以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の情報処理システムによるグッズファンディングの概要を示す図である。情報処理システムは、暗号通貨管理システム50を備える。情報処理システムは、さらにグッズ管理システム40、グッズファンディング対象者が使用する端末装置30、ファンディング応援者(例えば、グッズ購入者など)が使用する端末装置70を備えてもよい。端末装置30、70は複数存在するが便宜上1台だけ図示している。暗号通貨管理システム50、グッズ管理システム40、端末装置30、及び端末装置70は、インターネットなどの通信ネットワーク1を通じて接続されている。グッズファンディング対象者は、自身に関係するグッズを自作、もしくはグッズ製作業者に委託して製作させたか仕入れたグッズに関する販売に関して、以下の方法で販売する。すなわち、自身で販売するか、もしくは各種グッズを販売することを生業とする業者に上記グッズの販売を委託する者である。なお、グッズファンディング対象者が、スポーツ球団のような各種団体(スポーツ団体に限らない)である事も重要である。
グッズ管理システム40は、例えば、グッズファンディング運営者などによって運用されている。グッズ管理システム40は、1又は複数のサーバや他のシステムで構成してもよい。グッズファンディング運営者は、地域(国)別又は業界(例えば、漫画業界、エンタメ業界、音楽業界など)別に設立された企業・団体を含む。それぞれのグッズファンディング運営者は、同じ暗号通貨を使用することができる。また複数のグッズファンディング運営者を纏めて管理するグッズファンディング運営者(企業・団体)があってもよい。グッズファンディング運営者は、設立国に税金を払う。グッズ管理システム40の詳細は後述する。暗号通貨管理システム50は、例えば、暗号通貨運営者などによって運用されている。暗号通貨管理システム50は、1又は複数のサーバや他のシステムで構成してもよい。暗号通貨管理や他のシステム50の詳細は後述する。
端末装置30は、パーソナルコンピュータやタブレット端末で構成することができる。端末装置30は、スマートフォンであってもよい。端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末で構成することができる。端末装置70は、パーソナルコンピュータであってもよい。
本明細書において、グッズは、商品又は品物などの物品であるが、ゲーム、音楽、映像、デジタルアートなどのデジタルコンテンツを含めてもよい。また、グッズは、非代替性トークン(NFT:Non-Fungible Token)を含んでもよい。グッズは、例えば、漫画家、作家、小説家、ゲームクリエータ、声優、翻訳者、画家、音楽家、工芸家、芸術家、タレント、芸人、料理人、スポーツ選手(アマチュアを含む)、インストラクタ、スポーツチーム、各種団体(例えば、将棋連盟、特定個人応援団体等)などのグッズファンディング対象者を支援するために販売される。グッズは、販売できるものであり、実物が存在し手にすることができる物だけでなく、消費した結果、グッズとして再販できないものの他に、動画や音声ファイルなど手にすることができないデジタルコンテンツ的な物も含む。また、グッズは、キャラクタ付きプリペイドカードを含んでもよい。プリペイドカードをグッズとした場合には、プリペイドカード自身にデジタル価値が付加されている。
以下では、グッズ10を、スポーツ選手のユニホームとして説明するが、グッズはユニホームに限定されない。グッズ10は、グッズ価格にデジタル価値が予め付加されている。デジタル価値は、グッズファンディング対象者(グッズ販売者)がグッズファンディング運営者との間で予め設定することができる。また、設定済みデジタル価値を再設定もできる。グッズファンディング対象者が販売するグッズ10を、ファンディング応援者が購入すると、グッズ購入者は、グッズ10に付加されたデジタル価値に対応(相当)する暗号通貨を取得する。暗号通貨は仮想通貨とも称され、インターネット上でやりとりできる財産的価値であり、「資金決済に関する法律」において、(1)不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる、(2)電子的に記録され、移転できる、(3)法定通貨または法定通貨建ての資産(プリ
ペイドカード等)ではない、という性質をもつものである。
グッズ購入者は、取得した暗号通貨を所定の分配対象に分配することで、グッズファンディング対象者を支援(応援)することができる。このように、グッズ10の販売・購入を通じて、グッズ10に付加されたデジタル価値に対応する暗号通貨をグッズファンディング対象者に分配できるというグッズファンディングという新たなファンディングの形態を提供することが可能になる。
図2はグッズファンディング対象者とファンディングの形態との関係を示す図である。グッズファンディング対象者(例えば、グッズ販売者など)は、3つのカテゴリに分類できる。第1のカテゴリは、素人、アマチュア、ノンプロであり、例えば、オタク、愛好家などが含まれる。第1のカテゴリのグッズファンディング対象者に対しては、投げ銭(応援金)という形態で支援することができる。
第2のカテゴリは、所属先がない個人事業者であり、例えば、小説家、漫画家、料理人、芸術家、音楽家、インストラクタなどが含まれる。第2のカテゴリのグッズファンディング対象者に対しては、投げ銭(応援金)、株式投資又は債権などという形態で支援することができる。なお、株式投資は、個人事業主が株式を公開していることが条件となる。債権は、個人事業主が資金を借り入れるための有価証券を発行していることが条件となる。
第3のカテゴリは、所属先(例えば、マネジメント会社などの企業・団体)があるプロであり、例えば、プロ選手、タレント、デザイナ、芸人などが含まれる。第3のカテゴリのグッズファンディング対象者に対しては、投げ銭(応援金)、株式投資又は債権などという形態で支援することができる。なお、株式投資は、マネジメント会社などが株式を公開していることが条件となる。債権は、マネジメント会社などが資金を借り入れるための有価証券を発行していることが条件となる。また、投げ銭は、プロとマネジメント会社との2者間で締結済み契約書の内容に従って、プロとマネジメント会社とで分配すればよい。契約がない場合の分配配分に関しては、投げ銭するグッズ購入者が自由に配分できるようにすればよい。
図3はグッズ管理システム40によるグッズの登録処理の一例を示す図である。グッズ管理システム40は、システム全体を制御する制御部41、通信部42、及び記憶部43を備える。制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等が所要数組み込まれて構成されている。制御部41は、メモリを備えていてもよい。
記憶部43は、例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等で構成することができ、グッズ管理情報44、ウォレット情報45、及び所要の情報を記憶することができる。
通信部42は、例えば、通信モジュールを備え、通信ネットワーク1を介して外部の装置(例えば、端末装置30など)との間で情報の授受を行うことができる。
グッズ10を登録する場合、グッズファンディング対象者は、グッズファンディング運営者に対して、グッズ10とともに当該グッズ10に付加するデジタル価値を申請する。グッズファンディング対象者の操作によって、端末装置30は、申請要求をグッズ管理システム40へ送信する。申請要求には、グッズ10の名称、グッズ識別子、グッズ10自体のグッズ価格、グッズ10に付加するデジタル価値などの情報が含まれる。図3の例では、グッズ識別子をDSO-12345、グッズ価格を1,000円、デジタル価値を2,000円としている。また、例えば、グッズ価格が2,000円の同一のグッズに対して、1,000円のデジタル価値を付加したグッズと、5,000円のデジタル価値を付加したグッズがあってもよい。すなわち、デジタル価値が付加されたグッズは、同一のグッズに対して一つ以上のデジタル価値を付加できる。なお、グッズ価格、デジタル価値を通貨単位「円」で表しているが、通貨単位は「円」に限定されるものではなく、例えば、「米国ドル」、「フラン」、「ユーロ」、「元」等の他国の通貨単位であってもよい。またデジタル価値は、イーサ(ETH)のような分散型ブロックチェーンネットワークで使用される通貨(暗号通貨、仮想通貨、暗号資産)でもよい。
制御部41は、端末装置30から申請要求を受信すると、グッズファンディング対象者IDの生成、配布、管理、及びグッズファンディング対象者のウォレットの生成などの処理を行う。なお、グッズファンディング対象者が既にグッズファンディング対象者IDやウォレットを所有している場合には、グッズファンディング対象者IDやウォレットの生成はしない。上記のグッズファンディング対象者に関する各処理を実行する際には、グッズファンディング対象者の真正性や認証目的に、後述のDID(Decentralized Identifier:分散型識別子)による管理方法を使用してもよい。
制御部41は、当該グッズファンディング対象者のグッズ管理情報44を生成して記憶部43に記憶するとともに端末装置30へ送信する。図3に示すように、グッズ管理情報44は、グッズファンディング対象者ID、グッズ識別子、グッズ価格、及びデジタル価値を対応付けた情報である。
制御部41は、当該グッズファンディング対象者のウォレット情報45を生成して記憶部43に記憶するとともに端末装置30へ送信する。ウォレット情報45は、グッズファンディング対象者に対応付けられ、ウォレットID及び秘密鍵(ブロックチェーン上の暗号通貨、仮想通貨又は暗号資産にアクセスするための重要な情報)などの秘密情報を含む。ウォレットIDは、公開鍵又はアカウント番号とも称する。端末装置30は、ウォレット31を保持する。ウォレット31は、例えば、秘密鍵を使って暗号通貨を送受信するためのアプリケーションである。ウォレット31には、グッズファンディング対象者固有のユーザID及びパスワードが設定されており、グッズファンディング対象者が設定したユーザID及びパスワードを使ってアクセスすることができる。なお、ウォレット情報45の保持の方法は、これに限定されるものではなく、例えば、ウォレットを外部のサーバに保管してもよく、紙や媒体やよりセキュリティ強度が優れているハードウェアトークンに持たせるようにしてもよい。
グッズ10は、グッズ制作会社によって作製され、グッズ10に紐付けられているグッズ情報は、グッズ10に取り付けられた識別媒体11に記録することができる。識別媒体11は、例えば、RFIDタグ、バーコード、2次元バーコードなどグッズ情報を読み取れる媒体であればよい。図3の例では、識別媒体11には、グッズ識別子がDSO-12345、グッズ価格が1,000円、デジタル価値が2,000円の各情報が読取可能に記録されている。グッズ情報には、グッズ名を含めてもよい。
デジタル価値が付加されていないグッズ20も販売することができる。この場合、グッズ10とグッズ20とで異なるグッズ識別子を用いることができる。グッズ20のグッズ情報は、グッズ20に取り付けられた識別媒体11に記録することができる。図3の例では、識別媒体21には、グッズ識別子がSO-12345、グッズ価格が1,000円の各情報が読取可能に記録されている。
デジタル価値が付加されたグッズ10の管理方法は、グッズ管理システム40による方法に限定されない。例えば、DIDによる管理方法を用いてもよい。DIDは、分散型台帳技術やその他の分散型ネットワークによって登録されることで、中央集権型の登録機関を必要としないグルーバルに固有な識別子である。DIDによる管理システムでは、デジタル価値が付加されたグッズ10は、DIDによって識別され、様々な証明(例えば、グッズファンディング対象者によるデジタル署名、グッズ製作会社、製作地、販売地などの署名、KYCのようなプロトコルなど)によって認証され、グッズファンディング対象者のウォレットやIPFS(Inter Planetary File System)の分散型サーバに保管・記録される。
図4は暗号通貨管理システム50によるグッズ購入者に対するウォレット生成処理の一例を示す図である。暗号通貨管理システム50は、システム全体を制御する制御部51、通信部52、及び記憶部53を備える。制御部51は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等が所要数組み込まれて構成されている。制御部51は、メモリを備えていてもよい。
記憶部53は、例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等で構成することができ、ウォレット情報54、及び所要の情報を記憶することができる。
通信部52は、例えば、通信モジュールを備え、通信ネットワーク1を介して外部の装置(例えば、端末装置70など)との間で情報の授受を行うことができる。
一例として、グッズ購入者は、ウォレット78をグッズ購入者の端末装置70に保有しておく必要がある。ウォレット78は、インターネットに接続されているホットウォレットでもよく、インターネットに接続されていないコールドウォレットでもよい。コールドウォレットは、ホットウォレットと異なりインターネット環境から遮断されているので、ハッキングリスクが少なく安全に資産を保管できるが、取引のためにはインターネット環境に移動させる必要があるため利便性は良くない。いずれのタイプのウォレットを使用するかは、例えば、グッズ購入者が適宜決定すればよい。グッズ購入者は、ウォレット78を保有していない場合、例えば、暗号通貨運営者に対してウォレットの生成を申請するが、これに限らない方法で保有してもよい。グッズ購入者の操作によって、端末装置70は、申請要求を暗号通貨管理システム50へ送信する。
制御部51は、端末装置70から申請要求を受信すると、グッズ購入者のウォレットの生成などの処理を行う。制御部51は、当該グッズ購入者のウォレット情報54を生成して記憶部53に記憶するとともに端末装置70へ送信する。ウォレット情報54は、グッズ購入者に対応付けられ、ウォレットID及び秘密鍵(ブロックチェーン上の暗号通貨、仮想通貨又は暗号資産にアクセスするための重要な秘密情報で秘匿する必要がある。パスワードと捉えられたりする)などの秘密情報を含む。ウォレットIDは、公開鍵又はアカウント番号とも称する。なお、ウォレット情報54を生成する際、あるいは最初にウォレット情報54を使用する際にはグッズ購入者の本人認証を行ってもよい。認証においては、DIDを利用してもよい。端末装置70は、ウォレット78を保持する。ウォレット78は、例えば、秘密鍵を使って暗号通貨を送受信するためのアプリケーションである。ウォレット78には、グッズ購入者固有のユーザID及びパスワードが設定されており、グッズ購入者が設定したユーザID及びパスワードを使ってアクセスすることができる。なお、ウォレット情報54の保持の方法は、これに限定されるものではなく、例えば、ウォレットを外部のサーバに保管してもよく、紙や媒体に記録して保管してもよい。
図5は暗号通貨管理システム50によるグッズ販売時の処理の一例を示す図である。以下では、デジタル価値が付加されたグッズ10について説明する。グッズ10は、EC(Electronic Commerce)サイトや実店舗など様々なチャネルで販売することができる。グッズ10が売れた(購入された)場合、端末装置30は、グッズ販売情報を暗号通貨管理システム50へ送信する。なお、グッズ販売情報の送信は、端末装置30に限定されるものではない、例えば、ECサイトの販売管理サーバや実店舗のPOS(Point Of Sales)端末によって行われてもよい。グッズ販売情報は、グッズ情報(グッズの品名、グッズ識別子、グッズ価格、及びデジタル価値など)、個数(販売個数)、販売日時、販売地点又は購入地点の位置情報などを含む。実店舗の場合、位置情報は実店舗の位置を示す。また、ECサイトの場合、位置情報は、ECサイトを管理する管理会社の住所としてもよい。
制御部51は、端末装置30が送信したグッズ販売情報を受信し、受信したグッズ販売情報を記憶部53に記憶する。
グッズ購入者は、ECサイトを通じて配達されたグッズ10、あるいは実店舗で購入したグッズ10を保有することになる。
次に、グッズ購入者がグッズ10を購入することで、付加されていたデジタル価値を暗号通貨として入手できる点について説明する。
図6は暗号通貨管理システム50によるグッズ購入者に対する暗号通貨付与の処理の一例を示す図である。グッズ購入者は、購入したグッズ10の識別媒体11を端末装置70で読み取る。端末装置70は、リーダライタ又はカメラを備え、RFIDタグ、バーコード、2次元バーコードなど記録されたグッズ情報(例えば、グッズ名、グッズ識別子、グッズ価格、デジタル価値など)を読み取ることができる。ここでは、グッズ購入者の端末装置70は、グッズ10のバーコードを読み取る(S11)。なお、識別媒体11は、商品コードなどが記載されたタグでもよい。
端末装置70は、ウォレット情報(ウォレットID)及びグッズ情報を暗号通貨管理システム50へ送信する(S12)。暗号通貨管理システム50は、ウォレット情報(ウォレットID)及びグッズ情報を受信し、グッズ10に付加されたデジタル価値を暗号通貨に変換する(S13)。デジタル価値と暗号通貨とが同等な貨幣価値を有しない場合、暗号通貨を調整してデジタル価値と等価になるように変換する。
暗号通貨管理システム50は、変換した暗号通貨をグッズ購入者のウォレットに記録する(S14)。具体的には、グッズ購入者のウォレットIDに対して暗号通貨を付与する。暗号通貨管理システム50は、グッズ10に付与されたデジタル価値に対応する暗号通貨を含む暗号通貨情報を端末装置70へ送信する(S15)。暗号通貨情報は、グッズ購入者が手にする暗号通貨を記載した情報である。
上述のように、暗号通貨管理システム50は、グッズ価格にデジタル価値が付加されたグッズ10のグッズ情報をグッズ購入者の端末装置70から取得し、取得したグッズ情報に基づいて、グッズ10に付与され、当該デジタル価値に対応する暗号通貨を含む暗号通貨情報をグッズ購入者のウォレットに記録する。併せて、暗号通貨管理システム50は、当該デジタル価値が使用済みとなったことを示す処理(使用済みとなったことを知らしめる処理)を実行することができる。
また、上述のように、暗号通貨管理システム50が、グッズ10に付加されたデジタル価値を暗号通貨に変換することにより、サイバー空間の中で暗号通貨(仮想通貨、暗号資産)を使用することができる。ここで、暗号通貨を使用できる、あるいは使用できないということについて説明する。暗号通貨には、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)等々、多数の種類の暗号通貨が利用可能となっている。例えば、暗号通貨Aを所有しているユーザが、NFTサイトBでコンテンツ(作品)を購入しようとした際に、NFTサイトBで暗号通貨Aが取り扱われていない場合には、当該ユーザは、暗号通貨交換所で暗号通貨AをNFTサイトBで取り扱われている暗号通貨に交換する必要があり、交換手数料を支払う必要があり、当該ユーザの資産が無駄に減ることになる。また、サイト毎に取引される暗号通貨が異なっているので、多くのサイトで取引できるメジャーな暗号通貨(BTC、ETHなど)を入手する傾向が強くなる。これらのメジャーな暗号通貨は、総発行量を制限して暗号通貨の価値を維持しているので投機性が高く資産価値が乱高下するため、これらのメジャーな暗号通貨を保有する者は、リスクヘッジすることが可能な資産家や投資家などに限定される傾向にあり、一般生活者や消費者がウォレット内でこれらのメジャーな暗号通貨を保有することはあまりないと考えられる。本実施形態のグッズファンディングでは、一般生活者や消費者がグッズ購入者としてデジタル価値が付加されたグッズ10を購入して暗号通貨を取得できるが、当該暗号通貨は、メジャーな暗号通貨ではなく、例えば、グッズファンディングを行う地域で馴染みのある通貨と価値が等価のステーブルコインとすることができる。日本では、ステーブルコインは、日本円と連動した価値を保証するコインであり、日本円と連動するステーブルコインは一つ以上ある。
本実施形態のグッズファンディングが提供できることの一つは、その地域の基軸通貨と連動したステーブルコインを暗号通貨として用いることにより、サイバー空間の中での各種経済活動を円滑(クレジット番号情報等をサイバー空間のサイトに残すことがないので、円滑だけでなくクレジット番号等の情報がサイトから流出する心配がない事も含む)に、かつ現実世界より低コストで経済活動が行える(スマートコントラクト等の機能を利用することにより手数料の低減が可能となる。現実世界、サイバー空間ともクレジット決済がよく使用されていたが、少なくない金額をクレジット会社に支払わなければならなかった)ことである。その地域の基軸通貨と連動したステーブルコインを暗号通貨として用いることで、投機性が低く、結果としてコイン価値の乱高下とは無縁であり、現実の通貨(円)と同じように安定した価値の通貨として使用できる。ある地域のステーブルコインを別の地域のステーブルコインに交換することや、送金することも、より低コストで実現できる。また、グッズを購入することで蓄えたコイン(暗号通貨)は、現実の世界での売買にも使用できる。
また、グッズの購入によって多くのクッズ購入者が得た暗号通貨が広く流通することで、将来、基軸通貨に連動する暗号通貨(「基軸通貨コイン」と称する)が当然のように使用される時代になった際には、デジタル価値付きグッズを購入することなく、基軸通貨コインを入手できる必要性が高まる。そこで、本実施形態のグッズファンディングは、基軸通貨コインを購入や交換を行う暗号通貨販売所の機能も提供することができる。また、基軸通貨コインの流通が盛んになることで、各種の経済活動が円滑に行えるので、クレジットカードの代替手段として使用される可能性が高い。
前述の図6における処理において、グッズ購入者は、2次元バーコードなどに記録されたグッズ情報(例えば、グッズ名、グッズ識別子、グッズ価格、デジタル価値など)を読み取るが、2次元バーコードは誰もが読み取ることが可能である。このため、悪意あるハッカーが2次元バーコードを不正に読み取り、グッズ情報を不正に入手する可能性がある。当該ハッカーは、暗号通貨管理システム50に送信するグッズ情報を改ざんして、例えば、実際のデジタル価値以上の情報を暗号通貨管理システム50へ送信するような攻撃を仕掛けられるという課題がある。また、グッズは見た目が同一製品であるパターンが多い(例えば、有名選手のユニホームなど)ため、グッズ一つ一つに事前に固有のグッズ識別子を割り当てることは管理面から見て現実的ではない。本実施形態では、かかる課題を以下のようにして解決できる。
図3に例示したように、グッズ識別子が記録された記録媒体11が取り付けられたグッズ10に、さらに追加情報を印刷した商品タグなどの印刷物を取り付ける。商品タグに印刷された追加情報は、同一製品のグッズ一つ一つに対して異なる情報であり、例えば、文字列(英数字など)でもよい。例えば、グッズ識別子がDSO-12345であるグッズ10が100個製作されたとすると、100個のグッズ10それぞれに異なる追加情報が印刷された商品タグを取り付ける。これにより、グッズ一つ一つをグッズ識別子ではなく、より簡便な追加情報によって識別できる。なお、暗号通貨管理システム50は、予めグッズ識別子毎に、グッズ識別子に対応付けられた複数の異なる追加情報を記憶部53に記憶しておくことができる。
当該追加情報は、マスクされ外部からは視認できないようになっている。グッズ購入者がマスクを剥がすことにより、追加情報を確認できる。悪意あるハッカーが追加情報を取得するためには、マスクを剥がす必要があり、商品タグのマスクが剥がれているか否かで不正取得があったか否かが容易に判別できるようになっている。マスクは、例えば、硬貨などで擦ることで剥がすことができる。
グッズ購入者は、購入したグッズ10の識別媒体11を端末装置70で読み取る。端末装置70は、リーダライタ又はカメラを備え、RFIDタグ、バーコード、2次元バーコードなど記録されたグッズ情報(例えば、グッズ名、グッズ識別子、グッズ価格、デジタル価値など)を読み取ることができる。また、グッズ購入者は、グッズ10の商品タグのマスクを剥がし、印刷された追加情報を確認し、確認した追加情報を端末装置70に入力する。端末装置70は、ウォレット情報、識別媒体11から読み取ったグッズ情報、及び入力された追加情報を暗号化通貨管理システム50へ送信する。
暗号化通貨管理システム50は、端末装置70から受信したグッズ識別子に対応する追加情報が記憶部53に記憶された追加情報と一致するか否かに応じて、端末装置70から送信されたグッズ情報を照合することができる。追加情報が一致する場合には不正操作がないと判定できる。
上述のように、制御部71は、マスクが施されて外部から視認できない追加情報であって、グッズ10に取り付けられた印刷物(商品タグ)からマスクを剥がして取得した追加情報をグッズ情報とともに暗号化通貨管理システム50へ送信し、暗号化通貨管理システム50で当該追加情報の照合が成功した場合、グッズ10に付与された暗号通貨情報を暗号化通貨管理システム50から受信することができる。
端末装置70から送信する送信データ(ウォレット情報、グッズ情報、及び追加情報)の改ざんに関しては、グッズ識別子と追加情報の両方又はいずれか一方を基にして作成した暗号鍵で送信データを暗号化してもよい。これにより、端末装置70と暗号化通貨管理システム50との間の通信路での送信データの改ざんを防止できる。
また、図3や図6の例において、記録媒体11には、デジタル価値を記録せずに、グッズ識別子とデジタル価値との対応情報を暗号化通貨管理システム50で保管管理してもよい。この場合、暗号化通貨管理システム50に送信されるグッズ情報は、例えば、グッズの品名、グッズ識別子、及びグッズ価格を含み、デジタル価値は含まない。これにより、デジタル価値が不正に取得されることを防止できる。
追加情報を記した印刷した商品タグなどの印刷物を取り付ける以外に、ICタグ用いてもよい。追加情報はICタグのメモリに書き込まれるが、好適には商品番号から派生させた暗号鍵を用いて暗号した情報を書き込めばよい。
図7はウォレット内の情報の一例を示す図である。ウォレット内の情報は、グッズ10毎に生成される。ウォレット内には、グッズ名、グッズ識別子、購入者情報(ウォレットID、秘密鍵)、暗号通貨の各情報を含む。なお、厳密には、暗号通貨はブロックチェーン上で記録・管理されており、ウォレット情報は暗号通貨を保管しない。図7に示すように、グッズ識別子がDSO-12345のグッズ10に対して、デジタル価値2,000円が暗号通貨2,000円に変換されて付与されている。なお、図7の例では、暗号通貨の額がウォレットに記録されているが、ウォレット内に記録することは必須ではない。例えば、ブロックチェーン上で記録・管理してもよい。
端末装置70は、暗号通貨情報を受信し(S16)、受信した暗号通貨情報を表示する(S17)。
次に、端末装置70にインストールされている、グッズファンディングアプリ(コンピュータプログラム、プログラム製品)による画面の表示例について説明する。まず、グッズファンディングアプリを端末装置70にインストールする方法について説明する。
図8は端末装置70及びアプリケーションサーバ150の構成の一例を示す図である。端末装置70は、制御部71、通信部72、メモリ73、表示パネル74、操作部75、及び記憶部76を備える。
制御部71は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等が所要数組み込まれて構成されている。また、制御部71は、グッズファンディングアプリ77を実行することができる。すなわち、制御部71による処理は、グッズファンディングアプリ77による処理である。グッズファンディングアプリ77は、通信部72を介してアプリケーションサーバ150からダウンロードして記憶部76に記憶することができる。アプリケーションサーバ150は、例えば、グッズファンディング運営者が運用していることを想定しているが、他の者が運用してもよい。すなわち、グッズファンディング運営者はグッズファンディングアプリ77の提供者と同一であることを想定しているが、同一でなくてもよい。
記憶部76は、例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等で構成することができ、グッズファンディングアプリ77及び所要の情報を記憶することができる。
通信部72は、通信モジュールを備え、通信ネットワーク1を介して外部の装置(例えば、アプリケーションサーバ150)との間の通信機能を有する。
メモリ73は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリで構成することができる。グッズファンディングアプリ77をメモリ73に展開することにより、制御部71は、グッズファンディングアプリ77を実行することができる。
表示パネル74は、液晶表示パネル、又は有機EL表示パネル等を備え、グッズファンディングアプリ77による処理内容や処理結果などを表示することができる。
操作部75は、例えば、タッチパネルで構成され、表示パネル74に表示されたアイコンなどの操作、表示パネル74に表示されたキーボード等による文字等の入力を行うことができる。
アプリケーションサーバ150は、サーバ全体を制御する制御部151、通信部152、記憶部153、及び記録媒体読取部154を備える。制御部151は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等が所要数組み込まれて構成されている。制御部151は、メモリを備えていてもよい。
記憶部153は、例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等で構成することができ、記録媒体読取部154で読み取ったグッズファンディングアプリを記憶する。
通信部152は、例えば、通信モジュールを備え、通信ネットワーク1を介して外部の装置(例えば、端末装置70など)との間で情報の授受を行うことができる。
記録媒体読取部154は、記録媒体155に記録されたグッズファンディングアプリを読み取ることができる。また、記録媒体155に記録されたグッズファンディングアプリは、通信部152を通じて記憶部153に記録してもよい。また、記録媒体がネット上で運用されているクラウドのハードディスク(例えば、スマートフォンのアプリをダウンロードするダウンロード先など)の類でもよい。
端末装置70は、アプリケーションサーバ150に記憶されたグッズファンディングアプリをダウンロードしてインストールすることができる。
図9はグッズ10の購入により得られる暗号通貨の表示例を示す図である。図6に示す処理が行われることで、端末装置70は、図9に示す表示を順次行う。グッズ購入者がグッズファンディングアプリ77を起動して、グッズ10のバーコードの読取開始操作を行うと、図9Aに示すように、例えば、「グッズに付いているバーコードをカメラで撮影してください」の如く文章(又は音声でもよい)が表示される。グッズ購入者は、「カメラ」アイコンを操作してグッズ10のバーコードを撮影する。端末装置70は、バーコードを読み取ることができる。
図6のステップS12~S15の処理が行われた後、グッズ購入者がウォレットにアクセスする操作を行うと、図9Bに示すように、例えば、「ウォレットにログインしてください」の如く文章が表示される。グッズ購入者は、IDとパスワードを入力することにより、端末装置70には、図9Cのような画面が表示される。
図9Cのように、「新しく暗号通貨が付与されました」の如く文章が表示されるとともに、「グッズ:OOのユニホーム」、「グッズ識別子:DSO-12345」、「暗号通貨:2,000円」等の情報が表示される。これにより、グッズ購入者は、グッズ10を購入することで、暗号通貨が新たに付与されたことが分かる。グッズ購入者は、「分配」アイコンを操作することにより、グッズ識別子がDSO-12345のグッズに紐づいた暗号資通貨を分配して、グッズファンディング対象者のファンディングに使うことができる。「分配」を実施しない場合は、暗号通貨がウォレットに貯まるだけになる。これは、グッズファンディングの趣旨から外れるので、必ず「分配」に進む仕組みとする。(デジタル価値付きグッズ10を購入する際に、グッズファンディング対象者へのファンディングに、デジタル価値を使用するという意思が明示済みと解釈できるからである。)
上述のように、制御部71(グッズファンディングアプリ77)は、グッズ価格にデジタル価値が付加されたグッズ10のグッズ情報を取得し、取得したグッズ情報を暗号通貨管理システム50へ送信する。制御部71は、グッズ情報のデジタル価値に対応する暗号通貨を含む暗号通貨情報を受信し、受信した暗号通貨情報に含まれる暗号通貨を活用することができる。すなわち、制御部71は、グッズ情報の暗号通貨管理システム50への送信に応じて、当該グッズに付与された暗号通貨情報を暗号通貨管理システム50から受信する。また、制御部71は、受信した暗号通貨情報他を表示することができる。暗号通貨情報他は、図9の例では、グッズ名、グッズ識別子、暗号通貨の額である。
暗号通貨情報は、暗号通貨に関する情報を直接含んでもよく、あるいは間接的に含んでもよい。間接的に含むとは、ある間接情報を元にして暗号通貨に関する情報が得られるということである。また、デジタル価値から導き出される(変換される)暗号通貨情報が暗号通貨と等価でもよく不等価でもよい。また、デジタル価値は、変換される暗号通貨の額と等価でもよく不等価でもよい。
グッズファンディング対象者は、グッズ本体の価値以上の新たな価値を付加してグッズ10を販売できる。グッズ購入者は、グッズ10を購入するだけで、購入したグッズ10に紐づくグッズファンディング対象者を応援(支援)できるという、ファンディングの新たな形態の実現が簡易に実現可能になる。逆の言い方をすると、購入したグッズに紐づくグッズファンディング対象者以外の者に対してファンディングできないことを意味する。
一般的に、暗号通貨(仮想通貨)を購入するには、仮想通貨取引所で、会員登録を行って口座を開設する必要がある。口座開設には本人確認書類の提出が必要になり、個人情報を提示しなければならない。また暗号通貨を自身のウォレットに送金する手続きも必要となる。一方、本実施形態によれば、グッズ10を購入するだけで、自身のウォレットに暗号通貨が送金されるので、口座開設は不要である。個人情報の提示に関しては各国の現地法律に基づいた処理が必要となるが、上述の大半の手続きは不要である。なお、暗号通貨の購入はウォレットを使って未成年者でも可能であり、株式投資や債権購入も未成年者でも可能である。この時、各国の現地法律に基づいた処理が必要となる事は言うもでもない。(例:日本では、株式購入には親権者の同意が必要)
このように、暗号通貨の取得(購入)は極めて容易である。また、グッズ10を実店舗で購入する場合には、購入場所を納税する国とすることができる。また、グッズ10をECサイトなどの通販で購入する場合には、グッズ配送拠点地又はグッズ販売サイトの管理企業の住所を納税する国とすることができる。このように、各国の税制に従った納税の仕組みを構築することもでき、グッズファンディング対象者(人、企業・団体)だけでなく、納税による国の発展にも貢献できる仕組みを構築できる。暗号通貨に関する各国の納税仕組みは、現在過渡期にあり、定まっていない感があるが、この仕組みを利用すると、課税、納税の問題は回避できる仕組みを構築できる。(例:デジタル価値を暗号通貨に変換する際、税引き後の額に相当する暗号通貨とするなど。)
また、図9Cに示すように、グッズ情報は、グッズ識別子を含み、制御部71は、グッズ識別子と関連付けて暗号通貨(暗号通貨の額)を表示してもよい。これにより、グッズ10と紐づけられている暗号通貨の額面を知ることができる。
マネー・ロンダリング(資金洗浄)は、一般に、犯罪等によって得た収益を、その出所や真の所有者が分からないようにして、捜査機関等による収益の発見や検挙等を逃れようとする行為である。本実施形態では、暗号通貨がグッズ10と紐づいているので、例えば、犯罪組織が不正に取得した資金を暗号通貨(暗号資産)に転換しようとしても、暗号通貨が単独で流通されるわけではないので(グッズ購入が伴う為)、暗号通貨への転換は極めて困難であり、マネー・ロンダリングされにくいというメリットがある。グッズファンディング対象者が、犯罪者組織と関与している場合は、不正が可能ではあるが、犯罪者はグッズ購入が必須となる(各種税金も納税済み)ので、資金洗浄の効率が極めて悪い。この理由により、マネー・ロンダリングに利用されにくい。
次に、グッズ10の購入によって取得した暗号通貨の分配について説明する。本実施形態では、グッズ購入者は、暗号通貨を、投げ銭(応援金)、株式投資、債権購入、及び金融機関への預金などの分配方法で分配することができる。また、他の分配方法、例えばグッズファンディング対象者が販売している各種NFT(楽曲、講話、コンサートチケット、握手券、メタバース参加券、メタバース内資産購入など)の購入などが考えられる。投げ銭は、購入したグッズ10のグッズファンディング対象者に金銭を渡すことであり、グッズファンディング対象者にとっては収益源となる。また、投げ銭は、単なる金銭の支払いの手段の域を超え、グッズ購入者とグッズファンディング対象者の双方を繋ぐ手段としても有効である。投げ銭はデジタル価値の移転とも言える。従来見受けられる投げ銭の一例として、YouTube(登録商標)を例に挙げると、運営者に投げ銭額の30%程度の手数料を払わなければならない。本実施形態の情報処理システムにおいては、スマートコントラクト(ブロックチェーン技術を活用した省力化と安全な運用を可能とする仕組み)という仕組みを使用することにより、圧倒的な手数料の低減化が可能となる。また、YouTubeにおいては、投げ銭を享受できるYouTuberにフォロワー数が1000人以上かつ4000時間/年以上という条件があるが、本実施形態のグッズファンディングにおいては、グッズを販売できるグッズファンディング対象者という緩い条件となる。さらには、投げ銭金額に関して言及すると、デジタル価値付きグッズ購入金額内となるため、クレジット決済などの手法を用意している他の投げ銭システムと比較すると、投げ銭し過ぎてしまうという問題もない。
株式投資は、文字通り、グッズファンディング対象者が発行する株式をグッズ購入者が所有する代わりにグッズ購入者がグッズファンディング対象者に投資をするものである。グッズファンディング対象者は、株式を発行することにより出資者を募り、事業のための資金を集め、それを元手に活動して利益をあげることができる。株価が上がればグッズ購入者は配当金(インカムゲイン)を得ることが可能であり、グッズ購入者が株式を売って利益が出れば、キャピタルゲインを得ることも可能である。株式投資もデジタル価値の移転とも言える。この時、グッズ購入者は、インカムゲイン、キャピタルゲインとも、価値交換業者を介して、貨幣価値と同等のものにすることができるし、暗号通貨に変換もできるので、NFT購入やチケット購入等に使うことができる。グッズファンディング対象者は、受け取った暗号通貨を、自身のビジネスの拡大資金として利用することができる。
グッズ購入者は、グッズ10を購入すると「投げ銭」、「株式投資」又は「債権購入」という形態でグッズファンディング対象者を支援することができる。特に、小口応援又は小口投資、あるいは少額に分割できる債権で、特定のグッズファンディング対象者に対して、誰もが簡単に応援(支援)できる。なお、分配先は、投げ銭(応援金)、株式投資、債権購入、及び預金に限定されない。
図10は暗号通貨管理システム50による暗号通貨の分配処理の一例を示す図である。グッズ購入者の端末装置70は、暗号通貨の分配操作の有無を判定する(S21)。分配操作は、図9Cに例示した「分配」アイコンの操作のクリックの有無で判定できる。分配操作があった場合(S21でYES)、端末装置70は、分配内容、分配操作の日時及び位置情報を含む分配要求を暗号通貨管理システム50へ送信する(S22)。分配内容は、例えば、グッズ購入者が所有する暗号通貨を、投げ銭、株式投資又は預金に対して、どのような割合で分配するかの情報である。
分配操作がない場合(S21でNO)、端末装置70は、デフォルトの分配方法に基づく分配要求を暗号通貨管理システム50へ送信する(S23)。デフォルトの分配方法は、投げ銭、株式投資又は預金に対する分配比率を予め定めたものであり、例えば、投げ銭が100%でもよく、投げ銭が70%、預金が30%でもよい。また、分配の有無の判定は、グッズ購入時点から所定の期日(例えば、1週間、1か月など)内に行うことができる。なお、デフォルトの分配比率や所定の期日は、グッズファンディング運営者が、グッズファンディング対象者を評価し、個別に決定することもできるし、グッズファンディング対象者にかかわらず、一律の条件として決定することもできるし、2者間の個別契約で決定することもできる。このデフォルト分配方法の導入により、グッズファンディングの活性化を図れる。
グッズファンディング運用者が利益を得るために、投げ銭の合計金額がある規模を超えた場合(例:年間の投げ銭で得られた合計が2億以上とか)、グッズファンディング運用者に手数料として、例えば1割を徴収する等の契約を締結しても良い(グッズファンディング対象者を応援するというコンセプトなので、多くの投げ銭を集めることができるグッズファンディング対象者からは、グッズファンディング運用者の運営費用をいただくという考えかたである。多くの投げ銭を集める事が出来ないグッズファンディング対象者からは徴収しない。
暗号通貨管理システム50は、分配要求を受信し、受信した分配要求に応じてグッズ購入者のウォレットに記録された暗号通貨を分配し(S24)、投げ銭、株式投資又は債権購入に分配された暗号通貨をグッズファンディング対象者およびグッズ購入者のウォレットに記録する(S25)。これによりグッズ購入者は簡便にデジタル価値の移転を行うことができる。すなわち、本実施形態のグッズファンディングによれば、デジタル技術(ICT技術)で表現できる通貨価値を流通させることができる。ここで、通貨価値は、暗号通貨、仮想通貨又は暗号資産と称されるトークンの一種である。現在のデジタル株式市場の活性化及び流通性が乏しい理由は、いくつかある。ひとつは株式購入のハードルが高いこと(証券会社ごとに口座開設を要することなど)、少額株式購入手法が少ないこと、デジタルで送信できる株主優待物が少なかったこと(本実施形態のグッズファンディングを使用すればNFTを活用できる)などが挙げられるが、本実施形態のグッズファンディングを利用すればこれらの課題を解決できる。なお、暗号通貨を分配した記録をDID(分散型識別子)によって管理してもよい。
暗号通貨管理システム50は、グッズファンディング対象者のウォレット情報をグッズファンディング対象者の端末装置30へ送信する(S26)。端末装置30は、ウォレット情報を受信する(S27)。暗号通貨管理システム50は、預金に分配された暗号通貨をグッズ購入者指定の金融機関へ送金する。送金する際もスマートコントラクト機能を活用し、低額で実行する。逆の出金操作も同様にスマートコントラクト機能を活用する。金融機関では、分配された暗号通貨を暗号通貨のまま預金管理してもよいし、各国の法定通貨に変換して預金管理してもよい。グッズ購入者は、本実施形態のグッズファンディングが情報提供する世界中の金融機関の中から任意の機関を選べる。
上述のように、暗号通貨管理システム50は、グッズ購入者の端末装置70からの分配要求に基づいて、グッズ10に付与された暗号通貨を所定の分配対象に分配することができる。また、所定の分配対象は、グッズファンディング対象者(グッズ購入に基づく支援の対象者)に対する投げ銭、株式投資、債権購入、及び金融機関への預金の少なくとも一つを含むことができる。すなわち、暗号通貨管理システム50は、グッズ10に付与された暗号通貨を一つ以上に分配する操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて当該暗号通貨を一つ以上に分配することができる。ここで、暗号通貨は、グッズ10に付加されたデジタル価値を暗号通貨管理システム50で変換した、当該デジタル価値に対応する暗号通貨である。
暗号通貨管理システム50は、グッズ購入者の端末装置70からの所定の期日内に分配要求がない場合、グッズ10に付与された暗号通貨を予め設定された分配方法(デフォルトの分配方法)に応じて分配してもよい。
次に、暗号通貨の分配に応じてグッズ購入者及びグッズファンディング対象者のウォレットの内容がどのように変わるかについて説明する。
図11は暗号通貨の分配に伴うグッズ購入者及びグッズファンディング対象者のウォレット情報の一例を示す図である。図11Aは、暗号通貨の分配前のウォレット情報を示し、図11Bは暗号通貨の分配後のウォレット情報を示す。ウォレットには、秘密鍵、公開鍵、暗号通貨の残高などを示す情報が保持されている。ウォレットには、固有のID(ログインID)とパスワードが設定されており、ウォレットにアクセスできる者を制限している。秘密鍵は公開鍵とペアをなす。秘密鍵は、暗号化(デジタル署名)するのに用いられる。公開鍵は、文字通り公開され、秘密鍵によって暗号化されたデータ(トランザクションデータなど)の復号(一般的にはデンジタル署名の真正性の検証)に用いられる。
図11Aに示すように、暗号通貨の分配前には、グッズ購入者のウォレット78の暗号通貨の残高を2,000円とし、グッズファンディング対象者のウォレット31の暗号通貨の残高を0円とする。グッズ購入者が、2,000円の暗号通貨を、投げ銭に500円、株式投資に1,000円、預金に500の如く分配したとする。
この場合、図11Bに示すように、グッズ購入者のウォレット78の暗号通貨の残高は0円となり、代わりに株式を特定するための情報(例えば、銘柄、株式数など)がグッズ購入者のウォレット78に記録される。一方、グッズファンディング対象者のウォレット31の暗号通貨の残高は1,500円となる。その内訳は、投げ銭として500円、株式投資として1,000円である。ウォレット31の暗号通貨もグッズ識別に対応付けて記録してもよい。
図12は暗号通貨の分配操作時の表示例を示す図である。図12に例示する表示例は、図9Cに示す「分配」アイコンを操作することで端末装置70に表示される。図12に示すように、制御部71は、例えば、「暗号通貨を分配してグッズファンディング対象者に対してファンディングを行います。」の如く文章(音声でもよい)を表示し、グッズ名、グッズ識別子、暗号通貨(の残高)、グッズファンディング対象者名などを表示する。これにより、グッズ購入者は、購入したグッズ10のうちどのグッズ10を元にして誰に対してファンディングを行うかを容易に判断できる。グッズ購入者は、暗号通貨の残高の範囲内で、投げ銭、株式投資、債権、預金に分配する金額を入力することができる。グッズ購入者が「分配決定」アイコンを操作することにより、端末装置70は、分配要求を暗号通貨管理システム50へ送信する。
上述のように、制御部71は、グッズ10に付与された暗号通貨の全部又は一部をグッズファンディング対象者(グッズ購入に基づく支援の対象者)に対する投げ銭として分配する操作を受け付け、投げ銭として分配する要求を暗号通貨管理システム50へ送信することができる。
分配時に即座に投げ銭として使用する例の他に、投げ銭を蓄えておき、別のタイミングで投げ銭をすることも可能である。別のタイミングとは、応援したいグッズファンディング対象者がライブチャットやキャンペーンを実施中に、蓄えた投げ銭の中から任意の投げ銭額を投げ銭することなどが挙げられる。蓄える際の投げ銭は、グッズファンディング対象者に紐づけて蓄える。ただしグッズファンディング対象者が団体であった場合は、その団体に所属するグループ、タレント、選手にも投げ銭ができる。また、蓄えられた投げ銭の日時情報を記録しておき、長期間(例えば10年間)蓄えられた投げ銭が増加も減少もしていなかった場合は、グッズファンディング対象者に投げ銭として配信する機能を有する(個人の意思の尊重)。しかしながら、その時点でグッズファンディング対象者が、本実施形態のグッズファインディングから離脱していた場合は、グッズファインディング運営者に投げ銭の資産が移行する機能を有する。
ここまで投げ銭は、グッズファンディング対象者に紐づいて管理されている前提があったが、グッズ購入者の意識の変化や対象者が活動を中止や停止するケースがあるため、紐づいた管理は、投げ銭をする際、投げ銭対象者を指定する必要がなく利便性を有していたが、上記課題には不向きである。これを解決するために、蓄え投げ銭をグッズ購入者が保有している他のグッズファンディング対象者の投げ銭への資金移動の他に、新規グッズファンディング対象者への投げ銭移動の仕組みも提供する。
グッズファンディング対象者毎に、蓄えられている投げ銭(未だグッズファンディング対象者のウォレットに移動していない投げ銭)の総額や位置情報(GPSなど)を元にした各種分析情報をグッズファンディング対象者に知らせる機能も提供する。この機能をグッズファンディング対象者が活用することにより、NFTやチケット、各種プロダクトの提供などのプロモーションに役立てることができる。この機能提供により、投げ銭を各種プロダクトの購入に使用できる事になる。別言すると、グッズ購入により獲得したデジタル価値を投げ銭という暗号通貨に転換後は、グッズファンディング対象者から各種プロダクトや有償サービスを得るために、グッズファンディング対象者に紐づいた投げ銭を使用することができるという側面の他に、グッズファンディング対象者は、自身の判断基準でグッズ購入者が投げ銭してくれた金額(もしくは暗号通貨)に応じた返報品をグッズ購入者に提供できることになる。
投げ銭は、グッズファンディング対象者に紐づいて管理されるため、マネー・ロンダリング対策としても有効である。理由は、デジタル価値付きグッズを購入しなければならないので、ロンダリング効率が悪いからである。とはいえ、犯罪者がグッズファンディング対象者とグルになっていた場合、ロンダリングはできるので、ある期間内における投げ銭使用の最高額を設定する機能も併せて提供する。
制御部71は、グッズ10に付与された暗号通貨の全部又は一部をグッズファンディング対象者に対する株式投資として分配する操作を受け付け、株式投資として分配する要求を暗号通貨管理システム50へ送信することができる。なお株券を小口分割して少額投資の仕組みを提供してもよい。なお売買記録は、ブロックチェーンで管理するのが望ましい。
制御部71は、グッズ10に付与された暗号通貨の全部又は一部をグッズファンディング対象者に対する債権購入として分配する操作を受け付け、債権購入として分配する要求を暗号通貨管理システム50へ送信することができる。なお債権を小口分割して少額購入の仕組みを提供してもよい。なお売買記録は、ブロックチェーンで管理するのが望ましい。
制御部71は、グッズ10に付与された暗号通貨の全部又は一部を金融機関への預金として分配する操作を受け付け、預金として分配する要求を暗号通貨管理システム50へ送信することができる。預金する金融機関は、分配する操作時に設定してもよく、あるいは事前に決定してもよい。預金する場合は、グッズファンディング対象者に紐づかないので、マネー・ロンダリングされるリスクが、たとえグッズ購入という条件が付いてロンダリングの効率が悪いとしても内在する。このリスクを低減させるために、預金の場合は定期預金や積み立ての機能を提供する。
また、制御部71は、グッズ10に付与された暗号通貨を分配する操作を所定の期日内に受け取れない場合、暗号通貨を予め設定された分配方法に応じて分配する要求を暗号通貨管理システム50へ送信してもよい。なお、上記予め設定された分配方法は、一つ以上設定可能である。例えば、ある団体に関しては、1か月以内と設定、あるタレントには、2週間以内とかである。すなわち、グッズファンディング対象者に応じて異なる分配期日を設定することができる。またはグッズファンディング対象者が属する分野(例:音楽分野)ごとにグッズファンディング運用者が決めてもよい。
暗号通貨管理システム50は、1人のグッズ購入者の複数回に亘る分配要求、及び複数のグッズ購入者の分配要求を収集することにより、暗号通貨の分配履歴情報を収集することができる。
図13は暗号通貨の分配履歴情報の一例を示す図である。分配履歴情報は、グッズ購入者ID、投げ銭額、株式投資額、分配年月日、分配時の位置情報、グッズファンディング対象者(グッズファンディング対象者ID)などの情報を含む。図13の例では、グッズ購入者(ID:B0001)は、グッズを3回購入して3回分配要求を行っている。1回目はグッズファンディング対象者(ID:S1001)に対して、投げ銭が500円、株式投資が1,000円であって、日本で分配を行っている。2回目はグッズファンディング対象者(ID:S1002)に対して、投げ銭が1,000円であって、日本で分配を行っている。3回目はグッズファンディング対象者(ID:S1002)に対して、株式投資が1,500円であって、日本で分配を行っている。他のグッズ購入者も同様である。
上述のように、暗号通貨管理システム50は、グッズ購入者がグッズ10を購入した位置情報に加えて、グッズ購入者がグッズ10に付与された暗号通貨を分配した位置情報及び暗号通貨を分配した日時の両方もしくは少なくとも一つを収集することができる。
グッズ購入者は、グッズファンディング対象者に対して暗号通貨を分配する際に、当該グッズファンディング対象者に対して、他のグッズ購入者がどのような内容の分配をどのような頻度で実施しているかを参考にすることができる。
すなわち、暗号通貨管理システム50は、グッズファンディング対象者(グッズ購入に基づく支援の対象者)に対する、グッズに付与された暗号通貨の分配に関する履歴情報(図13参照)を収集し、収集した履歴情報又は当該履歴情報を編集した情報をグッズ購入者の端末装置70及びグッズファンディング対象者の端末装置30に出力することができる。
図14は端末装置70に表示される暗号通貨の分配履歴情報の一例を示す。グッズ購入者は、グッズファンディング対象者からグッズ10を購入することで取得した暗号通貨を、グッズファンディング対象者に分配する際に、どの程度の金額をどのような比率で分配すればよいか、あるいは全額預金した方がよいか等の判断材料として、当該グッズファンディング対象者に対する分配履歴情報を利用できる。
図14に示すように、グッズ購入者は、複数のグッズファンディング対象者の中から自身がファンディングを考えているグッズファンディング対象者を選定する。端末装置70は、選定されたグッズファンディング対象者に対する分配履歴(グッズ購入者ID、投げ銭(額)、株式投資(額)、分配年月日などの一覧情報)が表示される。グッズ購入者は、当該グッズファンディング対象者に対して、どの程度の金額をどのような比率で分配すればよいか、あるいは全額預金した方がよいか等の判断を容易に行うことができる。グッズ購入者が「はい」アイコンを操作すると、図12に例示した画面が表示される。グッズ購入者が「いいえ」アイコンを操作すると、図14に示す表示が終了する。
上述のように、制御部71は、グッズファンディング対象者(グッズ購入に基づく支援の対象者)に対する、グッズに付与された暗号通貨の分配に関する履歴情報を受信し、受信した履歴情報を表示することができる。
暗号通貨管理システム50は、前述のように、暗号通貨の分配履歴情報を収集することにより、グッズファンディング対象者に対する分配金額のグッズ購入者のランキング情報を生成することができる。ランキング情報を生成する際には、購入場所の位置情報もしくはグッズ購入者の位置情報のいずれか、あるいは両方を活用して、プロモーションに活用(コンサート開催地及び該開催地での開催日数の決定やグッズの販売量の予測など)できるランキング情報が生成できる。
図15は暗号通貨の分配ランキング情報の一例を示す図である。この一例ではグッズファンディング対象者を限定しない例となっているが、特定のグッズファンディング対象者に絞ったグッズ購入者のランキングも可能である。分配ランキング情報は、所定期間(例えば、6か月、1年など)における分配金額ベースのランキングを示す情報であり、ランキング(順位)、グッズファンディング対象者(グッズファンディング対象者ID)、分配総額、投げ銭及び株式投資の額、グッズ購入者数、分配頻度などの情報を含む。図15の例では、ランキング1位は、グッズファンディング対象者ID:S1010のグッズファンディング対象者であり、分配総額は1,000万円であり、内訳は投げ銭が400万円、株式投資が600万円であり、グッズ購入者数は1,500人、分配頻度は1,000回である。他のランキングも同様である。なお、図15の例では、分配総額に基づくランキングを示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、所定期間におけるグッズ購入者数、あるいは所定期間における分配頻度に基づいてランキングを決定してもよい。また、図15では債権(債権購入)を図示していないが、分配総額には債権の額を含んでもよい。
グッズ購入者は、グッズファンディング対象者に対して暗号通貨を分配する際に、当該グッズファンディング対象者のランキングを参考にすることができる。なお、グッズ購入者は、分配履歴情報や分配ランキング情報に関わらず、グッズファンディング対象者を純粋に応援したくて投げ銭や株式投資を行ってもよい。
すなわち、暗号通貨管理システム50は、グッズファンディング対象者(グッズ購入に基づく支援の対象者)に対する、グッズに付与された暗号通貨の分配に関するランキング情報(図15参照)を収集し、収集したランキング情報又は当該ランキング情報を編集した情報をグッズ購入者の端末装置70及びグッズファンディング対象者の端末装置30に出力することができる。
図16は端末装置70に表示される暗号通貨の分配ランキング情報の一例を示す。グッズ購入者は、グッズファンディング対象者からグッズ10を購入することで取得した暗号通貨を、グッズファンディング対象者に分配する際に、どの程度の金額をどのような比率で分配すればよいか、あるいは全額預金した方がよいか等の判断材料として、当該グッズファンディング対象者に対する分配ランキング情報を利用できる。
図16に示すように、グッズ購入者は、複数のグッズファンディング対象者の中から自身がファンディングを考えているグッズファンディング対象者を選定する。端末装置70は、選定されたグッズファンディング対象者に対する分配ランキング(ランキング、分配総額など)が表示される。「詳細」アイコンを操作することで、図15に例示したような、さらに詳細なランキング情報を表示してもよい。グッズ購入者は、当該グッズファンディング対象者に対して、どの程度の金額をどのような比率で分配すればよいか、あるいは全額預金した方がよいか等の判断を容易に行うことができる。グッズ購入者が「はい」アイコンを操作すると、図12に例示した画面が表示される。グッズ購入者が「いいえ」アイコンを操作すると、図16に示す表示が終了する。
上述のように、制御部71は、グッズファンディング対象者(グッズ購入に基づく支援の対象者)に対する、グッズに付与された暗号通貨の分配に関するランキング情報を受信し、受信したランキング情報を表示することができる。
上述のように、グッズ10を購入するだけでグッズファンディング対象者に対する応援が可能となり、グッズファンディング対象者の成長をサポートすることができ、素人はプロに、プロはさらにメジャーになることをグッズ購入者が支援できる。従来、ファンはグッズを購入することによって、応援したい対象者を支援してきたが、本実施形態のグッズファンディングを用いれば、従来のグッズの生産販売モデルを大きく壊すことなく、さらなる支援をサイバー空間の中で実施することができる。さらには支援を受けたグッズファンディング対象者がその支援に対して、(支援額に応じた)返報を実施できるというメリットおよび分析も提供できる。また暗号通貨への変換額のみならず、暗号通貨の流通を把握できるので、納税の面からみても健全な運用がなされる基盤を提供していると言える。
次に、グッズ購入者によるグッズファンディングに対して、グッズファンディング対象者が提供する返報品について説明する。返報品は、グッズ購入者がグッズファンディング対象者に暗号通貨を分配したら、グッズファンディング対象者は支援された投げ銭のお返しをすることが好ましいと考え実行するのが相互コミュニケーションの活発化においては有効な手法であることが知られている。すなわち返報品を通じて、グッズ購入者とグッズファンディング対象者との間の繋がりを強固にし、あるいは交流の機会を増やすことができるので双方ともメリットがある。返報品は、例えば、非代替性トークン(NFT)、及び優待券の少なくとも一つを含めてもよい。優待券は、例えば、コンサートチケット、イベントへの参加券、クーポン券、特別な非売品の交換券(例えば、握手券など)などを含む。また、グッズ購入者がグッズファンディング対象者に株式投資を通じて支援を行った場合、返報品は、株式の配当などに応じた暗号通貨でもよい。
図17は暗号通貨管理システム50による返報品の提供処理の一例を示す図である。グッズファンディング対象者の端末装置30は、グッズ購入者IDを含む返報品選定要求を暗号通貨管理システム50へ送信する(S31)。暗号通貨管理システム50は、グッズ購入者の分配金額に基づいて返報品ランクを選定し(S32)、選定した返報品ランクに含まれる複数の返報品を返報品候補として選定する(S33)。例えば、分配金額に応じて、返報品のランクを、A、B、Cの如く区分してもよい。ランクAには価値が比較的高い返報品が含まれる。なお、返報品のランクは必須ではない。
暗号通貨管理システム50は、返報品候補を端末装置30へ送信する(S34)。端末装置30は、返報品候補を受信して表示することができる。グッズファンディング対象者が、返報品候補の中から返報品を選定する操作をすると、端末装置30は、返報品の選定を受け付け(S35)、返報品はNFTであるか否かを判定する(S36)。
返報品がNFTである場合(S36でYES)、端末装置30は、返報品の選定内容を暗号通貨管理システム50へ送信する(S37)。暗号通貨管理システム50は、NFTをグッズ購入者のウォレットに記録し(S38)、ウォレット情報を端末装置70へ送信する(S39)。端末装置70は、ウォレット情報を受信し、受信したウォレット情報を表示する(S40)。
返報品がNFTでない場合、すなわち返報品が優待券である場合(S36でNO)、端末装置30は、返報品の選定内容を暗号通貨管理システム50へ送信する(S41)。暗号通貨管理システム50は、優待券情報の提供処理を行う(S42)。優待券情報の提供処理は、例えば、グッズ購入者が、優待券提供サーバ(不図示)から優待券をダウンロードできるように、URL(Uniform Resource Locator)等の情報を端末装置70へ送信すればよい。返報品をグッズ購入者に提供する場合に、宅配便等は使用しなので、グッズ購入者の個人情報(住所)を扱う必要がない。
上述のように、暗号通貨管理システム50は、グッズファンディング対象者(グッズ購入に基づく支援の対象者)に対する、グッズ10に付与された暗号通貨の分配に応じて、当該グッズファンディング対象者からの返報品の選定内容(返報品に関する返報品情報)を端末装置30から取得し、取得した返報品の選定内容をグッズ購入者の端末装置70へ出力することができる。
返報品としての暗号通貨は、例えば、株式投資によって、グッズファンディング対象者がビジネスに成功し、株式の配当金を暗号通貨に変換して出資者に還元する場合などが含まれる。なお、株式の配当金を暗号通貨に変換して出資者に還元する処理は、本実施形態の情報処理システムとは別のシステムで行うことができる。すなわち、本実施形態の情報処理システムは、当該別のシステムに対して、返報品として暗号通貨を出資者に還元するために必要な情報を提供すればよい。また、株式投資や債権購入については、グッズファンディング対象者が必要以上の資金(暗号通貨)を必要としない場合があるので、グッズファンディング対象者が設定した上限額を超えてグッズ購入者が出資できない仕組みを設けてもよい。
返報品としてのNFTは、ランクに応じて希少性の高いNFTを選定してもよい。NFTは、ブロックチェーンのデジタル台帳に記録される一意で代替不可能なデータ単位であり、画像、動画、音声その他のデジタルコンテンツ(デジタルファイル)などのデジタル資産を一意なアイテムとして関連付けることができる。デジタルコンテンツは容易に複製が可能であるが、デジタルコンテンツに関連付けられたNFTをブロックチェーン上で管理することで、デジタルコンテンツの真正性とともにその所有者を一意に特定できる。
ブロックチェーンは、P2P(Peer To Peer)ネットワークで構成されるシステムであり、同じ内容のブロックを異なるコンピュータ(ノード)に分散して管理する仕組みである。全ノードが同一内容の共有データを保持し、その中にブロックチェーンのデータ構造やデプロイ(コントラクトの実体をブロックチェーン上に生成すること)されたスマートコントラクなどが記録されている。NFTの履歴はブロックチェーン上に保持される。
図18は端末装置70に表示される返報品の一例を示す。グッズファンディング対象者からグッズ購入者に対して返報品が提供されると、例えば、「グッズファンディング対象者から返報品が贈られました。」の如く文章(又は音声でもよい)が表示される。図18Aは返報品としてNFT(デジタルコンテンツ付きNFT)が贈られた場合を示す。図18Aに示すように、返報品を贈ったグッズファンディング対象者ID、返報品の内容(図の例では、デジタルコンテンツ付きNFT)が表示される。グッズ購入者が「コンテンツを見る」アイコンを操作すると、端末装置70からデジタルコンテンツが保存されているURLがコンテンツサーバに送信され、当該コンテンツサーバにアクセスしてデジタルコンテンツを閲覧し、あるいはダウンロードすることができる。グッズ購入者が「NFTを転売する」アイコンを操作すると、後述のようにNFTを転売することができる。この仕組みを用意しておくことにより、同じ趣味嗜好を有した人に転売しやすいだけでなく、本実施形態のグッズファンディング自身の活性化を図ることができる。また、購入時にグッズに対して、DIDがなされていた場合、DID付きで転売するのが望ましい。こうすることによる転売品を購入する者は、安心してグッズを購入できる。(偽物ではない事と、いつどこで購入したかなどが分かるから)
図18Bは返報品としてチケットが贈られた場合を示す。図18Bに示すように、返報品を贈ったグッズファンディング対象者ID、返報品の内容(図の例では、チケット)が表示される。グッズ購入者が「チケットを見る」アイコンを操作すると、端末装置70からチケットが保存されているURLが優待券サーバに送信され、当該優待券サーバにアクセスしてチケットを閲覧し、あるいはダウンロードすることができる。
上述のように、制御部71は、グッズ10に付与された暗号通貨の分配に応じて、グッズファンディング対象者からの返報品の内容(返報品に関する返報品情報)を受信し、受信した返報品の内容を表示することができる。
暗号通貨管理システム50は、グッズファンディング対象者毎に、返報品を贈ったグッズ購入者、返報品の内容(デジタルコンテンツの内容も含む)、返報品のランク、返報品の提供年月日等を収集することにより、返報品の履歴情報を収集することができる。
図19は返報品の履歴情報の一例を示す図である。返報品の履歴情報は、グッズ購入者ID、返報品の内容、デジタルコンテンツID、返報品のランク、返報品の提供年月日などの情報を含む。図19の例では、グッズ購入者(ID:B0101)は、返報品としてNFTを受け取り、NFTに関連付けられたデジタルコンテンツIDは動画001であり、ランクはAであり、提供年月日はOO年OO月OO日である。他のグッズ購入者も同様である。
グッズ購入者は、グッズファンディング対象者が、どのような返報品を過去に贈っているかが分かり、返報品の内容が気に入って、その返報品が欲しいと思う場合には、当該グッズファンディング対象者に対して暗号通貨を分配する動機付けとなる。
また、暗号通貨管理システム50は、返報品の履歴情報及び分配履歴情報に基づいて、例えば、分配金額ベースでの返報品のランク付け情報を収集できる。
図20は返報品のランク付け情報の一例を示す図である。図20に示す返報品のランク付け情報は、グッズファンディング対象者毎に収集される。返報品のランク付け情報は、ランキング(順位)、グッズ購入者ID、分配総額、投げ銭及び株式投資の額、平均分配額、返報品ランクなどの情報を含む。図20の例では、ランキング1位は、グッズ購入者ID:B01000のグッズ購入者であり、分配総額は50,000円であり、内訳は投げ銭が20,000円、株式投資が30,000円であり、特定のグッズファンディング対象者に対する複数回の分配の平均分配額は3,000円であり、当該グッズ購入者が得た返報品のランクはAである。他のグッズ購入者も同様である。図20では債権(債権購入)を図示していないが、分配総額には債権の額を含んでもよい。
グッズ購入者は、応援金(分配総額)のランク付け情報から、どの程度の応援金を支援
すれば、どのランクの返報品が贈られるのかが分かり、当該グッズファンディング対象者
に対して暗号通貨を分配する動機付けとなる。
暗号通貨管理システム50は、グッズファンディング対象者による返報品に関する履歴情報を収集し、収集した履歴情報をグッズ購入者の端末装置70に出力することができる。また、暗号通貨管理システム50は、グッズファンディング対象者についての返報品のランク付け情報を生成し、生成したランク付け情報をグッズ購入者の端末装置70に出力してもよい。
図21は端末装置70に表示される返報品の履歴情報の一例を示す。グッズ購入者は、グッズファンディング対象者がどのような返報品を贈っているかを示す、返報品の履歴情報を参照することで、当該グッズファンディング対象者に暗号通貨を分配するか否かの判断材料とすることができる。
図21に示すように、グッズ購入者は、複数のグッズファンディング対象者の中から自身がファンディングを考えているグッズファンディング対象者を選定する。端末装置70は、選定されたグッズファンディング対象者についての返報品の履歴情報(グッズ購入者ID、返報品、返報品の提供日などの一覧情報)が表示される。グッズ購入者は、当該グッズファンディング対象者に対して、どの程度の金額をどのような比率で分配すればよいか、あるいは全額預金した方がよいか等の判断を容易に行うことができる。グッズ購入者が「はい」アイコンを操作すると、図12に例示した画面が表示される。グッズ購入者が「いいえ」アイコンを操作すると、図21に示す表示が終了する。
上述のように、制御部71は、グッズファンディング対象者による返報品に関する履歴情報を受信し、受信した履歴情報を表示することができる。
グッズ購入者は、購入したグッズ10を第三者に転売することができる。グッズ10に付与された暗号通貨は、投げ銭、株式投資、債権、及び預金のいずれか一つ又はこれらの組み合わせで分配できる。グッズ10に付与された暗号通貨を投げ銭又は預金に分配した場合には、分配した投げ銭又は預金はグッズ10から切り離されるため、投げ銭付き転売グッズ10や預金付き転売グッズ10は存在しない。転売グッズ10とは、一度販売されたグッズ10が再度販売される際のグッズである。投げ銭がないのは、等価価値となる暗号通貨を付加して転売する意義がないからである。預金の場合は、預金者情報に連動した預金となるので、転売グッズに付加する意義がない。一方、株式投資に分配した場合には、投資額に相当する株式が残るので、転売されるグッズ10は、株式付き転売グッズ10となり得る。なお、分配によって暗号通貨の額が0円となったグッズは、単なる中古のグッズであり、デジタル価値が付加されていないので、本実施形態のグッズファンディングにおいて転売の対象とはしないが、一般的な転売ビジネスモデルに従って、転売されることはあり得る。この場合は、別のサイトなどを通じて、第三者がグッズを気に入って中古のグッズを購入することになる。
本実施形態のグッズファンディングで暗号通貨を使用して、株券を購入した場合、2種類のキャピタルゲインの仕方がある。ひとつは、従来手法に沿った株券(デジタル株式市場に合致した株券)の売却である。もう一つは、上記に記した転売するグッズに株券を付加して売却するものである。後者の実現手法は、グッズ購入者が転売したいグッズの識別情報と、売却したい株券情報を合わせて、DID(Web技術の標準化団体であるWorld Wide Web Consortium所謂W3Cが2022年7月19日に勧告した標準規格であるが、これに限定されるものではない。理由は他の団体が別の標準規格を策定する可能性があるからである)化して、転売するという手法である。ここでは、DID化とは、上記情報を規格に従って恒久識別子を割り振り利用可能な状態にすることを意味する。
転売されるグッズ10は、株式が付いているので、グッズ本来の価値と株価によって変動する可変価値とを加えた価格で転売することができる。すなわち、グッズ10の再販(転売)において、新たなデジタル価値(株式)を付加して再販できる。株式付きグッズ10の売価は、販売時点での株価及び販売者の意向を反映したものになる。またこの取引自身を、スマートコントラクト機能を活用して実行させることにより、従来手法と比較して手数料の低減化が容易になる。これにより、以下のメリットを享受できる。グッズ10のファンにとっては、再販を通じてファン作り(販売する者、購入する者とも)に貢献でき、株券(分割小口株券、デジタル株券)の流通性を飛躍的に高めることができ(手数料の低減化と投資したい先が応援したいグッズファンディング対象者だから)、転売グッズを購入したグッズ購入者は、インカムゲインとキャピタルゲインを得、株発行主体者は、コアのファンが株券を保有しているため、多くの安定株主を得られる。なお、株発行主体者は各種情報を株主に安価に伝達(本実施形態のグッズファンディング経由若しくは、DID情報を活用して)できることも特筆できる。さらに、購入したグッズが天災や火災や盗難などで消失した場合でも、DIDが残っているので権利が消滅することがないことも特筆できる。また、税制上は購入者のウォレットへの資産の流れを追跡することによって必要な情報が得られる。
図22は暗号通貨管理システム50によるグッズ10の転売処理の一例を示す図である。グッズ購入者の端末装置70は、株式付き転売グッズ10の転売要求を暗号通貨管理システム50へ送信する(S51)。暗号通貨管理システム50は、株式付き転売グッズ10を、例えば、ECサイトに出品する処理を行う(S52)。出品する処理は、例えば、株式付き転売グッズ10の画像、グッズ本体の価格、株式の情報などをECサイト(本実施形態のグッズファンディングのサイトを含む)に登録することを含む。
暗号通貨管理システム50は、ECサイトを通じて、株式付き転売グッズ10の購入依頼を受け付ける(S53)。購入依頼には、購入希望者の氏名、住所などを含む。暗号通貨管理システム50は、購入依頼を端末装置70に転送する(S54)。端末装置70は、グッズ購入者による転売承認を受け付け(S55)、転売承認を暗号通貨管理システム50へ送信する(S56)。なお、株式付き転売グッズ10の決済処理はECサイトで行えばよい。グッズ購入者は、株式付き転売グッズ10の発送を完了すると、端末装置70から株式付き転売グッズ10の発送完了を暗号通貨管理システム50へ送信する(S57)。なお、氏名、住所等の個人情報をグッズ転売者に知られたくない場合には、株式付き転売グッズ10を発送する際に、発送元の氏名、住所に代えて、グッズ購入者IDを用い、本実施形態のグッズファンディングサイトが仲介して配送すればよい。
暗号通貨管理システム50は、転売されたグッズ10に付いていた株式の権利の移転を行う(S58)。具体的には、暗号通貨管理システム50は、株式付き転売グッズ10のDID情報を購入者(転売先)のウォレットに記録し(S59)、グッズ購入者(転売元)のウォレットから株式付き転売グッズ10の情報を削除する(S60)。株式付き転売グッズ10の情報は、例えば、グッズ名、グッズ識別子、銘柄、株価、株数などの情報を含む。
上述のように、暗号通貨管理システム50は、グッズ10に付与された暗号通貨が株式投資に分配された株式付き転売グッズ10として転売された場合、株に関する権利の移転をDID標準規格に従って記録する。具体的には、暗号通貨管理システム50は、株式付き転売グッズ10が転売された場合、転売元のウォレットから株式付き転売グッズ10の情報を削除し、転売先のウォレットに当該株式付き転売グッズ10の情報を記録する。
また、端末装置70の制御部71は、グッズ10に付与された暗号通貨が株式投資に分配された株式付き転売グッズ10の転売(転売承認)を受け付け、株式付き転売グッズ10の転売(転売承認)の要求を暗号通貨管理システム50へ送信することができる。
図23は端末装置70に表示される株式付きグッズ10の株式情報の一例を示す図である。端末装置70は、図23に示すような株式情報を、株式情報提供サイトのサーバ(不図示)から取得することができる。グッズ購入者は、自身が所有する株式付きグッズ10の中から所望のグッズ10を選定することができる。端末装置70は、選定されたグッズ10のグッズ識別子を暗号通貨管理システム50へ送信する。暗号通貨管理システム50は、グッズ識別子を受信し、受信したグッズ識別子を元に銘柄を特定し、株式情報提供サイトにアクセスしてグッズ10に付いている株式の株価の推移等の情報を取得し、取得した株価の推移等の情報を端末装置70へ送信する。端末装置70は、グッズ10に付いている株式の株価の推移を表示することができる。グッズ購入者は、株価の推移を確認して、グッズ10を転売するか否かを決定することができる。グッズ購入者が「はい」アイコンを操作することで、図22のステップS51の処理が行われる。「いいえ」アイコンが操作されると、図23に示す表示が終了する。
次に、グッズ購入者が返報品として受け取ったNFT(デジタルコンテンツ付き)の転売について説明する。
図24はNFTの転売の概要を示す図である。デジタルコンテンツに付与されたNFTはブロックチェーン2上で管理される。転売前では、NFTは、転売(販売)を考えている所有者(転売者)が所有している。当該所有者のIDをID:B001とし、当該所有者は端末装置70を使用するとする。デジタルコンテンツに付与されたNFTは、NFTを識別する固有のNFT-ID、コンテンツを識別するコンテンツID、NFTの所有者を識別する所有者ID、NFTの価値などの情報を含む。図24に示すように、NFT-IDを「AAA」、コンテンツIDを「CCC」、所有者IDを「B001」、残高を「xxx」とする。コンテンツデータは、所有者(ID:B001)によって、端末装置70からコンテンツサーバ80にアップロードされている。なお、端末装置70は、コンテンツデータをコンテンツサーバ80からダウンロードすることもできる。NFTの購入を考えている将来の所有者(転得者)のIDをID:B002とする。当該所有者は端末装置70aを使用するとする。
NFTの転売が成立すると、端末装置70は、販売トランザクションをNFT管理サーバ90へ送信する。端末装置70aは、購入トランザクションをNFT管理サーバ90へ送信する。NFT管理サーバ90は、販売トランザクション及び購入トランザクションに基づいて転売トランザクションを生成し、ブロックチェーン2に対して転売トランザクションを発行する。転売トランザクションは、公開鍵暗号方式によって署名され、ブロックチェーン2側において所有者(ID:B001)によって正当に発行されたものであることを検証できる。
図24に示すように、転売トランザクションによって、ブロックチェーン2上で保持されたNFT(NFT-ID:AAA、コンテンツID:CCC)の所有者が所有者ID:B001からB002に変更される。これにより、NFTの所有者がB001からB002に代わったことがブロックチェーン2上で記録される。新たな所有者(転得者、ID:B002)は、端末装置70aを操作することで、端末装置70aは、コンテンツID:CCCのコンテンツデータをコンテンツサーバ80からダウンロードすることができる。ダウンロードしたコンテンツの所有者IDはB002となっている。
なお、返報品はデジタルコンテンツ(コンサートチケット、クーポン券など)に限定されるものではなく、絵画や写真などのアート作品にNFTが付与されたものでもよい。アート作品に付与されたNFTに対して、前述の同様の処理を行うことで、アート作品の転売も可能である。
上述のように、NFTが転売された場合、当該NFTの権利の移転を、例えば、ブロックチェーン2の分散記録台帳に記録することができる。また、NFTの権利の移転を暗号通貨管理システム50に記録してもよい。
また、端末装置70の制御部71は、NFTの転売を受け付け、受け付けたNFTの転売をNFT管理サーバ90へ送信することができる。
暗号通貨管理システム50は、NFT管理サーバ90で管理する転売トランザクションデータにアクセスすることにより、例えば、NFTが転売された位置情報、転売された日時、及びNFTに関連付けられたデジタルコンテンツに対する趣味趣向の少なくとも一つを収集してもよい。デジタルコンテンツに対する趣味趣向は、デジタルコンテンツIDに関連付けて予め記録すればよい。このような情報は、ビッグデータとして活用できる。
次に、グッズファンディング対象者を応援するファンのコミュニティの形成・育成について説明する。
図25は本実施形態の情報処理システムによるファン・コミュニティの育成の概要を示す図である。図25に示すように、通信ネットワーク1にはコミュニティ管理サーバ100が接続されている。コミュニティ管理サーバ100は、コミュニティDB110を備え、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)200が接続されている。SNS200は、ソーシャルメディアであり、例えば、ツイッター、フェイスブック、ライン、ユーチューブ、ティックトック、ウィーチャット、インスタグラム、ワッツアップなどを含むがこれに限定されない。
コミュニティ管理サーバ100は、SNS200を通じて、グッズファンディング対象者、ファンディング支援者(グッズ購入者、再販されたグッズの購入者、返報品の購入者などを含む)などのコミュニケーション(端末装置30、端末装置70で発信されたメッセージ)を収集し、コミュニティDB110を生成・更新する。
図26はコミュニティDB110の一例を示す図である。コミュニティDB110は、ファン・コミュニティをグループ毎に分類し、グループ毎にグッズファンディング対象者のグループとファンディング支援者のグループとを関連付けるデータベースである。ファン・コミュニティグループ毎に、返報品又はグッズのカテゴリ、返報品又はグッズのID、グッズファンディング対象者グループ、対象者ID、ファンディング支援者グループ、支援者IDなどの情報が関連付けられている。図26に示すように、ファン・コミュニティグループをA、B、C、…とする。ファン・コミュニティグループAには、返報品又はグッズのカテゴリがa1、a2、…であり、当該カテゴリに含まれる返報品又はグッズのID、グッズファンディング対象者グループがSA、グループSAに含まれる対象者ID、ファンディング支援者グループがBA、及びグループBAに含まれる支援者IDが関連付けられている。他のファン・コミュニティグループB、C、…も同様である。
これにより、グッズ10及び返報品を通じて、グッズファンディング対象者とファンディング支援者との繋がりが記録され、両者のコミュニケーションの場の提供やグループの育成、コミュニティ作りに役立てることができる。すなわち、本実施形態のグッズファンディングによれば、応援したい人物や団体等を同じくする支援者のコミュニティ活動を支援できる。
図27はファン・コミュニティを利用した転売の一例を示す図である。図27に示す表示画面は端末装置70に表示される。図27Aは、グッズ購入者がファン・コミュニティに登録する際の表示画面を示す。グッズ購入者は、自身が所有する返報品又はグッズを選択する。端末装置70は、選択された返報品又はグッズ10のIDをコミュニティ管理サーバ100へ送信する。
コミュニティ管理サーバ100は、コミュニティDB110を参照して、選択された返報品又はグッズ10のIDに対応するファン・コミュニティを特定し、特定したファン・コミュニティの情報(例えば、コミュニティ名など)を端末装置70へ送信する。
端末装置70は、コミュニティ名のリストを表示するとともに、選択アイコンを表示する。グッズ購入者は、所望のコミュニティを選択し、ID及びパスワードを入力することで、ファン・コミュニティに登録することができる。
図27Bは、グッズ購入者が登録したファン・コミュニティグループに属する人に対して、返報品又はグッズを転売する際の表示画面を示す。グッズ購入者は、返送品又はグッズに興味がある人が属すると思われるファン・コミュニティを選択する。また、グッズ購入者は、転売する返送品又はグッズ(株式付き)10を選択するとともに、転売価格を入力する。端末装置70は、選択されたファン・コミュニティ、返送品又はグッズ10、及び転売価格などの情報をコミュニティ管理サーバ100へ送信する。
コミュニティ管理サーバ100は、コミュニティDB110を参照して、選択されたファン・コミュニティの属する人の端末装置に対して、返報品又はグッズ10のID、及び転売価格などの情報を送信する。これにより、グッズ購入者が、返報品又はグッズ(株式付き)10の転売を希望していることが、関連するファン・コミュニティに属する人に通知されるので、返報品やグッズ10の転売を促進することができる。また、通知された人は、SNSを通じて他の人へ紹介や公開することで、さらにファン・コミュニティの拡大を図ることができる。
また、グッズファンディング対象者は、端末装置30を操作して、コミュニティ管理サーバ100のコミュニティDB110にアクセスして、ファン・コミュニティに属する人だけに、希少性のある返報品を贈る(届ける)ことが可能となる。すなわち、端末装置30は、コミュニティ管理サーバ100のコミュニティDB110の情報を受信し、特定のファン・コミュニティに属する人を抽出し、抽出した人の端末装置へ返報品の情報を送信することができる。
図28はブロックチェーン2を利用した場合の情報処理システムの一例を示す図である。ブロックチェーン2は、P2Pネットワークを用いた分散システムであり、P2Pネットワーク上のノード(コンピュータ)が同じデータ(台帳)を共有する。ブロックチェーン2は、台帳を分散共有して管理する技術である。図28に示すグッズ管理システム40、暗号通貨管理システム50、NFT管理サーバ90(図24参照)、端末装置30、端末装置70はノードを構成することができる。
ブロックチェーン2は、前述の台帳(「分散台帳」、「ブロック」ともいう)の他に、暗号化、コンセンサス、及びスマートコントラクトなどの技術的な要素を備える。暗号化は、例えば、電子署名機能・認証機能により取引(トランザクション)の正当性や機密性を確保する。コンセンサスは、ブロックチェーンネットワークに所属する参加者(「ピア」ともいう)間での取引の完全性を検証し、保証する。スマートコントラクトは、ブロックチェーン2上に展開されるプログラムの実行コード及び変数を保持し、各ノードが持っているブロック内に保持されている。
図28に示すように、ブロックチェーン2の各ブロックは、直前のブロックのハッシュ値、トランザクションデータ、ステートデータ、ナンス等の情報を含む。ハッシュ値は、元になる入力データから所定の演算によって得られる固定長の値であり、直前のブロックに含まれる情報を入力データとして演算される。
トランザクションデータは、当該ブロックの期間中に行われた取引(例えば、グッズ10の購入、暗号通貨の分配、グッズ10又は返報品の転売など)の全ての記録を含む。
ステートデータは、ブロックチェーン2内で管理されている全アカウント(例えば、グッズファンディング対象者ID、グッズ購入者ID、NFT-IDなど)の最新の情報を含む。また、ステートデータは、全てのアカウントに関するスマートコントラクト(プログラムコードなど)を含む。
ナンスは、次のブロックを追加する際に、現在のブロック内の情報に基づいてハッシュ値を演算するために用いる値である。ナンスの値が決定されると現在のブロックはハッシュ化され、そのハッシュ値が次のブロックに記録される。ナンスの値は、次のブロックが追加されるまで決まらない。
上述のように、本実施形態によれば、デジタル価値が付加されたグッズ10を購入することにより、グッズファンディング対象者に対して、より多くの貢献ができ、かつグッズ購入者は返報品を得ることが可能になる。
本実施形態によれば、グッズ10の購入によって取得した暗号通貨を一つ以上に分配(分散投資)できるので、ファン作りに貢献でき、ファン(参入人口)を容易に増やすことができる。
従来、幅広い年齢層や地域特性を反映させて訴求することは困難であったが、本実施形態によれば、返報品を効果的にグッズ購入者に還元することにより、グッズファンディングという新たなファンディングの形態を活性化できる。また、偽グッズや偽イベントチケットなどの不正な再販を防止して流通を阻止できるとともに、正規のグッズやイベントチケットを流通させることができる。
本実施形態によれば、グッズ10の購入によって取得した暗号通貨は、グッズ購入者が所定期間内に、どの価値に移動(分配)するかを決定しなければならない仕組みとするため、グッズファンディング対象者またはグッズファンディング対象者が所属する団体が開設しているファンサイトへの誘導が容易である。このため従来のようなプロモーション費用が不要であり、ファンサイトへの誘致費用がかからない。
本実施形態において、デジタル価値が付加されたグッズをシリーズ化し、グッズ購入者(ファン)がシリーズ化したグッズを全て購入した場合に、相当の返報品を贈るようにすることで、ファンの購買意欲が増進され、グッズファンディング対象者のビジネスの成功確率を高めることができる。このようにして、素人をプロに、プロをメジャーに育成する仕組みを構築できる。また、本実施形態のグッズファンディングで収集した各種データを活用することによって、グッズファンディング対象者に対する協賛企業とのコラボレーションを支援できる。
また、本実施形態によれば、グッズファンディングに参画した人、企業・団体だけでなく、企業・団体が設立された国の発展を納税という形で貢献できる仕組みも構築できる。従来手法の課題のいくつかは、個人情報が企業に集まり、利用されて富が一極集中していたが、本実施形態のグッズファンディングでは、個人情報を活用した広告ビジネスで富を稼ぐモデルではないところが特筆できる。
本実施形態では、デジタル価値が付加されたグッズを販売・購入する構成であるが、NFTを販売・購入するようにしてもよい。
本実施形態では、暗号通貨を円などの法定通貨と連動するようにしてもよく、あるいは乱高下しない暗号通貨とするため、金と連動させてよい。
本実施形態において、ファンディング支援者の活動期間や、貢献度)投げ銭や株式投資の総額)が、所定閾値以上の場合に、希少性のある返報品(NFTや優待券など)を取得できるという条件を設けてもよい。これにより、グッズファンディング対象者のファンであるということを、希少性のある返報品を所有しているということで証明することが可能となる。NFTの普及により、例えば、ファン・コミュニティを盛り上げることでアーティストの特別な限定NFTを取得することも可能である。
本実施形態において、NFTを転売する際に、NFTとして発行されるアイテム(著作物)について2次著作を認める権利を付加してもよい。これにより、例えば、漫画のサブ主人公や、アーティストが共演している相手方を購入者自身の人物に代えてアイテムを作成することや、あるいは動画を作り配信する等の2次著作物の作成が可能となる。また、ファン・コミュニティからの公認を受けてファンがアイテムの二次創作物を作成できる。
(付記1)コンピュータプログラムは、グッズ価格にデジタル価値が付加されたグッズのグッズ情報を取得し、取得したグッズ情報を送信し、前記グッズ情報の前記デジタル価値に対応する暗号通貨を含む暗号通貨情報を受信し、受信した暗号通貨情報に含まれる暗号通貨を活用する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記2)コンピュータプログラムは、付記1において、前記グッズ情報は、前記グッズの識別子を含み、前記識別子と関連付けて前記暗号通貨を表示する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記3)コンピュータプログラムは、付記1又は付記2において、前記グッズに付与された暗号通貨を一つ以上に分配する操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて一つ以上に分配する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記4)コンピュータプログラムは、付記1から付記3のいずれか一つにおいて、前記グッズに付与された暗号通貨の全部又は一部をグッズ購入に基づく支援の対象者に対する投げ銭として分配する操作を受け付け、投げ銭として分配する要求を送信する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記5)コンピュータプログラムは、付記1から付記4のいずれか一つにおいて、前記グッズに付与された暗号通貨の全部又は一部をグッズ購入に基づく支援の対象者に対する株式投資として分配する操作を受け付け、株式投資として分配する要求を送信する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記6)コンピュータプログラムは、付記1から付記5のいずれか一つにおいて、前記グッズに付与された暗号通貨が株式投資に分配された前記グッズの転売を受け付け、前記グッズの転売の要求を送信する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記7)コンピュータプログラムは、付記1から付記6のいずれか一つにおいて、前記グッズに付与された暗号通貨の全部又は一部を金融機関への預金として分配する操作を受け付け、預金として分配する要求を送信する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記8)コンピュータプログラムは、付記1から付記7のいずれか一つにおいて、前記グッズに付与された暗号通貨を分配する操作を受け付けない場合、前記暗号通貨を予め設定された分配方法に応じて分配する要求を送信する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記9)コンピュータプログラムは、付記1から付記8のいずれか一つにおいて、前記グッズに付与された暗号通貨の分配に応じて、グッズ購入に基づく支援の対象者からの返報品に関する返報品情報を受信し、受信した返報品情報を表示する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記10)コンピュータプログラムは、付記9において、前記返報品は、非代替性トークン、暗号通貨、及び優待券の少なくとも一つを含む。
(付記11)コンピュータプログラムは、付記9又は付記10において、前記非代替性トークンの転売を受け付け、前記非代替性トークンの転売の要求を送信する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記12)コンピュータプログラムは、付記1から付記11のいずれか一つにおいて、グッズ購入に基づく支援の対象者による返報品に関する履歴情報を受信し、受信した履歴情報を表示する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記13)コンピュータプログラムは、付記1から付記12のいずれか一つにおいて、グッズ購入に基づく支援の対象者に対する、前記グッズに付与された暗号通貨の分配に関する履歴情報及びランキング情報の少なくとも一つを受信し、受信した履歴情報及びランキング情報の少なくとも一つを表示する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記14)コンピュータプログラムは、付記1から付記13のいずれか一つにおいて、受信した暗号通貨情報を表示する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記15)コンピュータプログラムは、付記1から付記14のいずれか一つにおいて、前記グッズ情報のサーバへの送信に応じて、前記グッズに付与された前記暗号通貨情報を前記サーバから受信する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記16)コンピュータプログラムは、付記1から付記15のいずれか一つにおいて、マスクが施されて外部から視認できない追加情報であって、前記グッズに取り付けられた印刷物から前記マスクを剥がして取得した前記追加情報を前記グッズ情報とともにサーバへ送信し、前記サーバで前記追加情報の照合が成功した場合、前記グッズに付与された前記暗号通貨情報を前記サーバから受信する、処理をコンピュータに実行させる。
(付記17)情報処理方法は、グッズ価格にデジタル価値が付加されたグッズのグッズ情報をグッズ購入者の端末装置から取得し、取得したグッズ情報に基づいて、前記グッズに付与され、前記デジタル価値に対応する暗号通貨を含む暗号通貨情報を前記グッズ購入者のウォレットに記録する。
(付記18)情報処理方法は、付記17において、前記グッズ購入者からの分配要求に基づいて、前記グッズに付与された暗号通貨を所定の分配対象に分配する。
(付記19)情報処理方法は、付記17又は付記18において、前記所定の分配対象は、グッズ購入に基づく支援の対象者に対する投げ銭、前記対象者に対する株式投資、及び金融機関への預金の少なくとも一つを含む。
(付記20)情報処理方法は、付記17から付記19のいずれか一つにおいて、前記グッズに付与された暗号通貨が株式投資に分配された前記グッズが転売された場合、株に関する権利の移転を記録する。
(付記21)情報処理方法は、付記17から付記20のいずれか一つにおいて、前記グッズ購入者からの分配要求がない場合、前記グッズに付与された暗号通貨を予め設定された分配方法に応じて分配する。
(付記22)情報処理方法は、付記17から付記21のいずれか一つにおいて、グッズ購入に基づく支援の対象者に対する、前記グッズに付与された暗号通貨の分配に応じて、前記対象者からの返報品に関する返報品情報を前記対象者の端末装置から取得し、取得した返報品情報をグッズ購入者の端末装置へ出力する。
(付記23)情報処理方法は、付記22において、前記返報品は、非代替性トークン、暗号通貨、及び優待券の少なくとも一つを含む。
(付記24)情報処理方法は、付記22又は付記23において、前記非代替性トークンが転売された場合、前記非代替性トークンの権利の移転を記録する。
(付記25)情報処理方法は、付記22から付記24のいずれか一つにおいて、前記非代替性トークンが転売された位置情報、転売された日時、及び前記非代替性トークンに関連付けられたデジタルコンテンツに対する趣味趣向の少なくとも一つを収集する。
(付記26)情報処理方法は、付記17から付記25のいずれか一つにおいて、グッズ購入に基づく支援の対象者による返報品に関する履歴情報を収集し、収集した履歴情報をグッズ購入者の端末装置に出力する。
(付記27)情報処理方法は、付記17から付記26のいずれか一つにおいて、グッズ購入に基づく支援の対象者に対する、前記グッズに付与された暗号通貨の分配に関する履歴情報及びランキング情報の少なくとも一つを収集し、収集した履歴情報及びランキング情報の少なくとも一つをグッズ購入者の端末装置に出力する。
(付記28)情報処理方法は、付記17から付記27のいずれか一つにおいて、グッズ購入者が前記グッズを購入した位置情報、前記グッズ購入者が前記グッズに付与された暗号通貨を分配した位置情報及び前記暗号通貨を分配した日時の少なくとも一つを収集する。
(付記29)情報処理方法は、付記17から付記28のいずれか一つにおいて、マスクが施されて外部から視認できない追加情報であって、前記グッズに取り付けられた印刷物から前記マスクを剥がして取得した前記追加情報を前記グッズ情報とともにグッズ購入者の端末装置から取得し、前記追加情報の照合が成功した場合、前記グッズ情報に基づいて、前記グッズに付与され、前記デジタル価値に対応する暗号通貨を含む暗号通貨情報を前記グッズ購入者のウォレットに記録する。
(付記30)情報処理システムは、サーバを備え、前記サーバは、グッズ価格にデジタル価値が付加されたグッズのグッズ情報をグッズ購入者の端末装置から取得し、取得したグッズ情報に基づいて、前記グッズに付与され、前記デジタル価値に対応する暗号通貨を含む暗号通貨情報を前記グッズ購入者のウォレットに記録する。
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。