向に重なってもよい。代替的にまたは追加的に、補強セクション341は、固定機能322から遠位方向にオフセットして配置される。固定機能に角度方向に重なるカートリッジホルダの内部の領域では、ヘッド部分が固定機能322を径方向に変位させるときにカートリッジホルダが径方向に変形しやすくなるように、補強セクションは、好ましくは遮られている。
開口部325から軸方向に固定表面324の方を見るとき、ホルダ302の壁厚さは、補強セクション341の壁厚さより薄くてもよい。固定機能322の領域における、固定機能によって画成されるカートリッジホルダ301の壁厚さは、補強セクション341の壁厚さより分厚くてもよい。固定機能322は、補強セクション341上に径方向に突出していてもよい。補強セクション341は、カートリッジホルダ302の断面斜視図を示す図1Fにも描かれている。カートリッジホルダ302の近位端から見た図を示す図1Eと同様に、この図にも、カートリッジホルダの内部が、周方向に配設された複数の、好ましくは等間隔のスペーサ機能またはカートリッジ支持機能342、たとえばリブを含むことが示してある。この機能342は軸方向に配向される。この機能342は、カートリッジがカートリッジホルダに保持された場合に、カートリッジ、たとえばその本体部分311を径方向に支持するために設けられる。これらの機能は、より小さい直径のカートリッジを受けるカートリッジホルダと、より大きい直径のカートリッジを受けるカートリッジホルダとの唯一の違いでありうる。より大きい直径用のカートリッジホルダは、カートリッジ支持機能342を有していなくてもよいことが好都合である。したがって、カートリッジホルダの外部寸法は同じにすることができるが、カートリッジホルダに保持されたカートリッジの外径は異なる。
たとえば図1Bなどの図から明らかなように、針コネクタ319、たとえばねじ山は、固定機能322から遠位方向にオフセットしている。具体的には、固定機能とカートリッジ案内機能またはスロープ表面326との間の領域には、針コネクタ319がなくてもよい。針コネクタは、カートリッジ案内機能326と軸方向に重なってもよく、またはこの機能326から遠位方向にオフセットした状態で提供されてもよい。したがって、針コネクタ319の軸方向範囲は、他のカートリッジホルダの設計より短いことがある。たとえば、針コネクタ319は、カートリッジホルダの遠位領域317の遠位セクションに限定され、針コネクタ319と本体領域との間に、コネクタのない領域が配置される。コネクタのない領域の軸方向範囲は、針コネクタを有する遠位セクションの軸方向範囲の50%より大きくてもよい。針コネクタを有する遠位セクションの軸方向範囲は、コネクタのない領域の軸方向範囲より大きくてもよい。たとえばカートリッジホルダ302の所与の外側輪郭または寸法を維持することを目的として、固定機能322と案内機能326との間の領域において、カートリッジホルダの壁厚さを薄くして、カートリッジホルダ302の内径を大きくしているので、コネクタ319に必要とされる追加的な径方向のくぼみをこの領域の外側に設けることは、この領域においてカートリッジホルダが損傷するリスクを高めるか、成形不可能にすらすることになる。したがって、短い針コネクタが有利である。
図示してある実施形態は、1つの固定機能しか示していないが、複数の固定機能が使用される場合にはスロープ表面も提供される。しかし、以下の実施形態では、スロープ表面は示されていない。
図2Aおよび図2Bでは、2つの固定機能322が一体化されているカートリッジホルダ302を示す。固定機能322は反対側に配設され、各固定機能は、フランジ状に形成されたカートリッジ表面313に当接するように配置された固定表面324を有する。それぞれの固定機能の固定表面324の位置に角度方向および/または径方向に対応する位置に、カートリッジホルダのリング状の形状を遮る2つの開口部が、カートリッジホルダの遠位端壁315に設けられている。それぞれの開口部325は、中央開口部316につながっていてもよい。前に説明したように、特に容易で低コストのプロセスであり、大量生産に好適な射出成形によりカートリッジホルダに固定機能を一体化することが、この開口部316によって容易になる。したがって、開口部に関する上の開示は、この実施形態にも適用される。さらに、3つ以上の固定機能を設けることもできる。図2Bでは、針コネクタは固定機能322に軸方向に重なる。
固定機能322は、図示した実施形態のヘッド部分と相互作用するので、異なる形状の本体部分を有するカートリッジ、たとえば1.5mLと3mLなど異なる容積、異なる直径、および/または異なる長さのカートリッジを、容易にカートリッジホルダに固定することができる。カートリッジのヘッド部分は同様に形成されることが可能である。
本開示は、カートリッジがカートリッジユニットとして中に恒久的に固定されるカートリッジアセンブリにとって、特に有利であることが理解されるべきである。しかし、カートリッジホルダ内でカートリッジを交換することができる取外し可能カートリッジを有するカートリッジホルダも、本開示の概念においてカートリッジユニットとして使用可能である。
異なる容積のカートリッジは、異なる長さおよび/または異なる内径および/または異なる外径を有してもよい。カートリッジアセンブリは、たとえば薬局で販売される使い捨てアイテムであってもよい。同じ容積または異なる容積の異なるカートリッジは、異なる薬物または薬物製剤を含んでもよい。小容積のカートリッジは、濃度の高い薬物を有してもよい。薬物が、たとえばインスリンまたはインスリン誘導体である場合には、小容積のカートリッジは、大容積のカートリッジの薬物または薬剤の濃度の2倍超、たとえば3倍の濃度を有してもよい。大容積カートリッジ内の薬物は、同じ活性医薬成分によって生成される。カートリッジ間の内容物は、好ましくは液体内の薬物の濃度のみ、すなわち薬物の特定の製剤のみが異なっていてもよい。たとえば、3mLカートリッジは、たとえばインスリン300IU(IU:国際単位)を含んでもよく、1.5mLカートリッジは450IUを含んでもよく、これは容積の小さいことを考慮すると、3mLカートリッジ内の薬物の濃度の3倍に相当する。
同じ駆動機構を複数のカートリッジとともに使用できる再使用可能な薬物送達デバイスでは、特定の薬物または薬物製剤を含むカートリッジだけを駆動機構に、たとえば駆動機構またはその要素が中に保持されているハウジングに、動作可能に連結できるようにすることが、極めて有利である。これは、場合により、いわゆるコーディングまたは専用のシステムもしくは機構によって実現される。これらのシステムまたは機構は、用量設定機構および/または駆動機構を有するハウジングと、ハウジングに解放可能に連結されるカートリッジユニットであって、2つのカートリッジユニットが異なる薬物、薬物製剤、および/または寸法を有するカートリッジユニットとをそれぞれが備える2つの薬物送達デバイスのセットにおいて、それぞれのカートリッジユニットを一方のデバイスのハウジングだけに連結でき、他方のデバイスのハウジングには連結不可能にするように調節される機能を含んでもよい。
以下の文では、特定の薬物、薬物製剤、および/またはカートリッジの寸法もしくは容積を有するカートリッジユニットまたはアセンブリを、ハウジング、またはその中に保持された用量設定機構および/または駆動機構に対して一意にコーディングするのに好適なシステムの実施形態を記載する。これにより、誤った機構を、特定のカートリッジユニット、たとえば上記で検討したアセンブリのうちの1つとともに使用してしまうことが回避される。開示される実施形態は、カートリッジユニットとハウジングとの間でバヨネット、またはバヨネット型の連結を利用している薬物送達デバイスのために使用されるのに特に好適であり、このバヨネット、またはバヨネット型の連結は、カートリッジユニットをハウジングに取り付けるときに、最初の少なくとも軸方向の動き(第1のステージ)と、その後の少なくとも角度運動または回転運動(第2のステージ)とを含む。さらに、開示される概念は、第1のステージの後で、かつハウジングに対するカートリッジユニットの最終位置への到達が完了する前に、ハウジングから離れるカートリッジユニットの軸方向の動きを実現するように設計される。
一実施形態を、図3とともに以下で検討する。図3は、薬物送達デバイス用のハウジングまたはハウジング部材350にカートリッジユニット300を連結中の、異なる状況(A~C)を概略的に示す。状況Aは、連結または取付けが開始された直後、すなわち動きの第1のステージ中であり、状況Bは、動きの第1のステージが完了した後で、動きの第2のステージが開始される前であり、状況Cは、動きの第2のステージが完了した後、ハウジングに対するカートリッジユニット300の最終位置への到達が完了したときである。図の下側部分は、状況A~Cの側面図を示し、上側部分は、関連する状況の断面図を示す。
カートリッジユニット300は、カートリッジホルダ302、たとえば前に述べたホルダのうちの1つによって表される。図示してはいないが、当然ながら、カートリッジホルダ内にカートリッジが存在してもよい。図3には、カートリッジホルダの連結領域またはインターフェース領域320を示す。この領域には、カートリッジホルダ302またはカートリッジユニットもしくはアセンブリ300をハウジングに連結して薬物送達デバイスを形成するときに、ハウジング内の機能と相互作用するように調節された1つまたはそれ以上の機能が配置される。特に、連結またはインターフェースの領域320には、1つの案内機能327または複数の案内機能327が配置される。異なる案内機能327が軸方向に位置合わせされ、角度方向に互いに離れていてもよい。案内機能は、図示しているように異なる角度方向または方位角方向の幅を有してもよく、または同じ角度方向または方位角方向の幅を有してもよい。案内機能327は、ハウジングへのカートリッジホルダ302のアセンブリ中または取付け中に、ハウジングに対するカートリッジホルダ302の動きを案内するために設けられる。カートリッジホルダ302は、特に連結またはインターフェースの領域320において、固定または戻り止めの機能328を含んでもよい。複数の固定機能328(そのうちの1つのみが示してある)が設けられてもよく、これらの固定機能328は、好ましくは角度方向に均等に、たとえば互いに直径方向反対側に配設される。それぞれの案内機能327は、カートリッジホルダ302から突出しているラグとして実現される。固定機能328は、らせん状の形または範囲を有してもよい。固定機能328は、ハウジングからカートリッジホルダ302を分離するのに必要な方向へのハウジングに対する回転に対抗して、カートリッジホルダを最終位置に解放可能に固定するように設計される。これにより、ハウジングからのカートリッジホルダの偶発的な分離が回避される。
ハウジング部材350は、後で説明するように薬物送達デバイスの(外側)ハウジング10と一体形成されてもよく、またはハウジング内またはハウジングに取り付けられる付加的構成要素として形成されてもよい。ハウジング部材350は、少なくとも1つの、好ましくは複数のハウジング案内機能351を含む。ハウジング案内機能351は、トラックまたはチャネルであってもよい。ハウジング案内機能351は、2つの異なるセクションである第1のセクション351aと第2のセクション315bとを含む。第1のセクション351aは、軸方向のみまたはらせん状になど、少なくとも主に軸方向に延びている。図示してある実施形態では、第1のセクション351aはらせん状に延びている。第1のセクション351aがそれに沿って延びているらせんのらせん角度は、固定機能328のらせん範囲によって画成される角度と同じであってもよい。セクション315aの両端間の軸方向距離は、第1のセクションの角度方向範囲より大きくてもよい。たとえば、両端を隔てる距離を測定するための参照点として、それぞれの端部の中点を取ることができる。
ハウジング部材350は、遠位端352を有する。カートリッジホルダ302がハウジング部材350にアセンブリされる前に、遠位端352はカートリッジユニット300に面してもよい。駆動機構および/またはカートリッジアセンブリの構成要素をスリーブ部材の開口部内に受けることができるように、またはそれらが開口部を通って移動できるようにするために、ハウジング部材350は、中空であってもよく、たとえばスリーブ状に形成されてもよい。セクション351aは、ハウジング案内機能351の第2のセクション351bよりもデバイスまたはハウジングの遠位端に近くなるように配置されることが好都合である。案内機能351の第2のセクション351bは、角度方向にのみまたはらせん状になど、少なくとも主に角度方向に延びていてもよい。特に、第2のセクションの両端間の軸方向距離は、第2のセクションの角度方向範囲より小さくてもよい。カートリッジホルダが第1のセクション内で動かされる軸方向距離は、カートリッジホルダが第2のセクション内で動かされる軸方向距離より大きくてもよい。代替的にまたは追加的に、カートリッジホルダが第1のセクション内で動かされる角度方向距離は、カートリッジホルダが第2のセクション内で動かされる角度方向距離より小さくてもよい。カートリッジホルダが第2のセクション内でまたは第2のステージ中に動かされる軸方向距離は、1mm未満またはそれに等しくてもよく、たとえば0.5mm未満またはそれに等しくてもよい。案内インターフェースは、バヨネット型のインターフェースであってもよい。第1のステージと第2のステージの回転方向は等しくてもよい。
図示してある実施形態では、第1のセクション351aはらせん状に延びているか、らせん状のインターフェースを画成するように構成される。第2のセクション351bは、角度方向にのみもしくはらせん状に延びていてもよく、かつ/または軸方向の動き、好ましくは限られた軸方向の動きを許容するように構成されてもよい。したがって、第2のセクションには多少の軸方向の遊びが存在してもよい。このことは、好ましくは、第2のセクションが角度方向にのみ延びている場合に成り立つ(図3Cのセクション351bを参照)。この遊びにより、第2のステージ中にカートリッジホルダ302がハウジング350から離れるように動くことができるようになり、これについては以下で説明する。第2のセクションがらせん状に延びている場合には(図3Aにおいて315bで符号付けされた一番左側のセクションを参照)、軸方向の遊びはなくてもよい。特に、図に示してあるように、異なるハウジング案内機能351は、異なる構成の第2のセクション351bを有してもよく、たとえば1つのハウジング案内機能の第2のセクションは、らせん状に延びていてもよく、別のハウジング案内機能の第2のセクションは、角度方向だけに延びていてもよい。異なるハウジング案内機能の第1のセクションも同様に形成することができる。ハウジング案内機能351の第1のセクション351aは、第1のステージ中の動きを、たとえば軸方向にかつ/または角度方向に案内してもよく、案内機能の第2のセクション351bは、ハウジングに対するカートリッジホルダの、好ましくは角度運動または回転運動のみを案内してもよい。しかし、動きの第2のステージ中、ハウジングから離れるカートリッジユニットの動きの軸方向成分がなお存在してもよい。この目的のために、さらなるインターフェースが確立され、これについては以下でより詳細に説明する。したがって、カートリッジユニット案内機能327が、ハウジング案内機能351の第2のセクション351bと相互作用するときに、軸方向の動きと角度運動または回転運動とが含まれるので、この動きはなお、このセクションではらせん状であってもよい。第2のステージ中の動きまたは第2のセクションに関連したらせんのらせん角度は、第1のセクションまたは第1のステージに関連したらせんのらせん角度より小さくてもよい。代替的にまたは追加的に、それぞれのセクション351aと351bのらせん状範囲または2つのステージ中のらせん状の動きを画成するらせんは、反対方向に配向されてもよく、たとえばそれらは反対向きであってもよい。こうして、案内機能327が第2のセクションにある間に、カートリッジホルダはハウジングに対して遠位方向に、すなわち、第1のセクションにおいて動きが案内されるときにカートリッジホルダが移動する軸方向とは反対に移動することができる。したがって、案内機能327が、案内機能351の第1および第2のセクションと相互作用するまたはそれらのセクション内で移動するとき、動きの異なるステージが生じる。ハウジングに向かうカートリッジホルダの最初の近位方向の動きと、それに続きハウジングから離れる遠位方向の動きとを有する機構が、WO2012/130704A1に開示されており、この開示内容全体を参照によって本明細書に組み入れる。しかし、提案された概念は、他の、好ましくは再使用可能な薬物送達デバイス、たとえばペン型注射器などの注射デバイスにも適用可能である。
すでに上で述べたように、動きの第2のステージ中にハウジングから離れる軸方向の動きは、さらなるインターフェース、すなわち協働する案内機能327および351によって確立される案内インターフェースとは異なるインターフェースによって引き起こされる。このインターフェースは、傾斜インターフェースであってもよい。この目的のために、カートリッジホルダは、たとえばその近位端に、少なくとも1つの傾斜表面329または複数の傾斜表面を含む。ハウジングは、少なくとも1つまたは複数の対応する傾斜表面353を含む。傾斜表面353と329は、動きの第1のステージ中には相互作用せず(状況A)、第1のステージの終わりに、すなわちカートリッジホルダが第1のステージの軸方向距離だけハウジングに向かって動かされた後に、互いに協働するようになり(状況B)、第2のステージ中に互いに相互作用する(状況C)。傾斜表面353および329の傾きは等しくてもよい。
しかし、1つの傾斜表面があれば十分であり、傾斜表面に沿ってスライドする機能は、異なる形状、すなわち必ずしも傾斜状ではない形状を有してもよいことが、容易に理解されるべきである。傾斜表面の傾きは、好ましくは一定である。第2のステージ中の回転運動の間、ハウジングから離れる距離d分の軸方向の動きが傾斜表面によって引き起こされるように、傾斜表面の傾きが選択される。状況Bで見ることができるように、案内機能327と、案内機能のセクション351bを遠位方向に画定している壁との間の軸方向クリアランスは、距離dに等しくてもよい。状況Cの取付けプロセスの終わりに、案内機能327の遠位向き表面とハウジングの近位向き表面とが当接してもよい。状況Cでは、案内機能327の近位向き表面とハウジングの遠位向き表面との間の距離は、dより大きくてもよく、またはそれに等しくてもよい。状況Cでは、カートリッジホルダがハウジングに取り付けられたときに、固定機能328が、ハウジングの相補的な固定機能(図示せず)に係合している。第2のステージ中の回転角度は、45°未満など、10°より大きくかつ/または90°より小さくてもよく、たとえば約20°であってもよい。
傾斜表面353および/または329の角度方向範囲は、第2のステージ中の回転角度より大きくてもよい。これにより、適合しないコーティング構造を有するカートリッジホルダがハウジングに取り付けられようとした場合に、傾斜表面、たとえば傾斜表面353のセクションを使用してカートリッジホルダのたとえばコーディング機能に当接することができるようになる。これについては以下で説明する。
カートリッジホルダ302は、1つまたは複数のコーディング機能330を含む。コーディング機能は、軸方向に配向される。コーディング機能は、共通の傾斜構造において傾斜表面に一体化されてもよい。コーティング機能は、コーディング機能を角度方向に画定する表面332を含み、その角度方向は、たとえば第1のステージ中および/または第2のステージ中の回転方向とは反対である。第1のステージ中および第2のステージ中のハウジング部材350に対するカートリッジホルダ302の回転は、図3の遠位端から近位端の方を見るとき時計回りである。表面332は、軸方向に延びており、かつ/または軸方向に見ると、傾斜表面329に重なってもよい。表面332の軸方向範囲は、dより大きくてもよく、第1のステージ中および/または第2のステージ中の軸方向距離より大きくてもよく、かつ/または傾斜表面329および/または353の軸方向範囲より大きくてもよい。表面332の角度方向範囲は、あるとすれば、傾斜表面329または353のうちの1つより小さいことが好都合である。第1のステージ中および/または第2のステージ中に進む軸方向距離よりも大きい軸方向範囲を選択することにより、カートリッジホルダが適合しないハウジングに取り付けられようとしている場合に、角度方向、たとえば第1のステージ中および/または第2のステージ中の回転方向に隣接するコーディング機能330の近位向き表面333を使用して、ハウジングのコーディング機能によって提供された傾斜表面353またはハウジングの別の遠位向き表面に当接することができる。この当接により、ハウジングに向かうカートリッジホルダのさらなる軸方向の動きが防止され、したがって第2のステージを実行することができず、カートリッジホルダをハウジングに取り付けることができない。したがって、コーディングは、動きの第1のステージ中に、すなわち可能な限り早期に作用して、ユーザが誤ったカートリッジユニットをハウジングに取り付けようとしている場合にユーザに警告する。表面332の長さが、第2のステージ中の軸方向距離または寸法「d」より十分に長く、たとえば軸方向距離の少なくとも2倍であるとき、カートリッジホルダとハウジングが適合しない場合に、コーディング機能330によって第1のステージ中の早期にカートリッジホルダの取付けを阻止できることが保証できるようになる。代替的にまたは追加的に、表面332の長さが、第1のステージ中の軸方向距離より大きいなら有益でありうる。
ハウジングまたはカートリッジホルダにおいて傾斜構造を使用することにより、様々な異なる形状および/または異なる配置のコーディング機能を有するコーディング構造を実現するための堅牢で容易な方法が可能になり、これらのコーディング機能は、傾斜表面または傾斜機能とともに一意のコーディング構造を形成して共通の傾斜構造にする。言い換えれば、コーディング機能と傾斜表面は、軸方向に位置合わせされ、角度方向に離れていてもよい。こうした構造は、高価な成形ツールに多大な変更を加えることなく、既存のホルダに容易に組み込むことができる。
本開示で使用される傾斜構造は、180°の回転に対して回転対称とすることができる。こうして、カートリッジホルダを、2つの異なる回転配向においてハウジングに連結することができる。同様に、案内機能も、特に180°の回転に対して回転対称に配置されてもよい。
本開示で使用される傾斜構造の傾斜表面同士は、これらの間に配置されたコーディング機能によって隔てられていてもよい。コーディング機能とそれに続く傾斜表面との間の移行部は、径方向に配向された急角度の表面またはスロープ表面によって形成される。2つの傾斜表面間の移行部領域の(角度方向の)傾きは、傾斜表面の傾きより大きくてもよい。
図4は、適合する傾斜構造またはコーディング構造を有するカートリッジユニットとハウジングの実施形態を示し、これらの実施形態は、前の実施形態とは異なる傾斜構造またはコーディング構造を利用する。この場合も、カートリッジユニット300およびハウジングは、異なる状況A~Cに示されているが、案内機能は同じであってもよいので、断面図のみで示される。以下では、前に記載した実施形態との違いのみを検討する。
主な違いは、カートリッジホルダ302が、動きの第2のステージ中にハウジングの傾斜表面と相互作用する傾斜表面または少なくとも1つの有意な傾斜範囲を含まないことである。むしろ、ハウジングの傾斜表面353と相互作用するために、カートリッジホルダは、傾斜相互作用機能334を含む。この機能334の近位方向に面する表面335は、好都合には第2のステージの前に、たとえば第1のステージの最後に傾斜表面353に接触する(状況B)。この機能334は、第2のステージ中に傾斜表面353に沿ってスライドすることができる(状況C)。取付け手順の最後に、角度方向、好都合には第2のステージ中の回転方向に機能334を画定している表面が、角度方向に傾斜表面353を画定している機能に角度方向に当接してもよい。これにより、案内機能327、351によって形成された案内インターフェースによって提供される端部止め具に加えて、またはその代わりに、堅牢な回転端止め具が提供される。傾斜表面353の角度方向範囲は、表面335の角度方向範囲と、第2のステージ中に傾斜表面に沿った回転角度によって画成される角度方向範囲との合計より大きくてもよく、または図示してあるように、それに等しくてもよい。相互作用機能をハウジングに位置付け、傾斜表面をカートリッジホルダに位置付けることも可能であることが理解されるべきである。図4と図3の実施形態における傾斜表面の傾きは等しく、それによりこれらの傾きは、第2のステージの軸方向の動きを距離dだけ引き起こすことができる。すぐにわかるように、ハウジングの傾斜構造は、カートリッジホルダに合わせて調節されて、カートリッジユニットとハウジングとの適合ペアが提供される。それでもなおカートリッジホルダ302は、第2のステージ中にハウジングの機能に当接することがある傾斜表面329を含んでもよい。傾斜表面329および353は、図示しているものと同じ傾きを有してもよい。該当する場合には、傾斜表面329があれば十分であり、傾斜表面353を省くことができる。
したがって、同じ案内インターフェースであるが異なるコーディング構造および/または傾斜構造を有する場合、適合しないカートリッジホルダがハウジングに取り付けられるのを防止することができ、傾斜構造の傾斜表面は、第2のステージ中に軸方向の動きを有効にするか、生成することができる。
図5は、図4のカートリッジホルダを図3のハウジングに取り付けできないことを示す。まだ動きの第1のステージである間に、コーディング機能330の表面333は、第1のステージ中の回転の角度方向に見えるような傾斜表面353に、たとえばその端部セクションに当接する。したがって、さらなる軸方向および/または回転運動が防止され、カートリッジホルダをハウジングに取り付けることができない。したがって、等しい傾きで異なる設計および配置のコーディング機能の傾斜表面を含む異なる傾斜構造があることにより、ハウジングに対するカートリッジホルダの取付けが、好ましくはまだ動きの第1のステージ中に防止される。バヨネット型連結の動きのための同じ案内機能327および351が図3および図4の実施形態に存在しても、これは適用できる。
図6は、多様な7個の異なるカートリッジホルダを示し、これらはすべて、傾斜または傾斜構造の形状を有する。これらはすべて、図3のハウジングまたはハウジング部材350とともに示されており、すなわちハウジングの傾斜構造は常に同じである。ホルダのうちの(図3に示すのと同じ実施形態で、カートリッジホルダとハウジングの表示の下にかぎ形印(レ点)により示す)1つだけが、ハウジングに対応するようにコーティングされており、このハウジングには1つのカートリッジホルダしか取り付けられないことを意味していることがわかる。他の表示、すなわち「×」で示されたものは、たとえばらせん状の動きの第1のステージが完了する前に、カートリッジホルダのコーディング機能が、たとえば傾斜表面353を有するハウジングのコーディング機能と接触する。非対応の6個のカートリッジホルダのそれぞれについて、対応するハウジング構成要素を作製することができ、ひいてはこの構成要素は、他のカートリッジホルダのいずれにも対応しない。こうして、たとえば最大7個または最大10個のコーディングされた複数のカートリッジホルダのセットを提供することができ、それぞれのカートリッジホルダは、特定のハウジングまたは駆動機構にしか対応していない。示してあるシステムは、すべて同じ傾斜の傾斜表面を有する。
図7は、カートリッジユニット300(符号A)とハウジングまたはハウジング部材(符号B)の別の実施形態を示す。ハウジングまたはハウジング部材350は断面図で示してあり、カートリッジユニットは上面図で示してある。前の実施形態と反対に、コーディング機能および/または第2のステージの軸方向距離分の動きを提供する傾斜構造は、カートリッジホルダの近位端またはリムに配置されていない。むしろ傾斜構造は、段321の近位に面する表面上にまたはその表面内に設けられている。段は、カートリッジホルダ302の本体領域318とインターフェース領域320との間に配置され、このインターフェース領域320に案内機能327と固定機能328が配置される。したがって、近位にオフセットしており、特にカートリッジホルダの近位リムまたは縁部に一体化されていた前の実施形態とは反対に、傾斜構造は、案内機能327および/または固定機能328から遠位にオフセットしている。さらに、ハウジング内の対応する傾斜構造が、案内機能351から遠位にオフセットして設けられる。残りの機能は同じである。段は既存のデバイスの設けられることがあるので、傾斜構造を段321の近位表面に容易に実現することができる。
図8は、図7のカートリッジホルダ302とハウジングまたはハウジング部材350との取付け順序を異なる3つの状況(符号A~C)で示しており、これらは上で検討した状況に対応する。傾斜構造が互いに適合するので、カートリッジホルダをハウジングに取り付けることができる。ショルダまたは段321の傾斜構造または傾斜表面は、前に検討したのと同様に機能する。カートリッジホルダの傾斜の形状を、図3~図7に関して上で検討したのと同じまたは同様のやり方で調節することにより、コーディングされたカートリッジホルダとハウジングのセットを作製することができる。
図9は、ハウジングまたはハウジング部材350とカートリッジホルダ302の3つの対を示しており、ハウジングは常に同じ傾斜構造を有し、カートリッジホルダの傾斜構造が異なっている。左の対は、適合する傾斜構造を有し(かぎ形印またはレ点で示す)、他の対は適合しない傾斜構造を有する(「×」で示す)。右側の2つの対から明らかなように、ハウジングに向かう軸方向の動きは、傾斜構造が適合しないことから、動きの第2のステージが起こりうる前に止められ、すなわちさらなる動きが阻止されたとき、案内機能はまだ第1のセクション351aにある。
図10および図11は、カートリッジホルダとハウジングとの間のバヨネット型連結とともに使用するのに好適な別のコーディング構造を示す。図10は、カートリッジホルダ302をハウジングまたはハウジング部材350に連結済みであるときのカートリッジホルダ302を示す。この場合も、ハウジングの案内機能351は、2つのセクション351aおよび351bを有し、前に記載した実施形態とは対照的に、第1のセクションは軸方向にのみ延びており、第2のセクションは角度方向にのみ延びている。案内機能は、らせん状に延びるセクションを有していない。したがって、図示された実施形態のように、第1のステージでは軸方向の動きしかなく、第2のステージでは角度方向の動きしかなく、案内機能327は、第2のセクション351bまたは角度方向および軸方向の動き、好ましくはらせん状の動きと同じ軸方向寸法を有しており、これについては以下でさらに述べる。この案内機能327により、第2のステージ中に遠位方向へのカートリッジホルダ302の軸方向の動きが可能になる。第2のステージの完了後、前に記載したように、カートリッジホルダ302が、ハウジングまたはハウジング部材350に対する回転に対抗して固定される。
カートリッジユニット用のコーディング機能は、同時にコーディング機能としても作用する案内機能327またはラグによって実現される。好ましくは軸方向に位置合わせされた案内機能327の角度方向の幅(広い機能327aと狭い機能327b)および/または相対的な角度方向位置を、適合するハウジングを得るために適切に設計されたハウジング内の案内機能351とともに変えることにより、コーティングを実現することができる。1種類の案内機能(広いまたは狭い)を、同じ角度方向位置に留めて、狭い案内機能の位置を変えてもよい。図11は、いずれもカートリッジホルダの開口端から見たときの、多様な5個の異なるカートリッジホルダ302について潜在的なラグ機能の位置を示す。すべてのホルダ302に、2セットのラグまたは案内機能があることがわかり、これらの案内機能は、正反対に配設された「広い」ラグの第1のセットと、正反対に配設された「狭い」ラグの第2のセットである。また、広いラグは、各変形形態において同じ角度方向位置に位置付けられているが、狭いラグは、各事例において、広いラグに対して異なる角度方向位置まで回転されていることもわかる。ラグのこの配置がコーディングのセットを提供し、このことは、異なる各カートリッジホルダの変形形態は、適合するカートリッジユニットの案内機能またはラグと同じ角度方向位置に位置するチャネルまたは案内機能351を有するハウジングとしか係合可能でないことを意味する。
上で検討した一体型のコーディング機能を有する傾斜構造とは反対に、案内機能の角度方向の幅および/または位置を利用するこのコーディング構造は、第2のステージ中にハウジングから離れるカートリッジホルダの軸方向の動きを提供しない。この問題に対する潜在的な解決策は、移動の第2の領域にらせん状チャネル、すなわちらせん状の第2のセクション315bを導入することであってもよい。しかし、これらを本体の構成要素に成形するのは困難でありうる。より簡単に製造できる可能性が高い代替的な解決策を図12に示す。図12の表示Aは、カートリッジホルダ302をハウジングにアセンブリ済みであるときの側面図を示し、表示Bは断面図を示す。確認できるように、第2のセクションは、案内機能の軸方向範囲より軸方向に広く、動きの第2のステージ中にハウジングに対してカートリッジホルダを、たとえば距離dだけ遠位に変位させることができる。ハウジングまたはハウジング部材は、1つまたはそれ以上の傾斜表面353を有する。これらの表面は、カートリッジホルダ302と相互作用し、動きの第2のステージ中にカートリッジホルダ302をハウジングから離れるように軸方向に持ち上げる。最終位置では、向かい合うカートリッジホルダ302とハウジングまたは傾斜機能の、軸方向に重なる角度方向の表面間に、角度方向のクリアランス336が存在してもよい。角度方向のクリアランス336は、動きの第2のステージ中の回転の角度より大きくてもよくまたはそれに等しくてもよい。カートリッジホルダ302は、図示してあるように傾斜表面329を有してもよく、または前に記載したように相互作用機能334を有してもよい。
コーディング機能、特にハウジングのコーディング機能、すなわち案内機能351は、傾斜表面353から軸方向にオフセットしている。
たとえば非対応の2つのカートリッジホルダのセットを作製するためのさらなる概念を、図13に示す。この実施形態では、カートリッジホルダのうちの一方(表示A、図13の左手側に示す)は、その外側円筒表面に通常のやり方で形成されたバヨネットラグ機能を有する。他方のホルダ(表示B、右手側の図に示す)は、その外側円筒表面に形成されたバヨネットチャネルを有し、この変形形態のためのラグが、関連するハウジングの内壁に形成される。
この概念、すなわちチャネルもしくはトラックをラグに、またはその逆に案内機能のタイプを入れ替える概念は、他の実施形態のいずれにも適用できることに留意すべきである。なぜなら、ハウジングの案内機能とカートリッジホルダの案内機能によって形成されるインターフェースの全体的な機能は、ラグをチャネルにおよびその逆に切替えても変わらないからである。これをコーディング目的に使用することができるが、必須ではない。したがって、案内機能327としてのラグが、カートリッジホルダ302において開示されるとき、それらは代替的にハウジングまたはハウジング部材350にあってもよく、案内機能351としてのチャネルまたはトラックが、ハウジングまたはハウジング部材350に示されるとき、それらは代替的に、カートリッジホルダにあってもよい。
図14および図15は、開示したカートリッジアセンブリまたはシステムおよび機構とともに使用するのに好適な薬物送達デバイスの実施形態を概略的に示す。図14は、キャップ120が取り付けられ、カートリッジアセンブリ300またはユニットを覆っている状態のデバイス1を示す。図15では、キャップが取り外されている。カートリッジアセンブリ300は、図6に示すように、薬物送達デバイス1の本体またはハウジング10に解放可能に連結されることが好都合である。ハウジングは、デバイスの外側輪郭を画成し、スリーブ状に形成されることが好都合である。ハウジング部材350は、ハウジング10の内部に保持される。薬物または薬剤をデバイス1から投薬するために、針ユニットが針コネクタ319に連結される。用量設定部材70が、ハウジング10に移動可能に保持され、用量を設定するためにユーザによって操作されることが可能である。たとえば、用量設定部材70をハウジングに対して回転させて用量を設定することができる。デバイスは可変用量デバイスであってもよく、用量のサイズは、ハウジングに保持された駆動機能の設計によって事前決定されておらず、ユーザによって変更することができる。図15では、薬物送達デバイスの用量設定条件が示してあり、窓230に図示した数字が図14から変更されており、それにより現在設定されている用量のサイズを示す。用量設定中に、用量設定部材70がハウジング10に対して近位方向に変位されるように、デバイスを設計することができる。代替的に、用量設定部材は、設定容量とは無関係に同じ軸方向位置に留まってもよい。薬物送達デバイス1の近位端セクションに設けられた用量設定部材70または用量投薬部材を、遠位方向に動かす、またはそれに遠位方向の力を加えることにより、図15に示す位置から投薬動作を開始することができる。用量を投薬するために、たとえばデバイスのピストンロッド(明示的に図示せず)によって、栓がカートリッジ本体340に対して遠位方向に変位されることが好都合である。
上で検討したコーディングシステムを使用することにより、ハウジング10内の駆動機構の設計に対応した、特定の薬物もしくは薬剤、薬物製剤もしくは薬剤製剤、および/または容積を含むタイプのカートリッジユニット300だけを、ハウジング10に連結することができる。
保護範囲は、本明細書で上に提供した例に限定されない。本明細書に開示した任意の発明は、新規の各特徴および特徴の各組合せにおいて具体化され、これらの特徴は、特に特許請求の範囲に記載の任意の機能のあらゆる組合せを、たとえこの機能またはこの機能の組合せが特許請求の範囲または例に明示的に記載されていなくても含む。
300 カートリッジアセンブリ
301 カートリッジ
302 カートリッジホルダ
303 カートリッジ保持セクション
304 内壁
305 開口部
306 投薬端
307 薬物
308 セプタム
309 セプタムリテーナ
310 ヘッド部分
311 本体部分
312 ネック部分
313 カートリッジ表面
314 ショルダ表面
315 遠位端壁
316 開口部
317 遠位領域
318 本体領域
319 針コネクタ
320 連結領域
321 段
322 固定機能
323 射出ゲートマーク
324 固定表面
325 開口部
326 表面
327 案内機能
328 固定機能
329 傾斜表面
330 コーディング機能
331 ショルダ領域
332 表面
333 表面
334 傾斜相互作用機能
335 表面
336 角度方向クリアランス
340 カートリッジ本体
341 補強セクション
342 カートリッジ支持機能
350 ハウジング部材
351 案内機能
351a、b セクション
352 遠位端
353 傾斜表面
1 薬物送達デバイス
120 キャップ
70 用量設定部材
10 ハウジング
230 窓
A 厚さ
B 距離

Claims (14)

  1. 薬物送達デバイス(1)用のシステムであって:
    ハウジング(10、350)と、
    該ハウジングに取付け可能である、または該ハウジングに解放可能に取り付けられるカートリッジユニット(300)と
    を含み、
    ここで、該カートリッジユニットは、
    該カートリッジユニットをハウジングに取り付けるときに、カートリッジユニットとハウジングの互いに対する相対的な動きを案内するための案内インターフェース(327、351)を、ハウジングとともに確立するために提供されるカートリッジユニット案内機能(327)と、
    案内インターフェースに加えて、さらなるインターフェースをハウジングとともに形成するために提供されるカートリッジユニットインターフェース機能(329、334)であって、さらなるインターフェースは、カートリッジユニットがハウジングに取り付けられるときに確立される、カートリッジユニットインターフェース機能と
    を含み、
    案内インターフェースは、カートリッジユニットがハウジングに取り付けられるときに、カートリッジユニットとハウジングとの間の少なくとも2つの異なる動きのステージ、すなわち第1のステージの軸方向における第1のステージの軸方向距離分の少なくとも軸方向の動きを有する第1のステージ(351a)、および第2のステージの回転方向における第2のステージの角度分の少なくとも回転運動を有する第2のステージ(351b)を画成するバヨネット型のインターフェースであり、
    さらなるインターフェースは、傾斜インターフェースであるか、傾斜インターフェースを含み、
    カートリッジユニットは少なくとも1つのカートリッジユニットコーディング構造(330)を含み、該カートリッジユニットコーディング構造は、動きの第2のステージの前に、ハウジングのハウジングコーディング構造(353)の少なくとも1つのハウジングコーディング機能とともにコーディングインターフェースを確立するために提供され、そして、
    カートリッジユニットコーディング構造は、1つまたはそれ以上のカートリッジユニットコーディング機能(330)を含み、それぞれの該カートリッジユニットコーディング機能は、第1のステージの軸方向距離より大きいまたはそれに等しい軸方向範囲を有する表面(332)によって角度方向に画定された、軸方向に延びている機能である、前記システム。
  2. カートリッジユニットがハウジングに取り付けられるときに、第2のステージにおいて、第1のステージの軸方向距離とは反対の第2のステージの軸方向に、第2のステージの軸方向距離(d)分、カートリッジユニット(300)がハウジング(10、350)に対して動かされ、第2のステージの軸方向距離分の動きが、傾斜インターフェースによって画成または制御されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
  3. ハウジング(10、350)は、さらなるインターフェースを確立するためにカートリッジユニットインターフェース機能と相互作用するように構成されたハウジングインターフェース機能を含み、該ハウジングインターフェース機能とカートリッジユニットインターフェース機能のうちの少なくとも一方が傾斜表面(329、353)を含む、請求項1または2に記載のシステム。
  4. 傾斜表面(329、353)の傾きは、第2のステージの軸方向距離(d)および第2のステージの角度によって画成される傾きに等しい、請求項2または3に記載のシステム。
  5. 傾斜表面の両端間の高さの差が、第2のステージの軸方向距離(d)より大きいまたはそれに等しい、請求項2~4のいずれか1項に記載のシステム。
  6. カートリッジユニットコーディング構造は、1つまたはそれ以上のカートリッジユニットコーディング機能(327a、327b)を含み、それぞれの該カートリッジユニットコーディング機能は、カートリッジユニットインターフェース機能(329、334)から軸方向に離れている、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
  7. それぞれのハウジングコーディング機能またはそれぞれのカートリッジユニットコーディング機能は、傾斜表面と同じ傾斜構造の一部であるが傾斜表面から角度方向にオフセットした機能によって形成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
  8. カートリッジユニット(300)は、カートリッジホルダ(302)とカートリッジ(301)とを含むカートリッジアセンブリであり、カートリッジは薬物(307)を含み、カートリッジはカートリッジホルダに恒久的に固定される、請求項1~のいずれか1項に記載のシステム。
  9. 1つまたはそれ以上のカートリッジユニットコーディング機能は、1つまたはそれ以上のカートリッジユニット案内機能から軸方向にオフセットしている、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
  10. 請求項1~の少なくとも1項に記載のシステムを含む装置であって、システムのカートリッジユニット(300)が第1のカートリッジユニットであり、装置は第2のカートリッジユニット(300)を含み、該第2のカートリッジユニットは、第2のカートリッジユニット案内機能(327)と第2のカートリッジユニットインターフェース機能(329、334)とを有し、
    ここで、第1のカートリッジユニットおよび第2のカートリッジユニットは、異なる薬物もしくは薬物製剤を含み、かつ/または異なる寸法のカートリッジを含み、
    第1と第2のカートリッジユニットのカートリッジユニットコーディング構造同士は、第1のカートリッジユニットをハウジング(10、350)に取り付けることができるように第1のカートリッジユニットのカートリッジユニットコーディング構造とハウジングコーディング構造が互いに適合し、第2のカートリッジユニットのカートリッジユニットコーディング構造とハウジングコーディング構造は互いに適合せず、それにより第2のカートリッジユニットをハウジングに取り付けることができないように、異なっている、前記装置。
  11. ハウジング(10、350)は第1のハウジングであり、装置は第2のハウジングを含み、ここで、カートリッジユニットコーディング構造が異なることから、第2のカートリッジユニットは第2のハウジングに取り付けることができ、第1のカートリッジユニットは取り付けることができず、第2のカートリッジユニットと第2のハウジングは、案内インターフェースに加えて、協働してさらなるインターフェースを形成するカートリッジユニットインターフェース機能(329、334)とハウジングインターフェース機能(353)とを有し、さらなるインターフェースは傾斜インターフェースを含み、第1のハウジングと第1のカートリッジユニットとの間の傾斜インターフェースを制御する第1の傾斜表面と、第2のハウジングと第2のカートリッジユニットとの間の傾斜インターフェースを制御する第2の傾斜表面とは、同じ傾きを有する、請求項10に記載の装置。
  12. 第1の傾斜表面は、複数の傾斜表面を含む第1の傾斜構造の一部であり、第2の傾斜表面は、複数の傾斜表面を含む第2の傾斜構造の一部であり、第1の傾斜構造と第2の傾斜構造は同様に構成されている、請求項11に記載の装置。
  13. 請求項1~のいずれか1項に記載のシステムを含む薬物送達デバイスであって、薬物送達デバイスが薬剤を含む、前記薬物送達デバイス。
  14. 請求項10~12のいずれか1項に記載の装置を含む薬物送達デバイスのセットであって、薬物送達デバイスが薬剤を含む、前記薬物送達デバイスのセット。
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