JP7399996B2 - メタ-ヨードベンジルグアニジン及びその前駆体の調製物 - Google Patents

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Description

特定の放射標識ハロ芳香族化合物が、核医学において有用であることが判っている。
本出願人らは、以下の式(I)の単量体を含むスタニル化ポリマーは、(例えば、オンタリオ大学のDuncan Hunter及びXizhen Zhuに対する米国特許第7,658,910号、以下「大学特許」、に記載されるような)利用可能な方法に従って調製される場合には、一般に、相当な濃度(例えば、>150ppm~>1,000ppm)の浸出性スズを含有する副生成物によって汚染されることを見出している。本明細書中の例7~9を参照されたい。
大学特許の方法に従って調製された式(I)の単量体を含む上記汚染されたポリマーは、放射性同位体ヨウ化物などのヨウ化物によって処理すると、許容できない濃度の浸出性スズを含有した副生成物を有する、放射標識された、メタ-ヨードベンジルグアニジンまたはMIBGとしても知られるイオベングアンを生成し得る。
本出願人らはこの問題を認識しており、理論に拘束されるものではないが、この問題のある原因を特定している。本開示は、かかる原因に対処し、それによって新規且つ所望の組成物ならびにスタニル化ポリマー及び/またはMIBGなどの放射標識ハロ芳香族化合物の調製及び使用に関する技術を提供する、有用な解決法を説明する。
例えば、本明細書に記載されるように、本出願人らは、大学特許に記載される方法と比較して改良された、式(I)の単量体を含むポリマーの調製方法を開発しており、該方法は、式(I)の単量体を含むポリマー中の浸出性スズを含有する副生成物の当初濃度を最小化する。
また、本出願人らは、大学特許に記載される方法と比較して改良された、式(I)の単
量体を含むポリマーの精製方法を開発しており、該方法は、式(I)の単量体を含む精製されたポリマー中の浸出性スズを含有する副生成物の濃度を最小化する。
加えて、本出願人らは、式(I)の単量体を含むポリマーが、驚くべきことに水分、O及び/または周囲温度及び高温に敏感であることを見出した。実際に、本出願人らは、水分、Oの存在下で、及び/または周囲温度及び高温において、上記ポリマーが徐々に且つ連続的に分解し、そのようにして浸出性スズを含有するフラグメントの濃度が上昇していくことを見出した。本明細書の例8を参照されたい。
本明細書に記載されるように、本出願人らは、例えば、式(I)の単量体を含む精製されたポリマー中における浸出性スズを含有する副生成物の生成及び/または存在を最小にする、窒素などの不活性ガス下、任意選択で低温(例えば-20℃)にて、式(I)の単量体を含むポリマーを保存する方法を始めとする、様々な改良した技術を開発している。
したがって、いくつかの態様において、ポリマーの調製物であって、上記ポリマーが式(I):
の単量体またはその薬学的に許容される塩を含み、該調製物中に存在する浸出性スズの濃度が約0ppm~約150ppmの範囲内である上記調製物が提供される。
いくつかの態様において、本開示は式(I)の単量体を含むポリマーの開示される調製物を含むキットを提供する。
いくつかの態様において、本開示は、式(I)の単量体を含むポリマーの開示される調製物に、ヨウ素もしくはヨウ化物塩を接触させることによって生成するMIBGまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
いくつかの態様において、本開示は精製されたポリマー組成物の提供方法または調製方法を提供する。
いくつかの態様において、本明細書に記載の開示されるポリマー調製物に、ヨウ化物塩を接触させることを含む、メタ-ヨードベンジルグアニジン(MIBG)またはその薬学的に許容される塩の調製方法が提供される。
本開示は、とりわけ、本明細書に記載のポリマーを含む調製物の製造、精製、保存及び/または分析のための様々な技術を提供する。
いくつかの実施形態において、本開示は、大学特許に記載されるものなどの先行の方法論に由来し得る調製物と比較して、(1種もしくは複数種の汚染物質または望ましからざる構造の濃度の低下などの)1種または複数種の望ましい特性を再現可能に示すポリマー
調製物、及びそれらを提供するための技術を提供する。
いくつかの実施形態において、本開示は、関連するポリマー調製物及び/または放射標識ハロ芳香族化合物の合成、精製、及び/または保存のための先行技術の1または複数の態様に関する問題の原因を特定する。
いくつかの実施形態において、本開示は、式(I)の単量体を含むポリマーの調製物を製造、精製及び/または保存するために用いられる、1または複数の先行の合成方法論において用いられる反応ステップ及び/または精製及び保存プロトコルに対する改良を提供する。
いくつかの態様において、
(a)メタ-ヨードベンジルグアニジン(MIBG):
またはその薬学的に許容される塩であって、式(I):
の単量体もしくはその薬学的に許容される塩を含むポリマーの調製物であり、含まれる浸出性スズの濃度が0ppm~150ppmである、式(I)の単量体を含む上記ポリマーの上記調製物に、ヨウ化物塩を接触させることによって生成する上記MIBGまたは上記その塩と、
(b)薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルと
を含む医薬組成物を、対象に投与することを含む方法が提供される。
上記方法のいくつかの実施形態において、上記医薬組成物が投与時に含む浸出性スズの濃度は0ppm~150ppmである。
米国特許第7,658,910号に記載される方法に従って製造された式(I)の単量体を含むポリマーに関する、典型的な二峰性粒径分布を示す図である。粒径は公知の湿式分散レーザー回折法に基づいて測定した。上記二峰性粒径分布の平均径は32.64μmであることが判った。 例1~6などの本明細書に記載の方法に従って製造された式(I)の単量体を含むポリマーの典型的な粒径分布を示す図である。粒径は公知の湿式分散レーザー回折法に基づいて測定した。Dv10、Dv50及びDv90の平均の試験結果を以下の表に示す。
放射標識ハロ芳香族化合物
特定の放射標識ハロ芳香族化合物が、核医学において有用であることが判っている。例えば、MIBGは診断薬または治療薬として使用するために、ヨウ素で放射標識することができる。特に、放射標識MIBGはMIBGスキャンと呼ばれるシンチグラフィー法で用いられる。異なる用途に対して異なるヨウ素放射性同位体を用いてMIBGを標識する。例えば、ヨウ素-123(例えば、AdreView(登録商標)イオベングアンI-
123)は、一般的に画像診断目的(例えば、心臓または腫瘍の画像診断用)に用いられ、ヨウ素-131(例えば、Azedra(登録商標)イオベングアンI-131)はよ
り長寿命で且つより高い放射強度を与え、一般的には治療用途(例えば、腫瘍の治療におけるような、組織破壊が所望される場合)に用いられるが、造影剤として用いることもできる。イオベングアンはアドレナリン作動性組織に局在化し、したがって、例えば、褐色細胞腫、傍神経節腫、神経芽細胞腫及び/または他の神経内分泌腫瘍などの腫瘍を標的とするために用いることができる。
同位体標識MIBGを非放射性の非放射性MIBGに対して相対的に高収率で生成させることが望ましい。とりわけ、MIBGの注入による患者の治療に際しては、非放射性の非放射性「担体」MIBG分子が存在すると、放射標識MIBGの取込みが阻害され、その結果、例えば、腫瘍の照射が低下し及び/または心臓血管への副作用の危険性が増大する場合があることが認知されている。したがって、非放射性MIBGに対して相対的に高濃度の放射標識MIBGの投与は、少なくとも2の重要な利点を提供する。すなわち、腫瘍によるより多くの取込み及び、例えば、MIBG注入中の多くの場合に発生し得る、高血圧、悪心または嘔吐などの副作用の頻度または重篤度の低減などの、薬理学的毒性の低減である。
MIBGの注入
同位体標識イオベングアンを高収率で生成させるための努力により、放射性ヨウ化物と容易に交換するために十分な反応性を有する有機スズ前駆体を使用するに至った。例えば、米国特許第5,565,185号は、以下のスキーム1に示す式(II)の低分子トリアルキルアリールスズ前駆体のヨード脱スタニル化(iododestannylation)によるMIBGの放射標識化プロセスを開示する。しかしながら、このプロセスは、スズを含有する副生成物が生成し、これらが放射標識MIBGと共に溶液中に浸出するために非実用的である。これらの有毒なスズ含有汚染物質は放射標識MIBGから分離することが困難である。
浸出性有機スズ化合物は毒性が強い。トリブチルスズ含有化合物(例えば、水素化トリブチルスズまたはトリブチルオキシド)はかつて、海洋船舶の効率を改善するための海洋の抗生物付着剤として広く使用されていたが、これらの化合物の毒性に対する懸念により、国際海事機関による全世界的な禁止に至っている。いくつかの報告は、リットル当たり1ナノグラムという低濃度における海洋生物への負の生物学的影響を記述している。Gajda, M. and Jancso, A. (2010) “Organotins, formation, use, speciation and toxicology” Metal Ions in Life Sciences vol. 7, pp. 111-152 (Eds. A. Sigel, H. Sigel, R.K.O. Sigel), RSC Publishing Thomas Graham Hauseを参照されたい。
米国特許第7,658,910号はこの問題に対する解決策、特に式(I)の単量体を含む上記のスタニル化ポリマー、及び単量体(I)を含む上記ポリマーからのMIBGのヨード脱スタニル化によるMIBGの放射標識化プロセスを記術する。原理的には、単量体(I)を含む上記ポリマー前駆体のヨード脱スタニル化によって放射標識MIBGが溶液中に放出される一方、有毒なスズ含有副生成物は不溶性ポリマーに結合したままである。本開示は、実際には浸出性スズを含有する副生成物が上記ポリマーと共に副生し、放射標識MIBGの調製物中に望ましからざる濃度で残り得るとの洞察を包含する。本発明は、実質的に汚染物質を含まない、式(I)の単量体を含むスタニル化ポリマー、及びMIBG治療薬(例えば、放射標識MIBG、特に、I-123または、特定の実施形態にお
いてはI-131などの放射性ヨウ素で標識されたMIBG)の改良された調製物が必要
とされているとの洞察を提供する。
ポリマー調製物
議論したように、本出願人らは、例えば大学特許に記載されるものを始めとする先行技術に従って製造される式(I)の単量体を含むポリマーの調製物は、一般に許容できない濃度の浸出性スズで汚染されていること、更には、かかる濃度は一般的に経時的に増加することを見出した。本明細書に記載されるように、本出願人らは、大学特許に記載される反応の一部を改変し、更に、式(I)の単量体を含むポリマーの調製物中の浸出性スズの濃度を効果的に低減し、且つ得られるMIBG治療薬及び該治療薬を含む医薬組成物中の浸出性スズの濃度を効果的に低減する精製プロトコル及び保存条件を開発した。
いくつかの態様において、式(I):
の単量体またはその薬学的に許容される塩を含むポリマーの調製物が提供される。
本明細書では、用語「薬学的に許容される塩」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等なしにヒト及び下等動物の組織に接触させて用いることに適した塩をいい、合理的な利益/危険性比に見合うものである。薬学的に許容される塩は当技術分野において周知である。例えば、S. M. Bergeらは、参照によって本明細書に援用されるJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19に、薬学的に許容される塩を詳細に記述する。本発明の化合
物の薬学的に許容される塩としては、適切な無機及び有機の酸ならびに塩基に由来するものが挙げられる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸などの無機酸を用いて、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸を用いて、あるいはイオン交換などの当技術分野で用いられる他の方法を用いることによって生成させたアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のポリマーの調製物は、1種または複数種の塩の形態、特には、薬学的に許容される塩の形態(例えば、アミノ基の薬学的に許容される塩を含む)の単量体を含む。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される塩は塩酸(HCl)塩であり、式(Ia)の単量体を含むポリマーを与える。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される塩は酢酸(HOAc)塩であり、式(Ib)の単量体を含むポリマーを与える。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のポリマーは、少なくとも一部において、式(III):
に示すホモポリマーセグメントを含み、式中、nは2~1,000,000である。いくつかの実施形態において、nは100~100,000である。いくつかの実施形態において、nは500~100,000である。いくつかの実施形態において、nは500~50,000である。いくつかの実施形態において、nは500~10,000である。いくつかの実施形態において、nは500~1,000である。いくつかの実施形態において、nは100~500である。いくつかの実施形態において、nは2~100である。いくつかの実施形態において、ポリマーは架橋されている。
浸出性スズの濃度の低減
本明細書で提供される技術は、浸出性スズの濃度が低いポリマー調製物の調製及び/または維持を可能にする。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、例えば、大学特許に記載されるものを始めとする従来技術を用いて確実に得られる組成物と比較して、低い浸出性スズの濃度を有する。
本明細書では、用語「浸出性スズ」、「浸出性スズを含有する副生成物」及び「スズ含有フラグメント」は同義で用いられ、水(例えば、水溶液)または有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ヘキサン、アセトン、トルエンもしくはアセトニトリル)に可溶な、またはこれらと混和性のスズ塩あるいはスズ含有化合物をいう。例えば、本明細書で言及される浸出性スズ成分としては、水及び/または有機溶媒による処理または洗浄の際にポリマーから洗い流される、式(I)の単量体を含むポリマー由来のスズ含有フラグメントを挙げることができる。式(I)の単量体を含むポリマーのいくつかの実施形態において、浸出性スズを含有する副生成物は2,000ダルトン未満の分子量を有する。いくつかの実施形態において、浸出性スズを含有する副生成物は1,000ダルトン未満の分子量を有する。いくつかの実
施形態において、浸出性スズを含有する副生成物は500ダルトン未満の分子量を有する。いくつかの実施形態において、浸出性スズを含有する副生成物の少なくとも一部はジ-ブチル-スズを含有する置換基を含む。
いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約0ppm~約850ppmの範囲内である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約850ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約800ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約750ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約700ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約650ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約600ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約550ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約500ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約450ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約400ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約350ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約300ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約250ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約200ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約150ppm未満である。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は約0ppm~約150ppmの範囲内である。いくつかの実施形態において、式(I)の単量体を含むポリマーを含む調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~140ppmである。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~130ppmである。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~120ppmである。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~110ppmである。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~100ppmである。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~90ppmである。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~80ppmである。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~70ppmである。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~60ppmである。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~50ppmである。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~40ppmである。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~30ppmである。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~20ppmである。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~10ppmである。
本出願人らは、式(I)の単量体を含むポリマー中の浸出性スズの濃度が、経時的に及び/または水分、温度及びOの1もしくは複数への曝露に際して増加し得ることを見出した。いくつかの実施形態において、低い浸出性スズの濃度を有する本明細書に記載の提供されるポリマー調製物は、適当な保存条件下で、該調製物の低い浸出性スズの濃度を長期間維持する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の提供されるポリマー調製物には、経時的な浸出性スズの濃度の上昇が生じるが、公知のポリマー調製物(例えば、
米国特許第7,658,910号のもの)が経時的に浸出性スズの濃度を生じるよりも、有意により生じ難い及び/またはより低い速度で生じる。
いくつかの特定の実施形態において、提供されるポリマー調製物は、-20℃で保存される場合には低いスズの濃度を維持し、いくつかのかかる実施形態において、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、またはそれを越える期間、上記低いスズの濃度は約850ppm未満、約800ppm未満、約750ppm未満、約700ppm未満、約650ppm未満、約600ppm未満、約550ppm未満、約500ppm未満、約450ppm未満、約400ppm未満、約350ppm未満、約300ppm未満、約250ppm未満、約200ppm未満、150ppm未満、約100ppm未満、約90ppm未満、約80ppm未満、約70ppm未満、約60ppm未満、約50ppm未満、約40ppm未満、約30未満、約20ppm未満、及び/または約10ppm未満の濃度である。
いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、約40℃、20℃、0℃、-10℃または-20℃において、少なくとも6ヶ月間、約850ppm未満、約800ppm未満、約750ppm未満、約700ppm未満、約650ppm未満、約600ppm未満、約550ppm未満、約500ppm未満、約450ppm未満、約400ppm未満、約350ppm未満、約300ppm未満、約250ppm未満、約200ppm未満、約150ppm未満、約140ppm未満、約130ppm未満、約120ppm未満、約110ppm未満、約100ppm未満、約90ppm未満、約80ppm未満、約70ppm未満、約60ppm未満、約50ppm未満、約40ppm未満、約30ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満であるか、またはそれよりも低い。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、Nなどの不活性ガス下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約1ヶ月~約6ヶ月間、または約6ヶ月間保存される。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、相対湿度が1%~25%、25%~50%、50%~75%、75%~90%、またはそれを越える空気下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約1ヶ月~約6ヶ月間、または約6ヶ月間保存される。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、相対湿度が約60%である空気下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約1ヶ月~約6ヶ月間、または約6ヶ月間保存される。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、相対湿度が約75%である空気下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約1ヶ月~約6ヶ月間、または約6ヶ月間保存される。
いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、約40℃、20℃、0℃、-10℃または-20℃において、少なくとも1年間、約850ppm未満、約800ppm未満、約750ppm未満、約700ppm未満、約650ppm未満、約600ppm未満、約550ppm未満、約500ppm未満、約450ppm未満、約400ppm未満、約350ppm未満、約300ppm未満、約250ppm未満、約200ppm未満、約150ppm未満、約140ppm未満、約130ppm未満、約120ppm未満、約110ppm未満、約100ppm未満、約90ppm未満、約80ppm未満、約70ppm未満、約60ppm未満、約50ppm未満、約40ppm未満、約30ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満であるか、またはそれよりも低い。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、Nなどの不活性ガス下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約6ヶ月~約1年間、または約1年間保存される。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、相対湿度が1%~25%、25%~50%、50%~75%、75%~90%、またはそれを越える空気下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約6ヶ月~約1年間、または約1年間保存される。いくつかの
実施形態において、提供されるポリマー調製物は、相対湿度が約60%である空気下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約6ヶ月~約1年間、または約1年間保存される。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、相対湿度が約75%である空気下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約6ヶ月~約1年間、または約1年間保存される。
いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、約40℃、20℃、0℃、-10℃または-20℃において、少なくとも2年間、約850ppm未満、約800ppm未満、約750ppm未満、約700ppm未満、約650ppm未満、約600ppm未満、約550ppm未満、約500ppm未満、約450ppm未満、約400ppm未満、約350ppm未満、約300ppm未満、約250ppm未満、約200ppm未満、約150ppm未満、約140ppm未満、約130ppm未満、約120ppm未満、約110ppm未満、約100ppm未満、約90ppm未満、約80ppm未満、約70ppm未満、約60ppm未満、約50ppm未満、約40ppm未満、約30ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満であるか、またはそれよりも低い。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、Nなどの不活性ガス下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約1年~約2年間、または約2年間保存される。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、相対湿度が1%~25%、25%~50%、50%~75%、75%~90%、またはそれを越える空気下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約1年~約2年間、または約2年間保存される。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、相対湿度が約60%である空気下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約1年~約2年間、または約2年間保存される。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、相対湿度が約75%である空気下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約1年~約2年間、または約2年間保存される。
いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、約40℃、20℃、0℃、-10℃または-20℃において、少なくとも3年間、約850ppm未満、約800ppm未満、約750ppm未満、約700ppm未満、約650ppm未満、約600ppm未満、約550ppm未満、約500ppm未満、約450ppm未満、約400ppm未満、約350ppm未満、約300ppm未満、約250ppm未満、約200ppm未満、約150ppm未満、約140ppm未満、約130ppm未満、約120ppm未満、約110ppm未満、約100ppm未満、約90ppm未満、約80ppm未満、約70ppm未満、約60ppm未満、約50ppm未満、約40ppm未満、約30ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満であるか、またはそれよりも低い。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、Nなどの不活性ガス下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約2年~約3年間、または約3年間保存される。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、相対湿度が1%~25%、25%~50%、50%~75%、75%~90%、またはそれを越える空気下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約2年~約3年間、または約3年間保存される。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、相対湿度が約60%である空気下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約2年~約3年間、または約3年間保存される。いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は、相対湿度が約75%である空気下で、上記の温度のいずれか1または任意の2の間の温度で約2年~約3年間、または約3年間保存される。
不活性雰囲気
本出願人らは、式(I)の単量体を含むポリマー及び/またはスズを含有するその合成
前駆体を空気及び/またはOに暴露することで、該ポリマー由来のスズ含有フラグメントが分解し、ポリマー調製物中の浸出性スズの濃度が上昇し得ることを見出している。この知見により、特定の先行の調製技術に関する問題の原因の特定が実現する。
この知見に照らして、本出願人らは、不活性雰囲気条件下に本明細書に記載のポリマー調製物を維持することで、一定の望ましく且つ有益な利点を提供することができることを認識した。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、不活性ガス下に維持された(例えば、不活性ガス下の容器に封入された)ポリマー調製物を提供する。いくつかの実施形態において、上記不活性ガスは窒素である。いくつかの実施形態において、上記不活性ガスはアルゴンである。
水分の低減
本出願人らは更に、式(I)の単量体を含むポリマー、及び/またはスズを含有するその合成前駆体を水分に暴露することで、該ポリマー由来のスズ含有フラグメントが分解し、ポリマー調製物中の浸出性スズの濃度が上昇し得ることを見出している。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、含有する水が、例えば当該調製物中のポリマーの重量%に対して、2.0重量%未満であるポリマー調製物を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、含有する水が、例えば当該調製物中のポリマーの重量%に対して、1.5重量%未満、約1.4重量%未満、約1.3重量%未満、約1.2重量%未満、約1.1重量%未満、約1.0重量%未満、約0.9重量%未満、約0.8重量%未満、約0.7重量%未満、約0.6重量%未満、約0.5重量%未満、約0.4重量%未満、約0.3重量%未満、約0.2重量%未満、または約0.1重量%未満、もしくは約0.05重量%未満であるポリマー調製物を提供する。
溶媒不含有
本出願人らはまた、式(I)の単量体を含む上記ポリマー、及びスズを含有するその前駆体を有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ヘキサン、アセトン、トルエンまたはアセトニトリル)に暴露することで、該ポリマー由来のスズ含有フラグメントが分解し、浸出性スズの濃度が上昇し得ることも見出している。いくつかの実施形態において、式(I)の単量体を含む上記ポリマーを含む上記調製物の含有する有機溶媒は、例えば当該調製物中のポリマーの重量%に対して、約0.5重量%未満である。いくつかの実施形態において、上記調製物が含む有機溶媒は、例えば当該調製物中のポリマーの重量%に対して、約0.4重量%未満、約0.3重量%未満、約0.2重量%未満、約0.1重量%未満である。
純粋な及び/または安定なポリマー
本開示において提供される洞察及び技術によって、実質的に純粋なポリマー調製物の製造及び/または維持が可能になり、従って、実質的に純粋なポリマー調製物が提供される。
例えば、いくつかの実施形態において、本発明は、式(I)の単量体、またはそれらの塩を含むポリマーの実質的に純粋な調製物を提供する。いくつかの実施形態において、純粋な調製物とは、該調製物中の単量体の少なくとも90重量%が、式(I)の構造またはその塩を有するとの点で特徴付けられる。いくつかの実施形態において、上記調製物中の単量体の少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、少なくとも99.5重量%またはそれを越える量が、式(I)の構造またはその塩を有する。
いくつかの実施形態において、本開示は、選択された条件下で指定された期間にわたって、式(I)の構造を有する単量体またはその塩のパーセンテージが上記に指定された濃
度を上回った状態を維持するとの点で、長期間安定な純粋なポリマー調製物を提供する。
いくつかの実施形態において、上記調製物は、-20℃において少なくとも6ヶ月間、少なくとも95重量%の、式(I)の単量体、またはその塩を含むポリマーを含む。いくつかの実施形態において、上記調製物は、-20℃において少なくとも1年間、少なくとも95重量%の、式(I)の単量体、またはその塩を含むポリマーを含む。いくつかの実施形態において、上記調製物は、-20℃において少なくとも2年間、少なくとも95重量%の、式(I)の単量体、またはその塩を含むポリマーを含む。いくつかの実施形態において、上記調製物は、-20℃において少なくとも3年間、少なくとも95重量%の、式(I)の単量体、またはその塩を含むポリマーを含む。
他の関連する実施形態において、上記調製物は、-20℃において少なくとも6ヶ月間、少なくとも98重量%の、式(I)の単量体、またはその塩を含むポリマーを含む。いくつかの実施形態において、上記調製物は、-20℃において少なくとも1年間、少なくとも98重量%の、式(I)の単量体、またはその塩を含むポリマーを含む。いくつかの実施形態において、上記調製物は、-20℃において少なくとも2年間、少なくとも98重量%の、式(I)の単量体、またはその塩を含むポリマーを含む。いくつかの実施形態において、上記調製物は、-20℃において少なくとも3年間、少なくとも98重量%の、式(I)の単量体、またはその塩を含むポリマーを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるポリマー調製物(例えば、純粋なポリマー調製物)は、単量体式(I)を含む意図しない副生成物ポリマーを実質的に含まない。いくつかの特定の実施形態において、かかる提供されるポリマー調製物は、式(IV)及び/または(V):
の単量体またはそれらの薬学的に許容される塩、及び/またはそれらを含むポリマーを実質的に含まない。
いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物が含有する式(IV)の単量体、式(V)の単量体、もしくはそれらの両方、またはそれらの薬学的に許容される塩の濃度は、それらの約最大濃度未満である。いくつかの実施形態において、上記最大濃度は約0.5重量%である。すなわち、いくつかの実施形態において、本発明は、その中に存在する式(IV)の構造を有する単量体、またはそれらの薬学的に許容される塩の濃度が、該ポリマー中の式(I)の構造を有する単量体の重量%に対して、約0.5重量%未満であるポリマー調製物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、その中に存在する式(V)の構造を有する単量体、またはそれらの薬学的に許容される塩の濃度が、該ポリマー中の式(I)の構造を有する単量体の重量%に対して、約0.5重量%未満であるポリマー調製物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、その中に存在する式(IV)もしくは式(V)の構造を有する単量体、またはそれらの薬学的に許容される塩の濃度が、該ポリマー中の式(I)の構造を有する単量体の重量%に対して、約0
.5重量%未満であるポリマー調製物を提供する。いくつかの実施形態において、上記最大濃度は、約0.4%、0.3%、0.2%、0.1%であるかまたはそれよりも低い。
いくつかの実施形態において、本発明は、式(I)の単量体を含むポリマー調製物であって、上記ポリマー中の上記単量体の少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%またはそれを越える量が式(I)の単量体である、上記調製物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、式(I)の単量体を含むポリマー調製物であって、式(IV)または式(V)の単量体が、上記ポリマー中の単量体の0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、0.1%以下であるかまたはそれよりも少ない、上記調製物を提供する。
キット
本明細書に記載のように、本出願人らは、式(I)の単量体を含むポリマー、及び/またはスズを含有するその合成前駆体を空気、O、水分、有機溶媒及び/または周囲温度もしくは高温に暴露することで、該ポリマー由来のスズ含有フラグメントが分解し、ポリマー調製物中の浸出性スズの濃度が上昇し得ることを見出している。とりわけ、本出願人らは、かかる分解を最小限に抑える条件下でポリマー調製物を維持するための戦略を開発した。
例えば、いくつかの実施形態において、本発明は、ポリマー調製物を、該調製物の製造から、該調製物がMIBGを調製するために用いられる及び/またはMIBGに転化されるまでの一部または全ての時間の間、不活性ガス下で保存するための技術を提供する。したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、式(I):
の構造を有する単量体またはその薬学的に許容される塩を含むポリマーの調製物であって、該調製物中のポリマーはnの単量体を含み、浸出性スズの濃度が約0ppm~約150ppmの間である低い濃度であり、該ポリマー調製物を不活性ガス下で収納する1または複数の容器を更に備えるキット中で提供される、上記調製物を提供する。
いくつかの実施形態において、提供されるキットは本明細書に記載のポリマー調製物のいずれかを含むことができる。
いくつかの実施形態において、上記薬学的に許容される塩は、塩酸(HCl)塩である。他の実施形態において、上記薬学的に許容される塩は酢酸(HOAc)塩である。
いくつかの実施形態において、提供されるキット中に備えられる容器はポリマー調製物を窒素下で収納する。いくつかの実施形態において、提供されるキット中に備えられる容器はポリマー調製物をアルゴン下で収納する。
いくつかの実施形態において、提供されるキットに備えられる容器はガラスバイアルである。いくつかの実施形態において、上記ガラスバイアルはI型ホウケイ酸ガラスまたは
III型ソーダ石灰ガラス製である。いくつかの実施形態において、上記ガラスバイアルは緑色または褐色などに着色されている。いくつかの実施形態において、上記ガラスバイアルは、約0.1mL~1.0mL、1.0mL~2.0mL、2.0mL~5.0mL、5.0mL~10.0mL、10.0mL~20.0mL、20.0mL~30.0mL、20.0mL~40.0mL、40.0mL~50.0mL、またはそれを越える容積を有する。いくつかの実施形態において、上記ガラスバイアルは約2.0mLの容積を有する。いくつかの実施形態において、上記ガラスバイアルは約10~50mmの高さを有する。いくつかの実施形態において、上記ガラスバイアルは約30~40mmの高さを有する。いくつかの実施形態において、上記ガラスバイアルは、約35mmの高さを有していてもよい。いくつかの実施形態において、上記ガラスバイアルは約5~10mmの内径を有する。いくつかの実施形態において、上記ガラスバイアルは約7~8mmの内径有する。いくつかの実施形態において、上記ガラスバイアルは、5~25mmの外径を有する。いくつかの実施形態において、上記ガラスバイアルは約10~20mmの外径を有する。いくつかの実施形態において、上記ガラスバイアルは約12~13mmの外径を有する。いくつかの実施形態において、上記ガラスバイアルは約16mmの外径を有する。
いくつかの実施形態において、提供されるキットに備えられる容器はガラスバイアルであって、該バイアルを密封し、密封した該バイアルの内部から窒素などの不活性ガスが漏れることを実質的に防止する、高分子材またはゴム(例えば合成ゴム)の栓または閉止具を有する上記バイアルである。いくつかの実施形態において、上記高分子材の栓は合成ゴム製である。いくつかの実施形態において、上記高分子材の栓はブロモブチルポリマー製である。いくつかの実施形態において、ブロモブチル製の栓などの上記高分子材の栓はフッ素化ポリマーコーティングによって被覆され、該コーティングは例えば噴霧乾燥コーティングプロセスによって上記栓に塗布され、該被覆された栓を実質的に化学的に不活性にする。
いくつかの実施形態において、提供されるキットに備えられるガラスバイアルなどの上記容器は、密封した該バイアルの内部から窒素などの不活性ガスが漏れることを実質的に防止するゴム製セプタムで密封される。いくつかの実施形態において、提供されるキットに備えられる容器は、容積が約2.0mL、高さが約35mm、外径が約12~16mmの間の、I型ホウケイ酸ガラス製の褐色ガラスバイアルである。いくつかの実施形態において、上述の褐色ガラスバイアルはブロモブチルポリマー製の高分子材の栓で密封され、但し、該栓はフッ素化ポリマーコーティングによって被覆され、該コーティングの厚さは約10μm~約20μmである。いくつかの実施形態において、上記ゴム製セプタムはアルミニウム製密閉具によりガラスバイアルに固定される。
いくつかの実施形態において、提供されるキット及び/または該キット中に備えられる容器は、当該キットを周囲温度よりも低温(例えば、20℃、0℃、-10℃もしくは-20℃)に冷却するための、ドライアイスなどの手段、または冷凍装置を備える。
いくつかの実施形態において、提供されるキットは使用説明書を備える。
いくつかの実施形態において、提供されるキットは、本明細書に記載のポリマー調製物を、該調製物の(例えば、浸出性スズ濃度の濃度に関する及び/または、例えば本明細書に記載の意図しない副生成物に関する)安定性を維持しつつ、長期間にわたって保存することを可能にする。いくつかの実施形態において、安定性は-20℃で、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、またはそれを越える期間維持される。
いくつかの実施形態において、提供されるキットは、ポリマー調製物中の、式(I)の
構造を有する単量体、またはその薬学的に許容される塩の最小のパーセンテージに関する安定性を維持する。いくつか実施形態において、かかるパーセンテージは、少なくとも96%、96%、97%、98%、99%、99.5%であるか、またはそれを越える。
いくつかの実施形態において、提供されるキットは、1種または複数種の意図しない副生成物の最大濃度に関する安定性を維持する。例えば、いくつかの実施形態において、提供されるキットは、式(IV)の構造を有する単量体、またはそれらの薬学的に許容される塩の最大のパーセンテージ及び/または式(V)の構造を有する単量体、またはそれらの薬学的に許容される塩の最大のパーセンテージ、あるいはそれらの両方に関する安定性を維持する。いくつかの実施形態において、かかる最大のパーセンテージは、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満、約0.1%未満である、またはそれよりも低い。
いくつかの実施形態において、提供されるキットは、浸出性スズの含有量の最大濃度に関して安定性を維持する。いくつかの実施形態において、かかる最大濃度は、約150ppm未満約100ppm未満、約50ppm未満約25ppm未満であるか、またはそれよりも低い。
上記キットのいくつかの実施形態において、ポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、-20℃において少なくとも6ヶ月間、約150ppm未満、約140ppm未満、約130ppm未満、約120ppm未満、約110ppm未満、約100ppm未満、約90ppm未満、約80ppm未満、約70ppm未満、約60ppm未満、約50ppm未満、約40ppm未満、約30ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満であるか、またはそれよりも低い。
上記キットのいくつかの実施形態において、ポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、-20℃において少なくとも6ヶ月間、約20ppm未満である。
上記キットのいくつかの実施形態において、ポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、-20℃において少なくとも9ヶ月間、約150ppm未満、約140ppm未満、約130ppm未満、約120ppm未満、約110ppm未満、約100ppm未満、約90ppm未満、約80ppm未満、約70ppm未満、約60ppm未満、約50ppm未満、約40ppm未満、約30ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満であるか、またはそれよりも低い。
上記キットのいくつかの実施形態において、ポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、-20℃において少なくとも9ヶ月間、約20ppm未満である。
上記キットのいくつかの実施形態において、ポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、-20℃において少なくとも1年間、約150ppm未満、約140ppm未満、約130ppm未満、約120ppm未満、約110ppm未満、約100ppm未満、約90ppm未満、約80ppm未満、約70ppm未満、約60ppm未満、約50ppm未満、約40ppm未満、約30ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満であるか、またはそれよりも低い。
上記キットのいくつかの実施形態において、ポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、-20℃において少なくとも1年間、約20ppm未満である。
上記キットのいくつかの実施形態において、ポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、-20℃において少なくとも2年間、約150ppm未満、約140ppm未満、約
130ppm未満、約120ppm未満、約110ppm未満、約100ppm未満、約90ppm未満、約80ppm未満、約70ppm未満、約60ppm未満、約50ppm未満、約40ppm未満、約30ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満であるか、またはそれよりも低い。
上記キットのいくつかの実施形態において、ポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、-20℃において少なくとも2年間、約20ppm未満である。
上記キットのいくつかの実施形態において、ポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、-20℃において少なくとも3年間、約150ppm未満、約140ppm未満、約130ppm未満、約120ppm未満、約110ppm未満、約100ppm未満、約90ppm未満、約80ppm未満、約70ppm未満、約60ppm未満、約50ppm未満、約40ppm未満、約30ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満であるか、またはそれよりも低い。
上記キットのいくつかの実施形態において、ポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、-20℃において少なくとも3年間、約20ppm未満である。
上記キットのいくつかの実施形態において、上記ポリマー調製物が含有する水の濃度は、例えば当該調製物中のポリマーの重量%に対して、2.0重量%未満の水である。上記キットのいくつかの実施形態において、上記ポリマー調製物が含有する水は、例えば当該調製物中のポリマーの重量%に対して、1.5重量%未満の水、約1.4重量%未満の水、約1.3重量%未満の水、約1.2重量%未満の水、約1.1重量%未満の水、約1.0重量%未満の水、約0.9重量%未満の水、約0.8重量%未満の水、約0.7重量%未満の水、約0.6重量%未満の水、約0.5重量%未満の水、約0.4重量%未満の水、約0.3重量%未満の水、約0.2重量%未満の水、または約0.1重量%未満の水、もしくは約0.05重量%未満である。
MIBG組成物及び式(VI)の化合物を含む組成物
本発明は、とりわけ、例えば、MIBG組成物、及び式(VI):
の化合物またはその薬学的に許容される塩(式中、Rは放射性同位体標識である。)を含む組成物の製造のために、本明細書に記載のポリマー調製物を利用する技術を提供する。
本明細書では、用語Rの「放射性同位体標識」とは、当該放射性同位体標識を含む化合物もしくは組成物の検出を可能にする原子またはイオンの放射性同位体を意味すること意図する。上記放射性同位体標識としては、フッ化物(18F)、臭化物(74Br、75Br、76Br、77Br、78Br、80Br、82Br、83Br、84Br、85Br、86Br、87Br、88Br、89Brもしくは90Br)、ヨウ化物(123I、124I、125I、131I)、またはアスタチン(209At、210Atもしくは211At)のいずれか1種を含む放射性ハロゲン同位体(すなわち、原子または
イオン)が挙げられるが、これらに限定はされない。
いくつかの実施形態において、R18Fである。
いくつかの実施形態において、Rは、74Br、75Br、76Br、77Br、78Br、80Br、82Br、83Br、84Br、85Br、86Br、87Br、88Br、89Brまたは90Brである。
いくつかの実施形態において、Rは、123I、124I、125I、131Iである。いくつかの実施形態において、R123Iである。いくつかの実施形態において、R124Iである。いくつかの実施形態において、R125Iである。いくつかの実施形態において、R131Iである。いくつかの実施形態において、R123Iである。いくつかの実施形態において、R131Iである。
いくつかの実施形態において、Rは、209At、210Atまたは211Atである。いくつかの実施形態において、R209Atである。いくつかの実施形態において、R210Atである。いくつかの実施形態において、R211Atである。
いくつかの態様によれば、MIBG、または式(VI)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む医薬組成物であって、上記MIBGが、本明細書に記載のポリマー調製物、すなわち、式(I):
の単量体もしくはその薬学的に許容される塩を含むポリマーの調製物に、ヨウ素またはヨウ化物塩を接触させることによって生成する、上記医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態において、上記ポリマー調製物が含む浸出性スズの濃度は0ppm~150ppmである。
いくつかの実施形態において、上記ポリマー調製物が有する浸出性スズの濃度は、約150ppm未満、約140ppm未満、約130ppm未満、約120ppm未満、約110ppm未満、約100ppm未満、約90ppm未満、約80ppm未満、約70ppm未満、約60ppm未満、約50ppm未満、約40ppm未満、約30ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満または約5ppm未満である。
更なる態様によれば、
式(VI):
の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む医薬組成物であって、式中、Rは放射性同位体標識であり、該医薬組成物が含む浸出性スズの濃度が0ppm~150ppmである上記医薬組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、メタ-ヨードベンジルグアニジン(MIBG):
またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む医薬組成物であって、該医薬組成物が含む浸出性スズの濃度が0ppm~150ppmである上記医薬組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MIBG、または式(VI)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む上記医薬組成物が有する浸出性スズの濃度は、約150ppm未満、約140ppm未満、約130ppm未満、約120ppm未満、約110ppm未満、約100ppm未満、約90ppm未満、約80ppm未満、約70ppm未満、約60ppm未満、約50ppm未満、約40ppm未満、約30ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満または約5ppm未満である。
本明細書においては、本明細書に開示されるいずれかのポリマー調製物中の浸出性スズの濃度をキャラクタライズする方法、及び式(VI)の化合物またはMIBGを含むいずれかの開示される医薬組成物中の浸出性スズの濃度をキャラクタライズする方法が記載される。いくつかの実施形態において、かかる方法としては誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)の使用が挙げられる。かかる方法は後述の実施例においてより詳細に説明する。本出願人らは、開示されるいずれかの医薬組成物中の浸出性スズの濃度をキャラクタライズするための方法は、式(VI)の化合物またはMIBGの非放射性同位体類似体を含む組成物に対して簡便に行うことができることに留意する。例えば、式(I)の単量体を含むポリマーを非放射性同位体ヨウ素またはヨウ化物に接触させて、非放射性同位体MIBGを生成させてもよく、該MIBGを安全にICP-MSなどの分析方法に供して、当該非放射性同位体MIBG組成物中の浸出性スズの濃度を定量することができる。かかる濃度は、放射性同位体ヨウ化物から生成する放射性同位体MIBGを含む組成物と容易に相関させることができる。
いくつかの実施形態において、式(VI)の化合物は、本明細書に記載のポリマー調製
物、すなわち、式(I)の単量体を含むポリマーの調製物にハロゲンイオンの放射性同位体を接触させることよって生成する。
提供されるMIBG組成物の特定の実施形態において、上記MIBGは、本明細書において提供されるポリマー調製物にヨウ化物塩を接触させることによって生成する。
式(VI)の化合物を含む提供される組成物の特定の実施形態において、式(VI)の化合物は、本明細書において提供されるポリマー調製物にフッ化物、臭化物、ヨウ化物またはアスタチンの放射性同位体を接触させることによって生成する。
特定の実施形態において、提供されるMIBG組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物は、それを必要とする患者への投与用に製剤される。
上記医薬組成物のいくつかの実施形態において、上記ヨウ化物塩はヨウ化ナトリウムである。他の実施形態において、上記ヨウ化物塩はI-123ヨウ化ナトリウムである。いくつかの実施形態において、上記ヨウ化物塩はI-131ヨウ化ナトリウムである。
いくつかの実施形態において、提供されるMIBG組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物は、患者への静脈内投与用に製剤される。
いくつかの実施形態において、提供されるMIBG組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物は、例えば、それを必要とする患者への静脈内投与時に、1~50mCi/kg、5~30mCi/kg、10~25mCi/kgまたは約3~6mCi/kgの(例えば、I-131または、At-211の)放射能を与える画像診断線量として製剤される。いくつかの実施形態において、上記画像診断線量は、例えば、患者が放射線医学の開始基準を満たすかどうかを判定するために、及び/または当該対象に対する線量測定を確立するために用いられる。
いくつかの実施形態において、提供されるMIBG組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物は、例えば、それを必要とする患者への静脈内投与時に、50~1,000mCi/kg、100~800mCi/kg、400~600mCi/kgまたは約500mCi/kgの(例えば、I-131または、At-211の)放射能を与える治療線量として製剤される。いくつか実施形態において、上記治療線量に続いて、注入後7日以内に当該患者の画像診断が行われる。いくつかの実施形態において、上記治療線量は、線量測定の評価結果により合理的な理由がある場合には、任意選択により等しく調整される。いくつかの実施形態において、患者は、少なくとも2、3、4ヶ月後またはそれ以降に、2回目のMIBGの治療線量を投与されることとなる。
本明細書では、用語「患者」とは、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。いくつかの実施形態において、上記患者は、副腎髄質に発生する、稀であり、アクセスが困難な神経内分泌腫瘍である悪性褐色細胞腫の治療を必要とする。いくつかの実施形態において、上記患者は、神経系及び内分泌系の稀な腫瘍である神経内分泌腫瘍(NET)の治療を必要とする。いくつかの実施形態において、上記NETは、小児期の最も一般的な頭蓋外の固形がん及び幼児期における最も一般的ながんである神経芽細胞腫である。いくつかの実施形態において、上記患者は神経芽細胞腫の治療を必要とする小児である。他の実施形態において、上記患者は副腎髄質の神経内分泌腫瘍である褐色細胞腫の治療を必要とする成人である。
用語「薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクル」とは、それと共に製剤される化合物の薬理学的活性を破壊しない、非毒性の担体、アジュバント、またはビヒ
クルをいう。本発明の医薬組成物において用いることができる薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルとしては、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミンなどの塩または電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコール及び羊毛脂が挙げられるが、これらの限定はされない。
いくつかの実施形態において、式(I)の単量体を含むポリマーの上記に開示した調製物のいずれかに、ヨウ化物塩を接触させることによって生成するMIBG、またはその薬学的に許容される塩、特にはその酢酸(HOAc)塩を含む医薬組成物を、経口的に、非経口的に、吸入噴霧器によって、局所的に、経直腸的に、経鼻的に、口腔的に、経膣的にまたは移植リザーバを介して投与してもよい。本明細書では、用語「非経口的」は、皮下、静脈内、筋内、関節内、滑液内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内及び頭蓋内注射または注入技法を含む。上記組成物は静脈内投与されることが好ましい。本発明の組成物の無菌注射剤形は水性または油性の懸濁液であってよい。これらの懸濁液は、適宜の分散剤または湿潤剤及び懸濁剤を用いて、当該術分野で公知の技法に従って製剤することができる。上記無菌注射製剤はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射溶液または懸濁液であってもよい。
いくつかの実施形態において、上記無菌注射製剤は0.0001~0.1mg/mLの濃度でMIBGを含む。いくつかの実施形態において、上記無菌注射製剤は0.001~0.01mg/mLの濃度でMIBGを含む。いくつかの実施形態において、上記無菌注射製剤は>90%または>95%の放射化学的純度を有する。いくつかの実施形態において、上記無菌注射製剤は、例えば、2~200mg/mLまたは20~25mg/mLの濃度でゲンチシン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、上記無菌注射製剤は、例えば、2~200mg/mLまたは48~64mg/mLの濃度でアスコルビン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、上記無菌注射製剤はゲンチシン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、上記無菌注射製剤は3~7のpHを有する。いくつかの実施形態において、上記無菌注射製剤は4~6のpHを有する。いくつかの実施形態において、上記無菌注射製剤は4.5~5.5のpHを有する。
いくつかの実施形態において、提供されるMIBG組成物(例えば、提供されるポリマー調製物にヨウ化物塩を接触させることによって生成する)、または式(VI)の化合物を含む組成物は、メタ-ヨードベンジルアミン(MIBA)、メタ-ヨードベンジルビグアニジン(MIBBG)、及び/またはメタ-ヒドロキシベンジルグアニジン(MHBG)を実質的に含まない(例えば、これらの含有量が2重量%未満)。
いくつかの実施形態において、提供されるMIBG医薬組成物、または式(VI)の化合物を含む医薬組成物が含有するMIBAは、MIBGの重量%に対して約1.0重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBAは約0.5重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBAは約0.4重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBAは約0.3重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBAは約0.2重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBAは約0.1重量%未満である。
いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記医薬組成物、または式(VI)の化合物を含む医薬組成物が含有するMIBBGは、MIBGの重量%に対して約1.0重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBBGは約0.5重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBBGは約0.4重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBBGは約0.3重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBBGは約0.2重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBBGは約0.1重量%未満である。
いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記医薬組成物、または式(VI)の化合物を含む医薬組成物が含有するMHBGは、MIBGの重量%に対して約1.0重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMHBGは約0.5重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMHBGは約0.4重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMHBGは約0.3重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMHBGは約0.2重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMHBGは約0.1重量%未満である。
いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記医薬組成物、または式(VI)の化合物を含む医薬組成物が含有するMIBA、MIBBG及び/またはMHBGは、MIBGの重量%に対して約1.0重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBA、MIBBG及び/またはMHBGは約0.5重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBA、MIBBG及び/またはMHBGは約0.4重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBA、MIBBG及び/またはMHBGは約0.3重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBA、MIBBG及び/またはMHBGは約0.2重量%未満である。いくつかの実施形態において、MIBGを含む上記組成物、または式(VI)の化合物を含む組成物が含有するMIBA、MIBBG及び/またはMHBGは約0.1重量%未満である。
ポリマーの合成及び精製
特定の実施形態において、本発明に従って提供されるポリマー調製物は、以下に示すスキーム2の合成方法に従って調製される。
いくつかの実施形態において、提供されるポリマー調製物は以下のようにして調製される。ヒドリドを用いて二塩化ジ-n-ブチルスズ出発物質を還元する。例1a及び1bに後述するように、本出願人らは、NaBHによる還元が、一般的にLiAlHを利用する既報の反応よりも迅速であり、安定しており、収率が高いことを見出した。NaBHを用いる還元はより安全であり、スケールアップに対してより適していた。いくつかの実施形態において、温度は0℃~10℃の間に維持される。本出願人らは、得られた二水素化ジ-n-ブチルスズが、NaBHによる還元からの後処理の際には、LiAlHによる還元の際よりもより容易に精製されることを見出した。理論に拘束されるものではないが、NaBHによる還元時に新たに調製される二水素化ジ-n-ブチルスズは、より純粋なスズ含有出発物質を生成させ、最終的には、浸出性スズを含有するフラグメントがより少ない、より純粋な形態のポリマーに寄与すると考えられる。いくつかの実施形態
において、NaBHによる還元の水系での後処理に続いて、粗製二水素化ジ-n-ブチルスズの蒸留による精製が行われる。
いくつかの実施形態において、次いで、2,3-ブロモベンジルアミン(I-6)遊離塩基を、周囲温度で少なくとも約14時間、トリエチルアミンを含むジクロロメタン中で1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(I-5)と反応させる。いくつかの実施形態において、得られる懸濁液をろ過し、生成物を含有するろ液を濃縮し、ヘキサンと共にすり潰して副生成物を沈殿させ、該副生成物をろ別して粗製の油状物へと濃縮する。高真空蒸留により精製すると、生成物I-8が無色の油状物として得られる。
次のステップでは、シリカで精製したジビニルベンゼン及びAIBNの存在下、周囲温度でジ-n-ブチルスズジヒドリ(I-2)を二塩化ジ-n-ブチルスズ(I-1)と混ぜ合わせて、3,4-(2-ジブチルクロロスタニルエチル)ビニルベンゼン単量体(I-4)を生成させる。この単量体を、追加のシリカで精製したジビニルベンゼン及びAIBNと共に、1-オクタノール水溶液中、還流下で懸濁重合させて、ポリマーI-7を生成させ、該ポリマーをろ過によって単離し、水洗し、その後、アセトン、メタノール、トルエン及びテトラヒドロフランを含む1種または複数種の溶媒を7用いて、遠心分離による洗浄を行う。
次のステップは、初めに、テトラヒドロフラン中-65~-80℃での、I-8と2.5Mのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液との反応を含む。次いで、ポリマーI-7を一度に仕込み、反応を-65~-80℃で12~18時間継続させる。この懸濁液を室温まで加温し、メタノールでクエンチし、シリル保護基の除去のために、1MのHCl水溶液などの酸を用いてpHを4~5に調節する。周囲温度での終夜の撹拌に続いて、次いで、ポリマーI-10を遠心分離によって収取し、メタノール、メタノール/水(1:1)、及び最後にメタノールで洗浄する。
次に、ポリマーI-10を、トルエン中、54~56℃で約24~26時間、シアナミド及びトリエチルアミンとカップリングさせて、塩化グアニジニウム中間体ポリマー(Ia)を生成させる。該中間体ポリマーを単離し、アセトニトリル、メタノール及び再度アセトニトリルを用いて遠心分離による洗浄を行い、その後真空乾燥する。次いで、1.0M 酢酸ナトリウムのエタノール:純水(70:30)溶液を用いた複数回(例えば8回)の遠心分離による洗浄によって酢酸塩による塩交換を行い、酢酸グアニジニウムポリマー(Ib)を生成させる。
得られた式(I)の単量体を含む上記ポリマーの酢酸塩を多段階精製プロトコルに供する。第一に、得られたポリマー(Ib)酢酸塩を95%エタノール水溶液(8×4.3容量)で洗浄し、次いでブフナーフラスコ及びロートを用いた窒素下でのろ過により単離する。ポリマー(Ib)を周囲温度で真空乾燥する。第二に、減圧を停止し、ポリマー(Ib)が入ったブフナーロートに窒素ガス及び無水エタノール(4×4.30容量)を仕込む。窒素下での無水エタノールによる洗浄によってポリマー(Ib)が更に精製され、湿潤状態のケーキから痕跡量の水が除去される。第三に、ポリマー(Ib)を、(i)周囲温度及び大気圧における窒素流通下での乾燥、(ii)減圧下、周囲温度における窒素流通下での乾燥、及び(iii)残留溶媒を駆逐するための減圧下、30℃~40℃における窒素流通下での乾燥を含む多段階乾燥プロセスに供する。ポリマー(Ib)は過度の熱には敏感であるが、この多段階乾燥プロセスの温和な加熱には耐性を有する。最後に、使用するまでの保存のために、精製されたポリマー(Ib)を窒素などの不活性ガス下で保存し、場合により-20℃に冷却する。
いくつかの実施形態において、本開示は、エタノール水溶液洗浄、無水エタノール洗浄
、減圧、加熱及び減圧における窒素ガス下での保存を含む多段階精製プロトコルを提供及び/または利用し、式(I)の単量体を含むポリマーの純度及び安定性を大幅に改善し、その結果、浸出性スズが0ppm~150ppmの濃度に最小化されることが明らかになった。
いくつかの態様によれば、式(I):
の単量体またはその薬学的に許容される塩を含むポリマーの精製された組成物の調製方法であって、
上記ポリマーまたはその薬学的に許容される塩を含む調製物を溶媒に接触させ、次いで実質的に全ての上記溶媒を除去して、上記ポリマーまたはその薬学的に許容される塩を含む、溶媒を枯渇させた物質を生成させることによって、上記調製物を溶媒処理するステップと
上記溶媒を枯渇させた物質を減圧、及び約30℃~約50℃の範囲内の温度に晒すステップと
を含み、
上記晒すことが、存在する浸出性スズが約150ppm以下となるように、したがって、上記ポリマー、またはその薬学的に許容される塩の精製された組成物が生成するようにするために十分な条件下で及びかかる時間行われる上記方法が提供される。
いくつかの実施形態において、上記調製物はアルゴンまたは窒素などの不活性ガス下で加熱される。いくつかの実施形態において、上記溶媒が枯渇した物質は、水分及び/またはOから保護され、周囲温度または低温(例えば、10℃、0℃、-10℃、-20℃、もしくは-30℃よりも低温)で保存される。
いくつかの実施形態において、本発明は、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ヘキサン、アセトン、トルエン、アセトニトリル、もしくはそれらの組合せであるかまたはそれらを含む溶媒を利用する。いくつかの実施形態において、本発明は、アルコール、例えば、メタノールまたはエタノールである溶媒を利用する。いくつかの実施形態において、本発明は、エタノールであるまたはエタノールを含む溶媒を利用する。
本出願人らは、いくつかの場合において、複数回(例えば2~15回)の「洗浄サイクル」であって、各洗浄サイクルが上記ポリマーまたはその薬学的に許容される塩を含む調製物を溶媒処理するステップ及び実質的に全ての当該溶媒を除去するステップを含む、上記複数の洗浄サイクルを行うことが有益であることを見出している。いくつかの実施形態において、2~5回の洗浄サイクルが用いられ、それによって2~5回、上記調製物が溶媒処理され、次いで当該溶媒が実質的に除去される。いくつかの実施形態において、5~10回の洗浄サイクルが用いられ、それによって5~10回、上記調製物が溶媒処理され、次いで当該溶媒が実質的に除去される。いくつかの実施形態において、10~15回の洗浄サイクルが用いられ、それによって10~15回、上記調製物が溶媒処理され、次い
で当該溶媒が実質的に除去される。いくつかの実施形態において、上記調製物は更に、1サイクルの30℃~50℃の熱及び/または減圧に晒される。いくつかの実施形態において、上記調製物は更に、1~10サイクルの30℃~50℃の熱及び/または減圧に晒される。
理論に拘束されるものではないが、本出願人らは、水性溶媒は式(I)の単量体を含む上記ポリマーから効果的に塩及び水溶性の汚染物を除去した一方、無水エタノールなど無水の溶媒は上記ポリマー調製物から効果的に水を除去したことを見出した。本出願人らは、いくつかの場合において、調製物を水性溶媒に接触させ、該水性溶媒を除去し、更に上記調製物を無水の溶媒に接触させ、同様に上記ポリマーから上記無水の溶媒を除去することが有益であることを見出した。例えば、いくつかの実施形態において、上記ポリマーまたはその塩をエタノール水溶液に接触させ、該エタノール水溶液を実質的に除去し、上記調製物を更に無水エタノールに接触させ、同様に該無水エタノールを該ポリマーから除去する。
いくつかの実施形態において、上記調製物を溶媒処理するステップは、第1及び第2の溶媒を用いて行われる第1及び第2の溶媒処理ステップを含み、第1の溶媒はメタノール、エタノール、またはジエチルエーテルなどの水混和性溶媒であり、第2の溶媒は無水の水混和性溶媒である。いくつかの実施形態において、第1の溶媒はメタノール、エタノール、またはジエチルエーテルの水溶液であり、第2の溶媒は無水メタノール、エタノール、またはジエチルエーテルである。
本出願人らは本方法に従ってポリマー調製物を開発し、該調製物は一般に、米国特許第7,658,910に記載される方法に従って調製されたポリマー調製物よりも含む水の濃度が低い。理論に拘束されるものではないが、本開示のポリマー調製物における低い水の濃度が、米国特許第7,658,910に記載される方法に従って調製されたポリマー調製物と比較して、確固たる安定性及び浸出性スズを含有する不純物の低い濃度に寄与していると考えられる。
いくつかの実施形態において、得られるポリマー調製物が含有する水の濃度は、例えば該調製物中のポリマーの重量%に対して、2.0重量%未満の水である。いくつかの実施形態において、上記ポリマー調製物が含有する水は、例えば該調製物中のポリマーの重量%に対して、1.5重量%未満、約1.4重量%未満、約1.3重量%未満、約1.2重量%未満、約1.1重量%未満、約1.0重量%未満、約0.9重量%未満、約0.8重量%未満、約0.7重量%未満、約0.6重量%未満、約0.5重量%未満、約0.4重量%未満、約0.3重量%未満、約0.2重量%未満、または約0.1重量%未満、もしくは約0.05重量%未満である。
いくつかの実施形態において、上記調製物は25℃~80℃で加熱される。他の実施形態において、上記調製物は30℃~60℃で加熱される。いくつかの実施形態において、上記調製物は30℃~50℃で加熱される。いくつかの実施形態において、上記調製物は30℃~40℃で加熱される。
いくつかの実施形態において、上記調製物は上記の温度範囲のいずれかで5~60分間加熱される。いくつかの実施形態において、上記調製物は上記の温度範囲のいずれかで1~4時間加熱される。いくつかの実施形態において、上記調製物は上記の温度範囲のいずれかで4~12時間加熱される。いくつかの実施形態において、上記調製物は上記の温度範囲のいずれかで12~24時間加熱される。いくつかの実施形態において、上記調製物は上記の温度範囲のいずれかで1~2日間加熱される。いくつかの実施形態において、上記調製物は上記の温度範囲のいずれかで2~6日間加熱される。いくつかの実施形態にお
いて、上記調製物は上記の温度範囲のいずれかで1~2週間加熱される。
いくつかの実施形態において、上記調製物は1~12時間減圧に晒される。いくつかの実施形態において、上記調製物は12~24時間減圧に晒される。いくつかの実施形態において、上記調製物は1~2日間減圧に晒される。いくつかの実施形態において、上記調製物は2~6日間減圧に晒される。いくつかの実施形態において、上記調製物は1~2週間減圧に晒される。
いくつかの態様によれば、式(I):
の単量体またはその薬学的に許容される塩を含むポリマーを含む調製物であって、含まれる浸出性スズの濃度が0ppm~150ppmである上記調製物に、ヨウ化物塩を接触させることを含む、メタ-ヨードベンジルグアニジン(MIBG):
またはその薬学的に許容される塩の調製方法が提供される。
いくつかの実施形態において、上記方法は、式(I)の単量体を含む上記ポリマーを含む上記調製物のいずれか1を含む。
いくつかの実施形態において、上記方法は、MIBG、または含まれる浸出性スズの濃度が0ppm~150ppmである、MIBGを含む医薬組成物を与える。
投与方法
いくつかの態様において、
(a)メタ-ヨードベンジルグアニジン(MIBG):
またはその薬学的に許容される塩であって、式(I):
の単量体もしくはその薬学的に許容される塩を含むポリマーの調製物であり、含まれる浸出性スズの濃度が0ppm~150ppmである、式(I)の単量体を含む上記ポリマーの上記調製物に、ヨウ化物塩を接触させることによって生成する上記MIBGまたは上記その塩と、
(b)薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルと
を含む医薬組成物を、対象に投与することを含む方法が提供される。
更なる態様によれば、対象に、式(VI):
の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む医薬組成物を投与することを含み、式(VI)中、Rは放射性同位体標識であり、上記医薬組成物が含む浸出性スズの濃度が0ppm~150ppmである方法が提供される。
いくつかの実施形態において、上記方法は、対象に、メタ-ヨードベンジルグアニジン(MIBG):
またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む医薬組成物を投与することを含み、上記組成物が含む浸出性スズの濃度が0ppm~150ppmである方法。
上記方法のいくつかの実施形態において、MIBG、または式(VI)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む上記医薬組成物が有する浸出性スズの濃度は、約150ppm未満、約140ppm未満、約130ppm未満、約120ppm未満、約110ppm未満、約100ppm未満、約90ppm未満、約80ppm未満、約70ppm未満、約60ppm未満、約50ppm未満、約40ppm未満、約30ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満または約5ppm未満である。
上記方法のいくつかの実施形態において、投与時に上記医薬組成物が有する浸出性スズの濃度は約0ppm~約100ppmの範囲内である。上記方法のいくつかの実施形態において、投与時に上記医薬組成物が有する浸出性スズの濃度は約0ppm~約75ppmの範囲内である。上記方法のいくつかの実施形態において、投与時に上記医薬組成物が有する浸出性スズの濃度は約0ppm~約50ppmの範囲内である。上記方法のいくつかの実施形態において、投与時に上記医薬組成物が有する浸出性スズの濃度は約0ppm~約25ppmの範囲内である。上記方法のいくつかの実施形態において、投与時に上記医薬組成物が有する浸出性スズの濃度は約0ppm~約10ppmの範囲内である。本明細書では、用語「投与時」とは、対象への投与時または投与の直前の、例えば、投与の前日の、投与と同日の、投与の8時間以内の、投与の2時間で、投与の1時間以内の、または投与と同一の時間の期間をいう。
上記方法のいくつかの実施形態において、上記ポリマーの調製物は本明細書に記載の調製物のいずれかである。
上記方法のいくつかの実施形態において、上記ヨウ化物塩はナトリウムI-131ヨウ化物である。
上記方法のいくつかの実施形態において、上記対象は、該対象における1または複数の潜在的な神経内分泌腫瘍の画像診断を必要とする。上記方法のいくつかの実施形態において、上記対象は、該対象における1または複数の潜在的な神経内分泌腫瘍の治療を必要とする。上記方法のいくつかの実施形態において、上記神経内分泌腫瘍は転移性である。上記方法のいくつかの実施形態において、少なくとも1または複数の神経内分泌腫瘍が当該対象の副腎内に存在する。上記方法のいくつかの実施形態において、上記対象は、1または複数の褐色細胞腫の治療を必要とする。上記方法のいくつかの実施形態において、上記対象は、1または複数の傍神経節腫、すなわち、当該対象の副腎の外側の治療を必要とする。上記方法のいくつかの実施形態において、上記対象は1または複数の神経芽細胞腫の治療を必要とする。
以下の実施例は、本発明の部分的な範囲及び特定の実施形態として例証として提示され、本発明の範囲を限定することを意味しない。略語及び化学記号は、別段の表示がない限り、通常の及び慣習的な意味を有する。別段の表示がない限り、本明細書に記載の化合物は、本明細書に開示されるスキーム及び他の方法を用いて調製、単離及びキャラクタライズされているか、または同一もしくは類似の手順を用いて調製することができる。
例1a:LiAlHによる二水素化ジ-n-ブチルスズ(I-2)の合成
二塩化ジ-n-ブチルスズ(25.0g、1.0当量)を周囲温度でジエチルエーテル(1.65容量)に溶解して溶液を形成した。別途にジエチルエーテル溶液中の1Mの水素化アルミニウムリチウム(1.0当量)とジエチルエーテル(2.48容量)との溶液を調製し、23℃以下で60分間かけて添加し、続いて34~35℃で17時間40分還流した。次いで、ヒドロキノン(0.023当量)を仕込み、25℃以下で精製水を滴下によって添加することにより反応をゆっくりとクエンチした。酒石酸カリウム四水和物(0.95当量)の精製水(3.31容量)溶液を調製し、上記懸濁液に周囲温度で仕込み、続いて23℃で1時間撹拌した。副生物の大きな塊が存在する灰色の二相の「スラッジ」が生成した。TLC分析が、反応が完了したことを示した(90:10のシクロヘキサン:酢酸エチル溶離液)。上記水性スラッジのジエチルエーテル抽出は、相分離が不良であり、且つ容器からの排出中に出口弁の閉塞があり、問題が多かった。硫酸マグネシウム上で乾燥し、洗浄し、濃縮した後に、17.4g(収率90%)の粗製二水素化ジ-n-ブチルスズを得た。これを高真空蒸留により精製した。二水素化ジ-n-ブチルスズを5~12ミリバール、約56~74℃の間で、無色油状物として約65%の収率で回収した。この反応は主として後処理が困難であることに起因して安定とはいえず、スケールアップが困難であろうことが判明した。
例1b:NaBHによる二水素化ジ-n-ブチルスズ(I-2)の合成
以下のNaBHを用いた還元はA.G. Hernan et al., Journal of Organometallic Chemistry, 691, (2006), pp 1466-1475によって記述される方法から適合化を行った。
小規模実験:水素化ホウ素ナトリウム(5.33当量)を0℃で精製水(11.3容量)に溶解し、窒素を30分間バブリングすることによって脱酸素を行った。二塩化ジ-n-ブチルスズ(9.0g、1.0当量)の溶液を11.3容量のジエチルエーテル中で調製し、上記溶液を45分間かけてゆっくりと添加し、次いで添加が完了した後に更に15分間撹拌した。生成物を含む有機層を分離し、精製水(2×2.78容量)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮して、二水素化ジ-n-ブチルスズを
無色油状物として得た(6g、収率85%)。H NMRによって二水素化ジ-n-ブチルスズが生成したことを確認した。高純度の二水素化ジ-n-ブチルスズを確実に生成させるために蒸留による精製を追加した。
大規模実験:水素化ホウ素ナトリウムによる還元を90gの規模に拡大することに成功した。この場合もまた、還元はTLCにより20分後に完了し、後処理を行って67.6g(収率97%)の粗製二水素化ジ-n-ブチルスズを得た。該粗製二水素化ジ-n-ブチルスズを、ビグリューカラムを取り付けた1.0Lの丸底フラスコから蒸留精製した。発泡は認められず、53.5g(収率77%)の二水素化物を、5~6ミリバールの間、56℃で透明な無色液体として回収した。H及び13C NMRによって二水素化ジ-n-ブチルスズが回収されたことを確認した。GC分析は99%超のピーク面積純度を示した。洗浄ステップ中の下相の水相はなおも懸濁液ではあったが、LiAlHを用いた相当する反応と比較してそれ程問題を生じることなく、上相の生成物を含むジエチルエーテル相から分離された。このNaBHを用いる還元は、相当するLiAlHを用いる反応よりも迅速であり、安定しており、収率が高い。
例2:1-(3-ブロモベンジル)-2,2,5,5-テトラメチル-1,2,5-アザジシロリジン(azadisilolidine)(I-8)の合成
遊離塩基の調製:3-ブロモベンジルアミン塩酸塩(1.0当量)を周囲温度で精製水(15.8容量)に溶解した。別途に水酸化ナトリウム(1.05当量)を精製水(0.83容量)に溶解し、周囲温度で上記溶液に添加し、30分間攪拌した。遊離塩基を3×5.0容量のジクロロメタン洗浄液を用いて抽出し、これを硫酸マグネシウム上で脱水し、その後ろ過によりこの脱水剤を除去し、続いて35~40℃でロータリーエバポレータによって濃縮乾固した。3-ブロモベンジルアミン遊離塩基を黄色/橙色の油状物として収率約100%で得た。
反応:3-ブロモベンジルアミン(48.7g、1.0当量)をジクロロメタン(7.4容量)及びトリエチルアミン(2.75当量)に溶解して溶液を形成し、これを窒素下で0~5℃に冷却した。別途に1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(1.0当量)のジクロロメタン(5.13容量)溶液を調製し、0~5℃で約30分間かけて滴下によって添加した。得られた懸濁液を自然に周囲温度まで加温し、少なくとも14時間撹拌した後、反応物をろ過して副生成物を除去し、湿潤ケーキをジクロロメタン(2×1.54容量)で洗浄し、減圧下、35~40℃で粗製の油状物へと濃縮した。この粗生成物をヘキサン(6.2容量)と共にすり潰して更に副生成物を沈殿させ、ろ過し、湿潤ケーキをヘキサン(2×1.54容量)で洗浄した。ろ液を再び減圧下、40~45℃で粗製の油状物へと濃縮した。蒸留精製を用い、5~10ミリバールの間、150~160℃の間で無色油状物として約62%の収率で回収された1-(3-ブロモベンジル)-2,2,5,5-テトラメチル-1,2,5-アザジシロリジンを単離した。
例3:単量体I-7を含むポリマーの合成
3,4-ジビニルベンゼンを、このプロセスで使用する前に、シリカゲルカラムを用いて精製してラジカルスカベンジャを除去した。周囲温度で二塩化ジ-n-ブチルスズ(0.97当量)をろ過したジビニルベンゼン(1.23当量)に溶解し、次いで<10℃に冷却した。次いで二水素化ジ-n-ブチルスズ(1.0当量)をこの反応混合物に仕込み、続いてろ過したジビニルベンゼン(1.18当量)及びAIBN(0.040当量)を添加した。冷却を除去し、溶液を<30℃で14~18時間撹拌して単量体I-4を生成
させた。
次いでこれに周囲温度で、精製水(8.94容積)中のメチルセルロース(15cP、0.023w/w)、続いてろ過したジビニルベンゼン(0.55当量)、1-オクタノール(3.7容量)及びAIBN(0.065当量)を仕込んだ。得られた懸濁液を(約98~102℃)で約500rpmで加熱還流し、7~9時間撹拌して、単量体I-7を含むポリマーを生成させた。加熱を除去し、上記混合物を少なくとも14時間撹拌した後、精製水(9.6容量)を加えた。
単量体I-7を含むポリマーをろ過により回収し、ろ過により単離しながら、更に5回、精製水(各9.6容量)による再スラリー化を行った。これに続いて、以下の再スラリー化:アセトン(5×7.7容量);メタノール(2×7.7容量);トルエン(3×7.7容量);及びTHF(2×7.7容量)を行い、それぞれの再スラリー化において上記ポリマーを遠心分離によって単離した。
次いで、単量体I-7を含むポリマーを周囲温度で一定重量(最短で1時間の乾燥で1%未満の減量)になるまで減圧下で乾燥した。収率56%。
例4:単量体I-10を含むポリマーの合成
フラスコに、1-(3-ブロモベンジル)2,2,5,5-テトラメチル-1,2,5-アザジシロリジン(1.06当量)、続いてテトラヒドロフラン(8.75容量)を仕込み、この溶液を<-65℃に冷却した。2.5Mのn-ブチルリチウム(1.06当量)ヘキサン溶液を30分間かけて添加した。単量体I-7を含むポリマーを固体のまま一
度に添加し、その後、この反応混合物を<-65℃で7~9時間撹拌し、次いで1~2時間で室温まで自然に加温した。メタノールを加え、続いて1MのHCl(水溶液)を添加してpHを4~5に調節した。次いで、単量体I-10を含むポリマーを遠心分離によって回収した。液体をデカントし、単量体I-10を含むポリマーを、順次、メタノール(4×6.25容量)、メタノール/水(1:1)(2×6.25容量)、メタノール(4×6.25容量)で洗浄し、次いで真空乾燥器中で乾燥して、単量体I-10を含むポリマーを82%の収率で得た。
例5:単量体I-10を含むポリマーのグアニジニル化による単量体(Ia)HClを含むポリマーの生成
トルエン(8.6容量)をフラスコに仕込み、54~56℃に加熱した。単量体I-10を含むポリマー(1.0当量)を添加し、続いてシアナミド(9.13当量)及びトリエチルアミン(0.018当量)を添加した。この反応混合物を54~56℃で24~26時間撹拌し、次いで周囲温度まで冷却した。単量体(Ib)を含むポリマーを遠心分離によって単離し、順次、アセトニトリル(4×4.7容量)、メタノール(4×4.7容量)及びアセトニトリル(2×4.7容量)で洗浄した。単離したポリマーを周囲温度の真空乾燥器中で乾燥した。
本出願人らは、シアナミドカップリングの反応時間(24~26時間)及び温度(54~56℃)を、不純物の生成、特にmIBBGを制御するための重要なパラメータとして特定した。この反応の10gでの試行を実施し、54~56℃でのシアナミドカップリングに際して、約20~48時間の間の不純物生成を監視した。分析した各時点で、約2.5mlの懸濁液を取り出し、ろ過及び5×5mLのメタノールで洗浄した後、周囲温度で真空乾燥した。
これらの実験の結果は、mIBA出発物質が19.5時間での0.35%から48時間後の0.09%まで徐々に減少することを示した。mIBBG不純物は1.02%まで徐々に増加したが、1.02%となったのは48時間後が初めてであった。15~30時間、18~28時間、またはより詳細には24~26時間の反応時間枠内では、この反応は、残存mIBAが低いこととmIBBG生成が上昇しないことの間の良好なバランスを与えるように思われる。
上記の各時点における不純物生成の実験は、いくつかの実施形態において、上記プロセスを、例えば50~60℃で15~30時間、52~58℃で20~28時間、またはより詳細には54~56℃で24~26時間の、与えられたプロセスパラメータ内で運転する必要があることを示唆している。
例6:単量体(Ia)HClを含むポリマーの対イオン交換による単量体(Ib)HOAcを含むポリマーの生成及び精製
ステップ1:単量体(Ia)の塩酸塩を含むポリマーの対イオン交換を、70%エタノール水溶液中の1Mの酢酸ナトリウム溶液中でスラリー化し、続いて遠心分離(9×4.3容量)することによって実現した。
ステップ2:得られた単量体(Ib)のHOAc塩を含むポリマーを95%エタノール水溶液(8×4.3容量)で洗浄しすることによって精製し、次いで適当な、清浄で乾燥したブフナーフラスコ及びロートを用いて、窒素下でろ過することによって単離した。単量体(Ib)を含むポリマー(収率84%)を周囲温度の真空乾燥器中で乾燥した。
ステップ3:減圧を停止し、単量体(Ib)を含むポリマーが入ったブフナーロートに、窒素ガス下で無水エタノール(4×4.30容量)を仕込んだ。上記窒素下での無水エタノール洗浄によって、単量体(Ib)を含むポリマーは更に精製され、湿潤ケーキから痕跡量の水が除去されることが判明した。
例7:ICP-MSによる浸出性スズ濃度の測定のための分析方法
単量体(Ib)を含むポリマー中の浸出性スズの濃度を以下の表に概要を示す一般的な分析方法に従って測定した。

表1 装置、器具、物質及び試薬
表2 試薬の調製
表3 内部標準液の調製
表4 作業用標準液の調製
試料調整ステップ:
1.乳棒及び乳鉢を用いて、以下を秤量するのに十分な薬物を微粉に摩砕する。
2.清浄なテフロン(登録商標)製50ml遠沈管中で約40mgの薬物物質を精秤する。
3.10.0mlの5%エタノールを加える。
4.低速で1時間振とうする。
5.0.45μmのPTFEフィルタを通してHDPE瓶中にろ過する。2%硝酸1滴を上記試料に添加する。
6.上記試料の代わりにUHQ水を用いて上記のステップを通して進めることにより、試料と共にメソッドブランク液を調製する。メソッドブランク液と試料を単一で調製する。6日間の使用期限にて周囲温度で保存する。

表5 装置パラメータ:ICP-MS装置は、一例として、以下のパラメータを用いて設定される
表6 要件のチューニング
表7 干渉式
表8 同位体LOQ
方法の手順
1.(表5~7)及び装置の標準作業手順書(SOP)に掲載されるパラメータに従ってICP-MSを設定する。
2.チューニング溶液を用いてチューニングを実施する。ICP-MSをチューニングして、表6に指定される所望の分解能、感度、酸化物比及び二価帯電比を得る。150ppmのスズ標準液を用いてP/Aファクターを行う。
3.上記の節及び試料調製ステップに従って、標準液及び試料溶液を調製する。
4.75μLのインジウム内部標準液を7.5mlのろ過した試料に添加して混合する。自動サンプラーに試料及び標準液を装填する。
5.較正ブランク液と50ppm標準液を用いて装置を較正する。
6.較正が完了した後、試料としてブランク液を測定する。ブランク液はLOQ(表8)未満の読取値となる必要がある。ブランク液が規格範囲外になる場合には、分析を続行する前に原因を調査して問題を修正する。
7.ブランク液を測定した後に較正確認用標準液を試料として測定する。確認用標準液は50ppm±5ppmの読取値となる必要があり、3回の繰返しでの装置の読取値の間のRSDは4%未満である必要がある。確認用標準液が規格範囲外になる場合には、分析を続行する前に原因を調査して問題を修正する。
8.メソッドブランク液を分析する。メソッドブランク液がLOQ(表8)よりも小さい読取値となる場合が最善である。メソッドブランク液がこれらの値を超えてはいるが、試料中の元素濃度がメソッドブランク液濃度の10倍を超えているか、またはLOQよりも小さい場合、当該試料は調製したものをそのまま測定することができる。試料中の元素濃度がメソッドブランク液濃度の10倍未満、但しLOQを超える場合は、ブランク液及び試料の両方を再調製する。清浄なブランク液を得るために必要ないずれかのステップを実行する。
9.試料を分析する。試料は、線形範囲内に入るように、必要に応じて更に希釈してもよい。検証中に確認される線形範囲の上限は5000μg/Lである。全ての希釈液に対する酸強度、及び全ての希釈液中の20μg/Lのインジウムの合計内部標準濃度を維持する。
10.10試料毎の後、または全試料が終了した時点のいずれか早い方で、50ppmの較正標準液及びブランク液を分析する。50ppmの標準液及びブランク液を測定する前に10を越える試料を測定しないこと。50ppmの標準液は50ppm±5ppmの読取値となる必要があり、3回の繰返しでの装置の読取値の間のRSDは<4%である必要があり、ブランク液はLOQ未満の読取値となる必要がある。50ppmの標準液またはブランク液が規格範囲外になる場合には、装置を再較正し、最後に許容範囲を示した標準液及びブランク液の時点以降に分析した全ての試料を再度測定する必要がある。
11.分析終了時に50ppmの標準液及びブランク液を分析する。50ppmの標準液は50ppm±5ppmの読取値となる必要があり、3回の繰返しでの装置の読取値の間のRSDは<4%である必要があり、ブランク液はLOQ未満の読取値となる必要がある。50ppmの標準液またはブランク液が規格範囲外になる場合には、装置を再較正し、最後に許容範囲を示した標準液及びブランク液の時点以降に分析した全ての試料を再度測定する必要がある。
12.装置を標準作業手順書(SOP)に従って待機状態にする。

表9 分析-以下の代表的な注入シーケンスを実施
表10 計算
質量及び容積の単位の変換が上記の式に組み込まれる。データを試料中のスズのμg/gとして報告する。濃度は検量線から直接読み取ることができる。較正範囲内の元素濃度となるように試料を希釈する必要がある場合は、試料中の最終濃度を求める際に希釈ファクターを考慮する必要がある。

例8:米国特許第7,658,910号に開示される方法に従って調製された単量体(Ib)の組成物を含むポリマーの試料中の浸出性スズ濃度の比較分析

表11 ICP-MSによる浸出性スズ
上記の分析は、米国特許第7,658,910号に開示される方法に従って調製されたポリマー(Ib)中には、浸出性スズが高濃度(例えば、155~318ppm)で存在し
ていたことを示す。この分析は更に、水分、O及び/または周囲温度及び高温への曝露に起因して、浸出性スズの濃度が経時的に増加したことを示している。

例9:例1~6の方法に従って調製された単量体(Ib)の組成物を含むポリマーの試料中の浸出性スズ濃度の分析

表12 ICP-MSによる浸出性スズ

上記の分析は、例1~6の本方法に従って調製したポリマー(Ib)中に存在する浸出性スズの濃度は、広範な期間に対して低かった(例えば、7.9~19ppm)ことを示す。

例10:オーブン電量カール・フィッシャー滴定による水分含有量の測定のための分析方法

表13 装置、器具、物質及び試薬
表14 装置パラメータ
表15 試験バイアル-以下の表に記載の試験バイアルを調製。密封具及び蓋によりすぐに封止。
表16 分析-以下の分析シーケンスを実施
表17 計算
表18 報告
例11:例1~6の方法に従って調製した単量体(Ib)を含むポリマーの組成物の水分含有量の分析

表19a 水分含有量
表19b 種々の期間にわたる水分含有量
例12:GCヘッドスペース分析を用いた単量体(Ib)を含むポリマーの組成物中の残留溶媒の測定のための分析方法

表20a 装置、器具、物質及び試薬(選択肢A)
表20b 装置、器具、物質及び試薬(選択肢B)
表21 試薬の調製
表22a 装置パラメータ(選択肢A)
表22b 装置パラメータ(選択肢B)
表23 試験溶液-以下の表に記載の試験溶液を調製。5mLの試験溶液を個々の20mLのGCヘッドスペースバイアルに移し、必要な各注入に対して1のバイアルを調製。試料溶液をGCヘッドスペースバイアル中で直接調製。
表24 分析-代表的な測定シーケンスを以下に示す。
表25a データ処理(選択肢A)
表25b データ処理(選択肢B)
表26 計算
表27 報告
例13:GCヘードスペース分析によって測定した、例1~6の方法に従って調製された単量体(Ib)を含むポリマーの組成物中の残留溶媒の分析

表28 残留溶媒

4530ppmのエタノールを有する非GMPロットAを、減圧下、窒素気流下で再乾燥に供し、156ppmのエタノールを有する非GMPロットBに転換させた。

例14:単量体(Ib)を含むポリマー由来の純度、不純物及び浸出性分解生成物の測定のためのHPLC分析方法

表29 装置、器具、物質及び試薬
表30 試薬の調製
表31 装置パラメータ
表32 標準液の希釈
表33 純度、不純物及び浸出性物質試料溶液-注意:不純物は、樹脂上に担持された3-ベンジルグアニジンをヨウ素化し、mIBG生成物の純度及び不純物を測定することによって測定される。以下の表に記載の試料溶液を調製する。
表34 データ処理
例15:例1~6の方法に従って調製した、単量体(Ib)を含むポリマーの組成物中の
純度、不純物及び浸出性分解生成物の測定

表35a 時間=0月におけるポリマー(Ib)中の純度、不純物及び浸出性分解生成物
表35b 経時的なポリマー(Ib)中の純度及び不純物
例16 イオベングアン製剤
イオベングアンを(Ultratrace(登録商標))単量体(Ib)を含むポリマーから調製し、ここで、該ポリマーは例1~6の方法に従って調製した。以下の表36に記載するように、イオベングアンを製剤してバイアルに封入した。

表36 イオベングアン製剤
例17 悪性の再発性または難治性褐色細胞腫/傍神経節腫の患者におけるUltratrace(登録商標)イオベングアンI-131の効能及び安全性を評価するフェーズII治験
目的-第1の目的:
約3ヶ月間隔で投与された2回の、それぞれ500mCi(または体重62.5kg以下の治験被験者に対して8mCi/kg)の治療線量のUltratrace イオベングアンI 131の結果、少なくとも6ヶ月または2サイクルの間に、全ての降圧剤が少なくとも50%低減された(中止を含む)被験者の割合を判定すること。

目的-第2の目的:
・正常な臓器へのヒト放射線吸収線量推定を始めとする、悪性褐色細胞腫/傍神経節腫の被験者におけるUltratrace イオベングアンI 131の安全性を評価すること。
・RECIST基準によって、完全奏功(CR)または部分奏功(PR)の全体としての腫瘍の奏功がある被験者の割合を評価すること。
・RECIST基準によって、CR、PRまたはMR(中程度の奏功、すなわち、標的病変の最長径の合計が15~30%減少し、非標的において進行性疾患[PD]の証左が見られないこと)の全体としての腫瘍の奏功がある被験者の割合を評価すること。
・ソロウェイ・スケール(Soloway Scale)により骨病変の状態を評価すること。
・褐色細胞腫/傍神経節腫に関連する、24時間の尿及び他の血清/血漿腫瘍マーカーにおける腫瘍マーカーの奏功を評価すること。
・治療後に、EORTC QLQ-C30の質問票により、全体的な生活の質のベースラインからの変化を記述すること。
・治療後に、国立衛生研究所(NIH)の褐色細胞腫及び傍神経節腫の生活の質ならびに症状の質問票を用いて、症状のベースラインからの変化を記述すること。
・鎮痛剤(analgesics)及び鎮痛薬(pain medications)の使用の変化を評価すること。
・治療後に、カルノフスキー・パフォーマンス・ステータスを記述すること。
・治療後5年間までの全体の生存を評価すること。
治験設計
本治験は多施設、非盲検、単一群治験である。各500mCi(または体重62.5kg以下の被験者に対して8mCi/kg)の治療線量の2回のUltratrace イオベングアンI 131を与えた58名の被験者が、効能及び安全性について評価を受けることとなることを確保するために、約75名の被験者を登録することとなることが見込まれる。1回目の治療線量の投与に先立って、被験者は画像診断線量(3mCi~6mCi)のUltratrace イオベングアンI 131を投与され、腫瘍結合活性を評価するため、ならびに正常な器官の分布を測定し、正常な器官への放射線量測定の算出を可能にするための、イオベングアンI 131によるシンチグラフィー・スキャンを受けることとなる。上記放射線量測定の検討結果が、調整を行うことが妥当であることを示す場合には、被験者に対する2回の治療線量を共に、同一の量で適宜に減量させることとなる。
ベースライン及び1回目の治療線量の3、6、9及び12ヶ月後に、腫瘍をコンピュータ断層撮影(CT)または磁気共鳴(MR)によって測定することとなる。スクリーニング/ベースライン時に骨スキャンを行い、転移性疾患の可能性が認められる場合には、3、6、9及び12ヶ月時点に更に骨スキャンを行うこととなる。3、6、9及び12ヶ月時点に、RECIST基準による全体としての腫瘍の奏功を、独立した盲検の読影者により一元的に評価することとなる。治験の現場がフルオロジオキシグルコース(FDG)スキャンを行う能力を有する場合、ベースラインならびに3、6、9及び12ヶ月時点で、該スキャンを実施して生存可能な腫瘍組織を評価してもよい。腫瘍マーカー[血清クロモグラニンA、無血漿メタネフリン及びノルメタネフリン、24時間尿中バニリルマンデル酸(VMA)、血漿カテコールアミン(ドーパミン、エピネフリン及びノルエピネフリン)、24時間尿カテコールアミン(ドーパミン、エピネフリン及びノルエピネフリン)ならびに尿メタネフリン及びノルメタネフリンを、プロトコルに記載された間隔で中央検査室により評価することとなる。ベースライン時及び6ヶ月及び12ヶ月時の効能確認のための訪問時に、クレアチニン排出または糸球体ろ過速度(GFR)のいずれかによって腎機能を評価することとなる。12ヶ月時の効能確認のための訪問時に、甲状腺機能(T3
T4及びTSH)の評価及び可能性のある口腔乾燥症の臨床評価を実施することとなる。腫瘍関連の徴候及び症状に必要な降圧剤、痛み及び他に対する薬剤の使用及び用量を、外来によること含めて継続的に記録することとなる。被験者が報告する生活の質の測定値を、EORTC QLQ-C30 v3及びNIHの褐色細胞腫及び傍神経節腫に関する生活の質ならびに症状の質問票を通じて得ることとなる。上記処置の頻度は処置の計画表中にまとめてある。
安全性は、治療下で発現する有害事象(AE)、ならびにベースライン及び注入前及び注入後のECG、身体検査、バイタルサイン測定値、検査測定値(臨床化学、血液学及び尿検査を含む)、ならびに標的病変及び正常な器官に対するヒト放射線吸収線量推定の解析を通じて評価されることとなる。
治験期間
被験者は、インフォームドコンセントに署名した時点から1回目の治療線量のUltratrace イオベングアンI 131の12ヶ月後まで、治験のための訪問に参加することとなる。被験者はその後長期の経過観察に入り、1回目の治療線量後の5年間経過観察を維持することとなる。

選択基準
全ての被験者は:
1.書面によるインフォームドコンセント(及び18歳未満の被験者に対する同意書)を提出し、プロトコル要件を遵守すること
2.少なくとも12歳であること
3.組織学によってまたは他の支持するデータ(例えば、メタヨードベンジルグアニジン(MIBG)による異常な診断検査、または腫瘍マーカーの上昇)を用いて医師によって確認された、褐色細胞腫または傍神経節腫のいずれかの書面化された(診療記録)診断を有すること
4.褐色細胞腫の根治的手術を受けることができないこと
5.以前に褐色細胞腫/傍神経節腫の治療に失敗したか、または化学療法もしくは他の根治的療法の候補者ではないこと
6.1回目の治療線量に先立つ少なくとも30日間に、腫瘍関連高血圧に対する安定した降圧剤レジメンを受けるていること(安定した降圧剤レジメンとは、1回目の治療線量の前の30日において、降圧剤の追加または削除がなく、用いている降圧剤の1日の総用量または投与経路の変更もないことと定義される。)
7.CTまたはMRまたはイオベングアンI 131スキャンによる少なくとも1の腫瘍部位を有すること
8.明確なMIBG腫瘍結合活性を有すること
9.医師によって予見された少なくとも6ヶ月間の予想生存期間があること
を必要とする。

除外基準
次のいずれかの条件が認められる場合には、被験者は除外されることとなる:
1.FDG(データが利用可能である場合)陽性病変の内、MIBGに対して結合活性であるものが<50%である
2.妊娠中または授乳中の女性
3.治験への登録の3ヶ月以内のCTまたはMRスキャンによる活動的な中枢神経系(CNS)病変
4.ニューヨーク心臓協会クラスIVの心不全、症候性うっ血性心不全[別の医学的障害を伴うニューヨーク心臓協会クラスIV]、不安定狭心症、心臓不整脈
5.治験への登録の3ヶ月以内に骨髄毒性を生じる全身放射線療法を以前受けた、またはUltratrace イオベングアンI 131治験の有効な期間または経過観察期間中に更なる治療を必要とする(褐色細胞腫/傍神経節腫以外の)活動性悪性腫瘍を有する。(1回目の治療線量に先立つ3ヶ月以内でなければ、以前のイオベングアンI 131による治療は許容される)。
6.以前全身放射線療法を受けた
7.骨髄の>25%に外部ビーム放射線治療を受けた
8.治験への登録に先立つ30日以内に化学療法を受けたか、または更なる治療を必要とする(褐色細胞腫/傍神経節腫以外の)活動性悪性腫瘍を有する。
9.カルノフスキー・パフォーマンス・ステータスが<60である
10.血小板<80,000/μL
11.絶対好中球数(ANC)<1,200/μL
12.総ビリルビン>正常値の上限の1.5倍
13.AST/SGOTまたはALT/SGPT>正常値の上限の2.5倍
14.患者の病歴によりAIDSまたはHIV陽性と診断された。
15.活動性の慢性アルコール乱用、慢性肝疾患(肝転移を除く)、または肝炎(患者の病歴に記載されているHbsAg及び抗HCVの陽性検査によって検出されたA、BまたはC型肝炎)
16.Ultratrace イオベングアンI 131の排泄の遅延及び全身の線量増加の可能性があるため、腎機能不全/機能障害(<30mL/分のクレアチニン排出または<30mL/分の糸球体ろ過速度(GFR)によって定義される)
17.医学的介入を必要としているイオベングアンに対する既知のアレルギー
18.本治験への参加以前の30日以内に治験化合物及び/または医療機器による施術を受けた
19.腫瘍によるイオベングアンI 131の取込みを阻害する薬剤投与を受けている
20.任意の医学的状態または他の状況(すなわち、治験要件の遵守を制限するであろう、進行中もしくは活動性の感染症または精神病/社会的状況を含む、但しこれらに限定されない、制御されていない現在ある病気)。
21.治験実施者の意見により、被験者の安全または要件遵守を損なう可能性のある、または被験者が治験を順調に完結することを妨げることになるであろうその他の任意の状況。
治験薬
各被験者に、当該被験者が放射線医学の開始基準を満たしているかどうかを確認するため、及び線量測定法を確立するために、3mCi~6mCiのUltratrace イ
オベングアンI 131(「画像診断線量」という。)を投与することとなる。次いで、開始基準を満たす全ての被験者は、治療線量(500mCiまたは試験体の体重が62.5kg以下の場合は8mCi/kg)のUltratrace イオベングアンI 131と呼ばれる治験製品の投与を受け、それに続いて、注入後7日以内に画像診断を受けることとなる。線量測定評価の結果によって妥当である場合には、2回の治療線量を等しく調整することとなる。少なくとも3ヶ月後に、被験者は2回目の治療線量の投与を受けることとなる。
画像診断パラメータ
ベースライン期間中に、(医学的状態またはアレルギーによってその使用が妨げられない限り)IV造影剤を用いた胸部、腹部及び骨盤のCTまたはMRスキャン及び骨スキャンを得て、疾患の程度を判定することとなる。それぞれの腎臓の腎臓容積の測定が必要となる。吸収線量を更に評価するために、他の臓器及び組織について解剖学的容積を測定してもよい。
画像診断線量(3mCi~6mCi)のUltratrace イオベングアンI 131の後、被験者は、上記線量の1時間後、1~2日後及び2~5日後に、Ultratrace イオベングアンI 131による前部及び後部の全身プラナースキャンを受けて、生体分布を評価し、(1回目の投与については)RECIST基準を満たす少なくとも1の既知の腫瘍における取込みを確認することとなる。各画像取得の間に少なくとも18時間の間隔が必要である。背景に対する腫瘍の比は≧2である必要があり、該比は24時間の画像から最もよく視覚化され、背景からの排出を可能にする。例えば、肝臓病変は背景の正常肝臓の2倍である必要がある一方、軟組織病変は周囲の軟組織中の背景を使用することとなろう。
被験者は各治療線量後7日以内にUltratrace イオベングアンI 131による全身スキャンを受けて、生体内分布を更に評価する。
被験者は1回目の治療線量のUltratrace イオベングアンI 131の3、6、9及び12ヶ月後に経過観察のためのCTまたはMRスキャンを受けて、腫瘍の奏功の評価を行う。被験者はまた、1回目の治療線量のUltratrace イオベングアンI 131の3、6、9及び12ヶ月後に、任意選択の経過観察のためのFDGスキャンを受けてもよい。スクリーニングのための骨スキャンにおいて転移性疾患の可能性が認められる場合、骨スキャンを3、6、9、12ヶ月目に実施することとなる。被験者は奏功の確認のために予定外の訪問で追加の傷(Scars)を受ける場合がある。
全ての画像は中央の画像診断中核検査室に送られ、匿名化後に評価が行われることとなる。オフサイトCTまたはMRの評価は、画像診断中核検査室によって発行された許可証に則って、独立したCT及びMRで経験を積んだ読影者によって実施されることとなる。これらの読影者は、画像診断許可証に記載されるように、臨床被験者に対して盲検となる。上記読影者はRECIST基準に従って客観的な腫瘍の奏功を判定することとなる。CTまたはMR画像のオンサイトでの読影を行ってもよいが、客観的な腫瘍の奏功評価には盲検化された読影の結果のみが使用されることとなる。
長期経過観察の一環として、被験者は追加のスキャンを受けて、施設毎の標準治療によって病状を監視してもよく、これらの画像は中央検査室による評価はなされないこととなる。
評価項目-第1の評価項目:
本治験の第1の評価項目は、少なくとも6ヶ月または2サイクルのUltratrac
e イオベングアンI 131に対して、全ての降圧剤が少なくとも50%低減された(中止を含む)治験被験者の割合である。第1の評価項目は治験の完了または中止のどちらか早い方の時点で評価されることとなる。

評価項目-第2の評価項目:
・RECIST基準によるCRまたはPRの全体的な腫瘍の奏功のあった被験者の割合、・RECIST基準によるCR、PRまたはMR(中程度の奏功)の全体的な腫瘍の奏功のあった被験者の割合
・ソロウェイ・スケールによる骨病変の奏功
・褐色細胞腫/傍神経節腫に関連する、24時間の尿及び他の血清/血漿腫瘍マーカーにおける腫瘍マーカーの奏功
・高血圧の状況及び血圧の変化
・EORTC QLQ-C30マニュアルの推奨指針による生活の質
・NIHの褐色細胞腫及び傍神経節腫に関する生活の質ならびに症状の質問票によって評価した症状。
・鎮痛剤(analgesics)及び鎮痛薬(pain medications)の使用の変化
・登録日から如何なる原因であっても死亡した日までの時間として定義される全生存期間(OS)。OS時間は、確認がないまたは不明のときには、当該の被験者が生存していたことが判っている最後の日で打ち切られることとなる。
・検査値、身体検査またはバイタルサインの変化、及び治療下で発現する有害事象の発生により評価した安全性
・正常な器官に対するヒト放射線吸収線量推定
症例数
58名の被験者が2回の投与を受け、安全性及び効能について評価可能となることを確保するために、約75名の被験者を登録することとなることが予想される。本治験の片側対立仮説は、少なくとも6ヶ月または2サイクルに対して、全ての降圧剤が少なくとも50%低減される(中止を含む)被験者の割合は、当該割合が0.10である帰無仮説に対して、0.25であるというものである。治験実施計画書に適合した被験者集団中の58名の被験者の症例数は、α=0.025の片側有意水準及び0.90(90%)の検出力に基づくものであった。
例18:MIBGを含む組成物中の浸出性スズ濃度の比較
式(I)の単量体を含むポリマーから調製されたMIBGを含む組成物中の浸出性スズ濃度を比較するための例示的な方法が提供される。かかるポリマーは、例えば、(a)米国特許第7,658,910号(比較的高濃度の浸出性スズを生じる)または(b)例1~6の方法(比較的低濃度の浸出性スズを生じる)に従って調製することができる。
例1~6の方法に従って調製された、比較的にスズを含まないジアルキルスタンナン官能化ポリマー薬物物質前駆体(DSP)のヨウ素化によって生成する、開裂したMIBG生成物においては、浸出性スズが低濃度であることが望ましい。DSP中の浸出性スズが低濃度であると、同様に含有するスズの濃度が低い、ヨウ素化された薬物物質が与えられることが期待される。スズは米国及び他の規制当局によるとクラス3の不純物である。
対照的に、米国特許第7,658,910号に記載される方法に従って調製されたポリマー中の比較的高濃度の浸出性スズは、ヨウ素化による樹脂からのその開裂の後にMIBG薬物物質に存続し得る。ポリマー前駆体中の高濃度及び低濃度の浸出性スズ含有量がMIBG薬物物質中の浸出性スズ濃度にどの程度影響を及ぼすかに関する定量的データを提供するために、MIBG中のスズ濃度を調べることができる。
理論に拘束されるものではないが、式(I)の単量体を含むポリマー中の浸出性スズ濃度は、一般に、アリールグアニジン部分とポリ(ジビニルベンゼン)樹脂との間の有機スタンナン結合の加溶媒分解に由来する。この加溶媒分解反応は、残留溶媒、例えばエタノール及び水によって媒介される場合があり、これらの両方は、いくつかの実施形態において、真空乾燥前の最終洗浄シーケンスにおいて使用される場合がある。米国特許第7,658,910号に記載される方法に関して、洗浄及び乾燥ステップの例1~6の該ステップと対比した比較を以下の表1に示す。
ポリマー担持塩化ベンジルグアニジニウムを酢酸塩形態に交換するイオン交換ステップによって、式(I)の単量体を含むポリマーの単一のバッチを製造することができる。最終的な洗浄及び乾燥シーケンスの前に、上記樹脂を2の部分ロットに分割し、最終的な洗浄及び乾燥シーケンスを(a)米国特許第7,658,910号に記載の方法または(b)例1~6の方法に従って実施することができる。両方の部分ロットを完全放出試験によって分析することができる。このようにして、樹脂のバッチを、(a)米国特許第7,658,910号に記載の方法(相対的に生じる残留スズ濃度が高い。)または(b)実施例1~6の方法(相対的に生じる残留スズ濃度が低い。)に従って製造することができる。
次いで、部分ロット(a)及び(b)の両方を上記の例14の方法を用いてヨウ素化に供することができ、次に、このようにして生成したそれぞれのMIBG溶液のスズ含有量を、後述の例19の方法などの方法を用いて、ICP-MSによってそれぞれ試験することができる。樹脂が米国特許第7,658,910号における洗浄及び乾燥手順の後に包装される場合、貯蔵中に浸出性スズが実質的に増加することが本出願人らによって認められているので、この実験の更なる態様は、安定性の検討を実施するべきものとし、これによりそれぞれの樹脂を低温(例えば-20℃)で1、3、及び6ヶ月間保存することとする。各時点で、(1)各樹脂の浸出性スズ含有量の分析、及びそれに続く各ポリマーのヨウ素化、(2)それぞれの開裂したMIBG薬物物質またはそれを含む医薬組成物のスズ含有量の試験を含む分析を実施することができる。
例19:代表的なICP-MSプロトコル
1.範囲
この手順は、溶解、酸消化及びマイクロ波消化によって比較的透明な水溶液を与えるマトリクス中でのICP-MSによって検出可能な元素の測定に好適である。この方法はま
た、メタノール、エタノール及びDMSOなどの低炭素含有量の有機溶媒中で透明な溶液を与えるマトリクスにも適用される。
ICP-MSを用いて、以下の元素、Al、Au、As、B、Ba、Be、Bi、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cs、Cu、Er、Eu、Fe、Ga、Gd、Hg、Ho、Hf、In、Ir、K、La、Li、Lu、Mg、Mn、Mo、Na、Nd、Ni、Os、P、Pb、Pd、Pr、Pt、Re、Rb、Rh、Ru、Sb、Se、Sm、Sn、Sr、Ta、Te、Th、TL、Tm、U、V、W、Zn及びZr(但しこれらに限定されない)の分析を行うことができる。
この技法の適用範囲は一般的に、試料中の0.1mg/kg~1000mg/kgの間の分析対象物の濃度に有効であるが、これに限定されない。
分析者は、特定の元素の組み合わせ、例えば銀と塩化物、バリウムとイオウにおいて、消化後に溶解性が低下することを認識する必要がある。但し、10%のHClはAgを、錯体形成により(溶液中のAg+がAg(Cl)X-(X-1)として)水溶液中に最大10μg/mL保持する。
この方法に適さない元素としては、酸溶液中で沈殿する場合があるケイ素、及び溶解度が低いチタン(TiO由来の場合)が挙げられる。
マイクロ波技法を用いて全ての有機物質を消化することができるわけではない。水溶液の場合、以下は特殊なケースであり、別途に調製する必要がある。すなわち、オスミウム:硝酸を使用しないこと。代わりに塩酸を使用すること。銀:希塩酸は回避する必要がある。スズ:溶液は10~20%の塩酸で調製する必要がある。

2.装置、機具、物質及び試薬
3.有機物(例えば、メタノール、エタノール及びDMSOまたはそれらの酸性水溶液と
の混合物)のための装置設定
トーチを内径1.5mmに交換し、ISTD配管を取外し、針を1ppbのアジレント社チューニング溶液(水溶液)に入れ、プラズマを作動させてスタートアップのトーチ軸設定のみを行う。プラズマを停止し、待機の状態を待つ。ハードウェアウィンドウにおけるプラズマモードを有機溶媒に変更し、SC冷却を停止する(DMSOの場合のみ)。
適宜の有機溶媒テンプレートをロードして調整する。
有機マトリクス(DMSO、エタノールまたは他の溶媒)で希釈することによって1ppbのチューニング溶液を調製する。安定性を高めるために上記有機チューニング溶液に1%のHNOを添加する。チューニングに移り、自動チューニングを実行し、次いで適当な名称を付したバッチとしてテンプレートを保存する。試料リストを編集し、キューに追加する。注意:
・安定性を高めるために、全ての有機試料及び標準液に1~5%の酸を添加することを推奨する
・DMSOに対しては廃液配管を有機物とする必要がある。
・試料配管は、Tygon MH3(Glass Expansion社)または同等品を用いる必要がある。
・エタノール及びDMSOにはNiコーンを使用できる。但し、Ptコーンがより良好であり、より高い炭素含有量の溶媒にはPtコーンを用いる必要がある。

4.試薬の調製
試料及び較正標準液/内部標準液/QCの希釈剤は、可能であれば一致させる必要がある。
5.標準液の調製
5.1 一般的な考慮事項
分析者は、混合元素の標準液を用いる場合、例えば、銀は希塩酸溶液からは沈殿する等、当該標準液中の全ての元素に対して(当該元素が分析に必要であるかどうかにかかわらず)、最終的なマトリクスが適していることに注意を払う必要がある。
標準溶液は、硝酸及び塩酸濃度(または有機溶媒が使用される場合は有機物含有量)の観点から、マトリクスを可能な限り試料と一致させる必要がある。
少なくとも、以下の較正溶液が必要である。
・較正ブランク液
・2種の較正標準液
・上記の節のとおり、独立した確認用標準液
・上記の節のとおり、報告/規格限度標準液。この標準液は較正標準液の1つとして用いてもよい(当該限度が高過ぎて分析に含めることができない場合は省略することができる
。)。
全ての標準溶液は1種または複数種の内部標準の添加を必要とする。あるいは、オンライン内部標準添加を用いることもできる。
一般的に、1.0ppb及び10ppbで調製した標準液は許容範囲を与える。痕跡量の濃度のみが予想される場合には、10ppbの標準液を0.1ppbの標準液に置き換えてもよい。より高い濃度が予想される場合には、lppbを100ppbの標準液に置き換えてもよい。これらの濃度は目安を意図するに過ぎない。顧客の範囲及び報告要件により当てはまる場合には、上記に代わる濃度を調製してもよい。
汚染の危険性を低減するために、栓をした50mLのプラスチック遠沈管中で較正溶液に液を補充する。該遠沈管は較正された容積目盛を有し、内部標準を含まない溶液または内部標準がオンラインで導入される場合の希釈に対しては、これを用いる必要がある。内部標準が添加されている場合には、最終体積への正確な希釈は必要ないので、較正されていない遠沈管上の体積目盛を最終希釈に使用してもよい。
ニッケルコーンを用いる場合は、ICP-MS分析には酸濃度は10%v/vを超えてはならない。
全ての標準液調製物を分析者の生データに明確に記録する必要がある。結果が範囲を超えている場合には、より高濃度の標準液を調製してもよいが、線形性を実証する必要がある。この線形性を実証は、更なる標準溶液を分析測定に追加することによって行うことができる。感度が予想値の10%以内であれば線形性が保証される。
5.2内部標準液の調製
以下は、内部標準液を調製するための希釈スキームとして用いることができるが、精度に関して妥協のないものであれば、代替のスキームも許容される。
以下の表に記載される内部標準及び標準溶液を調製する。これらの内部標準溶液は慣用の使用に適した様々な質量を提供するが、より適切であると考えられる場合にはこれらに代わる元素を用いてもよい。
5.3 較正標準液-調製
以下は、較正標準液を調製するための希釈スキームとして用いることができるが、精度に関して妥協のないものであれば、代替のスキームも許容される。以下の表に記載される原液標準溶液(二次混合標準液)を調製する。
較正ブランク液
50mLの遠沈管中の脱イオン水に酸を加えて、最終的な試料調製物中の濃度を一致させる。0.5mLの混合内部標準溶液を加え、水で容量まで希釈する。
1ppb混合作業用標準液(0.1ppb Hg)
0.05mLの二次混合標準液を50mLのプラスチック遠沈管に加える。較正ブランク液に対するのと同様の酸及び0.5mLの混合内部標準溶液を加える。容量まで希釈する。
10ppb混合作業用標準液(lppb Hg)
0.50mLの二次混合標準液を50mLのプラスチック遠沈管に加える。較正ブラン
ク液に対するのと同様の酸及び0.5mLの混合内部標準溶液を加える。容量まで希釈する。
100ppb混合作業用標準液(10ppb Hg)
5.00mLの二次混合標準物質を50mLのプラスチック遠沈管に加える。較正ブランク液に対するのと同様の酸及び0.5mLの混合内部標準溶液を加える。容量まで希釈する。
使用期限
上記較正標準液は、各分析用に新たに調製し、24時間を超えて保存しないことが必要である。注:水銀較正液は、装置内の洗い流し時間が長くなるため、10ppbを超えないことが推奨される。水銀を含有する較正溶液は1%塩酸を含有するマトリクスを必要とすることとなる。
6.品質管理標準液の調製
独立したQC(IQC)標準液は別の原液から調製し、較正後に分析する必要がある。IQC標準液の結果は予想される(保証された)値の85~115%以内である必要がある。
十分な物質が利用可能であることを条件として、10のバッチの全てのバッチまたはそれら一部に対して、1試料を2回繰り返しで分析する必要がある。一般的には、2の結果の差異は平均値の10%以内である必要があるが、これは必ずしも達成可能なわけではない(たとえば、装置の定量限界近辺で測定する場合)。
マトリクス効果が予想される場合には、消化または溶解の前に、測定対象の各元素を試料にスパイクする必要がある(それが適切な場合)。スパイクの回復率は定量分析の目標の85~115%の範囲内である必要がある。スパイクの濃度は当該試験の要件に対して適切である必要がある。限度試験に対しては規格限度でのスパイクが適切である。スパイクの回収率はマトリクス干渉及び分析手順の回収率の総体的影響に関する情報を提供し、マトリクス効果が予想される場合には、当該バッチ中の各マトリクスの種類に対して少なくとも1回実施する必要がある。回収率は、通常、試料からの寄与を差し引いた後の検出されたスパイクに対する添加されたスパイクのパーセンテージとして算出される。但し、試料からの寄与が添加されたスパイク量を超える場合には、回収率は、予想される総元素量に対する検出された総元素量のパーセンテージとして表すことができる。限度試験用の規格でスパイクする場合、試験溶液中の元素の濃度がスパイク溶液中の濃度の半分未満との条件において、より低い回収率が許容され得る。
透明な溶液を得ることができない場合、調製前に測定対象の各元素を試料にスパイクする必要がある。わずかに濁った溶液を遠心分離することは許容され、データはスパイク回収率の成績から検証されることとなり、該回収率は目標の85~115%以内である必要がある。
内部標準は全ての分析に必要であり、適宜の濃度で添加される。内部標準の回収率は7
0%~130%の範囲である必要がある。あるいは、オンライン内部標準添加を用いることができ、MassHunterが測定間の内部標準の偏差を監視することとなる。この偏差は70%~130%の範囲内である必要がある。
較正標準液は必要な報告/仕様限度で調製する必要がある(適用可能である場合)。算出される濃度は80~120%の範囲内である必要がある。(上記限度が高過ぎて分析に含めることができない場合には割愛することができる)
7.試料の調製及び取り扱い
希酸(例えば10% HNO3)を用いて完全に溶解することができる場合には、消化は不要である。
希酸を用いて溶解することができない場合には、濃酸を用いた酸消化が代替手段となり得る。
酸消化によって透明な溶液が得られない場合には、マイクロ波消化を使用することとなる。マイクロ波消化についてはAOI-189を参照されたい。当該物質が消化に適していることを確認すること。
有機溶媒は、それが適切な場合には、消化に代わる代替の選択肢である。
試料が均一であることを確認すること。塊状の試料は、試料採取の前にプラスチック製スパチュラで粉砕及び混合する必要がある。
EasyPrepは使用前に酸洗浄する必要がある。試料に用いる消化用酸混合物を使用した洗浄運転を実施する必要がある。注:洗浄に用いる酸は、試料分析に用いる高純度グレードであってはならない。この目的のためには、Analar gradeまたは同等品が適していると考えられる。
微量分析を行う場合、消化することができる最大の試料重量は約0.5gである。一般的には、これを10mLの酸で消化することとなる。
QC要件による必要に応じて、可能な場合には、同一サイズのアリコートを用いて、スパイク及び繰り返し測定用調製物を調製する。スパイクは、消化剤の添加の前に、二次混合標準液の適宜のアリコートを添加することによって調製する。添加するスパイクの量は、当該試料の規格限度または当該試料中の予想される量に相当する量に一致させることが推奨される。
少量の酸を用いる場合、精製水を加えて液体の総容量を10mLにする必要がある。
マイクロ波消化AOI-189に従って210℃で試料を消化する。
消化が完了したところで、試料を50mLのプラスチック遠沈管に移す。水銀が測定対象である場合には、塩酸を添加して10%塩酸の名目上の濃度になるようにする必要がある。例えば、消化において10mLの硝酸を用いた場合、この段階で5mLの塩酸を添加する必要がある。逆王水を用いた場合には、2mLの硝酸と3mLの塩酸を追加する必要がある。この溶液を水で50mLに希釈する。スズまたは銀の分析を必要とする試料には更に5mLの塩酸の添加が必要であり、その後容量まで液を補充して20%の塩酸溶液を得る。
酸濃度が10%v/vを超えないように調製物を更に希釈する。一般に、1.0mLの消化原液及び0.10mLの混合内部標準溶液を水で10mLに希釈する。これに代わる希釈比を用いる場合は、添加する酸の容積を調整する必要がある場合がある。上記の節を参照されたい。一般に、(水銀の分析が必要な場合)作業溶液は2%の硝酸及び1%の塩酸を含有する必要がある。
MS分析のために調製した全ての溶液は沈殿物が全くなく透明である必要がある。消化した試料中の不溶性物質の存在は、調製方法が分析に対して不適切または不完全であることを意味し得る。2mLの過酸化水素を添加した後に更に消化を試みてもよい。
透明な溶液を得ることができない場合、わずかに濁った溶液を遠心分離することは許容される(上記の節を参照のこと。)。データはスパイク回収率の成績から検証されることとなる。

一般的な注意事項:
・上記に詳述した試料調製技法は包括的な概要であることを意図し、有益であることが判っており、消化後に透明な水溶液を与えるのであれば、任意の酸の組み合わせを用いてもよい。
・ほとんどの用途では硝酸単独が好適であるが、パラジウム、銀、スズ、金及び白金には硝酸及び塩酸(逆王水として知られる8:2)が用いられる。溶解性が十分であるならば、これに代わる酸を用いることができる。
・消化が困難な物質(例えばプラスチック)については、過酸化水素1mLを硝酸に添加してもよい。
・水銀に関する溶液は、安定性と装置内での良好な洗い流し時間を確保するために、1%の塩酸を含有する最終的なマトリクスが必要である。
・ICP-MS分析用の最終的な試験溶液中の総無機固形分は0.3%を超えてはならない。
・消化試料溶液は1週間を超えて安定であると考えるべきではなく、消化原液の希釈は分析の当日に行うことが必要である。
8.装置パラメータ
スタートアップは装置の基本性能を最適化することとなる。スタートアップで実行される最適化は装置の基本性能に適用される。分析に特有の最適化は各バッチにおける自動チューニングによって実行される。
装置のメソッド・パラメータの例を以下に詳述する。
分析
未知のマトリクス上での分析を行う場合、各元素の少なくとも2種の同位体を選択することが推奨される(可能であれば)。同位体に関するデータは以下の基準に基づいて報告する。
・多原子干渉及び等圧干渉がないこと
・最良のQCデータ
・最も豊富に存在すること
以下の代表的な注入シーケンスを実施する。
洗浄溶液は、較正ブランク液の酸濃度(または溶媒)と一致するように構成された酸希釈液である。洗浄液について得られる読取値を監視して、試験中の元素のカウントが当該元素のバックグラウンド濃度まで確実に戻る必要がある。そうでない場合は、必要に応じて追加の洗浄を挿入して上記シーケンスをやり直し、試験溶液間のキャリーオーバーを確実に最小限に抑える必要がある。最小限のバックグラウンドの読取値の増加は許容される。
10.システム適合性-判定基準
試薬/プロセスブランク液を、試料調製に用いる試薬のバックグラウンド濃度及び外部源からの汚染を評価するために、試料と同様の調製方法を用いて測定する。ブランク液濃度の3倍未満の結果は報告しなくてもよい。
分析者の各読取値と内部標準とのRSDは<10%である必要がある。この値を超えるRSDは、ゼロに近づいていく濃度の場合を除いて、装置に関して安定性に乏しいこと及び問題がある可能性の徴候を示す。
較正グラフの線形性を評価する。較正の相関係数は≧0.998である必要がある。
較正標準液は、可能であれば、必要な定量/報告限度で調製する必要がある。較正に基づいて算出される濃度は、予想される濃度の80~120%の範囲内である必要がある。(分析に含めるには限度が高過ぎる場合、予め規定された限度がない場合、または限度が、例えば、Hg、As及びCdの合計が<1ppmといった、2以上の元素の総体的な濃度に対するものである場合には割愛することができる)。
確認用較正標準液を10の試料毎に、及びシーケンスの最後の試料として測定し、確実に、測定の全過程にわたって過度のドリフトが発生しないようにする。結果は予想値の85~115%の間である必要がある。
IQC標準液の結果は、予想される(保証された)値の85~115%以内である必要がある。
11.計算
ppbで表される結果:以下の式:
結果(ppb)=試験溶液中の濃度(ppb)×希釈率
を用いて微量元素の濃度を算出する。
12.報告
微量元素の含有量:結果を2桁の有効数字で報告する。
均等物
本発明のいくつかの実施形態を本明細書に記載し説明してきたが、当業者は、当該機能を実行し、及び/または当該結果及び/または本明細書に記載の1または複数の利点を得るためのさまざまな他の手段及び/または構造を容易に想定することとなり、それぞれのかかる変化形及び/または改変は本発明の範囲内にあると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載の全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は例示的であることを意図し、実際のパラメータ、寸法、材料及び/または構成は、本発明の教示が用いられる具体的な1または複数の用途に依存することとなることを容易に認識しよう。当業者は、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、または慣用的な実験のみを用いてこれらを確認することができよう。したがって、前述の実施形態は単なる例示として提示されること、及び本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内で、具体的に記載され及び権利請求されるもの以外の方法で実施され得ることが理解される必要がある。本発明は、本明細書に記載の個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/または方法を対象とする。加えて、かかる特徴、システム、物品、キット、及び/または方法の2以上の任意の組合せは、かかる特徴、システム、物品、材料、キット及び/または方法が相互に矛盾しない場合、本発明の範囲内に包含される。いくつかの実施形態において、本明細書では、用語「約」とは、±2%、5%、または10%を意味する。いくつかの実施形態において、本明細書では、用語「実質的に純粋な」とは、99%、98%、95%または90%の純度を意味する。
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
ポリマーを含む調製物であって、前記ポリマーが式(I):

の単量体またはその薬学的に許容される塩を含み、該調製物中に存在する浸出性スズの濃度が約0ppm~約150ppmの範囲内である前記調製物。
(項2)
前記薬学的に許容される塩が前記単量体のHOAc塩である、上記項1に記載の調製物。
(項3)
容器中に不活性ガス下で封入される、上記項1または2に記載の調製物。
(項4)
前記不活性ガスが窒素である、上記項3に記載の調製物。
(項5)
浸出性スズの前記濃度が約0ppm~約120ppmの範囲内である、上記項1~4のいずれか1項に記載の調製物。
(項6)
浸出性スズの前記濃度が約0ppm~約50ppmの範囲内である、上記項1~4のいずれか1項に記載の調製物。
(項7)
上記項1~6のいずれか1項に記載の調製物であって、式(I)の単量体、またはその薬学的に許容される塩を含む前記ポリマーが、該調製物の少なくとも98%を構成する前記調製物。
(項8)
上記項1~7のいずれか1項に記載の調製物であって、含まれる水が該調製物の重量%に対して1.5重量%未満である前記調製物。
(項9)
上記項1~7のいずれか1項に記載の調製物であって、含まれる水が該調製物の重量%に対して1.0重量%未満である前記調製物。
(項10)
上記項1~9のいずれか1項に記載の調製物であって、含まれる有機溶媒が該調製物の重量%に対して0.5重量%未満である前記調製物。
(項11)
前記ポリマーが含む式(IV):

の単量体またはその薬学的に許容される塩が約0.5重量%未満である、上記項1~10のいずれか1項に記載の調製物。
(項12)
前記ポリマーが含む式(V):

の単量体またはその薬学的に許容される塩が約0.5重量%未満である、上記項1~11のいずれか1項に記載の調製物。
(項13)
調製物を備えるキットであって、該調製物が式(I):

の単量体またはその薬学的に許容される塩を含むポリマーを含み、該調製物中に存在する浸出性スズの濃度が約0ppm~約150ppmの範囲内であり、前記式(I)の単量体を含むポリマーを不活性ガス下で収納する容器を更に備える前記キット。
(項14)
上記項2~12に記載の調製物のいずれか1を備える、上記項13に記載のキット。
(項15)
式(I)の単量体、またはその塩を含む前記精製されたポリマーが、-20℃で少なくとも6ヶ月間、最も少ない98重量%の純度である、上記項13に記載のキット。
(項16)
-20℃で少なくとも6ヶ月間、浸出性スズの含有量を150ppm未満の濃度に維持する、上記項13に記載のキット。
(項17)
-20℃で少なくとも9ヶ月間、浸出性スズの含有量を20ppm未満の濃度に維持する、上記項13に記載のキット。
(項18)
含まれる水が前記調製物の重量%に対して1.5重量%未満である、上記項13に記載のキット。
(項19)
含まれる水が前記調製物の重量%に対して1.0重量%未満である、上記項13に記載のキット。
(項20)
(a)式(VI):

の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
式中、R は放射性同位体標識であり、
式(I):

の単量体もしくはその薬学的に許容される塩を含むポリマーの調製物であり、含まれる浸出性スズの濃度が約0ppm~約150ppmである、式(I)の単量体を含む前記ポリマーの前記調製物に、ハロゲンイオンの放射性同位体を接触させることによって生成する前記化合物または前記その塩と、
(b)薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルと
を含む医薬組成物。
(項21)
上記項2~12に記載の調製物のいずれか1を含む、上記項20に記載の医薬組成物。(項22)
前記ハロゲンイオンの放射性同位体がフッ化物、臭化物、ヨウ化物またはアスタチンである、上記項20に記載の医薬組成物。
(項23)
前記ハロゲンイオンの放射性同位体が 123 I、 124 I、 125 Iまたは 131 Iである、上記項20に記載の医薬組成物。
(項24)
前記ハロゲンイオンの放射性同位体が 211 Atである、上記項20に記載の医薬組成物。
(項25)
(a)メタ-ヨードベンジルグアニジン(MIBG):

またはその薬学的に許容される塩であって、式(I):

の単量体もしくはその薬学的に許容される塩を含むポリマーの調製物であり、含まれる浸出性スズの濃度が0ppm~150ppmである、式(I)の単量体を含む前記ポリマーの前記調製物に、ヨウ化物塩を接触させることによって生成する前記MIBGまたは前記
その塩と、
(b)薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルと
を含む医薬組成物。
(項26)
上記項2~12に記載の調製物のいずれか1を含む、上記項25に記載の医薬組成物。(項27)
上記項25に記載の医薬組成物であって、該組成物中に存在するメタ-ヨードベンジルアミン(MIBA):

またはその薬学的に許容される塩が約0.5重量%以下である前記組成物。
(項28)
上記項25に記載の医薬組成物であって、該組成物中に存在するメタ-ヨードベンジルビグアニジン(MIBBG):

またはその薬学的に許容される塩が約0.5重量%以下である前記組成物。
(項29)
上記項25に記載の医薬組成物であって、該組成物中に存在するメタ-ヒドロキシベンジルグアニジン(MHBG):

またはその薬学的に許容される塩が約0.5重量%以下である前記組成物。
(項30)
上記項25に記載の医薬組成物であって、該組成物中に存在するメタ-ヨードベンジルアミン(MIBA)、メタ-ヨードベンジルビグアニジン(MIBBG)、及び/またはメタ-ヒドロキシベンジルグアニジン(MHBG):

あるいはそれらのいずれかの薬学的に許容される塩が約0.5重量%以下である前記組成物。
(項31)
式(VI):

の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含み、
式中、R は放射性同位体標識であり、
含まれる浸出性スズの濃度が0ppm~150ppmである医薬組成物。
(項32)
メタ-ヨードベンジルグアニジン(MIBG):

またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含み、
含まれる浸出性スズの濃度が0ppm~150ppmである医薬組成物。
(項33)
式(I):

の単量体またはその薬学的に許容される塩を含むポリマーの精製された組成物の調製方法であって、
前記ポリマーまたはその薬学的に許容される塩を含む調製物を溶媒に接触させ、次いで実質的に全ての前記溶媒を除去して、前記ポリマーまたはその薬学的に許容される塩を含む、溶媒を枯渇させた物質を生成させることによって、前記調製物を溶媒処理するステップと、
前記溶媒を枯渇させた物質を減圧、及び約30℃~約50℃の範囲内の温度に晒すステップと
を含み、
前記晒すことが、存在する浸出性スズが約150ppm以下となるように、したがって、前記ポリマー、またはその薬学的に許容される塩の精製された組成物が生成するようにするために十分な条件下で及びかかる時間行われる前記方法。
(項34)
前記溶媒がアルコールであるまたはアルコールを含む、上記項33に記載の方法。
(項35)
前記アルコールがエタノールであるまたはエタノールを含む、上記項34に記載の方法(項36)
前記調製物を溶媒処理する前記ステップが、第1及び第2の溶媒を用いて行われる第1及び第2の溶媒処理ステップを含み、第1の溶媒がアルコール水溶液であり、第2の溶媒が無水アルコールである、上記項33に記載の方法。
(項37)
第1の溶媒がアルコール水溶液であり、第2の溶媒が無水エタノールである、上記項36に記載の方法。
(項38)
前記精製された組成物が含む水が該組成物の重量%に対して1.5重量%未満である、上記項33に記載の方法。
(項39)
前記精製された組成物が含む水が該組成物の重量%に対して1.0重量%未満である、上記項33に記載の方法。
(項40)
前記精製された組成物を不活性ガス下で保存するステップを更に含む、上記項33に記載の方法。
(項41)
式(I):

の単量体またはその薬学的に許容される塩を含むポリマーを含む調製物であって、該調製物中に存在する浸出性スズの濃度が150ppm未満であるような、浸出性スズを実質的に含まない前記調製物に、ヨウ化物塩を接触させるステップを含む、メタ-ヨードベンジルグアニジン(MIBG):

またはその薬学的に許容される塩の調製方法。
(項42)
前記接触させるステップが、上記項2~12のいずれか1に記載の調製物に接触させることを含む、上記項41に記載の方法。
(項43)
前記ヨウ化物塩がI-131ヨウ化ナトリウムである、上記項41に記載の方法。
(項44)
(a)メタ-ヨードベンジルグアニジン(MIBG):
またはその薬学的に許容される塩であって、式(I):

の単量体もしくはその薬学的に許容される塩を含むポリマーの調製物であり、含まれる浸出性スズの濃度が0ppm~150ppmである、式(I)の単量体を含む前記ポリマーの前記調製物に、ヨウ化物塩を接触させることによって生成する前記MIBGまたは前記その塩と、
(b)薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルと
を含む医薬組成物を、対象に投与することを含む方法。
(項45)
前記医薬組成物が投与時に含む浸出性スズの濃度が0ppm~150ppmである、上記項44に記載の方法。

Claims (13)

  1. 式(VI)の化合物
    Figure 0007399996000102
    またはその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
    ここで、R は放射性ハロゲン同位体であり;
    前記方法は、前記放射性ハロゲン同位体の塩を、式(I)のセグメント:
    Figure 0007399996000103
    またはその酢酸塩を含むポリマーを含む調製物と反応させるステップを含み、
    ここで、
    前記調製物が、前記調製物の重量%に対して2.0重量%未満の水を含み;
    浸出性スズが、前記調製物中に0ppm~150ppmの範囲内の濃度で存在し;
    前記調製物が、前記調製物の重量%に対して0.5重量%未満の有機溶媒を含み;
    それによって、前記式(VI)の化合物を生成させる、
    方法。
  2. 前記調製物中に存在する浸出性スズの前記濃度が0ppm~120ppmの範囲内の濃度である、請求項1に記載の方法。
  3. 式(I)のセグメントまたはその前記酢酸塩を含む前記ポリマーが、前記調製物の少なくとも98重量%を構成する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記調製物が、前記調製物の重量%に対して1.5重量%未満の水を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記調製物が、前記調製物の重量%に対して1.0重量%未満の水を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記ポリマーが、0.5重量%未満の式(IV):
    Figure 0007399996000104
    のセグメントまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ポリマーが、0.5重量%未満の式(V):
    Figure 0007399996000105
    のセグメントまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記放射性ハロゲン同位体が、フッ素、臭素、ヨウ素、またはアスタチンの放射性同位体である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記放射性ハロゲン同位体が、 18 F、 123 I、 124 I、 125 I、 131 Iまたは 211 Atである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記放射性ハロゲン同位体が、 123 Iである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記放射性ハロゲン同位体の塩が、I-123ヨウ化ナトリウムである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記放射性ハロゲン同位体が 131 Iである、請求項9に記載の方法。
  13. 前記放射性ハロゲン同位体の塩が、I-131ヨウ化ナトリウムである、請求項12に記載の方法。
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