JP7402755B2 - 観測車両状態推定方法、自車両停止判断制御方法、及び観測車両状態推定装置 - Google Patents

観測車両状態推定方法、自車両停止判断制御方法、及び観測車両状態推定装置 Download PDF

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本発明は、観測車両状態推定方法、自車両停止判断制御方法、及び観測車両状態推定装置に関する。
特許文献1では、周囲車両の行動予測結果に基づいて、自車両の行動判断を行う走行制御装置が提案されている。この走行制御装置では、周囲物体の位置、姿勢、速度、及び加速度などの観測情報を入力情報として地図情報や車両密度情報を用いて周囲物体の未来の行動予測を行い、その行動予測結果と地図や周囲物体の密度を用いて自車の行動判断を行う。
米国特許第9511767号
しかしながら、特許文献1で提案されている走行制御装置では、周囲物体の将来の移動軌跡を予測するために周囲物体(観測車両)が存在する走行路の情報(走行車線の形状や車線数など)を含む高精細地図を必要とする。そして、自車の行動判断の精度を保つ観点から、この高精細地図に対する定期的なデータ更新が要求されるため、当該行動判断を実現するためのシステムの管理が煩雑になるという問題がある。
このような事情に鑑み、本発明は、特定の走行路(より詳細にはラウンドアバウト)における観測車両の走行状態を推定するための好適な演算ロジックを実現することを目的とする。
本発明のある態様によれば、ラウンドアバウトの内部又は周辺を走行する観測車両の走行状態を推定する観測車両状態推定方法が提供される。この観測車両状態推定方法は、ラウンドアバウトの中心位置を特定するラウンドアバウト構造特定処理と、観測車両の位置を取得する観測車両位置取得処理と、ラウンドアバウトの中心位置及び観測車両の位置に基づいて、観測車両の位置からラウンドアバウトの中心位置に向かうベクトルである観測車両動径方向ベクトルを演算し、観測車両の速度ベクトルと観測車両動径方向ベクトルとのなす角として観測車両の姿勢角を演算する姿勢角演算処理と、姿勢角に基づいて、ラウンドアバウトに対する観測車両の走行状態を推定する観測車両状態推定処理と、を含む。
本発明によれば、ラウンドアバウトにおける観測車両の走行状態を推定するための好適な演算ロジックが実現される。
図1は、本発明の観測車両状態推定方法を実行するための各実施形態に共通する車両構成を説明する図である。 図2は、第1実施形態による観測車両状態推定方法を実行する制御装置の機能を説明するブロック図である。 図3は、ラウンドアバウトの構造を説明する図である。 図4は、観測車両状態推定方法の全体の流れを示すフローチャートである。 図5は、観測車両姿勢角演算処理の詳細を示すフローチャートである。 図6は、観測車両行動推定処理の詳細を示すフローチャートである。 図7は、ラウンドアバウトに対する観測車両の走行状態(走行維持状態、進入状態、及び離脱過程)を推定する方法を説明する図である。 図8は、第2実施形態の座標変換処理において設定される極座標系を説明する図である。 図9は、第3実施形態による観測車両行動推定処理の詳細を示すフローチャートである。 図10は、注目領域の設定について説明する図である。 図11は、第4実施形態による観測車両状態推定方法を実行する制御装置の機能を説明するブロック図である。 図12は、ラウンドアバウトの構造を特定するための演算方法を説明する図である。 図13は、第5実施形態による自車両停止判断制御方法を説明するフローチャートである。
以下、図面等を参照して、本発明の各実施形態について説明する。
[各実施形態に共通する構成]
図1は、各実施形態における観測車両状態推定方法又は自車両停止判断制御方法が実行される自車両Sに共通する構成を説明する図である。
図1は、自車両Sの構成を説明する図である。
図示のように、自車両Sは、周辺センサ1と、外部通信機2と、出力先装置3と、制御装置20と、を備える。
周辺センサ1は、自車両Sの周辺状況を検出する検出機器である。周辺センサ1は、自車両Sの周辺を撮像する撮像機器としてのカメラ(特にステレオカメラなど)、又はレーダー若しくはライダー(LIDER:Laser Imaging Detection and Ranging)を用いた測距型のセンサを含む。周辺センサ1は、検出した周辺情報(カメラの撮像画像又はレーダー若しくはライダーの反射波など)を所定の検出周期(カメラの場合は予め定められたフレームレート)ごとに制御装置20に出力する。なお、周辺センサ1は、自車両Sに搭載されるセンサに限らず、道路等の自車両S以外に設置され、自車両Sと無線通信が可能である各種センサにより構成されても良い。周辺センサ1は、検出した自車両Sの周辺状況を周辺状況データとして制御装置20に送信する。
外部通信機2は、GPS(Global Positioning System)によって測定された自車両Sの位置情報を所定の外部サーバから受信する装置である。外部通信機2は、受信した自車両Sの位置情報を自車両位置データとして制御装置20に送信する。
出力先装置3は、制御装置20により演算された演算結果に基づいて操作される任意の装置である。制御装置20により演算された演算結果には、後述する車両状態推定の結果、又は自車両の停止判断の結果などが含まれる。出力先装置3の具体例としては、制御装置20による演算結果を表示する任意の表示装置(例えば自車両Sの車室に搭載されるディスプレイ)、及び当該演算結果に基づいて自車両Sの駆動及び操舵などの操作を自動で行う自動走行制御装置などが挙げられる。
制御装置20は、周辺センサ1、及び外部通信機2との間で各種信号を通信可能に構成され、本実施形態の観測車両状態推定方法に係る各処理を実行するためのハードウェア構成及びソフトウェア構成を備える。
具体的に、制御装置20は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RΑM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備え、後述する各実施形態の観測車両状態推定方法又は自車両停止判断制御方法に係る各処理を実行するプログラムを読み出し専用メモリに記録したコンピュータによって構成される。
なお、制御装置20を構成するコンピュータは、一台のハードウェア上で構成されていても良いし、複数台のハードウェアに分けられて上記各処理を分散処理する態様をとっても良い。例えば、制御装置20を、自車両Sの車両コントローラ(VCM)、自動運転コントローラ(ADAS)、エンジンコントロールユニット(ECU)、モータコントローラなどの各種車載コンピュータの内の何れか、又はこれの内の少なくとも2つを用いた分散処理により実現しても良い。また、車載コンピュータに代えて又はこれとともに、自車両Sの外部のコンピュータ(遠隔地に設置される管理サーバなど)により上記各処理の全部又は一部を実行させる構成を採用しても良い。
[第1実施形態]
図2は、本実施形態に係る制御装置20の構成を説明するブロック図である。
図示のように、制御装置20は、自車両位置演算部22と、観測車両位置演算部24と、ラウンドアバウト構造記憶部26と、ラウンドアバウトデータ特定部28と、座標変換部30と、姿勢角演算部32と、観測車両状態推定部としての観測車両行動推定部34と、を備える。
自車両位置演算部22は、外部通信機2からの自車両位置データを入力として、自車両Sの位置(特に自車両S内で予め定められた測定点の2次元位置)を、絶対直交座標系(より詳細には世界座標系)で演算する。なお、以下では、自車両Sの位置を「自車両位置ps」とも称する。また、自車両位置psの世界座標系における具体的な座標成分を「自車両絶対座標(xs,ys)」とも称する。そして、自車両位置演算部22は、演算した自車両絶対座標(xs,ys)をラウンドアバウトデータ特定部28に出力する。
観測車両位置演算部24は、周辺センサ1からの周辺状況データを入力として、観測車両Oi(i=1,2,3)の位置(特に、検出された各観測車両Oiに応じて適宜定めた一の測定点の2次元位置)を、自車両Sから見た相対的な直交座標系(相対座標系)で演算する。なお、以下では、観測車両Oiの位置を「観測車両位置pi」とも称する。また、観測車両位置piの相対座標系における具体的な成分を「観測車両相対座標(x´i,y´i)」と表す。そして、観測車両位置演算部24は、演算した観測車両位置piをラウンドアバウトデータ特定部28及び座標変換部30に出力する。
ラウンドアバウト構造記憶部26は、ラウンドアバウトRAの構造に関するデータ(以下、「構造データDRC」とも称する)を事前知識として予め記憶させた記憶領域である。より詳細には、ラウンドアバウト構造記憶部26には、自車両Sが走行することが想定される走行路(例えば、世界全域、国内全域、又はそれらの内の一部の道路)に含まれる全てのラウンドアバウトRAを一意に識別可能な識別情報(名称、位置、又は識別番号など)と、当該識別情報に対応した各構造データDRCと、が記憶されたデータベースして構成される。特に、本実施形態の構造データDRCには、世界座標系で表されたラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routが含まれる。なお、ラウンドアバウト構造記憶部26に記憶されるデータにはラウンドアバウト内の車線形状などの詳細地図データ(高精度地図データ)は含まれず、上述のラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routのような幾何学的パラメータである構造データDRCのみで構成される。なお、本実施形態において、構造データDRCはラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routとする。
ここで、本明細書において、ラウンドアバウトRAとは、環状走行路Lrと当該環状走行路への進入又は当該環状走行路からの離脱を行うための合流走行路Ljとが交差してなる平面交差部であって、環状走行路Lrにおける車両の走行が合流走行路Ljにおける車両の走行に対して優先されるものを言う。なお、環状走行路Lrの具体的な幾何学形状は典型的には円形であるが、少なくとも一部の走行領域(特に合流走行路Ljとの交差部の周辺の領域)が曲線状に構成されている環状形状であるならば必ずしも厳密な円形には限られない。
図3は、ラウンドアバウトRAの構造の一例を説明する図である。図3において、破線矢印は環状走行路Lrにおける車両の走行方向を表し、一点鎖線矢印は合流走行路Ljにおける車両の走行方向を表す。ラウンドアバウトRAの中心近傍のハッチング領域は縁石cu等で囲まれた車両の進入が不可能な領域(以下、「走行不可能領域Rim」とも称する)を表している。
また、ラウンドアバウトRAにおける環状走行路Lrを破線の円で示す。特に、図3では、環状走行路Lrが、破線小円と走行不可能領域Rimの外周との間の領域として画定され車両が時計回りに走行する走行路と、破線大円と破線小円との間の領域として画定され車両が反時計回りに走行する走行路と、から構成される例を示している。さらに、符号「pc」は、ラウンドアバウトRAにおける中心位置(環状走行路Lrを構成する破線大円又は破線小円の中心)を表している。以下では、これを「ラウンドアバウト中心位置pc」と称する。また、ラウンドアバウト中心位置pcを世界座標系で表した値を「中心絶対座標(xc,yc)」とも称する。また、ラウンドアバウト中心位置pcを中心とし、当該ラウンドアバウト中心位置pcから縁石cu(走行不可能領域Rimの外周)を半径とする円を「ラウンドアバウトRAの内接円」と定義する。そして、この内接円の半径を「内接円半径rin」とも称する。さらに、環状走行路Lrの外周(破線大円)を「ラウンドアバウトRAの外接円」と定義する。そして、この外接円の半径を「外接円半径rout」とも称する。
ここで、ラウンドアバウトRA内における車両の走行方向は基本的に環状走行路Lrに沿う略円周方向に拘束される。このため、環状走行路Lrを走行している車両の向き(車両の進行方向であり、図3における一点鎖線矢印の方向参照)は、環状走行路Lrの接線方向(破線大円の接線方向)と略一致する。また、合流走行路LjにおいてラウンドアバウトRAに対して進入過程にある車両、及び環状走行路Lrからの離脱過程にある車両の向きに関しては、それぞれ、環状走行路Lrの接線(破線大円の接線)に対してなす角の範囲が相互に異なる。
したがって、車両がラウンドアバウトRA内を走行している状態にあるのか、又はラウンドアバウトRAに対する進入若しくは離脱過程にあるのかに関しては、車両の向きに関する情報を含む速度ベクトルと、ラウンドアバウトRAの構造データDRC(特にラウンドアバウト中心位置pc)と、を用いることで好適に推定することができる。なお、この点に関しては後により詳細に説明する。
図2に戻り、ラウンドアバウトデータ特定部28は、周辺センサ1からの周辺状況データ、自車両位置演算部22からの自車両位置ps、及び観測車両位置演算部24からの観測車両位置piを入力として、自車両Sが進入を予定している構造データDRCを特定する。
具体的に、ラウンドアバウトデータ特定部28は、周辺状況データを参照して周辺センサ1によって、自車両Sの走行予定経路上の所定距離範囲にラウンドアバウトRAが検出された場合に、検出された当該ラウンドアバウトRAから、ラウンドアバウト構造記憶部26の記憶データとの間で紐付けが可能となる情報を抽出する。さらに、ラウンドアバウトデータ特定部28は、ラウンドアバウト構造記憶部26を参照して、抽出した情報から検出されたラウンドアバウトRAに対応する構造データDRC(特に、ラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径rout)を特定する。
なお、周辺センサ1で検出されたラウンドアバウトRAとラウンドアバウト構造記憶部26の記憶データとの間で紐付けを行うために、ラウンドアバウト構造記憶部26に記憶されているラウンドアバウトRAの位置情報を含む任意の地図データ(ナビ地図等の、車線情報などの詳細データを含まない地図データ)を用いても良い。この場合、当該地図データと自車両位置psを照合することで、検出されたラウンドアバウトRAの位置情報を紐付け情報として、対応する構造データDRCを特定することができる。
そして、ラウンドアバウトデータ特定部28は、特定した構造データDRCを座標変換部30に出力する。
座標変換部30は、観測車両位置演算部24からの観測車両相対座標(x´i,y´i)、及びラウンドアバウトデータ特定部28からの構造データDRC(特に中心絶対座標(xc,yc))を入力として、座標変換処理を行う。より詳細には、座標変換部30は、観測車両相対座標(x´i,y´i)、及び中心絶対座標(xc,yc)を以降の観測車両行動推定部34における処理を実行する観点から好適な共通の座標系に統一する。特に、本実施形態では、座標変換部30は、観測車両相対座標(x´i,y´i)を、中心絶対座標(xc,yc)と同一の絶対座標系に変換する。以下では、観測車両相対座標(x´i,y´i)の変換後の座標成分を「観測車両絶対座標(xi,yi)」とも称する。そして、座標変換部30は、座標変換処理後の観測車両絶対座標(xi,yi)、及び中心絶対座標(xc,yc)を観測車両行動推定部34に出力する。
姿勢角演算部32は、座標変換部30からの観測車両絶対座標(xi,yi)、及び中心絶対座標(xc,yc)を入力として、観測車両Oiの姿勢角φiを演算する。ここで、姿勢角φiとは、観測車両Oiの速度ベクトルviと観測車両動径方向ベクトルciとのなす角として定義される。なお、以下の説明において、観測車両Oiの速度ベクトルviの成分を(vxi,vyi)と表す。
また、観測車両動径方向ベクトルciとは、観測車両Oiの位置からラウンドアバウトRAの中心位置に向かう方向のベクトルである。すなわち、観測車両動径方向ベクトルciの各成分は、中心絶対座標(xc,yc)から観測車両絶対座標(xi,yi)を減算した値として得られる。したがって、観測車両動径方向ベクトルciの成分は具体的に、(xc-xi,yc-yi)と表される。
そして、姿勢角演算部32は、演算した姿勢角φiを観測車両行動推定部34に出力する。
観測車両行動推定部34は、姿勢角演算部32からの姿勢角φiを入力として、観測車両OiのラウンドアバウトRAに対する走行状態として、観測車両Oiが走行維持状態、進入状態、及び離脱状態の何れであるかを推定する。ここで、走行維持状態とは、観測車両OiがラウンドアバウトRA内(環状走行路Lr内)における走行を維持するように行動すると予測される状態を意味する。また、進入状態とは、観測車両Oiが合流走行路Ljから環状走行路Lrにおける走行に移行しようと行動すると予測される状態を意味する。さらに、離脱状態とは、観測車両Oiが環状走行路Lrから合流走行路Ljにおける走行に移行しようと行動すると予測される状態を意味する。
次に、上記各構成を備えた制御装置20により実行される観測車両状態推定方法について詳細に説明する。
図4は、本実施形態の観測車両状態推定方法を説明するフローチャートである。なお、以下で説明する各処理は、周辺センサ1からの周辺状況データに基づいて自車両Sの走行予定経路上の所定距離範囲にラウンドアバウトRAが近づいたと判断されるタイミングで開始され、所定の演算周期で繰り返し実行される。また、図4に示す各処理は、例えば、周辺センサ1からの周辺状況データなどに基づいて自車両SがラウンドアバウトRAから離脱した(一定距離以上離れた)と判断されるタイミングで終了する。
ステップS100において、制御装置20(特に、自車両位置演算部22)は、自車両位置演算処理を実行する。具体的に、制御装置20は、外部通信機2からの自車両位置データに基づいて自車両絶対座標(xs,ys)を演算する。
ステップS200において、制御装置20(特に、ラウンドアバウトデータ特定部28)は、ラウンドアバウト構造特定処理を実行する。具体的に、制御装置20は、周辺センサ1からの周辺状況データ、自車両位置演算部22からの自車両位置ps、及び観測車両位置演算部24からの観測車両位置piに基づいて、ラウンドアバウト構造記憶部26を参照して、自車両Sが進入を予定している構造データDRCを特定する。特に、制御装置20は、構造データDRCとして、ラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routを特定する。
ステップS300において、制御装置20(特に、観測車両位置演算部24)は、観測車両位置取得処理を実行する。具体的に、制御装置20は、周辺センサ1からの周辺状況データを入力として、観測車両相対座標(x´i,y´i)を演算する。
ステップS400において、制御装置20(特に、座標変換部30)は、座標変換処理を実行する。具体的に、制御装置20は、観測車両相対座標(x´i,y´i)を、自車両絶対座標(xs,ys)及び中心絶対座標(xc,yc)と同一の絶対座標系で表した観測車両絶対座標(xi,yi)を演算する。
ステップS500において、制御装置20(特に、姿勢角演算部32)は、姿勢角演算処理を実行する。具体的に、制御装置20は、ステップS200で特定した構造データDRC、及びステップS400で演算した観測車両絶対座標(xi,yi)を入力として、観測車両Oiの姿勢角φiを演算する。
図5は、観測車両姿勢角演算処理(ステップS500)の詳細を示すフローチャートである。
先ず、ステップS510において、制御装置20は、観測車両Oiの速度ベクトルviを演算する。具体的に、制御装置20は、観測車両絶対座標(xi,yi)を時間微分することで速度ベクトルviを求める。
次に、ステップS520において、制御装置20は、中心絶対座標(xc,yc)から観測車両絶対座標(xi,yi)を減算して観測車両動径方向ベクトルciを求める。
そして、ステップS530において、制御装置20は、速度ベクトルvi及び観測車両動径方向ベクトルciに基づいて姿勢角φiを算出する。具体的に、制御装置20は、ベクトルの内積の定義に基づいて以下の式(1)から姿勢角φiを演算する。
Figure 0007402755000001
図4に戻り、ステップS600において、制御装置20(特に、観測車両行動推定部34)は、観測車両行動推定処理を実行する。具体的に、制御装置20は、姿勢角φiを入力として、観測車両OiのラウンドアバウトRAに対する走行状態(走行維持状態、進入状態、又は離脱状態)を推定する。
図6は、観測車両行動推定処理(ステップS600)の詳細を示すフローチャートである。
具体的に、制御装置20は、観測車両OiのラウンドアバウトRAに対する走行状態を、下記の式(2)で表す関係で推定する。
Figure 0007402755000002
ここで、式(2)中の「ε」は、観測車両OiがラウンドアバウトRA内の環状走行路Lr(図3参照)を走行している状態である場合のcosφiの振れ幅の許容値(0に近い値)に相当する。上記式(2)における推定についてより詳細に説明する。
図7は、観測車両OiのラウンドアバウトRAに対する走行状態を推定する方法を説明する図である。なお、図7においては、ラウンドアバウトRA内の環状走行路Lrにおける走行の維持状態、進入状態、及び離脱状態にある観測車両Oiをそれぞれ、「観測車両O1」、「観測車両O2」、及び「観測車両O3」と記載する。
ラウンドアバウトRAにおいて走行を維持する観測車両O1の走行軌道は環状走行路Lrに沿う。このため、観測車両O1の速度ベクトルvo_1の方向は環状走行路Lrの外周の接線の方向と略一致する。したがって、この場合、速度ベクトルvo_1と観測車両動径方向ベクトルciは相互に略直交する。すなわち、姿勢角φ1は概ね直角(π/2)となる。すなわち、この場合、cosφ1は概ねゼロ(|cosφ1|<ε)となる。
また、ラウンドアバウトRAに対する進入過程にある観測車両O2は、環状走行路Lrにおける走行方向に合わせるような走行軌道をとる。すなわち、速度ベクトルvo_1の方向は、環状走行路Lrの外周(破線大円)の接線と鋭角で交わる。このため、速度ベクトルvo_1と環状走行路Lrの外周の接線の間のなす角は鋭角となり、姿勢角φ2は当該角に対する余角となる。したがって、姿勢角φ2も鋭角(π/2未満)となる。すなわち、この場合、cosφ2は0より大きい値(ε<cosφ2)をとる。
さらに、離脱状態の観測車両O3は、環状走行路Lrの外周に対してラウンドアバウト中心位置pcから離れる走行軌道をとる。すなわち、速度ベクトルvo_1の方向は、環状走行路Lrの外周と鈍角で交わる。このため、速度ベクトルvo_1と環状走行路Lrの外周の接線の間のなす角は鋭角となり、姿勢角φ3は当該角に対する補角となる。したがって、姿勢角φ3は鈍角(π/2<φ3<π)となる。すなわち、この場合、cosφ3は0より小さい値(cosφ3<ε)をとる。
したがって、走行維持状態におけるcosφiの理論値(すなわち0)に対して一定の許容幅を想定した所定値εを用いることで、上記式(2)に基づいて観測車両OiのラウンドアバウトRAに対する走行状態を好適に推定することができる。
図4に戻り、ステップS700において、制御装置20は、ステップS600において得られた観測車両Oiの走行状態に関する推定結果を、出力先装置3に出力する。
以上説明した構成を有する本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、ラウンドアバウトRAの内部又は周辺を走行する観測車両Oiの走行状態を推定する観測車両状態推定方法が提供される。
この観測車両状態推定方法は、ラウンドアバウトRAの中心位置(ラウンドアバウト中心位置pc)を特定するラウンドアバウト構造特定処理(ステップS200)と、観測車両Oiの位置(観測車両位置pi)を取得する観測車両位置取得処理(ステップS300)と、ラウンドアバウト中心位置pc(中心絶対座標(xc,yc))及び観測車両位置pi(観測車両絶対座標(xi,yi))に基づいて、観測車両絶対座標(xi,yi)から中心絶対座標(xc,yc)に向かうベクトルである観測車両動径方向ベクトルciを演算し、観測車両Oiの速度ベクトルviと観測車両動径方向ベクトルciとのなす角として姿勢角φiを演算する姿勢角演算処理(ステップS500)と、姿勢角φiに基づいて、ラウンドアバウトRAに対する観測車両Oiの走行状態を推定する観測車両状態推定処理(ステップS600)と、を含む。
そして、姿勢角演算処理では、観測車両Oiの速度ベクトルviを演算し(ステップS510)、観測車両絶対座標(xi,yi)から中心絶対座標(xc,yc)に向かうベクトルである観測車両動径方向ベクトルciを演算し(ステップS520)、観測車両Oiの速度ベクトルviと観測車両動径方向ベクトルciとのなす角として姿勢角φiを演算する(ステップS530及び式(1))。
これにより、観測車両OiのラウンドアバウトRAに対する走行状態を、観測車両Oiの車速及びその向き(すなわち、速度ベクトルvi)、及びラウンドアバウト中心位置pcという比較的検出又は演算が容易なパラメータに基づいて推定することができる。すなわち、ラウンドアバウトRAの内部又は周辺を走行する観測車両Oiの走行状態の推定という特定のシーンにおいて、車線形状などの道路詳細データを含んだ高精細地図情報の更新などに煩雑な作業が要求されるデータを用いることなく観測車両Oiの走行状態を好適に推定することができる。
また、本実施形態の観測車両状態推定方法において、観測車両状態推定処理では、姿勢角φiが略直角(すなわち、φi≒π/2)である場合に、観測車両OiがラウンドアバウトRA内を走行している過程である走行維持状態であると推定し(ステップS610のNo且つステップS620のYes、及びステップS640)する。さらに、姿勢角φiが鋭角である場合に、観測車両OiがラウンドアバウトRAに進入している過程である進入状態と推定する(ステップS610のYes、及びステップS630)。一方、姿勢角φiが鈍角である場合に、観測車両OiがラウンドアバウトRAから離脱している過程である離脱状態と推定する(ステップS610のNo且つステップS620のNo、及びステップS640)。
これにより、速度ベクトルvi及びラウンドアバウト中心位置pcから定まる一つのパラメータである姿勢角φiを参照するだけで、観測車両OiがラウンドアバウトRAに対して走行維持状態、進入状態、及び離脱状態のいずれであるのかを高精度に推定することができる。
また、本実施形態によれば、上記観測車両状態推定方法を実行するための観測車両状態推定装置が提供される。そして、本実施形態では、制御装置20が、ラウンドアバウトRAの内部又は周辺を走行する観測車両Oiの走行状態を推定する観測車両状態推定装置として構成される。
より詳細には、制御装置20は、ラウンドアバウトRAの中心位置(ラウンドアバウト中心位置pc)を特定するラウンドアバウト構造特定部(ラウンドアバウトデータ特定部28)と、観測車両Oiの位置(観測車両位置pi)を取得する観測車両位置取得部(観測車両位置演算部24)と、ラウンドアバウト中心位置pc(中心絶対座標(xc,yc))及び観測車両位置pi(観測車両絶対座標(xi,yi))に基づいて、観測車両絶対座標(xi,yi)から中心絶対座標(xc,yc)に向かうベクトルである観測車両動径方向ベクトルciを演算し、観測車両Oiの速度ベクトルviと観測車両動径方向ベクトルciとのなす角として姿勢角φiを演算する姿勢角演算部32(式(1))と、姿勢角φiに基づいて、ラウンドアバウトRAに対する観測車両Oiの走行状態を推定する観測車両状態推定部(観測車両行動推定部34)と、を含む。
これにより、本実施形態の観測車両状態推定方法の実行に適した具体的な制御構成(プログラム構成)が実現される。
なお、姿勢角φiに基づいて走行維持状態、進入状態、及び離脱状態以外の観測車両Oiの走行状態を推定する制御を採用しても良い。例えば、観測車両位置piに基づいて観測車両Oが環状走行路Lr内に存在することを検出している前提で、姿勢角φiがほぼ0となる場合(すなわち、観測車両Oiの向きが極端にラウンドアバウト中心位置pcに向いている場合)、又は姿勢角φiがほぼ180°(π)となる場合(すなわち、観測車両Oiの向きが極端にラウンドアバウト中心位置pcから離れる方向を向いている場合)において、観測車両Oiが何らかの要因で異常な走行状態であると推定する構成を採用しても良い。
また、本実施形態では、観測車両絶対座標(xi,yi)から中心絶対座標(xc,yc)に向かうベクトルを観測車両動径方向ベクトルciとし、観測車両Oiの速度ベクトルviと観測車両動径方向ベクトルciとのなす角としての姿勢角φiが鋭角である場合に、観測車両OiがラウンドアバウトRAへの進入状態と推定すると共に、姿勢角φiが鈍角である場合に、観測車両Oiが離脱状態と推定とした。しかしながら、姿勢角φiが鋭角である場合には、中心絶対座標(xc,yc)から観測車両絶対座標(xi,yi)に向かうベクトル(以下、「逆動径方向ベクトル」とも称する)と観測車両Oiの速度ベクトルviとが成す角度は鈍角となる。また、姿勢角φiが鈍角である場合には、中心絶対座標(xc,yc)から観測車両絶対座標(xi,yi)に向かうベクトルである逆動径方向ベクトルと観測車両Oiの速度ベクトルviとのなす角は鋭角となる。
したがって、姿勢角φiが鋭角とは逆動径方向ベクトルと観測車両Oiの速度ベクトルviとが成す角が鈍角であることと等しく、姿勢角φiが鈍角とは逆動径方向ベクトルと観測車両Oiの速度ベクトルviとが成す角が鋭角であることと等しい。よって、姿勢角φiに基づいて観測車両OiがラウンドアバウトRAに対して走行維持状態、進入状態、及び離脱状態のいずれであるのかを推定することは、逆動径方向ベクトルと観測車両Oiの速度ベクトルviとがなす角に基づいて観測車両OiがラウンドアバウトRAに対して走行維持状態、進入状態、及び離脱状態のいずれであるのかを推定することと同意であることは言うまでもない。
さらに、本実施形態においては構造データDRCに、世界座標系で表されたラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routを含む例を挙げたがこれに限らず、構造データDRCはラウンドアバウト中心位置pcのみであっても良い。すなわち、姿勢角φiは観測車両絶対座標(xi,yi)からラウンドアバウト中心位置pc(中心絶対座標)に向かう観測車両動径方向ベクトルciと観測車両Oiの速度ベクトルviとの角度であるため、姿勢角φiの算出にはラウンドアバウト中心位置pc(中心絶対座標)が必須パラメータであり、内接円半径rin、及び外接円半径routは必須パラメータではない。従って、構造データDRCには少なくともラウンドアバウト中心位置pc(中心絶対座標)が含まれていれば良い。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。特に、本実施形態では、ステップS400における座標変換処理が第1実施形態と異なる。
具体的に、本実施形態の制御装置20(特に、座標変換部30)は、自車両絶対座標(xs,ys)、観測車両相対座標(x´i,y´i)、及び中心絶対座標(xc,yc)を、ラウンドアバウト中心位置pcを中心とする極座標系(r,θ)に変換する。
図8は、第2実施形態の座標変換処理において設定される極座標系(r,θ)を説明する図である。
図8に示すように、本実施形態における極座標系(r,θ)は、ラウンドアバウト中心位置pc(中心絶対座標(xc,yc))を原点(0,0)として、当該ラウンドアバウト中心位置pcと自車両位置ps(自車両絶対座標(xs,ys))を結ぶ直線Lsの方向を偏角θの基準とする極座標系(r,θ)である。なお、本実施形態において、計算の便宜上、偏角θが当該線分に対して反時計回りの回転方向が正の方向として設定され、定義域が-π<θ<πに設定される。
自車両位置psをこの極座標系(r,θ)に変換した座標成分(以下、「自車両極座標(rs,θs)」とも称する)は、以下の式(3)のように表される。
Figure 0007402755000003
したがって、上記式(3)を参照すると、観測車両位置piをこの極座標系(r,θ)に変換した座標成分(以下、「観測車両極座標(ri,θi)」)は、以下の式(4)のように表すことができる。
Figure 0007402755000004
なお、式(4)の第2式における「acos・」は「cos・」の逆関数(すなわち、cos-1・)を意味する。
そして、本実施形態の制御装置20は、この極座標系(r,θ)で表されたラウンドアバウト中心位置pc及び観測車両位置piを用いて以降の処理を実行する。
より詳細には、制御装置20は、観測車両行動推定処理(ステップS600)において、極座標系(r,θ)で表されたラウンドアバウト中心位置pc及び観測車両位置piを用いて姿勢角φiを演算し、図6のステップS610~ステップS650の処理を実行するとともに、観測車両OiのラウンドアバウトRAに対する走行状態を推定する。具体的に、制御装置20は、上述した観測車両Oiが走行維持状態、進入状態、及び離脱状態の何れであるのかに加え、観測車両Oiの具体的な位置、速度(向きも含む)、及び加速度(向きも含む)などの状態も演算する。
以上説明した構成を有する本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態の観測車両状態推定方法の座標変換処理では、観測車両位置piを、自車両位置ps及びラウンドアバウト中心位置pcに基づいて定められる所定の座標系に変換する座標変換処理(図4のステップS400)を含む。そして、この座標系は、ラウンドアバウト中心位置pcと自車両位置psを結ぶ直線Lsの方向を偏角θの基準とする極座標系(r,θ)である。
このように、自車両位置psとラウンドアバウト中心位置pcを基準とした極座標系(r,θ)を設定することで、ラウンドアバウト中心位置pc以外のラウンドアバウトRAの構造に関する情報(内接円半径rin、外接円半径rout、及び合流走行路Ljとの間の合流部の位置など)を用いることなく、観測車両位置piを定めることができる。このため、上述した観測車両位置pi及びラウンドアバウト中心位置pcに基づく姿勢角φiの演算及びその後の走行状態の推定をより簡素な演算ロジックで実行することができる。
また、本実施形態の観測車両状態推定処理(ステップS600)では、上記極座標系(r,θ)で表示された観測車両位置piに基づいて該観測車両OiのラウンドアバウトRAに対する走行状態を推定する。
これにより、観測車両Oiの走行維持状態、進入状態、及び離脱状態以外のより詳細な走行状態についても、高精細地図などの膨大なデータを用いることなく、簡素な演算ロジックで推定することができる。
なお、本実施形態におけるラウンドアバウト中心位置pcと自車両位置psを結ぶ直線Lsの方向を偏角θの基準とする極座標系(r,θ)に代えて、ラウンドアバウト中心位置pcとある任意の固定点の位置を結ぶ線分の方向を偏角θ´の基準とする極座標系(r´,θ´)を用いて観測車両状態推定処理を実行する構成を採用しても良い。
[第3実施形態]
以下、第3実施形態について説明する。なお、第2実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施形態では、観測車両状態推定処理(ステップS600)において、第2実施形態で定めた極座標系(r,θ)の成分である動径r及び偏角θにより定まる注目領域Aを設定し、この注目領域Aを用いて走行状態の推定を行う観測車両Oiを選別する推定対象限定処理を実行する。
図9は、第3実施形態による観測車両行動推定処理の詳細を示すフローチャートである。
本実施形態の推定対象限定処理は、図9に示すステップS601及びステップS602として実現される。
具体的に、ステップS601において、制御装置20は、ラウンドアバウトRA内(環状走行路Lr)及びその周辺(合流走行路Lj)の観測対象領域の一部に、第1注目領域A1及び第2注目領域A2から成る注目領域Aを設定する。
そして、ステップS602において、制御装置20は、検出した全ての観測車両Oi(i=1,2,3・・・)の内、設定した注目領域Aに含まれる観測車両Ok(k<i)を推定対象に設定する。
さらに、ステップS603において、制御装置20は、注目領域Aに含まれる観測車両Okに対してのみステップS610以降の処理を実行する。すなわち、制御装置20は、観測対象領域における注目領域A以外の除外領域に含まれる観測車両Oi-kに対しては、推定対象から除外する(ステップS610以降の処理を実行しない)
以下、注目領域Aの具体的な設定方法について説明する。
図10は、注目領域Aの設定について説明する図である。なお、図10においては、塗りつぶされた全体の円領域が観測対象領域となり、第1注目領域A1、第2注目領域A2、及び除外領域に相当する領域にそれぞれ異なるパターンを付している。
先ず、第1注目領域A1は以下の式(5)で表される極座標系(r,θ)の動径r及び偏角θの範囲として規定される。
Figure 0007402755000005
式(5)で表される偏角θの範囲は、ラウンドアバウトRA内の環状走行路Lrにおいて自車両Sに向かう走行方向成分を有する領域に相当する。すなわち、この第1注目領域A1は、自車両SがラウンドアバウトRA内(特に外側環状走行路Lrout)に進入しようとするシーンにおいて、当該自車両Sの走行軌道に向かって進行する他車両を観測車両Okとして選別する観点で定められる。
なお、図10では、外側環状走行路Lroutの走行方向が時計回り方向に設定されるラウンドアバウトRAの例を示しており、その前提で第1注目領域A1の偏角θの範囲を式(5)のように定めている。これに対して、外側環状走行路Lroutの走行方向が反時計回り方向に設定されるラウンドアバウトRAの場合には、自車両位置psに向かう走行方向が設定されている領域が、ラウンドアバウト中心位置pcと自車両位置psを結ぶ直線Ls(すなわち、動径rの基準線)に関して鏡像対象となる。したがって、この場合には、第1注目領域A1の偏角θの範囲を-π≦θ≦0に設定することができる。
また、第1注目領域A1の動径rの範囲は、ラウンドアバウトRAに対する走行を行う観測車両Okを適切に選別する観点から、ラウンドアバウト中心位置pcから過剰に遠い領域が第1注目領域A1の範囲に含まれないように好適な値に設定される。
次に、第2注目領域A2は、以下の式(6)で表される極座標系(r,θ)の動径r及び偏角θの範囲として規定される。
Figure 0007402755000006
基本的に、この第2注目領域A2は、環状走行路Lrにおいて自車両位置psから離れる走行方向が設定されている領域内(すなわち、第1注目領域A1に含まれない環状走行路Lr領域)に設定される。このように、自車両位置psから離れる走行方向成分を有する領域であっても、自車両位置psに対して一定以上に近い領域に存在する観測車両Oiに関しては、自車両Sとの接触の可能性が想定される。したがって、第2注目領域A2はこのような接触可能性が現実的に想定される動径r及び偏角θの範囲として定められる。
特に、式(6)中に含まれる偏角θの範囲を画定する角度定数ρは、ラウンドアバウトRAの構造(内接円半径rin又は外接円半径routなど)に応じて適宜定められる。具体的に角度定数ρは、外接円半径routを用いて以下の式(7)のように定めることができる。
Figure 0007402755000007
ここで、式(7)中の「D」は角度定数ρを固定した場合の外接円の円周領域に相当する定数である。すなわち、この距離定数Dは、自車両Sが外側環状走行路Lroutの-ρ≦θ≦0の偏角θの範囲を走行する場合における上限走行距離に相当する。このため、ラウンドアバウトRAにおける走行シーンにおいて想定される進入時の自車両Sの車速と観測車両Oiの車速の差などを考慮し自車両Sと観測車両Oiの接触を回避し得る距離定数Dを定めることで、外接円半径routから第2注目領域A2を定まる角度定数ρを求めることができる
したがって、この第2注目領域A2は、環状走行路Lrにおいて自車両位置psから離れる走行方向が設定されている領域内(すなわち、第1注目領域A1に含まれない環状走行路Lr領域)であって自車両Sと観測車両Oiとの接触可能性に基づいて定められる動径r及び偏角θの範囲として規定されることとなる。
以上説明した構成を有する本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態の観測車両状態推定方法における観測車両状態推定処理では、ラウンドアバウトRA内の走行路(環状走行路Lr)において自車両位置psに向かう走行方向が設定されている領域及びその周辺の合流走行路Ljの領域に相当する極座標系(r,θ)上の範囲(式(5)の第1注目領域A1)を含む領域を注目領域Aとして設定する(ステップS601)。そして、注目領域Aに含まれない観測車両Oiを走行状態の推定対象から除外する(ステップS602及びステップS603)。
これにより、走行状態の推定対象を、自車両Sの周辺センサ1などにより検出される観測車両Oiの内、注目領域Aに含まれる観測車両Okに限定することができる。したがって、制御装置20の演算負担を軽減することができる。
特に、ラウンドアバウトRA内の一又は複数の環状走行路Lrは走行方向が時計回り又は反時計回りの何れかに定まっている。このため、自車両SがラウンドアバウトRAの環状走行路Lrに合流しようとしているシーンにおいては、自車両Sから見て右側及び左側の何れか一方の他車両が当該自車両Sに接近するように走行し、他方の他車両は当該自車両Sから離れるように走行することとなる。したがって、当該シーンにおいて、上述のように、自車両位置psに向かう走行方向が設定されている領域及びその周辺の合流走行路Ljの領域を第1注目領域A1とすることで、上述のように走行状態の推定対象を限定しつつも、自車両Sに対して接触する可能性が懸念される他車両をより確実に推定対象に含めることができる。
また、本実施形態では、注目領域Aは、環状走行路Lrにおいて自車両位置psから離れる走行方向が設定されている領域内であって自車両Sと観測車両Oiとの接触可能性に基づいて定められる領域に相当する極座標系(r,θ)上の範囲である第2注目領域A2(式(6))をさらに含む。そして、この第2注目領域A2は、ラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routに基づいて定められる。
これにより、自車両位置psから離れる走行方向が設定されている領域に存在する観測車両Oi-kであっても、ある程度の接触可能性が想定されるものは走行状態の推定対象に含めることができる。これにより、自車両Sに対して接触する可能性が懸念される他車両をより一層確実に推定対象に含めることができる。
また、本実施形態におけるラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routは、予め所定の記憶領域(ラウンドアバウト構造記憶部26)に記憶されている。すなわち、第2注目領域A2の設定のための演算に必要なパラメータを、事前に準備されたラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routを特定(ステップS200)するだけで得ることができる。したがって、当該パラメータの検出のための特殊なセンサ又はプログラム構成を省略することができる。また、第2注目領域A2の演算にあたり、点列などで詳細な道路形状を必要としないため、ラウンドアバウト構造記憶部26に記憶されるデータ量を比較的小さくすることができる。
さらに、本実施形態では、注目領域Aを設定するための演算にあたり、ラウンドアバウト中心位置pcと自車両位置psを結ぶ直線Lsの方向を偏角θの基準とする極座標系(r,θ)を用いている。そして、ラウンドアバウトRA内において観測車両Oiが拘束される走行経路(環状走行路Lr)の半径は、実質的に内接円半径rin及び外接円半径routに応じた固定値となる。このため、上記極座標系(r,θ)を用いることで、注目領域Aを設定する演算を、実質的に一変数(偏角θ)の変化範囲を考慮するだけで実行することができる。したがって、制御装置20の演算負担をより軽減することができる。
なお、本実施形態では、推定対象限定処理(ステップS601及びステップS602)を、観測車両行動推定処理(ステップS600)の一工程として実行する例(図9参照)を説明した。しかしながら、これに代えて、観測車両位置取得処理(図4のステップS300)、又は姿勢角演算処理(図4のステップS500)の一工程として実行しても良い。
[第4実施形態]
以下、第4実施形態について説明する。なお、第3実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施形態では、ラウンドアバウト構造特定処理(S200)において予めラウンドアバウト構造記憶部26に記憶させたラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routを特定する構成に代え、これらを直接演算する。
図11は、本実施形態に係る制御装置20の構成を説明するブロック図である。図示のように、本実施形態の制御装置20は、特に、第1実施形態(図2)で説明したラウンドアバウト構造記憶部26及びラウンドアバウトデータ特定部28に代えて、ラウンドアバウト構造演算部29を備えている。
ラウンドアバウト構造演算部29は、周辺センサ1からの周辺状況データ、及び観測車両位置演算部24からの観測車両相対座標(x´i,y´i)を入力としてラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routを演算する。
例えば、周辺センサ1がカメラで構成される場合の周辺状況データはラウンドアバウトRA及びその周辺の画像データとなる。この場合、ラウンドアバウト構造演算部29は、この画像に含まれるラウンドアバウトRAの構造を示唆する特徴量(走行路を画定するための白線、走行路の凹凸、及び縁石cuなど)を、所定の画像解析アルゴリズム(セマンティックセグメンテーションなど)で解析することでラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routを求めることができる。
また、周辺センサ1がレーダー又はライダー等の測距型のセンサで構成される場合の周辺状況データはラウンドアバウトRA及びその周辺の位置に対応した反射波の分布データとなる。この場合、ラウンドアバウト構造演算部29は、反射波の分布データを所定の解析アルゴリズムで解析することでラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routを求めることができる。
図12は、ラウンドアバウトRAの構造特定の具体的な方法の一例を説明する図である。ラウンドアバウト構造演算部29は、周辺センサ1からの周辺状況データに基づいて環状走行路Lrの内周を画定する内側道路端(縁石cu)の情報及び外周を画定する外側道路端(外側縁石cu2)の情報、を特定し、当該情報に基づいてラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routを演算する。
特に、ラウンドアバウト構造演算部29は、周辺センサ1からの周辺状況データから、ラウンドアバウトRAの内接円の外周を構成する縁石cu上の任意の3点(図12の丸が込み部分)を特定することで、ラウンドアバウトRAの内接円の中心(ラウンドアバウト中心位置pc)、及び内接円半径rinを求めることができる。
また、ラウンドアバウト構造演算部29は、周辺状況データから、環状走行路Lrの外周を画定する物体(外側縁石cu2など)の情報を特定し、当該物体の環状走行路Lrに接する表面上の任意の点とラウンドアバウト中心位置pcの距離を演算することで外接円半径routを求めることができる。
以上説明した構成を有する本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態の観測車両状態推定方法のラウンドアバウト構造特定処理(ステップS200)では、ラウンドアバウトRA内の環状走行路Lrの内周を画定する内側道路端(縁石cu)の情報を取得し、この道路端の情報から環状走行路Lrの曲率中心(縁石cuの中心)を演算し、この曲率中心に基づいてラウンドアバウト中心位置pcを演算する。
さらに、本実施形態のラウンドアバウト構造特定処理では、ラウンドアバウトRA内の外周を画定する外側道路端(外側縁石cu2)の情報を取得する。そして、内側道路端の情報及び外側道路端の情報に基づいて、内接円半径rin及び外接円半径routを演算する。
これにより、観測車両Oiの走行状態を推定するための構造データDRCを記憶させたデータベース(第1実施形態等で説明したラウンドアバウト構造記憶部26)を省略することができる。特に、本実施形態における構造データDRCであるラウンドアバウト中心位置pc、内接円半径rin、及び外接円半径routは、自車両位置psを演算パラメータとして用いていない。したがって、観測車両Oiの走行状態を推定する演算において、自車両位置psを求めるための処理を省略することができる。
なお、本実施形態では、ラウンドアバウトRAの中心に存在する縁石cuが平面視略円形である例を想定して説明した。しかしながら、この縁石cuが平面視非円形である場合であっても、若干の変更により本実施形態の構成を適用することができる。例えば、縁石cuが円形に近い曲率部分を有する場合には縁石cuの外周の曲率中心をラウンドアバウト中心位置pcと推定しても良い。また、縁石cuが平面視略多角形状である場合には、当該多角形の重心などラウンドアバウトRAの中心と一致する可能性の高い点をラウンドアバウト中心位置pcと推定しても良い。
(第4実施形態変形例)
第4実施形態の変形例では、ラウンドアバウト構造特定処理(ステップS200)において、ラウンドアバウトRA内を走行する他車両の情報を取得し、この他車両の情報からから他車両の旋回中心を演算し、旋回中心に基づいてラウンドアバウト中心位置pcを演算する。
既に説明したように、ラウンドアバウトRAの環状走行路Lrにおける他車両の走行軌跡は、その中心がほぼラウンドアバウト中心位置pcと一致する同心円状となる。このため、他車両の走行軌跡の中心(旋回中心)を特定すればラウンドアバウト中心位置pcを好適に推定することができる。具体的には、例えば、ラウンドアバウトRA内を走行する複数の車両が検出された場合、複数の車両の走行軌跡に基づいて各車両の旋回円を求め、各車両の旋回円の中心のうちで最も算出頻度が高い位置、或いは平均位置をラウンドアバウト中心位置pcとすることができる。そして、このように、ラウンドアバウトRA内を走行する他車両の旋回中心からラウンドアバウト中心位置pcを求める構成であれば、環状走行路Lrの内周及び外周を画定する縁石cu又は外側縁石cu2等の物体が存在しない場合、或いは縁石cuの平面視形状からラウンドアバウト中心位置pcが推定し難い場合(縁石cuの形状がいびつな場合など)であっても、当該ラウンドアバウト中心位置pcの演算を好適に実行することができる。
[第5実施形態]
以下、第5実施形態について説明する。なお、第1~第4実施形態の何れかの要素と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図13は、本実施形態の自車両停止判断制御方法を説明するフローチャートである。図示のように、既に説明した観測車両行動推定処理(ステップS600)の結果に基づいて、観測車両Oiとの接触を回避する観点から、自車両Sを停止させるか否かを判断する処理(ステップS650)を実行する。
具体的に、本実施形態では、制御装置20は、周辺センサ1により検出した全ての観測車両Oi、又は第3実施形態で説明した注目領域Aに含まれる観測車両Okの中で、以下の式(8)~式(11)に基づいて定まる各除外条件I~IVの全てを満たさない観測車両Omが存在すると判定した場合に、自車両Sを停止させるべきと判断する(以下、単に「停止判断」とも称する)。一方、制御装置20は、全ての観測車両Oi又は観測車両Okが除外条件I~IVの何れかを満たすと判定した場合に、自車両Sを停止させるべきではないと判断する(以下、単にこれを「非停止判断」とも称する)。
Figure 0007402755000008
なお、式(8)で表される除外条件Iは、停車状態にある観測車両Oiを除外するための条件である。また、式(9)で表される除外条件IIは、姿勢角φiに基づいてラウンドアバウトRAからの離脱状態にある観測車両Oiを除外するための条件である。
さらに、式(10)中の「TTHW」は、環状走行路Lr内の観測車両Oiが自車両Sに接触するまでに十分に時間がかかるか否かという観点から定められる閾値である。したがって、式(10)で表される除外条件IIIは、ラウンドアバウトRA内を走行する観測車両Oiであって、現実的に自車両Sに接触する可能性が無いと判断できる程度に当該自車両Sから離れているものを除外するための条件である。
また、式(11)中の「Tapp」は、合流走行路Ljから環状走行路Lrに向かって走行する観測車両Oiが自車両Sに接触するまでに十分に時間がかかるか否かという観点から定められる閾値である。したがって、式(11)で表される除外条件IVは、ラウンドアバウトRAへの進入過程にある観測車両Oiであって、現実的に自車両Sに接触する可能性が無いと判断できる程度に当該自車両Sから離れているものを除外するための条件である。なお、式(11)の不等式の左辺では、観測車両位置piを第2実施形態等で説明した極座標系(r,θ)で表した場合の動径成分である「ri」を用いている。一方で、観測車両位置piを第1実施形態で説明した絶対座標系などの極座標系(r,θ)以外の座標系で表す場合であっても、適切な数式の変形を行うことで式(11)と同値の式を構成することもできる。
そして、制御装置20は、上記除外条件I~IVに基づく自車両Sの停止判断又は非停止判断の結果を出力先装置3に出力する(ステップS700)。
以上説明した構成を有する本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、第1~第4実施形態の何れかの観測車両状態推定方法により推定された観測車両Oiの走行状態に基づいて、自車両Sの停止判断又は非停止判断を行う自車両停止判断制御方法が提供される。この自車両停止判断制御方法では、自車両Sとの接触可能性が低い観測車両Oiを除外するための条件であって、姿勢角φiに関する条件(除外条件II)を含む除外条件I~IVを設定する。そして、除外条件I~IVを満たさない観測車両Oiが存在する場合には停止判断を行う。一方で、1又は複数の全ての観測車両Oi(又は観測車両Ok)が除外条件I~IVを満たす場合(特に除外条件I~IVのいずれかを満たす場合)には非停止判断を行う。
これにより、上記第1~第4実施形態において説明した観測車両状態推定方法により得られた観測車両Oiの走行状態に基づいて、自車両SがラウンドアバウトRA内又はその周辺を走行するシーンにおいて、観測車両Oiとの接触を好適に回避することのできる停止・非停止の判断ロジックを実現することができる。
なお、本実施形態の自車両停止判断制御方法を前提として、出力先装置3を第1実施形態で説明した自動走行制御装置で構成した場合には、自車両Sの停止又は非停止の判断結果に応じた自車両Sの走行を制御する自動運転制御が実現されることとなる。また、出力先装置3を表示装置(自車両Sの車室に搭載されるディスプレイ及び表示用コントローラ)で構成した場合には、上記自車両Sの停止判断を受けた場合に乗員に停止を促す表示を行うことができる。
また、式(8)~式(11)の上記除外条件I~IVは一例であり、自車両Sの停止又は非停止の判断を行う観点から好適な他の条件を採用しても良い。例えば、ラウンドアバウトRAからの離脱状態にある観測車両Oiを除外するための除外条件IIを、式(9)の姿勢角φiに関する条件(すなわち、観測車両Oiの向きに関する条件)に代えて、又はこれとともに以下の式(12)で表される条件を設定しても良い。
Figure 0007402755000009
式(12)の左辺は、極座標系(r,θ)における観測車両Oiの速度ベクトルviの動径成分に相当する。すなわち、これは観測車両Oiがラウンドアバウト中心位置pcから離れる方向の速度成分の大きさを意味する。式(12)の右辺は、観測車両OiがラウンドアバウトRAからの離脱状態にあると判断する観点から好適な当該速度成分の閾値である。
特に、除外条件IIを式(9)且つ式(11)を満たす条件として設定しても良いし、式(9)又は式(11)を満たす条件として設定しても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記各実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
また、上記各実施形態で説明した観測車両状態推定方法又は自車両停止判断制御方法を制御装置20(コンピュータ)に実行させるための車両状態推定プログラム又は車両停止判断制御プログラム、及び車両状態推定プログラム又は車両停止判断制御プログラムを記憶した記憶媒体も、本出願における出願時の明細書等に記載された事項の範囲内に含まれる。
1 周辺センサ
2 外部通信機
3 出力先装置
20 制御装置
22 自車両位置演算部
24 観測車両位置演算部
26 ラウンドアバウト構造記憶部
28 ラウンドアバウトデータ特定部
29 ラウンドアバウト構造演算部
30 座標変換部
32 姿勢角演算部
34 観測車両行動推定部

Claims (11)

  1. ラウンドアバウトの内部又は周辺を走行する観測車両の走行状態を推定する観測車両状態推定方法であって、
    前記ラウンドアバウトの中心位置を特定するラウンドアバウト構造特定処理と、
    前記観測車両の位置を取得する観測車両位置取得処理と、
    前記ラウンドアバウトの中心位置及び前記観測車両の位置に基づいて、前記観測車両の位置から前記ラウンドアバウトの中心位置に向かうベクトルである観測車両動径方向ベクトルを演算し、前記観測車両の速度ベクトルと前記観測車両動径方向ベクトルとのなす角として前記観測車両の姿勢角を演算する姿勢角演算処理と、
    前記姿勢角に基づいて、前記ラウンドアバウトに対する前記観測車両の走行状態を推定する観測車両状態推定処理と、を含む、
    観測車両状態推定方法。
  2. 請求項1に記載の観測車両状態推定方法であって、
    前記観測車両状態推定処理では、
    前記姿勢角が略直角である場合に、前記観測車両が前記ラウンドアバウト内を走行している過程である走行維持状態と推定し、
    前記姿勢角が鋭角である場合に、前記観測車両が前記ラウンドアバウトに進入している過程である進入状態と推定し、
    前記姿勢角が鈍角である場合に、前記観測車両が前記ラウンドアバウトから離脱している過程である離脱状態と推定する、
    観測車両状態推定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の観測車両状態推定方法であって、
    前記観測車両の位置を、自車両の位置及び前記ラウンドアバウトの中心位置に基づいて定められる所定の座標系に変換する座標変換処理を含み、
    前記座標系は、前記ラウンドアバウトの中心位置と自車両の位置を結ぶ直線の方向を偏角の基準とする極座標系であり、
    前記観測車両状態推定処理では、前記極座標系で表示された前記観測車両の位置に基づいて該観測車両の前記ラウンドアバウトに対する走行状態を推定する、
    観測車両状態推定方法。
  4. 請求項3に記載の観測車両状態推定方法であって、
    前記観測車両状態推定処理では、
    前記ラウンドアバウト内の走行路において自車両の位置に向かう走行方向が設定されている領域及びその周辺の合流走行路の領域に相当する前記極座標系上の範囲を含む領域を注目領域として設定し、
    前記注目領域に含まれない前記観測車両を走行状態の推定対象から除外する、
    観測車両状態推定方法。
  5. 請求項4に記載の観測車両状態推定方法であって、
    前記注目領域は、前記ラウンドアバウトの走行路において自車両の位置から離れる走行方向が設定されている領域内であって自車両と前記観測車両との接触可能性に基づいて定められる領域に相当する前記極座標系上の範囲をさらに含み、
    前記観測車両との接触可能性に基づいて定められる前記極座標系上の範囲は、前記ラウンドアバウトの中心位置、内接円の半径、及び外接円の半径に基づいて定められる、
    観測車両状態推定方法。
  6. 請求項1~5の何れか1項に記載の観測車両状態推定方法であって、
    前記ラウンドアバウト構造特定処理では、
    予め所定の記憶領域に記憶された前記ラウンドアバウトの中心位置、内接円の半径、及び外接円の半径を抽出する、
    観測車両状態推定方法。
  7. 請求項5に記載の観測車両状態推定方法であって、
    前記ラウンドアバウト構造特定処理では、
    前記ラウンドアバウト内の走行路の内周を画定する内側道路端の情報を取得し、
    前記内側道路端の情報から前記内周の曲率中心を演算し、
    前記曲率中心に基づいて前記ラウンドアバウトの中心位置を演算する、
    観測車両状態推定方法。
  8. 請求項5に記載の観測車両状態推定方法であって、
    前記ラウンドアバウト構造特定処理では、
    前記ラウンドアバウト内を走行する他車両の情報を取得し、
    前記他車両の情報から該他車両の旋回中心を演算し、
    前記旋回中心に基づいて前記ラウンドアバウトの中心位置を演算する、
    観測車両状態推定方法。
  9. 請求項7に記載の観測車両状態推定方法であって、
    前記ラウンドアバウト構造特定処理では、
    前記ラウンドアバウト内の外周を画定する外側道路端の情報を取得し、
    前記内側道路端の情報、及び前記外側道路端の情報に基づいて、前記ラウンドアバウトの内接円の半径及び外接円の半径を演算する、
    観測車両状態推定方法。
  10. 請求項1~9の何れか1項に記載の観測車両状態推定方法により推定された前記観測車両の走行状態に基づいて、自車両の停止判断又は非停止判断を行う自車両停止判断制御方法であって、
    自車両との接触可能性が低い前記観測車両を除外するための条件であって、前記姿勢角に関する条件を含む除外条件を設定し、
    前記除外条件を満たさない前記観測車両が存在する場合には前記停止判断を行い、
    1又は複数の全ての前記観測車両が前記除外条件を満たす場合には前記非停止判断を行う、
    自車両停止判断制御方法。
  11. ラウンドアバウトの内部又は周辺を走行する観測車両の走行状態を推定する観測車両状態推定装置であって、
    前記ラウンドアバウトの中心位置を特定するラウンドアバウト構造特定部と、
    前記観測車両の位置を取得する観測車両位置取得部と、
    前記ラウンドアバウトの中心位置及び前記観測車両の位置に基づいて、前記観測車両の位置から前記ラウンドアバウトの中心位置に向かうベクトルである観測車両動径方向ベクトルを演算し、前記観測車両の速度ベクトルと前記観測車両動径方向ベクトルとのなす角として前記観測車両の姿勢角を演算する姿勢角演算部と、
    前記姿勢角に基づいて、前記ラウンドアバウトに対する前記観測車両の走行状態を推定する観測車両状態推定部と、を含む、
    観測車両状態推定装置。
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