JP7406984B2 - 紫外線照射装置 - Google Patents

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本発明は、紫外線を照射する紫外線照射装置、及び被検査物の表面に紫外線を照射して被検査物の表面状態を解析する紫外線探傷装置に関するものであり、より詳細には蛍光磁粉探傷や蛍光浸透探傷等の蛍光体の励起に用いる紫外線照射装置に関する。
鋼材等の被検査物の表面の探傷検査としては、非破壊検査方法の一種である、磁粉探傷試験や浸透探傷試験が知られている。磁粉探傷試験では、被検査物の表面に磁粉または磁粉を含有する磁粉溶液を適用するとともに、被検査物に磁場を印加する等して被検査物を磁化する。被検査物の表面のクラック等の欠陥には磁束が集中するため、この磁束に磁粉が引き寄せられて磁粉による指示模様が形成される。そして、この磁粉指示模様を観測することで欠陥を検査する。磁粉探傷試験には、欠陥の検出精度を向上させるために、磁粉に蛍光体を含有した蛍光磁粉を用いる蛍光磁粉探傷試験がある。
一方で、浸透探傷試験では、まず、浸透液を被検査物の表面に適用して表面のクラック等の欠陥にこの浸透液を浸透させる。次に、表面に付着している余剰浸透液を除去し、現像剤粉末を表面に塗布して欠陥に浸透している浸透液を毛細管現象により表面に吸い出す。そして、この吸い上げられた浸透液による浸透指示模様を観察することで欠陥を検査する。浸透探傷試験には、欠陥の検出精度を向上させるために、蛍光体を含有する蛍光浸透液を用いる蛍光磁粉探傷試験がある。
磁粉探傷試験や浸透探傷試験において蛍光磁粉や蛍光浸透液を用いる場合には、被検査物に紫外線を照射して含有した蛍光磁粉や蛍光浸透液の蛍光体を励起させる必要がある。紫外線を照射する紫外線照射装置としては、光源に紫外線LED(Light Emitting Diode)を用いるものが知られている。
LEDは、その指向特性上、照射範囲の外縁付近においては紫外線強度が弱まる。よって、被検査物の表面のクラック等の欠陥の検出にばらつきがでてしまい、検査精度が低下するという問題があった。言い換えると、均一配光を得にくいという問題点がある。均一配光範囲とは、ここでは紫外線探傷の分野において、傷を発見できる程度の一定程度以上の紫外線強度を確保している範囲のことをいう。対策の一つとして、多くのLEDを線上に並べて光源にすることで高い紫外線放射強度かつ均一な紫外線放射紫外線強度分布を得ることが考えられるが、円形配光の集合となるため均一配光を得にくく、また多くのLEDが必要となることからコストアップを招くという問題が生じていた。
そこで、特許文献1では、基板上に矩形の格子状に実装された複数のLED素子を有する複数の発光部を有し、該複数の発光部に備えられたレンズをさらに有し、そのレンズ同士は、それらのレンズの集合体であるレンズアレイとして相互に接続されていて、発光部同士が、矩形であるため、その角度を変えて配置されている発光装置が開示されている。
特許文献1に記載された技術は、上述の導光板等を用いることである程度均一な配光を得ることはできるが、レンズを用いている以上、反射及び透過率によるエネルギーロスが生じてしまうことは避けられない。また、特許文献1では発光装置の外縁において、均一以下の強度の光が照射されるという点でロスが生じている。
特開2018-22884号公報
特許文献1の技術では、LEDの紫外線放射紫外線強度が中心(角度ゼロ)で最も強く、角度が大きくなるにしたがって低下するLEDの指向特性によって均一配光が得られにくい点について、ある程度考慮はされている。しかし紫外線探傷装置の分野においては、LEDのレンズを通した照射範囲において、その外縁部分の紫外線強度が弱まることにより、その外縁部分が検査に使用できないこととなって、エネルギーロスが生じているという問題がある。特許文献1の開示においては、円形的な配光を実現しているが、その配光の中心部分の紫外線強度は十分確保されるものの、その配光の外縁部分は紫外線強度が十分に確保されていないという問題は依然として残っている。この問題について、特許文献1の技術では解決は十分には示されていない。
また、レンズに光が入射及びレンズから光が出射する際に、光が反射してしまい、ロスが生じるという問題がある。また、レンズを透過する際に、ロスが生じてしまう問題がある。特許文献1の技術はレンズにより集光をしているため、これらのロスを生じてしまうこととなる。
そこで、紫外線LED照射装置において、これらのロスがなく、かつ広い範囲の均一配光を実現できるようなレンズの開発が望まれていた。
本発明の目的は、被検査物の表面に紫外線を照射して被検査物の表面状態を解析する紫外線探傷装置において、被照射面の照射領域における高い紫外線放射紫外線強度かつ均一な紫外線放射紫外線強度分布を実現でき、紫外線探傷検査の精度を向上させる紫外線照射装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の紫外線照射装置では、被照射面を紫外線により照射する紫外線LEDと、前記被照射面に集光するレンズを備えて、紫外線を照射することにより被検査物を照射する、紫外線探傷用の紫外線照射装置において、前記レンズは、鉛直方向において前記紫外線LEDと、前記被照射面との間に位置し、前記被照射面は、鉛直方向に前記レンズから所定の距離離れて位置し、また前記レンズは、その中心部分に穴部を備え、更に前記レンズは、前記紫外線LEDを光源としてビームが出射され、前記ビームが前記穴部を通り、前記被照射面上を直接照射する領域と、前記ビームが前記レンズを通過し、前記被照射面上において照射している領域とが、全部または一部が重複しているように、前記ビームが変換されるよう形成されていることを特徴とする。
更に、被照射面を紫外線により照射する紫外線LEDと、前記被照射面に集光するシリンドリカルレンズと同様の機能を備えたリニアフレネルレンズを備えて、紫外線を照射することにより被検査物を照射する紫外線照射装置において、前記リニアフレネルレンズは、鉛直方向において前記紫外線LEDと、前記被照射面との間に位置し、前記被照射面は、鉛直方向に前記リニアフレネルレンズから所定の距離離れて位置し、また前記リニアフレネルレンズは、その中心部分にスリット状の穴部を備えたことを特徴とする。
更に、本発明の紫外線照射装置は、被照射面を紫外線により照射する紫外線LEDと、前記被照射面に集光するレンズを備えて、紫外線を照射することにより被検査物を照射する紫外線照射装置において、前記レンズは、鉛直方向において前記紫外線LEDと、前記被照射面との間に位置し、前記被照射面は、鉛直方向に前記レンズから所定の距離離れて位置し、また前記レンズは、その中心部分にコーティング部を備え、更に前記レンズは、前記紫外線LEDを光源として、ビームが前記コーティング部を通り、前記被照射面上を照射する領域と、前記ビームが前記レンズを通過し、前記被照射面上において照射している領域とが、全部または一部が重複しているように、前記ビームが変換されるよう形成されていることを特徴とする。
更に、本発明の紫外線照射装置は、被照射面を紫外線により照射する紫外線LEDと、
前記被照射面に集光するシリンドリカルレンズと同様の機能を備えたリニアフレネルレンズを備えて、紫外線を照射することにより被検査物を照射する紫外線照射装置において、前記リニアフレネルレンズは、鉛直方向において前記紫外線LEDと、前記被照射面との間に位置し、前記被照射面は、鉛直方向に前記リニアフレネルレンズから所定の距離離れて位置し、また前記リニアフレネルレンズは、その中心部分にスリット状のコーティング部を備えたことを特徴とする。
更に、前記紫外線照射装置は、紫外線透過保護フィルタを備えたことを特徴とする。
本発明の紫外線照射装置では、被照射面を紫外線により照射する紫外線LEDと、被照射面に集光するレンズを備えて、紫外線を照射することにより被検査物を照射する、紫外線探傷用の紫外線照射装置において、ンズは、鉛直方向において紫外線LEDと、被照射面との間に位置し、照射面は、鉛直方向にレンズから所定の距離離れて位置し、またレンズは、その中心部分に穴部を備え、更にレンズは、紫外線LEDを光源としてビームが出射され、ビームが穴部を通り、被照射面上を直接照射する領域と、ビームがレンズを通過し、被照射面上において照射している領域とが、全部または一部が重複しているように、ビームが変換されるよう形成されていることを特徴とするので、同じ出力の紫外線LED光源を使用した場合において、被照射面上を穴部を通過した光が直接照射すること及びそれをレンズを通過して集光された光が補強する形となり、被照射面の照射範囲における高い紫外線放射強度を確保することができる。また、当該照射範囲において一定以上の紫外線強度を確保しつつその紫外線強度の分布が均一となる、均一配光を実現することができ、かつエネルギー効率を高め、探傷検査の精度を向上させることができる。
更に、本発明の紫外線照射装置によれば、被照射面を紫外線により照射する紫外線LEDと、被照射面に集光するシリンドリカルレンズと同様の機能を備えたリニアフレネルレンズを備えて、紫外線を照射することにより被検査物を照射する紫外線照射装置において、ニアフレネルレンズは、鉛直方向において紫外線LEDと、被照射面との間に位置し、照射面は、鉛直方向にリニアフレネルレンズから所定の距離離れて位置し、またリニアフレネルレンズは、その中心部分にスリット状の穴部を備えたことを特徴とするので、スリット状の穴部を通過し直接紫外線光が照射範囲に照射され、またレンズがその照射範囲付近に集光をする機能をもつため、高強度で長い帯状の均一配光を実現することができ、かつエネルギー効率を高め、探傷検査の精度を向上させることができる。
更に、本発明の紫外線照射装置は、被照射面を紫外線により照射する紫外線LEDと、被照射面に集光するレンズを備えて、紫外線を照射することにより被検査物を照射する紫外線照射装置において、ンズは、鉛直方向において紫外線LEDと、被照射面との間に位置し、照射面は、鉛直方向にレンズから所定の距離離れて位置し、またレンズは、その中心部分にコーティング部を備え、更にレンズは、紫外線LEDを光源として、ビームがコーティング部を通り、被照射面上を照射する領域と、ビームがレンズを通過し、被照射面上において照射している領域とが、全部または一部が重複しているように、ビームが変換されるよう形成されていることを特徴とするので、同じ出力の紫外線LED光源を使用した場合において、被照射面上を、コーティング部を通過した光が照射すること及びそれをレンズを通過して集光された光が補強する形となり、被照射面の照射範囲における高い紫外線放射強度を確保することができる。また、当該照射範囲において一定以上の紫外線強度を確保しつつその紫外線強度の分布が均一となる、均一配光を実現することができ、かつエネルギー効率を高め、探傷検査の精度を向上させることができる。
更に、本発明の紫外線照射装置は、被照射面を紫外線により照射する紫外線LEDと、被照射面に集光するシリンドリカルレンズと同様の機能を備えたリニアフレネルレンズを備えて、紫外線を照射することにより被検査物を照射する紫外線照射装置において、ニアフレネルレンズは、鉛直方向において紫外線LEDと、被照射面との間に位置し、照射面は、鉛直方向にリニアフレネルレンズから所定の距離離れて位置し、またリニアフレネルレンズは、その中心部分にスリット状のコーティング部を備えたことを特徴とするので、スリット状のコーティング部を通過し紫外線光が照射範囲に紫外線強度を維持したまま照射され、またレンズがその照射範囲付近に集光をする機能をもつため、高強度で長い帯状の均一配光を実現することができ、かつエネルギー効率を高め、探傷検査の精度を向上させることができる。
更に、本発明の紫外線照射装置は、紫外線透過保護フィルタを備えたことを特徴とするので、可視光をカットすることが可能となり、可視光が照射されてしまう場合に比べて作業環境が改善され、可視光による検査員によるキズの見落としの防止に寄与することができる。
本実施形態に係る紫外線照射装置及び照射されたビームの軌跡及びその照射範囲の一例が示された概略図である。 図1の紫外線探傷装置の照射するビームのうち、穴部を通過するビームに着目した概略図である。 図1の紫外線探傷装置の照射するビームのうち、レンズを通過するビームに着目した概略図である。 図1の紫外線探傷装置に用いるレンズを示した図である。 本実施形態に係る紫外線探傷装置及び照射されたビームの軌跡及びその照射範囲の他の例が示された概略図である。 図5の紫外線探傷装置において用いられるリニアフレネルレンズの一例を示した図である。 本実施形態における紫外線LED及びリニアフレネルレンズを複数備えた紫外線照射装置を直列に複数並べた図である。 本実施形態における他の一例として、コーティング部を備えたレンズを示したものである。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。図1は本実施形態に係る紫外線照射装置の一例及びそのビームの軌跡、照射範囲が示された概略図であり、図2は図1の紫外線探傷装置が照射するビームのうち、後述するレンズ10の穴部12を通過するビームに着目した概略図である。図3は、図1の紫外線探傷装置が照射するビームのうち、レンズ10を通過する、穴部12を通過しない、ビームに着目した概略図である。図4(Xー1)及び(Xー2)、(Xー3)は、レンズ10の上面図及び側面図、断面図をそれぞれ示した図である。図5は、本実施形態に係る紫外線照射装置の他の一例として、シリンドリカルレンズの機能を持つリニアフレネルレンズが用いられた場合の例、及びそのビームの軌跡、照射範囲が示された概略図である。図6(Xー1)~(Xー3)は、それぞれリニアフレネルレンズ30の上面図、側面図、及び正面図をそれぞれ図示している。なお、リニアフレネルレンズ30の表面の、のこぎり状の断面部分については一部、図示を省略している。図7は、紫外線照射装置として図5の例を、さらに複数並べて配置した、本発明における紫外線照射装置の他の一例を示したものである。図8は、穴部の代わりにコーティング部を有する本発明における紫外線照射装置の一例を示したものである。
この紫外線照射装置1は、磁粉探傷試験や浸透探傷試験において蛍光磁粉や蛍光浸透液を用いる場合に、被検査物に紫外線を照射して含有した蛍光磁粉や蛍光浸透液の蛍光体を励起させるために被検査物の表面に紫外線を照射するものである。本開示では説明のために、被照射面として検査台3を示すこととした。本実施形態に係る紫外線探傷装置用の紫外線照射装置は、収納箱4に格納されて、紫外線により照射する紫外線LED2及び、集光レンズとしてレンズ10、リニアフレネルレンズ30等を備えている。なお、以下では、説明の便宜上、図1~3、図5の検査台3側を下、紫外線LED2及び22側を上とし、図1~3、5のそれぞれの手前側を正面、奥側を奥と呼ぶこととする。以下、本開示の探傷装置用の紫外線照射装置の具体的な構成について説明する。
紫外線照射装置1は、紫外線LED2と集光レンズとして備えられたレンズ10、リニアフレネルレンズ30等とを取り囲み、紫外線LED2から発せられた紫外線を出射する紫外線出射口を有する収納箱4、21を更に備えてもよい。紫外線出射口には、可視光を遮断することができる紫外線透過フィルタを配置することが好ましい。この紫外線透過フィルタは、紫外線LED2から発せられる僅かな可視光を可視光の波長範囲である、概ね400nm~700nmの範囲でカットするものであり、被検査物から検出された欠陥がグラインダー等で切削された被検査物表面の金属光沢面を検査する際に、金属光沢面に可視光が反射して作業員が眩しくなることを防止することで検査作業を改善することができる。
図1に示すように、レンズ10は、紫外線LED2から放たれた光を、検査台3へ向けて集光するレンズである。鉛直方向に、紫外線LED2と被検査台3との間に位置し、被検査台3に図示しない検査物が載置された際にその検査物の表面を照射することとなり、その面が厳密には被照射面であるが、説明の便宜上、これを検査台3に代替させて、検査台3の表面を被照射面として説明することとした。被照射面は仮想の平面であり、被検査物は平面とは限らないためである。図示しない被検査物と検査台3は、鉛直方向にレンズ10から所定の距離離れて位置するものとする。
さらに図1を用いて光線の軌跡及び照射範囲を詳述する。紫外線LED2から放たれ、レンズ10を通る光線として、便宜上ビームh、i、j、k及びビームα、βを取り上げる。なお、中心軸γは、紫外線LED2の光の中心軸であり、紫外線LED2から鉛直方向に伸びる直線である。ビームh、kはレンズを通る設計上使用可能な光線のうち最も外側の光線である。ビームi、jはそれぞれレンズ10が光線の方向を変換可能なもののうちレンズにおいて最も内側を通る光線である。
ビームα及びβは、レンズ10の穴部12の最も外側を通る光線と同じ軌跡を示した仮想線である。上記のビームh、i、j、k及びビームα、βは、図1(Y)のX-X方向断面だけでなく、Y―Y方向断面においても、他の径方向の断面においても、上に定義された位置と同じ位置にある光線は、同じ符号で呼ぶものとする。ビームαとビームβに囲まれた、紫外線LED2から放たれたビームの束が、レンズ10の穴部を通過し、被照射面である検査台3を直接照射している範囲を領域Lとする。また図3に示される、領域Mは、ビームi、j、h、kに囲まれたビームが照射している領域であり、レンズ10が射線を変換する光線のみにより照射された領域である。なお、使用する紫外線LEDのLED素子の配置により領域L及びMの外縁の形状は異なりうる。
図2を参照しつつ、さらに紫外線照射装置2及びその照射範囲について詳述する。領域Lと領域Mはほぼ重なることが好ましい。つまり、ビームαとビームhは被照射面上において交点を形成していることが最も好ましい。ビームβとビームkも同様に被照射面上において交点を形成していることが最も好ましい。このようにビームの軌跡を変換するレンズ10とすることで、レンズ10を通過した、ビームh、i、j、kに囲まれ、領域Mを照射するビームの束が、この領域Lの紫外線強度の不足を補完する形で照射されることとなり、より強度の少ない紫外線LED、あるいはより少ない数の紫外線LEDにより、より広い範囲を均一配光範囲とすることが可能となる。より高強度の紫外線光を照射範囲においてより広く得るため、ビームi、j等、レンズを通過して領域Mを照射するビームのうち最も内側の光線は、中心軸γ側に屈折し、領域Lの反対側の外縁(図1におけるhとαの交点付近)を照射するようにし、外側のビームになるにつれて、なだらかに屈折方向を調整し、レンズ10を通過するビームは、径方向にに穴部をまたいで左断面15、右断面16と2つの断面を持つが、この2つの断面を通過するビームは、領域L全域を重複するように照射することが好ましい。このようにレンズの断面の左右を通過する光同士も重複させることで、均一配光で、かつより高強度の紫外線を照射することができる。ただし、この実施形態に限定されるものではなく、穴部12を通過するビームの照射範囲と、レンズ10を通過し、屈折するビームの照射範囲が、所定の距離離れた被照射面において大部分重なってさえいれば、その照射範囲において重複した部分においては高い紫外線強度が確保できるため、好適である。ただし、中心軸γ付近を、穴部12を通過しないビームが照射しないレンズとしてしまうと、照射範囲の中心部の紫外線強度が十分に確保できないため、好ましくない。少なくとも、中心軸γ付近を、ビームi、j等が照射し、領域Mは中心部に穴が開かない形の照射範囲とするようなレンズ10とすることが、紫外線強度を十分に確保し、かつ均一配光範囲を広くとる点から、好ましい。
仮想線α及びβは、中心線γから円錐状に照射されるビームの最外側のビームの軌跡と同一の直線であり、仮想線αと中心軸γ、仮想線βと中心軸γのなす角θは、指向特性との関係から5~30度であることが好ましい。5度以下であると穴部12があることの効果があまり得られず、30度以上であると、指向特性との関係上、穴部12を通過するビームに対してレンズを通るビームの相対強度が弱くなりすぎることから、照射範囲において均一な強度を維持できなくなる。
なお、これまで図1~3において、ビームh、i、j、k及び仮想線α、β、中心軸γを用いて説明を行ってきた。これは図1の(Y)のX方向を幅方向として、そのX―X断面図として図1(X)、図2(X)、図3(X)を示して説明したものであるが、例えば図1(Y)のY方向でもビームh、i、j、k及び仮想線α、β、中心軸γについてこれまで説明した点は同様である。すなわち、径方向であれば、いかなる方向において断面をとった場合でも、これまでの説明は成り立つものである。このようになるのは、レンズ10に円形のレンズを用いるためである。
次に、図4を示しつつ、レンズ10について説明する。レンズ10はリニアフレネルレンズであるが、説明の必要上レンズ10と表現する。レンズ10の表面14は、図4(X-1)のx-x断面である(X-3)の拡大部分に示されるように、のこぎり状の断面となっている。図4(X―1)においては、この断面視でのこぎり状の凸部が環状に必要数形成されている。図4の(X―1)~(X―3)の拡大部分を除く部分については、のこぎり状の部分は図示を省略している。
また、レンズ10の厚みについて、0.3ミリメートル以下では実用上製造が難しく、2.0ミリメートル以上であると、穴部12の断面による反射で、意図しない方向に光が反射しやすくなる。これに対し、0.3ミリメートル~2.0ミリメートルの厚みだと、穴部12の断面による反射がなく、効率よく照射できるため、好適である。また、レンズの厚みを薄くすることが可能であるという点において、リニアフレネルレンズをレンズ10に使用することが好適である。なお、レンズ10において、穴部12の代わりに、穴部12と同じ位置に反射防止膜が施されたコーティング部を設けてもよい。この場合でも穴部12を設けたのと同様の効果が得られる。反射防止膜をレンズ10中央の表面に施すことにより、この部分の反射率が低下することで、コーティング部を通過するビームの紫外線強度は維持されるので好適である。反射防止膜を施すこと自体は公知の技術による。
次に、図5を示しつつ、本実施形態に係る紫外線探傷装置の他の一例であるリニアフレネルレンズ30について詳述する。
紫外線照射装置20は、紫外線LED22を備え、集光レンズとしてリニアフレネルレンズ30をさらに備える。紫外線LED22、リニアフレネルレンズ30を取り囲み、紫外線LED22から発せられた紫外線を出射する紫外線出射口を有する収納箱21を更に備えてもよい。紫外線出射口には、可視光を遮断することができる紫外線透過フィルタを配置することが好ましい。この紫外線透過フィルタは、紫外線LED22から発せられる僅かな可視光を可視光の波長範囲である、概ね400nm~700nmの範囲でカットするものであり、被検査物から検出された欠陥がグラインダー等で切削された被検査物表面の金属光沢面を検査する際に、金属光沢面に可視光が反射して作業員が眩しくなり欠陥を見落とすことを防止することで検査作業、検査精度を大幅に改善することができる。
リニアフレネルレンズ30は、紫外線LED22から放たれた光を、検査台23へ向けて集光するレンズである。鉛直方向に、紫外線LED22と被検査台3との間に位置し、被検査台3に図示しない検査物が載置された際にその検査物の表面を照射することとなり、その面が厳密には被照射面であるが、説明の便宜上、これを検査台23に代替させて、検査台3の表面を被照射面として説明する。被照射面は仮想の平面であり、被検査物は平面とは限らないためである。図示しない被検査物と検査台23は、鉛直方向にレンズ10から所定の距離離れて位置するものとする。なお、リニアフレネルレンズ30はシリンドリカルレンズと同様な、細長い照射範囲として配光する機能を、リニアフレネルレンズを作成する公知の技術において作製したものである。
さらに図5を用いて光線の軌跡及び照射範囲を詳述する。図5(X)は図5(Y)のX方向の断面を示した図である。紫外線LED22から放たれ、リニアフレネルレンズ30を通る光線として、便宜上ビームq、r、s、t及びビームv、wを取り上げる。なお、中心軸γは、紫外線LED22においても、その光の中心軸であり、紫外線LED22から鉛直方向に伸びる直線である。ビームq、tは設計上使用可能な光線のうち最も外側の光線である。ビームr、sはそれぞれリニアフレネルレンズ30が光線の方向を変換可能なもののうち、リニアフレネルレンズ30において最も内側を通る光線である。ビームv及びwは、リニアフレネルレンズ30の穴部41の最も外側を通る光線である。つまりビームvとwに囲まれた領域Aは、リニアフレネルレンズ30の本体を通過せず、リニアフレネルレンズ30の穴部41を通過し、紫外線LED22から放たれたビームが直接検査台23を直接照射する範囲である。また領域Bは、ビームq、r、s、tに囲まれた範囲であり、リニアフレネルレンズ30が射線を変換する光線により照射された領域である。このビームq、r、s、t、v、wの定義は、レンズ30やその照射領域Aないし領域Bの幅方向における他の断面、例えば図5(Y)における、Z-Z断面やこれと並行な位置である他の直線における断面においても、変わらない。
領域Aは、領域Bとほぼ重なっていることが好ましい。この場合、領域Aと領域Bはほぼ同じ範囲となることとなる。重なっていない場合であっても、少なくとも領域Aは、領域Bの範囲内に収まっていることが好ましい。このようにビームの束を変換可能なレンズとすることで、十分な紫外線強度をもつビームvからwまでの範囲の、リニアフレネルレンズ30の穴部41を通過するビームの束により直接照射された領域Aにおいて、紫外線強度が要求水準よりも不足するときに、リニアフレネルレンズ30を通る光である、ビームq、r、s、tに囲まれた領域を照射するビームの束が、これを補完する役割を果たすこととなる。補完する役割を果たすためには、領域Bは、領域Aをすべてカバーする必要がある。このようにビームを変換するリニアフレネルレンズ30とすることで、領域Aの紫外線強度が足りない部分において、リニアフレネルレンズ30を通過した、ビームq、r、s、tに囲まれ、領域Bを照射するビームの束が、この領域Lの紫外線強度不足を補完する形で照射されることとなり、より強度の少ない紫外線LED、あるいはより少ない数の紫外線LEDにより、より広い範囲を均一配光範囲とすることが可能となる。
ビームv、wは、領域Aを照射する最外側のビームであり、仮想線vと中心軸γ、仮想線wと中心軸γのなす角Σは、指向特性との関係から5~30度であることが好ましい。角Σが5度以下であると、穴部41を設けた効果が実用上十分得られず、また30度以上であると、幅方向において均一配光を得にくくなり好ましくない。
領域Bを照射するビームr及びビームs等、つまり領域Bを照射するビームの内最もレンズの内側の付近を通過して照射するビームは、レンズを通過する際に、そこから、中心軸γを挟んで反対側の、領域Aの外側付近を照射するようビームを変換する。そして、レンズを通過するビームが、レンズの通過地点がレンズの外側になるにつれて徐々にその屈折方向が調整される。そして、その結果レンズの最も外側を通るビームは、レンズを通過した後、中心軸γを超えずに、レンズのビームが通過した部分からみて中心軸γとは反対側の、領域Aの外側付近を照射する。このようにビームを変換するようなリニアフレネルレンズ30が形成されていることが好ましい。
図5を用いてさらに詳述する。中心軸γ、及びこれと直交する、穴部41の長手方向の、図5(Y)におけるY―Y直線の両方が通過する平面を仮想平面60とする。この仮想平面60を境として、左断面42を通過するビームqは、仮想平面60より左側の、穴部41を通るビームvが照射する最も外側の領域を照射し、徐々に屈折の度合いを調整することで、仮想平面60を超えて右側の端までを照射するようにビームを変換し、最終的にビームrのように右側の端の、ビームwが照射しているのと同じ部分を照射する。
同様に右断面43を通過する光は、仮想平面60を超えて左側までを照射する。まず、仮想平面60より右側の、穴部41を通るビームwが照射する最も外側の領域を照射し、徐々に屈折を調整することで、仮想平面60を超えて左側の端までを照射するようにビームを変換するようにし、最終的にビームvが照射するのと同様の部分をビームsが照射するように変換される、リニアフレネルレンズ30であることが好ましい。
このように変換するリニアフレネルレンズ30を備えた紫外線照射装置であれば、エネルギーロスが少なく、かつムラが少なく、広い範囲で均一配光を実現することができる。最も好ましいのは、領域Bと領域Aとが可能な限り同一の領域として重なっていることである。この形であれば、エネルギーロスが少なく、かつムラがなく、高強度かつ均一な配光を実現することができる。ただし、この実施形態に限定されるものではなく、リニアフレネルレンズ30を通過し、屈折するビームの照射範囲、つまり領域Bと、穴部41を通過し、屈折せず直進するビームの照射範囲である領域Aとが重なってさえいれば、好適である。ただし、領域Bにおいて、中心軸γ付近の中心部を照射しないレンズとしてしまうと、照射範囲において十分な紫外線強度が確保できず、好ましくない。少なくとも、中心軸γ付近をビームr、s等が照射する形となっていて、領域Bの中心部に穴がない照射範囲とするようにリニアフレネルレンズ30を形成することが、十分な紫外線強度を確保し、かつ均一配光とする点から、好ましい。
なお、今までの説明におけるビームq、r、s、t、v、w及び中心軸γの関係は、図5(X)を用いて説明し、図5(X)は図5(Y)のX方向の断面図を概略したものであるが、例えば図5(Y)のZ方向の断面であっても今まで説明したような関係は同様である。これが、図5(X)の奥方向、手前方向にずれても、上に説明したような図5(X)に示すビームの関係は変わらない。
次に図6を示しつつリニアフレネルレンズ30の形状について説明する。図6(Xー1)において示されるように、リニアフレネルレンズ30の幅方向の中心に、スリット状の穴部41が設けられている。穴部41は矩形であってもよいし丸みを帯びてもよいが、長手方向はある程度直線状であることが好ましい。(Xー2)及び(Xー3)に示されるように、リニアフレネルレンズ30は薄型に形成されている。
次に、従来のレンズと比較しつつ本発明に係る実施形態の例であるレンズ10、リニアフレネルレンズ30の利点を詳述する。従来のように穴部を備えない通常のレンズを用いて集光をする場合、紫外線光源から、ビームがレンズに入射する際に、レンズ表面においてまず反射することにより、エネルギーロスが発生する。入射角0度の場合、反射率は約4パーセントとなる。レンズから出射する際も同様に約4パーセントとなる。このため、紫外線がレンズを通過することで発生する反射によるエネルギーロスは、約8パーセントとなる。紫外線LED光源に日亜化学のNVSU333Aを用いた場合、入射角が42度の場合、反射率は約2倍の約8パーセントに達する。指向特性による相対光度が50パーセントの場合の、いわゆる半値角のビームを使用した場合、反射率は約17パーセントに達する。半値角までのビームをすべて使用した場合、入射角0度から60度までにおける反射率、つまりエネルギーロスは、約7,5パーセントとなる。入射時と出射時のエネルギーロスとを合計すると、約15パーセントのロスとなる。
また、レンズの透過率によるエネルギーロスも存在する。通常のレンズを用いる場合、可視光線と比較して紫外線の透過率は低下する傾向にある。また、紫外線により材質が劣化し、透過率はさらに低下することとなる。このため、使用状態における紫外線透過率は85パーセント前後としておく。入射時のロスにより、85パーセント程度のエネルギーが残存し、そこからさらに透過率の減算により85パーセントのエネルギーが残存することとなる。従ってこの場合、反射と透過率によるエネルギーロスは、0.85×0.85=0.7225となり、72パーセントのエネルギーが残存することになる。従って、エネルギーロスとしては、約28パーセントのロスが発生することとなる。本実施形態においては、レンズ10及びリニアフレネルレンズ30において、穴部12、41を設けているため、これら穴部12、41を通過するビームは、被照射面である検査台3を直接照射する。従って、上記のレンズ通過によるエネルギーロスは発生せず、レンズを通過する光と合算しても、エネルギーロスは大幅に低下することとなる。
なお、本発明においては、被照射面の照射面全域において、紫外線放射紫外線強度の平均値の±10パーセントの範囲に紫外線放射紫外線強度が収まっている場合に、均一配光が実現されているとしている。
被照射面及び各領域の寸法は限定されるものではない。レンズ10、リニアフレネルレンズ30から被照射面までは所定の距離離れている。紫外線探傷装置に使用される場合、この距離は300mm~1200mm程度である。
ここで、本発明のリニアフレネルレンズ30、レンズ10の典型的な寸法及び材質について説明する。リニアフレネルレンズ30における各溝一辺の長さ(ピッチpt)は、約0.1~0.3mmである。各フレネル面およびライズ面のサイズは、フレネル面の幅が約0.15mm~0.40mmであり、ライズ面の鉛直方向の高さが約0.05mm~0.15mmである。なお、これらの寸法は限定されるものではなく、均一な紫外線放射紫外線強度分布を得る観点から適宜設計することができる。
また、リニアフレネルレンズ30、レンズ10共にリニアフレネルレンズであることから、レンズの厚みを薄く形成することが可能である。これらレンズの薄さを0.3mm~2.0mmに形成することで、次の利点がある。まず、0.3ミリメートル以下では実用上製造が難しく、2.0ミリメートル以上であると、穴部12の断面による反射で、意図しない方向に光が反射しやすくなる。これに対し、0.3ミリメートル~2.0ミリメートルの厚みだと、穴部12の断面による反射がなく、効率よく照射できるため、好適である。また、レンズの厚みを薄くすることが可能であるという点において、レンズ10、リニアフレネルレンズ30に、リニアフレネルレンズを用いることが、好適である。
リニアフレネルレンズ30及びレンズ10の材質としては、従来用いられる透明な樹脂を用いることができ、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等が用いられ、これらの樹脂と、フレネルレンズの逆形状を有する金型を用いて、プレス成形法等の方法により成形すればよい。
次に、本実施形態に係る紫外線照射装置20を複数備えた一例としての紫外線探傷装置を説明する。
紫外線照射装置20は、図7に示すように、被検査物の長手方向に複数直線状一列に並べて配置してもよい。被検査物には、ビレット等を用いることも多く、細長い被検査物の場合、このように長手方向に紫外線照射装置20を並べることが好ましい。図7においては、紫外線LED22とリニアフレネルレンズ30等のユニットが5つ備えられた紫外線照射装置を並べて配置しており、紫外線LED22の右側から3個目のLEDより左側が、均一配光となる。図7の紫外線探傷装置の左端も同様である。各ビームは各紫外線LED22から出射され、リニアフレネルレンズ30を通過した紫外線の配光全角の端縁が、被照射面において、その紫外線LED22の隣、又はさらに先隣に配置された紫外線LED22の光軸とほぼ一致するように配置されるのが好ましい。これにより、右側から3個目のLEDより左側が全領域にわたって隣接する紫外線LED22の配光が重ね合わされて、均一な紫外線放射紫外線強度分布が得られる。
次に、コーティング部について図8を参照しながら詳述する。図8は本発明の紫外線照射装置の他の一例として、レンズ10やリニアフレネルレンズ30の、穴部12、41の部分の表面に、穴部12、41の代わりに反射防止膜を施したコーティング部52、53を備えている。コーティング部52、53はそれぞれ、反射防止膜50、51をレンズ両面に備える。レンズのコーティング部で覆われていない部分を、レンズ外側54、レンズ外側55とする。反射防止膜50、51は、ARコーティング技術を用いることが好適である。つまり、反射防止膜はフッ化マグネシウムなどを真空蒸着させて透明な薄膜とすると好適である。反射防止膜の厚みは光の波長の4分の1とし、薄膜の反射光と、基材であるレンズの入射時の反射光を、逆位相とすることで打ち消しあわせることで、反射率を低減させ、透過率を高めることができる等ARコーティングとしての公知の技術を用いることができる。
図8のように、レンズ10に穴部12のかわりに反射防止膜50を設け、コーティング部52とし、リニアフレネルレンズ30の穴部41の代わりに反射防止膜51をスリット状に中央に設けることで、コーティング部53とすることで穴部を通過する光が被照射面を直接照射することと同様の現象がコーティング部52、53によって実現できるため、レンズ外側54、55を通過する光と、コーティング部52、53を通過する光が、同様の照射領域であれば、紫外線強度が増す等、レンズ10及びリニアフレネルレンズ30において、穴部12及び穴部41を有する場合として、上述してきたのと同じ構成であれば、同じ効果を得ることができ、好適である。図8に開示されているレンズはすべて、レンズの薄さを0.3mm~2.0mmに形成することが好適である等、本開示の図1及び図5等を用いて説明したものと、穴部以外は全く同様の構成である。なお、反射防止膜は多層膜で形成されていてもよく、またARコーティング以外であっても、反射防止膜として、例えばナノ粒子膜を用いたコーティング等公知の技術によるものであってもよい。
以下に実施例を示して、本開示を更に詳細、且つ具体的に説明する。しかしながら、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
実施例1には、図5に示される本実施形態に係る紫外線照射装置1が用いられた。すなわち、紫外線照射装置1は、被照射面を紫外線により照射する紫外線LED2と、被照射面上を照射するよう集光するリニアフレネルレンズである、リニアフレネルレンズ30とを備え、リニアフレネルレンズ30は、穴部41を備え、レンズ10を通過するビームは領域Aを照射するように変換され、穴部12を通るビームは領域Bを照射するようにリニアフレネルレンズ30は形成されており、かつ、領域AとBの範囲はほぼ重なっている、リニアフレネルレンズ30の薄さは0.5ミリメートルである等、本発明の特徴を有している。
実施例1の紫外線照射装置1に用いられるリニアフレネルレンズ30は、アクリル樹脂製であり、種類としてはリニアフレネルレンズであるリニアフレネルレンズ30から400mmの離れた距離に位置する被照射面の、図5における横方向である幅方向の照射幅200mmの照射範囲における紫外線放射強度の均一化を目的として、面長40mm、厚さt=0.5mm、ピッチpt=0.2mmで構成し、加工によって作製した。なお、紫外線LED2は、型式NVSU233B-D4であり、ピーク波長が365nmであるものが用いられた。
比較例1の紫外線照射装置については、リニアフレネルレンズ30に穴部41を備えておらず、照射範囲としては実施例1と同様の範囲である領域Bと同じ範囲を照射するように形成されたレンズが使用された。それ以外の条件、400mm離れた距離である、紫外線LEDは型式NVSU233B-D4であるといった条件は同じである。
<評価方法>
(紫外線放射紫外線強度分布試験)
実施例1、比較例1の紫外線照射装置を用いた場合における被照射面の紫外線放射強度分布が測定された。各レンズから400mmの離れた距離に位置する被照射面3の照射幅200mmの領域における紫外線放射強度分布が測定された。その結果、実施例1においては、照射幅全域において、その紫外線放射紫外線強度の平均値の±10パーセントの範囲に紫外線放射紫外線強度が収まっており、また、その紫外線強度が照射幅における平均で従来に比べ約10パーセント改善していることが確認できた。つまり、紫外線強度が均一化され、かつその強度が増加していることが確認できた。
これに対し比較例1においても、紫外線強度分布が測定された。その結果、比較例1においては、その照射幅において、照射幅全域の紫外線放射紫外線強度の平均値の±10パーセントの範囲に紫外線放射紫外線強度が収まっていない部分がみられ、紫外線強度が均一化されていないことが確認できた。また、照射幅における紫外線強度を平均した結果、その紫外線強度は従来に比べあまり改善がみられなかったことが確認できた。
本開示は、紫外線を照射する紫外線照射装置、及び紫外線照射装置を備える紫外線探傷装置に好適に利用することができる。しかしながら、本開示は、上述された実施形態、及び実施例に限定されるものではない。本開示の紫外線照射装置は、紫外線を利用する、コンタミネーションチェック、漏洩検査、脱脂洗浄の確認等のいるあらゆる試験や検査に有用である。また、本開示の紫外線探傷装置は、蛍光磁粉探傷装置に限定されるものではなく、蛍光浸透液を用いて被検査物の表面の欠陥を探傷する浸透探傷装置であっても良く、紫外線を利用して欠陥を探傷するあらゆる紫外線探傷装置に適用することができる。
1 紫外線照射装置
2 紫外線LED
3、23 検査台
4、21 収納箱
10 レンズ
12、41 穴部
O、P c d 仮想線
h i j k q r s t ビーム
30 リニアフレネルレンズ
50、51 反射防止膜
52、53 コーティング部
54、55 レンズ外側
60 仮想平面

Claims (5)

  1. 被照射面を紫外線により照射する紫外線LEDと、前記被照射面に集光するレンズを備えて、紫外線を照射することにより被検査物を照射する、紫外線探傷用の紫外線照射装置において、
    前記レンズは、鉛直方向において前記紫外線LEDと、前記被照射面との間に位置し、
    前記被照射面は、鉛直方向に前記レンズから所定の距離離れて位置し、
    また前記レンズは、その中心部分に穴部を備え、
    更に前記レンズは、前記紫外線LEDを光源としてビームが出射され、前記ビームが前記穴部を通り、前記被照射面上を直接照射する領域と、前記ビームが前記レンズを通過し、前記被照射面上において照射している領域とが、全部または一部が重複しているように、前記ビームが変換されるよう形成されていることを特徴とする、紫外線照射装置。
  2. 被照射面を紫外線により照射する紫外線LEDと、前記被照射面に集光するシリンドリカルレンズと同様の機能を備えたリニアフレネルレンズを備えて、紫外線を照射することにより被検査物を照射する紫外線照射装置において、
    前記リニアフレネルレンズは、鉛直方向において前記紫外線LEDと、前記被照射面との間に位置し、
    前記被照射面は、鉛直方向に前記リニアフレネルレンズから所定の距離離れて位置し、
    また前記リニアフレネルレンズは、その中心部分にスリット状の穴部を備えたことを特徴とする、紫外線照射装置。
  3. 被照射面を紫外線により照射する紫外線LEDと、前記被照射面に集光するレンズを備えて、紫外線を照射することにより被検査物を照射する紫外線照射装置において、
    前記レンズは、鉛直方向において前記紫外線LEDと、前記被照射面との間に位置し、
    前記被照射面は、鉛直方向に前記レンズから所定の距離離れて位置し、
    また前記レンズは、その中心部分にコーティング部を備え、
    更に前記レンズは、前記紫外線LEDを光源として、ビームが前記コーティング部を通り、前記被照射面上を照射する領域と、前記ビームが前記レンズを通過し、前記被照射面上において照射している領域とが、全部または一部が重複しているように、前記ビームが変換されるよう形成されていることを特徴とする、紫外線照射装置。
  4. 被照射面を紫外線により照射する紫外線LEDと、前記被照射面に集光するシリンドリカルレンズと同様の機能を備えたリニアフレネルレンズを備えて、紫外線を照射することにより被検査物を照射する紫外線照射装置において、
    前記リニアフレネルレンズは、鉛直方向において前記紫外線LEDと、前記被照射面との間に位置し、
    前記被照射面は、鉛直方向に前記リニアフレネルレンズから所定の距離離れて位置し、
    また前記リニアフレネルレンズは、その中心部分にスリット状のコーティング部を備えたことを特徴とする、紫外線照射装置。
  5. 前記紫外線照射装置は、紫外線透過保護フィルタを備えたことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の紫外線照射装置。
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