JP7408966B2 - 作業者割り当て装置、作業者割り当て方法、および作業者割り当てプログラム - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態の作業者割り当て装置10を示すブロック図である。作業者割り当て装置10は、工程別・作業者別歩留記憶手段1と、材料・部品単価記憶手段2と、損失コスト算出手段3と、第1のトータル損失コスト算出手段4と、第2のトータル損失コスト算出手段5と、作業者割り当て手段6とを有している。
図2は本実施形態の作業者割り当て装置1000を示すブロック図である。作業者割り当て装置1000は、データベース100と、演算部200と、出力部300とを有する。ハードウェア構成としては、例えば、データベース100に記憶装置、演算部200にコンピュータ、出力部300にディスプレイ、プリンタ、スピーカなどを用いることができる。
(具体例1)
[Step1]まず演算部が、データベースから工程別・作業者別歩留を読み込む。そして、歩留を不良率に換算し、工程別・作業者別の不良率のマトリックスを作成する(図3)。図3の例では、例えば、作業者1が工程Aの作業を行う場合の不良率は2%、作業者2が工程Aの作業を行う場合の不良率は0.1%である。
[Step2]演算部が、データベースから材料・部品単価を読み込む(図4)。例えば、工程Aに使用される部品費は¥2,000、同様に工程Bに使用される部品は¥15,000である。
[Step3]演算部が、工程別・作業者別歩留から工程別・作業者別の不良率を算出し、不良率と材料・部品単価とを掛け合わせ、行に作業者、列に工程を配列した損失コストマトリックスを作成する(図5)。例えば、作業者1が行う工程Aの不良率2%と工程Aの部品費¥2,000を掛け、作業者1が工程Aの行う場合の損失コストは¥40と計算される。
[Step4]演算部が、各工程の損失コストを作業者間で比較し最小値を抽出する。次いで、工程間で最小値を比較し、この最小値が大きい順に工程の優先順位を付与する。ここでは、まず工程A、B、C、Dの最小値として、¥0.2、¥15.0、¥0.2、¥140が抽出される。この中の最大値が工程Dの¥140なので、工程Dが優先順位1にランク付けされる。以下、図6のように工程の優先順位が付与される。この優先順位が、損失コストの低減効果が大きい順になる。
[Step5]演算部が、各作業者の損失コストを工程間で比較し最小値を抽出する。次いで、作業者間で最小値を比較し、この最小値が大きい順に作業者の優先順位を付与する。ここでは、まず作業者1、2、3、4の最小値として、¥1.0、¥0.2、¥0.2、¥0.3が抽出される。この中の最大値が作業者1の¥1.0なので、作業者1が優先順位1にランク付けされる。以下、図7のように作業者の優先順位が付与される。この優先順位は、損失コストの低減効果が大きい順になる。
[Step6]演算部が、工程の優先順位1と作業者の優先順位1の損失コストを比較し、大きい方の工程、作業者の組合せで作業者を割り当てる。Step4の¥140.0とStep5の¥1.0を比較すると、前者の方が大きい。その結果、前者の値を与える作業者4を工程Dに割り当てる組合せを確定する。
[Step7]演算部は、割り当てが確定した作業者4と工程Dの行と列とを除外する。そして、残ったマトリックスの中で、優先順位が高い作業者と工程の損失コストを比較し、損失コストが大きい組み合わせの割り当てを確定する。この場合、工程の優先順位2が工程Bの¥15.0、作業者の優先順位1が作業者1の¥1.0なので、前者を与える組合せである作業者2の工程Bへの割り当てが確定する。以下、同様に、損失コストの比較を繰り返し、全ての割り当てを確定する。
[Step8]演算部が、Step7の処理を繰り返すことにより、工程Dへの作業者4の割り当て、工程Bへの作業者2の割り当て、工程Cへの作業者1の割り当て、工程Aへの作業者3の割り当てが確定する(図8)。
[Step8]出力部が、割り当ての結果を出力する。例えば、確定した割り当てと、その時のトータルの損失コストと直行率を表示することができる。図9Aは、その表示例である。比較のため、直行率を最大化するように作業者の割り当てを決めた場合の割り当て、トータル損失コスト、直行率を図9Bに示す。直行率を最大化して割り当てを決めた場合、直行率は0.39%改善するが、損失コストは59.3円増加している。
本実施形態では、損失コストが大きい工程に、適性の高い作業者を優先的に割り当てて、作業者割り当てを決定する方法について説明する。まず、具体例を用いて手順を説明する
[Step1]データベースから工程別・作業者別歩留を読み込む(図3)。
[Step2]データベースから材料・部品単価を読み込む(図4)。
[Step3]工程別・作業者別歩留から工程別・作業者別の不良率を算出し、不良率と材料・部品単価とを掛け合わせ、工程別・作業者別の損失コストのマトリックスを作成する(図13)。なお図13と図5は同じものである。
[Step4]次に、得られたマトリックスの中の最大値を抽出する。各工程の損失コストを作業者間で比較し最大値を抽出する。ここでは、工程Dに作業者2を割り当てた時が最大で、その値は¥1,000になる。これは最大の損失コストを生じさせる悪い組み合わせということを表している。
[Step5]そこで、この割り当てをマトリックスから削除する(図14)。
[Step6]次に、割り当てを削除した工程Dの中で最大値を抽出する。ここでは作業者1と作業者3の¥200が抽出される。
[Step7]Step6で抽出された¥200の2つの割り当てを削除する。その結果、作業者4を工程Dに割り当てた時の¥140が最小値として残り、1つの割り当てが確定する(図15)。
[Step8]以降、作業者4と工程Dの行と列とを除外したマトリックスで、Step4-7を繰り返し、損失コストの大きな工程から順次割り当てが確定し、全ての割り当てを決定することができる。
第2、第3の実施形態で2通りの、割り当て方法について説明した。これらの方法によれば、作業者の数や工程の数が増えても、演算部が実行する計算量があまり大きくならない、すなわち計算量を節約できるという効果がある。しかしながら、演算部の計算能力が高く、計算量が増えても問題にならない場合には、作業者と工程の全ての組み合わせでトータル損失コストを試算し、トータル損失コストが最小となる割り当てを求めても良い。
第2の実施形態で説明したトータル損失コストには、予め目標値を設定することができる。例えば、工程の実行に必要な人数よりも、作業可能な作業者の方が多い場合には、割り当てを与える作業者と与えない作業者とができる。本実施形態は、このような場合に、適用できる。
(付記1)
複数の工程から成る生産ラインで、各工程に作業者を割り当てる作業者割り当て装置であって、
それぞれの前記作業者がそれぞれの前記工程を担当した時の工程別・作業者別歩留を記憶する工程別・作業者別歩留記憶手段と、
それぞれの前記工程で使用される材料や部品の材料・部品単価を記憶する材料・部品単価記憶手段と、
前記工程別・作業者別歩留と材料・部品単価とに基づいて、各工程で各作業者が発生させることが見込まれる損失コストを算出する損失コスト算出手段と、
直行率が最大になるように、前記作業者を前記工程に割り当てた時のトータルの損失コストを第1のトータル損失コストとして算出する第1のトータル損失コスト算出手段と、
前記工程と前記作業者の一方を行、他方を列として前記損失コストを配置した損失コストマトリックスを作成し、前記損失コストマトリックスの中で、各前記作業者を各前記工程に配置する可能な組合せにおけるトータルの損失コストを第2のトータル損失コストとして試算する第2のトータル損失コスト算出手段と、
前記第2のトータル損失コストが前記第1のトータル損失コストより小さくなるように、それぞれの前記作業者をそれぞれの前記工程に割り当てる作業者割り当て手段と、
を有することを特徴とする作業者割り当て装置。
(付記2)
複数の工程から成る生産ラインで、各工程に作業者を割り当てる作業者割り当て方法であって、
それぞれの前記作業者がそれぞれの前記工程を担当した時の工程別・作業者別歩留を記憶し、
それぞれの前記工程で使用される材料や部品の材料・部品単価を記憶し、
前記工程別・作業者別歩留と材料・部品単価とに基づいて、各工程で各作業者が発生させることが見込まれる損失コストを算出し、
直行率が最大になるように、前記作業者を前記工程に割り当てた時のトータルの損失コストを第1のトータル損失コストとして算出し、
前記工程と前記作業者の一方を行、他方を列として前記損失コストを配置した損失コストマトリックスを作成し、
前記損失コストマトリックスの中で、各前記作業者を各前記工程に配置する可能な組合せにおけるトータルの損失コストを第2のトータル損失コストとして試算し、
前記第2のトータル損失コストが前記第1のトータル損失コストより小さくなるように、それぞれの前記作業者をそれぞれの前記工程に割り当てる
ことを特徴とする作業者割り当て方法。
(付記3)
前記損失コストマトリックスの中で、それぞれの前記工程の中の最小値を抽出し、
抽出した前記最小値の大きい順に、前記工程に割り当ての優先順位を設定する
ことを特徴とする付記2に記載の作業者割り当て方法。
(付記4)
前記損失コストマトリックスの中で、それぞれの前記作業者の中の最小値を抽出し、
抽出した前記最小値の大きい順に、前記作業者に割り当ての優先順位を設定する
ことを特徴とする付記3に記載の作業者割り当て方法。
(付記5)
前記優先順位が最も高い工程の中で最小の前記損失コストと、前記優先順位が最も高い作業者の中で最小の前記損失コストとを比較し、大きい方の前記損失コストに対応する前記工程への前記作業者の割り当てを確定する
ことを特徴とする付記4に記載の作業者割り当て方法。
(付記6)
割り当てが確定した前記工程と前記作業者の行の要素と列の要素とを除外し、残りの要素における、前記優先順位が最も高い工程の中で最小の前記損失コストと、前記優先順位が最も高い作業者の中で最小の前記損失コストとを比較し、大きい方の前記損失コストに対応する前記工程への前記作業者の割り当てを確定する
ことを特徴とする付記5に記載の作業者割り当て方法。
(付記7)
付記6の作業者割り当て方法を繰り返し行う
ことを特徴とする作業者割り当て方法。
(付記8)
前記損失コストマトリックスの中で、損失コストが最大の要素に対応する前記工程への前記作業者の割り当てを削除し、削除した要素の有った工程の中で最小値を与える前記工程への前記作業者の割り当てを確定する
ことを特徴とする付記2に記載の作業者割り当て方法。
(付記9)
前記損失コストマトリックスの中で、前記工程への前記作業者の割り当てが確定した行の要素と列の要素とを削除し、削除した要素の有った工程の中で最小値を与える前記工程への前記作業者の割り当てを確定する
ことを特徴とする付記7に記載の作業者割り当て方法。
(付記10)
付記9の作業者割り当て方法を繰り返し行う
ことを特徴とする作業者割り当て方法。
(付記11)
複数の工程から成る生産ラインで、各工程に作業者を割り当てる処理をコンピュータに実行させる作業者割り当てプログラムであって、
それぞれの前記作業者がそれぞれの前記工程を担当した時の工程別・作業者別歩留を記憶するステップと、
それぞれの前記工程で使用される材料や部品の材料・部品単価を記憶するステップと、
前記工程別・作業者別歩留と材料・部品単価とに基づいて、各工程で各作業者が発生させることが見込まれる損失コストを算出するステップと、
直行率が最大になるように、前記作業者を前記工程に割り当てた時のトータルの損失コストを第1のトータル損失コストとして算出するステップと、
前記工程と前記作業者の一方を行、他方を列として前記損失コストを配置した損失コストマトリックスを作成するステップと、
前記損失コストマトリックスの中で、各前記作業者を各前記工程に配置する可能な組合せにおけるトータルの損失コストを第2のトータル損失コストとして試算するステップと、
前記第2のトータル損失コストが前記第1のトータル損失コストより小さくなるように、それぞれの前記作業者をそれぞれの前記工程に割り当てるステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする作業者割り当てプログラム。
2 材料・部品単価記憶手段
3 損失コスト算出手段
4 第1のトータル損失コスト算出手段
5 第2のトータル損失コスト算出手段
6 作業者割り当て手段
10、1000 作業者割り当て装置
100 データベース
110 工程別・作業者別歩留
120 材料・部品単価
200 演算部
210 損失コスト算出部
220 第1のトータル損失コスト算出部
230 第2のトータル損失コスト算出部
240 作業者割り当て部
300 出力部
Claims (10)
- 複数の工程から成る生産ラインで、各工程に作業者を割り当てる作業者割り当て装置であって、
それぞれの前記作業者がそれぞれの前記工程を担当した時の工程別・作業者別歩留を記憶する工程別・作業者別歩留記憶手段と、
それぞれの前記工程で使用される材料や部品の材料・部品単価を記憶する材料・部品単価記憶手段と、
前記工程別・作業者別歩留と材料・部品単価とに基づいて、各工程で各作業者が発生させることが見込まれる損失コストを算出する損失コスト算出手段と、
直行率が最大になるように、前記作業者を前記工程に割り当てた時のトータルの損失コストを第1のトータル損失コストとして算出する第1のトータル損失コスト算出手段と、
前記工程と前記作業者の一方を行、他方を列として前記損失コストを配置した損失コストマトリックスを作成し、前記損失コストマトリックスの中で、各前記作業者を各前記工程に配置する可能な組合せにおけるトータルの損失コストを第2のトータル損失コストとして試算する第2のトータル損失コスト算出手段と、
前記第2のトータル損失コストが前記第1のトータル損失コストより小さくなるように、それぞれの前記作業者をそれぞれの前記工程に割り当てる作業者割り当て手段と、
を有することを特徴とする作業者割り当て装置。 - コンピュータが、複数の工程から成る生産ラインで、各工程に作業者を割り当てる作業者割り当て方法であって、
それぞれの前記作業者がそれぞれの前記工程を担当した時の工程別・作業者別歩留を記憶し、
それぞれの前記工程で使用される材料や部品の材料・部品単価を記憶し、
前記工程別・作業者別歩留と材料・部品単価とに基づいて、各工程で各作業者が発生させることが見込まれる損失コストを算出し、
直行率が最大になるように、前記作業者を前記工程に割り当てた時のトータルの損失コストを第1のトータル損失コストとして算出し、
前記工程と前記作業者の一方を行、他方を列として前記損失コストを配置した損失コストマトリックスを作成し、
前記損失コストマトリックスの中で、各前記作業者を各前記工程に配置する可能な組合せにおけるトータルの損失コストを第2のトータル損失コストとして試算し、
前記第2のトータル損失コストが前記第1のトータル損失コストより小さくなるように、それぞれの前記作業者をそれぞれの前記工程に割り当てる
ことを特徴とする作業者割り当て方法。 - 前記損失コストマトリックスの中で、それぞれの前記工程の中の最小値を抽出し、
抽出した前記最小値の大きい順に、前記工程に割り当ての優先順位を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の作業者割り当て方法。 - 前記損失コストマトリックスの中で、それぞれの前記作業者の中の最小値を抽出し、
抽出した前記最小値の大きい順に、前記作業者に割り当ての優先順位を設定する
ことを特徴とする請求項3に記載の作業者割り当て方法。 - 前記優先順位が最も高い工程の中で最小の前記損失コストと、前記優先順位が最も高い作業者の中で最小の前記損失コストとを比較し、大きい方の前記損失コストに対応する前記工程への前記作業者の割り当てを確定する
ことを特徴とする請求項4に記載の作業者割り当て方法。 - 割り当てが確定した前記工程と前記作業者の行の要素と列の要素とを除外し、残りの要素における、前記優先順位が最も高い工程の中で最小の前記損失コストと、前記優先順位が最も高い作業者の中で最小の前記損失コストとを比較し、大きい方の前記損失コストに対応する前記工程への前記作業者の割り当てを確定する
ことを特徴とする請求項5に記載の作業者割り当て方法。 - 請求項6の作業者割り当て方法を繰り返し行う
ことを特徴とする作業者割り当て方法。 - 前記損失コストマトリックスの中で、損失コストが最大の要素に対応する前記工程への前記作業者の割り当てを削除し、削除した要素の有った工程の中で最小値を与える前記工程への前記作業者の割り当てを確定する
ことを特徴とする請求項2に記載の作業者割り当て方法。 - 前記損失コストマトリックスの中で、前記工程への前記作業者の割り当てが確定した行の要素と列の要素とを削除し、削除した要素の有った工程の中で最小値を与える前記工程への前記作業者の割り当てを確定する
ことを特徴とする請求項7に記載の作業者割り当て方法。 - 複数の工程から成る生産ラインで、各工程に作業者を割り当てる処理をコンピュータに実行させる作業者割り当てプログラムであって、
それぞれの前記作業者がそれぞれの前記工程を担当した時の工程別・作業者別歩留を記憶するステップと、
それぞれの前記工程で使用される材料や部品の材料・部品単価を記憶するステップと、
前記工程別・作業者別歩留と材料・部品単価とに基づいて、各工程で各作業者が発生させることが見込まれる損失コストを算出するステップと、
直行率が最大になるように、前記作業者を前記工程に割り当てた時のトータルの損失コストを第1のトータル損失コストとして算出するステップと、
前記工程と前記作業者の一方を行、他方を列として前記損失コストを配置した損失コストマトリックスを作成するステップと、
前記損失コストマトリックスの中で、各前記作業者を各前記工程に配置する可能な組合せにおけるトータルの損失コストを第2のトータル損失コストとして試算するステップと、
前記第2のトータル損失コストが前記第1のトータル損失コストより小さくなるように、それぞれの前記作業者をそれぞれの前記工程に割り当てるステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする作業者割り当てプログラム。
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