JP7409399B2 - 圧電デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、圧電デバイスに関する。
圧電デバイスの構成を開示した文献として、米国特許出願公開第2019/0110132号明細書(特許文献1)および特許第5491080号(特許文献2)がある。特許文献1に記載された圧電デバイスは、音響トランスデューサであって、複数のプレートと、複数のスプリングとを含んでいる。音響トランスデューサは間隙を有し、この間隙は幾何学的な形状をコントロールしている。複数のスプリングの各々は、2つの隣接するプレートを接続するギャップ低減ばねである。スプリングアームは、プレートのエッチングされた部分を囲む部分を含む。隣接する複数のプレートは、複数のプレートの先端からスプリングの中央までの距離を含み得る。
特許文献2に記載された圧電デバイスは、マイクロフォンであって、支持フレームと、第1振動板と、第2振動板と、連結体とを備えている。第1振動板および第2振動板の一端は、いずれも、支持フレームによって弾性的に支持されている。第1振動板の他端と、第2振動板の他端とは、対向して配置されている。第1振動板の他端と、第2振動板の他端とは、連結体によって連結されている。連結体は、第1振動板の他端と、第2振動板の他端とに対して、変位可能とされることによって、第1振動板又は第2振動板の振動に伴い、平行振動又は傾き振動を行う構成となっている。連結体は、薄板の平板状である。
米国特許出願公開第2019/0110132号明細書 特許第5491080号
特許文献1に開示された圧電デバイスは、振動板またはプレートなどの複数の梁部のうち、互いに隣接する梁部を接続する接続部を備えている。これにより、複数の梁部の各々の振動のばらつきを小さくしている。特許文献2に開示された圧電デバイスにおいては、各梁部として各振動板が、接続部として連結体によって互いに連結されている。これにより、各梁部を位相差を持って振動させる。しかしながら、これら従来の圧電デバイスにおいては、接続部が梁部を引っ張る向きに応力が生じることで、接続部による各梁部の互いの接続が強固になりすぎる場合がある。上記の接続が強固になりすぎると、複数の梁部の各々が硬くなり、複数の梁部の各々の振動の共振周波数が高くなる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、複数の梁部の各々の振動時の共振周波数が高くなることを抑制しつつ、複数の梁部の各々の振動ばらつきを小さくできる、圧電デバイスを提供することを目的とする。
本発明に基づく圧電デバイスは、基部と、複数の梁部と、接続部とを備えている。複数の梁部の各々は、固定端部と、先端部とを有している。固定端部は、基部に接続されている。先端部は、固定端部とは反対側に位置している。複数の梁部の各々は、固定端部から先端部に向かって延在している。複数の梁部の各々は、複数の層を含む圧電振動部である。接続部は、複数の梁部のうち互いに隣り合う一対の梁部同士を接続する。一対の梁部同士の間には、第1スリットおよび第2スリットが設けられている。第1スリットは、一対の梁部の互いに隣り合う一対の端縁の一部によって形成されている。第2スリットは、第1スリットとは異なる位置において、一対の梁部の互いに隣り合う一対の端縁の他の一部によって形成されている。接続部は、第1スリットと第2スリットとの間に少なくとも位置している。接続部は、第1端部と、第2端部と、橋渡し部と、第1連結部と、第2連結部とを有している。接続部は、第1端部において、一対の梁部の一方と接続している。接続部は、第2端部において、一対の梁部の他方と接続している。第2端部は、一対の梁部が並んでいる方向において第1端部と対向している。橋渡し部は、一対の梁部同士の間を折り返しつつ接続するために設けられている。第1連結部は、橋渡し部における一対の梁部の一方側に位置する部分に接続されている。第2連結部は、橋渡し部における一対の梁部の他方側に位置する部分に接続されている。第2連結部は、第1連結部に沿って位置している。接続部は、第1端部を1つのみ有している。接続部は、第2端部を1つのみ有している。第1端部および第2端部の各々は、一対の梁部の各々の固定端部より先端部の近くに位置している。
本発明によれば、複数の梁部の各々の振動時の共振周波数が高くなることを抑制しつつ、複数の梁部の各々の振動ばらつきを小さくできる。
本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの平面図である。 図1の圧電デバイスをII-II線矢印方向から見た断面図である。 図1のIII部を拡大して示す部分平面図である。 本発明の実施形態1の第1変形例に係る圧電デバイスの部分平面図である。 本発明の実施形態1の第2変形例に係る圧電デバイスの平面図である。 図5に示した圧電デバイスをVI-VI線矢印方向から見た部分断面図である。 本発明の実施形態1の第3変形例に係る圧電デバイスの平面図である。 図7に示した圧電デバイスをVIII-VIII線矢印方向から見た部分断面図である。 図7に示した圧電デバイスをIX-IX線矢印方向から見た部分断面図である。 本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの梁部の一部を模式的に示した断面図である。 本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの、駆動時における梁部の一部を模式的に示した断面図である。 本発明の実施形態1に係る圧電デバイスについて、基本振動モードで振動している状態をシミュレーションによって示した斜視図である。 本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、圧電単結晶基板に第2電極層を設けた状態を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、第1支持部を設けた状態を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、第1支持部に、積層体を接合させた状態を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、圧電単結晶基板を削って圧電体層を形成した状態を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、圧電体層に、第1電極層を設けた状態を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、溝部および凹部を設けた状態を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、第1接続電極層および第2接続電極層を設けた状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る圧電デバイスの平面図である。 本発明の実施形態2の第1変形例に係る圧電デバイスの平面図である。 図21に示した圧電デバイスをXXII-XXII線矢印方向から見た部分断面図である。 本発明の実施形態の第変形例に係る圧電デバイスの平面図である。 図23に示した圧電デバイスをXXIV-XXIV線矢印方向から見た部分断面図である。 本発明の実施形態3に係る圧電デバイスの平面図である。 本発明の実施形態4に係る圧電デバイスの平面図である。 図26の圧電デバイスをXXVII-XXVII線矢印方向から見た断面図である。 本発明の実施形態4に係る圧電デバイスの接続部の構成を示す部分平面図である。 シミュレーション解析結果を示すグラフである。 本発明の実施形態4の第1変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。 本発明の実施形態4の第2変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。 本発明の実施形態4の第3変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。 本発明の実施形態4の第4変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。 本発明の実施形態4の第5変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。 本発明の実施形態4の第6変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。 本発明の実施形態4の第7変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。
以下、本発明の各実施形態に係る圧電デバイスについて図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの平面図である。図2は、図1の圧電デバイスをII-II線矢印方向から見た断面図である。図3は、図1のIII部を拡大して示す部分平面図である。
図1から図3に示すように、本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100は、基部110と、複数の梁部120と、接続部130とを備えている。本実施形態に係る圧電デバイス100は、複数の梁部120の各々が屈曲振動可能であり、超音波トランスデューサとして用いることができる。
図1に示すように、基部110は、複数の梁部120の各々の固定端部121と接続されている。基部110は、後述する複数の層の積層方向から見て、環状の外形を有しており、具体的には、矩形環状の外形を有している。なお、基部110を上記積層方向から見たときの外形形状は特に限定されない。環状の外形を有する基部110は、上記積層方向から見て、外周側面が多角形状または円形状であってもよく、内周側面が多角形状または円形状であってもよい。
図2に示すように、複数の梁部120の各々は、複数の層10を含む圧電振動部である。なお、図1においては、複数の層10の各層については図示していない。複数の層10の構成の詳細については後述する。
図1に示すように、複数の梁部120の各々は、固定端部121と、先端部122とを有している。固定端部121は、基部110に接続されている。複数の梁部120の各々の固定端部121は、同一の仮想平面内に位置している。複数の梁部120の各々の固定端部121は、上記積層方向から見たときに環状の基部110の内周面に接続されている。複数の梁部120の各々の固定端部121は、上記積層方向から見て上記内周面上において互いに隣り合うように位置している。本実施形態においては、複数の梁部120の各々の固定端部121は、上記積層方向からみたときに、基部110の矩形環状の内周面の複数の辺の各々と1対1で対応するように位置している。
本実施形態において、複数の梁部120の各々の先端部122は、上記積層方向から見て環状の基部110の中心近傍に位置している。複数の梁部120の各々は、固定端部121から先端部122に向かって延在している。すなわち、複数の梁部120の各々の延在方向において、先端部122は、固定端部121とは反対側の端部に位置している。本実施形態において、複数の梁部120の各々は、圧電デバイス100が駆動していない状態において、同一の仮想平面に沿うように延在している。
図1に示すように、複数の梁部120の各々は、上記積層方向から見たときに、先端部122が先細の外形を有している。具体的には、複数の梁部120の各々は、上記積層方向から見て、略三角形状の外形を有している。先端部122が先細の外形を有している場合には、複数の梁部120の各々の延在方向は、固定端部121の中心と先端部122とを結ぶ方向である。本実施形態においては、この略三角形状は、固定端部121を底辺とし、先端部122に頂点が位置する、略二等辺三角形形状である。すなわち、本実施形態において、複数の梁部120の各々の延在方向とは、複数の梁部120の各々の外形形状である略二等辺三角形の底辺の中点と頂点とを互いに結ぶ方向である。本実施形態において、複数の梁部120の各々の延在方向の長さは、屈曲振動を容易にするという観点から、複数の梁部120の各々の上記積層方向における厚さの寸法の少なくとも5倍以上であることが好ましい。なお、図2においては、複数の梁部120の各々の厚さは、模式的に示している。
図1および図3に示すように、接続部130は、複数の梁部120のうち互いに隣り合う一対の梁部120同士を接続する。接続部130は、第1端部133Aと、第2端部133Bとを有している。接続部130は、第1端部133Aにおいて、一対の梁部120の一方と接続している。接続部130は、第2端部133Bにおいて、一対の梁部120の他方と接続している。第2端部133Bは、一対の梁部120が並んでいる方向において第1端部133Aと対向している。本実施形態においては、接続部130は、第1端部133Aを1つのみ有し、かつ、第2端部133Bを1つのみ有している。
接続部130は、橋渡し部131と、第1連結部132Aと、第2連結部132Bとを有している。本実施形態において、橋渡し部131は、少なくとも第1連結部132Aと第2連結部132Bとを介して、一対の梁部120同士の間を折り返しつつ、一対の梁部120同士を互いに接続するために設けられている。本実施形態において、接続部130のうち、橋渡し部131は、互いに隣り合う第1連結部132Aおよび第2連結部132Bが並んでいる方向に沿うように、延在している。
接続部130において、第1連結部132Aは、橋渡し部131における一対の梁部120の一方側に位置する部分に接続されている。接続部130において、第2連結部132Bは、橋渡し部131における一対の梁部120の他方側に位置する部分に接続され、かつ、第1連結部132Aに沿って位置している。
第1連結部132Aは、第1端部133Aを起点として一対の梁部120の一方から、後述する第2スリット142に沿って延出している。第2連結部132Bは、第2端部133Bを起点として一対の梁部120の他方から第2スリット142に沿って延出している。本実施形態において、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さは互いに略同一である。本実施形態においては、第1連結部132Aは、第1端部133A側とは反対側において橋渡し部131と直接接続されている。すなわち、本実施形態において、第1連結部132Aは、橋渡し部131と、第1端部133Aにおいて一対の梁部120の一方とを、互いに直接連結している。第2連結部132Bは、第2端部133B側とは反対側において橋渡し部131と直接接続されている。すなわち、本実施形態において、第2連結部132Bは、橋渡し部131と、第2端部133Bにおいて一対の梁部120の他方とを、互いに直接連結している。図1および図3に示すように、第1端部133Aよび第2端部133Bの各々は、一対の梁部120の各々の固定端部121より先端部122の近くに位置している。
また、図3に示すように、本実施形態においては、複数の層10の積層方向から見て、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々が橋渡し部131との接続箇所に向かって延びる経路の長さである、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法は、互いに同一である。また、上記積層方向から見て、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々が橋渡し部131との接続箇所に向かって延びる経路に沿う方向に直交する方向における、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法は互いに同一である。第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法は、上記積層方向から見て、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法より大きい。上記積層方向から見て、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法は、接続部130から先端部122までの最短長さbの寸法より大きい。複数の層10の積層方向から見て、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法は、一対の梁部120が互いに対向する方向に直交する方向における橋渡し部131の最大幅aの寸法より大きい。複数の層10の積層方向から見て、橋渡し部131の最大幅aの寸法は、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法より大きい。
また、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法は、小さいほど、一対の梁部120が互いに強固に接続され、一対の梁部120の振動ばらつきが小さくなる。また、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法が大きくなるほど、一対の梁部の各々の振動の共振周波数が高くなることを抑制できる。第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法は、大きいほど、一対の梁部120が互いに強固に接続される。接続部130から先端部122までの最短長さbの寸法は、小さいほど、一対の梁部120が互いに強固に接続される。橋渡し部131の最大幅aの寸法は、接続部130が振動した際の接続部130の共振周波数に影響する。
本実施形態において、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法は、たとえば10μm以上200μm以下である。第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法は、たとえば10μmである。接続部130から先端部122までの最短長さbの寸法は、たとえば25μmである。橋渡し部131の最大幅aの寸法は、たとえば15μmである。
さらに、図1および図3に示すように、一対の梁部120同士の間には、第1スリット141と、第2スリット142と、外周スリット143とが設けられている。
本実施形態においては、第1スリット141は、一対の梁部120の互いに隣り合う一対の端縁の一部によって形成されている。第2スリット142は、第1スリット141とは異なる位置において、一対の梁部120の互いに隣り合う一対の端縁の他の一部によって形成されている。具体的には、第1スリット141および第2スリット142は、上記積層方向から見て、一対の梁部120の各々の固定端部121の両端点の一方から先端部122に向かって延びる仮想直線に沿って位置している。接続部130は、第1スリット141と第2スリット142との間に少なくとも位置している。
本実施形態においては、第1スリット141は、橋渡し部131に対して、一対の梁部120の各々の固定端部121側に位置している。第2スリット142は、橋渡し部131に対して、一対の梁部120の各々の先端部122側に位置している。第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々は、いずれも第1スリット141および第2スリット142の各々が延在する方向に沿って延出している。本実施形態においては、第2スリット142は、橋渡し部131における接続部130の折り返しの内周側に位置している。そして、第1連結部132Aと第2連結部132Bとの間に、第2スリット142が位置している。第2スリット142のうち第1連結部132Aと第2連結部132Bとの間に位置する部分は、第1連結部132Aの端縁と、第2連結部132Bの端縁とにより形成されている。すなわち、本実施形態において、一対の梁部120が並んでいる方向において、第1端部133Aおよび第2端部133Bは、第2スリット142を介して互いに対向している。
本実施形態においては、外周スリット143は、橋渡し部131における接続部130の折り返しの外周側の端縁と、一対の梁部120の各々の端縁により少なくとも形成されている。第1スリット141は、外周スリット143と接続されている。より具体的には、外周スリット143は、第1連結部132Aと、一対の梁部120のうちの一方との間にまで連続して位置している。外周スリット143は、第2連結部132Bと、一対の梁部120のうちの他方との間にまで連続して位置している。
より具体的には、外周スリット143は、第1スリット141との接続部から、さらに、第1スリット141が延在する方向に対して直交方向に延び、橋渡し部131の延在方向における両端側に周り込むように形成される。そして、外周スリット143は、橋渡し部131の延在方向における両端の一方から、第1端部133Aに隣接する位置に向かって、第2スリット142に平行に延びている。外周スリット143は、橋渡し部131の延在方向における両端の他方から、第2端部133Bに隣接する位置向かって、第2スリット142に平行に延びている。すなわち、外周スリット143は、第2スリット142の第1スリット141側に位置する部分を囲うような、略U字状の外形を有している。
上記積層方向から見たときの第1スリット141、第2スリット142および外周スリット143の各々の幅は、10μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。
本実施形態においては、上記積層方向から見たときに、橋渡し部131、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々が矩形状の外形を有しているが、橋渡し部131、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の外形の形状は特に限定されない。上記積層方向から見たときに、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の外形は、略楕円形状であってもよいし、多角形状であってもよい。橋渡し部131、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々は、上記積層方向に延びる側面が、上記積層方向から見て湾曲していてもよい。
図4は、本発明の実施形態1の第1変形例に係る圧電デバイスの部分平面図である。図4においては、図に示した本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100と同様の部分を示している。図4に示すように、本発明の実施形態1の第1変形例に係る圧電デバイス100aにおいては、橋渡し部131における接続部130の折り返しの外周側に位置する、上記積層方向に延びる側面は、上記積層方向から見て湾曲している。また、第1連結部132Aにおいて、一対の梁部120のうち第1連結部132Aに直接接続している梁部120における上記側面のうち、第1端部133Aの近傍が、上記積層方向から見て湾曲している。第2連結部132Bにおいて、一対の梁部120のうち第2連結部132Bに直接接続している梁部120における上記側面のうち、第2端部133Bの近傍が、上記積層方向から見て湾曲している。具体的には、第1連結部132Aの延出方向に対する直交方向における幅が、第1端部133Aに近づくにつれて広がるように、第1連結部132Aの上記側面が、上記積層方向から見て湾曲している。第2連結部132Bの延出方向に対する直交方向における幅が、第2端部133Bに近づくにつれて広がるように、第2連結部132Bの上記側面が、上記積層方向から見て湾曲している。このように橋渡し部131の上記側面が湾曲していることにより、接続部130における内部応力を低減することができる。
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100は、複数の梁部120として、4つの梁部120と、接続部130として、4つの接続部130とを備えている。4つの梁部120の各々は、同一の平面内に沿って位置している。4つの梁部120の各々は、仮想中心点に向かって延出し、かつ、仮想中心点の周方向に互いに隣り合っている。4つの接続部130の各々は、4つの梁部120のうち互いに隣り合う梁部120同士の間にそれぞれ位置して隣り合う一対の梁部120同士を接続している。
本実施形態においては、4つの梁部120は、上記積層方向から見て、上記仮想中心点に関して互いに回転対称となるように構成されている。4つの接続部130も、上記積層方向から見て、上記仮想中心点に関して互いに回転対象となるように構成されている。
次に、複数の層10について説明する。図2に示すように、本実施形態においては、複数の層10は、圧電体層11と、第1電極層12と、第2電極層13とを有している。
圧電体層11は、単結晶圧電体で構成されている。圧電体層11のカット方位は、所望のデバイス特性を発現するように適宜選択される。本実施形態において、圧電体層11は単結晶基板を薄化したものであり、当該単結晶基板は具体的には回転Yカット基板である。また、当該回転Yカット基板のカット方位は具体的には30°である。また、圧電体層11の厚さは、たとえば0.3μm以上5.0μm以下である。上記単結晶圧電体は、分極軸を有している。分極軸の軸方向の詳細については後述する。
圧電体層11を構成する材料は、圧電デバイス100が所望のデバイス特性を発現するように適宜選択される。本実施形態においては、圧電体層11は、無機材料で構成されている。具体的には、圧電体層11は、ニオブ酸アルカリ系の化合物またはタンタル酸アルカリ系の化合物で構成されている。本実施形態においては、上記ニオブ酸アルカリ系の化合物または上記タンタル酸アルカリ系の化合物に含まれるアルカリ金属は、リチウム、ナトリウムおよびカリウムの少なくとも1つからなる。本実施形態において、圧電体層11は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、または、タンタル酸リチウム(LiTaO3)で構成されている。
図2に示すように、第1電極層12は、複数の層10の積層方向において圧電体層11の一方側に配置されている。第2電極層13は、圧電体層11を挟んで第1電極層12の少なくとも一部と対向するように圧電体層11の他方側に配置されている。また、本実施形態においては、第1電極層12と圧電体層11との間、および、第2電極層13と圧電体層11との間には、図示しない密着層が配置されている。また、複数の梁部120の各々において、第1電極層12および第2電極層13の各々は、第1スリット141、第2スリット142および外周スリット143の各々に面しないように設けられている。
本実施形態において、第1電極層12および第2電極層13の各々はPtで構成されている。第1電極層12および第2電極層13の各々は、Alなどの他の材料で構成されていてもよい。密着層は、Tiで構成されている。密着層は、NiCrなど他の材料で構成されていてもよい。第1電極層12、第2電極層13および上記密着層の各々は、エピタキシャル成長膜であってもよい。圧電体層11がニオブ酸リチウム(LiNbO3)で構成されている場合には、密着層を構成する材料が第1電極層12または第2電極層13に拡散することを抑制するという観点から、密着層は、NiCrで構成されることが好ましい。これにより、圧電デバイス100の信頼性が向上する。
本実施形態においては、第1電極層12および第2電極層13の各々の厚さは、たとえば0.05μm以上0.2μm以下である。密着層の厚さは、たとえば0.005μm以上0.05μm以下である。
複数の層10は、支持層14をさらに含んでいる。支持層14は、圧電体層11の第1電極層12側とは反対側、および、第2電極層13の圧電体層11側とは反対側に配置されている。支持層14は、第1支持部14aと、第1支持部14aの圧電体層11側とは反対側に積層された第2支持部14bとを有している。本実施形態において、第1支持部14aは、SiO2で構成され、第2支持部14bは、単結晶Siで構成されている。本実施形態において、支持層14の厚さは、複数の梁部120の屈曲振動の観点から、圧電体層11より厚いことが好ましい。なお、複数の梁部120の屈曲振動のメカニズムについては後述する。
また、図2に示すように、本実施形態においては、接続部130は、複数の梁部120の各々を構成する複数の層10が積層方向に対する直交方向に連続することで構成されている。ただし、本実施形態においては、接続部130における複数の層10は、第1電極層12と第2電極層13とを含んでいない。
さらに、基部110を構成する部材について説明する。図2に示すように、本実施形態においては、基部110は、複数の梁部120と同様の複数の層10を含んでいる。基部110の複数の層10は、複数の梁部120の複数の層10が連続することで構成されている。具体的には、基部110を構成する圧電体層11、第1電極層12、第2電極層13および支持層14は、複数の梁部120を構成する圧電体層11、第1電極層12、第2電極層13および支持層14にそれぞれ連続するように構成されている。そして、基部110は、基板層15と、第1接続電極層20と、第2接続電極層30とをさらに含んでいる。
基板層15は、上記中心軸の軸方向において、支持層14の圧電体層11側とは反対側に接続されている。基板層15は、第1基板層15aと、上記中心軸の軸方向において第1基板層15aの支持層14側とは反対側に積層された第2基板層15bとを含んでいる。本実施形態において、第1基板層15aは、SiO2で構成されており、第2基板層15bは、単結晶Siで構成されている。
図2に示すように,第1接続電極層20は、図示しない密着層を介して、第1電極層12に電気的に接続されつつ外部に露出している。具体的には、第1接続電極層20は、基部110における第電極層12の支持層14側とは反対側に配置されている。
第1接続電極層20および第2接続電極層30の各々の厚さは、たとえば0.1μm以上1.0μm以下である。第1接続電極層20と接続している密着層および第2接続電極層30の各々と接続している密着層の厚さはたとえば0.005μm以上0.1μm以下である。
本実施形態において、第1接続電極層20および第2接続電極層30の各々は、Auで構成されている。第1接続電極層20および第2接続電極層30は、Alなどの他の導電材料で構成されていてもよい。第1接続電極層20と接続している密着層および第2接続電極層30と接続している密着層の各々は、たとえばTiで構成されている。これらの密着層はNiCrで構成されていてもよい。
図2に示すように、本実施形態に係る圧電デバイス100には、上記積層方向において、圧電体層11側とは反対側に開口する、開口部101が形成されている。本実施形態において、開口部101は、基部110、複数の梁部120、複数の接続部130および第1スリット141、第2スリット142および外周スリット143によって囲まれた空間である。
ここで、圧電体層11を構成する単結晶圧電体の分極軸の軸方向について説明する。単結晶圧電体の分極軸を上記積層方向に直交する仮想平面上に上記積層方向から射影したときの仮想軸の軸方向は、複数の梁部120のいずれにおいても同一方向に延在しており、かつ、積層方向から見て、第1スリット141および第2スリット142の各々の延在方向とのなす角が45度または135度でないことが好ましい。より具体的には、本実施形態においては、上記仮想軸の軸方向は、積層方向から見て、第1スリット141および第2スリット142の各々の延在方向とのなす角が、0度以上5度以下、85度以上95度以下、または、175度以上180度未満であることがより好ましい。また、上記積層方向から見て、複数の梁部120の各々の延出方向と、積層方向から見たときの上記仮想軸の軸方向とのなす角は、いずれも、40度以上50度以下、または、130度以上140度以下であることがより好ましい。本実施形態に係る圧電デバイス100における上記仮想軸の軸方向は、いずれの第1スリット141、第2スリット142および橋渡し部131に対しても、上記の関係が成り立っていることが好ましい。上記仮想軸に関する各角度について、好適な範囲があることの理由については後述する。
本実施形態においては、上記仮想軸の軸方向は、特定の方向を向いているが、上記仮想軸の軸方向は特に限定されない。
また、本実施形態においては、単結晶圧電体が分極軸を有しているため、複数の梁部120に熱応力が発生することで、複数の梁部120の各々が上記積層方向に対する直交方向から見て反っている場合がある。複数の梁部120の各々が反っている変形例について、以下に説明する。
図5は、本発明の実施形態1の第2変形例に係る圧電デバイスの平面図である。図6は、図5に示した圧電デバイスをVI-VI線矢印方向から見た部分断面図である。
図5に示すように、本発明の実施形態1の第2変形例に係る圧電デバイス100bにおいては、積層方向から見て、上記仮想軸の軸方向と、複数の第1スリット141および複数の第2スリット142の各々とのなす角は、45度である。
このため、本変形例においては、上記積層方向から見たときの上記仮想軸の軸方向における、接続部130の中央から、一対の梁部120のうち一方の梁部120の反対側の端部までの長さL1と、接続部130の中央から、一対の梁部120のうち他方の梁部120の反対側の端部までの長さL2とが、互いに異なっている。また、上記積層方向から見たときの上記仮想軸の軸方向における、一対の梁部120のうちの一方の梁部120の、接続部130の中央側とは反対側に位置する端部は、固定端部121でない。一方で、上記積層方向から見たときの上記仮想軸の軸方向における、他方の梁部120の、接続部130の中央側とは反対側に位置する端部は固定端部121である。このため、複数の梁部120に熱応力がかかった場合は、接続部130近傍においては、一対の梁部120がそれぞれ異なる態様で反ることとなる。
本変形例に係る圧電デバイス100bにおいては、複数の梁部120に上述した熱応力が加わっている。結果として、図6に示すように、圧電デバイス100bが駆動していない状態において、接続部130の中央近傍における、一対の梁部120の各々の端部は、上記積層方向において互いに異なる位置に位置している。
図7は、本発明の実施形態1の第3変形例に係る圧電デバイスの平面図である。図8は、図7に示した圧電デバイスをVIII-VIII線矢印方向から見た部分断面図である。図9は、図7に示した圧電デバイスをIX-IX線矢印方向から見た部分断面図である。
図7に示すように、本発明の実施形態1の第3変形例に係る圧電デバイス100cにおいては、上記積層方向から見て、単結晶圧電体の上記仮想軸の軸方向と、複数の第1スリット141および複数の第2スリット142の各々とのなす角は、0度または90度である。
このため、本変形例においては、上記積層方向から見たときの上記仮想軸の軸方向における、接続部130の中央から、一対の梁部120のうち一方の梁部120の反対側の端部までの長さL1と、接続部130の中央から、一対の梁部120のうち他方の梁部120の反対側の端部までの長さL2とが、互いに同一である。また、上記積層方向から見たときの上記仮想軸の軸方向において、一対の梁部120のうちの一方の梁部120における接続部130の中央近傍の端部から固定端部121までの距離は、他方の梁部120における、接続部130の中央近傍の端部から固定端部121までの距離と、互いに同一である。
さらに、本変形例に係る圧電デバイス100cにおいては、複数の梁部120に熱応力が加わることで複数の梁部120の各々が反っている。結果としては、図8に示すように、圧電デバイス100cが駆動していない状態において、接続部130の中央近傍における一対の梁部120の接続部130の中央側の端部が、上記積層方向において互いに略同一の位置に位置している。このように、本変形例においては、複数の梁部120の各々が熱応力により反った場合においても、接続部130、特に、橋渡し部131が破損することを抑制することができる。
上記のように、本発明の実施形態1の第2変形例に係る圧電デバイス100bと第3変形例に係る圧電デバイス100cとを対比すれば、本発明の実施形態1において、積層方向から見て上記仮想軸の軸方向と、第1スリット141および第2スリット142の各々の延在方向とのなす角が、45度または135度であるのに対して、0度または90度に近づくほど、一対の梁部120の熱応力による変位の差が大きくなることを抑制できることがわかる。同様に、本発明の実施形態においては、積層方向から見て上記仮想軸の軸方向と、複数の梁部120の各々の延出方向とのなす角が、0度または90度であるのに対して、45度または135度に近づくほど、一対の梁部120の熱応力による変位の差が大きくなることを抑制できることがわかる。
なお、図9に示すように、本発明の実施形態1の第3変形例に係る圧電デバイス100cにおいては、一対の梁部120の各々を、第1スリット141側および第2スリット142側から見たときに、一対の梁部120の各々が積層方向のいずれか一方向に傾いている。
本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100は、複数の梁部120の各々が屈曲振動可能に構成されている。ここで、複数の梁部120の屈曲振動のメカニズムについて説明する。
図10は、本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの梁部の一部を模式的に示した断面図である。図11は、本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの、駆動時における梁部の一部を模式的に示した断面図である。なお、図10および図11において第1電極層および第2電極層は図示していない。
図10および図11に示すように、本実施形態においては、複数の梁部120において、圧電体層11が上記積層方向に直交する面内方向に伸縮可能な伸縮層として機能し、圧電体層11以外の層が、拘束層として機能する。本実施形態においては、主に支持層14が拘束層として機能する。このように、拘束層が、伸縮層に対して、伸縮層の伸縮方向の直交方向に積層されている。なお、複数の梁部120は、伸縮層が面内方向に伸びたときに面内方向に縮み、伸縮層が面内方向に縮んだときに面内方向に伸びることができる逆方向伸縮層を、拘束層の代わりに含んでいてもよい。
そして、伸縮層である圧電体層11が上記面内方向に伸縮しようとすると、拘束層の主要部分である支持層14は、圧電体層11との接合面において圧電体層11の伸縮を拘束する。また、本実施形態では、複数の梁部120の各々において、伸縮層である圧電体層11が、複数の梁部120の各々の応力中立面Nの一方側にのみ位置している。拘束層を主に構成する支持層14の重心の位置は、応力中立面Nの他方側に位置している。これにより、図10および図11に示すように、伸縮層である圧電体層11が上記面内方向に伸縮したときには、複数の梁部120の各々が上記面内方向に対して直交方向に屈曲する。なお、複数の梁部120の各々が屈曲したときの複数の梁部120の各々の変位量は、応力中立面Nと圧電体層11との離間距離が長くなるほど大きくなる。また、上記変位量は、圧電体層11が伸縮しようとする応力が大きくなるほど、大きくなる。このようにして、複数の梁部120の各々は、上記面内方向の直交方向において、固定端部121を起点として屈曲振動する。
さらに、本実施形態に係る圧電デバイス100においては、接続部130が設けられていることにより、基本振動モードでの振動が生じやすく、連成振動モードでの振動の発生が抑制される。基本振動モードとは、複数の梁部120の各々が屈曲振動するときの位相が揃っており、複数の梁部120全体が上下いずれか一方に変位するモードである。一方、連成振動モードとは、複数の梁部120の各々が屈曲振動するときに、複数の梁部120の少なくとも1つの位相が他の梁部120の位相と揃っていないモードである。
図12は、本発明の実施形態1に係る圧電デバイスについて、基本振動モードで振動している状態をシミュレーションによって示した斜視図である。具体的には、図12においては、複数の梁部120の各々が第1電極層12側に変位している状態の圧電デバイス100を示している。また、図12においては、複数の梁部120の各々が第1電極層12側に変位する変位量が大きくなるほど色が薄くなっている。なお、図12においては複数の層10を構成する各層は図示していない。
図12に示すように、複数の梁部120の各々について、互いに隣り合う一対の梁部120同士が接続部130により互いに接続しているため、連成振動モードの発生が抑制されている。
さらに、本実施形態に係る圧電デバイス100の接続部130においては、第1端部133Aおよび第2端部133Bの各々が、一対の梁部120の固定端部121より先端部122の近くに位置している。これにより、複数の梁部120の各々は、比較的強固に互いに接続されるため、複数の梁部120の各々の振動の位相がより揃いやすくなる。また、本実施形態に係る圧電デバイス100の接続部130は、橋渡し部131を含んでおり、橋渡し部131は、一対の梁部120同士の間を折り返しつつ接続する。このため、接続部130は、複数の梁部120が振動する際に、第1連結部132Aと第2連結部132Bとが板ばねのように機能して、接続部130が一対の梁部120を互いに接続しつつ、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bが橋渡し部131を介して直列に接続され、接続部130の板バネとしての長さが長くなることで、その接続力が強固になりすぎることを抑制することができる。
本実施形態に係る圧電デバイス100は、基本振動モードでの振動が生じやすく、連成振動モードの発生が抑制されているため、特に超音波トランスデューサとして用いたときのデバイス特性が向上している。以下、本実施形態に係る圧電デバイス100を超音波トランスデューサとして用いたときの圧電デバイス100の機能作用について説明する。
まず、図2に示すように、圧電デバイス100によって超音波を発生させる場合には、第1接続電極層20と、第2接続電極層30との間に電圧を印加する。そして、第1接続電極層20に接続された第1電極層12と、第2接続電極層30に接続された第2電極層13との間に電圧が印加される。さらに、複数の梁部120の各々においても、圧電体層11を介して互いに対向する第1電極層12と第2電極層13との間に電圧が印加される。そうすると、圧電体層11は、上記積層方向に直交する面内方向に沿って伸縮するため、上述のメカニズムにより、複数の梁部120の各々が上記積層方向に沿って屈曲振動する。これにより、圧電デバイス100の複数の梁部120の周辺の媒質に力が加えられ、さらに媒質が振動することにより、超音波が発生する。
また、本実施形態に係る圧電デバイス100において、複数の梁部120の各々は固有の機械的な共振周波数を有している。そのため、印加した電圧が正弦波電圧であり、かつ、正弦波電圧の周波数が上記共振周波数の値に近い場合には、複数の梁部120の各々が屈曲したときの変位量が大きくなる。
圧電デバイス100によって超音波を検知する場合には、超音波によって複数の梁部120の各々の周辺の媒質が振動し、当該周辺の媒質から複数の梁部120の各々に力が加えられ、複数の梁部120の各々が屈曲振動する。複数の梁部120の各々が屈曲振動すると、圧電体層11に応力が加わる。圧電体層11に応力が加わることで、圧電体層11中に電荷が誘起される。圧電体層11に誘起された電荷によって、圧電体層11を介して対向する第1電極層12と第2電極層13との間に電位差が発生する。この電位差を、第1電極層12に接続された第1接続電極層20と、第2電極層13に接続された第2接続電極層30とで検知する。これにより、圧電デバイス100において超音波を検知することができる。
また、検知の対象となる超音波が特定の周波数成分を多く含み、かつ、この周波数成分が上記共振周波数の値に近い場合には、複数の梁部120の各々が屈曲振動するときの変位量が大きくなる。当該変位量が大きくなることで、上記電位差が大きくなる。
このように、本実施形態に係る圧電デバイス100を超音波トランスデューサとして用いる場合には、複数の梁部120の共振周波数の設計が重要となる。複数の梁部120の各々の延在方向の長さ、上記中心軸の軸方向における厚さおよび当該軸方向から見たときの固定端部121の長さ、および、複数の梁部120を構成する材料の密度および弾性率によって、上記共振周波数は変化する。また、複数の梁部の各々が互いに同一の共振周波数を有していることが好ましい。たとえば、複数の梁部120の各々の上記厚さが互いに異なる場合には、複数の梁部120の各々の延在方向の長さを調整することで、複数の梁部120の各々が互いに同一の共振周波数を有するようにする。
たとえば、図1から図3に示す本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100において、複数の梁部120の各々の共振周波数を40kHz近傍に設計する場合は、複数の梁部120の各々について、圧電体層11の構成材料をニオブ酸リチウム、圧電体層11の厚さを1μm、第1電極層12および第2電極層13の各々の厚さを0.1μm、第1支持部14aの厚さを0.8μm、第2支持部14bの厚さを1.4μm、複数の梁部120の各々の固定端部121から先端部122までの最短距離を400μm、上記積層方向から見たときの固定端部121の長さを800μmにすればよい。
なお、本実施形態に係る圧電デバイス100は、上述の構成を有する接続部130を備えていることにより、基本振動モードでの振動が発生しやすく、連成振動モードの発生が抑制されている。このため、圧電デバイス100を超音波トランスデューサとして用いる場合においては、共振周波数と同一の周波数成分を有する超音波を検知する際にも、複数の梁部120の各々の振動の位相が異なることが抑制される。ひいては、複数の梁部120の各々の振動の位相が異なることで、複数の梁部120の各々の圧電体層11で発生した電荷が、第1電極層12または第2電極層13で打ち消し合うことが抑制される。
このように、圧電デバイス100においては、超音波トランスデューサとしてのデバイス特性が向上している。
以下、本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100の製造方法について説明する。図13は、本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、圧電単結晶基板に第2電極層を設けた状態を示す断面図である。図13および以下に示す図14から図19においては、図2と同様の断面視にて図示している。
図13に示すように、まず、圧電単結晶基板11aの下面に図示しない密着層を設けた後、密着層の圧電単結晶基板11a側とは反対側に第2電極層13を設ける。第2電極層13は、蒸着リフトオフ法により、所望のパターンを有するように形成する。第2電極層13は、スパッタリングにより圧電単結晶基板11aの下面の全面にわたって積層した後に、エッチング法により所望のパターンを形成することで形成してもよい。第2電極層13および密着層は、エピタキシャル成長させてもよい。
図14は、本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、第1支持部を設けた状態を示す断面図である。図14に示すように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはPVD(Physical Vapor Deposition)法などにより、圧電単結晶基板11aおよび第2電極層13の各々の下面に、第1支持部14aを設ける。第1支持部14aを設けた直後においては、第1支持部14aの下面のうち第1支持部14aの第2電極層13側とは反対側に位置する部分が盛り上がっている。このため、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)などにより第1支持部14aの下面を削って、平坦化する。
図15は、本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、第1支持部に、積層体を接合させた状態を示す断面図である。図15に示すように、表面活性化接合または原子拡散接合により、第2支持部14bと基板層15とからなる積層体16を、第1支持部14aの下面に接合する。本実施形態において、積層体16は、SOI(Silicon on Insulator)基板である。なお、第2支持部14bの上面を予めCMPなどにより平坦化しておくことにより、圧電デバイス100の歩留まりが向上する。
図16は、本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、圧電単結晶基板を削って圧電体層を形成した状態を示す断面図である。図15および図16に示すように、圧電単結晶基板11aの上面をグラインダで研削することにより、薄くする。薄くした圧電単結晶基板11aの上面を、CMPなどによりさらに研磨することで、圧電単結晶基板11aを圧電体層11に成形する。
なお、圧電単結晶基板11aの上面側に、予めイオンを注入することにより、剥離層を形成し、上記剥離層を剥離することで、圧電単結晶基板11aを圧電体層11に成形してもよい。また、上記剥離層を剥離した後の圧電単結晶基板11aの上面を、CMPなどによりさらに研磨することで、圧電単結晶基板11aを圧電体層11に成形してもよい。
図17は、本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、圧電体層に、第1電極層を設けた状態を示す断面図である。図17に示すように、圧電体層11の上面に図示しない密着層を設けた後、密着層の圧電体層11側とは反対側に第1電極層12を設ける。第1電極層12は、蒸着リフトオフ法により、所望のパターンを有するように形成する。第1電極層12は、スパッタリングにより圧電体層11の上面の全面にわたって積層した後に、エッチング法により所望のパターンを形成することで形成してもよい。第1電極層12および密着層は、エピタキシャル成長させてもよい。
図18は、本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、溝部および凹部を設けた状態を示す断面図である。図18に示すように、上記積層方向から見て圧電デバイス100の基部110より内側の領域に相当する領域において、RIE(Reactive Ion Etching)などでドライエッチングすることにより、圧電体層11および第1支持部14aにスリットを形成する。上記スリットは、フッ硝酸などを用いてウェットエッチングすることにより形成してもよい。さらに、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)によって、上記スリットが基板層15の上面まで達するように、上記スリットに露出した第2支持部14bを、エッチングする。これにより、図1および図2に示した圧電デバイス100における第1スリット141、第2スリット142および外周スリット143に相当する、図18に示した溝部17が形成される。
さらに、図18に示すように、圧電デバイス100の基部110に相当する部分においては、上記ドライエッチングまたは上記ウェットエッチングにより、第2電極層13の一部が露出するように、圧電体層11をエッチングする。これにより、凹部18が形成される。
図19は、本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造方法において、第1接続電極層および第2接続電極層を設けた状態を示す断面図である。そして、図19に示すように、基部110に相当する部分においては、第1電極層12および第2電極層13の各々に図示しない密着層を設けた後、蒸着リフトオフ法により、各密着層の上面に第1接続電極層20および第2接続電極層30を設ける。第1接続電極層20および第2接続電極層30は、スパッタリングにより圧電体層11、第1電極層12および露出した第2電極層13の全面にわたって積層した後に、エッチング法により所望のパターンを形成することで形成してもよい。
そして、図19および図2に示すように、最後に、基板層15のうち第2基板層15bの一部をDRIEにより除去した後、第1基板層15aの一部をRIEにより除去する。これにより、開口部101が設けられるとともに、複数の梁部120および接続部130が形成される。
上記の工程により、図1から図3に示すような本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100が製造される。
上記のように、本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100は、基部110と、複数の梁部120と、接続部130とを備えている。複数の梁部120の各々は、固定端部121と、先端部122とを有している。固定端部121は、基部110に接続されている。先端部122は、固定端部121とは反対側に位置している。複数の梁部120の各々は、固定端部121から先端部122に向かって延在している。複数の梁部120の各々は、複数の層10を含む圧電振動部である。接続部130は、複数の梁部120のうち互いに隣り合う一対の梁部120同士を接続する。一対の梁部120同士の間には、第1スリット141および第2スリット142が設けられている。第1スリット141は、一対の梁部120の各々の互いに隣り合う端縁の一部によって形成されている。第2スリット142は、第1スリット141とは異なる位置において、一対の梁部120の各々の互いに隣り合う端縁の他の一部によって形成されている。接続部130は、第1スリット141と第2スリット142との間に少なくとも位置している。接続部130は、第1端部133Aと、第2端部133Bと、橋渡し部131と、第1連結部132Aと、第2連結部132Bとを有している。接続部130は、第1端部133Aにおいて、一対の梁部120の一方と接続している。接続部130は、第2端部133Bにおいて、一対の梁部120の他方と接続している。第2端部133Bは、一対の梁部120が並んでいる方向において第1端部133Aと対向している。橋渡し部131は、一対の梁部120同士の間を折り返しつつ一対の梁部120同士を接続するために設けられている。第1連結部132Aは、橋渡し部131における一対の梁部120の一方側に位置する部分に接続されている。第2連結部132Bは、橋渡し部131における一対の梁部120の他方側に位置する部分に接続されている。第2連結部132Bは、第1連結部132Aに沿って位置している。接続部130は、第1端部133Aを1つのみ有している。接続部130は、第2端部133Bを1つのみ有している。第1端部133Aおよび第2端部133Bの各々は、一対の梁部120の各々の固定端部121より先端部122の近くに位置している。
これにより、複数の梁部120の各々の振動時の共振周波数が高くなることを抑制しつつ、振動ばらつきを小さくできる。
本実施形態においては、一対の梁部120同士の間には、橋渡し部131における接続部130の折り返しの外周側の端縁と、一対の梁部120の各々の端縁により、外周スリット143がさらに形成されている。第1スリット141は、外周スリット143と接続されている。第2スリット142は、橋渡し部131における接続部130の折り返しの内周側に位置している。
これにより、橋渡し部131の形成が容易になるとともに、複数の梁部120の振動時において、接続部130、特に橋渡し部131の動作が一対の梁部120によって阻害されることを抑制できる。
本実施形態においては、第1連結部132Aは、第1端部133Aを起点として第2スリット142に沿って延出しており、第2連結部132Bは、第2端部133Bを起点として第2スリット142に沿って延出している。
これにより、第2スリット142を形成することで第1連結部132Aおよび第2連結部132Bを容易に形成できる。
本実施形態においては、第1連結部132Aは、第1端部133A側とは反対側において橋渡し部131と直接接続されている。第2連結部132Bは、第2端部133B側とは反対側において橋渡し部131と直接接続されている。
これにより、接続部130の折り返しの回数が1回となり、必要最低限の構成部分によって接続部130を構成できる。
本実施形態においては、複数の層10の積層方向から見て、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法は、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々が橋渡し部131との接続箇所に向かって延びる経路に沿う方向に直交する方向における、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法より大きい。
これにより、複数の梁部120の振動時において接続部130による接続力が強固になりすぎることを抑制できる。
本実施形態においては、複数の層10の積層方向から見て、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々が橋渡し部131との接続箇所に向かって延びる経路の長さである、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの延出長さLの寸法は、接続部130から先端部122までの最短長さbの寸法より大きい。
これにより、上記最短長さbを相対的に小さくすることで接続部130による一対の梁部120の接続力を強くするとともに、上記延出長さLの寸法を大きくすることで、接続部130による接続力が強固になりすぎることを抑制できる。
本実施形態においては、複数の層10の積層方向から見て、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々が橋渡し部131との接続箇所に向かって延びる経路の長さである、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法は、一対の梁部120が互いに対向する方向に直交する方向における橋渡し部131の最大幅aの寸法より大きい。
これにより、接続部130において橋渡し部131の最大幅aが相対的に小さくなる。すなわち、接続部130において橋渡し部131の重量が相対的に小さくなる。ひいては、橋渡し部131の不所望な振動により圧電デバイス100のデバイス特性が低下することを抑制できる。
本実施形態においては、複数の層10の積層方向から見て、一対の梁部120が互いに対向する方向に直交する方向における橋渡し部131の最大幅aの寸法は、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々が橋渡し部131との接続箇所に向かって延びる経路に沿う方向に直交する方向における、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法より大きい。
これにより、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々と橋渡し部131が一体となって、複数の梁部120の振動時においては接続部130が1つの板ばねのように機能して、接続部130による接続力が強固になりすぎることをさらに抑制できる。
本実施形態においては、第1スリット141は、橋渡し部131に対して、一対の梁部120の各々の固定端部121側に位置している。第2スリット142は、橋渡し部131に対して、一対の梁部120の各々の先端部122側に位置している。
これにより、接続部130が、一対の梁部120の各々の先端部122同士を直接接続しないため、接続部130による一対の梁部120の各々による接続力が強固になりすぎることをさらに抑制できる。さらには、第1スリット141が外周スリット143と接続され、第2スリット142が橋渡し部131における接続部130の折り返しの内周側に位置していることにより、第1端部133Aと第2端部133Bとがより先端部122の近くに位置するため、一対の梁部120の振動のばらつきをより一層小さくできる。
本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100は、複数の梁部120として、4つの梁部120と、接続部130として、4つの接続部130とを備えている。4つの梁部120の各々は、同一の平面内に沿って位置している。4つの梁部120の各々は、仮想中心点に向かって延出し、かつ、仮想中心点の周方向に互いに隣り合っている。4つの接続部130の各々は、4つの梁部120のうち互いに隣り合う梁部120同士の間にそれぞれ位置して隣り合う一対の梁部120同士を接続している。
これにより、4つの梁部120を備える圧電デバイス100において、接続部130により、4つの梁部120の各々の振動時の共振周波数が高くなることを抑制しつつ、4つの梁部120の振動ばらつきを小さくできる。
本実施形態においては、複数の層10は、圧電体層11と、第1電極層12と、第2電極層13とを有している。圧電体層11は、単結晶圧電体で構成されている。第1電極層12は、複数の層10の積層方向において圧電体層11の一方側に配置されている。第2電極層13は、圧電体層11を挟んで第1電極層12の少なくとも一部と対向するように圧電体層11の他方側に配置されている。単結晶圧電体の分極軸を上記積層方向に直交する仮想平面上に上記積層方向から射影したときの仮想軸の軸方向は、複数の梁部120のいずれにおいても同一方向に延在しており、かつ、積層方向から見て、第1スリット141および第2スリット142の各々の延在方向とのなす角が45度でない。
これにより、圧電体層11が分極軸を有する単結晶圧電体で構成される圧電デバイス100において、仮に一対の梁部120の各々に熱応力が生じた場合であっても、接続部130に生じる応力分布の偏りを低減して接続部130の破損を抑制することができる。
本実施形態においては、上記仮想軸の軸方向は、積層方向から見て、第1スリット141および第2スリット142の各々の延在方向とのなす角が、0度以上5度以下、85度以上95度以下、または、175度以上180度未満である。
これにより、接続部130に生じる応力分布の偏りをさらに低減して接続部130の破損を抑制することができる。
本発明の実施形態1の第変形例に係る圧電デバイス100においては、一対の梁部120の各々を、第1スリット141側および第2スリット142側から見たときに、一対の梁部120の各々が積層方向のいずれか一方向に傾いている。
このような構成であっても、本発明の実施形態1の第変形例に係る圧電デバイス100は、接続部130に生じる応力分布の偏りが低減されているため、接続部130の破損の発生が抑制されている。
本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100においては、上記積層方向から見て、複数の梁部120の各々の延出方向と、上記仮想軸の軸方向とのなす角は、いずれも、40度以上50度以下、または、130度以上140度以下である。
これにより、仮に複数の梁部120に熱応力が生じた場合においても、複数の梁部120の各々が、延出方向にかけて略同一の応力分布を有するため、複数の梁部120の各々の反り方も略同一となる。ひいては、圧電デバイス100のデバイス特性の低下を抑制できる。
本実施形態においては、圧電体層11は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、または、タンタル酸リチウム(LiTaO3)で構成されている。
これにより、圧電体層11の圧電特性を向上できるため、圧電デバイス100のデバイス特性を向上できる。
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2に係る圧電デバイスについて説明する。本発明の実施形態2に係る圧電デバイスは、梁部の数が主に、本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100と異なっている。このため、本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100と同様の構成については説明を繰り返さない。
図20は、本発明の実施形態2に係る圧電デバイスの平面図である。図20に示すように、本発明の実施形態2に係る圧電デバイス200においても、接続部130は、複数の梁部220のうち互いに隣り合う一対の梁部220同士を接続する。一対の梁部220同士の間には、第1スリット141および第2スリット142が設けられている。第1スリット141は、一対の梁部220の互いに隣り合う一対の端縁の一部によって形成されている。第2スリット142は、第1スリット141とは異なる位置において、一対の梁部220の互いに隣り合う一対の端縁の他の一部によって形成されている。接続部130は、第1スリット141と第2スリット142との間に少なくとも位置している。接続部130は、第1端部133Aと、第2端部133Bと、橋渡し部131と、第1連結部132Aと、第2連結部132Bとを有している。接続部130は、第1端部133Aにおいて、一対の梁部20の一方と接続している。接続部130は、第2端部133Bにおいて、一対の梁部20の他方と接続している。第2端部133Bは、一対の梁部220が並んでいる方向において第1端部133Aと対向している。橋渡し部131は、一対の梁部220同士の間を折り返しつつ一対の梁部20同士を接続するために設けられている。第1連結部132Aは、橋渡し部131における一対の梁部220の一方側に位置する部分に接続されている。第2連結部132Bは、橋渡し部131における一対の梁部220の他方側に位置する部分に接続されている。第2連結部132Bは、第1連結部132Aに沿って位置している。接続部130は、第1端部133Aを1つのみ有している。接続部130は、第2端部133Bを1つのみ有している。第1端部133Aおよび第2端部133Bの各々は、一対の梁部220の各々の固定端部121より先端部122の近くに位置している。これにより、複数の梁部220の各々の振動時の共振周波数が高くなることを抑制しつつ、振動ばらつきを小さくできる。
また、本発明の実施形態2に係る圧電デバイス200は、複数の梁部220として、2つの梁部220を備えている。2つの梁部220は、2つの梁部220の各々の先端部122が互いに対向するように位置している。第1スリット141および第2スリット142の各々は、2つの梁部220の各々の先端部122同士の間に位置している。これにより、2つの梁部220を備える圧電デバイス200においても、接続部130により、2つの梁部220の各々の振動時の共振周波数が高くなることを抑制しつつ、2つの梁部220の振動ばらつきを小さくできる。
なお、本実施形態において、より具体的には、第1スリット141は、2つの梁部220の各々の先端部122の一部に隣接するように形成されている。第2スリット142は、第1スリット141とは異なる位置において、2つの梁部220の各々の先端部122の他の一部に隣接するように形成されている。
本実施形態において、2つの梁部220は、互いに同一の方向に沿って延在している。第1スリット141および第2スリット142の各々は、具体的には、2つの梁部220の各々の延在方向に交差する方向に延在しており、具体的には、2つの梁部220の各々の延在方向に直交する方向に延在している。これにより、本実施形態においても、簡易な構成で、接続部130を設けることができる。
本実施形態においては、固定端部121および先端部122が、それぞれ、2つの梁部220の各々の上記延在方向に対して直交方向に沿って位置している。これにより、2つの梁部220の外形形状を簡素化できる。なお、具体的には、2つの梁部220の各々は、上記積層方向から見て、略矩形状の外形を有している。2つの梁部220の各々は、一対の側端部223を有している。一対の側端部223の各々は、固定端部121の端部と先端部122の端部とを互いに接続している。一対の側端部223の各々は、基部110と離間して位置している。
本実施形態に係る圧電デバイス200は、追加の接続部230をさらに備えている。追加の接続部230は、2つの梁部220の各々の先端部122同士の間において、2つの梁部220の各々の先端部122同士の間の仮想中心点に関して接続部130と点対称となるように配置されている。追加の接続部230は、接続部130と同様の構成を備えている。追加の接続部230を構成する各構成部分は、先端部122同士の間の上記仮想中心点に関して接続部130を構成する各構成部分と点対称となるように配置されている。
さらに、図20に示すように、2つの梁部220同士の間には、追加の第1スリット241と、追加の外周スリット243とがさらに設けられている。追加の第1スリット241は、先端部122同士の間の上記仮想中心点に関して第1スリット141と点対称となるように配置されている。追加の第1スリット241は、第1スリット141および第2スリット142の各々と互いに同一方向に延在している。具体的には、上記積層方向から見て、追加の第1スリット241、第1スリット141および第2スリット142は、同一の仮想直線上に位置している。追加の外周スリット243は、先端部122同士の間の上記の仮想中心点に関して外周スリット143と点対称となるように配置されている。
本実施形態において、追加の接続部230に対する、追加の第1スリット241、第2スリット142および追加の外周スリット243の各々の相対的な位置の関係は、接続部130に対する、第1スリット141、第2スリット142および外周スリット143の各々の相対的な位置の関係と同様である。
また、本実施形態においても、圧電体層を構成する単結晶圧電体の分極軸の軸方向は、特定の方向を向いている。すなわち、単結晶圧電体の分極軸を上記積層方向に直交する仮想平面上に上記積層方向から射影したときの仮想軸の軸方向も、特定の方向を向いている。本実施形態において、2つの梁部220の各々の延在方向と、上記積層方向から見たときの上記仮想軸の軸方向とのなす角は、いずれも、0度以上5度以下、85度以上95度以下、または、175度以上180度未満である。ただし、本実施形態においても、単結晶圧電体の分極軸および上記仮想軸の各々の軸方向は上記の特定の方向に限定されない。
また、本実施形態においても、単結晶圧電体が分極軸を有しているため、2つの梁部220に熱応力が発生することで、2つの梁部220の各々が上記積層方向に対する直交方向から見て反っている場合がある。複数の梁部220の各々が反っている変形例について、以下に説明する。
図21は、本発明の実施形態2の第1変形例に係る圧電デバイスの平面図である。図22は、図21に示した圧電デバイスをXXII-XXII線矢印方向から見た部分断面図である。
図21に示すように、本発明の実施形態2の第1変形例に係る圧電デバイス200aにおいては、積層方向から見て、単結晶圧電体の上記仮想軸の軸方向と、第1スリット141、第2スリット142および追加の第1スリット241の各々とのなす角は、45度である。
このため、本変形例においては、上記積層方向から見たときの上記仮想軸の軸方向における、接続部130の中央から、2つの梁部220のうち一方の梁部220の反対側の端部までの長さL1と、接続部130の中央から、2つの梁部220のうち他方の梁部220の反対側の端部までの長さL2とが、互いに異なっている。また、上記積層方向から見たときの上記仮想軸の軸方向における、2つの梁部220のうちの一方の梁部220の、接続部130の中央側とは反対側に位置する端部は、固定端部121でない。一方で、上記積層方向から見たときの上記仮想軸の軸方向における、上記積層方向から見たときの上記仮想軸の軸方向における、他方の梁部220の、接続部130の中央側とは反対側に位置する端部は固定端部121である。このため、複数の梁部220に熱応力がかかった場合は、接続部130近傍においては、2つの梁部220がそれぞれ異なる態様で反ることとなる。
さらに、本変形例に係る圧電デバイス200aにおいては、複数の梁部220に熱応力が加わっている。結果として、図22に示すように、圧電デバイス200aが駆動していない状態において、接続部130の中央近傍における、2つの梁部220の各々の端部は、上記積層方向において互いに異なる位置に位置している。
図23は、本発明の実施形態の第変形例に係る圧電デバイスの平面図である。図24は、図23に示した圧電デバイスをXXIV-XXIV線矢印方向から見た部分断面図である。
図23に示すように、本発明の実施形態2の第2変形例に係る圧電デバイス200bにおいては、上記積層方向から見て、単結晶圧電体の仮想軸の軸方向と、第1スリット141、第2スリット142および追加の第1スリット241の各々とのなす角は、0度または90度である。
このため、本変形例においては、上記積層方向から見たときの上記仮想軸の軸方向における、接続部130の中央から、2つの梁部220のうち一方の梁部220の反対側の端部までの長さL1と、接続部130の中央から、2つの梁部220のうち他方の梁部220の反対側の端部までの長さL2とが、互いに同一である。また、上記積層方向から見たときの上記仮想軸の軸方向において、2つの梁部220のうちの一方の梁部220における、接続部130の中央近傍の端部から固定端部121までの距離は、他方の梁部220における、接続部130の中央近傍の端部から固定端部121までの距離と、互いに同一である。
さらに、本変形例に係る圧電デバイス200bにおいては、2つの梁部220に熱応力が加わることで2つの梁部220の各々が反っている。結果として、図24に示すように、圧電デバイス200bが駆動していない状態において、接続部130の中央近傍における2つの梁部220の接続部130側の端部が、上記積層方向において互いに略同一の位置に位置している。このように、本変形例においては、複数の梁部220の各々が熱応力により反った場合においても、一対の梁部220が上記積層方向において同様に変形するため、接続部130、特に、橋渡し部131が破損することを抑制することができる。
上記のように、本発明の実施形態2の第1変形例に係る圧電デバイス200aと第2変形例に係る圧電デバイス200bとを対比すれば、本発明の実施形態2において、積層方向から見て上記仮想軸の軸方向と、第1スリット141および第2スリット142の各々の延在方向とのなす角が、45度または135度であるのに対して、0度または90度に近づくほど、2つの梁部220の熱応力による変位の差が大きくなることを抑制できることがわかる。同様に、本発明の実施形態2においては、積層方向から見て上記仮想軸の軸方向と、2つの梁部220の各々の延在方向とのなす角が、45度または135度であるのに対して、0度または90度に近づくほど、熱応力による、上記積層方向における2つの梁部の変位の差が大きくなることを抑制できることがわかる。
(実施形態3)
以下、本発明の実施形態3に係る圧電デバイスについて説明する。本発明の実施形態3に係る圧電デバイスは、各スリットの構成が主に、本発明の実施形態2に係る圧電デバイス200と異なる。このため、本発明の実施形態2に係る圧電デバイス200と同様の構成については説明を繰り返さない。
図25は、本発明の実施形態3に係る圧電デバイスの平面図である。図25に示すように、本発明の実施形態3に係る圧電デバイス300は、接続部330を1つのみ備えている。すなわち、本発明の実施形態3に係る圧電デバイス300においては、本発明の実施形態2に係る圧電デバイス200に設けられている追加の第1スリット、追加の外周スリットは設けられていない。
本発明の実施形態3に係る圧電デバイス300においても、接続部330は、複数の梁部220のうち互いに隣り合う一対の梁部220同士を接続する。一対の梁部220同士の間には、第1スリット141および第2スリット142が設けられている。第1スリット141は、一対の梁部220の互いに隣り合う一対の端縁の一部によって形成されている。第2スリット142は、第1スリット141とは異なる位置において、一対の梁部220の互いに隣り合う一対の端縁の他の一部によって形成されている。接続部330は、第1スリット141と第2スリット142との間に少なくとも位置している。接続部330は、第1端部133Aと、第2端部133Bと、橋渡し部131と、第1連結部132Aと、第2連結部132Bとを有している。接続部330は、第1端部133Aにおいて、一対の梁部220の一方と接続している。接続部330は、第2端部133Bにおいて、一対の梁部220の他方と接続している。第2端部133Bは、一対の梁部220が並んでいる方向において第1端部133Aと対向している。橋渡し部131は、一対の梁部220同士の間を折り返しつつ一対の梁部220同士を接続するために設けられている。第1連結部132Aは、橋渡し部131における一対の梁部220の一方側に位置する部分に接続されている。第2連結部132Bは、橋渡し部131における一対の梁部220の他方側に位置する部分に接続されている。第2連結部132Bは、第1連結部132Aに沿って位置している。接続部330は、第1端部133Aを1つのみ有している。接続部330は、第2端部133Bを1つのみ有している。第1端部133Aおよび第2端部133Bの各々は、一対の梁部220の各々の固定端部121より先端部122の近くに位置している。これにより、複数の梁部220の各々の振動時の共振周波数が高くなることを抑制しつつ、複数の梁部220の振動ばらつきを小さくできる。
(実施形態4)
以下、本発明の実施形態4に係る圧電デバイスについて説明する。本発明の実施形態4に係る圧電デバイスは、第1連結部および第2連結部の各々の延出長さ、最小幅および厚さの寸法関係を規定した点が、本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100と異なっている。このため、本発明の実施形態1に係る圧電デバイス100と同様の構成については説明を繰り返さない。
図26は、本発明の実施形態4に係る圧電デバイスの平面図である。図27は、図26の圧電デバイスをXXVII-XXVII線矢印方向から見た断面図である。図28は、本発明の実施形態4に係る圧電デバイスの接続部の構成を示す部分平面図である。図27においては、見やすくするために、各層を厚く記載している。
図26から図28に示すように、本発明の実施形態4に係る圧電デバイス400は、基部110と、4つの梁部120と、4つの接続部430とを備えている。4つの梁部120の固定端部121は、上記積層方向から見て、正方形状に位置している。図26に示す、上記積層方向から見て、4つの梁部120の固定端部121のうちの向かい合う固定端部121同士の最短距離Mの寸法は、向かい合う固定端部121同士のうちの一方の固定端部121を有する梁部120における固定端部121と先端部122とを最短で通過する直線に沿って測定される寸法である。
接続部430は、4つの梁部120のうち互いに隣り合う一対の梁部120同士を接続する。接続部430は、橋渡し部131と、第1連結部132Aと、第2連結部132Bとを有している。
本実施形態においては、第1連結部132A、第2連結部132Bおよび橋渡し部131の各々は、一定の幅を有しつつ直線状に延在している。第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法は、橋渡し部131の最大幅aの寸法と同一である。
圧電デバイス400において、接続部430による梁部120同士を接続する力が弱くなりすぎると、連成振動モードが発生しやすくなる。この発生しやすさは、連成振動モードの共振周波数と、基本振動モードの共振周波数とによって定量化することができる。これらの共振周波数が離れているほど、連成振動モードは発生しにくい状態となる。
ここで、連成振動モードの共振周波数は、4つの梁部120と接続部430との面外方向の曲げ剛性の比率により変化する。梁部120および接続部430の各々において、曲げ剛性は、厚さと長さならびに構成材料の硬さおよび密度などのパラメータに主に依存する。
4つの梁部120と接続部430とは、梁部120は第1電極層12を含み、接続部430は第1電極層12を含まない点で互いに異なるものの、略同じ積層構造を有するため、厚さ、硬さおよび密度については略同じであり、互いの長さの違いによって上記曲げ剛性の比率が大きく変化する。すなわち、固定端部121同士の最短距離Mの寸法に対する、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法の比率を調整することによって、連成振動モードの共振周波数を変化させることができる。
一般的に、本実施形態のような薄い梁部120の屈曲振動を利用する音響デバイスにおいては、空気抵抗による負荷によって共振時のQ値が10程度に抑えられる。これにより、たとえば、共振周波数から±5%ずれた周波数で圧電デバイス400が用いられた場合でも、共振時の半分以上のエネルギーを圧電デバイス400に入力できるため、使用可能帯域を広くすることができる。特に、圧電デバイス400をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加工によって大量に製造した場合は、MEMSの加工精度により±5%程度の共振周波数のばらつきが生ずることがあるが、上記のように使用可能帯域が広い圧電デバイス400においては、圧電デバイス400の特性が大きくばらつくことを抑制することができる。
しかしながら、上記の使用可能帯域内に連成振動モードの共振周波数が存在する場合、圧電デバイス400に入力されたエネルギーは、基本振動モードではなく連成振動モードの振動エネルギーとして吸収される。この場合、圧電デバイス400の変換効率が低下するとともに、連成振動モードのQ値は高いため、圧電デバイス400の駆動停止後の残響が長くなる。
この問題点に鑑みると、連成振動モードの共振周波数を、基本振動モードの共振周波数に対して、5%以上高くすることが好ましい。そこで、固定端部121同士の最短距離Mの寸法に対する、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法の比率と、4つの梁部120の各々における1次共振周波数に対する2次共振周波数と1次共振周波数と差の割合との関係について、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法を変えてシミュレーション解析を行なった。上記の1次共振周波数は、基本振動モードの共振周波数に相当し、上記の2次共振周波数は、連成振動モードの共振周波数に相当する。
シミュレーション解析条件として、本実施形態に係る圧電デバイス400において、固定端部121同士の最短距離Mの寸法を800μm、圧電体層11の厚さの寸法を1μm、支持層14の厚さを2μmとした。すなわち、図27に示す厚さTの寸法を3μmとした。この厚さTは、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の上記積層方向における厚さに相当する。第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法を、10μm、15μmおよび20μmの3種類とした。
図29は、シミュレーション解析結果を示すグラフである。図29においては、縦軸に、4つの梁部120の各々における1次共振周波数fr1に対する2次共振周波数fr2と1次共振周波数fr1と差の割合(%)、横軸に、固定端部121同士の最短距離Mの寸法に対する、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法の比率(%)を示している。また、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法が、10μmのデータを実線、15μmのデータを1点鎖線、20μmのデータを点線で示している。さらに、4つの梁部の各々における1次共振周波数fr1に対する2次共振周波数fr2と1次共振周波数fr1と差の割合が5%である基準線を点線で示している。
図29に示すように、固定端部121同士の最短距離Mの寸法に対する、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法の比率〔(L/M)×100(%)〕が大きくなるにしたがって、4つの梁部120の各々における1次共振周波数fr1に対する2次共振周波数fr2と1次共振周波数fr1と差の割合〔(fr2-fr1)/fr1×100(%)〕が低下する傾向が認められた。
第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法が10μm、15μmおよび20μmのいずれにおいても、固定端部121同士の最短距離Mの寸法に対する、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法の比率〔(L/M)×100(%)〕が30%以下の範囲において、4つの梁部120の各々における1次共振周波数fr1に対する2次共振周波数fr2と1次共振周波数fr1と差の割合〔(fr2-fr1)/fr1)×100(%)〕が5%以上となった。
そこで、本実施形態においては、上記積層方向から見て、4つの梁部120の固定端部121のうちの向かい合う固定端部121同士の最短距離Mの寸法に対する、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の延出長さLの寸法の比率は、30%以下である。これにより、連成振動モードを生じにくくして、圧電デバイス400の変換効率の低下、および、圧電デバイス400の駆動停止後の残響が長くなることを、抑制することができる。
上述のとおり、連成振動モードの共振周波数は、4つの梁部120と接続部430との面外方向の曲げ剛性の比率により変化する。仮に、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法が、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の上記積層方向における厚さTの寸法より小さい場合、4つの梁部120および接続部430の面内方向の曲げ剛性が面外方向の曲げ剛性より低くなる。この場合、連成振動モードの共振周波数が基本振動モードの共振周波数に近くなり、〔(fr2-fr1)/fr1)×100(%)〕を5%以上確保することが難しくなる場合がある。
そこで、本実施形態においては、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法は、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の上記積層方向における厚さTの寸法より大きい。これにより、連成振動モードを生じにくくして、圧電デバイス400の変換効率の低下、および、圧電デバイス400の駆動停止後の残響が長くなることを、抑制することができる。
なお、上記のパラメータによる限定が適用可能な接続部430の形状は上記に限られない。ここで、上記のパラメータによる限定が適用可能な変形例に係る接続部の形状について説明する。以下の変形例の説明においては、本発明の実施形態4に係る圧電デバイス400の接続部430と同一である構成については説明を繰り返さない。
図30は、本発明の実施形態4の第1変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。図30に示すように、本発明の実施形態4の第1変形例においては、接続部430aの橋渡し部131は、第2スリット142の先端を中心として半径がaの半円状の形状を有している。第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法は、橋渡し部131の最大幅aの寸法と同一である。
図31は、本発明の実施形態4の第2変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。図31に示すように、本発明の実施形態4の第2変形例においては、接続部430bの第1連結部132A、第2連結部132Bおよび橋渡し部131の各々は、一定の幅を有しつつ直線状に延在している。第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法は、橋渡し部131の最大幅aの寸法より小さい。なお、橋渡し部131の最大幅aの寸法は、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの2倍の寸法以下である。
図32は、本発明の実施形態4の第3変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。図32に示すように、本発明の実施形態4の第3変形例においては、接続部430cの橋渡し部131は、第2スリット142の先端を中心として半径がaの半円状の形状を有している。第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法は、橋渡し部131の最大幅aの寸法より小さい。なお、橋渡し部131の最大幅aの寸法は、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの2倍の寸法以下である。
図33は、本発明の実施形態4の第4変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。図33に示すように、本発明の実施形態4の第4変形例においては、接続部430dの第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの橋渡し部側の部分ならびに橋渡し部131の各々は、第2スリット142の先端を中心とする1辺の長さが2aの仮想正方形に沿う形状を有している。第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法は、橋渡し部131の最大幅aの寸法より小さい。なお、橋渡し部131の最大幅aの寸法は、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの2倍の寸法以下である。
図34は、本発明の実施形態4の第5変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。図34に示すように、本発明の実施形態4の第5変形例においては、接続部430eの第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの橋渡し部側の部分ならびに橋渡し部131の各々は、第2スリット142の先端を中心とする半径がaの仮想円に沿う形状を有している。第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法は、橋渡し部131の最大幅aの寸法より小さい。なお、橋渡し部131の最大幅aの寸法は、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの2倍の寸法以下である。
図35は、本発明の実施形態4の第6変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。図35に示すように、本発明の実施形態4の第6変形例においては、第2スリット142の先端に、直径rの円形の開口142rが形成されている。直径rの寸法は、第2スリット142の幅の寸法より大きく、かつ、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法以下である。接続部430fの第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの橋渡し部側の部分ならびに橋渡し部131の各々は、開口142rの中心を中心とする1辺の長さが(2a+r)の仮想正方形に沿う形状を有している。第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法は、橋渡し部131の最大幅aの寸法以下である。なお、橋渡し部131の最大幅aの寸法は、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの2倍の寸法以下である。
図36は、本発明の実施形態4の第7変形例に係る圧電デバイスの接続部の形状を示す部分平面図である。図36に示すように、本発明の実施形態4の第変形例においては、第2スリット142の先端に、直径rの円形の開口142rが形成されている。直径rの寸法は、第2スリット142の幅の寸法より大きく、かつ、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法以下である。接続部430gの第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの橋渡し部側の部分ならびに橋渡し部131の各々は、開口142rの中心を中心とする半径が(a+r/2)の仮想円に沿う形状を有している。第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの寸法は、橋渡し部131の最大幅aの寸法以下である。なお、橋渡し部131の最大幅aの寸法は、第1連結部132Aおよび第2連結部132Bの各々の最小幅Wの2倍の寸法以下である。
上述した実施形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 複数の層、11 圧電体層、11a 圧電単結晶基板、12 第1電極層、13 第2電極層、14 支持層、14a 第1支持部、14b 第2支持部、15 基板層、15a 第1基板層、15b 第2基板層、16 積層体、17 溝部、18 凹部、20 第1接続電極層、30 第2接続電極層、100,100a,100b,100c,200,200a,200b,300,400 圧電デバイス、101 開口部、110 基部、120,220,320 梁部、121 固定端部、122 先端部、130,330,430,430a,430b,430c,430d,430e,430f,430g 接続部、131 橋渡し部、132A 第1連結部、132B 第2連結部、133A 第1端部、133B 第2端部、141 第1スリット、142 第2スリット、142r 開口、143 外周スリット、223 側端部、230 追加の接続部、241 追加の第1スリット、243 追加の外周スリット。

Claims (20)

  1. 基部と、
    前記基部に接続された固定端部と、該固定端部とは反対側に位置する先端部とを有し、該固定端部から前記先端部に向かって延在する複数の梁部と、
    前記複数の梁部のうち互いに隣り合う一対の梁部同士を接続する接続部とを備え、
    前記複数の梁部の各々は、複数の層を含む圧電振動部であり、
    前記一対の梁部同士の間には、前記一対の梁部の互いに隣り合う一対の端縁の一部によって形成される第1スリットと、該第1スリットとは異なる位置において、前記一対の梁部の互いに隣り合う一対の端縁の他の一部によって形成される第2スリットとが設けられており、
    前記接続部は、前記第1スリットと前記第2スリットとの間に少なくとも位置し、
    前記接続部は、前記一対の梁部の一方と接続する第1端部と、前記一対の梁部の他方と接続し、かつ、前記一対の梁部が並んでいる方向において前記第1端部と対向する第2端部と、前記一対の梁部同士の間を折返しつつ前記一対の梁部同士を接続するために設けられる橋渡し部と、該橋渡し部における前記一対の梁部の一方側に位置する部分に接続される第1連結部と、前記橋渡し部における前記一対の梁部の他方側に位置する部分に接続され、かつ、前記第1連結部に沿って位置する、第2連結部とを有し、
    前記接続部は、前記第1端部を1つのみ有し、かつ、前記第2端部を1つのみ有し、
    前記第1端部および前記第2端部の各々は、前記一対の梁部の各々の前記固定端部より前記先端部の近くに位置している、圧電デバイス。
  2. 前記一対の梁部同士の間には、前記橋渡し部における前記接続部の折り返しの外周側の端縁と、前記一対の梁部の各々の端縁とにより、外周スリットがさらに形成されており、
    前記第1スリットは、前記外周スリットと接続されており、
    前記第2スリットは、前記橋渡し部における前記接続部の折り返しの内周側に位置している、請求項1に記載の圧電デバイス。
  3. 前記第1連結部は、前記第1端部を起点として前記第2スリットに沿って延出しており、
    前記第2連結部は、前記第2端部を起点として前記第2スリットに沿って延出している、請求項1または請求項2に記載の圧電デバイス。
  4. 前記第1連結部は、前記第1端部側とは反対側において前記橋渡し部と直接接続されており、
    前記第2連結部は、前記第2端部側とは反対側において前記橋渡し部と直接接続されている、請求項3に記載の圧電デバイス。
  5. 前記複数の層の積層方向から見て、前記第1連結部および前記第2連結部の各々の延出長さの寸法は、前記第1連結部および前記第2連結部の各々が前記橋渡し部との接続箇所に向かって延びる経路に沿う方向に直交する方向における、前記第1連結部および前記第2連結部の各々の最小幅の寸法より大きい、請求項3または請求項4に記載の圧電デバイス。
  6. 前記複数の層の積層方向から見て、前記第1連結部および前記第2連結部の各々が前記橋渡し部との接続箇所に向かって延びる経路の長さである、前記第1連結部および前記第2連結部の各々の延出長さの寸法は、前記接続部から前記先端部までの最短長さの寸法より大きい、請求項3または請求項4に記載の圧電デバイス。
  7. 前記複数の層の積層方向から見て、前記第1連結部および前記第2連結部の各々が前記橋渡し部との接続箇所に向かって延びる経路の長さである、前記第1連結部および前記第2連結部の各々の延出長さの寸法は、前記一対の梁部が互いに対向する方向に直交する方向における前記橋渡し部の最大幅の寸法より大きい、請求項3または請求項4に記載の圧電デバイス。
  8. 前記複数の層の積層方向から見て、前記一対の梁部が互いに対向する方向に直交する方向における前記橋渡し部の最大幅の寸法は、前記第1連結部および前記第2連結部の各々が前記橋渡し部との接続箇所に向かって延びる経路に沿う方向に直交する方向における、前記第1連結部および前記第2連結部の各々の最小幅の寸法より大きい、請求項3または請求項4に記載の圧電デバイス。
  9. 前記第1スリットは、前記橋渡し部に対して、前記一対の梁部の各々の前記固定端部側に位置し、
    前記第2スリットは、前記橋渡し部に対して、前記一対の梁部の各々の前記先端部側に位置している、請求項1に記載の圧電デバイス。
  10. 前記複数の梁部として、4つの梁部と、
    前記接続部として、4つの接続部とを備えており、
    前記4つの梁部の各々は、同一の平面内に沿って位置しており、
    前記4つの梁部の各々は、仮想中心点に向かって延出し、かつ、前記仮想中心点の周方向に互いに隣り合っており、
    前記4つの接続部の各々は、前記4つの梁部のうち互いに隣り合う梁部同士の間にそれぞれ位置して隣り合う一対の梁部同士を接続する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
  11. 前記複数の梁部として、2つの梁部を備え、
    前記2つの梁部は、前記2つの梁部の各々の前記先端部が互いに対向するように位置しており、
    前記第1スリットおよび前記第2スリットの各々は、前記2つの梁部の各々の前記先端部同士の間に位置している、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
  12. 前記2つの梁部は、互いに同一の方向に沿って延在しており、
    前記第1スリットおよび前記第2スリットの各々は、前記2つの梁部の各々の延在方向に直交する方向に延在している、請求項11に記載の圧電デバイス。
  13. 前記固定端部と前記先端部は、それぞれ、前記2つの梁部の各々の延在方向に対して直交方向に沿って位置している、請求項12に記載の圧電デバイス。
  14. 前記複数の層は、
    単結晶圧電体で構成された圧電体層と、
    前記複数の層の積層方向において前記圧電体層の一方側に配置された第1電極層と、
    前記圧電体層を挟んで前記第1電極層の少なくとも一部と対向するように前記圧電体層の他方側に配置された第2電極層とを有し、
    前記単結晶圧電体の分極軸を、前記積層方向に直交する仮想平面上に前記積層方向から射影したときの仮想軸の軸方向は、前記複数の梁部のいずれにおいても同一方向に延在しており、かつ、前記積層方向から見て、前記第1スリットおよび前記第2スリットの各々の延在方向とのなす角が45度でない、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
  15. 前記仮想軸の軸方向は、前記積層方向から見て、前記第1スリットおよび前記第2スリットの各々の延在方向とのなす角が、0度以上5度以下、85度以上95度以下、または、175度以上180度未満である、請求項14に記載の圧電デバイス。
  16. 前記一対の梁部の各々を、前記第1スリット側および前記第2スリット側から見たときに、前記一対の梁部の各々が前記積層方向のいずれか一方向に傾いている、請求項14または請求項15に記載の圧電デバイス。
  17. 前記積層方向から見て、前記複数の梁部の各々の延出方向と、前記積層方向から見たときの前記仮想軸の軸方向とのなす角は、いずれも、40度以上50度以下、または、130度以上140度以下である、請求項14から請求項16のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
  18. 前記圧電体層は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、または、タンタル酸リチウム(LiTaO3)で構成されている、請求項14から請求項16のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
  19. 前記4つの梁部の前記固定端部は、前記複数の層の積層方向から見て、正方形状に位置しており、
    前記積層方向から見て、前記4つの梁部の前記固定端部のうちの向かい合う固定端部同士の最短距離の寸法に対する、前記第1連結部および前記第2連結部の各々の延出長さの寸法の比率は、30%以下である、請求項10に記載の圧電デバイス。
  20. 前記第1連結部および前記第2連結部の各々の最小幅の寸法は、前記第1連結部および前記第2連結部の各々の前記複数の層の積層方向における厚さの寸法より大きい、請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
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