JP7403052B2 - プラズマ源及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、真空容器内にプラズマを発生させるためのプラズマ源、及び、このプラズマ源を備えたプラズマ処理装置に関するものである。
アンテナに高周波電流を流し、それによって生じる誘導電界によって誘導結合型のプラズマ(略称ICP)を発生させ、この誘導結合型のプラズマを用いて基板等の被処理物に処理を施すプラズマ処理装置が従来から提案されている。このようなプラズマ処理装置として、特許文献1には、アンテナを真空容器の外部に配置し、真空容器の側壁の開口を塞ぐように設けた誘電体窓を通じてアンテナから生じた高周波磁場を真空容器内に透過させることで、処理室内にプラズマを発生させるものが開示されている。
特開2017-004665号公報
ところが、上述のプラズマ処理装置では、誘電体窓を真空容器の側壁の一部として用いるため、誘電体窓は真空容器内を真空排気した際に容器の内外の差圧に耐えられるよう十分な強度を有する必要がある。特に誘電体窓を構成する誘電体材料は靭性が低いセラミックスやガラスであるので、上述した差圧に耐えられる十分な強度を備えるためには誘電体窓の厚みを十分に大きくする必要がある。それ故、アンテナから真空容器内の処理室までの距離が遠くなってしまい、処理室における誘導電界の強度が弱くなり、プラズマの生成効率が低下するという問題がある。
そこで、本願発明者は、本願発明の開発にあたって、図8に示すように、真空容器の開口を塞ぐスリット板と、スリット板に形成されたスリットを真空容器の外側から塞ぐ誘電体板とを備えたプラズマ源を中間的に考えた。
このような構成であれば、スリット板と、このスリット板に重ね合わせた誘電体板とに磁場透過窓としての機能を担わせているので、誘電体板のみに磁場透過窓としての機能を担わせる場合に比べて磁場透過窓の厚みを小さくすることができる。これにより、アンテナから真空容器内までの距離を短くすることができ、アンテナから生じた高周波磁場を効率良く真空容器内に供給することができる。
ところで、プラズマ処理におけるプラズマ特性(例えばプラズマ密度やイオンエネルギーなど)を変えたい場合、もちろん、プラズマを生成するための原料ガスの流量や被処理物に印加するバイアス電圧などの運転条件を変更することもなされるが、こういった運転条件以外にも、上述したスリット板のスリット幅の変更が有効な場合がある。
しかしながら、上述したプラズマ処理装置において、プラズマ特性を変えるためなど、用途に応じた複数種類のスリット板を保有しておくと、コストの増大を招来するうえ、スリット板を取り替えるための作業時間や労力が必要となる。
そこで、本願発明は、かかる問題を一挙に解決するべくなされたものであり、真空容器の外部にアンテナを配置する構成において、スリット板を用いることでアンテナから真空容器内までの距離を短くするとともに、スリット幅を柔軟且つ簡単に変更できるようにすることをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係るプラズマ源は、真空容器の外部に設けられたアンテナに高周波電流を流して前記真空容器内にプラズマを発生させるプラズマ源であって、前記真空容器の前記アンテナに臨む位置に形成された開口を塞ぐ第1スリット板と、前記第1スリット板に形成された第1スリットを前記真空容器の外側から塞ぐ誘電体板と、前記第1スリット板及び前記誘電体板の間に、又は、前記第1スリット板との間で前記誘電体板を挟み込む位置に設けられ、少なくとも一部が前記第1スリットと重なり合う第2スリットが形成された第2スリット板とを備え、前記アンテナから生じた高周波磁場が、前記第1スリットと前記第2スリットとが互いに重なり合ってなる実スリットを介して前記真空容器内に透過することを特徴とするものである。
このように構成されたプラズマ源によれば、第1スリット板とは別に第2スリット板を備えているので、第1スリット板と第2スリット板との重なり具合を調整することで、第1スリット板を取り外すことなく、実スリットを種々のスリット幅に変更することができる。
これにより、真空容器の外部にアンテナを配置する構成において、第1スリット板を用いることでアンテナから真空容器内までの距離を短くするとともに、第1スリット板に対する第2スリット板の位置を調整することで、実スリットの幅を柔軟且つ簡単に変更することができる。
前記第2スリット板を複数枚備えることが好ましい。
これならば、第1スリット板と第2スリット板との重なり具合のみならず、第2スリット板同士の重なり具合をも調整することができ、実スリットの幅をより多様に変更することができる。これにより、例えば同じ形状の第2スリットを複数枚準備することで、コストの増大を可及的に抑えつつ、実スリットを種々の幅に変更することができる。
ところで、第2スリット板が第1スリットと誘電体板との間に介在する場合、例えば第2スリット板を取り替えるためには、真空容器を大気開放した後に第2スリット板を取り替えて再び真空排気するといった作業が必要で、その都度、真空容器内のメンテナンスを要し、時間や労力が必要となる。
そこで、前記第2スリット板が、前記第1スリット板との間で前記誘電体板を挟み込む位置に設けられていることが好ましい。
これならば、真空容器を真空に保ちつつ、第2スリット板の例えば取り替えや位置調整などを行うことができ、作業性やメンテナンス性の向上を図れる。
より具体的な実施態様としては、前記第1スリット板が、長尺状をなし、その長手方向に沿って複数の前記第1スリットが形成されたものであり、前記第2スリット板が、長尺状をなし、その長手方向に沿って複数の前記第2スリットが形成されたものであり、前記第1スリット及び前記第2スリットが重なり合ってなる複数の前記実スリットが、互いに同じ形状である態様を挙げることができる。
このような構成であれば、複数の実スリットが互いに同じ形状であるので、上述した長手方向におけるプラズマ密度の均一化を図れる。
前記第2スリット板が、前記長手方向に沿った寸法が互いに異なる2種の前記第2スリットが長手方向に沿って交互に設けられたものであり、前記2種のうちの一方の前記第2スリットが、互いに隣り合う前記第1スリットの双方に跨って形成されており、前記2種のうちの他方の前記第2スリットが、一方の前記第2スリットよりも長手方向に沿った寸法が短く、互いに隣り合う前記第1スリットの一方のみに重なり合うことが好ましい。
このような構成であれば、交互に設けられた2種の第2スリットのうち連続した3つの第2スリット(長手方向に沿った寸法が長いもの、短いもの、長いもの)が、1つの第1スリットに重なり合う。従って、第1スリットを3分割してなる実スリットを、1枚の第2スリット板によって実現することができる。
前記第2スリット板が、薄膜状のものであることが好ましい。
これならば、第2スリット板が薄いので、アンテナをより真空容器内に近づけることができる。
前記第1スリット板の外向き面に前記第2スリットが載置される凹部が形成されており、その凹部の内側面が、前記第2スリット板の外側面に当接し、前記第2スリットを前記第1スリットに対して位置決めする位置決め面として機能することが好ましい。
このような構成であれば、第1スリット板に対する第2スリットの位置決めを簡単にすることができる。
また、真空容器と、上述したプラズマ源とを備えるプラズマ処理装置も本発明の1つであり、かかるプラズマ処理装置であれば、上述したプラズマ源と同様の作用効果を奏し得る。
このように構成した本発明によれば、真空容器の外部にアンテナを配置する構成において、第1スリット板を用いることでアンテナから真空容器内までの距離を短くするとともに、第1スリット板に対する第2スリット板の位置を調整することで、実スリットの幅を柔軟且つ簡単に変更することができる。
一実施形態のプラズマ処理装置の構成を模式的に示す縦断面図。 同実施形態のプラズマ処理装置の構成を模式的に示す横断面図。 同実施形態における第2スリットが全開位置にある状態を示す断面図。 同実施形態における第2スリットが半開位置にある状態を示す断面図。 同実施形態における第2スリットが細分化位置にある状態を示す断面図。 その他の実施形態における第2スリット板を示す模式図。 その他の実施形態における第2スリット板を示す模式図。 本願発明の開発にあたり中間的に検討されたプラズマ処理装置の構成を示す模式図。
以下に、本発明に係るプラズマ源及びプラズマ処理装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
<装置構成>
本実施形態のプラズマ処理装置100は、誘導結合型のプラズマPを用いて基板Wに処理を施すものである。ここで、基板Wは、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用の基板、フレキシブルディスプレイ用のフレキシブル基板等である。また、基板Wに施す処理は、例えば、プラズマCVD法による膜形成、エッチング、アッシング、スパッタリング等である。
なお、このプラズマ処理装置100は、プラズマCVD法によって膜形成を行う場合はプラズマCVD装置、エッチングを行う場合はプラズマエッチング装置、アッシングを行う場合はプラズマアッシング装置、スパッタリングを行う場合はスパッタリング装置とも呼ばれる。
具体的にプラズマ処理装置100は、図1及び図2に示すように、真空排気され且つガスGが導入される真空容器1と、真空容器1の内部にプラズマPを発生させるプラズマ源200とを具備してなり、プラズマ源200は、真空容器1の外部に設けられたアンテナ2と、アンテナ2に高周波を印加する高周波電源3とを備えたものである。かかる構成において、アンテナ2に高周波電源3から高周波を印加することによりアンテナ2には高周波電流IRが流れて、真空容器1内に誘導電界が発生して誘導結合型のプラズマPが生成される。
真空容器1は、例えば金属製の容器であり、その壁(ここでは上壁1a)には、厚さ方向に貫通する開口1xが形成されている。この真空容器1は、ここでは電気的に接地されており、その内部は真空排気装置4によって真空排気される。
また、真空容器1内には、例えば流量調整器(図示省略)や真空容器1に設けられた1又は複数のガス導入口11を経由して、ガスGが導入される。ガスGは、基板Wに施す処理内容に応じたものにすれば良い。例えば、プラズマCVD法によって基板Wに膜形成を行う場合には、ガスGは、原料ガス又はそれを希釈ガス(例えばH)で希釈したガスである。より具体例を挙げると、原料ガスがSiHの場合はSi膜を、SiH+NHの場合はSiN膜を、SiH+Oの場合はSiO膜を、SiF+Nの場合はSiN:F膜(フッ素化シリコン窒化膜)を、それぞれ基板W上に形成することができる。
この真空容器1の内部には、基板Wを保持する基板ホルダ5が設けられている。この例のように、基板ホルダ5にバイアス電源6からバイアス電圧を印加するようにしても良い。バイアス電圧は、例えば負の直流電圧、パルス電圧等であるが、これに限られるものではない。このようなバイアス電圧によって、例えば、プラズマP中の正イオンが基板Wに入射する時のエネルギーを制御して、基板Wの表面に形成される膜の結晶化度の制御等を行うことができる。基板ホルダ5内に、基板Wを加熱するヒータ51を設けておいても良い。
アンテナ2は、図1及び図2に示すように、真空容器1に形成された開口1xに臨むように配置されている。なお、アンテナ2の本数は1本に限らず、複数本のアンテナ2を設けても良い。
アンテナ2は、図2に示すように、その一端部である給電端部2aが、整合回路31を介して高周波電源3が接続されており、他端部である終端部2bが、直接接地されている。なお、終端部2bは、コンデンサ又はコイル等を介して接地されてもよい。
高周波電源3は、整合回路31を介してアンテナ2に高周波電流IRを流すことができる。高周波の周波数は例えば一般的な13.56MHzであるが、これに限られるものではなく適宜変更してもよい。
ここで、本実施形態のプラズマ源200は、真空容器1の壁(上壁1a)に形成された開口1xを真空容器1の外側から塞ぐスリット部材7と、スリット部材7に形成されたスリット7xを真空容器1の外側から塞ぐ誘電体板8とをさらに備えている。
スリット部材7は、その厚み方向に貫通してなるスリット7xが形成されたものであり、アンテナ2から生じた高周波磁場を真空容器1内に透過させるとともに、真空容器1の外部から真空容器1の内部への電界の入り込みを防ぐものである。
具体的にこのスリット部材7は、図3に示すように、具体的には互いに平行な複数のスリット7xが形成された平板状のものであり、後述する誘電体板8よりも機械強度が高いことが好ましく、誘電体板8よりも厚み寸法が大きいことが好ましい。
より具体的に説明すると、スリット部材7は、例えばCu、Al、Zn、Ni、Sn、Si、Ti、Fe、Cr、Nb、C、Mo、W又はCoを含む群から選択される1種の金属又はそれらの合金(例えばステンレス合金、アルミニウム合金等)等の金属材料を圧延加工(例えば冷間圧延や熱間圧延)などにより製造したものであり、例えば厚みが約5mm程度のものである。ただし、製造方法や厚みはこれに限らず仕様に応じて適宜変更して構わない。
このスリット部材7は、図3に示すように、平面視において真空容器1の開口1xよりも大きいものであり、上壁1aに支持された状態で開口1xを塞いでいる。スリット部材7と上壁1aとの間には、Oリングやガスケット等のシール部材Sが介在しており、これらの間は真空シールされている。
誘電体板8は、スリット部材7の外向き面(真空容器1の内部を向く内向き面の裏面)に設けられて、スリット板のスリットを塞ぐものである。
誘電体板8は、全体が誘電体物質で構成された平板状をなすものであり、例えばアルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミックス、石英ガラス、無アルカリガラス等の無機材料、フッ素樹脂(例えばテフロン)等の樹脂材料等からなる。なお、誘電損を低減する観点から、誘電体板8を構成する材料は、誘電正接が0.01以下のものが好ましく、0.005以下のものがより好ましい。
ここでは誘電体板8の板厚をスリット部材7の板厚よりも小さくしているが、これに限定されず、例えば真空容器1を真空排気した状態において、スリット7xから受ける真空容器1の内外の差圧に耐え得る強度を備えれば良く、スリット7xの数や長さ等の仕様に応じて適宜設定されてよい。ただし、アンテナ2と真空容器1との間の距離を短くする観点からは薄い方が好ましい。
かかる構成により、スリット部材7及び誘電体板8は、磁場を透過させる磁場透過窓9として機能を担う。すなわち、高周波電源3からアンテナ2に高周波を印加すると、アンテナ2から発生した高周波磁場が、スリット部材7及び誘電体板8からなる磁場透過窓9を透過して真空容器1内に形成(供給)される。これにより、真空容器1内の空間に誘導電界が発生し、誘導結合型のプラズマPが生成される。
然して、スリット部材7は、図3に示すように、複数種類のスリット板から構成されており、より具体的には第1スリット71xが形成された第1スリット板71と、少なくとも一部が第1スリット71xに重なり合う第2スリット72xが形成された第2スリット板72とを有する。
第1スリット板71は、真空容器1の開口を塞ぐものであり、真空容器1の上壁1aに支持されるとともに、その外向き面により誘電体板8を支持するものである。なお、外向き面と誘電体板8との間には、これらの間をシールする粘着材料(不図示)が設けられている。粘着材料は、蒸気圧の低い高粘性の潤滑油であり、具体的には真空グリスである。
具体的にこの第1スリット71xは、図3に示すように、平面視において例えば長方形状をなす長尺平板状のものであり、その長手方向に沿って複数(ここでは、一例として5つ)の第1スリット71xが形成されている。
これらの第1スリット71xは、平面視において例えば略矩形状などの互いに同じ形状をなしており、長手方向に沿って等間隔に設けられている。
第2スリット板72は、この実施形態では第1スリット板71と誘電体板8との間に設けられている。
具体的にこの第2スリット板72は、図3に示すように、平面視において例えば長方形状をなす長尺平板状のものであり、その長手方向に沿って複数(ここでは、一例として6つ)の第2スリット72xが形成されている。なお、ここでは第2スリット72xを第1スリット71xよりも1つ多く設けてあるが、その数はこの実施形態に限定されるものではなく、例えば第1スリット71xと同数としても良い。
これらの第2スリット72xは、平面視において例えば略矩形状などの互いに同じ形状をなしており、長手方向に沿って等間隔に設けられている。なお、ここでの第2スリット72xは、第1スリット71xと同じ形状であるが、その形状は第1スリット71xとは異なる形状でも良く、適宜変更して構わない。また、第2スリット72xの配置間隔は、ここでは第1スリット71xの配置間隔と同じにしてあるが、これらの配置間隔も適宜変更して構わない。
そして、上述した構成において、図3に示すように、第1スリット71xと第2スリット72xとの重なり合う部分が、上述したスリット部材7のスリット7x(以下、実スリット7xともいう)として形成され、アンテナ2から生じた高周波磁場が、この実スリット7xを介して真空容器1内に透過することになる。
本実施形態の第2スリット板72は、第1スリット板71の外向き面に形成された凹部cに設けられており、少なくとも本プラズマ源200の組み立て完了前においては、その凹部c内にスライド可能に載置される。ここでの第2スリット板72は、凹部c内においてスライド移動させて第1スリット板71に対して位置決めされた後、その位置で固定されている。ただし、第2スリット板72は、本プラズマ源200の組み立て完了後においても、凹部c内でスライド可能なものとしても良い。
この凹部cは、長手方向に沿った寸法が第2スリット板72の長手方向よりも長く、長手方向と直交する短手方向に沿った寸法が第2スリット板72の短手方向と略同一又はやや短く設定されている。かかる構成により、この凹部cの長手方向に沿った内側面c1が、第2スリット板72のスライド移動をガイドするガイド面として機能する。一方、この凹部cの短手方向に沿った(言い換えれば、ガイド面と直交する)内側面c2が、第2スリット板72の短手方向に沿った外側面に当接し、第2スリット72xを第1スリット71xに対して位置決めする位置決め面として機能する。
本実施形態では、第2スリット板72が複数枚(具体的には2枚)設けられており、これらの第2スリット板72は、いずれも上述した凹部cに収容されている。具体的には、複数枚の第2スリット板72が凹部c内に収容された状態において、第1スリット板71の外向き面と、最も外側に位置する第2スライド板の外向き面とが同一平面状となり、これらの外向き面に誘電体板8が設けられている。
ここで、第2スリット板72は、凹部c内でスライド可能な状態においては、図3~図5に示すように、少なくとも第1スリット71xの全体が実スリット7xとして形成される全開位置と、第1スリット71xの長手方向の半分が実スリット7xとして形成される半開位置との間で移動可能であり、ここでは、第1スリット71xの長手方向の半分よりもさらに細分化された領域が実スリット7xとして形成される細分化位置との間でもさらに移動可能である。
かかる構成において、ここでは凹部cの短手方向に沿った内側面c2の一方が、図3に示すように、第2スリット板72を全開位置に位置決めする位置決め面として機能する。なお、図示していないが、凹部cの短手方向に沿った内側面c2の他方が、第2スリット板72を半開位置や細分化位置に位置決めする位置決め面として機能するように構成しても良い。
上述した構成により、第2スリット板72が、全開位置、半開位置、及び細分化位置のそれぞれにある状態において、複数の実スリット7xが、互いに同じ形状で、且つ、互いに等間隔に形成される。なお、この実施形態では、第2スリット板72が細分化位置にある状態において、第1スリット71xを長手方向に沿って3分割した領域それぞれが実スリット7xとして形成されるように構成されている。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態のプラズマ処理装置100及びプラズマ源200によれば、第1スリット板71とは別に第2スリット板72を備えているので、第1スリット板71と第2スリット板72との重なり具合を調整することで、第1スリット板71を取り外すことなく、実スリット7xを種々のスリット幅に変更することができる。
これにより、真空容器1の外部にアンテナ2を配置する構成において、第1スリット板71を用いることでアンテナ2から真空容器1内までの距離を短くするとともに、第1スリット板71に対する第2スリット板72の位置を調整することで、実スリット7xの幅を柔軟且つ簡単に変更することができる。
また、第2スリット板72を複数枚設けてあるので、第1スリット板71と第2スリット板72との重なり具合のみならず、第2スリット板72同士の重なり具合をも調整することができ、実スリット7xの幅をより多様に変更することができる。
さらに、これらの第2スリット板72が、互いに同じ形状のものであるので、コストの増大を可及的に抑えつつ、実スリット7xを種々の幅に変更することができる。
加えて、複数の実スリット7xが互いに同じ形状であるので、長手方向におけるプラズマ密度の均一化を図れる。
そのうえ、第1スリット71xに設けた凹部cの短手方向の内側面c2が、第2スリット72xを第1スリット71xに対して位置決めする位置決め面として機能するので、第1スリット板71に対する第2スリット72xの位置決めを簡単にすることができ、その位置の再現性も向上させることができる。
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、第2スリット板72が、第1スリット板71と誘電体板8との間に設けられていたが、図6に示すように、1又は複数枚の第2スリット板72が、第1スリット板71との間で誘電体板8を挟み込む位置に設けられていても良い。
このような構成であれば、真空容器1を真空に保ちつつ、第2スリット板72の例えば取り替えや位置調整などを行うことができ、作業性やメンテナンス性の向上を図れる。
また、前記実施形態では、2枚の第2スリット板72を設けていたが、第2スリット板72は、1枚であっても良いし、3枚以上であっても良い。
さらに、前記実施形態では第2スリット板72が、全開位置、半開位置、又は細分化位置に設けられている場合について説明したが、これらの位置とへ別の位置に設けられても良い。
第2スリット板72としては、例えばスリットシートなどと称される薄膜状のものであっても良い。
これならば、第2スリット板72が薄いので、アンテナ2をより真空容器1内に近づけることができる。
さらに、第2スリット板72は、図7に示すように、長手方向に沿った寸法が互いに異なる2種の第2スリット72x(以下、これらを長スリット72xa及び長スリット72xbともいう)が長手方向に沿って交互に設けられたものであっても良い。
そして、これらの2種のうちの一方の長スリット72xaが、互いに隣り合う第1スリット71xの双方に跨って形成されており、2種のうちの他方の長スリット72xbが、長スリット72xaよりも長手方向に沿った寸法が短く、互いに隣り合う第1スリット71xの一方のみに重なり合うように構成されていても良い。
このような構成であれば、交互に設けられた2種の第2スリット72xのうち連続した3つの長スリット72xa、長スリット72xb、及び長スリット72xaが、1つの第1スリット71xに重なり合う。従って、第1スリット71xを3分割してなる実スリット7x、すなわち前記実施形態において2枚の第2スリット板72を細分化位置に移動させて形成した実スリット7xを、1枚の第2スリット板72によって実現することができる。
また、第1スリット板71と第2スリット板72との材質は互いに異なるものであっても良い。さらに、第1スリット板71と第2スリット板72との厚みは、適宜変更して構わない。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・プラズマ処理装置
200・・・プラズマ源
W ・・・基板
P ・・・プラズマ
1 ・・・真空容器
2 ・・・アンテナ
7 ・・・スリット部材
7x ・・・実スリット
71 ・・・第1スリット板
71x・・・第1スリット
72 ・・・第2スリット板
72x・・・第2スリット
72x1・・・長スリット
72x2・・・短スリット
c ・・・凹部
c1 ・・・内側面
c2 ・・・内側面
8 ・・・誘電体板

Claims (8)

  1. 真空容器の外部に設けられたアンテナに高周波電流を流して前記真空容器内にプラズマを発生させるプラズマ源であって、
    前記真空容器の前記アンテナに臨む位置に形成された開口を塞ぐ金属材料からなる第1スリット板と、
    前記第1スリット板に形成された第1スリットを前記真空容器の外側から塞ぐ誘電体板と、
    前記第1スリット板及び前記誘電体板の間に、又は、前記第1スリット板との間で前記誘電体板を挟み込む位置に設けられ、少なくとも一部が前記第1スリットと重なり合う第2スリットが形成された金属材料からなる第2スリット板とを備え、
    前記アンテナから生じた高周波磁場が、前記第1スリットと前記第2スリットとが互いに重なり合ってなる実スリットを介して前記真空容器内に透過する、プラズマ源。
  2. 前記第2スリット板を複数枚備える、請求項1記載のプラズマ源。
  3. 前記第2スリット板が、前記第1スリット板との間で前記誘電体板を挟み込む位置に設けられている、請求項1又は2記載のプラズマ源。
  4. 前記第1スリット板が、長尺状をなし、その長手方向に沿って複数の前記第1スリットが形成されたものであり、
    前記第2スリット板が、長尺状をなし、その長手方向に沿って複数の前記第2スリットが形成されたものであり、
    前記第1スリット及び前記第2スリットが重なり合ってなる複数の前記実スリットが、互いに同じ形状である、請求項1乃至3のうち何れか一項に記載のプラズマ源。
  5. 前記第2スリット板が、前記長手方向に沿った寸法が互いに異なる2種の前記第2スリットが長手方向に沿って交互に設けられたものであり、
    前記2種のうちの一方の前記第2スリットが、互いに隣り合う前記第1スリットの双方に跨って形成されており、
    前記2種のうちの他方の前記第2スリットが、一方の前記第2スリットよりも長手方向に沿った寸法が短く、互いに隣り合う前記第1スリットの一方のみに重なり合う、請求項4記載のプラズマ源。
  6. 前記第2スリット板が、薄膜状のものである、請求項1乃至5のうち何れか一項に記載のプラズマ源。
  7. 前記第1スリット板の外向き面に前記第2スリットが載置される凹部が形成されており、その凹部の内側面が、前記第2スリット板の外側面に当接し、前記第2スリットを前記第1スリットに対して位置決めする位置決め面として機能する、請求項1又は2に記載のプラズマ源。
  8. 真空容器と、
    請求項1乃至7のうち何れか一項に記載のプラズマ源とを具備する、プラズマ処理装置。
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