JP7321035B2 - 物体位置検出方法及び物体位置検出装置 - Google Patents
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本発明は、遠距離の物体の検出精度を向上させることを目的とする。
(構成)
自車両1は、自車両1の走行支援を行う走行支援装置10を備える。走行支援装置10は、自車両1の現在位置である自己位置を検出し、検出した自己位置に基づいて自車両1の走行を支援する。
例えば、走行支援装置10は、検出した自己位置と周囲の走行環境とに基づいて、運転者が関与せずに自車両1を自動で運転する自律走行制御を行うことによって運転を支援する。なお、推定した自己位置と周囲の走行環境とに基づいて操舵角のみあるいは加減速のみを制御するなど、自車両1の走行に関わる運転動作を部分的に支援してもよい。
測位装置11は、自車両1の現在位置を測定する。測位装置11は、例えば全地球型測位システム(GNSS)受信機を備えてよい。GNSS受信機は、例えば地球測位システム(GPS)受信機等であり、複数の航法衛星から電波を受信して自車両1の現在位置を測定する。
地図データベース12として、例えば、自律走行用の地図として好適な高精度地図データ(以下、単に「高精度地図」という。)を記憶してよい。高精度地図は、ナビゲーション用の地図データ(以下、単に「ナビ地図」という。)よりも高精度の地図データであり、道路単位の情報よりも詳細な走行レーン(車線)単位の情報を含む。
例えば、高精度地図は走行レーン単位の情報として、走行レーン基準線(例えば走行レーン内の幅方向で中央位置を走行レーンに沿って延びる中央線)上の基準点を示す車線ノードの情報と、車線ノード間の車線の区間態様を示す車線リンクの情報、走行レーンの幅方向端部位置に沿って延びる車線区分線の情報を含む。
なお、地図データベース12は、無線通信(路車間通信、または、車車間通信でも可)等の通信システムを介して外部から地図情報を取得してもよい。この場合、地図データベース12は、定期的に最新の地図情報を入手して、保有する地図情報を更新してもよい。また、地図データベース12は、自車両1が実際に走行した走路を、地図情報として蓄積してもよい。
例えば外部センサ13は、自車両1に対する自車両1周囲の他車両や物標の相対位置を検出する。ここで、物標とは、例えば、自車両1が走行する走行路面上の線(車線区分線等)や、路肩の縁石、ガードレール等である。
また、外部センサ13は、レーザレンジファインダ(LRF)やレーダ、LiDAR(Light Detection and Ranging)のレーザレーダなどの測距装置19を備えてよい。測距装置19は、例えば、自車両周囲に存在する物体との相対距離と方向により定まる相対位置を検出する。測距装置19は、検出した測距データを周囲環境情報としてコントローラ16へ出力する。
またナビゲーションシステム15は、設定した走行予定経路の情報をコントローラ16へ出力する。自律走行制御時にコントローラ16は、ナビゲーションシステム15が設定した走行予定経路に沿って自律走行するように自車両1を自動で運転(運転行動を制御)する。
記憶装置21は、半導体記憶装置や、磁気記憶装置、光学記憶装置等を備えてよい。記憶装置21は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
以下に説明するコントローラ16の機能は、例えばプロセッサ20が、記憶装置21に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
例えば、コントローラ16は、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路を備えてもよい。例えばコントローラ16はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
コントローラ16は、目標走行軌道に基づいて自車両1の自律走行制御を行い、アクチュエータ17を駆動して自車両1の走行を制御する。
コントローラ16は、カメラ18が自車両1の周囲環境を撮像して取得した撮像画像30を受信する。コントローラ16は、撮像画像30上において所定の認識対象の物体を検出し、これらの物体を検出した部分領域31を抽出する。認識対象の物体は、例えば、他車両や人間であってよい。
以下の説明において、認識対象の物体を検出した部分領域を「物体領域」と表記することがある。
参照符号32は、物体領域31の下端かつ幅方向で中央に位置する中心点を示す。
コントローラ16は、第1走行レーン33a及び第2走行レーン33bの地図データとして、これら中央線34a及び34bと左右車線境界線35~37の地図上の座標を、撮像画像30の画像座標系上の座標に変換する。
コントローラ16は、近傍点38の画像座標系上の座標を地図座標系上の座標に変換し、近傍点38の地図座標系上の座標に基づいて、検出した物体の地図座標系上の座標を検出する。例えば、近傍点38の地図座標系上の座標を、検出した物体の地図座標系上の座標として検出する。
カメラ18及びコントローラ16は、特許請求の範囲に記載の物体位置検出装置の一例を構成する。
物体検出部40は、カメラ18が自車両1の周囲環境を撮像して取得した撮像画像30を受信する。
上述のように物体検出部40は、検出した物体に接する最小の矩形領域を物体領域31として抽出してよい。なお、物体領域31の設定方法は検出した物体の画像上での位置を検出できれば矩形に限定されるものではなく、例えば平行四辺形や台形等の他の多角形であってもよい。
例えば、自己位置推定部41は、自己位置を前回推定した時点からの自車両1の移動量及び移動方向を算出し、これらの移動量及び移動方向により前回検出した自己位置を更新することにより、地図上の仮の自己位置を推定する。
物体位置推定部42は、地図データベース12から読み出した走行レーンの地図データを撮像画像30上に投影する。すなわち、地図座標系で表現された走行レーンの地図データの座標を、撮像画像30の画像座標系上の座標に変換する。
図4に示すピンホールカメラモデルの例の場合、物体位置推定部42は、地図座標系上の座標P(X,Y,Z)と画像座標系上の座標(u,v)との間の次の関係式にしたがって、地図データの座標を変換してよい。
このとき、物体領域31が検出した物体が走行レーンの中央線上に接地していると仮定する。物体位置推定部42は、中央線上の何れかの点を物体の位置として検出し、検出した中央線上の点の座標を地図座標系上の座標に変換することにより、検出した物体の地図座標系上の位置を推定する。
また、物体領域31が検出した物体に内接する最大の円径領域で表現される場合には、円径の物体領域31の最下端を中心点32として検出してもよい。
したがって物体位置推定部42は、物体領域31が対応付けられた走行レーンの進行方向の情報を地図データベース12から読み出し、近傍点38における走行レーンの進行方向に基づいて検出した物体の姿勢を推定する。
例えば図6に示すように、物体位置推定部42は、物体領域31の下辺の線分と、撮像画像30上で走行レーンの左右境界線35及び36で囲まれた領域a(ハッチングされた領域)との重なりを算出し、最も重なりの大きな走行レーン33aを撮像画像30に対応する走行レーンとして選択する。物体位置推定部42は、選択した走行レーン33aの中央線34aとの交点を近傍点38として選択してもよい。
マップ生成部43は、物体位置推定部42が推定した自車両1の周囲の物体の位置及び姿勢と、周囲環境情報と、高精度地図とに基づいて、自車両1の周辺の経路や物体の有無を表現する経路空間マップと、走行場の危険度を数値化したリスクマップを生成する。
運転行動計画とは、自車両を走行させる走行レーン(車線)と、この走行レーンを走行させるのに要する運転行動とを定めた、中長距離の範囲におけるレーンレベル(車線レベル)での運転行動の計画である。
例えば運転行動決定部44は、物体位置推定部42が推定した他車両の位置に基づいて、他車両が存在する走行レーンとその進行方向を判定し、自車両1の走行レーンと交差するレーンを走行する他車両が自車両に近づいているか否かを判定してよい。他車両が自車両に接近していると判定した場合には、自車両を停止、又は減速し、若しくは回避操舵を伴う運転行動計画を生成する。
走行軌道生成部45は、リスクマップに基づいて各候補の将来リスクを評価して、最適な走行軌道及び速度プロファイルを選択し、自車両1に走行させる目標走行軌道及び目標速度プロファイルとして設定する。
走行制御部46は、走行軌道生成部45が生成した目標速度プロファイルに従う速度で自車両1が目標走行軌道を走行するように、アクチュエータ17を駆動することにより、自車両1が走行予定経路に沿って自動で走行するように自車両1の運転行動を制御する。
次に、図7を参照して第1実施形態における物体位置検出方法の一例を説明する。
ステップS1においてカメラ18は、自車両1の周囲の撮像画像(例えば自車両の前方の撮像画像)30を取得する。
ステップS2において物体検出部40は、撮像画像30上において所定の認識対象の物体を検出し、これらの物体を検出した部分領域である物体領域31を抽出する。
ステップS4において物体位置推定部42は、物体検出部40が抽出した物体領域31と、画像座標系上に投影された走行レーンの地図データとを対応付ける。すなわち、物体位置推定部42は、画像座標系上において物体領域(部分領域)31と地図データとの対応を評価する。
ステップS5において物体位置推定部42は、近傍点38の地図座標系上の位置に基づいて、物体の位置を検出する。
具体的には、例えば、検出した近傍点38の地図座標系上の座標を物体の地図座標系上の座標と推定する。なお、近傍点38の地図座標系上の座標を例えば車両座標系等の地図座標系以外の他の座標系に変換して、物体の他の座標系上の位置を推定しても良く、近傍点38からどのような座標系における物体の位置を推定するかは適宜変更可能である。
また、物体位置推定部42は、走行レーンの進行方向の情報を地図データベース12から読み出し、近傍点38における走行レーンの進行方向に基づいて検出した物体の姿勢を推定する。
(1)カメラ18は、自車両1の周囲の撮像画像30を取得する。物体検出部40は、撮像画像30内において物体を検出した部分領域31を抽出する。物体位置推定部42は、地図データベース12の地図情報に含まれている自車両1の周囲の走行レーンの中央線の地図上の座標を、撮像画像の画像座標系上の座標に変換し、部分領域31の下端かつ幅方向で中央に位置する中心点32に最も近い中央線上の近傍点38を画像座標系において検出し、近傍点38の地図座標系上の位置に基づいて物体の位置を検出する。
これにより、道路構造に拘束されて移動することが明らかな車両等の物体の姿勢を推定することができる。
これにより、検出した物体が走行レーンの中央に存在し、且つ接地していると仮定した場合に、走行レーンの中央線に最も近くなる蓋然性が高い点を部分領域31から検出できる。
このとき、物体位置推定部42は、走行レーンの左右境界35及び36の地図上の座標を画像座標系上の座標に各々変換し、左右境界35及び36に囲まれた画像座標系上の領域と部分領域31の下辺との重複を算出し、複数の走行レーンのうち重複が最も大きな走行レーンの中央線と、部分領域31の下辺との交点を近傍点38として検出してよい。これにより、検出した物体の周囲に複数の走行レーンがあっても、物体がどの走行レーンにいるかを判定できる。
次に、第2実施形態を説明する。検出した物体が移動している場合には、カメラ18が時系列で撮像した複数の撮像画像30において物体を追跡することにより、撮像画像30上における同一物体の移動軌跡(移動履歴)を算出できる。
図8Aを参照する。参照符号31a、31b及び31cは、撮像画像30上において時系列順の時刻ta、tb及びtcにおいて同一物体を検出した物体領域を示す。
中心点32の軌跡50の代わりに、物体領域31自体の軌跡を算出してもよい。例えば、物体領域31が矩形である場合には、特定の頂点の軌跡を物体領域31の移動軌跡として算出してよい。物体領域31が円径である場合には、中心点の移動軌跡を物体領域31の移動軌跡として算出してよい。
具体的には図8Bに示すように、物体位置推定部42は、第1走行レーン33a及び第2走行レーン33bの進行方向に基づいて、中央線34a及び34bに対して撮像画像30上の向きを設定する。
次に、物体位置推定部42は、中央線34a及び34bの向きと中心点32の軌跡50の向きとに基づいて、中央線34a及び34bの何れかを選択する。
なお、上記に説明した形態においては第1走行レーン33a及び第2走行レーン33bの進行方向に基づいて、中央線34a及び34bに対して撮像画像30上の向きを設定したが、必ずしも中央線34a及び34bに対して向きを設定する必要は無い。例えば、第1走行レーン33a及び第2走行レーン33bのうち、画像座標系上で軌跡50の向きと進行方向との差が略一致する走行レーン33aを選択し、選択した走行レーン33aの中央線34aを選択するようにしても良い。すなわち、画像座標系上で軌跡50の向きに対して進行方向が略一致する走行レーンの中央線が選択できれば、中央線の選択方法は上記に限定されない。物体位置推定部42は、選択した中央線34a上の点のうち最新の中心点32cに最も近い近傍点38を算出する。
その後に物体位置推定部42は、図9Bに示すように、複数の中央線候補34a及び33b上の点のうち、最新の中心点32に最も近い中央線上の点を近傍点38として検出してよい。
物体位置推定部42は、時系列で撮像された複数の撮像画像30で検出された中心点32又は物体領域31の軌跡50を算出し、複数の走行レーンのうちで画像座標系上の進行方向と軌跡50の方向との差が予め定めた所定の範囲内である走行レーンの中央線を選択し、選択した中央線上の近傍点を算出する。
これにより、自車両1の周囲の物体から近い距離に複数の走行レーンが存在し、さらに検出誤差によって物体領域31の検出位置が安定しない場合であっても、物体が存在するレーンをより頑健に認識することができる。
Claims (6)
- 自車両の周囲の撮像画像を取得する処理と、
前記撮像画像内において、撮像された物体に対応する領域である部分領域を抽出する処理と、
地図情報に含まれている前記自車両の周囲のレーンの幅方向中央を前記レーンに沿って延びる中央線の地図上の座標を、前記撮像画像の画像座標系上の座標に変換する処理と、
前記部分領域の下端かつ幅方向で中央に位置する中心点に最も近い前記中央線上の位置である近傍点を前記画像座標系において検出する処理と、
前記近傍点の地図座標系上の位置に基づいて、前記物体の位置を検出する処理と、
をコントローラが実行する物体位置検出方法であって、
前記コントローラは、
前記レーンの左右境界線の地図上の座標を前記画像座標系上の座標に各々変換し、
前記左右境界線に囲まれた前記画像座標系上の領域と前記部分領域の下辺との重複を算出し、
複数の前記レーンのうち前記重複が最も大きな前記レーンの前記中央線と、前記部分領域の下辺と、の交点を前記近傍点として検出する、
ことを特徴とする物体位置検出方法。 - 前記コントローラは、前記近傍点における前記レーンの交通規則に応じた進行方向に基づいて、前記物体の姿勢を推定することを特徴とする請求項1に記載の物体位置検出方法。
- 前記部分領域は多角形であって、
前記コントローラは、前記部分領域の下辺の中央点を前記中心点として検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の物体位置検出方法。 - 前記部分領域は円形であって、
前記コントローラは、円形の前記部分領域の最下端を前記中心点として検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の物体位置検出方法。 - 前記部分領域は多角形であって、
前記コントローラは、前記部分領域の下辺と前記中央線との交点を前記近傍点として検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の物体位置検出方法。 - 自車両の周囲の撮像画像を取得するカメラと、
前記撮像画像内において、撮像された物体に対応する領域である部分領域を抽出し、地図情報に含まれている前記自車両の周囲のレーンの幅方向中央を前記レーンに沿って延びる中央線の地図上の座標を、前記撮像画像の画像座標系上の座標に変換し、前記部分領域の下端かつ幅方向で中央に位置する中心点に最も近い前記中央線上の位置である近傍点を前記画像座標系において検出し、前記近傍点の地図座標系上の位置に基づいて前記物体の位置を検出するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記レーンの左右境界線の地図上の座標を前記画像座標系上の座標に各々変換し、
前記左右境界線に囲まれた前記画像座標系上の領域と前記部分領域の下辺との重複を算出し、
複数の前記レーンのうち前記重複が最も大きな前記レーンの前記中央線と、前記部分領域の下辺と、の交点を前記近傍点として検出することを特徴とする、ことを特徴とする物体位置検出装置。
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