本開示の情報処理システム1は、複数のユーザで共用されるシステムである。例えば、情報処理システム1は、同一空間内あるいは同一建物内の複数のユーザで同時に使用される。複数のユーザの人数は、2人であってもよいし、3人以上であってもよい。以下に、情報処理システム1の複数の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は本実施の形態に係る情報処理システム1(情報処理システム1Aともいう)の構成の一例を示す概略図である。図1に示されるように、情報処理システム1Aは、例えば、情報入力部2と、複製部3と、情報処理部4と、情報通知部5とを備える。
情報入力部2は、複数のユーザからの入力情報を受け付けることが可能である。情報入力部2は、受け付けた入力情報を出力する。情報入力部2は、例えば、ユーザが発する音声を受け付けてもよい。この場合、情報入力部2は、受け付けた音声を示す音声情報を出力する。また、情報入力部2は、例えば、ユーザが行うジェスチャーを受け付けてもよい。この場合、情報入力部2は、受け付けたジェスチャーを示すジェスチャー情報を出力する。情報入力部2が受け付ける入力情報はこの限りではない。
情報入力部2は、例えば、複数のユーザにそれぞれに対応する複数の入力部20を備える。入力部20は、それに対応するユーザからの入力情報を受け付けて出力する。入力部20は、音声を受け付ける場合、例えばマイクを備える。入力部20は、エコーキャンセルあるいはノイズキャンセルの目的で、複数のマイクを備えてもよい。入力部20は、ジェスチャーを受け付ける場合、例えば、ジェスチャーを検出するセンサを備える。ジェスチャーを検出するセンサとしては、例えば、赤外線発光素子及び赤外線受光素子を備えるセンサが採用される。
なお、情報入力部2及び入力部20の構成は上記の限りではない。例えば、情報入力部2は、複数のユーザに共通の一つの入力部20で構成されてもよい。また、入力部20は、マイク及びセンサ以外の装置を備えてもよい。例えば、入力部20は、ユーザのタッチ操作を検出するタッチセンサを備えてもよい。
情報処理部4は、入力部20から出力される入力情報に基づいて処理を行う。情報処理部4は、例えばVPAを備えており、当該VPAを用いて入力情報に応じた応答を行う。情報処理部4は、1種類のVPAを備えてもよいし、複数種類のVPAを備えてもよい。情報処理部4は、例えば、ユーザの問い合わせに応答したり、ユーザが実行命令する処理を実行したりすることができる。本例では、複数のユーザのそれぞれに対して、情報処理部4の機能を利用するためのアカウントが個別に設定される。各ユーザは、自身に割り当てられたアカウントに基づいて情報処理部4に対してサインイン(言い換えればログイン)することによって、情報処理部4の機能を利用することができる。言い換えれば、各ユーザは、自身に割り当てられたアカウントに基づいて、情報処理部4が備えるVPAに対してサインインすることによって、当該VPAを利用することができる。
情報処理部4は、複数のユーザにそれぞれ対応する複数の処理部40を備える。各処理部40は、それに対応するユーザに応じた処理を入力情報に基づいて行うことができる。処理部40は、例えば、入力情報に基づいて、ユーザの問い合わせに応答したり、ユーザが実行命令する処理を実行したりすることができる。各処理部40はVPAであるとも言える。処理部40は、入力情報として音声情報が入力される場合、入力された音声情報を解析して、当該音声情報が意味する内容を特定する。そして、処理部40は、特定した内容に応じた処理を行う。また、処理部40は、ジェスチャー情報が入力情報として入力される場合、入力されたジェスチャー情報を解析して、当該ジェスチャー情報が示すジェスチャーに対応するコマンドを特定する。そして、処理部40は、特定したコマンドに応じた処理を行う。
ユーザは、自身に割り当てられたアカウントに基づいて情報処理部4に対してサインインした場合、当該ユーザに対応する処理部40の機能を利用することができる。ユーザが、自身に割り当てられたアカウントに基づいて情報処理部4に対してサインインした場合、当該ユーザに対応する処理部40は、当該ユーザに応じた処理を入力情報に基づいて行う。以後、情報処理部4に対してサインインしているユーザをサインインユーザと呼ぶことがある。
情報処理部4は例えば人工知能を有している。情報処理システム1Aには、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザに関するユーザ関連情報が記憶されている。処理部40は、それに対応するユーザからの入力情報と、当該ユーザのユーザ関連情報とに基づいて、当該ユーザに応じた処理を行うことができる。また、処理部40は、それに対応するユーザのユーザ関連情報に基づいてディープラーニング等の機械学習を行って、自身が実行する当該ユーザに応じた処理をパーソナライズすることができる。ユーザ関連情報には、例えば、ユーザの年齢、性別、趣味及びスケジュール情報等が含まれる。また、ユーザのユーザ関連情報には、例えば、当該ユーザに対応する処理部40に入力された入力情報が含まれる。また、ユーザのユーザ関連情報には、例えば、当該ユーザに対応する処理部40が行った処理の結果が含まれる。
なお、情報処理部4及び処理部40の構成は上記の例に限られない。また、ユーザ関連情報に含まれる情報は上記の例に限られない。
複製部3は、サインインユーザからの入力情報を情報入力部20が出力すると、当該入力情報を複製して複製情報を生成する。情報入力部2と複製部3との間の通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。また、情報入力部2はデジタル信号を用いて情報を複製部3に出力してもよい。
複製部3は、入力される入力情報が、どのユーザからの入力情報であるかを特定することができる。本例では、複製部3は、入力部20から入力される入力情報を、当該入力部20に対応するユーザからの入力情報であると特定する。以後、説明の便宜上、注目する、サインインユーザからの入力情報を、対象入力情報と呼ぶことがある。また、対象入力情報を情報入力部2に入力するサインインユーザを対象ユーザと呼ぶことがある。
複製部3は、対象入力情報が入力された場合、対象入力情報を情報入力部2に入力した対象ユーザを上記のように特定する。そして、複製部3は、特定した対象ユーザに対応する処理部40に対象入力情報を入力する。さらに、複製部3は、対象入力情報を複製して得られた複製情報を、他のサインインユーザに対応する各処理部40に入力する。
なお、複製部3が、入力される入力情報が、どのユーザからの入力情報であるかを特定する方法は上記の例に限られない。例えば、情報入力部2が、複数のユーザに共通の一つの入力部20で構成されている場合であって、入力情報が音声情報である場合を考える。この場合、複製部3は、例えば、情報入力部2が出力する音声情報に基づいて話者識別を行うことによって、当該音声情報がどのユーザからの入力情報であるかを特定してもよい。例えば、複製部3は、音声情報から音響特徴量を求める。そして、複製部3は、求めた音響特徴量を解析し、その解析結果から、情報入力部2が出力する音声情報がどのユーザからの音声を示す情報なのかを特定する。
情報通知部5は、情報処理部4の処理結果を複数のユーザに対して通知することが可能である。情報通知部5は、例えば、複数のユーザにそれぞれ対応する複数の通知部50を備える。各通知部50は、それに対応するユーザに対して情報処理部4の処理結果を通知する。
通知部50は、例えば、情報処理部4の処理結果を示す情報を表示することによって、当該処理結果をユーザに通知してもよい。この場合、通知部50は、例えば、文字、図形及び画像等を表示することが可能な表示装置を備えてもよい。この表示装置は、液晶表示装置であってもよいし、他の種類の表示装置であってもよい。また、通知部50は、情報処理部4の処理結果を示す音声を出力することによって、当該処理結果をユーザに通知してもよい。この場合、通知部50は、例えばスピーカを備えてもよい。通知部50がユーザに音声を出力する場合には、ユーザは、情報処理システム1AのVPAを利用して、まるで人と対話するように、情報処理システム1Aと対話することができる。通知部50のユーザに対する通知方法はこの限りではない。
情報処理部4の各処理部40は、処理結果を、自身に対応するユーザに対応する通知部50に出力する。また、各処理部40は、複数のユーザが情報処理部4にサインインしている場合、処理結果を、自身に対応するユーザとは別のサインインユーザに対応する各通知部50に出力する。通知部50は、受け取った処理結果を、自身に対応するユーザに通知する。
なお、情報通知部5及び通知部50の構成は上記の限りではない。例えば、情報通知部5は、複数のユーザに共通の一つの通知部50で構成されてもよい。この場合、当該一つの通知部50は、複数のユーザに対して、複数の処理部40の処理結果を通知する。また通知部50は、表示装置及びスピーカ以外の装置を備えてもよい。例えば、通知部50は、音を出力することによってユーザに通知を行うブザーを備えてもよいし、発光することによってユーザに通知を行う発光装置を備えてもよい。
情報処理部4と情報通知部5との間の通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。また、情報処理部4はデジタル信号を用いて情報を複製部3に出力してもよい。
<情報処理システムの動作の一例>
図2は情報処理システム1Aの動作の一例を示す図である。図2の例では、情報処理部4にユーザA及びユーザBがサインインしている。この場合、ユーザAからの対象入力情報700aが複製部3に入力されたとき、複製部3は、対象入力情報700aをユーザAに対応する処理部40(処理部40aともいう)に入力する。複製部3は、さらに、対象入力情報700aを複製して得られた複製情報710aをユーザBに対応する処理部40(処理部40bともいう)に入力する。
処理部40aは、対象入力情報700aに基づいてユーザAに応じた処理を行う。そして、処理部40aは、処理結果720aを、ユーザAに対応する通知部50(通知部50aともいう)と、ユーザBに対応する通知部50(通知部50bともいう)とに出力する。また、処理部40bは、複製情報710a、つまり対象入力情報700aに基づいてユーザBに応じた処理を行う。そして、処理部40bは、処理結果720bを、通知部50a及び通知部50bに出力する。通知部50aは、処理結果720a及び処理結果720bを、ユーザAに対して通知する。通知部50bは、処理結果720a及び処理結果720bを、ユーザBに対して通知する。通知部50a及び50bは、処理結果720a及び処理結果720bを表示する場合には、処理結果720a及び処理結果720bを同時に表示してもよい。また、通知部50a及び50bは、処理結果720a及び処理結果720bの一方を表示し、当該一方の表示を消去した後に、処理結果720a及び処理結果720bの他方を表示してもよい。また、通知部50aのユーザAに対する処理結果720a及び処理結果720bの通知態様と、通知部50bのユーザBに対する処理結果720a及び処理結果720bの通知態様とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図3は情報処理システム1Aの動作の他の例を示す図である。図3の例では、情報処理部4にユーザA、ユーザB及びユーザCがサインインしている。この場合、ユーザBからの対象入力情報700bが複製部3に入力されたとき、複製部3は、対象入力情報700bを処理部40bに入力する。また複製部3は、対象入力情報700bを複製して得られた複製情報710bを、処理部40aと、ユーザCに対応する処理部40(処理部40cともいう)とに入力する。
処理部40bは、対象入力情報700bに基づいてユーザBに応じた処理を行う。そして、処理部40bは、処理結果720bを、通知部50aと、通知部50bと、ユーザCに対応する通知部50(通知部50cともいう)とに出力する。処理部40aは、複製情報710b、つまり対象入力情報700bに基づいてユーザAに応じた処理を行う。そして、処理部40aは、処理結果720aを通知部50a,50b,50cに出力する。処理部40cは、複製情報710b、つまり対象入力情報700bに基づいてユーザCに応じた処理を行う。そして、処理部40cは、処理結果720cを通知部50a,50b,50cに出力する。
通知部50aは、処理結果720a,720b,720cを、ユーザAに対して通知する。通知部50bは、処理結果720a,720b,720cを、ユーザBに対して通知する。通知部50cは、処理結果720a,720b,720cを、ユーザCに対して通知する。
このように、情報処理システム1Aでは、あるユーザからの入力情報が複製されて、当該あるユーザに対応する処理部40だけではなく、他のユーザに対応する処理部40にも入力される。そのため、情報処理システム1Aは、あるユーザからの入力情報を、複数のユーザに共通の情報として扱うことができる。よって、情報処理システム1Aの利便性が向上する。
また、本例では、ユーザに対して通知を行う通知部50がユーザごとに設けられているため、各ユーザは情報処理システム1Aからの通知を受け取りやすくなる。
<情報処理システムのハードウェア構成の一例>
図4は、情報処理システム1Aのハードウェア構成の一例を示す概略図である。情報処理システム1Aは、例えば、一種のコンピュータ装置である。図4に示されるように、情報処理システム1Aは、ハードウェアとして、処理回路500と、記憶装置510と、表示装置520と、通信装置530と、入力装置540と、音出力装置550とを備える。記憶装置510、表示装置520、通信装置530、入力装置540及び音出力装置550のそれぞれは処理回路500に接続されている。記憶装置510等は、処理回路500に対して、有線接続されてもよいし、無線接続されてもよいし、有線接続及び無線接続の両方が用いられて接続されてもよい。また、記憶装置510等は、処理回路500に対して、直接接続されてもよいし、ネットワーク等を通じて間接的に接続されてもよい。
処理回路500は、例えば、少なくとも一つのプロセッサを備える。処理回路500は、例えば、プロセッサの一種であるCPU(Central Processing Unit)を備える。処理回路500は、複数のCPUを備えてもよいし、少なくとも一つのDSP(Digital Signal Processor)を備えてもよいし、CPU及びDSP以外のプロセッサを備えてもよい。
記憶装置510は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの、CPU等のプロセッサが読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶装置510は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)の少なくとも一つの半導体メモリを備えてもよい。また、記憶装置510は、HDD(Hard
Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)の少なくとも一つを備えてもよい。また、記憶装置510は、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD(Digital Versatile Disc)の少なくとも一つと、そのドライブ装置とを備えてもよい。
記憶装置510は、情報処理システム1Aを制御するための制御プログラム511を記憶する。処理回路500のプロセッサが制御プログラム511を実行することによって、処理回路500の各種機能が実現される。本実施の形態では、複製部3及び情報処理部4のそれぞれは、例えば、処理回路500が記憶装置510内の制御プログラム511を実行することによって処理回路500に実現される機能ブロックで構成されている。記憶装置510は、各処理部40で使用される上述のユーザ関連情報を記憶している。
なお、処理回路500の少なくとも一部は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。この場合には、処理回路500の少なくとも一部は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA(field-programmable gate array)の少なくとも一つで構成されてもよい。処理回路500の少なくとも一部が、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現される場合には、複製部3及び情報処理部4の少なくとも一つが、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。
表示装置520は、処理回路500による制御によって、文字、記号及び画像等の各種情報を表示することが可能である。表示装置520は、少なくとも一つの液晶表示装置を備えてもよいし、少なくとも一つの他の種類の表示装置を備えてもよい。情報通知部5は、情報処理部4の処理結果を表示する場合には、表示装置520を備えてもよい。
音出力装置550は、処理回路500から入力される信号を音に変換して出力することが可能である。音出力装置550は、少なくとも一つのスピーカを備えてもよいし、少なくとも一つのブザーを備えてもよい。情報通知部5は、情報処理部4の処理結果を音声でユーザに通知する場合には、音出力装置550を備えてもよい。
入力装置540は、ユーザからの入力を受け付けることが可能である。入力装置540は、例えば、マイク、ユーザのジェスチャーを検出するセンサ、タッチセンサ、キーボード及びマウスの少なくとも一つを備えてもよい。入力装置540が、タッチセンサを備える場合には、表示装置520は、当該タッチセンサを有するタッチパネルディスプレイを備えてもよい。情報入力部2は、例えば入力装置540で構成される。
通信装置530は、情報処理システム1Aとは別の装置と通信することが可能である。通信装置530は通信回路であると言える。通信装置530は、インターネット等を含むネットワークを通じて別の装置と通信してもよい。通信装置530は有線通信を行ってもよいし、無線通信を行ってもよいし、有線通信及び無線通信の両方を行ってもよい。
なお、情報処理システム1Aのハードウェア構成は上記の例に限られない。例えば、情報処理システム1Aは、表示装置520を備えなくてもよいし、音出力装置550を備えなくてもよい。また、情報処理システム1Aは、処理回路500、記憶装置510、表示装置520、通信装置530、入力装置540及び音出力装置550以外の装置を備えてもよい。例えば、情報処理システム1Aは、少なくとも一つのセンサを備えてもよい。
また、情報処理システム1AがクラウドベースのVPAを備える場合には、情報処理部4はクラウドサーバに設けられてもよい。この場合、情報処理部4を構成する処理回路500と記憶装置510はクラウドサーバに設けられる。
<情報処理システムの使用例>
情報処理システム1Aは、様々な用途で使用されることができる。図5は、情報処理システム1Aの使用例を説明するための図である。以下に、図5を用いて、同じ家屋800に居住するユーザA及びユーザBが情報処理システム1Aを利用する場合の情報処理システム1Aの一例について説明する。
図5の例では、ユーザAは例えば二階の自室820に存在し、ユーザBは例えば一階の自室810に存在する。ユーザA及びユーザBはともに情報処理部4にサインインしている。ユーザAは携帯機器850aを所持し、ユーザBは携帯機器850bを所持する。携帯機器850a及び850bは、スマートフォンであってもよいし、タブレット機器であってもよいし、ウェアラブル機器であってもよい。
携帯機器850aはユーザAに対応する入力部20a及び通知部50aを備える。入力部20aは、例えば、携帯機器850aに設けられたマイクを備える。通知部50aは、例えば、携帯機器850aに設けられたスピーカ及びディスプレイを備える。
携帯機器850bはユーザBに対応する入力部20b及び通知部50bを備える。入力部20bは、例えば、携帯機器850bに設けられたマイクを備える。通知部50bは、例えば、携帯機器850bに設けられたスピーカ及びディスプレイを備える。
情報処理部4及び複製部3は、例えば、クラウドサーバに設けられており、当該クラウドサーバと携帯機器850a及び850bは通信可能である。なお、情報処理部4及び複製部3は、家屋800に設けられたコンピュータ装置に設けられてもよい。
図5の例において、ユーザAが、携帯機器850aの入力部20aに対して、「明日の予定は?」という音声を入力したとする。入力部20aから出力されるユーザAの音声を示す音声情報は、クラウドサーバ上の複製部3に入力される。複製部3は、入力された音声情報を、クラウドサーバ上のユーザAに対応する処理部40aに入力する。これにより、処理部40a(つまりユーザAに応じたVPA)に対して「明日の予定は?」という問い合わせが行われる。また、複製部3は、音声情報を複製して得られる複製音声情報を、クラウドサーバ上のユーザBに対応する処理部40bに入力する。これにより、処理部40b(つまりユーザBに応じたVPA)に対しても「明日の予定は?」という問い合わせが行われる。
処理部40aは、音声情報を解析して「明日の予定は?」という問い合わせが行われたことを理解する。そして、処理部40aは、ユーザAのユーザ関連情報から、ユーザAの明日のスケジュール情報を取得する。処理部40aは、取得したスケジュール情報を、処理結果として、携帯機器850aの通知部50aと、携帯機器850bの通知部50bとに出力する。一方で、処理部40bは、複製音声情報を解析して「明日の予定は?」という問い合わせが行われたことを理解する。そして、処理部40bは、ユーザBのユーザ関連情報から、ユーザBの明日のスケジュール情報を取得する。処理部40bは、取得したスケジュール情報を、処理結果として、携帯機器850bの通知部50bと、携帯機器850aの通知部50aとに出力する。
携帯機器850aの通知部50aは、ユーザA及びBの明日のスケジュール情報を、ユーザAに対して通知する。同様に、携帯機器850bの通知部50bは、ユーザA及びBの明日のスケジュール情報を、ユーザBに対して通知する。通知部50a及び50bのそれぞれは、ユーザAの明日のスケジュール情報として、例えば、「19:00に荷物が届く」ことと、「出張で21:00に帰宅する」こととを、スピーカ及びディスプレイを用いてユーザに通知する。また、通知部50a及び50bのそれぞれは、ユーザBの明日のスケジュール情報として、例えば「18:00に帰宅する」ことを、スピーカ及びディスプレイを用いてユーザに通知する。
このように、通知部50a及び50bのそれぞれが、ユーザA及びユーザBに関する情報を出力することによって、ユーザA及びBのそれぞれは、自身に関する情報だけではなく、他のユーザに関する情報も確認することができる。よって、情報処理システム1Aの利便性が向上する。上記の例では、ユーザAは、明日に届く荷物をユーザBが受け取ることができることを知ることができる。また、ユーザBは、明日に届く荷物を自分が受け取れることができることを知ることができる。
また、複数のユーザの一人が、情報処理システム1Aに対して、話題に繋がる入力情報を入力することによって、複数のユーザは情報処理システム1Aを通じて当該話題を共有することができる。上記の例では、ユーザAが「明日の予定は?」という問い合わせを情報処理システム1Aに行うことによって、ユーザA及びBは、「明日の予定」という話題を情報処理システム1Aを通じて共有することができる。よって、情報処理システム1Aの利便性が向上する。
図6は、情報処理システム1Aの他の使用例を説明するための図である。以下に、図6を用いて、同じ車両600内に存在する複数のユーザが情報処理システム1Aを利用する場合の情報処理システム1Aの一例について説明する。
図6の例では、情報処理システム1Aは車両600に搭載されている。車両600は、例えば、自動車であって、複数の座席を備える。情報入力部2の複数の入力部20は、例えば、車両600の複数の座席の前にそれぞれ設けられている。一の座席に座るユーザは、当該座席の前の入力部20に対して入力情報を入力することができる。また、情報通知部5の複数の通知部50は、例えば、車両600が備える複数の座席の前にそれぞれ設けられている。一の座席に座るユーザは、当該座席の前の通知部50からの通知を受けることができる。運転席及び助手席を含む前部座席の前に位置する入力部20及び通知部50は、例えばダッシュボードに設けられてもよい。後部座席の前に位置する入力部20及び通知部50は、例えば、前部座席のシートの裏側に設けられてもよい。
複製部3及び情報処理部4は、例えば、車両600に設けられたコンピュータ装置で実現される。当該コンピュータ装置には、上述の処理回路500及び記憶装置510が設けられている。当該コンピュータ装置は、車両600に搭載されている、ナビゲーション機能及びオーディ機能を有するコンピュータ装置であってもよいし、他のコンピュータ装置であってよい。情報入力部2が、複数のユーザに共通の一つの入力部20で構成されている場合、複製部3は、入力される音声情報に基づいて音源方位推定あるいは話者識別を行って、当該音声情報がどのユーザからの情報であるかを特定してもよい。また、複製部3及び情報処理部4はクラウドサーバで実現されてもよい。
車両600は、バスの車両であってもよいし、タクシーの車両であってもよい。また、車両600は、自動運転車両であってもよい。また、情報処理システム1Aは、同一の目的地に向かう複数台の車両に設けられてもよい。
次に、図6に示される情報処理システム1Aの動作の具体例について説明する。以下では、車両600内の複数のユーザ(言い換えれば複数の乗車者)が、希望する行き先を話題として共有する場合の情報処理システム1Aの動作の一例について説明する。以下の例では、ユーザA及びユーザBが、車両600の運転席及び助手席にそれぞれ存在し、旅行からの帰宅途中にレストランに立ち寄る状況を想定する。ユーザA及びユーザBは情報処理部4にサインインしている。
助手席のユーザBが、助手席の前に位置する入力部20bに対して、「近くのレストランを教えて」という音声を入力したとする。入力部20bは、ユーザBの音声を示す音声情報を出力する。複製部3は、入力部20bが出力する音声情報を、ユーザBに対応する処理部40bに入力する。これにより、「近くのレストランを教えて」という問い合わせが、処理部40b(言い換えればユーザBに応じたVPA)に対して行われる。また、複製部3は、音声情報を複製して得られる複製音声情報を、ユーザAに対応する処理部40aに入力する。これにより、「近くのレストランを教えて」という問い合わせが処理部40a(言い換えればユーザAに応じたVPA)に対しても行われる。
処理部40bは、音声情報を解析して「近くのレストランを教えて」という問い合わせが行われたことを理解する。そして、処理部40bは、ユーザBのユーザ関連情報からユーザBの好みの料理を特定し、特定した料理を提供する近くのレストランをリストアップする。記憶装置510には、ユーザ関連情報以外にも地図情報が記憶されている。処理部40bは、記憶装置510内の地図情報に基づいて、ユーザBの好みの料理を提供する近くのレストランを特定する。処理部40bは、リストアップした複数のレストランを特定するためのレストランリストを生成する。そして、処理部40bは、生成したレストランリストを、処理結果として、通知部50bと通知部50aとに出力する。レストランリストには、例えば、リストアップされた複数のレストランの名前及び位置情報が含まれる。処理部40bは、ユーザBの好みの料理を提供するレストランとして、例えば、和食を提供するレストランをリストアップする。
一方で、処理部40aは、複製音声情報を解析して「近くのレストランを教えて」という問い合わせが行われたことを理解する。そして、処理部40aは、ユーザAのユーザ関連情報からユーザAの好みの料理を特定し、特定した料理を提供する近くのレストランをリストアップする。処理部40aは、ユーザAの好みの料理を提供するレストランとして、例えば、中華料理を提供するレストランをリストアップする。処理部40aは、リストアップした複数のレストランを特定するためのレストランリストを生成する。そして、処理部40bは、生成したレストランリストを、処理結果として、通知部50aと通知部50bとに出力する。
運転席の前に位置する通知部50aは、処理部40a及び40bから出力されたレストランリストを、運転席のユーザAに対して通知する。また、助手席の前に位置する通知部50bは、処理部40a及び40bから出力されたレストランリストを、助手席のユーザBに対して通知する。これにより、ユーザA及びユーザBのそれぞれは、ユーザAの好みに応じた近くのレストランの名前及び位置情報と、ユーザBの好みに応じた近くのレストランの名前及び位置情報とを知ることができる。よって、情報処理システム1Aの利便性が向上する。
本例では、助手席のユーザBが「近くのレストランを教えて」という、話題に繋がる問い合わせを情報処理システム1Aに行うことによって、ユーザA及びBは、情報処理システム1Aを通じて「近くのレストラン」という話題を共有することができる。
他の例として、ユーザBが入力部20bに対して「おすすめの楽曲を教えて」という音声を入力した場合を考える。この場合、入力部20bは、ユーザBの音声を示す音声情報を出力する。複製部3は、入力部20bから出力された音声情報を処理部40bに入力する。また、複製部3は、音声情報を複製して得られる複製音声情報を処理部40aに入力する。
処理部40bは、音声情報を解析して「おすすめの楽曲を教えて」という問い合わせが行われたことを理解する。そして、処理部40bは、記憶装置510に記憶されている複数の楽曲から、ユーザBのユーザ関連情報に基づいて、ユーザBが好みそうな楽曲をリストアップする。処理部40bは、リストアップした複数の楽曲を特定するための楽曲リストを生成する。そして、処理部40bは、生成した楽曲リストを、処理結果として、通知部50bと通知部50aとに出力する。
一方で、処理部40aは、複製音声情報を解析して「おすすめの楽曲を教えて」という問い合わせが行われたことを理解する。そして、処理部40aは、ユーザAのユーザ関連情報に基づいて、ユーザAが好みそうな楽曲をリストアップする。処理部40aは、リストアップした複数の楽曲を特定するための楽曲リストを生成する。そして、処理部40bは、生成した楽曲リストを、処理結果として、通知部50aと通知部50bとに出力する。
通知部50aは、処理部40a及び40bから出力された楽曲リストをユーザAに対して通知する。同様に、通知部50bは、処理部40a及び40bから出力された楽曲リストをユーザBに対して通知する。これにより、ユーザA及びユーザBのそれぞれは、ユーザAが好むであろう楽曲と、ユーザBが好むであろう楽曲とを知ることができる。
本例では、助手席のユーザBが「おすすめの楽曲を教えて」という、話題に繋がる問い合わせを情報処理システム1Aに行うことによって、ユーザA及びBは、情報処理システム1Aを通じて「おすすめの楽曲」という話題を共有することができる。
他の例として、ユーザBが入力部20bに対して「エアコンの温度を上げて」という音声を入力した場合を考える。本例では、ユーザBは後部座席に位置する。また、車両600には、運転席及び助手席を含む前部座席の温度を調整するエアコン(前側エアコンともいう)と、後部座席の温度を調整するエアコン(後ろ側エアコンともいう)とが設けられている。エアコンは、エア・コンディショナーの略語である。処理部40aは、前側エアコンの設定温度を制御可能であり、処理部40bは、後ろ側エアコンの設定温度を制御可能である。
入力部20bは、ユーザBからの「エアコンの温度を上げて」という音声を示す音声情報を出力する。複製部3は、入力部20bから出力される音声情報を処理部40bに入力する。また、複製部3は、音声情報を複製して得られる複製音声情報を処理部40aに入力する。処理部40bは、音声情報を解析して「エアコンの温度を上げて」という指示が行われたことを理解する。そして、処理部40bは、ユーザBのユーザ関連情報に基づいて、ユーザBに適切な温度を推定する。処理部40bは、推定した温度を後ろ側エアコンの設定温度とする。一方で、処理部40aは、複製音声情報を解析して「エアコンの温度を上げて」という指示が行われたことを理解する。そして、処理部40aは、ユーザAのユーザ関連情報に基づいて、ユーザAに適切な温度を推定する。処理部40aは、推定した温度を前側エアコンの設定温度とする。
本例では、後部座席のユーザBが「エアコンの温度を上げて」という指示を情報処理システム1Aに行うことによって、後側エアコンがユーザBに適切した温度に設定されるだけではなく、前側エアコンが運転席のユーザAに適切した温度に設定される。よって、情報処理システム1Aの利便性が向上する。
実施の形態2.
図7は本実施の形態に係る情報処理システム1(情報処理システム1Bともいう)の構成の一例を示す概略図である。図7に示されるように、情報処理システム1Bは、例えば、上述の情報処理システム1Aにおいて、統合部6がさらに設けられたものである。統合部6は、複数のサインインユーザにそれぞれ対応する複数の処理部40の処理結果を統合して出力する。各通知部50は、統合部6の統合結果をユーザに通知する。統合部6は、例えば、処理回路500が記憶装置510内の制御プログラム511を実行することによって処理回路500に実現される機能ブロックで構成されている。統合部6は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。
統合部6が複数の処理結果を統合する方法として様々な方法が考えられる。例えば、統合部6は、複数の処理結果を同一形式に変換し、その後統合してもよい。例えば、処理部40から出力される処理結果がテキストデータである場合を考える。この場合、統合部6は、複数の処理部40から出力されるテキストデータを、量子化ビット数等が共通の同一形式の複数の音声信号に変換する。そして、統合部6は、生成した複数の音声信号を統合して、複数の処理部40の処理結果を示す一つの音声信号を生成して出力する。複数のサインインユーザにそれぞれ対応する複数の通知部50は、統合部6から出力される共通の音声信号を音声に変換して出力する。
また、統合部6は、複数の処理結果のそれぞれが、どのユーザに対応する処理結果であるのか明確に分かるように当該複数の処理結果を統合してもよい。また、統合部6は、複数の処理結果を統合する場合に、少なくとも一つの処理結果を要約してもよい。また、統合部6は、複数の処理結果を統合する場合に、各処理結果から、他の処理結果と重複する内容を削除してもよい。また、統合部6は、複数の処理結果の論理積を求めてもよい。統合部6は、複数の処理結果をどのように統合するかについて、言い換えれば、複数の処理結果をどのように整理するかについて、処理結果の内容に応じて変更してもよい。
このように、本実施の形態では、複数の処理部40の処理結果を統合する統合部6が設けられている。そして、情報通知部5は、統合部6の統合結果をユーザに通知する。これにより、情報処理システム1Bは、複数の処理結果を整理してユーザに通知することができる。よって、情報処理システム1Bは、複数の処理結果をユーザに対して分かり易く通知することができる。
以上のような構成を有する情報処理システム1Bは、上述の情報処理システム1Aと同様に、様々な用途で使用されることができる。例えば、上述の図5に示されるように、情報処理システム1Bは、同じ家屋800に居住するユーザA及びユーザBによって利用されることができる。この場合、上述のように、処理部40aがユーザAのスケジュール情報を取得し、処理部40bがユーザBのスケジュール情報を取得したとき、統合部6は、例えば、ユーザA及びユーザBのスケジュール情報を示すスケジュール画面を生成する。そして、通知部50a及び50bのそれぞれは、統合部6で生成されたスケジュール画面を表示する。このような場合、統合部6は、例えば、2つの分割画面からなるスケジュール画面を生成する。統合部6は、一方の分割画面にユーザAのスケジュール情報が示され、他方の分割画面にユーザBのスケジュール情報が示されるように、スケジュール画面を生成する。これにより、スケジュール情報がユーザごとに整理され、ユーザA及びユーザBのそれぞれは、ユーザAのケジュール情報と、ユーザBのスケジュール情報とを別々に把握しやすくなる。
また、情報処理システム1Bは、図8に示されるように車両600に搭載されてもよい。この場合、情報処理システム1Bが、複数の処理部40の処理結果を運転者に対して分かり易く通知することによって、運転者は車両600をより安全に運転することができる。
図8の例において、例えば、上述の実施の形態1のように、処理部40aが、ユーザAが好む料理を提供する近くのレストランを特定するためのレストランリスト(ユーザAに応じたレストランリストともいう)を生成し、処理部40bが、ユーザBが好む料理を提供する近くのレストランを特定するためのレストランリスト(ユーザBに応じたレストランリストともいう)を生成する場合を考える。この場合、統合部6は、例えば、ユーザAに応じたレストランリストで特定される複数のレストランと、ユーザBに応じたレストランリストで特定される複数のレストランとの論理積を求める。これにより、ユーザA及びBの両方が好む料理を提供するレストランが特定される。そして、統合部6は、ユーザA及びBの両方が好む料理を提供するレストランを特定するためのレストランリストを通知部50a及び50bに出力する。通知部50a及び50bのそれぞれは、統合部6で生成されたレストランリストをユーザに通知する。これにより、ユーザA及びBのそれぞれは、ユーザA及びBの両方が好む料理を提供するレストランの情報を容易に把握することができる。
また、図8の例において、車両600に乗車するユーザA、ユーザB及びユーザCが情報処理部4にサインインしており、情報入力部2に対して、ユーザAからの入力情報、ユーザBからの入力情報及びユーザCからの入力情報が時間的にずれて順に入力された場合を考える。この場合、処理部40a,40b,40cのそれぞれからは、ユーザAの入力情報に基づく処理結果(第1処理結果ともいう)と、ユーザBの入力情報に基づく処理結果(第2処理結果ともいう)と、ユーザCの入力情報に基づく処理結果(第3処理結果ともいう)とが、時間的にずれて順に出力される。
ここで、処理部40a,40b,40cが出力する第1処理結果をまとめて第1情報と呼び、処理部40a,40b,40cが出力する第2処理結果をまとめて第2情報と呼び、処理部40a,40b,40cが出力する第3処理結果をまとめて第3情報と呼ぶ。情報処理部4からは、第1情報、第2情報及び第3情報が時間的にずれて順に出力される。
ユーザAの入力情報と、ユーザBの入力情報と、ユーザCの入力情報とが互いに同じ内容である場合、第1情報、第2情報及び第3情報が互いに同じ内容となる可能性がある。統合部6は、情報処理部4から第1情報が出力されたとき、当該1情報を整理して通知部50a,50b,50cに出力する。通知部50a,50b,50cは、整理された第1情報をユーザA、ユーザB及びユーザCにそれぞれ通知する。
また、統合部6は、第1情報の後に第2情報が入力されると、第1情報と第2情報とを比較し、両者が一致すれば第2情報を破棄する。これにより、ユーザにすでに通知された情報と同じ情報が当該ユーザに通知される可能性が低減する。一方で、統合部6は、両者が異なれば第2情報を整理して通知部50a,50b,50cに出力する。
また、統合部6は、第2情報の後に第3情報が入力されると、第1情報と3情報とを比較し、両者が一致すれば、第3情報を破棄する。一方で、統合部6は、両者が異なれば第3情報を整理して通知部50a,50b,50cに出力する。また、統合部6は、第2情報を通知部50a,50b,50cに出力している場合には、第2情報と3情報とを比較する。統合部6は、両者が一致すれば、第3情報を破棄する。一方で、統合部6は、両者が異なれば第3情報を整理して通知部50a,50b,50cに出力する。
このように、ユーザにすでに通知された情報と同じ情報が当該ユーザに通知される可能性が低減することによって、例えば、車両600の運転者は運転に集中することができる。
実施の形態3.
図9は本実施の形態に係る情報処理システム1(情報処理システム1Cともいう)の構成の一例を示す概略図である。図9に示されるように、情報処理システム1Cは、例えば、上述の情報処理システム1Bにおいて、判断部7及びカテゴリ記憶部8がさらに設けられたものである。情報処理システム1Cは、情報処理システム1Aにおいて、判断部7及びカテゴリ記憶部8がさらに設けられたものであってもよい。
カテゴリ記憶部8(記憶部8ともいう)は、情報処理部4の機能に応じて分類された複数のカテゴリを記憶するデータベースである。記憶装置510は、複数のカテゴリを記憶しており、記憶部8として機能する。記憶部8に記憶される複数のカテゴリは、例えば、情報処理システム1Cの設計者によって決定される。設計者は、情報処理部4が備えるVPAの種類に応じて複数のカテゴリを決定する。
例えば、情報処理部4が、ユーザの問い合わせに応じて、サーバから天気情報を取得する機能を有する場合、記憶部8には「天気」というカテゴリが記憶される。上述のように、情報処理部4が、ユーザの問い合わせに応じて、当該ユーザのスケジュール情報を取得する機能を有する場合には、「カレンダー」というカテゴリが記憶部8に記憶される。情報処理部4が、ユーザが指定した電化製品を操作する機能を有する場合には、「電化製品の操作」というカテゴリが記憶部8に記憶される。情報処理部4が、ユーザが指示した楽曲をオーディオ機器に再生させる機能を有する場合には、「楽曲再生操作」というカテゴリが記憶部8に記憶される。情報処理部4が、上述のように、レストラン等の場所を検索する機能を有する場合には、「場所検索」といったカテゴリが記憶部8に記憶される。情報処理部4が、上述のように、ユーザが好みそうな楽曲を選択する機能を有する場合には、「楽曲選択」というカテゴリが記憶部8に記憶される。記憶部8に記憶される複数のカテゴリは、情報処理部4が有する複数の機能にそれぞれ対応している。つまり、記憶部8に記憶される複数のカテゴリは、情報処理部4が実行することが可能な複数種類のタスク(言い換えれば、複数種類の処理)にそれぞれ対応している。記憶部8に記憶されるカテゴリはこの限りではない。
本例では、複製部3は、情報入力部2から対象入力情報が出力されると、それを複製する前に判断部7に出力する。判断部7は、入力された対象入力情報が複製部3で複製されるべきか否かを判断する。判断部7は、例えば、処理回路500が記憶装置510内の制御プログラム511を実行することによって処理回路500に実現される機能ブロックで構成されている。判断部7は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。
判断部7は、例えば、記憶部8に記憶されている複数のカテゴリから、対象入力情報に応じたカテゴリを特定する。具体的には、判断部7は、対象入力情報が処理部40に入力されたときに当該処理部40が実行するタスク(言い換えれば処理)に対応するカテゴリを、記憶部8に記憶されている複数のカテゴリから特定する。
例えば、対象入力情報が「明日の予定は?」という問い合わせを示す場合を考える。この場合、処理部40はユーザのスケジュール情報を取得する。処理部40がユーザのスケジュール情報を取得する機能は「カレンダー」に対応している。したがって、判断部7は、対象入力情報に応じたカテゴリとして「カレンダー」を特定する。
他の例として、対象入力情報が「おすすめの楽曲は?」という問い合わせを示す場合を考える。この場合、処理部40はユーザが好みそうな楽曲を選択する。処理部40がユーザが好みそうな楽曲を選択する機能は「楽曲選択」に対応している。したがって、判断部7は、対象入力情報に応じたカテゴリとして「楽曲選択」を特定する。
他の例として、対象入力情報が「今日の天気は?」という問い合わせを示す場合を考える。この場合、処理部40は、今日の天気情報をサーバから取得する。処理部40が天気情報を取得する機能は「天気」に対応している。したがって、判断部7は、対象入力情報に応じたカテゴリとして「天気」を特定する。
判断部7は、対象入力情報に応じたカテゴリが特定カテゴリに該当する場合には、対象入力情報が複製されるべきであると判断する。一方で、判断部7は、対象入力情報に応じたカテゴリが特定カテゴリに該当しない場合には、対象入力情報が複製されるべきでないと判断する。判断部7は判断結果を複製部3に通知する。以後、特定カテゴリではないカテゴリを非特定カテゴリと呼ぶことがある。
複製部3は、判断部7において、対象入力情報が複製されるべきと判断されると、対象入力情報を複製して複製情報を生成する。そして、複製部3は、対象入力情報及び複製情報を情報処理部4に出力する。以後、情報処理システム1Cは実施の形態2と同様に動作する。一方で、判断部7において、対象入力情報が複製されるべきでないと判断されると、複製部3は、対象入力情報を複製せずに、対象入力情報だけを情報処理部4に出力する。対象入力情報が入力された処理部40は、対象入力情報に基づいて対象ユーザに応じた処理を実行し、その処理結果を、対象ユーザに応じた通知部50に出力する。処理結果は、対象ユーザ以外のサインインユーザに対応する通知部50に対して、入力されてもよいし、入力されなくてもよい。対象ユーザに応じた通知部50は、入力された処理結果を対象ユーザに通知する。
記憶部8では、それに記憶されるカテゴリが特定カテゴリに該当する場合には、カテゴリが特定カテゴリであることを示す識別情報が、当該カテゴリに対応付けられて記憶されている。判断部7は、対象入力情報に応じたカテゴリに対して識別情報が対応付けられている場合、対象入力情報に応じたカテゴリが特定カテゴリに該当すると判断する。
本例では、対象入力情報及びその複製情報が複数の処理部40に入力された場合に、当該複数の処理部40での処理結果が互いに異なる可能性がある場合、対象入力情報に応じたカテゴリは特定カテゴリに設定される。したがって、ユーザの指示通りに処理が行われる機能に対応する「電化製品の操作」及び「楽曲再生」等は、特定カテゴリには設定されない。
対象入力情報及びその複製情報が複数の処理部40に入力された場合に、当該複数の処理部40での処理結果が互いに異なる可能性がある場合とは、例えば、対象入力情報が、複数のユーザで共有できる話題に繋がる場合が考えられる。複数のユーザで共有できる話題とは、例えば、複数の処理部40の間で応答が異なる可能性がある問い合わせに対して回答すべき内容である。
例えば、上述の「明日の予定は?」という問い合わせに対する複数の処理部40の応答は互いに異なる可能性がある。したがって、「明日の予定は?」という問い合わせに対して回答すべき内容、つまり「明日の予定」は、複数のユーザで共有できる話題となる。よって、「明日の予定は?」という問い合わせを示す入力情報は、複数のユーザで共有できる話題に繋がる情報であると言える。例えば、「明日の予定は?」という問い合わせを示す入力情報に対応する「カレンダー」は特定カテゴリに設定される。
また、上述の「おすすめの楽曲は?」という問い合わせに対する複数の処理部40の応答は互いに異なる可能性がある。したがって、「おすすめの楽曲は?」という問い合わせに対して回答すべき内容、つまり「おすすめの楽曲」は、複数のユーザで共有できる話題となる。よって、「おすすめの楽曲は?」という問い合わせを示す入力情報は、複数のユーザで共有できる話題に繋がる情報であると言える。例えば、「おすすめの楽曲は?」という問い合わせを示す入力情報に対応する「楽曲選択」は特定カテゴリに設定される。
一方で、「明日の自宅周辺の天気は?」という問い合わせに対する複数の処理部40の応答は互いに同じとなる。したがって、「明日の自宅周辺の天気は?」という問い合わせに対して回答すべき内容、つまり「明日の自宅周辺の天気」は、複数のユーザで共有できる話題とはならない。よって、「明日の自宅周辺の天気は?」という問い合わせを示す入力情報は、複数のユーザで共有できる話題に繋がる情報ではい。例えば、「明日の自宅周辺の天気は?」という問い合わせを示す入力情報に対応する「天気」は非特定カテゴリに設定される。
どのカテゴリが特定カテゴリに該当するかについては、情報処理システム1Cの設計者によって決定されてもよいし、ユーザによって決定されてもよい。
図10は判断部7の動作の一例を示すフローチャートである。図10に示されるように、ステップs1において、判断部7は、複製部3から入力された対象入力情報に応じたカテゴリを、記憶部8内の複数のカテゴリから特定する。ステップs1において、判断部7は、例えば、対象入力情報を文字列に変換する。対象入力情報が音声情報である場合、判断部7は、音声情報を、それが意味する内容を示す文字列に変換する(いわいる文字起こし)。また、対象入力情報がジェスチャー情報である場合、判断部7は、ジェスチャー情報が示すジェスチャーに対応するコマンドを特定する。そして、判断部7は、特定したコマンドを意味する文字列を生成する。次に、判断部7は、生成した文字列に基づいて少なくとも一つのキーワードを生成する。次に、判断部7は、生成した少なくとも一つのキーワードを含むカテゴリを、記憶部8内の複数のカテゴリから特定する。そして、判断部7は、特定したカテゴリを、対象入力情報に応じたカテゴリとする。判断部7が特定したカテゴリは、対象入力情報が処理部40に入力されたときに当該処理部40が実行するタスク(言い換えれば処理)に対応するカテゴリである。
ステップs1の後、ステップs2において、判断部7は、対象入力情報が複製されるべきか否かを判断する。ここでは、判断部7は、対象入力情報に応じたカテゴリが特定カテゴリであるか否かを判断する。判断部7は、対象入力情報に応じたカテゴリに対して識別情報が対応付けられている場合、当該カテゴリが特定カテゴリであると判断する。一方で、判断部7は、対象入力情報に応じたカテゴリに対して識別情報が対応付けられていない場合、当該カテゴリが非特定カテゴリであると判断する。判断部7は、対象入力情報に応じたカテゴリが特定カテゴリである場合、対象入力情報が複製されるべきと判断する。一方で、判断部7は、対象入力情報に応じたカテゴリが非特定カテゴリである場合、対象入力情報は複製されるべきではないと判断する。
ステップs2の後、ステップs3において、判断部7は、ステップs2での判断結果を複製部3に出力する。複製部3は、受け取った判断結果に基づいて上述のように動作する。
以上のような構成を有する情報処理システム1Cは、上述の情報処理システム1A及び1Bと同様に、様々な用途で使用されることができる。例えば、上述の図5に示されるように、情報処理システム1Cは、同じ家屋800に居住するユーザA及びユーザBによって利用されることができる。また、情報処理システム1Cは、図11に示されるように車両600に搭載されてもよい。
このように、本実施の形態では、対象入力情報が複製されるべきか否かを判断する判断部7が設けられている。これにより、複製部3は、必要なときに、対象入力情報を複製することができる。例えば、複製部3は、対象入力情報及びその複製情報が複数の処理部40に入力された場合、当該複数の処理部40の処理結果が互いに異なる可能性がある場合、対象入力情報を複製することができる。よって、情報処理システム1Cの利便性が向上する。本例では、対象入力情報が、複数のユーザで共有できる話題に繋がる場合には、複数のユーザは情報処理システム1Cを通じて話題を共有することができる。
なお、判断部7が入力情報に応じたカテゴリを特定する方法は上記の限りではない。例えば、判断部7は、機械学習などの統計的手法を用いて、対象入力情報に応じたカテゴリを特定してもよい。この場合、判断部7は、対象入力情報が入力され、対象入力情報に応じたカテゴリを出力するニューラルネットワークを用いてもよい。
また、記憶部8内の複数のカテゴリは動的に更新されてもよい。例えば、情報処理部4の機能(言い換えばVPAの機能)が拡張された場合、あるいは当該機能が削減された場合、記憶部8内の複数のカテゴリは更新されてもよい。また、判断部7が、機械学習などの統計的手法を用いて、対象入力情報に応じたカテゴリを特定する場合には、使用されるモデル(あるいはパラメータ)が動的に更新されてもよい。カテゴリの更新あるいはモデルの更新は、設計者によって行われてもよいし、ユーザによって行われてもよい。また、情報処理システム1Cが、カテゴリの更新あるいはモデルの更新を自動で行ってもよい。
また、特定カテゴリに該当するカテゴリが動的に更新されてもよい。つまり、どのカテゴリが特定カテゴリに該当するか動的に更新されてもよい。この更新は、情報処理システム1Cの設計者によって行われてもよいし、ユーザによって行われてもよい。また、情報処理システム1Cが、特定カテゴリに該当するカテゴリを自動的に更新してもよい。例えば、情報処理部4の機能(言い換えばVPAの機能)の更新に応じて、記憶部8内の複数のカテゴリが更新された場合に、特定カテゴリに該当するカテゴリが更新されてもよい。また、情報処理システム1Cとユーザとの対話履歴に応じて、特定カテゴリに該当するカテゴリが更新されてもよい。例えば、対象入力情報を情報入力部2に入力したユーザが、情報処理部4での対象入力情報に基づく処理を途中で強制終了させることができる場合を考える。この場合、それに対応するカテゴリが特定カテゴリである対象入力情報についての情報処理部4での処理が途中で強制終了された回数が閾値を超えた場合に、対象入力情報に応じたカテゴリは、特定カテゴリから非特定カテゴリに変更される。
実施の形態4.
図12は本実施の形態に係る情報処理システム1(情報処理システム1Dともいう)の構成の一例を示す概略図である。図12に示されるように、情報処理システム1Dは、例えば、上述の情報処理システム1Bにおいて、判断部9及びセンサ部10がさらに設けられたものである。情報処理システム1Dは、情報処理システム1Aあるいは情報処理システム1Cにおいて、判断部9及びセンサ部10がさらに設けられたものであってもよい。
センサ部10は、少なくとも一種類の情報を検出することが可能である。センサ部10は、例えば複数のセンサ100を備える。複数のセンサには、例えば、加速度を検出する加速度センサが含まれてもよいし、周囲の様子を検出するレーザスキャナが含まれてもよいし、周囲を撮像するイメージセンサ(言い換えればカメラ)が含まれてもよいし、自身の位置を検出するセンサが含まれてもよい。自身の位置を検出するセンサは、例えば、GPS(Global Positioning System)センサ(言い換えれば、GPSモジュールあるいはGPS受信機)であってもよいし、他のセンサであってもよい。複数のセンサ100には、同じ種類の複数のセンサが含まれてもよい。以後、複数のセンサ100で検出される情報をまとめてセンサ情報と呼ぶことがある。
判断部9は、サインインユーザに対して通知が行われるべきか否かを判断する。判断部9は、例えば、統合部6から、サインインユーザに対して通知が行われるべきかの問い合わせ(以後、通知問い合わせともいう)があった場合、サインインユーザに対して通知が行われるべきか否かを判断する。統合部6は、情報処理部4から処理結果を受け取った場合、判断部9に通知問い合わせを行う。判断部9は、例えば、センサ部10で得られるセンサ情報に基づいて、サインインユーザに対応して通知が行われるべきか否かをサインインユーザごとに判断する。判断部9は、例えば、処理回路500が記憶装置510内の制御プログラム511を実行することによって処理回路500に実現される機能ブロックで構成されている。判断部9は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。情報処理システム1Dは、ハードウェアとして、例えば、上述の図4に示される構成とセンサ部10とを備える。
図13は判断部9の動作の一例を示すフローチャートである。判断部9は、統合部6から通知問い合せを受けると、ステップs11において、センサ部10からセンサ情報を取得する。次にステップs12において、判断部9は、センサ情報に基づいて、サインインユーザに対して通知が行われるべきか否かをサインインユーザごとに判断する。そしてステップs13において、判断部9はステップs12での判断結果を統合部6に出力する。これにより、統合部6は判断部9での判断結果を知ることができる。
統合部6は、判断部9において、あるサインインユーザに対して通知が行われるべきだと判断されると、当該あるサインインユーザに対応する通知部50に対して統合結果を出力する。これより、判断部9において、通知が行われるべきだと判断されたサインインユーザに対して統合結果が通知される。一方で、統合部6は、判断部9において、あるサインインユーザに対して通知が行われるべきではないと判断されると、当該あるサインインユーザに対応する通知部50に対して統合結果を出力しない。これにより、判断部9において、通知が行われるべきではないと判断されたサインインユーザに対しては、統合結果が通知されない。
このように、本実施の形態では、判断部9が、ユーザに対して通知が行われるべきか否かを判断することから、情報通知部5から適切にユーザに対して通知が行われる。よって、情報処理システム1Dの利便性が向上する。
以上のような構成を有する情報処理システム1Dは、上述の情報処理システム1A,1B,1Cと同様に、様々な用途で使用されることができる。例えば、上述の図5に示されるように、情報処理システム1Dは、同じ家屋800に居住するユーザA及びユーザBによって利用されることができる。以下にこの場合の情報処理システム1Dの動作の一例について説明する。
判断部9は、センサ情報に基づいて、ユーザA及びBのそれぞれの動きを特定する。そして、判断部9は、ユーザAの動きに基づいて、ユーザAに対して通知が行われるべきか否かを判断する。また、判断部9は、ユーザBの動きに基づいて、ユーザBに対して通知が行われるべきか否かを判断する。
センサ部10が備える複数のセンサ100には、例えば、携帯機器850aに設けられたセンサ100(第1センサ100ともいう)と、携帯機器850bに設けられたセンサ100(第2センサ100ともいう)とが含まれる。第1センサ100及び第2センサ100のそれぞれは、例えば加速度センサである。第1センサ100は、例えば3軸加速度センサであって、携帯機器850aについて、互いに直交する3方向の加速度を検出する。同様に、第2センサ100は、例えば3軸加速度センサであって、携帯機器850bについて、互いに直交する3方向の加速度を検出する。
判断部9は、第1センサ100で検出される加速度に基づいてユーザAの動きを特定する。例えば、判断部9は、第1センサ100で検出される加速度に基づいて、ユーザAが移動しているか静止しているかを特定する。また、判断部9は、第2センサ100で検出される加速度に基づいて、例えば、ユーザBが移動しているか静止しているかを特定する。判断部9は、ユーザAが移動していることを特定すると、ユーザAに対して通知を行うべきではないと判断する。一方で、判断部9は、ユーザAが静止していることを特定すると、ユーザAに対して通知を行うべきだと判断する。同様に、判断部9は、ユーザBが移動していることを特定すると、ユーザBに対して通知を行うべきではないと判断する。一方で、判断部9は、ユーザBが静止していることを特定すると、ユーザBに対して通知を行うべきだと判断する。
このように、判断部9は、ユーザが移動していることを特定すると、当該ユーザに対して通知を行うべきではないと判断する場合には、携帯機器を所持して移動しているユーザに対して通知が行われる可能性が低減する。その結果、移動中のユーザに対して通知が行われることによってユーザの安全性が低下する可能性を低減することができる。
判断部9は、センサ情報に基づいて、携帯機器850aの周囲の様子を特定し、その特定結果に基づいてユーザAに対して通知を行うべきか否かを判断してもよい。また、判断部9は、センサ情報に基づいて、携帯機器850bの周囲の様子を特定し、その特定結果に基づいてユーザBに対して通知を行うべきか否かを判断してもよい。この場合、センサ部10が備える複数のセンサ100には、例えば、携帯機器850aに設けられたイメージセンサであるセンサ100(第3センサ100ともいう)と、携帯機器850bに設けられたイメージセンサであるセンサ100(第4センサ100ともいう)とが含まれてもよい。
第3センサ100は、携帯機器850aの周囲の様子を撮像し、第4センサ100は、携帯機器850bの周囲の様子を撮像する。判断部9は、第3センサ100が撮像した画像に基づいて、携帯機器850aの周囲にユーザAが存在するか否かを判断する。また、判断部9は、第4センサ100が撮像した画像に基づいて、携帯機器850bの周囲にユーザBが存在するか否かを判断する。
判断部9は、ユーザAが一時的に外出しているなどの理由で携帯機器850aの周囲にユーザAが存在しないと判断すると、ユーザAに対して通知を行うべきではないと判断する。一方で、判断部9は、携帯機器850aの周囲にユーザAが存在すると判断すると、ユーザAに対して通知を行うべきだと判断する。同様に、判断部9は、携帯機器850bの周囲にユーザBが存在しないと判断すると、ユーザBに対して通知を行うべきではないと判断する。一方で、判断部9は、携帯機器850bの周囲にユーザBが存在すると判断すると、ユーザBに対して通知を行うべきだと判断する。
このように、判断部9が、携帯機器の周囲にユーザが存在しないと判断すると、当該ユーザに対して通知を行うべきではないと判断する場合には、携帯機器の周囲にユーザが存在しない場合に通知部50が通知を行う可能性が低減する。よって、情報処理システム1Dが無駄に通知を行う可能性が低減する。
情報処理システム1Dは、図14に示されるように車両600に搭載されてもよい。以下にこの場合の情報処理システム1Dの動作の一例について説明する。
判断部9は、センサ情報に基づいて、例えば、車両600の動きを特定する。そして、判断部9は、車両600の動きに基づいて、ユーザである運転者に対して通知が行われるべきか否かを判断する。
センサ部10が備える複数のセンサ100には、例えば、車両600に設けられたセンサ100(第5センサ100ともいう)が含まれる。第5センサ100は、例えば加速度センサである。第5センサ100は、例えば3軸加速度センサであって、車両600について、互いに直交する3方向の加速度を検出する。
判断部9は、第5センサ100で検出される加速度に基づいて、車両600が旋回中か否かを判断する。判断部9は、第5センサ100で検出される加速度に基づいて、例えば、車両600の加速度が、車両600の進行方向に対して横向きの加速度であることを特定すると、車両600が旋回中であると判断する。判断部9は、車両600が旋回中であると判断すると、運転者に対して通知が行われるべきではないと判断する。一方で、判断部9は、車両600が旋回中ではないと判断すると、運転者に対して通知が行われるべきだと判断する。
このように、判断部9が、車両600が旋回中であると判断すると、運転者に対して通知が行われるべきではないと判断する場合には、車両600が旋回するようにステアリング操作を行っている運転者に対して通知が行われる可能性が低減する。その結果、ステアリング操作中の運転者に対して通知が行われることによって運転の安全性が低下する可能性を低減することができる。なお、車両600が旋回中である場合、運転者以外の乗車者に対して通知が行われてもよい。
判断部9は、センサ情報に基づいて、車両600内の様子を特定し、その特定結果に基づいて運転者に対して通知を行うべきか否かを判断してもよい。この場合、センサ部10が備える複数のセンサ100には、例えば、車両600に設けられたイメージセンサであるセンサ100(第6センサ100ともいう)が含まれてもよい。
第6センサ100は、車両600内の様子を撮像する。判断部9は、第6センサ100が撮像した画像に基づいて、例えば、運転者がナビゲーション装置の表示画面を注視しているか否かを判断する。判断部9は、第6センサ100が撮像した画像に基づいて、例えば、運転者の視線検出を行い、その検出結果に基づいて、運転者がナビゲーション装置の表示画面を注視しているか否かを判断する。判断部9は、運転者がナビゲーション装置の表示画面を注視していると判断すると、運転者に対して通知を行うべきではないと判断する。一方で、判断部9は、運転者がナビゲーション装置の表示画面を注視していないと判断すると、ユーザAに対して通知を行うべきだと判断する。
このように、判断部9が、運転者がナビゲーション装置の表示画面を注視していると判断すると、運転者に対して通知を行うべきではないと判断する場合には、ナビゲーション装置の表示画面を注視している運転者に対して通知部50が通知を行う可能性が低減する。よって、ナビゲーション装置の表示画面を注視している運転者に対して通知が行われることによって運転の安全性が低下する可能性を低減することができる。
なお、統合部6は、判断部9において、あるユーザに対して通知が行われるべきでないと判断された場合には、当該あるユーザについて再度通知問い合わせを判断部9に行ってもよい。この場合、統合部6は、判断部9において、当該あるユーザに対して通知が行われるべきだと判断されるまで、当該あるユーザについての通知問い合わせを繰り返し判断部9に行ってもよい。統合部6は、あるユーザに対して通知が行われるべきでないとの判断が継続し、当該あるユーザに対して通知すべき情報(言い換えれば統合結果)が蓄積した場合には、蓄積された情報を統合して一つの情報として通知部50に出力してもよい。
判断部9及びセンサ部10が情報処理システム1Aに設けられる場合には、統合部6の替わりに情報処理部4が通知問い合わせを判断部9に行ってもよい。この場合、情報処理部4は、複製部3から対象入力情報とその複製情報を受け取ると、通知問い合わせを判断部9に行う。そして、情報処理部4は、対象ユーザに対して通知が行われるべきと判断されると、対象ユーザに対応する通知部50に対象入力情報を情報通知部5に出力する。また、情報処理部4は、対象ユーザ以外のサインインユーザに対して通知が行われるべきと判断されると、当該サインインユーザに対応する通知部50に複製情報を出力する。
実施の形態5.
図15は本実施の形態に係る情報処理システム1(情報処理システム1Eともいう)の構成の一例を示す概略図である。図15に示されるように、情報処理システム1Eは、例えば、上述の情報処理システム1Bにおいて、判断部11及びカテゴリ記憶部12がさらに設けられたものである。情報処理システム1Eは、情報処理システム1A、情報処理システム1Cあるいは情報処理システム1Dにおいて、判断部11及びカテゴリ記憶部12がさらに設けられたものであってもよい。
カテゴリ記憶部12(記憶部12ともいう)は、上述のカテゴリ記憶部8と同様に、情報処理部4の機能に応じて分類された複数のカテゴリを記憶するデータベースである。記憶装置510は、複数のカテゴリを記憶しており、記憶部12として機能する。複数のカテゴリは、各処理部40(言い換えればVPA)が行うことが可能なタスクの種類(言い換えれば処理の種類)に応じて分類されている。記憶部12に記憶される複数のカテゴリは、例えば、情報処理システム1Eの設計者によって決定される。記憶部12は、例えば、「天気」、「カレンダー」及び「電化製品の操作」等のカテゴリを記憶する。記憶部12に記憶されるカテゴリはこの限りではない。
本例では、統合部6は、情報処理部4から複数の処理結果が入力されると、入力された複数の処理結果を判断部11に出力する。判断部11は、複数の処理結果が入力されると、入力された複数の処理結果が調停されるべきか否かを判断する。また、本例では、統合部6は、情報処理部4から入力される複数の処理結果を調停する調停部60を備える。調停部60は、判断部11において、複数の処理結果が調停されるべきだと判断されると、当該複数の処理結果を調停する。調停部60は、複数の処理結果を調停すると、その調停結果を各サインインユーザに対応する通知部50に出力する。通知部50は、調停結果をユーザに通知する。一方で、判断部11において、複数の処理結果が調停されるべきでないと判断されると、調停部60は当該複数の処理結果を調停しない。この場合、統合部6は、上述のように、複数の処理結果の統合結果を各サインインユーザに対応する通知部50に出力する。通知部50は、入力された統合結果を通知する。以後、調停されるべきか否かの判断が行われる複数の処理結果のそれぞれを対象処理結果と呼ぶことがある。
判断部11は、例えば、処理回路500が記憶装置510内の制御プログラム511を実行することによって処理回路500に実現される機能ブロックで構成されている。判断部11は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。また、調停部60は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。
判断部11は、例えば、記憶部12に記憶されている複数のカテゴリから、対象処理結果に応じたカテゴリを特定する。具体的には、判断部11は、情報処理部4が、それを行った場合に、対象処理結果が情報処理部4で得られるようなタスク(言い換えれば処理)に対応するカテゴリを、記憶部12に記憶されている複数のカテゴリから特定する。
例えば、対象処理結果が、ユーザの明日のスケジュール情報である場合を考える。処理部40が、ユーザの明日のスケジュール情報を取得するというタスクを行う場合、対象処理結果として、ユーザの明日のスケジュール情報が得られる。処理部40がユーザのスケジュール情報を取得する機能は「カレンダー」に対応している。したがって、判断部11は、対象処理結果に応じたカテゴリとして「カレンダー」を特定する。
他の例として、対象処理結果が、ユーザが好みそうな楽曲である場合を考える。この場合、処理部40が、ユーザが好みそうな楽曲を選択するというタスクを行う場合、対象処理結果として、ユーザが好みそうな楽曲が得られる。処理部40がユーザが好みそうな楽曲を選択する機能は「楽曲選択」に対応している。したがって、判断部11は、対象処理結果に応じたカテゴリとして「楽曲選択」を特定する。
判断部11は、対象処理結果に応じたカテゴリが特定カテゴリ(第2特定カテゴリともいう)に該当する場合には、複数の対象処理結果が調停されるべきであると判断する。一方で、判断部11は、対象処理結果に応じたカテゴリが第2特定カテゴリに該当しない場合には、複数の対象処理結果が調停されるべきでないと判断する。例えば、それが実行される場合に得られる複数の処理結果が対立する可能性があるタスクに対応するカテゴリが、第2特定カテゴリに設定される。以後、第2特定カテゴリではないカテゴリを第2非特定カテゴリと呼ぶことがある。
記憶部12では、それに記憶されるカテゴリが第2特定カテゴリに該当する場合には、カテゴリが第2特定カテゴリであることを示す識別情報(第2識別情報ともいう)が、当該カテゴリに対応付けられて記憶されている。判断部11は、対象処理結果に応じたカテゴリに対して第2識別情報が対応付けられている場合、対象処理結果に応じたカテゴリが第2特定カテゴリに該当すると判断する。どのカテゴリが第2特定カテゴリに該当するかについては、情報処理システム1Eの設計者によって決定されてもよいし、ユーザによって決定されてもよい。
図16は判断部11の動作の一例を示すフローチャートである。図16に示されるように、ステップs21において、判断部11は、統合部6から入力された対象処理結果に応じたカテゴリを、記憶部12内の複数のカテゴリから特定する。ステップs21において、判断部11は、例えば、対象処理結果を、その内容を示す文字列に変換する。次に、判断部11は、生成した文字列に基づいて少なくとも一つのキーワードを生成する。次に、判断部11は、生成した少なくとも一つのキーワードを含むカテゴリを、記憶部12内の複数のカテゴリから特定する。そして、判断部11は、特定したカテゴリを、対象処理結果に応じたカテゴリとする。判断部11が特定したカテゴリは、処理部40がそれを行った場合に、当該処理部40で対象処理結果が得られるようなタスク(言い換えれば処理)に対応するカテゴリである。
ステップs21の後、ステップs22において、判断部11は、複数の対象処理結果が調停されるべきか否かを判断する。ここでは、判断部11は、対象処理結果に応じたカテゴリが第2特定カテゴリであるか否かを判断する。判断部11は、対象処理結果に応じたカテゴリに対して第2識別情報が対応付けられている場合、当該カテゴリが第2特定カテゴリであると判断する。一方で、判断部11は、対象処理結果に応じたカテゴリに対して第2識別情報が対応付けられていない場合、当該カテゴリが第2非特定カテゴリであると判断する。判断部11は、対象処理結果に応じたカテゴリが第2特定カテゴリである場合、複数の対象処理結果が調停されるべきと判断する。一方で、判断部11は、対象処理結果に応じたカテゴリが第2非特定カテゴリである場合、複数の対象処理結果は調停されるべきではないと判断する。
ステップs22の後、ステップs23において、判断部11は、ステップ22での判断結果を調停部60に出力する。調停部60は、受け取った判断結果に基づいて上述のように動作する。
情報処理システム1Eは、上述の情報処理システム1A,1B,1C,1Dと同様に、様々な用途で使用されることができる。例えば、上述の図5に示されるように、情報処理システム1Eは、同じ家屋800に居住するユーザA及びユーザBによって利用されることができる。また、情報処理システム1Eは、図17に示されるように車両600に搭載されてもよい。以下に、車両600に搭載された情報処理システム1Eの動作例について説明する。以下の説明では、車両600にはユーザA、ユーザB及びユーザCが乗車しているものとする。
例えば、情報処理部4が、車両600の目的地を設定する機能を有する場合を考える。この場合、記憶部12には、車両600の目的地を設定するタスクに対応するカテゴリとして例えば「目的地設定」が記憶されている。対象入力情報が、「近くのおすすめのレストランに目的地を設定して」というユーザ要求を示す場合、ユーザAに対応する処理部40aは、ユーザAが好む料理を提供する近くの少なくとも一つのレストランを、ユーザAに応じた目的地候補として特定する。そして、処理部40aは、ユーザAに応じた目的地候補を処理結果として統合部6に出力する。同様に、ユーザBに対応する処理部40bは、ユーザBが好む料理を提供する近くの少なくとも一つのレストランを、ユーザBに応じた目的地候補として特定する。そして、処理部40bは、ユーザBに応じた目的地候補を処理結果として統合部6に出力する。同様に、ユーザCに対応する処理部40cは、ユーザCが好む料理を提供する近くの少なくとも一つのレストランを、ユーザCに応じた目的地候補として特定する。そして、処理部40cは、ユーザCに応じた目的地候補を処理結果として統合部6に出力する。統合部6は、ユーザAに応じた目的地候補と、ユーザBに応じた目的地候補と、ユーザCに応じた目的地候補とを判断部11に出力する。
判断部11は、記憶部12内の複数のカテゴリから、目的地候補に応じたカテゴリを特定する。ここでは、判断部11は、目的地候補に応じたカテゴリとして、「目的地設定」を特定する。
ここで、ユーザAが好む料理を提供する近くのレストランと、ユーザBが好む料理を提供する近くのレストランと、ユーザCが好む料理を提供する近くのレストランとは互いに異なる可能性がある。したがって、ユーザAに応じた目的地候補と、ユーザBに応じた目的地候補と、ユーザCに応じた目的地候補とが対立する可能性がある。本例では、「目的地設定」というカテゴリは第2特定カテゴリに該当し、それに対して第2識別情報が対応付けられている。
判断部11は、目的地候補に応じたカテゴリ、つまり「目的地設定」というカテゴリに対して第2識別情報が対応付けられていることから、「目的地設定」というカテゴリが第2特定カテゴリに該当すると判断する。そして、判断部11は、ユーザAに応じた目的地候補と、ユーザBに応じた目的地候補と、ユーザCに応じた目的地候補とが調停されるべきであると判断し、その判断結果を調停部60に出力する。
調停部60は、ユーザAに応じた目的地候補と、ユーザBに応じた目的地候補と、ユーザCに応じた目的地候補とを調停して、車両600の目的地を決定する。調停部60は、例えば多数決を用いて、車両600の目的地を決定する。具体的には、調停部60は、ユーザAに応じた目的地候補、ユーザBに応じた目的地候補及びユーザCに応じた目的地候補に含まれる複数のレストランのうち、最も多くのユーザが好む料理を提供するレストランを目的地に決定する。このとき、最も多くのユーザが好む料理を提供するレストランが複数存在する場合には、調停部60は、それらのレストランのいずれか一つを目的地に決定する。統合部6は、決定された目的地を、調停結果として、通知部50a,50b,50cに出力する。通知部50a,50b,50cは、ユーザA、ユーザB及びユーザCに対して、決定された目的地をそれぞれ通知する。このとき、通知部50は、多数決により目的地が決定されてことをユーザに通知してもよい。情報処理部4は、調停部60で決定された目的地のレストランを、ナビゲーション装置の目的地に設定する。これにより、ナビゲーション装置は、目的地のレストランまでの経路をユーザに案内する。
他の例として、情報処理部4が、車両600のエアコンの温度を設定する機能を有する場合を考える。この場合、記憶部12には、エアコンの温度を設定するタスクに対応するカテゴリとして「エアコン設定」が記憶されている。対象入力情報が「エアコンの温度を下げて」というユーザ要求を示す場合、処理部40aは、エアコンについてのユーザAに適切な設定温度を設定温度候補として推定して処理結果として統合部6に出力する。同様に、処理部40bは、エアコンについてのユーザBに適切な設定温度を設定温度候補として推定して処理結果として統合部6に出力する。同様に、処理部40cは、エアコンについてのユーザCに適切設定温度を設定温度候補として推定して処理結果として統合部6に出力する。統合部6は、ユーザAに応じた設定温度候補と、ユーザBに応じた設定温度候補と、ユーザCに応じた設定温度候補とを判断部11に出力する。
判断部11は、記憶部12内の複数のカテゴリから、設定温度候補に応じたカテゴリを特定する。ここでは、判断部11は、設定温度候補に応じたカテゴリとして「エアコン設定」を特定する。
ここで、ユーザAに適切な設定温度と、ユーザBに適切な設定温度と、ユーザCに適切な設定温度とは、互いに異なる可能性がある。したがって、ユーザAに応じた設定温度候補と、ユーザBに応じた設定温度候補と、ユーザCに応じた設定温度候補とが対立する可能性がある。本例では、「エアコン設定」というカテゴリは第2特定カテゴリに該当し、それに対して第2識別情報が対応付けられている。
判断部11は、設定温度候補に応じたカテゴリ、つまり「エアコン設定」に対して第2識別情報が対応付けられていることから、「エアコン設定」が第2特定カテゴリに該当すると判断する。そして、判断部11は、ユーザAに応じた設定温度候補と、ユーザBに応じた設定温度候補と、ユーザCに応じた設定温度候補とが調停されるべきであると判断し、その判断結果を調停部60に出力する。
調停部60は、ユーザAに応じた設定温度候補と、ユーザBに応じた設定温度候補と、ユーザCに応じた設定温度候補とを調停して、エアコンの設定温度を決定する。調停部60は、例えば、ユーザAに応じた設定温度候補、ユーザBに応じた設定温度候補及びユーザCに応じた設定温度候補の平均温度を求める。そして、調停部60は、求めた平均温度を設定温度に決定する。統合部6は、決定された設定温度を、調停結果として、通知部50a,50b,50cに出力する。これにより、ユーザA、ユーザB及びユーザCのそれぞれに対して、エアコンの設定温度が通知される。情報処理部4は、エアコンの温度を、調停部60で決定された設定温度に設定する。
このように、本実施の形態では、情報処理部4で得られる複数の処理結果が必要に応じて調停されることから、情報処理システム1Eの利便性が向上する。
なお、判断部11が対象処理結果に応じたカテゴリを特定する方法は上記の限りではない。例えば、判断部11は、機械学習などの設計的手法を用いて、対象処理結果に応じたカテゴリを特定してもよい。この場合、判断部11は、対象処理結果が入力され、対象処理結果に応じたカテゴリを出力するニューラルネットワークを用いてもよい。
また、記憶部12内の複数のカテゴリは動的に更新されてもよい。例えば、情報処理部4の機能(言い換えばVPAの機能)が拡張された場合、あるいは当該機能が削減された場合、記憶部12内の複数のカテゴリは更新されてもよい。また、判断部11が、機械学習などの設計的手法を用いて、対象処理結果に応じたカテゴリを特定する場合には、使用されるモデル(あるいはパラメータ)が動的に更新されてもよい。カテゴリの更新あるいはモデルの更新は、設計者によって行われてもよいし、ユーザによって行われてもよい。また、情報処理システム1Eが、カテゴリの更新あるいはモデルの更新を自動で行ってもよい。
また、第2特定カテゴリに該当するカテゴリが動的に更新されてもよい。つまり、どのカテゴリが第2特定カテゴリに該当するか動的に更新されてもよい。この更新は、情報処理システム1Eの設計者によって行われてもよいし、ユーザによって行われてもよい。また、情報処理システム1Eが、第2特定カテゴリに該当するカテゴリを自動的に更新してもよい。例えば、情報処理部4の機能(言い換えばVPAの機能)の更新に応じて、記憶部12内の複数のカテゴリが更新された場合に、第2特定カテゴリに該当するカテゴリが更新されてもよい。また、情報処理システム1Eとユーザとの対話履歴に応じて、第2特定カテゴリに該当するカテゴリが更新されてもよい。例えば、対象入力情報を情報入力部2に入力したユーザが、情報処理部4での対象入力情報に基づく処理を途中で強制終了させることができる場合を考える。この場合、それに対応するカテゴリが第2特定カテゴリである処理(言い換えればタスク)が途中で強制終了された回数が閾値を超えた場合に、当該処理に対応するカテゴリが、第2特定カテゴリから第2非特定カテゴリに変更されてもよい。
本開示は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、限定的なものではない。例示されていない無数の変形例が想定され得るものと解される。
また、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。