JP4356450B2 - 車載装置 - Google Patents
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Description
このエージェント装置では、エージェントの挨拶や、給油時期のお知らせといったコミュニケーションをするようになっており、コミュニケーションの内容に応じた画像や動画が表示装置に表示される。
このデータ作成(装置シナリオエディタ)では、シナリオデータの各シーン毎に画像や音声内容を規定するようになっている。
このデータ作成装置では、各シナリオに実行する場合の優先順位としてプライオリティを設定できるようになっている。
そして、複数のシナリオが同時に実行可能な状態となったときの実行する順番は、シナリオに設定されている優先順位の順に決定されている。
また、シフト操作や急加速等の制御系に関係するシナリオは、即時に実行する必要が隆が、シナリオ作成時の優先順位の設定では、他のシナリオとの関係ですぐに実行されない場合がありうる。
(2)請求項2に記載した発明では、請求項1に記載の車載装置において、車両の速度を検出する車速検出手段と、前記検出した車速が所定値以下だった場合、前記実行順序を変更する変更手段とを具備することを特徴とする。
従って、安全装置系や制御系に関係する画面要素推移体データを優先的に実行することも可能になる。
(1)実施形態の概要
本実施形態のエージェント装置では、所定の容姿からなるエージェント(キャラクタ)の画像を表示装置に表示する。そして、センサ等の検出結果から周囲の状態(人の動きや音声を含む)を認識、判断し、その結果に応じたエージェント画像の動作や音声を出力する。
例えば、燃料の減少を検出した場合に画像表示されたエージェントが「給油の時期ですよ」と音声で提案する。これに対する運転者の肯定する回答を判断(音声認識や回答選択ボタンから)した場合、周辺のガソリンスタンドを検索して現在地周辺の地図と共に表示し、音声で案内をする。
このように、装置からの回答を要求する提案や問いかけと、その回答に応じて、所定の操作の実行を通して、ユーザは、あたかも擬似人格を備えたエージェントとコミュニケーションをしているように体感する。
以下の説明では、このようなエージェント装置の一連の機能の実行を、エージェントの行為や動作として説明する。
そして、エージェントによる一連の連続した行為の内容を規定した複数のシナリオと、各シナリオの展開を自律的に開始(起動)するための自律起動条件(起動条件)とにより規格化したシナリオデータを保存する。
シナリオは、所定のシーンから次のシーンに移行するための1の移行条件(推移条件)又は複数の移行条件(分岐条件(複数の状態が発生する場合の各状態毎へのシーンに移行するための条件))と、各移行条件に対応して移行先のシーンを特定する移行先データとから、各シーンの展開構成が規定されている。
各シナリオを自動的に実行するために自律起動条件を所定の規格に従って設定する。自律起動条件は、年月日、時間、位置、道路種別、車両状態、ナビゲーション装置の稼動状態、使用者データによる個別条件の論理的組み合わせで構成される。
また、シナリオには、作成者の好みによりシナリオを実行する優先順位(プライオリティ)と、シナリオの種類(安全装置系、制御系、情報提供系、エンターテイメント系等)が設定される。
本実施形態では、自律起動条件を満たしたシナリオが複数存在する場合、シナリオの種類による実行優先順位、自律起動条件による実行優先順位、及び、シナリオ作成者が設定したプライオリティ(処理内容の優先順位)から実行順序を決定する。
実行優先順位が同じシナリオが複数ある場合には、シナリオ作成者が設定したプライオリティが高いシナリオの実行順序を先にする。
両実行優先順位対応テーブルは、それぞれ、車両が走行中に使用されるテーブルと停車中に使用されるテーブルの2種類づつ記憶されている。
シナリオの種類が設定されていないシナリオデータに対しては、実行優先順位対応テーブルを使用して、そのシナリオの自律起動条件から実行優先順位を決定する。自律起動条件が複数の個別の条件項目の論理的組み合わせで構成されている場合、各条件項目毎の実行優先順位を求め、そのうち最も高い実行優先順位を採用する。
作成したシナリオデータは、インターネット等のネットワークを介してエージェント装置に送信し、又はダウンロードしてもらうことにより、また、所定の半導体メモリを介してエージェント装置に格納することで、自己(第三者)の希望通りの行為(コミュニケーションや処理)をエージェントに行わせることが可能になる。
例えば、オービスの設置してある2km手前の地点(東経北緯座標で指定)でかつ、道路種別が高速道路でかつ、車速が120km/h以上で走行している場合に自動で登場してオービスの警告をしてくれるシナリオの条件の中にある車速の条件を140km/h以上に変更するとか、毎年特定の日(例えばクリスマスイブ)に1回だけ起動するシナリオを作成する事が可能となる。
そして、エージェントが動作するシナリオは、自己が作成したシナリオや、他人が製作したシナリオであっても自己が選択したシナリオなので、エージェントの自律的な動作に対する抵抗や、一方的な押しつけの動作と感じたりすることがなくなる。
これにより、各シナリオ作成者が自己の好みで設定したプライオリティを反映させつつ、異なる作成者による各種シナリオが混在するエージェント装置であっても、シナリオ全体として一定の統一的な順序でシナリオが実行される。
図1は、エージェント装置とシナリオ作成装置及びサーバからなる全体のシステム構成を表したものである。
このシステムでは、シナリオ作成プログラムであるシナリオエディタを組み込んだシナリオ作成装置(コンピュータ)2(2a、2b、…)と、例えばインターネット等のネットワークを介してシナリオを配信するサーバ3(A、B、…)と、エージェント装置1との構成の一例を示したものである。
シナリオ作成装置2は、ユーザ又は第三者であるシナリオデータ作成者の操作によって、シナリオ作成プログラムに従って指定された規格でシナリオデータが作成される。
シナリオ作成装置2からアップロードするサーバはサーバ3Aに限定されるものでなく、シナリオ作成者が契約しているプロバイダ等インターネット上のどのサーバ3A、3B、…でもよい。また、別のシナリオ作成者が、シナリオ作成装置2bで作成し、ホームページに掲載してサーバBにアップロードし、エージェント装置1を持ったユーザからダウンロード可能にする。
このように、さまざまなシナリオ作成者が、さまざまなサーバに自身の作成したシナリオをアップロードする。
エージェント装置1のユーザは、エージェント装置1のブラウザを使用して、サーバ3群(A、B、…)の中から、自分が欲しいと思うシナリオをブラウズし、気に入ったシナリオがあればダウンロードし、装置内に組み込むことで、ダウンロードしたシナリオデータをエージェント装置1で動作させることが可能になる。
この場合、DVD−ROM、ICカード等の半導体記憶装置その他の記憶媒体に、ダウンロードしたシナリオデータを格納して、エージェント装置1に受け渡す。そして、シナリオデータを受け取ったエージェント装置1では、記憶媒体駆動装置により記憶媒体からシナリオデータを読み込んで、組み込むことで、ダウンロードしたシナリオデータをエージェント装置1で動作させることが可能になる。
図2は、本実施形態におけるエージェント装置1の構成を表したブロック図である。
本実施形態におけるエージェント装置1は、車両に搭載されおり、車両内のユーザとの間でコミュニケーションを行なう機能や車両に対して所定の処理を行なう車両制御機能等のエージェント機能を実現するミドルウェアを搭載することで、ユーザに走行経路の案内等を行なうナビゲーション機能や、オーディオ機能等の各種機能と共存するようになっている。
また本実施形態におけるエージェント装置1では、エージェント機能において、実行対象となっているシナリオが複数存在する場合に実行する順序を決定する実行順序決定機能も備えている。
本実施形態におけるプログラムを含め、CPU(1-1)で実行される全てのプログラムは、情報記憶媒体(10-2)であるCD-ROM等に格納されてもよいし、それらプログラムの一部または全てが本体側のROM(1-3)またはフラッシュメモリ(1-2)に格納するようにしてもよい。
この情報記憶媒体(10-2)に記憶されたデータやプログラムが外部信号として中央処理装置(1)に入力されて演算処理されることにより、種々のエージェント機能や、ナビゲーション機能が実現される。
また中央処理装置(1)は、ROM(1-3)に格納された実行順序決定プログラムに従って、自律起動条件を満たすシナリオが複数存在する場合の実行順序を決定し、決定した順序でシナリオを実行することで、シナリオ実行手段として機能する。
この表示装置(2)には、液晶表示装置、CRT等の各種表示装置が使用される。
なお、この表示装置(2)は、例えばタッチパネル等の、入力装置(5)としての機能を兼ね備えたものとすることができる。
音声出力装置(3)は、車内に配置された複数のスピーカで構成されている。これらは、オーディオ用のスピーカと兼用するようにしてもよい。
音声認識の対象となる音声としては、例えば、ナビゲーション処理における目的地等の入力音声や、エージェントとの運転者の会話(運転者による応答を含む)等がある。
なお、音声認識が必要なシーンか否かについては各シーンデータにおいて、音声認識の指示が設定されている。そして、音声認識の指示が設定されているシーンのシーンデータには、音声認識の対象となる音声を認識するための辞書が指定されている。
入力装置(5)には、タッチパネル(スイッチとして機能)、キーボード、マウス、ライトペン、ジョイスティックなどの各種の装置が使用可能である。
なお、シナリオは自律起動条件を満たした場合に実行する場合の他、ユーザが入力装置(5)からシナリオを指定して手動で起動することが可能であり、この場合の入力装置(5)は、手動起動手段として機能する。
本実施形態では、各種状況検出装置(6)の検出値から判断される車両の状態が、シナリオ実行順序決定処理において、使用する実行優先順位対応テーブルを決定する際に使用される。具体的には、車速検出器の検出値である車速データが所定車速以下か否かや、道路種別、位置等によって使用テーブルが変更される。
交通情報受信装置としては、例えば路上に配置されたビーコンから情報を受信するビーコン受信装置、FM放送電波を用いて情報を受信する装置等が使用される。
これらを使って電話回線による通話の他、例えば車内での通信カラオケのために使用するカラオケデータを提供するような情報提供局や、交通情報を提供する情報提供局との通信や、エージェント処理に用いるシナリオデータを提供する情報提供局と通信を、通信装置(9)と通信制御装置(8)を介して行なうことも可能になっている。
また、中央処理装置(1)には、インターネット上のホームページを表示するブラウザソフトを組み込み、CPU(1-1)で処理させることが可能であり、通信制御装置(8)を介してホームページからシナリオを含めたデータをダウンロードすることができるようになっている。
なお、通信制御装置(8)は、通信装置(9)と一体になったものを使用してもよい。
例えば、中央処理装置(1)は、各種車載装置(7)であるエアコン装置から、運転者がエアコンの各種スイッチ等を操作中か否かの情報を受け取ったり、設定温度を変更するといったようにエアコン装置の制御を行なったりする。また、オーディオ装置から運転者がラジオ、CDプレーヤ、カセットプレーヤー等のオーディオ機器から音声が出力中か否かの情報を受け取ったり、出力音量を上げるや、下げるといったようにオーディオ装置の制御を行なったりするようになっている。
情報記憶媒体(10-2)には、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、DVD-ROM、光ディスク、磁気テープ、ICカード類、光カード等の各種記憶媒体が使用され、使用する媒体ごとにそれぞれの情報記憶媒体駆動装置(10-1)が使用される。
情報記憶装置(10)は、システムにおいて複数個所持してもよいものとする。例えば、収集した個人情報である、運転者情報データ(10-2-3-6)と、学習項目データ及び応答データ(10-2-3-7)を持ち運びが容易なICカードやフレキシブルディスクで構成し、その他のデータをDVD-ROMで構成するといった例が考えられる。こうすることで、他の車両を運転する場合にこれらを記憶させたICカードからデータを読み出させて使用し、自分が過去に応対した状況を学習した状態のエージェントとコミュニケーションすることが可能になる。つまり、車両毎のエージェントではなく、運転者毎に固有な学習内容のエージェントを車両内に出現させることが可能になる。
図3は、CPU(1-1)でプログラムが実行されることにより実現されるエージェント処理部(101)と、全体処理部(102)との関係を表したものである。
本実施例では、種々のナビゲーション機能を実現する全体処理部(102)に、エージェント機能を実現するエージェント処理部(101)を加えることでエージェント機能付きナビゲーション装置を実現する構成になっている。
エージェント処理部(101)と全体処理部(102)は、互いの処理データをやり取りするためのI/F部をそれぞれが持っており、互いの処理データを取得し合えるようになっている。
例えば、エージェント処理部(101)は、シナリオデータのダウンロードや、シナリオデータに従って運転者とのコミュニケーションを実行した結果、運転者が設定したい目的地データを取得した場合に、このデータを全体処理部(102)に供給するようになっている。
全体処理部(102)では、取得した目的地データにより経路探索をし、作成した走行経路データに基づく経路案内を行なう。この経路案内処理において、画像や音声による進路変更方向等の案内を行なう場合に、案内に必要なデータを全体処理部(102)からエージェント処理部(101)に供給し、走行経路案内をするシナリオをデータ化したシナリオデータに従ってエージェントが案内することも可能である。
エージェント処理部(101)については後述する。
また、この全体処理部(102)には音声認識を行なう音声認識処理部、テキストデータを音声データに変換する処理部も存在する。ブラウザ機能やメール機能を追加する場合の当該処理部はこの全体処理部(102)に追加される。
もしくは、エージェント処理部(101)がブラウザ機能やメール機能を持つような構成にしてもよい。
また、本実施形態ではエージェント処理を実行するための拡張機能が全体処理部(102)に加えられている。この拡張機能には、例えばナビゲーションデータの中にある道路データと現在位置から、走行中の道路の種別(高速道路、国道、等)を検出する手段や走行中の道路のカーブ状況(カーブ手前、カーブ終了)を検出する手段等が存在する。
図4は、エージェント処理部(101)の構成を表したものである。
エージェント処理部(101)は、シナリオ駆動部(101-1)と、自律起動判断部(101-2)と、学習部(101-3)と、キャラクタ心理部(101-4)と、描画・音声出力部(101-5)と、音声認識部(101-7)と、エージェントOS部(101-8)と、外部I/F部(101-9)とを備えている。
条件が一致した場合に、自律起動判断部(101-2)はシナリオ駆動部(101-1)に対し、条件が一致したシナリオの実行要求の指示を出す。
自律起動条件と比較するための各種状況はエージェントOS部(101-8)及び学習部(101-3)から入手している。
また、定期的な自律起動判断指示以外にも、状況の変化が大きいとされる場合は、エージェントOS部(101-8)から自律起動判断指示が出されるので、自律起動判断部(101-2)は、自律起動判断処理を行なうようになっている。状況の変化が大きいとされる場合とは、例えば運転者が目的地設定を行なった場合、ナビゲーション機能による走行案内経路をはずれた場合、シナリオデータが追加された場合、シナリオデータが削除された場合等がある。
また、自律起動判断部(101-2)は、手動起動キーが入力装置(2)で選択された場合にも、ユーザが選択したシナリオの実行要求をシナリオ駆動部(101-1)に対して出力する。
キャラクタ心理部(101-4)は、エージェントOS部(101-8)が管理している現在状況を入手し、メンタルモデル変更条件データに基づき、キャラクタの心理状態を表す5つのパラメータ(元気、友好、従順、自信、モラル)を自律的に変更する。
描画・音声出力部(101-5)は、また、シナリオ駆動部(101-1)からの指示でエージェントが運転者とコミュニケーションを行なう際の台詞を出力するための制御信号を作成する。
エージェントOS部(101-8)は、自律起動判断部(101-2)に対して、定期的に自律起動判断指示を出すようになっている。この定期的な自律起動判断指示は、所定時間毎に出される。所定時間としては、定期的に出される自律起動判断指示によって定期的に処理される自律起動判断処理が、中央処理装置(1)全体の他の処理に影響しない範囲でできるだけ短い時間であることが望ましく、本実施形態では5秒間隔に設定されている。この所定時間は入力装置(5)からの操作によってユーザが当該所定時間を任意に変更することができるようにしてもよい。
また、エージェントOS部(101-8)は、状況の変化が大きいと判断された場合にも、自律起動判断部(101-2)に対して、自律起動判断指示を出すようになっている。状況の変化が大きいとされる場合とは、例えば運転者が目的地設定を行なった場合、案内経路から車両がはずれた場合、シナリオデータが追加された場合、シナリオデータが削除された場合等であり、あらかじめ該当する項目が規定されRAM(1-4)等に記憶されている。
図5は、情報記憶媒体(10-2)に集録されている情報を概念的に表したものである。
情報記憶媒体(10-2)には本実施形態による各種エージェント機能やナビゲーション機能を実現するプログラム(10-2-1)、及び必要な各種データとして、エージェントデータ(10-2-3)とナビゲーションデータ(10-2-2)が格納されている。
学習項目データ及び応答データ(10-2-3-7)は、エージェントとのコミュニケーションにおいて運転者の選択や応答によってエージェントが学習した結果を格納するデータである。
シナリオデータ(10-2-3-4)は、複数のシナリオで構成されており、それらを管理するための集録シナリオ管理データと、個々のシナリオの内容を示すデータ(シナリオ本体)とで構成されている。
さらに、集録シナリオの管理データには、シナリオファイルに収録されているシナリオの中で運転者が入力装置(5)等を使って手動起動させることができるシナリオ一覧データが記されている。
これらの管理データと自律起動条件は、シナリオ作成装置のシナリオプロパティの編集ウィンドウ(図18(a)参照)で設定される。
シナリオのプロパティ、シナリオの種類の設定、及び自律起動条件の設定については、シナリオ作成装置の説明において後述する。
それぞれのシナリオを管理するシナリオ管理データには、シナリオに関する情報と、このシナリオで使用する音声認識辞書を作成するためのテキスト情報と、シナリオを構成する各シーンデータを全体的に管理するためのデータが記されている。
シーン管理データには、そのシーンに関する情報とシーンデータに属する各データセクションを管理するデータが記されている。
画面構成データには、このシーンにおいて表示装置(2)に表示するキャラクタ画像や吹き出し画面等のシーン構成部品の構成と、各シーン構成部品の大きさや表示位置等を規定するデータが記されている。
キャラクタ動作データには、このシーンにおいてキャラクタが行なう動作の指示データと、話す内容に関する指示データが記されている。動作の指示データには、シナリオデータで直接各キャラクタの表現手段で指示するものと、キャラクタに表現させたい状態で指示するものの2種類のうちどちらかで指示データが記されている。
展開管理データには、このシーンで何かイベントが発生した場合に、シナリオを終了するのか、次に進むシーンが何であるか、もしくは何も展開しないのか、といった情報が記述されている。
キャラクタデータ(10-2-3-5)は、各キャラクタA、B、…毎に、キャラクタ画像データ102351と、キャラクタ音声データ102352と、キャラクタ画像選択データ102353とを備えている。
キャラクタ画像データ102351は、シナリオにより指定された各シーンで表示されるキャラクタの状態を表す静止画像や、動作を表す動画(アニメーション)等が格納されている。例えば、キャラクタがお辞儀をする動画、うなずく動画、右手を挙げる動画等が格納されている。
シナリオデータ(10-2-3-4)のシナリオ本体では、キャラクタの種類によらない共通化した表示状態により各シーンの内容を規定している。
運転者情報データ(10-2-3-6)には、運転者毎に情報を格納するための運転者のID(識別情報)、名前、年齢、性別、結婚(既婚か未婚か)、子供の有無と人数と年齢からなる運転者基礎データや、スポーツ、飲食等の趣味嗜好データとが格納されるようになっている。
本実施形態では、これら各運転者情報には優先順位が決められており、エージェントは、未だ格納されていない運転者情報のうち優先順位が高い順に運転者に質問をするようになっている。運転者基礎データは、趣味嗜好データよりも優先順位が高くなっている。
運転者情報データ(10-2-3-6)は、その車両を運転する運転者が複数存在する場合には、運転者毎に作成される。そして、運転者を特定して該当する運転者情報が使用される。
図7は、実行優先順位テーブルの内容を概念的に表したものである。
図7に示されるように、シナリオの種類に対応して実行優先順位が決められた実行優先順位対応テーブル図7(a)と、自律起動条件に対応して実行優先順位が決められた実行優先順位対応テーブル図7(b)が格納されている。
そして、図7(a)、図7(b)の両実行優先順位対応テーブルは、それぞれ、車両走行中用のテーブルと、車両停車中用テーブルの2種類づつ記憶されている。
実行優先順位対応テーブル図7(a)は、車両走行中用のテーブルとして、安全装置系、制御系、情報提供系、エンターテイメント系の順で実行優先順位が決められている。一方、車両停車中用のテーブルとして、エンターテイメント系、情報提供系、安全装置系、制御系の順で実行優先順位が決められている。
なお、本実施形態では、シナリオの種類として4種類を例示したが、より多くの種類に細分類するようにしてもよい。この場合の実行優先順位対応テーブルも、シナリオ作成装置で設定可能な種類に一致させる。
この条件項目もシナリオの種類と同様に分類されており、同一分類には同一の実行優先順位が決められている。
すなわち、図7(b)に示されるように、ABS:ON、車間距離の変化等の安全装置系の条件項目には、走行中で順位1が決められ、停車中で順位3が決められている。また、シフト操作、急加速、エアコン設定等の制御系の条件項目には、走行中で順位2が決められ、停車中で順位2が決められている。さらに、日時(時刻)等のその他の項目には、走行中で順位3が決められ、停車中で順位1位が決められている。
これにより、シナリオ作成者によるシナリオの優先順位の好みはシナリオプロパティで反映され、シナリオの利用者(エージェント装置の使用者)の好みは、実行優先順位対応テーブルの順位変更で反映される。そして、シナリオ作成者の優先順位よりも、シナリオ利用者の優先順位がより実行順序の決定により強く反映されることで、使用者の好みに合ったエージェント装置とすることができる。
この案内シナリオは、複数のシーン画面のうち(a)〜(f)までのシーン画面で構成されている。
シーン画面(c)に対するユーザの選択結果によって次のシーン画面が4と6に分岐している。また、図8の例では分岐していないが、シーン画面(d)においても選択した料理の種類に応じた料理をシーン表示画面54に表示するようにシーン画面を分岐させるようにしてもよい。
シーン画面(a)に示されるように、エージェントの画像(静止画、動画)が表示されるエージェント表示画面51、エージェントの音声に対応した文字が表示される吹き出し画面52、タイトル画面53、及び、各シーン固有の画像データ(実画像データの画像や回答選択ボタン等)が表示されるシーン表示画面54から構成されている.
エージェント表示画面51に表示されるエージェントは、ユーザが選択したキャラクタ、又はデフォルトのキャラクタである.
以下の各シーン画面に対応して説明するエージェントの動作や画面の表示はいずれも、外部シナリオのシナリオデータに格納されているデータや画像及び指示に従って表示等されるものである。また、エージェントの動作として説明するが、実際にはエージェント処理部(101)のシナリオ駆動部(101-1)が処理を行う。
音声による挨拶は、旅館に代わってエージェントが代行して行うことになるが、旅館の女将の写真画像をシーン表示画面54に表示することで旅館からの挨拶であることが表現されている。この女将の画像は、外部シナリオの一部として受信し追加した画像で、シナリオデータ(10-2-3-4)の実画像データとして格納されている。
エージェントの動作に対する指示は、キャラクタ動作指示データに格納されている指示に従う。
エージェントによる挨拶が終了すると、次のシーン2に遷移する。
エージェントの話が終了すると、次のシーン3に遷移し、本日の食事の画像(懐石料理の画像)をシーン表示画面54に表示し、エージェントが料理の説明と、この料理で良いか否かを質問する。
そして、表示した料理でよいか否かの質問に対する回答としてユーザが「はい」を選択した場合にはシーン4に分岐し、「いいえ」を選択した場合にはシーン6に分岐する。
このように、ユーザからの回答がない場合にも、無回答という選択がされたと判断して、無回答を移行条件とする次のシーン(図8の例では終了)に移行することで、擬人化されたキャラクタとのコミュニケーションをより人間同士のコミュニケーションに近づけることができる。
そして、ユーザがいずれか1つを選択したらシーン5に遷移する。
シーン5では、懐石料理から変更すべき人数のリストをシーン表示画面54に表示し、エージェントはこのリストを指し示して、人数の質問をする。
そしてユーザがいずれか1つを選択したらシーン6に遷移する。
そして、エージェントは、ユーザが選択してきた結果、図8の案内シナリオの場合には食事に関する回答結果を、通信装置I/F部(1-11)から通信制御装置(8)に接続されている通信装置(9)を介して実行中の外部シナリオを送信した第三者(旅館)に送信する。
最後のシーン(図8ではシーン6)でのエージェントの話が終了すると、シナリオを終了させる。
このようにして、シナリオ駆動部(101-1)は、シナリオに規定された各シーン画像と音声を最後のシーンまで順次表示、出力する。
起動したシナリオが終了すると、シナリオ駆動部(101-1)は、他のシナリオの実行についての起動要求が存在するかの判断を行う。
図9は、自律起動判断部(101-2)によるシナリオの自律起動判断処理について表したものである。
この自律起動判断処理では、自律起動判断部(101-2)が装置の負荷を軽減するために、位置と日付に関する情報を受け取り、その受け取った位置と日付に近似する起動条件の塊を、シナリオデータを保持している外部記憶装置(10)より読み出し(抽出手段)、ワークメモリ(RAM(1-4))に一時的に格納する処理を行う。
そして、自律起動判断部(101-2)は、取得した位置、時間などの状況情報が所定単位の変化があるか否かを判断する(ステップ12)。
ここで、近似する条件とは、位置の場合、地図データの全範囲を所定単位の方形ブロックに区画し、車両が存在する位置が含まれているブロックと、そのブロックに隣接する8つのブロックに位置情報が含まれる条件をいい、日付の場合、その当日と翌日が該当する。そして、所定単位の変化とは、位置の場合には車両が他のブロックに移動した場合で、日付の場合には日付が変わった場合が該当する。
なお、ステップ12の判断で所定単位の変化なしと判断された場合(ステップ12;No)、ワークメモリに一時保存している自律起動条件群を変更する必要がないため、ステップ14の処理に進む。
自律起動判断部(101-2)は、ワークメモリ(RAM(1-4))に一時的に格納された自律起動条件群から、最初の自律起動条件を取得し(ステップ21)、ステップ12で入手した各種状況情報による状況が、取得した自律起動条件を満たしているか否かを判断する(ステップ22)。
自律起動条件を満たしている場合(ステップ22;Yes)、自律起動判断部(101-2)は、その自律起動条件に対応するシナリオの実行要求メッセージを、シナリオ駆動部(101-1)に対して発行する(ステップ23)。
ステップ24において、次の自律起動条件が存在しない(ワークメモリ(RAM(1-4))に一時的に格納した全ての自律起動条件に対する判断が終了した)場合(;No)、自律起動判断部(101-2)は、自律起動判断処理を終了する。
このように、図9のシナリオの自律起動判断処理及び図10の条件判断処理により、車載された入力装置からの入力が起動条件を満たしたか否かを判断する条件判断手段が構成される。
図11は、シナリオ実行順序決定処理の流れを表したフローチャートである。
シナリオ駆動部(101-1)は、自律起動判断部(101-2)からシナリオ実行要求を受けとると、自律起動条件を満たして実行対象となっているシナリオが複数か否かを判断し(ステップ30)、シナリオが1つの場合にはリターンして、次のシナリオ実行処理を行う。
次に、シナリオ駆動部(101-1)は、シナリオデータ(10-2-3-4)から集約シナリオ管理データを読み込んで作業領域であるRAM(1-4)に書き込む(ステップ34)。
シナリオ駆動部(101-1)は、シナリオにシナリオの種類情報が記録されている場合(ステップ25;Y)、シナリオ種類の実行優先順位対応テーブルから、当該シナリオの優先順位を決定する(ステップ36)。
一方、シナリオ駆動部(101-1)は、シナリオにシナリオの種類情報が記録されていない場合(ステップ25;N)、自律起動条件項目の実行優先順位対応テーブルから、当該シナリオの優先順位を決定する(ステップ37)。
すなわち、シナリオ駆動部(101-1)は、決定した実行優先順位が高いシナリオの実行順序を先にする。そして、実行優先順位が同一のシナリオが複数ある場合には、シナリオ作成者が設定したプライオリティが高いシナリオの実行順序を先にする。
これにより、各シナリオ作成者が自己の好みで設定したプライオリティを反映させつつ、異なる作成者による各種シナリオが混在するエージェント装置であっても、シナリオ全体として一定の統一的な順序でシナリオが実行される。
ユーザの操作内容や、シナリオデータの記述内容によってシナリオ実行処理の流れは変わってくる。よって、図12では、シナリオを実行する場合の、エージェント処理部(101)の各部、及び全体処理部(102)による一連の代表的な動作を表したものであり、本実施例において、各部はそれぞれ独立した処理を行うようにし、ユーザの操作内容や、シナリオデータの記述内容によってシナリオ実行処理の流れを変えることを実現している。すなわち、各部の独立した処理が、連続することで図12に示した代表的な流れになる。
シナリオ駆動部(101-1)は、自律起動判断部(101-2)からシナリオ実行要求を受け取ると、ワークメモリの確保、初期化によるエージェント開始準備処理を行う(ステップ505-1)。
そして、シナリオ駆動部(101-1)は、シナリオの実行要求が手動起動か自動起動かを確認する(ステップ505-2)。手動起動は、ユーザが表示装置(2)のメニューからシナリオ起動を選択した場合で、自動起動は、シナリオの自律起動条件を満たした場合である。
一方、自動起動の場合には、自律起動条件を満たすことで実行要求されているシナリオが存在するので、そのままシナリオデータ取得処理(ステップ505-4)に移行する。
優先順位が同じである場合には、自律起動判断部(101-2)から実行要求を受けた順に優先順位が高いものとして決定する。シナリオの優先順位は、シナリオデータ(10-2-3-4)の収録シナリオの管理データに存在し、シナリオ実行要求と一緒にシナリオ駆動部(101-1)は取得しており、それを確認する。
シナリオ開始処理においてシナリオ駆動部(101-1)は、まず、シナリオを開始するための初期化処理を行う。
すなわち、シーン処理においてシナリオ駆動部(101-1)は、ステップ505-4で読み込んだシナリオデータが一時記憶されているRAM(1-4)を参照し、表示する画面構成やキャラクタの動作指示、等を解析する。
そして各シーンデータにおける規定に従って、シナリオ駆動部(101-1)は、出力する音声データやキャラクタ描画データを作成して描画・音声出力部(101-5)に描画の指示を行なう。この指示に従って描画・音声出力部(101-5)により、キャラクタがお辞儀をしたり、右方向や左方向を手で指したり、ユーザに話しかけたりするシーンが展開される。
また、処理中のシーンデータに音声認識についての指示ある場合、音声認識処理が行われる。
シナリオ終了の場合、シナリオ駆動部(101-1)は、シナリオ終了処理を行なう(ステップ505-8)。このシナリオ終了処理において、学習部(101-3)が、終了の仕方を示すエンドIDを入手して応答データ(10-2-3-7)に格納する。
シナリオ終了でない場合(シナリオがまだ続く場合)、シナリオの終了位置まで、ステップ505-6に戻って次のシーン、次のシーン、…とシーン処理を繰り返す。
シナリオの終了処理の後、シナリオ駆動部(101-1)は、他にシナリオの実行要求が有るか否か確認し(ステップ505-9)、他のシナリオの実行要求が存在する場合は、シナリオデータの読み込み処理(ステップ505-4)に戻って同様に処理が実行される。
一方、他に実行するシナリオが存在しない場合、シナリオ駆動部(101-1)は、エージェント終了処理を実行する(ステップ505-10)。すなわち、エージェントOS部(101-8)に対して、要求された全てのシナリオの実行処理が終了したことを知らせる。
その後、表示装置(2)に表示される画面は通常のナビゲーション画面に戻るが、その後の処理はエージェントI/Fを介して全体処理部(102)に受け渡す。
図13は、シナリオ作成装置の構成を表したものである。
シナリオ作成装置は、制御部(200)と、入力装置(210)と、出力装置(220)と、通信制御装置(230)と、記憶装置(240)と、記憶媒体駆動装置(250)と、入出力I/F(260)とを備えている。これら各装置は、データバスや制御バス等のバスラインにより接続されている。
CPU(200-1)は、種々の演算処理を実行するプロセッサである。
メモリ(200-2)は、CPU(200-1)が種々の演算処理を実行する際にワーキングメモリとして使用される。
CPU(200-1)は、メモリ(200-2)にプログラムやデータなどを書き込んだり消去したりすることができる。
本実施の形態におけるメモリ(200-2)には、CPU(200-1)がシナリオエディタ(シナリオ編集プログラム)に従ってシナリオデータを作成、編集、記憶等するためのエリアが確保可能になっている。
出力装置(220)は、例えばCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置や印刷装置などである。表示装置は、シナリオを作成するためのメイン画面や、プライオリティやシナリオの種類を設定する画面や、自律起動条件を設定するための画面等の各種画面が表示される。また、各画面において選択された情報や入力された情報が表示されるようになっている。
通信制御装置(230)は、作成したシナリオデータを、これらのネットワークで接続されたいずれかのサーバ3にアップロードしたり、他のシナリオ作成装置との間でお互いに作成したシナリオデータの送受信したり、シナリオデータの作成に必要なデータの送受信をしたりすることができるようになっている。
通信制御装置(230)はCPU(200-1)によって制御され、例えば、TCP/IPなどの所定のプロトコルに従ってこれら端末装置やサーバ装置との信号及びデータの送受信を行なう。
なお、シナリオ作成装置2で作成したシナリオデータは、ICカード等の記憶媒体に書き込んでエージェント装置1に取り込むことも可能である。
記憶装置(240)には、シナリオ編集プログラム(240-1)、シナリオ編集データ(240-2)、及びその他のプログラム・データ(240-3)が格納されている。その他のプログラムとして、例えば、通信制御装置(230)を制御し、シナリオ作成装置とネットワークでつながれた端末装置やサーバ装置との通信を維持する通信プログラムや、メモリ管理や入出力管理などのシナリオ作成装置を動作させるための基本ソフトウエアであるOS(Operating System)なども記憶装置(240)に格納されている。
記憶媒体駆動装置(250)は、着脱可能な記憶媒体を駆動してデータの読み書きを行なうための駆動装置である。着脱可能な記憶媒体としては、例えば、光磁気ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、ICカード類、データをパンチした紙テープ、CD-ROMなどがある。
入出力I/F(260)は、例えば、シリアルインターフェースやその他の規格のインターフェースにより構成されている。
入出力I/F(260)に当該インターフェースに対応した外部機器を接続することにより、シナリオ作成装置の機能を拡張することができる。このような外部機器として例えば、ハードディスクなどの記憶装置、通信制御装置、スピーカ、マイクロフォンなどがある。
図14は、シナリオ編集プログラムとデータの構成を概念的に表したものである。
シナリオ編集プログラム(240-1)は、シナリオエディタ(240-1-1)と、シナリオコンパイラ(240-1-2)と、DB編集ツール(240-1-3)が存在する。
シナリオ編集データ(240-2)は、共通定義DB(240-2-1)と、ローカル定義DB(240-2-2)と、シナリオエディタで作成したSCE形式シナリオデータ(240-2-3)と、シナリオコンパイラで変換された実機形式(NAV形式)シナリオデータ(240-2-4)が存在する。
シナリオエディタ(240-1-1)は、シナリオデータを作成するアプリケーションプログラムである。
シナリオコンパイラ(240-1-2)は、シナリオエディタ(240-1-1)で作成されたSCE形式のシナリオデータ(240-2-3)を、エージェント装置で使用可能な実機形式のシナリオデータ(240-2-4)に変換するアプリケーションプログラムで、変換手段として機能する。
この図15に示されるように、シナリオコンパイラ(240-1-2)は、1個以上のSCE形式シナリオデータ(240-2-3)を、1個の実機形式(NAV形式)のシナリオデータ(240-2-4)に変換する。
共通定義DB(240-2-1)は、シナリオデータを作成する際の定義データが格納される。共通定義DB(240-2-1)には、後述する自動起動項目データの他、シーン展開をするアクション項目及び追加判断項目、キャラクタの表示状態指示テーブル等が格納される。この共通定義DB(240-2-1)は、シナリオ作成装置の記憶装置ではなく、ローカルエリアネットワーク(LAN)でつながっているサーバ上に存在してもよい。こうすることで、ローカルエリアネットワーク(LAN)でつながっている各シナリオ作成装置は共通の共通定義DB(240-2-1)を使ってシナリオデータの作成ができる。
ローカル定義DB(240-2-2)は、シナリオ作成者がシナリオデータを作成中に定義した画面構成が格納される。
SCE形式シナリオデータ(240-2-3)は、シナリオエディタ(240-1-1)で作成されたデータである。
実機形式(NAV形式)シナリオデータ(240-2-4)は、シナリオコンパイラ(240-1-2)によってSCE形式シナリオデータ(240-2-3)からエージェント装置で使用するためのデータ形式に変換されたデータである。
この自動起動項目は、エージェント装置で検出、認識、確認可能な各項目の種類のサンプルを概念的に一覧表示したものである。
この自動起動項目は、共通定義DB(240-2-1)に記述されており、シナリオエディタ(240-1-1)でシナリオを作成する際に、自律起動条件を設定するために、自動起動項目が共通定義DB(240-2-1)から読み出され、リスト表示される(提示手段)。作成者は、このリスト表示(一覧表示)された中から自動起動項目を選択する(選択手段)。
それぞれ選択された項目の種類に記されている内容によって数値入力を行なうウインドウが表示されたり、一覧から選択するウインドウが表示されたりして自動起動項目の判断条件を入力する。この操作を1又は複数回繰り返しシナリオを自律的に起動するための判断条件である自律起動条件のデータが作成される。
このように、画面要素推移体(シナリオ)の起動条件を設定することにより、起動条件設定手段が形成される。
選択可能項目も共通定義DB(240-2-1)に記述されている。図16(a)に例示した自動起動項目を示したテーブルのうち、種別の欄に一覧から選択と表記された項目について、更に下位の概念として選択可能な項目が、選択可能項目として図16(b)、図16(c)に規定されている。選択可能項目に規定されたグループと、自動起動項目の項目とは、一番左側のNo.の項目で対応付けられている。
選択された自動起動項目と選択された選択可能項目及び入力された数値や時刻、距離等の組み合わせが、各シナリオに対する自律起動条件となる。例えば、ユーザによる選択が、自動起動項目「加速度」、選択可能項目「急減速状態」である場合、自律起動条件は「加速度−急減速」となる。
なお、本サンプルはあくまでもサンプルであり定義を変更してもよい。
例えば車速入力を一覧から選択にし、10km/h毎に区切られた項目の中から選択する形をとってもよい。
展開条件の各項目は、各シーンの展開構成を作成する際に読み出され、分岐条件指定ウインドウにリスト表示される。このリスト表示された中から展開条件項目を選択することにより、図8の(a)から(b)へ、(b)から(c)へと例示されるように、シーンの展開構成が作成される。
また、各シーンから条件を判断して、その判断結果から複数のシーンに分岐する場合の条件項目も選択可能である。図8の例では、(c)から(d)と(f)に分岐するシーンが展開されている。
このように通常シーンの後に分岐シーンを複数(直列、及び並列に)継続させることで、1の通常シーンに対して多彩な条件で分岐する複数の通常シーンを展開させることが可能になる。
これら全ての定義データも、各定義データと同様に、変更及び追加がDB編集ツール(240-1-3)を使って行なうことができるようになっている。
各シーンで設定した指示をプレビューして確認するためのキャラクタ画像データは、エージェント装置に格納されている各種キャラクタの画像データが格納されている。
図17は、シナリオエディタ(240-1-1)を起動した場合に表示装置に表示されるメインウインドウの構成を表したものである。
以下に説明するように、このメインウィンドウからの各種設定により、車載装置の表示画面と同期して実行される処理内容が定義された画面要素を組み合わせて構成された画面要素推移体データを作成する画面要素推移体作成手段が構成される。
この図17に示されるように、メインウインドウは、作成中のシーン画面(エージェント装置1の表示装置(2)に表示されるシーン画面(図8参照))が表示されるシーン画面301と、各種設定を行う設定項目が表示された設定画面303と、シーンの展開構成(分岐の状態)が各シーンを表すシーンアイコン307のツリー構造により表示されるシーン展開画面305、及び処理アイコン表示部で構成されている。
画面構成の変更ボタン309は、表示したい画面構成を選択するボタン、効果音設定ボタン310は、シナリオのシーン毎に効果音を設定する画面を表示するボタンである。
エージェント表示画面311を選択すると、エージェント(キャラクタ)の動作の編集画面が表示される。
ボタンパーツとバックグラウンド音声認識辞書設定315を選択すると使用する音声認識辞書の編集ができる。シーン画面301の回答選択ボタン315aのマークで表示されている方を選択すると認識する単語の名称がシーン画面に表示され、バックグラウンドで認識する方315bを選択すると、音声認識の対象となるが認識する単語の名称は表示されない。
タイマー設定ボタン317は、タイマー設定情報を設定、及び変更するためのボタンである。
コールバック制御指示320bでは、音声認識の結果を確認するためのコールバックを行うか否かについての指示を設定する。コールバックの指示としては、「コールバックする」、「コールバックしない」、エージェント装置が状況判断してコールバックをするかしないかを判断する「エージェント装置が判断(おまかせ)」のうちのいずれかを選択可能になっている。
シーン展開表示部322は、シーン展開画面で指定された(アクティブ状態の)シーンに対して規定されている展開条件項目及び追加条件項目と、その条件項目を満たす場合に継続(接続)するシーンが表示される。
シーン展開表示部322の左側には、図17に示されるように、アクティブ状態のシーンに設定された展開条件や追加条件の分類がツリー構造で表示される。また、シーン展開表示部の右側には、移行条件の内容とその接続先(展開先のシーン番号)が表示される。
シーン作成ボタン323は、新たに通常シーンを作成する場合に使用する。
シーン作成ボタン323をクリックするとシナリオの流れを編集できる(次のシーンを作成する)。シーン作成ボタン323をクリックすると、現在選択しているシーンの次に展開する通常シーンの作成が可能になる。
シーン作成ボタン323でシナリオの流れを分岐させることで、各通常シーンに対する展開構成が作成される。例えば、図17のシーン展開画面305に表示されているシーン展開構成に於いて、通常シーンのアイコン5を選択した状態(アクティブ表示されている状態)で、シーン作成ボタン323をクリックするとシーン5に続くシーンのアイコンが下層側に表示され、複数回クリック(複数回作成操作を行う)することでシーン5に続いて展開される通常シーン7、8、…が分岐して作成される。
そして、作成した通常シーンm1に続くシーンを更に展開させたい場合には、通常シーンm1を選択した状態でシーン作成ボタン323をクリックすることで、通常シーンm1に続く次の通常シーンm1-1が作成される。通常シーンm1から分岐する別のシーンを作成する場合にはシーンm1を再度選択してシーン作成ボタン323をクリックすればシーンm1に続くシーンm1-2が作成される。
分岐シーン作成ボタン324、新たに分岐シーンを作成する場合に使用する。
分岐シーン作成ボタン324をクリックするとシナリオの流れを編集できる(次の分岐シーンを作成する)。分岐シーン作成ボタン324をクリックすると、現在選択しているシーンの次に展開する分岐シーンの作成が可能になる。
分岐シーン作成ボタン324により、展開条件に続けてさらに複数の追加条件で分岐させることで、移行条件の論理演算(論理和、論理積)による各通常シーンに対する展開構成を作成することができる。
分岐シーンを階層的に作成する方法は、上で説明した通常シーンの作成方法と同様である。
作成したシナリオの終了位置340を選択すると、エンドプロパティ編集画面(図40参照)を表示し、この画面において、エージェントの各短期的感情要素を設定、及び変更することができる。
シーン再生ボタン331は、アクティブな通常シーンを再生するためのボタンである。
ビルドボタン332は、作成したシナリオをエージェント装置で使うための実機形式(NAV形式)のフォーマットにコンパイルするためのボタンである。
分岐条件分類表示欄には、アクティブ状態の分岐シーンに対して選択されている追加条件項目の分類が表示され、分岐条件項目欄には、分岐先を指定する追加条件項目が表示される。
図17に示したメインウインドウにおいて、シーン展開画面305に表示されているスタートポイント308をダブルクリックすると、図18(a)に示すシナリオプロパティの編集ウインドウがメインウインドウ上に重ねて表示される。
このシナリオプロパティの編集ウインドウにおいて、シナリオ名称入力、カナ名称入力、アイコン選択、ジャンル選択、プライオリティの設定、有効期限(開始条件を満たしてから実際に開始するまでのタイムラグの上限値)の設定、走行中実行条件の設定、シナリオの起動条件の設定(別ウインドウ)、スタンバイ処理使用条件の設定、作成者名称入力、コメント入力が行なえる。この画面で入力されるシナリオ名称入力、カナ名称入力は、実機形式のシナリオデータにおける管理データ等となる。
シナリオプロパティの編集ウインドウにおいて、決定ボタン402をクリックすると編集内容がデータに反映され、メインウインドウに戻る。一方、キャンセルボタン403をクリックするとデータに反映されなで、メインウインドウに戻る。
すなわち、作成者は、プライオリティ404のスライダをマウス操作で左右に移動することで、スライダ位置に連動してプライオリティが0〜15の間で設定される。
このシナリオ種類選択ウィンドウには、図示されるように、エージェント装置に格納された実行順位対応テーブル(10-2-3-8)で規定されているシナリオの種類と同じ種類がリスト表示される。
すなわち、種類として、安全装置系シナリオ、制御系シナリオ、情報提供系シナリオ、エンターテイメント系シナリオがリスト表示される。そして、安全装置系シナリオの欄には「ABS(アンチブレーキシステム)、車間距離、…に関するシナリオ」が例示され、制御系シナリオの欄には「シフト操作、急加速、…に関するシナリオ」が例示され、情報提供系シナリオの欄には「SA(サービスエリア)案内、給油案内、…に関するシナリオ」が例示される。
また、エンターテイメント系シナリオにはの欄には「挨拶、…に関するシナリオ」具体的には、記念日や日付に関連したアニバーサリーボイスのシナリオ、挨拶や日にちを知らせるハローボイスのシナリオ、運転者情報を取得する際のフレンドリーボイスのシナリオ等が例示される。
このように、各種類の欄に、具体的にどのようなシナリオが該当するのかが例示されている。
尚、シナリオエディタで上述のシナリオの種類を選択する機能をなくしてもよい。この場合の車載装置の処理は、図11において、ステップ35、ステップ36を行わず、ステップ34の次にステップ37を実行する。
なお、シナリオ種類はシナリオの実行優先順位の決定の際にエージェント装置で使用されるが、この用途については画面表示されず、シナリオ作成者には知らされない。このため、シナリオ作成者の意図によってシナリオの実行順が不統一になるのが防止される。
シナリオ作成者のシナリオに対する実行の優先順位についてはプライオリティ404で設定可能であり、この優先順位は、同一の実行優先順位のなかで判断されることで、シナリオ作成者の意図も反映される。
以下に説明する、このシナリオ開始条件のメイン編集ウィンドウによる設定処理により、画面要素推移体データを起動する起動条件を設定する起動条件設定手段が構成される。
シナリオ開始条件のメイン編集ウインドウ(図19(a))では、ユーザがシナリオを手動で開始できるように設定できる。この事例ではチェックボックス406のチェックを外して手動で起動しないに設定されている。
シナリオ開始条件のメイン編集ウインドウ(図19(a))において、新規作成ボタン405をクリックすると、自動開始条件選択ウインドウ(図19(b))が表示され、新しい開始条件の編集ができる。
キャンセルをクリックするとシナリオ開始条件のメイン編集ウインドウ(図19(a))に戻る。
同様に、「どこで起動させるかを選択」のフォルダを選択するとNo.10〜16が、「道路の状態がどのようなときに起動させるかを選択」のフォルダを選択するとNo.21〜23が、「車の状態がどのようなときに起動させるかを選択」のフォルダを選択するとNo.17〜20が、「ナビの状態がどのようなときに起動させるかを選択」のフォルダを選択するとNo.21〜28が、「ユーザがどのようなときに起動させるかを選択」のフォルダを選択するとNo.29〜30が、それぞれ1つ下の階層に表示される。
自動開始する条件範囲の選択ウインドウ(図19(c))で、選択可能な項目は、自動開始条件選択ウインドウ(図19(b))で選択した自動起動項目に対応する、選択できる項目(図16(b))である。この選択できる項目は、選択項目欄408右側のマークをクリックすることで、プルダウンメニュー表示される。
自動開始する条件範囲の選択ウインドウ(図19(c))で決定ボタンをクリックするとその設定状態に決定し、シナリオ起動条件のメイン編集ウインドウ(図19(c))に戻る。
キャンセルをクリックすると自動開始条件選択ウインドウ(図19(b))に戻る。
図19(d)のシナリオ開始条件のメイン編集ウインドウでは、左側の自動起動条件一覧に、上記操作で設定した自動で開始する条件(道路の種類が高速道路だったら起動する)が表示されている。
また、自動起動の条件一覧画面に表示されている自動で開始する条件を選択して編集ボタンをクリックすると、選択した条件にさらに条件設定を追加するための自動開始条件選択ウインドウ(図19(b))が表示される。
シーン画面の編集状態を表しているメインウィンドウ(図17)において、エージェント表示画面311をマウスでダブルクリックすると、キャラクタ動作(エージェントの動作)指示を編集する動作編集ダイアログが表示される。
この動作編集ダイアログにおいて、お辞儀をする、右を指す、右を見る等の個別の動作の一覧や、感謝、否定、誉める、挨拶等の表現内容の一覧が表示され、各シーン画面毎のキャラクタの動作を指定する。
台詞の編集ウィンドウは、シーン画面の編集状態を表しているメインウインドウ(図17)において、設定画面303の台詞編集ボタン313をクリックすることで表示される。
台詞の編集ウインドウでは、PCM(録音されて用意されている肉声データ)による設定と、TTS(合成音声)による設定が可能である。
PCMの場合、台詞を全角ひらがなで入力(上記入力用ボックス)し該当する台詞が有るか検索し、検索結果(検索結果一覧表示欄が存在する)から選択しキャラクタに話させる台詞を設定する。
一方、TTSの場合は台詞名称(吹き出し表示用データ)とフリガナ(合成音声を作成するためのデータ)を入力しキャラクタに話させる台詞を設定する。
台詞の編集ウインドウにおいて、設定された台詞の内容が吹き出し画面430のデータとしても反映される。
メインウインドウ(a)において、シナリオコンパイルボタン325をクリックすると、シナリオコンパイラ(240−1−2)が起動して、シナリオコンパイラのウインドウ(b)が表示される。
このシナリオコンパイラのウインドウ(b)において、コンパイルしたデータを出力するファイルの名称を指定し、同時に変換するシナリオを選択(シナリオ一覧リストにチェックしたシナリオを同時に変換する)し、コンパイルボタンをクリックするとデータ変換を開始する。データ変換の状況を結果表示部に表示する。
またシナリオコンパイラは、データ変換を終了すると、実機形式(NAV形式)に変換後のシナリオデータ(240-1-3)を変換後のシナリオデータを記憶装置240のシナリオ編集データ(240−2)に格納する。
一方、本実施形態のシナリオ作成装置及びシナリオエディタによれば、プログラムの知識の有無に関係無く、シナリオエディタを持つことで特定の条件を満たしたときに自動で登場して対応してくれるエージェントのシナリオデータを容易に作成及び編集することができる。
例えば、説明した実施形態では、実行するシナリオが複数存在する場合の実行順序の決定に関して、各シナリオに対して決定した実行優先順位が高いシナリオの実行順序を先にし、実行優先順位が同じシナリオが複数ある場合には、シナリオ作成者が設定したプライオリティが高いシナリオの実行順序を先にするようにしたが、実行優先順位だけで実行順序を決めるようにしてもよい。この場合、実行優先順位が同じシナリオに対しては、自律起動条件を満たした順、実行要求順、又は自律起動条件を判断した順とする。
この場合、自律起動条件で決定した実行優先順位が同じシナリオが複数存在する場合に、自律起動条件の判断順、実行要求順、自律起動条件を満たした順、又はプライオリティ順のいずれかにより決定する。
これに対して、シナリオの種類と関係なく個別の条件項目をグループ分けし、グループ単位で優先順位を決定するようにしてもよい。また、シナリオの種類やグループとは関係なく、全自律起動条件に対して別々の実行優先順位を規定するようにしてもよい。
2 シナリオ作成装置
3 サーバ
(1) 中央処理装置
(2) 表示装置
(3) 音声出力装置
(4) 音声入力装置
(5) 入力装置
(6) 各種状況検出装置
(7)各種車載装置
(8)通信制御装置
(9)通信装置
(10)外部記憶装置
(200) 制御部
(210) 入力装置
(220) 出力装置
(230) 通信制御装置
(240) 記憶装置
(250) 記憶媒体駆動装置
(260) 入出力I/F
Claims (2)
- 画面表示と同期されて実行される処理内容の優先順位とその処理内容を実行する起動条件が既定された画面要素推移体データを車外から取得して記憶する画面要素推移体記憶手段と、
前記起動条件の種類毎に実行優先順位が規定されたテーブルを記憶する優先順位記憶手段と、
複数の前記画面要素推移体データの起動条件が同時に条件を満たした場合、前記優先順位記憶手段に記憶された実行優先順位と前記画面要素推移体データに規定された処理内容の優先順位とから実行順序を決定して実行する画面要素推移体実行手段と、
を具備することを特徴とする車載装置。
- 車両の速度を検出する車速検出手段と、
前記検出した車速が所定値以下だった場合、前記実行順序を変更する変更手段と
を具備することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
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