JP7401216B2 - 均等化装置及び均等化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、均等化装置及び均等化方法に関する。
特許文献1は、複数の蓄電素子を備える蓄電装置を開示している。蓄電素子は、電池セルとも呼ばれる。この蓄電装置は、複数の蓄電素子に対応する複数の均等化用の抵抗を備える。蓄電装置は、複数の蓄電素子のうち一の蓄電素子を均等化する場合、一の蓄電素子と、一の蓄電素子に対応する均等化用の抵抗とを含む回路を構成することにより、一の蓄電素子を放電させる。
特許文献1に係る蓄電装置において、複数の蓄電素子は直列接続される。したがって、この蓄電装置は、負荷への電流供給と、蓄電素子の均等化とを並行して実行することができない。
特開2018-26923号公報
本発明は、負荷への電流供給と、電池セルの均等化とを並行して実行できる均等化装置及び均等化方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る均等化装置は、複数の電池モジュールから均等化処理が必要な均等化モジュールを選択し、当該均等化モジュールに対する均等化処理を実施する制御部を備え、前記制御部は、前記均等化モジュール以外の電池モジュールである供給モジュールと負荷との接続を維持し、かつ、前記均等化モジュールと前記負荷との接続を解除した状態で、前記均等化モジュールに含まれる複数の電池セルの接続を制御して均等化処理を実施する。
本発明は、負荷への電流供給と、電池セルの均等化とを並行して実行できる均等化装置及び均等化方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る均等化装置を含む電源システムの構成を示す機能ブロック図である。 図1に示す組電池1の構成を示す機能ブロック図である。 図2に示す電池モジュールの回路図の一例を示す図である。 図3に示す均等化装置の構成を示す機能ブロック図である。 図1に示す均等化装置の動作を示すフローチャートである。 図5に示す均等化モジュール決定処理のフローチャートである。 図2に示す電池セルのSOCの一例を示すグラフである。 図5に示す均等化開始処理のフローチャートである。 図2に示す電池セルのSOCの他の例を示すグラフである。 図5に示すモジュール制御処理のフローチャートである。 図10に示す均等化モジュール制御処理のフローチャートである。 図2に示す電池セルのSOCの他の例を示すグラフである。 図2に示す電池モジュールの一例を示すグラフである。 図2に示す電池モジュールの他の例を示すグラフである。 図2に示す電池モジュールの他の例を示すグラフである。 図2に示す電池モジュールの他の例を示すグラフである。 図10に示す待機モジュール制御処理のフローチャートである。 図5に示す退避処理のフローチャートである。 CPU等のバスへの接続を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。また、これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のもの、又は相当するものを示すものとする。
(実施形態)
[1.構成]
[1.1.電源システムの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る電源システム100の構成を示す機能ブロック図である。電源システム100は、例えば、車両に搭載される。電源システム100は、組電池1と、均等化装置2と、負荷3とを備える。
組電池1は、負荷3の電源であり、正電極線181及び負電極線182を介して負荷3に電流を供給する。組電池1は、複数の電池モジュールを含む。複数の電池モジュールの各々は、複数の電池セルを含む。
組電池1は、電圧信号50と、電流信号60とを均等化装置2に供給する。電圧信号50は、組電池1に含まれる全電池セルの各々の電圧を示す。電流信号60は、組電池1に含まれる全電池モジュールの各々に流れる電流を示す。組電池1は、均等化装置2から受けた接続情報230に基づいて、負荷3と複数の電池モジュールの各々との接続を切り替える。組電池1は、均等化装置2から受けた接続情報240に基づいて、組電池1に含まれる全電池セルの各々の接続を切り替える。
負荷3は、組電池1から供給された電流によって動作する。本実施形態では、負荷3は、車両のイグニッションスイッチがオフされている時に動作する車両監視装置である。
均等化装置2は、組電池1から負荷3への電流供給と、電池モジュールに含まれる複数の電池セルの均等化とを並行して実行するように組電池1を制御する。
[1.2.組電池1の構成]
図2は、図1に示す組電池1の構成を示す機能ブロック図である。図2を参照して、組電池1は、電池モジュール11~14と、スイッチ171~174と、正極端子181aと、負極端子182aとを備える。
電池モジュール11~14は、正極端子181aと負極端子182aとの間で並列接続される。正極端子181aは、正電極線181に接続される。負極端子182aは、負電極線182に接続される。
スイッチ171~174は、電池モジュール11~14に対応して設けられ、均等化装置2から受けた接続情報230に基づいて動作する。接続情報230は、スイッチ171~174に対応する接続信号231~234を含む。
スイッチ171は、電池モジュール11と正極端子181aとの間に接続され、接続信号231に基づいてオンオフする。スイッチ171がオンである場合、電池モジュール11は負荷3に接続される。スイッチ172は、電池モジュール12と正極端子181aとの間に接続され、接続信号232に基づいてオンオフする。スイッチ172がオンである場合、電池モジュール12は負荷3に接続される。スイッチ173は、電池モジュール13と正極端子181aとの間に接続され、接続信号233に基づいてオンオフする。スイッチ173がオンである場合、電池モジュール13は負荷3に接続される。スイッチ174は、電池モジュール14と正極端子181aとの間に接続され、接続信号234に基づいてオンオフする。スイッチ174がオンである場合、電池モジュール14は負荷3に接続される。
電池モジュール11は、直列接続された電池セル111~113を含む。電池モジュール12は、直列接続された電池セル121~123を含む。電池モジュール13は、直列接続された電池セル131~133を含む。電池モジュール14は、直列接続された電池セル141~143を含む。
電池モジュール11は、均等化装置2から受ける接続信号241に基づいて、電池セル111~113の各々の接続を制御するスイッチのオンオフを切り替える。電池モジュール12は、均等化装置2から受ける接続信号242に基づいて、電池セル121~123の各々の接続を制御するスイッチのオンオフを切り替える。電池モジュール13は、均等化装置2から受ける接続信号243に基づいて、電池セル131~133の各々の接続を制御するスイッチのオンオフを切り替える。電池モジュール14は、均等化装置2から受ける接続信号244に基づいて、電池セル141~143の各々の接続を制御するスイッチのオンオフを切り替える。接続信号241~244は、接続情報240に含まれる。
[1.3.電池モジュール12の構成]
図3は、図2に示す電池モジュール12の回路図である。図3を参照しながら、電池モジュール12の構成を説明する。電池モジュール11、13及び14は、電池モジュール12と同様の構成を有するため、これらの電池モジュールの構成の説明を省略する。
図2を参照して、電池モジュール12は、電池セル121~123と、抵抗321~323と、スイッチ421~423と、電圧センサ521~523と、電流センサ62とを含む。
電池セル121~123は、充電及び放電をすることができる2次電池であり、例えば、リチウムイオン2次電池である。
抵抗321~323と、スイッチ421~423とは、電池セル121~123の均等化に用いられる。抵抗321及びスイッチ421は、電池セル121のSOC(State Of Charge)を調整するために、電池セル121に対応して設けられる。抵抗322及びスイッチ422は、電池セル122のSOCを調整するために、電池セル122に対応して設けられる。抵抗323及びスイッチ423は、電池セル123のSOCを調整するために、電池セル123に対応して設けられる。SOCは、電池セルが完全に充電された場合における電気量を基準とした、電池セルに蓄積されている電気量の割合である。SOCは残容量とも呼ばれる。
スイッチ421~423の各々は、均等化装置2からの接続信号242に基づいてオンオフする。図2に示すように、接続信号242は、スイッチ421~423の各々を制御する制御信号を含む。
電圧センサ521は、電池セル121の正極と負極との間の電位差を測定し、その測定した電位差を示す電圧信号521Aを均等化装置2に供給する。以下、電池セルの正極と負極の間の電位差を「セル電圧」と記載する。電圧センサ522は、電池セル122のセル電圧を示す電圧信号522Aを均等化装置2に供給する。電圧センサ523は、電池セル123のセル電圧を示す電圧信号523Aを均等化装置2に供給する。電圧信号521A~523Aは、電圧信号50に含まれる。
電流センサ62は、スイッチ172と、電池セル123の正極との間に接続される。電流センサ62は、電池モジュール12に流れる電流を測定し、その測定した電流を示す電流信号62Aを均等化装置2に供給する。電流信号62Aは、電流信号60に含まれる。
電池モジュール12における電池セルと抵抗とスイッチとの接続について説明する。スイッチ421の端子aは、負極端子182aと、電池セル121の負極とに接続される。スイッチ421の端子bは、抵抗321の一端に接続される。抵抗321の他端は、電池セル121の正極に接続される。スイッチ422の端子aは、電池セル122の負極に接続される。スイッチ422の端子bは、抵抗322の一端に接続される。抵抗322の他端は、電池セル122の正極に接続される。スイッチ423の端子aは、電池セル123の負極に接続される。スイッチ423の端子bは、抵抗323の一端に接続される。抵抗323の他端は、電池セル123の正極に接続される。
[1.4.均等化装置2の構成]
図4は、図3に示す均等化装置2の構成を示す機能ブロック図である。図4を参照して、均等化装置2は、残容量取得部21と、モジュール決定部22と、接続制御部23と、均等化部24とを備える。
残容量取得部21は、組電池1から受けた電圧信号50及び電流信号60に基づいて、組電池1に含まれる全電池セルの各々のSOCを取得する。残容量取得部21は、取得したSOCを含むSOC情報21Aをモジュール決定部22に供給する。
モジュール決定部22は、残容量取得部21から受けたSOC情報21Aに基づいて、組電池1に含まれる複数の電池モジュールの各々を均等化モジュール、待機モジュール及び供給モジュールのいずれかに決定する。
均等化モジュールに含まれる複数の電池セルは、均等化モジュールが負荷3への電流供給を停止した後に、均等化される。待機モジュールは、負荷3への電流供給を停止する。供給モジュールは、均等化モジュール及び待機モジュールが電流供給を停止している期間において、負荷3への電流供給を継続する。これらのモジュールの詳細については、後述する。
モジュール決定部22は、均等化モジュール又は待機モジュールを決定した場合、モジュール情報22Aを接続制御部23に供給する。モジュール情報22Aは、複数の電池モジュールの各々が均等化モジュール、待機モジュール及び供給モジュールのうちどのモジュールに該当するかを示す。
モジュール決定部22は、均等化モジュールが決定された場合、均等化モジュールに含まれる複数の電池セルのうち、最もSOCが小さい電池セルを基準セルに決定し、基準セル以外の電池セルを放電対象セルに決定する。モジュール決定部22は、均等化モジュールに含まれる基準セル及び放電対象セルを特定するセル情報22Bを均等化部24に供給する。
接続制御部23は、モジュール決定部22から受けたモジュール情報22Aに基づいて、負荷3と均等化モジュールとの接続を解除し、負荷3と待機モジュールとの接続を解除し、負荷3と供給モジュールとの接続を維持するように、スイッチ171~174を制御する。具体的には、接続制御部23は、均等化モジュール又は待機モジュールに決定された電池モジュールに対応するスイッチをオフし、供給モジュールに決定された電池モジュールに対応するスイッチをオンすることを指示する接続情報230を生成する。スイッチ171~174が、接続制御部23により生成された接続情報230に基づいてオン又はオフする。この結果、均等化モジュール及び待機モジュールは、負荷3と電気的に切り離される。供給モジュールは、負荷3への電流供給を継続する。
接続制御部23は、負荷3と均等化モジュールとの接続を解除した場合、接続が解除されたことを示す解除通知23Aを均等化部24に出力する。
均等化部24は、解除通知23Aを均等化部24から受けた場合、モジュール決定部22から受けたセル情報22Bに基づいて、均等化モジュールに含まれる複数の電池セルが均等化されるように、複数の電池セルの接続を制御する。複数の電池セルの均等化とは、放電対象セルのSOCが基準セルのSOCを基準とした所定のセル均等化範囲内に収まるように、放電対象セルのSOCを調整することである。
具体的には、均等化部24は、均等化モジュールのうち、基準セルに対応するスイッチをオンし、放電対象セルに対応するスイッチをオフすることを指示する接続情報240を生成する。放電対象セルに対応するスイッチがオンされることにより、放電対象セルは放電を開始する。基準セルに対応するスイッチがオフされるため、基準セルは放電しない。基準セルのSOCは一定であり、放電対象セルのSOCは、低下する。放電対対象セルのSOCが、基準セルのSOCに近づくため、均等化モジュールに含まれる複数の電池セルが均等化される。
[2.均等化装置の動作概略]
図2を参照して、電池モジュール11~14が負荷3に電流を供給している場合、均等化装置2は、均等化モジュール及び供給モジュールを決定する。以下の説明において、電池セルのSOCを「セルSOC」という場合がある。
モジュール決定部22は、電池モジュール11~14のうち、セル均等化条件を満たす電池モジュール12を均等化モジュールに決定する。セル均等化条件は、第1条件及び第2条件を含む。第1条件は、電池モジュールに含まれる電池セルのSOCの少なくとも1つが、所定の候補基準値以下であることである。第2条件は、電池モジュールにおけるセルSOCのばらつきが、所定の選択基準値よりも大きいことである。セルSOCのばらつきについては後述する。
また、モジュール決定部22は、電池モジュール11~14のうち、待機条件を満たす電池モジュール14を待機モジュールに決定する。待機条件は、上記の第1条件を満たし、かつ、上記の第2条件を満たさないことである。モジュール決定部22は、均等化モジュール及び待機モジュールに決定されなかった電池モジュール11及び13を、供給モジュールに決定する。
モジュール決定部22は、電池モジュール12を均等化モジュールに決定した場合、電池モジュール12に含まれる電池セル121~123のうち、最小のセルSOCを有する電池セル122を基準セルに決定し、電池セル121及び123を放電対象セルに決定する。
接続制御部23は、スイッチ172及び174をオフすることにより、負荷3と電池モジュール12及び14との接続を解除する。均等化部24は、負荷3との接続が解除された電池モジュール12において、電池セル122に対応するスイッチ422をオフする。電池セル122は放電しないため、電池セル122のSOCは低下しない。均等化部24は、電池モジュール12において、電池セル121及び123に対応するスイッチ421及び423をオンする。電池セル121及び123は放電を開始するため、電池セル121及び123のSOCは低下する。この結果、電池セル141及び161のSOCが電池セル151のSOCに近づくため、電池モジュール12に含まれる複数の電池セルが均等化される。
接続制御部23は、スイッチ171及び173のオンを維持することにより、電池モジュール11及び13に負荷3への電流供給を継続させる。この結果、均等化装置2は、負荷3への電流供給と並行して、均等化モジュールに含まれる複数の電池セルを均等化することができる。
電池モジュール12及び14は上記の第1条件を満たし、電池モジュール11及び13は、上記の第1条件を満たさない。つまり、電池モジュール11及び13のSOCは、電池モジュール12及び14のSOCよりも高い。電池モジュール12及び14が負荷3と電気的に切り離されている期間において、電池モジュール11及び13は、負荷3への電流供給を継続する。従って、均等化装置2は、電池モジュール11~14のSOCのばらつきを小さくすることができる。
[3.均等化装置の詳細な動作]
[3.1.対象モジュールと退避モジュール]
均等化装置2の動作の詳細を説明する前に、対象モジュールと退避モジュールについて説明する。電池モジュール11~14は、対象モジュール及び退避モジュールのいずれか一方に設定される。
対象モジュールは、均等化モジュール、待機モジュール及び供給モジュールのいずれかに1つに決定される。電池モジュールにおける最小のセルSOCが所定の許可基準値以上である場合、電池モジュールは対象モジュールに設定される。退避モジュールは、均等化モジュール、待機モジュール及び供給モジュールに決定されることのない電池モジュールである。電池モジュールにおける最小のセルSOCが許可基準値よりも低い場合、電池モジュールは退避モジュールに設定される。
均等化装置2は、組電池1に含まれる電池セルのSOCが所定の管理基準値を下回らないように、組電池1を制御する。本実施形態において、管理基準値は30%であり、許可基準値は35%である。均等化装置2は、退避モジュールを特定した場合、特定した退避モジュールを負荷3から強制的に電気的に切り離す。許可基準値を下回るセルSOCが検出された電池モジュールを退避モジュールに設定することにより、均等化装置2は、過放電等の問題が一部の電池セルおいて発生することを防ぐ。
[3.2.全対象モジュールが電流を供給している場合]
図5は、図1に示す均等化装置2の動作を示すフローチャートである。均等化装置2は、車両のイグニッションスイッチがオフされている場合、図5に示す処理を所定の時間間隔で実行する。時間間隔は、例えば、10分である。図5に示す処理は、全対象モジュールが電流を供給するか否かに関係なく実行される。一部の対象モジュールが電流供給を停止している時における均等化装置2の動作の説明は、後述する。
イグニッションスイッチがオフである場合、負荷3である車両監視装置が、組電池1からの電流供給を受けながら、駐車中の車両を監視する。この場合、組電池1は、電流消費の大きい負荷に電流を供給しないため、組電池1に含まれる全電池モジュールが負荷3に電流を供給しなくてもよい。電流消費の大きい負荷とは、例えば、車両の駆動輪を駆動するモータである。組電池1の電流供給能力に余裕があるため、均等化装置2は、図5に示す処理を実行して、負荷3への電流供給と均等化モジュールに含まれる複数の電池セルを均等化とを並行して実行する。
イグニッションスイッチがオフされた時点で、電池モジュール11~14が、対象モジュールであり、かつ、電流を負荷3に供給していると仮定して、均等化装置2の動作を説明する。また、組電池1に含まれる全電池セルのSOCは、許可基準値以上である。電池モジュール11~14の各々に含まれる全てのスイッチはオフである。以下の説明において、均等化モジュールに含まれる複数の電池セルを均等化することを、「均等化モジュールの均等化」と記載する場合がある。
均等化装置2は、均等化フラグに基づいて、全対象モジュールが負荷3に電流を供給しているか否かを判断する。全対象モジュールが負荷3に電流を供給している場合、均等化フラグは「0」である。つまり、均等化装置2は、均等化フラグが「0」である状態で図5に示す処理を開始する。
図5を参照して、残容量取得部21は、組電池1から受けた電圧信号50及び電流信号60に基づいて、組電池1に含まれる全電池セルのSOCを取得する(ステップS11)。例えば、残容量取得部21は、クーロンカウント法を用いて全電池セルのSOCを取得する。
モジュール決定部22は、ステップS11で取得したセルSOCに基づいて、許可基準値よりも低いセルSOCが取得されたか否かを判断する(ステップS12)。許可基準値よりも低いセルSOCが取得された場合(ステップS12でYes)、均等化装置2は、退避処理(ステップS13)を実行する。退避処理(ステップS13)の詳細については後述する。上述のように、組電池1に含まれる全セルのSOCが許可基準値以上であるため(ステップS12でNo)、モジュール決定部22は、ステップS14に進む。
モジュール決定部22は、全対象モジュールが負荷3へ電流を供給しているか否かを判断するために、均等化フラグが「0」であるか否かを判断する(ステップS14)。均等化フラグが「1」である場合(ステップS14でYes)については、一部の対象モジュールが電流供給を停止している時の均等化装置2の動作説明において詳しく述べる。
上述のように、均等化フラグが「0」であるため(ステップS14でYes)、全対象モジュールが電流を負荷3に継続している。モジュール決定部22は、均等化モジュール及び待機モジュールを決定するために、均等化モジュール決定処理(ステップS15)を実行する。均等化モジュール決定処理(ステップS15)の詳細については、後述する。
モジュール決定部22は、均等化モジュール決定処理(ステップS15)の結果、全対象モジュールによる電力供給が決定されたか否かを判断する(ステップS16)。
全対象モジュールによる電力供給が決定された場合(ステップS16でYes)、均等化装置2は、図5に示す処理を終了する。つまり、均等化装置2は、電池モジュール11~14による電流供給を継続する。この場合、均等化フラグは「0」のまま変化しない。均等化装置2は、所定の時間間隔を経過した後に、図5に示す処理を再び実行する。
均等化モジュール及び待機モジュールの少なくとも一方が決定された場合(ステップS16においてNo)、均等化装置2は、均等化開始処理(ステップS17)を実行する。均等化開始処理(ステップS17)は、均等化モジュール及び待機モジュールを負荷3から電気的に切り離し、均等化モジュールに含まれる複数の電池セルの均等化を開始する処理である。均等化開始処理(ステップS17)の結果、均等化モジュール及び待機モジュールは、負荷3への電流供給を停止する。均等化開始処理(ステップS17)の詳細については、後述する。
一部の対象モジュールが、均等化開始処理(ステップS17)によって電流供給を停止したため、モジュール決定部22は、均等化フラグを「1」に設定する(ステップS18)。その後、均等化装置2は、図5に示す処理を終了する。均等化装置2は、所定の時間間隔を経過した後に、図5に示す処理を再び実行する。
[3.2.均等化モジュール決定処理(ステップS15)]
図6は、図5に示す均等化モジュール決定処理(ステップS15)のフローチャートである。図7は、図2に示す電池セルのSOCの一例を示すグラフである。具体的には、図7は、車両のイグニッションスイッチがオフされた時刻t1におけるセルSOCを示す。
以下、図6及び図7を参照しながら、均等化モジュール決定処理(ステップS15)を説明する。つまり、図7に示すセルSOCが、図5に示すステップS11で取得された場合を例にして、均等化モジュール及び待機モジュールを決定する均等化装置2の動作を説明する。
モジュール決定部22は、対象モジュールのうち、セル均等化条件の第1条件を満たす電池モジュールを候補モジュールとして決定する(ステップS151)。第1条件は、電池モジュールに含まれる電池セルのSOCが、候補基準値以下であることである。本実施形態では、候補基準値は、60%である。候補モジュールの最大数は、対象モジュールの半数以下である。電池モジュール11~14が対象モジュールに設定されているため、候補モジュールの最大数は、2である。
図7に示すように、電池モジュール12において、電池セル122のSOCは候補基準値より低い。電池モジュール14において、電池セル141のSOCは候補基準値より低い。従って、モジュール決定部22は、電池モジュール12及び14を候補モジュールに決定する。電池モジュール11及び13において、全電池セルのSOCは、候補基準値よりも高い。従って、電池モジュール11及び13は、候補モジュールに決定されない。
第1条件を満たす電池モジュールの数が候補モジュールの最大数よりも多い場合がある。この場合、モジュール決定部22は、第1条件を満たす電池モジュールの各々において、最小のセルSOCを特定する。モジュール決定部22は、特定したセルSOCが小さい順に、第1条件を満たす電池モジュールを候補モジュールとして特定する。
モジュール決定部22は、ステップS151により決定された候補モジュールの数が1以上であるか否かを判断する(ステップS152)。
決定された候補モジュールの数が0である場合(ステップS152でNo)、対象モジュールに含まれる全電池セルのSOCが候補基準値以上である。この場合、モジュール決定部22は、全対象モジュールで負荷3に電流を供給することを決定し(ステップS159)、均等化モジュール決定処理(ステップS15)を終了する。
決定された候補モジュールの数が1以上である場合(ステップS152でYes)、モジュール決定部22は、決定された候補モジュールの中から均等化モジュールを決定する(ステップS153)。具体的には、モジュール決定部22は、セル均等化条件の第2条件を満たす候補モジュールを均等化モジュールとして決定する。第2条件は、電池モジュールにおけるセルSOCのばらつきが、選択基準値よりも大きいことである。セルSOCばらつきは、一の電池モジュールにおける最大のセルSOCと最小のセルSOCの差分絶対値である。本実施形態では、選択基準値は、30%である。
図7に示すように、電池モジュール12におけるSOCばらつきは43%であり、選択基準値より大きい。従って、電池モジュール12が、均等化モジュールに決定される。電池モジュール14におけるSOCばらつきは15%であり、選択基準値以下である。電池モジュール14は、均等化モジュールから除外される。
モジュール決定部22は、ステップS153により決定された均等化モジュールの数が1以上であるか否かを判断する(ステップS154)。
決定された均等化モジュールの数が0である場合(ステップS154においてNo)、モジュール決定部22は、全候補モジュールを待機モジュールに決定する(ステップS156)。決定された均等化モジュールの数が1以上である場合(ステップS154においてYes)、モジュール決定部22は、均等化モジュールに決定されなかった候補モジュールを待機モジュールに決定する(ステップS155)。つまり、セル均等化条件の第1条件を満たし、第2条件を満たさない電池モジュールが、待機モジュールに決定される。電池モジュールに含まれる電池セルのSOCばらつきが選択基準値以下である場合、この電池モジュールを均等化する必要性は乏しいと考えられるためである。
上述のように、電池モジュール14が候補モジュールに決定されているにも関わらず、均等化モジュールから除外されている。モジュール決定部22は、電池モジュール14を、待機モジュールに決定する。
モジュール決定部22は、対象モジュールのうち、候補モジュールに決定されなかった電池モジュールを、供給モジュールに決定する(ステップS157)。電池モジュール11及び13が候補モジュールに決定されなかったため、モジュール決定部22は、電池モジュール11及び13を供給モジュールに決定する。
モジュール決定部22は、ステップS151~S157の結果に基づいて、モジュール情報22Aを生成する(ステップS158)。モジュール情報22Aは、全対象モジュールの各々が、均等化モジュール、待機モジュール、及び供給モジュールのいずれかであることを示す。ステップS158の後に、モジュール決定部22は、均等化モジュール決定処理(ステップS15)を終了する。
均等化モジュール決定処理(ステップS15)の結果、均等化モジュールの数は、供給モジュールの数以下となる。候補モジュールの最大数は組電池1に含まれる複数の電池モジュールの数の半数以下であり、均等化モジュールは候補モジュールの中から決定されるためである。均等化モジュールの数が供給モジュールの数以下となるように、均等化モジュールを決定する理由については、後述する。
[3.3.均等化開始処理(ステップS17)]
図8は、図5に示す均等化開始処理(ステップS17)のフローチャートである。図8を参照しながら、電池モジュール12が均等化モジュールに決定され、電池モジュール14が待機モジュールに決定された場合を例に、均等化開始処理(ステップS17)を詳しく説明する。
モジュール決定部22は、均等化モジュール決定処理(ステップS15)の結果、均等化モジュールを決定したか否かを判断する(ステップS171)。均等化モジュールが決定された場合(ステップS171でYes)、モジュール決定部22は、決定された均等化モジュールの各々において、基準セル及び放電対象セルを決定する(ステップS172)。
具体的には、モジュール決定部22は、均等化モジュールに決定された電池モジュール12において、最小のセルSOCを特定する。図7に示すように、最小のセルSOCは、電池セル122のSOCである。モジュール決定部22は、最小のセルSOCを有する電池セル122を基準セルに決定する。モジュール決定部22は、基準セルに決定された電池セル122以外の電池セルを放電対象セルに決定する。つまり、電池セル121及び123が、放電対象セルに決定される。モジュール決定部22は、電池モジュール12において基準セル及び放電対象セルを特定するセル情報22Bを、均等化部24に供給する。
接続制御部23は、モジュール決定部22から受けたモジュール情報22Aに基づいて、負荷3と、供給モジュールを除く対象モジュールとの接続を解除する(ステップS173)。ステップS173において、接続制御部23は、負荷3と供給モジュールとの接続を維持することにより、供給モジュールによる負荷3への電流供給を継続する。
具体的には、接続制御部23は、図2を参照して、供給モジュールに決定された電池モジュール11及び12が電流供給を継続するように、スイッチ171及び173を制御する。つまり、接続制御部23は、オンを指示する接続信号231及び233をスイッチ171及びスイッチ173に供給する。スイッチ171及び173の各々のオンが維持されるため、電池モジュール11及び13は、負荷3への電流供給を継続する。
接続制御部23は、接続制御部23は、オフを指示する接続信号232をスイッチ172に供給する。スイッチ172がオフされるため、均等化モジュールに決定された電池モジュール12が負荷3と電気的に切り離される。接続制御部23は、オフを指示する接続信号234をスイッチ174に供給する。スイッチ174がオフされるため、待機モジュールに決定された電池モジュール14が負荷3と電気的に切り離される。ステップS173の結果、組電池1において、電池モジュール14が待機モジュールに変更される。接続制御部23は、ステップS173の完了後、均等化モジュールと負荷3との接続が解除されたことを示す解除通知23Aを均等化部24に供給する。
図8を参照して、均等化部24は、モジュール決定部22から受けたセル情報22Bに基づいて、均等化モジュールの均等化を開始する(ステップS174)。ステップS174は、均等化部24が解除通知23Aを接続制御部23から受けることにより開始される。
均等化部24は、ステップS174において、放電対象セルを放電させることにより、放電対象セルのSOCを調整する。具体的には、セル情報22Bは、上述のように、電池セル122が基準セルであり、電池セル121及び123が放電対象セルであることを示す。均等化部24は、スイッチ422をオフし、スイッチ421及び423をオンすることを指示する接続信号242を電池モジュール12に供給する。
スイッチ421が、接続信号242に基づいてオンされることにより、電池セル121と抵抗321とが放電回路を形成する。スイッチ423が、接続信号242に基づいてオンされることにより、電池セル123と抵抗323とが放電回路を形成する。電池セル121及び123の各々が放電を開始するため、電池セル121及び123の各々のSOCは、低下する。一方、スイッチ422は、接続信号242に基づいてオフを維持するため、電池セル122は、抵抗322と放電回路を形成しない。電池セル122が放電しないため、電池セル122のSOCは変化しない。
電池モジュール12における均等化の開始時において、電池セル122のSOCは、電池セル121及び123のSOCよりも低い。電池セル121及び123の各々のSOCは、低下することにより、電池セル122のSOCに近づく。この結果、電池モジュール12が均等化される。放電対象セルが放電を終了する条件については、後述する。
均等化部24は、ステップS174において、供給モジュール及び待機モジュールの各々に含まれる全てのスイッチをオフのまま維持する。
ステップS171の説明に戻る。均等化モジュールが決定されなかった場合(ステップS171でNo)、接続制御部23は、負荷3と待機モジュールとの接続を解除する(ステップS175)。ステップS175は、上述したステップS173と同様の処理であるため、その説明を省略する。
ステップS174又はS175の後、均等化装置2は、均等化フラグを「1」に設定し(図5に示すステップS18)、図5に示す処理を終了する。
[3.4.一部の対象モジュールが電流供給を停止している場合]
電池モジュール12の均等化が開始された後に、均等化装置2は、図5に示す処理を所定の時間間隔で繰り返し実行する。時間の経過に伴って、供給モジュールに含まれる電池セルのSOCと、均等化モジュールに含まれる放電対象セルのSOCとが変化する。均等化装置2は、これらのSOCの変化に基づいて、均等化モジュール及び待機モジュールを制御する。以下、詳しく説明する。
図9は、図2に示す電池セルのSOCの一例を示すグラフである。具体的には、図9は、図7に示す時刻t1よりも後の時刻t2における、組電池1に含まれる電池セルのSOCを示す。イグニッションスイッチは、時刻t1からオフを継続している。
以下、図5及び図9を参照しながら、一部の対象モジュールが電流供給を停止している場合における、均等化装置2の動作を説明する。時刻t2において、電池モジュール12は均等化モジュールであり、電池モジュール14は待機モジュールである。従って、時刻t2において、均等化フラグは「1」である。
残容量取得部21は、組電池1から受けた電圧信号50及び電流信号60に基づいて、組電池1に含まれる全電池セルのSOCを取得する(ステップS11)。
図9に示すように、ステップS11で取得した全電池セルのSOCは、許可基準値以上である(ステップS12でNo)。上述のように、均等化フラグが「1」である(ステップS14でNo)。このため、均等化装置2は、モジュール制御処理(ステップS19)を実行する。
[3.5.モジュール制御処理(ステップS19)]
図10は、図5に示すモジュール制御処理(ステップS19)のフローチャートである。図10を参照して、均等化装置2は、組電池1が均等化モジュールを含むか否かを判断する(ステップS191)。組電池2が均等化モジュールを含む場合(ステップS1911でYes)、均等化装置2は、均等化モジュール制御処理(ステップS192)を実行し、ステップS193に進む。均等化モジュール制御処理(ステップS192)は、均等化の終了条件を満たす均等化モジュールを待機モジュールに変更する処理である。ステップS192の詳細については、後述する。
組電池1が均等化モジュールを含まない場合(ステップS191でNo)、均等化装置2は、均等化モジュールの均等化が終了したか否かを判断する必要がない。均等化装置2は、ステップS192を実行せずに、ステップS193に進む。
均等化装置2は、組電池1が待機モジュールを含むか否かを判断する(ステップS193)。組電池1が待機モジュールを含む場合(ステップS193でYes)、均等化装置2は、待機モジュール制御処理(ステップS194)を実行し、ステップS195に進む。待機モジュール制御処理(ステップS194)は、接続条件を満たす待機モジュールを負荷3に再接続する処理である。ステップS194の詳細については、後述する。
組電池1が待機モジュールを含まない場合(ステップS193でNo)、均等化装置2は、待機モジュールが接続条件を満たすか否かを判断する必要がない。均等化装置2は、ステップS195に進む。
モジュール決定部22は、全対象モジュールが負荷3に電流を供給しているか否かを判断する(ステップS195)。
全対象モジュールが電流を供給している場合(ステップS195においてYes)、モジュール決定部22は、均等化フラグを「0」に変更し(ステップS196)、モジュール制御処理(ステップS19)を終了する。この場合、均等化装置2は、均等化フラグが「0」に設定された状態で図5に示す処理を終了する。
一部の対象モジュールが電流供給を停止している場合(ステップS195においてNo)、均等化装置2は、均等化フラグを変更することなく、モジュール制御処理(ステップS19)を終了する。均等化装置2は、均等化フラグが「1」に設定された状態で図5に示す処理を終了する。モジュール制御処理(ステップS19)は、均等化フラグが「1」に設定されている場合に実行されるためである。
[3.5.1.均等化モジュール制御処理(ステップS192)]
図11は、図10に示す均等化モジュール制御処理(ステップS192)のフローチャートである。以下、均等化モジュールが均等化の終了条件を満たさない場合と、均等化モジュールが均等化の終了条件と満たす場合とに分けて、均等化モジュール制御処理(ステップS192)を説明する。
(均等化モジュールが均等化の終了条件を満たさない場合)
以下、図9及び図11を参照しながら、時刻t2に実行される均等化モジュール制御処理(ステップS192)を説明する。時刻t2において、電池モジュール12が均等化モジュールであり、電池モジュール14が待機モジュールである。電池モジュール12において、電池セル122が基準セルであり、電池セル121及び123が放電対象セルである。スイッチ422がオフであり、スイッチ421及び423がオンである。
モジュール決定部22は、均等化モジュールを1つ選択する(ステップS301)。具体的には、モジュール決定部22は、電池モジュール12を選択する。
モジュール決定部22は、ステップS301で選択された電池モジュール12において、放電対象セルを1つ選択する(ステップS302)。具体的には、モジュール決定部22は、電池セル121を選択する。
以下、電池セル121がステップS302で選択されたと仮定して、説明を続ける。モジュール決定部22は、選択された電池セル121に対応するスイッチ421がオンであるかオフであるかを判断する(ステップS303)。
上述のように、スイッチ421がオンであるため(ステップS303でYes)、モジュール決定部22は、電池セル121が放電終了条件を満たすか否かを判断する(ステップS304)。放電終了条件とは、放電対象セルのSOCが基準セルのSOCに基づいて決定されるセル均等化範囲内であることである。本実施形態では、セル均等化範囲は、基準セルのSOCを基準とした±10%の範囲である。セル均等化範囲は、電池セル122のSOCに基づいて決定され、具体的には、40%以上60%以下である。
図9に示すように、電池セル121のSOCは、時刻t2において、電池セル122のSOCに基づいて決定されるセル均等化範囲外である(ステップS304でNo)。電池セル121が放電終了条件を満たさないため、モジュール決定部22は、ステップS306に進む。この場合、スイッチ421のオンが維持されるため、電池セル121は放電を継続する。電池セル121のSOCは、時刻t2よりも後の期間において低下を続ける。
モジュール決定部22は、全ての放電対象セルを選択したか否かを判断する(ステップS306)。放電対象セルである電池セル123が未選択であるため(ステップS306でNo)、モジュール決定部22は、ステップS302に戻り、電池セル123を選択する。
電池セル123に対応するスイッチ423が、上述のように、オンであるため(ステップS303でYes)、モジュール決定部22は、電池セル123が放電終了条件を満たすか否かを判断する(ステップS304)。図9に示すように、電池セル123のSOCは、電池セル122のSOCに基づいて決定されるセル均等化範囲内である(ステップS304でYes)。電池セル123が放電終了条件を満たすため、均等化部24は、スイッチ423のオフを指示する接続信号242を電池モジュール12に供給する。これにより、スイッチ423がオフされる(ステップS305)。
スイッチ423のオフに伴って、電池セル123は、放電を終了する。電池セル123のSOCは、図9に示すセル均等化範囲内に調整される。電池モジュール12が電流供給を再開するまで、電池セル123のSOCは、一定である。
全放電対象セルが電池モジュール12において選択されたため(ステップS306でYes)、モジュール決定部22は、電池モジュール12が均等化の終了条件を満たしているか否かを判断する(ステップS307)。均等化の終了条件は、均等化モジュールにおいて、全放電対象セルに対応するスイッチがオフされることである。電池セル121に対応するスイッチ421がオンであるため(ステップS307でNo)、電池モジュール12は、均等化の終了条件を満たさない。モジュール決定部22は、電池モジュール12を均等化モジュールのまま維持する(ステップS309)。
モジュール決定部22は、全均等化モジュールを選択したか否かを判断する(ステップS310)。組電池1において、均等化モジュールの数は1個であるため、モジュール決定部22は、全ての均等化モジュールを選択したと判断し(ステップS310でYes)、図11に示す処理を終了する。なお、均等化モジュールの数が2以上である場合、モジュール決定部22は、全均等化モジュールを選択していないため(ステップS310においてNo)、ステップS301に戻る。
(均等化の終了条件が満たされた場合)
図12は、図2に示す電池セルのSOCの他の例を示すグラフである。具体的には、図12は、時刻t2よりも後の時刻t3における、電池セルのSOCを示す。車両のイグニッションスイッチは、時刻t1から時刻t3にかけてオフである。時刻t3において、電池モジュール12が均等化モジュールであり、電池モジュール14が待機モジュールである。電池モジュール12において、電池セル122が基準セルであり、電池セル121及び123が放電対象セルである。電池セル123は、時刻t2において放電終了条件を満たすと判断されている。スイッチ422及び423がオフであり、スイッチ421がオンである。
電池モジュール12において、スイッチ421は、電池モジュール12の均等化開始からオンである。電池セル121のSOCは、時刻t1から時刻t3にかけて低下を続けている。
以下、図11及び図12を参照しながら、時刻t3に実行される均等化モジュール制御処理(ステップS192)を説明する。なお、図11に示す処理の詳細については説明済みであるため、図11に示す処理の説明を一部省略する。
モジュール決定部22は、電池モジュール12を選択する(ステップS301)。モジュール決定部22は、選択した電池モジュール12において、放電対象セルである電池セル121を選択する(ステップS302)。モジュール決定部22は、選択した電池セル121に対応するスイッチ421がオンであるかオフであるかを判断する(ステップS303)。
上述のように、スイッチ421がオンであるため(ステップS303でYes)、モジュール決定部22は、電池セル121が放電終了条件を満たすか否かを判断する(ステップS304)。
図12に示すように、電池セル121のSOCは、時刻t3において、電池セル122のSOCに基づいて決定されるセル均等化範囲内である。基準セルのSOCが一定であるため、セル均等化範囲は、時刻t2から時刻t3にかけて変化しない。モジュール決定部22は、電池セル121が放電終了条件を満たすと判断し(ステップS304においてYes)、電池セル121に対応するスイッチ421をオフする(ステップS305)。電池セル121の放電が終了するため、電池セル121のSOCは、電池モジュール12が電流供給を再開するまで、図12に示すセル均等化範囲内で一定である。
放電対象セルである電池セル123が未選択であるため(ステップS306でNo)、モジュール決定部22は、ステップS302に戻り、電池セル123を選択する。上述のように、電池セル123に対応するスイッチ423がオフであるため(ステップS303でNo)、モジュール決定部22は、電池セル123の放電が終了していると判断し、ステップS306に進む。
全放電対象セルが電池モジュール12において選択されたため(ステップS306でYes)、モジュール決定部22は、電池モジュール12が均等化の終了条件を満たしているか否かを判断する(ステップS307)。電池セル121及び123に対応するスイッチ421及び423がオフされたため、電池モジュール12は、均等化の終了条件を満たす(ステップS307でYes)。モジュール決定部22は、電池モジュール12を均等化モジュールから待機モジュールに変更する(ステップS308)。ステップS308において、スイッチ172及び421~423は、オフのままである。
モジュール決定部22は、全均等化モジュールを選択したと判断し(ステップS310でYes)、図11に示す処理を終了する。
このように、均等化装置2は、均等化モジュールにおいて、放電対象セルのSOCが基準セルのSOCを基準としたセル均等化範囲内である場合、この放電対象セルに対応するスイッチをオフする。均等化装置2は、放電対象セルに対応する全スイッチがオフされた場合、均等化モジュールの均等化が終了したと判断する。これにより、均等化装置2は、均等化モジュールにおけるセルSOCのばらつきを、一定の範囲内に調整することができる。
[3.5.2.待機モジュール制御処理(ステップS194)]
図10を参照して、均等化装置2は、組電池1が待機モジュールを含む場合(ステップS191においてYes)、待機モジュール制御処理(ステップS194)を実行して、接続条件を満たす待機モジュールを負荷3に接続する。
待機モジュールのSOCが供給モジュールのSOCのうち最小のSOCを基準に設定される再接続範囲内である場合、待機モジュールは接続条件を満たす。電池モジュールのSOCは、電池モジュールに含まれる電池セルのSOCの平均値である。
以下、図13~図16を参照しながら、均等化モジュールに決定された電池モジュール12と、待機モジュールに決定された電池モジュール14とが、負荷3に再接続されるまでの電池モジュールのSOCの変化について説明する。
図13は、時刻t1における電池モジュール11~14のSOCを示す図である。図14は、時刻t3における電池モジュール11~14のSOCを示す図である。図15は、時刻t4における電池モジュール11~14のSOCを示す図である。時刻t4は、時刻t3よりも後の時刻である。図16は、時刻t5における電池モジュール11~14のSOCを示す図である。時刻t5は、時刻t4よりも後の時刻である。
時刻t1において、電池モジュール11及び13が供給モジュールに決定される。電池モジュール12が均等化モジュールに決定され、電池モジュール14が待機モジュールに決定される。この結果、電池モジュール11~13のSOCは、時刻t1から減少する。電池モジュール11及び13は、負荷3に電流を供給し、電池モジュール12に含まれる放電対象セルが放電を開始するためである。図14を図13と比較すると、時刻t3における電池モジュール11~13のSOCが、時刻t3における電池モジュール11~13のSOCより低い。
図14を図13と比較すると、電池モジュール13のSOCが、時刻t1から時刻t3にかけて一定である。電池モジュール14は負荷3から電気的に切り離され、電池モジュール14に含まれる全スイッチがオフであるためである。
時刻t3において、電池モジュール12の均等化が終了するため、均等化装置2は、電池モジュール12及び14が接続条件を満たすか否かを判断する。電池モジュール11及び13のSOCのうち、電池モジュール11のSOCが最小である。均等化装置2は、時刻t3において、電池モジュール11のSOCに基づいて接続範囲を設定する。接続範囲は、電池モジュール11のSOCを基準にして±10%の範囲である。具体的には、接続範囲は、時刻t4において、75%以上95%以下である。電池モジュール12及び14の各々のSOCが接続範囲外であるため、電池モジュール12及び14は、接続条件を満たさない。従って、均等化装置2は、時刻t3において、電池モジュール12及び14を負荷3に接続しない。
図15を図14と比較すると、電池モジュール12及び14のSOCは、時刻t3から時刻t4にかけて一定である。電池モジュール11及び13が電流供給を継続するため、電池モジュール11及び13のSOCは、時刻t3から時刻t4にかけて減少する。
図15を参照して、均等化装置2は、時刻t4において、電池モジュール11のSOCに基づいて接続範囲を設定する。時刻t4における接続範囲は、55%以上75%以下である。電池モジュール12のSOCが接続範囲外であるため、電池モジュール12は、時刻t4において接続条件を満たさない。このため、電池モジュール12は、時刻t4において、待機モジュールとして維持される。電池モジュール14のSOCが接続範囲内であるため、電池モジュール14は接続条件を満たす。均等化装置2は、時刻t4において、電池モジュール14を負荷3に接続することにより、電池モジュール14を待機モジュールから供給モジュールに変更する。
図16を図15と比較すると、電池モジュール12のSOCは、時刻t3から時刻t4にかけて一定である。電池モジュール11、13及び14が電流供給を継続するため、電池モジュール11、13及び14のSOCは、時刻t4から時刻t5にかけて減少する。
図16を参照して、均等化装置2は、時刻t5において、電池モジュール14のSOCに基づいて接続範囲を設定する。接続範囲は、42.5%以上62.5%以下である。電池モジュール12のSOCが接続範囲内であるため、電池モジュール12は、時刻t5において接続条件を満たす。均等化装置2は、電池モジュール12を負荷3に接続する。この結果、時刻t5以降において、全対象モジュールが負荷3へ電流を供給する。
図17は、図10に示す待機モジュール制御処理(ステップS194)のフローチャートである。図15及び図17を参照しながら、時刻t4における均等化装置2の動作を例にして、待機モジュール制御処理(ステップS194)を詳しく説明する。
モジュール決定部22は、図5に示すステップS11で取得された全電池セルのSOCに基づいて、電池モジュール11~14の各々のSOCを算出する(ステップS401)。例えば、電池モジュール11のSOCは、電池モジュール11に含まれる電池セル111~113のSOCの平均である。
モジュール決定部22は、組電池1に含まれる待機モジュールを1つ選択する(ステップS402)。具体的には、モジュール決定部22は、待機モジュールである電池モジュール12及び14のうち、電池モジュール12を選択する。
モジュール決定部22は、選択された電池モジュール12が接続条件を満たすか否かを判断する(ステップS403)。具体的には、モジュール決定部22は、電池モジュール12のSOCが時刻t4における接続範囲内であるか否かを判断する。時刻t4における接続範囲は、55%以上75%以下である。
電池モジュール12のSOCは、時刻t4における接続範囲外であるため、モジュール決定部22は、電池モジュール12が接続条件を満たさないと判断する(ステップS403においてNo)。モジュール決定部22は、電池モジュール12を負荷3に接続しないことを決定する。
モジュール決定部22は、ステップS402において全待機モジュールを選択したか否かを判断する(ステップS406)。電池モジュール14が未選択であるため(ステップS406でNo)、モジュール決定部22は、ステップS401に戻り、電池モジュール14を選択する。
モジュール決定部22は、選択された電池モジュール14が接続条件を満たすか否かを判断する。電池モジュール14のSOCが時刻t4における接続範囲内であるため、モジュール決定部22は、電池モジュール14が接続条件を満たすと判断する(ステップS403においてYes)。
接続制御部23は、ステップS403におけるモジュール決定部22の判断を受けて、電池モジュール14を負荷3に接続する(ステップS404)。具体的には、接続制御部23は、オンを指示する接続信号234をスイッチ174に供給して、スイッチ174をオンする。これにより、電池モジュール14が負荷3に接続される。モジュール決定部22は、電池モジュール14を待機モジュールから供給モジュールに変更する(ステップS405)。
モジュール決定部22が、全待機モジュールを選択したため(ステップS405でYes)、均等化装置2は、図17に示す処理を終了する。なお、均等化装置2が時刻t5において待機モジュール制御処理(ステップS194)を実行することにより、電池モジュール12は、待機モジュールから供給モジュールに変更される。
このように、均等化装置2は、供給モジュールのSOCのうち最小のSOCを特定し、特定した最小のSOCと、待機モジュールのSOCとに基づいて、待機モジュールを負荷3に接続するか否かを判断する。図13と図16との比較から分かるように、均等化装置2は、負荷3への電流供給を継続しながら、対象モジュールのSOCのばらつきを小さくすることができる。対象モジュールのSOCのばらつきとは、対象モジュールのSOCのうち、最小のSOCと最大のSOCとの差分絶対値である。
[3.6.退避処理(ステップS13)]
図18は、図5に示す退避処理(ステップS13)のフローチャートである。以下、電池セル111のSOCが許可基準値よりも低い場合を例にして、退避処理(ステップS13)を詳しく説明する。電池モジュール11及び13が供給モジュールであり、電池モジュール12が均等化モジュールであり、電池モジュール14が待機モジュールであると仮定する。
モジュール決定部22は、均等化フラグが「1」であるか否かを判断する(ステップS131)。
電池モジュール12及び14が負荷3への電流供給を停止している。均等化フラグが「1」であるため(ステップS131においてYes)、均等化装置2は、電池モジュール12及び14を負荷3に接続する(ステップS132)。具体的には、均等化部24が、接続信号242を電池モジュール12に供給して、電池モジュール12に含まれる全スイッチをオフする。その後、接続制御部23が、接続信号232及び234をスイッチ172及び174に供給して、スイッチ172及び174をオンする。
ステップS132において、均等化装置2は、均等化モジュールが均等化の終了条件を満たすか否かに関係なく、均等化モジュールを強制的に負荷3に接続する。均等化装置2は、待機モジュールが接続条件を満たすか否かに関係なく、待機モジュールを強制的に負荷3に接続する。
均等化フラグが「0」である場合(ステップS131でNo)、組電池1に含まれる全電池モジュール11~14が負荷3に電流を供給している。この場合、均等化装置2は、ステップS132を実行することなく、ステップS133に進む。
モジュール決定部22は、許可基準値よりも低いSOCを有する電池セル111を特定する(ステップS133)。モジュール決定部22は、ステップS133で特定した電池セル111を含む電池モジュール11を、退避モジュールに決定する(ステップS134)。
接続制御部23は、負荷3と退避モジュールに決定された電池モジュール11との接続を解除する(ステップS135)。接続制御部23は、接続信号231をスイッチ171に供給することにより、スイッチ171をオフする。電池モジュール11は、負荷3から電気的に切り離されるため、電池セル111のSOCの低下が停止する。
モジュール決定部22は、退避モジュールに決定された電池モジュール11を除く電池モジュール12~14を対象モジュールに決定する(ステップS136)。モジュール決定部22は、均等化フラグを「0」に設定する。対象モジュールに決定された電池モジュール12~14が負荷3に電流を供給するためである。その後、均等化装置2は、図18に示す退避処理(ステップS13)を終了する。
モジュール決定部22は、ステップS13の後に実行されるモジュール決定処理(図5に示すステップS15)において、電池モジュール12~14の各々を均等化モジュール、待機モジュール及び供給モジュールのいずれかに決定する。このとき、候補モジュールの最大数は、1であるため、均等化モジュール及び待機モジュールの両者が同時に決定されることはない。
このように、均等化装置2は、許可基準値以下のSOCを検出した場合、許可基準値以下のSOCが検出された電池セルを含む電池モジュールを特定し、特定した電池モジュールを退避モジュールとして負荷3から電気的に切り離す。組電池1に含まれる電池セルのSOCが管理基準値よりも低くなることを防ぐことができるため、過放電が組電池1に含まれる一部の電池セルで発生することを未然に防ぐことができる。なお、退避モジュールに含まれる全電池セルのSOCが、組電池1の充電によって、許可基準値より高くなった場合、均等化装置2は、退避モジュールの指定を外せばよい。
以上説明したように、均等化装置2は、均等化モジュールを負荷3から電気的に切り離した後に、均等化モジュールに含まれるスイッチを制御して均等化モジュールの均等化を開始する。均等化装置2は、均等化モジュールの均等化中において、供給モジュールと負荷3との接続を維持することにより、供給モジュールに負荷への電流供給を継続させる。これにより、均等化装置2は、負荷3への電流供給と並行して、均等化電池モジュールに含まれる複数の電池セルを均等化することができる。
モジュール決定部22が、供給モジュールの数が均等化モジュールの数以上となるように、均等化モジュールを決定する理由について説明する。供給モジュールの数が均等化モジュールの数以上である場合、負荷3への電流供給に十分な数の供給モジュールを確保することができる。これにより、車両のイグニッションスイッチがオフである時に、負荷3へ安定的に電流を供給できる。
また、十分な数の供給モジュールを確保できるため、供給モジュールのSOCの低下速度を緩やかにすることができる。均等化モジュールの均等化中に、供給モジュールに含まれる電池セルのSOCが、許可基準値を下回る頻度が低下するため、均等化装置2は、均等化モジュールの均等化が中断されることを防ぐことができる。
上述のように、全電池セルのSOCが候補基準値より大きい電池モジュールを供給モジュールに決定し、少なくとも1つの電池セルのSOCが候補基準値以下である電池モジュールを均等化モジュール又は待機モジュールに決定する。つまり、供給モジュールにおけるセルSOCの最低値は、均等化モジュール及び待機モジュールの各々におけるセルSOCの最低値よりも低い。均等化装置2が、このように、候補基準値に基づいて、均等化モジュール、待機モジュール及び供給モジュールを決定する理由を説明する。ここで、均等化モジュール及び待機モジュールを総称して、「停止モジュール」と記載する。
供給モジュールのSOCを停止モジュールのSOCに近づける場合、供給モジュールのSOC又は停止モジュールのSOCの一方を調整する必要がある。しかし、負荷3への電流供給を継続しなければならないため、均等化装置2は、充電を用いて、電池モジュールのSOCを調整することができない。そこで、均等化装置2は、全電池セルのSOCが候補基準値よりも大きい電池モジュールを供給モジュールに決定し、少なくとも1つの電池セルのSOCが候補基準値以下である電池モジュールを停止モジュールに決定する。
これにより、供給モジュールが負荷3への電流供給を継続することにより、供給モジュールのSOCを停止モジュールに近づけることが可能となる。また、均等化装置2は、供給モジュールが負荷3に電流を供給させながら、供給モジュールのSOCを調整するため、供給モジュールに蓄積された電荷を有効に利用することができる。
上記実施形態において、組電池1が4つの電池モジュール11~14を備える例を説明したが、本発明はこれに限定されない。組電池1が備える電池モジュールの数は、2以上であればよい。
上記実施形態において、均等化装置2が、放電対象セルを放電させることで、均等化モジュールを均等化する例を説明したが、本発明は、これに限定されない。均等化装置2は、放電対象セルに蓄えられた電荷を基準セルに移すことにより、均等化モジュールを均等化してもよい。
上記実施形態において、モジュール決定部22は、一の電池モジュールに含まれる複数の電池セルのSOCの平均値をこの一の電池モジュールのSOCとして取得する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。モジュール決定部22は、一の電池モジュールに含まれる複数の電池セルのSOCの代表値をこの一の電池モジュールのSOCとして取得すればよい。代表値とは、例えば、中央値、最大値、最小値等の統計値である。
上記実施形態において、モジュール決定部22が、均等化モジュール以外の候補モジュールを待機モジュールに決定する例を説明したが、本発明は、これに限定されない。モジュール決定部22は、均等化モジュール以外の候補モジュールを供給モジュールに決定してもよい。この場合、均等化装置2は、均等化の終了条件を満たす均等化モジュールを待機モジュールに変更してもよいし、均等化の終了条件を満たす均等化モジュールを供給モジュールへ直接変更してもよい。
上記実施形態において、候補モジュールの最大数が、組電池1が備える電池モジュールの数の半数以下である例を説明したが、本発明は、これに限定されない。候補モジュールの最大数は、組電池1が備える電池モジュールの数の半数よりも多くてもよい。つまり、モジュール決定部22は、均等化条件を満たす電池モジュールを均等化モジュールに決定し、均等化モジュール以外の少なくとも1つの電池モジュールを供給モジュールに決定すればよい。
上記実施形態において、均等化条件が第1条件及び第2条件を含む例を説明したが、これに限定されない。均等化条件は、第1条件及び第2条件のいずれか一方であってもよいし、第1条件及び第2条件以外の条件を含んでいてもよい。あるいは、均等化条件は、第1条件及び第2条件と異なる条件であってもよい。例えば、均等化装置2は、組電池1に含まれる電池セルのSOCのうち最小のSOCを有する電池セルを特定し、特定した電池セルを含む電池モジュールを均等化モジュールに決定してもよい。
上記実施形態において、均等化の終了条件を満たす均等化モジュールを待機モジュールに変更する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、均等化装置2は、均等化モジュールの均等化を開始してから所定時間を経過した場合に、均等化モジュールの均等化を終了してもよい。つまり、均等化部24は、予め設定された均等化の終了条件が満たされた場合に、均等化モジュールの均等化を終了すればよい。
上記実施形態では、接続条件を満たす待機モジュールを供給モジュールに変更する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、均等化装置2は、待機モジュールが負荷3と電気的に切り離されてから所定の時間を経過した場合に、待機モジュールを供給モジュールに変更してもよい。言い換えれば、接続条件は、電池モジュールが待機モジュールに変更された時刻から所定の時間を経過することである。つまり、均等化装置2は、予め設定された接続条件を満たす待機モジュールを供給モジュールに変更すればよい。
上記実施形態では、電池モジュールが、許可基準値よりも低いSOCを有する電池セルを含む場合、この電池モジュールを退避モジュールに決定する例を説明したが、本発明は、これに限定されない。均等化装置2は、退避モジュールを決定しなくてもよい。この場合、均等化装置2は、許可基準値よりも低いセルSOCを有する電池セルを検出することをトリガとして、全ての電池モジュールを負荷3に強制的に接続する。
また、上記実施形態において、均等化装置2は、LSI(Large Scale Integration)などの半導体装置により個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全部を含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
また、均等化装置2により実行される処理の一部または全部は、プログラムにより実現されてもよい。そして、上記各実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。また、それぞれの処理を実行するためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの不揮発性記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
また、上記実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。
例えば、均等化装置2を、ソフトウェアにより実現する場合、図19に示したハードウェア構成(例えば、CPU、ROM、RAM、入力部、出力部等をバスBusにより接続したハードウェア構成)を用いて、各機能部をソフトウェア処理により実現するようにしてもよい。
また、上記実施形態における処理方法の実行順序は、上記実施形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で実行順序を入れ替えてもよい。
前述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、大容量DVD、次世代DVD、半導体メモリを挙げることができる。
1:組電池
11~14:電池モジュール
111~113、121~123、131~133、141~143:電池セル
171~174、421~423:スイッチ
2:均等化装置
21:残容量取得部
22:モジュール決定部
23:接続制御部
24:均等化部
3:負荷
321~323:抵抗

Claims (4)

  1. 残容量が基準値以下の電池セルを含む待機モジュールと、複数の電池セル間の残容量のばらつきが閾値範囲外であって均等化処理が必要な均等化モジュールと、負荷に給電を行う供給モジュールとに区分される複数の電池モジュールと、前記複数の電池モジュールを制御する制御部を備え
    前記制御部は、
    前記供給モジュールと前記負荷との接続を維持し、かつ、前記均等化モジュールを前記負荷と接続を解除した状態で前記均等化処理を実施して前記均等化モジュールを前記待機モジュールに遷移させ、
    前記待機モジュールの残容量が、前記供給モジュールの最小残容量に基づく閾値範囲内となると、前記閾値範囲内になった待機モジュールを前記供給モジュールに遷移させ、前記負荷に接続する
    均等化装置。
  2. 前記均等化モジュールに含まれる電池セルの残容量の最低値は、前記供給モジュールに含まれる電池セルの残容量の最低値よりも小さい、
    請求項1に記載の均等化装置。
  3. 前記制御部によって決定された前記供給モジュールの数は、前記制御部によって決定された前記均等化モジュールの数以上である、
    請求項1~2の何れか1つに記載の均等化装置。
  4. 残容量が基準値以下の電池セルを含む待機モジュールと、複数の電池セル間の残容量のばらつきが閾値範囲外であって均等化処理が必要な均等化モジュールと、負荷に給電する供給モジュールとに区分される複数の電池モジュールと、前記複数の電池モジュールを制御する制御部が行う均等化方法であって、
    前記供給モジュールと前記負荷との接続を維持し、かつ、前記均等化モジュールを前記負荷と接続を解除した状態で前記均等化処理を実施して前記均等化モジュールを前記待機モジュールに遷移させ、
    前記待機モジュールの残容量が、前記供給モジュールの最小残容量に基づく閾値範囲内となると、前記閾値範囲内になった待機モジュールを前記供給モジュールに遷移させ、前記負荷に接続する
    均等化方法。
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