JP7409522B2 - X線位相イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線位相イメージング装置に関し、特に、被写体を回転させながら撮影するX線位相イメージング装置に関する。
従来、被写体を回転させながら撮影するX線イメージング装置が知られている。このようなX線位相イメージング装置は、たとえば、特開2019-45394号公報に開示されている。
特開2019-45394号公報には、X線源と、X線検出器と、X線源とX線検出器との間に配置された複数の格子と、回転機構と、方向変更機構と、を備えたX線イメージング装置が開示されている。回転機構は、被写体を、X線の照射軸と直交する方向に延びる軸線周りに回転させるように構成されている。方向変更機構は、方向変更機構がX線源と正対した状態において、X線の照射軸線と同一線状となる回転軸線回りに被写体を回転させるように構成されている。また、特開2019-45394号公報に開示されている構成では、方向変更機構は、回転機構に設けられている。そのため、特開2019-45394号公報に開示されているX線位相イメージング装置は、方向変更機構によって上記回転軸回りに被写体を回転させるとともに、回転機構によって方向変更機構を回転させながら撮影を行うように構成されている。また、特開2019-45394号公報では、被写体として、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を撮影する。
CFRPは、樹脂母材と炭素繊維とによって構成されている。CFRPを撮影する場合、炭素繊維が配置される方向に応じて、様々な方向にX線が拡散される。CFRPのように、X線を様々な方向に拡散する被写体を特開2019-45394号公報に開示されているようなX線イメージング装置で撮影する場合、格子の格子パターンが延びる方向に沿った方向に配置される炭素繊維によって拡散されたX線を検知することにより、被写体の内部構造を画像化することができる。そのため、被写体内において、様々な方向に向いて配置された炭素繊維を正確に画像化するために、格子に対して被写体を回転させながら撮影を行う。
特開2019-45394号公報では、回転機構によって方向変更機構とともに被写体を回転させることにより、いわゆるCT(Computed Tomography)撮影を行う構成が開示されている。回転機構によって被写体を回転させながら撮影を行う際に、方向変更機構が写り込むと、方向変更機構によって拡散されたX線に起因するアーチファクトが生じるため、得られる画像の画質が低下する。そのため、特開2019-45394号公報に開示されている方向変更機構は、駆動部と、1/4(90度)の円弧状形状を有するフレームの周方向に沿って被写体を回転させることにより、回転機構によって方向変更機構とともに被写体を回転させる際に、フレームが写り込まないような構成としている。
特開2019-45394号公報
特開2019-45394号公報に開示されている被写体載置部、回転機構または方向変更機構は、金属で構成されているので、X線の照射範囲内にこれらの部材が載置されると、これらの部材によって拡散されたX線に起因するアーチファクトが生じ、得られる画像の画質が低下するという課題がある。たとえば、特開2019-45394号公報に開示されている構成では、方向変更機構が画像に写らないようにするため、1/4の円弧形状を有するフレームに沿って被写体を回転させるため、最大で90度しか被写体を回転させることができない。方向変更機構によって被写体を回転させることが可能な角度範囲が狭い場合、被写体内の炭素繊維が格子によって検知可能な向きに炭素繊維が向くように被写体を配置できない場合がある。その場合、被写体の内部構造を正確に画像化することが困難になる。特開2019-45394号公報に開示されている方向変更機構のフレームの形状を、たとえば、1/2の円弧形状となるように構成すれば、被写体を回転させることが可能な角度範囲を広げることは可能である。しかしながら、特開2019-45394号公報に開示されている方向変更機構のフレームの形状を1/2の円弧形状となるように構成した場合、回転機構によってX線の照射軸と直交する方向の軸線周りに被写体を回転させた際に、方向変更機構のフレームが写り込む。その場合、方向変更機構のフレームに起因してアーチファクトが生じる。そこで、被写体を回転させる際の角度範囲を広げつつ、アーチファクトが生じることを抑制することが可能な構成が望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、X線照射範囲内に配置される被写体載置部に起因してアーチファクトが生じることを抑制することが可能なX線位相イメージング装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるX線位相イメージング装置は、被写体にX線を照射するX線源と、X線源から照射されたX線を検出するX線検出器と、X線源とX線検出器との間に配置され、X線源からX線が照射される第1格子と、第1格子からのX線が照射される第2格子とを含む複数の格子と、X線照射範囲内に配置され、被写体が載置される被写体載置部と、X線検出器により検出されたX線の強度分布に基づいて暗視野像を含むX線位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備え、被写体載置部は、被写体載置部に入射するX線に対する、被写体載置部を透過したX線の減衰の比率であるX線の透過率が金属よりも大きく、被写体載置部に入射するX線に対する、被写体載置部に入射することによって方向が変化するX線の拡散の比率であるX線の散乱度合いが金属よりも小さい第1材料により形成されている。
上記一の局面におけるX線位相イメージング装置では、上記のように、被写体が載置される被写体載置部が、被写体載置部に入射するX線に対する、被写体載置部を透過したX線の減衰の比率であるX線の透過率が金属よりも大きく、被写体載置部に入射するX線に対する、被写体載置部に入射することによって方向が変化するX線の拡散の比率であるX線の散乱度合いが金属よりも小さい第1材料により形成されている。これにより、被写体載置部をX線の照射範囲内に配置した場合でも、被写体載置部が金属材料によって形成される構成と比較してアーチファクトが生じることを抑制することができる。
一実施形態によるX線位相イメージング装置の全体構成を示した模式図である。 一実施形態によるX線位相イメージング装置の格子位置調整機構の構成を説明するための図である。 X線位相コントラスト画像を生成する構成を説明するための模式図である。 一実施形態による第1回転機構および第2回転機構をX2方向側から見た模式図である。 一実施形態による第1回転機構および第2回転機構をY1方向側から見た模式図である。 一実施形態による第1回転機構および第2回転機構をX1方向側から見た模式図である。 一実施形態による被写体ステージ、第1プーリー、および、ローラーガイドの構成を説明するための模式図(A)~模式図(C)である。 被写体ステージ、第1プーリー、および、ローラーガイドをY1方向側から見た模式図である。 一実施形態による被写体載置部を形成する樹脂の実験結果を示す図である。 一実施形態による第1回転機構が被写体を回転させる構成を説明するための模式図である。 一実施形態による第2回転機構が第1回転機構を回転させる構成を説明するための模式図である。 一実施形態による制御部が、被写体を撮影する処理を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態によるX線位相イメージング装置100の全体構成について説明する。
図1に示すように、X線位相イメージング装置100は、タルボ(Talbot)効果を利用して、被写体90の内部を画像化する装置である。被写体90は、X線の拡散方向に指向性を有する部材である。被写体90は、たとえば、CFRPである。X線位相イメージング装置100は、X線源1と、X線検出器2と、第1格子3と第2格子4とを含む複数の格子と、X線位相イメージング装置用被写体回転ユニット6と、コンピュータ7と、表示部8と、入力受付部9と、格子位置調整機構10と、を備えている。また、本実施形態では、複数の格子は、第3格子5をさらに含む。
X線位相イメージング装置100では、X線源1と、第3格子5と、第1格子3と、第2格子4と、X線検出器2とが、X線の照射軸50方向に、この順に並んで配置されている。すなわち、第1格子3および第2格子4は、X線源1とX線検出器2との間に配置されている。なお、本明細書では、上下方向をZ方向とし、上方向をZ1方向、下方向をZ2方向とする。また、X線源1からX線検出器2に向かう方向をX方向とし、一方側をX1方向、他方側をX2方向とする。また、Z方向およびX方向と直交する方向をY方向とし、一方側をY1方向、他方側をY2方向とする。
X線源1は、被写体90にX線を照射するように構成されている。具体的には、X線源1は、高電圧が印加されることにより、X線を発生させるように構成されている。
X線検出器2は、X線源1から照射されたX線を検出するように構成されている。また、X線検出器2は、検出されたX線を電気信号に変換するように構成されている。X線検出器2は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。X線検出器2は、複数の変換素子(図示せず)と複数の変換素子上に配置された画素電極(図示せず)とにより構成されている。複数の変換素子および画素電極は、所定の周期(画素ピッチ)で、Z方向およびY方向に並んで配置されている。X線検出器2の検出信号(画像信号)は、後述する画像処理部71に送られる。
第1格子3は、X線源1とX線検出器2との間に配置され、X線源1からX線が照射される。第1格子3は、Z方向に所定の周期(格子ピッチ)3cで配列されるスリット3aおよびX線位相変化部3bを有している。各スリット3aおよびX線位相変化部3bは、Y方向に直線状に延びるように形成されている。第1格子3は、いわゆる位相格子である。第1格子3は、X線源1と第2格子4との間に配置されており、X線源1から照射されたX線により(タルボ効果によって)自己像を形成するために設けられている。なお、タルボ効果とは、可干渉性を有するX線が、スリットが形成された格子を通過すると、格子から所定の距離(タルボ距離)離れた位置に、格子の像(自己像)が形成されることを意味する。
第2格子4は、第1格子3からのX線が照射される。第2格子4は、Z方向に所定の周期(格子ピッチ)4cで配列される複数のX線透過部4aおよびX線吸収部4bを有している。各X線透過部4aおよびX線吸収部4bは、Y方向に直線状に延びるように形成されている。第2格子4は、いわゆる、吸収格子である。第2格子4は、第1格子3とX線検出器2との間に配置されており、第1格子3により形成された自己像に干渉するように構成されている。第2格子4は、自己像と第2格子4とを干渉させるために、第1格子3からタルボ距離だけ離れた位置に配置されている。
第3格子5は、X線源1と第1格子3との間に配置される。第3格子5は、Z方向に所定の周期(ピッチ)5cで配列される複数のスリット5aおよびX線吸収部5bを有している。各スリット5aおよびX線吸収部5bはそれぞれ、Y方向に直線状に延びるように形成されている。また、各スリット5aおよびX線吸収部5bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。第3格子5は、X線源1と第1格子3との間に配置されており、X線源1からX線が照射される。第3格子5は、各スリット5aを通過したX線を、各スリット5aの位置に対応する線光源とするように構成されている。
なお、本実施形態では、第1格子3、第2格子4、および、第3格子5の各々は、格子パターンがY方向に延びる向きに配置される。なお、格子パターンとは、スリット3a、X線位相変化部3b、X線透過部4a、X線吸収部4b、スリット5a、および、X線吸収部5bなどである。
X線位相イメージング装置用被写体回転ユニット6は、第1回転機構20と、第2回転機構30とを備えている。
第1回転機構20は、被写体90が載置される被写体載置部21を含み、X線源1と正対した状態において、X線の照射軸50と同一直線状であり、かつ、被写体載置部21の中心を通る第1軸線51周りの第1回転方向に回転させるように構成されている。第1回転機構20の詳細な構成については、後述する。なお、第1回転機構20は、第2回転機構30によって、後述する第2軸線52周りの第2回転方向に回転させられる。そのため、第2回転機構30によって第1回転機構20が回転された際の角度によって、第1軸線51が延びる方向は変化し得る。
第2回転機構30は、第1回転機構20を保持し、第1軸線51と直交する方向に延びる第2軸線52周りの第2回転方向に第1回転機構20を回転させるように構成されている。第2回転機構30の詳細な構成については、後述する。図1に示す例では、第2軸線52は、Z方向に延びる軸線である。
コンピュータ7は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)や画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサ7aと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリとを含む。
プロセッサ7aは、制御部70と、画像処理部71とを含む。制御部70は、X線源1、格子位置調整機構10、第1回転機構20、および、第2回転機構30などの制御を行うように構成されている。制御部70は、プロセッサ7aが各種プログラムを実行することにより実現される機能ブロックとしてソフトウェア的に構成される。制御部70は、専用のプロセッサ(処理回路)を設けてハードウェアにより構成されていてもよい。
画像処理部71は、第1回転機構20および第2回転機構30によって被写体90を第1回転方向および第2回転方向に回転させながら撮影することにより、X線検出器2により検出されたX線の強度分布に基づいてX線位相コントラスト画像40を生成するように構成されている。本実施形態では、画像処理部71は、第1回転機構20および第2回転機構30によって被写体90を回転させながら撮影することにより、3次元のX線位相コントラスト画像40を生成するように構成されている。画像処理部71は、プロセッサ7aが各種プログラムを実行することにより実現される機能ブロックとしてソフトウェア的に構成される。画像処理部71は、専用のプロセッサ(処理回路)を設けてハードウェアにより構成されていてもよい。画像処理部71がX線位相コントラスト画像40を生成する構成の詳細については、後述する。
ここで、X線位相イメージング装置100では、第1回転機構20および第2回転機構30によって、第1回転方向および第2回転方向に被写体90を回転させることにより、複数の撮影位置で撮影を行う。画像処理部71は、複数の撮影位置において撮影されたX線位相コントラスト画像40に基づいて、3次元のX線位相コントラスト画像40を生成する。その際、各撮影位置において撮影されたX線位相コントラスト画像40の位置合わせを行う。
記憶部7bは、画像処理部71が生成したX線位相コントラスト画像40、プロセッサ7aが実行する各種プログラムを記憶するように構成されている。記憶部7bは、HDD(Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性のメモリを含む。
表示部8は、画像処理部71が生成したX線位相コントラスト画像40を表示する。表示部8は、たとえば、液晶モニタを含む。
入力受付部9は、操作者の操作入力を受け付けるように構成されている。入力受付部9は、たとえば、キーボードやマウスなどの入力デバイスを含む。
格子位置調整機構10は、第1格子3を、X方向、Y方向、Z方向、Z方向の軸線周りの回転方向Rz、X方向の軸線周りの回転方向Rx、および、Y方向の軸線周りの回転方向Ryに移動可能に構成されている。
(格子位置調整機構)
図2に示すように、格子位置調整機構10は、X方向直動機構10aと、Z方向直動機構10bと、Y方向直動機構10cと、直動機構接続部10dと、ステージ支持部駆動部10eと、ステージ支持部10fと、ステージ駆動部10gと、ステージ10hと、を含む。
X方向直動機構10a、Z方向直動機構10bおよびY方向直動機構10cは、それぞれ、X方向、Z方向およびY方向に移動可能に構成されている。X方向直動機構10a、Z方向直動機構10bおよびY方向直動機構10cは、たとえば、ステッピングモータなどを含む。格子位置調整機構10は、X方向直動機構10a、Z方向直動機構10bおよびY方向直動機構10cの動作により、それぞれ、第1格子3を、X方向、Z方向およびY方向に移動させるように構成されている。
ステージ支持部10fは、第1格子3を載置させるためのステージ10hを図2の下方(Z2方向)から支持している。ステージ駆動部10gは、ステージ10hをX方向に往復移動させるように構成されている。ステージ10hは、底部がステージ支持部10fに向けて凸曲面状に形成されており、X方向に往復移動されることにより、Y方向の軸線周り(Ry方向)に回動するように構成されている。また、ステージ支持部駆動部10eは、ステージ支持部10fをY方向に往復移動させるように構成されている。また、ステージ支持部10fは底部が直動機構接続部10dに向けて凸曲面状に形成されており、Y方向に往復移動されることにより、X方向の軸線周り(Rx方向)に回動するように構成されている。また、直動機構接続部10dは、Z方向の軸線周り(Rz方向)に回動可能にX方向直動機構10aに設けられている。上記の構成により、格子位置調整機構10では、X方向直動機構10aの動作により、第1格子3をX方向に縞走査させることができる。
(X線位相コントラスト画像を生成する構成)
次に、図3を参照して、画像処理部71がX線位相コントラスト画像40を生成する構成について説明する。画像処理部71は、X線検出器2によって検出されたX線の強度分布に基づいて取得された強度信号曲線41および強度信号曲線42を用いて、X線位相コントラスト画像40を生成する。X線位相コントラスト画像40は、吸収像、位相微分像、および、暗視野像を含む。また、強度信号曲線41は、被写体90を配置した状態で撮影することにより得られるX線の強度の分布を示す曲線である。また、強度信号曲線42は、被写体90を配置していない状態で撮影することにより得られるX線の強度の分布を示す曲線である。
図3に示すように、吸収像は、被写体90を配置して撮像した際のX線の平均強度Csと、被写体90を配置せずに撮像した際のX線の平均強度Crとの比によって生成することができる。また、位相微分像は、被写体90を配置して撮像して取得した強度信号曲線41と、被写体90を配置せずに撮像して取得した強度信号曲線42との位相差Δφを所定の算出によって求められた数を乗算することにより生成することができる。また、暗視野像は、被写体90を配置せずに撮像した際のVisibility(Vr)と被写体90を配置して撮像した際のVisibility(Vs)との比によって生成することができる。Vrは、強度信号曲線42の振幅Arと平均強度Crとの比によって求めることができる。また、Vsは、強度信号曲線41の振幅Asと平均強度Csとの比によって求めることができる。
なお、本実施形態では、画像処理部71は、少なくとも、暗視野像を生成すればよい。すなわち、画像処理部71は、吸収像および位相微分像は生成しなくてもよい。
(第1回転機構および第2回転機構)
次に、図4~図6を参照して、本実施形態による第1回転機構20および第2回転機構30の構成について説明する。
図4に示すように、第1回転機構20は、被写体載置部21と、駆動部22と、動力伝達部材と、を備える。
(被写体載置部)
被写体載置部21は、X線の照射範囲内に配置され、被写体90が載置される。本実施形態では、被写体載置部21は、X線の透過率が金属よりも大きく、X線の散乱度合いが金属よりも小さい第1材料により形成されている。具体的には、被写体載置部21は、第1材料として、X線の透過率がフッ素樹脂よりも大きく、X線の散乱度合いがフッ素樹脂よりも小さい樹脂材料によって形成されている。これにより、被写体載置部21をX線の照射範囲内に配置した場合でも、アーチファクトが生じることを抑制することができる。すなわち、被写体載置部21をX線の照射範囲内に配置することができる。被写体載置部21を形成する樹脂材料の詳細については、後述する。なお、被写体90が載置されるとは、被写体90が被写体載置部21上に置かれることのみならず、被写体載置部21に保持されることを含む。なお、「樹脂材料」は、請求の範囲の「第1材料」の一例である。
被写体載置部21は、板状形状を有し、被写体90が載置される被写体ステージ21aと、円筒形状を有し、後述する駆動力伝達部材と係合する第1プーリー21bと、を含む。なお、本実施形態では、被写体載置部21は、後述するベアリング26と係合するローラーガイド21cをさらに含む。本実施形態では、被写体ステージ21a、第1プーリー21b、および、ローラーガイド21cの各々は、第1材料により形成されている。すなわち、被写体ステージ21a、第1プーリー21b、および、ローラーガイド21cの各々は、いずれも、樹脂材料により形成されている。被写体ステージ21a、第1プーリー21b、および、ローラーガイド21cの各々を形成する樹脂材料の詳細については、後述する。
被写体ステージ21aは、被写体90を保持するように構成されている。本実施形態では、被写体ステージ21aは、たとえば、被写体90が張り付けられることにより、被写体90を保持するように構成されている。また、被写体ステージ21aは、第1プーリー21bに接続されており、第1プーリー21bと一体的に回転するように構成されている。
第1プーリー21bは、動力伝達部材を介して後述する第2プーリー22bと接続されている。また、第1プーリー21bは、第2プーリー22bが回転することにより、第2プーリー22bの回転が動力伝達部材を介して伝達され、第2プーリー22bとともに回転される。
ローラーガイド21cは、第1プーリー21bに接続されており、第1プーリー21bとともに一体的に回転するように構成されている。すなわち、被写体載置部21は、第1プーリー21bが回転することにより、被写体ステージ21aを回転させるように構成されている。また、被写体載置部21は、ローラーガイド21cが、被写体ステージ21aおよび第1プーリー21bの回転をガイドするように構成されている。
(駆動部および駆動力伝達部材)
駆動部22は、被写体載置部21を回転させる駆動力を付与するように構成されている。駆動部22は、被写体載置部21から離間し、かつ、X線の照射範囲外となる位置に設けられている。具体的には、図4に示すように、駆動部22は、被写体載置部21からZ2方向側に離間した位置に設けられている。駆動部22は、駆動力を発生させるモータ22a(図5参照)と、第2プーリー22bとを含む。
駆動力伝達部材は、駆動部22から付与された駆動力によって被写体載置部21を回転させるように構成されている。駆動力伝達部材のうち、X線の照射範囲内に配置される部材は、第1材料により形成されている。駆動力伝達部材は、第1プーリー21bと係合するベルト部材24を含む。ベルト部材24は、ゴム材料により形成されている。具体的には、ベルト部材24は、ゴム材料として、クロロプレンゴムによって形成されている。また、ベルト部材24は、環状形状を有しており、第1プーリー21bおよび第2プーリー22bの各々に係合している。
また、第2プーリー22bは、第2材料である金属材料により形成されている。第2プーリー22bは、モータ22aと接続されている。第2プーリー22bは、モータ22aによって発生された駆動力により、回転するように構成されている。また、第2プーリー22bは、ベルト部材24によって第1プーリー21bと連結されている。すなわち、第1回転機構20は、いわゆる、ベルトアンドプーリー機構である。第2材料である金属材料は、たとえば、鉄材料を含む。
(フォトセンサ)
また、本実施形態では、第1回転機構20は、駆動部22の回転角度を取得するためのフォトセンサ27を備える。フォトセンサ27は、光学センサを含む。
フォトセンサ27は、第1回転機構20が第2回転機構30に保持された状態において、後述する支持部材23のうち、第2回転機構30側(Z2方向側)に設けられている。フォトセンサ27は発光部(図示せず)と、受光部(図示せず)とを含んでいる。制御部70は、発光部から発光された光が、受光部によって検知されるか否かによって、発光部と受光部との間に部材があるか否かを検知する。
図4に示すように、第2プーリー22bには、プレート部材22cが設けられている。プレート部材22cは、矩形形状を有しており、所定の位置において、フォトセンサ27の発光部から発せられる光を遮蔽するように構成されている。すなわち、プレート部材22cは、所定の位置においてフォトセンサ27によって検知される。本実施形態では、フォトセンサ27によって、プレート部材22cが検知される位置を、第2プーリー22bの原点とする。制御部70は、第2プーリー22bを原点位置に配置した後、モータ22aに入力したパルス数に基づいて、第2プーリー22bの回転角度を取得するように構成されている。
すなわち、制御部70は、第2プーリー22bの回転角度を取得することにより、ベルト部材24によって第2プーリー22bとともに回転する被写体載置部21の角度を取得することができる。なお、フォトセンサ27にX線が照射されることを抑制するために、金属材料により形成された保護部材(図示せず)を設けることが好ましい。
(支持部材)
第1回転機構20は、樹脂材料により形成され、一方側において被写体載置部21を回転可能に支持する支持部材23を含む。支持部材23は、第2回転機構30と当接する当接部23aと、被写体載置部21を支持する支持部23bと、カバー部23c(図5参照)とを含む。本実施形態では、当接部23aは、支持部23bの他方側(Z2方向側)に設けられている。また、支持部23bは、Z1方向側において、被写体載置部21を回転可能に保持している。また、カバー部23cは、支持部23bのZ1方向側に設けられており、第1プーリー21bおよびローラーガイド21cを覆うように構成されている。支持部材23を形成する樹脂材料の詳細については、後述する。
(係合部)
また、本実施形態では、支持部材23には、第1回転機構20が第2回転機構30に保持された際に、被写体載置部21の表面上であり、かつ、被写体載置部21の回転中心を通る鉛直線53と、第2軸線52とが、同一直線状となるように第2回転機構30と係合する係合部25が設けられている。本実施形態では、係合部25は、当接部23aに設けられている。
(第2回転機構)
第2回転機構30は、載置部31と、載置部31を第2軸線52の周りに回転させる駆動部32と、載置部31を回転させる際の原点を検知する原点センサ(図示せず)とを備える。載置部31は、上面視において、円形形状を有する。また、載置部31のZ1方向側には、第1回転機構20が載置される載置面31aが設けられている。本実施形態では、第2回転機構30は、載置部31(載置面31a)に、第1回転機構20が載置されることにより、第1回転機構20を保持する。
本実施形態では、第2回転機構30は、第1回転機構20を着脱可能に保持するように構成されている。また、載置面31aには、係合部25と係合する凹部33が設けられている。凹部33は、載置面31aの回転中心となる位置に設けられている。
また、本実施形態では、図4に示すように、第1回転機構20は、樹脂材料により形成され、被写体載置部21の外周部に係合するベアリング26を含む。具体的には、ベアリング26は、後述する支持部材23に設けられている。また、ベアリング26は、ローラーガイド21cの外周部に係合する。すなわち、被写体載置部21は、ベアリング26を介して、支持部材23に支持されている。ベアリング26は、被写体載置部21のZ方向における位置決めを行うとともに、被写体載置部21の第1軸線51周りの回転方向における回転をガイドするために設けられている。本実施形態では、図4に示すように、第1回転機構20は、上側(Z1方向側)からローラーガイド21cの外周部に係合する1つのベアリング26と、下側(Z2方向側)からローラーガイド21cの外周部に係合する2つのベアリング26とを含む。なお、被写体載置部21のZ方向における位置決めを行うことが可能であるとともに、被写体載置部21の第1軸線方向における回転を補助することが可能であれば、3つよりも多い個数のベアリング26が設けられていてもよい。
(貫通孔)
被写体載置部21の回転中心には、第1軸線51に沿う方向に被写体載置部21の載置面121a(図5参照)を貫通し、第1回転機構20の第1軸線51方向における傾きを検出するための貫通孔121cが設けられている。
被写体90が第1回転機構20の第1軸線51方向において傾いた状態で撮影された場合、被写体90の位置合わせが複雑になる。そこで、本実施形態では、画像処理部71(図1参照)は、第1軸線51方向における傾きを予め取得するとともに、第1軸線51方向における傾きを補正したX線位相コントラスト画像40を位置合わせするように構成されている。具体的には、画像処理部71は、各X線位相コントラスト画像40内に写る貫通孔121cに基づいて、第1回転機構20の第1軸線方向における傾きを検出することができる。
図5に示すように、被写体載置部21は、第1軸線51が延びる方向において、支持部23bの一方側に設けられている。図5に示す例では、被写体載置部21は、支持部23bのX2方向側に設けられている。また、第2プーリー22bは、第1軸線51が延びる方向において、支持部23bのうち、被写体載置部21が設けられている側に設けられている。図5に示す例では、第2プーリー22bは、支持部23bのX2方向側に設けられている。また、モータ22aは、第1軸線51が延びる方向において、支持部23bの他方側に設けられている。図5に示す例では、モータ22aは、支持部23bのX1方向側に設けられている。
また、図5に示すように、被写体載置部21の第1軸線51方向における厚み60は、第1軸線51方向における支持部材23の厚み61よりも小さい。なお、支持部材23の厚み61とは、X方向における支持部23bの厚みと、カバー部23cの厚みとを合わせた厚みである。なお、図5に示す例では、簡単のため、Y1方向側のカバー部23cの図示を省略している。
また、本実施形態では、図5に示すように、第1回転機構20は、第1軸線51と、第2軸線52とが、被写体ステージ21aの載置面121a上で交差する位置となるように、第2回転機構30に保持される。これにより、第2回転機構30によって第2回転方向周りに被写体90を回転させた場合でも、複数の格子の感度に対する影響を抑制することができる。
(支持部材の開口)
本実施形態では、被写体載置部21および支持部材23は、共に、第1材料である樹脂材料で形成されている。樹脂材料は、金属材料と比較した場合、X線の透過率は高い。しかしながら、樹脂材料であっても、厚みが大きくなるにつれて、X線の透過率が低下する。そこで、本実施形態では、図6に示すように、支持部材23には、開口23dが設けられている。支持部材23は、開口23dの位置に被写体ステージ21aが配置されるように、被写体載置部21を保持している。また、開口23dのZ方向の大きさは、被写体ステージ21aのX方向の大きさよりも大きい。また、開口23dのY方向の大きさは、被写体ステージ21aのY方向の大きさよりも大きい。これにより、X線源1と被写体載置部21とが正対した状態において、被写体載置部21を透過したX線が、支持部材23によって減衰されることを抑制することができる。
次に、図7および図8を参照して、被写体ステージ21a、第1プーリー21b、および、ローラーガイド21cの構成について説明する。
図7(A)に示すように、被写体ステージ21aの載置面121aには、貫通孔121cが設けられている。具体的には、貫通孔121cは、被写体ステージ21aの回転中心に設けられている。
図7(B)に示すように、第1プーリー21bには、開口121bが設けられている。すなわち、第1プーリー21bは、リング状形状を有している。
図7(C)に示すように、ローラーガイド21cには、開口121dが設けられている。すなわち、ローラーガイド21cは、リング状形状を有している。
図7(A)~図7(C)に示すように、被写体ステージ21aの直径70は、第1プーリー21bの直径71およびローラーガイド21cの直径72よりも小さい。なお、第1プーリー21bの直径71とは、第1プーリー21bの外径である。また、ローラーガイド21cの直径72とは、ローラーガイド21cの外径である。
また、第1プーリー21bの開口121bの直径73およびローラーガイド21cの開口121dの直径74は、被写体ステージ21aの直径70よりも大きい。これにより、被写体ステージ21aを第1プーリー21bに接合する際に、被写体ステージ21aが開口121bに嵌まり込むことが抑制されるので、被写体ステージ21aを第1プーリー21bに容易に接合することができる。なお、第1プーリー21bの開口121bの直径73とは、第1プーリー21bの内径である。また、ローラーガイド21cの開口121dの直径74とは、ローラーガイド21cの内径である。
図8に示すように、被写体載置部21は、被写体ステージ21a、第1プーリー21b、および、ローラーガイド21cが、X2方向からX1方向に向かう方向に、この順で並んで配置し、接合することにより形成されている。
図8に示すように、被写体載置部21は、被写体ステージ21aが第1プーリー21bの一方側の開口121bを塞ぐことにより形成される中空構造を有している。具体的には、被写体載置部21は、X2方向からX1方向に向けて、被写体ステージ21a、第1プーリー21b、および、ローラーガイド21cを並べることにより、第1プーリー21bの開口121b、および、ローラーガイド21cの開口121dが、被写体ステージ21aによって塞がれる。これにより、被写体載置部21が中空構造を有する。
(樹脂材料の選定)
図9の実験結果80に示すように、被写体載置部21(被写体ステージ21a、第1プーリー21b、および、ローラーガイド21c)、および、支持部材23(当接部23a、支持部23b、および、カバー部23c)に用いる樹脂材料として、PEEK(Poly Ether Ether Ketone)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、PET(Polyethylene terephthalate)、ポリ塩化ビニル、アクリル、ジュラコン(登録商標)、ナイロン、テフロン(登録商標)(フッ素樹脂)、PE(Polyethylene)、および、PC(Polycarbonate)を用いて、X線の透過率およびX線の拡散度合いを確認する実験を行った。
具体的には、透過長の項目80aに示す厚みの上記各樹脂材料に対してX線を照射した際の、X線の散乱度合いおよびX線の透過率を、樹脂材料ごとに確認する実験を行った。図9では、各樹脂材料の実験結果80として、散乱の項目80bにX線の散乱度合いを示し、透過率の項目80cにX線の透過率を示している。
実験結果80のうち、散乱の項目80bは、樹脂材料によるX線の散乱度合いを示している。散乱の項目80bの数値が大きいほど、散乱の度合いが小さいことを示している。また、実験結果80のうち、透過率の項目80cは、樹脂材料に照射されたX線の透過率を示している。透過率の項目80cの数値が大きいほど、X線の透過率が大きいことを示している。
実験結果80に示すように、複数の樹脂材料を用いてX線の散乱度合いおよびX線の透過率を調べる実験を行った結果、X線の拡散度合い、および、X線の透過率から、PEEK、ABS、PET、アクリル、ジュラコン、ナイロン、PE、および、PCが、ポリ塩化ビニル、および、テフロン(登録商標)(フッ素樹脂)よりも、(被写体ステージ21a、第1プーリー21b、および、ローラーガイド21c)、および、支持部材23(当接部23a、支持部23b、および、カバー部23c)に用いる樹脂材料として好ましいことが確認された。また、アクリルは、吸水性を有している。したがって、(被写体ステージ21a、第1プーリー21b、および、ローラーガイド21c)、および、支持部材23(当接部23a、支持部23b、および、カバー部23c)に用いる樹脂材料としては、PEEK、ABS、PET、ジュラコン、ナイロン、PE、および、PCが適していることが確認された。
なお、本実施形態では、X線の拡散度合い、X線の透過率、機械的強度、X線に対する耐久度、および、加工性の観点から、樹脂材料として、PEEKを用いて、被写体ステージ21a、第1プーリー21b、ローラーガイド21c、当接部23a、および支持部23bを形成している。なお、カバー部23cについては、視認性の観点から、アクリルで形成している。
(第1回転機構による被写体の回転)
次に、図10を参照して、第1回転機構20による被写体90の第1回転方向の回転について説明する。
図10に示す例は、第1回転方向における角度が、0度である初期角度から、180度である第4角度θ4となるまで、第1回転機構20によって被写体90を第1回転方向に回転させている。なお、初期角度とは、原点のことを意味する。被写体90の第1回転方向における角度とは、第2軸線52と、被写体90の中心を通り、被写体90の長軸方向に延びる仮想線54とがなす角度である。
本実施形態では、第1回転機構20によって、被写体90を第1回転方向に所定の角度ずつ回転させることにより、第1回転方向における第1角度θ1、第2角度θ2、第3角度θ3、および、第4角度θ4となるように、被写体90を回転させる。また、本実施形態では、所定角度~第4角度θ4の各回転角度において撮影を行う。
(被写体載置部の回転範囲)
本実施形態では、図10に示すように、第1回転機構20は、被写体載置部21を、第1回転方向において180度以上回転可能に構成されている。具体的には、第1回転機構20は、第2プーリー22bを回転させることにより被写体載置部21を回転させる構成であるため、被写体90を360度以上回転させることが可能である。
(第2回転機構による第1回転機構の回転)
次に、図11を参照して、第2回転機構30による被写体90の第2回転方向の回転について説明する。
図11に示す例は、第2回転機構30が、第2回転方向において、第1回転機構20とともに被写体90を初期角度(0度)から第7角度θ11まで回転させている。なお、被写体90の第2回転方向における角度とは、X線の照射軸50と、第1軸線51とがなす角度である。
本実施形態では、第2回転機構30によって、被写体90を第2回転方向に所定の角度ずつ回転させることにより、第2回転方向における第1角度θ5、第2角度θ6、第3角度θ7、第4角度θ8、第5角度θ9、第6角度θ10、および、第7角度θ11に回転させる。また、第2回転方向における各回転角度において、第1回転機構20によって第1方向における初期角度~第4角度θ4となるように被写体90を間欠的に回転させながら撮影を行う。
本実施形態では、図11に示すように、第2回転機構30は、少なくとも、第1回転機構20を360度回転させるように構成されている。
次に、図12を参照して、本実施形態によるX線位相イメージング装置100による撮影処理のフローについて説明する。
ステップ101において、制御部70は、第1回転機構20および第2回転機構30を制御することにより、第1回転方向における初期角度および第2回転方向における初期角度(原点)に被写体90を配置する。また、制御部70は、X線源1、および、格子位置調整機構10を制御することにより、被写体90の撮影を行う。
ステップ102において、制御部70は、第2回転機構30を制御することにより、第2回転方向に被写体90を回転させる。ステップ102の処理では、制御部70は、第2回転方向における所定の回転角度分、被写体90を回転させる。
ステップ103において、制御部70は、X線源1、および、格子位置調整機構10を制御することにより、被写体90の撮影を行う。
ステップ104において、制御部70は、第1回転方向において、所定の角度の全てで撮影を行ったか否かを判定する。第1回転方向において、所定の角度の全てで撮影を行ってない場合、処理は、ステップ105へ進む。第1回転方向において、所定の角度の全てで撮影を行った場合、処理は、ステップ106へ進む。
ステップ105において、制御部70は、第1回転機構20を制御することにより、第1回転方向に被写体90を回転させる。ステップ105の処理では、制御部70は、第1方向における所定の回転角度分、被写体90を回転させる。その後、処理は、ステップ103へ進む。
ステップ105からステップ106へ処理が進んだ場合、ステップ106において、制御部70は、第1回転機構20を制御することにより、第1回転方向の初期角度(原点)となるように被写体90を回転させる。なお、被写体90が、第1回転方向における角度が初期角度で配置されている場合には、ステップ103の処理は省略する。
ステップ107において、制御部70は、第2回転方向において、所定の角度の全てで撮影を行ったか否かを判定する。第2回転方向において、所定の角度の全てで撮影を行ってない場合、処理は、ステップ102へ進む。第2回転方向において、所定の角度の全てで撮影を行った場合、処理は、終了する。
すなわち、本実施形態によるX線位相イメージング装置100は、被写体90を第2回転方向における所定の角度に配置した状態で、被写体90を第1回転方向に回転させながら、第1回転方向における所定の角度の全てで撮影を行う。その処理を、第2回転方向における所定の角度の全てで行うことにより、3次元のX線位相コントラスト画像40を生成する。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、X線位相イメージング装置100は、被写体90にX線を照射するX線源1と、X線源1から照射されたX線を検出するX線検出器2と、X線源1とX線検出器2との間に配置され、X線源1からX線が照射される第1格子3と、第1格子3からのX線が照射される第2格子4とを含む複数の格子と、X線の照射範囲内に配置され、被写体90が載置される被写体載置部21と、X線検出器2により検出されたX線の強度分布に基づいてX線位相コントラスト画像40を生成する画像処理部71と、を備え、被写体載置部21は、X線の透過率が金属よりも大きく、X線の散乱度合いが金属よりも小さい第1材料により形成されている。
これにより、被写体90が載置される被写体載置部21が、X線の透過率が金属よりも大きく、X線の散乱度合いが金属よりも小さい第1材料により形成されているので、被写体載置部21をX線の照射範囲内に配置した場合でも、被写体載置部21が金属材料によって形成される構成と比較して、被写体載置部21に起因してアーチファクトが生じることを抑制することができる。
また、上記実施形態では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
すなわち、上記実施形態では、X線位相イメージング装置100は、被写体載置部21を含み、X線源1と正対した状態において、X線の照射軸50と同一直線状であり、かつ、被写体載置部21の中心を通る第1軸線51周りの第1回転方向に回転させる第1回転機構20をさらに備える。これにより、被写体載置部21をX線の照射範囲内に配置した状態で、第1回転機構20がX線源1と正対した状態において、X線の照射軸50と同一直線状となる第1軸線51回りに被写体90を回転させることが可能な構成において、被写体90を第1軸線51回りに回転させる際の角度範囲を広げることができる。その結果、被写体90を回転させる際の角度範囲を広げつつ、アーチファクトが生じることを抑制することが可能なX線位相イメージング装置100を提供することができる。
また、本実施形態では、上記のように、被写体載置部21は、第1材料として、X線の透過率がフッ素樹脂よりも大きく、X線の散乱度合いがフッ素樹脂よりも小さい樹脂材料によって形成されている。これにより、金属材料よりもX線の透過率が高く、金属材料よりもX線の散乱度合いが小さいフッ素樹脂よりも、X線の透過率が大きく、X線の散乱度合いが小さい第1材料によって被写体載置部21を形成することにより、被写体載置部21をフッ素樹脂によって形成する場合と比較して、アーチファクトが生じることを容易に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1回転機構20は、被写体載置部21を、第1回転方向において180度以上回転可能に構成されている。これにより、たとえば、第1回転方向に90度回転可能に構成された回転機構によって撮影する場合と比較して、撮影可能な角度範囲を広くすることができる。その結果、複数の格子に対して配置可能な被写体90の角度を増加させることが可能となるので、被写体90の内部構造を正確に画像化することができる。また、第1回転方向に被写体90を180度以上回転させることにより、被写体90の内部構造を正確に画像化することが可能となるので、X線の拡散方向に指向性を有する被写体90を撮影する場合において、たとえば、45度と135度といった、格子に対する被写体90の向きが斜め方向であり、かつ、互いの角度が90度異なる回転位置において撮影することができる。その結果、被写体90によるX線の拡散の指向性といった、より詳細な情報を取得することが可能となるので、被写体90の内部構造を、操作者に正確に把握させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1回転機構20は、被写体載置部21を回転させる駆動力を付与する駆動部22と、駆動部22から付与された駆動力によって被写体載置部21を回転させる駆動力伝達部材と、をさらに含み、駆動力伝達部材のうち、X線の照射範囲内に配置される部材は、第1材料により形成され、駆動部22は、被写体載置部21から離間し、かつ、X線の照射範囲外となる位置に設けられている。これにより、一般的に金属材料により構成されるモータなどの駆動部を設けたとしても、X線の照射範囲内に金属部材が配置されることを容易に抑制することができる。その結果、金属部材によって得られるX線位相コントラスト画像40にアーチファクトが生じることを、容易に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1回転機構20は、第1材料(樹脂材料)により形成され、一方側において被写体載置部21を回転可能に支持する支持部材23を含み、被写体載置部21の第1軸線51方向における厚み60は、第1軸線51方向における支持部材23の厚み61よりも小さい。これにより、第1軸線51方向における被写体載置部21の厚み60が、第1軸線51方向における支持部材23の厚み61よりも小さいので、被写体載置部21によるX線の減衰を低減させることができる。その結果、X線検出器2によって検出されたX線の強度分布から得られる強度信号曲線41および強度信号曲線42を精度よく取得することが可能となるので、X線位相コントラスト画像40を精度よく取得することができる。
また、本実施形態では、上記のように、被写体載置部21は、板状形状を有し、被写体90が載置される被写体ステージ21aと、円筒形状を有し、駆動力伝達部材と係合する第1プーリー21bと、を含み、被写体ステージ21aが第1プーリー21bの一方側の開口121bを塞ぐことにより形成される中空構造を有している。これにより、被写体載置部21が中実構造を有している場合と比較して、第1軸線51方向における被写体載置部21の厚み60を小さくすることができる。その結果、被写体載置部21によるX線の減衰を低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、駆動力伝達部材は、第1プーリー21bと係合するベルト部材24を含み、ベルト部材24は、ゴム材料により形成されている。これにより、動力伝達部材として金属部材を用いる構成と比較して、ベルト部材24によって生じるX線の減衰および拡散を低減することができる。その結果、ベルト部材24に起因してX線位相コントラスト画像40にアーチファクトが生じることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1プーリー21bは、第1材料(樹脂材料)により形成されており、駆動部22は、駆動力を発生させるモータ22aと、第2材料である金属材料により形成され、ベルト部材24によって第1プーリー21bと連結された第2プーリー22bとを含む。これにより、X線の照射範囲内に配置される第1プーリー21bを第1材料(樹脂材料)で形成することにより、被写体90を回転させる際にアーチファクトが生じることを抑制できるとともに、第2プーリー22bを金属材料により形成することにより、駆動部22にX線が照射されることを抑制することが可能になるので、駆動部22がX線によって故障することを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1回転機構20を保持し、第1軸線51と直交する方向に延びる第2軸線52周りの第2回転方向に第1回転機構20を回転させる第2回転機構30をさらに備え、第2回転機構30は、第1回転機構20を着脱可能に保持するように構成されており、支持部材23には、第1回転機構20が第2回転機構30に保持された際に、被写体載置部21の表面上であり、かつ、被写体載置部21の回転中心を通る鉛直線53と、第2軸線52とが、同一直線状となるように第2回転機構30と係合する係合部25が設けられている。これにより、第1回転機構20を第2回転機構30に配置する際に、係合部25によって容易に位置決めをすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1回転機構20は、第1材料(樹脂材料)により形成され、被写体載置部21の外周部に係合するベアリング26をさらに含む。これにより、ベアリング26によって被写体載置部21を安定して回転させることが可能であるとともに、ベアリング26に起因してアーチファクトが生じることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、被写体載置部21の回転中心には、第1軸線51に沿う方向に被写体載置部21の載置面121aを貫通し、第1回転機構20の第1軸線51方向における傾きを検出するための貫通孔121cが設けられている。これにより、貫通孔121cによって第1回転機構20の第1軸線51方向における傾きを検出することにより、複数の撮影位置で撮影したX線位相コントラスト画像40の位置合わせを行う際に、各画像における第1軸線51方向における傾きを容易に補正することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、X線位相イメージング装置100が、第1回転機構20および第2回転機構30を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。X線位相イメージング装置100は、第1材料によって形成される被写体載置部21を備えていれば、第1回転機構20および第2回転機構30を備えていなくてもよい。しかしながら、X線位相イメージング装置100が第1回転機構20を備えていない場合、格子に対する被写体90の向きを変更する作業が生じるため、操作者の負担が増加する。また、X線位相イメージング装置100が第2回転機構30を備えていない場合、いわゆるCT撮影を行う際に、第2軸線52の回転方向における被写体90の向きを変更する作業が生じるため、操作者の負担が増加する。したがって、X線位相イメージング装置100は、第1回転機構20および第2回転機構30を備えていることが好ましい。
また、上記実施形態では、第1回転機構20が、いわゆる、ベルトアンドプーリー機構として構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1回転機構20は、ラックアンドピニオン機構として構成されていてもよい。また、第1回転機構20は、ボールねじ機構として構成されていてもよい。第1回転機構20のうち、X線の照射範囲内に入る部材が第1材料により形成されていれば、第1回転機構20はどのような構成であってもよい。
また、上記実施形態では、第1材料として、PEEKを用いる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1材料として、ABS、PET、ジュラコン、ナイロン、PE、および、PCなどを用いてもよい。
また、上記実施形態では、駆動部22が、被写体載置部21から離間し、かつ、X線の照射範囲外となる位置に配置される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、駆動部22が第1材料によって形成されていれば、駆動部22をX線の照射範囲内に配置してもよい。
また、上記実施形態では、被写体載置部21の第1軸線51方向における厚み60が、第1軸線51方向における支持部材23の厚み61よりも小さい構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、被写体載置部21の第1軸線51方向における厚み60は、第1軸線51方向における支持部材23の厚み61と等しいか、第1軸線51方向における支持部材23の厚み61よりも大きくてもよい。しかしながら、被写体載置部21の第1軸線51方向における厚み60が第1軸線51方向における支持部材23の厚み61と等しいか、第1軸線51方向における支持部材23の厚み61よりも大きい場合、上記実施形態の構成と比較して、被写体載置部21によるX線の減衰量が大きくなる。そのため、被写体載置部21の第1軸線51方向における厚み60は、第1軸線51方向における支持部材23の厚み61よりも小さいことが好ましい。
また、上記実施形態では、被写体載置部21が中空構造を有する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、被写体載置部21は、中空構造を有していなくてもよい。しかしながら、被写体載置部21が中空構造を有していない場合、被写体載置部21によるX線の減衰量が増加する。そのため、被写体載置部21は、中空構造を有していることが好ましい。
また、上記実施形態では、第2プーリー22bが金属材料によって形成される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2プーリー22bは、第1材料で形成されていてもよい。しかしながら、第2プーリー22bが第1材料によって形成されている場合、第2プーリー22bを透過したX線がモータ22aに照射される。したがって、第2プーリー22bは、金属材料によって形成されることが好ましい。
また、上記実施形態では、第1回転機構20が、初期角度~第4角度θ4の、5つの角度に被写体90を回転させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1回転機構20は、5つよりも多い数の角度に被写体90を回転させてもよいし、5つよりも少ない数の角度に被写体90を回転させてもよい。
また、上記実施形態では、第2回転機構30が、初期角度~第7角度θ11の、8つの角度に被写体90を回転させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2回転機構30は、8つよりも多い数の角度に被写体90を回転させてもよいし、8つよりも少ない数の角度に被写体90を回転させてもよい。
また、上記実施形態では、第1回転機構20が、被写体90を180度回転させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1回転機構20は、被写体90を360度回転させるなど、被写体90を180度以上回転させるように構成されていてもよい。また、たとえば、第1回転機構20は、被写体90を180度未満の角度範囲で回転させるように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、第2回転機構30が、被写体載置部21の表面上であり、かつ、被写体載置部21の回転中心を通る鉛直線53と、第2軸線52とが、同一直線状となるように第1回転機構20を保持する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2回転機構30は、被写体載置部21に載置された被写体90の表面上であり、かつ、被写体載置部21の回転中心を通る鉛直線と、第2軸線52とが、同一直線状となるように第1回転機構20を保持するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、第2回転機構30が、第1回転機構20を着脱可能に保持する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2回転機構30は、第1回転機構20を着脱不可な状態で保持するように構成されていてもよい。しかしながら、第2回転機構30が第1回転機構20を着脱不可な状態で保持する構成の場合、被写体90を第1回転方向には回転させず、第2回転方向にのみ回転させて撮影する場合に、第1回転機構20が邪魔になる。そのため、第2回転機構30は、第1回転機構20を着脱可能に保持するように構成することが好ましい。
また、上記実施形態では、制御部70が、第2回転方向における各角度(初期角度~第7角度θ11)において、第1回転機構20によって被写体90を第1回転方向に間欠的に180度回転させながら撮影を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部70は、第1回転方向における各角度(初期角度~第4角度θ4)において、第2回転機構30によって被写体90を第2回転方向に間欠的に360度回転させながら撮影を行うように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、格子位置調整機構10が、第1格子3を、X方向、Y方向、Z方向、回転方向Rz、回転方向Rxおよび回転方向Ryに移動可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、格子位置調整機構10を、X方向、Y方向、Z方向、回転方向Rz、回転方向Rxおよび回転方向Ryの内、いずれか1つまたは複数の方向のみに移動可能に構成してもよい。また、格子位置調整機構10を、第2格子4または第3格子5を移動可能に構成してもよい。なお、縞走査を行う場合は、縞走査を行う方向に格子を移動可能に構成する必要がある。
また、上記実施形態では、複数の格子は、X線源1から照射されたX線の可干渉性を高めるための第3格子5を含むように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。X線源1から照射されるX線の可干渉性が高ければ、第3格子5を含まない構成としてもよい。
また、上記実施形態では、タルボ効果による自己像を形成するために、第1格子3を位相格子とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、自己像は縞模様であればよいので、位相格子の代わりに吸収格子を用いてもよい。吸収格子を用いると、距離などの光学条件により単純に縞模様が発生する領域(非干渉計)と、タルボ効果による自己像が生じる領域(干渉計)とが生じる。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
被写体にX線を照射するX線源と、
前記X線源から照射されたX線を検出するX線検出器と、
前記X線源と前記X線検出器との間に配置され、前記X線源からX線が照射される第1格子と、前記第1格子からのX線が照射される第2格子とを含む複数の格子と、
X線の照射範囲内に配置され、前記被写体が載置される被写体載置部と、
前記X線検出器により検出されたX線の強度分布に基づいてX線位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備え、
前記被写体載置部は、X線の透過率が金属よりも大きく、X線の散乱度合いが金属よりも小さい第1材料により形成されている、X線位相イメージング装置。
(項目2)
前記被写体載置部を含み、前記X線源と正対した状態において、X線の照射軸と同一直線状であり、かつ、前記被写体載置部の中心を通る第1軸線周りの第1回転方向に回転させる第1回転機構をさらに備える、項目1に記載のX線位相イメージング装置。
(項目3)
前記被写体載置部は、前記第1材料として、X線の透過率がフッ素樹脂よりも大きく、X線の散乱度合いがフッ素樹脂よりも小さい樹脂材料によって形成されている、項目1に記載のX線位相イメージング装置。
(項目4)
前記第1回転機構は、前記被写体載置部を、前記第1回転方向において180度以上回転可能に構成されている、項目2に記載のX線位相イメージング装置。
(項目5)
前記第1回転機構は、前記被写体載置部を回転させる駆動力を付与する駆動部と、前記駆動部から付与された駆動力によって前記被写体載置部を回転させる駆動力伝達部材と、をさらに含み、
前記駆動力伝達部材のうち、X線の照射範囲内に配置される部材は、前記第1材料により形成され、
前記駆動部は、前記被写体載置部から離間し、かつ、X線の照射範囲外となる位置に設けられている、項目2に記載のX線位相イメージング装置。
(項目6)
前記第1回転機構は、前記第1材料により形成され、一方側において前記被写体載置部を回転可能に支持する支持部材を含み、
前記被写体載置部の前記第1軸線方向における厚みは、前記第1軸線方向における前記支持部材の厚みよりも小さい、項目2に記載のX線位相イメージング装置。
(項目7)
前記被写体載置部は、板状形状を有し、前記被写体が載置される被写体ステージと、円筒形状を有し、前記駆動力伝達部材と係合する第1プーリーと、を含み、前記被写体ステージが前記第1プーリーの一方側の開口を塞ぐことにより形成される中空構造を有している、項目5に記載のX線位相イメージング装置。
(項目8)
前記駆動力伝達部材は、前記第1プーリーと係合するベルト部材を含み、
前記ベルト部材は、ゴム材料により形成されている、項目7に記載のX線位相イメージング装置。
(項目9)
前記第1プーリーは、前記第1材料により形成されており、
前記駆動部は、駆動力を発生させるモータと、第2材料である金属材料により形成され、前記ベルト部材によって前記第1プーリーと連結された第2プーリーとを含む、項目8に記載のX線位相イメージング装置。
(項目10)
前記第1回転機構を保持し、前記第1軸線と直交する方向に延びる第2軸線周りの第2回転方向に前記第1回転機構を回転させる第2回転機構をさらに備え、
前記第2回転機構は、前記第1回転機構を着脱可能に保持するように構成されており、
前記支持部材には、前記第1回転機構が前記第2回転機構に保持された際に、前記被写体載置部の表面上であり、かつ、前記被写体載置部の回転中心を通る鉛直線と、前記第2軸線とが、同一直線状となるように前記第2回転機構と係合する係合部が設けられている、項目6に記載のX線位相イメージング装置。
(項目11)
前記第1回転機構は、前記第1材料により形成され、前記被写体載置部の外周部に係合するベアリングをさらに含む、項目2に記載のX線位相イメージング装置。
(項目12)
前記被写体載置部の回転中心には、前記第1軸線に沿う方向に前記被写体載置部の載置面を貫通し、前記第1回転機構の前記第1軸線方向における傾きを検出するための貫通孔が設けられている、項目2に記載のX線位相イメージング装置。
1 X線源
2 X線検出器
3 第1格子
4 第2格子
5 第3格子
6 X線位相イメージング装置用被写体回転ユニット
7 移動機構
20 第1回転機構
21 被写体載置部
21a 被写体ステージ
21b 第1プーリー
22 駆動部
22a モータ
22b 第2プーリー
23 支持部材
24 ベルト部材
25 係合部
26 ベアリング
30 第2回転機構
40 X線位相コントラスト画像
50 X線の照射軸
51 第1軸線
52 第2軸線
60 被写体載置部の第1軸線方向における厚み
61 第1軸線方向における支持部材の厚み
71 画像処理部
90 被写体
100 X線イメージング装置
121a 被写体載置部の載置面

Claims (12)

  1. 被写体にX線を照射するX線源と、
    前記X線源から照射されたX線を検出するX線検出器と、
    前記X線源と前記X線検出器との間に配置され、前記X線源からX線が照射される第1格子と、前記第1格子からのX線が照射される第2格子とを含む複数の格子と、
    X線の照射範囲内に配置され、前記被写体が載置される被写体載置部と、
    前記X線検出器により検出されたX線の強度分布に基づいて暗視野像を含むX線位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備え、
    前記被写体載置部は、前記被写体載置部に入射するX線に対する、前記被写体載置部を透過したX線の減衰の比率であるX線の透過率が金属よりも大きく、前記被写体載置部に入射するX線に対する、前記被写体載置部に入射することによって方向が変化するX線の拡散の比率であるX線の散乱度合いが金属よりも小さい第1材料により形成されている、X線位相イメージング装置。
  2. 前記被写体載置部を含み、前記X線源と正対した状態において、X線の照射軸と同一直線状であり、かつ、前記被写体載置部の中心を通る第1軸線周りの第1回転方向に回転させる第1回転機構をさらに備える、請求項1に記載のX線位相イメージング装置。
  3. 前記被写体載置部は、前記第1材料として、前記X線の透過率がフッ素樹脂よりも大きく、前記X線の散乱度合いがフッ素樹脂よりも小さい樹脂材料によって形成されている、請求項1に記載のX線位相イメージング装置。
  4. 前記第1回転機構は、前記被写体載置部を、前記第1回転方向において180度以上回転可能に構成されている、請求項2に記載のX線位相イメージング装置。
  5. 前記第1回転機構は、前記被写体載置部を回転させる駆動力を付与する駆動部と、前記駆動部から付与された駆動力によって前記被写体載置部を回転させる駆動力伝達部材と、をさらに含み、
    前記駆動力伝達部材のうち、X線の照射範囲内に配置される部材は、前記第1材料により形成され、
    前記駆動部は、前記被写体載置部から離間し、かつ、X線の照射範囲外となる位置に設けられている、請求項2に記載のX線位相イメージング装置。
  6. 前記第1回転機構は、前記第1材料により形成され、一方側において前記被写体載置部を回転可能に支持する支持部材を含み、
    前記被写体載置部の前記第1軸線方向における厚みは、前記第1軸線方向における前記支持部材の厚みよりも小さい、請求項2に記載のX線位相イメージング装置。
  7. 前記被写体載置部は、板状形状を有し、前記被写体が載置される被写体ステージと、円筒形状を有し、前記駆動力伝達部材と係合する第1プーリーと、を含み、前記被写体ステージが前記第1プーリーの一方側の開口を塞ぐことにより形成される中空構造を有している、請求項5に記載のX線位相イメージング装置。
  8. 前記駆動力伝達部材は、前記第1プーリーと係合するベルト部材を含み、
    前記ベルト部材は、ゴム材料により形成されている、請求項7に記載のX線位相イメージング装置。
  9. 前記第1プーリーは、前記第1材料により形成されており、
    前記駆動部は、駆動力を発生させるモータと、第2材料である金属材料により形成され、前記ベルト部材によって前記第1プーリーと連結された第2プーリーとを含む、請求項8に記載のX線位相イメージング装置。
  10. 前記第1回転機構を保持し、前記第1軸線と直交する方向に延びる第2軸線周りの第2回転方向に前記第1回転機構を回転させる第2回転機構をさらに備え、
    前記第2回転機構は、前記第1回転機構を着脱可能に保持するように構成されており、
    前記支持部材には、前記第1回転機構が前記第2回転機構に保持された際に、前記被写体載置部の表面上であり、かつ、前記被写体載置部の回転中心を通る鉛直線と、前記第2軸線とが、同一直線状となるように前記第2回転機構と係合する係合部が設けられている、請求項6に記載のX線位相イメージング装置。
  11. 前記第1回転機構は、前記第1材料により形成され、前記被写体載置部の外周部に係合するベアリングをさらに含む、請求項2に記載のX線位相イメージング装置。
  12. 前記被写体載置部の回転中心には、前記第1軸線に沿う方向に前記被写体載置部の載置面を貫通し、前記第1回転機構の前記第1軸線方向における傾きを検出するための貫通孔が設けられている、請求項2に記載のX線位相イメージング装置。
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