[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下では、遊技機は、パチンコ機、スロットマシン(パチスロ機)等の各種の遊技機を意味するものとする。また、遊技機が設置されている場所を遊技場(またはホール)と称し、遊技場の従業員をホール従業員と称して説明する。また、遊技機が設定されている遊技場に入店する人物を入店者(または入場者)と称し、入店者のうち遊技機で遊技を行う(または行った)人物を遊技者と称して説明する。また、入店者と称する場合には、遊技機で遊技を行う(または行った)人物と、遊技機で遊技を行わない人物との双方を含む場合があるものとする。
〔システム構成図〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るシステム全体の構成例を示すブロック図である。なお、図1(1)には、本発明の第1実施形態に係るシステムの基本構成例を示す。また、図1(2)(3)には、本発明の第1実施形態に係るシステムの変形例を示す。
本発明の第1実施形態に係るシステムは、遊技場管理システム10と、遊技装置管理システム100と、位置情報取得システム200と、個人遊技管理システム300とにより構成される。
遊技場管理システム10は、遊技場に設置されている各システムに直接または間接的に接続され、遊技場全体を管理するための管理システムである。また、遊技場管理システム10は、遊技装置管理システム100、位置情報取得システム200及び個人遊技管理システム300のそれぞれから出力される情報を取得し、これらの各情報に基づいて、各種の分析処理を行う。この分析処理については、図2、図7を参照して詳細に説明する。
なお、これらの情報のやり取りについては、図1(1)に示すように、遊技場管理システム10が、遊技装置管理システム100、位置情報取得システム200及び個人遊技管理システム300のそれぞれとの間で直接やり取りするようにしてもよく、図1(2)(3)に示すように、遊技装置管理システム100、位置情報取得システム200及び個人遊技管理システム300のうちの少なくとも1つのシステムとのやり取りを他のシステムを介して間接的に行うようにしてもよい。また、図2に示すように、遊技場管理システム10が他のシステムを含む構成としてもよい。
図2は、本発明の第1実施形態に係る各システムの内部構成例を示すブロック図である。図2では、説明を容易にするため、遊技場管理システム10が、他のシステムを含む構成例を示すが、これに限定されるものではない。
遊技場管理システム10は、個人遊技情報分析手段20を備える。個人遊技情報分析手段20は、遊技装置管理システム100から出力される情報(遊技機に関する情報)と、位置情報取得システム200から出力される情報(位置に関する情報)と、個人遊技管理システム300から出力される情報(個人に関する情報)とのそれぞれの3要素を集約して、分析処理を行うものである。この分析処理については、図6乃至図13等を参照して詳細に説明する。また、個人遊技情報分析手段20は、例えば、情報の入出力と情報の記憶とを行うことが可能な情報処理装置(例えば、入出力部、演算処理部(CPU等)及び記憶部(RAM、ROM、ハードディスク(HDD)等)を備えるパーソナルコンピュータ(ホールコンピュータ)やサーバー)により実現される。
ここで、遊技機に関する情報は、例えば、遊技機の稼働開始時刻や稼働終了時刻に関する遊技稼働情報である。なお、稼働開始時刻は、遊技機が実際に稼働した時刻を意味する。また、稼働終了時刻は、遊技機の稼働が実際に終了した時刻を意味する。すなわち、稼働開始は、遊技機が実際に稼働したタイミングを意味し、稼働終了は、遊技機の稼働が実際に終了したタイミングを意味する。なお、遊技機に関する情報の一例を図8(1)に示す。また、位置に関する情報は、例えば、遊技場における入店者の位置を特定するための個人位置情報である。この個人位置情報は、例えば、入店者が保持する携帯端末を利用して生成される情報(遊技場における位置情報、その取得時刻に関する時間情報、携帯端末の固有識別情報を含む)であり、遊技場マップ情報(遊技場MAP情報)221(図4に示す)における位置特定情報を用いて生成される。また、位置特定情報は、入店者の位置(領域)を特定するための情報であり、遊技場マップ情報221(図4に示す)における位置(領域)を特定するための情報である。なお、携帯端末は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、ゲーム機器等の無線通信機能を備える携帯型の電子機器である。なお、位置情報の一例を図8(2)に示す。また、個人に関する情報は、例えば、会員登録されている個人情報や設定情報(例えば遊技機の利用制限に関する情報)である。なお、個人に関する情報の一例を図8(4)に示す。また、個人遊技情報分析手段20による分析結果の一例を図8(3)に示す。
その分析処理として、例えば、個人遊技情報分析手段20は、遊技装置管理システム100から出力される遊技稼働情報と、位置情報取得システム200から出力される個人位置情報とに基づいて、個人の遊技開始及び遊技終了に関する個人遊技情報を分析する。また、個人遊技情報分析手段20により分析されて生成された情報(個人遊技情報)は、出力装置(例えば、表示装置、音声出力装置、他の機器への出力するための通信装置)から出力される。なお、図2では、個人遊技情報分析手段20が遊技場管理システム10を構成する他のシステムと異なる形態とする例を示すが、遊技場管理システム10を構成する他のシステム(例えば遊技装置管理システム100)に個人遊技情報分析手段20が組み込まれて入れもよい。
このように、遊技装置管理システム100から出力される遊技稼働情報と、位置情報取得システム200から出力される個人位置情報とに基づいて、個人の遊技開始及び遊技終了に関する個人遊技情報が分析されるため、個人の遊技開始(例えば遊技機の前の椅子への着座)から終了(例えば遊技機の前の椅子からの離席)までの個人遊技情報を正確に把握することができる。
なお、個人遊技情報分析手段20は、遊技装置管理システム100から出力される遊技稼働情報と、位置情報取得システム200から出力される個人位置情報とともに、個人遊技管理システム300から出力される個人情報を用いて、個人の遊技開始及び遊技終了に関する個人遊技情報を分析するようにしてもよい。
遊技装置管理システム100は、遊技情報取得手段110と、遊技媒体借り金情報取得手段121と、遊技媒体持ち数情報取得手段122と、遊技媒体計数情報取得手段123と、会員情報取得更新手段124とを備える。遊技装置管理システム100は、遊技装置管理手段を構成する。なお、遊技媒体借り金情報取得手段121、遊技媒体持ち数情報取得手段122、遊技媒体計数情報取得手段123及び会員情報取得更新手段124は、矩形の点線120で示すように、1つの周辺機器(例えば、玉貸し機(遊技機の間に設置されるサンドやユニットと称される機器))で構成されるようにしてもよく、複数の機器により構成されるようにしてもよい。
遊技情報取得手段110は、遊技装置やその周辺機器、他の各手段から各種の遊技情報を取得するものであり、取得した各種の遊技情報を個人遊技情報分析手段20に出力する。なお、遊技装置と称する場合には、遊技機と遊技機周辺の装置とのうちの何れか一方またはそれら双方を意味するものとする。例えば、遊技装置と称する場合には、遊技機、ユニット(貸機)、補給器(島内部)、各台計数装置、呼出ランプなどのうちの少なくとも1つを意味するものとする。なお、遊技情報取得手段110は、例えば、遊技情報の入出力と情報の記憶とを行うことが可能な遊技情報収集装置(例えば、特開2017-070585や特開2018-68479に記載のように、入出力部、演算処理部(CPU等)及び記憶部(RAM、ROM等)を備えるもの)を含んでよい。
ここで、遊技情報取得手段110により取得される各種の遊技情報は、例えば、遊技装置から直接得ている情報(一次データ)、一次データを演算処理したり若しくは所定の設定をすることにより生成して得られる情報(二次データ)である。なお、一次データは、例えば、遊技機のアウト数(アウト)、セーフ数(セーフ)、大当たり回数等である。また、二次データは、例えば、遊技機の稼働開始及び稼働終了に関する遊技稼働情報である。例えば、アウトが変化し始めた場合やアウトのカウント信号が発生し始めた場合には稼働開始に関する遊技稼働情報が生成され、アウトが変化しない場合やアウトのカウント信号がない場合(未カウントの場合)には稼働終了に関する遊技稼働情報が生成され得る。この遊技稼働情報については、図6乃至図8を参照して詳細に説明する。
遊技媒体借り金情報取得手段121は、遊技装置またはその周辺機器から遊技媒体借り金情報(例えば借り球の金額、借りメダルの金額に関する情報)を取得するものであり、取得した遊技媒体借り金情報を遊技情報取得手段110又は個人遊技情報分析手段20に出力する。遊技媒体借り金は、貸出ボタンが押される度に積算されるものでよい。
遊技媒体持ち数情報取得手段122は、遊技装置またはその周辺機器(玉貸し機等)から遊技媒体持ち数情報(持ち球の数、持ちメダルの数に関する情報)を取得するものであり、取得した遊技媒体持ち数情報を遊技情報取得手段110又は個人遊技情報分析手段20に出力する。なお、遊技媒体持ち数情報は、遊技媒体借り金情報に基づいて生成される(例えば「借り球の金額÷レート+賞球数(賞メダル数)-減少分」で算出)。若しくは、遊技媒体持ち数情報は、周辺機器(玉貸し機等)の払い出し数に基づいて取得される。また、遊技媒体持ち数情報は、遊技媒体借り金の増加に相当する加算処理により順次加算、減算処理により順次減算されて生成される。
遊技媒体計数情報取得手段123は、遊技装置またはその周辺機器から遊技媒体計数情報(持ち球の減少数、持ちメダルの減少数に関する情報)を取得するものであり、取得した遊技媒体計数情報を遊技情報取得手段110又は個人遊技情報分析手段20に出力する。なお、遊技媒体持ち数は、遊技媒体計数情報に基づく減算処理により減算されてもよい。
会員情報取得更新手段124は、遊技装置またはその周辺機器(玉貸し機等)などから会員情報を取得するものであり、取得した会員情報を更新する。また、その取得、更新した会員情報を遊技情報取得手段110に出力する。なお、ここで示す会員情報は、遊技場の会員が貯めている遊技媒体(すなわち貯球、貯メダル)に関する情報である。例えば、遊技場の会員になっている遊技者は、玉貸し機に会員カードを挿入すると、その遊技場に貯めていた遊技媒体(貯球、貯メダル)が認識される。そして、玉貸し機又は遊技機の貸出ボタンを押すと、現金を入れることなく、貯めていた遊技媒体(貯球、貯メダル)が減ってその分の遊技媒体(遊技球、遊技メダル)が遊技機の皿に出力される。このように、会員情報取得更新手段124は、遊技場の会員が貯めている遊技媒体(すなわち貯球、貯メダル)に関する処理(例えば預け払い処理)を行うものである。また、会員情報取得更新手段124により管理されている会員情報(遊技場の会員が貯めている遊技媒体(すなわち貯球、貯メダル)に関する情報)は、所定のタイミングで遊技場の会員システムへ更新処理される。
なお、第1実施形態では、個人遊技管理システム300により管理される個人遊技管理情報のうち、遊技で変動する要素のものは、遊技装置管理システム100により管理する例(例えば会員情報取得更新手段124による管理)を示すが、これに限定されない。遊技で変動する要素のものについても個人遊技管理システム300により管理するようにしてもよい。
位置情報取得システム200は、認証手段210と、位置特定手段220と、入退店者カウント手段230とを備える。なお、位置情報取得システム200は、例えば、情報の入出力と情報の記憶とを行うことが可能な情報処理装置(例えば、入出力部、演算処理部(CPU等)及び記憶部(RAM、ROM、ハードディスク(HDD)等)を備えるパーソナルコンピュータやサーバー)を含んでよい。位置情報取得システム200は、位置情報取得手段を構成する。
認証手段210は、遊技場への入店者が保持する携帯端末との間で通信(例えば無線通信)を行うことが可能な1または複数の送受信装置(送受信装置241乃至258(図4に示す))を備え、これらの各送受信装置と入店者が保持する携帯端末との間で行われる無線通信を利用して携帯端末の認証処理を行うものである。認証手段210は、携帯端末が保持している固有識別情報(例えばMAC(Media Access Control)アドレス)を取得する。なお、送受信装置も固有識別情報を保持している。なお、無線通信として、例えば、無線LAN(Local Area Network)(例えばWi-Fi(Wireless Fidelity))、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication))等を採用することができる。なお、Wi-Fiは、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)により策定されている無線LANの標準規格(IEEE802.11)である。また、Bluetoothは、IEEEにより策定されている近距離無線通信の標準規格(IEEE802.15.1)である。
位置特定手段220は、認証手段210により認証された携帯端末(入店者が保持する携帯端末)の位置(遊技場における位置)を特定するものであり、特定した位置に基づいて個人位置情報を生成する。そして、位置特定手段220は、生成した個人位置情報を個人遊技情報分析手段20に出力する。
例えば、位置特定手段220は、位置特定解析プログラムに基づいて、携帯端末(入店者が保持する携帯端末)の位置(遊技場における位置)を特定する。例えば、位置特定手段220は、遊技場マップ情報221(図4に示す)を保持して、遊技場マップ情報221を利用して携帯端末(入店者が保持する携帯端末)の位置(遊技場における位置)を特定する。なお、遊技場マップ情報221については、図4を参照して詳細に説明する。
入退店者カウント手段230は、遊技場への入店者及び遊技場からの退店者をカウントするものであり、カウント結果(入店者及び退店者の数)を個人遊技情報分析手段20に出力する。なお、入店者及び退店者のカウント方法については、図4を参照して詳細に説明する。
個人遊技管理システム300は、個人情報登録手段310と、個人情報管理手段320とを備える。また、個人遊技管理システム300は、例えば、情報の入出力と情報の記憶とを行うことが可能な情報処理装置(例えば、入出力部、演算処理部(CPU等)及び記憶部(RAM、ROM、ハードディスク(HDD)等)を備えるパーソナルコンピュータやサーバー)により実現される。個人遊技管理システム300は、個人遊技管理手段を構成する。なお、図2では、遊技装置管理システム100及び個人遊技管理システム300を異なるシステムとして説明するが、これに限定されない。例えば、個人遊技管理システム300は、個人遊技管理設定手段として、遊技装置管理システム100に組み込まれていてもよい。
個人情報登録手段310は、個人情報の登録処理を行うものである。なお、個人情報登録手段310による登録処理により登録された個人情報は、個人情報管理手段320により管理される。
個人情報管理手段320は、個人情報を管理するものであり、管理されている個人情報を個人遊技情報分析手段20に出力する。また、個人情報管理手段320により管理される個人情報は、例えば、遊技時間の上限設定、遊技金額(貸出額)の上限設定、入店回数の上限設定、遊技停止条件設定である。これらの一例を図8(4)に示す。また、これらの各情報については、暗号化処理(個人情報秘匿化処理等)により秘匿化されて管理される。
[遊技場マップ情報の構成例]
図3は、位置特定手段220に保持される遊技場マップ情報221(図4に示す)に対応する遊技場(ホール)を簡略化して示す上面図である。
図4は、位置特定手段220に保持される遊技場マップ情報221を模式的に示す図である。なお、図4において内部に網目が付された領域は、遊技島の設備や景品場(景品置場)の棚や手洗い/化粧直しなどが存在する領域である。また、図4において、点線で示すものは、遊技場に設置されている椅子等である。
図3に示すように、遊技場は、出入口領域1と、遊技機領域2と、手洗い/化粧直し領域3と、休憩室領域4と、景品場領域5と、休憩場所領域6と、他の領域とに分類することができる。なお、図3では、各領域を矩形の点線で囲んで示す。なお、遊技機領域2は、5か所の領域が存在するものとする。
出入口領域1は、入店者が遊技場に出入りする出入口を含む領域である。
遊技機領域2は、各遊技島に対応し、遊技機等の遊技島の設備と遊技機の前に設置されている椅子とを含む領域(遊技エリア)である。例えば、図3の右側2つの遊技機領域2は、スロットマシンが設置されており、図3の左側3つの遊技機領域2は、パチンコ機が設置されている。
手洗い/化粧直し領域3は、トイレにおける手洗い及び化粧直しが設置されている場所を含む領域(休憩エリア)である。なお、手洗い/化粧直し領域3については、個人のプライバシーを尊重して手洗い及び化粧直しの出入口付近の領域のみを設定する例を示すが、これに限定されない。
休憩室領域4は、入店者が休憩するために設置されている部屋を含む領域(休憩エリア)である。
景品場領域5は、遊技者が交換することが可能な景品が展示されている景品場を含む領域(景品交換エリア)である。
休憩場所領域6は、入店者が休憩するために設置されている場所を含む領域(休憩エリア)である。
図4に示すように、遊技場マップ情報221は、遊技場における入店者の位置(入店者が保持する携帯端末の位置)を特定するために用いられる情報(ホールMAP情報)であり、遊技場毎に登録しておく必要がある。言い換えると、遊技場マップ情報221は、位置特定手段220により特定された入店者の位置(入店者が保持する携帯端末の位置)と、遊技場における各領域(特定の範囲)とを紐付ける際(関連付ける際、対応付ける際)に用いられる情報である。すなわち、受信強度や通信速度により携帯端末及び送受信装置の間の距離を把握することは可能であるが、遊技場内における位置を特定するためには、携帯端末の位置(位置情報)と遊技場における各領域とを紐付ける遊技場マップ情報221が必要となる。
具体的には、遊技場マップ情報221は、特定位置及び送受信装置の位置が含まれる情報である。特定位置は、遊技場における一部の領域であり、個人遊技情報分析手段20による分析処理に用いられる入店者の位置を特定するために設定される領域である。
具体的には、図4に示すように、遊技場マップ情報221として、図3に示す遊技場の各領域1乃至6に対応する位置特定情報(パラメータ情報)が設定される。例えば、三次元座標(XYZ座標と称する)において、図3に示す遊技場に対応する領域(遊技場領域)を設定する。そして、その遊技場領域において、図3に示す遊技場内に設置される各領域1乃至6に対応する位置特定情報(例えば矩形領域)を設定する。このように、位置特定情報として矩形領域を設定する場合には、入店者の位置を特定するためにどの程度の範囲が必要か等を考慮して、その矩形領域のサイズを設定する。また、遊技場マップ情報221内にある複数の矩形領域の設定は、異なる矩形領域サイズの混在も可能である。なお、本発明の第1実施形態では、遊技場マップ情報221として、三次元座標において遊技場領域を設定する例を示すが、二次元座標(例えばXY座標と称する)において、図3に示す遊技場に対応する領域(遊技場領域)を設定するようにしてもよい。二次元座標において遊技場領域を設定する場合には、例えば、図3に示す遊技場に対応する領域(遊技場領域)を平面座標に対応させて設定することができる。
例えば、図3に示す遊技機領域2(左上の遊技機領域2)において位置特定情報を設定する場合には、遊技機の前の椅子に着座する個々の遊技者(図3では丸で示す)を検出可能な程度の範囲(例えば椅子に座った遊技者が移動可能な範囲)が位置特定情報として設定される。また、入店者の位置を細かく特定する場合には、例えば、一辺を10cmとする正方形の領域とすることができる。なお、矩形領域以外の形状の領域を設定するようにしてもよい。また、各領域は、重複しないように設定するようにしてもよく、重複して設定するようにしてもよい。また、図4では、説明を容易にするため、比較的大きな複数サイズの矩形領域を設定する例を示す。
図4に示すように、遊技場マップ情報221として、出入口領域1には、4つの位置特定情報(出入口位置情報E1乃至E4)を設定する。例えば、出入口に対応する矩形状の領域を4分割し、その各領域を出入口位置情報E1乃至E4として設定することができる。なお、図4では、出入口位置情報E1乃至E4に対応する矩形内に各符号E1乃至E4を付して示す。また、以下で示す各位置特定情報の符号についても同様に示す。
また、遊技機領域2には、80の位置特定情報(遊技位置情報P1乃至P80)を設定する。例えば、80台の各遊技機の前に設置されている椅子を含む領域(遊技機毎の領域)を遊技位置情報P1乃至P80として設定することができる。
また、手洗い/化粧直し領域3には、6つの位置特定情報(手洗い/化粧直し位置情報R9乃至R14)を設定する。例えば、手洗い/化粧直しの出入口付近に対応する矩形状の領域を6分割し、その各領域を手洗い/化粧直し位置情報R9乃至R14として設定することができる。ここでは、手洗い/化粧直し領域3の各領域は、各手洗い/化粧直し(洗面台)の前で個々の入店者が立つ領域に相当してよい。
また、休憩室領域4には、6つの位置特定情報(休憩室位置情報R1乃至R6)を設定する。例えば、休憩室に対応する矩形状の領域を6分割し、その各領域を休憩室位置情報R1乃至R6として設定することができる。ここでは、休憩室領域4の各領域は、休憩室の各椅子(図3の四角で示す)に対応する領域に相当してよい。
また、景品場領域5には、21の位置特定情報(景品場位置情報G1乃至G21)を設定する。例えば、景品場に対応する矩形状の領域を21分割し、その各領域を景品場位置情報G1乃至G21として設定することができる。
また、休憩場所領域6には、2つの位置特定情報(休憩場所位置情報R7、R8)を設定する。例えば、休憩場所に設置されている椅子を含む2つの領域を休憩場所位置情報R7、R8として設定することができる。
このように、本発明の第1実施形態では、出入口領域1、遊技機領域2以外の各領域(景品交換エリア、休憩エリア)においても、位置特定情報(G1乃至G21、R1乃至R14)を設定する。これにより、遊技エリア以外の景品交換エリア、休憩エリア等においても遊技エリアと同様に入店者の位置を特定(特定位置検知)することができる。すなわち、個人遊技情報分析手段20により、遊技時間外の入店者の滞在場所やその滞在場所での過ごし方等を分析することができる。また、遊技を行わない入店者(非遊技者)をカウントすることができる。
例えば、景品場領域5に入店者が長く滞在している場合を想定する。この場合には、個人遊技情報分析手段20は、滞在位置、滞在時間、移動方向等に基づいて、その入店者が景品交換をしたものの出荷結果でなく、何を選ぶか迷っているか等の分析(ユーザ動向分析)を行うことができる。この分析結果に基づいて、遊技場は、より適切な景品を仕入れることができるようになる。
また、例えば、休憩エリア(休憩室領域4、休憩場所領域6)に入店者が長く滞在している場合を想定する。この場合には、個人遊技情報分析手段20は、滞在位置、滞在時間、移動方向等に基づいて、休憩エリアでの入店者の過ごし方を分析(ユーザ動向分析)することができる。
例えば、椅子が存在する領域に入店者が長く滞在している場合には、その入店者が単純に椅子に座っていることが想定される。このように、長い間、休憩エリアの椅子に座っている入店者が多いことが把握できた場合には、座っている入店者に飲食物等を提供することが考えられるため、自動販売機(ドリンク、軽食等を提供)を遊技場に増やすべきと考えることができる。
また、本棚が設置されている位置から休憩エリアの椅子に移動した後、長い間、その椅子に座っている入店者が多いことが把握できた場合には、座っている入店者に読み物等を提供することが考えられるため、本棚に格納する本や本棚自体を遊技場に増やすべきと考えることができる。また、本棚が設置されている位置から休憩エリアの椅子に移動したことが把握できた場合には、本棚から雑誌等をとって見ていることを把握することができるため、雑誌がどのくらいの頻度で利用されているか等を容易に把握することができる。
このように、各種の分析結果に基づいて、遊技場は、提供すべきサービス内容を適切に把握することができ、より適切なサービスを提供できるようになる。
また、例えば、休憩エリア(手洗い/化粧直し領域3)に入店者が長く滞在している場合を想定する。この場合には、個人遊技情報分析手段20の分析結果に基づいて、遊技場は、手洗い/化粧直しの付帯設備をさらに充実させた方が良いか等を判断することが可能となる。
このように、個人遊技情報分析手段20は、遊技を行わない入店者(非遊技者)をカウントする非遊技者カウント手段として機能する。また、個人遊技情報分析手段20は、遊技時間外の入店者の滞在場所や滞在時間を認識する滞在場所認識手段、滞在時間認識手段としても機能する。
また、上述した各位置特定情報が設定される領域以外の領域(その他の領域)には「0」が設定される。なお、遊技場内における他の領域(例えば通路)についてもエリア識別して位置特定情報を設定するようにしてもよい。例えば、遊技場内における通路を50分割し、その各領域を位置特定情報(通路位置情報PW1~PW50)として設定することができる。このように、遊技場内における通路について通路位置情報PW1~PW50を設定することにより、どの通路に入店者がいるか、入店者がどこを通ったかなどの分析も可能となる。
また、図4では、遊技場マップ情報221に対応する遊技場に設置される送受信装置241乃至258の位置を白抜きの丸で簡略化して示す。なお、図4では、説明を容易にするため、比較的多くの送受信装置(図4では18個)を設置する例を示すが、遊技場における各領域において少なくとも1つの電波が届く程度の数の送受信装置を設置するようにしてもよい。また、送受信装置の設置場所については、遊技場における各領域(遊技機の位置等)を考慮して適宜設定することができる。例えば、電波強度が比較的強い無線通信(例えばWi-Fi)を採用する場合には比較的少ない送受信装置(Wi-Fiアクセスポイント)を設置するようにしてもよい。また、電波強度が比較的弱い無線通信(例えばBluetooth)を採用する場合には比較的多い送受信装置を設置するようにしてもよい。また、遊技場の外に送受信装置を設置した場合でも、その送受信装置の電波が遊技場に届くような場合には、遊技場の外に送受信装置を設置するようにしてもよい。
次に、認証手段210による携帯端末(入店者が保持する携帯端末)の認証方法について説明する。例えば、無線通信としてWi-Fiを採用する場合には、送受信装置(Wi-Fiアクセスポイント)241乃至258は、定期的にビーコン(ビーコン信号)を出力している。このビーコンを携帯端末が受信すると、所定の問い合わせ(Probe Request(プローブ要求))を送受信装置241乃至258に送信する。これに対して、送受信装置241乃至258は、その携帯端末にその問い合わせに対する返事(Probe Response(プローブ応答))を送信する。これらに関する所定のやり取りが行われた後に、送受信装置241乃至258と携帯端末との間で所定の認証処理(Authentication)が行われる。この認証処理については、公知の認証方法を採用することができる。また、これらの処理(Wi-Fiを利用する前段階の処理)において、互いの固有識別情報(MACアドレス)のやり取りが行われる。例えば、Wi-Fiによりやりとりされる情報(例えばMACフレーム)には、送信元アドレス(例えば、送信元のMACアドレス)及び送信先(宛先)アドレス(例えば、送信先(宛先)のMACアドレス)が含まれる。なお、MACアドレスは、メーカーコード、製品番号、装置固有の値により構成される。このように、送受信装置241乃至258は、携帯端末を認証するためにMACアドレスをビーコンに対する応答により取得する。そして、位置特定手段220は、携帯端末のMACアドレスに基づいて、送受信装置241乃至258の位置からその携帯端末の位置を特定することができる。
なお、この例では、プローブ要求を送信する場合に、固定値であるMACアドレスを使用する携帯端末(MACアドレス固定型)の認証方法の一例を示した。ただし、近年では、プローブ要求を送信する場合に、MACアドレスをランダム化する機能を備える携帯端末が提案されている。例えば、プローブ要求を送信する場合にMACアドレスがランダム化される携帯端末(MACアドレスランダム型)と、プローブ要求を送信する場合に、MACアドレス、送信間隔、シーケンス番号がランダム化される携帯端末(完全ランダム型)とが提案されている。このような携帯端末(MACアドレスをランダム化する機能を備える携帯端末)について認証する場合には、MACアドレスの一部の情報を利用して認証する認証方法、携帯端末が独自に生成する認証値を利用して認証する認証方法、携帯端末に関する各種情報(例えば、携帯端末から送信されるパケット情報、携帯端末が存在する位置に関する情報)を利用して同一の携帯端末を推定して認証する認証方法など、各種の認証方法を採用することができる。このように、同一の携帯端末を推定して認証することが可能であれば、認証方法の形態は特に問わない。また、ここでは、入店者が特に認証操作を行わなくても認証可能な認証方法を一例として示したが、入店者による特定操作が行われたことを条件に認証する認証方法を採用してもよい。例えば、遊技店のインターネット接続サービス等に入店者が携帯端末を接続することを条件(例えば入店者による接続操作があったことを条件)に識別情報(例えばMACアドレス等の固有識別情報、会員ID等の個人識別情報)を取得して認証させる認証方法としても良い。この場合に用いられた識別情報(例えば会員ID等の個人識別情報)は、所定条件を満たす場合(例えば入店者の許可を得た場合)に、その認証処理以降にWi-Fiによりやり取りされる各情報に含めるようにしてもよい。この場合には、携帯端末の固有識別情報の代わりに、その識別情報を用いることができる。ただし、会員ID等の個人識別情報を用いる場合には、暗号化処理(個人情報秘匿化処理等)により秘匿化を施して用いるようにする。
次に、位置特定手段220による位置特定方法として採用することが可能な測位について説明する。一般に、位置特定手段として、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)信号に基づく測位(GPS測位)、Wi-Fiの電波を利用した測位(Wi-Fi測位)、ビーコンを利用した測位(ビーコン測位)が知られているため、以下では、これらの測位について説明する。
GPS測位は、GPS信号を受信してそのGPS信号に基づいて位置情報を算出する測位である。また、その算出された位置情報には、GPS信号の受信時におけるGPS受信機の緯度、経度、高度等の位置に関する各データが含まれる。そこで、本発明の第1実施形態において、GPS測位を採用する場合には、GPS機能を備える携帯端末を利用する。例えば、遊技場マップ情報221において設定されているXYZ座標と緯度・経度とを紐付けておく。また、位置特定手段220は、GPS機能を備える携帯端末から、その携帯端末により算出された位置情報を送受信装置241乃至258の少なくとも1つを介して取得する。なお、位置特定手段220は、GPS機能を備える携帯端末から、その携帯端末により算出された位置情報を所定のネットワーク(例えばインターネット)を介して取得するようにしてもよい。そして、位置特定手段220は、その取得した位置情報に含まれる緯度・経度を、遊技場マップ情報221において設定されているXYZ座標に変換し、GPS機能を備える携帯端末の遊技場マップ情報221における位置を特定する。なお、GPS測位は、建物内部や地下での位置測位が難しい性質があるため、GPS信号を受信しやすい環境であることが好ましい。また、GPS測位による位置精度は、数m~100m程度であるため、GPS測位を採用する場合には、位置精度を高めることが重要となる。
Wi-Fi測位は、複数のアクセスポイント(Wi-Fi AP)からの電波強度や電波到達時間の違いに基づいて、三点測位を演算することで携帯端末の位置を割り出す方法である。Wi-Fi測位は、Wi-Fi環境がすでに整っている場所では導入しやすいという利点がある。ただし、Wi-Fi測位の精度は、Wi-Fi APの設置状況に左右され、一般には、誤差は数m~数10m程度と言われている。しかしながら、近年では、Wi-Fiの高精度位置特定(位置を数10cm程度の誤差で特定)をする技術や、1台のアクセスポイントでも測位可能な技術も開発されている。そこで、このような技術を採用することにより数cmから数10cm前後程度の誤差で測位できるようになる。また、本発明の第1実施形態では、位置特定手段として、Wi-Fi測位を採用する例を示す。
ビーコン測位は、Bluetooth信号を発信する機器(ビーコン機器)と携帯端末(Bluetoothを受信する機能を備える機器(例えばスマートフォン))とを利用して、信号の強度判別による位置範囲の測定や、三点測位による位置の特定を行う測位の方法である。例えば、Bluetoothの一種の通信方式(BLE(Bluetooth Low Energy))を活用し、信号の強度判別による位置範囲の測定や、三点測位による位置の特定を行うことができる。また、ビーコン測位の位置精度は、数cm~数10cm単位であるため、ビーコンを発信する機器を適切な場所に設置することができれば、目的に見合った適切な測位がどこでも可能になる。また、BLEを利用する場合には、ビーコンを発信する機器自体が省電力であり、電池駆動で何年も使えるため、設置コストを低減させることができる。
次に、位置特定手段220による入店者の位置(入店者が保持する携帯端末の位置)を特定する位置特定方法について説明する。
位置特定手段220は、送受信装置241乃至258からの情報に基づいて、入店者の位置(入店者が保持する携帯端末の位置)を特定する。例えば、入店者Aの位置(入店者Aが保持する携帯端末A1の位置)を特定する場合を想定する。この場合には、位置特定手段220は、携帯端末A1との間で無線通信をしている1または複数の送受信装置から情報(例えば、携帯端末A1の電波強度、携帯端末A1の通信速度)に基づいて、入店者Aの位置(入店者Aが保持する携帯端末A1の位置)を特定することができる。例えば、携帯端末A1が3つの送受信装置B乃至Dとの間で無線通信が可能な状態を想定する。この場合には、送受信装置B乃至Dのそれぞれは、無線通信を利用して携帯端末A1の電波強度を計測することができる。なお、送受信装置B乃至Dの位置は予め把握されており、送受信装置B乃至Dと携帯端末A1との間の距離は、電波強度等に基づいて、所定の計算式を利用した演算処理で推定値を求めることができる。そこで、位置特定手段220は、携帯端末A1と送受信装置B乃至Dとの各距離を計測(推定)し、その3つの距離に基づいて、三角関数の公式を利用して、携帯端末A1の遊技場における位置(例えば遊技場マップ情報221に対応するXYZ座標における位置)を特定することができる。次に、位置特定手段220は、その特定した携帯端末A1の位置が、遊技場マップ情報221における位置特定情報に対応する何れかの領域に含まれるか否か(すなわち合致するか否か)を判断する。そして、位置特定手段220は、合致する位置特定情報が存在した場合には、その合致した位置特定情報と時刻情報と固有識別情報を含む個人位置情報を個人遊技情報分析手段20に出力する。また、位置特定手段220は、合致する位置特定情報が存在しない場合には、合致する位置特定情報が存在しない旨(すなわち「0」と時刻情報と固有識別情報を含む個人位置情報)を個人遊技情報分析手段20に出力する。
例えば、位置特定手段220は、携帯端末の位置が、遊技場マップ情報221における遊技位置情報P1乃至P80に対応する何れかの領域に合致すると判断した場合には、その携帯端末を保持する入店者が、その合致すると判断された遊技位置情報(P1乃至P80の何れか)に対応する椅子に着座したことを検出することができる。また、位置特定手段220は、その合致すると判断された遊技位置情報(P1乃至P80の何れか)と、携帯端末の位置情報の取得時刻に関する時刻情報と、その携帯端末の固有識別情報とを含む個人位置情報を個人遊技情報分析手段20に出力する。このため、個人遊技情報分析手段20は、その個人位置情報に基づいて、その遊技位置情報(P1乃至P80の何れか)に対応する椅子に入店者が着座したことを検出することができる。
また、例えば、位置特定手段220は、携帯端末の位置が、遊技場マップ情報221における遊技位置情報P1乃至P80に対応する何れかの領域から、遊技機領域2以外の他の領域に移動したと判断した場合には、その携帯端末を保持する入店者が、着座していた椅子から離席したことを検出することができる。また、位置特定手段220は、その離席後に合致したと判断された位置特定情報(P1乃至P80以外、または「0」)と、携帯端末の位置情報の取得時刻に関する時間情報と、その携帯端末の固有識別情報とを含む個人位置情報を個人遊技情報分析手段20に出力する。このため、個人遊技情報分析手段20は、その個人位置情報に基づいて、入店者が離席したことを検出することができる。
なお、遊技機の遊技開始に関する遊技稼働情報が取得された場合において、携帯端末の位置情報を正確に取得することができず、その遊技機に関する位置特定情報(遊技位置情報P1乃至P80)が取得できないことも想定される。すなわち、携帯端末の位置情報が正確に取得できず、携帯端末の位置が位置特定情報のパラメータ外となることも想定される。このような場合を想定して、位置特定情報(遊技位置情報P1乃至P80)のパラメータ範囲を補正する補正手段を位置情報取得システム200に設けるようにしてもよく、不正が発生していると認識する等をアラーム報知するアラーム報知手段を位置情報取得システム200に設けるようにしてもよい。
また、位置特定手段220は、現在特定している入店者の位置と、その前(例えば直前)に特定した入店者の位置とを比較することにより、入店者が移動していることを検出することができる。例えば、現在特定している入店者の位置と、その直前に特定した入店者の位置とが同じ(または略同じ)である場合には、入店者は移動していないと判断することができる。一方、現在特定している入店者の位置と、その直前に特定した入店者の位置とが異なる場合には、入店者は移動していると判断することができる。この場合には、入店者の遊技場での位置(携帯端末の位置)とそれらの各取得時刻と携帯端末の固有識別情報とを紐付けて記録しておくことにより、入店者の導線を分析することができる。導線は、一つの固有識別情報に関して、取得時刻の順に位置をつなげた軌跡(経路)でよい。
また、位置特定手段220は、現在特定している入店者に関する位置特定情報(遊技場マップ情報221において合致した位置特定情報)と、その前(例えば直前)に特定した入店者に関する位置特定情報(遊技場マップ情報221において合致した位置特定情報)とを比較することにより、入店者が移動していることを検出することができる。この場合には、入店者の位置特定情報とそれらの各取得時刻と携帯端末の固有識別情報とを紐付けて記録しておくことにより、入店者の導線を分析することができる。このように、位置特定手段220は、入店者の移動方向を認識することが可能であるため、検出対象の移動方向認識手段としても機能する。なお、上述した各分析については、入店者の導線を分析する例で詳細に説明する。
このように、計測したい領域(エリア)に対して、複数の送受信装置からの距離、電波強度、通信速度等を計測することで、特定エリアに関する情報(位置情報)を収集できる。また、その収集情報(位置情報)に合致するデータ範囲を設定エリアとして設定することで、携帯端末の位置(携帯端末を保持する入店者の位置)を特定できる。このように、本発明の第1実施形態では、携帯端末の位置測定結果(携帯端末を保持する入店者の位置測定結果)を、遊技場マップ情報221における位置情報として用いることができる。
なお、上述した携帯端末の位置特定方法は、一例であり、他の公知の位置特定方法を採用するようにしてもよい。また、以上では、複数の送受信装置からの情報に基づいて携帯端末の位置を特定する位置特定方法について説明したが、例えば、1の送受信装置からの情報に基づいて携帯端末の位置を特定する位置特定方法を採用してもよい。例えば、単一アクセスポイントから位置を特定する技術(例えばWiFiバンドを利用)を採用することができる。
次に、入退店者カウント手段230による入店者の入退店をカウントするカウント方法について説明する。例えば、入退店者カウント手段230は、位置特定手段220により生成された個人位置情報に基づいて、入店者の入退店をカウントすることができる。例えば、位置特定手段220により出入口位置情報E1、E2の何れかが特定された直後に、位置特定手段220により出入口位置情報E3、E4の何れかが特定された場合には、対応する携帯端末を保持する人物が遊技場の外から遊技場内に移動することにより出入口領域1を通過したと判断することができる。この場合には、入退店者カウント手段230は、その対応する携帯端末を保持する人物の入店をカウントすることができる。一方、位置特定手段220により出入口位置情報E3、E4の何れかが特定された直後に、位置特定手段220により出入口位置情報E1、E2の何れかが特定された場合には、対応する携帯端末を保持する人物が遊技場内から遊技場の外に移動することにより出入口領域1を通過したと判断することができる。この場合には、入退店者カウント手段230は、その対応する携帯端末を保持する人物の退店をカウントすることができる。このように、入退店者カウント手段230は、入退店検出手段及び検出対象の移動方向認識手段として機能する。
また、人物を撮影して画像データを生成する撮影手段(例えばカメラ(例えば動画または静止画を撮影可能なデジタルカメラ))を用いて、入店者の入退店をカウントするようにしてもよい。なお、撮影手段は、被写体を撮像して画像(画像データ)を生成するものであり、例えば、レンズにより集光された被写体からの光を入射する撮像素子(イメージセンサ、画像センサ)、その撮像素子により生成された画像データについて所定の画像処理を施す画像処理部により構成される。また、撮像素子として、例えば、CCD(Charge Coupled Device)型やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の撮像素子を用いることができる。
例えば、出入口領域1を通過して入店する人物の顔を撮影する第1カメラと、出入口領域1を通過して退店する人物の顔を撮影する第2カメラとを出入口領域1またはその付近に設置する。なお、第1カメラ及び第2カメラ、または、第1カメラ及び第2カメラから画像を取得して画像処理を行う機器の少なくとも1つに人物の顔を検出する顔検出機能、顔識別機能(同一人物を識別する機能)が備えられるものとする。そして、第1カメラにより生成された画像から人物の顔が検出された場合には、その人物が入店したと判断することができる。なお、入店が判断された人物に関する画像データについては、退店するまでの間、保存しておく。なお、この画像データについては、暗号化処理(個人情報秘匿化処理等)により秘匿化されて管理されることが好ましい。また、第2カメラにより生成された画像から人物の顔が検出され、かつ、その顔が第1カメラにより生成された画像から検出された顔と同一(または近似)であると判断された場合には、その人物が退店したと判断することができる。
また、撮影手段とともに、位置特定手段220により生成された個人位置情報を用いることにより、入店をカウントした入店者と、その入店者が保持する携帯端末とを紐付けることができる。すなわち、入退店者カウント手段230(または位置特定手段220)により、遊技場に入店する人物が検出されたタイミングで、撮影手段(静止画または動画による撮影)が、その人物の顔を撮影することにより、その人物が保持する携帯端末の固有識別情報と、撮影手段によって取得された入店者特定情報(その人物の顔を含む画像情報(静止画または動画))とを紐付けることができる。例えば、固有識別情報と、記憶された画像情報のファイル名とを対応付ける情報(これら対応付けるテーブル等)を生成、記憶することによって、紐付け(関連付け、対応付け)できる。そして、撮影手段によって取得された入店者特定情報は、その人物が退店するまでの間、遊技場側で保存しておき、遊技場側で表示可能とする。例えば、ホール従業員が保持する携帯端末に入店者特定情報(顔画像)を表示させることができる。例えば、ホール従業員が保持する携帯端末と、撮影手段によって入店者特定情報が取得された入店者が保持する携帯端末との距離が所定範囲(例えば1乃至3m態度)になったことを条件に入店者特定情報(顔画像)を表示させるようにしてもよい。ただし、入店時には、入店者の顔画像を撮影して退店時まで保存される旨を各入店者に通知しておく必要がある。
ここで、例えば、携帯端末の固有識別情報と、位置特定手段220による個人位置情報とに基づいて、入店者の位置を特定することは可能である。ただし、その位置を特定した入店者の近くに1人または複数人の他の入店者が存在することも想定される。この場合には、ホール従業員が、近くに存在する他の入店者と、その位置を特定した入店者とを識別することが困難であることが想定される。そこで、このような場合でも、撮影手段により取得された入店者特定情報を利用することで、ホール従業員が、外観(顔、容姿、服装等)で当該者であるか否かを容易に識別できるようになる。すなわち、ホール従業員が特定の入店者を容易に識別することができる。
このように、位置情報取得システム200は、入退店者カウント手段230(または位置特定手段220)により、遊技場に入店する人物が検出された場合に、その人物を撮影する撮影手段(静止画または動画による撮影)を備えることができる。この場合には、遊技場管理システム10は、携帯端末の固有識別情報と、撮影手段によって取得された入店者特定情報とを紐付ける手段(関連付ける手段)を備えることができる。
また、入店者の入退店の時間を取得すれば、その入店者の店舗滞在時間の認識も可能となるため、入退店者カウント手段230は、滞在時間認識手段としても機能する。
また、入退店者カウント手段230により遊技場内に入店した入店者の数をカウントすることが可能であるため、入店者の数と遊技者の数とを対比することで、非遊技者の数を算出することが可能である。これにより、遊技場内に入店した入店者のうち、遊技をしていない人数を把握することができる。また、遊技場マップ情報221を利用すれば、どの場所にどの程度の人数が滞在しているかも把握することができる。これにより、非遊技エリア(休憩室、景品置場など)が有効に活用されているかを把握することが可能になる。
このように、遊技場管理システム10は、遊技場内に入店した入店者の数をカウントする入退店者カウント手段230と、入店者の数と遊技者の数とを対比することで、非遊技者の数を算出する算出手段とを備える。
[遊技場管理システムの通信例]
次に、本発明の第1実施形態に係るシステム間の通信処理について説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係るシステム間の通信処理の一例を示すシーケンスチャートである。図5では、入店者が保持する携帯端末を携帯端末270として示す。
最初に、携帯端末270を保持する人物が遊技場に入店するため、遊技場の出入口(図3に示す出入口領域1)に近づく場合を想定する。この場合には、遊技場に設置されている送受信装置241乃至258のうちの少なくとも1つ(例えば、出入口付近に設置されている送受信装置241)が携帯端末270との間で通信可能状態となる。このように、携帯端末270との間で通信可能となった送受信装置241は、携帯端末270との間で認証処理を行う(S701、S711)。この認証処理では、公知技術の各認証処理が行われる。また、この認証処理において、携帯端末270が保持する固有識別情報(例えばMACアドレス)が、携帯端末270から送受信装置241に送信される。これにより、認証手段210は、送受信装置241を介して携帯端末270の固有識別情報を取得する。そして、認証手段210は、取得した固有識別情報を位置特定手段220に出力する。なお、携帯端末270の固有識別情報(例えばMACアドレス)は個人情報に該当するため、これらのデータの取り扱いに関しては、暗号化処理(個人情報秘匿化処理等)により秘匿化されているものとする。
次に、位置情報取得システム200の位置特定手段220は、送受信装置241乃至258のうちの少なくとも1つから送信される情報(例えば、携帯端末270の電波強度、携帯端末270の通信速度)に基づいて、認証手段210により認証された携帯端末270の位置を特定する(S712)。すなわち、位置特定手段220は、遊技場マップ情報221における位置特定情報に対応する領域の何れかに携帯端末270が存在するかを特定する。このように、位置特定手段220は、携帯端末270が存在する位置を特定することにより、携帯端末270を保持する入店者の位置を特定し、その入店者に関する位置情報(個人位置情報)を生成する(S712)。なお、個人位置情報の生成については、定期的に行うようにしてもよく、不定期に行うようにしてもよい。また、何らかの条件を満たした場合に、個人位置情報の生成を行うようにしてもよい。例えば、入店者の位置が変更されたこと(すなわち移動したこと)を条件に、個人位置情報の生成を行うようにしてもよい。
次に、位置情報取得システム200の位置特定手段220は、生成した個人位置情報を個人遊技情報分析手段20に送信する(S713)。この個人位置情報を受信した場合には、個人遊技情報分析手段20は、受信した個人位置情報を記録する(S731)。なお、個人位置情報の送信については、定期的に行うようにしてもよく、不定期に行うようにしてもよい。また、何らかの条件を満たした場合に、個人位置情報の送信を行うようにしてもよい。例えば、入店者の位置が変更され、新たな個人位置情報が生成されたことを条件に、個人位置情報の送信を行うようにしてもよい。
また、遊技装置管理システム100の遊技情報取得手段110は、遊技場に設置されている各遊技機のうちの少なくとも1つに対応する遊技装置から遊技稼働情報を取得する(S721)。この遊技稼働情報は、遊技機の稼働開始及び稼働終了に関する情報を含む。
次に、遊技装置管理システム100の遊技情報取得手段110は、取得した遊技稼働情報を個人遊技情報分析手段20に送信する(S722)。この遊技稼働情報を受信した場合には、個人遊技情報分析手段20は、受信した遊技稼働情報を記録する(S732)。なお、遊技稼働情報の送信については、定期的に行うようにしてもよく、不定期に行うようにしてもよい。また、何らかの条件を満たした場合に、遊技稼働情報の送信を行うようにしてもよい。例えば、遊技機の稼働状態が変更されたことを条件に、遊技稼働情報の送信を行うようにしてもよい。
また、個人遊技情報分析手段20は、遊技情報取得手段110から送信された遊技稼働情報と、位置特定手段220から送信された個人位置情報とに基づいて、入店者の遊技開始及び遊技終了を分析して個人遊技情報を生成する(S733)。なお、個人遊技情報の生成については、図6乃至図8を参照して詳細に説明する。なお、図5では、位置特定手段220から個人位置情報が送信された後に(S713)、遊技情報取得手段110から遊技稼働情報が送信される(S722)例を示すが、これに限定されない。例えば、遊技情報取得手段110から遊技稼働情報が送信された後に、位置特定手段220から個人位置情報が送信されるようにしてもよく、これらが略同時に送信されるようにしてもよい。また、個人遊技情報分析手段20からの要求に応じて、各情報が適宜送信されるようにしてもよい。
[個人位置情報と遊技稼働情報との関係例(例1)]
図6は、携帯端末を保持する入店者の動作に基づいて生成される個人位置情報と遊技稼働情報との関係例を示す図である。図6では、入店者が入店をした後に遊技を行い、この遊技の後に遊技場内を回遊して退店をした場合の例を示す。
また、図6では、時間軸である縦軸に沿って、入店者の動作(遊技者動作)と、位置特定手段220により生成される個人位置情報と、遊技情報取得手段110により生成される遊技稼働情報との関係を示す。また、点線の矩形400は、遊技履歴として個人遊技情報の記録対象となるデータの範囲を示す。すなわち、点線の矩形400では、個人遊技情報のデータ保存方法の一例を示す。また、説明を容易にするため、図6に示す入店者を入店者AAと称し、入店者AAが保持する携帯端末のMACアドレスを「AAAA」と称して説明する。また、入店者AAは、台番が「8」の遊技機(図4に示す遊技位置情報P8に対応する)の前の椅子に着座する例を示す。
最初に、午前11時(11:00)に入店者AAが遊技場に入店する(遊技者動作:入店)。この場合には、認証手段210によりMACアドレス「AAAA」の携帯端末が認証される。そして、位置特定手段220によりMACアドレス「AAAA」の携帯端末の位置が特定され、その位置に対応する個人位置情報(位置特定情報、取得時刻、固有識別情報「AAAA」を含む)が生成される。このように、位置特定手段220により携帯端末の位置が特定されている状態を直線401で模式的に示す。また、入退店者カウント手段230は、入店者AAが遊技場に入店することを検出し、入店者AAの入店をカウントする。
次に、入店者AAは、遊技機の台を選定するため、遊技場内を移動する(遊技者動作:台選定)。この場合には、入店者AAが遊技場の通路を移動するため、位置特定手段220は、入店者AAが移動している通路に対応する個人位置情報(通路「0」、取得時刻、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成する。
次に、入店者AAは、午前11時15分(11:15)に、選定した遊技機の前の椅子に座る(遊技者動作:着座)。この場合には、位置特定手段220は、入店者AAが着座した椅子に対応する個人位置情報(遊技位置情報P8、取得時刻(11:15)、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成する。なお、入店者AAが椅子に座る前の状態でも、その椅子に対応する位置特定情報(遊技位置情報P8)の領域に、入店者AAが保持する携帯端末の位置が含まれると判断された場合には、入店者AAが着座したと判断されることもある。また、位置特定の検出の間隔によっては、所定回数以上、着座位置に存在すると検出されたことを条件に着座と判断されてもよい。このように、位置特定手段220により入店者AAの着座が検出されたタイミングを直線401において黒塗りの菱形402で模式的に示す。
次に、入店者AAは、午前11時16分(11:16)に、椅子に座った状態で遊技球を借りる(遊技者動作:球借)。このとき、位置特定手段220は、取得時刻が異なるが引き続き入店者AAが着座している椅子に対応する個人位置情報(遊技位置情報P8、取得時刻(11:16)、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成する。
次に、入店者AAは、午前11時17分(11:17)に遊技機で遊技を開始する(遊技者動作:遊技開始)。このとき、位置特定手段220は、取得時刻が異なるが引き続き入店者AAが着座している椅子に対応する個人位置情報(遊技位置情報P8、取得時刻(11:17)、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成する。また、遊技情報取得手段110は、入店者AAが着座している椅子に対応する遊技機の稼働開始を検出し、その稼働開始に関する遊技稼働情報を生成する。このように、遊技情報取得手段110により遊技機の遊技稼働が検出されている状態を直線404で模式的に示す。
次に、入店者AAは、午後12時30分(12:30)に遊技機での遊技を終了する(遊技者動作:遊技終了)。このとき、位置特定手段220は、取得時刻が異なるが引き続き入店者AAが着座している椅子に対応する個人位置情報(遊技位置情報P8、取得時刻(12:30)、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成する。また、遊技情報取得手段110は、入店者AAが着座している椅子に対応する遊技機の稼働終了を検出し、その稼働終了に関する遊技稼働情報を生成する。
次に、入店者AAは、午後12時33分(12:33)に、遊技をしていた遊技機の前の椅子から離れる(遊技者動作:離席)。この場合には、位置特定手段220は、離席後の入店者AAが移動した位置(ここでは通路)に対応する個人位置情報(通路「0」、取得時刻(12:33)、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成する。なお、入店者AAが離席したか否かの判断は、椅子に対応する位置特定情報(遊技位置情報P8)の領域に、入店者AAが保持する携帯端末の位置が含まれないと判断された場合に行われる。また、位置特定の検出の間隔によっては、所定回数以上、離席位置(椅子領域以外の位置)に存在すると検出されたことを条件に離席と判断されてもよい。
次に、入店者AAは、遊技場内を移動する(遊技者動作:店舗回遊)。この場合において、入店者AAが遊技場の通路を移動しているときには、位置特定手段220は、入店者AAが移動している通路に対応する個人位置情報(通路「0」、取得時刻、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成する。また、入店者AAが、遊技場において位置特定情報が設定されている場所に移動した場合には、位置特定手段220は、入店者AAの移動後の位置特定情報に対応する個人位置情報を生成する。
次に、午後12時50分(12:50)に入店者AAが遊技場から退店する(遊技者動作:退店)。この場合には、入退店者カウント手段230は、入店者AAが遊技場から退店することを検出し、入店者AAの退店をカウントする。また、送受信装置241乃至258の何れもが、MACアドレス「AAAA」の携帯端末との通信ができない状態となる。
ここで、各種データの保存方法について説明する。例えば、遊技稼働情報は、遊技情報取得手段110により入店者が遊技を行うタイミングで取得されて記録される。例えば、遊技情報取得手段110は、1分間に約100回発生し得るアウトに関するデータに基づいて遊技稼働情報を取得する。また、携帯端末の位置情報は、位置特定手段220により、Wi-Fiプロープ応答(通常は、100msec間隔(=秒間約10回))のタイミングで取得可能である。ただし、携帯端末の位置情報(プロープ情報の応答結果)を全て記録する場合には、位置情報算出処理及び記録処理が頻繁に発生するため、システム的にも負荷率が高くなる。そこで、携帯端末の位置情報については、記録間隔をあけて記録することも考えられる。例えばデータ量を間引いて記録(例えば5秒毎に記録)することが考えられる。
また、遊技機の前の椅子に着座中の位置特定情報(遊技位置情報P1乃至P80)の取得タイミングは多いので、着座中のデータ量を減らして保存しても良い。例えば、特定の着座範囲に存在することが検出された後に、その着座範囲に存在することが継続して検出されている場合には、新しく取得した位置情報は破棄してデータ量を減らして保存することができる。
また、遊技稼働情報及び個人位置情報については、データ収集のタイミング(周期)が異なるため、これらのデータについて整合性を持たせて遊技履歴データベース(遊技履歴DB)を構築することが重要となる。そこで、以下では、上述したデータ(入店者の着座から離席までの間に生成されるデータ)の保存方法(記録方法)について説明する。なお、以下では、主に2つの保存方法(第1、2保存方法)について説明するが、他の保存方法(例えばリアルタイムでデータを保存する保存方法)を採用するようにしてもよい。
例えば、遊技場の営業終了時に各種データを保存する保存方法(第1保存方法)が考えられる。例えば、位置特定手段220により生成された個人位置情報(携帯端末の位置情報、その取得時刻に関する時間情報、携帯端末の固有識別情報)について、一日分のデータをHC(ホールコンピュータ)に保存しておく。また、遊技情報取得手段110により生成された遊技稼働情報についても、一日分のデータをHCに保存しておく。また、個人遊技情報分析手段20は、遊技場の営業が終了したタイミングで、HCに保存されている遊技稼働情報及び個人位置情報を取得する。そして、個人遊技情報分析手段20は、遊技稼働情報をKEYにして(足掛かりにして)、個人位置情報から各入店者(携帯端末)の固有識別情報(MACアドレス)、位置情報を抽出して個人遊技情報を生成し、遊技履歴データベースとしてデータベース化することができる。例えば、遊技稼働情報に基づいて遊技機が稼働している時刻や時間帯(稼働時間)を抽出し、その時刻や時間帯においてその遊技機の椅子に着座している遊技者の位置情報とその遊技者の携帯端末の固有識別情報とを抽出する。そして、抽出された各情報が紐付けされる(関連付けされる、対応付けされる)ことにより個人遊技情報が生成され、固有識別情報をIDとして遊技履歴データベースが生成される。
このように、第1保存方法では、遊技場の営業終了時に遊技履歴データベースが生成されるため、遊技場の営業終了時に各種の結果を確認することができる。
また、例えば、遊技稼働情報の取得タイミングにより各種データを保存する保存方法(第2保存方法)が考えられる。例えば、遊技情報取得手段110により遊技機の稼働が認識された後に、個人遊技情報分析手段20は、その遊技機の位置(遊技場マップ情報221における遊技位置情報P1乃至P80)とその遊技機の稼働開始時間とに基づいて、その遊技機の位置に存在する携帯端末の固有識別情報(MACアドレス)を抽出する。そして、個人遊技情報分析手段20は、その抽出された固有識別情報をIDとした遊技履歴データベースを生成する。ただし、第2保存方法では、遊技機の稼働が認識された後に固有識別情報を抽出し、各データを記録するので遊技履歴データベースとして若干の誤差が生じるおそれがあるため、その誤差を低減させることが重要である。
以上では、個人の遊技開始及び遊技終了に関する個人遊技情報として、遊技機の前の椅子への着座からその椅子からの離席までの各種データを記録する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、個人遊技情報として、遊技機の稼働開始から遊技機の稼働終了までの各種データを記録するようにしてもよい。また、これらを組み合わせて記録するようにしてもよい。例えば、個人遊技情報として、遊技機の前の椅子への着座から、遊技機の稼働終了が検出されたタイミングまでの各種データを記録するようにしてもよい。また、例えば、個人遊技情報として、遊技機の稼働開始が検出されたタイミング(例えば球借または実際の遊技開始)から、その遊技機の前の椅子からの離席(または遊技機の遊技終了が検出されたタイミング)までの各種データを記録するようにしてもよい。
[個人遊技情報の分析処理例]
次に、個人遊技情報分析手段20により実行される分析処理に関連する制御を説明する。図7は、個人遊技情報の分析処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この分析処理は、個人遊技情報分析手段20が備える記憶部に記憶されている制御プログラムに基づいて、個人遊技情報分析手段20が備える演算処理部(例えばCPU(Central Processing Unit))により実行される。また、この分析処理は、個人遊技情報分析手段20において実行可能であるが、いわゆるソフトウェアとして組み込みが可能であれば、他の装置においても実行可能である。なお、この分析処理は、定期的に行うようにしてもよく、不定期に行うようにしてもよい。また、この分析処理は、所定条件を満たすことを条件に行うようにしてよい。なお、所定条件は、例えば、1日の営業終了時刻を過ぎたこと、1月の末日の営業終了時刻を過ぎたこと、着座が検出されたこと、離席が検出されたこと、退店が検出されたこと、などである。
図7では、図6を参照して、MACアドレス「AAAA」の遊技履歴として、着座を記録開始のトリガーとし、離席を記録終了のタイミングとする場合の分析処理に基づく個人遊技情報の記録方法の一例を示す。
個人遊技情報分析手段20は、位置情報取得システム200の位置特定手段220から出力された個人位置情報に基づいて、着座が検出されたか否かを判断する(S801)。すなわち、位置特定手段220は、遊技機の前の椅子に対応する領域(遊技位置情報P1乃至P80に対応する領域)の何れかに、認証手段210により認証された携帯端末が存在することを検出した場合には、その旨の個人位置情報(遊技位置情報P1乃至P80、その取得時刻、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成して個人遊技情報分析手段20に出力する。この場合に、個人遊技情報分析手段20は、その検出された携帯端末を保持する入店者が、その携帯端末が位置する領域(遊技位置情報P1乃至P80に対応する領域)において着座したことを検出することができる。なお、着座が検出されない場合には(S801の結果が「N」)、着座の検出処理を繰り返し行う。
着座が検出された場合には(S801の結果が「Y」)、個人遊技情報分析手段20は、着座が検出された入店者(遊技位置情報P1乃至P80に対応する領域の何れかに存在することが検出された携帯端末を保持する入店者)に関する個人遊技情報の記録を開始する(S802)。
次に、個人遊技情報分析手段20は、遊技装置管理システム100の遊技情報取得手段110から出力された遊技稼働情報に基づいて、着座が検出された入店者が遊技機の遊技を開始したか否かを判断する(S803)。
着座が検出された入店者が遊技機の遊技を開始していない場合には(S803の結果が「N」)、個人遊技情報分析手段20は、位置情報取得システム200の位置特定手段220から出力された個人位置情報に基づいて、離席が検出されたか否かを判断する(S804)。すなわち、遊技を開始しようとして一度椅子に座ったものの、別の遊技機で遊技機をしようと考える入店者も想定されることから、遊技開始が検出されなかった場合には、離席の有無を判断する。離席が検出されない場合には(S804の結果が「N」)、S803に戻り、遊技を開始したか否かを判断する(S803)。
離席が検出された場合には(S804の結果が「Y」)、一度座った遊技機での遊技をすることなく、別の場所に移動したことが想定されるため、着座が検出された遊技機及び入店者に関する個人遊技情報の生成を行う必要がない。このため、個人遊技情報の記録を終了し(S810)、個人遊技情報生成処理の動作を終了する。
着座が検出された入店者が遊技機の遊技を開始した場合には(S803の結果が「Y」)、個人遊技情報分析手段20は、位置情報取得システム200の位置特定手段220から出力された個人位置情報に基づいて、着座が検出された時刻を遊技の開始時刻として設定する(S805)。
次に、個人遊技情報分析手段20は、遊技装置管理システム100の遊技情報取得手段110から出力された遊技稼働情報に基づいて、着座が検出された入店者が遊技機の遊技を終了したか否かを判断する(S806)。着座が検出された入店者が遊技機の遊技を終了していない場合には(S806の結果が「N」)、遊技機の遊技が終了するまでの間、遊技機の遊技終了を繰り返し判断する(S806)。
着座が検出された入店者が遊技機の遊技を終了した場合には(S806の結果が「Y」)、個人遊技情報分析手段20は、位置情報取得システム200の位置特定手段220から出力された個人位置情報に基づいて、離席が検出されたか否かを判断する(S807)。
離席が検出されない場合には(S807の結果が「N」)、個人遊技情報分析手段20は、遊技装置管理システム100の遊技情報取得手段110から出力された遊技稼働情報に基づいて、着座が検出された入店者が遊技機の遊技を開始したか否か(遊技を再開したか否か)を判断する(S808)。すなわち、入店者が離席をせずに椅子に座っている状態であるため、遊技を一度終了した後に、同一の遊技機で遊技を再開することも想定される。そこで、このように遊技を再開したか否かを判断するようにする。
遊技を再開していない場合には(S808の結果が「N」)、S807に戻り、離席を検出したか否かを判断する(S807)。遊技を再開した場合には(S808の結果が「Y」)、S806に戻り、再開した遊技機の遊技が終了したか否かを判断する(S806)。
離席が検出された場合には(S807の結果が「Y」)、個人遊技情報分析手段20は、位置情報取得システム200の位置特定手段220から出力された個人位置情報に基づいて、離席が検出された時刻を遊技の終了時刻として設定する(S809)。そして、個人遊技情報分析手段20は、離席が検出された入店者に関する個人遊技情報の記録を終了する(S810)。
このように、遊技稼働情報及び個人位置情報に基づいて、個人遊技情報を生成して記録する場合には、入店者の着座を記録開始のトリガーとすることができる(S801、S802)。この場合に、入店者の着座が検出された後に、遊技機の稼働開始が検出されるまでの間は、記録待機状態となる(S803、S804)。また、遊技機の稼働開始が検出されたことを条件に遊技機の記録待機状態(稼働待機状態)から記録が実行される(S805、S809)。また、遊技機の稼働開始が検出された後に、遊技機の稼働終了が検出されるまでの間は、記録待機状態となる(S803乃至S808)。また、入店者の離席が記録終了のタイミングとなる(S809、S810)。このように、個人遊技情報の生成処理により記録される各情報の例を図8(1)乃至(4)に示す。ただし、図8(2)に示す退店時刻、図8(3)に示す滞在時間、他時間については、遊技者AAが退店したタイミングで記録される。また、図8(3)に示す休憩室利用時間については、遊技者AAが休憩室を使用したことが検出された場合(遊技者AAの位置が休憩室位置情報R1乃至R6の何れかに合致すると判断された場合)に記録される。
[個人遊技情報の分析に用いられる各種情報の記録例(記録例1)]
図8は、個人遊技情報分析手段20による個人遊技情報の分析処理により記録される各種情報の例を示す図である。すなわち、図8には、個人(入店者)の遊技情報を分析するために取得しているデータ群及びその分析結果を示す。
図8(1)には、遊技装置管理システム100により取得された情報に基づいて記録される情報の例を示す。また、図8(2)には、位置情報取得システム200により取得された情報に基づいて記録される情報の例を示す。また、図8(3)には、個人遊技情報分析手段20による分析処理により記録される情報の例を示す。また、図8(4)には、個人遊技管理システム300により取得された情報に基づいて記録される情報の例を示す。なお、図8に示す各情報は、図6に示す遊技者動作に対応する情報であるため、以下では、図6を参照して説明する。また、図8では、説明を容易にするため、入店者が遊技を終了して退店した後に記録された情報を一例として示すが、各情報については、所定のタイミング(例えば、定期的、不定期、変化が生じたタイミングなど)で適時更新されるものとする。図8(1)乃至(4)の情報は、遊技装置管理システム100の記憶部(個人遊技情報分析手段20の記憶部でよい)にデータベースとして記憶されてよい(後述の図10、図12、図13、図14の情報も同様)。また、図8(1)乃至(4)の情報は、個人遊技情報分析手段20等に含まれる表示装置(モニター等)に表示することもできる。
図8(1)に示すように、遊技装置管理システム100の遊技情報取得手段110は、遊技場に設置されている各遊技機またはその周辺機器から、台番、機種、レート、アウト、セーフ、遊技開始1、遊技終了1、遊技状態、遊技媒体貸出額、遊技媒体持数、遊技媒体計数、会員ID、貯媒体数に関する各情報を取得する。
なお、台番は、遊技機に付与される識別番号である。また、機種は、遊技機の機種である。また、レートは、遊技媒体(遊技球、メダル)1個当たりの貸出金額(例えば1円、4円、5円、20円)である。これらの各情報は、遊技場の管理者により予め設定されている。なお、図8では、台番として「8」が記録され、機種として「CR-7」が記録され、レートとして「4円」が記録されている例を示す。
また、アウトは、遊技機に投入された遊技媒体の数(入玉)又は遊技機から排出された遊技媒体の数(排出数)であり、遊技開始1から遊技終了1までの合計値である。また、セーフ(出玉)は、賞球の合計値(遊技機から払い出された遊技媒体(遊技球、メダル)の数)であり、遊技開始1から遊技終了1までの合計値である。なお、図8では、アウトとして「6200」が記録され、セーフとして「2400」が記録されている例を示す。
また、遊技開始1(稼働開始)は、遊技者が実際に遊技機での遊技を開始した時刻(稼働開始の時刻)である。また、遊技終了1(稼働終了)は、遊技者が実際に遊技機での遊技を終了した時刻(稼働終了の時刻)である。また、遊技状態は、遊技機の実際の状態を示す情報であり、遊技が終了している場合には「0」が記録され、遊技中である場合には「1」が記録され、遊技が中断している場合には「2」が記録される。なお、図6に示す入店者AAは、午前11時17分(11:17)に遊技機で遊技を開始し、午後12時30分(12:30)に遊技機での遊技を終了しているため、図8では、遊技開始1として「11:17」が記録され、遊技終了1として「12:30」が記録される。また、図8に示す情報は、入店者AAが遊技を終了して退店した後の情報であるため、遊技状態として「0」が記録される。
また、これらの各情報(アウト、セーフ、遊技開始1、遊技終了1、遊技状態)は、遊技装置管理システム100の遊技情報取得手段110から出力される遊技稼働情報に基づいて記録される。
また、遊技媒体貸出額は、遊技者が遊技媒体(遊技球、メダル)を借りるために実際に使用した金額の合計値である。言い換えると、遊技媒体貸出額は、貸球(貸メダル)の借用代金(遊技媒体借り金)である。例えば、遊技開始1から遊技終了1までの間に、遊技者が3回に分けて5,000円分の遊技媒体(遊技球)を借りて遊技をした場合には、15000円が記録される。なお、遊技媒体貸出額に関する情報は、遊技装置管理システム100の遊技媒体借り金情報取得手段121から出力される遊技媒体借り金情報に基づいて記録される。
このように、遊技場管理システム10の個人遊技情報分析手段20が取得する遊技情報には、遊技者が遊技機で遊技媒体を使用するときの遊技媒体貸出額に関する情報が含まれる。これにより、遊技者が利用する金額を容易に把握することができ、遊技者が遊技開始から遊技終了までに使用した遊技に係る金額を遊技者毎に容易に把握することができる。すなわち、個人がいくら使ったのかが容易にわかる。
また、遊技媒体持数(遊技媒体持ち数)は、遊技者が所有する遊技に使用可能な遊技媒体(遊技球)の数である。また、遊技媒体計数は、遊技媒体持数を景品交換可能に計数した遊技媒体(遊技球)の数である。なお、図8では遊技終了時の例を示すため、遊技媒体持数、遊技媒体計数は「0」が記録される。ただし、遊技中であれば、何らかの数値が入ることになる。また、これらの情報は適時更新される。
また、会員IDは、遊技者が遊技場の会員になっている場合(会員登録している場合)に記録される会員識別情報である。例えば、会員登録している人物には会員カードが付与される。そして、遊技者が遊技機の周辺機器に会員カードを挿入することにより会員IDが取得される。また、貯媒体数は、遊技者が会員登録している場合に、会員カードを介して会員システムのデータベースに貯めておく遊技媒体の数である。例えば、遊技者が遊技を終了した後に、遊技媒体持数(持球の数)が「0」でない場合には、その遊技媒体持数を貯媒体(貯球)に変換して会員システムのデータベースに記録することが可能である。なお、遊技者が会員カードを遊技機の周辺機器に会員カードを挿入することにより会員システムのデータベースから貯媒体数が取得される。
なお、図8では、会員カードを挿したことを想定し、会員ID「1111」、貯媒体数「5432」が取得されて記録される例を示す。ただし、遊技媒体持数(持球)が「0」になったような場合には、会員カードに貯媒体(貯球)をすることがないので、会員登録している遊技者であっても会員カードを挿さないことも想定される。このような場合でも、個人遊技管理システム300に遊技者の携帯端末の固有識別情報及び会員IDが紐付けて登録されていれば、遊技者の携帯端末を認証することにより、その遊技者が会員であるかを判別できる。このように、個人遊技管理システム300に遊技者の携帯端末及び会員IDが紐付けて登録する例を図8(4)に示す。また、この場合には、図8(4)に示す会員情報と、図8(2)に示す位置情報の内容とが紐付けされ記憶される(関連付けて記憶される)。
図8(2)に示すように、位置情報取得システム200の認証手段210、位置特定手段220及び入退店者カウント手段230は、入店者が保持する携帯端末を利用して、固有識別情報、前回位置、現在位置、入店時刻、着座時刻、離席時刻、退店時刻、入店回数に関する各情報を取得する。
固有識別情報は、入店者が保持する携帯端末に付与されている固有識別情報(例えばMACアドレス)である。この固有識別情報は、認証手段210による認証処理により取得される。なお、図6では、入店者が保持する携帯端末のMACアドレスを簡略化して「AAAA」と称して説明したが、図8(2)では、固有識別情報(MACアドレス)として「00:11:22:XX:XX:0A」が記録される例を示す。
前回位置、現在位置は、位置特定手段220により特定された位置(遊技場における携帯端末の位置)を示す情報(図4に示す遊技場マップ情報221における位置特定情報)である。また、現在位置は、位置特定手段220により特定された位置(遊技場における携帯端末の位置)のうちの最新の位置を示す情報である。また、前回位置は、位置特定手段220により特定された位置(遊技場における携帯端末の位置)のうち、現在位置の前に特定された位置を示す情報である。例えば、前回位置については、位置履歴中の最後に所定の時間(例えば10分程度)留まっていた場所の位置を記録することができる。なお、図8(2)では、説明を容易にするため、前回位置及び現在位置のみを記録する例を示すが、これに限定されない。例えば、現在位置の特定から2つ以上前に特定された位置を順次記録するようにしてもよい。例えば、入店時から退店時までの入店者について特定された各位置(位置の軌跡)を順次記録することにより、位置履歴(行動把握)取得手段が実現される。なお、図6に示す入店者AAは、遊技機での遊技を終了して離席した後に、店舗回遊をして退店しているため、図8では、前回位置として遊技をしていた遊技機の位置「P8」が記録され、現在位置として「店外」が記録される。すなわち、出入口領域1を店外方向に移動したことが検出された場合には、現在位置として「店外」が記録される。また、出入口領域1を店外方向とは逆方向に移動したことが検出された場合には、入店回数が「+1」となる。
入店時刻は、入退店者カウント手段230により遊技者の入店が検出された時刻である。また、退店時刻は、入退店者カウント手段230により遊技者の退店が検出された時刻である。なお、図6に示す入店者AAは、午前11時00分(11:00)に入店し、午後12時50分(12:50)に退店しているため、図8では、入店時刻として「11:00」が記録され、退店時刻として「12:50」が記録される。
着座時刻は、位置特定手段220により遊技者の着座(遊技機の前の椅子への着座)が検出された時刻である。また、離席時刻は、位置特定手段220により遊技者の離席(遊技機の前の椅子からの離席)が検出された時刻である。なお、図6に示す入店者AAは、午前11時15分(11:15)に着座が検出され、午後12時33分(12:33)に離席が検出されているため、図8では、着座時刻として「11:15」が記録され、離席時刻として「12:33」が記録される。
入店回数は、記録対象となった遊技者が遊技場に現在までに入店した回数である。例えば、入退店者カウント手段230により遊技者の入店(または入店及び退店)が検出された場合に、その遊技者(携帯端末)の入店回数に「1」が加算される。なお、図8では、入店回数として「3」が記録される例を示す。
図8(3)に示すように、個人遊技情報分析手段20は、遊技装置管理システム100により取得された情報(図8(1)に示す)と、位置情報取得システム200により取得された情報(図8(2)に示す)とを利用して、遊技開始2、遊技中断時間、遊技終了2、遊技時間、休憩室利用時間、他時間、滞在時間に関する各情報を生成する。
遊技開始2は、遊技者が遊技を開始する状態になった時刻を示す情報である。具体的には、図8(1)に示す遊技開始1に情報が記録されたことを条件に、図8(2)に示す着座時刻に記録されている情報(11:15)が遊技開始2の情報として記録される。
遊技終了2は、遊技者が遊技を終了する状態になった時刻を示す情報である。具体的には、図8(1)に示す遊技終了1に情報が記録されたことを条件に、図8(2)に示す離席時刻に記録されている情報(12:33)が遊技終了2の情報として記録される。
遊技中断時間は、着座した遊技者が遊技機での遊技を行っていない時間である。遊技中断は、例えば、遊技を開始した遊技者が、椅子に座った状態で遊技を一旦やめて一休みをしている場合が想定される。なお、遊技中断時間については、図10を参照して詳細に説明する。
遊技時間は、着座している遊技者が実際に遊技をしている時間を示す情報である。具体的には、遊技開始2に記録された時刻(図8(2)に示す着座時刻)から、遊技終了2に記録された時刻(図8(2)に示す離席時刻)までの時間のうち、遊技中断時間を引いた値である。すなわち、遊技時間は、以下の式1により求めることができる。
遊技時間=遊技終了2-遊技開始2-遊技中断時間 …式1
なお、図8(3)では、遊技終了2「12:33」-遊技開始2「11:15」-遊技中断時間「0:00」から遊技時間「1:18」が記録される。
休憩室利用時間は、位置特定手段220により遊技者が休憩室にいることが検出された場合に、その滞在時間を示す情報である。なお、休憩室利用時間については、図13を参照して詳細に説明する。
滞在時間は、遊技場に入店してから退店するまでの時間を示す情報である。例えば、滞在時間は、以下の式2、3により求めることができる。
滞在時間=退店時刻(図8(2)に示す)-入店時刻(図8(2)に示す) …式2
滞在時間=遊技時間+休憩室利用時間+他時間 …式3
なお、図8(3)では、退店時刻「12:50」-入店時刻「11:00」から、滞在時間として「1:50」が記録される。
他時間は、遊技者が遊技場に入店してから退店するまでの期間において、遊技時間及び休憩室利用時間以外の時間を示す情報である。例えば、他時間は、以下の式4により求めることができる。
他時間=滞在時間-遊技時間-休憩室利用時間 …式4
なお、図8(3)では、滞在時間「1:50」-遊技時間「1:18」-休憩室利用時間「0」から「0:32」が記録される。
図8(4)に示すように、個人遊技管理システム300の個人情報登録手段310及び個人情報管理手段320は、遊技者(または遊技場の管理者)による手動操作(登録操作又は入力操作)により、会員ID、氏名、電話番号、固有識別情報、遊技時間上限、貸出金上限、入店回数上限、装置利用制限に関する各情報を取得して管理する。なお、これらの各情報は、個人情報であるため、暗号化処理(個人情報秘匿化処理等)により秘匿化が施されて管理されることが好ましい。
会員IDは、遊技場の会員登録をした遊技者に付与される識別情報である。図8(4)では、会員IDとして「1111」を示す。
氏名、電話番号は、遊技場の会員登録をした遊技者の氏名、電話番号である。なお、これらの情報については、登録は任意である。
固有識別情報は、遊技場の会員登録をした遊技者が保持する携帯端末に付与されている固有識別情報(例えばMACアドレス)である。なお、遊技場の会員登録をした遊技者が複数の携帯端末を所有する場合には、これらの各携帯端末の固有識別情報を登録しておくようにしてもよく、遊技者が選択した1または複数の携帯端末の固有識別情報のみを登録しておくようにしてもよい。また、この固有識別情報は、図8(2)に示す固有識別情報と紐付けされている。
遊技時間上限、貸出金上限、入店回数上限、装置利用制限は、遊技場の会員登録をした遊技者やその家族等の申請者が任意に設定することが可能な情報である。遊技時間上限は、所定期間(例えば1日、1週間、1月)内の遊技時間の上限値である。また、貸出金上限は、所定期間(例えば1日、1週間、1月)内の遊技媒体の貸出金(貸出額)の上限値である。また、入店回数上限は、所定期間(例えば1日、1週間、1月)内に遊技場に入店する入店回数の上限値である。また、装置利用制限は、設定条件(遊技時間上限、貸出金上限、入店回数上限)を満たす場合に、遊技者が遊技をしている遊技機の利用を制限するか否かを設定するための情報である。
図8(4)では、遊技時間上限として1日当たり4時間(4:00)が設定され、貸出金上限として1日当たり「20,000円」が設定され、入店回数上限として1月当たり「5回」が設定され、装置利用制限として「あり」が設定されている例を示す。すなわち、これらの設定条件(遊技時間上限、貸出金上限、入店回数上限)のうちの少なくとも1つの上限値を超えた場合に、遊技者に対して何らかの制限を行うようにする。例えば、遊技者が実際に遊技をしている遊技機の利用が電子的または機械的に強制的に禁止される。例えば、遊技装置である、遊技機、貸機、補給器、各台計数装置などを動作停止させて、それ以上の遊技継続をできなくさせる設定とすることができる。また、例えば、遊技場内において遊技装置、若しくは別途設けられる機器により遊技者に対してアラーム報知(警告ランプ、警告音声出力等の報知)をして、それ以上の遊技を継続できないよう促す設定とすることができる。また、例えば、遊技者が保持する携帯端末においてアラーム報知(警告画面表示、警告音声出力等の報知)をして、それ以上の遊技継続をできなくさせる設定とすることができる。これらのアラーム報知は携帯端末に限らず、呼び出しランプ、遊技機、台間ユニット等で行われても良い。このように、上限値を超えた場合の制限方法については、どのような方法で制限してもよく、特に問わない。
このように、個人情報登録手段310及び個人情報管理手段320により、特定の携帯端末を保持する遊技者に対し、遊技時間、遊技金額(貸出額)、入店回数のうちの少なくとも1つの上限が設定可能である。また、遊技場管理システム10は、その上限設定を超えた特定の携帯端末を保持する遊技者に対しては、その遊技者が遊技をしている遊技機の遊技を制限させる機能、若しくはその遊技機を遊技不能にさせる機能を有する。また、遊技場管理システム10は、その上限設定を超えた特定の携帯端末を保持する遊技者に上限設定を超えたことを報知する機能を備える。
ここで、近年のホール運営では「のめり込み防止」が求められており、個人の遊技状況に応じてホール従業員が遊技者に声掛けをする必要が生じている。例えば、ホール従業員の主観に基づいて声掛け(例えば撮影手段により取得した入店者特定情報を用いた声掛け)をすることも可能であるが、ホール従業員の考えと遊技者の考えとが異なる場合には無駄になることも想定される。そこで、遊技場では、遊技者(またはその関連する人物)により予め設定された条件(上限設定)を満たす場合(上限設定を超えた場合)には、その遊技者に対して遊技機の利用を制限するようにしている。このように、上限設定を超えた遊技者に対し、遊技機において遊技制限(遊技不能)を実施することにより、遊技行為を予め定めた設定内に確実に抑えることができる。また、上限超えが報知されるので遊技者も自己の状況を把握することができる。
[個人位置情報と遊技稼働情報との関係例(例2)]
図9は、携帯端末を保持する入店者の動作に基づいて生成される個人位置情報と遊技稼働情報との関係例を示す図である。図9では、入店者が入店をした後に遊技を行い、この遊技後に離席はせずに遊技を中断し、その中断後に遊技を再開し、その再開した遊技の後に遊技場内を回遊して退店をした場合の例を示す。
なお、図9に示す例(例2)は、図6に示す例(例1)の変形例であり、着座している遊技者が遊技を中断して再開する点以外は、図6に示す例(例1)と略同様である。そこで、以下では、図6に示す例(例1)と異なる点を中心にして説明し、図6に示す例(例1)と共通する点についての説明を一部省略する。
また、点線の矩形410は、遊技履歴として個人遊技情報の記録対象となるデータの範囲を示す。
なお、入店者AAの遊技場への入店(遊技者動作:入店)、遊技機の台の選定(遊技者動作:台選定)、選定した遊技機の前の椅子への着座(遊技者動作:着座)、椅子に座った状態での遊技球の借り(遊技者動作:球借)、遊技機での遊技開始(遊技者動作:遊技開始)については、図6に示す例と同様である。なお、位置特定手段220により携帯端末の位置が特定されている状態を直線411で模式的に示す。また、位置特定手段220により入店者AAの着座が検出されたタイミングを直線411において黒塗りの菱形412で模式的に示す。また、位置特定手段220により入店者AAの離席が検出されたタイミングを直線411において黒塗りの菱形413で模式的に示す。また、遊技情報取得手段110により遊技機の遊技稼働が検出されている状態を直線414、415で模式的に示す。
入店者AAは、午前11時40分(11:40)に遊技機での遊技を中断する(遊技者動作:遊技中断)。この場合にも、位置特定手段220は、入店者AAが着座している椅子に対応する個人位置情報(遊技位置情報P8、取得時刻(11:40)、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成する。また、遊技情報取得手段110は、入店者AAが着座している椅子に対応する遊技機の稼働終了を検出し、その稼働終了に関する遊技稼働情報を生成する。
次に、入店者AAは、午前11時50分(11:50)に遊技機での遊技を再開する(遊技者動作:遊技再開)。この場合にも、位置特定手段220は、入店者AAが着座している椅子に対応する位置特定情報(遊技位置情報P8、取得時刻(11:50)、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成する。また、遊技情報取得手段110は、入店者AAが着座している椅子に対応する遊技機の稼働開始を検出し、その稼働開始に関する遊技稼働情報を生成する。このように、入店者AAが着座している状態で遊技を中断した時間は10分間となる。
なお、遊技機での遊技終了(遊技者動作:遊技終了)、遊技をしていた遊技機の前の椅子からの離席(遊技者動作:離席)、遊技場内の移動(遊技者動作:店舗回遊)、遊技場からの退店(遊技者動作:退店)については、図6に示す例と同様である。
このように、遊技稼働情報及び個人位置情報に基づいて、個人遊技情報を生成して記録する場合には、入店者の着座を記録開始のトリガーとし、入店者の離席が記録終了のタイミングとなる(点線の矩形410で示す)。ただし、入店者の着座が検出された後に、遊技機の稼働開始が検出されるまでの間は、記録待機状態となる。また、遊技機の稼働開始が検出されたことを条件に遊技機の記録待機状態(稼働待機状態)から記録が実行される。この記録が実行された後に、遊技機の稼働終了が検出された場合には、記録待機状態となるが、入店者の離席が検出されず遊技機の稼働開始(再開)が検出された場合には、その着座状態での遊技中断状態の時間(或は遊技中断の開始時刻と終了時刻)は記録対象となる。
[個人遊技情報の分析に用いられる各種情報の記録例(記録例2)]
図10は、個人遊技情報分析手段20による個人遊技情報の分析処理により記録される各種情報の例を示す図である。なお、図10に示す例(記録例2)は、図8に示す例(記録例1)の変形例であり、着座している遊技者が遊技を中断して再開する点以外は、図8に示す例(記録例1)と略同様である。そこで、以下では、図8に示す例(記録例1)と異なる点(図10(3)に示す点線の矩形で囲まれた部分)を中心にして説明し、図8に示す例(記録例1)と共通する点についての説明を一部省略する。
また、図10に示す各情報は、図9に示す遊技者動作に対応する情報であるため、以下では、図9を参照して説明する。
なお、図10に示す記録例では、着座している遊技者が遊技を中断しているが、中断の前後では同一人物による遊技が行われていることが個人遊技情報分析手段20により分析されている。例えば、着座の検出後に離席が検出されておらず、その着座に係る遊技位置情報P8に位置する携帯端末の固有識別情報が同一であることに基づいて、中断の前後では同一人物による遊技が行われていることが判断可能である。このため、図10(1)に示す記録例では、遊技の中断の前後で同一人物により行われていた遊技に関する遊技稼働情報が合わせて記録される。
また、図10(2)に示す記録例では、遊技者が着座している状態は図8(2)に示す例と同様であるため、遊技者の位置情報に基づく図10(2)に示す内容は、図8(2)に示す内容と同一となる。
また、図10(4)に示す記録例では、着座して遊技している人物は同一人であるため、遊技者の個人情報に基づく図10(4)に示す内容は、図8(4)に示す内容と同一となる。
また、図10(3)に示す記録例では、着座している遊技者が遊技を中断しているが、中断の前後では同一人物による遊技が行われているため、遊技開始2、遊技終了2、休憩室利用時間、滞在時間に関する各情報は、図8(3)に示す内容と同一となる。
また、図10(3)に示す記録例では、着座している遊技者が遊技を中断した時間は10分間であるため、遊技中断状態の時間である遊技中断時間として「0:10」が記録される。ここで、個人遊技情報分析手段20が遊技中断時間を認識する認識方法について説明する。例えば、個人遊技情報分析手段20は、遊技稼働情報に基づいて、着座が検出されている遊技機について所定時間以上(例えば3分以上)、アウト若しくはセーフのカウントがされていない場合には、その遊技機での遊技が中断されたと判断する。そして、個人遊技情報分析手段20は、その遊技機での遊技が再開されるまでの時間(未カウント時間)を計測し、その計測された未カウント時間を遊技中断時間とする。なお、未カウント時間が計測されてから離席が検出された場合には、その遊技中断と判断された時刻が遊技終了1と記録され、離席の時刻が遊技終了2と記録される。
また、遊技時間は、上述したように以下の式1により求めることができる。
遊技時間=遊技終了2-遊技開始2-遊技中断時間 …式1
なお、図10(3)では、遊技終了2「12:33」-遊技開始2「11:15」-遊技中断時間「0:10」から、遊技時間「1:08」が記録される。
他時間は、上述したように以下の式4により求めることができる。
他時間=滞在時間-遊技時間-休憩室利用時間 …式4
なお、図10(3)では、滞在時間「1:50」-遊技時間「1:08」-休憩室利用時間「0」から、「0:42」が記録される。
[個人位置情報と遊技稼働情報との関係例(例3)]
図11は、携帯端末を保持する入店者の動作に基づいて生成される個人位置情報と遊技稼働情報との関係例を示す図である。図11では、入店者が入店をした後に遊技を行い、この遊技後に遊技を中断して離席し遊技場内を回遊して、その回遊後に同一の遊技機に着座して遊技を再開し、その再開した遊技の後に遊技場内を再度回遊して退店をした場合の例を示す。
なお、図11に示す例(例3)は、図9に示す例(例2)の変形例であり、遊技者が遊技を中断した後に離席して、その離席後に同一の遊技機で遊技を再開する点以外は、図9に示す例(例2)と略同様である。そこで、以下では、図9に示す例(例2)と異なる点を中心にして説明し、図9に示す例(例2)と共通する点についての説明を一部省略する。
また、点線の矩形420、430は、遊技履歴として個人遊技情報の記録対象となるデータの範囲を示す。
なお、入店者AAの遊技場への入店(遊技者動作:入店)、遊技機の台の選定(遊技者動作:台選定)、選定した遊技機の前の椅子への着座(遊技者動作:着座)、椅子に座った状態での遊技球の借り(遊技者動作:球借)、遊技機での遊技開始(遊技者動作:遊技開始)、遊技機の遊技中断(遊技者動作:遊技中断)については、図9に示す例と同様である。なお、位置特定手段220により携帯端末の位置が特定されている状態を直線421で模式的に示す。また、位置特定手段220により入店者AAの着座が検出されたタイミングを直線421において黒塗りの菱形422、431で模式的に示す。また、位置特定手段220により入店者AAの離席が検出されたタイミングを直線421において黒塗りの菱形423、432で模式的に示す。また、遊技情報取得手段110により遊技機の遊技稼働が検出されている状態を直線424、433で模式的に示す。
入店者AAは、遊技を中断した直後の午前11時40分(11:40)に、遊技を中断した遊技機の前の椅子から離れる(遊技者動作:離席)。この場合には、位置特定手段220は、離席後の入店者AAが移動した位置(ここでは通路)に対応する個人位置情報(通路「0」、取得時刻(11:40)、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成する。
次に、入店者AAは、遊技場内を移動する(遊技者動作:店舗回遊)。この場合において、入店者AAが遊技場の通路を移動しているときには、位置特定手段220は、入店者AAの個人位置情報(通路「0」、取得時刻、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成する。また、入店者AAが、遊技場において位置特定情報が設定されている場所に移動した場合には、位置特定手段220は、入店者AAの個人位置情報(その移動後の位置特定情報、取得時刻、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成する。
次に、入店者AAは、店舗回遊後の午前11時50分(11:50)に、中断前に遊技をしていた遊技機の前の椅子に座る(遊技者動作:着座)。この場合には、位置特定手段220は、入店者AAが着座した椅子に対応する個人位置情報(遊技位置情報P8、取得時刻(11:50)、固有識別情報「AAAA」を含む)を生成する。
なお、入店者AAの遊技機での遊技再開(遊技者動作:遊技再開)、遊技機での遊技終了(遊技者動作:遊技終了)、遊技機からの離席(遊技者動作:離席)については、図9に示す例と同様である。
このように、遊技稼働情報及び個人位置情報に基づいて、個人遊技情報を生成して記録する場合には、入店者の着座を記録開始のトリガーとし、入店者の離席が記録終了のタイミングとなる(点線の矩形420、430で示す)。このため、遊技者AAが遊技中断後に離席している図11に示す例では、MACアドレス「AAAA」の携帯端末を保持する遊技者AAに関する記録として2回目の遊技履歴が記録される。ただし、このように記録された遊技履歴を分析処理により活用するときは、遊技履歴に日時も記録されているので、同日で、同一遊技機で同一人物が何時間の遊技をしたかなど、実際の遊技者の行動に応じたデータ分析、データ出力(例えばデータ表示)が可能である。また、分析処理により、離席後に同一遊技機に着座した遊技者が存在する場合には、その遊技者による同一遊技機での遊技(同日の遊技)を連続遊技と見なすことが可能である。この連続遊技と見なす記録例を図12に示す。
[個人遊技情報の分析に用いられる各種情報の記録例(記録例3)]
図12は、個人遊技情報分析手段20による個人遊技情報の分析処理により記録される各種情報の例を示す図である。なお、図12に示す例(記録例3)は、図10に示す例(記録例2)の変形例であり、図12(1)乃至(3)の最下段の内容(点線の矩形で囲んで示す)は、図10(1)乃至(3)に示す例(記録例2)と同一である。また、図12(4)の内容は、図10(4)に示す例(記録例2)と同一である。また、図12に示す各情報は、図11に示す遊技者動作に対応する情報であるため、以下では、図11を参照して説明する。
また、図11で示したように、遊技者AAの遊技中断後の離席により、MACアドレス「AAAA」の携帯端末を保持する遊技者AAに関する記録として2回目の遊技履歴が記録される。そこで、図12(1)乃至(3)では、遊技者AAの遊技中断前に記録された遊技履歴(1回目の遊技履歴(図11に示す点線の矩形420内の遊技履歴))を最上段に示す。また、図12(1)乃至(3)では、遊技者AAの遊技中断後に記録された遊技履歴(2回目の遊技履歴(図11に示す点線の矩形430内の遊技履歴))を中段に示す。
また、個人遊技情報分析手段20による分析処理により、離席の前後の遊技者AAによる同一遊技機での遊技(同日の遊技)が連続遊技として分析されるため、図12(1)乃至(3)では、その連続遊技として記録された遊技履歴(1回目+2回目の遊技履歴)を最下段(点線の矩形で囲んで示す)に示す。すなわち、図12(1)乃至(3)の最下段に示す記録例では、離席の前後で同一人物(遊技者AA)により行われていた遊技に関する各情報が合わせて記録される。
ここで、図12(2)に示す入店時刻及び退店時刻は、同一の固有識別情報が付与されている各遊技について1つのみが記録される。このため、遊技の中断後に離席してその後に同一の遊技機で遊技を再開した遊技者に関する情報としては、中断前の記録として入店時刻のみが記録され(図12(2)の最上段)、中断後の記録として退店時刻のみが記録される(図12(2)の中段)。ただし、この場合には、図12(2)の最下段に示すように、分析処理により、中断による離席前後の複数の遊技内容が同一遊技者による連続遊技としてみなされて1つにまとめて記録される。
また、図12(3)に示す滞在時間は、図12(2)に示す情報において入店時刻及び退店時刻が記録されていない場合には求めることができない。このため、遊技の中断後に離席してその後に同一の遊技機で遊技を再開した遊技者に関する情報としては、中断前の記録(図12(2)の最上段)、中断後の記録(図12(2)の中段)の何れも滞在時間は記録されない。ただし、この場合には、図12(3)の最下段に示すように、分析処理により、中断による離席前後の複数の遊技内容が同一遊技者による連続遊技としてみなされて1つにまとめて記録される(図12(3)の最下段)。
上述したように、図12(2)に示す最上段の情報には、退店時刻の記録がない。このように、退店時刻の記録がない場合には、遊技者は遊技場内に存在することが想定される。また、図12(2)に示す中段の情報には、入店時刻の記録がない。このように、入店時刻の記録がない場合には、この記録の前に、遊技者は同一または別の遊技機での遊技を行っていることが想定される。
そこで、個人遊技情報分析手段20は、同一の固有識別情報に係る入店者に関する個人位置情報について、同一の遊技機での記録であり、かつ、退店時刻の記録がない情報と入店時刻の記録がない情報とを抽出する。そして、個人遊技情報分析手段20は、上述した、同一の遊技機での記録であり、かつ、退店時刻の記録がない情報と入店時刻の記録がない情報とが存在する場合には、これらの情報を連続遊技として記録することができる。すなわち、図12(2)に示す最下段に示すように、個人遊技情報分析手段20は、同一の固有識別情報に係る入店者に関する個人位置情報として、入店時刻から退店時刻までの情報を集計してまとめることができる。
また、例えば、図12(3)に示す最上段、中段の情報には、滞在時間の記録がない。このように、滞在時間の記録がない場合には、入店時刻または退店時刻の記録がないため、遊技者は遊技場内に存在することが想定される。このように、滞在時間の記録がない場合には、この記録の後に、遊技者は同一または別の遊技機での遊技を行ったことが想定される。
そこで、個人遊技情報分析手段20は、同一の固有識別情報に係る入店者に関する個人遊技情報について、同一の遊技機での記録であり、かつ、滞在時間の記録がない情報が複数存在するか否かを判断する。そして、個人遊技情報分析手段20は、そのような情報が複数存在する場合には、これらの情報を連続遊技として記録することができる。すなわち、図12(3)の最下段に示すように、個人遊技情報分析手段20は、同一の固有識別情報に係る入店者に関する個人遊技情報として、入店時刻から退店時刻までの情報を集計してまとめることができる。この場合には、複数の「遊技開始2」と「遊技終了2」に基づいて、遊技中断時間と遊技時間が算出される。例えば、図12(3)の最上段に示す「遊技終了2」から、図12(3)の中段に示す「遊技開始2」までの時間が遊技中断時間として算出される。すなわち、遊技開始2(11:50)-遊技終了(11:40)=遊技中断時間(0:10)が算出される。また、図12(3)の最上段に示す「遊技開始2」及び「遊技終了2」により算出された遊技時間(0:25)と、図12(3)の中段に示す「遊技開始2」及び「遊技終了2」により算出された遊技時間(0:43)との合計値により、図12(3)の最下段に示す遊技時間(1:08)が算出される。また、入店時刻から退店時刻までの情報に基づいて滞在時間が算出される。また、滞在時間と遊技時間と休憩室利用時間に基づいて他時間が算出される。
また、例えば、図12(2)に示す情報について、個人遊技情報分析手段20は、固有識別情報(MACアドレス)を用いて、固有識別情報が同一であり、かつ、所定期間内(1日)に同一の遊技機(台番:8)について、遊技開始に関する時間情報(遊技開始2)と遊技終了に関する時間情報(遊技終了2)とが複数回設定(記録)されている入店者AAを検出することができる。この場合には、個人遊技情報分析手段20は、その複数回設定された遊技開始に関する時間情報と遊技終了に関する時間情報(遊技開始2、遊技終了2)に基づいて、その遊技者AAの遊技状況を分析(例えば、連続遊技とみなして遊技時間、遊技中断時間を算出)することができる。なお、遊技中断時間と遊技時間に算出については、上述した算出と同様とすることができる。
[個人遊技情報の分析結果の記録例]
図13は、個人遊技情報分析手段20による個人遊技情報の分析処理により求められる分析結果の記録例を示す図である。図13(1)には、遊技場において、遊技機での遊技をするとともに、少しだけ遊び、休憩室も大いに利用する入店者Aに関する個人遊技情報を示す。図13(2)には、遊技場において、遊技機での遊技を行わず、休憩室を利用してマンガを読むだけの時間を過ごす入店者Bに関する個人遊技情報を示す。なお、入店者A、Bは友人同士であり、入店者Aは、入店者Bと一緒に遊技場に入店するとともに、一緒に退店するものとする。図13(3)には、遊技場において、遊技機での遊技を行わず、トイレのみを使いに来た入店者Cに関する個人遊技情報を示す。
なお、図13(1)に示す最上段の各情報は、図8(1)、図10(1)、図12(1)に示す各情報に対応する。また、図13(1)に示す中段、図13(2)(3)に示す上段の各情報は、図8(2)、図10(2)、図12(2)に示す各情報に対応する。また、図13(1)に示す最下段、図13(2)(3)に示す下段の各情報は、図8(3)、図10(3)、図12(3)に示す各情報に対応する。
なお、図13(1)の最下段に示すように、入店者Aは、遊技場における滞在時間「2:25」のうち、遊技機での遊技時間は「0:47」であり、休憩室利用時間は「1:25」であり、他時間(例えばトイレ使用)は「0:13」である。
また、図13(2)(3)に示すように、入店者B、Cは、遊技機での遊技を行っていないため、遊技稼働情報が生成されない。このため、図13(1)の最上段に示す各情報(遊技稼働情報に基づいて生成される情報)が記録されない。
また、図13(2)に示すように、入店者Bは、入店後、遊技機での遊技を行わず、休憩室を利用してマンガを読んだりするだけの時間を過ごすため、遊技場における滞在時間「2:25」のうち、遊技機での遊技時間は「-」であり、休憩室利用時間は「2:10」であり、他時間(例えばトイレ使用)は「0:15」である。また、前回位置として、休憩室領域4(図3)の位置特定情報(休憩室位置情報R1)が記録される。
また、図13(3)に示すように、入店者Cは、入店後、遊技機での遊技を行わず、トイレのみを使いに来た人物であるため、遊技場における滞在時間「0:10」のうち、遊技機での遊技時間は「-」であり、休憩室利用時間は「-」であり、他時間は「0:10」である。また、前回位置として、手洗い/化粧直し領域3(図3)の位置特定情報(休憩室位置情報R9)が記録される。
[入店者の導線を分析する例]
以上では、遊技稼働情報及び個人位置情報に基づいて個人遊技情報を生成する例を示した。ここで、遊技場には、遊技機以外に休憩室や休憩所等が設置されている。このため、入店者は、遊技機の前に座って遊技を行う以外に、休憩室や休憩所等に移動して休んだり、本を読んだりすることも想定される。そこで、遊技場内を移動する入店者の導線(又は動線、経路、軌跡)を分析することにより、今後入店する入店者に対して、さらに適切な情報を提供することができると考えられる。以下では、位置情報(または個人位置情報)を用いて入店者の導線を分析して用いる例を示す。なお、導線は、個人遊技情報分析手段20等に含まれる表示装置(モニター等)に遊技場マップ情報221とともに表示することもできる。
入店者の導線を分析する場合には、上述したように、遊技場の通路位置を示す位置特定情報として通路位置情報PW1~PW50を設定する。また、入店者が保持する携帯端末の位置に関する位置情報の取得を所定の間隔(例えば数秒から数分間隔)で行うようにする。また、例えば、入店者が存在する位置によっては、入店者が移動する間隔が異なることが想定される。例えば、入店者が遊技機の前の椅子に座っている状態では、遊技機での遊技をしているため、この状態から離席することはあるが頻繁に移動するようなことは少ないと想定される。一方、入店者が遊技場の通路にいる状態では、その入店者がどこかに移動しようとしているため、その入店者は頻繁に移動すると想定される。そこで、入店者が保持する携帯端末の位置に関する位置情報を取得する間隔を、直前に取得された入店者の位置(携帯端末の位置)に応じて変更するようにしてもよい。例えば、入店者が遊技機領域2に存在する場合には、同じ場所に長い間存在することが多いため、位置情報の取得間隔を比較的長く設定する(例えば1分乃至3分)。また、入店者が手洗い/化粧直し領域3、休憩室領域4、景品場領域5または休憩場所領域6に存在する場合には、同じ場所にいる時間が人によって異なると想定されるため、位置情報の取得間隔を比較的短く設定する(例えば20秒乃至1分)。また、入店者が遊技場の通路に存在する場合には、同じ場所にいる時間が短いと想定されるため、位置情報の取得間隔をさらに短く設定する(例えば1秒乃至10秒)。
そして、個人遊技情報分析手段20は、所定間隔で取得した入店者の位置情報(または個人位置情報)に基づいて、入店者の遊技場における導線情報(又は動線情報、経路情報、軌跡情報)を生成する。この導線情報は、例えば、位置情報の取得時刻と位置特定情報(例えば通路位置情報PW1~PW50)と固有識別情報とを紐付けて(関連付けて)生成、記憶される。このように、個人遊技情報分析手段20は、入店者の導線分析手段として機能する。
例えば、遊技中の入店者は、本当は人気機種で遊びたかった、演出が面白そう等の理由により、他の遊技機が気になることが多いと想定される。このため、遊技中の入店者は、遊技を中断したタイミングで他者の遊技を実際に見に行くことが多い。このような場合には、遊技を中断して離席した入店者の導線を分析することにより、最適な遊技機の設置を行うことができる。
例えば、入店者の導線分析手段による分析結果に基づいて、特定の遊技機に対し、背後から見ている他者の人数を把握することが可能になる。このような遊技機(遊技者以外の人が遊技を覗きにくる遊技機)があれば、入店者が容易に視認できる箇所(例えば背面など)に、その遊技機を設置することで、入店者はわざわざ離れた場所に遊技状況を確認しにいかなくても容易にその遊技を確認することができるようになる。また、ホールとしては、離席して他の場所に移動しなくなるので、遊技機の稼働を向上させることができ、遊技者の熱中状況を維持できるようになる。
また、例えば、入店者の導線分析手段による分析結果に基づいて、イベント実施の効果確認を行うことが可能となる。例えば、遊技場では、来店者を増やすためにイベントを行うことがある。このイベントの内容は、景品の変更や、催事場を設ける等のように内容は多岐に及ぶことが多い。このようなイベントが実施される場合には、従来では、実際にどの程度、来店者が興味を示したのか、そのイベント実施場まで足を運んだかは感覚的にしか把握できなかった。これに対して、入店者の導線分析手段による分析結果を利用することにより、実際にそのイベントの場所まで来た人数が把握できるだけでなく、導線を分析することで、遊技場内のイベント実行場所によって、どこの範囲の人が足を運ぶかなど、遊技場内の人の動きに関する分析も可能となる。
また、人工知能(AI(Artificial Intelligence))を利用して入店者が移動すると予想される場所を推定し、その推定に基づいて入店者に何らかの情報を提供するようにしてもよい。例えば、過去に遊技場に入店した多数の入店者の導線(例えば、遊技機の前の椅子からの移動パターン、出入口からの移動パターン)と、その日の天候や遊技場の内外の環境(例えば、イベント開催、近くの大型店舗でバーゲンが開催)とについて機械学習を利用して判定情報(辞書情報)を生成し、この生成された判定情報を用いて入店者が移動すると予想される場所を推定することができる。例えば、近くの大型店舗でバーゲンが開催されているときに、遊技場への入店者が増加し、その入店者が比較的短い時間だけ遊技を行い、他の時間は休憩室を利用することが推定される場合には、遊技時間が短い入店者に対してその携帯端末に、休憩室に格納されている雑誌に関する情報を提供することができる。
[他の技術との対比]
ここで、従来では、遊技者の遊技の開始と終了を確認する手段として、会員カードを利用した会員管理システムにより確認する技術が存在する。このような会員管理システムでは、会員カードを貸機に挿入することで遊技者の遊技の開始が確認できる。しかし、その会員管理システムでは、会員カードを貸機から引き抜いても持ち球が残っている場合には遊技を継続することが可能であるため、遊技の終了は確認できない。
そこで、遊技者の遊技の終了を判断する手段として、ホールコンピュータで遊技機の稼働状況を判断して、遊技の開始と終了を判定することが考えられる。しかし、このような遊技の開始と終了は、遊技機のデータであって個人の遊技開始と終了を判定することはできない。例えば、遊技者が遊技→休憩→遊技のような行動をした場合には、遊技者としては1回目の遊技であるが、遊技機から見ると2回の遊技となり、遊技回数の整合性がとれない。
そこで、遊技回数の整合性をとる手段として、上述した2つの技術(会員カードを利用した会員管理システムによる確認、ホールコンピュータでの遊技機の稼働状況の判断に基づく遊技の開始終了判定)を組み合わせることで、会員である遊技者に対し、遊技の開始と終了が確認できる。しかし、会員である遊技者であっても遊技の開始時に会員カードを貸機に挿入しないことも想定される。この場合には、会員である遊技者であっても、遊技の開始を把握することができない。また、会員でない遊技者についても、遊技の開始を把握することができない。
そこで、会員でない遊技者の遊技を把握する方法として、監視カメラと、上述した2つの技術(会員カードを利用した会員管理システムによる確認、ホールコンピュータでの遊技機の稼働状況の判断に基づく遊技の開始終了判定)のうちの何れかとを組み合わせることが考えられる。例えば、遊技の開始時に遊技者を監視カメラで撮影して特定し、遊技の終了時にも遊技者を監視カメラで撮影して特定する。そして、遊技の開始時に撮影した画像と、遊技の終了時に撮影した画像との比較で各画像に含まれる人物が同一人物であるか否かを判定し、同一人物であると判定すれば、その人物が遊技を継続していたとみなすことができる。また、同一人物でないと判定されれば、最初の人物が遊技を終了していたとみなすことができる。しかし、監視カメラは、通常、特別な事象に対して撮影するものであり、比較的広い一定の範囲を撮影するようになっており、設置されている台数は多くない。このような設備環境では、遊技の開始時と終了時に全ての遊技者を撮影することは実質不可能である。
そこで、撮影手段として、各遊技機に対応して備えられている機器(例えば、呼び出しランプ、貸し機ユニット)に監視カメラを搭載させ、その監視カメラで撮影した遊技者の画像を用いて遊技の開始時と終了時を判断する方法も考えられる。しかし、このように監視カメラを設置する場合には、遊技機に対応するだけの監視カメラが必要になり、設備としても高額となってしまう。
これに対して、本発明の第1実施形態では、遊技者が遊技機で遊技したときに取得される遊技稼働情報と、その遊技者が保持する携帯端末を利用して取得される遊技者の位置情報とを用いて、遊技機の前の椅子への遊技者の着座、遊技機での遊技の開始、終了、その椅子からの離席を正確に把握することができるため、遊技者の遊技の開始と終了(すなわち遊技時間)を正確に判定することができる。
また、本発明の第1実施形態では、遊技者が保持する携帯端末の固有識別情報(MACアドレス)を用いて、遊技場における同一遊技者の位置を特定することができるため、遊技者が遊技機の前の椅子から離席してその遊技機での遊技を中断したか、遊技者が遊技機の前の椅子に着座した状態で休憩してその後に再遊技となったか等を正確に判定することができる。このように、遊技場における同一人物の遊技を正確に把握することができるため、遊技の開始と終了(すなわち遊技時間)を正確に判定することができる。すなわち、遊技場の入店者の遊技状況を適切に分析することができる。
[第1実施形態に係る発明の作用効果]
本発明の第1実施形態に係る遊技場管理システム10は、遊技機の稼働に関する遊技稼働情報を取得する遊技情報取得手段110と、遊技場に入場(入店)する入場者(入店者)が保持する携帯端末に関する位置情報を取得する位置情報取得手段(位置情報取得システム200)と、入場者の遊技に関する情報を分析する個人遊技情報分析手段20とを備え、遊技情報取得手段110は、遊技機の稼働開始及び稼働終了に関する時間情報を遊技稼働情報として取得し、位置情報取得手段(位置情報取得システム200)は、遊技場における携帯端末の位置を特定するための遊技場マップ情報221を備え、携帯端末に関する位置情報と遊技場マップ情報221に基づいて、遊技場における携帯端末の位置を特定し、その特定した位置と当該位置を特定した時刻とに関する情報を遊技場における入場者に関する個人位置情報として取得し、個人遊技情報分析手段20は、遊技稼働情報と個人位置情報に基づいて入場者の遊技状況を分析することを特徴とする。
このような遊技場管理システム10によれば、遊技機の稼働開始及び稼働終了に関する時間情報(遊技稼働情報)と、携帯端末の位置情報と遊技場マップ情報に基づいて生成される個人位置情報(遊技場における遊技者の位置とその取得時刻に関する情報)とに基づいて、遊技機の前の椅子への遊技者の着座、遊技機での遊技の開始、終了、その椅子からの離席を正確に把握することができるため、遊技者の遊技の開始と終了(すなわち遊技時間)を正確に分析することができる。
また、遊技場管理システム10では、遊技場マップ情報221は、遊技機の前の椅子を含む特定領域(遊技機領域2における椅子部分)を位置特定情報(遊技位置情報P1乃至P80)として設定し、位置情報取得手段(位置情報取得システム200)は、携帯端末の位置情報と遊技場マップ情報221に基づいて遊技場における携帯端末の位置が特定領域に含まれるか否かを判断し、携帯端末の位置が特定領域に含まれる場合には、遊技機の前の椅子への入場者の着座を検出し、当該着座の検出後において携帯端末の位置が特定領域に含まれなくなった場合には、遊技機の前の椅子からの入場者の離席を検出し、個人遊技情報分析手段20は、位置情報取得手段(位置情報取得システム200)により遊技機の前の椅子への入場者の着座が検出された後に、遊技稼働情報に基づいて遊技機の稼働開始(遊技開始)が検出された場合には、遊技機での入場者の遊技開始に関する時間情報として着座に関する時間情報を設定し、遊技開始に関する時間情報の設定後において、遊技稼働情報に基づいて遊技機の稼働終了(遊技終了)が検出された後に、位置情報取得手段(位置情報取得システム200)により遊技機の前の椅子からの入場者の離席が検出された場合には、遊技機での入場者の遊技終了に関する時間情報として離席に関する時間情報を設定することを特徴とする。
このような遊技場管理システム10によれば、遊技機の稼働開始及び稼働終了に関する時間情報(遊技稼働情報)と、位置情報と遊技場マップ情報に基づいて生成される個人位置情報(遊技場における遊技者の位置とその取得時刻に関する情報)とに基づいて、遊技機での遊技者の遊技開始に関する時刻として着座時刻を設定することができ、遊技機での遊技者の遊技終了に関する時刻として離席時刻を設定することができるため、遊技者の遊技の開始と終了(すなわち遊技時間)を正確に分析することができる。また、例えば、着座しても遊技機が稼動していない場合には、入場者の遊技終了や遊技開始に関する時間情報が設定されないため、遊技者の遊技の開始と終了(この場合は遊技時間がゼロ)を正確に分析できる。
また、遊技場管理システム10では、位置情報取得手段(位置情報取得システム200)は、携帯端末を識別可能な識別情報(例えば固有識別情報(例えばMACアドレス)、その携帯端末を保持する入店者を識別可能な識別情報(例えば会員ID))を取得し、個人遊技情報分析手段20は、その識別情報に基づいて、所定期間内に同一の遊技機について、入場者の遊技開始に関する時間情報と入場者の遊技終了に関する時間情報とが複数回設定されている入場者を検出した場合には、当該複数回設定された遊技開始に関する時間情報と遊技終了に関する時間情報とに基づいて当該検出された入場者の遊技状況を分析することを特徴とする。
このような遊技場管理システム10によれば、遊技者が保持する携帯端末を識別可能な識別情報(例えばMACアドレス)を用いて、所定期間内に同一の遊技機について、遊技開始に関する時間情報と遊技終了に関する時間情報とが複数回設定されている遊技者を検出することができ、その複数回設定された遊技開始に関する時間情報と遊技終了に関する時間情報とに基づいて、その遊技者の遊技状況を分析することができる。このため、遊技者が遊技機の前の椅子から離席してその遊技機での遊技を中断したか、遊技者が遊技機の前の椅子に着座した状態で休憩してその後に再遊技となったか等を正確に判定することができる。また、遊技場における同一人物の遊技を正確に把握することができるため、遊技の開始と終了(すなわち遊技時間)を正確に判定することができる。
また、遊技場管理システム10では、位置情報取得システム200は、入退店者カウント手段230(または位置特定手段220)により遊技場に入場する人物(入場者)が検出された場合に、その人物を撮影する撮影手段(静止画または動画による撮影を行うカメラなど)を備えることができる。また、遊技場管理システム10は、携帯端末の固有識別情報(MACアドレス)と、撮影手段によって取得された入場者特定情報(その人物の顔を含む画像情報(静止画または動画))とを紐付ける手段を備えることができる。
このような遊技場管理システム10によれば、ホール従業員が、携帯端末の固有識別情報と個人位置情報とに基づいて位置を特定した入場者と、その近くに存在する他の入場者とを識別する場合に、撮影手段により取得された入場者特定情報(入店者特定情報:静止画、動画)を利用することができる。これにより、ホール従業員は、外観(顔、容姿、服装等)で当該者であるか否かを容易に識別できる。すなわち、ホール従業員が特定の入場者を容易に識別することができる。
また、遊技場管理システム10では、遊技場管理システム10が取得している遊技情報には、遊技者が遊技機から遊技媒体を使用するときの遊技媒体貸出額情報(貸球(貸メダル)の借用代金)が含まれる。
このような遊技場管理システム10によれば、遊技者が遊技開始から遊技終了までに使用した遊技額の合計値を容易に把握できる。すなわち、個人がいくら使ったのかを容易に把握できる。
また、遊技場管理システム10では、個人情報登録手段310及び個人情報管理手段320により、特定の携帯端末を保持する遊技者に対し、遊技時間の上限が設定可能である。また、個人情報登録手段310及び個人情報管理手段320により、特定の携帯端末を保持する遊技者に対し、遊技金額(貸出額)の上限が設定可能である。また、個人情報登録手段310及び個人情報管理手段320により、特定の携帯端末を保持する遊技者に対し、入場回数(入店回数)の上限が設定可能である。また、遊技場管理システム10は、その上限設定を超えた特定の携帯端末を保持する遊技者に対しては、その遊技者が遊技をしている遊技機の遊技を制限させる機能、若しくはその遊技機を遊技不能にさせる機能を有する。また、遊技場管理システム10は、その上限設定を超えた特定の携帯端末を保持する遊技者に上限設定を超えたことを報知する機能を備える。
このような遊技場管理システム10によれば、上限設定を超えた遊技者に対し、遊技機における遊技制限(遊技不能)を実施するので、遊技行為を予め定めた設定内に確実に抑えることができる。また、上限超えが報知されるので遊技者も自己の状況を把握することができる。例えば、その上限設定を超えた特定の携帯端末からの音声情報の出力や画像表示により報知することができる。また、その上限設定を超えた特定の携帯端末を保持する遊技者が遊技をしている遊技機において、音声情報の出力や画像表示により報知するようにしてもよい。また、遊技場内でのホール従業員による報知を行うようにしてもよい。
また、遊技場管理システム10は、遊技場内に入場した入場者の数をカウントする入退店者カウント手段230と、入場者の数と遊技者の数とを対比することで非遊技者の数を算出する算出手段とを備える。
このような遊技場管理システム10によれば、遊技場内に入場した入場者のうち、遊技をしていない人数(非遊技者の数)を把握することができる。また、遊技場マップ情報221を利用すれば、どの場所にどの程度の人数が滞在しているかを把握することができ、非遊技エリア(休憩室、景品場など)が有効に活用されているか等を把握することが可能になる。
また、遊技場管理システム10では、位置特定情報には、遊技場の通路位置を示す通路位置情報(PW1~PW50)が含まれ、位置特定手段220は、入場者が保持する携帯端末の位置情報の取得を所定間隔で行う。また、入場者の導線分析手段(個人遊技情報分析手段20)は、所定間隔で取得した位置情報に応じて生成された入場者の個人位置情報に基づいて、入場者の遊技場における導線情報(動線情報)を生成する。この導線情報は、例えば、位置情報の取得時刻と位置特定情報(例えば通路位置情報PW1~PW50)とを紐付けて生成される。
このような遊技場管理システム10によれば、入場者の導線を分析することで、最適な遊技機の設置や、イベント実施の効果確認を行うことが可能となる。
[第2実施形態:遊技機毎の遊技者の数を用いて各種の分析をする例]
第1実施形態では、遊技稼働情報及び個人位置情報に基づいて個人遊技情報を生成する例を示した。この個人遊技情報では、遊技機毎の遊技者の遊技開始及び遊技終了を分析してその分析結果を用いることができる。そこで、本発明の第2実施形態では、個人遊技情報を用いて、遊技機毎の遊技人数に対する遊技媒体貸出額の平均額を算出する例を示す。なお、第2実施形態は、第1実施形態の応用例であり、第1実施形態と共通する部分については、図示及びその説明の一部を省略する。
[遊技機毎の遊技人数に対する遊技媒体貸出額の平均額の分析結果例]
図14は、個人遊技情報分析手段20による遊技機の平均貸出額の分析処理により記録される各種情報とその分析結果の例を示す図である。図14(1)には、台番45(機種CR―E)の遊技機に関する情報の例を示す。また、図14(2)には、台番55(機種CR―F)の遊技機に関する情報の例を示す。また、図14(3)には、台番58(機種CR―G)の遊技機に関する情報の例を示す。なお、図14に示す各情報の分析期間は、1日(2019年9月13日)とする例を示すが、これに限定されない。例えば、他の分析期間(例えば、1時間、半日、1週間、1月、半年、1年)を設定するようにしてもよい。
また、図14(1)乃至(3)に示す台番、機種、レート、アウト、セーフ、遊技媒体貸出額に関する各情報は、遊技装置管理システム100により取得される情報である。なお、これらの各情報は、図8(1)、図10(1)、図12(1)に示す各情報と同様であるため、ここでの説明を省略する。
また、図14(1)乃至(3)に示す固有識別情報は、位置情報取得システム200により取得される情報である。なお、これらの固有識別情報は、図8(2)、図10(2)、図12(2)に示す固有識別情報と同様であるため、ここでの説明を省略する。
また、図14(1)乃至(3)に示す遊技開始2、遊技終了2、遊技時間に関する各情報は、個人遊技情報分析手段20による分析処理により取得される情報である。なお、これらの各情報は、図8(3)、図10(3)、図12(3)に示す各情報と同様であるため、ここでの説明を省略する。
また、図14(1)乃至(3)に示す期間内貸出額、期間内遊技者数、平均貸出額、判定に関する各情報は、個人遊技情報分析手段20による分析処理により生成される情報である。期間内貸出額は、分析期間における遊技機毎の遊技媒体貸出額の合計値である。また、期間内遊技者数は、分析期間における遊技機毎の遊技者の合計値である。また、平均貸出額は、分析期間における遊技機毎の遊技媒体貸出額の平均値(遊技者1人当たりの遊技媒体貸出額)である。具体的には、平均貸出額は、期間内貸出額を期間内遊技者数で除算することで求めることができる。判定は、期間内貸出額、期間内遊技者数、平均貸出額に基づいて求められる情報であり、例えば、優良遊技機、良遊技機、様子見遊技機、客寄せ遊技機、不人気遊技機の何れかが判定結果として求められる。なお、図14では、判定例として、優良遊技機には「◎」を付し、良遊技機には「○」を付し、様子見遊技機には「△」を付し、客寄せ遊技機には「▲」を付し、不人気遊技機には「×」を付す例を示す。
図14(1)に示す遊技機(台番45(機種CR―E))の例では、分析期間において2人の遊技者により遊技が行われている。また、最初の遊技者の遊技媒体貸出額は「28000円」であり、次の遊技者の遊技媒体貸出額は「12000円」である。このため、期間内貸出額として「40000円(28000円+12000円)」が算出され、期間内遊技者数として「2人」が求められる。また、平均貸出額として、期間内貸出額「40000円」を期間内遊技者数「2人」で除算した値「20000円」が算出される。この例では、少ない人数(2人)で40000円売り上げている(平均額20000円)ため、ヘビーユーザーが遊技していた可能性がある。ただし、遊技機そのものが面白いかの判断をすることは難しい。このように、この例では、期間内遊技者数「2人」が少ないため、優良遊技機「◎」、良遊技機「○」と判定することはできない。しかし、平均貸出額「20000円」が多いため、様子見遊技機「△」と判定される。
図14(2)に示す遊技機(台番55(機種CR―F))の例では、分析期間において20人の遊技者により遊技が行われている。なお、図14(2)では、3番目から18番目の遊技者に関する情報を省略して示す。また、1番目の遊技者の遊技媒体貸出額は「1000円」であり、2番目の遊技者の遊技媒体貸出額は「2500円」であり、19番目の遊技者の遊技媒体貸出額は「1500円」であり、20番目の遊技者の遊技媒体貸出額は「2500円」である。このため、期間内貸出額として「40000円(1000円+2500円+…+1500円+2500円)」が算出され、期間内遊技者数として「20人」が求められる。また、平均貸出額として、期間内貸出額「40000円」を期間内遊技者数「20人」で除算した値「2000円」が算出される。この例では、比較的多くの人数(20人)で40000円売り上げている(平均額2000円)。そこで、この遊技機は、2000円程度の試し打ち程度のライト遊技が行われる可能性がある。また、遊技者がすぐに止めてしまうのは、遊技機そのものが面白くないか、パチンコ機においては始動入賞し難い等、スロットマシンにおいては小役等の役が揃いにくく遊技媒体の払い出しが少ない又は小役が揃わずに遊技媒体の払い出しがない、などが推測される。このため、この遊技機は、人気がない台となる可能性が高い。このように、この例では、平均貸出額「2000円」が少ないため、優良遊技機「◎」、良遊技機「○」、様子見遊技機には「△」と判定することはできない。しかし、期間内遊技者数「20人」が多いため、客寄せ遊技機「▲」と判定される。
図14(3)に示す遊技機(台番58(機種CR―G))の例では、分析期間において8人の遊技者により遊技が行われている。なお、図14(3)では、3番目から6番目の遊技者に関する情報を省略して示す。また、1番目の遊技者の遊技媒体貸出額は「3000円」であり、2番目の遊技者の遊技媒体貸出額は「8000円」であり、7番目の遊技者の遊技媒体貸出額は「2000円」であり、8番目の遊技者の遊技媒体貸出額は「3000円」である。このため、期間内貸出額として「40000円(3000円+8000円+…+2000円+3000円)」が算出され、期間内遊技者数として「8人」が求められる。また、平均貸出額として、期間内貸出額「40000円」を期間内遊技者数「8人」で除算した値「5000円」が算出される。この例では、それなりの人数(8人)で40000円売り上げている(平均額5000円)。このように、平均額が5000円程度の遊技では、実際はライト遊技から、ある程度勝負をした遊技であると想定できる。このため、楽しんで遊技をしている遊技者がいることが想定される。また、息の長い遊技機であると判断できる。しかし、平均額が下がりすぎにならないように注意する必要があると判断できる。この例では、平均貸出額「5000円」が比較的多く、期間内遊技者数「8人」も比較的多いため、良遊技機「○」と判定される。
なお、上述した各判定結果は、一例であり、何らかの規則や基準に基づいて判定をするようにしてもよい。また、ホール従業員の主観により判定を行うようにしてよい。
このように、個人遊技情報分析手段20は、所定期間内の遊技者数と遊技媒体貸出額とを遊技機毎に算出し、その算出した遊技媒体貸出額を遊技者数で除算することで、遊技者数に対する遊技媒体貸出額の平均額を遊技機毎に算出することができる。すなわち、所定期間内の遊技媒体貸出額(遊技機の売り額)をA、所定期間内の遊技者数をBとした場合にA/Bを算出することにより、遊技者数に対する遊技機の遊技媒体貸出額の平均額(遊技機の売り平均額)を算出することができる。このように、個人遊技情報分析手段20による分析結果を用いることにより、遊技者でなく遊技機の視点で、新たな情報を算出することができる。
[遊技人数に対する遊技媒体貸出額の平均額の算出処理例]
次に、個人遊技情報分析手段20により実行される算出処理に関連する制御を説明する。図15は、遊技人数に対する遊技媒体貸出額の平均額の算出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この算出処理は、個人遊技情報分析手段20が備える記憶部に記憶されている制御プログラムに基づいて、個人遊技情報分析手段20が備える演算処理部(CPU等)により実行される。また、この算出処理は、個人遊技情報分析手段20において実行可能であるが、いわゆるソフトウェアとして組み込みが可能であれば、他の装置においても実行可能である。
なお、この算出処理は、所定期間を設定し、所定期間に応じた所定のタイミングで行われる。例えば、所定期間として1日が設定されている場合には、遊技場の閉店後に行われる。また、例えば、所定期間として1月が設定されている場合には、月末の遊技場の閉店後に行われる。
最初に、遊技人数に対する遊技媒体貸出額の平均額の算出処理を行うための条件(平均額算出条件)を満たすか否かが判断される(S821)。例えば、所定期間として1日が設定されている場合には、遊技場の閉店後の時刻になったか否かが判断される。また、例えば、所定期間として1月が設定されている場合には、月末の遊技場の閉店後の時刻になったか否かが判断される。平均額算出条件を満たさない場合には(S821)、平均額算出条件を満たすか否かの判断を繰り返し行う。
平均額算出条件を満たす場合には(S821)、個人遊技情報分析手段20は、個人遊技情報を生成する(S822)。この個人遊技情報の生成処理については、上述した個人遊技情報の生成処理と同様である。
次に、個人遊技情報分析手段20は、遊技人数に対する遊技媒体貸出額の平均額を算出する対象となる遊技機を選択する(S823)。例えば、図3に示すように、遊技場に80台の遊技機が設置されている場合には、識別番号の順番に対象遊技機として選択される。
次に、個人遊技情報分析手段20は、個人遊技情報に基づいて、所定期間内に対象遊技機で遊技した遊技者の人数(遊技者数)を取得する(S824)。
次に、個人遊技情報分析手段20は、遊技稼働情報に基づいて、所定期間内に対象遊技機で遊技した1または複数の遊技者の遊技媒体貸出額を取得し、その合計額を算出する(S825)。
次に、個人遊技情報分析手段20は、算出した遊技媒体貸出額の合計額を遊技者数で除算し、所定期間内の対象遊技機の遊技媒体貸出額の平均額を算出する(S826)。
次に、個人遊技情報分析手段20は、遊技人数に対する遊技媒体貸出額の平均額が算出されていない遊技機が存在するか否かを判断する(S827)。遊技人数に対する遊技媒体貸出額の平均額が算出されていない遊技機が存在する場合には(S827)、S823に戻り、平均額算出処理を繰り返し行う(S823乃至S826)。また、全ての遊技機について、遊技人数に対する遊技媒体貸出額の平均額が算出された場合には、遊技人数に対する遊技媒体貸出額の平均額の算出処理の動作を終了する。
なお、平均額算出処理の後に判定処理を行うようにしてもよい。この判定処理では、図15に示す分析処理により求められた各情報を用いて、対象遊技機を、優良遊技機、良遊技機、様子見遊技機、客寄せ遊技機、不人気遊技機の何れかに判定する処理である。
例えば、平均貸出額が閾値TH1(例えば10000円)以上であり、かつ、期間内遊技者数が閾値TH2(例えば20人)以上である場合には、優良遊技機「◎」と判定される。
また、平均貸出額が閾値TH3(例えば5000円)(<TH1)以上であるが閾値TH1未満であり、かつ、期間内遊技者数が閾値TH4(例えば8人)(<TH2)以上であるが閾値TH2未満である場合には、良遊技機「○」と判定される。また、平均貸出額が閾値TH1以上であり、かつ、期間内遊技者数が閾値TH4以上であるが閾値TH2未満である場合にも、良遊技機「○」と判定される。また、平均貸出額が閾値TH3以上であるが閾値TH1未満であり、かつ、期間内遊技者数が閾値TH2以上である場合にも、良遊技機「○」と判定される。
また、平均貸出額が閾値TH3以上であるが、期間内遊技者数が閾値TH4未満である場合には、様子見遊技機には「△」と判定される。
また、平均貸出額が閾値TH3未満であるが、期間内遊技者数が閾値TH4以上である場合には、客寄せ遊技機「▲」と判定される。
また、平均貸出額が閾値TH3未満であり、かつ、期間内遊技者数が閾値TH4未満である場合には、不人気遊技機「×」と判定される。
このように、所定期間内の遊技機毎の遊技者数と、その遊技者数に対する遊技媒体貸出額の遊技機毎の平均額とに基づいて、各遊技機に関する評価情報(例えば、優良遊技機、良遊技機、様子見遊技機、客寄せ遊技機、不人気遊技機)を求めることができる。なお、ここで示す各閾値TH1乃至TH4は一例であり、これらに限定されない。また、これらの判定基準となる情報や判定条件、判定結果(評価情報)等は一例であり、他の各種条件や判定結果等を用いて判定処理を行うようにしてもよい。例えば、各遊技機において、遊技者毎の貸出額と平均貸出額との差分のバラつき等を用いて判定処理を行うようにしてもよい。
[第2実施形態に係る発明の作用効果]
本発明の第2実施形態に係る遊技場管理システム10は、遊技機の稼働に関する遊技稼働情報を取得する遊技情報取得手段110と、遊技場に入場(入店)する入場者(入店者)が保持する携帯端末に関する位置情報を取得する位置情報取得手段(位置情報取得システム200)と、入場者の遊技に関する情報を分析する個人遊技情報分析手段20とを備え、遊技情報取得手段110は、遊技機の稼働開始及び稼働終了に関する時間情報を遊技稼働情報として取得し、位置情報取得手段(位置情報取得システム200)は、遊技場における携帯端末の位置を特定するための遊技場マップ情報221を備え、携帯端末の位置情報と遊技場マップ情報221に基づいて遊技場における携帯端末の位置を特定し、その特定した位置と当該位置を特定した時刻とに関する情報を遊技場における入場者に関する個人位置情報として取得し、個人遊技情報分析手段20は、遊技稼働情報と個人位置情報に基づいて入場者の遊技状況を分析することにより、所定期間内の遊技者数と遊技媒体貸出額とを遊技機毎に算出し、その算出された所定期間内の遊技機毎の遊技者数と遊技媒体貸出額とに基づいて、遊技者数に対する遊技媒体貸出額の平均額を遊技機毎に算出する。具体的には、個人遊技情報分析手段20は、その算出された遊技媒体貸出額を遊技者数で除算することで、遊技者数に対する遊技媒体貸出額の平均額を遊技機毎に算出する。
ここで、従来は、実際に遊技した遊技人数が不明(同一人物での遊技が不明確)なので、遊技機の売り額(遊技媒体貸出額)しかわからなかった。これに対して、本発明の第2実施形態では、遊技機の売り額(遊技媒体貸出額)をA、遊技人数をBとしたとき、A/Bを算出すれば、遊技人数に対する遊技機の売り平均額がわかるようになる。このように、遊技人数に対する平均遊技額がわかると、遊技機に対して各種の分析や判定を行うことができる。
また、遊技場管理システム10では、個人遊技情報分析手段20は、所定期間内の遊技機毎の遊技者数と、その遊技者数に対する遊技媒体貸出額の遊技機毎の平均額とに基づいて、各遊技機に関する評価情報を生成する。
このような遊技場管理システム10によれば、所定期間内の遊技機毎の遊技者数と、その遊技者数に対する遊技媒体貸出額の遊技機毎の平均額とに基づいて生成される評価情報(例えば、優良遊技機、良遊技機、様子見遊技機、客寄せ遊技機、不人気遊技機)に基づいて、各遊技機を客観的に評価することができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態を組合せることも可能である。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。