JP7408894B2 - チューブリン重合阻害活性及び免疫調節特性を有する化合物 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、チューブリン重合阻害によって抗血管剤として作用する、及び/又は免疫調節特性を有する化合物、当該化合物を調製する方法、及びがんの処置における当該化合物の使用に関する。
先行技術
がんは、65歳未満の男性における主要死因であり、女性における2番目の死因である。欧州では年間200万件を超える新たな症例が診断されている。フランスではがんによる死亡者数が2015年に150,000人と推定された。このように、社会に及ぼすがんの影響は依然として相当なものである。
がんに対する処置の主要な形式は、手術、放射線治療、いわゆる従来の化学治療(細胞毒性薬を要する)、標的治療(細胞調節及び細胞増殖に関わるある種の機序を特異的に標的化する)、ホルモン治療(生体により天然に産生されるホルモンの作用に感受性があるがんの場合に好適)、免疫治療(腫瘍性細胞に対する病人の免疫系を刺激することを狙う)である。
細胞毒性薬を要する従来の化学治療は、単独で、又は手術若しくは放射線治療と一緒に行われ、主要な位置を占めている。しかしながら、この処置は、選択性の欠如により、望ましくない作用をもたらすことが多い。加えて、多耐性(多くのがんが処置を回避する主たる機序)は、多くの化学治療の失敗における重要な因子である。
がんの処置においてなされた最近の進展は、標的治療の到来とつながっている。これに関連して、腫瘍の血管新生の正常化、破壊又は調節解除が新たな標的治療戦略の目的であり、大きな期待を生み出している。この戦略は、がん性細胞より遺伝学的に安定している内皮細胞のみをもっぱら標的化し、処置に対する耐性のリスクを低減する。フォスブレタブリンは、先導的な抗血管剤であり、2016年に米国及び欧州において、神経内分泌腫瘍類(NET類)及び多形膠芽腫(MGB)を処置するための希少疾病用医薬品としての地位を獲得した。
標的治療に大いに関心が寄せられているにもかかわらず、がんの広範な生物学的多様性及び耐性の事象の出現が原因で、1つの標的を狙った処置は限定的な結果しか示していない。異なる作用機序を有し、この疾患の最も重要な変化を標的とする数種の活性成分の組合せ(又は多剤化学治療)は、別々に摂取される各活性成分の毒性が集積されないのであれば、賢明であるように思われる。開発の道は、現在、複数の標的を同時に阻害する又は調節する二重分子の使用につながっている。チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)は、この考え方の良い例であり、VEGF受容体、PDGF受容体並びに他の膜キナーゼ及び/又は細胞質キナーゼのシグナル伝達を遮断する能力がある。この戦略の利点は多く、(i)複数の標的に対する同時効果の相乗作用による、より良好な有効性(ii)薬物動態学的パラメーター及び薬力学的パラメーターを単純化する単一の代謝速度、(iii)投与される種々の活性成分間の相互作用の低下、又は相互作用が存在すらしないこと、などがある。
標的治療と異なり、免疫治療は、がん性細胞を直接的に破壊することを狙うものではない。免疫治療は、がん性細胞に対する病人の自己防御の強化及び刺激をするために、免疫系を標的化する。この手法は、いわゆる「免疫調節性」モノクローナル抗体、例えば、抗-CTLA-4(イピリムマブ/ヤーボイ(YERVOY)(登録商標)、転移性黒色腫)又は抗-PD-1/PD-L1(ペムブロリズマブ/キイトルーダ(KEYTRUDA)(登録商標)、ニボルマブ/オプジーバ(OPDIVA)(登録商標)、腎がん、肺がんなど)などの上市を可能にした。免疫調節剤はまた、免疫応答の作用主体に対して標的化する方法で作用する化学的小分子でもあり得る。現在までに、サリドマイド及びその誘導体のみが免疫調節性分子(多発性骨髄腫)として記載されている。これらの活性成分が臨床的に使用される場合、それらの活性成分はいくつかの欠点を伴い、その欠点のうち、主に催奇形作用、及び二次性がん(急性骨髄芽球性白血病及び骨髄異形成症候群)のリスクの高さが、それらの活性成分の使用をかなり限定するという事実が依然としてある。したがって、免疫調節性小分子の探索は、大きな期待を生み出している分野である。
がんに対する免疫治療の戦略は、細胞毒性のCD8Tリンパ球の刺激を標的とすることにある可能性がある。CD8Tリンパ球は、ある種の抗原、すなわちクラスI主要組織適合遺伝子複合体(MHC-I)分子中で抗原刺激を受けた8~10アミノ酸の低分子内在性ペプチドを認識する。MHC-Iによる提示機構の構成成分における変化が、多くの種類のがんにおいて示されており、これが抗原提示の低下又は消失をもたらし、このため、腫瘍エスケープに好都合となる。低分子によって腫瘍内の抗原提示を増加させると、CD8Tリンパ球に対面した場合に腫瘍性細胞が認識される度合いを改善できる可能性がある。それ故、CD8Tリンパ球に腫瘍性細胞をもっと認識できるようにすることによって、これらの低分子は免疫調節活性を有する可能性がある。
一方は腫瘍の血管新生を標的にし、他方は免疫系を標的にする、2つの治療手法の組合せは、抗血管剤として、及び免疫調節剤としての両方で作用する、新規なクラスの「多標的の」抗腫瘍性化合物の特定を伴う本特許出願の原理を成す。
天然起源の分子であるコンブレタスタチンA-4(CA-4)は、血管内皮増殖因子(VEGF)が重要な作用主体である増殖因子によって活性化された内皮細胞のチューブリンと相互作用する能力をもつことが理由で、抗血管剤として認識されている。コンブレタスタチンA-4は、腫瘍に灌注する血管を選択的に破壊し、したがって重要な腫瘍内の壊死を誘導する。コンブレタスタチンA-4のプロドラッグであるフォスブレタブリンは、米国及び欧州において、甲状腺のがん及び慢性骨髄性白血病のための希少疾病用医薬品としての地位を獲得している。耐性卵巣がんに対し、ベバシズマブなどの他の薬剤と組み合わせて、他の臨床試験が進行中である。コンブレタスタチンA-4は治療において有効ではあるが、いくつかのマイナス要因を負っている。そのマイナス要因には、二重結合Zの異性化のせいで不活性な異性体Eができてしまう化学的不安定性があり、低温での保存及び光からの保護を余儀なくされることがある。
Figure 0007408894000001
CA-4の二重結合Zの不安定性という繰り返し発生する問題を回避する手段が、出願、国際公開第2008/122620号において開発されている。イソコンブレタスタチンA-4(isoCA-4)、及びイソアミノコンブレタスタチンA-4(isoNHCA-4)が2つの先導物として特定されており、その生物学的プロファイル(細胞毒性、チューブリン重合阻害、アポトーシスの誘導など)は天然の分子の生物学的プロファイルと厳密に同一であるが、二重結合の異性化のリスクを有していない。これらの分子は特に安定しており、肝細胞の存在下で代謝しない。
本発明者らは、それらの構造活性相関の研究作業を継続し、細胞毒性及びチューブリン重合阻害特性のみならず、免疫調節特性も有する化合物を驚くべきことに発見した。
さらに、本発明による化合物の増殖抑制活性は、ピコモルからナノモルまでに及ぶ極めて低い濃度で観測される。
同様に、本発明による化合物の免疫調節活性は、極めて低いナノモル濃度で観測される。
本発明は、次式(I):
Figure 0007408894000002

[式中:
Xは、-CH-基又は窒素原子を表し、
は、水素原子、ハロゲン原子、好ましくは塩素原子、(C~C)アルキル基、好ましくはメチル基、-CN基又は-CF基を表し、
は、水素原子、(C~C)アルキル基、アリール-(C~C)アルキル基、好ましくはベンジル、又は-COR21基を表し、R21は、(C~C)アルキル基又はアリール基を表し、
は、水素原子、(C~C)アルキル基、好ましくはメチル基、アリール-(C~C)アルキル基又は-COR31基を表し、R31は、(C~C)アルキル基又はアリール基を表し、好ましくはRは、(C~C)アルキル基、好ましくはメチル基、アリール-(C~C)アルキル基又は-COR31基を表し、R31は、(C~C)アルキル基又はアリール基を表し、
41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子;ハロゲン原子;-OR45;-SR45;-NR4546;-NO;又はハロゲン原子、-OR45、-SR45、-NR4546及び-NOの中から選択される1つ又は複数の置換基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、(C~C)アルキル基、-CF基又は-COR47基を表し、R47は、(C~C)アルキル基又はアリール基を表し、
及びRは、水素原子を表し、又は一緒に-CR51=CR52-CR53=CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子;ハロゲン原子;-OR55;-SR55;-NR5556;-NO;又はハロゲン原子、-OR55、-SR55、-NR5556及び-NOの中から選択される1つ又は複数の置換基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子、(C~C)アルキル基、-CF基又は-COR57基を表し、R57は、(C~C)アルキル基又はアリール基を表す]
の化合物
又はその薬学的に許容できる塩に関する。
本発明はまた、特にチューブリン重合阻害によって、及び/又は免疫調節によって作用しながら、とりわけがんを処置することを目的とする薬物として使用するための、上記のような化合物(I)又はその薬学的に許容できる塩にも関する。
本発明はまた、上記のような少なくとも1つの化合物(I)又はその薬学的に許容できる塩と、薬学的に許容できる添加剤とを含む医薬組成物にも関する。
本発明はまた、特にチューブリン重合阻害によって、及び/又は免疫調節によって作用しながら、とりわけがんを処置することを目的とする薬物として使用するための、上記のような少なくとも1つの化合物(I)又はその薬学的に許容できる塩と、薬学的に許容できる添加剤とを含む医薬組成物にも関する。
本発明はまた、がんの処置を目的とする薬物を調製するための、上記のような化合物(I)又はその薬学的に許容できる塩の使用にも関する。
本発明はまた、がんを処置する方法であって、それを必要とする患者への、上記のような化合物(I)若しくはその薬学的に許容できる塩又は上記で定義されたような医薬組成物の有効量の投与を含む方法にも関する。
最後に、本発明は、以下のステップ:
(1)次式(II):
Figure 0007408894000003

[式中、R、R及びRは、例えば上記で定義されたとおりである]のアミン誘導体を、
次式(III):
Figure 0007408894000004

[式中、Yは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチルスルホネート基又はトシル基を表し、X、R、R41、R42、R43及びR44は、例えば上記で定義されたとおりである]の化合物とカップリングして、
=Hである上記のような式(I)の化合物を得るステップ、
(2)任意選択で、先行するステップ(1)で得られる式(I)の化合物のアミンが有するR=H基を置換して、Rが、(C~C)アルキル基、アリール-(C~C)アルキル基、又は-COR31基を表す上記のような式(I)の化合物を得るステップであって、R31が、例えば上記で定義されたとおりである、ステップ、及び
(3)任意選択で、先行するステップ(1)又は(2)で得られる式(I)の化合物を塩化して、例えば上記で定義されたとおりの式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩を得るステップ
を含む、上記のような化合物(I)又はその薬学的に許容できる塩を調製する方法に関する。
DMSOの存在下で(対照-ビヒクル単独)、又はDMSO中濃度5nMの化合物1の存在下で24時間処理した後の、細胞周期の異なる期(G0/G1、S、G2/M)におけるHCT116細胞のDNA含量の関数としてのHCT116細胞の数を表す。 DMSO中、様々な濃度の1で24時間処理したHCT116細胞におけるアポトーシスの誘導を表す。アポトーシスは、カスパーゼ3及び7の酵素活性の測定値によって示され、結果を、0.1%DMSOで24時間処理した細胞(対照)と比較して%で表している。 DMSOの存在下で(対照)、又はDMSO中濃度10nMの化合物1の存在下で、マトリゲル(Matrigel)に固定したHUVECによって形成された血管の、経時(t=0時間、t=2時間、t=3時間及びt=5時間の各時点)での発達を表す。 化合物18(図4a)、21(図4b)及び10(図4c)の濃度の関数としての、MCA205肉腫株におけるCD8Tリンパ球に対する抗原提示の変動を表す。 化合物18(図5a)、21(図5b)及び9(図5c)の濃度の関数としての、B16F10黒色腫株における抗原提示を表す。
定義
本発明の説明において使用されるような「ハロゲン」という用語は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を指す。有利なことには、ハロゲンは、フッ素、臭素及び塩素であり、より一層有利なことにはフッ素又は塩素である。
本発明の説明において使用されるような「(C~C)アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖の任意の飽和炭化水素基、特にメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル及びヘキシルの各基を指す。
本発明の説明において使用されるような「アリール」という用語は、一緒に縮合することができる、5~10個の炭素原子を有する1つ又は複数の芳香環を指す。特に、アリール基は、単環式基又は二環式基、例えば、フェニル基又はナフチル基などであってもよい。有利なことには、アリール基はフェニルである。
本発明の説明において使用されるような「アリール-(C~C)アルキル」という用語は、上記で定義されたような(C~C)アルキル鎖を介して分子の残部に結合している、上記で定義されたようなアリール基を指す。例として、ベンジル又は代わりにフェニルエチル基を挙げることができる。
本発明の説明において使用されるような「薬学的に許容できる」という表現は、医薬組成物の調製において有用なものであり、一般に安全で、無毒性であり、生物学的にもそうでなくても、望ましくないものではなく、獣医学的な使用及び/又はヒトの医薬的使用に許容されるものを指す。
本発明の説明において使用されるような「薬学的に許容できる塩」という表現は、本明細書で定義されたような薬学的に許容できる化合物の塩であり、親化合物の望ましい薬理学的な活性を有する塩を指す。
そのような塩は、
(1)水和物及び溶媒和物、
(2)無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸及び類似の酸などで形成される酸付加塩;又は有機酸、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2-ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、ジベンゾイル-L-酒石酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸、トリフルオロ酢酸及び類似の酸などで形成される酸付加塩
を含む。
有利なことには、そのような塩は塩酸であり;又は
(3)親化合物の中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンで置換される場合に、又は有機塩基若しくは無機塩基と配位結合する場合に形成される塩である。許容できる有機塩基は、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N-メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミン及び類似の塩基を含む。許容できる無機塩基は、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムを含む。有利なことには、酸性プロトンは、とりわけ水酸化ナトリウムを使用して、Naイオンで置換される。酸付加塩は、特にアミン官能基で、又はピリジンで形成される。塩基付加塩は、特に、カルボン酸(-COOH)官能基、ホスフェート(-OP(O)(OH))官能基又はスルフェート(-OSOH)官能基で形成される。
本発明の説明において使用されるような「立体異性体」という用語は、ジアステレオ異性体又は鏡像異性体を指す。したがってこれらは配置異性体である。互いに鏡像ではない立体異性体はこのように「ジアステレオ異性体」と称され、互いに鏡像であるが重ねることができない立体異性体は「鏡像異性体」と称され、「光学異性体」とも呼ばれる。4つの同一でない置換基に結合している炭素原子は「キラル中心」と呼ばれる。分子がそのようなキラル中心を有する場合、それはキラルと呼ばれ、2つの鏡像異性体形態を有する。分子が数個のキラル中心を有する場合、それは数個のジアステレオ異性体形態及び鏡像異性体形態を有することになる。2つの鏡像異性体の等モル混合物はラセミ混合物と呼ばれる。
本明細書で使用されるような、「本発明の化合物」又は「式(I)の化合物」若しくは「化合物(I)」という表現は、式(I)の化合物を指し、下に詳細に定義されるような枝番号の式(Ia)及び(Ib)、並びにそれらの薬学的に許容できる塩も指す。
発明の詳細な説明
本発明による式(I)の化合物
本発明は、例えば上記で定義されたとおりの式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩に関する。
第1の実施形態によれば、Xは窒素を表す。
第2の実施形態によれば、XはCH基を表す。
有利なことには、これら2つの実施形態において、第1の選択肢によれば、Rは(C~C)アルキル基、好ましくはメチル基を表す。
特に、これら2つの実施形態において、及び任意選択で第1の選択肢による場合、第2の選択肢によれば、Rは(C~C)アルキル基、好ましくはメチル基、又はアリール-(C~C)アルキル基、好ましくはベンジル基を表す。より特定すると、Rは(C~C)アルキル基、好ましくはメチル基を表す。
好ましくは、これら2つの実施形態及びその各選択肢において、R41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR45、-SR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
特に、R41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子、-OR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
特定の実施形態によれば、R41、R42、R43及びR44は水素原子を表す。
好ましくは、これら2つの実施形態及びその各選択肢において、R及びRは、水素原子を表し、又は一緒に-CR51=CR52-CR53=CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
代替として、これら2つの実施形態及びその各選択肢において、R及びRは、水素原子を表し、又は一緒に-CR51=CR52-CR53=CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又はハロゲン原子、-OR55基、-SR55基、-NR5556基及び-NO基の中から選択される1つ又は複数の置換基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
特に、R及びRは、水素原子を表し、又は一緒に-CR51=CR52-CR53=CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は1つ若しくは複数の-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
好ましくは、R及びRは水素原子を表す。
代替として、これら2つの実施形態及びその各選択肢において、R及びRは、一緒に-CR51=CR52-CR53=CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR55、-SR55、-NR5556、-NO;又は1つ若しくは複数のハロゲン原子又は-OR55基、-SR55基、-NR5556基及び-NO基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子、(C~C)アルキル基、-CF基又は-COR57基を表し、R57は、(C~C)アルキル基又はアリール基を表す。
好ましくは、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
代替として、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又はハロゲン原子、-OR55基、-SR55基、-NR5556基及び-NO基の中から選択される1つ又は複数の置換基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
好ましくは、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
特に、これら2つの実施形態及びその各選択肢において:
41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR45、-SR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表し、及び
及びRは、水素原子を表し、又は一緒に-CR51=CR52-CR53=CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキルを表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
より特定すると、
41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子、-OR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子、又は(C~C)アルキル基を表し、及び
及びRは、水素原子を表し、又は一緒に-CR51=CR52-CR53=CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又はハロゲン原子、-OR55基、-SR55基、-NR5556基及び-NO基の中から選択される1つ又は複数の置換基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
式(I)の化合物は、とりわけ、次の化合物:
及びそれらの薬学的に許容できる塩の中から選択されることが可能である。
本発明による式(Ia)の化合物
本発明の第1の特定の実施形態によれば、本発明による式(I)の化合物は、下の式(Ia):
Figure 0007408894000006

[式中、X、R、R、R、R41、R42、R43、R44、R51、R52、R53及びR54は例えば上記で定義されたとおりである]
の化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
第1の実施形態によれば、Xは窒素を表す。
第2の実施形態によれば、XはCH基を表す。
有利なことには、これら2つの実施形態において、第1の選択肢によれば、Rは(C~C)アルキル基、好ましくはメチル基を表す。
特に、これら2つの実施形態において、及び任意選択で第1の選択肢による場合、第2の選択肢によれば、Rは、(C~C)アルキル基、好ましくはメチル基、又はアリール-(C~C)アルキル基、好ましくはベンジル基を表す。より特定すると、Rは、(C~C)アルキル基、好ましくはメチル基を表す。
好ましくは、これら2つの実施形態及びその各選択肢において、R41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR45、-SR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
特に、R41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子、-OR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、(C~C)アルキル基を表す。
特定の実施形態によれば、R41、R42、R43及びR44は水素原子を表す。
特に、これら2つの実施形態及びその各選択肢において、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR55、-SR55、-NR5556、-NO;又は1つ若しくは複数のハロゲン原子又は-OR55基、-SR55基、-NR5556基及び-NO基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子、(C~C)アルキル基、-CF基又は-COR57基を表し、R57は、(C~C)アルキル基又はアリール基を表す。
好ましくは、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
代替として、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又はハロゲン原子、-OR55基、-SR55基、-NR5556基及び-NO基の中から選択される1つ又は複数の置換基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
好ましくは、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
特に、これら2つの実施形態及びその各選択肢において:
41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR45、-SR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表し、及び
51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
より特定すると、
41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子、-OR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子、又は(C~C)アルキル基を表し、及び
51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又はハロゲン原子、-OR55基、-SR55基、-NR5556基及び-NO基の中から選択される1つ又は複数の置換基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
式(Ia)の化合物は、とりわけ、次の化合物:
及びそれらの薬学的に許容できる塩の中から選択されることが可能である。
本発明による、電子求引基R により置換されている化合物
本発明の第2の特定の実施形態によれば、本発明による式(I)の化合物は、例えば上記で定義されたとおりの式(I)の化合物[式中、Rは、塩素原子、-CN基又は-CF基を表す]又はその薬学的に許容できる塩である。
特に、Rは塩素原子を表す。
第1の実施形態によれば、Xは窒素を表す。
第2の実施形態によれば、XはCH基を表す。
有利なことには、これら2つの実施形態において、第1の選択肢によれば、Rは(C~C)アルキル基、好ましくはメチル基を表す。
特に、これら2つの実施形態において、及び任意選択で第1の選択肢による場合、第2の選択肢によれば、Rは、(C~C)アルキル基、好ましくはメチル基、又はアリール-(C~C)アルキル基、好ましくはベンジル基を表す。より特定すると、Rは(C~C)アルキル基、好ましくはメチル基を表す。
好ましくは、これら2つの実施形態及びその各選択肢において、R41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR45、-SR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
特に、R41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子、-OR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、(C~C)アルキル基を表す。より特定すると、R41、R42、R43及びR44は水素原子を表す。
好ましくは、これら2つの実施形態及びその各選択肢において、R及びRは、水素原子を表し、又は一緒に-CR51=CR52-CR53=CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
代替として、これら2つの実施形態及びその各選択肢において、R及びRは、水素原子を表し、又は一緒に-CR51=CR52-CR53-CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又はハロゲン原子、-OR55基、-SR55基、-NR5556基及び-NO基の中から選択される1つ又は複数の置換基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
特に、R及びRは、水素原子を表し、又は一緒に-CR51=CR52-CR53=CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は1つ又は複数の-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
好ましくは、R及びRは水素原子を表す。
代替として、これら2つの実施形態及びその各選択肢において、R及びRは、一緒に-CR51=CR52-CR53-CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に水素原子、ハロゲン原子、-OR55、-SR55、-NR5556、-NO;又は1つ若しくは複数のハロゲン原子又は-OR55基、-SR55基、-NR5556基及び-NO基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子、(C~C)アルキル基、-CF基又は-COR57基を表し、R57は、(C~C)アルキル基又はアリール基を表す。
好ましくは、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
代替として、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又はハロゲン原子、-OR55基、-SR55基、-NR5556基及び-NO基の中から選択される1つ又は複数の置換基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
好ましくは、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
特に、これら2つの実施形態及びその各選択肢において:
41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR45、-SR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表し、及び
及びRは、水素原子を表し、又は一緒に-CR51=CR52-CR53=CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
より特定すると、
41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子、-OR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基、とりわけ水素原子、又は(C~C)アルキル基を表し、及び
及びRは、水素原子を表し、又は一緒に-CR51=CR52-CR53=CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又はハロゲン原子、-OR55基、-SR55基、-NR5556基及び-NO基の中から選択される1つ又は複数の置換基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表す。
電子求引基Rにより置換されている化合物は、とりわけ、次の化合物:
及びそれらの薬学的に許容できる塩の中から選択されることが可能である。
特に、電子求引基Rにより置換されている化合物は、次の化合物:
及びそれらの薬学的に許容できる塩の中から選択されることが可能である。
本発明による式(Ib)の化合物
本発明の第3の特定の実施形態によれば、本発明による式(I)の化合物は、式(Ib)
Figure 0007408894000010

の化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
本発明による化合物の使用
本発明は、薬物として使用するための、式(I)、(Ia)又は(Ib)の化合物、及びそれらの薬学的に許容できる塩に関する。
特に、本発明の化合物は、がんを処置することを目的とする薬物として使用することができる。
本発明はまた、がんの処置を目的とする薬物を調製するための本発明の化合物の使用にも関する。
本発明はまた、がんを処置する方法であって、それを必要とする患者への、本発明の化合物の有効量の投与を含む方法にも関する。
化合物は、単独で、又は少なくとも1種の他の活性成分と併用して、有利なことには相乗的に、使用することができる。
がんに沿って、非限定的に、白血病、リンパ腫、肉腫、黒色腫、肝がん、膵がん、肺がん、胃がん、食道がん、腎がん、胸膜のがん、甲状腺のがん、皮膚がん、子宮頚がん、乳がん、卵巣のがん、結腸直腸がん、精巣がん、前立腺がん、脳がん、直腸のがん、又は骨がんを挙げることができる。
特に、がんは、肉腫、黒色腫、結腸直腸がん、乳がん、卵巣のがん、膵がん、及び白血病の中から選択される。
特に、処置を必要とする患者は、哺乳動物、とりわけヒトである。
有利なことには、本発明による化合物は、チューブリン重合阻害によって、及び/又は免疫調節によって作用することにより、がんの処置において使用することができる。
実際、本発明による化合物は、増殖抑制活性、抗血管活性、チューブリン重合阻害活性及び免疫調節活性を同時に有することができる。
本発明による化合物の免疫調節活性は、免疫系を活性化することにある。
増殖抑制活性は、ピコモルからナノモルまでに及ぶ濃度で観測される。
免疫調節活性は、本発明による化合物の存在下で、がん性細胞中の抗原提示の増加により、CD8+Tリンパ球の増殖を介して観測される。
本発明はまた、チューブリン重合を阻害する及び/又は免疫調節を活性化する方法であって、それを必要とする患者に、本発明の化合物の有効量を、単独で、又は少なくとも1種の他の活性成分、とりわけ上記で定義されたような活性成分と併用して、有利なことには相乗的に投与することを含む方法にも関する。
本発明による医薬組成物
本発明はまた、上記の実施形態のうち任意のものによる、本発明による式(I)、(Ia)又は(Ib)の化合物と、少なくとも1種の薬学的に許容できる添加剤とを含む医薬組成物にも関する。
本発明はまた、特にチューブリン重合阻害によって、及び/又は免疫調節によって作用しながら、とりわけがんを処置することを目的とする薬物として使用するための、本発明による医薬組成物にも関する。
本発明による医薬組成物は、経腸経路(例えば経口)又は非経腸経路(例えば静脈内)による、好ましくは経口による又は静脈内経路による投与を目的としてもよい。活性成分は、従来の医薬担体と混合して、動物、好ましくは哺乳動物、特にヒトに投与するために単位形態で投与されてもよい。
経口投与については、医薬組成物は、固体形態でも液体(溶液剤又は懸濁剤)形態でもよい。
固体組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び類似の形態とすることができる。錠剤では、活性成分は、圧縮される前に、1種又は複数種の医薬ビヒクル、例えば、ゼラチン、デンプン、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アラビアガム及び類似物と混合されてもよい。錠剤は、とりわけショ糖で、又は他の好適な材料でさらにコーティングされてもよく、又は錠剤は、持続性の又は遅延性の活性を有するような方法で処理されてもよい。散剤又は顆粒剤では、活性成分は、分散剤、湿潤剤又は懸濁化剤とともに、及び味修正剤又は甘味剤とともに混合されてもよく、又は造粒されてもよい。カプセル剤では、活性成分は、前述のような散剤又は顆粒剤の形態で、又は後述のような液体組成物の形態で、軟カプセル又は硬カプセルの中に導入されてもよい。
液体組成物は、活性成分を、甘味料、風味増進剤又は適切な着色剤とともに水などの溶媒中に含有してもよい。液体組成物はまた、上記のような散剤又は顆粒剤を、水、ジュース、乳などの液体に懸濁することによって又は溶解することによって得ることもできる。液体組成物は、例えば、シロップ剤又はエリキシル剤とすることもできる。
非経腸投与については、組成物は、懸濁剤及び/又は湿潤剤を含有していてもよい、水性懸濁液又は水溶液の形態としてもよい。組成物は滅菌されているのが有利である。組成物は等張液の形態としてもよい(特に血液に関して)。
本発明による化合物は、1日当たり0.01mg~1000mgの範囲の用量を、1日1回単回用量で、又は1日の間に複数回用量で、例えば1日2回等しい用量で投与される医薬組成物中に使用することができる。1日に投与される用量は、有利なことには5mg~500mgの間、より有利なことには10mg~200mgの間に含まれる。しかしながら、これらの範囲以外の用量を使用することが必要な場合があり、当業者はそれを考慮することができるであろう。
本発明の特定の実施形態によれば、本発明によって使用するための化合物は、別の活性成分、とりわけ、細胞毒性である又は細胞毒性でない抗がん化合物と併用して投与される。したがって、本発明による医薬組成物は、別の活性成分をさらに含んでもよい。
したがって、本発明による医薬組成物は、本発明の少なくとも1種の化合物及び少なくとも1種の他の活性成分を、同時使用、別々の使用、又は長時間にわたる使用のための併用製品として含み、とりわけがんの処置に使用することができる。
本発明による合成方法
本発明はまた、以下のステップ:
(1)次式(II):
Figure 0007408894000011

[式中、R、R及びRは、例えば上記で定義されたとおりである]のアミン誘導体を、
次式(III):
Figure 0007408894000012

[式中、Yは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチルスルホネート基又はトシル基を表し、X、R、R41、R42、R43及びR44は、例えば上記で定義されたとおりである]の化合物とカップリングして、
=Hである例えば上記で定義されたとおりの式(I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を得るステップ、
(2)任意選択で、先行するステップ(1)で得られる式(I)、(Ia)又は(Ib)の化合物のアミンが有するR=H基を置換して、Rが、(C~C)アルキル基、アリール-(C~C)アルキル基、又は-COR31基を表す例えば上記で定義されたとおりの式(I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を得るステップであって、R31が、例えば上記で定義されたとおりである、ステップ、及び
(3)任意選択で、先行するステップ(1)又は(2)で得られる式(I)の化合物を塩化して、例えば上記で定義されたとおりの式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩を得るステップ
を含む、本発明による式(I)、(Ia)若しくは(Ib)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を調製する方法にも関する。
式(II)のアミン誘導体と式(III)の化合物とのカップリングは、好ましくは酸性媒体中で、とりわけ塩酸の存在下で、芳香族求核置換によって行うことができる。
好ましくは、カップリングは、非プロトン性極性溶媒中で、より優先的にはジオキサン中で行われる。
有利なことには、カップリングは、100~110℃の間に含まれる温度で、とりわけ溶媒を還流しながら行われる。
式(II)のアミン誘導体と式(III)の化合物とのカップリングはまた、パラジウム(0)錯体又はパラジウム(II)錯体及びホスフィンの存在下で、及び塩基の存在下で、パラジウム触媒によるカップリングによって行うこともできる。
置換のステップ2は、Rが(C~C)アルキル基を表す場合、アルキル化のステップとすることができる。アミンのアルキル化は、実行するための反応条件を知っている当業者に周知の反応である。
アミンのアルキル化は、例えば、塩基、特にカルボネートの存在下で、アミンを(C~C)アルキルハロゲン化物と反応させることによって行うことができる。好ましくは、(C~C)アルキルハロゲン化物は、ヨウ化(C~C)アルキル、臭化(C~C)アルキル又は塩化(C~C)アルキルである。特に、アルキル化は、非プロトン性極性溶媒中、より優先的にはジメチルホルムアミド中で行われる。好ましくは、アルキル化は室温で行われる。
置換のステップ2は、Rがアリール-(C~C)アルキル基を表す場合、アリール-アルキル化のステップとすることができる。アミンのアリール-アルキル化は、実行するための反応条件を知っている当業者に周知の反応である。アミンのアリール-アルキル化は、前述のアルキル化反応用と同じ条件で、(C~C)アルキルハロゲン化物ではなく、アリール-(C~C)アルキルハロゲン化物を用いて、行うことができる。
置換のステップ2は、Rが-COR31基を表す場合、ペプチドカップリングのステップとすることができる。アミンのペプチドカップリングは、実行するための反応条件を知っている当業者に周知の反応である。ペプチドカップリングは、ハロゲン化アシル(Hal-COR31、Hal=ハロゲンである)、例えば塩化アシル(ClCOR31)を用いて、塩基、特にトリエチルアミンの存在下で行うことができる。ペプチドカップリングは、カルボン酸(R31COOH)を用いて行うことができる。この場合、ペプチドカップリングは、好ましくはカップリング剤、例えば、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2-(lH-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、O-(7-アゾベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロロジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)又はプロピルホスホン酸無水物の存在下で、任意選択でカップリング助剤、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアゾール(HOBt)、l-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)、N-ヒドロキシスルホスクシンイミド(スルホNHS)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)又はN-メチルモルホリン(NMM)を伴って行われることになる。好ましくは、ペプチドカップリングは、ジメチルアミノピリジンの存在下で行われる。
本発明による式(I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を調製する方法は、ステップ(1)又は(2)で得られる式(I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を塩化して、式(I)、(Ia)又は(Ib)の化合物の薬学的に許容できる塩を得るステップを任意選択で含んでもよい。塩化するステップは、式(I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を薬学的に許容できる酸又は塩基と反応させることを要する。
1.合成-実験の手順及び生成物の特性決定
封管の中で、ジオキサン(2mL)中に、塩素化した複素環化合物及び芳香族アミン誘導体を連続的に添加する。次に、この混合物にごく少量のHClを添加し、反応媒体を撹拌しながら100℃まで12時間加熱する。混合物を冷却し、次いでNaOHaq.(5N)で中和し、混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出する。まとめた有機相をNaSOで脱水し、減圧下で濃縮する。粗製反応混合物を、CsCO(1.2当量)を含有するDMF(5mL)の溶液に0℃で溶解させる。この混合物に、CHI(1.2当量)を滴下添加し、反応媒体を撹拌しながら室温で12時間置く。粗製反応混合物を濃縮し、シリカカラムのクロマトグラフィーにより精製する。
Figure 0007408894000013
N,9-ジメチル-N-(2-メチルキノリン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-アミン 1(24%)。黄色固体、MP197.9~198.2℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.00 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 7.80 (d, J =2.1 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.49 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.39 (d, J =8.2 Hz, 1H), 7.33 - 7.25 (m, 1H), 7.22 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 8.7Hz, J = 2.1 Hz, 1H), 7.05 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.97 (s, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.57(s, 3H), 2.77 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 159.4, 154.4, 149.8, 143.5, 141.7, 138.0, 129.0, 128.7, 126.1,125.3, 124.1, 123.6, 122.5, 122.2, 121.8, 120.6, 118.9, 114.8, 110.9, 109.3,108.7, 44.2, 29.3, 25.8. IRフィルム νmax/ cm-1: 1586, 1509, 1485, 1470, 1413, 1387, 1357, 1333,1289, 1243, 1179, 1153, 1122, 1102, 1060.
Figure 0007408894000014
4-(メチル(9-メチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミノ)キノリン-2-カルボニトリル 2(28%)。淡黄色固体。MP232.9~233.8℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.92 (t, J = 8.2 Hz, 2H), 7.75 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.51 - 7.38 (m,3H), 7.34 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.22 - 7.07 (m, 3H),7.06 - 6.97 (td, J = 8.2 Hz, J = 2.2 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.52 (s, 3H). 13CNMR (75 MHz, CDCl3) δ 154.7, 149.9, 142.2,141.7, 138.7, 134.2, 130.3, 129.8, 126.6, 126.4, 125.7, 123.7, 122.9, 122.7,122.2, 120.5, 119.2, 118.3, 116.3, 110.6, 109.7, 108.8, 44.8, 29.3. IR非希釈νmax/ cm-1:2962, 2928, 2885, 2361, 2341, 1711, 1648, 1601, 1542, 1484, 1390, 1288, 1220,1155, 1060, 972.
Figure 0007408894000015
N,9-ジメチル-N-(2-(トリフルオロメチル)キノリン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-アミン 3(26%)。淡黄色固体。MP190.3~192.0℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.06 (dd, J = 7.8 Hz, J = 2.2 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 7.8 Hz, 1H),7.79 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.58 - 7.41 (m, 3H), 7.36 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.33 -7.23 (m, 2H), 7.24 - 7.10 (m, 2H), 7.04 (td, J = 7.8 Hz, J = 6.8 Hz, 1H), 3.81(s, 3H), 3.59 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 155.5, 149.1, 148.1 (q, J = 135 Hz), 142.7 (2), 141.6, 138.5,130.4, 129.5, 126.3, 126.0, 125.6, 123.7, 122.8, 122.3, 122.0 (q, J = 1.1 kHz),120.5, 119.1, 116.1, 109.6, 108.8, 104.0, 44.7, 29.2. 19F NMR (188MHz, CDCl3) δ -68.11. IR非希釈 νmax/ cm-1: 3052, 2961,2918, 2851, 1585, 1570, 1494, 1426, 1400, 1171, 1142, 1124, 1104, 938, 733.
Figure 0007408894000016
N,9-ジメチル-N-(キノリン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-アミン 4(25%)。褐色固体。MP222.2~228.4℃。1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.84 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.54 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.32 - 8.26 (d,J = 2.8 Hz, 1H), 8.26 - 8.13 (m, 3H), 7.91 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 7.82 (d, J =8.5 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.54 (td, J = 5.7 Hz, J = 2.8 Hz, 2H),7.25 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.71 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 4.17 (s, 3H), 3.96 (s, 3H).13C NMR (75 MHz, DMSO) δ 155.5, 147.6,141.3, 139.7, 138.8, 134.3, 128.1, 127.2, 126.5, 123.9, 123.8, 122.8, 121.6,120.7, 119.2, 118.8, 118.0, 117.7, 110.5, 109.6, 99.7, 42.2, 29.3. IR非希釈νmax/ cm-1:3439, 3052, 2962, 2850, 1615, 1555, 1363, 1144, 1121, 1104, 1058, 746.
Figure 0007408894000017
9-ベンジル-N-メチル-N-(2-メチルキノリン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-アミン 5(59%)。白色固体。MP192.7~196.5℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.67 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.96 (s, 1H),7.58 - 7.41 (m, 5H), 7.30 (s, 2H), 7.26 - 7.14 (m, 5H), 7.02 - 6.94 (t, J = 8.4Hz, 1H), 6.80 (s, 1H), 5.57 (s, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.03 (s, 3H).13CNMR (75 MHz, CDCl3) δ 157.0, 155.3 (2),141.6, 140.8, 139.1, 136.7, 131.6, 129.0 (2), 127.9, 127.1, 126.5 (2), 126.1,125.4, 124.4, 123.1, 123.0, 122.5, 120.9, 120.0, 119.1, 116.9, 110.7, 109.6,106.9, 47.0, 45.7, 21.8. IR非希釈 νmax/ cm-1: 3062, 2823, 2360, 2201, 1630, 1595, 1507, 1482,1380, 906.
Figure 0007408894000018
N-(8-メトキシ-2-メチルキノリン-4-イル)-N,9-ジメチル-9H-カルバゾール-3-アミン 6(45%)。黄色固体。MP137.6~143.3℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3)8.02 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.56 - 7.51 (m, 1H), 7.46(d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.30 - 7.22 (m, 2H), 6.98 - 6.86(m, 4H), 4.09 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.15 (s, 3H). 13CNMR (75 MHz, CDCl3) δ 156.3, 156.0, 152.4,141.8, 141.5, 138.9, 136.5, 126.6, 124.8, 123.8, 122.6, 122.3, 121.0, 120.7,119.4, 117.5, 117.2, 116.0, 109.8, 109.3, 108.9, 108.9, 56.2, 45.4, 29.4, 24.2.IR非希釈 νmax/ cm-1:2962, 2926, 2853, 1630, 1597, 1558, 1503, 1483, 1469, 1137, 1120, 1093, 1079,747.
Figure 0007408894000019
N,9-ジメチル-N-(2-メチル-6-ニトロキノリン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-アミン 7(28%)。褐色固体。MP207.6~212.4℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.52 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.16 (dd, J = 7.4 Hz, J = 2.4 Hz, 1H),7.93 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.51 - 7.32(m, 4H), 7.17 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.95 (s, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.57 (s, 3H),2.76 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 163.2, 155.6, 152.4, 142.9, 142.4, 141.7, 138.8, 130.2, 126.3,123.8, 123.1, 123.0, 122.2, 122.1, 120.5, 120.0, 119.0, 116.2, 110.0 (2),108.8, 44.5, 29.3, 26.0. IRフィルム νmax/ cm-1: 2963, 2930, 2854, 2361, 2341, 1735, 1633, 1613,1522, 1335, 1049.
Figure 0007408894000020
9-エチル-N-メチル-N-(2-メチルキノリン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-アミン 8(44%)。褐色固体。MP87.4~89.6℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.55 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.91 (d, J =2.2 Hz, 1H), 7.53 - 7.43 (m, 4H), 7.28 - 7.19 (m, 3H), 6.95 (t, J = 6.7 Hz, 1H),6.86 (s, 1H), 4.40 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.78 (s, 3H), 2.99 (s, 3H), 1.46 (t, J= 7.1 Hz, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 157.1, 154.2, 140.8, 140.7, 139.7, 138.5, 131.7, 126.7, 126.3,125.3, 124.0, 123.0, 122.2, 121.3, 120.7, 119.4, 118.4, 117.2, 110.2, 109.0,106.0, 46.3, 37.9, 20.9, 13.9. IRフィルム νmax/ cm-1 : 2957, 2924, 2855, 2360, 2340, 1730, 1633, 1594,1508, 1346, 1042.
Figure 0007408894000021
N,9-ジメチル-N-(2-メチルキナゾリン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-アミン 9(40%)。黄色固体。MP181.5~183.6℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.89 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.61 (d, J =8.4 Hz, 1H), 7.39 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.30 (d, J = 4.2 Hz, 1H),7.21 - 7.08 (m, 3H), 6.81 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.66 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 3.77(s, 3H), 3.61 (s, 3H), 2.64 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3)δ 163.3, 161.8, 141.7, 140.4 (2), 139.4, 134.0, 131.5,127.5, 126.4 (2), 124.3, 123.8, 122.4, 120.6, 119.3, 118.1, 114.8, 109.7,108.8, 43.4, 29.3, 26.5. IR非希釈 νmax/ cm-1: 3319, 2965, 2924, 2877, 1613, 1602, 1494, 1486,1393, 1354, 1247.
Figure 0007408894000022
N-(2-クロロキナゾリン-4-イル)-N,9-ジメチル-9H-カルバゾール-3-アミン 10(62%)。淡黄色固体。MP231.2~232.1℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.03 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.71 (d, J =9.0 Hz, 1H), 7.60 - 7.40 (m, 4H), 7.34 - 7.27 (m, 2H), 6.80 (d, J = 4.1 Hz,2H), 3.91 (s, 3H), 3.74 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 162.9, 156.8, 153.2, 141.9, 139.9, 138.9, 132.6, 127.7, 126.8,126.7, 125.0, 124.3, 124.1, 122.4, 120.8, 119.6, 118.4, 115.1, 110.1, 109.1,44.1, 29.5. IR非希釈 νmax/ cm-1: 3053, 2930, 1632, 1600, 1528, 1504, 1469, 1393,927.
Figure 0007408894000023
N-メチル-N-(2-メチルキノリン-4-イル)-9H-カルバゾール-3-アミン 11(12%)。アルゴンでパージした乾燥封管の中に、4滴のトリフリン酸を加えたトリフルオロ酢酸(3mL)中5(85mg、0.2mmol)を添加する。この混合物を撹拌しながら85℃まで4時間加熱する。反応媒体を冷却し、ジクロロメタン(20mL)を添加する。有機相を水(20mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾紙で濾過する。濾液を濃縮し、シリカカラムのクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン/メタノール混合物[95;5]を用いて精製し、11を得る(8mg、12%)。黄色固体。MP147.5~149.2℃。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.96 - 7.93 (m, 2H), 7.77 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.57 (t, J = 7.4 Hz,1H), 7.53 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.38 (t, J = 7.4 Hz,1H), 7.28 - 7.20 (m, 2H), 7.12 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.95 (t, J =7.4 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H), 2.76 (s, 3H). 13C NMR (101 MHz, MeOD) δ 158.9, 155.6, 142.4, 142.2, 141.2, 140.2, 133.1, 129.1, 128.1,127.5, 126.0, 125.5, 124.2, 123.8, 121.7, 121.3, 120.2, 118.2, 113.5, 112.2,106.8, 46.4, 20.9. IR非希釈 νmax/ cm-1: 3471, 3065, 3026, 2413, 2360, 1732, 1668, 1614,1579, 1521, 1488, 1261, 1161, 1016.
Figure 0007408894000024
1-(9-メチル-6-(メチル(2-メチルキノリン-4-イル)アミノ)-9H-カルバゾール-3-イル)エタノール 12(80%)。5mL二口フラスコの中に、1(40mg、0.11mmol)、AlCl(15mg、0.11mmol、1当量)及びジクロロメタン(3mL)を添加する。反応媒体を加熱還流し、塩化アセチル(8μL、0.11mmol、1当量)を滴下添加する。反応媒体を4時間加熱還流する。溶媒を減圧下で蒸発させ、ジクロロメタン/水混合物[1;1](1mL)を添加する。水素化ホウ素ナトリウムNaBH(7mg、0.11mmol、1当量)を反応媒体にゆっくりと添加し、次いで、全体を撹拌しながら室温で4時間置く。水をゆっくりと添加し、水性相をジクロロメタンで抽出する。有機相を一緒にまとめ、NaSOで脱水し、次いで濾紙で濾過する。濾液を濃縮し、シリカカラムのクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン/メタノール混合物[95:5]を用いて精製し、12を得る(35mg、80%)。黄色固体。MP152.4~156.8℃。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 8.05 (s, 2H), 7.82 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.69 - 7.51 (m, 5H), 7.41(dd, J = 8.8 Hz, J = 1.4 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 7.05(t, J = 8.3 Hz, 1H), 5.02 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 2.82(s, 3H), 1.55 (d, J = 6.6 Hz, 3H).13C NMR (75 MHz, MeOD) δ 158.5, 157.2, 146.8, 143.2, 142.5, 140.5, 138.4, 131.1, 127.3, 125.6,125.5 125.3, 124.9, 124.0, 123.3, 121.2, 118.3, 117.2, 111.0, 109.7, 71.2,49.0, 45.5, 29.5 (2), 25.9. IR非希釈 νmax/ cm-1: 3407, 2924, 2853, 2341, 1635, 1596, 1509, 1490,1424, 1348, 1179, 1072, 1007.
Figure 0007408894000025
N,9-ジメチル-N-(2-メチルキノリン-4-イル)-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-アミン 13(72%)。1(600mg、1.709mmol)のジクロロメタン(30mL)中溶液に、HNO(69%、111μL、1当量)を、アルゴン下にて0℃で滴下添加する。HNOを完全に添加した後、反応媒体を撹拌しながら室温で3時間放置する。媒体を濃縮し、シリカカラムのクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン/メタノール混合物[95;5]を用いて精製し、シクロヘキサン/ジクロロメタン混合物[80;20]中で再結晶させた後に13を得る(487mg、72%)。橙色結晶。MP182.4~183.4℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.92 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 7.62 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.58 (d, J =7.3 Hz, 1H), 7.49 - 7.43 (m, 2H), 7.32 (t, J = 8.6 Hz, 2H), 7.03 (m, 2H), 6.93(s, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.46 (s, 3H), 2.74 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz,CDCl3) δ 159.1, 153.2, 149.7, 142.1, 140.9,139.7, 134.5, 129.1, 128.9, 127.9, 124.6, 124.5, 124.3, 122.0, 121.0, 120.5,118.6, 115.0, 111.8, 109.6, 109.3, 44.2, 29.5, 25.9. IRフィルム νmax/ cm-1 : 2957, 2832,2341, 1845, 1734, 1684, 1559, 1525, 1475, 1157, 682.
Figure 0007408894000026
N3,9-ジメチル-N3-(2-メチルキノリン-4-イル)-9H-カルバゾール-3,6-ジアミン 14(87%)。25mL二口フラスコの中に、エタノール(3mL)中13(100mg、0.25mmol)及びPd/C(10%、6mg、0.02当量)を添加する。水和ヒドラジンを反応媒体にゆっくりと添加し、全体を撹拌しながら6時間加熱還流する。粗製反応混合物を室温まで冷却し、セライトで濾過する。濾液を濃縮し、シリカカラムのクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン/エタノール混合物[90;10]を用いて精製し、14を得る(143mg、87%)。黄色固体。MP137.8~138.3℃。1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 8.78 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.04 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.93 (d, J =8.2 Hz, 1H), 7.85 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.55 (d, J =8.2 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.35 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.16 (d, J =8.8 Hz, 1H), 6.85 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.09 (s, 1H), 3.87 (s, 3H), 2.90 (s,3H), 2.40 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz, MeOD) δ157.8, 155.9, 143.0, 141.3, 140.6, 136.4, 134.8, 128.0, 127.0, 124.3, 122.5,121.5, 121.2, 121.0, 119.4, 117.9, 115.7, 112.7, 111.2, 109.8, 101.4, 31.8,29.4, 20.4. IRフィルム νmax/ cm-1 : 2924, 2853, 2341, 2327, 2273, 1845, 1734, 1635,1603, 1558, 1521, 1474, 1438, 1365, 1338, 1090.
Figure 0007408894000027
2-メチル-4-(メチル(9-メチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミノ)キノリン-8-オール 15。6(20mg、0.052mmol)の乾燥ジクロロメタン(1mL)中溶液に、BBr(10μL、2当量)をアルゴン下にて-50℃で滴下添加する。BBrを完全に添加した後、反応媒体を撹拌しながら室温で2時間放置する。反応媒体のpHを、NaHCOの水溶液を用いてpH=8に調整し、次いで有機相を単離し、水性相をジクロロメタンで抽出する。有機相を一緒にまとめ、NaSOで脱水し、次いで濾紙で濾過する。濾液を濃縮し、シリカカラムのクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン/メタノール混合物[95;5]を用いて精製し、15を得る(17mg、87%)。褐色固体。MP222.4~223.4℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.97 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.47 (t, J =8.7 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.22 - 7.15(m, 2H), 6.97 - 6.84 (m, 4H), 3.84 (s, 3H), 3.55 (s, 3H), 2.70 (s, 3H). 13CNMR (75 MHz, CDCl3) δ 157.1, 154.5, 152.0,143.2, 141.7, 139.6, 138.3, 126.2, 124.6, 123.6 (2), 122.7, 121.5, 120.6,119.0, 115.9, 115.4, 110.7, 109.4, 108.9, 108.8, 44.4, 29.4, 25.3. IR非希釈νmax/ cm-1:3051, 2878, 2360, 1564, 1511, 1484, 1471, 1424, 1357, 1293, 1243, 1083.
Figure 0007408894000028
N4,2-ジメチル-N4-(9-メチル-9H-カルバゾール-3-イル)キノリン-4,6-ジアミン 16。25mL二口フラスコの中で、7(180mg、0.45mmol)をエタノール/水混合物[8;2]に添加する。反応媒体を90℃まで加熱し、7を完全に可溶化する。固体のFe(254mg、4.5mmol、10当量)及び3滴のHClを反応媒体に添加し、全体を撹拌しながら90℃まで4時間加熱する。粗製反応混合物を室温まで冷却し、濾紙で濾過する。濾液を濃縮し、シリカカラムのクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン/エタノール混合物[95;5]を用いて精製し、16を得る(143mg、87%)。淡黄色固体。MP192.6~196.5℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.02 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.81 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.52 (t, J =7.5 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.24 (t, J =7.5 Hz, 1H), 7.15 (dd, J = 7.7 Hz, J = 2.1 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 11.1 Hz, 1H),6.83 (s, 1H), 6.57 (s, 1H), 4.78 (s, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 2.79 (s,3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ155.8, 153.0, 143.3, 142.9, 141.7, 137.6, 134.4, 130.2, 126.0, 123.6, 123.5,122.6, 121.2, 120.8, 120.6, 118.8, 113.2, 112.9, 109.2, 108.7, 106.4, 43.7,29.3, 25.3. IR非希釈 νmax/ cm-1: 2928, 2360, 2341, 1744, 1623, 1470, 1426, 1248,1122.
Figure 0007408894000029
N-(2-クロロキノリン-4-イル)-N,9-ジメチル-9H-カルバゾール-3-アミン 17。アルゴンでパージした乾燥管の中で、乾燥ジオキサン(1.7mL)中に、2-ヒドロキシキノリン-4-イルトリフレート(26mg、0.14mmol、1当量)、9-メチル-9H-カルバゾール-3-アミン(40mg、0.21mmol、1.5当量)、Pddba(8mg、6%)、±BINAP(11mg、12%)、CsCO(112mg、2.5当量)を連続的に添加する。反応媒体を、マイクロ波照射下で130℃まで1.5時間加熱する。反応媒体を室温まで冷却し、次いでジクロロメタン/メタノール混合物[8;2]を使用して、セライトで濾過する。濾液を濃縮し、POCl(3mL)をゆっくりと添加する。NEt(0.5mL)を反応媒体に滴下添加し、次いで、全体を撹拌しながら90℃まで4時間加熱する。POClを減圧下で蒸留し、酢酸エチル(20mL)を添加する。有機相をNaHCOの溶液で洗浄し、NaSOで脱水し、濾紙で濾過する。濾液を濃縮し、CsCO(70mg、1.5当量)のDMF(5mL)中溶液に0℃で添加する。CHI(14μL、1.5当量)を粗製反応混合物に0℃で滴下添加し、撹拌しながら室温で12時間放置する。粗製反応混合物を濃縮し、シリカカラムのクロマトグラフィーにより、シクロヘキサン/酢酸エチル混合物[90;10]を用いて精製し、17を得る(4mg、8%)。黄色固体。MP137.5~139.2℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.98 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.89 (dd, J = 8.8 Hz, J = 1.4 Hz, 1H),7.81 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.51 - 7.43 (m, 3H), 7.40 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.32(d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.24 - 7.16 (m, 2H), 7.02 - 6.96 (m, 2H), 3.85 (s, 3H),3.55 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 156.1, 151.7, 149.4, 142.8, 141.8, 138.6, 129.6, 129.0, 126.4,125.9, 124.9, 123.8, 122.9, 122.4, 121.7, 120.7, 119.2, 116.2, 109.6, 109.1,108.9, 44.9, 29.4. IR非希釈 νmax/ cm-1: 2937, 2351, 2312, 1795, 1656, 1445, 1427, 1289,1101.
化合物18~20を合成する一般手順。アルゴンでパージした乾燥封管の中で、乾燥トルエン(2mL)中に、塩素化した芳香族誘導体、1-メチル-1H-インドール-5-アミン、Pddba(10mol%)、Xphos(20mol%)、NaOtBu(3当量)を連続的に添加する。反応媒体を撹拌しながら100℃まで12時間加熱する。反応媒体を室温まで冷却し、セライトで濾過する。濾液を濃縮し、CsCO(70mg、1.5当量)のDMF(5mL)中溶液に0℃で添加する。CHI(14μL、1.5当量)を粗製反応混合物に0℃で滴下添加し、全体を撹拌しながら室温で12時間放置する。粗製反応混合物を濃縮し、次いでシリカカラムのクロマトグラフィーにより精製する。
Figure 0007408894000030
N,2-ジメチル-N-(1-メチル-1H-インドール-5-イル)キノリン-4-アミン 18(14%)。ベージュ色固体、MP130.5~132.2℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.94 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.48 (t, J =7.6 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.10 - 7.02(m, 2H), 6.96 (dd, J = 8.7 Hz, J = 2.0 Hz, 1H), 6.91 (s, 1H), 6.38 (d, J = 3.0Hz, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.50 (s, 3H), 2.74 (s, 3H). 13C NMR (75 MHz,CDCl3) δ 159.4, 154.6, 149.7, 144.0, 134.0,129.9, 129.2, 128.9, 128.7, 125.4, 124.0, 121.9, 118.7, 115.0, 110.8, 110.2,101.0, 44.2, 33.1, 25.8. IR非希釈 νmax/ cm-1: 1585, 1509, 1486, 1393, 1366, 1338, 1294, 1263,1174, 1151, 1107, 1095, 1078, 1031.
Figure 0007408894000031
4-(メチル(1-メチル-1H-インドール-5-イル)アミノ)キノリン-2-カルボニトリル 19(73%)。褐色固体。MP173.1~174.2℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.99 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.58 - 7.48 (m, 2H), 7.32 (d, J = 2.0 Hz,1H), 7.29 (s, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.15 - 7.07 (m, 2H), 6.96 (dd, J = 8.4, J= 2.0 Hz, 1H), 6.40 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.53 (s, 3H). 13CNMR (75 MHz, CDCl3) δ 155.0, 150.0, 142.8,134.7, 134.2, 130.4, 130.3, 129.9, 129.3, 126.6, 125.9, 122.9, 119.2, 118.4,116.7, 110.7, 110.6, 101.3, 44.8, 33.2. IR非希釈 νmax/ cm-1: 2968, 2955,2926, 2853, 2359, 1751, 1632, 1565, 1488, 1380, 1307, 1244, 1109, 1032, 909.
Figure 0007408894000032
N-メチル-N-(1-メチル-1H-インドール-5-イル)-2-(トリフルオロメチル)キノリン-4-アミン 20(62%)。淡黄色固体。MP108.5~109.5℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.02 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.54 - 7.43 (m, 2H), 7.27 (d, J = 2.0 Hz,1H), 7.19 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.09 - 6.99 (m, 2H), 6.91 (dd, J = 8.5 Hz, J =2.0 Hz, 1H), 6.33 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.49 (s, 3H). 13CNMR (75 MHz, CDCl3) δ 155.7, 149.0, 148.4(q, J = 33 Hz), 143.2, 134.4, 130.3, 130.1, 129.4, 129.1, 125.9, 125.7, 122.9,122.0 (q, J = 273 Hz), 119.0, 116.3, 110.5, 103.8, 101.1, 44.6, 33.0. 19FNMR (188 MHz, CDCl3) δ - 67.84. IR非希釈νmax/ cm-1:2963, 2926, 2853, 1598, 1569, 1513, 1488, 1365, 1189, 1154, 1128, 1111, 1093.
Figure 0007408894000033
2-クロロ-N-メチル-N-(1-メチル-1H-インドール-5-イル)キナゾリン-4-アミン 21。アルゴンでパージした乾燥封管の中で、THF/水混合物[2:1](10mL)中に、2,4-ジクロロキナゾリン(139mg、0.70mmol、1当量)、1-メチル-1H-インドール-5-アミン(83mg、0.84mmol、1.2当量)及びt-BuOK(102mg、0.91mmol、1.3当量)を連続的に添加する。反応媒体を室温で48時間撹拌する。HO(40mL)を反応媒体に添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を一緒にまとめ、NaSOで脱水し、濾紙で濾過する。濾液を減圧下で濃縮し、NaH(84mg、3.5mmol、5当量)のDMF(5mL)中溶液に0℃で添加する。ヨウ化メチル(CHI、218μL、2.5mmol、5当量)を反応媒体に0℃で滴下添加し、次に、撹拌しながら室温で12時間放置する。粗製反応混合物を濃縮し、シリカカラムのクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン/メタノール混合物[90:10]を用いて精製し、化合物21を得る(16mg、10%)。白色固体、MP173.2~176.6℃。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.11 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.02 (d, J =9.3 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.65 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.57 (t, J =7.6 Hz, 1H), 7.48 (t, J = 9.3 Hz, 2H), 7.41 (dd, J = 8.6 Hz, J = 2.0 Hz, 1H),7.32 (m, 2H), 6.76 (s, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.75 (s, 3H). 13C NMR (75MHz, CDCl3) δ 157.7, 148.8, 142.1, 141.7,139.7, 137.5, 130.5, 126.9, 126.4, 125.5, 124.1, 122.8, 122.5, 121.4, 120.6,119.5, 119.4, 111.5, 110.0, 108.9, 39.6, 29.3. IR非希釈 νmax/ cm-1: 1565, 1503,1488, 1445, 1423, 1399, 1365, 1334, 1301, 1281, 1268, 1243, 1208, 1168, 1093,1013.
2.生物学的試験
2.1.in vitro細胞毒性試験
様々ながん性細胞の増殖及び内皮細胞の増殖に対する本発明による化合物の効果を試験した。
本発明の化合物の生物学的活性を、異なる組織に由来する5種のヒトがん細胞株:HCT116結腸直腸癌;A2780Rシスプラチン耐性卵巣がん;MiaPaca2膵がん;K562Rドキソルビシン耐性慢性骨髄性白血病;JIM-T1トラスツズマブ-DM1耐性哺乳動物癌腫;及びHepG2肝癌に対してin vitroで試験した。この試験のために選択した細胞を、培養培地に異なる濃度で添加した、化合物のうち1つの存在下で、37℃でインキュベートした。行われた一連の試験により、試験した化合物の毒性の程度、細胞周期進行に対する化合物の効果、及びアポトーシスによる細胞死を誘導する化合物の能力を決定することが可能になった。
全ての細胞株を、5%COを含有する湿った雰囲気にて37℃での培養の中に維持した。試薬セルタイター-ブルー(CellTiter-Blue)(商標)(Promega、WI、USA)を、製造元の説明書を考慮しながら使用して、細胞生存率を評価した。細胞を、96ウェル培養プレートにて、50μlの培養培地に、15ウェル当たり5000細胞の割合で播種した。24時間培養した後、DMSOに溶解したジェネリック(generic)式(I)の化合物を、ウェル当たり50μlの割合で、ウェルの各々に個々に添加した。全ての化合物を、定義した各濃度につき3連で試験し、各実験を3回反復した。72時間インキュベートした後、20μLのレサズリンを各ウェルに添加した。2時間インキュベートした後、発光した蛍光を、Victor型蛍光リーダー(Perkin-Elmer、USA)を用いて560nmで励起した後、590nmで測定した。細胞の50%の死滅(IC50)を誘導する化合物の各々の濃度を、72時間インキュベートした後に決定した。
結果は、下の表1に、及び次の段落2.2の表2に報告されている。
2.2.チューブリン重合阻害
チューブリンは、Shelanski法に従い、2回のアセンブリ-ディスアセンブリサイクルによって、雌ヒツジの脳から精製される。-196℃で保管した母溶液(15~20mg/mL)を解凍し、アセンブリ緩衝液(0.1M MES、0.5mM MgCl、1mM EGTA、及び1mM GTP、pH6.6)に希釈して、10μMの最終濃度にする。チューブリンアセンブリは、Barron et al.(Anal.Biochem.315(2003年)49~56頁)の方法に従い、96ウェルプレートで蛍光によりモニターされる。チューブリンの溶液(10μM、ウェル当たり100μL)に阻害剤(DMSO、1μL)を添加し、この溶液を室温で45分間インキュベートする。次にGTP(最終1mM)を添加し、溶液を急速混合し、蛍光(λex=350nm、λem=440nm)を、Wallac Victor蛍光光度計(Perkin Elmer)で測定する。最大アセンブリの50%の阻害率(IC50)の決定を、IC50の周囲の10種の濃度について、2連又は3連で行う。
結果は下の表2に報告されている。
2.3.細胞周期の解析
HCT116細胞を、6ウェル培養プレートにて、ウェル当たり300,000細胞の割合で、上記のそれぞれの培地に播種する。24時間培養した後、化合物1を、ウェルの各々に異なる濃度で添加した。24時間インキュベートした後、細胞を15mL管に個々に回収し、次いで遠心分離する。次に、細胞を冷PBSで2回洗浄し、次いで1mLのPBS中に再懸濁させ、2mLの冷無水エタノールを添加することによって固定し、4℃で1時間置く。遠心分離後、細胞をPBSで2回洗浄し、次いで細胞ペレットを100μLの1%Triton X100に溶かす。室温で30分インキュベートした後、事前に煮沸した50μLのRNアーゼA(1mg/mL)及び500μLのヨウ化プロピジウム(50μg/mL)を各管に添加し、暗所にて室温で30分間インキュベートする。次に、細胞周期の期の各々における細胞の数の分布をフローサイトメトリーにより、FC500型サイトメーター(Beckman-Coulter、フランス)を使用して決定する。
化合物1で処理したHCT116細胞のフローサイトメトリー解析は、化合物1がG2/M期に細胞分裂を阻止することを示した。この効果は、5nMの濃度で使用した化合物1に、24時間細胞を曝露した後に有意である(図1)。
2.4.アポトーシス
化合物1がアポトーシスによる細胞死を誘発するのかどうかを明確にするために、化合物1の作用に24時間曝露したHCT116細胞の培養物中で、カスパーゼ3及び7の細胞内酵素活性を評価した。
アポトーシスは、「Apo-one均質カスパーゼ-3/7アッセイ」キット(Promega Co、WI、USA)を、製造元の推奨事項に従って使用して測定する。要約すると、細胞を96ウェル培養プレートにて、ウェル当たり50,000細胞の割合で、100μLの培養培地に播種する。24時間インキュベートした後、培地を、異なる濃度の化合物1又は0.1%のDMSO(陰性対照)を含有する100μLの培養培地で置換する。24時間処理した後、各ウェルに、カスパーゼ基質及び反応用緩衝剤を含有する100μLの試薬を添加する。1時間インキュベートした後、Victor型マイクロプレートリーダー(Perkin-Elmer、USA)を使用して、細胞により発光した蛍光を527nmで測定する。
図2に示す結果は、化合物1とともに異なる細胞をインキュベートすると、アポトーシスの強力な誘導につながることを示す。
2.5.マトリゲル(Matrigel)(登録商標)上での血管の形成に関するin vitro試験
化合物1が内皮細胞の空間的構成を毛細血管に類似の構造に分裂させるかどうかを決定するために、ヒト内皮細胞(HUVEC)を、マトリゲル(商標)で培養後直ちに、又はヒト内皮細胞が血管を形成するのを可能にするために24時間培養した後に、処理した。
HUVEC(臍帯に由来するヒト内皮細胞)をEGM2培養培地(Promocell、ドイツ)中で培養した。細胞を、5%COを含有する湿った雰囲気にて37℃での培養の中に維持した。
化合物1の抗-血管活性を評価するために、HUVECを細胞外マトリックスの抽出物(マトリゲル(商標)、BD Biosciences、Le Pont-de-Claix、フランス)で事前に覆った96ウェル培養プレートで培養した。その中でHUVECは自然に毛細血管を形成する。
最初に、化合物1が毛細血管網の形成を阻害する能力を測定した。マトリゲル(商標)を96ウェル培養プレートに70μL/ウェルの割合で入れ、37℃で45分間インキュベートして、マトリゲル(商標)が重合するのを可能にする。異なる濃度の化合物1の非存在下又は存在下で、マトリゲル(商標)を含有するウェルの各々に、20,000のHUVECを、各濃度につき3ウェルの割合で播種する。37℃で2時間、3時間及び5時間インキュベートした後、カメラを備えるTE2000型光学顕微鏡(Nikon、フランス)を使用して、細胞を観測し、撮影する。
並行して、マトリゲル(商標)を含有するウェルの各々に20,000のHUVECを播種した。16時間インキュベートした後に毛細血管網がうまく形成されたとき、化合物1を異なる濃度で添加した。2時間、3時間及び5時間インキュベートした後に、生成物の効果を、光学顕微鏡を使用して観測した。
10nMの用量(無毒性)で5時間処理した後、化合物1は、血管の数の極めて重要な減少を誘導することが観測され得る。これらの結果は、化合物1はまた、治療に有用な可能性のある抗-血管活性も有することを示している。
2.6.in vitro抗原提示試験
マウス線維肉腫株MCA205を、5%CO下、37℃にて、10%のウシ胎仔血清(FCS)、1%のL-グルタミン、1%のペニシリン/ストレプトマイシン、1mMのピルビン酸ナトリウム及び1%の非必須アミノ酸(MEM非必須アミノ酸、Gibco)で完全にしたRPMI-1640の中で培養した。B3Z細胞、CD8+T細胞ハイブリドーマを、5%CO下、37℃にて、10%のウシ胎仔血清(FCS)、1%のL-グルタミン、1%のペニシリン/ストレプトマイシン及び50μMのβ-メルカプトエタノールで完全にしたRPMI-1640の中で培養した。マウス黒色腫株B16F10を、5%CO下、37℃にて、10%のウシ胎仔血清(FCS)、1%のL-グルタミン及び1%のペニシリン/ストレプトマイシンを含有するDMEMの中で培養した。
トランスフェクションの前日に、MCA205を6ウェルプレートに1.7.10細胞/ウェルの割合で移した。B16F10を6ウェルプレートに1.8.10細胞/ウェルの割合で移した。jetPRIME試薬を供給業者(Polyplus)により支給された説明書に従って使用して、MCA205に1μgのプラスミド(pcDNA3、又は抗原配列を発現している細胞の細胞表面でB3Zハイブリドーマによって認識されることが可能な当該抗原配列を表すグロビン-イントロンSL8)をトランスフェクトした。GeneJuice試薬を供給業者(Novagen)により支給された説明書に従って使用して、B16F10に1μgのプラスミド(pcDNA3又はグロビン-イントロンSL8)をトランスフェクトした。
DMSOに希釈した種々の化合物を、トランスフェクションの24時間後に添加し、18時間置いた。その後、トランスフェクトした50,000細胞(MCA205又はB16F10)を、96ウェルプレート中で100,000のB3Z細胞の存在下で18時間培養した。ペプチドSIINFEKLを、対照として1μg/ウェルで添加した。1200rpmで5分間遠心分離した後、細胞を200μLのPBSで2回洗浄し、次いで50μLの溶解バッファー(0.2%TritonX-100、10mM DL-ジチオトレイトール(Sigma)、90mM KHPO及び8.5mM KHPOの水溶液)に溶解した。3000rpmで10分間遠心分離した後、45μLの上清を白色不透明96ウェルプレート(OptiPlaque-96、PerkinElmer)に移した。100μLの顕色バッファー(revelation buffer)(10mM MgCl、11.2mM β-メルカプトエタノール、0.0015%イゲパル(IGEPAL)(登録商標)CA-630及び40μM 4-メチルウンベリフェリルβ-D-ガラクトピラノシド(MUG)のPBS溶液)を、各ウェルに添加し、光から保護して少なくとも3時間インキュベートした。B3Zのβ-ガラクトシダーゼ活性を、FLUOstar Optima(BMG Labtech)で蛍光により測定する。励起フィルターは355nmに、蛍光フィルターは460nmにプログラムする。
MCA205肉腫株の抗原提示の変動は、図4に、化合物18(図4a)、21(図4b)及び10(図4c)の濃度の関数として表している。
B16F10黒色腫株の抗原提示の変動は、図5に、化合物18(図5a)、21(図5b)及び9(図5c)の濃度の関数として表している。

Claims (14)

  1. 次式(I):
    [式中:
    Xは、-CH-基又は窒素原子を表し、
    は、水素原子、ハロゲン原子、(C~C)アルキル基、-CN基又は-CF基を表し、
    は、水素原子、(C~C)アルキル基、アリール-(C~C)アルキル基又は-COR21基を表し、R21は、(C~C)アルキル基又はアリール基を表し、
    は、(C~C)アルキル基、アリール-(C~C)アルキル基又は-COR31基を表し、R31は、(C~C)アルキル基又はアリール基を表し、
    41、R42、R43及びR44は、互いに独立的に、水素原子;ハロゲン原子;-OR45;-SR45;-NR4546;-NO;又はハロゲン原子、-OR45、-SR45、-NR4546及び-NOの中から選択される1つ又は複数の置換基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R45及びR46は、互いに独立的に、水素原子、(C~C)アルキル基、-CF基又は-COR47基を表し、R47は、(C~C)アルキル基又はアリール基を表し、
    及びRは、水素原子を表し、又は一緒に-CR51=CR52-CR53=CR54-鎖を形成し、R51、R52、R53及びR54は、互いに独立的に、水素原子;ハロゲン原子;-OR55;-SR55;-NR5556;-NO;又はハロゲン原子、-OR55、-SR55、-NR5556及び-NOの中から選択される1つ又は複数の置換基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56は、互いに独立的に、水素原子、(C~C)アルキル基、-CF基又は-COR57基を表し、R57は、(C~C)アルキル基又はアリール基を表し、
    Xが窒素原子を表すとき、R は、塩素原子、-CN基又は-CF 基を表すか、又はR 及びR は、一緒に-CR 51 =CR 52 -CR 53 =CR 54 -鎖を形成する
    の化合物又はその薬学的に許容できる塩。
  2. が、塩素原子、-CN基又は-CF基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  3. が(C~C)アルキル基を表し、及び/又はRが(C~C)アルキル基又はアリール-(C~C)アルキル基を表すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 41、R42、R43及びR44が、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR45、-SR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46が、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基を表すことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 41、R42、R43及びR44が、互いに独立的に、水素原子、-OR45、-NR4546又は-NOを表し、R45及びR46が、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表すことを特徴とする、請求項4に記載の化合物。
  6. 次式(Ia):
    [式中、X、R、R、R、R41、R42、R43、R44、R51、R52、R53及びR54が、請求項1~5のいずれか一項に定義されたとおりである]
    を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
  7. 51、R52、R53及びR54が、互いに独立的に、水素原子、-OR55、-NR5556、-NO;又はハロゲン原子、-OR55基、-SR55基、-NR5556基及び-NO基の中から選択される1つ又は複数の置換基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56が、互いに独立的に、水素原子又は(C~C)アルキル基を表すことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 51、R52、R53及びR54が、互いに独立的に、水素原子、ハロゲン原子、-OR55、-NR5556、-NO;又は-OR55基により任意選択で置換されている(C~C)アルキル基を表し、R55及びR56が、互いに独立的に、水素原子、CF基又は(C~C)アルキル基を表すことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  9. 及びRが水素原子を表すことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
  10. 次式(Ib):
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  11. 及びそれらの薬学的に許容できる塩の中から選択される、請求項1に記載の化合物。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物と、薬学的に許容できる添加剤とを含む医薬組成物。
  13. がんを処置するための、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 以下のステップ:
    (1)次式(II):
    [式中、R、R及びRが、請求項1で定義されたとおりである]のアミン誘導体を、
    次式(III):
    [式中、Yが、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチルスルホネート基又はトシル基を表し、X、R、R41、R42、R43及びR44が、請求項1で定義されたとおりである]の化合物とカップリングして、
    =Hである請求項1に記載の式(I)の化合物を得るステップ、
    (2)先行するステップ(1)で得られる式(I)の化合物のアミンが有するR=H基を置換して、Rが、(C~C)アルキル基、アリール-(C~C)アルキル基又は-COR31基を表す請求項1に記載の式(I)の化合物を得るステップであって、R31が、請求項1で定義されたとおりである、ステップ、及び
    (3)任意選択で、先行するステップ(1)又は(2)で得られる式(I)の化合物を塩化して、請求項1に記載の式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩を得るステップ
    を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩を調製する方法。
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