JP7407705B2 - インドール化合物を含む多発性硬化症の治療又は予防剤 - Google Patents

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Description

本発明は、N-[2-(6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1H-インドール-6-イル]-N-メチル-(2S)-2-(モルホリン-4-イル)プロパンアミド(N-[2-(6,6-Dimethyl-4,5,6,7-tetrahydro-1H-indazol-3-yl)-1H-indol-6-yl]-N-methyl-(2S)-2-(morpholin-4-yl)propanamide)(以下、化合物Aと表す)又はその製薬上許容される塩の新規医薬用途に関する。より詳細には、本発明は、化合物A又はその製薬上許容される塩を含む、多発性硬化症の治療剤もしくは予防剤、多発性硬化症の再発の予防剤及び多発性硬化症の身体的障害の進行を抑制するための剤に関する。
多発性硬化症(MS)は再燃及び寛解を繰り返す中枢神経系の炎症性脱髄疾患であり、炎症性脱髄病変の時間的、空間的多発性を特徴とする。脱髄により錘体路、小脳、脳幹、感覚、膀胱、直腸、視覚及び精神機能など多岐に及ぶ障害が起こりうるが、症状及び重篤度は脱髄が起こる部位や範囲により異なる。主な所見は脱力感、運動失調及び知覚神経異常であり、病態の進行に伴い排尿及び排便障害、精神及び記憶障害などの症状も発現しうる(非特許文献1)。
MSは臨床経過に基づいて以下の3つの病型に分類される(非特許文献2)。再発寛解型MS(RRMS)は急性憎悪(再発)とそれに続く寛解を繰り返す。一次性進行型MS(PPMS)は発生初期から明らかな再発を示さない進行性のMSである。二次性進行型MS(SPMS)はRRMSから明らかな再発がない進行性のMSに移行した病型である。
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)モデルは一般的にMSに関連する動物モデルとして考えられている(非特許文献3)。EAEモデルマウスを用いた実験において、誘導性T細胞キナーゼ(ITK)ノックアウトマウスが疾患の重症度の軽減を示したという報告がある(非特許文献4)。しかし、低分子のITK阻害剤を用いたMSの治療については記載されていない。
化合物AであるN-[2-(6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1H-インドール-6-イル]-N-メチル-(2S)-2-(モルホリン-4-イル)プロパンアミド又はその製薬上許容される塩は特許文献1及び特許文献2に記載される。特許文献1には化合物AがITK阻害活性を有し、関節リウマチ、炎症性腸疾患等の疾患の治療又は予防、及び移植における拒絶反応の抑制等に有効な薬剤となり得る旨が記載されている。特許文献2には化合物A又はその製薬上許容される塩の製造方法が記載されている。
国際公開第2011/065402号 国際公開第2016/002918号
RG Richards, FC Sampson, SM Beard, P Tappenden. A review of the natural history and epidemiology of multiple sclerosis: implications for resource allocation and health economic models. Health Technology Assessment 2002; 6: 1-73. Lublin FD, Reingold SC, Cohen JA, Cutter GR, Sorensen PS, Thompson AJ , Defining the clinical course of multiple sclerosis: the 2013 revisions. Neurology. 2014 Jul 15;83(3):278-86. Miller SD, Karpus WJ, Davidson TS. Experimental autoimmune encephalomyelitis in the mouse. Current Protocols in Immunology 2010; Chapter 15: Unit 15.1. Kannan, A. K., Kim, D. G., August, A., Bynoe, M. S. Itk signals promote neuroinflammation by regulating CD4+ T-cell activation and trafficking. Journal of Neuroscience, 2015; 35(1); 221-233.
発明が解決しようとする課題は、MSの治療薬を提供することである。
本発明者らは、MSの疾患モデル動物を用いた実験において、化合物A及びその塩がその疾患の重症度を有意に軽減することを発見した。そして、本発明者らは本発見に基づいて、化合物A又はその製薬上許容される塩がMSに対して、さらには他のMS治療薬、例えばFTY-720の治療効果が不十分なMSに対しても有効な薬剤となり得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]下記化学構造式:
で示される化合物又はその製薬上許容される塩を含有する、多発性硬化症の治療剤又は予防剤。
[2]多発性硬化症が、他の多発性硬化症治療薬の治療効果が不十分な多発性硬化症である、[1]に記載の治療剤又は予防剤。
[3]他の多発性硬化症治療薬がFTY-720である、[2]に記載の治療剤又は予防剤。
[4]多発性硬化症が、再発寛解型多発性硬化症、一次性進行型多発性硬化症及び二次性進行型多発性硬化症からなる群から選択される、[1]から[3]のいずれかに記載の治療剤又は予防剤。
[5]多発性硬化症が、脱力感、運動失調、知覚神経異常、排尿障害、排便障害、精神障害及び記憶障害からなる群から選択される少なくともひとつの多発性硬化症の症状である、[1]から[4]のいずれかに記載の治療剤又は予防剤。
[6]製薬上許容される塩が一塩酸塩である、[1]から[5]のいずれかに記載の治療剤又は予防剤。
[7]下記化学構造式:
で示される化合物又はその製薬上許容される塩を含有する、多発性硬化症の再発の予防剤。
[8]多発性硬化症が、他の多発性硬化症治療薬の治療効果が不十分な多発性硬化症である、[7]に記載の予防剤。
[9]他の多発性硬化症治療薬がFTY-720である、[8]に記載の予防剤。
[10]製薬上許容される塩が一塩酸塩である、[7]から[10]のいずれかに記載の予防剤。
[11]下記化学構造式:
で示される化合物又はその製薬上許容される塩を含有する、多発性硬化症の身体的障害の進行を抑制するための剤。
[12]多発性硬化症が、他の多発性硬化症治療薬の治療効果が不十分な多発性硬化症である、[11]に記載の剤。
[13]他の多発性硬化症治療薬がFTY-720である、[12]に記載の剤。
[14]製薬上許容される塩が一塩酸塩である、[11]から[13]のいずれかに記載の剤。
[15]治療上有効量の、下記化学構造式:
で示される化合物又はその製薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを含む、多発性硬化症を治療又は予防する方法。
[16]多発性硬化症が、他の多発性硬化症治療薬の治療効果が不十分な多発性硬化症である、[15]に記載の方法。
[17]他の多発性硬化症治療薬がFTY-720である、[16]に記載の方法。
[18]多発性硬化症が、再発寛解型多発性硬化症、一次性進行型多発性硬化症及び二次性進行型多発性硬化症からなる群から選択される、[15]から[17]のいずれかに記載の方法。
[19]多発性硬化症が、脱力感、運動失調、知覚神経異常、排尿障害、排便障害、精神障害及び記憶障害からなる群から選択される少なくともひとつの多発性硬化症の症状である、[15]から[18]のいずれかに記載の方法。
[20]製薬上許容される塩が一塩酸塩である、[15]から[19]のいずれかに記載の方法。
[21]治療上有効量の、下記化学構造式:
で示される化合物又はその製薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを含む、多発性硬化症の再発を予防する方法。
[22]多発性硬化症が、他の多発性硬化症治療薬の治療効果が不十分な多発性硬化症である、[21]に記載の方法。
[23]他の多発性硬化症治療薬がFTY-720である、[22]に記載の方法。
[24]製薬上許容される塩が一塩酸塩である、[21]から[23]のいずれかに記載の方法。
[25]治療上有効量の、下記化学構造式:
で示される化合物又はその製薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを含む、多発性硬化症の身体的障害の進行を抑制する方法。
[26]多発性硬化症が、他の多発性硬化症治療薬の治療効果が不十分な多発性硬化症である、[25]に記載の方法。
[27]他の多発性硬化症治療薬がFTY-720である、[26]に記載の方法。
[28]製薬上許容される塩が一塩酸塩である、[25]から[27]のいずれかに記載の方法。
[29]多発性硬化症の治療又は予防に使用されるための、下記化学構造式:
で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
[30]多発性硬化症が、他の多発性硬化症治療薬の治療効果が不十分な多発性硬化症である、[29]に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
[31]他の多発性硬化症治療薬がFTY-720である、[30]に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
[32]多発性硬化症が、再発寛解型多発性硬化症、一次性進行型多発性硬化症及び二次性進行型多発性硬化症からなる群から選択される、[29]から[31]のいずれかに記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
[33]多発性硬化症が、脱力感、運動失調、知覚神経異常、排尿障害、排便障害、精神障害及び記憶障害からなる群から選択される少なくともひとつの多発性硬化症の症状である、[29]から[32]のいずれかに記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
[34]製薬上許容される塩が一塩酸塩である、[29]から[33]のいずれかに記載の化合物の製薬上許容される塩。
[35]多発性硬化症の再発の予防に使用されるための、下記化学構造式:
で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
[36]多発性硬化症が、他の多発性硬化症治療薬の治療効果が不十分な多発性硬化症である、[35]に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
[37]他の多発性硬化症治療薬がFTY-720である、[36]に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
[38]製薬上許容される塩が一塩酸塩である、[35]から[37]のいずれかに記載の化合物の製薬上許容される塩。
[39]多発性硬化症の身体的障害の進行の抑制に使用されるための、下記化学構造式:
で示される化合物又はその製薬上許容される塩。
[40]多発性硬化症が、他の多発性硬化症治療薬の治療効果が不十分な多発性硬化症である、[39]に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
[41]他の多発性硬化症治療薬がFTY-720である、[40]に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
[42]製薬上許容される塩が一塩酸塩である、[39]から[41]のいずれかに記載の化合物の製薬上許容される塩。
[43]多発性硬化症の治療剤又は予防剤を製造するための、下記化学構造式:
で示される化合物又はその製薬上許容される塩の使用。
[44]多発性硬化症が、他の多発性硬化症治療薬の治療効果が不十分な多発性硬化症である、[43]に記載の使用。
[45]他の多発性硬化症治療薬がFTY-720である、[44]に記載の使用。
[46]多発性硬化症が、再発寛解型多発性硬化症、一次性進行型多発性硬化症及び二次性進行型多発性硬化症からなる群から選択される、[43]から[45]のいずれかに記載の使用。
[47]多発性硬化症が、脱力感、運動失調、知覚神経異常、排尿障害、排便障害、精神障害及び記憶障害からなる群から選択される少なくともひとつの多発性硬化症の症状である、[43]から[46]のいずれかに記載の使用。
[48]製薬上許容される塩が一塩酸塩である、[43]から[47]のいずれかに記載の使用。
[49]多発性硬化症の再発の予防剤を製造するための、下記化学構造式:
で示される化合物又はその製薬上許容される塩の使用。
[50]多発性硬化症が、他の多発性硬化症治療薬の治療効果が不十分な多発性硬化症である、[49]に記載の使用。
[51]他の多発性硬化症治療薬がFTY-720である、[50]に記載の使用。
[52]製薬上許容される塩が一塩酸塩である、[49]から[51]のいずれかに記載の使用。
[53]多発性硬化症の身体的障害の進行を抑制するための剤を製造するための、下記化学構造式:
で示される化合物又はその製薬上許容される塩の使用。
[54]多発性硬化症が、他の多発性硬化症治療薬の治療効果が不十分な多発性硬化症である、[53]に記載の使用。
[55]他の多発性硬化症治療薬がFTY-720である、[54]に記載の使用。
[56]製薬上許容される塩が一塩酸塩である、[53]から[55]のいずれかに記載の使用。
本発明によれば、化合物AはMSの予防や治療に有効なだけでなく、寛解時期を長くすることや再発予防にも使用する剤として有効である。
図1は媒体、化合物Aの一塩酸塩又はFTY-720の塩酸塩を経口投与したEAEモデルマウス及び媒体を経口投与した通常マウスの臨床スコア推移を示す。 図2は媒体、化合物Aの一塩酸塩又はFTY-720の塩酸塩を経口投与したAdoptive transfer EAEマウスの臨床スコア推移を示す。
本明細書における用語の定義は以下のとおりである。
化合物AはN-[2-(6,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1H-インドール-6-イル]-N-メチル-(2S)-2-(モルホリン-4-イル)プロパンアミドであり、下記化学構造式:
で表される。
「製薬上許容される塩」とは、当技術分野で知られている過度の毒性を伴わない塩であればいかなる塩でもよい。具体的には、無機酸との塩、有機酸との塩、無機塩基との塩、有機塩基との塩などが挙げられる。様々な形態の製薬上許容される塩が当分野で周知であり、例えば以下の参考文献に記載されている:
(a) Bergeら, J. Pharm. Sci., 66, p1-19(1977)、
(b) Stahlら, 「Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use」(Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)、
(c) Paulekuhnら, J. Med. Chem., 50, p6665-6672 (2007)。
自体公知の方法に従って化合物Aと、無機酸、有機酸、無機塩基又は有機塩基とを反応させることにより、その製薬上許容される塩を各々得ることができる。化合物Aの製薬上許容される塩は、化合物A1分子に対し、2分の1分子、1分子もしくは2分子以上の酸又は塩基と形成されていてもよい。
無機酸との塩としては、フッ化水素酸、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、リン酸又は硫酸との塩が例示される。
有機酸との塩としては、酢酸、アジピン酸、アルギン酸、4-アミノサリチル酸、アンヒドロメチレンクエン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、エデト酸カルシウム、ショウノウ酸、カンファ-10-スルホン酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グリコリルアルサニル酸、ヘキシルレソルシン酸、ヒドロキシ-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-1-エタンスルホン酸、乳酸、ラクトビオン酸、リンゴ酸、マレイン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、メチル硫酸、メチル硝酸、メチレンビス(サリチル酸)、ガラクタル酸、ナフタレン-2-スルホン酸、2-ナフトエ酸、1,5-ナフタレンジスルホン酸、オレイン酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、ペクチン酸、ピクリン酸、プロピオン酸、ポリガラクツロン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、テオクル酸、チオシアン酸、トリフルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデカン酸、アスパラギン酸又はグルタミン酸との塩が例示される。
無機塩基との塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、ビスマス又はアンモニウムとの塩が例示される。
有機塩基との塩としては、アレコリン、ベタイン、コリン、クレミゾール、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、N-ベンジルフェネチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、アルギニン又はリジンとの塩が例示される。
「製薬上許容される塩」の好ましい態様は以下の通りである。
無機酸との塩としては、塩化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸又は臭化水素酸との塩が例示される。
有機酸との塩としては、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、グルクロン酸、オレイン酸、パモ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸又は2-ヒドロキシ-1-エタンスルホン酸との塩が例示される。
無機塩基との塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム又は亜鉛との塩が例示される。
有機塩基との塩としては、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N-メチルグルカミン又はリジンとの塩が例示される。
なかでも好ましい化合物Aの製薬上許容される塩は化合物Aの一塩酸塩であり、下記化学構造式:
で表される。
化合物A及びその製薬上許容される塩は公知の方法、例えば特許文献1又は特許文献2に記載の方法で製造することができる。
化合物A又はその製薬上許容される塩は溶媒和物として存在する場合がある。
「溶媒和物」とは、化合物A又はその製薬上許容される塩に、溶媒の分子が配位したものであり、水和物も包含される。溶媒和物は、製薬上許容される溶媒和物が好ましく、化合物A又はその医薬上許容される塩の水和物、エタノール和物、ジメチルスルホキシド和物などが挙げられる。
具体的には、化合物Aの半水和物、1水和物、2水和物又は1エタノール和物、或いは化合物Aのナトリウム塩の1水和物又は2塩酸塩の2/3エタノール和物などが挙げられる。公知の方法に従って、その溶媒和物を得ることができる。
化合物A又はその製薬上許容される塩は、実質的に精製された、化合物A又はその製薬上許容される塩が好ましい。さらに好ましくは、80%以上の純度に精製された、化合物A又はその製薬上許容される塩である。
本発明の多発性硬化症の治療剤又は予防剤は、医薬製剤の技術分野において公知の方法に従って、化合物A又はその製薬上許容される塩を、少なくとも1種以上の製薬上許容される担体等と、適宜、適量混合等することによって、製造される。該製剤中の化合物A又はその製薬上許容される塩の含量は、剤形、投与量などにより異なるが、例えば、剤全体の0.1から100重量%である。
本発明の治療剤又は予防剤は、経口的又は非経口的に投与することができる。投与形態としては、経口投与、又は静脈内、筋肉内、皮下、経皮、局所、直腸投与等の非経口投与が挙げられる。経口投与に適した剤形としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等が挙げられ、非経口投与に適した剤形としては外用剤、坐剤、注射剤、点眼剤、眼軟膏、貼布剤、ゲル、挿入剤、経鼻剤、経肺剤等が挙げられる。これらは、医薬製剤の技術分野において公知の方法に従って、調製することができる。
「製薬上許容される担体」としては、製剤素材として慣用の各種有機又は無機担体物質が挙げられ、固形製剤における賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤等、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等及び半固形製剤における基剤、乳化剤、湿潤剤、安定剤、安定化剤、分散剤、可塑剤、pH調節剤、吸収促進剤、ゲル化剤、防腐剤、充填剤、溶解剤、溶解補助剤、懸濁化剤等が挙げられる。更に必要に応じて、保存剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を用いてもよい。
「賦形剤」としては、乳糖、白糖、D-マンニトール、D-ソルビトール、トウモロコシデンプン、デキストリン、微結晶セルロース、結晶セルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴムなどが挙げられる。
「崩壊剤」としては、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロースなどが挙げられる。
「結合剤」としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、結晶セルロース、白糖、デキストリン、デンプン、ゼラチン、カルメロースナトリウム、アラビアゴムなどが挙げられる。
「流動化剤」としては、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
「滑沢剤」としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクなどが挙げられる。
「溶剤」としては、精製水、エタノール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油などが挙げられる。
「溶解補助剤」としては、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
「懸濁化剤」としては、塩化ベンザルコニウム、カルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコール、ポビドン、メチルセルロース、モノステアリン酸グリセリンなどが挙げられる。
「等張化剤」としては、ブドウ糖、D-ソルビトール、塩化ナトリウム、D-マンニトールなどが挙げられる。
「緩衝剤」としては、リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
「無痛化剤」としては、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
「基剤」としては、水、動植物油(オリーブ油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、ゴマ油、ヒマシ油など)、低級アルコール類(エタノール、プロパノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、フェノールなど)、高級脂肪酸及びそのエステル、ロウ類、高級アルコール、多価アルコール、炭化水素類(白色ワセリン、流動パラフィン、パラフィンなど)、親水ワセリン、精製ラノリン、吸水軟膏、加水ラノリン、親水軟膏、デンプン、プルラン、アラビアガム、トラガカントガム、ゼラチン、デキストラン、セルロース誘導体(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、合成高分子(カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなど)、プロピレングリコール、マクロゴール(マクロゴール200~600など)、及びそれらの2種以上の組合せが挙げられる。
「保存剤」としては、パラオキシ安息香酸エチル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸などが挙げられる。
「抗酸化剤」としては、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸などが挙げられる。
「着色剤」としては、食用色素(食用赤色2号又は3号、食用黄色4号又は5号など)、β-カロテンなどが挙げられる。
「甘味剤」としては、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテームなどが挙げられる。
本発明の治療剤又は予防剤の、ヒトを含む哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、サル等)に対する投与量は、投与対象、疾患、症状、剤形、投与ルート等により異なるが、例えば、ヒトの場合、成人の患者(体重約60kg)に経口投与する場合、1日あたり、有効成分である化合物Aに換算すると通常0.1mg~1g、好ましくは10mg~800mg、より好ましくは30~300mg、特に好ましくは50~200mgを、1日1回から数回に分けて投与することができ、食前、食後、食間を問わない。投与期間は特に限定されない。
化合物A又はその製薬上許容される塩は、多発性硬化症の治療剤又は予防剤の有効成分として用いることができる。
本明細書において「治療」とは、症状の改善、重症化の防止又は遅延も含む。
本明細書において「予防」とは、症状の発症を抑制することを意味する。
本発明において多発性硬化症は、他の多発性硬化症治療薬の治療効果が不十分な多発性硬化症であってもよい。
他の多発性硬化症治療薬としては、FTY-720、フマル酸ジメチル、テリフルノミド、グラチラマー、インターフェロンα-n1、インターフェロンβ、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、抗VLA-4抗体、抗CD52抗体、抗CD20抗体、フマル酸モノメチル、クラドリビン、副腎皮質刺激ホルモン、ナビキシモルス、ファムプリジン、デキストロメトルファン、ジロキシメル、アマンタジン、シポニモド、ポネシモド、オザニモド、ビオチン、マシチニブ、ミトキサントロン等が挙げられ、好ましくはFTY-720である。FTY-720は2-アミノ-2-[2-(4-
オクチル-フェニル)-エチル]-プロパン-1,3-ジオールであり、フィンゴリモドとしても知られる。
治療効果が不十分とは、多発性硬化症の症状の改善、重症化の防止又は遅延に対する効果が臨床上十分でないことを意味する。好ましくは、脱力感又は運動失調(身体的障害)の多発性硬化症の症状の改善、重症化の防止又は遅延に対する効果が臨床上十分でないことを意味する。
化合物A又はその製薬上許容される塩は、多発性硬化症の身体的障害の進行を抑制するための剤、多発性硬化症の寛解を維持するための剤(寛解維持剤)又は再発予防剤の有効成分として用いることができる。
多発性硬化症の身体的障害の進行を抑制するための剤とは、運動失調などの身体的障害の進行を停止または遅延させるための剤を意味する。
寛解を維持するための剤とは、症状が改善した期間を延長するための剤を意味する。
再発予防剤とは、寛解後の症状の発症を抑制する剤を意味する。
また多発性硬化症は進行のパターンで、再発寛解型、一次性進行型、二次性進行型及び進行再発型に分類される。化合物A又はその製薬上許容される塩は、いずれのタイプの多発性硬化症の治療剤又は予防剤の有効成分としても使用されうる。
更に、多発性硬化症の症状としては、脱力感、運動失調(身体的障害)、知覚神経異常、排尿及び排便障害、精神及び記憶障害などが挙げられるが、なかでも化合物A又はその製薬上許容される塩は、脱力感又は運動失調(身体的障害)に好ましく使用される。
本発明の治療剤又は予防剤を、医薬分野で行われている一般的な方法で、1又は複数の他の薬剤(以下、併用薬剤ともいう)と組み合わせて使用(以下、併用ともいう)することができる。
化合物A又はその製薬上許容される塩を含む薬剤及び併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、配合剤として投与してもよいし、両製剤を同時に又は一定の間隔をおいて投与してもよい。また、該薬剤及び併用薬剤からなるキットであることを特徴とする医薬として用いてもよい。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、疾患、症状、剤形、投与ルート、投与時間、組み合わせ等により適宜選択することができる。併用薬剤の投与形態は、特に限定されず、化合物A又はその製薬上許容される塩を含む薬剤と併用薬剤とが組み合わされていればよい。併用薬剤としては、他のMS治療薬、例えばFTY-720、フマル酸ジメチル、テリフルノミド、グラチラマー、インターフェロンα-n1、インターフェロンβ、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、抗VLA-4抗体、抗CD52抗体、抗CD20抗体、フマル酸モノメチル、クラドリビン、副腎皮質刺激ホルモン、ナビキシモルス、ファムプリジン、デキストロメトルファン、ジロキシメル、アマンタジン、シポニモド、ポネシモド、オザニモド、ビオチン、マシチニブ、ミトキサントロン等が挙げられる。
本発明の実施の一態様としては、化合物A又はその製薬上許容される塩の治療上有効量を哺乳動物に投与することを含んでなる、多発性硬化症を治療又は予防する方法、多発性硬化症の再発予防方法、寛解維持方法及び身体的障害の進行を抑制する方法が挙げられる。定義等は既述に準ずる。
本明細書において「有効量」とは、例えば、組織、系、動物若しくはヒトの生物学的若しくは医学的反応を惹起する、医薬又は薬剤の量を意味する。また、「治療上有効量」とは、かかる量を受容していない対応する対象と比較して、疾患、障害若しくは副作用の改善された、治療、治癒、予防若しくは改善をもたらすか、又は疾患の進行速度を減少させる任意の量を意味する。
本発明の実施の一態様として、化合物A又はその製薬上許容される塩を含む、多発性硬化症の治療又は予防用医薬組成物、多発性硬化症の再発予防用医薬組成物、多発性硬化症の寛解維持用又は多発性硬化症の身体的障害の進行を抑制用医薬組成物が挙げられる。定義等は既述に準ずる。
本発明の実施の一態様として、多発性硬化症の治療剤又は予防剤、多発性硬化症の再発予防剤、多発性硬化症の寛解維持剤及び多発性硬化症の身体的障害の進行を抑制するための剤の製造のための化合物A又はその製薬上許容される塩の使用が挙げられる。定義等は既述に準ずる。
本発明の実施の一態様として、多発性硬化症の治療又は予防、多発性硬化症の再発予防、多発性硬化症の寛解維持及び多発性硬化症の身体的障害の進行の抑制に使用されるための化合物A又はその製薬上許容される塩が挙げられる。定義等は既述に準ずる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の製剤例として、下記の製剤が挙げられる。しかしながら、本発明はこれら製剤例によって限定されるものではない。
製剤例1:カプセルの製造
1)化合物Aの一塩酸塩 30mg
2)微結晶セルロース 10mg
3)乳糖 19mg
4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1)、2)、3)及び4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例2:錠剤の製造
1)化合物Aの一塩酸塩 10g
2)乳糖 50g
3)トウモロコシデンプン 15g
4)カルメロースカルシウム 44g
5)ステアリン酸マグネシウム 1g
1)、2)及び3)の全量及び30gの4)を水で練合し、真空乾燥後、整粒を行う。この整粒末に14gの4)及び1gの5)を混合し、打錠機により打錠する。このようにして、1錠あたり化合物Aの一塩酸塩を10mg含有する錠剤1000錠を得る。
試験例1:マウス実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)モデルにおける、化合物Aの経口投与による臨床スコア増加の抑制効果
マウスEAEモデルを用いて、化合物Aによる臨床スコア増加抑制作用を評価した。評価は非特許文献3を参考に実施した。実験動物は、8週齢の雌性C57BL/6Jマウス(日本チャールス・リバー株式会社)を用いた。化合物Aの一塩酸塩を0.5%(w/v)メチルセルロース(MC)に溶解し、1mg/mL、3mg/mL及び6mg/mLの化合物A溶液を調製した。FTY-720の塩酸塩(Cayman Chemical社)を0.5%(w/v)MCに溶解し、0.01mg/mLのFTY-720溶液を調製した。
Normal群を除く全ての群に、1.5mg/mLのミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパクペプチド(MOG;ANASPEC社)及び2mg/mLのフロイント完全アジュバント(CFA;Chondrex社)を等比で混合したエマルジョンを、100μL/headの投与容量で両側腹部に皮下投与した(day1)。1μg/mLの百日咳毒素(PTX;List Biological Laboratories社)を200μL/headの投与容量で腹腔内投与した(day1及び3)。エマルジョンの投与日より1日1回17日間(day1~17)、Normal群及びVehicle群に0.5%(w/v)メチルセルロース(MC)を、化合物A投与群に1mg/mL、3mg/mL又は6mg/mLの化合物A溶液を、FTY-720投与群に0.01mg/mLのFTY-720溶液を、10mL/kgの投与容量でそれぞれ経口投与した。
臨床スコア(スコア0;正常、スコア1;尾の脱力、スコア2;後肢の脱力、スコア3;後肢の一部麻痺、スコア4;後肢の完全麻痺、スコア5;瀕死、死亡)については、個体毎にday1より18日間経日的に状態を観察しスコア化した。群毎の臨床スコアの平均値を算出し、その結果を図1に示した。
試験例2:マウスAdoptive transfer EAEモデルにおける、化合物Aの経口投与による臨床スコア増加の抑制効果
マウスAdoptive transfer EAEモデルを用いて、化合物Aによる臨床スコア増加抑制作用を評価した。評価は非特許文献3を参考に実施した。実験動物は、8週齢の雌性C57BL/6Jマウス(日本チャールス・リバー株式会社)を用いた。化合物Aの一塩酸塩を0.5%(w/v)メチルセルロース(MC)に溶解し、6mg/mLの化合物A溶液を調製した。FTY-720の塩酸塩(Cayman Chemical社)を0.5%(w/v)MCに溶解し、0.01mg/mLのFTY-720溶液を調製した。
実験動物に、1.5mg/mLのMOG及び2mg/mLのCFAを等比で混合したエマルジョンを、100μL/headの投与容量で両側腹部に皮下投与した。1μg/mLのPTXを200μL/headの投与容量で腹腔内投与した(皮下投与直後及び2日後)。実験動物から脾臓を採材し、脾細胞を得た(皮下投与7日後)。脾細胞を10ng/mLのrecombinant IL-23(R&D System社)と5mg/mLのMOGを含む培養培地で2日間培養した(皮下投与7日後から9日後)。6x10cells/mLに調製した細胞懸濁液を、全ての群に500μL/headの投与容量で腹腔内投与した(day1)。細胞懸濁液の投与日より1日1回19日間(day1~19)、Vehicle群に0.5%(w/v)MCを,化合物A投与群に6mg/mLの化合物A溶液を、FTY-720投与群に0.01mg/mLのFTY-720溶液を、10mL/kgの投与容量でそれぞれ経口投与した。
臨床スコア(スコア0;正常,スコア1;尾の脱力,スコア2;後肢の脱力,スコア3;後肢の一部麻痺、スコア4;後肢の完全麻痺,スコア5;瀕死、死亡)については、個体毎にday1より20日間経日的に状態を観察しスコア化した。群毎の臨床スコアの平均値を算出し、その結果を図2に示した。
本発明は化合物A又はその製薬上許容される塩の多発性硬化症を対象疾患とする新規医薬用途を提供する。

Claims (16)

  1. 下記化学構造式:

    で示される化合物又はその製薬上許容される塩を含有する、多発性硬化症の治療剤又は予防剤であって、多発性硬化症が、FTY-720の治療効果が不十分な多発性硬化症である、治療剤又は予防剤
  2. 多発性硬化症が、再発寛解型多発性硬化症、一次性進行型多発性硬化症及び二次性進行型多発性硬化症からなる群から選択される、請求項1に記載の治療剤又は予防剤。
  3. 多発性硬化症が、脱力感、運動失調、知覚神経異常、排尿障害、排便障害、精神障害及び記憶障害からなる群から選択される少なくともひとつの多発性硬化症の症状である、請求項1又は2に記載の治療剤又は予防剤。
  4. 製薬上許容される塩が一塩酸塩である、請求項1からのいずれか一項に記載の治療剤又は予防剤。
  5. 下記化学構造式:

    で示される化合物又はその製薬上許容される塩を含有する、多発性硬化症の再発の予防剤であって、多発性硬化症が、FTY-720の治療効果が不十分な多発性硬化症である、予防剤
  6. 製薬上許容される塩が一塩酸塩である、請求項に記載の予防剤。
  7. 下記化学構造式:

    で示される化合物又はその製薬上許容される塩を含有する、多発性硬化症の身体的障害の進行を抑制するための剤であって、多発性硬化症が、FTY-720の治療効果が不十分な多発性硬化症である、剤
  8. 製薬上許容される塩が一塩酸塩である、請求項に記載の剤。
  9. 多発性硬化症の治療剤又は予防剤を製造するための、下記化学構造式:

    で示される化合物又はその製薬上許容される塩の使用であって、多発性硬化症が、FTY-720の治療効果が不十分な多発性硬化症である、使用
  10. 多発性硬化症が、再発寛解型多発性硬化症、一次性進行型多発性硬化症及び二次性進行型多発性硬化症からなる群から選択される、請求項に記載の使用。
  11. 多発性硬化症が、脱力感、運動失調、知覚神経異常、排尿障害、排便障害、精神障害及び記憶障害からなる群から選択される少なくともひとつの多発性硬化症の症状である、請求項9又は10に記載の使用。
  12. 製薬上許容される塩が一塩酸塩である、請求項から11のいずれか一項に記載の使用。
  13. 多発性硬化症の再発の予防剤を製造するための、下記化学構造式:

    で示される化合物又はその製薬上許容される塩の使用であって、多発性硬化症が、FTY-720の治療効果が不十分な多発性硬化症である、使用
  14. 製薬上許容される塩が一塩酸塩である、請求項13に記載の使用。
  15. 多発性硬化症の身体的障害の進行を抑制するための剤を製造するための、下記化学構造式:

    で示される化合物又はその製薬上許容される塩の使用であって、多発性硬化症が、FTY-720の治療効果が不十分な多発性硬化症である、使用
  16. 製薬上許容される塩が一塩酸塩である、請求項15に記載の使用。
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